JPH11288937A - 銅系配線膜の形成方法 - Google Patents

銅系配線膜の形成方法

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JPH11288937A
JPH11288937A JP9165198A JP9165198A JPH11288937A JP H11288937 A JPH11288937 A JP H11288937A JP 9165198 A JP9165198 A JP 9165198A JP 9165198 A JP9165198 A JP 9165198A JP H11288937 A JPH11288937 A JP H11288937A
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film
pressure
temperature
copper
treatment
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JP9165198A
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Takao Fujikawa
隆男 藤川
Takahiko Ishii
孝彦 石井
Yutaka Narukawa
成川  裕
Makoto Kadoguchi
誠 門口
Yoji Taguchi
洋治 田口
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Kobe Steel Ltd
Ulvac Inc
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Ulvac Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低電気抵抗および対EM性の改善を図った銅
配線膜を製造する。 【解決手段】 銅系の配線材料で被覆された基板を、還
元性気体の雰囲気中で高圧ガスでの処理時の温度より低
い温度で加熱処理を行うことで、酸化被膜を還元除去す
る工程と、高圧ガス処理工程とを含む処理方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ULSIに代表さ
れる半導体の製造工程における配線膜の形成に関するも
のであり、とくに、湿式の成膜方法、化学蒸着法、また
は物理蒸着法により形成された配線材料被膜の下に不可
避的に残存する気孔を埋めるとともに密着性を改善し
て、健全な銅系の配線被膜を形成する方法に関するもの
である。より、具体的には、これらの成膜方法により形
成された被膜を持つ半導体基板を、高温下で高圧のガス
圧力を作用させて上記の気孔を圧潰して気孔を除去して
低電気抵抗で密着性に優れた配線膜を製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】特許第2660040号公報(平成9年
10月8日発行)には、「スパッタリング法,CVD
法、真空蒸着法等の真空薄膜形成法により、凹状部を有
する基板上に金属薄膜を形成する工程と、基板上に形成
された金属薄膜全体を加熱して流動化させる工程と、流
動化した金属薄膜の金属を気体で加圧して、凹状部内に
金属薄膜の金属を凹状部内で空洞の発生しないように埋
め込む工程とを含むことを特徴とする真空成膜方法」が
開示されている。
【0003】また、特開平7−193063号公報に
は、「物品の処理方法であって、該物品は表面を有し、
該表面は表面内に少なくとも一つの凹部を有する物品の
処理方法において、該表面の少なくとも一部の上に層を
形成することを含み、該層は該凹部の上方に延びてお
り、更に、該物品および該層を、該層の一部が該凹部を
埋めるように変形せしめられるのに十分な高い圧力およ
び高い温度にさらすことを含む、物品の処理方法」が開
示されている。本公知資料には、該物品が半導体ウェー
ハで、該凹部が半導体ウェーハに形成された穴、溝およ
びヴィア等で、該層がアルミなどの金属からなることが
記載されている。また、該層がアルミニウムの場合には
温度として350〜650℃、圧力3000psi以上
で加圧にはガスも使用できること、穴あるいは溝の上に
