JPH11286829A - 生分解性繊維材料 - Google Patents

生分解性繊維材料

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JPH11286829A
JPH11286829A JP10103386A JP10338698A JPH11286829A JP H11286829 A JPH11286829 A JP H11286829A JP 10103386 A JP10103386 A JP 10103386A JP 10338698 A JP10338698 A JP 10338698A JP H11286829 A JPH11286829 A JP H11286829A
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JP
Japan
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biodegradable
polycaprolactone
fiber
nonwoven fabric
weight
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JP10103386A
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English (en)
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Fumio Yoshii
文男 吉井
Keizo Makuuchi
恵三 幕内
Hiroshi Mitomo
宏志 三友
Dalwiss Dalmawan
ダルマワン・ダルウィス
Tei Murakami
禎 村上
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Daicel Corp
Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
Japan Atomic Energy Research Institute
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高引張強度、高生分解性を備えた繊維、不織
布、濾過材等の繊維材料を提供すること。 【解決手段】 (1)ラクトン樹脂またはラクトン樹脂
を含む生分解性樹脂組成物が使用されてなる生分解性繊
維において、該生分解性繊維を構成するラクトン樹脂は
単独で又は他の少なくとも1の構成成分と共に放射線照
射処理がされたものである生分解性繊維、(2)動物性
天然繊維、植物性天然繊維、再生繊維および半合成繊維
からなる群から選ばれる一種類以上の繊維からなり、数
平均分子量10,000以上のポリカプロラクトンをバ
インダーとして含有する生分解性不織布において、該生
分解性不織布を構成するバインダーのポリカプロラクト
ンは放射線照射処理されてなるポリカプロラクトンであ
ることを特徴とする生分解性不織布、(3)ポリカプロ
ラクトン又はこれを含有する生分解性樹脂からなる生分
解性濾過材において、該生分解性濾過材を構成するポリ
カプロラクトンは放射線照射処理されてなるポリカプロ
ラクトンであることを特徴とする生分解性濾過材等であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度及び生分解性
に優れた繊維材料に関する。より詳細には、放射線照射
処理されたラクトン樹脂、特にはポリカプロラクトンを
用いてなる高引張強度、高生分解性を備えた繊維、不織
布、濾過材等の繊維材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、生産工業、漁業、農業、土木
建設等において用いられるロープ、ネット、織布、不織
布、濾過材等の繊維材料は、自然環境下での長期間の使
用に耐えるように、主として高引張強度と耐候性が要求
されてきており、その繊維素材とか繊維間の接着材とし
ては主としてポリアミド、ポリエステル、ビニロン、ポ
リオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
含フッ素ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリアラミド等が使用されてきた。これらは使用
後、再使用できないものは焼却、埋め立て、原料再生処
理等の処分に付されることもあるが、これら処分のため
の回収は煩雑、困難であり、必ずしも充分ではなく、現
実には海や山野にそのまま放置されがちで、しかもこれ
らの繊維材料は自然界での自己分解性がほとんどないた
め種々の問題を起こしてきている。
【0003】これらのうち繊維に関する問題点を解決す
る方法として、生分解性のポリマーとして多糖類、蛋白
質、脂肪族ポリエステル等の使用、デンプン配合ポリエ
チレンの使用、微生物産生物の使用等が提案されたもの
の、紡糸方法の困難性、煩雑性、強度が不充分であるこ
と、高材料コスト、全体として完全生分解性のものでは
ないこと、結晶化速度が遅く、マルチフィラメントの製
造には向かない等の問題があった。これらに代わる新し
い解決手段として、脂肪族ポリエステル100重量部に
対しポリカプロラクトンを1乃至200重量部配合した
ポリエステル樹脂組成物からなる、引張強度が2.0g
/d以上の生分解性繊維の他、同様の脂肪族ポリエステ
ル100重量部に対しポリカプロラクトンを1乃至20
0重量部を配合したポリエステル樹脂組成物を40重量
%以上含有し、引張強度が2.0g/d以上の生分解性
繊維が提案されている(特開平8−29990号)。し
かし、ここに開示されている繊維の引張強度は4〜5.
