JPH11285843A - 金属部材の接合方法 - Google Patents
金属部材の接合方法Info
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- JPH11285843A JPH11285843A JP10105779A JP10577998A JPH11285843A JP H11285843 A JPH11285843 A JP H11285843A JP 10105779 A JP10105779 A JP 10105779A JP 10577998 A JP10577998 A JP 10577998A JP H11285843 A JPH11285843 A JP H11285843A
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Abstract
を、該両部材2,3間の通電に伴う発熱及び加圧により
接合する場合に、接合時におけるバルブシート3の過熱
を防止して、接合を良好に行えるようにすると共に、熱
影響によるバルブシート3の過硬化等の不具合を抑制す
る。 【解決手段】 バルブシート3の第1接合面部3aとシ
リンダヘッド本体2の接合面部2aとを、予め接触面積
が40〜200mm2 となるように面接触させた状態で
通電及び加圧を行うようにする。又は、バルブシート3
においてシリンダヘッド本体2と反対側部分の電気伝導
率をシリンダヘッド本体2側部分よりも高くする。
Description
第2の金属部材とを、該両金属部材間の通電に伴う発熱
及び加圧により接合するようにした金属部材の接合方法
に関する技術分野に属する。
ッドにおいてバルブシートをシリンダヘッド本体の吸気
及び排気用ポートの開口周縁部に接合する場合のよう
に、金属部材同士を接合する方法としては種々の方法が
知られている。
701号公報に示されているように、バルブシートとA
l系シリンダヘッド本体とをAl−Zn系ろう材及びフ
ッ化物系フラックスによりろう付け接合するようにする
ことが提案されている。
報に示されているように、両部材の接合面部における接
触抵抗加熱を利用した抵抗溶接により金属部材同士を接
合する方法が知られている。そして、この抵抗溶接で
は、例えば特開平6−58116号公報に示されている
ように、焼結材で構成されたバルブシートの空孔に金属
を溶浸することによって、焼結材内部の発熱量を低減し
て接合面部での発熱量を増大させるようにすることや、
例えば特開平8−270499号公報に示されているよ
うに、バルブシートの表面に皮膜を形成し、その皮膜を
シリンダヘッド本体との結合時に溶融させるようにする
ことが提案されている。また、例えば特開平7−103
070号公報に示されているように、バルブシートとシ
リンダヘッド本体とを、予め点接触(線接触)させた状
態で両部材間の通電及び加圧により接合することが知ら
れている。
公報に示されているように、バルブシートとシリンダヘ
ッド本体とを、シリンダヘッド本体の接合面部に塑性変
形層を形成しつつ溶融反応層を形成することなく固相拡
散接合(圧接接合)するようにすることが提案されてい
る。
接による接合方法や固相拡散接合方法のように、金属部
材同士を該両金属部材間の通電に伴う発熱及び加圧によ
り接合しようとする場合、通電初期における接合面部で
の発熱量を大きくするために、上記従来例(特開平7−
103070号公報)のように予め点接触(線接触)さ
せた状態で通電及び加圧を行うようにすることが考えら
れる。
で通電及び加圧を行うようにすると、金属部材の熱伝導
率が小さい場合には熱引けが悪くて金属部材が過熱され
てしまう。このため、金属部材が変形して加圧力が接合
面部間に確実に伝わらず、接合を良好に行うことができ
ないという問題がある。また、上記過熱により金属部材
が硬化し過ぎたり他の何らかの熱影響を受けたりする場
合がある。
あり、その目的とするところは、第1の金属部材と第2
の金属部材とを、該両金属部材間の通電に伴う発熱及び
加圧により接合する場合に、接合時における金属部材の
過熱を防止して、良好に接合を行えるようにすると共
に、熱影響による金属部材の不具合を抑制しようとする
ことにある。
めに、請求項1の発明では、金属部材の接合方法とし
て、第1の金属部材と第2の金属部材とを、予め接触面
積が40〜200mm2となるように面接触させた状態
で該両金属部材間の通電に伴う発熱及び加圧により接合
するようにした。
mm2 となるように面接触させることで接合面部におけ
る発熱量を適切な値にすることができ、金属部材の熱伝
導率が小さくてもその過熱を有効に防止することができ
る。よって、熱影響による金属部材の過硬化等の不具合
を抑制することができると共に、接合面部の変形を防止
して加圧力を接合面部間に確実に伝えることができ、接
合を良好に行わせることができる。尚、接触面積は40
〜100mm2 であることがより望ましい。
2の金属部材とを、該両金属部材間の通電に伴う発熱及
び加圧により接合する接合方法を対象とする。
の金属部材と反対側部分の電気伝導率を第2の金属部材
側部分よりも高くするようにする。
発熱量を小さく抑えつつ、接合面部での発熱量を適切な
値となるように調整することができると共に、接合面部
近傍を強度の高い材料とすることにより、接合時に接合
面部の過熱による変形を防止することができる。一方、
第1の金属部材において第2の金属部材側部分とその反
対側部分とで電気伝導率を互いに異ならせることは容易
である。すなわち、例えば、互いに異なる材料でそれぞ
れ仮焼結しておき、それらを接触させて本焼結を行えば
よい。よって、この発明においても簡単な方法で熱影響
による金属部材の不具合を抑制しかつ両金属部材同士の
接合性を向上させることができる。尚、第1の金属部材
がバルブシート等の場合は、第1の金属部材において第
2の金属部材と反対側部分を、接合後の後加工により切
削される部分に設定しておけば、使用時における性能、
特性等に制約されることなく上記反対側部分の材料等を
設定し得る。
いて、第1の金属部材は、非高電気伝導率元素のみで構
成された材料であるものとする。
発熱量がかなり大きくなるので、点接触(線接触)させ
た状態では第1の金属部材全体が大幅に過熱されること
になるが、面接触によりその過熱を出来る限り抑えるこ
とができる。よって、請求項1の発明の作用効果を有効
に発揮させることができる。尚、ここでいう「非高電気
伝導率元素」とは、電気抵抗率が3×10-8Ω・mより
も大きい元素をいう。
いて、第1の金属部材は焼結材であるものとする。この
ことで、焼結材内部の空孔の断熱作用により熱伝導率が
小さくなるので、熱引けがさらに悪化することになる
が、面接触により第1の金属部材の過熱を可及的に抑え
ることができる。よって、請求項1の発明の作用効果を
より一層効果的に発揮させることができる。
れかの発明において、予め第1の金属部材の接合面部
に、該第1の金属部材及び第2の金属部材よりも融点が
低くかつ第2の金属部材との共晶組成からなるろう材と
第1の金属部材との拡散層を介して上記ろう材層を形成
しておき、上記第1の金属部材と第2の金属部材とを、
該両金属部材間の通電に伴う上記ろう材の融点以上の温
度への発熱及び加圧により、上記ろう材及び第2の金属
部材の拡散層を形成しかつ溶融したろう材を両金属部材
の接合面部間から排出しながら、上記両拡散層を介した
液相拡散状態で接合するようにする。
層を介した状態で第1の金属部材と第2の金属部材とを
液相拡散接合するので、第2の金属部材表面部の酸化被
膜や汚れ等がろう材と共に排出されると共に、ろう材層
を介さずに両拡散層が直接的に接合される。また、通
常、ろう材の融点は低くて接合部の耐熱性が低くなる
が、本発明ではろう材と第2の金属部材との合金化によ
りろう材の成分の割合が変化するので、接合層の融点を
高くすることができる。このため、使用したろう材以上
の強度と耐熱性とを付与させることができる。そして、
このように従来にない利点を有する液相拡散接合方法で
は、ろう材を確実に溶かして排出する必要がある。しか
し、この発明では、接合面部での発熱量を適切な値にし
てろう材を溶かすことができると共に、接合面部での変
形を防止してろう材を確実に排出することができる。よ
って、両金属部材の接合強度を確実に向上させることが
できる。
いて、第1の金属部材は、Fe系材料からなり、第2の
金属部材は、Al系材料からなり、ろう材は、Zn系材
料からなるものとする。
比較的低いので、ろう材の溶融及び排出を容易かつ確実
に行うことができる。しかも、Zn系のろう材はFe系
の第1の金属部材とFe−Znの拡散層を、またAl系
の第2の金属部材とAl−Znの拡散層をそれぞれ容易
に形成する。さらに、両拡散層を介した接合であるの
で、Fe−Alという脆い金属間化合物が生成するのを
有効に防止することができる。よって、請求項5の発明
における接合方法に最適な材料の組合せが得られる。
明において、ろう材は、Zn−Al共晶合金からなるも
のとする。
びAl成分の重量比をそれぞれ95%及び5%の共晶組
成とすることにより極めて低くすることができる。そし
て、特に請求項6の発明では、Zn成分が第1の金属部
材側及び第2の金属部材側に拡散することによりろう材
のZn成分の割合が低下するので、接合後のろう材の融
点は高くなる。また、第1の金属部材との拡散層におけ
るFe−Zn及び第2の金属部材との拡散層におけるA
l−Znの融点も接合前のろう材の融点よりも高いの
で、接合金属部材の耐熱性は使用したろう材よりも確実
に向上する。さらに、共晶組成とすることにより、(1)
融点を最も低くすることができるので、短時間で溶融さ
せて接合時間の短縮化を図ることができ、(2) 従来のよ
うに接合過程で共晶化するものではないので、接合の安
