JPH11286268A - ピッチ重量移動を取り入れた連結および非連結カルマンフィルタリングを用いた複数車輪装備の乗物の抗滑動制御 - Google Patents

ピッチ重量移動を取り入れた連結および非連結カルマンフィルタリングを用いた複数車輪装備の乗物の抗滑動制御

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JPH11286268A
JPH11286268A JP11031065A JP3106599A JPH11286268A JP H11286268 A JPH11286268 A JP H11286268A JP 11031065 A JP11031065 A JP 11031065A JP 3106599 A JP3106599 A JP 3106599A JP H11286268 A JPH11286268 A JP H11286268A
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wheel
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friction
brake
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JP11031065A
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Robert Edward Rudd Iii
ロバート・エドワード・ラッド,ザ・サード
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 路面を走行する乗物の複数の車輪に加えられ
るブレーキ力の量を制御するためのブレーキ制御装置お
よび方法の提供。 【解決手段】 複数の車輪のそれぞれには該車輪の対応
する速度を示すアウトプット信号を供給するための感知
器が備えられている。該制御装置は、複数の車輪のそれ
ぞれと路面との間の摩擦量を該感知器のアウトプット信
号に基づいて評価する状態評価器を包含しており、各車
輪の評価摩擦量は他の車輪の評価摩擦量に基づいてい
る。該制御装置は更に、該複数の車輪に加えられるブレ
ーキ力の量を該評価摩擦量に基づいて調整する制御アウ
トプットを包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般にブレーキ制御
システムに関するものであり、更に詳しくはカルマンフ
ィルター技術を利用する抗滑動(antiskid,ア
ンチスキッド性)ブレーキ制御システムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】抗滑動ブレーキ制御システムは長年に亘
り幅広く利用されている。最も単純な意味で、抗滑動ブ
レーキ制御システムは、車輪速度センサー(および車輪
の半径)から導き出される乗物の速度を、二次または基
準源から導き出される乗物速度との比較を行う。もし車
輪が過剰に滑動(スキッド)していると決定された場
合、該車輪に加えられているブレーキ圧が解放され、適
切な速度で回転するようになっていく。
【0003】もちろん、如何なるそのような抗滑動シス
テムにおいても直ちに明白となる二つの大きな問題が存
在する。一つ目は滑動の適量を定めることに関する。二
つ目は基準速度をどこから得るかを定めることに関す
る。滑動の適量は、頻繁に議論はされるがめったに測定
されることの少ない「μスリップ曲線」を用いて説明さ
れる。通常そのような曲線は、車輪と鉛直軸上の走行表
面との間の摩擦係数μと水平軸上のスリップ率とによっ
て表される。スリップ率が0のときは車輪は滑動してい
ず、スリップ率が1のとき車輪は完全にロックされてい
るということを示している。
【0004】該μスリップ曲線の振幅とピークの位置
は、残念ながら、異なる走行表面または同じ走行表面に
おいても実質的に変化し得る。低振幅μスリップ曲線は
氷パッチまたは水パッチを表わすことができる。理想的
には、該抗滑動ブレーキ制御システムは、最大停止力を
与える該μスリップ曲線のピークにおいて車輪を滑動さ
せるべきである。抗滑動ブレーキ制御システムは有効率
90%として通常認識されており、この意味は、平均し
て該制御システムは該ピークの値或いはその位置に関わ
らず該μスリップ曲線のピークの10%以内に在るべき
であるということである。しかしながら、該μスリップ
曲線は非常に多くの変数(例えば、以下に限定されるわ
けではないが、タイヤトレッドの溝模様、タイヤトレッ
ドの成形材料、温度、タイヤ圧、走行表面の原料および
その仕上げ、等)に依存するため、該μスリップ曲線は
確率変数と同じ様相を呈し始める。これにより、従来の
抗滑動ブレーキ制御システムでは該μスリップ曲線のピ
ークを適切に辿ることは困難となる。
【0005】その上、乗物の基準速度を得ることは必ず
しも容易ではない。ブレーキを掛けられた車輪は滑動す
るかもしれないため制限なく利用することはできない。
航空機用ブレーキ制御システムの場合、前方車輪速度を
用いて基準速度を与えることができる。残念なことに、
該前方車輪がまだ着地していない場合やおそらく摩耗や
減圧により半径が短くなってしまっている場合などが存
在する可能性がある。或いは、例えば、ベアリングの欠
陥のために該前方車輪がロックされてしまう可能性もあ
る。これらの場合、得られるのは誤った基準速度であ
る。衛星航法(GPS)システム若しくはドップラーレ
ーダーによって基準速度を得ることもできるが、実行不
可能または電波妨害を受ける可能性がある。或いは、慣
性航法システムを用いて基準速度を与えることもできる
かもしれない。しかしながら、そのようなシステムは測
定誤差を起こすか及び/或いは比較的高価となる傾向が
ある。
【0006】近年、抗滑動ブレーキ制御システムにおい
て、カルマンフィルターの如き最適状態の予測技術を利
用する努力がなされている。例えば、ヴァンザンテン
(van Zanten)らに対する米国特許第4,67
9,866号では、カルマンフィルターを用いて設定点
ブレーキモーメント(set-point brakin
g moment)を突き止める方法が議論されてい
る。ヴァンザンテンらに対する米国特許第4,715,6
62号には、カルマンフィルターを用いて最適スリップ
値を求める方法が説明されている。そのようなシステム
が該最適スリップ値を求める際に状態予測技術の利益を
得ようとするのに対し、可観測性、収束速度、手順およ
び測定誤差等に関する難点がまだ存在する。これらの問
題点は実際に操作される上記の如きシステムの機能に大
きく影響する可能性がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の抗滑動ブレーキ
制御システムに関連する上記の欠点に鑑みて、滑動の適
量および基準速度の如き関連媒介変数を正確に且つ確実
に得ることのできるシステムが当該技術において強く望
まれている。更に、従来のシステムよりも速くそして正
確にそのような情報を得ることのできるシステムが当該
技術分野において強く望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの局面によ
れば、路面上を走行する乗物の複数の車輪に掛かるブレ
ーキ力の量を制御するためのブレーキ制御装置が提供さ
れる。該複数の車輪の一つ一つは、該車輪の対応する速
度を示すアウトプットシグナルを提供するための感知器
を有する。該制御装置は、該感知器のアウトプットシグ
ナルに基づいて該複数の車輪の一つ一つと路面との間の
摩擦量を予測する状態予測器を包含し、各車輪の該予測
摩擦量は残りの車輪の該予測摩擦量に基づいている。該
制御装置は、該予測摩擦量に基づいて該複数の車輪に掛
かるブレーキ力の量を調整するコントロールアウトプッ
トを更に包含する。
【0009】本発明の他の局面によれば、路面上を走行
する乗物の複数の車輪に掛かるブレーキ力の量を制御す
る方法が提供される。そのような方法において、該複数
の車輪の一つ一つは、該車輪の対応する速度を示すアウ
トプットシグナルを提供するための感知器を有する。該
方法は、該感知器のアウトプットシグナルに基づいて該
複数の車輪の一つ一つと路面との間の摩擦量を予測し、
各車輪の該予測摩擦量は残りの車輪の該予測摩擦量に基
づき、そして該複数の車輪に掛けられるブレーキ力の量
を該予測摩擦量に基づいて調整する工程を包含する。
【0010】前述および関連する目的の達成のために、
本発明は以下に詳細に説明され、特に請求項において指
摘される特徴から成る。以下の説明と添付図面は本発明
のある例示的な実施態様を詳細に説明している。しかし
ながら、これらの実施態様は本発明の原理が適用される
様々な方法のほんの一部だけを示しているに過ぎない。
本発明の他の目的、利点および新規な特徴は、図面と照
らし合わせて考慮された際に、本発明の以下の詳細な説
明から明らかになるであろう。
【0011】
【好ましい実施態様の説明】本発明は以下に図面を参照
しながら説明され、該図面中同様の参照番号は全図面を
通じて同様の要素を参照するのに用いられる。
【0012】まず初めに図1を参照すると、本発明に従
う航空機用の抗滑動ブレーキ制御システムが30で示さ
れている。航空機におけるブレーキ制御は機能的モジュ
ール性のため対となった車輪形態の構造に組立てられ
る。例えば、もし該航空機がその左側に二車輪、右側に
二車輪を有する場合、外側の二車輪が対となり、内側の
二車輪が対となる。対となる二車輪間では右車輪制御と
左車輪制御とが存在する。左車輪制御機能および右車輪
制御機能は、固定された車輪保護を除いて、連結はされ
ていない。(左車輪速度と右車輪速度とを比較し、両車
輪速度の差が30%になったときに圧力を解放する)ロ
ック車輪保護(locked wheelProtec
tion)は抗滑動制御とは異なる機能と見なされる。
従って、基本構成は左側或いは右側のどちらにも配置で
きる単一車輪の制御から成る。それにもかかわらず、一
方の車輪の他方への効果は、以下に更に詳しく説明され
るように更に考慮されかもしれない。ここで用いられる
ように、用語「車輪」には車輪とタイヤとを包括して参
照する意味があることは理解されるであろう。
【0013】簡潔にするため、図1に示されるが如きブ
レーキ制御システム30は、(右側か左側に位置する)
単一の車輪の滑動制御を提供するための基本構成を表し
ている。しかしながら、他の車輪(複数可)のための制
御は対応するシステム30を介して或いは同じ発明原理
を取り入れた単独のシステムにおいて提供されることが
理解されるであろう。さらに、本発明の好ましい実施態
様は航空機に関連する抗滑動ブレーキ制御を提供する。
それにも関わらず、本発明のブレーキ制御システムは実
質的に如何なる乗物に対しても有用であり、必ずしも航
空機のブレーキ制御に限定されているわけではない。
【0014】システム30は、操縦者にブレーキ制御を
提供するためのパイロット用ブレーキ装置32を包含す
る。加えて、システム30はカルマンフィルターに基づ
いた抗滑動制御装置34を包含する。制御装置34は以
下に更に詳しく説明されるように、抗滑動状態にある間
最適なブレーキ制御を提供するために状態予測技術を利
用する。システム30は航空機の速度や加速度の如き測
定データを制御装置34に供給するための航空機電子技
術36を更に包含する。制御装置34はシステム30内
に包含されるブレーキアクチュエーター36に制御信号
を供給する。ブレーキアクチュエーター36はブレーキ
アセンブリー38内のブレーキ摩擦素材(図示されてい
ない)に圧力をかけるためのものであれば従来の如何な
る種類のアクチュエーター(例えば、液圧式または電気
機械式)でもよい。ブレーキアセンブリー38は、従来
通り車輪40にブレーキ作用を供給する。
【0015】システム30は好ましくは速度感知器42
とブレーキトルク感知器44とを包含する。速度感知器
42は車輪40の角速度を感知する。ブレーキトルク感
知器44は、車輪40によってブレーキアセンブリー3
8に掛けられるトルクの量を測定する。実測速度および
実測トルクは制御装置34へとインプットされる。以下
に詳細に説明されるように、制御装置34はカルマンフ
ィルターを用いて車輪速度(速さ)、ブレーキトルク、
航空機速度および加速度を処理してブレーキアセンブリ
ー38に適当なブレーキ圧を供給して最適なブレーキを
提供する。
【0016】制御システム30の動作を大まかに説明す
ると、パイロットブレーキ装置32はペダルもしくはそ
れと同等物を包含している。ブレーキ動作中に、航空機
のパイロットは該ペダル(若しくはそれと同等物)を押
してパイロットブレーキ装置32を作動させる。該ペダ
ルの押下げは、制御装置34に供給される電気シグナル
(PILOT PRESSURE)へと変換される。該
PILOT PRESSUREシグナルの値は該ペダル
の押下げの度合いを示し、そして従来通りパイロットが
要求するブレーキ圧の量に関連する。
【0017】制御装置34はブレーキ圧への要求を該P
ILOT PRESSUREシグナルを介して受け取
り、それを、望ましくない滑動状態を招かずに加えるこ
とができると制御装置34内のカルマンフィルターが予
測する最大ブレーキ圧と、比較する。パイロットに要求
された圧力と予測最大圧力のより低い方が、次いで、制
御装置34内の速度制限器へと渡される。その後、得ら
れた圧力要求は命令圧力(Pc)信号の形でアクチュエ
ーター36へと渡される。該Pcシグナルの値はアクチ
ュエーター36によって加えられるブレーキ圧力の量を
示す。アクチュエーター36は、次に、従来の技術を用
いて、該Pcシグナルの値に基づいてブレーキアセンブ
リー38内のブレーキ摩擦素材に圧力を加える。その結
果、ブレーキ作用は車輪速度の減少およびブレーキトル
クと車輪の滑動量の増加という形で発生する。
【0018】以下に更に詳しく説明されるように、カル
マンフィルターを基本にする抗滑動制御装置34は、少
なくとも、速度感知器42からのインプットとして実測
車輪速度(ωm)を受け取る。しかしながら、好ましい
実施態様において、制御装置34は航空機電子技術36
によって供給される実測航空機速度(Vm)と実測加速
度(V* m)と共に感知器44から実測ブレーキトルク
(Tm)も取り入れる。航空機速度Vmと加速度V* mは、
航空機電子技術36内に包含される従来の速度感知器と
加速度計によってそれぞれ供給されてもよい。そのよう
な実測データから、制御装置34内のカルマンフィルタ
ーは以下に説明されるようにμスリップ曲線のピークを
予測する。該μスリップ曲線は、車輪40と走行表面と
の間の摩擦係数(μ)と、車輪40と走行表面との間の
スリップ量との間の関係を表している。次に制御装置3
4はμスリップ曲線の予測ピークを利用して、望ましく
