JPH1129407A - 殺菌消毒剤組成物 - Google Patents

殺菌消毒剤組成物

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JPH1129407A
JPH1129407A JP18864097A JP18864097A JPH1129407A JP H1129407 A JPH1129407 A JP H1129407A JP 18864097 A JP18864097 A JP 18864097A JP 18864097 A JP18864097 A JP 18864097A JP H1129407 A JPH1129407 A JP H1129407A
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test
bacteria
present
disinfectant
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JP18864097A
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Mitsuru Yamashita
滿 山下
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PIRITAN KK
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PIRITAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】病原菌の増殖を抑制し、その抑制効果を維持で
きる新しい殺菌消毒剤組成物を提供。 【解決手段】スルファメトキサゾール、クロルキシレノ
ール及び3,4,5,6−テトラクロロピリダジンから
選ばれる少なくとも2種を有効成分とし且つイソプロピ
ルアルコール、酢酸及びポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種を溶
解補助剤として含有する殺菌消毒剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は殺菌消毒剤組成物、
より詳しくは病原菌等の微生物の増殖を抑制し、その抑
制効果を維持できる新しい殺菌消毒剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、微生物を死滅させるための殺
菌消毒剤等は、広範な各種の分野で種々使用されてお
り、之等を効果的に使用するためには、その濃度、反応
時間(接触時間)、使用温度、使用場所等を選ぶ必要が
あり、また、その効果的・経済的使用には、殺菌消毒効
果と被処理対象菌の抵抗性を知っておくことが大切であ
る。
【0003】現在知られている殺菌消毒剤中、効果の比
較的強いものとしては、グルタラール、次亜塩素酸ナト
リウム、アルコール類、ヨードホルム、ヨードチンキ、
ポピドンヨード等のヨード製剤、両性界面活性剤、クロ
ルヘキシジン、逆性石鹸等であり、生体に対しては、逆
性石鹸、クロルヘキシジン、ポビドンヨード等が、環境
消毒にはグルタラール、次亜塩素酸ナトリウム、クレゾ
ール石鹸液、両性界面活性剤等が適しているとされてい
る。
【0004】しかしながら、之等はそれぞれ以下に示す
ような欠点を有している。即ち、グルタラールは強力な
消毒効果を奏し得る反面、副作用も強く、例えば該薬液
の付着及びその蒸気の吸入による皮膚炎、皮膚の白色
化、硬化、結膜炎、鼻刺激症、偽膜性咽頭気管支炎、ア
レルギー等を発生する危険が大きく、その取り扱いには
注意を要する。
【0005】次亜塩素酸ナトリウムは、発生する塩素ガ
スが眼や呼吸器系を刺激し、高濃度になれば咽頭や気管
支の痛み、咳、嘔吐、息苦しさ等を生じ、重症の場合は
チアノーゼや充血を伴った肺浮腫、頻呼吸を生じるおそ
れもある。エタノールやイソプロピルアルコール等のア
ルコール類は、中枢抑制作用を有するので取り扱いに注
意が必要である。ヨードホルムやヨードチンキ等のヨー
ド製剤は、多頻度使用で血中ヨウ素濃度を上昇させ、甲
状腺機能異常、代謝性アシドーシス、腎不全等を惹起さ
せる危険がある。クレゾール石鹸等は腐食性が強く、ま
た損傷皮膚から吸収されやすい特性があり、その吸収に
よれば、腎不全、肝障害、溶血に基づく高ビリルビン血
症等が起る。クロルヘキシジンは、経口毒性は低く、正
常皮膚に対する毒性も低いが、高濃度使用によればショ
ック症状を起こす危険があり、また目に入ると重篤な角
膜障害を生じる。
【0006】更に、オキシドール、ビオクタニン、アク
リノール等も低毒性消毒剤として知られているが、オキ
シドールでは菌交代症(カンジダ症)や浮腫発生が、他
のものでも重篤な副作用がそれぞれ報告されている。
【0007】之等消毒剤における副作用は、患者のみな
らずこれを取り扱う作業者等にも及ぶ点で、抗菌性化学
療法剤とは大きく異なっており、かかる副作用等のでき
るだけ少ない殺菌消毒剤の研究、開発が各種業界で要望
されている。
【0008】また最近、消毒すべき菌の消毒剤に対する
抵抗性、即ち耐性化が問題となってきており、この点か
らも消毒剤の種類、使用濃度、適用菌の種類等を考慮し
た選択が重要な課題となり、また耐性化の起こりにくい
消毒剤の開発が要望されている。
【0009】一方、医療現場における院内感染は、患者
間のみならず、医療従事者や医療器具等の環境を介して
起こることから、かかる院内感染の防止対策としての、
殺菌効果が強く、人体、例えばヒトの皮膚等に対する悪
影響が少なく、しかも被消毒物の損傷等のおそれのない
殺菌消毒剤の研究、開発も重要な課題である。事実、皮