形成される層の厚さは少なくとも穴の幅と等しい厚さが
必要なことが、開示されている。さらに、半導体ウェー
ハ自体は複数個の特性の異なった層を含み、これを形成
するために複数の段階を含む製造プロセスの結果として
得られることが記載されている。
【0004】このように、これらの公知技術には、主と
して半導体の配線膜の導電性改善のために前記の穴や溝
に形成された空隙を埋める方法として、高温下で高い圧
力にさらすことが効果的であることが示されている。し
かし、これら公知の資料に示されたAl配線膜は、配線
材料として、今後のULSIの微細化に伴なって要求さ
れている、対EM(Electron Migrati
on)性や、低電気抵抗化の点で限界に来ており、これ
らの点でAlに勝るとされているCuに期待が寄せられ
ている。
【0005】本発明者らは、これら公知技術を銅系の配
線膜に適用して実験等により検討した結果、ミクロ組織
の制御を行うことにより、電気抵抗特性の点での大幅な
改良が可能なことを見出した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術を、銅
系の配線膜に適用する場合には、下記のような問題があ
ることを本発明者らは見出した。まず第1に、加圧埋込
処理により穴や溝部に気孔のない組織を形成するには、
成膜時点で成膜材料がこれらの穴や溝を完全に覆った状
態にしておくことが重要である。成膜方法としては、ス
パッタリング法に代表されるPVD法のほかに、CVD
法や電気メッキ法が適用可能であるが、CVD法では非
常に微細な穴まで充填が可能であるという利点があるも
のの、原料となるガスが限定されかつ非常に高価である
という工業的な利点という欠点を持っている。
【0007】また、電気メッキ法では電解液の使用に起
因する膜内への電解液の混入や水素の巻込み現象が回避
できず、これらを除去して組織を安定化させるために熱
処理が必須であるほか、廃液としての電解液の処理が工
業化の点で重要な課題となり、既設の工場でなく、全く
新たな専用工場から建てなければならない、という欠点
を持っている。
【0008】PVD法、とくにスパッタリング法は実際
にAl配線膜の製造方法を広く用いられており、これが
銅系の配線膜に適用できれば、これまでの資産として設
備の利用が可能であることを含めて、プロセスの大幅な
変更をすることなく、実現できて、最も好ましいと言え
る。このスパッタリング法の場合には、配線膜材料をタ
ーゲットとしたカソードにArイオンを衝突させて配線
膜材料を飛出させて対象部材の表面にデポジットさせ
る。ターゲットと対象物との距離やArイオンのもつエ
ネルギーにより付着の状態を制御することが可能という
利点がある。ただ、材料によって配線膜粒子の飛出す方
向や分布(指向性)も変化するなどあって、成膜の条件
の設定は非常に重要である。また、成膜された膜の性質
には対象物の温度も大きな影響を与える。
【0009】本発明者らは、Al配線膜の形成でしばし
ば用いられているスパッタリング技術を用いて実験を行
った結果、ターゲットと対象物であるSiウェーハとの
距離を30〜60mmのように近くして成膜することに
より、前記の加圧埋込を前提とした穴や溝を完全に覆っ
た状態の膜が形成されること、このような膜が形成され
たウェーハを高圧処理を行えば、埋込が可能であること
を確認すると同時に、Alの場合と異なった形態で埋込
み現象が進行すること、これに起因して孔や溝中埋め込
まれた銅の組織が完全に異なったものになることを見出
した。
【0010】更に、従来の高圧ガス処理装置は真空の搬
送室に取り付けられていたので、単位時間当たりに処理
できる基板枚数が30枚程度に制限されるという問題点
があった。また同じ理由で装置寸法が制限を受けるた
め、最大加圧圧力が70MPa程度に制限されるという
問題点があった。また、基板に金属薄膜を形成した後に
大気雰囲気に取り出すと金属膜表面が酸化され、金属膜
は流動し難くなるし、また今後半導体の配線材料として
注目されるCuはAlよりも融点、流動開始温度が高
く、流動しにくい。このような場合加圧圧力が不足し、
ボイド(気孔)を消滅しきれない等の問題があった。
【0011】本発明は、以上述べた従来例の問題点を解
消し、対EM性や低電気抵抗化が可能な銅系配線膜の形