ない滑動なしにブレーキ38によって加えられ得るピー
ク圧力を計算する。
【0019】制御装置34内で実施されるカルマンフィ
ルターアルゴリズムは、車輪40における過剰なタイヤ
摩耗、そして極端な場合、磨り合わせ及びパンクとなり
得る該μスリップ曲線のピークを過ぎた偏差を最小限に
することによって従来の抗滑動制御のアルゴリズムとは
異なる。従来の抗滑動アルゴリズムでは、該ピークを過
ぎてから且つ車輪の高い減速度(或いは他の手段)によ
って滑動を識別することによって、該μスリップ曲線の
ピークを見つけ出す。本発明において実施されるが如き
カルマンフィルターアルゴリズムは、以下に示されるよ
うにピークの位置を連続して予測するので該ピークを超
えた偏差が少なくなることが多い。
【0020】概して言えば、カルマンフィルターは未知
の或いは不十分にしか知られていない媒介変数若しくは
モデルが存在する場合に通常利用される。抗滑動制御の
関係において、第一未知媒介変数は振幅と位置の両方に
関連するμスリップ曲線のピークのことである。以下に
説明されるように、ピークの振幅と位置はカルマンフィ
ルターにおいて「定数」として設計されているが、二種
類の技術を用いてこれらの媒介変数の変化を辿ることが
できる。ゆっくりとした変化は仮想雑音を摩擦媒介変数
に加えることによって説明付けられる。媒介変数におけ
る段階的な変化はフィルター内の共分散をリセットする
ことによって処理される。カルマンフィルターに基づい
た制御装置34の使用には、従来の車輪速度以外の測定
が以下に説明されるように設定される適切な観察行列を
考慮することによって組み込むことができるという別の
利点もある。更なる利点は、航空機、車輪およびブレー
キのモデルはカルマンフィルターアルゴリズムに組み込
まれるため、該アルゴリズムは特定の航空機定数(例え
ば、車輪及びブレーキ慣性)を組み込むことによって簡
単に別の航空機へと容易に適用されるということであ
る。
【0021】図2Aは、制御装置34に重点を置いたシ
ステム30の概略図である。ブロック50は、例えば、
車輪40、ブレーキアセンブリー38、アクチュエータ
ー36、ブレーキアセンブリーの摩擦素材と車輪40と
の間の摩擦、航空機電子技術36、パイロット用ブレー
キ装置32、速度感知器42、ブレーキトルク感知器4
4だけでなく、該カルマンフィルターアルゴリズムを用
いる際に考慮される可能性のある他の如何なる物理媒介
変数(航空機自体も包含する)をも包含する「実在の」
システムハードウェアを表している。ブロック50は、
例えば航空機速度Vmおよびその加速度V* m、PILO
T PRESSURE、車輪速度ωm、およびブレーキト
ルクTmを含む実測データを表すアウトプットシグナル
として供給する。そのような実測データは制御装置34
へとインプットされる。
【0022】制御装置34内のブロック52はブレーキ
システムハードウェアの数学的モデルを表している。デ
ジタルフィルタリングの技術分野における当業者らは、
該システムハードウェアが一組の状態方程式を含む一組
の方程式として設計できることを理解されるであろう。
これらの方程式は制御装置34内で用いられ、例えば予
測航空機速度、予測加速度、予測車輪速度等を含む、シ
ステム30内の様々な媒介変数に関連する予測データを
提供する。制御装置34は加算器54を介して該実測デ
ータと該予測データとを比較する。該実測データと該予
測データとの間の誤差はシステムエラーを表し、該シス
テムエラーはカルマンフィルター56へと供給される。
その後、カルマンフィルター56はカルマン利得を計算
し、更新された状態予測値をアウトプットする。該状態
予測値は、該状態予測値からブレーキ圧の設定点を計算
しそしてブレーキ命令圧力(Pc)をアウトプットする
制御法則区58へと供給される。ブレーキ命令圧力Pc
はブロック50内に包含されるアクチュエーター36へ
と供給され、望ましいブレーキ量を提供する。加えて、
カルマンフィルター56からの状態予測値と共にブレー
キ命令圧力Pcはシステムモデルブロック52へと送り
返され、状態方程式を更新する。
【0023】図2Bは本発明に従う制御装置34の実際
の実施態様を図解したブロック図である。制御装置34
は、ここに説明される様々な制御と計算関数の実行を請
け負うマイクロプロセッサー60を包含する。マイクロ
プロセッサー60は、例えば、揮発性の部分と非揮発性
の部分の両方を包含するメモリー62と連結されてい
る。メモリー62には、ここに説明される様々な関数を
実行する際にマイクロプロセッサー60によって実行さ
れる操作コードが記録されている。プログラミングおよ
びデジタルフィルタリングの技術分野における当業者は
不適当な努力や実験をすることなしに、ここに説明され
る様々な関数を実行するために、上記の如きマイクロプ
ロセッサー60をプログラムできることは理解されるで
あろう。そのようなプログラミングは従来のプログラミ
ング言語の如何なるものを用いて成されてもよく、特に
以下に説明される様々なフローチャートから見て容易に
明らかとなるであろう。従って、操作コード自体に関連
する詳細は簡潔にするために省略される。
【0024】メモリー62には、例えば抗滑動制御を実
行する目的のためにここに言及される様々なシステム方
程式、初期化およびリセットのための媒介変数も記録さ
れている。更に、マイクロプロセッサー60は、マイク
ロプロセッサー60に時間と共に変化する実測データ
(例えば、Vm、V* m、PILOT PRESSURE、
ωm、およびTm)を受け取らせるインプット/アウトプ
ット(I/O)インターフェース64と連結している。加
えて、インターフェース64には、マイクロプロセッサ
ー60からのブレーキ命令圧力信号Pcとブレーキアク
チュエーター36とを組み合わせる役割がある。
【0025】システムの状態方程式 好ましい実施態様において、抗滑動ブレーキ制御システ
ム30はシステムを定義するため以下の一組の方程式を
用いる。
【0026】 航空機(A/C)速度 V*=−μ[(V−ωr)/V、μp、rp]g +n+nf (1) 車輪速度 ω*=(1/I)〔μ[(V-ωr)/V、μp、rp]Wtr −sign[ω]kP〕+n+nf (2) ブレーキ圧 P*=(1/T)[Pc−P]+n+nf (3) 摩擦ピーク振幅 μ* p=n+nf (4) 摩擦ピークの位置 r* p=n+nf (5) トルク/圧力比 k*=n+nf (6) 車輪当たりの重量比 W* t=n+nf (7) 車輪の半径 r*=n+nf (8)
【0027】ここで、スーパースクリプト“*”は従来
通り各媒介変数の時間誘導関数を示し;μは車輪(タイ
ヤ)と走行表面との間の摩擦係数を表す数学的関数であ
り;gは重力加速度を表し;Iは車輪の慣性を表し、ブ
レーキアセンブリー符号は符号操作を表し;Tはブレー
キアクチュエーターの応答時間に関連する時間遅延を表
し;Pcは命令圧力を表し;nは各媒介変数に対する実
際の雑音を表し;そして、nfは各媒介変数に対する仮
想雑音を表す;
【0028】航空機速度Vおよび車輪速度ωのための方
程式(1)および(2)は、(カギかっこで表される)
力とトルクの和を航空機、および車輪40とブレーキア
センブリー38にそれぞれ加えることによって導き出さ
れる。力とトルクの和が航空機速度と車輪速度に関係す
るときのそれらの特定の適用は、後に理解されるよう
に、特定の航空機、車輪の種類等に依存する。デジタル
フィルタリング技術や航空機ブレーキシステムの技術分
野の当業者にとって、ここでの開示に基づく所定の適用
に対する特定の状態方程式を定めることは可能となるで
あろう。
【0029】ブレーキ圧力の方程式(3)は、アクチュ
エーター36が命令に応答するのに必要な有限時間を説
明する単純一次遅れ(simple first ord
erlag)である。以下に更に詳しく説明されるよう
に、方程式(1)−(3)は本発明に従って解かれ、μ
スリップ曲線の最上部に在る間にブレーキ38に加える
ことのできるピーク圧を見つける。概して言えば、μス
リップ曲線のピークで動作するために必要となるブレー
キ圧は、車輪40のトルクの和から計算されてもよい。 Iω* p=μptr−kPp (9) ここで、Ppはブレーキ38に加えられ得るピーク圧を
表す。
【0030】μスリップ曲線のピークで動作するときの
車輪40の減速度は、以下のように航空機に掛かる力の
和から計算されてもよい。 V* p=−μpg (10) ω* p=(1−rp)V* p/r (11) =−μpg(1−rp)/r (12) ここで、rpは摩擦ピークの位置を表す。
【0031】そして方程式(9)から(12)はピーク
圧Ppを求めるために解かれてもよく、 Pp=(μp/k)[Wtr+gI(1−rp)/r] (13) を与える。
【0032】この方程式を検定すると、ピーク圧、そし
て状態ベクトルを計算するためにシステム内で利用され
る変数が確認される。状態ベクトルは以下のように表さ
れる。 XT={V、ω、P、μp、rp、k、Wt、r} (14) ここでスーパースクリプトTは従来通り転置(tran
spose)を表す。
【0033】車輪とブレーキアセンブリーの慣性Iが状
態ベクトルに含まれていないことに注目されたい。好ま
しい実施態様において、慣性Iはコンピューターのリソ
ースを必ず必要とするため含まれていない。車輪40の
トルクの和の方程式は、Wt/Iおよびk/Iという項
を生む慣性で除されることができる。これらの項は状態
ベクトル要素として規定されることができるが、慣性は
航空機内で大きく変化することはないと思われるので、
これらの状態要素はWtおよびkとすることができる。
慣性が高い場合、Wtおよびkは低いと予測される。ピ
ーク圧の方程式13は、回転抵抗および/または非励起
項の如き二次的な項を含むように変更されてもよいこと
は理解されるであろう。
【0034】μスリップ曲線のピークの位置は、以下に
更に詳しく説明されるようにピークμpにおいて動作す
るときには少なくとも観測可能であるため、摩擦状態μ
pおよびrpの初期状態は、μスリップ曲線の上方に寄っ
ているのが好ましい。カルマンフィルターは、摩擦媒介
変数の真の値がその予測値よりも少なかったときに、よ
り良く(例えば、より速く)予測できることが分かって
いる。
【0035】システム測定のベクトル 上記において簡単に述べられたように、図1に表される
ようなシステム30内における可能な測定には Vm 航空機速度 (ft/sec) ωm 車輪速度 (rad/sec) Tm ブレーキトルク (ft.lb) V* m 航空機加速度 (ft/sec2) が包含される。測定ベクトル、z、は以下のように表さ
れる。 zT={Vm、ωm、Tm、V* mT (15a) ここでスーパースクリプトTは従来通り転置を表す。
【0036】図3を参照すると、本発明に従ってブレー
キ制御システム30の一般的な動作を要約化したフロー
チャートが提供されている。ステップ100から開始さ
れて、制御装置34は適当な命令圧力Pcを計算してア
クチュエーター36へと供給し、望ましいブレーキ作用
の量を提供する。命令圧力Pcが計算される方法は、図
7に関連して以下に更に詳しく説明される。次に、ステ
ップ102では制御装置34はカルマンフィルターを介
してシステム30内で様々なデータを分析し且つ処理す
る。(以下に説明される図5および6を参照)。そのよ
うな情報に基づき、ステップ104において制御装置3
4は、滑動状態がブレーキ作用の結果として発生したの
かどうかを決定する。(以下に説明される図8、9、1
0および11を参照)。滑動が発生していないか若しく
は以前発生したことがあったのであれば、制御装置34
はステップ106へと進み、フィルターのカルマン利得
を計算し、共分散を更新して動作をμスリップ曲線のピ
ークもしくはその近くに維持する。(図5および6を参
照)。その後、制御装置34はステップ100へと戻
り、更新された情報に基づいて命令圧力を再計算する。
【0037】もし滑動がステップ104において始まっ
ていたと決定された場合、制御装置34は代わりにステ
ップ108へと進む。ステップ108では、制御装置3
4は、滑動を起こさずに最適なブレーキを提供するよう
に予測μスリップ曲線のピークに再収束を試みるために
カルマンフィルターの共分散をリセットする。(図5、
6および13を参照)。ステップ108に続いて、制御
装置34はステップ100へと戻り、新しい共分散に基
づいてアクチュエーター36へと供給される命令圧力を
再計算する。
【0038】図4を簡単に見てみると、本発明の好まし
い実施態様に従って定義されるμスリップ曲線110が
示されている。図4において、縦座標は車輪40と走行
表面との間の摩擦係数μを表している。横座標は車輪4
0と走行表面との間のスリップ率rslipを表しており、 rslip=(V−ωr)/V (15b) によって与えられる。
【0039】μスリップ曲線110のピークは摩擦ピー
ク振幅μpによって示され、そして示されるように(こ
こでは摩擦ピーク位置もしくはピークスリップ率rp
も呼ばれる)摩擦ピークスリップ率rpに位置する。そ
の関係を説明する数学的関数は次のとおりである。
【数1】
【0040】ここでβはμスリップ曲線の勾配を制御す
る媒介変数である。値「2」がテストデータにも合うこ
とが分かっている。この分量は特定のデータに合わせて
増加または減少させてもよい。制御装置34内のカルマ
ンフィルターは、以下により詳細に説明されるように、
μスリップ曲線のこのモデルを利用して適切なブレーキ
命令を予測する。
【0041】図5および6を参照すると、カルマンフィ
ルターに基づいたブレーキ制御システム30の操作がよ
り詳細に説明されている。操作はシステム30に初めに
動力が供給されたステップ150等から始められる。ス
テップ150に続いて、制御装置34はステップ152
へと進み、そこで制御装置34は自身を初期化/再初期
化する必要があるのかどうかを決定する。特に、制御装
置34は、以下に示されるように、初期化フラッグIN
ITがセットされているかどうかを決定する。概して言
えば、INITフラッグは、システム30に初めに動力
が供給された時点または一つ以上の状態ベクトル要素が
規定範囲外に外れた時点でセットされる。INITフラ
ッグがステップ152で判断された際にセットされてい
た場合、制御装置34はステップ154へと進み、そこ
で自身を初期化/再初期化する。
【0042】制御装置34を初期化/再初期化する工程
は、図15に関連して以下に詳しく説明されている。手
短に言えば、そのような工程はまず初めに速度感知器4
2から制御装置34へと供給されるが如き、現在の車輪
速度ωmを測定する。その後、状態ベクトルX(方程式
14)は予測車輪速度ωを実測車輪速度ωmと同値に設
定することによって初期化される。加えて、残りの状態
ベクトル要素の初期値は、以下に更に詳しく説明される
