JPH11289045A - 電圧駆動型半導体素子の保護回路、および過電圧保護機能を備えた電圧駆動型半導体回路 - Google Patents

電圧駆動型半導体素子の保護回路、および過電圧保護機能を備えた電圧駆動型半導体回路

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JPH11289045A
JPH11289045A JP9189698A JP9189698A JPH11289045A JP H11289045 A JPH11289045 A JP H11289045A JP 9189698 A JP9189698 A JP 9189698A JP 9189698 A JP9189698 A JP 9189698A JP H11289045 A JPH11289045 A JP H11289045A
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voltage
gate
circuit
mos transistor
source voltage
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JP9189698A
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Hironori Saegusa
弘典 三枝
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Toyota Industries Corp
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体素子のスイッチング時のオーバーシュ
ート電圧の温度によるばらつきを抑える。 【解決手段】 MOSトランジスタ1は、駆動回路2に
よって駆動される。ツェナークランプ回路3は、MOS
トランジスタ1のドレイン・ゲート間に設けられてお
り、ツェナーダイオードZDを含む。ゲート回路11
は、駆動回路2からMOSトランジスタ1へ向かう方向
に電流を流すダイオードD2、およびMOSトランジス
タ1から駆動回路2へ向かう方向に電流を流すダイオー
ドD3−1〜D3−nを備える。ダイオードD3−1〜
D3−nは、互いに直列に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧駆動型の半導
体素子を保護する回路に係わり、特に、スイッチング時
のサージ電圧またはオーバーシュート電圧からその半導
体素子を保護する技術に係わる。
【0002】
【従来の技術】半導体回路を電力制御用に利用すること
が広く行われている。例えば、近年、電気自動車等の開
発が進むに連れて、モータを制御するためのスイッチン
グ素子として大電流を流すことができるMOSトランジ
スタなどの電圧駆動型の半導体素子が利用されている。
【0003】電圧駆動型の半導体素子は、スイッチング
素子として使用される場合には、一般に、スイッチング
時(特に、ターンオフ時)にその周辺のインダクタ成分
等の影響でサージ電圧が印加される。このため、半導体
素子、特に高い電源電圧が印加される半導体素子には、
そのようなサージ電圧から半導体素子自体を守るための
保護回路がしばしば設けられる。
【0004】図6は、保護回路が設けられた電圧駆動型
半導体素子の一例を示す図である。ここでは、電圧駆動
型の半導体素子をMOSトランジスタとして説明する。
MOSトランジスタ1は、駆動回路2からの駆動信号に
従ってオン/オフが切り換えられる。具体的には、MO
Sトランジスタ1は、ゲート・ソース間電圧VGSが閾値
電圧Vthを越えている期間にオン状態となり、ゲート・
ソース間電圧VGSが閾値電圧Vth以下の期間にオフ状態
となる。この閾値電圧Vthは、MOSトランジスタ1を
構成する各半導体領域の不純物濃度やその形状などを調
整することにより、所望の値に設定できる。なお、コン
デンサCは、寄生容量成分である。
【0005】駆動回路2は、MOSトランジスタ1を駆
動するための駆動信号を生成する。ツェナークランプ回
