JPH11298017A - 集積型薄膜光電変換装置の製造方法 - Google Patents

集積型薄膜光電変換装置の製造方法

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JPH11298017A
JPH11298017A JP10102542A JP10254298A JPH11298017A JP H11298017 A JPH11298017 A JP H11298017A JP 10102542 A JP10102542 A JP 10102542A JP 10254298 A JP10254298 A JP 10254298A JP H11298017 A JPH11298017 A JP H11298017A
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JP
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laser
beams
photoelectric conversion
laser beams
grooves
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JP10102542A
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Inventor
Katsuhiko Hayashi
克彦 林
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積の集積型薄膜光電変換装置を高い効率
と精度で製造し得る方法を提供する。 【解決手段】 集積型薄膜光電変換装置の製造方法にお
いて、絶縁基板上に順次積層された第1電極層、光電変
換層および第2電極層のうちの少なくとも1つの層を複
数の光電変換セルに対応して分割するために直線状に互
いに平行かつ等間隔Wに配置される複数の分割溝がレー
ザスクライブ法によって形成され、そのレーザスクライ
ブ法においては複数のレーザビーム11〜14が用いら
れ、隣り合うビーム間の間隔21〜23は分割溝の間隔
Wの2倍以上である整数倍に設定され、ビームと基板と
の間の相対的平行移動の間にビームの数に対応する数の
分割溝が同時に形成されていく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比較的大きな面積
の絶縁基板上に順次積層された第1電極層、半導体光電
変換層および第2電極層が複数の光電変換セルを形成す
るように複数の分割溝によって分割されかつそれら複数
のセルが電気的に直列接続される集積型薄膜光電変換装
置の製造方法に関し、特にレーザスクライブ法を利用し
て複数の分割溝を形成する工程を含む製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】太陽光のエネルギを直接電気エネルギに
変換する光電変換装置である太陽電池の実用化は近年本
格的に進められており、単結晶シリコンや多結晶シリコ
ン等を利用した結晶系太陽電池は屋外の電力用太陽電池
として既に実用化されている。他方、非結晶シリコン系
の薄膜太陽電池は、その製造のための原材料が少なくて
すみかつ大面積の集積型太陽電池が絶縁基板上に直接作
製可能なことから、低コストの太陽電池として注目され
ている。しかし、非結晶系薄膜太陽電池は屋外用として
は総じて未だ開発段階にあり、既に普及している電卓な
どの民生機器の電源用途における実績をもとにして、屋
外用途に発展させるために研究開発が進められている。
【0003】薄膜太陽電池の製造においては、CVD法
やスパッタリング法などによる薄膜の堆積ステップとレ
ーザスクライブ法などによるパターニングステップの適
宜の繰返しや組合せを含む製造プロセスによって、所望
の構造が形成される。通常は1枚の絶縁基板上に複数の
光電変換セルが電気的に直列接続された集積型構造が採
用され、屋外用途のための電力用太陽電池ではたとえば
0.8m×0.3mを超える大面積の基板が用いられ
る。
【0004】図6は、このような集積型薄膜太陽電池の
構造を模式的な断面図で示している。なお、本願の各図
において、図面の明瞭化のために、寸法関係は実際の寸
法関係を反映してはいない。図6の集積型薄膜太陽電池