成方法、すなわち、半導体電子材料に使用するシリコ
ン、ガリウム、石英、ガラス等から作成された基板の表
面に蒸着、スパッタリング、CVD、めっき等の方法に
より形成された金属薄膜中あるいは金属薄膜と基板の間
に発生するボイド(空隙)を消滅させる高圧ガス処理方
法を提供することが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、孔もしくは溝
が形成された基板の絶縁膜の表面を、銅系の配線膜材料
で被覆した後、300℃以上融点以下の温度で、高圧の
ガス圧力を作用させて、該配線膜材料を塑性流動もしく
は拡散クリープさせて、被膜の下に残存した気孔を実質
的に埋込んで消滅させる方法において、前述の目的を達
成するために次の技術的手段を講じている。
【0013】すなわち、請求項1に係る本発明方法は、
銅系の配線材料で被覆された基板を、還元性気体の雰囲
気中で高圧ガスでの処理時の温度より低い温度で加熱処
理を行うことで、酸化被膜を還元除去する工程と、高圧
ガス処理工程とを含むことを特徴とするものである。ま
た、請求項2に係る本発明方法は、請求項1において、
銅系の配線膜で被膜を形成する方法が、スパッタリング
法であって、対象部材の温度を200〜400℃程度と
した高温での成膜を少なくとも1回行った後、高圧ガス
による埋込み処理を行うものである。
【0014】なお、前記基板はSi半導体ウェーハであ
ることが望ましい(請求項3)。更に、本発明方法で
は、加圧埋込み処理時の圧力媒体ガスに窒素を使用する
ことが望ましく(請求項4)、また、本発明方法では、
水素を含む雰囲気での酸化膜の還元除去工程を専用の還
元炉の中で行い、次いで、非酸化性雰囲気下で基板を高
圧処理装置に搬送して、高圧処理を行うこともできるし
(請求項5)、更に、本発明方法では、水素を含む雰囲
気での酸化膜の還元除去工程を高圧処理装置の中で行
い、その後当該高圧処理装置の中で埋込み処理を連続的
に行うことも推奨される(請求項6)。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図1(a)(b)(c)、
図2(a)(b)(c)を参照しつつ本発明方法の構成
と作用を説明しつつ本発明の実施例1〜6に言及する。
図1(a)(b)および(c)は、Al配線膜のコンタ
クトホール部分にAlをスパッタリングによりAl膜を
形成した状態(a)(b)と高圧ガスによる加圧埋込処
理を施したあとの状態(c)を模式的に示したものであ
る。実際には、Alの下地として、TiNバリア層やA
lとの馴染みを良くするウェティング層が設けられる
が、図では省略した。
【0016】Alの場合には、スパッタリングにより比
較的結晶粒径の小さな粒子がコンタクトホール(孔)の
開口部近傍を塞いだ状態図1(a)になることが多い
が、場合によっては図1(b)のように孔の上面をAl
膜が覆うような状態となることもある。いずれの場合に
もAlスパッタ膜の粒子は図1(a)(b)で示すよう
に比較的小さくなる。この要因はスパッタリングがほぼ
室温近傍でなされることと、前述のEM発生抑制のた
め、Cuを1〜2%加えた合金系となっていることに起
因するものと考えられる。これを高温高圧ガス下、代表
的には400℃,60MPaで処理を行うと、図1
(c)のような形態で孔がAl材料で埋められる。この
埋込現象は、400℃という温度がAlの再結晶温度約
380℃より高いこともあって、Al原子が拡散現象
(とくに表面拡散)によって移動しやすく、かつAl自
体の応力に対する変形抵抗が十分に小さくなっているた
め、容易に塑性流動も生じることによる、と考えられ
る。高圧下での表面拡散、粒界拡散および体積拡散が促
進されることによって結晶粒径は初期と比較してかなり
大きくはなるが依然として結晶の粒界は歴然と存在して
いることが判る。結晶粒の粗大化は結晶粒界の減少とな
り、電気抵抗の観点では、低くなり良い結果をもたら
す。
【0017】一方、Cuの場合、とくに純銅の場合に
は、Siウェーハ上に形成された酸化膜の変質防止や、
Siウェーハに形成された素子部の変質を防止する観点
から処理時の温度が460℃以上にあげることは好まし
くないとされており、スパッタリング工程、加圧埋込工
