JPH11293633A - 吸音パネル - Google Patents

吸音パネル

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JPH11293633A
JPH11293633A JP11602398A JP11602398A JPH11293633A JP H11293633 A JPH11293633 A JP H11293633A JP 11602398 A JP11602398 A JP 11602398A JP 11602398 A JP11602398 A JP 11602398A JP H11293633 A JPH11293633 A JP H11293633A
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JP
Japan
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sound absorbing
sound
absorbing member
members
absorbing panel
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JP11602398A
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English (en)
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Atsutaka Fujii
厚孝 藤井
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KAM KK
Original Assignee
KAM KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い耐候性と耐久性を有し、周囲の環境を破
壊することがなく、さらに、安全性が高く、かつ、施工
の容易な吸音パネルを提供すること。 【解決手段】 5〜70メッシュに粉砕した焼成物を、
結合材で混練し、空隙率30〜70%になるように圧縮
することにより、所要の形状に成形し、800〜120
0℃で焼成した吸音部材1を、複数枚、金属製の枠部材
3を用いて組み立てるとともに、吸音部材1の少なくと
も一方の面に多数の透孔を有する表面部材2a,2bを
配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸音パネルに関
し、特に、鉄道、道路等の防音壁の構成材料に適した吸
音パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道、道路等の防音壁の構成材料
として、種々の吸音部材が実用化されている。
【0003】図4に、現在最も一般的に用いられている
防音壁用の吸音部材を示す。この防音壁用の吸音部材
は、防錆処理したルーバー構造の金属製板材からなる表
面板111と、表面を合成樹脂フィルム112aで覆っ
たグラスウールからなる吸音材112と、この吸音材の
背面に空間115をあけて配設した防錆処理した金属製
板材からなる背面板114と、空間115を密閉する防
錆処理した金属製板材からなる枠部材113とからなる
単位ブロック101から構成され、この単位ブロック1
01を防錆処理したH形鋼等の支柱に嵌挿、固定した
り、あるいはコンクリート製の側壁に直接固定して防音
壁を構築するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、防音壁用の
吸音部材は、走行車両が排出する排気ガス、走行車両に
よる振動、雨水等のきわめて劣悪な環境に晒され、ま
た、場合によっては、ブラシや高圧水ノズルを備えた洗
浄車により洗浄されるため、高い耐候性、耐久性が要求
される。
【0005】しかしながら、従来の防音壁に用いられる
防音部材は、図4に示したように、表面を合成樹脂フィ
ルム112aで覆ったグラスウールからなる吸音材11
2を、表面板111の裏面に直接接触するように配設す
るようにしているため、合成樹脂フィルム112aが、
長期間の使用により劣化し、また、走行車両による振動
や洗浄時に大きな負荷が作用することにより破損し、こ
れをそのまま長期間放置すると、グラスウールが飛散し
て環境破壊、ひいては公害を引き起こすという問題点を
有していた。
【0006】本発明は、上記従来の吸音部材の有する問
題点に鑑み、高い耐候性と耐久性を有し、周囲の環境を