においては、絶縁基板1上に第1電極層2、非晶質シリ
コンなどからなる半導体光電変換層3および第2電極層
4が順次積層されており、パターニングによって半導体
層3に設けられた接続用開口溝6を介して、互いに左右
に隣接し合う光電変換セルが電気的に直列に接続されて
いる。第1電極層2としては一般に酸化スズ(SnO
2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(IT
O)等の透明導電膜が用いられ、また、第2電極層4と
しては銀(Ag)、アルミニウム(Al)、クロム(C
r)等の金属膜が用いられる。なお、第2電極層4とし
て、ZnO,ITO等の透明導電膜とAg,Al,Cr
等の金属膜との積層膜も用いられ得る。
【0005】図6に示されているような構造を有する集
積型薄膜太陽電池は、一般に次のような方法によって作
製される。まず、ガラス基板1上にSnO2 ,ZnO,
ITO等の透明導電膜が第1電極層2として堆積され、
その第1電極層2を複数の光電変換セルに対応した複数
の領域に分割するために、レーザスクライブ法によって
第1電極分割溝5が形成される。すなわち、これらの第
1電極分割溝5は、図6の紙面に直交する方向に直線状
に延びている。そして、複数の領域に分割された第1電
極層2を覆うように、プラズマCVD法を用いて、pi
n接合等の半導体接合を含む非晶質シリコンの半導体光
電変換層3が堆積される。この半導体層3には、左右に
隣接する光電変換セルを電気的に直列接続するための接
続用開口溝としての半導体層分割溝6がレーザスクライ
ブ法によって形成される。これらの半導体層分割溝6
も、図6の紙面に垂直な方向に直線状に延びている。続
いて、これらの接続用溝6を埋めかつ半導体層3を覆う
ように、Ag,Al,Cr等の金属膜の単層または複層
が第2電極層4として堆積される。第1電極層2の場合
と同様に、第2電極層4を複数の光電変換セルに対応し
た複数の領域に分割するように、第2電極分割溝7がレ
ーザスクライブ法によって形成される。これらの第2電
極分割溝7も図6の紙面に直交する方向に直線状に延び
ており、かつ好ましくは第1電極層2に至る深さを有し
ている。このようにして、図6に示されているような集
積型薄膜太陽電池が形成される。
【0006】図6に示されているような太陽電池はセル
形成領域全面にエポキシ樹脂等の適当なパッシベーショ
ン層が塗布形成され、さらにアルミフレームや端子ボッ
クス等が取付けられて、最終的な大面積の集積型薄膜太
陽電池に仕上げられる。
【0007】ところで、このような集積型薄膜太陽電池
の従来の製造方法では、大面積の集積型太陽電池を作製
するためには、大きな基板サイズに対応した大きな相対
的移動範囲を有するレーザビームヘッドを備えたレーザ
スクライブ装置を必要とし、そのようなスクライブ装置
の駆動系は非常に高価なものになる。また、スクライブ
装置が唯一つのレーザビームヘッドを備えている場合、
そのレーザビームヘッドの駆動総延長距離が長くなり、
1枚の大きな基板を処理するのに長いタクトタイム(ヘ
ッドを振り動かす時間)がかかるという問題がある。そ
こで、レーザビームヘッドの駆動総延長距離を短くする
とともに、タクト時間を短くする試みとして、図7に示
されているように、複数のレーザビームヘッドで同時に
複数のスクライブを行なう方法が提案された。
【0008】なお、1つのレーザビームヘッドが1つの
レーザ発振器を備えることも可能ではあるが、一般には
レーザビームヘッドの数とレーザ発振器の数とは必ずし
も一致するものではない。例えば1つのレーザ発振器か
ら射出されたレーザビームを少なくとも1つのハーフミ
ラーで複数のビームに分割した後に、それらの分割され
たビームをミラーや光ファイバを用いてレーザビームヘ
ッドに供給することが可能である。
【0009】図7に示された集積型薄膜太陽電池の製造
方法では、基板1上の第1電極層2、光電変換層3およ
び第2電極層4の少なくともいずれかにおいて、等間隔
Wで配置される分割溝がレーザスクライブ法で形成され
る。このレーザスクライブ法では、3つのレーザビーム
11,12,13がスクライブ線に直交する方向に等間
隔Wで並列に並べられる。第1、第2および第3のレー
ザビーム11,12,13は、それぞれ、実線、破線お
