JPH11290575A - 水洗装置 - Google Patents

水洗装置

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JPH11290575A
JPH11290575A JP9774998A JP9774998A JPH11290575A JP H11290575 A JPH11290575 A JP H11290575A JP 9774998 A JP9774998 A JP 9774998A JP 9774998 A JP9774998 A JP 9774998A JP H11290575 A JPH11290575 A JP H11290575A
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drum
washing
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washed
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Yoshitaka Miyata
剛毅 宮田
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MIYATA LAUNDRY KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、ドライクリーニングで処理されていた
被洗物であっても、確実に水洗が可能となる水洗装置を
提供しようとするものである。 【解決手段】 筒状をなす中胴部3aの上下開放口に上
下方向に至るに従って断面積が萎められた端胴部3b、
3cを備えたドラム3に、その両端胴部の各頂部の一方
には被洗物の投排口4を、他方には排水口6をそれぞれ
キャップ5,7によって開閉自在に設けてあって、該ド
ラム3をその中胴部3aに設けた筒状の支軸12によっ
て前記投排口4と排水口6が交互に上下になるように回
転可能に軸支し、前記支軸12に設けたロータリージョ
イント17に、洗濯に必要な複数の液体を個々に必要時
に注入する供給パイプ19を接続し、前記ドラム3の下
方部に脱水槽2を設置していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣類などの洗濯を
主に業として行う際に使用される水洗装置であって、更
に詳しくは、洗濯には洗剤を使って水で洗う湿式洗濯、
一般にランドリーと称されている場合と、溶剤を使用す
るドライクリーニングの場合とがあるが、前者のランド
リーでしかもドライクリーニングが可能な水洗装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】環境問題から最も問題になるのはドライ
クリーニングであって、周知のように、ドライクリーニ
ングは、羊毛製品の如く湿式洗濯では縮んでしまう物、
絹織物の如く変形、脱色、色泣きの恐れがある製品、皺
になると回復しにくいアセテート製品などが対象であ
り、ドライクリーニングの溶剤として、従来使用されて
いたフッ素系溶剤はフロンガスを発生することから禁止
され、石油系及び塩素系のパークロロエチレンあるいは
トリクロロエタンが最も一般的であった。
【0003】しかし上記の有機溶剤を使用する場合に
は、後処理に溶剤回収機、チラー、クーリングタワー、
ミキシングタンク、排水処理装置などの高価な付帯設備
が必要であり、しかもそれらの機器の作動に大きな電気
エネルギーが消費されものであり、更に石油系の溶剤を
使用する時には、窒素によって防爆を図る必要があるな
ど、設備費が大きく嵩み、また付帯設備の稼働に高度の
技術を要求されるようになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、機械メーカー
や洗剤メーカーなどでは、毛織物や絹織物、その他の従
来ドライクリーニングで処理されていた品物を、水洗い
で処理できないかと種々研究されているが、未だ満足す
る手段がなく、まだまだ多くの課題があった。
【0005】本発明は以上の課題を解決することにあ
り、従来ドライクリーニングで処理されていた品物を水
洗いが可能となり、しかも洗浄能力を向上することがで
きる水洗装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による解決手段
は、筒状をなす中胴部の上下開放口に上下方向に至るに
従って断面積が萎められた端胴部を備えたドラムに、そ
の両端胴部の各頂部の一方には被洗物の投排口を、他方
には排水口をそれぞれキャップによって開閉自在に設け
てあって、該ドラムをその中胴部に設けた筒状の支軸に
よって前記投排口と排水口が交互に上下になるように回
転可能に軸支し、前記支軸に設けたロータリージョイン
トに、洗濯に必要な複数の液体を個々に必要時に注入す
る供給パイプを接続し、前記ドラムの下方部に脱水槽を
設置していることを特徴とする。
【0007】上記ドラムが、その支軸を介して正逆転す
るモーターによって回転可能に設けて、自動に正逆転す
ることが好ましく、また、前記投排口と排水口の各キャ
ップが、それぞれ個々のシリンダーで開閉可能に設ける
ことが好ましい。
【0008】上記ドラムが、筒状の中胴部に上下方向に
至るに従って断面積が萎められた端胴部を設けることに
より、恰もビール樽あるいは提灯形に形成されるもので
あって、ドラムを回転してその頂部に設けた投排口また
は排水口を下に向けることにより、ドラム内に収納した
被洗物あるいは洗浄液を残すことなく円滑に排出するこ
とができるようになる。
【0009】また、ドラムをその両口が交互に上下する
ように回転することにより、被洗物に洗液の落下する圧
力が、横にして回転する場合よりも大きく、また回転に
よる被洗物のねじれ、引っ張り及び押し縮めの機械的変
形が与えられる上、洗液から発生する泡は浮上し、被洗
物は沈下して殆ど洗液内で洗濯されることから洗浄効果