路(過電圧検出回路)3は、MOSトランジスタ1のド
レイン・ソース間に印加される過電圧を防ぐことを目的
として設けられている。ツェナークランプ回路3は、そ
のアノードがMOSトランジスタ1のドレインに接続さ
れたダイオードD1と、そのアノードがMOSトランジ
スタ1のゲートに接続され且つそのカソードがダイオー
ドD1のカソードに接続されたツェナーダイオードZD
から構成されている。
【0006】次に、MOSトランジスタ1をサージ電圧
から保護する動作を図7を参照しながら説明する。MO
Sトランジスタ1は、駆動回路2からそのゲートに
「H」が印加されると、オン状態になり、そのドレイン
電圧は低下する。したがって、このとき、ツェナークラ
ンプ回路3を介しては電流は流れない。
【0007】MOSトランジスタ1のターンオフ時の動
作は、以下の通りである。時刻T1において、駆動回路
2からゲートに「L」が印加されると、ゲート・ソース
間電圧VGSが低下してゆく。時刻T2 〜T3 では、MO
Sトランジスタ1は、大きなミラー容量を持った積分器
として動作し、時刻T3 〜T4 では、MOSトランジス
タ1は、小さなミラー容量を持った積分器として動作す
る。なお、ミラー容量は、MOSトランジスタ1のドレ
イン・ゲート間の容量に相当する。
【0008】時刻T2 以降、ドレイン・ソース間電圧V
DSは上昇してゆく。一方、MOSトランジスタ1のドレ
イン電流Id は、時刻T4 付近から減少し始めてゆき、
ゲート・ソース間電圧VGSがMOSトランジスタ1の閾
値電圧Vthの近傍にまで低下すると流れなくなる。
【0009】上記構成において、MOSトランジスタ1
の周辺には、一般的に、インダクタンス成分が存在する
ので、MOSトランジスタ1がターンオフされると、そ
のドレインにはサージ電圧が印加される。このため、M
OSトランジスタ1がターンオフされると、ドレイン・
ソース間電圧VDSは急激に上昇してゆく。
【0010】上記サージ電圧により、ドレイン・ソース
間電圧VDSがツェナー電圧Vz を越えると、ツェナーク
ランプ回路3は、MOSトランジスタ1のドレインから
ゲートへ向かう方向に電流を流す。なお、図中、「α」
は、ダイオードD1の順方向電圧などの総称である。こ
のツェナークランプ回路3を介して流れる電流は、MO
Sトランジスタ1のコンデンサCを充電するので、ゲー
ト・ソース間電圧VGSは、閾値電圧Vthよりも大きな値
に保持される。このため、MOSトランジスタ1のドレ
イン・ソース間に電流が流れ、ドレイン・ソース間電圧
VDSの上昇は抑えられる。この後、ドレイン・ソース間
電圧VDSがツェナー電圧Vz よりも小さくなると、ツェ
ナークランプ回路3は電流を流さなくなり、コンデンサ
Cが放電される。そして、コンデンサCが放電されてゲ
ート・ソース間電圧VGSが閾値電圧Vth付近にまで低下
すると、MOSトランジスタ1は電流を流さなくなり、
オフ状態に達する。
【0011】上記構成において、ツェナー電圧Vz をM
OSトランジスタ1の耐圧よりも小さく設定することに
より、MOSトランジスタ1にその耐圧を越える電圧が
印加されることを防いでいる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体素子
の特性は、一般に知られているように、温度に依存して
変化する。たとえば、図6および図7を参照しながら言
及したMOSトランジスタの閾値電圧は、温度の上昇に
伴って低くなっていく。このようにMOSトランジスタ
の閾値電圧が変化すると、それに伴って、ターンオフ時
にドレイン・ソース間に印加されるサージ電圧の大きさ
も変化してしまう。以下、この問題点について図8を参
照しながら説明する。
【0013】なお、MOSトランジスタの閾値電圧は、
一般には、ドレイン電流が流れ始めるようなゲート・ソ
ース間電圧(或いは、ドレイン電流が流れなくなるゲー
ト・ソース間電圧)を意味するが、以下では、「閾値電
圧」という言葉を、「MOSトランジスタのターンオフ
過程において、そのMOSトランジスタが抵抗領域で動
作しはじめるゲート・ソース間電圧」という意味で用い
