JPH1128808A - 液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法

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JPH1128808A
JPH1128808A JP18641097A JP18641097A JPH1128808A JP H1128808 A JPH1128808 A JP H1128808A JP 18641097 A JP18641097 A JP 18641097A JP 18641097 A JP18641097 A JP 18641097A JP H1128808 A JPH1128808 A JP H1128808A
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bonding wire
recording head
jet recording
bonding
flow path
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JP18641097A
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English (en)
Inventor
Masaki Kataoka
雅樹 片岡
Katsuhide Ogawa
克秀 小川
Naoshi Kotake
直志 小竹
Nobuo Kenmochi
伸夫 釼持
Yukihisa Koizumi
幸久 小泉
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設計自由度が高く、小型化が可能であり、か
つ高信頼性、高画質を得ることのできる液体噴射記録ヘ
ッドおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 発熱素子基板1をヒートシンク4に接合
し、ボンディングパッド8と電気配線5の間をボンディ
ングワイヤ6で電気的に接続する。この時点では、ボン
ディングワイヤ6は図中の破線のような形状である。そ
の後、流路形成部材2を装着し、ワイヤ当接部3により
ボンディングワイヤ6を図中の実線のように変形させ
る。これにより、ボンディングワイヤ6による電気的接
続のための空間を小さくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱素子の発熱や
圧電素子の変形などによって液体を飛翔させて記録を行
なう液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録ヘッドは、噴射素子におい
て電気エネルギを熱エネルギや機械エネルギに変換して
液体を噴射させる。そのために、噴射素子に電気エネル
ギを供給する電気的な配線および接続のための手段が必
要とされる。従来の液体噴射記録ヘッドにおいては、噴
射素子が形成された噴射素子基板と外部との接続にワイ
ヤボンディングやTABを用いたものがある。ワイヤー
ボンディングボンドを用いた代表例としては特開昭61
−230954号公報や特開平8−58078号公報、
TABを用いた代表例としては特開平6−8434号公
報などがある。
【0003】ワイヤーボンディングやTABによる電気
的接続は、信頼性確保のためにボンディングワイヤが他
の部材と当接しないようにするとともに、その接続領域
を封止材によってカバーしている。このため、接続領域
として大きな空間が必要であるとともに、封止材によっ
て実際の接続領域よりもさらに大きな空間が必要であっ
た。このような電気的接続のための大きな空間は、液体
噴射記録ヘッドの小型化を阻害し、また設計自由度を少
なくしていた。
【0004】この問題を改善しようとした例として、例
えば特開平8−267751号公報に記載されたヘッド
がある。この文献では、サイド型と呼ばれるヘッド構造
において、天板の反インク吐出口側にワイヤボンディン
グの領域を逃がす領域を設けることで、発熱素子が形成
された基板側のボンディングパット位置の制約を緩和
し、基板の小型化を図っている。しかし、天板側でワイ
ヤボンディングの領域を逃げているだけであり、根本的
にワイヤボンディングとその封止のための空間容積に変
化はなく、依然として液体噴射記録ヘッドの小型化を阻
害していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、工程数やコスト増加なしで
ワイヤボンディングとその封止のための領域空間自体を
狭め、設計自由度が高く、小型化が可能であり、かつ高