よび一点鎖線で表わされたスクライブ溝を形成する。な
お、図7においては、3つのレーザビームが示されてい
るが、このビームの数は他の複数の数が用いられてもよ
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、図7に
示された製造方法では、複数のレーザビームは隣り合う
分割溝の間隔Wに対応して配置される。ここで、分割溝
の間隔Wは通常は約1cm程度であり、このように比較
的狭い間隔で複数のレーザビームを配列しかつそれらの
ビームを基板に対して精度よく相対的に移動させるのは
容易ではない。
【0011】また、図7においては3つのレーザビーム
11,12,13が基板1に対して相対的にその基板の
左方端部から右方端部まで走査させられた後に再度左方
端部に戻されるが、こときに、たとえば第1のレーザビ
ーム11は分割溝の間隔Wの3倍のシフト量31だけ基
板1に対して相対的にシフトされなければならず、他の
ビームについても同様である。このようなレーザビーム
の1回のシフト量が大きくなればなるほど、基板に対す
るビームの相対的シフト量を高い精度で制御することが
困難となる。
【0012】さらに、基板上でスクライブが完了するま
でに、たとえば第1のレーザビーム11はほとんど基板
1の全範囲に近い領域41内で走査させられなければな
らず、他のビームについても同様である。すなわち、3
つのビームの各々の移動範囲は単一のビームですべての
分割溝を形成する場合に比べてほとんど縮小されず、マ
ルチビームのレーザスクライブ装置であっても広範なビ
ーム可動範囲を維持しなければならない。
【0013】さらにまた、形成されるべき分割溝の本数
がレーザビームの数で割切れない場合、図7の下部に示
された第3ビーム13のように、スクライブの必要のな
い領域にビームを照射することが生じ、スクライブ装置
にダメージを与えたり、その不要なビーム照射により生
じた粉塵が太陽電池に混入するといいう問題をも生じ得
る。
【0014】以上のような先行技術の状況に鑑み、本発
明は、大きな受光面積を有していても高い光電変換効率
と信頼性を有する集積型薄膜光電変換装置を低コストの
レーザスクライブ装置を用いて高いスループットと歩留
りで製造し得る方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、絶縁基
板上に順次積層された第1電極層、半導体光電変換層お
よび第2電極層が複数の光電変換セルを形成するように
分割されかつそれら複数のセルが電気的に直列接続され
る集積型薄膜光電変換装置の製造方法は、それらの第1
電極層、光電変換層および第2電極層のうちの少なくと
も1つの層において、その層を複数のセルに対応して分
割するために直線状で互いに平行かつ等間隔Wに配置さ
れる複数の分割溝がレーザスクライブ法によって形成さ
れ、そのレーザスクライブ法においては複数のレーザビ
ームが用いられ、それら複数のレーザビームの隣り合う
ビーム間の間隔は分割溝の間隔Wの2倍以上である整数
倍に設定され、レーザビームと基板との間の相対的平行
移動の間にレーザビームの数に対応する数の分割溝が同
時に形成されていくことを特徴としている。
【0016】このような製造方法においては、隣り合う
レーザビームの間隔が隣り合う分割溝の間隔Wの2倍以
上の広い間隔に設定されるので、複数のレーザビームの
並列配置が容易となり、基板に対する相対的移動の精度
を高めることもできる。また、各レーザビームの基板に
対する相対的移動範囲を縮小させることができ、レーザ
スクライブ装置の低コスト化も可能になる。
【0017】本発明の製造方法においては、好ましく
は、複数のレーザビームの少なくとも一部は個別的に照
射と休止を選択可能にされている。
【0018】これによって、スクライブの必要のないと
ころにレーザビームが照射されることによるスクライブ
装置の損傷を防止し得るとともに、不要なビーム照射に
よって生じる粉塵が太陽電池に混入するということを防
止でき、その結果として、高い光電変換効率と信頼性を
有する大面積の集積型薄膜光電変換装置を高歩留りで製
造することが可能になる。
【0019】本発明による製造方法においては、複数の
レーザビームは基板の第1の端部から第2の端部に向か
う第1方向の走査が完了した後に、その第1方向に直交
する1方側に分割溝の間隔Wに対応する距離だけシフト