が大きく得られるものである。このように洗浄力が向上
することから、短時間で洗浄することができ、また被洗
物を痛めることがなく、後のプレスも容易になることか
ら、従来ドライクリーニングで処理されていた被洗物を
本発明による水洗装置によって処理することができるよ
うになる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明による実施形態を図面によ
って具体的に説明すると、図1に示しているように、上
下二段からなるフレーム1の下段に脱水槽2を設置し、
上段にドラム3を回転自在に軸支するものである。
【0011】ドラム3は、恰もビール樽あるいは日本式
の提灯形の如く、断面楕円形状をなすように、中央部に
円筒をなす中胴部3aを有し、その上下部にほぼ半球状
の端胴部3b,3cを有するもので、図中上側の端胴部
3bの上端部に被洗物を投入及び排出する投排口4を備
え、該投排口4を上キャップ5で開閉されるものであ
り、また下側の端胴部1cの下端部に排水口6を同じく
下キャップ7で開閉できるように設け、しかもこの排水
口6には被洗物が排出されないように網などの目皿8が
設けてある。また、上記上下の各キャップ5,7はそれ
ぞれ個々に空気圧によるシリンダー9,10で駆動する
ものである。
【0012】上記ドラム3の長径方向の中心部に、図2
に示しているように、左右一対の支軸11,12を突設
し、フレーム1の上段側に設けている軸受け13,13
に回転自在に支持してあって、従ってドラム3は投排口
4と排水口6とが交互に上下するように回転するもので
あり、一方の支軸11にプーリー14を嵌め付け、上段
に設けた正逆転可能のモーター15よりタイミングベル
ト16を介して自動的に回転するようになっている。
【0013】上記左右一対の支軸11,12のうち、一
方の支軸11は管体であって、その一端口がドラム3内
に通じ、他端部に液供給用のロータリージョイント17
が取り付けてある。また他方の支軸12には前記各シリ
ンダー9,10に空気圧を供給する同じくロータリージ
ョイント18を設けている。
【0014】前記液供給用のロータリジョイント17に
は、図3に示すように、一本の供給パイプ19を連結
し、該供給パイプ19に水導管20、湯導管21、洗剤
導管22、のり導管23、及び数種の加工剤導管24を
それぞれ制御バルブ25を介して連結してある。各導管
には圧を掛けて供給するものである。
【0015】他方の空気圧を供給する側のロータリージ
ョイント18を取り付ける支軸12は、図2に示すよう
に、同じく管体であるが、ドラム3内には通じていない
もので、ロータリージョイント18には2個のエアーポ
ートを備え、各エアーポートに連結したホース26,2
7を支軸12内に挿通し、ドラム3の近くより支軸12
外へ誘出して、それぞれ各シリンダー9,10に連結し
ているものである。
【0016】洗濯を行う操作は複数のシーケンス制御に
よって行われるもので、しかもドラム3は所定時に、図
4のように投排口4を上にして起立停止する場合と、こ
れを角度0度と称するが、この0度位置から投排口4が
モーター15側とは反対側に45度傾いた位置(図5参
照)で停止する45度停止と、投排口4が下向きとなる
位置(図6参照)で停止する180度停止の3位置で、
それぞれセンサーの検出によって停止することができる
ようになっている。尚、図示してないが、コントロール
ボックスには、準備押釦、複数のスタート押釦、シーケ
ンス制御をリセットする終了押釦を備えるもので、前記
各スタート押釦は、洗濯処理する種々の工程ごとに設け
られるものである。
【0017】そこで、洗濯処理の各工程のうち、洗浄1
回、すすぎ2回、ソフト加工1回の工程を図7によって
具体的に説明する。尚、ドラム3の現位置は180度の
状態にある。
【0018】(イ)準備押釦をONする。モーター15
が起動して180度位置(全工程終了時の位置)にある
ドラム3が回転し、45度位置で停止する。 (ロ)終了工程 NOが選択されている。この時、上下のシリンダー9,
10が起動して、下キャップ7を閉鎖し、上キャップ5
を開放する。ここで、被洗物を投排口4より投入する。 (ハ)スタート押釦をONする。 (ニ)洗いorすすぎ この時、洗い工程が選ばれており、洗剤が設定されてい
るタイマーによって所定量の洗剤が投入され、また、同
じくタイマーによって所定量の水あるいは湯が注入され
る。次いで上シリンダー9が駆動して上キャップ5を閉
鎖する。 (ホ)ドラム正逆転 モーター15を駆動する時間を手動によってタイマーを
設定して駆動するもので、その前半は正転され、後半は
逆転して洗いが行われる。 (ヘ)脱水 NOに設定されており、且つドラム3が0度位置で停止
指令され、排水口6が下端に位置して停止する。次いで
各シリンダー9,10が起動して上下のキャップ5,7
が開放され、排水口6からドラム3内の洗浄水のみが排
出される。ここで洗いの工程が終了する。 (ト)終了工程 またNOが選択されいて、下シリンダー10のみ駆動し
て、下キャップ7を閉鎖する。尚、上キャップ5は開放
のままであるから、上シリンダー9は駆動しない。ま
た、スタート押釦を押す必要がなく、連続して次工程に
移る。 (チ) 洗いorすすぎ ここではすすぎが選択されている。 (リ)加工 NOが選択されていて、給水が行われ、上キャップ5が
閉鎖される。下キャップ7は閉鎖されている。 (ヌ)ドラム正逆転 モーター15がタイマーの設定時間内駆動して、ドラム
3を正逆転する。 (ル)脱水 NOが選択されていて、ドラム3が0度位置で停止し、
上下のキャップ5,7が開放され、下端位置にある排水
口6からすすぎ水が排出される。ここで第1回目のすす
ぎ工程が終了する。 (ヲ)終了工程 NOが選択されていて、下キャップ7を閉鎖する。 (ワ)洗いorすすぎ 再度のすすぎが選択されていて、前記(リ)、(ヌ)、
(ル)(ヲ)の工程を行い、第2回目のすすぎが終了す
る。 (カ)洗いorすすぎ ここでもすすぎが選択されている。 (ヨ)加工 YESが選択されていて、加工剤が注入された後に水が注