信頼性、高画質を得ることのできる液体噴射記録ヘッド
およびその製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、流路形成部材
の一部によってボンディングワイヤを接合平面と直交す
る方向に押圧し、ボンディングワイヤの形成時の高さよ
りも低くなるように変形させる。これによってワイヤボ
ンディング部分に必要とされていた空間容積を小さくす
ることができるので、設計自由度が高くなるとともに、
ヘッドの小型化を可能とする。また、ワイヤボンディン
グ部分は流路形成部材の一部によって覆われるので、封
止剤の量のコントロールが容易となり、かつ、信頼性の
高いヘッドが得られる。さらにこのボンディングワイヤ
の変形には別工程を要さず、コストが増加することもな
い。
【0007】特に液体を噴射する方向が基板と流路形成
部材との接合面に略直交する方向である液体噴射記録ヘ
ッドでは、ボンディングワイヤの高さを低くすることに
よって、液体噴射記録ヘッドと被記録媒体との距離を一
定にしたままであっても液体の噴射口と被記録媒体との
距離を小さくすることができるので、画質を向上させる
ことが可能となる。
【0008】ボンディングワイヤを変形させる際には隣
接するボンディングワイヤとの短絡が懸念されるが、例
えば流路形成部材にボンディングワイヤに対応した凹部
を形成しておけば、流路形成部材を隔壁として用いてボ
ンディングワイヤの変形時の短絡を防止することができ
る。また凹部の隔壁がリブとなり、流路形成部材の強度
を向上させることができ、例えばメンテナンス時のキャ
ッピング押圧を十分確保できる。あるいはボンディング
ワイヤの形成時の高さ寸法に対してボンディングワイヤ
の最小ピッチをそれ以上としておけば、ボンディングワ
イヤの変形時の短絡を防止できる。なお、ボンディング
ワイヤの材質としてAuを用いると、ボンディングワイ
ヤの変形時の断線やコンタクト部の接触不良が発生しに
くく、容易に変形させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の液体噴射記録ヘ
ッドの第1の実施の形態を示す断面図である。図中、1
は発熱素子基板、2は流路形成部材、3はワイヤ当接
部、4はヒートシンク、5は電気配線、6はボンディン
グワイヤ、7は液体供給管、8はボンディングパッド、
9は共通液室、10は噴射口である。以下の例では、液
体を噴射するための噴射素子として発熱素子を用いたサ
ーマル方式の液体噴射記録ヘッドについて説明する。特
に第1の実施の形態では、発熱素子が形成されている面
と略平行あるいは斜め方向に液体を噴射するサイド型と
呼ばれるものを示している。
【0010】発熱素子基板1は、例えばシリコン基板な
どによって構成され、その表面に発熱素子、および発熱
素子に接続される個別電極および共通電極、保護膜、樹
脂層等が例えばLSI作製プロセス等によって形成され
る。また、外部との電気的な接続を図るため、ボンディ
ングパッド8も形成される。なお、各発熱素子を駆動す
るための駆動回路も発熱素子基板1上に形成される場合
もある。
【0011】流路形成部材2には、タンクなどから液体
が供給される液体供給管7および共通液室9が形成され
るとともに、発熱素子基板1に形成されている発熱素子
に対応した液体の噴射口10と共通液室9を結ぶ各個別
の液体流路などが形成されている。この流路形成部材2
は、例えば樹脂成型によって作製され、発熱素子基板1
と位置合わせして接合される。具体的な流路形成部材2
の材料としては、例えばポリサルフォンやポリエーテル
イミドなどを用いることができるが、これに限られるも
のではない。
【0012】ヒートシンク4は、発熱素子基板1の固定
用の基板であるとともに、発熱素子基板1で発生する熱
を逃がすための放熱板としても機能する。ヒートシンク
の表面には、発熱素子基板1と外部とを電気的に接続す
るための電気配線5が形成されている。電気配線5は、
ヒートシンク4とは別体の基板に形成されてもよい。
【0013】発熱素子基板1のボンディングパッド8と
電気配線5との間は、ボンディングワイヤ6によって電
気的に接続される。このボンディングワイヤ6は、後述
するようにワイヤボンディング工程において図中の破線
のごとく形成された後、流路形成部材2のワイヤ当接部
3に当接し、図中の実線のように変形される。これによ
ってボンディングワイヤ6による電気的接続部分の空間
的な容積を小さくすることができる。ここで、ボンディ
ングワイヤ6に当接する流路形成部材2は、上述のよう
に樹脂を用い成形等で作成されているため、ボンディン
グワイヤ6と流路形成部材2接触しても、電気的な不具