破壊することがなく、さらに、安全性が高く、かつ、施
工の容易な吸音パネルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の吸音パネルは、5〜70メッシュに粉砕し
た焼成物を、結合材で混練し、空隙率30〜70%にな
るように圧縮することにより、所要の形状に成形し、8
00〜1200℃で焼成した吸音部材を、複数枚、金属
製の枠部材を用いて組み立てるとともに、前記吸音部材
の少なくとも一方の面に多数の透孔を有する表面部材を
配設するようにしたことを特徴とする。
【0008】この吸音パネルは、5〜70メッシュに粉
砕した焼成物を、結合材で混練し、空隙率30〜70%
になるように圧縮することにより、所要の形状に成形
し、800〜1200℃で焼成した均一な組成からなる
吸音部材を用いるようにしているので、高い吸音特性に
加えて、耐候性と耐久性を有し、従来の吸音部材のよう
にグラスウールが飛散して環境破壊、ひいては公害を引
き起こすことがない。そして、このような特性を有する
吸音部材を、複数枚、金属製の枠部材を用いて工場等に
おいてあらかじめ組み立てるようにしているため、夜間
の工事が多くなる鉄道、道路等の防音壁の構築作業を、
短時間で、簡易に行うことができるとともに、吸音部材
の少なくとも一方の面に多数の透孔を有する表面部材を
配設するようにしているため、万一、電車、自動車等の
走行車両によって巻き上げられたり、はね飛ばされた小
石等が、吸音部材に当たって吸音部材が破損しても、吸
音部材の破片が飛散することを防止することができる。
【0009】この場合において、表面部材を、エキスパ
ンドメタル又はネット部材で以て構成することができ
る。
【0010】これにより、表面部材の開口率を高く設定
することができるとともに、吸音部材の性状、使用態様
等に応じて、表面部材の1つの開口の大きさを任意に設
定することができ、吸音部材が破損した場合の吸音部材
の破片の飛散をより確実に防止することができる。
【0011】また、表面部材の表面を、枠部材に掛け渡
して配設した線材により保持するように構成することが
できる。
【0012】これにより、表面部材を、簡易に、かつ確
実に保持することができ、表面部材が離脱することを確
実に防止することができる。
【0013】また、焼成物に、粘土を800〜1200
℃で焼成した後、5〜70メッシュに粉砕したものと、
焼成耐火物を5〜70メッシュに粉砕したものとの混合
物を用いることができる。ここで、「焼成耐火物」と
は、茶わん、タイル等の不良品等の他の目的で製造され
た焼成物を意味する。
【0014】これにより、資源の再利用を図ることがで
きるとともに、吸音部材の製造コストを低廉化すること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の吸音パネルの実施
の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】図1に、本発明の吸音パネルに用いる吸音
部材の一例を示す。この吸音部材1は、5〜70メッシ
ュに粉砕した焼成物を、結合材で混練し、空隙率30〜
70%になるように圧縮することにより、所要の形状に
成形し、800〜1200℃で焼成することにより得た
ものである。
【0017】より具体的には、粘土を800〜1200
℃で焼成した後、5〜70メッシュに粉砕したもの10
〜90重量部と、焼成耐火物を5〜70メッシュに粉砕
したもの10〜90重量部とを、適量の結合材で混練
し、空隙率30〜70%になるように、プレス機等で圧
縮することにより、所要の厚みを有する方形、より具体
的には、好ましくは、厚さ20〜100mm、一辺の大
きさ250〜1000mmの略正方形又は長方形に成形
し、800〜1200℃で焼成するようにする。
【0018】この場合において、焼成耐火物には、茶わ
ん、タイル等の不良品等の他の目的で製造された焼成物
を利用することができ、特に、不良品を利用することに
より、資源の再利用を図ることができるとともに、吸音
部材の製造コストを低廉化することができる。また、結
合材には、ベントナイト、長石、石灰、珪石、陶石等の
無機系結合材を使用する。また、結合材に、さらに、着
色材、例えば、紅殻、トルコ青、陶試赤、カイヘキ、コ
バルト等を適宜配合して、吸音部材に周囲の環境と調和
した、耐候性に優れた色彩を施すことができる。
【0019】図2に、この吸音部材1を用いた本発明の
吸音パネルの第1実施例を示す。この吸音パネル10
は、複数枚、本実施例においては、横方向に3枚、縦方