程ともにこの温度以下で行う必要がある。スパッタリン
グによる膜形成においては、室温でスパッタリングを行
うと、図1(a)や(b)に示したAlのような形態で
の膜の形成は困難で、孔の開口部を塞がらないことが多
い。本発明者らは、別途、孔の開口部を塞ぐようなCu
膜を形成する方法として、Si基板の温度を200〜4
00℃に上げてスパッタリングすることが好ましいこと
を見出している。このような方法で形成された純Cu膜
の状態は図2(a)に示すような組織を呈する。Alと
比較して、かなり大きな結晶粒からなる組織となる。こ
のような組織を有する膜を、前述の温度上の制約から4
50℃,100MPaの高温の高圧ガス雰囲気で埋込み
処理を行うと、図2(b)(c)のような形態で埋込み
処理がなされる。Alの場合とは、全く異なり、孔及び
孔の上部の膜部分が一つの結晶粒すなわち単結晶となっ
ている。なお、圧力を200MPaのように高くする
と、塑性流動による埋込後の減圧過程での応力開放に伴
い、図2(c)に示すような双晶を含むような組織が散
見されるようになる。いずれにしても、コンタクトホー
ル内には結晶粒界は発生しないため、極めて電気抵抗の
低い銅の配線網が形成される。
【0018】このように、気孔内部を単結晶で埋めるこ
とは、低電気抵抗化の観点で理想的であるが、当初の膜
の形成や、膜形成後の高圧処理までの間のウェーハの管
理、高圧処理時の雰囲気が非常に大きな影響を与えるこ
とを本発明者らは見出した。すなわち、成膜後の組織に
異物、たとえば酸化物などが存在すると、拡散現象の障
壁となるばかりか、酸化物が銅よりも高硬度であるため
に塑性流動に対しても抵抗となる。したがって、成膜時
点やウェーハの移送時点、加圧埋込処理時点で酸化物が
生成しないような配慮が必要で、好ましくは、生成して
もこれを積極的に除去するような手法を加えることが推
奨される。
【0019】この方法としては、銅の酸化物、CuOや
Cu2 Oが水素などにより容易に還元されることから、
水素で例示する還元性気体の雰囲気で還元することが適
している。処理温度は埋込処理時の温度より低い温度で
あれば、とくに問題はない。水素による還元処理は、加
圧埋込処理の直前であることが好ましい。この観点から
は、加圧埋込処理を行う高圧処理装置(高温高圧ガス
炉)に複数枚の基板を装入してから、この装置の内部で
昇温して水素を流して(注入して)還元処理を行い、つ
いで、同じ高圧処理装置(加熱炉)を用いてアルゴン等
の不活性ガスを充填加圧して加圧埋込処理を行う方法が
実際的である。また、基板成膜後、専用の水素ガス等の
還元炉を設置して、これを用いて還元し、還元処理後は
非酸化性の雰囲気下でウェーハ(基板)を高圧処理装置
に搬送ちえ高圧処理により加圧埋込を行うのである。
【0020】すなわち、本発明は、孔もしくは溝が形成
された基板の絶縁膜の表面を、銅系の配線膜材料で被覆
した後、300℃以上融点以下の温度で、高圧のガス圧
力を作用させて、該配線膜材料を塑性流動もしくは拡散
クリープさせて、被膜の下に残存した気孔を実質的に埋
込んで消滅させる方法において、銅系の配線材料で被覆
された基板を、還元性気体の雰囲気中で高圧ガスでの処
理時の温度より低い温度で加熱処理を行うことで、酸化
被膜を還元除去する工程と、高圧ガス処理工程とを含む
のである。
【0021】また、銅系の配線膜で被膜を形成する方法
が、スパッタリング法であって、対象部材の温度を20
0〜400℃程度とした高温での成膜を少なくとも1回
行った後、高圧ガスによる埋込み処理を行うのである。
更に、水素を含む雰囲気での酸化膜の還元除去工程を専
用の還元炉の中で行い、次いで、非酸化性雰囲気下で基
板を高圧処理装置に搬送して、高圧処理を行うことが推
奨されるし、また、水素を含む雰囲気での酸化膜の還元
除去工程を高圧処理装置の中で行い、その後当該高圧処
理装置の中で埋込み処理を連続的に行うもできるのであ
る。
【0022】なお、前述において、加圧埋込み処理時の
圧力媒体ガスに窒素を使用することが望ましい。以下、
表1および表2を参照しつつ本発明の実施例1〜6およ
び比較例1〜3について詳細に説明する。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表1および表2は、配線膜材料にCuもく