合やボンディングワイヤの腐食等の問題が起きることは
ない。
【0014】図1に示すように、本発明では図示したよ
うに液体供給管7が発熱素子基板1に対して傾斜した構
造の場合でも、液体供給管7の下部に電気的な接続部分
を設けることができる。従来のように、ワイヤ当接部3
と発熱素子基板1との間の電気的な接続のための空間が
大きい場合には、傾斜した液体供給管7の肉厚を確保す
るためには、噴射口10と反対方向に発熱素子基板1を
延長して、電気的な接続のための大きな空間を確保しな
ければならなかった。そのために、発熱素子基板1が大
型化し、コスト低減を阻害していた。本発明では電気的
な接続部分の空間を小さくできるので、傾斜した液体供
給管7の肉厚を十分確保した上で発熱素子基板1を小型
化することが可能になり、コストを低減することができ
る。また、従来は発熱素子基板1の小型化のために液体
供給管7の位置を避けてボンディングパッド8を形成
し、電気的な接続を図る場合もあった。しかし本発明で
は、液体供給管7の下部であっても電気的な接続を行な
うことができるため、位置的な制約はなくなり、例えば
図示したように液体供給管7の下部にも電気的な接続部
分を配置することができるなど、設計の自由度を向上さ
せることができる。
【0015】なお、ボンディングワイヤ6による電気的
な接続のための空間は、ボンディングワイヤ6を変形さ
せても断線などの電気的な不具合の発生しない程度に設
定すればよい。また、ボンディングワイヤの材質とした
は、例えばAuを用いることができる。Auは粘性が高
いので、ボンディングワイヤ6を変形する際にも断線が
発生しにくく、より低くボンディングワイヤ6を変形さ
せても信頼性を確保することができる。具体例として、
ワイヤボンディング時のボンディングワイヤ6の発熱素
子基板1からの高さが210μmのとき、流路形成部材
2の装着によってボンディングワイヤ6を95μmまで
変形させた場合、ボンディングワイヤ6の引っ張り試験
を実施した結果では、変形前では平均8.8gfであっ
たが、変形後では8.6gfであった。このように、流
路形成部材2によってボンディングワイヤ6を変形させ
ても引っ張り力にほとんど変化は見られず、変形による
信頼性の低下は発生しないと考えられる。
【0016】また、流路形成部材2のワイヤ当接部3に
よるボンディングワイヤ6の変形の際に、ボンディング
ワイヤ6が発熱素子基板1と垂直な方向のみに変形すれ
ば問題はないが、ボンディングワイヤ6が横方向に倒れ
てしまい、電気的にショートしてしまうことも考えられ
る。これを回避するため、ワイヤボンディングのピッチ
を、初期のボンディングワイヤ6の高さよりも大きくし
ておけばよい。ワイヤ当接部3でボンディングワイヤ6
を変形させる際にボンディングワイヤ6が倒れた場合で
も、ボンディングワイヤ同士の接触により電気的ショー
トを発生することはない。
【0017】図2は、本発明の液体噴射記録ヘッドの第
1の実施の形態における製造方法の一例を示す工程図で
ある。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付してあ
る。11はジョイント部材である。図2(A)におい
て、このヒートシンク4に発熱素子基板1を位置決め
し、銀エポキシ等の熱伝導の良好な接着剤で接合する。
そして、図2(B)において、発熱素子基板1とヒート
シンク4上の電気配線5がワイヤボンディングにより電
気的に接続される。この時点では、ボンディングワイヤ
6は図1に破線で示すような形状に形成される。
【0018】また、別に流路形成部材2が作製され、図
2(C)において、発熱素子基板1に流路形成部材2を
位置合わせし、接合する。このとき、図2(B)で形成
したボンディングワイヤ6を流路形成部材2のワイヤ当
接部3に当接させ、ボンディングワイヤ6を変形させ
る。これによってボンディングワイヤ6は図1に実線で
示す形状となる。
【0019】図2(D)において、ジョイント部材11
を装着する。ジョイント部材3内には図示しないタンク
から流路形成部材2の液体供給管7へ液体を供給するた
めの液体の供給路を有しており、この液体の供給路と流
路形成部材2の液体供給管7とが接続される。そして、
この液体の供給路と流路形成部材2の液体供給管7との
接続部分や、流路形成部材2と発熱素子基板1の端面と
の間に封止剤が注入されて封止され、液体の漏れなどを
防止する。また、ボンディングワイヤ6による電気的な
接続部分にも封止材が注入され、短絡などが発生しない
ように固定される。このとき、電気的な接続部分の空間
が小さいので、良好に均一に封止を行なうことができ
る。
【0020】図3は、本発明の液体噴射記録ヘッドの第