入され、開放されていた上キャップ5が閉鎖される。
尚、加工剤と水の量はタイマーによって制御される。 (タ)ドラム正逆転 タイマーの設定された時間内で、その前半は正転し、後
半は逆転して加工を行う。 (レ)脱水 YESが選択されていて、180度位置で停止指令され、
下端に向いている上キャップ5が開放され、且つ上に向
いている下キャップ7も開放され、開放された投排口4
より被洗物がドラム3内より落下し、下方に設けている
脱水槽2内に収容される。 (ソ)終了工程 YESが選択されていて、被洗物が完全にドラム3より落
下するタイミングをタイマーで計測した後に、脱水槽2
がタイマーの指令によって起動し、その設定時間内で脱
水処理される。 (ツ)ブザー ブザーの音声で全工程の終了を通知し、以後停止押釦を
OFFして終了するものである。尚、この時点では上下
のキャップ5,7は開放の状態にある。従って、最初の
被洗物を投入する時点で、上キャップ5を開放指令され
るが、上シリンダー9は作動しないものである。
【0019】また、本発明による試作機として、被洗物
が約7.5kg処理できる容量のドラム3を、1秒間当
たり約1回転の速度で回転するように製作して試験した
結果、被洗物の種類及び汚染度の違いによって処理時間
が異なるが、その処理する量が6〜7kgで15秒〜2
分の洗浄時間で良好な洗浄率を得ることができた。
【0020】そこで従来の水洗機と本発明の試作機との
洗浄率を比較テストした。 従来機 (株)東京洗染機械製作所製のMOXー30水洗機(30kg) 試作機 7.5kg水洗機 測定機器 クリンマスタKC−A1型反射率計 磁器製白板 反射率80.5%(村上色彩製) 汚染布制作 ゲンブ(株)研究室 汚染方法 油化学協会法に準ずる 洗浄方法 洗剤0.3% 温度30度と40度 洗浄時間2分 試験結果 4回の平均値 乾式汚染布 洗浄率 MOXー30 水温30度 25% 水温40度 31% 試作機 水温30度 55% 水温40度 67% 湿式汚染布 洗浄率 MOXー30 水温30度 26% 水温40度 29% 試作機 水温30度 33% 水温40度 35% しみに対する洗浄の所見 アクリノール、血液、フレスミン、ヒビデン、フェジンの汚染液では、前 記試作機による方が良好に洗浄されている。との報告を受けた。
【0021】
【発明の効果】本発明による水洗装置によれば、ドラム
を筒状の中胴部に断面積が順次萎められた端胴部を備え
た提灯状に形成したもので、しかもドラムをその縦長の
両端が上下になるように回転することにより、洗浄液は
上下に撹拌されるように回転するが、被洗物は洗浄液の
深い位置に存在され、主に撹拌される洗浄液の押圧力と
流動圧によって短時間で洗浄されるようになる。
【0022】また、短時間で洗浄処理されることから、
生地を傷める恐れがなくなり、しかも被洗物が異常に捻
られることがないことから、後のプレス加工が容易にな
る。
【0023】以上の効果が得られることから、従来ドラ
イクリーニングに頼らざる得ない被洗物を本発明の水洗
装置によって異常を来すことなく、確実に処理すること
ができるようになり、しかも公害の発生を防止すること
ができるようになる。
【0024】また、本発明の水洗装置は小型にも製作す
ることができ、従来クリーニング業界では、繁忙期と閑
散期の差が大きく、閑散期でも大型の機械で少量のもの
を処理するため、大きなエネルギーを消費されていた
が、小型であっても処理時間が短いので、単位時間当た
りの処理能力が向上し、省エネルギー化を図ることがで
き、クリーニング業界に多大な効果をもたらせることが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水洗装置を示す側面図である。
【図2】同じく正面図である。
【図3】ドラムに水や洗剤などを供給する部分を拡大し
て示す斜視図である。
【図4】ドラムの0度位置の状態を示す側面図である。
【図5】ドラムの45度位置の状態を示す側面図であ
る。
【図6】ドラムの180度位置の状態を示す側面図であ
る。
【図7】水洗工程の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
2 脱水槽 3 ドラム 3a 中胴部 3b 端胴部 3c 端胴部 4 投排口 5 上のキャップ 6 排水口 7 下のキャップ 9,10 シリンダー 11,12 支軸 15 モーター 17 ロータリージョイント 19 供給パイプ
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 水洗装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣類などの洗濯を
主に業として行う際に使用される水洗装置であって、更
に詳しくは、洗濯には洗剤を使って水で洗う湿式洗濯、
一般にランドリーと称されている場合と、溶剤を使用す
るドライクリーニングの場合とがあるが、前者のランド
リーでしかもドライクリーニングが可能な水洗装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】環境問題から最も問題になるのはドライ
クリーニングであって、周知のように、ドライクリーニ
ングは、羊毛製品の如く湿式洗濯では縮んでしまう物、
絹織物の如く変形、脱色、色泣きの恐れがある製品、皺
になると回復しにくいアセテート製品などが対象であ
り、ドライクリーニングの溶剤として、従来使用されて
いたフッ素系溶剤はフロンガスを発生することから禁止
され、石油系及び塩素系のパークロロエチレンあるいは
トリクロロエタンが最も一般的であった。
【0003】しかし上記の有機溶剤を使用する場合に
は、後処理に溶剤回収機、チラー、クーリングタワー、
ミキシングタンク、排水処理装置などの高価な付帯設備
が必要であり、しかもそれらの機器の作動に大きな電気
エネルギーが消費されものであり、更に石油系の溶剤を
使用する時には、窒素によって防爆を図る必要があるな