はCu系の合金を用いて、直径200mmのSiウェー
ハ上に形成されたコンタクトホールもしくはダマシン法
による配線溝の上にスパッタリング法により配線膜を形
成した後、高圧ガス圧力を利用した加圧埋込処理を行う
ことにより配線膜を製造する実験を行った結果を示した
ものである。表1中A.R.(Aspect Rait
o)はコンタクトホールの深さと穴径の比を示す。ま
た、表2の埋込結果の欄に示した記号は、◎がコンタク
トホールが完全に配線膜材料で埋め込まれていて気孔が
残存していなかったことを、×は気孔が残存していたこ
とを、また、△は気孔は残存していないが、下地のTi
N層が剥離したなど完全ではないこと、あるいは所期の
電気抵抗値が得られなかったことを示す。
【0026】成膜にはスパッタリング装置を用い、ター
ゲットと基板との距離は38mmである。配線膜材料と
しては、高純度純銅(膜で99.99%)、Cu−2原
子%Sb、Cu−2原子%Snを選択した。加圧埋込処
理時のガスには、この種の処理で用いられているアルゴ
ン(実施例6のみ窒素)を用いた。装置には、最高圧力
200MPa、最高処理温度2000℃のHIP装置を
用いた。
【0027】実施例1および比較例1−A〜比較例1−
Cは、直径0.25μm、アスペクトレイショ3.4の
コンタクトホールの形成されたSiウェーハにTiNバ
リア層を5〜10nmのオーダで付与した後、純銅配線
膜をスパッタリング法により厚さ約1.2μmで形成し
て、処理を行ったものである。高圧処理時の圧力は実施
例1、比較例1では120MPa、比較例2では150
MPaとした。実施例1と比較例との最大の差異は、水
素還元処理の有無である。実施例1では、加圧埋込処理
の前に、HIP装置内にアルゴンに約1%水素を混合し
たガスを充填して還元気体雰囲気となし、400℃で3
0分の還元処理を行った。比較例1−A、比較例1−B
は、さらにスパッタリング温度を変化させたものであ
る。比較例1−Cでは、圧力を200MPaとした点
と、加圧埋込処理時後の減圧と降温の操作に違いがあ
る。
【0028】実施例1の結果から判るように、スパッタ
リング時の基板温度を300℃程度の高温として成膜
し、水素による還元処理を行った後、加圧埋込処理を行
うと、完全埋込みが達成されると同時に製造された配線
膜の体積固有抵抗値も純銅の1.55〜1.6μΩcm
とほぼ同じ約1.6μΩcmが得られた。これは、図2
(b)に示したようなコンタクトホール内のCuが完全
な単結晶になったためと推定される。
【0029】一方、比較例1−Aおよび比較例1−Bに
示すようにスパッタリング時の温度を200℃より低い
温度や室温(RT)にすると、実施例1よりも高い圧力
で加圧埋込操作を行ってもコンタクトホール中の気孔を
埋め込むことは困難であった。これは、すでに成膜時点
で孔の開口部がCu膜材で覆われた状態にならなかった
ためである。
【0030】また、比較例1−Cは、水素還元なしで、
さらに、加圧埋込処理、すなわち450℃,200MP
aで5分の処理を行った後の降温と圧力の減圧の仕方
を、実施例1のように圧力を下げてから温度を下げると
いう順序でなく、温度を先にさげてから圧力を抜いたも
のである。気孔は完全に埋まっているものの、単結晶に
はなっておらず、かつ、下地のバリア層の局部的な剥れ
が観察された。孔の内部の配線膜材料部には双晶が発生
しており、特有の縞模様が観察された。これは、気孔内
部の銅が減圧時に体積膨張して応力が発生したためと推
定される。バリア層の剥離も同様の原因によるものと推
定される。以上のような組織に起因して体積固有抵抗値
は、Al系の3〜3.2μΩcmよりは小さいものの、
期待される銅の低抵抗の利点は得られていない。
【0031】実施例2、比較例2は、実施例1よりもア
スペクトレイショ(AR)が大きな、すなわち、孔の奥
まで埋め込むことが難しい形状のコンタクトホールを対
象とした実験結果を示したものである。実施例2では、
実施例1と同様、完全な埋込が達成可能なことが実証さ
れた。実施例3は、いわゆるデュアルダマシンといわれ
る構造の配線形成手法によるコンタクトホールと配線溝
の製造を行ったものである。溝の底面に形成されたコン
タクトホールの穴径は0.25μmで穴部の深さは0.