定性の向上化を図ることができ、(3) 脆い金属層を生成
させないようにすることができる。よって、融点が低く
て取り扱いの簡単なろう材の具体的材料が容易に得られ
る。
れかの発明において、ろう材浴中の第1の金属部材の表
面部に超音波振動の付与によりろう材をコーティングす
ることで、第1の金属部材にろう材層及び上記ろう材と
第1の金属部材との拡散層を形成するようにする。
ション作用により第1の金属部材の表面部の酸化被膜や
メッキ層が破壊されるので、ろう材を第1の金属部材の
表面部に擦りつけるという機械的な摩擦を利用する方法
よりも確実にろう材を第1の金属部材側に拡散させるこ
とができる。また、フラックスを用いたろう付けを行う
場合のようなフラックス除去のための後工程が不要であ
る。よって、簡単な方法でろう材と第1の金属部材との
拡散層を確実に形成することができ、両金属部材の接合
強度をより一層向上させることができる。
れかの発明において、第1の金属部材及び第2の金属部
材の接合は、第2の金属部材の接合面部を塑性流動させ
て行うようにする。
化被膜が効果的に破壊されるので、第2の金属部材の表
面を特に保護しておく必要はない。一方、第2の金属部
材の塑性流動は、第1及び第2の金属部材を加圧すると
きにその加圧力を利用することで容易に行うことがで
き、特別な手段は不要である。特に請求項5〜8の発明
では、第2の金属部材表面の酸化被膜や汚れがろう材と
共に排出されるので、ろう材を第2の金属部材側に確実
に拡散させることができ、簡単な方法でろう材と第2の
金属部材との拡散層を確実に形成することができる。よ
って、両金属部材の接合強度をさらに向上させることが
できる。
基づいて説明する。但し、最初に本発明の適用対象とな
る金属部材の接合方法についての基本形態を説明し、そ
の後に、本発明の実施形態をその基本形態と異なる点を
中心に説明する。
1に係る接合方法により接合された接合金属部材として
のエンジンのシリンダヘッド1の要部を示し、このシリ
ンダヘッド1は、第2の金属部材としてのシリンダヘッ
ド本体2における4つの吸気及び排気用ポート2b,2
b,…の開口周縁部つまりバルブが当接する位置に略リ
ング状のバルブシート3,3,…(第1の金属部材)が
後述の如く接合されてなるものである。上記各ポート2
bの開口周縁部はシリンダヘッド1の下側から見て略正
方形状に並べられており、その各開口周縁部は各バルブ
シート3との接合面部2aとされている。
当接面部3cとされて、バルブ上面の形状に沿うように
上方に向かって径が小さくなるテーパ状に形成されてい
る。また、各バルブシート3の外周面部は、シリンダヘ
ッド本体2との第1接合面部3aであって、上記シリン
ダヘッド本体2の接合面部2aにより包囲されかつ内周
面と同様にテーパ状に形成されている。さらに、各バル
ブシート3の上面部は、シリンダヘッド本体2との第2
接合面部3bであって、内周側に向かって上方に傾斜し
ている。
る焼結材であり、その内部の空孔には高電気伝導率材料
としてのCu系材料が溶浸されている。この各バルブシ
ート3のシリンダヘッド本体2との第1及び第2接合面
部3a,3bには、図2に模式的に示すように、Zn−
Al共晶合金(約95重量%Zn成分と約5重量%Al
成分(後述するシリンダヘッド本体2の材料成分)との
共晶組成)からなるろう材と該バルブシート3との拡散
接合層5(拡散層)が形成されている。すなわち、この
拡散接合層5は、上記ろう材のZn成分がバルブシート
3側に拡散することにより形成されたFe−Znからな
っている。
材料からなり、このシリンダヘッド本体2の各バルブシ
ート3との接合面部2aには上記ろう材と該シリンダヘ
ッド本体2との溶融反応層6(拡散層)が形成されてい
る。すなわち、この溶融反応層6は、上記ろう材のZn
成分が溶融状態でシリンダヘッド本体2側に液相拡散す
ることにより形成されたAl−Znからなっている。
尚、上記ろう材の融点は、各バルブシート3及びシリン
ダヘッド本体2よりも低い。
ヘッド本体2とは、上記拡散接合層5及び溶融反応層6
を介した液相拡散状態で接合され、この拡散接合層5及
び溶融反応層6のトータルの厚さは1.0μm以下とさ
れている。尚、図2では、拡散接合層5及び溶融反応層
6間にろう材層7が形成されているが、このろう材層7
の厚さは極めて小さく実質的には殆ど無いと見做せる状
態にある。
いて各バルブシート3をシリンダヘッド本体2の各ポー
ト2b開口周縁部(接合面部2a)に接合してシリンダ
ヘッド1を製造する方法を説明する(尚、以下の製造工
程では、シリンダヘッド本体2及びバルブシート3の天
地は逆になっている)。
よってバルブシート3を作製する。このとき、バルブシ
ート3は、図3に示すように、バルブシート3及びシリ
ンダヘッド本体2の接合時の加圧力に耐え得るように、
その内周側及び上側(図1では下側)に肉厚が厚くなる
ように形成されている。すなわち、この段階ではバルブ
当接面部3cは形成せず、内周面は真っ直ぐに上方に延
びるように、また上面は略水平状となるようにそれぞれ
形成する。さらに、シリンダヘッド本体2との第1接合
面部3aのテーパ角(図3のθ1)は約0.52rad
(30°)に、また第2接合面部3bの傾斜角(図3の
θ2)は約0.26rad(15°)にそれぞれ形成す
る。すなわち、上記第1接合面部3aのテーパ角θ1
は、小さすぎると、バルブシート3をシリンダヘッド本
体2に埋め込むのは容易ではあるが、シリンダヘッド本
体2の接合面部2aにおける酸化皮膜破壊作用効果が低
下する一方、大きすぎると、バルブシート3の埋め込み
が困難になると共に、バルブシート3の最外径が大きく
なりすぎて2つのポート2b,2bの間隔を狭くするこ
とができなくなるので、約0.52rad(30°)に
設定している。
によって上記バルブシート3と略同径のリングを作製し
た後、このリングを上記焼結したバルブシート3の上面
に載せた状態で加熱炉に入れて溶融させることによりバ
ルブシート3の内部にCu系材料を溶浸させる。この
後、バルブシート3の上記第1及び第2接合面部3a,
3bを含む表面部全体に、酸化被膜形成防止等の観点か
らCuメッキ層(2μm程度)を施しておく。
に、上記バルブシート3の第1及び第2接合面部3a,
3bに拡散接合層5を介してろう材層7を形成する。こ
のバルブシート3にろう材層7及び拡散接合層5を形成
するには、ろう材浴中のバルブシート3の表面部に超音
波振動の付与によりろう材をコーティング(超音波メッ
キ)する。すなわち、図6に示すように、振動板11の
一端部を超音波発振機12に取り付け、上記バルブシー
ト3をこの振動板11の他端部の上面に載せた状態で有
底状容器13内のろう材浴14に浸漬する。この状態で
上記超音波発振機12から振動板11を介して超音波振
動をバルブシート3に付与すると、超音波によるキャビ
テーション作用によりバルブシート3の表面部のCuメ
ッキ層や僅かに形成されていた酸化被膜が破壊され、ろ
う材のZn成分がバルブシート3側に拡散してFe−Z
nからなる拡散接合層5が形成されると共に、この拡散
接合層5の表面側にろう材層7が形成される。このこと
で、ろう材をバルブシート3の表面部に擦りつけるとい
う機械的な摩擦を利用する方法よりも確実かつ容易に拡
散接合層5を形成することができる。尚、上記超音波メ
ッキの条件としては、例えば、ろう材浴温度を400
℃、超音波出力を400W、超音波振動付与時間を20
秒にそれぞれ設定すればよい。尚、還元雰囲気下で加熱
しながら、バルブシート3の表面に上記拡散接合層5と
同様な溶融メッキ層を形成するようにしてもよい。
により作製しておいたシリンダヘッド本体2のポート2
b開口周縁部つまりバルブシート3との接合面部2aに
接合する。このとき、シリンダヘッド本体2の接合面部
2aは、図4(a)に示すように、接合完了時の形状
(バルブシート3の第1及び第2接合面部3a,3bと
同じ形状)とは異なり、約0.79rad(45°)の
テーパ角を有している。
本体2の接合面部2aに接合するには、図7に示すよう
に、市販のプロジェクション溶接機を改良した接合装置
20を用いて行う。この接合装置20は、略コ字状の支
持本体21を有しており、この支持本体21の上下水平
部21a,21bは片側の鉛直部21cのみに支持され
た片持ち状とされて、鉛直部21cと反対側は開口状と
されている。上記支持本体21の上側水平部21aの下
部には加圧シリンダ22が設けられ、この加圧シリンダ
22の下側には、加圧シリンダ22のシリンダロッド2
3に取り付けられかつこのシリンダロッド23と同一軸
上を上下移動可能な略円筒状のCu製上側電極24が設
けられている。一方、上記下側水平部21bの上側に
は、移動台27を介してCu製下側電極25が上側電極
24に対向した状態で設けられ、この下側電極25の斜
めに傾いた上面にシリンダヘッド本体2を、その接合面
部2aがシリンダヘッド本体2の上側となるように載せ
ることが可能とされている。上記移動台27の下側水平
部21bに対する水平方向位置と下側電極25の上面の
傾きとは調整可能とされており、バルブシート3を接合
する接合面部2aの中心軸が鉛直方向となりかつ上側電
極24の中心軸に略一致するように調整する。
の加圧ヘッドを構成していると共に、支持本体21の鉛
直部21c内に収納された溶接電源26にそれぞれ接続
され、下側電極25上面におけるシリンダヘッド本体2
の接合面部2aにバルブシート3を載せた状態でそのバ
ルブシート3の上面部に上側電極24を当接させてバル
ブシート3及びシリンダヘッド本体2を加圧シリンダ2
2により加圧しつつ上記溶接電源26をONすると、電
流がバルブシート3からシリンダヘッド本体2へと流れ
るようになっている。そして、上記上側電極24のバル
ブシート3上面部に当接する下面部には、図8(a)及