2の実施の形態を示す断面図、図4は、同じく分解斜視
図である。図中、図1、図2と同様の部分には同じ符号
を付して説明を省略する。21は開口部、22は液体供
給口である。第2の実施の形態では、発熱素子が形成さ
れている面と略垂直方向に液体を噴射するルーフ型と呼
ばれるものを示している。
【0021】ヒートシンク4には、開口部21が設けら
れている。この開口部21を通してジョイント部材11
が挿入される。発熱素子基板1は、その全面がヒートシ
ンク4に接合されるわけではなく、この開口部21にか
かるように配置される。
【0022】流路形成部材2は、開口部21および発熱
素子基板1を覆うように配置される。この例では、噴射
口10が発熱素子基板1に形成されている発熱素子の略
直上に位置するように位置決めされる。発熱素子基板1
のボンディングパッド8とヒートシンク4上の電気配線
5を電気的に接続するボンディングワイヤ6は、流路形
成部材2に凹部として形成されているワイヤ当接部3に
当接し、変形している。
【0023】ジョイント部材11は、ヒートシンク4に
形成されている開口部21に挿入され、発熱素子基板1
の裏面および流路形成部材2と接合する。ジョイント部
材11内に設けられている液体の供給路を介してタンク
からの液体を液体供給口22から共通液室9へ供給す
る。
【0024】図5は、本発明の液体噴射記録ヘッドの第
2の実施の形態における製造方法の一例を示す工程図で
ある。図中、図3と同様の部分には同じ符号を付してあ
る。23は封止剤である。図5(A)において、発熱素
子基板1は、ヒートシンク4に例えば銀エポキシ等によ
って接合される。さらに、図5(B)においてワイヤボ
ンディングを行ない、発熱素子基板1上に形成されてい
るボンディングパッド8とヒートシンク4上に形成され
ている電気配線5との間をボンディングワイヤ6によっ
て電気的に接続する。
【0025】図5(C)において、流路形成部材2を接
合する。このとき、ワイヤ当接部3がボンディングワイ
ヤ6に当接し、ボンディングワイヤ6を変形させる。こ
れによってボンディングワイヤ6の高さを低く抑えるこ
とができる。図5(D)において、このボンディングワ
イヤ6による電気的な接続部分を封止剤によって封止
し、ボンディングワイヤ6を固定してショートや断線な
どが発生しないようにする。もちろん、他の封止すべき
箇所についても封止を行なう。その後、ジョイント部材
11をヒートシンク4の開口部21から挿入し、発熱素
子基板1および流路形成部材2と接合し、封止する。こ
のようにして、図3に示す液体噴射記録ヘッドが完成す
る。
【0026】図6は、本発明の液体噴射記録ヘッドの第
2の実施の形態における部分拡大断面図、図7は、従来
の液体噴射記録ヘッドにおける部分拡大断面図である。
図中、図3ないし図5と同様の部分には同じ符号を付し
ている。24は被記録媒体である。また、TD,TD’
は噴射口10から被記録媒体24までの距離を示してお
り、この距離が液滴の飛翔距離に対応する。この距離が
狭い程、被記録媒体24における液滴の着弾位置が正確
になり、高画質が得られる。HD,HD’は液体噴射記
録ヘッドから被記録媒体24までの最短距離を示し、こ
の距離が広い程、被記録媒体24の搬送の際の自由度が
高く、かつ信頼性が高くなる。この距離が狭い場合に
は、特に紙づまり等が発生しやすくなり、また噴射口1
0の近傍に被記録媒体24が衝突することで、噴射口面
を傷つけて印字を著しく悪化させる場合がある。CL,
CL’は噴射口10の中心から同一面で形成されている
部分の最短距離を示しており、メンテナンス時のキャッ
ピング可能領域となる。キャッピング時には同一平面で
キャップと当接させることによって、良好に密閉するこ
とができる。WHはボンディングワイヤ6の発熱素子基
板1の上面からの高さを示している。
【0027】図7に示す従来の液体噴射記録ヘッドで
は、ボンディングワイヤ6の高さWHは、通常の工程で
は200〜300μm程度となる。さらに、ボンディン
グワイヤ6が存在する電気的接続部分を封止する際に
は、電気的信頼性を確保するために数百ミクロン以上の
厚さを確保する必要がある。そのため、図7に示すよう
に封止剤23が露出した構造では、封止剤23の表面が
噴射口面よりも隆起していた。このような構造では、紙
詰まりなどを防止するため、HD’を所定の距離に設定
すると噴射口10から被記録媒体24までの距離TD’
が長くなって画質が低下する。逆に距離TD’を所定の
距離に設定すると距離HD’が狭くなって紙詰まりや液
体噴射記録ヘッドへの被記録媒体24の衝突などが頻発
し、寿命も短くなる等の問題があった。また、ボンディ