ように設定される。更にステップ154では、カルマン
フィルターの状態共分散行列Pが本発明を実施するため
に選択された所定の初期値P0に初期化される。ステッ
プ154(若しくはINITフラッグがステップ152
で決定された際にセットされてなかった場合にはステッ
プ152)に続いて、制御装置34はステップ156へ
と進む。
【0043】ステップ156において、制御装置34
は、アクチュエーター36を介してブレーキ38へと与
えられる命令圧力Pcを計算する。命令圧力Pcは制御装
置34によって受け取られるPILOT PRESSU
REに基づいて計算され、アクチュエーター36へとア
ウトプットされる。制御装置34内のカルマンフィルタ
ーによって供給される予測値に基づいて命令圧力Pc
計算する工程は図7に関連して以下に詳しく説明されて
いる。次に制御装置34は、ステップ156で表される
ように、計算された命令圧力Pcをアクチュエーター3
6へと供給する。
【0044】ステップ156に続いて、制御装置34は
ステップ158へと進み、そこでカルマンフィルターの
状態変移行列Φを以下のように計算する。 Φ=I+FΔt+FΔt2/2 (15d) ここでIは恒等行列であり、Δtはカルマンフィルター
によって処理されるデータの経時増加量を表し、そして
Fは状態方程式(1)−(8)から構成される状態ベク
トル力学行列を表している。
【0045】次に制御装置34はステップ158からス
テップ160へと進み、そこで以下の差分方程式に基づ
いて離散時点nにおいて状態ベクトルの情報Xnを外挿
する。 Xn=ΦX0+Gu (16) ここでXnは時点nにおける新しい若しくは現在の状態
ベクトルXを表し、X0は古いか若しくは最後の処理周
期からの状態ベクトルを表し、uは制御インプットを表
し、そしてGは公式化において生じる行列を表わしてい
る。状態方程式(1)−(8)を行列の形式(方程式1
5dおよび16)に変換する方法は、ゲルブら(Gel
b et al)の応用最適予測法(APPlied O
ptimalEstimation)、TASC(19
74)に参照することができる。
【0046】次に、ステップ162において制御装置3
4は、上記に説明されるシステムの状態方程式(1)−
(8)に関連する実処理雑音行列QRKを計算する。実処
理雑音行列QRKは以下のように表される。 QRK= (17a) 対角線上以外 QRK(i、j)=0 (i≠jのとき) QRK(i、j)=(実処理雑音)2 (i=jのとき) 実処理雑音行列QRKの例示的な値は以下に説明される。
【0047】ステップ162に続いて、制御装置34は
ステップ164および166へと進む。特に、ステップ
164において制御装置34は、以下に更に詳しく説明
されるように仮想処理雑音行列QFKを計算する。一般的
に、仮想処理雑音行列QFKは以下のように表される。 QFK= (17b) 対角線上以外 QFK(i、j)=0 (i≠jのとき) QFK(i、j)=(仮想処理雑音)2 (i=jのとき) ステップ164に続いて、制御装置34はステップ16
8へと進み、そこでステップ162で定められた実処理
雑音行列QRKとステップ164で定められた仮想処理雑
音行列QFKとの和として処理雑音行列QKを計算する。
【0048】ステップ164および168と平行して、
制御装置34はステップ166において以下のようにエ
ラー状態変移行列Φεを計算する。 Φε=I+FεΔt+FεΔt2/2 (18) ここでFεはエラー状態力学行列である。
【0049】繰り返すが、状態方程式をエラー状態方程
式へと変換し、更に行列の形式へと変換する方法は先の
ゲルブらに参照することができる。
【0050】ステップ164および168に続いて、制
御装置34はステップ170へと進み、そこで新しい若
しくは現在の共分散行列PNを以下のように計算する。 PN=ΦεP0ΦεT+QK (19)
【0051】次に、ステップ172において制御装置3
4はN=NMAXであるかどうかを決定し、ここでNは、
ステップ158−170によって表されるように、最後
に状態ベクトルXを更新してからカルマンフィルター5
6(図2A)を通じて処理された連続した離散時点のサ
ンプルの数である。NMAXは、状態ベクトルXの個々の
更新に先立ってカルマンフィルターによって処理される
べきデータサンプルの最大数を表す予め規定された数値
である。もしNがステップ172においてNMA Xと異な
る場合、制御装置34はステップ158へと戻り、状態
変移行列ΦおよびΦεは上記において説明されたステッ
プ158−170において更新され、このステップ15
8−170は次のデータサンプルについても繰り返され
る。もしNがステップ172において決定された時にN
MAXと等しい場合、制御装置34はステップ174へと
進む。
【0052】ステップ174において、制御装置34
は、カルマンフィルターによって供給される状態予測値
と共に、車輪速度、航空機速度およびその加速度、およ
びトルクに関連する実測データを分析して車輪40が滑
動状態にあるかどうかを決定する。図8、9、10およ
び11に関連して以下に更に詳しく説明されるように、
好ましい実施態様のステップ174における制御装置3
4は車輪40が滑動状態にあるかどうかを見るために4
種類のテストを実施する。加えて、制御装置34は滑動
状態が終わったかどうかを決定するために2種類のテス
トを実施する。非滑動状態から滑動状態への変移におい
て、滑動開始フラッグがセットされる。これはカルマン
フィルター56の共分散行列Pがリセットされるべきで
あることを示している。整理すると、車輪40が滑動状
態にあるかどうかを決定するためのテストはi)予測車
輪速度ωと実測車輪速度ωmとの比較、ii)予測スリ
ップ率とμスリップ曲線の予測ピークの比較、iii)
予測スリップ率、iv)予測車輪加速度ω*とに基づ
く。制御装置34が以下に説明されるようなテストに基
づいて滑動の発生を初めて発見した時点で、SKIDS
TARTフラッグが内部的にセットされる。滑動状態が
終わったかどうかを決定するための2種類のテストは、
i)予測スリップ率との予測ピークの位置rpとの比
較、およびii)以下に説明するように予測スリップ率
が予め定義された率よりも低くなったかどうかを決定す
ることを伴う。
【0053】次に、ステップ176において、制御装置
34はステップ174ですでにSKIDSTARTフラ
ッグがセットされて滑動状態の開始を示していたかどう
かを決定する。制御装置34内のカルマンフィルター
は、ブレーキシステムにブレーキアセンブリー38へと
圧力を加えさせ、μスリップ曲線のピークで或いはその
辺りで動作するためにそして滑動状態の発生を回避する
ように設計されるのが理想的である。それにもかかわら
ず、ステップ174において検知されるような異常な路
面の状態、車輪の状態等によって滑動が発生する場合、
制御装置34はステップ176からステップ178へと
進む。図16に関連して以下に更に詳しく説明されるよ
うに、制御装置34はカルマンフィルターの初期状態を
予規定限定値に設定することによって該フィルターの共
分散行列Pをリセットする。これは、以下に説明される
ように、カルマンフィルターを従来の技術よりも有意に
より速く収束させることが分かっている。共分散行列P
がステップ178においてリセットされる場合、制御装
置34は図5に示されるステップ150へと戻り、上記
で説明されたステップが繰り返される。
【0054】ステップ176をもう一度参照すると、も
しSKIDSTARTフラッグがセットされていない場
合、つまり滑動状態が初めに発生していなかった場合、
制御装置34はステップ180へと進む。ステップ18
0において制御装置34は、図14に関連して以下に更
に詳しく説明されるように、航空機車輪速さ、速度、加
速度およびブレーキトルクの観測行列HおよびHεを設
定する。次に、ステップ182において制御装置34
は、以下に更に詳しく説明されるような実観測雑音行列
Rを設定する。ステップ182に続いて、制御装置3
4はステップ184において、以下に説明されるような
仮想観測雑音行列RFを設定する。その後、ステップ1
86において制御装置34は、RR+RFに等しい組合わ
せ観測雑音行列Rを設定する。
【0055】ステップ186に続いて、制御装置34は
ステップ188へと進み、そこで以下のように従来の技
術を用いてカルマン利得
【0056】
【外1】 を計算する。
【0057】
【数2】
【0058】次に、ステップ190において制御装置3
4は、以下のように従来のカルマンフィルターの技術を
再び用いて状態ベクトルXを更新する。
【0059】
【数3】 ここでzは測定ベクトルを表し、z(i)は特定の要素
を表す。
【0060】ステップ190に続いて、制御装置34は
ステップ192へと進み、そこで各システム媒介変数に
関連して範囲検査を実施する。図17に関連して以下に
更に詳しく説明されるように、制御装置34はステップ
192において状態ベクトルX内のシステム媒介変数の
いずれかがブレーキ制御の間に予め定義された範囲から
外れていないかどうかを決定する。もし外れていれば、
制御装置34は内部初期化フラッグINITをセット
し、制御装置34内のカルマンフィルターが初期化/再
初期化されるべきであることを示す。先に説明されたよ
うに、制御装置34はステップ152において、INI
Tフラッグがセットされているかどうかを検知し、そし
てその結果に基づいて制御装置34を初期化する。次に
制御装置34はステップ192からステップ194へと
進み、そこで以下のように共分散行列Pを更新する。
【0061】
【数4】
【0062】図6に表されるようにステップ180−1
94は各z(i)の観測について実施される。制御装置
34内のカルマンフィルターは上記データを処理し、予
め規定された制御法則を実施するために用いられるシス
テム媒介変数を更新する。
【0063】可観測性 図5および6に表されるような様々なステップを詳しく
説明するのに先立ち、制御装置34の性能を最適化する
ための本発明における可観測性の役割を説明することは
有用であろう。カルマンフィルターを効果的にするため
には、公知のように状態は可観測性でなければならな
い。可観測性の分析的表現は存在するが、あまり実用的
ではない。実用的な観点から、可観測性とは、あるシス
テム媒介変数が残りのシステム媒介変数から唯一無比に
区別できることを意味する。
【0064】μスリップ曲線に関連する可観測性を図1
3Aに関連して説明する。この図は、例えば航空機が着
陸する際のブレーキ等の動作中の変移を表そうとする意
図のある2つのμスリップ曲線200と202を示して
いる。μスリップ曲線200は変移期間中の初期曲線を
表し、そしてμスリップ曲線202は変移終了後の最終
曲線を表す。例として、変移期間中の初期動作点(IO
P)はμスリップ曲線200のピークに在り、偶然にも
μスリップ曲線202上でもある。二本のμスリップ曲
線の間の特に規定された変移が終了した後、もしブレー
キアセンブリー38に加えられた圧力が一定のままであ
るべきならば、単に本発明のカルマンフィルターに基づ
くアルゴリズムだけでなく、あらゆる抗滑動アルゴリズ
ムに対し可観測性の情報は全く伝えられない。これは、
スリップ率が同じまま、つまり発生摩擦が同じままであ
るためである。そのため、車輪の減速度も同じままであ
り、航空機の減速度も同じままとなる。すべての抗滑動
アルゴリズムは、可観測性の情報を発生させるために任
意に摂動されるブレーキに圧力を加えなければならな
い。
【0065】本発明の一つの局面によれば、前述の不可
観測性の状態は摩擦ピーク振幅μpおよびその位置r
p(図4)の新しい動作点が以前のものよりも大きい時
に発生する。逆に、最も可観測な時とは摩擦ピーク振幅
μpおよびその位置rpの新しい動作点が以前のものより
も小さい時である。従って、本発明に従って制御装置3
4は、摩擦ピーク振幅μpおよびその位置rpの初期状態
をそれらの予想範囲の上限に向かって設定する。
【0066】例えば、走行摩擦は0.1と0.6の間にピ
ーク値μpを有すると一般的に考えられている。その結
果、制御装置34はステップ154における初期化/再
初期化の一端として、図15に関連して以下に説明され
るようにピーク振幅μpを0.6に設定する。次に共分散
が0.5に設定され、図15に関連して以下に説明され
るような範囲を網羅する。0.6という値は、走行状態
の公知の特徴による予想範囲の上限を表している。しか
しながら、上限や範囲が他の値によって表される別のア
プリケーションでは、初期ピーク振幅μpと共分散が本
発明の範囲から外れない範囲で設定されてもよい。
【0067】同様に、通常の走行状態におけるμスリッ
プ曲線のピーク位置rpは5%と15%の間に位置する
と通常考えられている。そのため、ステップ154にお
いてピーク位置rpの初期状態は予想範囲の上限に向か
うように0.15に設定される。カルマンフィルターに
基づく抗滑動制御装置34の収束速度は、摩擦ピーク振
幅μpおよびその位置rpの初期状態に有意に依存するこ
とが明らかとなった。初めにこれらの媒介変数の両方を
それぞれの範囲の上限若しくはその近くに設定し、それ
らの初期共分散を予想範囲を網羅するのに十分なほど大
きく設定することにより、制御装置34は、初期状態が
各範囲の中間に設定される場合よりも実質的により速く
収束する。これは、初期状態が1つのシグマ共分散を有
する予想範囲の中間に向かって設定されるというより仮
想的なフィルタリング手段とは相反する。図13Bの曲
線206はそのような仮想的アプローチに従う測定範囲
を図解している。
【0068】本発明者によってより良い選択と決定され
るのは、初期状態を予想最大値若しくはその近くに設定
し、そして共分散を約二倍にすることである。初めは、
測定範囲が図13Bの曲線208によって示される範囲
内では四倍になっているので、そのようなアプローチで
はフィルターをより遅くしてしまうように見えるかもし
れない。しかしながら、その測定範囲の拡張は、収束経
路の数が4つ減るという事実からもたらされる以上のも
のである。つまり、車輪摩擦媒介変数の初期状態は真の
媒介変数が存在する領域の上限に設定されるため、予測
値が真の値に向かってとる軌道は下向きとなる。更に、
車輪摩擦媒介変数の大きい初期共分散はこれらの媒介変
数に対してカルマン利得を増加させ、故に収束速度も増
加させる。テストにより、より一般的なアプローチと比
較して、本発明に従って最大予想値に初期状態を設定す
ることによって制御装置34の収束が5倍以上速くなる
ということが明らかにされた。
【0069】カルマンフィルターに基づく制御装置34
の可観測性は、本発明に従って「励起」(excite
ment)信号を与えることによっても増加する。図7
に関連して以下に説明されるように、励起信号は制御装
置34からアクチュエーター36へと供給される命令圧