び(b)に拡大して示すように、支持本体21の鉛直部
21cと反対側(支持本体21の開口側)に非通電部と
しての切欠部28が形成されている。
20の下側電極25上面に載せ、バルブシート3を接合
する接合面部2aの中心軸が上側電極24と略一致する
ように移動台26の水平方向位置と下側電極24上面の
傾きとを調整した後、その接合面部2a上にバルブシー
ト3を載せる。このとき、図4(a)に示すように、バ
ルブシート3の第1及び第2接合面部3a,3bの角部
のみがシリンダヘッド本体2の接合面部2aに当接して
いる状態にある。すなわち、バルブシート3とシリンダ
ヘッド本体2とは線接触された状態にある。
側電極24を下側に移動させて上記バルブシート3の上
面に当接させ、この状態からバルブシート3及びシリン
ダヘッド本体2の加圧を開始する。この加圧力は294
20N(3000kgf)程度が望ましい。そして、図
9に示すように、この加圧力を保持しながら、加圧開始
から約1.5秒経過後に溶接電源26をONしてバルブ
シート3及びシリンダヘッド本体2間の通電に伴う抵抗
発熱によりろう材層7におけるろう材の融点以上の温度
への加熱を行い、そのろう材を溶融させる。この電流値
は70kA程度が望ましい。
重量%のAl成分との共晶組成からなるろう材の融点
は、図11に示すように、約380℃と極めて低く、通
電開始から直ぐに溶融する。また、上記抵抗発熱により
シリンダヘッド本体2の接合面部2aは軟化し、図4
(b)に示すように、加圧によりバルブシート3の第1
接合面部3aと第2接合面部3bとの角部がシリンダヘ
ッド本体2の接合面部2aを塑性流動させながらバルブ
シート3がシリンダヘッド本体2に埋め込まれていく。
このことで、シリンダヘッド本体2の接合面部2aの酸
化被膜が確実に破壊され、溶融したろう材のZn成分が
シリンダヘッド本体2側に液相拡散してAl−Znから
なる溶融反応層6を形成する(図5(b)参照)。
りろう材層7のろう材が殆ど全てバルブシート3の第1
及び第2接合面部3a,3bとシリンダヘッド本体2の
接合面部2aとの間から上記酸化被膜や汚れと共に排出
される。このため、ろう材層7を介さずに拡散接合層5
及び溶融反応層6が直接的に接合され、その両層5,6
間で拡散がより一層促進される。しかも、両層5,6を
介することでFe−Alという脆い金属間化合物が生成
するのを有効に防止することができる。したがって、バ
ルブシート3とシリンダヘッド本体2とは、拡散接合層
5及び溶融反応層6を介した液相拡散状態で接合され、
その結合強度は非常に高くなる。また、ろう材層7が僅
かに残っていたとしても、そのろう材のZn比率は拡散
により減少し、その融点は500℃程度以上まで上昇す
る(図11参照)。このため、接合後は使用したろう材
の融点以上の耐熱性を有することになる。
伝導率のCu系材料が溶浸されているので、焼結により
生じた内部の空孔がCu系材料で満たされ、加圧力の一
部が上記空孔を潰すのに使われるということはなく、加
圧力の全てが直接的にシリンダヘッド本体2の接合面部
2aを塑性流動させかつろう材を排出するのに使用され
ると共に、通電時にバルブシート3内部の発熱を抑制し
てろう材を有効に溶融させることができる。
21bは片持ち状とされて、その上下水平部21a,2
1bの撓みにより加圧力は支持本体21開口側が低くな
り、その分だけ各接合面部2a、3a,3bにおける支
持本体21開口側に相当する部分の接触抵抗が高くなっ
ているので、開口側の発熱量が過大となり、シリンダヘ
ッド本体2が局部的に溶融してバルブシート3との隙間
が生じることがある。これを防止するため、上述の如
く、上側電極24の下面部において支持本体21開口側
に切欠部28を形成してもよい。この場合、バルブシー
ト3及びシリンダヘッド本体2の支持本体21開口側に
相当する部分では電流値が小さくなる。このため、シリ
ンダヘッド本体2における支持本体21の開口側が局所
的に溶融してバルブシート3との間に隙間が生じるとい
うことはない。また、加圧シリンダ22のシリンダロッ
ド23と上側電極24との中心軸が一致しているので、
それらが一致していない装置に比べて上側電極24全体
における加圧力の差や上側電極24の水平方向位置の変
化を小さくすることができ、切欠部28の切欠きの程度
は少なくて済むと共に、シリンダヘッド本体2の接合面
部2aに対するバルブシート3の芯ずれを防止すること
ができる。尚、上記切欠部28を設ける代わりに上側電
極24の下面部に絶縁部材を貼り付けることでも、シリ
ンダヘッド本体2の局所的な溶融を防止することができ
る。
経過後に溶接電源26をOFFして通電を停止すると、
バルブシート3はシリンダヘッド本体2の接合面部2a
に完全に埋め込まれた状態となる(図4(c)参照)。
このとき、加圧は停止しないでそのまま継続させる。す
なわち、溶融反応層6が完全に凝固冷却するまで加圧力
を保持して、バルブシート3とシリンダヘッド本体2と
の熱膨張率が異なることによる各接合面部2a、3a,
3bでの剥離や割れを防止する。
同時に加圧力を低下させるのがより望ましい。すなわ
ち、大きな加圧力では変形能が小さくなる凝固直後にお
いて加圧により各接合面部2a、3a,3bで割れが生
じる可能性が高いので、収縮変形に追従させ得る程度の
加圧力まで低下させて、加圧による凝固後の各接合面部
2a、3a,3bでの割れを確実に防止する。
に加圧を停止することによりバルブシート3とシリンダ
ヘッド本体2との接合が完了する。続いて、同じシリン
ダヘッド本体2において同様の作業を繰り返して残り3
つの接合面部2a,2a,…に各バルブシート3を接合
する。
面部等を切削加工することでバルブ当接面部3cを形成
する等して所定の形状に仕上げる。このことにより、シ
リンダヘッド本体2の各ポート2b開口周縁部に各バル
ブシート3が接合されたシリンダヘッド1が完成する。
シート3とシリンダヘッド本体2とを、通電に伴う発熱
及び加圧により、拡散接合層5及び溶融反応層6を介し
た液相拡散状態で接合するようにしたので、接合強度が
高くかつ使用したろう材以上の耐熱性を有するシリンダ
ヘッド1を短時間で得ることができる。また、ろう材を
溶融しかつ排出することが可能なように加圧力や電流値
を設定するだけで済むので、高い接合強度が得られる条
件範囲が広い。しかも、焼ばめによる接合方法よりもバ
ルブシート3を格段に小形化することができるので、2
つのポート2b,2bの間隔を狭くしたりスロート径を
大きくしたりすることができる。さらに、断熱層が生じ
ることはなくてバルブ近傍の熱伝導率を向上させること
ができ、しかも、ポート2b,2b間に設けた冷却水通
路をバルブシート側により近づけることが可能であるの
で、バルブ近傍の温度を有効に低下させることができ
る。さらに、グロープラグやインジェクタをポート2
b,2b間に配設したとしても、その間の肉厚を十分に
確保することができる。よって、エンジンの性能、信頼
性及び設計の自由度を向上させることができる。
3を焼結により製造してその内部にCu系材料を溶浸す
るようにしたが、各バルブシート3内部の密度がある程
度確保されていれば、必ずしも溶浸する必要はない。ま
た、各バルブシート3を、焼結した後に鍛造を行って得
られる焼結鍛造材とすることにより、溶浸するのと同様
に、バルブシート3内部の空孔をなくすことができるの
で、ろう材を効果的に排出することができる。
3及びシリンダヘッド本体2間の通電に伴う抵抗発熱に
よりろう材層7におけるろう材の融点以上の温度への加
熱を行い、そのろう材を溶融させるようにしたが、高周
波加熱等の局部加熱によりろう材を溶融させるようにし
てもよい。
2を示し、バルブシート3及びシリンダヘッド本体2の
接合時における通電の制御方法が上記基本形態1と異な
る。
値で連続して電流を流すのではなく、大小の電流値の繰
り返しからなるパルス通電としたものである。このパル
ス通電の大きい側の電流値は約70kAで一定であり、
小さい側の電流値は0に設定している。また、大電流値
パルスの通電時間は0.25〜1秒であり、小電流値パ
ルスの通電時間(電流を流していない時間)は0.1〜
0.5秒程度である。さらに、大電流値パルス数は3〜
9パルス(図12では4パルス)が望ましい。尚、加圧
開始から最初の大電流値パルスの通電開始までの時間及
び最後の大電流値パルスの通電停止から加圧停止までの
時間は上記基本形態1と同じ1.5秒である。
ブシート3の温度変化を図13に示す。つまり、Fe系
材料からなるバルブシート3の熱容量はかなり小さいた
めに、バルブシート3の抵抗発熱による温度上昇が激し
く、特にその上下方向中央部では、上側電極24やシリ
ンダヘッド本体2への放熱が容易な上下端部に比べて放
熱し難く、最初の大電流値パルスの通電時には、バルブ
シート3及びシリンダヘッド本体2間の接触抵抗が高い
ので、抵抗発熱量も大きくてバルブシート3の上下方向
中央部の温度は、その最初の大電流値パルスの通電停止
時にはA1変態点以上となっている。この段階で、バル
ブシート3はシリンダヘッド本体2に殆ど完全に埋め込
まれた状態となっているので、通電を完全に停止するこ
とも可能であるが、バルブシート3はA1変態点以上の
温度から急激に冷却されるので、その上下方向中央部に
は焼きが入って硬さが上昇してしまうことになる。
の大電流値パルスの通電を行う。このとき、最初の大電
流値パルスの通電時とは異なり、冶金的接合により接触
抵抗が小さくなって抵抗発熱量は減少し、放熱も行われ
るので、最初と同じ電流値であってもそれ程温度上昇は
せず、このことを繰り返すことにより、徐冷されるた
め、バルブシート3の硬さは殆ど上昇しない。
通電によりバルブシート3の上下方向中央部の温度を徐
々に低下させるようにしたので、バルブシート3の硬さ