向に2枚の6枚の合計6枚の吸音部材1を、アルミニウ
ム、ステンレススチール、防錆処理を施した鋼等の押出
成形、プレス成形等により成形した断面コ字形、H字形
等の金属製部材3a,3b,3c,3dを組み合わせて
構成した枠部材3を用いて組み立てるとともに、吸音部
材1の少なくとも一方の面、本実施例においては、両面
に、アルミニウム、ステンレススチール、防錆処理を施
した鋼等のエキスパンドメタルやパンチングメタル、ア
ルミニウム、ステンレススチール、防錆処理を施した鋼
等の線材を編成したり、合成樹脂により一体成形したネ
ット部材等の多数の透孔を有する表面部材2a,2bを
配設するようにして構成するようにする。
【0020】この吸音パネル10は、5〜70メッシュ
に粉砕した焼成物を、結合材で混練し、空隙率30〜7
0%になるように圧縮することにより、所要の形状に成
形し、800〜1200℃で焼成した均一な組成からな
る吸音部材1を用いるようにしているので、高い吸音特
性に加えて、耐候性と耐久性を有し、従来の吸音部材の
ようにグラスウールが飛散して環境破壊、ひいては公害
を引き起こすことがない。そして、このような特性を有
する吸音部材1を、複数枚、金属製の枠部材3を用いて
工場等においてあらかじめ組み立てるようにしているた
め、鉄道、道路等の側部に設けたH形鋼等の支柱に建て
込んだり、支柱や壁体に任意の固定金具等を用いて直接
取り付けることができ、これにより、夜間の工事が多く
なる鉄道、道路等の防音壁の構築作業を、短時間で、簡
易に行うことができるとともに、吸音部材1の表面に多
数の透孔を有する表面部材2a,2bを配設するように
しているため、万一、電車、自動車等の走行車両によっ
て巻き上げられたり、はね飛ばされた小石等が、吸音部
材1に当たって吸音部材1が破損しても、吸音部材1の
破片が飛散することを防止することができるものとな
る。
【0021】そして、特に、表面部材2a,2bを、エ
キスパンドメタル又はネット部材で以て構成することに
より、表面部材2a,2bの開口率を高く設定すること
ができるとともに、吸音部材1の性状、使用態様等に応
じて、表面部材2a,2bの1つの開口の大きさを任意
に設定することができ、吸音部材1が破損した場合の吸
音部材1の破片の飛散をより確実に防止することができ
るものとなる。
【0022】ところで、本実施例においては、吸音部材
1の表面に配設した表面部材2a,2bを、枠部材3と
吸音部材1の間に挟み込んで固定するようにしたが、図
3に示す本発明の吸音パネルの第2実施例のように、さ
らに、表面部材2a,2bの表面を、枠部材3に適宜間
隔で格子状に掛け渡し、枠部材3の表面に溶接等により
固定した線材4により保持するように構成することがで
きる。これにより、表面部材2a,2bを、簡易に、か
つ確実に保持することができ、表面部材2a,2bが、
吸音パネル10から離脱することを確実に防止すること
ができる。なお、本実施例のその他の構成は、上記第1
実施例の吸音パネル10と同様である。
【0023】以上、本発明の吸音パネルについて説明し
たが、本発明の吸音パネルに用いる吸音部材1は、いす
れも空隙率が、30〜70%と高いにもかかわらず、そ
の空隙状態がランダムで目詰まりを起さず、また、強度
も、40〜50kg/cm2とコンクリート製ブロック
と同様の十分な強度を有していることから、高い吸音特
性に加えて、耐候性と耐久性を有し、従来の吸音部材の
ようにグラスウールが飛散して環境破壊、ひいては公害
を引き起こすことがないため、この吸音パネルは、鉄
道、道路等の防音壁の構成材料として広範囲の用途に使
用することができるものである。
【0024】また、騒音の入射率を高めながら広範囲の
周波数の騒音の低減効果を得ることができるように、空
隙率の異なる吸音部材を積層し、枠部材3を用いて組み
立てることにより、吸音特性を一層向上することができ
るものとなる。この場合、騒音の入射側に位置する吸音
部材に、その背面側の吸音部材より高空隙率の吸音部材
を用いるのが好ましい。これにより、騒音の入射率を高
めながら広範囲の周波数の騒音の低減効果を得ることが
できる。
【0025】
【発明の効果】本発明の吸音パネルによれば、5〜70
メッシュに粉砕した焼成物を、結合材で混練し、空隙率
30〜70%になるように圧縮することにより、所要の
形状に成形し、800〜1200℃で焼成した均一な組
成からなる吸音部材を用いるようにしているので、高い
吸音特性に加えて、耐候性と耐久性を有し、従来の吸音
部材のようにグラスウールが飛散して環境破壊、ひいて