5g/dであり、生分解性については繊維を土壌中に2
月間埋設して取り出して引張強度保持率を試験したとこ
ろ、50%以下となり、一応改善されていることはわか
ったが、実用的に充分な強度である6g/d以上には達
しておらず、また生分解性も2月という長期間を要して
おり、実用的埋設期間1月には達していないという更に
改善すべき余地が残されている。
【0004】一方、不織布に関しては、例えば動物性天
然繊維、植物性天然繊維、セルロース系合成繊維、セル
ロース系半合成繊維等の生分解性繊維の使用、及び繊維
同士の結合による引裂強度の向上のために繊維間結合用
接着剤の使用が提案されたが、接着剤自体が生分解性を
有しないため問題点の完全な解決には至らなかった。こ
の問題点の解決のために、特定のポリマー、即ち数平均
分子量10,000以上のポリカプロラクトンをバイン
ダーとして含有させる提案がされている(特開平8−3
37955号。しかし、この場合、生分解性(6月間河
川に浸漬し、外観を観察して判断)を犠牲にすることな
く引裂強度は1.6〜2倍程度向上し、一応改善されて
いることはわかったが、実用的に充分な引裂強度4.0
kg/cm程度は達成されておらず、また生分解性も6
月間という長期間でみており、実用的浸漬期間1月間に
は達していないという改善すべき余地がある。
【0005】更に濾過材に関しては、生分解性のないポ
リオレフィン、ポリアミド、ポリエステル等に代わり、
生分解性の樹脂例えばポリカプロラクトンのみを使用し
た繊維塊、織布、不織布、穿孔メンブレン等が提案され
ている。しかし、生分解性の変化は12月間の河川水通
しをし、続いて24月間の土壌埋設を行った後に認めら
れるもので、変化観察のための実用的期間12月(河川
水)に続く1月(土壌埋設)には遠く及ばず、従って、
生分解性能の面で満足のできる繊維材料としての濾過材
料であるとは言えず、この点で更に優れた繊維材料の出
現が望まれて来た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、繊維、不織布、濾過材という繊維材料において、そ
れらの使用時には、充分に高い強度、特に引張強度、引
裂強度を有し、しかも使用後に再使用に供されない場合
は、自然界に短期間放置又は埋設することにより効率よ
く生分解することのできる繊維材料を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究をした結果、繊維、不織布、濾
過材という繊維材料の構成材料の一部に、放射線照射処
理をしたラクトン樹脂、特にはポリカプロラクトンを使
用することにより解決できるという知見を得、本発明を
完成するに至った。即ち本発明の第1は、ラクトン樹脂
またはラクトン樹脂を含む生分解性樹脂組成物が使用さ
れてなる生分解性繊維において、該生分解性繊維を構成
するラクトン樹脂は単独で又は他の少なくとも1の構成
成分と共に放射線照射処理がされたものであることを特
徴とする生分解性繊維に関するものである。また本発明
の第2は、ラクトン樹脂がポリε−カプロラクトンであ
る本発明の第1の生分解性繊維に関するものである。ま
た本発明の第3は、脂肪族ポリエステル100重量部に
対しポリカプロラクトンを1乃至200重量部配合した
ポリエステル樹脂組成物が使用されてなる生分解性繊維
において、該生分解性繊維を構成するポリカプロラクト
ンは放射線照射処理されてなるポリカプロラクトンであ
ることを特徴とする生分解性繊維に関するものである。
また本発明の第4は、脂肪族ポリエステル100重量部
に対しポリカプロラクトンを1乃至200重量部を配合
したポリエステル樹脂組成物を40重量%以上含有する
樹脂組成物が使用されてなる生分解性繊維において、該
生分解性繊維を構成するポリカプロラクトンは放射線照
射処理されてなるポリカプロラクトンであることを特徴
とする生分解性繊維に関するものである。また本発明の
第5は、動物性天然繊維、植物性天然繊維、再生繊維お
よび半合成繊維からなる群から選ばれる一種類以上の繊
維からなり、数平均分子量10,000以上のポリカプ
ロラクトンをバインダーとして含有する生分解性不織布
において、該生分解性不織布を構成するバインダーのポ
リカプロラクトンは放射線照射処理されてなるポリカプ
ロラクトンであることを特徴とする生分解性不織布に関
するものである。また本発明の第6は、ポリカプロラク
トンのバインダーとしての含有が、不織布に含浸された
ポリカプロラクトンが放射線照射処理されてなるポリカ
プロラクトンのバインダーとしての含有である本発明の
第5の生分解性不織布に関するものである。また本発明
の第7は、生分解性不織布が置換度2.1以下の生分解
性酢酸綿を含有する本発明の第5又は6に記載の生分解
性不織布に関するものである。また本発明の第8は、ポ
リカプロラクトン又はこれを含有する生分解性樹脂から
なる生分解性濾過材において、該生分解性濾過材を構成
するポリカプロラクトンは放射線照射処理されてなるポ
リカプロラクトンであることを特徴とする生分解性濾過
材に関するものである。また本発明の第9は、濾過材が
繊維塊、織布、不織布又は有孔メンブレンである本発明
の第8の生分解性濾過材に関するものである。更に本発
明の第10は、放射線照射処理されてなるポリカプロラ
クトン又はこれを含有する生分解性樹脂組成物で被覆さ