させられ、同様に第2の端部から第1の端部に戻る第2
方向の走査が完了した後に、その第2方向に直交する上
記1方側に分割溝の間隔Wに対応する距離だけシフトさ
せられ、このような第1方向と第2方向のレーザビーム
走査が交互に繰返されて、その間に分割溝は第1方向の
レーザビーム走査のみならずその逆方向である第2方向
のレーザビーム走査においても形成されていくことが好
ましい。
【0020】こうすることによって、複数のレーザビー
ムがそれらの走査方向に直交する方向に基板に対して相
対的にシフトさせられる量が隣り合う分割溝の間隔Wに
一致するように小さくされるので、レーザビームのシフ
トの制御をより高精度で行なうことができる。また、複
数のレーザビームは基板の第1の端部から第2の端部に
向かう第1方向のみならず第2の端部から第1の端部に
戻る第2方向においても照射されるので、複数の分割溝
の形成の効率が高められる。したがって、大面積の集積
型薄膜光電変換装置を高精度でかつ高いスループットで
製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の種々の実
施の形態が図面を参照して説明される。
【0022】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1による集積型薄膜光電変換装置の製造方法におけ
るレーザスクライブ工程を模式的な平面図で図解してい
る。このレーザスクライブにおいては、第1から第4の
レーザビーム11,12,13,14が用いられ、それ
ぞれのビームが実線1、破線、一点鎖線および二点鎖線
で表わされた分割溝を形成する。
【0023】第1と第2のビーム11,12の間隔21
は隣り合って形成されるべき分割溝の間隔Wの2倍であ
る2Wに設定され、第2と第3のビーム12,13の間
隔22は分割溝の間隔Wの3倍である3Wに設定され、
そして、第3と第4のビーム13,14の間隔は分割溝
の間隔Wの4倍である4Wに設定されている。すなわ
ち、本発明の製造方法において利用されるレーザスクラ
イブ法においては、複数のレーザビームの隣り合うビー
ム間の間隔は分割溝の間隔Wの2倍以上である整数倍で
あればよく、複数のビームが必ずしも等間隔に配置され
る必要はない。
【0024】点線の丸印で表わされた複数の初期レーザ
ビーム11,12,13,14は、基板1に関して左方
向端部から右方向端部に向かう第1の方向に相対的に走
査させられる。基板1の右方向端部においては、第1の
ビーム11は走査方向に直交する方向にシフト量31だ
けシフトさせられ、他のビームも同じ方向に同じ量だけ
シフトさせられる。このビームシフト量31は、図7に
示された従来技術の場合のように隣り合う分割溝の間隔
Wの3倍である3Wではなくて、その溝の間隔Wに等し
い。すなわち、本発明におけるレーザビームスクライブ
法では、従来に比べてビームシフト量が小さいので、ビ
ームシフトをより高い精度で行なうことができる。
【0025】基板1の右方端部で走査方向に直交する方
向に距離Wだけシフトさせられた4つのビーム11,1
2,13,14はその右方端部から左方端部に戻る第2
の方向に走査させられる。そして、基板1の左方端部に
戻った4つのビームは、右方端部におけるシフトと同様
に、走査方向に直交する方向にWだけシフトさせられ
る。このようにして、第1方向とその逆方向である第2
方向とのレーザビーム走査が交互に繰返されて、所望の
数の分割溝が形成される。
【0026】ただし、図1の実施の形態においては、複
数のレーザビームの各々が個別的に照射と休止を選択し
得るようにされている。たとえば、第1レーザビーム1
1は、既に第2ビーム12によって形成された分割溝を
再び照射する位置関係になったときに、×印11xで表
わされているように、シャッタまたは駆動停止によって
その照射が中止させられる。同様に、第2レーザビーム
12は、既に第3ビーム13によって形成された分割溝
を再び照射する位置関係になったときに、×印12xで
表わされているように、その照射が休止させられる。ま
た、第4レーザビーム14は、基板1上の領域を外れて
スクライブ装置の一部を照射する位置関係になったとき
に×印14xで表わされているように、その照射が休止
させられる。
【0027】このように、本発明におけるレーザスクラ