力Pcの計算において用いられるスリップ率設定点へと
加えられる。再び図13Aを参照すると、図示されるよ
うに初期動作点IOPがμスリップ曲線200と202
との交点であることを再び仮定する。圧力信号を変化さ
せることによって、スリップ率rslipも変化する。次に
制御装置34内のカルマンフィルターは、単なる点より
も現在のμスリップ曲線の断片(セグメント)に注目し
ている。この断片は唯一無比に定められるものであり、
可観測性である。この励起信号の周波数は航空機のギア
歩行周波数(例えば、公知のように着陸用のギア/車輪
の組み合わせが振り子のように作用しそして過度に振動
するときの周波数)とは異なるものが選択される。以下
に説明されるように、スリップ率に換算した振幅は約±
7%であるが、μスリップ曲線は最上部の辺りで平らに
なるため、航空機の抗滑動アプリケーションの関係にお
いて約±2%の圧力変動となる。
【0070】図7を参照すると、命令圧力Pc(ステッ
プ156)を計算する手段が説明されている。概して言
えば、例示的な実施態様において圧力の計算は、滑動が
発生していると決定するか否かに依存して、0またはピ
ーク圧μpのどちらかである。以下に説明されるよう
に、圧力は、スリップ率設定点(rsp)が予測スリップ
率からどれだけ離れているのかということに基づいて圧
力を増加させる比例利得項と共に増大するピーク圧(方
程式13)の計算から始めるように設定される。その後
スリップ率設定点(rsp)は、前述の励起信号が課され
た状態で予測スリップ率のピークより僅かに低くなる。
該比例利得は、μスリップ曲線の平均勾配とこの勾配が
公知であるという確実性に依存するため適応性がある。
該比例利得の目的は二重であり、(1)応答速度を高め
ることと、(2)予測値が設定点と大きく異なる場合に
圧力信号をより高い値にすることである。圧力信号は、
速度制限が動力計によるテストに基づく特定のブレーキ
システムの同調要素である場合に速度制限される。
【0071】その手段を詳しく説明すると、ステップ1
56は、制御装置34が滑動が発生しているかどうかを
ステップ250において決定することから始まる。滑動
が発生しているかどうかは内部SKIDフラッグがセッ
トされているかどうかに基づいてステップ250におい
て決定される。滑動が発生しているかどうかそして内部
SKIDフラッグがセットされているかどうかを決定す
る手順は図8のフローチャートに関連して以下に詳しく
説明される。もしステップ250においてSKIDフラ
ッグが1、つまり滑動が発生していると決定された場
合、制御装置34はステップ250からステップ252
へと進む。ステップ252において、制御装置34は圧
力設定点媒介変数Pspを0に設定する。次に制御装置3
4はステップ254へと進み、そこでパイロットが要求
するブレーキ量を示す現在のパイロット圧力信号(PI
LOT PRESSURE)を、圧力設定点Pspと比較
する。
【0072】特に、ステップ254において制御装置3
4は圧力設定点Pspと現在のPILOT PRESSU
REとの間の最低圧力を圧力Pとして選択する。ステッ
プ254がステップ252の直後に実施されるこの場
合、PILOT PRESSUREは負の値にはなりえ
ないため、制御装置34はP=Psp=0を選択する。
【0073】ステップ254に続いて、前回の観測以降
の圧力信号Pの変化(ΔP)が許容可能な予め定義され
た範囲(例えば、ΔP−からΔP+まで)以内であるよ
うに、圧力信号Pはステップ256において率を制限さ
れる。次に圧力信号Pは、予め定義された振幅範囲(例
えば、0から3000psiまで)を超えないように、
ステップ258において振幅制限される。ステップ25
6および258における特定の範囲は、特定の車輪40
およびブレーキアセンブリー38の(例えば、構造的な
或いは応答の)制限を超えないように予め決定されてい
る。そのような範囲は、例えば動力学テストによって定
められる。ステップ256および258における速度制
限および振幅制限に続いて、圧力信号Pは制御装置34
によってステップ258の一端としてブレーキ命令圧力
cとしてアウトプットされる。
【0074】ステップ250に戻ると、もしSKIDフ
ラッグが0、つまり滑動が発生していない場合、制御装
置34はステップ260へと進み、そこで滑動状態を発
生させずにブレーキ作用を供給するためにブレーキ38
へと加えられる適切な命令圧力Pcを定める。ここでは
SKIDフラッグが0のときは滑動が発生していないと
されているが、これはあくまでも定義であることに注目
されたい。μスリップ曲線は、もしピークに留まるため
に十分な滑動が存在する場合には最大摩擦、即ち停止が
起こり得ることを示しているので、ある程度の滑動が発
生するのが理想的である。従って、滑動状態はここに説
明される特定の媒介変数によって定義される。他の媒介
変数は、後に理解されるように、別の実施態様において
使用されてもよい。
【0075】ステップ260において、制御装置34は
スリップ率設定点rspを計算する。スリップ率設定点r
spはブレーキアセンブリ38に加えられる圧力の量を管
理する。前述のように、スリップ率設定点rspは励起信
号が課された状態での予測スリップ率のピークのことで
ある。該励起信号は、システム内の様々な媒介変数が安
定した状態でより可観測性となるようにする設定点にお
ける経時変化を表す。経時変化する励起信号の特定の性
質は重要ではない。例えば、励起信号として正弦波、鋸
波、または他の周期波を用いることができる。励起信号
の最大振幅は、車輪40が送出できる滑動の最大量に限
定されるのが好ましい。加えて、励起信号の最大振幅
は、システムが耐えられるブレーキ効率の損失量によっ
て限定されるのが好ましい。更に、励起信号の周波数
は、前述の航空機のギア歩行周波数と異なっているのが
好ましい。
【0076】好ましい実施態様において、スリップ率設
定点rspはステップ260において以下のように計算さ
れる。 rsp=0.82rp+0.07rp*cos[4πt] (23) ここでtは時間を表し、励起信号は0.07の大きさを
有する正弦波と摩擦ピーク位置rpとの積である。励起
信号の周波数は、例えば2Hzでもよい。
【0077】方程式23は安定状態にあるスリップ率設
定点rspが0.75rpと0.89rpとの間を変動し、そ
の平均が0.82rpであることを示している。実働の抗
滑動システムは90%の効率で作動すると一般的に受け
止められている。これは、方程式15cから確認される
ようにrslip=0.63rpのときに発生する。好ましい
実施態様とは、rslip=0.82rpのときに発生する9
8%のブレーキ効率を提供することである。信号の振幅
は、μスリップ曲線のピークを超さないようにそして着
陸用ギアの共鳴振動数の過度の励起を回避するように選
択される。2%の圧力変調は許容可能な折衷であること
が分かっている。スリップ率の7%の変調は、例えば2
%の圧力変調を促し、その圧力変調は車軸抵抗力の2%
の変調へと変換される。選択された平均値および励起信
号の振幅は特定の航空機、車輪構成等に依存して変化す
ることは理解されるであろう。例えば、車輪(タイヤ)
の特定のμスリップ曲線が2以外の特定のβ値を有する
場合、82%の値と7%の値が変更されて2%の圧力変
調で98%のブレーキ効率を得る。更に、他の効率およ
び変調が、所望により、選択的に得られる。
【0078】ステップ260に続いて、制御装置34は
ステップ262へと進み、そこで以下のようにスリップ
率rslipを計算する。 rslip=(V−ωr)/V、 (24) ここでVは予測A/C速度(方程式1)であり、ωは車
輪40の予測角速度(方程式2)であり、そしてrは車
輪40の予測角半径(方程式8)である。
【0079】次に、ステップ268において制御装置3
4は適応比例利得項を計算し、ステップ260で得られ
るスリップ率設定点rspを増大させる。比例利得項はμ
スリップ曲線の予測平均勾配に比例する。比例利得項の
効果とは、急勾配に差し掛かったときにより高度な制御
を提供しそして低い車輪摩擦が発生したときにより微妙
な制御を提供することである。
【0080】通常、μステップの値が低い方から高い方
へ(例えば、予想範囲の下方(0.1)から予想範囲の
上方(0.6)へ)変化するとき、カルマンフィルター
の応答は遅い。応答速度を上げるために、本発明の制御
装置34はピークを見つけるためにブレーキ圧にμスリ
ップ曲線を「一気に」上昇させる。好ましい実施態様に
おいて、これは、スリップ率設定点rspが予測スリップ
率rpからどれだけ離れているのかということに基づい
てブレーキ38に加えられる圧力を増加させるために選
択された適応比例利得項Kpを提供することによって達
成される。
【0081】従って、ステップ268において適応比例
利得項Kpは以下のように計算される。 Kp=μp/rp (25) この値は特定の状態および必要条件に基づいて増加もし
くは減少されることは理解されるであろう。
【0082】スリップ率設定点rspおよび比例利得Kp
が定められた後に、制御装置34はステップ270へと
進み、そこで以下のように摩擦設定点μspを計算する。 μsp=μ[rsp、μp、rp]+Kp((μp/rp)(rsp−rslip)) (26) 方程式26の第一項は定数項を表し、第二項は摩擦設定
点μspに関する比例項を表す。次に摩擦設定点μspは制
御装置によって使用されてステップ272において以下
のように圧力設定点Pspを計算する。 Psp=(μsp/k)(Wtr+gI(1−rsp)/r) (27) ここでkは予測トルク/圧力率を表す。
【0083】上記に説明されるようにカルマン予測値と
それらに適用される様々な制御法則から求められる圧力
設定点Pspを用いて、制御装置34は次にステップ27
2から、最低圧力が先に説明されたように選択されるス
テップ254へと進む。更に、PILOT PRESS
URE命令またはステップ272で計算された圧力設定
点Pspのどちらか低い方がステップ256および258
において率制限および振幅制限に掛けられる。その後圧
力命令Pcがブレーキアクチュエーター36へとアウト
プットされる。
【0084】このように、図7のフローチャートは、制
御装置34内で供給されるカルマンフィルター予測値を
用いて適切なブレーキ圧がブレーキアクチュエーター3
6へ加えられる方法を図解している。励起信号および比
例利得の使用は、システム媒介変数を予測する際におよ
び「真」のシステム値へと急速に収束する際にカルマン
フィルターの可観測性を増加する。
【0085】滑動の検知 言うまでもなく、あらゆる抗滑動制御システムに対する
重要な点とは滑動状態の検知である。本発明によれば、
滑動状態は図8−12に関連して説明される工程に基づ
いて検知される。まず図8を参照すると、前述のステッ
プ174(図6)において制御装置34が実行する手順
が示されている。車輪40が滑動状態にあるかどうかを
見るために4種類のテストが行われ、滑動状態の終了を
判断するために二種類のテストが行われる。非滑動状態
から滑動状態への変移において、SKIDSTARTフ
ラッグが制御装置34によって内部的にセットされる。
これは、図6のステップ178に関連して説明されたよ
うに共分散がリセットされるべきであるということを示
している。簡単に整理すると、車輪40が滑動状態にあ
るかどうかを見るための4種類のテストとは以下の4つ
である。
【0086】1.もし車輪速度予測値ωと車輪速度実測
値ωmとの標準偏差が3.5であれば、INSKIDフラ
ッグをオンに設定する。 2.過去ピークの予測スリップ率の標準偏差が1であれ
ば、INSKIDフラッグをオンに設定する。 3.予測スリップ率が0.25よりも大きければ、INS
KIDフラッグをオンに設定する。 4.車輪加速度が−μpg(1−rp)/rよりも小さけ
れば、INSKIDフラッグをオンに設定する。
【0087】滑動状態の終了を判断するのに二種類のテ
ストが存在する。好ましい実施態様に従う本発明の目的
は、以下に更に詳しく説明されるように、可観測性の収
穫逓減を避けるために車輪速度をピークスリップ率rp
の予め定めた割合(例えば40%)よりも低くさせない
ようにすることである。ブレーキ38を作動させ、(回
転慣性のため)車輪40を減速させるためには有限量の
時間が必要となるため、ブレーキの再適用は、車輪40
が例えばスリップ率0.75rpを超えたときに行われる
べきであるということが明らかにされた。この値は、後
に理解されるように車輪の大きさ、乗物の重量などに基
づいて変化する。二つ目の条件は、ピークスリップ率r
pの予測値の忠実度が低い可能性があるとき、低い航空
機速度において効果的であるということを意味してい
る。
【0088】滑動終了を示す活動終了条件とは以下の二
つである。 1.もしスリップ率が0.75rpよりも低ければ、SK
IDOVERフラッグをオンに設定する。 2.もしスリップ率が0.02よりも低ければ、SKID
OVERフラッグをオンに設定する。
【0089】図8を参照すると、ステップ290におい
て制御装置34は内部SKIDSTARTフラッグを0
に設定して滑動の開始を認識できるようにする。次にス
テップ292において制御装置34は、(以下に説明さ
れる)SKIDフラッグがすでに真(SKID=1)で
あるかどうか、つまり車輪40が前回の繰り返しに基づ
いて滑動状態にあるかどうかを認識されているかどうか
を決定する。もしSKIDフラッグが真ではない(例え
ばSKID=0)場合、制御装置34はステップ294
へと進む。ステップ294において、制御装置34は状
態予測値に基づいて車輪40が滑動状態にあるかどうか
を決定する。
【0090】ステップ294において車輪40が滑動状
態にあるかどうかを判断する好ましい手順が図9、図1
0に詳しく説明されている。ステップ294aから始ま
り、まず制御装置34がINSKIDフラッグを0にリ
セットする。ステップ294aに続いて、ステップ29
4bと294cで平行して、制御装置34は実車輪速度
観測雑音行列RR(2、2)と車輪速度観測行列Hおよ
びHεを、それぞれ設定する。ステップ294bに関連
して、実車輪速度観測雑音行列RR(2、2)は以下に
更に詳しく説明されるように設定される。ステップ29
4cに関しては、車輪速度観測行列HおよびHεがH=
Hε=[0、1、0、0、0、0、0、0]となるよう
に設定される。
【0091】ステップ294bと294cに続いて、制
御装置34はステップ294dへと進み、そこで車輪速
度拒絶率ωrejを以下のように計算する。 ωrej=(|z(2)−HX|)/(HεPHεT+RR1/2 (28) ここでz(2)は車輪速度の実測値を表す。
【0092】ステップ294dに続いて、制御装置34
はステップ294eにおいて車輪速度拒絶率ωrejが3.