膚に対して最も毒性の低い消毒剤の一つとして知られて
いるクロルヘキシジンといえども、その通常慣用される
濃度、0.1〜0.5%での使用で、アレルギー性接触
皮膚炎の発症率が数%に及ぶことが知られている。
【0010】尚、上記院内感染の原因菌であるメチシリ
ン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-Resistant Staphy
lococcus aureus; MRSA )は、基本的には消毒剤抵抗性
の弱い一般細菌に属し、比較的消毒しやすいものと認識
され、例えば0.2〜0.5%の塩化ベンザルコニウ
ム、クロルヘキシジン、両性界面活性剤等での清拭や浸
漬処理、消毒用エタノールでの清拭、0.01%次亜塩
素酸ナトリウムへの浸漬等や、ポビドンヨード、0.0
5%クロルヘキシジン等による処理で消毒されると考え
られる。しかるに、病院内での消毒対象は、上記細菌に
限らず、多種多様の真菌類、ウイルス類、その他アメー
バー赤痢や膣トリコモナス等の原虫やダニ類(疥癬虫)
等にも及んでいる。
【0011】更に、機械、器具の滅菌処理には、通常エ
チレンオキサイドガスが用いられているが、これはその
取り扱いが悪いと悪心、嘔吐や化学熱傷等の急性毒性や
長期暴露による慢性毒性が問題となる。ホルムアルデヒ
ドガスも知られているが、これは0.05ppm以上の
濃度になると悪臭が顕著となり、眼や呼吸器系の刺激、
皮膚炎、喘息等の原因となる。
【0012】現在、機械、器具等の消毒は、耐熱材の場
合、温水洗浄消毒が最適なものとされている。鋼製手術
器具(鉗子、剪刀、ピンセット等)は、水洗後、2%グ
ルタラール消毒剤への1時間浸漬処理が推奨されてい
る。人工呼吸器、麻酔器の外部回路等は、高圧蒸気滅菌
やエチレンオキサイドガス滅菌により消毒されている。
酸素湿潤器は週1回の温水消毒が最低必要である。ネプ
ライザーは感染源となり得るので、通常80℃、1分間
以上の温水洗浄処理又は0.01%次亜塩素酸ナトリウ
ム1時間浸漬処理が行なわれている。カメラ、顕微鏡等
は消毒用エタノールでの清拭又はホルムアルデヒドガス
による滅菌処理が行なわれている。内視鏡はエチレンオ
キサイドガス又は2%グルタラールによる3時間以上の
浸漬処理がなされている。リネンの消毒は、65℃、1
0分間以上の温水で洗剤と共に洗濯処理が行なわれ、血
液汚染リネンの場合、上記洗濯時に最終段階のすすぎ水
中に0.1%次亜塩素酸ナトリウムを添加して、30分
以上接触させる処理が行なわれている。浴槽の消毒は、
0.02%次亜塩素酸ナトリウムや0.2%両性界面活
性剤による清拭が行なわれている。
【0013】食品工場における殺菌消毒は、食中毒等の
予防のため、日常の手洗いと製造機具の使用前後におけ
る殺菌処理、工場内の日常清掃殺菌処理のローテーショ
ンと清掃、清拭方法が実行されている。尚、食品工場に
おける消毒対象菌としては、食中毒の原因菌としての、
例えばサルモネラ菌、ブドウ球菌、ポツリヌス菌、腸炎
ビブリオ菌、病原性大腸菌、ウエルシュ菌、セレウス
菌、エルシニア・エンテロコリチカ、カンピロバクター
・ジュジュニ/コリ、ナグビブリオ、エロモナス・ヒド
ロフィラ、エロモナス・ソブリア、プレシオモナス・シ
ゲロイデス、ビブリオ・フルビアリス等の細菌類の他、
経口伝染病の原因菌である赤痢菌、腸チフス菌、パラチ
フス菌、コレラ菌等の細菌群や急性灰白髄炎、伝染性下
痢症、泉熱、流行性肺炎等の原因ウイルス類等を例示で
きる。
【0014】以上のように、現在各種分野において多種
多様の殺菌消毒剤が用いられてきているが、之等はそれ
ぞれ一長一短があり、之等に代わってより殺菌消毒効果
の改善された殺菌消毒毒剤の開発が待たれている現状に
ある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、抗菌スペクトルが広く、殺菌消毒効果が強く、耐性
菌の出現を抑制でき、しかも人体、機械等に対する悪影
響のできるだけ少ない改良された殺菌消毒剤組成物を提
供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的より
鋭意研究を重ねた結果、スルファメトキサゾール、クロ
ルキシレノール及び3,4,5,6−テトラクロロピリ
ダジンから選ばれる少なくとも2種を組合せて有効成分
とし、之等を特定の溶解補助剤と共に配合した組成物
が、上記目的に合致することを見い出し、ここに本発明
を完成するに至った。
【0017】即ち、本発明によれば、スルファメトキサ
ゾール、クロルキシレノール及び3,4,5,6−テト
ラクロロピリダジンから選ばれる少なくとも2種を有効
成分とし且つイソプロピルアルコール、酢酸及びポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレングリコールから選ば
れる少なくとも1種を溶解補助剤として含有することを
特徴とする殺菌消毒剤組成物、より好ましくは滅菌精製
水に溶解させた水溶液形態の上記組成物及び紙類、天然
繊維、ゴム類、合成樹脂類、モルタル・コンクリート及
び塗料から選ばれる担持体に添着させた形態の上記組成
物が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明において、有効成分の一つ
とすることのできるスルファメトキサゾールは、C10
1133S(分子量253.28)で表わされ、ブドウ
球菌、連鎖球菌、大腸菌、クレブシエラの菌種に対する
抗細菌薬として、慢性膀胱炎やびらん・潰瘍及び術後の
二次感染並びに之等の感染予防に適応症を認められてい
る。
【0019】他方の有効成分として用い得るクロルキシ
レノールは、4−クロロ−3,5−キシレノール(C8