7μnである。この場合、スパッタリングは2回行い、
1回目のスパッタリングは室温で、ターゲットと基板の
距離を若干離して孔の奥への配線膜材料の着きまわりを
良くするように配慮し、2回目のスパッタリングを孔と
同時に溝全体を覆うように高温(300℃)で行い、加
圧埋込処理の前に水素還元処理を施したものである。実
施例1の場合と同様、このような複雑な構造で完全な埋
込が可能で電気抵抗的にも良い配線膜がえられることが
実証された。比較例3は実施例3と同じ条件でスパッタ
リングを行い、水素還元を行わなかったものである。埋
込はできてはいたものの、組織は多結晶であり、粒界に
不純物の析出も多いものであった。このため、銅として
期待される低電気抵抗化は達成されていなかった。
【0032】以上の実験から、水素等による還元を組合
せることにより、確実な埋込処理が可能になること、純
銅本来の電気抵抗値に近い電気抵抗特性を持った配線構
造を製造できることが実証された。以上において、成膜
方法としてスパッタリング法を主体に説明したが、本発
明は必ずしも、スパッタリング法により形成された銅配
線膜に限定されるものではない。メッキ法やCVD法に
よって形成された銅系の配線膜でも同様に低電気抵抗の
銅配線膜をえることが可能である。水素還元処理によ
り、銅の純度が上がることから、粒径の小さな膜であっ
ても、高圧処理時の拡散現象が促進されて、結晶粒の粗
大化は生じ、結果として低電気抵抗化が達成されること
は、スパッタリング法により形成された膜の場合と同様
である。
【0033】また、配線膜に発生した酸化膜を取り除く
手段として基板を加熱する手段としているが、プラズマ
を発生させるものであっても良い。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、今
後、ますます微細化と多層化が進ULSI半導体の製造
において大きな課題となりつつある配線膜の低電気抵抗
化、対EM性の改善の観点から注目されている銅系合金
配線膜の製造が銅の低電気抵抗という利点をフルに発揮
しつつ実現することが可能となった。とくに、Al配線
膜用に設置された既存のスパッタリング設備をそのまま
用いた場合には、純銅では、銅本来の電気抵抗値にほぼ
匹敵する低電気抵抗の銅配線膜のULSIを製造できる
こととなり、ULSIの性能面での寄与はもちろん、多
大な設備投資が不要となるほか、処理コストの観点か
ら、工業生産への利用への寄与は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)はSiウェーハの酸化絶縁膜にア
ルミスパッタ膜を形成した模式図であり、(c)は孔を
加圧埋込処理をした模式図である。
【図2】(a)はSiウェーハの酸化絶縁膜にCu結晶
粒(Cu膜)を形成した模式図であり、(b)(c)は
孔を加圧埋込処理した模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成川 裕 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 門口 誠 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 田口 洋治 静岡県裾野市須山1220−14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孔もしくは溝が形成された基板の絶縁膜
    の表面を、銅系の配線膜材料で被覆した後、300℃以
    上融点以下の温度で、高圧のガス圧力を作用させて、該
    配線膜材料を塑性流動もしくは拡散クリープさせて、被
    膜の下に残存した気孔を実質的に埋込んで消滅させる方
    法において、 銅系の配線材料で被覆された基板を、還元性気体の雰囲
    気中で高圧ガスでの処理時の温度より低い温度で加熱処
    理を行うことで、酸化被膜を還元除去する工程と、高圧
    ガス処理工程とを含むことを特徴とする銅系配線膜の形
    成方法。
  2. 【請求項2】 銅系の配線膜で被膜を形成する方法が、
    スパッタリング法であって、対象部材の温度を200〜
    400℃程度とした高温での成膜を少なくとも1回行っ
    た後、高圧ガスによる埋込み処理を行うことを特徴とす
    る請求項1記載の銅系配線膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 基板がSi半導体ウェーハであることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 加圧埋込み処理時の圧力媒体ガスに窒素
    を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 水素を含む雰囲気での酸化膜の還元除去
    工程を専用の還元炉の中で行い、次いで、非酸化性雰囲
    気下で基板を高圧処理装置に搬送して、高圧処理を行う
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 水素を含む雰囲気での酸化膜の還元除去
    工程を高圧処理装置の中で行い、その後当該高圧処理装
    置の中で埋込み処理を連続的に行うことを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の方法。
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