る。
【0014】駆動回路2からゲートに与えられる信号
「H」から「L」に変化すると、ゲート・ソース間電圧
VGSは時間経過とともに抵抗RおよびコンデンサCによ
る時定数の放電特性に従ったカーブを描きながら減少し
ていく。そして、この電圧VGSが閾値電圧Vthよりも小
さくなると、MOSトランジスタ1は抵抗領域で動作す
るようになる。ところが、この閾値電圧Vthは、温度に
依存して変化する。このため、温度が変化すると、ゲー
ト・ソース間電圧VGSが閾値電圧Vthにまで減少するタ
イミングが変化する。図8に示す例では、低温時には、
時刻T1 においてゲート・ソース間電圧VGSが閾値電圧
Vthにまで減少するのに対し、温度が上昇すると、時刻
T11においてゲート・ソース間電圧VGSが閾値電圧Vth
にまで減少する。
【0015】ゲート・ソース間電圧VGSが閾値電圧Vth
よりも小さくなると、上述したように、MOSトランジ
スタ1が抵抗領域で動作するようになるので、ドレイン
・ソース間電圧VDSが上昇していく。ここで、このドレ
イン・ソース間電圧VDSが上昇していくスピードは、当
業者にはよく知られているように、ゲート・ソース間電
圧VGSが閾値電圧Vthにまで減少したタイミングにおけ
るゲート・ソース間電圧VGSの時間変化の大きさ(図
中、VGSの傾きによって表される:dv/dt )に依存す
る。具体的には、ゲート・ソース間電圧VGSが閾値電圧
Vthにまで減少したタイミングにおいて、ゲート・ソー
ス間電圧VGSの時間変化率が大きければ、ドレイン・ソ
ース間電圧VDSは急峻に立ち上がり、ゲート・ソース間
電圧VGSの時間変化率が小さければ、ドレイン・ソース
間電圧VDSは比較的緩やかに立ち上がる。
【0016】ドレイン・ソース間電圧VDSが上昇してツ
ェナー電圧Vz を越えると、ツェナークランプ回路3を
介して電流が流れ、その電流がコンデンサCに充電され
ることによりゲート・ソース間電圧VGSも上昇する。そ
して、この電圧VGSが閾値電圧Vthを越えると、MOS
トランジスタ1には大きなドレイン電流が流れ、ドレイ
ン・ソース間電圧VDSが減少に向かう。ところが、図8
に示してあるように、ドレイン・ソース間電圧VDSがツ
ェナー電圧Vz を越えてから、ゲート・ソース間電圧V
GSが閾値電圧Vthを越えてMOSトランジスタ1に大き
なドレイン電流が流れるようになるまでの期間(低温時
における期間T12〜T13、および高温時における期間T
22〜T23)は、ドレイン・ソース間電圧VDSは上昇し続
ける。このとき、ドレイン・ソース間電圧VDSの上昇ス
ピードは、上述したように、温度が低いほど速くなって
いる。したがって、ドレイン・ソース間電圧VDSは、温
度が低くなるにつれて、ツェナー電圧Vz をより大きく
越えることになる。
【0017】このように、電圧駆動型の半導体素子は、
過電圧から半導体素子を保護するための回路を設けた場
合であっても、スイッチング時等においては瞬間的な過
電圧がその半導体素子に印加されてしまうことがある。
そして、従来技術による保護回路においては、その瞬間
的な過電圧の大きさが温度によって変化していた。この
ため、半導体素子の耐圧のマージンを見積もることが難
しかった。
【0018】本発明の課題は、半導体素子のスイッチン
グ時のオーバーシュート電圧の温度によるばらつきを抑
えることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の保護回路は、駆
動回路からの信号に従って駆動される電圧駆動型の半導
体素子を過電圧から保護する構成であって、上記半導体
素子に印加される電圧が所定値を越えたときに上記半導
体素子のゲートに電荷を供給する過電圧検出手段と、上
記半導体素子のスイッチング閾値電圧の温度依存性を補
償する電圧を生成して上記半導体素子のゲートに供給す
る温度補償手段と、を有する。
【0020】上記構成によれば、スイッチング閾値電圧
は、温度補償手段により補償されているので、温度が変
化した場合であっても同じ条件でスイッチング動作が実
行される。このため、スイッチング時に印加されるオー