9ClO,分子量156.61)とも呼ばれ、非刺激
性防腐・殺菌剤として、セニリア菌、ペニシリン生産
菌、黒カビ、クモノスカビ、モカビ、乳汁オイジウム、
酵母、酵母様糸状菌、アリタナリア菌等の菌類、酵母
類、カビ類や緑膿桿菌、尋常変形菌、大腸菌、好気性菌
等のグラム陰性菌、枯草菌、黄色ブドウ状菌、住水桿
菌、連鎖状球菌等のグラム陰性菌に殺菌性を有する。
【0020】また他方の有効成分として用いることので
きる3,4,5,6−テトラクロロピリダジンは、C4
Cl42(分子量217.86)で表わされ、クロドス
ポリウム、フザリウム、アスペルギルス、トリコデルナ
菌、ミズカビ、ケカビ、クモノスカビ等に殺菌性を有す
る。
【0021】本発明における上記有効成分とする各化合
物は、その少なくとも2種を組み合わせて利用すること
が重要である。之等の配合比率及び配合量は、之等が本
発明所期の相乗的効果を奏し得る限り限定されるもので
はないが、通常その配合比率は、重量%で全組成物中に
スルファメトキサゾールが4〜15重量%程度、クロル
キシレノールが10〜30重量%程度及び3,4,5,
6−テトラクロロピリダジンが0〜6重量%程度の範囲
から選択されるのが好ましい。特に、スルファメトキサ
ゾールとクロルキシレノールとの2成分を併用する場合
は、前者4〜15重量%程度と後者10〜30重量%程
度とを併用するのがよく、スルファメトキサゾールと
3,4,5,6−テトラクロロピリダジンとの併用の場
合、前者4〜15重量%程度と後者3〜10重量%程度
との組合せが好ましく、クロルキシレノールと3,4,
5,6−テトラクロロピリダジンとの併用の場合、前者
10〜30重量%程度と後者3〜10重量%程度の組合
せが好ましい。
【0022】本発明者らは之等有効成分の2種以上の併
用が、従来の多種に亘る殺菌、消毒剤に認められる欠
点、弊害等を悉く解消して、之等公知の殺菌消毒剤では
達成できなかった非常に優れた抗菌作用(抗菌スペクト
ル、最小発育阻止濃度等)、耐性菌発生抑制効果、その
他の効果、例えば皮膚等に対する安全性、副作用の少な
さ、機械等に対する損傷危険性の低下等を発揮すること
を初めて見出した。しかるに、この本発明組成物に特有
の効果は、上記有効成分のそれぞれを単独で用いる場合
には認められないものであり、また、従来の他の殺菌剤
乃至消毒剤では勿論のこと、之等を本発明の有効成分の
いずれかと併用する場合でも認められないものである。
【0023】事実、本発明において有効成分とする上記
スルファメトキサゾールと同様のサルファ剤に属する他
の化合物は、いずれも本発明特有の効果を奏し得ない。
このサルファ剤には、スルファジメトキシン、スルファ
フェナゾール、スルファメチゾール、スルファメトキシ
ピリダジン、スルファモノメトキシン、スルフィソキサ
ゾール、スルファグアニジン、スルファジアジン、スル
ファチアゾール、スルファメラジン、スルフィソキサゾ
ール、スルフィソミジン、スルフィソミジンナトリウ
ム、スルホキリンナトリウム、セファロスポリン系のセ
ファクロル、セファゾリンナトリウム、セファトリジン
プロピレングリコール、セファドロキシル、セファマン
ドールナトリウム、セファレキシン、セファロチンナト
リウム、セファロリジン、セフォキシチンナトリウム、
セフォタキシムナトリウム、セフォテタン、セフラジ
ン、セフロキサジン、セフロキシムナトリウム、セフメ
タゾールナトリウム、セフチゾンナトリウム、セフォペ
ラゾンナトリウム、セフスロジンナトリウム等が包含さ
れる。
【0024】また、クロルキシレノールも同様であり、
その属するフェノール誘導体である例えばo−クロロフ
ェノール、p−クロロフェノール、2,4−ジクロロフ
ェノール、2,4−ジニトロフェノール、トリクロロフ
ェノール、3−メチル−4−クロロフェノール、4−ク
ロロ−3,5−キシレノール等には、同様の効果は認め
られない。
【0025】更に、3,4,5,6−テトラクロロピリ
ダジンは、各種のピリダジン誘導体、例えば3,6−ジ
クロロピリダジン、3−イソプロピル−6−(2′,
4′−ジクロロフェノキシ)s−トリアゾロ〔4,3−
6〕ピリダジン、3−クロロ−6−(2,6−ジアリル
フェノキシ)ピリダジン、1,6−ジヒドロ−1−クロ
ロメチル−3−メチル−6−(4)オキソ−ピリダジ
ン、3−アルコキシ−6−アルキリデンヒドラジノピリ
ダジン、3,6−ジハロゲノ−4−ピリダジン、6−ア
ミノ−3−クロロピリダジン、6−(4−クロロフェニ
ル)−2−プロパルギル−4,5−ジヒドロピリダジ
ン、ヘキサヒドロピリダジン、3−ブロモ−6−メチル
ピリダジン等と比較して選出されたものである。
【0026】本発明殺菌消毒剤組成物は、最も一般的に
は、上記2種以上の有効成分の各所定量を、特定の溶解
補助剤を用いて水中に溶解させることにより、水溶液形
態に調製することができる。ここで溶解補助剤として
は、イソプロピルアルコール、酢酸及びポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレングリコールから選ばれる少な
くとも1種を用いる。之等の使用割合は、得られる本発
明組成物中に、それぞれ10〜40%(重量%、以下同
じ)、2〜3%及び24〜25%となる範囲から適宜選
択されるのが好適である。
【0027】上記水溶液形態の本発明組成物は、通常有
効成分濃度が1〜30W/V%程度に調製されて、殺菌
消毒が要望される箇所に、通常の方法、例えば塗布、散
布、噴霧、浸漬等により適用される。
【0028】本発明組成物は、また上記で調製される水
溶液形態で利用できる他、本発明組成物を紙類、天然繊
維、ゴム類、合成樹脂類、モルタル・コンクリート及び
塗料から選ばれる担持体に添着させた形態で利用するこ