ングワイヤ6の封止剤23が露出しているため、封止剤
23に衝撃を与えた場合のボンディングワイヤ6の断線
などの問題もあった。さらに、発熱素子基板1を小さく
すると長さCL’が狭くなり十分なキャッピング領域が
取れなくなったり、またキャッピング領域を封止剤23
を含む領域まで延ばすことが必要となり、キャッピング
の気密性が不十分となるなどの問題があった。
【0028】これに対して、図6に示す本発明の第2の
実施の形態の場合には、ボンディングワイヤ6の高さW
Hを半分以下(例えば100ミクロン弱)にまで低くで
き、かつ封止剤23の高さも流路形成部材2で制限され
る。そのため、流路形成部材2の表面以上にはほとんど
突起は存在しない。これによって、距離TDを狭く、ま
たは距離HDを広く取ることができる。さらには、発熱
素子基板1のサイズに関係なく、噴射口10の周囲の同
一面を広く取ることが可能となり、長さCLが十分に確
保できるので、キャッピングを良好に行なって十分な気
密性を得ることができる。
【0029】図8は、本発明の液体噴射記録ヘッドの第
1および第2の実施の形態における変形例を示す部分拡
大図である。図中、31は凹部である。この例では、図
8に示すように、ワイヤボンディングが行なわれる位置
に合わせて流路形成部材2に凹部31を設けている。流
路形成部材2を装着する際に、ボンディングワイヤ6が
それぞれ対応する凹部31に入り込み、凹部31の底面
であるワイヤ当接部3にボンディングワイヤ6が当接、
変形する。このとき、ボンディングワイヤ6が横方向に
倒れても、凹部31の側面で各ボンディングワイヤ6が
分離されているため、ボンディングワイヤ6同士が接触
(ショート)することはない。そのため、ワイヤボンデ
ィングを行なう間隔を狭くすることも可能となる。
【0030】また、各凹部31の間の部分が凸状になる
ため、流路形成部材2の強度を向上させることができ
る。これによって、例えばメンテナンス時のキャッピン
グ動作によって噴射口10の配列されている面に大きな
力でキャップを押圧しても、キャッピング面の変形が少
なく、気密性を確保することができる。また、このよう
な強い押圧力でのキャッピングによるボンディングワイ
ヤ6の断線などの心配もない。
【0031】上述の例では、噴射素子として発熱素子を
用いたサーマル方式の液体噴射記録ヘッドについて示し
たが、噴射素子として発熱素子以外のものを用いた液体
噴射記録ヘッドでも同様であり、外部との電気的接続を
ワイヤボンディングで行なう場合について本発明を適用
することができる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、工数を増やさずにボンディングワイヤによる
電気的な接続領域の高さを縮小できるので、液体噴射記
録ヘッドの小型化が可能であるとともに、ヘッド自体の
コストを低減することができる。また、電気的な接続領
域を縮小できることによって、位置的な制限が減少し、
設計の際の自由度を高めることができる。
【0033】特にルーフ型の液体噴射記録ヘッドでは、
液体噴射方向での被記録媒体と液体噴射記録ヘッドとの
間の距離を広く確保できるので信頼性を高めることがで
き、あるいは、液体の噴射口と被記録媒体との距離を短
く設計できるので、印字品質の高い液体噴射記録ヘッド
を容易に得ることができる。さらに、キャッピング時の
気密性の良いヘッドが低コストで得られるという効果が
ある
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液体噴射記録ヘッドの第1の実施の
形態を示す断面図である。
【図2】 本発明の液体噴射記録ヘッドの第1の実施の
形態における製造方法の一例を示す工程図である。
【図3】 本発明の液体噴射記録ヘッドの第2の実施の
形態を示す断面図である。
【図4】 本発明の液体噴射記録ヘッドの第2の実施の
形態を示す分解斜視図である。
【図5】 本発明の液体噴射記録ヘッドの第2の実施の
形態における製造方法の一例を示す工程図である。
【図6】 本発明の液体噴射記録ヘッドの第2の実施の
形態における部分拡大断面図である。
【図7】 従来の液体噴射記録ヘッドにおける部分拡大
断面図である。
【図8】 本発明の液体噴射記録ヘッドの第1および第
2の実施の形態における変形例を示す部分拡大図であ
る。
【符号の説明】
1…発熱素子基板、2…流路形成部材、3…ワイヤ当接
部、4…ヒートシンク、5…電気配線、6…ボンディン
グワイヤ、7…液体供給管、8…ボンディングパッド、
9…共通液室、10…噴射口、11…ジョイント部材、
21…開口部、22…液体供給口、23…封止剤、24
