JPH11292573A

JPH11292573A - 複層ガラス

Info

Publication number: JPH11292573A
Application number: JP10122824A
Authority: JP
Inventors: Yasuhisa Wada; 泰久和田
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1998-04-15
Filing date: 1998-04-15
Publication date: 1999-10-26

Abstract

(57)【要約】【課題】ガラス板と対にプラスチック板を用いて軽量
化するとともに、プラスチック板の熱による膨張収縮が
吸収され、また、プラスチック板や乾燥剤を取り替える
ことのできる複層ガラスを提供する。【解決手段】押出形材からなる上桟と下桟と左右縦桟
との枠組の側面にガラス板を接着し、且つ、枠組の中に
透明なプラスチック板を組み込むことにより、ガラス板
とプラスチック板との間に空気層を設け、上桟について
は、スペーサーとしての受部材とそれに対してプラスチ
ック板を押さえ止める押部材との解離可能な組合せから
なり、下桟および左右縦桟については、乾燥剤が充填さ
れるスペーサーとしての中空体に隣接してプラスチック
板の嵌着溝を一体に設けた形材であって、ゴム質の押縁
シール材と共にその嵌着溝にプラスチック板を嵌着し、
中空体には空気層に面して通気孔を穿設し、いずれかの
箇所に乾燥剤を取替え可能に栓で密封される口を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、断熱、防音、結露防
止等のための空気層が保持された複層ガラスに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の複層ガラスは、内外両ガラス板間
に空気層を保持するために周囲においてスペーサーを介
在させ、スペーサーを両ガラス板と接着したもので、ス
ペーサーには、一般的に、アルミ等の押出形材からなる
中空部材が使用され、その内部に乾燥剤が充填される。

【０００３】スペーサーには空気層側に細い通気孔が開
けられており、乾燥剤が空気層を乾燥させることから、
断熱性および防音性が向上するとともに、内部結露の発
生が防止される。また、周囲外側には両ガラス板の間に
封着剤が充填されるので、両ガラス板の結合の強度およ
び乾燥状態が保持される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の複
層ガラスであると、ガラスの比重（クラウンガラスで
２．４〜３．６）が大きいことに加え、二枚のガラス板
とスペーサー等の結合体であるために、建築材料とし
て、あるいは、サッシ等に嵌め込まれた状態として取り
扱われると、殊に、高所への引き上げや高所での取付け
作業が非常に困難になるという問題があった。

【０００５】これについては、ガラス板と対に透明なプ
ラスチック板を用いることが考えられたが、プラスチッ
ク板が熱による膨張収縮によりいずれは歪みやすいこ
と、また、物との接触により傷つきやすいこと等の欠点
がある。しかし、スペーサーを上記のように組み込む構
造であると、傷んだプラスチック板を取り替えることが
できない。また、乾燥剤の効き目がなくなってもそれも
取り替えることができないという問題があった。

【０００６】この発明は、上記のような実情に鑑みて、
ガラス板と対にプラスチック板を用いて軽量化するとと
もに、プラスチック板の熱による膨張収縮が吸収され、
また、プラスチック板や乾燥剤を取り替えることのでき
る複層ガラスを提供することを目的とした。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、押出形材からなる上桟と下桟と左右
縦桟との枠組の側面にガラス板を接着し、且つ、枠組の
中に透明なプラスチック板を組み込むことにより、ガラ
ス板とプラスチック板との間に空気層を設け、上桟につ
いては、スペーサーとしての受部材とそれに対してプラ
スチック板を押さえ止める押部材との解離可能な組合せ
からなり、下桟および左右縦桟については、乾燥剤が充
填されるスペーサーとしての中空体に隣接してプラスチ
ック板の嵌着溝を一体に設けた形材であって、ゴム質の
押縁シール材と共にその嵌着溝にプラスチック板を嵌着
し、中空体には空気層に面して通気孔を穿設し、いずれ
かの箇所に乾燥剤を取替え可能に栓で密封される口を設
けたことを特徴とする複層ガラスを構成した。

【０００８】上記の構成によれば、プラスチック板が枠
組の中に納まっているために、肉厚が薄くても強度的に
安定し、軽量化に適する。また、プラスチック板が熱に
より膨張収縮してもそれがゴム質の押縁シール材に吸収
されるために、プラスチック板が歪むようなことがな
い。また、破損しても上桟を解離することにより、プラ
スチック板を抜き出して新たに取り替えることができ
る。