が大きく上昇することはなく、その内周面部を切削加工
するときの加工性の悪化を防止することができる。ま
た、バルブ当接面部3cが硬くなりすぎることによって
バルブが摩耗し易くなるのを有効に抑制することができ
る。
電流値を一定とし、小電流値を0としたが、これに限ら
ず、例えば、図14(a)に示すように、大電流値を段
階的に低下させていってもよく、図14(b)に示すよ
うに、小電流値を0とせずに大電流値と0との中間値に
設定してもよい。また、図14(c)に示すように、最
初の大電流値パルスの通電に続いて小電流値パルス(図
14(c)では0)を通電した後、電流値を時間に対し
て比例して減少させる連続通電に切り替えてもよく、最
初の大電流値パルスの通電停止後は、バルブシート3を
徐冷可能であれば、どのような通電制御を行ってもよ
い。
放熱を向上させるために、その上側電極24内に冷却水
を通して水冷するようにすることが望ましい。さらに、
図15に示すように、上側電極24の下部に、バルブシ
ート3の内周面部に対向する円筒状の突起部31を設
け、この突起部31の外周部に円周方向に略等間隔に設
けた複数のノズル32,32,…から上側電極24内の
冷却水をバルブシート3の内周面部に噴霧するようにし
てもよい。このことで、バルブシート3の上下方向中央
部を有効に冷却し、バルブシート3がA1変態点以上に
過熱されるのを防止することができる。
3を示し、バルブシート3及びシリンダヘッド本体2の
接合時における通電の制御方法を上記基本形態1,2と
異ならせたものである。
0が、バルブシート3の高さ方向の位置を検出するシー
ト位置検出手段としてのリミットスイッチ(図示せず)
を有し、バルブシート3がシリンダヘッド本体2に殆ど
完全に埋め込まれた状態となる接合位置で上記リミット
スイッチが作動するように構成されている。そして、通
電を開始した後、このリミットスイッチが作動すると、
通電開始時の初期電流値(約70kA)よりも小さい一
定の電流値に切り替えて通電するようになっている。そ
して、切り替え後の通電の停止は時間で行われ、初期電
流値の通電開始から1.5〜5秒で停止するようになっ
ている。
ド本体2に殆ど完全に埋め込まれた状態で小さい電流値
に切り替えるという通電制御を行った場合の挙動につい
て説明する。
説明したように、バルブシート3はAl系材料からなる
シリンダヘッド本体2よりも格段に温度が上昇するの
で、熱膨張率(線膨張係数)がシリンダヘッド本体2よ
りも小さいにも拘らず、熱膨張量は大きい。このため、
バルブシート3がシリンダヘッド本体2に殆ど完全に埋
め込まれた状態で通電を完全に停止すると、バルブシー
ト3の収縮量がシリンダヘッド本体2よりも大きいの
で、バルブシート3に引張の熱応力が生じる。
切り替えて通電を行うと、上記基本形態2と同様に、バ
ルブシート3の温度は徐々に低下していく。一方、シリ
ンダヘッド本体2の温度はバルブシート3からの熱によ
り上昇するので、バルブシート3とシリンダヘッド本体
2との温度差は小さくなる。この状態で、通電を停止す
れば、収縮量の差は小さくなり、バルブシート3に生じ
る熱応力を低減することができる。
シート3がシリンダヘッド本体2に殆ど完全に埋め込ま
れた状態で初期電流値よりも小さい電流値に切り替える
ようにしたので、バルブシート3及びシリンダヘッド本
体2の熱容量及び熱膨張率の差に起因して生じる熱膨張
量(収縮量)の差を小さくすることができる。よって、
バルブシート3に生じる引張の熱応力を低減し、その内
周面部に縦クラックが発生するのを防止することができ
る。
チの作動による切替後の電流値を一定としたが、これに
限らず、例えば、図17(a)に示すように、切替後の
電流値を時間に対して比例するように低下させていって
もよく、図17(b)に示すように、上記基本形態2と
同様に、リミットスイッチの作動後は大電流値が初期電
流値よりも小さいパルス通電としてもよい。さらに、上
記基本形態2と同じ通電制御方法であっても、同様の作
用効果を得ることができる。
ッチによりバルブシート3の高さ方向の位置を検出して
電流値を切り替えるようにしたが、光センサ等の位置検
出手段を用いてもよく、位置を検出する代わりに時間で
電流値を切り替えるタイミングを制御してもよい。この
場合、通電開始から0.25〜1秒(より望ましくは
0.25〜0.5秒)で電流値を切り替えるのが望まし
く、この時間であればバルブシート3がシリンダヘッド
本体2に殆ど完全に埋め込まれた状態で切り替わること
になる。
本体2に接合する前に、シリンダヘッド本体2を200
℃程度まで予熱しておくことが望ましい。このようにす
れば、それらの温度差はより一層小さくなって、熱応力
を低く抑えることができる。この結果、バルブシート3
の縦クラックの発生を確実に防止することができ、リミ
ットスイッチの作動後における電流値の切替を不要にす
ることもできる。このようにシリンダヘッド本体2を予
熱するには、上記接合装置20を用いればよい。すなわ
ち、接合装置20の上側及び下側電極24,25をカー
ボン製のものと交換し、その両電極24,25でシリン
ダヘッド本体2を挟んだ状態にして溶接電源をONする
ことにより予熱を行う。このとき、両電極24,25が
カーボン製であるので、自己発熱が大きく、シリンダヘ
ッド本体2を効率良く予熱することができる。このよう
にすれば、インライン化対応も可能となる。
3の上部には内周面側に向かって高さが高くなる上面テ
ーパ部3dを設ける一方、上側電極24の下部には上記
バルブシート3の上面テーパ部3dが略嵌合する円錐状
の凹部34を形成しておき、バルブシート3の上面テー
パ部3dを上側電極24の凹部34に略嵌合した状態で
加圧するようにしてもよい。すなわち、このように加圧
すれば、バルブシート3の縮径方向にも加圧力が作用す
るので、バルブシート3の温度が上昇してもその膨張を
防止することができ、シリンダヘッド本体2との温度差
が大きくても収縮量の差は小さくなる。よって、この場
合でも、バルブシート3に縦クラックが発生するのを防
止することができる。
ト3の内周面側の応力集中を緩和すべく、内周面部と上
面部及び下面部との角部に面取り部3e,3eを形成す
ることが望ましい。
には削り取る部分であるので、その削り取る部分のみを
安価な材料として焼結するようにすることもできる。
態4に係る接合装置20の要部を示し(尚、図7と同じ
部分についてはその詳細な説明は省略し、異なる箇所の
みを説明する)、通電経路を上記基本形態1〜3とは異
ならせたものである。
0は、上記基本形態1〜3と同様に下側電極25を有す
るが、この下側電極25は溶接電源26には接続されて
おらず、バルブシート3及びシリンダヘッド本体2を加
圧するためにのみ用いられている。そして、上側電極2
4は2つの第1及び第2電極24a,24bからなり、
この第1電極24aは上記基本形態1〜3と同じもので
ある。一方、上記第2電極24bは、第1電極24aを
上下移動させる加圧シリンダ22と同様の別の加圧シリ
ンダにより独立して上下移動可能とされている。また、
上記第2電極24bは、第1電極24aとは異なり、カ
ーボン製であり、この両電極24a,24bがそれぞれ
溶接電源26に接続されている。
同じシリンダヘッド本体2において新たに接合する未接
合バルブシート3及び前回接合した既接合バルブシート
3の上面にそれぞれ当接するようになっている。そし
て、溶接電源26をONすると、電流は、順に第1電極
24a、未接合バルブシート3、シリンダヘッド本体
2、既接合バルブシート3及び第2電極24bを流れ、
溶接電源26に戻るようになっている。このことで、既
接合バルブシート3は、未接合バルブシート3の接合時
の戻り側の通電経路とされている。
バルブシート3を接合するときに、既接合バルブシート
3側では抵抗発熱量が小さく既接合バルブシート3の内
部温度が未接合バルブシート3のように上昇することは
ないが、カーボン製の第2電極24bが自己発熱するの
で、上記基本形態2で説明したように、既接合バルブシ
ート3に焼きが入って硬さが上昇していたとしても、適
度に焼戻しを行うことが可能となる。しかも、インライ
ンで工程を増やすことなく既接合バルブシート3の焼戻
しを行うことができる。よって、接合時におけるバルブ
シート3の硬さの上昇という熱影響を効果的に抑えるこ
とができる。
をカーボン製としたが、これは最も自己発熱量が大きい
材料であるので、既接合バルブシート3の温度が高くな
りすぎる場合には、第2電極24bを、例えば鉄製又は
黄銅製として焼戻しを有効に行えるものを選択すればよ
い。
態5に係る接合金属部材としてのディーゼルエンジンの
ピストン41を示し、このピストン41は、上記基本形
態1と同様に、Al系材料からなるピストン本体42
(第2の金属部材)の上部外周部にFe系材料からなる
耐摩環43(第1の金属部材)が、またピストン本体4
2の上部中央部に設けた燃焼室42a内のリップ部にF
e系(例えばオーステナイト系ステンレス鋼等)の強化
部材44(第1の金属部材)がそれぞれ接合されてな
る。
でピストン本体42を鋳造しているが、ピストン本体4
2をT6熱処理してその強度を向上させようとしても、
耐摩環43を鋳ぐるんだ状態ではFe−Alという脆い
金属間化合物が生じるので、T6熱処理を行うことは不
可能である。しかし、この基本形態では、予めピストン
本体42をT6熱処理しておき、そのピストン本体42
に耐摩環43を接合することができる。また、たとえピ
ストン本体42に耐摩環43を接合した後にT6熱処理
したとしてもその耐熱性は良好であり、Fe−Alは生
じ難いので、問題はない。このため、ピストン41の耐
摩耗性及び強度の両方を向上させることができる。
の壁部には、特に角隅部にクラックが生じ易いという問
題がある。しかし、この基本形態では、燃焼室42a内