…被記録媒体、31…凹部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釼持 伸夫 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 小泉 幸久 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の噴射素子を有する基板と、前記噴
    射素子に対応し液体を噴射する複数の噴射口および該噴
    射口へ液体を供給する流路が形成された流路形成部材と
    が接合されてなる液体噴射記録ヘッドにおいて、前記基
    板から外部へボンディングワイヤにより電気的に接合さ
    れてなり、該ボンディングワイヤは前記流路形成部材の
    一部に当接して変形していることを特徴とする液体噴射
    記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 液体を噴射する方向が前記基板と前記流
    路形成部材との接合面に略直交する方向であり、前記ボ
    ンディングワイヤの変形方向が液体の噴射する方向と略
    逆方向であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴
    射記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記流路形成部材には、前記ボンディン
    グワイヤに当接する部分に前記ボンディングワイヤに対
    応して凹部が形成されていることを特徴とする請求項1
    に記載の液体噴射記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記ボンディングワイヤの形成時の高さ
    寸法に対して前記ボンディングワイヤの最小ピッチがそ
    れ以上であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴
    射記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記ボンディングワイヤの材質がAuで
    あることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射記録ヘ
    ッド。
  6. 【請求項6】 複数の噴射素子を有する基板と、前記噴
    射素子に対応し液体を噴射する複数の噴射口および該噴
    射口へ液体を供給する流路が形成された流路形成部材と
    を接合してなる液体噴射記録ヘッドの製造方法におい
    て、前記基板から外部へボンディングワイヤにより電気
    的に接合し、前記流路形成部材を前記基板に接合し、該
    接合の際に、前記流路形成部材の一部が前記ボンディン
    グワイヤを接合平面と直交する方向に押圧し、前記ボン
    ディングワイヤの形成時の高さよりも低くなるように変
    形させることを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方
    法。
JP18641097A 1997-07-11 1997-07-11 液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法 Pending JPH1128808A (ja)

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JP18641097A JPH1128808A (ja) 1997-07-11 1997-07-11 液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法

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JP18641097A JPH1128808A (ja) 1997-07-11 1997-07-11 液体噴射記録ヘッドおよびその製造方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8205963B2 (en) 2008-06-17 2012-06-26 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet print head, and method of manufacturing ink jet print head

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