ともできる。ここで担持体として用いられる紙類、天然
繊維、ゴム類、合成樹脂類、モルタル・コンクリート及
び塗料には、通常の各種のものが包含される。代表例と
しては、例えばパルプ等の紙類、コットン不織布等の天
然繊維、スチレン−ブチジエンゴム(SBR)のゴム
類、ポリエチレン樹脂、アクリル系樹脂等の合成樹脂
類、セメント等のモルタル・コンクリート及びアクリル
系エマルジョン等の塗料を例示できる。之等担持体への
添着は、常法に従って、含浸、塗布、混合等により、実
施することができる。添着量は、特に限定されるもので
はないが、通常担持体重量に対して、総有効成分量が
0.1〜10重量倍程度の範囲となるように選ばれるの
が好ましい。
【0029】かかる各種形態の本発明組成物は、之等の
形態に応じて、各種の方法により適用される。その適用
法としては、例えば紙類の場合は、消毒用ウェットティ
ッシュなどを、合成樹脂の場合は抗菌性吊り輪等をそれ
ぞれ例示することができる。その適用量は前記水溶液形
態の本発明組成物のそれを目安として、適宜決定でき
る。
【0030】かくして得られる本発明殺菌消毒剤組成物
は、上記各種形態に応じて、各種方法に従い、殺菌消毒
を要求される箇所に適用して、菌類、カビ類、酵母等の
微生物の殺菌、消毒を行ない得る。
【0031】上記本発明組成物の適用により殺菌等を行
ない得る対象微生物としては、例えば食中毒細菌として
認定されているサルモネラ菌、ブドウ球菌、ポツリヌス
菌、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、ウエルシュ菌、セレ
ウス菌、エルシニア・エンテロコリチカ、カンピロバク
ター・ジェジュニ/コリ、ナグビブリオ、エロモナス・
ヒドロフィラ、エロモナス・ソブリア、プレシオモナス
・シドロイデス、ビブリオ・フルビアリスの14菌種の
他、リステリア菌等の各種の菌類に及び、また日本全国
の建築物内外に検出される、例えばアスペルキルス・ニ
ガーを含むアスペルギルス属108群、オーレオバシデ
ィウム属2群、クラドスポリウム属22群、ペニシリウ
ム属186群、チャトミウム属68群、グリオクラデュ
ウム属9群、マイロスシュム属5群、リゾプス属15
群、トリコフィトン属11群、バチラス属18群、エス
コリチア・コリ、クレブシエラ・ペニモニア、シュウー
ドモナス属36群、サルモネラ属3群、ビブリオ属2
群、キャンディダ属182群、ウロクラディウム属10
群、フザリウム属8群、フォーマ属12群、トリコデル
マ属6群、アクレモニウム属11群、アルタナリア属1
5群、フエルティシリウム属3群、ケネホウ属2群、ア
スコオマイセテス属3群、ケトミウム属、ペイシロミセ
ス属、スタチボトリス属、アルスリニウム属、ニグロス
ポラ属、フィアロフォラ属、スコレパシディウム属、ス
コプラリオプシス属、エクソフィアラ属等のカビ、細
菌、酵母等に及ぶ。
【0032】また、本発明組成物は、院内感染症の対象
となるMRSA等のブドウ球菌、連鎖球菌、変形菌(特
にプロテウス・ミラビリス)、大腸菌、緑膿菌、クレブ
シェラ属、シトロバクター属、セラチア属、ペプトスト
レプトコッカス属、シュードモナス・セバシア、枯草菌
等にも効果が認められる。
【0033】このように、本発明組成物の抗菌スペクト
ルは、上記各種の菌類、カビ類、酵母等に及ぶ広範なも
のである。その抗菌作用は、明確に解明されているわけ
ではないが、微生物の核酸合成阻害、葉酸合成阻害、細
胞壁合成阻害等の静菌的なものと考えられる。
【0034】
【発明の効果】本発明殺菌消毒剤は、特定薬剤の組合せ
による相乗効果によって、優れた殺菌消毒効果を発揮
し、しかも製剤が乾燥した場合結晶化することにより水
等に再溶解することもなく安全性が高く、微生物の増殖
阻止能も高い。
【0035】
【実施例】以下、本発明組成物の製剤例及び試験例を挙
げて、本発明を更に詳しく説明する。尚、各例中%とあ
るは重量基準による。
【0036】
【製剤例1】 スルファメトキサゾール 8% クロルキシレノール 30% イソプロピルアルコール 10% 酢酸 3% ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール 39% 滅菌精製水 10% 上記各成分を混合して本発明殺菌消毒剤を調製した。こ
れを「製剤1」という。
【0037】
【製剤例2】 スルファメトキサゾール 8% 3,4,5,6−テトラクロロピリダジン 6% イソプロピルアルコール 35% 酢酸 3% ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール 45% 滅菌精製水 3% 上記各成分を混合して本発明殺菌消毒剤を調製した。こ
れを「製剤2」という。
【0038】
【製剤例3】 クロルキシレノール 30% 3,4,5,6−テトラクロロピリダジン 6% イソプロピルアルコール 40% ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール 24% 上記各成分を混合して本発明殺菌消毒剤を調製した。こ
れを「製剤3」という。
【0039】
【製剤例4】 スルファメトキサゾール 4% クロルキシレノール 10% 3,4,5,6−テトラクロロピリダジン 3% イソプロピルアルコール 30% 酢酸 2% ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール 45% 滅菌精製水 6% 上記各成分を混合して本発明殺菌消毒剤を調製した。こ
れを「製剤4」という。
【0040】