ど、設備費が大きく嵩み、また付帯設備の稼働に高度の
技術を要求されるようになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、機械メーカー
や洗剤メーカーなどでは、毛織物や絹織物、その他の従
来ドライクリーニングで処理されていた品物を、水洗い
で処理できないかと種々研究されているが、未だ満足す
る手段がなく、まだまだ多くの課題があった。
【0005】本発明は以上の課題を解決することにあ
り、従来ドライクリーニングで処理されていた品物を水
洗いが可能となり、しかも洗浄能力を向上することがで
きる水洗装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による解決手段
は、筒状をなす中胴部の上下開放口に上下方向に至るに
従って断面積が萎められた端胴部を備えたドラムに、そ
の両端胴部の各頂部の一方には被洗物の投排口を、他方
には排水口をそれぞれキャップによって開閉自在に設け
てあって、該ドラムをその中胴部に設けた筒状の支軸に
よって前記投排口と排水口が交互に上下になるように正
逆転するモーターによって回転可能に軸支し、前記支軸
に設けたロータリージョイントに、洗濯に必要な複数の
液体を制御バルブを介して水道管、湯導管、洗剤導管、
のり導管、及び数種の加工剤導管から個々に必要時に注
入する供給パイプを接続し、前記ドラムの下方部に脱水
槽を設置していることを特徴とする。
【0007】上記ドラムが、その支軸を介して正逆転す
るモーターによって回転可能に設けて、自動に正逆転す
ることが好ましく、また、前記投排口と排水口の各キャ
ップが、それぞれ個々のシリンダーで開閉可能に設ける
ことが好ましい。
【0008】上記ドラムが、筒状の中胴部に上下方向に
至るに従って断面積が萎められた端胴部を設けることに
より、恰もビール樽あるいは提灯形に形成されるもので
あって、ドラムを回転してその頂部に設けた投排口また
は排水口を下に向けることにより、ドラム内に収納した
被洗物あるいは洗浄液を残すことなく円滑に排出するこ
とができるようになる。
【0009】また、ドラムをその両口が交互に上下する
ように回転することにより、被洗物に洗液の落下する圧
力が、横にして回転する場合よりも大きく、また回転に
よる被洗物のねじれ、引っ張り及び押し縮めの機械的変
形が与えられる上、洗液から発生する泡は浮上し、被洗
物は沈下して殆ど洗液内で洗濯されることから洗浄効果
が大きく得られるものである。このように洗浄力が向上
することから、短時間で洗浄することができ、また被洗
物を痛めることがなく、後のプレスも容易になることか
ら、従来ドライクリーニングで処理されていた被洗物を
本発明による水洗装置によって処理することができるよ
うになる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明による実施形態を図面によ
って具体的に説明すると、図1に示しているように、上
下二段からなるフレーム1の下段に脱水槽2を設置し、
上段にドラム3を回転自在に軸支するものである。
【0011】ドラム3は、恰もビール樽あるいは日本式
の提灯形の如く、断面楕円形状をなすように、中央部に
円筒をなす中胴部3aを有し、その上下部にほぼ半球状
の端胴部3b,3cを有するもので、図中上側の端胴部
3bの上端部に被洗物を投入及び排出する投排口4を備
え、該投排口4を上キャップ5で開閉されるものであ
り、また下側の端胴部1cの下端部に排水口6を同じく
下キャップ7で開閉できるように設け、しかもこの排水
口6には被洗物が排出されないように網などの目皿8が
設けてある。また、上記上下の各キャップ5,7はそれ
ぞれ個々に空気圧によるシリンダー9,10で駆動する
ものである。
【0012】上記ドラム3の長径方向の中心部に、図2
に示しているように、左右一対の支軸11,12を突設
し、フレーム1の上段側に設けている軸受け13,13
に回転自在に支持してあって、従ってドラム3は投排口
4と排水口6とが交互に上下するように回転するもので
あり、一方の支軸11にプーリー14を嵌め付け、上段
に設けた正逆転可能のモーター15よりタイミングベル
ト16を介して自動的に回転するようになっている。
【0013】上記左右一対の支軸11,12のうち、一
方の支軸11は管体であって、その一端口がドラム3内
に通じ、他端部に液供給用のロータリージョイント17
が取り付けてある。また他方の支軸12には前記各シリ
ンダー9,10に空気圧を供給する同じくロータリージ
ョイント18を設けている。
【0014】前記液供給用のロータリジョイント17に
は、図3に示すように、一本の供給パイプ19を連結
し、該供給パイプ19に水導管20、湯導管21、洗剤
導管22、のり導管23、及び数種の加工剤導管24を
それぞれ制御バルブ25を介して連結してある。各導管
には圧を掛けて供給するものである。
【0015】他方の空気圧を供給する側のロータリージ
ョイント18を取り付ける支軸12は、図2に示すよう
に、同じく管体であるが、ドラム3内には通じていない
もので、ロータリージョイント18には2個のエアーポ
ートを備え、各エアーポートに連結したホース26,2
7を支軸12内に挿通し、ドラム3の近くより支軸12
外へ誘出して、それぞれ各シリンダー9,10に連結し
ているものである。
【0016】洗濯を行う操作は複数のシーケンス制御に
よって行われるもので、しかもドラム3は所定時に、図
4のように投排口4を上にして起立停止する場合と、こ
れを角度0度と称するが、この0度位置から投排口4が
モーター15側とは反対側に45度傾いた位置(図5参
照)で停止する45度停止と、投排口4が下向きとなる
位置(図6参照)で停止する180度停止の3位置で、
それぞれセンサーの検出によって停止することができる
ようになっている。尚、図示してないが、コントロール
ボックスには、準備押釦、複数のスタート押釦、シーケ
ンス制御をリセットする終了押釦を備えるもので、前記