イブ法では、望まれる場合には複数のレーザビームのう
ちの一部が休止させられるので、不要なビーム照射によ
って生じた粉塵が光電変換装置に混入してその特性や信
頼性を低下させるということを防止し得る。
【0028】以下において、図1のみならず図6をも参
照しながら、実施の形態1による集積型薄膜光電変換装
置の製造方法をさらに説明する。まず、ガラス基板1上
に、SnO2 ,ZnO,ITO等の透明導電膜が、第1
電極層2として堆積される。この第1電極層2は、複数
の光電変換セルに対応する複数の領域に分割されるよう
にレーザスクライブ法によって加工され、複数の第1電
極分割溝5が形成される。この際に、図1に示されてい
るようなレーザスクライブ法を用いることができる。
【0029】第1電極層2上には、それを覆う半導体光
電変換層3として、プラズマCVD法によってpin接
合などの半導体接合を含む水素化非晶質シリコン層が堆
積される。この半導体層はあくまで一例であり、たとえ
ば第1電極層2側から見てnip接合を含んでもよく、
複数の光電変換ユニット層が積層されたタンデム型構造
を含んでもよい。半導体層の主たる材料としても、水素
化非晶質シリコンだけでなく、非晶質、多結晶、または
微結晶、あるいはこれらの組合せを用いてもよく、シリ
コン以外にもシリコンカーバイド、シリコンゲルマニウ
ム、ゲルマニウム、3−5族化合物、2−6族化合物、
1−3−6族化合物、さらにはこれらの組合せを用いる
こともできる。
【0030】このような半導体層3は、レーザスクライ
ブ法によって加工され、複数の半導体分割溝6が形成さ
れる。この際に、図1に示されているようなレーザスク
ライブ法を利用することができる。これらの半導体分割
溝6は、複数の光電変換セルに対応して半導体層3を複
数の領域に分割するとともに、隣接するセル間の電気的
な直列接続を可能にするための接続用開口溝の働きをも
兼ねる。
【0031】半導体層3上には、接続用開口溝6を埋め
ながら第2電極層4がスパッタリング法によって堆積さ
れる。第2電極層4の材料としては、ZnO,Sn
2 ,ITO等の透明導電材料、またはAl,Ag,C
r等の金属材料を用いることができ、さらにはこれらの
積層体を用いてもよい。
【0032】このような第2電極層4はレーザスクライ
ブ法によって加工され、複数の第2電極分割溝7が形成
される。第2電極分割溝7は複数の光電変換セルに対応
して第2電極層4を複数の領域に分割することを目的と
するが、その溝の深さは少なくとも半導体層3に含まれ
る比較的導電性の良好なn型層を貫通する深さであるこ
とが好ましく、最も好ましくは第2電極層2に至る深さ
を有することが好ましい。
【0033】このようにして、基板1上に複数の細長い
帯状の光電変換セルが形成され、隣接する光電変換セル
は接続用開口6を介して互いに電気的に直列接続されて
いることになる。このようにして形成された図6に示さ
れているような集積型薄膜光電変換装置の上面は、エポ
キシ樹脂等の適当なパッシベーション層(図示せず)に
よって覆われて保護される。
【0034】(実施の形態2)図2は、本発明の実施の
形態2による集積型薄膜光電変換装置の製造方法におけ
るレーザスクライブ工程を模式的な平面図で図解してい
る。図2に示されているレーザスクライブ法は図1のも
のに類似しているが、図2においては4つのレーザビー
ム11,12,13,14が等間隔に配置されている。
すなわち、4つのレーザビームにおいて互いに隣り合う
いずれの2つのレーザビームの間隔も分割溝の間隔Wの
4倍である4Wに設定されている。このような図2の実
施の形態を図1の場合と比較すれば、図1においては4
つのレーザビームを用いて第1の方向とその逆方向であ
る第2の方向とを含めて合計で4回のビーム走査によっ
て12本の分割溝が形成されているが、図2の場合にお
いては同じ4つのレーザビームによる4回の走査によっ
て16本の分割溝が形成される。しかも、図1と図2に
おいて合計シフト量41で表わされているように、各レ
ーザビームが基板上で走査すべき領域は同じである。
【0035】すなわち、図2の実施の形態は、形成され
るべき分割溝の数mが16本であってレーザビームの数
nが4つの場合であり、m÷n=4として割切れる最も
効率のよいスクライブの場合である。
【0036】(実施の形態3)図3は、本発明の実施の