【０００９】加えて、プラスチック板がポリカーボネー
ト樹脂であり、上桟において、受部材に掛止片を形成
し、プラスチック板の上端に掛止片に掛かる同じくポリ
カーボネート樹脂からなる掛止桟を接着してあると、目
的の達成により有効である。

【００１０】この点については、ポリカーボネート樹脂
の比重（１．２０〜１．３５）が軽い分だけ軽量化され
る。また、ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性が強く、
強度的な安定性が良好であるので、薄いものを使用して
も軽量化を図り得る。しかも、透明性に優れている。こ
の点に関しては、光透過度が、ガラス；９０〜９１％、
ポリカーボネート樹脂；８７．８９％であるので、ほゞ
ガラスと同じ程度である。

【００１１】ポリカーボネート樹脂の特性については、
耐衝撃性、引っ張り強さや、透明性に加え、成形収縮が
少ないために、寸法精度が高く、吸水率が小さいため
に、寸法安定性が良い。そのため、ガラス板と収縮関係
で適合する。また、耐熱温度が１２０℃、熱変形温度が
１４０℃というように、耐熱性が良く、しかも、低温特
性も良いし、耐水性や耐酸性にも良いために、外気や太
陽熱に耐えやすい。

【００１２】

【発明の実施の形態】この発明においては、上桟５、下
桟６、左右縦桟７，７の枠組部材には、アルミやプラス
チック等の押出形材が使用される。その断面形状につい
ては、必要に応じて様々となり、実施例に限定されるも
のではない。

【００１３】プラスチック板２を取り替え得るように、
上桟５については、受部材５ａに対して押部材５ｂが解
離可能に結合されるが、この結合には、ねじ止め、ばね
（クリップ）による締付け等の手段がある。

【００１４】また、複層については、二枚とは限られな
く、それよりも多い枚数であることもある。そして、三
枚であるときには、その一枚がガラス板１で他の二枚が
プラスチック板２，２であるときがあり、逆に、一枚が
プラスチック板２で、二枚がガラス板１，１であるとき
がある。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ガラス板との対が軽量なプラスチック板であるだけ
でなく、それに薄い肉厚の板を使用できるため、複層ガ
ラスの軽量化に適する。また、プラスチック板が熱の変
化により歪むようなことがなく、傷ついても取り替える
ことができ、乾燥剤の取替えも可能なこととも相まっ
て、複層ガラスとしての機能及び体裁を長く保持できる
という優れた効果がある。

【００１６】また、プラスチック板がポリカーボネート
樹脂であると（請求項２）、特に軽量化に適する。しか
も、透明性が良いことはもちろん、耐衝撃性および引っ
張り強度にも優れ、外気や太陽熱にも耐えやすいため
に、耐熱性や防音性、結露の防止の特性とも相まって、
殊に現代的な建築材料として正に最適である。

【００１７】

【実施例】次に、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。

【００１８】図１ないし図５は、一実施例を示したもの
で、その複層ガラスＧは、ガラス板１と透明なプラスチ
ック板２との間に空気層３を設け、プラスチック板２が
それぞれアルミ押出形材からなる上桟５，下桟６，左右
縦桟７，７によって枠組みされ、その枠組の一側面にガ
ラス板１を接着剤８で接着することによって空気層３が
保持され、下桟６及び左右縦桟７，７に乾燥剤９が内装
される。

【００１９】プラスチック板２には、ガラス板１よりも
かなり薄いポリカーボネート樹脂製の透明板が使用さ
れ、枠組の厚みａが１１ｍｍ、ガラス板１の厚みが９ｍ
ｍで全体の厚みが２０ｍｍ程度となっている。

【００２０】上桟５は、断面Ｌ字形の受部材５ａと概略
逆Ｌ字形の押部材５ｂとをビス止めして組合せたもの
で、その組合せにおいてプラスチック板２の上端部を挟
む溝１１を有する。また、その溝１１は、受部材５ａに
掛止片１３を有するため半蟻溝形であって、プラスチッ
ク板２には、その掛止片１３に掛かる掛止桟１５が接着
されているので、これによってプラスチック板２が吊り
下げ状態に保持される。