バーシュート電圧は、温度に依存しなくなる。
【0021】本発明の他の態様の保護回路は、駆動回路
からの信号に従って駆動される電圧駆動型の半導体素子
を過電圧から保護する構成であって、上記半導体素子の
ドレインとゲートとの間に設けられカソードが上記ドレ
イン側に接続され且つアノードが上記ゲート側に接続さ
れるように設けられたツェナーダイオードを含む過電圧
検出手段と、上記半導体素子のゲートと上記駆動回路と
の間に設けられ上記半導体素子から上記駆動回路へ向か
う方向に電流を流す1または直列に設けられた複数のダ
イオードを含む温度補償手段と、を有する。
【0022】上記構成において、ツェナーダイオード
は、半導体素子のドレインに印加される電圧が増加して
そのツェナー電圧を越えると、逆方向電流を流して半導
体素子のゲートに電荷を供給する。この電荷は、半導体
素子を駆動するための信号となりうる。また、半導体素
子のスイッチング閾値電圧の温度依存性およびダイオー
ドの順方向電圧の温度依存性は、共に温度に対して負の
相関を持っている。したがって、必要に応じて所定数の
ダイオードを直列に接続すれば、ダイオードの順方向電
圧として、スイッチング閾値電圧の温度依存性を補償す
るような特性が得られる。その他の作用は、上述した他
の態様と同じである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の過
電圧保護機能を備えた半導体回路である。ここでは、保
護対象の半導体素子をMOSトランジスタとしている。
なお、MOSトランジスタの閾値電圧は、一般には、ド
レイン電流が流れ始めるようなゲート・ソース間電圧
(或いは、ドレイン電流が流れなくなるゲート・ソース
間電圧)を意味するが、以下では、「閾値電圧」という
言葉を、「MOSトランジスタのターンオフ過程におい
て、そのMOSトランジスタが抵抗領域で動作しはじめ
るゲート・ソース間電圧」という意味で用いる。すなわ
ち、ゲート・ソース間電圧が低下して閾値電圧よりも小
さくなると、MOSトランジスタは抵抗領域で動作する
ようになる。抵抗領域では、MOSトランジスタは、ド
レイン電流に対して抵抗体として動作する。また、ゲー
ト・ソース間電圧が閾値電圧よりも高いときには、MO
Sトランジスタは、実質的に導通状態となっている。
【0024】MOSトランジスタ1、駆動回路2、およ
びツェナークランプ回路3は、それぞれ図6を参照しな
がら説明したものと同じである。但し、駆動回路2につ
いては、より具体的に示しているので簡単に説明を加え
ておく。駆動回路2は、直流電源V1およびV2、およ
びスイッチSW1およびSW2を備える。MOSトラン
ジスタ1をオン状態にするときには、駆動回路2は、ス
イッチSW1をオン、SW2をオフにし、ゲート・ソー
ス間に正電圧(ここでは、ソース電圧に対してゲート電
圧が高い状態を言う。「H」と呼ぶことある)を印加す
る。このことにより、ゲートに電流が供給され、そして
コンデンサCに電荷が蓄積されてゲート・ソース間電圧
VGSが閾値電圧Vthを越えると、MOSトランジスタ1
はオン状態になる。一方、MOSトランジスタ1をオフ
状態にするときには、駆動回路2は、スイッチSW1を
オフ、SW2をオンにし、ゲート・ソース間に負電圧
(ここでは、ソース電圧に対してゲート電圧が低い状態
を言う。「L」と呼ぶこともある。)を印加する。この
ことにより、コンデンサCから電荷が引き抜かれ、MO
Sトランジスタ1はターンオフする。
【0025】駆動回路2のスイッチSW1およびSW2
は、図1には示していない制御回路により制御される。
ここで、図1に示す半導体回路を使用する具体例を図2
に示す。
【0026】図2は、電気自動車などのモータを駆動す
るインバータ回路である。このインバータ回路は、6つ
(3組)のMOSトランジスタを含み、直流電源から3
相交流を生成してモータ21に供給する。制御回路22
は、アクセルの踏角を表す信号およびモータ22の回転
数を表すフィードバック信号等に従って、各MOSトラ
ンジスタに対して設けられた駆動回路Dに制御信号を送