5よりも大きいかどうかを決定する。言い換えれば、制
御装置34は車輪速度予測値と実測車輪速度との標準偏
差が3.5よりも大きいかどうかを決定する。もし、大
きければ、制御装置34はステップ294fにおいてI
NSKIDを1に設定する。その後、制御装置34はス
テップ294gに進む。もしステップ294eにおいて
大きくないならば、INSKIDフラッグは0のまま
で、制御装置34はステップ294gに進む。
【0093】制御装置34はステップ294gにおいて
「過去ピーク」観測行列HおよびHεを以下のように設
定する。 H=[ωr/V2、−r/V、0、0、−1、0、0、
0] Hε=[ωr/V2、−r/V、0、0、−1、0、0、
−ω/V]
【0094】次に、ステップ294hにおいて制御装置
34は、ステップ294gの過去ピーク観測行列を用い
て過去ピーク拒絶率rprejを以下のように計算する。 rprej=HX/(HεPHεT1/2 (29)
【0095】制御装置34は次にステップ294iにお
いて、ステップ294hにおいて求められた過去ピーク
拒絶率rprejが1より大きいかどうかを決定する。言い
換えれば、過去ピーク予測スリップ率の標準偏差が1よ
り大きいかどうかを判断する。もし大きければ、INS
KIDフラッグはステップ294jにおいて1に設定さ
れ、制御装置はステップ294kに進む。さもなけれ
ば、INSKIDフラッグは現状のままで、制御装置3
4はステップ294kに直接進む。
【0096】制御装置はステップ294kにおいて予測
スリップ率(V−ωr)/Vが0.25を超えるかどう
かを決定する。もし、超えるならば、INSKIDフラ
ッグはステップ294Iにおいて1に設定される。次い
で、制御装置34がステップ294kに直接進む。
【0097】制御装置34はステップ294mにおいて
車輪加速度を状態予測値に基づいて以下のように計算す
る。 ω*=(1/I)〔μ[(V−ωr)/V、μp、rp]Wtr−kP〕 (30)
【0098】次に、ステップ294nにおいて制御装置
34は、車輪加速度ω*が、方程式12において説明さ
れる曲線のピークで動作させるときに起こるピーク加速
度を表す−μpg(1−rp)/rよりも小さいかどうか
決定する。もしステップ294nにおいて小さければ、
制御装置34はステップ294oにおいてINSKID
フラッグを1に設定する。その後、制御装置34はステ
ップ294を終了し、図8のステップ296に戻る。も
しステップ294nにおいて小さくないならば、制御装
置34は直接ステップ296に進む。μpg(1−rp
/rの分量は増加もしくは減少してもよいことは理解さ
れるであろう。
【0099】図8に戻ると、ステップ294に続いて制
御装置34はステップ296へと進み、そこでSKID
フラッグを0に設定する。次にステップ298において
制御装置34は、車輪40が滑動状態にあるかどうか
を、ステップ294で1に設定されたINSKIDフラ
ッグによって決定する。もし肯定的であれば、制御装置
34はステップ300に進む。さもなければ、制御装置
34は図6のステップ176に進む。ステップ300に
おいて、制御装置34はSKIDフラッグとINSKI
Dフラッグを共に1に設定して、後に理解されるよう
に、車輪40の非滑動状態から滑動状態への変移が認識
されたことを示す。その後制御装置34は図6のステッ
プ176に戻る。
【0100】もしステップ292においてSKIDフラ
ッグがすでに1である場合、つまり車輪がすでに滑動状
態にある場合、制御装置34はステップ310へと進
む。ステップ310において制御装置34は滑動状態が
終了したかどうかを決定する。これよりステップ310
の手順を図11に参照して詳しく説明する。特に、まず
初めにステップ310aにおいて、制御装置34はSK
IDOVERフラッグを0にする。次に、ステップ31
0bにおいて制御装置34はスリップ率(V−ωr)/
Vがピークスリップ率rpを0.75倍したものよりも小
さいかどうかを決定する。図7に関連して前述されたよ
うに、ブレーキ圧は活動状態において一時的に開放され
る。様々な要素を考慮することによって、本発明を用い
て活動状態が終了した時点でブレーキ圧を再度適用する
最適点に到達することが可能となる。
【0101】更に詳しくは、本発明によれば、滑動が検
知された後にブレーキ圧が緩和される。μスリップ曲線
のピークの効果が最も顕著なときに圧力が再度適用され
る。これによってブレーキ効率の損失が最小限に押さえ
られたままカルマンフィルターに対する可観測性が最大
限になる。これはピークスリップ率rpの大体40%辺
りで起こることが明らかとなった。
【0102】従来の制御原理では、スリップ率が0に近
づくまでブレーキに掛けられる圧力を放棄することが要
求される。しかしながら、圧力を掛けるための最適なス
リップ率が存在することが本発明に従って明らかにされ
た。図12に示される曲線はrslip/rpで表される分
量に関連するδ(μ)/δ(rp)の比較に基づくカル
マンフィルターによる可観測性を図解するものである。
観測行列入力はrpの約40%辺りに最大絶対値を有す
る。これは、rpの可観測性を最大限にするためにr
slip<0.40rpまで圧力は放棄されるべきであるが、
それ以上圧力を放棄し続けることは収穫を逓減させ、圧
力応答によるブレーキ効率を減少させる。
【0103】図12に示されるように観測行列入力はr
slip/rpが1のときに0である。これは、μスリップ
曲線の丁度ピークにおいて正確に動作することがピーク
位置rpをこの点で不可観測性としてしまうことを示
す。励起信号を用いて動作点をピークから逸らせること
(ステップ260、図7)によってこの媒介変数がより
可観測性となる。
【0104】アクチュエーター36とブレーキ38が命
令を受け取った時点で車輪40を減速させるのに有限量
の時間を必要とすると仮定すると、rslipが0.40rp
まで低くなっていない点を前もって検知しておくことが
望ましい。例示的な実施態様において、有限量の時間を
考慮に入れながらカルマンフィルターに基づく制御装置
34内での可観測性の損失を避けるためにピークスリッ
プ率rpを0.75倍した値が明らかにされた。これは、
実際に減速して可観測性が最適化されるときに通常約
0.40rpであるスリップ率rslipとなる。0.75rp
という値は、システムの回転慣性および車輪の減速に関
連する遅延に影響する様々な媒介変数、例えば車輪の大
きさ、乗物の重量等に基づいて変化し得る。しかしなが
ら、いずれにしても、圧力はスリップ率rslipが0より
も実質的に大きい値のときに再度適用される。
【0105】もしステップ310bにおいて決定される
ようにスリップ率(V−ωr)/Vが0.75rp以下で
ある場合、これによって滑動状態の終了が示される。こ
れにより、制御装置34は、SKIDOVERフラッグ
が1にセットされ滑動状態の終了を示すステップ310
cに進む。その後制御装置34はステップ310dに進
む。もしステップ310cにおいてスリップ率が0.7
5rp以下でなかった場合、制御装置34は直接ステッ
プ310dに進む。
【0106】ステップ310dにおいて、制御装置34
はスリップ率が0.02以下でないかどうかを決定す
る。この条件は、rpが忠実度が高いことが未知である
ときの予測期間の早い段階において効果的である。もし
ステップ310dにおいて肯定的であるならば、ステッ
プ310eにおいてSKIDOVERフラッグが1に設
定され、滑動の終了を示す。ステップ310eに続い
て、制御装置34は図8に示されるフローチャートに再
び戻り、特にステップ312に進む。
【0107】ステップ312において制御装置34はS
KIDフラッグを1に設定する。次に、制御装置34は
ステップ314に進み、そこでSKIDOVERフラッ
グの状態によって表されるように滑動状態が終了してい
るかどうかを決定する。もしSKIDOVER=1であ
れば、制御装置34はステップ316に進み、そこでS
KIDフラッグを0に設定する。その後、制御装置34
は図6のステップ176に戻る。他方ステップ314に
おいてSKIDOVER=0の場合、つまり滑動がまだ
続いている場合、制御装置34は図6のステップ314
からステップ176に直接進む。
【0108】ここで図14を参照すると、車輪速度、航
空機速度、航空機加速度およびブレーキトルクのそれぞ
れの観測行列HおよびHεが図6のステップ180に設
定される手順を説明する。ステップ180は、車輪速
度、航空機速度、加速度およびブレーキトルクのそれぞ
れに対応する個々のステップ180a−180dによっ
て表される。180a−180dの各ステップは、ブロ
ック180eによって表されるように図6のステップ1
80−194における個々の観測に関連して実行され
る。特に、ステップ180aに関連して車輪速度ωの観
測行列は以下のように設定される。
【0109】 H=Hε=[0、1、0、0、0、0、0、0] 航空機速度Vの観測行列はステップ180bにおいて以
下のように設定される。 H=Hε=[1、0、0、0、0、0、0、0] 航空機加速度V*の観測行列はステップ180cにおい
て以下のように設定される。 H=[0、0、0、−gδμ/δμp、0、0、0、
0] Hε=[−gδμ/δV、−gδμ/δω、0、−gδ
μ/δμp、−gδμ/δrp、0、0、−gδμ/δ
r] 最後に、ブレーキトルクの観測行列はステップ180d
において以下のように設定される。 H=[0、0、k、0、0、0、0、0] Hε=[0、0、k、0、0、P、0、0]
【0110】図15を参照すると、制御装置34の初期
化/再初期化に関連するステップ154(図5)が更に
詳しく示されている。特に、ステップ154aから始ま
り、制御装置34は車輪速度ωmを測定し、状態ベクト
ルXをX0で表される初期状態に初期化する。例えば、
ステップ154aにおいて状態ベクトルXは以下のよう
に初期化される。 X=X0 = V0 = ω00 ft/sec ω0 = ωm rad/sec P0 = 0 psi μp0= 0.6 rp0= 0.15 k0 = 4 ft.lb./psi Wt0 = 13800 lb. r0 = 1.125 ft 初期値k0、Wt0およびr0は乗物に特定されることが理
解されるであろう。そのような値は異なる航空機につい
ては変化しそうである。
【0111】車輪速度ωは、車輪速度速度感知器42
(図1)のアウトプットωmを測定することによって初
期化(ω0)されることに注目されたい。航空機速度V
は、車輪速度を公称車輪半径rpで乗じることによって
初期化(V0)される。これにより初期スリップ率がμ
スリップ曲線の直線部分の中央に当たる0の位置に設定
されることが明らかになった。カルマンフィルタリング
の一部としての数学的線形化は他の可能性のある技術と
比較して更に効率的に進行することが可能である。例え
ば、もし初期速度V0が航空機実測値Vmから得られる場
合、雑音による測定不良のため初期予測スリップ率がμ
スリップ曲線のピークを過ぎてしまうかもしれないとい
うことが明らかとなった。よって続く数値線形化は誤り
となり、数値的困難が発生する可能性がある。
【0112】ステップ154aに続いて、制御装置34
は図15に示されるようにステップ154bに進む。ス
テップ154bにおいて制御装置34は共分散行列Pの
共分散値を、行列P0で表されるようにそれらの初期値
に設定する。例示的な実施態様において初期状態共分散
行列P0は以下のように表される。 P0= 対角線上以外 P0(i、j)=0 (i≠jのとき) V =P0 (1、1)= r0 20(2、2) +ω0 20(8、8) (ft/sec)2 ω =P0 (2、2)= R(2、2) (rad/sec)2 P =P0 (3、3)= 2002 (psi)2 μp=P0 (4、4)= 0.52p=P0 (5、5)=(0.1)2 k =P0 (6、6)= 12 (ft.lb./psi)2t=P0 (7、7)= 14002 (lb)2 r =P0 (8、8)= 0.12 (ft)2 ω、P、k、Wtおよびrの共分散値は、後に理解され
るように乗物に特定される傾向にあることに注目された
い。そのような値は異なる航空機については変化しそう
である。ステップ154bに続いて、制御装置34は図
5のステップ156に戻る。
【0113】車輪速度からの航空機速度を初期化するこ
とによって、車輪半径が完全に未知であるため、航空機
速度の初期予測値にエラーがあることが認められる。こ
れは上記P0(1、1)の方程式となる公知の統計技術
を用いて説明される。初期航空機速度共分散値は発散を
起こすほど低すぎもせず、応答時間が遅くなるほど高す
ぎもしない。
【0114】図16を参照すると、状態共分散行列Pを
再設定するステップ178(図6)をこれより説明す
る。特に、ステップ178aにおいて制御装置34は共