れてなる、自然環境中で腐食を受ける金属繊維及び/又
はワイヤーで構成された塊状体、織布又は不織布を使用
してなることを特徴とする生分解性を有す濾過材に関す
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容について具体
的に説明する。本発明において使用されるラクトン樹脂
は、ε−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、
3,5,5−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−
トリメチルカプロラクトンなどの各種メチル化カプロラ
クトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、
δ−バレロラクトン、エナントラクトンの単独重合体ま
たはこれらの2種以上のモノマーの共重合体、これらの
単独または共重合体の混合物が挙げられる。特に常温で
軟化しないものが好ましく、この観点から高分子量であ
って融点が60℃以上の、安定した性能が得やすいポリ
ε−カプロラクトン(PCLまたはポリカプロラクトン
と称すことがある。)が好適である。以下、本発明に係
るラクトン樹脂をその代表例であるポリカプロラクトン
を用いて説明する。ポリカプロラクトンとしては、ε−
カプロラクトンの単独重合体以外に、バレロラクトン、
グリコリドまたはラクチドなどのコモノマーを使用した
共重合体も含まれ、数平均分子量が10,000〜30
0,000が好ましいが、実用的な橋かけの点で40,
000〜150,000のものが特に好ましい。
【0009】本発明に用いられる生分解性樹脂組成物
は、ラクトン樹脂と他の生分解性樹脂を含むものであ
る。他の生分解性樹脂としては、ラクトン樹脂に配合し
て組成物としてフィルムに成形され得る樹脂であれば特
に限定されず各種公知の樹脂が使用される。このような
生分解性樹脂としては、脂肪族ポリエステル(特に好ま
しいものを後で例示する)、生分解性セルロースエステ
ル、ポリペプチド、澱粉等が好ましく例示できる。これ
らは、1種を単独で使用することも二種以上を併用する
こともできる。生分解性セルロースエステルとしては、
酢酸セルロース、セルロースブチレート、セルロースプ
ロピオネート等の有機酸エステル;硝酸セルロース、硫
酸セルロース、リン酸セルロース等の無機酸エステル;
セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセ
テートブチレート、セルロースアセテートフタレート、
硝酸酢酸セルロース等の混成エステルが例示できる。こ
れらのセルロースエステルは、単独でまたは二種以上混
合して使用できる。これらのセルロースエステルのうち
有機酸エステル、特に酢酸セルロースが好ましい。ポリ
ペプチドとしては、ポリアミノ酸およびポリアミドエス
テル等が例示できる。また澱粉としては、生澱粉、加工
澱粉及びこれらの混合物が挙げられる。生澱粉としては
トウモロコシ澱粉、馬鈴箸澱粉、甘藷澱粉、コムギ澱
粉、キャッサバ澱粉、サゴ澱粉、タピオカ澱粉、コメ澱
粉、マメ澱粉、クズ澱粉、ワラビ澱粉、ハス澱粉、ヒシ
澱粉等が挙げられ、加工澱粉としては、物理的変性澱粉
(α−澱粉、分別アミロース、湿熱処理澱粉等)、酵素
変性澱粉(加水分解デキストリン、酵素分解デキストリ
ン、アミロース等)、化学分解変性澱粉(酸処理澱粉、
次亜塩素酸酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉等)、化学変性
澱粉誘導体(エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオ
ン化澱粉、架橋澱粉等)などが挙げられる。 上記の
中、エステル化澱粉としては、酢酸エステル化澱粉、コ
ハク酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、リン酸エ
ステル化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、キサントゲ
ン酸エステル化澱粉、アセト酢酸エステル化澱粉など;
エーテル化澱粉としては、アリルエーテル化澱粉、メチ
ルエーテル化澱粉、カルボキシメチルエーテル化澱粉、
ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、ヒドロキシプロピル
エーテル化澱粉など;カチオン化澱粉としては、澱粉と
2−ジエチルアミノエチルクロライドの反応物、澱粉と
2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロ
ライドの反応物など;架橋澱粉としては、ホルムアルデ
ヒド架橋澱粉、エピクロルヒドリン架橋澱粉、リン酸架
橋澱粉、アクロレイン架橋澱粉などが挙げられる。
【0010】このような生分解性樹脂組成物としては、
好ましくはラクトン樹脂、特にポリカプロラクトンと脂
肪族ポリエステルからなるものであり、特に脂肪族ポリ
エステル100重量部に対しポリカプロラクトンを1乃
至200重量部配合してなる組成物が好ましい。以下、
この好ましい組成物を例に本発明の第3、第4を説明す
るが、ラクトン樹脂を単独で用いる場合、ラクトンと他
の生分解性樹脂との組成物の場合も同様である。前記脂