る。各駆動回路Dは、それぞれ受信した制御信号に従っ
てMOSトランジスタをスイッチングする。上記構成に
おいて、図1に示した回路は、1組のMOSトランジス
タおよび駆動回路Dに相当する。すなわち、図2に示す
インバータ回路は、図1に示す回路を6つ備えた構成で
ある。なお、図2において、ツェナークランプ回路3お
よびゲート回路11は省略している。
【0027】図1に戻る。本実施形態の回路は、図6に
示した従来の構成に対してゲート回路11を設けること
によって実現される。ゲート回路11は、電流を駆動回
路2からMOSトランジスタ1のゲートへ向かう方向に
流すように設けられたダイオードD2、および電流をM
OSトランジスタ1のゲートから駆動回路2へ向かう方
向に流すように設けられたn個のダイオードD3−1〜
D3−nから構成される。n個のダイオードD3−1〜
D3−nは、互いに直列に接続されている。
【0028】図1に示す本実施形態において、MOSト
ランジスタ1をスイッチングする際の動作、およびMO
Sトランジスタ1のドレイン・ソース間に過電圧が印加
されたときにツェナークランプ回路3を介して電流を流
すことによってMOSトランジスタ1をターンオンする
動作は、基本的に、図6に示した従来の構成における動
作と同じである。ただし、本実施形態では、ダイオード
D3−1〜D3−nを設けたことにより、MOSトラン
ジスタ1のゲートに印加される電位、即ち、ゲート・ソ
ース間電圧VGSが従来の構成と異なってくる。
【0029】図3は、ターンオフ時のゲート・ソース間
電圧VGSを説明する図である。ゲート・ソース間電圧V
GSは、MOSトランジスタ1がオン状態の期間は、ゲー
ト回路11の有無に係わらず、実質的に一定の値(電源
V1 の出力電圧)となっている。なお、実際には、ダイ
オードD2を設けているので、ゲート回路11を設ける
ことにより或いは温度が変化することにより、MOSト
ランジスタ1がオン状態の期間のゲート・ソース間電圧
VGSが常にである一定とは言えないが、ここではその変
化量が小さいものとして無視することにする。
【0030】駆動回路2からゲートに供給される信号が
「H」から「L」に切り替わった直後のターンオフ過程
では、ゲート・ソース間電圧VGSは、コンデンサCから
電荷が引き抜かれてゆくので、抵抗Rおよびコンデンサ
Cの時定数による放電特性に従って減少していく。図3
に示す3本の曲線のうち、一番下の曲線はダイオードD
3−1〜D3−nを設けなかった場合のゲート・ソース
間電圧VGSの変化を表し、上の2本の曲線は、ダイオー
ドD3−1〜D3−nを設けた場合を表す。
【0031】MOSトランジスタ1をターンオフする際
には、電源V2 によりコンデンサCに充電されている電
荷を引き抜くので、ダイオードD3−1〜D3−nを介
して順方向電流が流れる。このため、ダイオードD3−
1〜D3−nを設けた場合のゲート電位は、ターンオフ
過程が終了して安定したオフ状態に入るときには、ダイ
オードD3−1〜D3−nを設けていない場合と比べ
て、ダイオードD3−1〜D3−nによる順方向電圧の
分だけ高くなる。したがって、ダイオードD3−1〜D
3−nを設けた場合、ターンオフ過程におけるゲート・
ソース間電圧VGSは、ダイオードD3−1〜D3−nを
設けていない場合と比べて、やや緩やかに減少していく
ことになる。
【0032】また、ターンオフ過程においてゲート・ソ
ース間電圧VGSが減少していく曲線は、温度によっても
変化する。この現象は、ダイオードの特性が、図4(a)
および(b) に示すように、温度に依存して変化するため
に生じる。尚、ダイオードの順方向電圧は、同図に示す
ように、温度の上昇に伴って低くなる傾向を持ってい
る。このため、ダイオードD3−1〜D3−nを設けた
場合には、ゲート・ソース間電圧VGSは、ターンオフ過
程が終了して安定したオフ状態に入るときには、高温時
よりも低温時の方が高くなる。したがって、ターンオフ
過程におけるゲート・ソース間電圧VGSは、ダイオード
D3−1〜D3−nを設けた場合には、温度が低い程緩
やかに減少していく。
【0033】なお、ダイオードの順方向電圧の温度に対