分散行列PをPRに以下のように再設定する。 PR= 対角線上以外PR (i、j)=0 (i≠jのとき) V =PR(1、1)=52 (ft/sec)2 ω =PR(2、2)=52 (rad/sec)2 P =PR(3、3)=2002 (psi)2 μp=PR(4、4)=リセット[μp、xnom(4)、sigmin(4)、sigmax(4)] rp=PR(5、5)=リセット[rp、xnom(5)、sigmin(5)、sigmax(5)] k =PR(6、6)=リセット[k、xnom(6)、sigmin(6)、sigmax(6)] (ft.lb./psi)2t=PR(7、7)=リセット[Wt、xnom(7)、sigmin(7)、sigmax(7)] (lb)2 r =PR(8、8)=リセット[r、xnom(8)、sigmin(8)、sigmax(8)] (ft)2
【0115】関数「リセット」は問題の特定の航空機に
対して、現在の状態予測値(例えばμp、rp、k、Wt
およびr)が公称値(例えばそれぞれxnom(4)からxn
om(8)まで)からどれだけ離れているかを決定し、そ
してそれを最低値(sigmin(4)からsigmin(8))に
それぞれ加算する。リセット関数の一部を担う「クリッ
プ(clip)」関数は「sigmin」と「sigmax」との間の値
を制限する。この値は二乗されリセット状態共分散値に
到る。数学的に言えば、リセット [x、xnom、sigmin、sigmax]=クリッフ゜[sigmin+
|x−xnom|、sigmin、sigmax]2
【0116】ここで、もしクリッフ゜ [x、xmin、xmax]=xであれば xmin≦x≦xmax =xminであれば x<xmin =xmaxであれば x>xmax
【0117】例示的な実施態様では、xnom、sigminおよ
びsigmaxの値は以下のようになる。 μp xnom(4)=0.35 sigmin(4)=0.25 sigmax(4)=0.5 rp xnom(5)=0.1 sigmin(5)=0.05 sigmax(5)=0.1 k xnom(6)=4 sigmin(6)=1.0 sigmax(6)=2.0 Wt xnom(7)=13800 sigmin(7)=1400 sigmax(7)=2800 r xnom(8)=1.125 sigmin(8)=0.1 sigmax(8)=0.1
【0118】リセット関数およびクリップ関数の結果は
一つのシグマ共分散に対する検定空間の境界を独立に設
定する。これによりカルマンフィルターの応答時間が5
倍にまで改善されることが明らかとなった。
【0119】図17には、図6のステップ192におい
て初期化(INIT)フラッグを設定するための範囲検
査の手順が詳しく説明されている。まず192aにおい
て、状態ベクトルXの各システム媒介変数に対して制御
装置34は、i=1からi=8に対応する媒介変数x
(i)がxmin(i)からxmax(i)までの予め規定され
た範囲から外れていないかどうかを決定する。もし所定
の媒介変数x(i)のそれぞれが対応するxmin(i)か
らxmax(i)までの範囲、例えばxmin(i) <x < x
max(i)の範囲内に現在あるのであれば、制御装置3
4はステップ192bに進む。ステップ192bにおい
て、制御装置34はINITフラッグを0(または偽)
に設定し、初期化/再初期化がステップ154を通して
要求されないことを示す。
【0120】もしステップ192aにおいて所定の媒介
変数x(i)のそれぞれが対応するxmin(i)からxmax
(i)までの範囲から現在外れている場合、例えば該媒
介変数の少なくとも一つがx<xmin(i)またはx>xm
ax(i)である場合、制御装置34はステップ192c
に進む。ステップ192cにおいて、制御装置34はI
NITフラッグを1(または真)に設定し、初期化/再
初期化がステップ154を通して要求されることを示
す。
【0121】xmin(i)とxmax(i)の特定の値は予め
規定され、特定の媒介変数の期待範囲を表す。様々な媒
介変数の限界値は機体製造業者によって提供されるデー
タから知ることができる。例えば、エンジン動力の限界
に基づいて、航空機速度が特定の値を超えてはいけない
ことが知られている。航空機製造業者は、燃料の最大お
よび最小配給量、乗客、武器等を加えた航空機がどのく
らいの重量になるのかということを知っている。
【0122】処理雑音および観測雑音 実雑音n:前述のステップ162(図5)および182
(図6)は、それぞれ実処理雑音行列QRKおよび実観察
雑音行列RRの計算に関連する。そのような値は状態方
程式における雑音nによって表される。実処理雑音およ
び実観察雑音は、以下に理解されるように供給される特
定のシステムハードウェアに依存する。そのような値は
従来の技術を用いて求めることができる。例示的な実施
態様において、実処理雑音行列QRKは以下のように表す
ことができる。 QRK= 対角線上以外 QRK(i、j)=0(i≠jのとき) V = QRK(1、1)=02 (ft/sec)2 ω = QRK(2、2)=02 (rad/sec)2 P = QRK(3、3)=202 (psi)2 μp= QRK(4、4)=02p= QRK(5、5)=02 k = QRK(6、6)=02 (ft.lb./psi)2t= QRK(7、7)=02 (lb)2 r = QRK(8、8)=02 (ft)2 実処理雑音は、ブレーキシステムのテスト中に決定され
る。例えば圧力の測定は、例示的な実施態様における水
力学雑音が20 psi rmsであることを示した。
【0123】ステップ182において計算される実観察
雑音行列RRに関して、そのような行列は以下のように
表される。 RR= 対角線上以外RR(i、j)=0 (i≠jのとき) Vm =RR(1、1)=12 (ft/sec)2 ωm =RR(2、2)=12 (rad/sec)2m =RR(3、3)=202 (ft.lb)2* m=RR(4、4)=0.12 (rad/sec22
【0124】これらの値は様々な感知器の製造業者によ
って提供されるデータシートから得られる。もしデータ
シートが入手できない場合は、それらの値はテストを行
うことによって定めることができる。例えば、車輪速度
感知器を一定速度で回転させてデータを収集することが
できる。観測雑音は、平均値の周りの分散としてオフラ
インで計算することができる。
【0125】仮想雑音nf:前述のステップ164(図
5)および184(図6)は、それぞれ仮想処理雑音行
列QFKおよび実観察雑音行列RFの計算に関連する。そ
のような値は状態方程式における雑音nfによって表さ
れる。
【0126】後に理解されるように、最適なカルマンフ
ィルタリングとは、フィルター内で用いられるモデル
(変移、雑音および観測行列)が正確にハードウェアを
表す状況を言及している。しかしながら、実際にはこの
状況は絶対に起こらず、定義においては最適であるハー
ドウェアと連動する亜最適モデルを作成しなければなら
ない。共分散の計算に「仮想」雑音を加える方法は一般
的に二種類ある。仮想雑音によってすべての非モデル効
果が説明される。非モデル効果はモデルあるいは測定中
に存在していてもよく、仮想処理雑音および仮想観測雑
音として言及される。
【0127】これらの雑音を正確に定める能力によっ
て、しばしば実際に操作されるフィルターの能力が定め
られる。そのような雑音は分析的におよび/または実験
的に定めることができる。実際には、仮想観測雑音RF
は、仮想処理雑音QFKが特定のモデリングエラーに焦点
を合わせているのに対し如何なる特定の源にも帰さない
モデリングエラーを説明するために加えられる。例え
ば、「最小発散減少状態予測器」(シー.イー.ハッチン
ソンら[C.E.Hutchinson et al.];
航空宇宙と電子工学システムに関するIEEEトランザ
クション[IEEE Transactions on
Aerospace and Electronics
Systems]; Sept.1975; Pp.785
−794)の中にこれを処理するために概説された分析
方法が幾つか紹介されている。このアプローチは、媒介
変数のモデルが存在し、そしてそれが最適状態ベクトル
中にあることを仮定することである。すぐに非モデルと
なる状態からモデル状態への共分散伝搬が計算される。
これらの項は仮想処理雑音として認識される。ある媒介
変数が測定処理中に状態ベクトル中に存在すると初めに
仮定する同様なアプローチは仮想観測雑音を生じる。
【0128】実験的アプローチは実測データに基づく。
例えば、もしテスト中に圧力(k)に対するトルクの割
合が10秒間の停止期間中に4から3に変化するのが観
察されれば、仮想雑音はその割合で加えられてもよい。
【0129】カルマンフィルターに基づく抗滑動制御装
置34は、実験と分析の両方によって定められる様々な
仮想処理雑音と仮想観測雑音を利用することができる。
以下は単に例であり、決して本発明を限定するものとし
て解釈されるべきではない。
【0130】航空機速度Vおよび車輪速度ω:これらの
二つの状態における仮想雑音は0である。 QFK(1、1)=02FK(2、2)=02
【0131】圧力P:カルマンフィルターに基づく抗滑
動制御装置内で形成される動力学は、正しいアクチュエ
ーターの動力学に依存する。もしそれらが生産の多様化
や摩耗によって正しくない場合、性能は最適に到達でき
ない可能性がある。本発明によれば、制御装置34は、
その中のカルマンフィルターの性能をアクチュエーター
36の動力学に対して不感性にする技術を実行する。
【0132】特に、制御装置34はアクチュエーター
(液圧式または電気式)がユニットが摩耗するに連れて
変化する可能性のある応答時間を有することを考慮にい
れる。トルク、抗力および航空機加速度の動力学はすべ
てアクチュエーターに依存しているので、アクチュエー
ターの応答を説明することは重要である。その応答を明
示的にモデリングすることを避けるために、制御装置3
4はアクチュエーター36の動力学を公称値としてモデ
ル化し、そして変化はカルマンフィルター内で仮想処理
雑音としてモデル化される。好ましい実施態様におい
て、これはQFK(3、3)を以下のように設定すること
によって実現される。 QFK(3、3)=(Δt(Pc(t)−P)σT/(T2))2 (psi)2 ここでΔtは外挿時間Δtを表し、Pc(t)は時間の
関数として命令圧力を表し、そしてσTは液式応答時間
定数の標準偏差を表す。
【0133】摩擦ピーク振幅μp:以下のようにQ
FK(4、4)を設定することにより、この媒介変数はカ
ルマンフィルターが外挿時間Δtを用いてどれだけ速く
μpの変化(ΔT秒でΔμp)に応答するかを制御するこ
とが明らかにされた。 QFK(4、4)=(Δμp(Δt/ΔT))2
【0134】摩擦ピーク位置rp:QFK(5、5)は、
以下のように設定された場合にカルマンフィルターが外
挿時間Δtを用いてどれだけ速くrpの変化(ΔT秒で
Δrp)に応答するかを制御することが明らかにされ
た。 QFK(5、5)=(Δrp(Δt/ΔT))2 (ft/s
ec)2
【0135】トルク/圧力比k:トルクの仮想雑音の圧
力に対する割合は二つの部分から構成されることが明ら
かにされた。一つ目は加熱されるにつれてブレーキの摩
擦係数の変化を考慮に入れる定数である。二つ目はブレ
ーキ圧Pの変化速度に依存することが分かった。
【0136】第一項QFK1(6、6)は、以下のように
設定された場合にカルマンフィルターが外挿時間Δtを
用いてどれだけ速くkの変化(ΔT秒でΔk)に応答す
るかを制御することが明らかにされた。 QFK1(6、6)=(Δk(Δt/ΔT))2 (ft.lb/p
si)2
【0137】単位時間当たりの変化量は実験的に定める
ことができる。第2項、QFK2(6、6)は、カルマン
フィルターが外挿時間Δtおよび同時圧力率Pを用いて
どれだけ速くkの変化(ΔT秒でΔk)に応答するかを
制御することが明らかにされた。 時間単位当たりの変化量は実験的に定めることができ
る。項P* aveはkが変化している間に発生した圧力変化
の平均変化率である。
【0138】重量/車輪比Wtおよび車輪半径r 好ましい実施態様におけるQFK(7、7)およびQ
FK(8、8)は単純に0に設定される。同様に、i≠j
である対角線上に位置する値以外のすべてのQFK(i、
j)は0に設定される。
【0139】実観測雑音行列RFに関しては、そのよう
な行列は以下のように表される。 RF= 対角線上以外RF(i、j)=0 (i≠jのとき) Vm=RF(1、1)=32 (ft/sec)2 ωm=RF(2、2)=32 (rad/sec)2m=RF(3、3)=602 (ft.lb)2* m=RF(4、4)=0.32 (ft/sec22 工場モデルの場合、未知或いは情報が不十分である場合
があることは当業者らによって理解されるであろう。仮
想観測雑音の値は適切な性能が得られるまで暗索法によ
って度々定められる。
【0140】ピッチ平面重量移動を組み入れた制御 制御装置34の上記説明は単一の車輪の制御に焦点を当
てたものであった。しかしながら、同じ原理がブレーキ
を掛けられた複数個の車輪の統合的な制御にも適用され
る。本発明の以下の実施態様において、制御装置34は
ブレーキの作動中にブレーキを掛けられた複数個の車輪
の統合と機体先端部の車輪への重量移動を考慮に入れた
抗滑動制御を提供するように作動する。図19に関連し
て説明される実施態様の一つでは、一つの大きなカルマ
ンフィルターにおけるブレーキを掛けられた個々の車輪
のすべての状態を有する連結カルマンフィルターが用い