は公害を引き起こすことがない。そして、このような特
性を有する吸音部材を、複数枚、金属製の枠部材を用い
て工場等においてあらかじめ組み立てるようにしている
ため、夜間の工事が多くなる鉄道、道路等の防音壁の構
築作業を、短時間で、簡易に行うことができるととも
に、吸音部材の少なくとも一方の面に多数の透孔を有す
る表面部材を配設するようにしているため、万一、電
車、自動車等の走行車両によって巻き上げられたり、は
ね飛ばされた小石等が、吸音部材に当たって吸音部材が
破損しても、吸音部材の破片が飛散することを防止する
ことができ、従来の吸音部材のようにグラスウールが飛
散することがないことと相俟って、安全性の極めて高い
吸音パネルを得ることができる。
【0026】また、表面部材を、エキスパンドメタル又
はネット部材で以て構成することにより、表面部材の開
口率を高く設定することができるとともに、吸音部材の
性状、使用態様等に応じて、表面部材の1つの開口の大
きさを任意に設定することができ、吸音部材が破損した
場合の吸音部材の破片の飛散をより確実に防止すること
ができ、安全性を向上することができる。
【0027】また、表面部材の表面を、枠部材に掛け渡
して配設した線材により保持するように構成することに
より、表面部材を、簡易に、かつ確実に保持することが
でき、表面部材が離脱することを確実に防止することが
できる。
【0028】また、焼成物に、粘土を800〜1200
℃で焼成した後、5〜70メッシュに粉砕したものと、
焼成耐火物を5〜70メッシュに粉砕したものとの混合
物を用いることにより、資源の再利用を図ることができ
るとともに、吸音部材の製造コストを低廉化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸音パネルに用いる吸音部材の一例を
示す外観斜視図である。
【図2】本発明の吸音パネルの第1実施例を示す外観斜
視図である。
【図3】本発明の吸音パネルの第2実施例を示す外観斜
視図である。
【図4】従来の吸音部材を示す断面図である。
【符号の説明】
1 吸音部材 10 吸音パネル 2a,2b 表面部材 3 枠部材 4 線材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 吸音パネル
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸音パネルに関
し、特に、鉄道、道路等の防音壁の構成材料に適した吸
音パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道、道路等の防音壁の構成材料
として、種々の吸音部材が実用化されている。
【0003】図4に、現在最も一般的に用いられている
防音壁用の吸音部材を示す。この防音壁用の吸音部材
は、防錆処理したルーバー構造の金属製板材からなる表
面板111と、表面を合成樹脂フィルム112aで覆っ
たグラスウールからなる吸音材112と、この吸音材の
背面に空間115をあけて配設した防錆処理した金属製
板材からなる背面板114と、空間115を密閉する防
錆処理した金属製板材からなる枠部材113とからなる
単位ブロック101から構成され、この単位ブロック1
01を防錆処理したH形鋼等の支柱に嵌挿、固定した
り、あるいはコンクリート製の側壁に直接固定して防音
壁を構築するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、防音壁用の
吸音部材は、走行車両が排出する排気ガス、走行車両に
よる振動、雨水等のきわめて劣悪な環境に晒され、ま
た、場合によっては、ブラシや高圧水ノズルを備えた洗
浄車により洗浄されるため、高い耐候性、耐久性が要求
される。
【0005】しかしながら、従来の防音壁に用いられる
防音部材は、図4に示したように、表面を合成樹脂フィ
ルム112aで覆ったグラスウールからなる吸音材11
2を、表面板111の裏面に直接接触するように配設す
るようにしているため、合成樹脂フィルム112aが、
長期間の使用により劣化し、また、走行車両による振動
や洗浄時に大きな負荷が作用することにより破損し、こ
れをそのまま長期間放置すると、グラスウールが飛散し
て環境破壊、ひいては公害を引き起こすという問題点を
有していた。
【0006】本発明は、上記従来の吸音部材の有する問
題点に鑑み、高い耐候性と耐久性を有し、周囲の環境を
破壊することがなく、さらに、安全性が高く、かつ、施
工の容易な吸音パネルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本第1発明の吸音パネルは、5〜70メッシュに粉