のリップ部に強化部材44が接合されているので、燃焼
室42a内の壁部にクラックが発生するのを防止するこ
とができる。
態6に係る接合金属部材としてのエンジンのシリンダブ
ロック51の要部を示し、このシリンダブロック51
は、上記基本形態1と同様に、Al系材料からなるシリ
ンダブロック本体52(第2の金属部材)のウォーター
ジャケット52aの上部にFe系材料からなるリブ部材
53(第1の金属部材)が接合されてなる。尚、54は
気筒内周面部に嵌め込まれた鋳鉄製のライナである。
の剛性を向上させるために、そのシリンダブロック本体
52の鋳造時に砂中子を使用してウォータージャケット
部の上部にリブを一体で形成しているが、この方法で
は、鋳造時のサイクルタイムが長くなり、生産性が悪い
という問題がある。しかし、この基本形態では、シリン
ダブロック本体52の鋳造を容易にしつつ、リブ部材5
3を短時間でシリンダブロック本体52のウォータージ
ャケット52aの上部に接合することができ、シリンダ
ブロックの剛性を向上させることができる。このため、
気筒内周面部のライナ54の変形を防止することがで
き、LOCやNVH等のエンジン性能を向上させること
ができる。また、ライナレスにすることも可能となる。
ついて図23により説明する。尚、この実施形態では、
上記基本形態1〜4のようにシリンダヘッド本体2とバ
ルブシート3とを接合する場合について説明するが、上
記基本形態5,6のようにピストン本体42と耐摩環4
3とを接合する場合やシリンダブロック本体52とリブ
部材53とを接合する場合にも同様に本発明を適用する
ことができる。
3の材料が上記基本形態と異なる。すなわち、このバル
ブシート3は、高電気伝導率元素としてのCuが全体に
略均一に分散されたFe系粉末原料を焼結してなる焼結
材であって、上記基本形態のようにその内部の空孔にC
u系材料を溶浸しないで接合するものである。また、こ
のバルブシート3は、ろう材浴14中に浸漬して超音波
振動の付与により該バルブシート3の表面部にろう材と
バルブシート3との拡散接合層5及びろう材層7を形成
した後、バルブシート3の上部(上側電極24当接部)
における上記ろう材層7を、上側電極24を当接させる
前に予め切削等により除去したものである。尚、バルブ
シート3の上部においてろう材層7だけでなく拡散接合
層5まで除去するようにしてもよい。
ダヘッド本体2におけるバルブシート3接合前の接合面
部2aのテーパ角であり、約0.79rad(45°)
ではなく、バルブシート3におけるシリンダヘッド本体
2との第1接合面部3aのテーパ角θ1と同じ約0.5
2rad(30°)に設定されている。すなわち、上記
基本形態では予めバルブシート3とシリンダヘッド本体
2とを線接触させた状態で通電及び加圧を行って接合の
途中から面接触となっていくのに対し、予めバルブシー
ト3の第1接合面部3aとシリンダヘッド本体2の接合
面部2aとを面接触させた状態で通電及び加圧を行うよ
うにしている。尚、ここでいう面接触とは、接触面積が
40〜200mm2 (望ましくは40〜100mm2 )
であることをいう。
の上側電極24は、電極本体35とこの電極本体35の
先端部に螺合により取り付けられた略円筒状の電極チッ
プ36とからなっている。この電極チップ36の下面中
心部には、該電極チップ36下面(バルブシート3との
当接面)からバルブシート3側に突出する突出部36a
が形成されている。この突出部36aは、バルブシート
3の内周面部に略嵌合可能でかつ先端に向かって径が僅
かに小さくなるテーパ状の側周面36bを有する略円筒
状に形成されている。そして、上記突出部36aは、電
極チップ36下面がバルブシート3に当接しているとき
にその突出部36aの側周面36b全周においてバルブ
シート3の内周面(加圧方向に沿った側面)との間に所
定の間隙を有している。この突出部36aの側周面36
b全周においてバルブシート3との当接面と略同じ高さ
の部位(基端部)に、上記電極チップ36下面でバルブ
シート3を加圧するときにバルブシート3が略水平方向
(加圧方向と略垂直な方向)に移動するのを規制する位
置決め部36cが設定されている。上記突出部36aの
側周面36bにおける位置決め部36cとバルブシート
3内周面との間隙量は、バルブシート3が略水平方向に
移動してもよい程度(例えば0.1mm程度)に設定さ
れている一方、突出部36aの側周面36bにおける位
置決め部36c以外の部位とバルブシート3内周面との
間隙量は、加圧時にバルブシート3内周面部が内側(そ
の内周面部径が小さくなる側)に変形してもその変形を
殆ど拘束しない程度に設定されている。
の内部には、上側電極24内部を冷却する冷却水(冷却
媒体)を流す冷却通路37が上下方向に延びるように形
成されている。この冷却通路37の上端部は、電極本体
35に上下方向に延びるように設けた図外の冷却通路の
下端部に接続され、この電極本体35の冷却通路の上端
部には、上記冷却水の流入口が設けられている。一方、
電極チップ36の冷却通路37の下端部には、電極チッ
プ36側方に開口する冷却水の流出口37aが設けられ
ている。すなわち、上側電極24のバルブシート3との
当接部と反対側に冷却水の流入口が、またバルブシート
3との当接部側に冷却水の流出口37aがそれぞれ設け
られ、その流入口から流出口37aに冷却水を一方向に
流して上側電極24(特に高温となる電極チップ36)
を冷却しながら通電を行うようになっている。尚、上記
流出口37aには、冷却水を排出するための排出管38
が螺合により接続されている。
ート3の材料を、高電気伝導率元素としてのCuが分散
されたFe系粉末原料を焼結してなる焼結材とし、その
内部の空孔にCu系材料を溶浸しないで接合するように
したので、空孔が存在していても予め分散されたCuに
よりバルブシート3の抵抗値を、Cu系材料を溶浸した
ものと殆ど同程度に低く抑えることができる。このた
め、上記基本形態と同様に、通電時の内部発熱を抑制し
て接合を良好に行わせることができる。一方、空孔の断
熱作用により熱伝導率は溶浸したものよりも小さくなっ
ているので、エンジンの作動中にバルブシート3の熱引
けが適度に抑えられて酸化被膜が形成され、バルブシー
ト3の耐摩耗性を向上させることができる。
く熱伝導率が低いので、上記基本形態のように予め線接
触させた状態で通電及び加圧を行うと、通電初期におけ
る各接合面部2a,3a,3bでの発熱量がかなり大き
くなり、バルブシート3が過熱され易くなる。しかも、
空孔の存在により強度も比較的小さいので、バルブシー
ト3の第1及び第2接合面部3a,3bが変形し易くな
る。このため、シリンダヘッド本体2の接合面部2aに
おける塑性流動が十分になされず、酸化皮膜の破壊効果
が十分に得られなくなる。しかし、この実施形態では、
予めバルブシート3の第1接合面部3aとシリンダヘッ
ド本体2の接合面部2aとを面接触させた状態で通電及
び加圧を行うようにしたので、各接合面部2a,3a,
3bでの発熱量を適切な値にして過熱を防止することが
できる。よって、バルブシート3が通電の停止に伴って
急冷されても硬化し過ぎるのを抑制することができると
共に、バルブシート3の第1及び第2接合面部3a,3
bの変形を防止することができ、接合をより一層良好に
行わせることができる。
面に、該電極チップ36下面がバルブシート3に当接し
ているときにバルブシート3の内周面全周との間に所定
の間隙を有する略円筒状の突出部36aを形成し、この
突出部36aの側周面36bにおける基端部全周に設定
した位置決め部36cで加圧時にバルブシート3の略水
平方向の移動を規制するようにしたので、上記間隙量を
適切な値とすることにより、加圧時にバルブシート3内
周面部が内側に変形したとしてもバルブシート3の略水
平方向全ての移動を確実に規制することができると共
に、バルブシート3に対して拡径方向に力を殆ど作用さ
せないようにすることができる。このため、バルブシー
ト3に割れが生じたり、接合後に上側電極24をバルブ
シート3から離すときに突出部36aの表面がバルブシ
ート3と擦れたりすることはない。また、突出部36a
の側周面36bを、該突出部36aの先端に向かって径
が小さくなるテーパ状に形成したので、突出部36aを
バルブシート3内周面部からより一層スムーズに抜くこ
とができる。よって、バルブシート3の割れ発生及び上
側電極24の寿命低下を防止しつつ、バルブシート3を
シリンダヘッド本体2に対して良好に位置決めすること
ができる。
の当接部と反対側に冷却水の流入口を、またバルブシー
ト3との当接部側にその冷却水の流出口37aをそれぞ
れ設け、その流入口から流出口37aに冷却水を一方向
に流して上側電極24を冷却するようにしたので、従来
のように冷却水を上下方向に往復させて流すスペースは
必要なく、上側電極24の電極チップ36の径が小さく
ても、十分な量の冷却水を滞留させることなくスムーズ
に流すことができる。よって、簡単な方法で確実に上側
電極24を冷却することができ、上側電極24の軟化を
抑制して寿命を向上させることができる。
部におけるろう材層7を、上側電極24を当接させる前
に予め除去したので、通電時に上側電極24の電極チッ
プ36下部に、該電極チップ36のCu成分とろう材の
Zn成分との合金化物である脆い黄銅が生成するのを防
止することができ、このことでも、上側電極24の寿命
を向上させることができる。
体にCuを均一に分散するようにしたが、バルブシート
3のシリンダヘッド本体2と反対側部分のCuの割合を
シリンダヘッド本体2側部分よりも多くして、シリンダ
ヘッド本体2と反対側部分の電気伝導率をシリンダヘッ
ド本体2よりも高くなるようにしてもよい。すなわち、
例えば、互いに異なる材料でそれぞれ仮焼結しておき、
それらを接触させて本焼結を行えばよい。こうすること