各スタート押釦は、洗濯処理する種々の工程ごとに設け
られるものである。
【0017】そこで、洗濯処理の各工程のうち、洗浄1
回、すすぎ2回、ソフト加工1回の工程を図7によって
具体的に説明する。尚、ドラム3の現位置は180度の
状態にある。
【0018】(イ)準備押釦をONする。モーター15
が起動して180度位置(全工程終了時の位置)にある
ドラム3が回転し、45度位置で停止する。 (ロ)終了工程 NOが選択されている。この時、上下のシリンダー9,
10が起動して、下キャップ7を閉鎖し、上キャップ5
を開放する。ここで、被洗物を投排口4より投入する。 (ハ)スタート押釦をONする。 (ニ)洗いorすすぎ この時、洗い工程が選ばれており、洗剤が設定されてい
るタイマーによって所定量の洗剤が投入され、また、同
じくタイマーによって所定量の水あるいは湯が注入され
る。次いで上シリンダー9が駆動して上キャップ5を閉
鎖する。 (ホ)ドラム正逆転 モーター15を駆動する時間を手動によってタイマーを
設定して駆動するもので、その前半は正転され、後半は
逆転して洗いが行われる。 (ヘ)脱水 NOに設定されており、且つドラム3が0度位置で停止
指令され、排水口6が下端に位置して停止する。次いで
各シリンダー9,10が起動して上下のキャップ5,7
が開放され、排水口6からドラム3内の洗浄水のみが排
出される。ここで洗いの工程が終了する。 (ト)終了工程 またNOが選択されいて、下シリンダー10のみ駆動し
て、下キャップ7を閉鎖する。尚、上キャップ5は開放
のままであるから、上シリンダー9は駆動しない。ま
た、スタート押釦を押す必要がなく、連続して次工程に
移る。 (チ)洗いorすすぎ ここではすすぎが選択されている。 (リ)加工 NOが選択されていて、給水が行われ、上キャップ5が
閉鎖される。下キャップ7は閉鎖されている。 (ヌ)ドラム正逆転 モーター15がタイマーの設定時間内駆動して、ドラム
3を正逆転する。 (ル)脱水 NOが選択されていて、ドラム3が0度位置で停止し、
上下のキャップ5,7が開放され、下端位置にある排水
口6からすすぎ水が排出される。ここで第1回目のすす
ぎ工程が終了する。 (ヲ)終了工程 NOが選択されていて、下キャップ7を閉鎖する。 (ワ)洗いorすすぎ 再度のすすぎが選択されていて、前記(リ)、(ヌ)、
(ル)(ヲ)の工程を行い、第2回目のすすぎが終了す
る。 (カ)洗いorすすぎ ここでもすすぎが選択されている。 (ヨ)加工 YES が選択されていて、加工剤が注入された後に水が注
入され、開放されていた上キャップ5が閉鎖される。
尚、加工剤と水の量はタイマーによって制御される。 (タ)ドラム正逆転 タイマーの設定された時間内で、その前半は正転し、後
半は逆転して加工を行う。 (レ)脱水 YES が選択されていて、180度位置で停止指令され、
下端に向いている上キャップ5が開放され、且つ上に向
いている下キャップ7も開放され、開放された投排口4
より被洗物がドラム3内より落下し、下方に設けている
脱水槽2内に収容される。 (ソ)終了工程 YES が選択されていて、被洗物が完全にドラム3より落
下するタイミングをタイマーで計測した後に、脱水槽2
がタイマーの指令によって起動し、その設定時間内で脱
水処理される。 (ツ)ブザー ブザーの音声で全工程の終了を通知し、以後停止押釦を
OFFして終了するものである。尚、この時点では上下
のキャップ5,7は開放の状態にある。従って、最初の
被洗物を投入する時点で、上キャップ5を開放指令され
るが、上シリンダー9は作動しないものである。
【0019】また、本発明による試作機として、被洗物
が約7.5kg処理できる容量のドラム3を、1秒間当
たり約1回転の速度で回転するように製作して試験した
結果、被洗物の種類及び汚染度の違いによって処理時間
が異なるが、その処理する量が6〜7kgで15秒〜2
分の洗浄時間で良好な洗浄率を得ることができた。
【0020】そこで従来の水洗機と本発明の試作機との
洗浄率を比較テストした。 従来機 (株)東京洗染機械製作所製のMOXー30水洗機(30kg) 試作機 7.5kg水洗機 測定機器 クリンマスタKC−A1型反射率計 磁器製白板 反射率80.5%(村上色彩製) 汚染布制作 ゲンブ(株)研究室 汚染方法 油化学協会法に準ずる 洗浄方法 洗剤0.3% 温度30度と40度 洗浄時間2分 試験結果 4回の平均値 乾式汚染布 洗浄率 MOXー30 水温30度 25% 水温40度 31% 試作機 水温30度 55% 水温40度 67% 湿式汚染布 洗浄率 MOXー30水温30度 26% 水温40度 29% 試作機 水温30度 33% 水温40度 35% しみに対する洗浄の所見 アクリノール、血液、フレスミン、ヒビデン、フェジンの汚染液では、前 記試作機による方が良好に洗浄されている。との報告を受けた。
【0021】
【発明の効果】本発明による水洗装置によれば、ドラム
を筒状の中胴部に断面積が順次萎められた端胴部を備え
た提灯状に形成したもので、しかもドラムをその縦長の
両端が上下になるように回転することにより、洗浄液は
上下に撹拌されるように回転するが、被洗物は洗浄液の
深い位置に存在され、主に撹拌される洗浄液の押圧力と
流動圧によって短時間で洗浄されるようになる。
【0022】また、短時間で洗浄処理されることから、
生地を傷める恐れがなくなり、しかも被洗物が異常に捻
られることがないことから、後のプレス加工が容易にな
る。
【0023】以上の効果が得られることから、従来ドラ
イクリーニングに頼らざる得ない被洗物を本発明の水洗
装置によって異常を来すことなく、確実に処理すること
ができるようになり、しかも公害の発生を防止すること
ができるようになる。
【0024】また、本発明の水洗装置は小型にも製作す
ることができ、従来クリーニング業界では、繁忙期と閑
散期の差が大きく、閑散期でも大型の機械で少量のもの
を処理するため、大きなエネルギーを消費されていた