肪族ポリエステルとしては、原料がコハク酸と1,4−
ブタンジオールと、コハク酸とエチレングリコールと、
シュウ酸とネオペンチルグリコールと、シュウ酸と1,
4−ブタンジオールと、シュウ酸とエチレングリコール
とからそれぞれ得られるポリエステル樹脂が例示できる
が、融点が高く、好ましいのはコハク酸と1,4−ブタ
ンジオールとから得られるポリエステル樹脂である。こ
のポリエステルには、ジイソシアネート化合物で分子量
を向上させたものも含まれる。
【0011】繊維の製造、繊維の引張強度の確保に好ま
しい脂肪族ポリエステル樹脂の数平均分子量は、30,
000乃至1,000,000の範囲、より好ましくは
70,000乃至200,000の範囲である。平均分
子量が30,000未満では引張強度等の機械特性の低
下がみられる場合があり、1,000,000を超える
と紡糸工程で溶融粘度が非常に高くなり、成形性の低下
傾向が見られることがある。
【0012】上記ポリカプロラクトンは単独で、又は脂
肪族ポリエステルとの組成物の状態で、或いは後記の諸
添加剤が存在する状態で、放射線照射処理を受けること
により架橋し、繊維の他、後述の不織布、濾過材の各種
強度及び生分解性の向上に貢献する。
【0013】ここに、高分子材料の放射線照射処理は、
橋かけ等による改質のために工業的に広く使用されてい
るもので、放射線源としてはα線、β線、γ線、X線、
電子線、紫外線等を使用することができるが、コバルト
60からのγ線、電子線の他、X線がより好ましく、中
でも該γ線とか電子加速器の使用による電子線照射処理
が橋かけ構造導入には最も便利である。
【0014】本発明におけるラクトン樹脂の放射線処理
の効果である橋かけ反応は、少ない放射線照射線量でも
起こり、常温で15kGy程度でも効果があり、線量の
増加とともに該橋かけ度が大きくなる。放射線の線量率
は特に限定されるものではないが、高い架橋度が必要な
場合は、線量率が高いほど生産効率は向上するので好ま
しい。なお、放射線処理時の雰囲気は特に限定されるも
のではないが、酸素濃度が低いほど照射線量を少なくす
ることができるので有利である。本発明に係る放射線照
射処理は、ポリカプロラクトン自体又は組成物の粉末又
はペレットに対して行う。これにより耐熱性、強度等に
優れ、60℃以上で延伸処理もでき、生分解性に優れた
繊維が得られる。なお、前記照射は、紡糸中または紡糸
後の繊維に放射線を照射してもよい。
【0015】本発明の第3に係るポリエステル樹脂組成
物は、脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対しポリ
カプロラクトン1乃至200重量部を含むものであり、
好ましくは脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対し
上記ポリカプロラクトン4乃至55重量部を含有したも
のである。この範囲の比率を有する組成物を使用するこ
とにより生分解性に優れ、かつ機械強度特性および耐熱
性に優れる生分解性繊維を得ることができる。
【0016】本発明の第4に係る樹脂組成物は、上述の
ポリエステル樹脂組成物40重量%以上好ましくは60
重量%以上と、他の成分60重量%以下好ましくは40
重量%以下からなる組成物であり、他の成分としては該
ポリエステル樹脂組成物の生分解性を阻害しない成分で
あり、例えば他の生分解性樹脂とか、生分解はしないが
環境汚染をしない無害の状態で残る無機物等を挙げるこ
とができる。上記使用できる他の生分解性樹脂成分とし
ては、ポリビニルアルコール系の樹脂、3−ヒドロキシ
ブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合体系の
樹脂等を例示することができ、又、無害の無機物として
は炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、シリカ
等を例示することができる。
【0017】その他、更に低分子量ポリカプロラクトン
のようなポリエステルを可塑剤として添加することがで
きる。又、生分解性はないが環境汚染防止上許される範
囲で、繊維の艶消し剤、カーボンブラック等の顔料、酸
化防止剤(例えばヒンダードフェノール化合物、ヒンダ
ードアミン化合物、リン系化合物等)、紫外線吸収剤
(例えばベンゾフェノール化合物、ベンゾトリアゾール
化合物、サリシレート化合物等)、架橋性基を有する化
合物、結晶核剤(例えば窒化ホウ素や二酸化チタン等)
を例えば0.1〜5.0重量%含有させてもよい。
【0018】なお、本発明に係る生分解性を有する繊維
は、マルチフィラメントとして又はモノフィラメントと
して製造することができ、いずれも溶融紡糸法を採るこ
とができる。溶融紡糸の温度は、用いるポリエステル樹
脂組成物の数平均分子量等により異なるが、140乃至
220℃とすることが好ましい。紡糸温度が140℃未
満では溶融押出しが困難であり、220℃を越えるとポ
リエステル樹脂組成物の分解が顕著となり、高強度の繊
維を得ることが困難となる。
【0019】他の紡糸条件についてその一例を説明する
と、マルチフィラメントの場合、10乃至100穴の口
金から溶融紡出され、室温乃至80℃で空冷し、通常の
合成繊維用紡糸油剤を付与した後、引き続いてローラ間
で1段又は2段以上の冷延伸もしくは熱延伸に供する。