で、バルブシート3内部での発熱量を小さく抑えつつ、
各接合面部2a,3a,3bでの発熱量を適切な値とな
るように調整することができると共に、バルブシート3
の第1及び第2接合面部3a,3b近傍を強度が高くか
つ耐摩耗性が良好な材料とすることもできる。このた
め、バルブシート3の第1及び第2接合面部3a,3b
の接合時の過熱による変形をより一層有効に防止するこ
とができると共に、シリンダヘッド本体2と反対側部分
が削り取られて最終的に形成されるバルブ当接面部3c
は、強度が高くかつ耐摩耗性が良好な材料で構成される
ことになる。そして、焼結前の粉末原料に分散させる高
電気伝導率元素はCuに限らず、Cuよりも電気伝導率
が高いAgや電気抵抗率が3×10-8Ω・m以下の元素
を粉末原料に分散して焼結するようにしてもよい。この
場合、その元素の熱伝導率は2J/cm・s・K以上で
あることが望ましい。
ト3の第1接合面部3aとシリンダヘッド本体2の接合
面部2aとを面接触させた状態で通電及び加圧を行うよ
うにしたが、図24に示すように、バルブシート3の第
2接合面部3bとシリンダヘッド本体2の接合面部2a
とを面接触させるようにしてもよい。そして、図25及
び図26に示すように、バルブシート3の第1接合面部
3aと第2接合面部3bとの間に第3接合面部3fを形
成すると共に、この第3接合面部3fとシリンダヘッド
本体2の接合面部2aとを面接触させるようにしてもよ
く(図25)、第3接合面部3fを形成したバルブシー
ト3の第2接合面部3bとシリンダヘッド本体2の接合
面部2aとを面接触させるようにしてもよい(図2
6)。そして、このように予め面接触させるのは、上記
実施形態のようにバルブシート3をCu等の高電気伝導
率元素が分散されたFe系粉末原料を焼結してなる焼結
材とした場合に限らず、従来より使用されている非高電
気伝導率元素(電気抵抗率が3×10-8Ω・mよりも大
きい元素)のみからなる粉末原料を焼結してなる焼結材
(Cu系材料等を溶浸しないもの)とした場合であって
もよい。また、焼結材以外の非高電気伝導率元素のみで
構成された材料であってもよい。このような場合でも、
バルブシート3全体が過熱されるのを可及的に抑えるこ
とができる。
のバルブシート3との当接部と反対側に冷却水の流入口
を、またバルブシート3との当接部側(電極チップ3
6)にその冷却水の流出口37aをそれぞれ設けたが、
この流入口及び流出口37aの位置関係を逆にしてもよ
い。そして、図27に示すように、上側電極24の電極
チップ37の冷却効果をより高めるために、電極チップ
37中心に対して上記流出口37aと反対側に、上記流
入口とは別の補助流入口37bを設けるようにしてもよ
い。ここで、図27中、39は上記補助流入口37bに
螺合により接続された冷却水の供給管である。さらに、
下側電極25についても、上記上側電極24と同様に、
冷却水を一方向に流して下側電極25を冷却するように
してもよい。
3の略水平方向の位置決め方法は、通電に伴う抵抗発熱
によりろう材層7のろう材を溶融させる場合に限らず、
基本形態の最後に述べたように高周波加熱等の局部加熱
によりろう材を溶融させる場合にも適用することができ
る。
3とシリンダヘッド本体2とを、拡散接合層5及び溶融
反応層6を介した液相拡散状態で接合する場合について
説明したが、バルブシート3の上側電極24当接部にお
けるろう材層7を予め除去するという点以外は、従来の
抵抗溶接や固相拡散接合方法により接合する場合のよう
に、両金属部材間の通電に伴う発熱及び加圧により接合
する接合方法であればどのような場合でも、上記実施形
態と同様の作用効果が得られる。また、ろう材層7を予
め除去するという点に関しても、予めバルブシート3を
ろう材浴14中に浸漬して該バルブシート3の表面部に
拡散接合層5を介してろう材層7を形成しておき、この
バルブシート3とシリンダヘッド本体2とを、両金属部
材間の通電に伴う発熱及び加圧により接合する接合方法
であればどのような場合であってもよい。
する。但し、最初に上記基本形態に対応する基本例から
説明し、その後に上記実施形態に対応する実施例につい
て説明する。
すように、Al合金鋳物(JIS規格H5202に規定
されているAC4D)で試験片61を鋳造した。そし
て、この試験片61に対してT6熱処理を施した。
ィング方法、シート形状及び第1接合面部のテーパ角θ
1を異ならせて5種類のFe系バルブシートを作製した
(基本例1〜5)。
法の欄における「Friction」とは、バルブシー
トの表面部に拡散接合層及びろう材層を形成する際、ろ
う材を擦りつけることによりコーティングを行う方法の
ことである。一方、「超音波」とは、上記基本形態1で
説明したように、超音波メッキによりろう材のコーティ
ングを行う方法のことである。また、シート形状の欄に
おける「薄肉」とは、図29に示すように、バルブシー
トが最終形状に近い形状をして肉厚が薄いことをいう。
一方、「厚肉」とは、図30に示すように、上記基本形
態と同様の形状をして肉厚が厚いことをいう。
(Cuを除く)が分散された粉末原料を焼結してなる焼
結材を使用した。この表2において、数値は重量%であ
り、TCとは、総炭素量(遊離炭素(黒鉛)とセメンタ
イトの炭素との合計量)のことである。そして、この各
バルブシートのCu割合は、後述の如くCu系材料を溶
浸した後の値であって、溶浸前はCuは全く含有されて
いない。
分、4.95重量%のAl成分及び0.05重量%のM
g成分(Zn−Al共晶合金)からなるものを使用し
た。
材料を溶浸し、表面にはCuメッキを施した。
記基本形態1と同様にして、接合装置により上記試験片
61に接合した。この接合時における加圧力及び電流値
は、表1に示す値に設定した。尚、電流値については、
加圧力の変化等によりバルブシート及び試験片61間の
接触抵抗が変化してバルブシートの埋め込み深さが変わ
るので、略同一埋め込み深さとなるように設定してい
る。
=0.52rad(30°)のバルブシート(表面にC
uメッキしたもの)を、加圧力及び電流値をそれぞれ2
9420N(3000kgf)及び70kAとして固相
拡散接合(圧接接合)した(従来例)。
ブシートの接合強度を測定した。すなわち、図31に示
すように、試験片61を、バルブシート62の接合した
側が下側となるように治具台63の上面に置き、このと
き、バルブシート62がその治具台63に接触しないよ
うに、治具台63の略中央部に設けた貫通孔63aの上
側に位置させる。そして、試験片61の貫通孔61aの
上側から円筒状の加圧治具64を挿入してバルブシート
62を押し、バルブシート62が試験片61から抜けた
ときの抜き荷重を測定する。この抜き荷重が接合強度に
相当する。
す。この結果、基本例1と基本例2とを比較すること
で、超音波メッキによりバルブシートの表面部に拡散接
合層及びろう材層を形成する方が、ろう材を擦りつける
ことによりコーティングを行う方法よりも接合強度が向
上することが判る。これは、試験後のバルブシートの表
面には、基本例2においては後述の如く拡散接合層が残
っていた(図35参照)のに対し、基本例1においては
ろう材層や拡散接合層の痕跡が殆ど認められなかったこ
とから、基本例1では拡散接合層が完全に形成されてい
ないためと推定することができる。
ッキした直後のバルブシート表面部の顕微鏡写真(倍率
約180倍)を図33に、また接合後におけるバルブシ
ート及び試験片61の接合面部の顕微鏡写真(倍率約3
60倍)を図34に、さらに抜き荷重測定試験後のバル
ブシート表面部の顕微鏡写真(倍率約360倍)を図3
5にそれぞれ示す。図33において、上側がバルブシー
トであり、その下側にはCuメッキ層ではなく薄い拡散
接合層を介してろう材層が形成されている。尚、バルブ
シート内部には、Cu系材料が溶浸された空孔が存在す
ることが判る。また、図34において、上側のバルブシ
ートと下側の試験片61との間には隙間がなくて拡散接
合層及び溶融反応層が明確に存在している。さらに、図
35において、バルブシートの表面部(下面部)には薄
く拡散接合層が残っていることが判る。
とにより、厚肉形状のバルブシートの方が薄肉形状より
も抜き荷重が大きくなることが判る。これは、基本例2
のものは、バルブシートの各角部等に変形が生じている
ことから、変形によって接合面部に作用する実際の加圧
力が低下したためと推定することができる。
ことにより、第1接合面部のテーパ角θ1が大きい基本
例4の方が、上記基本形態1で説明したように、酸化皮
膜破壊作用効果が優れていて、接合強度は大きくなるこ
とが判る。
と、加圧力が大きい基本例5の方が接合強度は高くなる
ことが判る。しかも、加圧力を29420N(3000
kgf)とすることで、従来例のものよりも接合強度が
格段に向上することが判る。
おけるバルブシート及び試験片61の接合面部の電子顕
微鏡写真(倍率約10000倍)を図36に示す。この
写真において、左側がバルブシート(白く見える部分を
含む)であり、右側が試験片61である。そして、その
間の灰色に見える部分が拡散接合層及び溶融反応層であ
る。この両層の厚みは約1μmであることが判る。尚、
この両層の元素を分析すると、Fe、Zn及びAlがそ
れぞれ検出された。
べるために、ろう材コーティング方法、シート形状及び
第1接合面部のテーパ角θ1を上記基本例4,5と同じ
にして加圧力を9807N(1000kgf)、147
10N(1500kgf)及び29420N(3000
kgf)にそれぞれ設定してバルブシートを試験片61
に接合し、上記最初に行った抜き荷重測定試験と同様
に、その抜き荷重を測定した。
f)のものと29420N(3000kgf)のものと
で接合後の試験片61の硬さを測定した。この硬さの測
定は、バルブシートの第1接合面部と第2接合面部との