砕した焼成物を、結合材で混練し、空隙率30〜70%
になるように圧縮することにより、所要の形状に成形
し、800〜1200℃で焼成した吸音部材を、複数
枚、金属製の枠部材を用いて組み立てるとともに、前記
吸音部材の表面に、吸音部材が破損した場合の吸音部材
の破片の飛散を防止できる大きさの開口を有するエキス
パンドメタルからなる表面部材を配設するようにしたこ
とを特徴とする。
【0008】また、同じ目的を達成するため、本第2発
明の吸音パネルは、5〜70メッシュに粉砕した焼成物
を、結合材で混練し、空隙率30〜70%になるように
圧縮することにより、所要の形状に成形し、800〜1
200℃で焼成した吸音部材を、複数枚、金属製の枠部
材を用いて組み立てるとともに、前記吸音部材の表面
に、吸音部材が破損した場合の吸音部材の破片の飛散を
防止できる大きさの開口を有するネット部材からなる表
面部材を配設するようにしたことを特徴とする。
【0009】本発明の吸音パネルは、5〜70メッシュ
に粉砕した焼成物を、結合材で混練し、空隙率30〜7
0%になるように圧縮することにより、所要の形状に成
形し、800〜1200℃で焼成した均一な組成からな
る吸音部材を用いるようにしているので、高い吸音特性
に加えて、耐候性と耐久性を有し、従来の吸音部材のよ
うにグラスウールが飛散して環境破壊、ひいては公害を
引き起こすことがない。そして、このような特性を有す
る吸音部材を、複数枚、金属製の枠部材を用いて工場等
においてあらかじめ組み立てるようにしているため、夜
間の工事が多くなる鉄道、道路等の防音壁の構築作業
を、短時間で、簡易に行うことができるとともに、吸音
部材の表面に、吸音部材が破損した場合の吸音部材の破
片の飛散を防止できる大きさの開口を有する表面部材を
配設するようにしているため、万一、電車、自動車等の
走行車両によって巻き上げられたり、はね飛ばされた小
石等が、吸音部材に当たって吸音部材が破損しても、吸
音部材の破片が飛散することを防止することができる。
【0010】そして、特に、表面部材を、吸音部材が破
損した場合の吸音部材の破片の飛散を防止できる大きさ
の開口を有するエキスパンドメタル又はネット部材で以
て構成するようにしているので、表面部材の開口率を高
く設定することができるとともに、吸音部材の性状、使
用態様等に応じて、表面部材の1つの開口の大きさを任
意に設定することができ、吸音部材が破損した場合の吸
音部材の破片の飛散を確実に防止することができる。
【0011】なお、表面部材の表面を、枠部材に掛け渡
して配設した線材により保持するように構成することが
できる。
【0012】これにより、表面部材を、簡易に、かつ確
実に保持することができ、表面部材が離脱することを確
実に防止することができる。
【0013】また、焼成物に、粘土を800〜1200
℃で焼成した後、5〜70メッシュに粉砕したものと、
焼成耐火物を5〜70メッシュに粉砕したものとの混合
物を用いることができる。ここで、「焼成耐火物」と
は、茶わん、タイル等の不良品等の他の目的で製造され
た焼成物を意味する。
【0014】これにより、資源の再利用を図ることがで
きるとともに、吸音部材の製造コストを低廉化すること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の吸音パネルの実施
の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】図1に、本発明の吸音パネルに用いる吸音
部材の一例を示す。この吸音部材1は、5〜70メッシ
ュに粉砕した焼成物を、結合材で混練し、空隙率30〜
70%になるように圧縮することにより、所要の形状に
成形し、800〜1200℃で焼成することにより得た
ものである。
【0017】より具体的には、粘土を800〜1200
℃で焼成した後、5〜70メッシュに粉砕したもの10
〜90重量部と、焼成耐火物を5〜70メッシュに粉砕
したもの10〜90重量部とを、適量の結合材で混練
し、空隙率30〜70%になるように、プレス機等で圧
縮することにより、所要の厚みを有する方形、より具体
的には、好ましくは、厚さ20〜100mm、一辺の大
きさ250〜1000mmの略正方形又は長方形に成形
し、800〜1200℃で焼成するようにする。
【0018】この場合において、焼成耐火物には、茶わ
ん、タイル等の不良品等の他の目的で製造された焼成物
を利用することができ、特に、不良品を利用することに