全延伸倍率は、目的とするマルチフィラメントの要求性
能により異なるが、紡糸速度を10乃至1,000m/
分として、1.2倍以上の延伸倍率とする。紡糸速度が
10m/分を下回ると、結晶化が進行し延伸が困難とな
り、紡糸速度が1,000m/分以上では、各フィラメ
ント間の融着が生じる場合があるからである。紡糸速度
を上記範囲内とし、延伸倍率を1.2倍以上としたとき
に、高引張強度のマルチフィラメントを得ることができ
る。一方、モノフィラメントの場合、口金から押し出し
た樹脂を室温乃至80℃の水中で冷却し、2乃至10倍
程度のネッキング延伸を行う。延伸は1段で行うが、2
段以上で行ってもかまわない。全延伸倍率は、目的とす
るモノフィラメントの要求性能により異なるが、4倍以
上の延伸倍率とすることが好ましい。延伸倍率4以上で
高い引張強度を有する高生分解繊維が得られるからであ
る。
【0020】次に、第5〜7の発明に係る不織布につい
て説明する。これら発明において使用される繊維は、天
然繊維(動物性繊維のウール、植物性繊維の麻等が代表
例である)、再生繊維(繊維素系再生繊維が代表例であ
る)及び/又は半合成繊維(繊維素系繊維又は繊維素系
再生繊維に酢酸基を導入したアセテートが代表例であ
る)であり、繊維間の結合、固定のために使用されるバ
インダーは、放射線照射処理を受けることにより架橋構
造が形成された、数平均分子量が10,000以上のポ
リカプロラクトンであり、特に10,000〜1,00
0,000の範囲であることが好ましい。数平均分子量
が10,000以上とすることにより、不織布の各種機
械的強度及び生分解性の向上に貢献する。
【0021】なお、不織布を構成する繊維として置換度
2.1以下の生分解性酢酸綿を併用すると生分解性機能
が一層向上するので効果的である(第7の発明)。この
理由については明らかではないが、一般に置換度が3に
近づくと化学的に安定した酢化セルロースになり、置換
度が2付近では耐溶媒性、化学的安定性が低下し、置換
度を2.1以下のものは生分解性がよいと言われること
から考察して、このような低置換度酢酸綿の添加が他の
繊維の生分解機能を促進する作用を有するのではないか
と考えられる。
【0022】ポリカプロラクトンは、バインダーとして
不織布の引張強度、引裂強度向上に機能し、しかもそれ
自体生分解性を有するが、放射線照射処理をして架橋構
造を形成させると、上記強度及び生分解性能が一層向上
するという特性を発揮する特徴がある。放射線照射処理
は、ポリカプロラクトン単独又は組成物中のポリカプロ
ラクトンに対して、γ線、電子線等の照射処理を行うこ
とを内容とするものであり、これによってポリカプロラ
クトンには所望の架橋構造が形成される。
【0023】第5〜7の発明に係るポリカプロラクトン
の放射線照射処理は、ポリカプロラクトンの粉末又はペ
レットの状態で行ってもよいが、架橋構造形成前の流動
性のよい時点で不織布の繊維間にバインダーとして含有
させた後に照射処理を行うほうが含有処理工程が簡単で
あり、効果的である。もっとも、本発明に係る架橋は不
溶、不融状態になるものではないので、これら発明はバ
インダーを、その放射線照射処理後に含有させる処理方
法を排除するものではない。ポリカプロラクトンを不織
布の繊維間にバインダーとしての含有させる方法として
は特に限定されるものではないが、ポリカプロラクトン
をアセトン等の溶液として不織布に含浸させ、溶媒を除
去する方法が簡単であり、バインダー形成としては効果
的である。
【0024】続いて、第8〜10の発明に係る濾過材に
ついて説明する。濾過材の構成はその本質的機能から言
って、濾過分離したい分散質が分散、浮遊する気体、液
体等流体を通過させ、分散質が通過し難い通路を有する
ものであれば、特に限定されるものではないことは勿論
であり、繊維を団塊にしてなる繊維塊、繊維からなる繊
維束、織布、不織布、所望の径の穿孔を有するメンブレ
ンのいずれでもよい。これらは、流体の通路の断面形状
に合わせて種々の形状に形成しうるので、濾過材として
は無機物粉粒体の充填体よりも便利、且つ効果的であ
る。
【0025】使用し得る繊維材料、メンブレンとして
は、近年要求されるようになった高い流体圧に耐える高
い機械的強度及び高い生分解性を具備するものである。
これらの要求に耐える材料としては、放射線照射処理を
受けて分子内に架橋構造を形成したポリカプロラクトン
とか、自然環境下、特に土壌中に埋設して放置すれば腐
食して無害の化合物に変化し、元の形状を喪失する金属
繊維(例えば、鉄繊維、アルミニウム繊維、ステンレス
繊維等)及び/又は金属ワイヤーの表面を該放射線照射
処理したポリカプロラクトンで被覆した複合体が好まし
く使用される。
【0026】ポリカプロラクトンの放射線照射処理は、
前記繊維及び不織布の説明において詳説した処理をい
い、照射時期としては特に限定されるものではないが、
繊維の場合は原料組成物の段階で行う方法が最も均一な
照射処理ができて効果的であり、金属繊維等の被覆の場
合は被覆後の処理が操作上容易であるので好ましい方法
である。なお、濾過材に係る繊維材料としての生分解性
繊維は、前記繊維に係る繊維材料について説明したマル
チフィラメントとかモノフィラメントとしての製造方法
がそのまま適用できる。
【0027】
【実施例】本発明に係る高強度、高生分解性の繊維、不