角部(図38において接合面部からの距離=0の点)か
ら試験片61の外周側に向かってバルブシートが接合さ
れた側と反対側に約0.79rad(45°)傾いた方
向に沿って所定の距離ごとに行った。
また硬さ測定試験の結果を図38にそれぞれ示す。この
ことで、加圧力が大きいほど接合強度は高く、高加圧力
の方が試験片61の接合面部近傍の硬さが高いことが判
る。これは、高加圧力の方が接触抵抗が低くて発熱量が
小さい分、試験片61の軟化が抑制されているからであ
り、軟化が抑えられると、塑性流動が確実に行われて酸
化皮膜の破壊作用効果が高まると共に、ろう材の排出も
確実に行われるためである。
に、パルス通電を行うことによりバルブシートを試験片
61に接合した。このパルス通電の大電流値及び小電流
値はそれぞれ70kA及び0とした。また、大電流値パ
ルスの通電時間は0.5秒とし、小電流値パルスの通電
時間は0.1秒とした。さらに、大電流値パルス数は6
パルスとした。一方、比較のために、連続通電(60k
Aの電流値で2秒間通電)によりバルブシートを試験片
61に接合した。尚、加圧力はどちらも29420N
(3000kgf)とした。
合したものについて、各々、バルブシートの上下両端部
(A部)及び上下方向中央部(B部)における接合前及
び接合後の硬さ、試験片61においてバルブシートの第
1接合面部と第2接合面部との角部から該試験片61の
外周側に向かってバルブシートが接合された側と反対側
に約0.79rad(45°)傾いた方向に沿った所定
距離ごとの硬さ並びに抜き荷重を測定した。
果を図39に示す。このことで、連続通電により接合し
たものは、特に上下方向中央部(B部)の硬さが接合後
に非常に高くなるのに対し、パルス通電により接合した
ものは、徐冷により焼きが入らず、硬さが殆ど上昇して
いないことが判る。
試験の結果を図40に示す。この結果、パルス通電によ
り接合したものでは、バルブシートからの熱を受けるこ
とにより試験片61の硬さが低くなっていることが判
る。
す。以上のことから、パルス通電により、バルブシート
内部の徐冷を行って硬さが上昇するのを抑えつつ、試験
片61への放熱によりバルブシート及び試験片61の温
度差を低減して収縮量の差を小さくすることができ、し
かも、接合強度を向上させることができる。
が試験片61にどのように埋め込まれていくかを調べる
ために、加圧開始からの時間に応じてその埋め込み量y
(図42参照)を測定した。このとき、パルス通電の大
電流値は68kAとし、小電流値は0とした。また、大
電流値パルスの通電時間(H)、小電流値パルスの通電
時間(C)及び大電流値パルス数(N)は可変とし、基
本条件では、それぞれ0.5秒、0.1秒及び6パルス
とした。そして、この基本条件に対していずれか1つの
みを変えて試験を行った(変更条件については図43参
照)。
示す。このことより、最初の大電流値パルスの通電によ
り殆ど埋め込みが完了し、後の通電では埋め込みは進行
していないことが判る。また、この試験の設定条件の範
囲では、埋め込み量は殆ど変わらない。但し、大電流値
パルスの通電時間が1秒と長い場合は、他の場合よりも
最初の大電流値パルスの通電のときから埋め込み量が僅
かに大きく、パルス数が9パルスと多い場合は、途中か
ら試験片61が軟化して埋め込みが進行することが判
る。したがって、最初の大電流値パルスの通電ではバル
ブシートの埋め込みが行える条件に、また2回目以降の
大電流値パルスの通電ではバルブシート内部の徐冷及び
シリンダヘッド本体への放熱が行える条件にそれぞれ設
定すればよい。
これを29420N(3000kgf)の加圧力でパル
ス通電により試験片61に接合した。このとき、パルス
通電の大電流値は60kAとし、小電流値は0とした。
また、大電流値パルスの通電時間、小電流値パルスの通
電時間及び大電流値パルス数を、それぞれ0.5秒、
0.1秒及び4パルスとした。尚、比較のために、Cu
系材料で溶浸した焼結材からなるバルブシートを同様に
試験片61に接合した。但し、パルス通電の大電流値は
53kAとした。そして、バルブシートが焼結鍛造材の
ものと溶浸した焼結材のものとについて、試験片61に
おいてバルブシートの第1接合面部と第2接合面部との
角部から該試験片61の外周側に向かってバルブシート
が接合された側と反対側に約0.79rad(45°)
傾いた方向に沿った所定距離ごとの硬さを測定した。
溶浸した焼結材の方が試験片61内部の硬さが低いこと
が判る。これは、Cu系材料の溶浸によりバルブシート
内部の発熱が抑制されて接合面部において発熱が有効に
行われたために、試験片61が軟化したからである。し
かし、バルブシートが焼結鍛造材であっても接合は良好
に行われている。このことは、シート及び試験片61の
接合面部の顕微鏡写真(図45では倍率約50倍、図4
6では倍率約400倍)からも判る。これは、鍛造によ
りバルブシート内部の空孔が潰されて、溶浸したのと同
様の効果を有するからである。
いて説明すると、先ず、Cuが全体に略均一に分散され
たFe系粉末原料を焼結することでバルブシートを作製
した(実施例1)。また、比較のために、焼結鍛造材と
したもの(比較例1)と、非高電気伝導率元素のみから
なる粉末原料を焼結してなる焼結材にCu系材料を溶浸
したもの(比較例2〜4)とを作製した。これら実施例
及び比較例1〜4の成分割合を表3に示す。尚、比較例
2〜4のCu割合は、表2に示したものと同様に、Cu
系材料を溶浸した後の値であって、溶浸前はCuは全く
含有されていない。そして、実施例のCu割合は、比較
例2〜4の溶浸後のCu割合と略同程度としている。
バルブシートの形状を図47に示す。また、上記実施例
1と同じ成分の焼結材であって形状のみを異ならせたバ
ルブシートを作製した(実施例2)。この実施例2の形
状を図48に示す。すなわち、実施例2のバルブシート
は、図25及び図26に示したものと同様に、第1接合
面部と第2接合面部との間に第3接合面部を有してい
る。
1と同じ材料からなる試験片71を作製した。この試験
片71は、上記試験片61と同様に、貫通孔71aの上
部に面取り部71bを有し、この面取り部71bがバル
ブシートとの接合前における接合面部となる。そして、
その面取り部71bのテーパ角αは、約0.52rad
(30°)、約0.79rad(45°)、約1.04
rad(60°)及び約1.31rad(75°)の4
種類とした。
伝導率及び密度を測定した。この結果を同じく表3に示
す。このことより、実施例1のものは比較例1〜4に比
べて密度が小さいことが判る。つまり、空孔を有してい
る。一方、熱伝導率は、比較例1よりも大きくなってい
るものの、空孔の断熱作用により比較例2〜4の溶浸材
に比べると小さくなっていることが判る。
について温度による硬さの変化を調べた。この硬さ測定
試験の結果を図50に示す。この結果、実施例1のバル
ブシートの硬さは、比較例1の焼結鍛造材や比較例2〜
4の溶浸材よりも僅かに小さく、このため、接合時の加
圧力により変形し易いことが判る。
バルブシートをテーパ角αが約0.79rad(45
°)の試験片71に接合した。すなわち、予め各バルブ
シートと試験片71とを線接触させた状態で通電及び加
圧を行った。その後、それら接合したものの抜き荷重を
測定した。
す。このことより、実施例1の接合強度は、比較例2〜
4の溶浸材よりも小さくなるものの、比較例1の焼結鍛
造材と同程度を維持していることが判る。
ルブシート内部の顕微鏡写真(倍率約50倍)を図52
に示す。このことで、接合後も空孔が存在し、その断熱
作用を維持して溶浸材よりも熱引けを抑えることが可能
となる。
加圧を行った場合の効果を調べた。すなわち、実施例1
のバルブシートをテーパ角αが約0.52rad(30
°)の試験片71に接合した。このとき、バルブシート
の第1接合面部と試験片71の接合面部71aとは予め
面接触(接触面積:40〜200mm2 )させた状態と
なる。また、実施例2のバルブシートをテーパ角αが約
1.04rad(60°)の試験片71に接合した。こ
のとき、バルブシートと試験片71の接合面部71aと
は予め線接触させた状態となる。さらに、実施例2のバ
ルブシートをテーパ角αが約1.31rad(75°)
の試験片71に接合した。このとき、バルブシートの第
2接合面部と試験片71の接合面部71aとは予め面接
触(接触面積:40〜200mm2 )させた状態とな
る。
接合後の各バルブシートの上下方向略中央部(硬化層)
の硬さと、試験片71においてバルブシートの第1接合
面部と第2接合面部との角部(実施例2の場合は第3接
合面部の中央)から該試験片71の外周側に向かってバ
ルブシートが接合された側と反対側に約0.79rad
(45°)傾いた方向に沿った所定距離ごとの硬さとを
測定した。この抜き荷重測定試験の結果を図53(既に
測定した実施例1の線接触の場合も併せて示す)に、ま
たバルブシートの硬さ測定試験の結果を図54に、さら
に試験片71の硬さ測定試験の結果を図55にそれぞれ
示す。このことで、予め線接触させた状態で通電及び加
圧を行うと、接合面部での発熱量が大きくなり過ぎ、そ
の熱の一部は試験片71の内部にまで達して試験片71
を軟化させる一方、残りの熱はバルブシートの内部に達
し、通電の停止に伴う急冷によりバルブシート内部の硬
さを上昇させることが判る。これに対し、予め面接触さ
せた状態で通電及び加圧を行うと、接合面部での発熱量
が抑えられ、硬さの上昇を抑えることができると共に、
接合強度を向上させることができる。
た場合にバルブシートが接合後にどのように変形してい
るかを調べるために、接合したものを上下方向に切断し
てその断面を顕微鏡で観察した。その顕微鏡写真を図5
6に示す。また、比較のために、上記実施例2において
線接触させた場合の接合後の断面顕微鏡写真を図57に