【製剤例5】 スルファメトキサゾール 15% クロルキシレノール 25% イソプロピルアルコール 10% 酢酸 4% ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール 40% 滅菌精製水 6% 上記各成分を混合して本発明殺菌消毒剤を調製した。こ
れを「製剤5」という。
【0041】
【試験例1】本発明殺菌消毒剤組成物の、手指の消毒剤
としての有効性を確かめる目的で、製剤例1〜5で調製
した各組成物、及び比較のため本発明組成物において有
効成分とする各成分単独、即ちスルファメトキサゾール
(SMXという)、クロルキシレノール(CMXとい
う)及び3,4,5,6−テトラクロロピリダジン(T
CPという)単独、並びに他の殺菌消毒剤有効成分であ
るグルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、塩化ベンザ
ルコニウム(BAC)及びポビドンヨード(PVI)を
供試薬液としてそれぞれ0.05〜0.5%の範囲の所
定濃度で用いて、以下の各供試菌(それぞれ3株ずつ使
用)に対する抗菌作用を大月千祐らの方法(医薬ジャー
ナル、20(7)、1984)に準じて、次の通り試験
した。即ち、この溶液を1/1000定量用白金耳によ
りハートインフュージョン培地に接種し、37℃、48
時間培養後、そのコロニー数を数えた。
【0042】〈供試菌〉 (1)MRSA(大阪府立公衆衛生研究所分離株:SN
T−7、スタフィロコッカス・オーレウス(Staphyloco
ccus aureus) (2)スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphy
lococcus epidermidis) (3)シュードモナス・アエルギノーサ(Psuedomonas
aeruginosa) (4)シュードモナス・セパシア(Psuedomonas cepaci
a) (5)エンテロコッカス・フェーカリス(Entercoccus
faecalis) (6)エンテロコッカス・フェシウム(Entercoccus fa
ecium) (7)キャンディダ・アルビカンス(Candida albican
s) 得られた結果を、所定時間経過後(15秒、30秒、1
分、2分、5分又は60分)の供試薬液中に生存する各
供試菌の生菌数(2×103CFU/ml)にて、下記
表1〜表3に示す。尚、各値は3株の合計数にて表示し
た。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】該表より、MRSAに対して、製剤1〜製
剤5はいずれも0.05%の濃度で、またBAC、PV
Iは0.1%の濃度で、3株とも15秒以内で検出限界
以下になった。SMX、CMX、TCP及びCHGは3
株中1〜2株が15〜30秒間生存していた。特に、シ
ュードモナス・セパシア(供試菌(4))に対しては、
3株中1株が0.5%CHGでも60分以上生存し、し
かも菌数が殆ど減少しなかったことから、該菌はかなり
消毒剤耐性化が進んだ菌と考えられた。
【0047】
【試験例2】この試験は、MRSA患者が入院している
病棟の各床部分における、本発明組成物による環境消毒
の有効性を調べる目的で行なわれたものであり、本発明
組成物として製造例4で調製した製剤4を0.1%濃度
で用いた。また比較のため該製剤4に代えて、塩酸アル
キルジアミノエチルグリシン(ADG)、塩化ベンザル
コニウム(BAC)、次亜塩素酸ナトリウム(SHC)
のそれぞれ0.2%濃度の水溶液を用いた。
【0048】上記病棟(試験した床部分)の概略図を図
1に示す。図中、Cはクリーンマットを、S1は病棟用
サンダル棚を、S2は病室用サンダル棚を、Rは殺菌灯
付ロッカーをそれぞれ示し、試験した床部分としては
(1);ナースステーション、(2);病室Aのサンダ
ル棚横、(3);病室Bのサンダル棚横、(4);エレ
ベーター側クリーンマット前及び(5);エレベーター
ホールに続く病棟入り口(病棟用サンダル棚横)をそれ
ぞれ示す。
【0049】上記各供試薬剤のそれぞれにて、上記ナー
スステーション(1)、病室A(2)、病室B(3)、
クリーンマット前(4)及び病棟入り口(5)のそれぞ
れの床(面積:900cm2)を清拭し、その直後のA
M9時と該床が汚染状態にあるPM4時の2回、中和剤
0.1mlを滴下したフードスタンプ標準寒天培地(1
0cm2)により、週3回(月、水及び金曜日)、菌を
採取し、37℃で48時間培養した。
【0050】かくして得られた培養菌の種類及びそれら
の総コロニー数(個/10cm2)を調べた結果を、上
記各曜日の各時間毎に、図2(上段:製剤4使用の場合
及び下段:BAC使用の場合)及び図3(上段:ADG
使用の場合及び下段:SHC使用の場合)に示す。
【0051】各図中、横軸は、各床(1〜5)における
各曜日の菌採取時期(AM9時を「AM」と、PM4時
を「PM」と表示する)を、縦軸は総コロニー数(個/
10cm2)を示し、菌の種類は棒の種類を変化させて
表示し、それぞれ次の通りである。
【0052】 (1)…ストレプトコッカス・エピデルミディス (2)…GPR (3)…ストレプトコッカス属 (4)…マイクロコッカス属 (5)…MRSA (6)…ナイセリア属 (7)…糸状菌 (8)…酵母 (9)…アシネトバクター属 上記各図から、製剤4(0.1%)の利用によれば、通
常清拭後に菌の増殖が認められるPM4時においても、
シュードモナス・エピデルミディスを除いて、生存菌は
認めらず、該菌といえどもその増殖は非常に僅かであ
り、従って、充分に満足できる清拭効果(消毒効果)が
安定して得られることが判る。これに対して、他の薬液
による清拭では、かかる効果は到底奏し得ない。事実、
BACやSHCでは、上記製剤4の2倍量に当たる0.