織布及び濾過材についての実施例を、それらの製造方法
を具体的に示しながら説明する。
【0028】(参考例1)ポリカプロラクトンのペレッ
ト(メルトインデックス2.57g/10分)を融点以
上に加熱したのち50℃に冷却し、非晶状態にある内に
放射線としてγ線を60kGyおよび160kGy照射
したところ、得られた処理ペレットのメルトインデック
スはそれぞれ0.05g/10分(後記ゲル分率60
%)および0.03g/10分(ゲル分率80%)であ
った。該未処理ペレットおよび処理ペレットを都市下水
汚泥環境下にて、JIS K6950に準じた25℃、
4週間の生分解性試験に供した。その結果、未照射処理
品の分解率が72.1%であったのに対し、照射処理品
はそれぞれ86.2%、77.2%であった。更に照射
処理品を200℃のホットプレスでシート状にし、粉砕
した試料について同様に生分解性試験を行った。その結
果、分解率はそれぞれ87.0%、87.8%であっ
た。照射線種をγ線から電子線に変えて行い、同様の試
験結果を得た。
【0029】(参考例2)参考例1で使用したポリカプ
ロラクトンに電子線の照射量を15kGyとして常温で
照射した。処理ペレット(メルトインデックスは1.0
g/10分,ゲル分率0.2%)を40mmφのT−ダ
イを設けた押出機(樹脂温度150℃)で押し出し、厚
さ約270μのシートを得た。得られたシートについ
て、常温で、引裂試験、JIS K7211に準じた耐
衝撃強度試験およびJIS K6782に準じた引張試
験を行い、同様にシート化した未照射処理品の試験結果
と比較した。その結果、未照射処理品、照射処理品の順
に、引張強度(MD:縦方向)は260、280kgf
・cm、同横方向(TD)は210、230kgf・c
m、引張伸度(MD)は1130、1240%、同TD
は1130、1160%、引裂強度(MD)は160、
270gf、同TDは190、450gf、耐衝撃強度
試験は23.8、25.2kgf・cmとそれぞれ向上
した。
【0030】(参考例3)参考例1で使用したポリカプ
ロラクトンに常温で、電子線を10、20、40、10
0kGy照射してMIとゲル分率(%)の変化を測定
し、それぞれ順番に下記の値を得た。電子線照射量(k
Gy):0、10、20、40、100 MI(g/10min):2.6、1.0、0.5、0.1、0.08ゲ
ル分率(%):0、0.1、0.2、0.3、23.7
【0031】なお、参考例1〜3において、ポリカプロ
ラクトンに生分解性樹脂ビオノーレを添加したものにつ
いて照射を検討したが、本質的には変わりはなかった。
【0032】参考例3で20kGy照射カプロラクトン
から得られたシートを10cm平方にカットしたサンプ
ルを70℃の温水に浸漬し収縮率を測定した。この結
果、未照射カプロラクトンから得られたシートでは溶融
してしまったが、20kGy照射シートは溶融すること
なく、MD方向に60%TD方向に30%収縮した。
【0033】調製例1として、上記放射線照射処理をし
て架橋させたポリカプロラクトンについて説明する。処
理用ポリカプロラクトンのペレット10gを1.5cm
径のガラスアンプルに入れ、真空ラインに連結して空気
を除去してから溶封し、80℃のオーブン中でポリカプ
ロラクトンを完全融解した後、予め45℃に調節してお
いた金属プロツクに差し込み、コバルト60からのγ線
により線量率10kGy/hrで100kGy照射し、
その後ガラスアンプルを開封し、1.5cm径の円柱状
ポリカプロラクトンを取出した。これを厚みが約5mm
に切り出し、200メッシュのステンレス金網に包み、
アセトン液の中で24時間浸漬し、橋かけ度を表す不溶
分(ゲル分率)を次式により求めたところ、70%であ
った。 ゲル分率(%)=(W2 /W1 )×100 (ここで、W1 は浸漬前のポリカプロラクトンの乾燥重
量を表し、W2は浸漬後の不溶分乾燥重量を表す。) 更に、耐熱性を調べるために2〜3mm厚みにスライス
したPCLを200℃の熱プレスによりフィルム状に圧
縮成形したが、得られたフィルムは極めて透明性に優れ
たものであった。耐熱性は高温引張試験機を使って、引
張速度100mm/min、120℃の条件で引張強度
と破断点伸びを求めたところ、強度2MPa、伸び55
0%であり、ヘイズ値は15%であった。
【0034】なお、調製例2として、γ線により150
kGyの線量で照射を行った以外は調製例1に記載の照
射工程と同様の工程を経たポリカプロラクトンのゲル分
率(%)は82%であった。更に耐熱性の試験を調製例
1記載の方法で行った。その結果、調製例1と同様にし
て測定したところ、強度3MPa、伸び470%であ
り、ヘイズ値は10%であった。
【0035】(実施例1)コハク酸と1,4−ブタンジ
オールとから得られる脂肪族ポリエステル樹脂(数平均
分子量70,000)70重量部に、前記調製例1の照
射と同程度のゲル分率となるように調整した放射線照射
処理工程を経たポリカプロラクトン(ダイセル化学工業
社製「PLACCEL H7」、数平均分子量7×10
4 )30重量部を混練し、ポリエステル樹脂組成物を得
て、該組成物を25mm径の押出機を使用し、押出温度
200℃で16穴の口金から押し出し、延伸しながら空
冷した。次いで、ドラフト倍率を200とし、更に2倍
に延伸して32dのマルチフィラメント(2d/フィラ