示す。さらに、面取り部71bを有しない(貫通孔71
aが上面まで同じ径で延びている)試験片71に、上記
実施例2のバルブシートを接合した場合(つまり、この
場合も予め線接触させた状態となる)の接合後の断面顕
微鏡写真を図58に示す。これら写真の倍率はいずれも
10倍である。このことより、予め線接触させた場合に
はバルブシートの第3接合面部が内側に大きく変形して
いるのに対し、予め面接触させた場合には接合面部での
発熱量が抑えられるので、溶浸材よりも変形し易くても
バルブシートの接合面部における変形は殆どないことが
判る。尚、これらの写真より、各バルブシートの内周面
部は内側に大きく変形していることが判る。しかし、バ
ルブシートを上記実施形態のようにして位置決めしたの
で、バルブシートに割れを生じさせたり上側電極を損傷
させたりすることなく良好に位置決めを行うことができ
た。
は、金属部材の接合方法として、第1の金属部材と第2
の金属部材とを、予め接触面積が40〜200mm2 と
なるように面接触させた状態で該両金属部材間の通電に
伴う発熱及び加圧により接合するようにした。また、請
求項2の発明では、第1の金属部材と第2の金属部材と
を、該両金属部材間の通電に伴う発熱及び加圧により接
合する接合方法として、第1の金属部材において第2の
金属部材と反対側部分の電気伝導率を第2の金属部材側
部分よりも高くするようにした。したがって、これらの
発明によると、簡単な方法で熱影響による金属部材の不
具合の抑制化と両金属部材同士の接合性の向上化とを図
ることができる。
を、非高電気伝導率元素のみで構成された材料としたこ
とにより、請求項1の発明の作用効果を有効に発揮させ
ることができる。
を焼結材としたことにより、請求項1の発明の作用効果
をより一層効果的に発揮させることができる。
部材の接合面部に、該第1の金属部材及び第2の金属部
材よりも融点が低くかつ第2の金属部材との共晶組成か
らなるろう材と第1の金属部材との拡散層を介して上記
ろう材層を形成しておき、上記第1の金属部材と第2の
金属部材とを、該両金属部材間の通電に伴う上記ろう材
の融点以上の温度への発熱及び加圧により、上記ろう材
及び第2の金属部材の拡散層を形成しかつ溶融したろう
材を両金属部材の接合面部間から排出しながら、上記両
拡散層を介した液相拡散状態で接合するようにしたこと
により、両金属部材の接合強度を確実に向上させること
ができる。
をFe系材料とし、第2の金属部材をAl系材料とし、
ろう材をZn系材料としたことにより、請求項5の発明
における接合方法として最適な材料の組合せが得られ
る。
Al共晶合金としたことにより、融点が低くて取り扱い
の簡単なろう材の具体的材料が容易に得られる。
1の金属部材の表面部に超音波振動の付与によりろう材
をコーティングすることで、第1の金属部材にろう材層
及び上記ろう材と第1の金属部材との拡散層を形成する
ようにしたことにより、簡単な方法でろう材と第1の金
属部材との拡散層を確実に形成することができる。
及び第2の金属部材の接合を、第2の金属部材の接合面
部を塑性流動させて行うようにしたことにより、両金属
部材の接合強度のさらなる向上化を図ることができる。
された接合金属部材としてのエンジンのシリンダヘッド
の要部を示す断面図である。
態を模式的に示す断面図である。
る。
順を示す説明図である。
程を模式的に示す説明図である。
動の付与によりろう材をコーティングしている状態を示
す説明図である。
は上側電極の下面図である。
ートである。
る。
化を示すグラフである。
る。
る状態を示す断面図である。
る。
膨張を抑えるようにしている状態を示す断面図である。
である。
ト及びシリンダヘッド本体を接合している状態を示す要
部断面図である。
ジンのピストンを示す断面図である。
ジンのシリンダブロックの要部を示す断面図である。
ヘッド本体を接合している状態を示す要部断面図であ
る。
ド本体の接合面部とを面接触させている状態を示す図2
3相当図である。
ド本体の接合面部とを面接触させている状態を示す図2
3相当図である。
接合面部とシリンダヘッド本体の接合面部とを面接触さ
せている状態を示す図23相当図である。
である。
ある。
る。
る。
ある。
いて抜き荷重測定試験の結果を示すグラフである。
の状態を示す顕微鏡写真である。
接合状態を示す顕微鏡写真である。
状態を示す顕微鏡写真である。
接合状態を示す顕微鏡写真である。
フである。
化を示すグラフである。
トの接合前後の硬さの変化を示すグラフである。
合面部からの距離による硬さの変化を示すグラフであ
る。
定試験の結果を示すグラフである。
示す説明図である。
を示すグラフである。
焼結材のものとにおいて試験片の接合面部からの距離に
よる硬さの変化を示すグラフである。
の接合状態を示す顕微鏡写真である。
の接合状態をさらに拡大して示す顕微鏡写真である。
る。
る。
部断面図である。
トにおける温度と硬さとの関係を示すグラフである。
おいて抜き荷重測定試験の結果を示すグラフである。
部状態を示す顕微鏡写真である。
させた場合の抜き荷重測定試験の結果を示すグラフであ
る。
させた場合のバルブシート硬さ測定試験の結果を示すグ
ラフである。
させた場合の試験片の接合面部からの距離による硬さの
変化を示すグラフである。
触させて接合した場合の接合状態を示す顕微鏡写真であ
る。
触させて接合した場合の接合状態を示す顕微鏡写真であ
る。
験片に予め線接触させて接合した場合の接合状態を示す
顕微鏡写真である。
層) 7 ろう材層 14 ろう材浴
Claims (9)
- 【請求項1】 第1の金属部材と第2の金属部材とを、
予め接触面積が40〜200mm2 となるように面接触
させた状態で該両金属部材間の通電に伴う発熱及び加圧
により接合することを特徴とする金属部材の接合方法。 - 【請求項2】 第1の金属部材と第2の金属部材とを、
該両金属部材間の通電に伴う発熱及び加圧により接合す
る接合方法であって、 上記第1の金属部材において第2の金属部材と反対側部
分の電気伝導率を第2の金属部材側部分よりも高くする
ことを特徴とする金属部材の接合方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の金属部材の接合方法にお
いて、 第1の金属部材は、非高電気伝導率元素のみで構成され
た材料であることを特徴とする金属部材の接合方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の金属部材の接合方法にお
いて、 第1の金属部材は焼結材であることを特徴とする金属部
材の接合方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の金属部
材の接合方法において、 予め第1の金属部材の接合面部に、該第1の金属部材及
び第2の金属部材よりも融点が低くかつ第2の金属部材
との共晶組成からなるろう材と第1の金属部材との拡散
層を介して上記ろう材層を形成しておき、 上記第1の金属部材と第2の金属部材とを、該両金属部
材間の通電に伴う上記ろう材の融点以上の温度への発熱
及び加圧により、上記ろう材及び第2の金属部材の拡散
層を形成しかつ溶融したろう材を両金属部材の接合面部
間から排出しながら、上記両拡散層を介した液相拡散状
態で接合することを特徴とする金属部材の接合方法。 - 【請求項6】 請求項5記載の金属部材の接合方法にお
いて、 第1の金属部材は、Fe系材料からなり、 第2の金属部材は、Al系材料からなり、 ろう材は、Zn系材料からなることを特徴とする金属部
材の接合方法。 - 【請求項7】 請求項5又は6記載の金属部材の接合方
法において、 ろう材は、Zn−Al共晶合金からなることを特徴とす
る金属部材の接合方法。 - 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載の金属部
材の接合方法において、 ろう材浴中の第1の金属部材の表面部に超音波振動の付
与によりろう材をコーティングすることで、第1の金属
部材にろう材層及び上記ろう材と第1の金属部材との拡
散層を形成することを特徴とする金属部材の接合方法。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の金属部
材の接合方法において、 第1の金属部材及び第2の金属部材の接合は、第2の金
属部材の接合面部を塑性流動させて行うことを特徴とす
る金属部材の接合方法。
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---|---|---|---|
JP10577998A JP3752831B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 金属部材の接合方法 |
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JPH11285843A true JPH11285843A (ja) | 1999-10-19 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111089004A (zh) * | 2018-10-24 | 2020-05-01 | 马勒国际有限公司 | 在内燃机的气缸盖上安装气门座环的方法 |
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1998
- 1998-03-31 JP JP10577998A patent/JP3752831B2/ja not_active Expired - Fee Related
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