より、資源の再利用を図ることができるとともに、吸音
部材の製造コストを低廉化することができる。また、結
合材には、ベントナイト、長石、石灰、珪石、陶石等の
無機系結合材を使用する。また、結合材に、さらに、着
色材、例えば、紅殻、トルコ青、陶試赤、カイヘキ、コ
バルト等を適宜配合して、吸音部材に周囲の環境と調和
した、耐候性に優れた色彩を施すことができる。
【0019】図2に、この吸音部材1を用いた本発明の
吸音パネルの第1実施例を示す。この吸音パネル10
は、複数枚、本実施例においては、横方向に3枚、縦方
向に2枚の6枚の合計6枚の吸音部材1を、アルミニウ
ム、ステンレススチール、防錆処理を施した鋼等の押出
成形、プレス成形等により成形した断面コ字形、H字形
等の金属製部材3a,3b,3c,3dを組み合わせて
構成した枠部材3を用いて組み立てるとともに、吸音部
材1の少なくとも一方の面、本実施例においては、両面
に、アルミニウム、ステンレススチール、防錆処理を施
した鋼等のエキスパンドメタルやパンチングメタル、ア
ルミニウム、ステンレススチール、防錆処理を施した鋼
等の線材を編成したり、合成樹脂により一体成形したネ
ット部材等の多数の透孔を有する表面部材2a,2bを
配設するようにして構成するようにする。
【0020】この吸音パネル10は、5〜70メッシュ
に粉砕した焼成物を、結合材で混練し、空隙率30〜7
0%になるように圧縮することにより、所要の形状に成
形し、800〜1200℃で焼成した均一な組成からな
る吸音部材1を用いるようにしているので、高い吸音特
性に加えて、耐候性と耐久性を有し、従来の吸音部材の
ようにグラスウールが飛散して環境破壊、ひいては公害
を引き起こすことがない。そして、このような特性を有
する吸音部材1を、複数枚、金属製の枠部材3を用いて
工場等においてあらかじめ組み立てるようにしているた
め、鉄道、道路等の側部に設けたH形鋼等の支柱に建て
込んだり、支柱や壁体に任意の固定金具等を用いて直接
取り付けることができ、これにより、夜間の工事が多く
なる鉄道、道路等の防音壁の構築作業を、短時間で、簡
易に行うことができるとともに、吸音部材1の表面に多
数の透孔を有する表面部材2a,2bを配設するように
しているため、万一、電車、自動車等の走行車両によっ
て巻き上げられたり、はね飛ばされた小石等が、吸音部
材1に当たって吸音部材1が破損しても、吸音部材1の
破片が飛散することを防止することができるものとな
る。
【0021】そして、特に、表面部材2a,2bを、エ
キスパンドメタル又はネット部材で以て構成することに
より、表面部材2a,2bの開口率を高く設定すること
ができるとともに、吸音部材1の性状、使用態様等に応
じて、表面部材2a,2bの1つの開口の大きさを任意
に設定することができ、吸音部材1が破損した場合の吸
音部材1の破片の飛散を確実に防止することができるも
のとなる。
【0022】ところで、本実施例においては、吸音部材
1の表面に配設した表面部材2a,2bを、枠部材3と
吸音部材1の間に挟み込んで固定するようにしたが、図
3に示す本発明の吸音パネルの第2実施例のように、さ
らに、表面部材2a,2bの表面を、枠部材3に適宜間
隔で格子状に掛け渡し、枠部材3の表面に溶接等により
固定した線材4により保持するように構成することがで
きる。これにより、表面部材2a,2bを、簡易に、か
つ確実に保持することができ、表面部材2a,2bが、
吸音パネル10から離脱することを確実に防止すること
ができる。なお、本実施例のその他の構成は、上記第1
実施例の吸音パネル10と同様である。
【0023】以上、本発明の吸音パネルについて説明し
たが、本発明の吸音パネルに用いる吸音部材1は、いす
れも空隙率が、30〜70%と高いにもかかわらず、そ
の空隙状態がランダムで目詰まりを起さず、また、強度
も、40〜50kg/cm2とコンクリート製ブロック
と同様の十分な強度を有していることから、高い吸音特
性に加えて、耐候性と耐久性を有し、従来の吸音部材の
ようにグラスウールが飛散して環境破壊、ひいては公害
を引き起こすことがないため、この吸音パネルは、鉄
道、道路等の防音壁の構成材料として広範囲の用途に使
用することができるものである。
【0024】また、騒音の入射率を高めながら広範囲の
周波数の騒音の低減効果を得ることができるように、空
隙率の異なる吸音部材を積層し、枠部材3を用いて組み
立てることにより、吸音特性を一層向上することができ
るものとなる。この場合、騒音の入射側に位置する吸音
部材に、その背面側の吸音部材より高空隙率の吸音部材