メント)を得た。このマルチフィラメントの引張強度特
性は破断強度6g/d、伸び40%であった。また、土
壌埋設での生分解性も良好であった。なお、引張強度特
性はJIS L1013に準じて測定した。生分解性の
試験として、試料を土壌中に1月間埋設した後取り出
し、繊維がその形状を失っているかを調べ、繊維の引張
強度保持率が50%以下になっている場合を生分解性が
良好であるとした。
【0036】(比較例1)実施例1における予め放射線
照射処理をしたポリカプロラクトンの使用に代えて、該
放射線照射処理をしていないポリカプロラクトンを使用
した他は実施例1と同様にしてマルチフィラメントを成
形し、破断強度と生分解性を調べた。その結果、破断強
度は4g/d、伸び40%であった。また、土壌埋設で
の生分解性の試験では、試料を土壌中に1月間埋設した
後取り出してもあまり変化はなく、2月間埋設してはじ
めて引張強度保持率が50%以下になった。なお、比較
調製例として、未照射のポリカプロラクトンでは、耐熱
性の試験を調製例1記載の方法で行ったところ、この温
度では融解して、強度、伸びは測定できず、ヘイズ値は
90%であった。
【0037】(実施例2)放射線照射処理したポリカプ
ロラクトンを含むポリエステル樹脂組成物及び押出機は
実施例1と同じものを使用し、押出温度210℃で3穴
の口金から押し出しし、70℃の水中で冷却した後8倍
に延伸し、900dのモノフィラメントを得た。このモ
ノフィラメントの引張強度特性は破断強度6.5g/
d、伸び50%であった。また、1月間土壌埋設後の生
分解性は良好であった。
【0038】(比較例2)実施例2における予め放射線
照射処理をしたポリカプロラクトンの使用に代えて、該
放射線照射処理をしていないポリカプロラクトンを使用
した他は実施例2と同様にしてマルチフィラメントを成
形し、破断強度と生分解性を調べた。その結果、破断強
度は5.5g/d、伸び50%であった。また、土壌埋
設での生分解性の試験では、試料を土壌中に1月間埋設
した後取り出してもあまり変化はなく、2月間埋設して
はじめて引張強度保持率が50%以下になった。
【0039】(実施例3)ポリカプロラクトン(ダイセ
ル化学工業社製PCLH7、数平均分子量70,000
以上)について実施例1と同様の放射線照射処理をした
もの7.5重量部をアセトン92.5重量部に加えて溶
解し、不織布用のバインダー溶液を調製した。一方、流
水交絡法で作製したコットン不織布(日清紡績オイコス
社製PL2050,目付50g/m2)を準備し、上記
バインダー溶液に浸漬し、前記処理をしたポリカプロラ
クトンを含浸させた。これを室温の乾燥空気気流下に指
触乾燥し、引き続いて50℃で60分間温風乾燥した。
得られた不織布には、25g/m2の樹脂分が含浸さ
れ、全体の目付は75g/m2であった。これを室温水
中に入れても寸法安定性は非常に良く、乾燥時引裂強度
は4.7kg/cm、水浸漬時引裂強度は4.1kg/
cmと高い値を得た。生分解性についての試験は、河川
中浸漬1月後の状態の観察で行ったが、既に崩壊してい
る状態が観察された。
【0040】(比較例3)放射線照射処理をしていない
ポリカプロラクトンを使用した以外、実施例3と同様の
条件で試験を行ったところ、寸法安定性は非常に良かっ
たが、乾燥時引裂強度は2.6kg/cm、水浸漬時引
裂強度は2.7kg/cmであった。生分解性について
の試験は、河川中浸漬1月後の状態の観察で行ったが、
未だ崩壊現象は観察されず、6月浸漬後に崩壊している
状態が観察された。
【0041】(実施例4)ポリカプロラクトン(ダイセ
ル化学工業社製PCLH7、相対粘度2.35〜3.2
0)樹脂を、実施例1に示した条件で放射線照射処理を
し、押出成形して直径1.5mmのモノフィラメントを
得た。これを用いて、平織りの織布を作製し、100℃
の加熱プレスで融着固定し、濾過材を作製した。この濾
過材に一般排水(河川水)を12月間通した後、洗浄
し、25℃×85%RH環境の土壌中に24月間埋める
生分解性試験を行ったが、12月間河川水を通し、洗浄
し、埋設期間1月経過後、濾過材には既に生分解現象が
観察された。
【0042】(比較例4)放射線照射処理をしないポリ
カプロラクトンを使用した以外、実施例4と同様の試験
をしたが、河川水を12月間通し、洗浄し、土壌中に2
4月間埋設してはじめて生分解現象が起こっていること
を観察した。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、放射線照射処理をした
ポリカプロラクトンの使用により、実用的に高い機械強
度特性を有し、しかも改善された高い生分解性を有する
繊維、不織布、濾過材という繊維材料が提供される。即
ち、本発明に係る繊維材料は繊維は、漁業用資材、農業
用資材、土木用資材、工業用材料、衛生用材料、廃棄物
包装処理材等に使用した後、回収することなく廃棄する
場合でも、微生物が存在する土中や場合によっては水中
に放置するだけで、その後に完全に生分解されるため、
焼却等の特別な廃棄処理を必要とせず、処理の簡便化が
図れると共に、環境保全にも貢献できることがわかっ
た。また、放射線照射した樹脂では強度が大になるの
