JPH11285347A - 製菓または製パン用油脂の製造方法 - Google Patents

製菓または製パン用油脂の製造方法

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JPH11285347A
JPH11285347A JP10107026A JP10702698A JPH11285347A JP H11285347 A JPH11285347 A JP H11285347A JP 10107026 A JP10107026 A JP 10107026A JP 10702698 A JP10702698 A JP 10702698A JP H11285347 A JPH11285347 A JP H11285347A
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JP
Japan
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oils
wheat protein
fats
bread
shortening
Prior art date
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Pending
Application number
JP10107026A
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English (en)
Inventor
Mizuo Yajima
瑞夫 矢嶋
Ryota Katahira
亮太 片平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asama Chemical Co Ltd
Original Assignee
Asama Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製菓または製パン性に影響を与えることがな
く、老化抑制効果に優れた吸水速度の早い小麦蛋白質粉
末の利用方法を提供する 【解決手段】 グリアジンやグルテンなどの小麦蛋白質
粉末をショートニングやマーガリン等の油脂にその乾燥
基準で1〜40重量%添加し、これを製菓または製パン
用油脂として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は小麦蛋白質を含有す
る製菓または製パン用油脂の製造方法および該油脂を含
有する菓子またパン類に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、製パンにおいては蛋白質の増強の
目的で小麦蛋白質を添加することが広く行われている。
その場合、小麦蛋白質粉末を小麦粉に添加混合するのが
常法である。
【0003】一方、小麦蛋白質の粉末化方法において噴
霧乾燥などの乾燥方法で作られた小麦蛋白質粉末は吸水
速度の速い粉末となる。吸水速度の速い小麦蛋白質は水
和が強く、パンの老化抑制機能に優れている。
【0004】しかし、吸水速度の速い小麦蛋白質粉末
は、加水後、直ちにドウを形成する性質を持っており、
低加水(対粉当たり20〜40%)で瞬間にドウ形成を
させる製麺においては問題ないが、高加水(対粉当たり
50〜70%)でドウ形成に時間をかける製パンなどに
おいては小麦粉より早い吸水性は小麦粉のドウ形成阻害
を起こすなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明において
は、製菓または製パン性に影響を与えることのない吸水
速度の早い小麦蛋白質粉末の利用方法を提供することを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、小麦蛋白質粉末を油
脂に練り混むことにより、水和時間を遅延させドウ形成
阻害を起こすことなく、小麦蛋白質の機能を発揮させる
ことができることを見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は油脂に対し小麦蛋白質
を乾燥基準で1〜40重量%混捏することを特徴とする
製菓または製パン用油脂の製造方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いる小麦蛋白質の種類
には限定されない。例えば、小麦蛋白質にはグルテン、
グルテンを形成している成分のグリアジン、グルテニ
ン、水溶性蛋白質であるアルブミン、グロブリン、これ
ら蛋白質の加水分解物などを挙げることができる。好ま
しくはグリアジンを主成分とする小麦蛋白質であり、乾
燥方法としては熱損傷が少なく、多孔質の粉末となる噴
霧乾燥または凍結乾燥法で作られたグルテンまたはグリ
アジンである。
【0009】また、これら小麦蛋白質の分離、抽出方法
に限定されるものではない。例えば分離、抽出方法とし
て、水や有機溶剤で分離、抽出する方法、pHによる溶
解度差で抽出分離する方法などを挙げることができる。
好ましくは水、アルコール含有水溶液、pH調整を行っ
た水溶液などを用いた方法である。
【0010】本発明で製造される製菓または製パン用油
脂は、油脂に対し1〜40重量%の小麦蛋白質を含有さ
せればよく、その添加方法には限定されない。例えば、
小規模では溶融した油脂に小麦蛋白質粉末を入れ、よく
攪拌した後、攪拌しながら全体を冷却する方法、大規模
には溶融した油脂に小麦蛋白質を入れよく攪拌し、イン
レーターやボデーターで練る方法である。また、ショー
トニングやマーガリンに直接小麦蛋白質粉末を練り混む
方法、液体脂に攪拌分散する方法等を挙げることができ
る。好ましくは、油脂に対し小麦蛋白質粉末5〜30重
量%を溶融した油脂に入れ攪拌しながら冷却する方法と
ショートニングなどに直接練り混む方法である。特にマ
ーガリンなど油脂中に水分を含むものにおいては直接練
り混む方法である。
【0011】本発明に用いる油脂類には限定されない。
例えば、動物油脂として、牛脂、豚脂、魚油など、植物
油脂としてヤシ油、パーム油、大豆油、菜種油、米油、
サフラワー油、コーン油、紅花油、ピーナッツ油、綿実
油、中鎖トリグリセライド、前記油脂の水素添加油脂
類、エステル基交換油脂類、前記油脂の混合油脂類、前