2%の利用でも、MRSAの他、酵母類や糸状菌等の真
菌が尚検出され、決して充分な消毒効果は奏されないこ
とが判る。ADGは、同0.2%の使用で、上記BAC
やSHCよりは、清拭効果に優れるが、この場合でも、
本発明製剤4の0.1%の利用に較べると、数種の菌の
増殖が認められ、尚満足できないことが判る。
【0053】
【試験例3】本発明製剤4の噴霧による抗菌試験を以下
の通り行なった。
【0054】(1)供試菌:大阪府立公衆衛生研究所分
離菌 (a)MRSA(Staphylococcus aureus, SNT-7) (b)MRSA(Staphylococcus aureus, SNT-25) (c)MRSA(Staphylococcus aureus, NGT-P2013) (2)試験菌液の調製:各供試菌を普通ブイヨン培地
で、35℃、18時間継代培養し、滅菌生理食塩水で適
宜希釈したものを試験菌液とした。
【0055】(3)測定用試料の調製:大きさ5×5c
mの滅菌ポリエチレンシートの中心部3×3cmに、上
記試験菌液を0.1mlずつ塗抹し、35℃のインキュ
ベーターで乾燥したものを測定用試料とした。
【0056】(4)試験及び測定方法:内容積1m
3(1×1×1m)のプラスチック容器内底面の対角線
上の適当箇所3ヶ所(ほぼ等間隔、A、B及びCとす
る)に、測定用試料をおき、容器の中心底部に設置した
超音波噴霧器を用いて15分間、製剤4の0.1%溶液
150ccを噴霧し、更に60分間放置した後、測定用
試料を回収し、各試料の残存する菌数を混釈培養法(日
本薬局方参照)で測定した(測定時温度:開始時24
℃、終了時24℃)。
【0057】(5)試験結果:各測定用試料当たりのM
RSA残存菌数を測定した結果を下記表4に示す。尚、
表4には、上記試験において製剤4に代えて滅菌水を同
様に噴霧して得られる測定用試料についての同結果を対
照として示す。但しこの対照については容器の配置箇所
A、B及びCに拘わらず、同一結果が得られたため、そ
の値を示す。
【0058】
【表4】
【0059】上記表4より、本発明組成物は、噴霧法に
よっても優れたMRSAの消毒・滅菌効果を奏し得るこ
とが明らかである。この効果は、殊に、噴霧法による消
毒、滅菌は充分ではないという定説からすれば非常に驚
くべきことである。
【0060】
【試験例4】本発明製剤4の噴霧による抗菌試験を以下
の通り室内にて行なった。
【0061】(1)試験方法:試験例3に示した試験方
法において、容器に代えて室内(3.4×4.4m、天
井高2.6m)を利用して、該室の対角線上の床3ヶ所
(ほぼ等間隔)に高さ80cmの台をおきその上に載せ
た超音波噴霧器を用いて15分間製剤4の0.1%溶液
200ccを噴霧し、その後30分間放置し、その後、
同様にして測定用試料を回収し、各試料の残存する菌数
を混釈培養法で測定した(測定時の温度及び湿度:開始
時25℃、55%、終了時18℃、81%)。
【0062】(2)試験結果:測定用試料1枚当たりの
MRSA残存菌数を測定した結果を下記表5に示す。
尚、表中対照は試験例3におけるそれと同様に滅菌水を
噴霧した結果を示す。
【0063】
【表5】
【0064】上記表5より、本発明組成物によるMRS
Aの消毒・滅菌効果が明らかである。
【0065】
【試験例5】本発明製剤4の1.0%水溶液をタイルカ
ーペット(ポリエステル樹脂製)に塗布してその抗菌力
を次の通り試験した。
【0066】(1)供試菌株:シュードモナス・アエル
ギノーサIFO13275(緑膿菌) (2)供試菌液の調製:供試菌株を普通ブイヨン培地で
35℃、18時間継代培養後、滅菌生理食塩水で適宜希
釈したものを供試菌液とした。
【0067】(3)測定用試料の調製:検体(本発明製
剤4の1.0%水溶液を塗布(塗布量:100mg/m
2)したタイルカーペット)及び対照(無処理タイルカ
ーペット)のそれぞれを3×3cmの正方形に切断し
て、測定用試料とした。
【0068】(4)測定方法:測定用試料をそれぞれ広
口共栓瓶に入れ、121℃、15分間高圧蒸気滅菌を行
ない、各試料のカーペット部分に0.4mlずつの供試
菌液を接種、含浸させ、35℃、18時間培養した。次
いで各試料から0.1%ツイーン80加生理食塩水20
mlを用いて残存菌を洗い出し、生菌数を測定した。
【0069】(5)試験結果 結果を下記表6に示す。尚、表6には、上記検体無処理
のタイルカーペット(対照)における供試菌液接種直後
及び18時間培養後の各残存菌数を求めた結果を併記す
る。
【0070】
【表6】
【0071】
【試験例6】本発明製剤4を以下の組成の塗料形態に調
製し、その抗菌力を次の通り試験した。
【0072】〈塗料組成〉 アクリルエマルジョン系樹脂可剥性塗料 100重量部 乳化剤 3重量部 ブチルセロソルブ 8重量部 製剤4 1重量部 比較のため、製剤4無添加の比較塗料を用いた。
【0073】(1)試験方法 試験例2に示した病棟の床面10m2(病棟入り口
(5)よりクリーンマット(4)の間の部分、図1参
照)に、トップクリアーとして、上記本発明塗料及び比
較塗料のそれぞれを100μmの厚みに施行し、自然乾
燥2週間後より、フードスタンプ法により2週間毎に午
後4時に各塗料を塗布した部分の床付着菌数を測定し
た。
【0074】その結果、本発明塗料を施行した床では、
0〜1個/10cm2で6ヶ月間推移していたのに対し
て、比較塗料を施行した床では純コロニー数が102
107個/cm2で6ヶ月間推移した。尚、試験期間中、
床の清掃は使い捨てのドライモップで午前9時に毎日行
なった。
【0075】この結果より、本発明組成物は、塗料形態
での適用によっても、本発明所期の安全で優れた持続性
のある微生物増殖阻止効果を奏し得ることが判る。これ
は、本発明組成物を構成する各成分の組合せによる相乗
効果と塗布乾燥後の結晶化による難溶性に基づくものと
考えられる。但し、上記効果は、塗布面に汚れやゴミが
付着しこの付着物に微生物が繁殖する場合は、充分でな
くなるおそれがあるため、かかる汚れ物質の除去のため
の清拭作業は必要と考えられる。
【0076】
【試験例7】この試験は病原性大腸菌O157に対する
本発明殺菌消毒剤の効果を確認するために行なわれたも
のであり、以下の通り実施された。
【0077】(1)供試菌:エシェリヒア・コリーO1
57:H7(大腸菌O157) (2)試験菌液の調製:供試菌の普通ブイヨン継代培養
液を適宜希釈し、最終希釈段階で普通ブイヨン培地を用
いて希釈したものを試験菌液とした。
【0078】(3)測定用試料の調製:平面部分の直径