する変化率(図4(b) において、傾き)は、n本のダイ
オードを直接に接続すると、n倍になる。換言すれば、
ダイオードの本数を変えることにより、所望の温度特性
を得ることができる。
【0034】ところで、MOSトランジスタの動作状態
を決定するゲート・ソース間電圧の閾値(請求項に記載
のスイッチング閾値電圧に相当する)は、上述したよう
に、温度に依存して変化する。従って、ゲート回路11
を設けていない場合には、低温時には図3のA点におい
てMOSトランジスタ1が実際にターンオフされるのに
対し、高温時にはB点においてターンオフされる。この
場合、A点におけるゲート・ソース間電圧VGSの時間変
化量(dv/dt )がB点におけるそれよりも大きいことに
起因して、低温時のサージ電圧が大きくなってしまうこ
とについては、図8を参照しながら説明した通りであ
る。
【0035】ここで、図5を参照しながら、ゲート・ソ
ース間電圧とドレイン・ソース間電圧との関係について
簡単に説明しておく。図5は、MOSトランジスタの特
性の一例を示す図である。同図に示すように、ドレイン
電流ID は、ドレイン・ソース間電圧VDSの関数である
と共に、ゲート・ソース間電圧VGSの関数でもある。し
たがって、任意のドレイン電流(ID')に着目すると、
ドレイン・ソース間電圧VDSは、ゲート・ソース間電圧
VGSの変化に伴って変化する。たとえば、ゲートソース
間電圧VGSが10Vから8Vへ減少すると、ドレイン・
ソース間電圧VDSは電圧VDSX から電圧VDSY へ上昇す
る。このとき、ゲート・ソース間電圧VGSの変化が速け
れば、それに伴って、ドレイン・ソース間電圧VDSも急
峻に変化する。すなわち、MOSトランジスタのターン
オフ過程において、ゲート・ソース間電圧VGSの下降速
度が速ければ、ドレイン・ソース間電圧VDSは急峻に上
昇することになり、このことがサージ電圧を大きくする
要因となっている。換言すれば、温度が変化した場合で
あってもMOSトランジスタのターンオフ過程における
サージ電圧を概ね一定の値にするためには、ゲート・ソ
ース間電圧VGSが閾値電圧Vthよりも小さくなるタイミ
ングにおけるゲート・ソース間電圧VGSの時間変化率を
一定にすることが要求される。
【0036】本実施形態では、ダイオードD3−1〜D
3−nを設けたので、ターンオフ過程におけるゲート・
ソース間電圧VGSの変化を表す曲線は、温度変化に伴っ
て変化する。このため、ゲート回路11を設けた場合に
は、低温時には図3のC点においてMOSトランジスタ
1が実際にターンオフされるのに対し、高温時にはD点
においてターンオフされる。
【0037】次に、C点におけるゲート・ソース間電圧
VGSの時間変化量(傾き:dv/dt )とD点におけるそれ
との差が、A点におけるゲート・ソース間電圧VGSの時
間変化量とB点におけるそれとの差と比べて小さいこと
を説明する。ここで、説明のためにC’点を導入する。
C’点は、高温時におけるゲート・ソース間電圧VGSの
変化を表す曲線と、低温時の閾値電圧Vthとの交点であ
る。
【0038】ゲート・ソース間電圧VGSの変化を表す曲
線は、抵抗RとコンデンサCの時定数に基づく関数なの
で、時間の経過に従ってその傾きは小さくなっていく。
したがって、D点におけるゲート・ソース間電圧VGSの
変化の傾きは、C’点におけるそれよりも小さい。ま
た、図3より明らかなように、低温時のゲート・ソース
間電圧VGSの変化を表す曲線は、高温時のそれと比べて
緩やかなので、C点におけるゲート・ソース間電圧VGS
の変化の傾きは、C’点におけるそれよりも小さい。一
方、ゲート・ソース間電圧VGSの変化の傾きに着目する
と、A点とB点との関係は、概ねC’点とC点との関係
と同じであると言ってもよい。従って、C点およびD点
におけるゲート・ソース間電圧VGSの変化の傾きが、共
にC’点のそれと比べて小さくなっていることを考慮す
れば、C点およびD点におけるゲート・ソース間電圧V
GSの変化の傾きの差が、A点およびB点におけるゲート
・ソース間電圧VGSの変化の傾きの差と比べて小さくな
ることが分かる。