記油脂類に10重量%以下の乳化剤を含む油脂類、およ
びこれらの油脂類を二種以上組み合わせた油脂類などを
挙げることできる。好ましくは前記油脂類を組み合わせ
たショートニング類である。
【0012】本発明において小麦蛋白質を含有する油脂
類の製菓、製パンにおける添加方法は限定されない。例
えば、製パンにおいては通常のショートニングと同様な
添加方法、すなわち、ミキシングによりある程度の生地
ができた後に添加する方法、初期のミキシング時に粉原
料とともに入れる方法などを挙げることができる。好ま
しくは前者の方法である。
【0013】また、その添加量には限定されない。例え
ば製パンにおいてはショートニング中に10〜20重量
%の小麦蛋白質粉末を含んだ油脂を対粉当たり、5〜1
0重量%添加する。
【0014】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例中、%は特に断らないかぎり重
量基準である。
【0015】参考例1〜3 グリアジンを主成分とする小麦蛋白質粉末として上市さ
れているアサマグリアA(アサマ化成(株)製、以下グ
リアAと略記)1.7kgを市販されているパン用ショ
ートニング7.3kgを加熱溶解した中に入れ、小麦蛋
白質粉末が分離しないように攪拌しながら小型のボデー
ターで練り、グリアAを含有するショートニングを得た
(参考例1)。グリアAの代わりに噴霧乾燥グルテンを
用い同様にグルテン含有ショートニングを得た(参考例
2)。また、グリアA1kg、ショートニング9kgを
使用し同様にグリアA含有ショートニングを得た(参考
例3)。
【0016】実施例1、比較例1〜2 表1に示す配合および下記製法で山形食パンを試作し、
製パン性と老化抑制効果を調べた。但し、小麦粉、イー
ストフード、脱脂粉乳、食塩、砂糖は予め混合し、生イ
ーストは水に溶解した。比較例のショートニングは参考
例1に使用したものを使用し、グリアAは小麦粉に混合
した。
【0017】
【表1】
【0018】製法(ストレート法) ミキシング L3、H2 ショートニング添加 ミキシング L2、H7 発酵 28℃、1.5時間 分割 200g×2 ペチタイム 20分間 ホイロ 38℃、90%、50分間 焼成 200℃、30分間
【0019】製パン試験の結果を表2に示す。表2から
わかるように実施例1のパンは生地がだれることもな
く、ボリュームもあり、製パン性および老化抑制効果に
も優れたものであった。
【0020】
【表2】
【0021】但し、12時間後の加重はパンのクラム層
を2.5cm厚さに切り、直径2.5cmの円形板のプ
ランジャーを5cm/分の速度で1cm押し込むのに必
要な重量をレオメーターを用いて測定した。
【0022】実施例2、比較例3〜4 下記の条件で山形食パンを試作し、製パン性と老化抑制
効果を見た。但し、小麦粉、イーストフード、脱脂粉
乳、食塩、砂糖は予め混合し、生イーストは水に溶解し
た。また、比較例のショートニングは参考例1に使用し
たものを使用し、グリアAは小麦粉に混合した。
【0023】
【表3】
【0024】製法(ストレート法) ミキシング L3、H2 ショートニング添加 ミキシング L2、H7 発酵 28℃、1.5時間 分割 200g×2 ペチタイム 20分間 ホイロ 38℃、90%、50分間 焼成 200℃、30分間
【0025】製パン試験の結果を表4に示す。結果から
わかるように実施例のパンは生地がだれることもなく、
ボリュームもあり製パン性および老化抑制効果にも優れ
たものであった。
【0026】
【表4】 但し、12時間後の加重の測定は実施例1と同様に行っ
た。
【0027】実施例3、比較例5 下記条件で山形パン食パンを試作し、ショートニングの
混捏性を検討するとともに製パン性をみた。但し、小麦
粉、イーストフード、脱脂粉乳、食塩、砂糖は予め混合
し、生イーストは水に溶解した。また、比較例5のショ
ートニングは参考例1に使用したものを使用し、グリア
Aは小麦粉に混合した。
【0028】
【表5】
【0029】製法(ストレート法) ミキシング L3、H2 ショートニング添加 ミキシング Lミキシング時間測定、H7 発酵 28℃、1.6時間 分割 200g×2 ペチタイム 20分間 ホイロ 38℃、90%、50分間 焼成 200℃、30分間
【0030】製パン試験の結果を表6に示す。結果から
わかるように実施例のパンはショートニングの混捏性が
よく、ボリュームもあり、製パン性に優れたものであっ
た。
【0031】
【表6】
【0032】
【発明の効果】本発明の油脂は小麦蛋白質を含有するこ
とにより、小麦蛋白質の水和を遅延させ、製パン性に優
れ、パンや菓子の老化抑制機能に優れている。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂に対し小麦蛋白質を乾燥基準で1〜
    40重量%混捏することを特徴とする製菓または製パン
    用油脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 小麦蛋白質が小麦粉より抽出分離された
    グリアジンを乾燥基準で40重量%以上含む小麦蛋白質
    粉末からなる請求項1記載の製菓または製パン用油脂の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 油脂がショートニング、マーガリンであ
    る請求項1または2記載の製菓または製パン用油脂の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3項のいずれか1項記載の製
    菓または製パン用油脂を含有する菓子またはパン類。
JP10107026A 1998-04-02 1998-04-02 製菓または製パン用油脂の製造方法 Pending JPH11285347A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101990919A (zh) * 2009-08-05 2011-03-30 麒麟协和食品株式会社 面包生坯改良剂

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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