が約14cmの皿に、試験菌液1mlを塗抹し、30分
間風乾して測定用試料を調製した。
【0079】(4)測定方法:上記(3)の皿上に、実
施例1〜5で調製した本発明殺菌消毒剤(製剤1〜5)
の各液を100mlずつ静かに注ぎ、5分間静置後、各
液及びこれを除去した皿表面の拭き取り液について、そ
れらの残存供試菌数を測定した。
【0080】尚、対照液として滅菌リン酸緩衝液を用
い、同一試験を行なった。
【0081】(5)試験結果:結果を下記表7に示す。
【0082】
【表7】
【0083】尚、処理前の供試菌数は、上記(3)で示
した測定用試料を調製直後に拭き取り法により測定した
ものである。
【0084】
【試験例8】この試験は本発明殺菌消毒剤(製剤1〜
5、1.0%水溶液)のそれぞれを市販のポリエチレン
樹脂(高圧ポリエチレン、旭化成工業社)製まな板に練
り込み成型し、その抗菌力を調べたものである。
【0085】(1)供試菌:エシェリヒア・コリーO1
57:H7(大腸菌O157)(大阪府立公衆衛生研究
所分離菌) スタフィロコッカス・オーレウスIFO12732(黄
色ブドウ球菌) (2)試験菌液の調製:供試菌の普通ブイヨン継代培養
液を5℃、24時間培養した後、普通ブイヨン培地を用
いて適宜希釈したものを試験菌液とした。
【0086】(3)測定用培地:SCDLP寒天培地
(日本製薬社製) (4)測定方法:供試菌液を3×3cmの面積に区画し
たまな板検体及び対照としての無処理市販ポリエチレン
製まな板に接種し、その上に同一面積に切断したポリエ
チレン製フィルムを載せ、密閉容器中で25℃、24時
間保存した後、それらの表面を拭き取り、残存供試菌数
を測定した。
【0087】(5)試験結果:結果を下記表8に示す。
【0088】
【表8】
【0089】
【試験例9】この試験は本発明殺菌消毒剤(製剤1〜
5)の各2%を、無溶剤2液エポキシ樹脂(アトミクス
株式会社製「フロアトップ#8000」)に添加し、こ
れを食品工場の抗菌床として、それぞれの抗菌力を調べ
たものである。
【0090】(1)供試菌:エシェリヒア・コリーO1
57:H7(大腸菌O157)(大阪府立公衆衛生研究
所分離菌) スタフィロコッカス・オーレウスIFO12732(黄
色ブドウ球菌) (2)試験菌液の調製:供試菌の普通ブイヨン継代培養
液を100倍に希釈した普通ブイヨン培地で適宜希釈し
て試験菌液とした。
【0091】(3)測定用培地:SCDLP寒天培地
(日本製薬社製) (4)測定方法:供試菌液を抗菌床又は無添加の同エポ
キシ樹脂床のそれぞれ3×3cmの面積に接種し、密閉
容器中で25℃、24時間保存した後、それらの表面を
拭き取り、残存供試菌数を測定した。
【0092】(5)試験結果:結果を下記表9に示す。
【0093】
【表9】
【0094】
【試験例10】この試験は、簡易な殺菌用具として本発
明殺菌消毒剤(製剤1〜5)を加味したウエットティッ
シュを作成し、その殺菌効果を調べたものであり、次の
通り行なわれた。
【0095】(1)供試菌: エシェリヒア・コリーIFO3301(Escherichia co
li IFO 3301)(大腸菌) シュードモナス・アエルギノーサIFO13275(Ps
eudomonas aeruginosa IFO 13275)(緑膿菌) サルモネラ・エンテリティディスIFO3313(Salm
onella enteritidis IFO3313)(サルモネラ) スタフィロコッカス・オーレウスIFO12732(St
aphylococcus aureus IFO 12732)(黄色ブドウ球菌) スタフィロコッカス・オーレウスIID1677(Stap
hylococcus aureus IID1677)(MRSA) ビブリオ・パラハエモリティカスRIMD221010
0(Vibrio parahaemolyticus RIMD 2210100)(腸炎ビ
ブリオ) バチルス・ズブチリスIFO3134(Bacillus subti
lis IFO 3134)(枯草菌) (2)試験培地: NA培地(普通寒天培地、栄研化学株式会社製) 1/20NB培地(肉エキス0.2%を添加した普通ブ
イヨン培地(栄研化学社製)を滅菌精製水で20倍希釈
してpHを7.0±0.2に調製したもの) SCDLP培地(日本製薬株式会社製) SCDLPA培地(SCDLP寒天培地、日本製薬株式
会社製) 但し、腸炎ビブリオの場合は、全て3%食塩を加えた培
地を使用した。
【0096】(3)試験菌液の調製: (3-1)枯草菌以外の菌 供試菌をNA培地で37±1℃、16〜24時間培養
後、NA培地に再度接種して、37±1℃、16〜24
時間培養し、培養菌体を1/20NB培地に均一に分散
させ、1ml当たりの菌数が2.0×106〜1.0×
107となるように調製して、試験菌液とした。
【0097】(3-2)枯草菌 供試菌をNA培地で35℃、14日間培養し、培養菌体
を滅菌精製水に懸濁させ、65℃、20分間加熱し、栄
養細胞を死滅させ、この懸濁液を遠心分離して上澄み液
を除き、得られた菌体を滅菌精製水に再度懸濁させ、1
ml当たりの菌数(芽胞数)が2.0×106〜1.0
×107となるように滅菌精製水で調製して、試験菌液
(芽胞液)とした。
【0098】(4)試験及び測定方法:乾式パルプ不織
布(ハビックス株式会社製J−SOFT)、コットン不
織布(日清紡績株式会社製、三ッ桃)及びアクリル極細
不織布(旭化成工業株式会社製、シャレリア)を担持体
(150×150mm、10枚入り)として、之等にそ
れぞれ本発明製剤2(0.1%水溶液)を、担持体重量
の150wt%となる量で添加して開口部を有するポリ
エチレン製袋に入れ、開口部より上記供試菌液各0.1
mlを不織布上に滴下し、開口部をシールして、本発明
試料を作成した。
【0099】上記で作成した各試料を35℃で3、6及
び24時間それぞれ保存し、その後、各試料から不織布
を取り出し、SCDLP培地100mlで洗浄して該不
織布に存在する生残菌を洗い出し、この洗い出し液につ
き、SCDLPA培地を用いた混釈平板培養法(35
℃、48時間培養)により、生菌数を測定し、試料当た
りに換算した(本発明)。
【0100】尚、上記において、本発明製剤2に代え
て、塩化ベンザルコニウム(BAC)1.0%液を用い
て同様にして作成した試料を比較品とし、また滅菌水を
用いて同様にして作成した試料を対照品として、同様に
して生菌数を測定した。
【0101】(5)試験結果:測定された生菌数を、結
果を下記表10、表11及び表12に示す。
【0102】
【表10】
【0103】