が、小型であっても処理時間が短いので、単位時間当た
りの処理能力が向上し、省エネルギー化を図ることがで
き、クリーニング業界に多大な効果をもたらせることが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水洗装置を示す側面図である。
【図2】同じく正面図である。
【図3】ドラムに水や洗剤などを供給する部分を拡大し
て示す斜視図である。
【図4】ドラムの0度位置の状態を示す側面図である。
【図5】ドラムの45度位置の状態を示す側面図であ
る。
【図6】ドラムの180度位置の状態を示す側面図であ
る。
【図7】水洗工程の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】 2 脱水槽 3 ドラム 3a 中胴部 3b 端胴部 3c 端胴部 4 投排口 5 上のキャップ 6 排水口 7 下のキャップ 9,10 シリンダー 11,12 支軸 15 モーター 17 ロータリージョイント 19 供給パイプ 20 水道管 21 湯導管 22 洗剤導管 23 のり導管 24 加工剤導管 25 制御バルブ ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 水洗装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣類などの洗濯を
主に業として行う際に使用される水洗装置であって、更
に詳しくは、洗濯には洗剤を使って水で洗う湿式洗濯、
一般にランドリーと称されている場合と、溶剤を使用す
るドライクリーニングの場合とがあるが、前者のランド
リーでしかもドライクリーニングが可能な水洗装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】環境問題から最も問題になるのはドライ
クリーニングであって、周知のように、ドライクリーニ
ングは、羊毛製品の如く湿式洗濯では縮んでしまう物、
絹織物の如く変形、脱色、色泣きの恐れがある製品、皺
になると回復しにくいアセテート製品などが対象であ
り、ドライクリーニングの溶剤として、従来使用されて
いたフッ素系溶剤はフロンガスを発生することから禁止
され、石油系及び塩素系のパークロロエチレンあるいは
トリクロロエタンが最も一般的であった。
【0003】しかし上記の有機溶剤を使用する場合に
は、後処理に溶剤回収機、チラー、クーリングタワー、
ミキシングタンク、排水処理装置などの高価な付帯設備
が必要であり、しかもそれらの機器の作動に大きな電気
エネルギーが消費されものであり、更に石油系の溶剤を
使用する時には、窒素によって防爆を図る必要があるな
ど、設備費が大きく嵩み、また付帯設備の稼働に高度の
技術を要求されるようになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、機械メーカー
や洗剤メーカーなどでは、毛織物や絹織物、その他の従
来ドライクリーニングで処理されていた品物を、水洗い
で処理できないかと種々研究されているが、未だ満足す
る手段がなく、まだまだ多くの課題があった。
【0005】本発明は以上の課題を解決することにあ
り、従来ドライクリーニングで処理されていた品物を水
洗いが可能となり、しかも洗浄能力を向上することがで
きる水洗装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による解決手段
は、筒状をなす中胴部の上下開放口に上下方向に至るに
従って断面積が萎められた端胴部を備えたドラムに、そ
の両端胴部の各頂部の一方には被洗物の投排口を、他方
には排水口をそれぞれキャップによって開閉自在に設
け、該ドラムの中胴部に設けた左右一対の支軸によって
前記投排口と排水口が交互に上下になるように正逆転す
るモーターにより回転可能に軸支し、前記支軸のうち少
なくともいずれか一方の支軸は管体であって、その一端
口がドラム内に通じると共に他端部に液供給用のロータ
リージョイントを取付け、該ロータリージョイントに、
洗濯に必要な複数の液体を制御バルブを介して水道管、
湯導管、洗剤導管、のり導管、及び数種の加工剤導管か
ら個々に必要時に注入する供給パイプを接続しているこ
とを特徴とする。また、前記ドラムの下方位置には脱水
槽を設置してもよい。
【0007】上記ドラムが、その支軸を介して正逆転す
るモーターによって回転可能に設けて、自動に正逆転す
ることが好ましく、また、前記投排口と排水口の各キャ
ップが、それぞれ個々のシリンダーで開閉可能に設ける
ことが好ましい。
【0008】上記ドラムが、筒状の中胴部に上下方向に
至るに従って断面積が萎められた端胴部を設けることに
より、恰もビール樽あるいは提灯形に形成されるもので
あって、ドラムを回転してその頂部に設けた投排口また
は排水口を下に向けることにより、ドラム内に収納した
被洗物あるいは洗浄液を残すことなく円滑に排出するこ
とができるようになる。
【0009】また、ドラムをその両口が交互に上下する
ように回転することにより、被洗物に洗液の落下する圧
力が、横にして回転する場合よりも大きく、また回転に
よる被洗物のねじれ、引っ張り及び押し縮めの機械的変
形が与えられる上、洗液から発生する泡は浮上し、被洗
物は沈下して殆ど洗液内で洗濯されることから洗浄効果
が大きく得られるものである。このように洗浄力が向上
することから、短時間で洗浄することができ、また被洗
物を痛めることがなく、後のプレスも容易になることか
ら、従来ドライクリーニングで処理されていた被洗物を
本発明による水洗装置によって処理することができるよ
うになる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明による実施形態を図面によ
って具体的に説明すると、図1に示しているように、上
下二段からなるフレーム1の下段に脱水槽2を設置し、
上段にドラム3を回転自在に軸支するものである。
【0011】ドラム3は、恰もビール樽あるいは日本式