【００２１】下桟６、左右縦桟７，７は、図５に示すよ
うに、乾燥剤９が充填されるスペーサーとしての矩形の
中空体１７を形成するとともに、その一側にプラスチッ
ク板２の下端を差し込む嵌着溝１９を隣接して一体に設
けたもので、嵌着溝１９をプラスチック板２の厚みより
も幅広く形成してある。

【００２２】プラスチック板２の嵌着については、上端
を除く周囲にゴム質で帯状の押縁シール材２１を接着
し、それをプラスチック板２と嵌着溝１９の外側内面と
の間に介在させてある。この押縁シール材２１により、
プラスチック板２の熱による膨張収縮が吸収される。

【００２３】中空体１７には、空気層３に面して通気孔
２０を穿設してある。また、外側には乾燥剤９を出し入
れする口２２を穿設し、それにゴム質の栓２３が嵌着し
てある。なお、枠組みにおける下桟６と左右縦桟７，７
との額縁様の連結形態から、下桟６の中空体１７と縦桟
７，７の中空体１７とが中空部で通じているので、左右
縦桟７，７には乾燥剤９を出し入れする口を設けなかっ
た。なお、押部材５ｂを外せば、上端から乾燥剤９を出
し入れできる。

【００２４】枠組みにおける左右縦桟７，７と上桟５と
の連結については、左右縦桟７，７の上端に上桟５の端
が掛かる切欠部２４，２４を設け、縦桟７から上桟５の
押部材５ｂにビス２５を螺入してある。また、左右縦桟
７，７と下桟６との連結については、額縁様としてそれ
ぞれを４５度の斜めに切断した端面２７，２７で突合
せ、その突合せ面で接着してある。

【００２５】なお、複層ガラスＧのコーナーには、図２
に二点鎖線で示すように、コーナーキャップないしカバ
ーシール２９を被着することもある。こうすれば、全体
の組合せが安定し、且つ、空気層３の空気の洩れ防止に
万全を期し得る。また、同図において、２８は、プラス
チック板２を幅中央で押さえる中心押えである。

【００２６】図６は、他の実施例を示したもので、この
場合であると、上桟５について、受部材５ａに突部３１
を押部材５ｂにそれに嵌まる凹部３３を設け、突部３１
にビスポケット３５を形成し、それに組合せ用のビス３
７が螺入される。また、このビスポケット３５には、縦
桟７との連結用のビス２５（図２，図３参照）が螺入さ
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の複層ガラスの縦断面図である。

【図２】同複層ガラスの正面図である。

【図３】同複層ガラスの上から見た平面図である。

【図４】図２のＡ−Ａ線矢視の断面図である。

【図５】下桟の断面図である。

【図６】他の実施例を示す図１に対応する縦断面図であ
る。

【符号の説明】

Ｇ複層ガラス１ガラス板２プラスチック板３空気層５上桟５ａ受部材５ｂ押部材６下桟７縦桟９乾燥剤１３掛止片１５掛止桟１７中空体１９嵌着溝２０通気孔２１押縁シール材２２口２３栓

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】押出形材からなる上桟と下桟と左右縦桟
との枠組の側面にガラス板を接着し、且つ、枠組の中に
透明なプラスチック板を組み込むことにより、ガラス板
とプラスチック板との間に空気層を設け、上桟について
は、スペーサーとしての受部材とそれに対してプラスチ
ック板を押さえ止める押部材との解離可能な組合せから
なり、下桟および左右縦桟については、乾燥剤が充填さ
れるスペーサーとしての中空体に隣接してプラスチック
板の嵌着溝を一体に設けた形材であって、ゴム質の押縁
シール材と共にその嵌着溝にプラスチック板を嵌着し、
中空体には空気層に面して通気孔を穿設し、いずれかの
箇所に乾燥剤を取替え可能に栓で密封される口を設けた
ことを特徴とする複層ガラス。
【請求項２】プラスチック板がポリカーボネート樹脂
であり、上桟において、受部材に掛止片を形成し、プラ
スチック板の上端に掛止片に掛かる同じくポリカーボネ
ート樹脂からなる掛止桟を接着してあることを特徴とす
る複層ガラス。