形態3による集積型薄膜光電変換装置の製造方法におけ
るレーザスクライブ工程を模式的な平面図で図解してい
る。図3の実施の形態においては、図2の場合に類似し
て4つのレーザビーム11,12,13,14が等間隔
に配置されている。しかし、図2の場合にはレーザビー
ムの等間隔が分割溝の間隔Wの4倍である4Wに設定さ
れているのに対して、図3においては4つのビーム間の
等間隔が分割溝Wの3倍である3Wに設定されている。
なお、図3中の×印は、図1中の×印と同様に休止され
ているレーザビームを表わしている。図3の実施の形態
においては、形成されるべき溝の本数はm=13であっ
て、レーザビームの数はn=4であり、レーザビームの
走査回数は4回である。このようなレーザスクライブ法
を一般化して式で表わせば、m=n×k+1であって、
等間隔であるビーム間隔はk×Wで表わされ、kは2以
上の整数である。
【0037】(実施の形態4)図4は、本発明の実施の
形態4による集積型薄膜光電変換装置の製造方法におけ
るレーザスクライブ工程を模式的な平面図で図解してい
る。図4の実施の形態においては、図2の場合と同様に
4つのレーザビーム11,12,13,14が4Wの等
間隔で配置されているが、形成されるべき溝の数は14
である。すなわち、溝の数はm=14であって、レーザ
ビームの数はn=4であり、ビームの走査回数は4回で
ある。これをより一般的な式で表わせば、m=(n−
1)×k+2であり、等間隔のビーム間隔はk×wで表
わされる。すなわち、この実施の形態4による方法で
は、(n−1)×k+1≦m≦n×k+1を満たす範囲
内にあるm本の分割溝を形成することができる。
【0038】(実施の形態5)図5は本発明の実施の形
態5による集積型薄膜光電変換装置の製造方法における
レーザスクライブ工程を模式的な平面図で図解してい
る。図5の実施の形態においては、4つのレーザビーム
11,12,13,14が配置されているが、それらの
間隔の一部が変化させられている。
【0039】すなわち、第1と第2のレーザビームの間
隔21は4Wに設定され、第2と第3のレーザビーム1
2,13の間隔23も4Wに設定されているが、第3と
第4のレーザビーム13,14の間隔23は3Wに設定
されている。このように配置された4つのレーザビーム
によって、14本の分割溝が形成される。すなわち、図
5の実施の形態においては、形成されるべき溝の数はm
=14であってレーザビームの数はn=4であり、4回
のビーム走査によってそれらの分割溝が形成される。一
般に表現すれば、kが3以上の整数として、第1と第2
のビーム11,12の間隔21はk×wであり、第2と
第3のビーム12,13の間隔22もk×wであり、第
3と第4のビーム13,14の間隔23は(k−1)×
wである。このような図5の実施の形態によれば、n×
(k−1)+1≦m≦n×k+1を満たす範囲内のm本
の分割溝が形成され得る。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、大きな
受光面積を有していても高い光電変換効率と信頼性を有
する集積型薄膜光電変換装置を低コストのレーザスクラ
イブ装置を用いて高いスループットと歩留りで製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による集積型薄膜光電変
換装置の製造方法を説明するための模式的な平面図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態2による集積型薄膜光電変
換装置の製造方法を説明するための模式的な平面図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態3による集積型薄膜光電変
換装置の製造方法を説明するための模式的な平面図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態4による集積型薄膜光電変
換装置の製造方法を説明するための模式的な平面図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態5による集積型薄膜光電変
換装置の製造方法を説明するための模式的な平面図であ
る。
【図6】集積型薄膜光電変換装置の構造を説明するため