の提灯形の如く、断面楕円形状をなすように、中央部に
円筒をなす中胴部3aを有し、その上下部にほぼ半球状
の端胴部3b,3cを有するもので、図中上側の端胴部
3bの上端部に被洗物を投入及び排出する投排口4を備
え、該投排口4を上キャップ5で開閉されるものであ
り、また下側の端胴部1cの下端部に排水口6を同じく
下キャップ7で開閉できるように設け、しかもこの排水
口6には被洗物が排出されないように網などの目皿8が
設けてある。また、上記上下の各キャップ5,7はそれ
ぞれ個々に空気圧によるシリンダー9,10で駆動する
ものである。
【0012】上記ドラム3の長径方向の中心部に、図2
に示しているように、左右一対の支軸11,12を突設
し、フレーム1の上段側に設けている軸受け13,13
に回転自在に支持してあって、従ってドラム3は投排口
4と排水口6とが交互に上下するように回転するもので
あり、一方の支軸11にプーリー14を嵌め付け、上段
に設けた正逆転可能のモーター15よりタイミングベル
ト16を介して自動的に回転するようになっている。
【0013】上記左右一対の支軸11,12のうち、一
方の支軸11は管体であって、その一端口がドラム3内
に通じ、他端部に液供給用のロータリージョイント17
が取り付けてある。また他方の支軸12には前記各シリ
ンダー9,10に空気圧を供給する同じくロータリージ
ョイント18を設けている。
【0014】前記液供給用のロータリジョイント17に
は、図3に示すように、一本の供給パイプ19を連結
し、該供給パイプ19に水導管20、湯導管21、洗剤
導管22、のり導管23、及び数種の加工剤導管24を
それぞれ制御バルブ25を介して連結してある。各導管
には圧を掛けて供給するものである。
【0015】他方の空気圧を供給する側のロータリージ
ョイント18を取り付ける支軸12は、図2に示すよう
に、同じく管体であるが、ドラム3内には通じていない
もので、ロータリージョイント18には2個のエアーポ
ートを備え、各エアーポートに連結したホース26,2
7を支軸12内に挿通し、ドラム3の近くより支軸12
外へ誘出して、それぞれ各シリンダー9,10に連結し
ているものである。
【0016】洗濯を行う操作は複数のシーケンス制御に
よって行われるもので、しかもドラム3は所定時に、図
4のように投排口4を上にして起立停止する場合と、こ
れを角度0度と称するが、この0度位置から投排口4が
モーター15側とは反対側に45度傾いた位置(図5参
照)で停止する45度停止と、投排口4が下向きとなる
位置(図6参照)で停止する180度停止の3位置で、
それぞれセンサーの検出によって停止することができる
ようになっている。尚、図示してないが、コントロール
ボックスには、準備押釦、複数のスタート押釦、シーケ
ンス制御をリセットする終了押釦を備えるもので、前記
各スタート押釦は、洗濯処理する種々の工程ごとに設け
られるものである。
【0017】そこで、洗濯処理の各工程のうち、洗浄1
回、すすぎ2回、ソフト加工1回の工程を図7によって
具体的に説明する。尚、ドラム3の現位置は180度の
状態にある。
【0018】(イ)準備押釦をONする。モーター15
が起動して180度位置(全工程終了時の位置)にある
ドラム3が回転し、45度位置で停止する。 (ロ)終了工程 NOが選択されている。この時、上下のシリンダー9,
10が起動して、下キャップ7を閉鎖し、上キャップ5
を開放する。ここで、被洗物を投排口4より投入する。 (ハ)スタート押釦をONする。 (ニ)洗いorすすぎ この時、洗い工程が選ばれており、洗剤が設定されてい
るタイマーによって所定量の洗剤が投入され、また、同
じくタイマーによって所定量の水あるいは湯が注入され
る。次いで上シリンダー9が駆動して上キャップ5を閉
鎖する。 (ホ)ドラム正逆転 モーター15を駆動する時間を手動によってタイマーを
設定して駆動するもので、その前半は正転され、後半は
逆転して洗いが行われる。 (ヘ)脱水 NOに設定されており、且つドラム3が0度位置で停止
指令され、排水口6が下端に位置して停止する。次いで
各シリンダー9,10が起動して上下のキャップ5,7
が開放され、排水口6からドラム3内の洗浄水のみが排
出される。ここで洗いの工程が終了する。 (ト)終了工程 またNOが選択されいて、下シリンダー10のみ駆動し
て、下キャップ7を閉鎖する。尚、上キャップ5は開放
のままであるから、上シリンダー9は駆動しない。ま
た、スタート押釦を押す必要がなく、連続して次工程に
移る。 (チ)洗いorすすぎ ここではすすぎが選択されている。 (リ)加工 NOが選択されていて、給水が行われ、上キャップ5が
閉鎖される。下キャップ7は閉鎖されている。 (ヌ)ドラム正逆転 モーター15がタイマーの設定時間内駆動して、ドラム
3を正逆転する。 (ル)脱水 NOが選択されていて、ドラム3が0度位置で停止し、
上下のキャップ5,7が開放され、下端位置にある排水
口6からすすぎ水が排出される。ここで第1回目のすす
ぎ工程が終了する。 (ヲ)終了工程 NOが選択されていて、下キャップ7を閉鎖する。 (ワ)洗いorすすぎ 再度のすすぎが選択されていて、前記(リ)、(ヌ)、
(ル)(ヲ)の工程を行い、第2回目のすすぎが終了す
る。 (カ)洗いorすすぎ ここでもすすぎが選択されている。 (ヨ)加工 YES が選択されていて、加工剤が注入された後に水が注
入され、開放されていた上キャップ5が閉鎖される。
尚、加工剤と水の量はタイマーによって制御される。 (タ)ドラム正逆転 タイマーの設定された時間内で、その前半は正転し、後
半は逆転して加工を行う。 (レ)脱水 YES が選択されていて、180度位置で停止指令され、
下端に向いている上キャップ5が開放され、且つ上に向
いている下キャップ7も開放され、開放された投排口4
より被洗物がドラム3内より落下し、下方に設けている
脱水槽2内に収容される。 (ソ)終了工程 YES が選択されていて、被洗物が完全にドラム3より落
下するタイミングをタイマーで計測した後に、脱水槽2