【0039】このように、ゲート・ソース間電圧VGSの
変化の傾きの差が小さければ、図5を参照しながら説明
したように、そのときのドレイン・ソース間電圧VDSの
立ち上がりの「急峻さ」の差も小さくなるので、サージ
電圧の差も小さくなる。すなわち、本実施形態では、タ
ーンオフ過程において、ゲート・ソース間電圧VGSが閾
値電圧Vthよりも小さくなるタイミングにおけるゲート
・ソース間電圧VGSの時間変化の傾きが温度変化に対し
て出来るだけ変化しないようにすることによりサージ電
圧を一定の値に抑えるようにしている。
【0040】ゲート・ソース間電圧VGSの変化を表す曲
線は、ゲート回路11を設けた場合には、図3および図
4(b) を参照した説明から容易に推測できるように、ダ
イオードD3−1〜D3−nの本数に依存して変化す
る。具体的には、1本のダイオードの低温時における順
電圧をVFL、高温時における順電圧をVFHとすると、n
本のダイオードを直列に接続したときの温度変化に伴う
ダイオードD3−1〜D3−nの順電圧の差は、 ΔV=n(VFL−VFH) となる。
【0041】本実施形態では、C点およびD点における
ゲート・ソース間電圧VGSの変化の傾きが互いに一致す
ることが望ましい。このような一致を得るためには、M
OSトランジスタ1の特性、ダイオードD3−1〜D3
−nの特性およびその本数、抵抗R、電源電圧V1 およ
びV2 などに基づいてシミュレーションを実行すればよ
い。ただし、一実施例としては、ゲート・ソース間電圧
VGSの変化の傾きを温度変化に対して厳密に一定にする
のではなく、簡単な構成で出来るだけ大きな効果を得る
ことを狙う。このため、以下のような手法をとる。
【0042】MOSトランジスタ1の閾値電圧Vthの温
度係数を−α(mV/度)、ダイオードD3−1〜D3−
nを構成する各ダイオードの温度係数を−β(mV/度)
とした場合、 −α−β・n となるように本数「n」を選ぶ。このように、温度に依
存して変化するMOSトランジスタ1の閾値電圧Vthの
変化分を、温度に依存して変化するダイオードD3−1
〜D3−nの順方向電圧の変化分を用いて補償するよう
にすれば、ゲート・ソース間電圧VGSが閾値電圧Vthよ
りも小さくなるタイミングにおけるゲート・ソース間電
圧VGSの時間変化の傾きが温度変化に対して小さくなる
ものと推測され、この結果、ドレイン・ソース間のサー
ジ電圧(オーバーシュート電圧)の温度ばらつきを抑え
られる。
【0043】なお、上記実施例では、MOSトランジス
タを採り上げて説明したが、たとえば、IGBTなど、
他の電圧駆動型の半導体素子にも適用できる。また、上
記実施例では、過電圧を検出する回路としてツェナーダ
イオードを含むクランプ回路を使用し、MOSトランジ
スタのドレイン・ゲート間電圧がツェナー電圧Vz を越
えたときにゲートに電流を振り込む構成である。このと
き、ドレイン・ソース間には、VGS+Vz +VF (VF
は、ダイオードD1の順電圧)が印加されている。ここ
で、VF は、十分に小さく、また、VGSは、定常時には
電源によって決まる既知の値である。したがって、この
回路は、実質的には、MOSトランジスタのドレイン・
ソース間の過電圧を検出回路であるとみなすことができ
る。
【0044】さらに、上記実施例では、MOSトランジ
スタの閾値電圧の温度依存性を補償する回路として、1
以上のダイオードを使用しているが、本発明はこの構成
に限定されるものではなく、MOSトランジスタの閾値
電圧の温度依存性を補償するような電圧を生成するもの
であれば代替可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、温度に依存して変化す
る半導体素子の閾値電圧を補償するようにしたので、半
導体素子のスイッチング時、特にターンオフ時のオーバ
ーシュート電圧の温度によるばらつきを抑えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の過電圧保護機能を備えた半導体回
路である。
【図2】本実施形態の半導体回路の使用例である。