られる。図20に関連して説明される実施態様の一つで
は、ブレーキを掛けられた個々の車輪毎に独立したカル
マンフィルターから構成される非連結カルマンフィルタ
ーが用いられる。それは性能対演算負荷の関係である。
この非連結アプローチはかなり負荷が少ないことがわか
っているため、そのような観点からより好ましい設計で
あると言える。個々の実施態様は、前述の単一車輪制御
との間の主要な相違点に重点を置き、以下に説明され
る。すべての実施態様に共通の特徴は、簡潔にするため
省略される。
【0141】基礎原理 複数個の車輪が機体に装備されている場合(例えば、先
端部の車輪を含めて三つまたは五つ)、ブレーキを掛け
られた個々の車輪は対応する車軸に対して抑制力を生ず
る。該抑制力は車軸から重量を移動し、これによってブ
レーキに掛けられる可能性のあるトルク量を減少させる
傾向がある。単一の車輪に対する航空機における力とト
ルクの和は、上記方程式(1)および(2)を与え、こ
れらの方程式は、今のところ雑音を考慮しないで、以下
に方程式(31)および(32)としてそれぞれ繰り返
される。
【0142】 航空機(A/C)速度 V*=−μ[(V-ωr)/V、μp、rp]g (31) 車輪速度 ω*=(1/I)〔μ[(V-ωr)/V、μp、rp]Wtr −sign[ω]kP〕 (32) 方程式(31)および(32)は、ブレーキを掛けられ
た複数個の車輪および重量移動を説明するように容易に
修正することができる。
【0143】 航空機(A/C)速度 V*=−C[μave]μaveg (33) 車輪速度 ω*=(1/Ii)〔μ[(V-ωii)/Vi、μpi、rpi] C[μave]Wti/imax−sign[ωi]kP〕(34) ここでμaveはi個のタイヤの平均発生摩擦であり、C
[μave]は重量移動を説明する項であり、そして三輪
または五輪航空機に対してそれぞれimax=2または4で
ありそして、該平均発生タイヤ摩擦は以下の式で与えら
れる。
【0144】
【数5】 ここで、i=1は左翼側の主要外部車輪であり、、i=
2は右翼側の主要外部車輪であり、i=3は左翼側の主
要内部車輪(五車輪航空機に含まれる)であり、i=4
は右翼側の主要内部車輪(五車輪航空機に含まれる)で
ある。
【0145】図18は、例示的な三輪または五輪航空機
400を概略的に説明している。該航空機は、先端車輪
402と一組の主要車輪40とを包含する。各翼404
は三輪航空機において単一の車輪40が回転する車軸に
連結されている支柱406を包含し、そして一対の車輪
40が五輪航空機で回転する。航空機の質量408の中
心は、航空機400の公知の物理的性質に基づいて予め
決定される。質量408の中心は図18に示されるよう
に、先端車輪402の車軸から水平距離「b」だけ離れ
て位置する。質量408の中心は図18に示されるよう
に、主要車輪の車軸から水平距離「c」だけ離れて位置
する。最後に、質量408の中心は走行表面410から
垂直距離「h」だけ離れて位置する。安定状態の重量移
動を説明する関数は以下の式で表される。
【0146】 Css[μave]=1/[1+(c/b)(1+(h/c)μave)] (36) ここで、上記されるように、cは主要車輪の後方車軸か
ら質量408の中心までの水平距離であり、bは航空機
質量408の中心から先端車輪の車軸までの水平距離で
あり、そしてhは質量408の中心から走行表面410
までの垂直距離である。
【0147】その後関数(36)は、航空機のピッチ平
面動力学を表す二次フィルターを通過して、重量移動関
数の最終形態に到達する。ピッチ平面フィルターの特徴
は以下の式によって表される。
【0148】 C[s]/Css[s]=wn 2/(s2+2ζwns+wn 2) (37) ここで、sはラプラス変換変数であり、Wnはピッチ平
面の回転固有振動数であり、そしてζは減衰比である。
固有振動数Wnはピッチ平面の回転慣性、ギアばね定
数、および幾何学などの公知の物理媒介変数から計算さ
れる。
【0149】連結カルマンフィルター 図19はカルマンフィルターに基づく制御装置(ここで
は34’とする)がブレーキを掛けられた個々の車輪の
すべての状態を有する一つの大きなカルマンフィルター
を包含する本発明の実施態様を表している。図19に示
されるように、システムは車軸413を挟んで左翼側の
主要外部車輪40と主要内部車輪40からなる一対の左
翼側車輪412を包含する4つの主要車輪を包含する。
加えて、該システムは車軸416を挟んで右翼側の主要
外部車輪40と主要内部車輪40からなる一対の右翼側
車輪414を包含する。三輪航空機の実施態様におい
て、後に理解されるように左翼側の主要内部車輪40と
右翼側の主要内部車輪40は省略されてもよい。
【0150】各車輪は、図1に示される単一車輪の場合
と同様に、それぞれ専用のブレーキアクチュエーター3
6、車輪速度感知器42およびブレーキトルク感知器4
4を包含する。各車輪40のアクチュエーター36は制
御装置34’から命令圧力信号Pcアウトプットを受け
取る。加えて、各車輪40はそれぞれの感知器42およ
び44から制御装置34’へと個別に実測された車輪速
度ωmおよびブレーキトルクTmを供給する。図1に関連
して上記で説明されたように、制御装置34’は、もし
入手できれば実測航空機速度Vmおよび加速度V* mも受
け取る。更に、制御装置34’はパイロット用ブレーキ
装置32からPILOT PRESSURE信号を受け
取る。
【0151】制御装置34’の状態方程式は航空機40
0に対して二つ(速度と重量)、そして各車輪40に対
して更に六つ(車輪速度用に一つ、タイヤ摩擦用に二
つ、タイヤ半径用に一つ、そしてブレーキ摩擦用に一
つ)の方程式から構成される。これらの状態方程式は、
様々な行列等が追加状態を説明するために拡張されるこ
とを除けば、基本的に前述のカルマンアルゴリズムに従
って処理される。もし航空機400が後部車輪40を四
つではなく二つしか装備しない場合、余分な二つの車輪
40に関連する追加状態は省略される。雑音(n+
f)を考慮した完全な状態方程式は以下の通りであ
る。
【0152】連結状態方程式(図19) 航空機の状態: 速度 V*=−C[μave]μaveg+n+nf 重量 Wt=n+nf
【0153】 左翼側主要外部車輪の状態:(i=1) 車輪速度 ω* i=(1/Ii)〔μ[(V-ωii)/Vi、μpi、rpi] C[μave]Wti/imax−sign[ωi]kP〕 +ni+nfi ブレーキ圧 P* i=(1/Ti)[Pci−Pi]+ni+nfi 摩擦ピーク振幅 μ* pi=ni+nfi 摩擦ピーク位置 r* pi=ni+nfi トルク/圧力比 k* i=ni+nfi 車輪半径 r* i=ni+nfi
【0154】 右翼側主要外部車輪の状態:(i=2) 車輪速度 ω* i=(1/Ii)〔μ[(V-ωii)/Vi、μpi、rpi]C [μave]Wti/imax−sign[ωi]kP〕 +ni+nfi ブレーキ圧 P* i=(1/Ti)[Pci−Pi]+ni+nfi 摩擦ピーク振幅 μ* pi=ni+nfi 摩擦ピーク位置 r* pi=ni+nfi トルク/圧力比 k* i=ni+nfi 車輪半径 r* i=ni+nfi
【0155】 左翼側主要内部車輪の状態:(i=3) 車輪速度 ω* i=(1/Ii)〔μ[(V-ωii)/Vi、μpi、rpi] C[μave]Wti/imax−sign[ωi]kP〕 +ni+nfi ブレーキ圧 P* i=(1/Ti)[Pci−Pi]+ni+nfi 摩擦ピーク振幅 μ* pi=ni+nfi 摩擦ピーク位置 r* pi=ni+nfi トルク/圧力比 k* i=ni+nfi 車輪半径 r* i=ni+nfi
【0156】 右翼側主要内部車輪の状態:(i=4) 車輪速度 ω* i=(1/Ii)〔μ[(V-ωii)/Vi、μpi、rpi] C[μave]Wti/imax−sign[ωi]kP〕 +ni+nfi ブレーキ圧 P* i=(1/Ti)[Pci−Pi]+ni+nfi 摩擦ピーク振幅 μ* pi=ni+nfi 摩擦ピーク位置 r* pi=ni+nfi トルク/圧力比 k* i=ni+nfi 車輪半径 r* i=ni+nfi
【0157】非連結カルマンフィルター 図20はカルマンフィルターに基づく制御装置(ここで
は34"とする)が多くの状態に関連して非連結である
本発明の実施態様を表している。制御装置34"は、そ
のそれぞれが対応するブレーキを掛けられた車輪40の
制御を割り当てられた4つの独立したカルマンフィルタ
ー(KF)の間で演算負荷が共有されるという点で、図
19に関連して上記で説明された制御装置と異なる。各
カルマンフィルターKFは、航空機速度V*と重量Wt
状態を維持する。冗長かもしれないが、そのように分割
する目的とは、車輪に制限されるハードウェアの故障が
発生した場合でも各カルマンフィルターKFが機能でき
るようにするためである。
【0158】図20に示されるように、各フィルターK
Fは対応する車輪40に対して、ブレーキ装置32から
PILOT PRESSURE命令、実測車輪速度ωm
および実測ブレーキトルクTmを受け取る。各フィルタ
ーKFは命令信号Pcを対応する車輪40へと供給する
ための独自の対応するアウトプットを有する。制御装置
34"はM1からM4までの記録器を更に包含し、非連
結フィルターKFにそれらの間でデータを交換させる。
特に、記録器M1とM2は、航空機電子工学36から実
測航空機速度Vmおよび加速度V* mを、もし得られれ
ば、記録する。各フィルターKFは、ここでの修正を除
いて、単一車輪の実施態様に関連して前述された計算を
実行する記録器M1とM2の利用権利を有する。
【0159】更に各フィルターKFは、各車輪40に対
応する発生摩擦μ(方程式15c)とピーク摩擦μ
p(方程式4)の予測値を記録器M4に記録し、他の複
数のフィルターKFが以下のようにデータにアクセスお
よび利用できるようにする。特に、そのような項は平均
タイヤ摩擦μave、重量移動媒介変数C[μave]、およ
び対応する圧力命令Pcを計算するために各フィルター
KFによって用いられる。加えて、各フィルターKFは
それぞれ(以下に規定される各車輪に対する発生摩擦の
共分散を表す)
【0160】
【外2】 の値を記録器M3に記録し、他の複数のフィルターが同
じデータにアクセスできるようにする。
【0161】その上、所定のフィルターKFに対応する
平均タイヤ摩擦μaveと重量移動媒介変数C[μave
は、他の複数のフィルターからの、誤りかもしれない情
報を利用し、しかもこの誤りは共分散行列にとって未知
であるので、仮想処理雑音が速度状態および車輪速度の
状態へと加えられ、これを説明する。処理雑音項QFK
以下のように計算することができる。
【0162】
【数6】 ここで、μ[.]はμスリップ関数の略記であり(方程
式15c)、
【0163】
【外3】 はj番目の車輪の発生摩擦の共分散値であり、Δtは外
挿時間の増分である。
【0164】発生摩擦μの共分散値は、各カルマンフィ
ルターに対応する各共分散行列Pから、以下のように計
算される。
【0165】
【数7】 発生μ観測行列、
【0166】
【外4】 は以下の式から計算される。
【0167】
【数8】 ここで、dは微分演算子である。
【0168】従って、各フィルターKFは車輪に特定さ
れた六つの状態、つまり車輪速度に対して一つ、タイヤ
摩擦に対して二つ、タイヤ半径に対して一つそしてブレ
ーキ摩擦に対して一つ維持する。従って、図20の非連
結の実施態様に対する状態方程式は以下のように示され
る。
【0169】非連結状態方程式(図20) 航空機の状態: 速度 V*=−C[μave]μaveg+n+nf 重量 Wt=n+nf
【0170】 車輪の状態:(i=1、2、3、4) 車輪速度 ω* i=(1/Ii)〔μ[(V-ωii)/Vi、μpi、rpi] C[μave]Wti/imax−sign[ωi]kP〕 +ni+nfi ブレーキ圧 P* i=(1/Ti)[Pci−Pi]+ni+nfi 摩擦ピーク振幅 μ* pi=ni+nfi 摩擦ピーク位置 r* pi=ni+nfi トルク/圧力比 k*i=ni+nfi 車輪半径 r* i=ni+nfi
【0171】圧力命令に対する効果 図19と17の実施態様に関連して、個々の車軸41
3、416(図18)に掛かる力はより少ないので、ピ
ッチ平面重量移動が発生し、圧力命令Pcは個々の車輪
40に掛かる圧力が少なくなるように修正される。これ
は圧力ピーク命令Ppを修正することによってなされ
る。図1の実施態様に関連して前述されたように、圧力
ピーク命令Ppは先に方程式13によって以下のように
示された。 Pp=(μp/k)[Wtr+gI(1−rp)/r] (13)
【0172】修正後のピーク圧力命令は以下のように導
きだされる。μスリップ曲線のピークで動作するのに必
要な安定状態にあるブレーキ圧は、ピークで動作してい
る間の車輪40に総トルク量から以下のように計算でき
る。 Iω* p=μpss[μavep]Wtr/imax−kPpss (42) ここでサブスクリプトpはピーク量を示すために加えら
れた。
【0173】μスリップ曲線のピークで動作していると
きの車輪速度の減速度は、航空機に掛かる力の総量から