がタイマーの指令によって起動し、その設定時間内で脱
水処理される。 (ツ)ブザー ブザーの音声で全工程の終了を通知し、以後停止押釦を
OFFして終了するものである。尚、この時点では上下
のキャップ5,7は開放の状態にある。従って、最初の
被洗物を投入する時点で、上キャップ5を開放指令され
るが、上シリンダー9は作動しないものである。
【0019】また、本発明による試作機として、被洗物
が約7.5kg処理できる容量のドラム3を、1秒間当
たり約1回転の速度で回転するように製作して試験した
結果、被洗物の種類及び汚染度の違いによって処理時間
が異なるが、その処理する量が6〜7kgで15秒〜2
分の洗浄時間で良好な洗浄率を得ることができた。
【0020】そこで従来の水洗機と本発明の試作機との
洗浄率を比較テストした。 従来機 (株)東京洗染機械製作所製のMOXー30水洗機(30kg) 試作機 7.5kg水洗機 測定機器 クリンマスタKC−A1型反射率計 磁器製白板 反射率80.5%(村上色彩製) 汚染布制作 ゲンブ(株)研究室 汚染方法 油化学協会法に準ずる 洗浄方法 洗剤0.3% 温度30度と40度 洗浄時間2分 試験結果 4回の平均値 乾式汚染布 洗浄率 MOXー30 水温30度 25% 水温40度 31% 試作機 水温30度 55% 水温40度 67% 湿式汚染布 洗浄率 MOXー30水温30度 26% 水温40度 29% 試作機 水温30度 33% 水温40度 35% しみに対する洗浄の所見 アクリノール、血液、フレスミン、ヒビデン、フェジンの汚染液では、前 記試作機による方が良好に洗浄されている。との報告を受けた。
【0021】
【発明の効果】本発明による水洗装置によれば、ドラム
を筒状の中胴部に断面積が順次萎められた端胴部を備え
た提灯状に形成したもので、しかもドラムをその縦長の
両端が上下になるように回転することにより、洗浄液は
上下に撹拌されるように回転するが、被洗物は洗浄液の
深い位置に存在され、主に撹拌される洗浄液の押圧力と
流動圧によって短時間で洗浄されるようになる。
【0022】また、短時間で洗浄処理されることから、
生地を傷める恐れがなくなり、しかも被洗物が異常に捻
られることがないことから、後のプレス加工が容易にな
る。
【0023】以上の効果が得られることから、従来ドラ
イクリーニングに頼らざる得ない被洗物を本発明の水洗
装置によって異常を来すことなく、確実に処理すること
ができるようになり、しかも公害の発生を防止すること
ができるようになる。
【0024】また、本発明の水洗装置は小型にも製作す
ることができ、従来クリーニング業界では、繁忙期と閑
散期の差が大きく、閑散期でも大型の機械で少量のもの
を処理するため、大きなエネルギーを消費されていた
が、小型であっても処理時間が短いので、単位時間当た
りの処理能力が向上し、省エネルギー化を図ることがで
き、クリーニング業界に多大な効果をもたらせることが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水洗装置を示す側面図である。
【図2】同じく正面図である。
【図3】ドラムに水や洗剤などを供給する部分を拡大し
て示す斜視図である。
【図4】ドラムの0度位置の状態を示す側面図である。
【図5】ドラムの45度位置の状態を示す側面図であ
る。
【図6】ドラムの180度位置の状態を示す側面図であ
る。
【図7】水洗工程の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】 2 脱水槽 3 ドラム 3a 中胴部 3b 端胴部 3c 端胴部 4 投排口 5 上のキャップ 6 排水口 7 下のキャップ 9,10 シリンダー 11,12 支軸 15 モーター 17 ロータリージョイント 19 供給パイプ 20 水道管 21 湯導管 22 洗剤導管 23 のり導管 24 加工剤導管 25 制御バルブ
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状をなす中胴部(3a)の上下開放口
    に上下方向に至るに従って断面積が萎められた端胴部
    (3b,3c)を備えたドラム(3)に、その両端胴部
    の各頂部の一方には被洗物の投排口(4)を、他方には
    排水口(6)をそれぞれキャップ(5,7)によって開
    閉自在に設けてあって、該ドラム(3)をその中胴部
    (3a)に設けた筒状の支軸(11)によって前記投排
    口(4)と排水口(6)が交互に上下になるように回転
    可能に軸支し、前記支軸(11)に設けたロータリージ
    ョイント(17)に、洗濯に必要な複数の液体を個々に
    必要時に注入する供給パイプ(19)を接続し、前記ド
    ラム(3)の下方部に脱水槽(2)を設置していること
    を特徴とする水洗装置。
  2. 【請求項2】 前記ドラム(3)が、その支軸(11)
    を介して正逆転するモーター(15)によって回転可能
    に設けていることを特徴とする請求項1に記載の水洗装
    置。
  3. 【請求項3】 前記投排口(4)と排水口(6)の各キ
    ャップ(5,7)が、それぞれ個々のシリンダー(9,
    10)で開閉可能に設けていることを特徴とする請求項
    1または2に記載の水洗装置。
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CN112760899A (zh) * 2020-12-30 2021-05-07 广州革云士智能科技有限公司 一种超声波滚筒洗衣机结构

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020520260A (ja) * 2017-05-09 2020-07-09 青島海爾滾筒洗衣机有限公司 ドラム洗濯機
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