で、糸の太さを細くすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三友 宏志 群馬県桐生市天神町1丁目5番1号 群馬 大学工学部内 (72)発明者 ダルマワン・ダルウィス 群馬県桐生市天神町1丁目5番1号 群馬 大学工学部内 (72)発明者 村上 禎 千葉県松戸市新松戸南1−323

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクトン樹脂またはラクトン樹脂を含む
    生分解性樹脂組成物が使用されてなる生分解性繊維にお
    いて、該生分解性繊維を構成するラクトン樹脂は単独で
    又は他の少なくとも1の構成成分と共に放射線照射処理
    がされたものであることを特徴とする生分解性繊維。
  2. 【請求項2】 ラクトン樹脂がポリε−カプロラクトン
    である請求項1記載の生分解性繊維。
  3. 【請求項3】 脂肪族ポリエステル100重量部に対し
    ポリカプロラクトンを1乃至200重量部配合したポリ
    エステル樹脂組成物が使用されてなる生分解性繊維にお
    いて、該生分解性繊維を構成するポリカプロラクトンは
    放射線照射処理されてなるポリカプロラクトンであるこ
    とを特徴とする生分解性繊維。
  4. 【請求項4】 脂肪族ポリエステル100重量部に対し
    ポリカプロラクトンを1乃至200重量部を配合したポ
    リエステル樹脂組成物を40重量%以上含有する樹脂組
    成物が使用されてなる生分解性繊維において、該生分解
    性繊維を構成するポリカプロラクトンは放射線照射処理
    されてなるポリカプロラクトンであることを特徴とする
    生分解性繊維。
  5. 【請求項5】 動物性天然繊維、植物性天然繊維、再生
    繊維および半合成繊維からなる群から選ばれる一種類以
    上の繊維からなり、数平均分子量10,000以上のポ
    リカプロラクトンをバインダーとして含有する生分解性
    不織布において、該生分解性不織布を構成するバインダ
    ーのポリカプロラクトンは放射線照射処理されてなるポ
    リカプロラクトンであることを特徴とする生分解性不織
    布。
  6. 【請求項6】 ポリカプロラクトンのバインダーとして
    の含有が、不織布に含浸されたポリカプロラクトンが放
    射線照射処理されてなるポリカプロラクトンのバインダ
    ーとしての含有である請求項5記載の生分解性不織布。
  7. 【請求項7】 生分解性不織布が置換度2.1以下の生
    分解性酢酸綿を含有する請求項5又は6に記載の生分解
    性不織布。
  8. 【請求項8】 ポリカプロラクトン又はこれを含有する
    生分解性樹脂からなる生分解性濾過材において、該生分
    解性濾過材を構成するポリカプロラクトンは放射線照射
    処理されてなるポリカプロラクトンであることを特徴と
    する生分解性濾過材。
  9. 【請求項9】 濾過材が繊維塊、織布、不織布又は有孔
    メンブレンである請求項8記載の生分解性濾過材。
  10. 【請求項10】 放射線照射処理されてなるポリカプロ
    ラクトン又はこれを含有する生分解性樹脂組成物で被覆
    されてなる、自然環境中で腐食を受ける金属繊維及び/
    又はワイヤーで構成された塊状体、織布又は不織布を使
    用してなることを特徴とする生分解性を有す濾過材。
JP10103386A 1998-03-12 1998-03-31 生分解性繊維材料 Pending JPH11286829A (ja)

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EP99939197A EP0984039A4 (en) 1998-03-12 1999-03-12 RESIN COMPOSITION CONTAINING LACTONE, MOLDED OBJECT IN THE COMPOSITION, AND FILM
PCT/JP1999/001208 WO1999046332A1 (fr) 1998-03-12 1999-03-12 Composition de resine contenant de la lactone, objet moule dans cette composition, et film
US09/423,739 US20020136848A1 (en) 1998-03-12 1999-03-12 Lactone-containing resin composition, molded object thereof, and film

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003103230A (ja) * 2001-09-28 2003-04-08 Unitika Ltd 覆土代替材
US9925706B2 (en) 2001-05-10 2018-03-27 The Procter & Gamble Company Process of producing a melt-spinnable fiber using thermoplastic polymer and destructured starch

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