【表11】
【0104】
【表12】
【0105】尚、上記各表中、<100は、検出せずを
示す。
【0106】上記各表から、本発明組成物には、速効性
の殺菌、消毒効果の認められることが明らかである。
【0107】
【試験例11】この試験は本発明殺菌消毒剤(製剤1〜
4)が、人体に対する残留物の影響の少ない安全性の高
いものである点(それらのLD50はいずれも5000m
g以上である)より、これが穀物の貯蔵運搬中に発生す
る微生物被害の防止に有効に利用できることを明らかに
するものであり、以下の通り行なわれた。
【0108】(1)供試菌: アスペルギルス・ニガーIFO6341(黒麹カビ) (2)胞子懸濁液の調製:「カビ抵抗性試験方法(JI
S Z2911−1981)」に準じて、上記供試菌の
胞子懸濁液を調製した。
【0109】(3)試験試料の調製:市販の食用トウモ
ロコシ粒及びこれをミキサーで粉状とした粉末のそれぞ
れに、本発明殺菌消毒剤(製剤1〜4)の100倍希釈
液の所定量を噴霧乾燥して、被検試料を調製した。
【0110】(4)測定方法:上記(3)で調製した被
検試料の約20gずつをシャーレにとり、上記(2)の
胞子懸濁液を0.2mlずつ接種し、湿度約95%の容
器内に25℃、4週間放置(培養)した後、カビの発育
の有無を肉眼で観察判定した。
【0111】(5)試験結果:結果を下記表13に示
す。
【0112】
【表13】
【0113】尚、表13における※1は、供試菌以外の
トウモロコシ由来のカビの発育が認められたことを示
し、※2は同トウモロコシ由来のカビの発生も認められ
なかったことを示す。
【0114】
【試験例12】この試験は本発明殺菌消毒剤(製剤3)
のカビに対する発育阻止希釈倍率を測定したものであ
り、以下の通り行なわれた。
【0115】(1)供試カビ: アスペルギルス・ニガーIFO6341(黒麹カビ) (2)カビ胞子液の調製:PDA斜面培地で、25℃、
7日間培養した供試カビの胞子を0.1%ツイーン80
加生理食塩水に1ml当たり106個となるように浮遊
させて、カビ胞子液を調製した。
【0116】(3)薬剤含有寒天平板の調製:滅菌水で
2倍希釈した供試薬剤(本発明製剤3)を、滅菌したP
DA寒天培地(日水社製)に所定の希釈倍率となるよう
に添加し、平板培地を調製した。
【0117】(4)測定方法:上記(3)で調製した薬
剤含有寒天平板のそれぞれに、上記(2)で調製したカ
ビ胞子液を1白金耳ずつ接種し、25℃、7日間培養し
た後、供試カビの発育の有無を肉眼で観察した。
【0118】(5)試験結果:各希釈倍率における結果
を下記表14に示す。
【0119】
【表14】
【0120】表14中、「−」は供試カビの発生が認め
られないことを、「+」は同カビの発生が認められるこ
とを示す。
【0121】
【試験例13】この試験は本発明殺菌消毒剤(製剤4)
の細菌に対する最小発育阻止濃度(希釈倍率)を測定し
たものであり、以下の通り行なわれた。
【0122】(1)供試菌株: 菌A:ストレプトコッカス・ミュータンスIFO139
55(Streptococcus mutans IFO 13955) 菌B:バクテロイデス・バルガタンスIFO14291
(Bacteroides vulgatns IFO 14291) (2)試験方法:日本化学療法学会標準法の中の寒天平
板希釈法を参考にして行なった。尚、接種用菌液の調製
にはGAMブイヨンを、測定用培地にはGAM寒天培地
をそれぞれ用い、供試菌株2種を使用して、嫌気培養を
行なった。
【0123】(3)試験結果:結果を下記表15に示
す。
【0124】
【表15】
【0125】表15中、「−」は供試カビの発生が認め
られないことを、「+」は同カビの発生が認められるこ
とを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例2に従う試験を行なった病棟の概略図グ
ラフである。
【図2】試験例2に従う試験により得られた培養菌の種
類及びそれらの総コロニー数(個/10cm2)を調べ
た結果を示すグラフである。
【図3】試験例2に従う試験により得られた培養菌の種
類及びそれらの総コロニー数(個/10cm2)を調べ
た結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 31/14 A01N 31/14 37/02 37/02 41/06 41/06 B 43/58 43/58 A 43/80 101 43/80 101

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルファメトキサゾール、クロルキシレ
    ノール及び3,4,5,6−テトラクロロピリダジンか
    ら選ばれる少なくとも2種を有効成分とし且つイソプロ
    ピルアルコール、酢酸及びポリオキシエチレンポリオキ
    シプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種を
    溶解補助剤として含有することを特徴とする殺菌消毒剤
    組成物。
  2. 【請求項2】 滅菌精製水に溶解させた水溶液形態であ
    る請求項1に記載の殺菌消毒剤組成物。
  3. 【請求項3】 紙類、天然繊維、ゴム類、合成樹脂類、
    モルタル・コンクリート及び塗料から選ばれる担持体に
    添着させた形態である請求項1に記載の殺菌消毒剤組成
    物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006098660A1 (fr) * 2005-03-17 2006-09-21 Vitold Mikhalovich Bakhir Procede pour reduire l'activite corrosive des solutions aqueuses chlorees et produit desinfectant

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WO2006098660A1 (fr) * 2005-03-17 2006-09-21 Vitold Mikhalovich Bakhir Procede pour reduire l'activite corrosive des solutions aqueuses chlorees et produit desinfectant

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