の模式的な断面図である。
【図7】先行技術による集積型薄膜光電変換装置の製造
方法を説明するための模式的な平面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 透明な第1電極層 3 半導体光電変換層 4 金属層を含む第2電極層 5 第1電極層分割溝 6 半導体層分割溝 7 第2電極層分割溝 11〜14 レーザビーム 11x〜14x 休止されたレーザビーム 21〜23 レーザビーム間隔 31 レーザビームの1回のシフト量 41 1つのレーザビームが走査すべき範囲

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に順次積層された第1電極
    層、半導体光電変換層および第2電極層が複数の光電変
    換セルを形成するように分割されかつそれら複数のセル
    が電気的に直列接続される集積型薄膜光電変換装置の製
    造方法であって、 前記第1電極層、前記光電変換層および前記第2電極層
    のうちの少なくとも1つの層において、その層を前記複
    数のセルに対応して分割するために直線状で互いに平行
    かつ等間隔Wに配置される複数の分割溝がレーザスクラ
    イブ法によって形成され、 前記レーザスクライブ法においては複数のレーザビーム
    が用いられ、前記複数のレーザビームの隣り合うビーム
    間の間隔は前記分割溝の間隔Wの2倍以上である整数倍
    に設定され、前記レーザビームと前記基板との間の相対
    的平行移動の間に前記レーザビームの数に対応する数の
    前記分割溝が同時に形成されていくことを特徴とする集
    積型薄膜光電変換装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記複数のレーザビームの少なくとも一
    部は個別的に照射と休止を選択し得ることを特徴とする
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記複数のレーザビームは、前記基板の
    第1の端部から第2の端部に向かう第1方向の走査が完
    了した後に、前記第1方向に直交する1方側に前記分割
    溝の間隔Wに対応する距離だけシフトさせられ、同様に
    前記第2の端部から前記第1の端部に戻る第2方向の走
    査が完了した後に、前記第2方向に直交する前記1方側
    に前記分割溝の間隔Wに対応する距離だけシフトさせら
    れ、このような第1方向と第2方向のレーザビームの走
    査が交互に繰返されて、その間に前記分割溝は前記第1
    方向のレーザビーム走査のみならずその逆方向である前
    記第2方向のレーザビーム走査においても形成されてい
    くことを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記複数のレーザビームは等間隔kWに
    配置された3以上のビームを含み、ここでkは2以上の
    一定の整数であることを特徴とする請求項1から3のい
    ずれかの項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記複数のレーザビームは3以上のビー
    ムを含み、かつ隣り合うビームの間隔として(k−1)
    ×Wの間隔とk×Wの間隔を含み、ここでkは3以上の
    一定の整数であることを特徴とする請求項1から3のい
    ずれかの項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 形成されるべき前記複数の分割溝の数が
    mであって、前記複数のレーザビームの数がnである場
    合に、(n−1)×k+1≦m≦n×k+1を満たすよ
    うにnとkが定められることを特徴とする請求項4に記
    載の製造方法。
  7. 【請求項7】 形成されるべき前記複数の分割溝の数が
    mであって、前記複数のレーザビームの数がnである場
    合に、n(k−1)+1≦m≦n×k+1を満たすよう
    にnとkが定められることを特徴とする請求項5に記載
    の製造方法。
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