を用いるのが好ましい。これにより、騒音の入射率を高
めながら広範囲の周波数の騒音の低減効果を得ることが
できる。
【0025】
【発明の効果】本発明の吸音パネルによれば、5〜70
メッシュに粉砕した焼成物を、結合材で混練し、空隙率
30〜70%になるように圧縮することにより、所要の
形状に成形し、800〜1200℃で焼成した均一な組
成からなる吸音部材を用いるようにしているので、高い
吸音特性に加えて、耐候性と耐久性を有し、従来の吸音
部材のようにグラスウールが飛散して環境破壊、ひいて
は公害を引き起こすことがない。そして、このような特
性を有する吸音部材を、複数枚、金属製の枠部材を用い
て工場等においてあらかじめ組み立てるようにしている
ため、夜間の工事が多くなる鉄道、道路等の防音壁の構
築作業を、短時間で、簡易に行うことができるととも
に、吸音部材の表面に、吸音部材が破損した場合の吸音
部材の破片の飛散を防止できる大きさの開口を有する表
面部材を配設するようにしているため、万一、電車、自
動車等の走行車両によって巻き上げられたり、はね飛ば
された小石等が、吸音部材に当たって吸音部材が破損し
ても、吸音部材の破片が飛散することを防止することが
でき、従来の吸音部材のようにグラスウールが飛散する
ことがないことと相俟って、安全性の極めて高い吸音パ
ネルを得ることができる。そして、特に、表面部材を、
吸音部材が破損した場合の吸音部材の破片の飛散を防止
できる大きさの開口を有するエキスパンドメタル又はネ
ット部材で以て構成することにより、表面部材の開口率
を高く設定することができるとともに、吸音部材の性
状、使用態様等に応じて、表面部材の1つの開口の大き
さを任意に設定することができ、吸音部材が破損した場
合の吸音部材の破片の飛散を確実に防止することがで
き、安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸音パネルに用いる吸音部材の一例を
示す外観斜視図である。
【図2】本発明の吸音パネルの第1実施例を示す外観斜
視図である。
【図3】本発明の吸音パネルの第2実施例を示す外観斜
視図である。
【図4】従来の吸音部材を示す断面図である。
【符号の説明】 1 吸音部材 10 吸音パネル 2a,2b 表面部材 3 枠部材 4 線材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5〜70メッシュに粉砕した焼成物を、
    結合材で混練し、空隙率30〜70%になるように圧縮
    することにより、所要の形状に成形し、800〜120
    0℃で焼成した吸音部材を、複数枚、金属製の枠部材を
    用いて組み立てるとともに、前記吸音部材の少なくとも
    一方の面に多数の透孔を有する表面部材を配設するよう
    にしたことを特徴とする吸音パネル。
  2. 【請求項2】 表面部材を、エキスパンドメタルで以て
    構成したことを特徴とする請求項1記載の吸音パネル。
  3. 【請求項3】 表面部材を、ネット部材で以て構成した
    ことを特徴とする請求項1記載の吸音パネル。
  4. 【請求項4】 表面部材の表面を、枠部材に掛け渡して
    配設した線材により保持するようにしたことを特徴とす
    る請求項1、2又は3記載の吸音パネル。
  5. 【請求項5】 焼成物に、粘土を800〜1200℃で
    焼成した後、5〜70メッシュに粉砕したものと、焼成
    耐火物を5〜70メッシュに粉砕したものとの混合物を
    用いたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の
    吸音パネル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1770216A1 (en) * 2005-09-29 2007-04-04 Rockwool International A/S A noise absorbing element and a noise screen with such elements
CN108660953A (zh) * 2018-05-06 2018-10-16 桂林理工大学 装配式预应力活性粉末混凝土声屏障单元板装置
CN108774961A (zh) * 2018-05-06 2018-11-09 桂林理工大学 装配式预应力活性粉末混凝土声屏障单元板的制作方法

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