以下のように計算できる。 V* p=−μavepss[μavep]g (43) ω* p=(1−rp)V* p/r (44)
【0174】そして、V* pの代わりに方程式43を方程
式44へ代入すると以下の方程式が得られる。 ω* p=−μavepss[μavep]g(1−rp)Vp/r (45)
【0175】これで方程式42から45を解いて、以下
のようにピーク圧Ppを求めることができる。 Ppssi=(Cssave]/ki)[μpitii/imax+μavepgIi(1−rp i )/ri] (46)
【0176】この方程式における摩擦ピークに基づくこ
の重量移動の項は、重量移動が達成される際の実質的な
ずれを説明する瞬間項で置き換えられる。従って、各車
輪の修正ピーク圧は以下のようになる。 Ppi=(C[μave]/ki)[μpitii/imax+μavepgIi(1−rpi) /ri] (47)
【0177】上記演算は、個々のフィルターKFが相互
に関連データを交換することにより、図19の実施態様
における単一のカルマンフィルターに基づいた制御装置
34'によって若しくは図20の実施態様における非連
結カルマンフィルターに基づいた制御装置34"によっ
て実行される。各i番目の車輪に対するピーク圧Ppi
前述のように設定点と励起信号と共に増加され、各車輪
40に対する命令圧力Pcに到達する。
【0178】従って、ブレーキを掛けられた複数個の車
輪の間のピッチ平面重量移動を説明することができる。
図19の連結カルマンフィルターまたは図20の非連結
カルマンフィルターは、対応する車輪の間で情報交換を
提供し、上記重量移動を可能とする。別の実施態様では
連結カルマンフィルターと非連結フィルターの両方が包
含されていてもよいことが理解されるであろう。例え
ば、別の実施態様は左翼側の主要内部車輪40と右翼側
の主要内部車輪40の制御を連結する第一カルマンフィ
ルターを使用する。第二カルマンフィルターは左翼側の
主要外部車輪40と右翼側の主要外部車輪40の制御を
連結する。他方、第一カルマンフィルターと第二カルマ
ンフィルター同志は非連結のままである。そのような実
施態様は、後に理解されるように、図19と20の実施
態様の混成である。
【0179】ここに説明されるアプローチは、非滑動ブ
レーキとカルマンフィルターの技術分野における当業者
らによって五つ以上の車輪を装備する航空機用へと容易
に拡張することができることが理解されるであろう。
【0180】従って、本発明に従うカルマンフィルター
の技術を用いた抗滑動制御システムは高速で効率のよい
ブレーキを提供することが理解されるであろう。本発明
は特定の好ましい実施態様に関連して説明されてきた
が、均等物または修正されたものを本明細書を読解した
際に当業者らが思い付くであろうことは明らかである。
例えば、励起信号の使用は、上記において説明されるよ
うにスリップ率設定点の可観測性を増加させることだけ
に限定される必要はない。励起信号は、後に理解される
ように、実質的に他のあらゆる媒介変数に関連して利用
できる。更に、好ましい実施態様におけるカルマンフィ
ルター以外の状態予測の技術を本発明に従って利用し、
ここに説明された状態予測値を求めることができること
が理解されるであろう。本発明はすべての均等物または
修正されたものを包含し、そして以下の請求項の範囲に
よってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施態様に従うカルマンフィ
ルタリングを用いた航空機用抗滑動ブレーキ制御システ
ムのブロック図である。
【図2】図2Aは、本発明に従う図1のブレーキ制御シ
ステムの概略図である。図2Bは、本発明に従うブレー
キ制御システムにおいて使用されるカルマンフィルター
に基づいた抗滑動制御装置のブロック図である。
【図3】本発明に従うブレーキ制御システムの動作を表
した簡略化されたフローチャートである。
【図4】本発明に従う摩擦係数(μ)と、航空機の車輪
と走行表面との間のスリップ率(rslip)との間の関係
を図解した例示的なμスリップ曲線である。
【図5】図5は、本発明に従う、ブレーキ制御システム
の動作を更に詳しく説明した詳細なフローチャートであ
る。
【図6】図6は、本発明に従う、ブレーキ制御システム
の動作を更に詳しく説明した詳細なフローチャートであ
る。
【図7】本発明に従うブレーキアクチュエーターへと渡
されるブレーキ命令圧力信号を計算するための手順を表
したフローチャートである。
【図8】本発明に従うブレーキが滑動状態を始めたのか
終えたのかを決めるための手順を図解したフローチャー
トである。
【図9】図9は、本発明に従ってブレーキが現在滑動状
態にあるのかどうかを検知するための手順を表したフロ
ーチャートの前半である。
【図10】図10は、本発明に従ってブレーキが現在滑
動状態にあるのかどうかを検知するための手順を表した
フローチャートの後半である。
【図11】図11は、本発明に従って、滑動状態が発生
していないのかどうかを検知するための手順を図解した
フローチャートである。
【図12】本発明に従って、ピークスリップ率rpの感
度を図解したグラフである。
【図13】図13Aは、本発明に従って、少なくとも観
測可能なシナリオを表すグラフである。図13Bは、本
発明に従って滑動状態が発生した場合における初期状態
のリセットを表すグラフである。
【図14】本発明に従って観測行列の設定を図解したフ
ローチャートである。
【図15】本発明に従ってシステムの初期化/再初期化
の手順を図解したフローチャートである。
【図16】本発明に従って滑動状態が発生した場合にお
ける共分散行列のリセットの方法を規定するフローチャ
ートである。
【図17】本発明に従ってシステム媒介変数の範囲検査
の手順を説明するフローチャートである。
【図18】本発明に従ってブレーキ制御システムを取り
入れた3輪または5輪航空機の概略図である。
【図19】本発明の特定の実施態様に従って、連結カル
マンフィルターを用いた3輪/5輪ブレーキ制御システ
ムの概略図である。
【図20】本発明の他の実施態様に従って、非連結カル
マンフィルターを用いた3輪/5輪ブレーキ制御システ
ムの概略図である。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路面を走行する乗物の複数の車輪に加え
    られるブレーキ力の量を制御するブレーキ制御装置であ
    り、複数の車輪のそれぞれには該車輪の対応する速度を
    示すアウトプット信号を供給するための感知器が備えら
    れており、該制御装置は、複数の車輪のそれぞれと路面
    との間の摩擦量を該感知器のアウトプット信号に基づい
    て予測する状態予測器、ここで各車輪の予測摩擦量は他
    の車輪の予測摩擦量に基づいている、および該複数の車
    輪に加えられるブレーキ力の量を該予測摩擦量に基づい
    て調整する制御アウトプット、を含有してなることを特
    徴とする、ブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 該状態予測器が該複数の車輪のそれぞれ
    に関する状態情報を決定する単一のカルマンフィルター
    からなる、請求項1のブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 該状態予測器が、該複数の車輪の異なる
    それぞれに関する状態情報を決定する複数のカルマンフ
    ィルターのそれぞれからなる、請求項1のブレーキ制御
    装置。
  4. 【請求項4】 該複数のカルマンフィルターが該複数の
    車輪の一つ一つに対する独立した単一カルマンフィルタ
    ーからなる、請求項3のブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 該複数のカルマンフィルターが該複数の
    車輪の一つ一つに対応する予測摩擦量に関連するデータ
    を交換する、請求項4のブレーキ制御装置。
  6. 【請求項6】 該複数のカルマンフィルターの一つ目が
    該複数の車輪の内の一組目の複数の車輪に関連する状態
    情報を決定し、そして該複数のカルマンフィルターの二
    つ目が該複数の車輪の内の二組目の複数の車輪に関連す
    る状態情報を決定し、ここで該一組目の複数の車輪は該
    二組目の複数の車輪とは異なる、請求項3のブレーキ制
    御装置。
  7. 【請求項7】 該状態予測器が、該複数の車輪の一つが
    別の車輪に関連してブレーキを掛けられることによる乗
    物内の重量移動の効果を決定する1つの状態予測器を包
    含する、請求項1のブレーキ制御装置。
  8. 【請求項8】 路面を走行する乗物の複数の車輪に加え
    られるブレーキ力の量を制御するブレーキ制御装置であ
    り、複数の車輪のそれぞれには該車輪の対応する速度を
    示すアウトプット信号を供給するための感知器が備えら
    れており、該制御装置は、複数の車輪のそれぞれと路面
    との間の摩擦量を該感知器のアウトプット信号に基づい
    て予測するための状態予測器手段、ここで各車輪の予測
    摩擦量は他の車輪の予測摩擦量に基づいている、および
    該複数の車輪に加えられるブレーキ力の量を該予測摩擦
    量に基づいて調整する制御アウトプット手段、を含有し
    てなるブレーキ制御装置。
  9. 【請求項9】 該状態予測器手段が該複数の車輪のそれ
    ぞれに関する状態情報を決定する単一のカルマンフィル
    ターからなる、請求項8のブレーキ制御装置。
  10. 【請求項10】 該状態予測器手段が、該複数の車輪の
    異なるそれぞれに関する状態情報を決定する複数のカル
    マンフィルターのそれぞれからなる、請求項8のブレー
    キ制御装置。
  11. 【請求項11】 該複数のカルマンフィルターが該複数
    の車輪の一つ一つに対する独立した単一カルマンフィル
    ターからなる、請求項10のブレーキ制御装置。
  12. 【請求項12】 該複数のカルマンフィルターが該複数
    の車輪の一つ一つに対応する予測摩擦量に関連するデー
    タを交換する、請求項10のブレーキ制御装置。
  13. 【請求項13】 該複数のカルマンフィルターの一つ目
    が該複数の車輪の内の一組目の複数の車輪に状態関連す
    る情報を決定し、そして該複数のカルマンフィルターの
    二つ目が該複数の車輪の内の二組目の複数の車輪に関連
    する状態情報を決定し、ここで該一組目の複数の車輪は
    該二組目の複数の車輪とは異なる、請求項10のブレー
    キ制御装置。
  14. 【請求項14】 該状態予測器手段が、該複数の車輪の
    一つが別の車輪に関連してブレーキを掛けられることに
    よる乗物内の重量移動の効果を決定する1つの状態予測
    器を包含する、請求項8のブレーキ制御装置。
  15. 【請求項15】 路面を走行する乗物の複数の車輪に加
    えられるブレーキ力の量を制御する方法であり、複数の
    車輪のそれぞれには該車輪の対応する速度を示すアウト
    プット信号を供給するための感知器が備えられており、
    該方法は、複数の車輪のそれぞれと路面との間の摩擦量
    を該感知器のアウトプット信号に基づいて予測する工
    程、ここで各車輪の予測摩擦量は他の車輪の予測摩擦量
    に基づいている、および該複数の車輪に加えられるブレ
    ーキ力の量を該予測摩擦量に基づいて調整する工程、を
    含有してなる制御方法。
  16. 【請求項16】 該予測工程が、該複数の車輪のそれぞ
    れに関する状態情報を決定する単一のカルマンフィルタ
    ーからなる状態予測器を使用する、請求項15の方法。
  17. 【請求項17】 該予測工程が、該複数の車輪の異なる
    それぞれに関する状態情報を決定する複数のカルマンフ
    ィルターのそれぞれからなる状態予測器を使用する、請
    求項15の方法。
  18. 【請求項18】 該複数のカルマンフィルターが該複数
    の車輪の一つ一つに対する独立した単一カルマンフィル
    ターからなる、請求項17の方法。
  19. 【請求項19】 該複数のカルマンフィルターが該複数
    の車輪の一つ一つに対応する予測摩擦量に関連するデー
    タを交換する、請求項18の方法。
  20. 【請求項20】 該複数のカルマンフィルターの一つ目
    が該複数の車輪の内の一組目の複数の車輪に関連する状
    態情報を決定し、そして該複数のカルマンフィルターの
    二つ目が該複数の車輪の内の二組目の複数の車輪に関連
    する状態情報を決定し、ここで該一組目の複数の車輪は
    該二組目の複数の車輪とは異なる、請求項17の方法。
  21. 【請求項21】 該予測工程が、該複数の車輪の一つが
    別の車輪に関連してブレーキを掛けられることによる乗
    物内の重量移動の効果を決定することからなる、請求項
    15の方法。
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