【図3】ターンオフ時のゲート・ソース間電圧VGSを説
明する図である。
【図4】ダイオードの特性を示す図である。
【図5】MOSトランジスタの特性を示す図である。
【図6】保護回路が設けられた電圧駆動型半導体素子の
一例を示す図である。
【図7】サージ電圧から半導体素子を保護する機能を説
明する図である。
【図8】サージ電圧が温度に依存して変化することを示
す図である。
【符号の説明】
1 MOSトランジスタ 2 駆動回路 3 ツェナークランプ回路 11 ゲート回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動回路からの信号に従って駆動される
    電圧駆動型の半導体素子を過電圧から保護する回路であ
    って、 上記半導体素子に印加される電圧が所定値を越えたとき
    に上記半導体素子のゲートに電荷を供給する過電圧検出
    手段と、 上記半導体素子のスイッチング閾値電圧の温度依存性を
    補償する電圧を生成して上記半導体素子のゲートに供給
    する温度補償手段と、 を有する半導体素子の保護回路。
  2. 【請求項2】 駆動回路からの信号に従って駆動される
    電圧駆動型の半導体素子を過電圧から保護する回路であ
    って、 上記半導体素子のドレインとゲートとの間に設けられ、
    カソードが上記ドレイン側に接続され且つアノードが上
    記ゲート側に接続されるように設けられたツェナーダイ
    オードを含む過電圧検出手段と、 上記半導体素子のゲートと上記駆動回路との間に設けら
    れ、上記半導体素子から上記駆動回路へ向かう方向に電
    流を流す1または直列に設けられた複数のダイオードを
    含む温度補償手段と、 を有する半導体素子の保護回路。
  3. 【請求項3】 上記1または複数のダイオードの順方向
    電圧の温度依存性と上記半導体素子のスイッチング閾値
    電圧の温度依存性とを互いに実質的に同じにした請求項
    2に記載の保護回路。
  4. 【請求項4】 駆動回路からの信号に従って駆動される
    電圧駆動型の半導体素子と、 上記半導体素子に印加される電圧が所定値を越えたとき
    に上記半導体素子のゲートに電荷を供給する過電圧検出
    手段と、 上記半導体素子のスイッチング閾値電圧の温度依存性を
    補償する電圧を生成して上記半導体素子のゲートに供給
    する温度補償手段と、 を有する半導体回路。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1168537A1 (en) * 2000-06-22 2002-01-02 The Furukawa Electric Co., Ltd. Semiconductor laser module, and method for driving the semiconductor laser module
US6385222B1 (en) 1998-11-19 2002-05-07 The Furukawa Electric Co., Ltd. Semiconductor laser module, and method for driving the semiconductor laser module
US6996145B2 (en) 1999-11-01 2006-02-07 The Furukawa Electric Co., Ltd. Semiconductor laser module, and method for driving the semiconductor laser module
WO2020043353A1 (de) * 2018-08-29 2020-03-05 Robert Bosch Gmbh Stromrichter mit klammerdiode
WO2023145317A1 (ja) * 2022-01-28 2023-08-03 ローム株式会社 半導体モジュールおよび半導体ユニット

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