JPH11283563A - 蛍光ランプ、照明器具および蛍光ランプの製造方法 - Google Patents

蛍光ランプ、照明器具および蛍光ランプの製造方法

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JPH11283563A
JPH11283563A JP8210598A JP8210598A JPH11283563A JP H11283563 A JPH11283563 A JP H11283563A JP 8210598 A JP8210598 A JP 8210598A JP 8210598 A JP8210598 A JP 8210598A JP H11283563 A JPH11283563 A JP H11283563A
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和久 尾岸
Keiji Hatakeyama
圭司 畠山
Shoji Naoki
庄司 直木
Hitoshi Kono
仁志 河野
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒膜形成部の境界が現れることのない外
観に優れた光触媒膜付きの蛍光ランプおよび蛍光ランプ
の製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 蛍光ランプは、内面に蛍光体層7が形成
され、両端に電極4が封装された管状バルブ1と;この
バルブ1端部に取付けられた口金9と;バルブ外面およ
び口金9に覆われるバルブ部位に形成された光触媒膜6
と;を具備している。こ蛍光ランプによれば、外方に露
出するバルブ外面全領域にわたって光触媒膜が形成され
るので、非形成部との境界が現れることがなく、ランプ
点灯時の外観が損なわれるおそれがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光触媒膜が外面に形
成された蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光ランプ外面に酸化チタン等の光触媒
膜を形成した光触媒膜付蛍光ランプは、特許第2545
727号公報に記載されているように蛍光ランプから発
する光に含まれる近紫外線を受けた光触媒活性により、
表面に付着した有機化合物を分解するため、点灯中にラ
ンプ表面に汚れが付着しにくく、また空気中の臭いのも
とを分解するため消臭の効果がある。
【0003】蛍光ランプは、通常、蛍光ランプ外に紫外
線が放射されるのを極力防止するように構成されている
が、水銀の輝線である365nmなどの近紫外線がわず
かながら放射されている。
【0004】一般的に、蛍光ランプから放射される近紫
外線は、放電路が形成される両電極間が放射量が多く、
電極から口金側に近くなるにしたがい放射量が少なくな
る。
【0005】光触媒膜はこの近紫外線が照射されること
によって活性化され、酸化、分解力を示すようになるの
で、近紫外線の放射量が比較的少ないランプ部位に形成
された光触媒膜は活性度が低くなる。
【0006】したがって、光触媒膜は紫外線放射量の少
ないバルブ両端部まで形成する必要はなく、従来の光触
媒膜付き蛍光ランプは、口金が配設されるバルブ端部か
ら一定領域を残すように光触媒膜を形成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光触媒膜は
可視光線を多少吸収するとともに、バルブとの屈折率差
により光干渉作用を起こすため、蛍光ランプの点灯時に
おける光触媒膜の外面と光触媒膜が形成されていないバ
ルブ外面とでは外観上の輝度または光色に若干の差が生
じる。
【0008】したがって、従来の光触媒膜付き蛍光ラン
プのように、バルブ端部から一定領域を残して光触媒膜
を形成すると、バルブ端部に光触媒膜形成部と非形成部
との境界がはっきりと現れてしまうことがあり、外観上
好ましくない。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、光触媒膜形成部の境界が現れることのない外観
に優れた光触媒膜付きの蛍光ランプ、この蛍光ランプを
使用した照明器具および蛍光ランプの製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を達成するための手段】請求項1の蛍光ランプ
は、内面に蛍光体層が形成され、両端に電極が封装され
た管状バルブと;このバルブ端部に取付けられた口金
と;バルブ外面および口金の周側面に形成された光触媒
膜と;を具備していることを特徴とする。
【0011】請求項2の蛍光ランプは、内面に蛍光体層
が形成され、両端に電極が封装された管状バルブと;こ
のバルブ端部に取付けられた口金と;バルブ外面および
口金に覆われるバルブ部位に形成された光触媒膜と;を
具備していることを特徴とする。
【0012】上記各請求項および以下の請求項におい
て、特に限定していない限り用語の定義は以下の説明に
よる。
【0013】バルブはソーダライムガラス、鉛ガラスな
どが用いられるが透光性であればセラミックスなどであ
ってもよい。
【0014】蛍光ランプは直管状の他、環形、屈曲形な
ど、端部に口金が取り付けられるものが適用可能であ
る。
【0015】電極は、熱陰極、冷陰極などであるが、放
電を生起するものであれば、バルブ外面に取付けられる
電界発生形電極や誘導コイルなどの外部電極であっても
よい。
【0016】蛍光体は、3波長発光形蛍光体やカルシウ
ムハロ燐酸塩蛍光体のような白色蛍光体であるが、近紫
外線を発生する蛍光体であってもよい。
【0017】口金は、これら蛍光ランプの形態に対応し
て、適切な任意の構造が採られ、またその素材も、金属
系やたとえばPBT(ポリブチレンテレフタレート)な
どのプラスチック類やであってもよい。
【0018】光触媒膜は、酸化チタン(TiO2)が光
触媒効果、製造コストの観点から最適であるが、膜状に
形成したときに透光性を有するものであれば、たとえば
WO3,LaRhO3.FeTiO3,Fe2O3,CdF
e2O4,SrTiO3,CdSe,GaAs,GaP,R
uO2などの光触媒作用を有する化合物の微粒子、もし
くは2種以上の微粒子混合系であってもよい。
【0019】光触媒膜は、TiO2およびSiO2などの
バインダー成分で形成されるが、TiO2のみを主成分
として形成されていてもよい。光触媒膜の膜厚は、アル
コレート膜形の場合は0.0l〜1μm程度、微粒子膜
形の場合は平均粒径0.007〜0.05μm程度の微
粒子を素材とすることが好ましい。
【0020】請求項1または2の蛍光ランプによれば、外
方に露出するバルブ外面全領域にわたって光触媒膜が形
成されるので、非形成部との境界が現れることがなく、
ランプ点灯時の外観が損なわれるおそれがない。
【0021】請求項3の照明器具は、器具本体と:前記
器具本体に着脱自在に装着された請求項1または2記載
の蛍光ランプと:を具備していることを特徴とする。
【0022】照明器具は、室内用の天井直付形または吊
下げ形の器具や、屋外用の照明器具などが挙げられる。
【0023】請求項4の蛍光ランプの製造方法は、管状
バルブの両端に口金が取り付けられる前に光触媒膜をバ
ルブ外面に塗布し、その後管状バルブの両端に口金を取
付けることを特徴とする。
【0024】口金は、光触媒膜形成後に、フェノール樹
脂溶液に石粉など添加配合して調製したセメント系の接
着剤でバルブ端部に固着される。この接着剤は、光触媒
膜に酸化、分解されないように有機系材料の混合量が少
ない構成であればセメント系の接着剤に限定されず、周
知のものが適用可能である。
【0025】請求項4の蛍光ランプの製造方法によれ
ば、口金が取り付けられる前に光触媒膜をバルブ外面に
塗布するので、口金近傍に発生しやすい液溜りによる塗
りむらが発生することがなく、バルブ外面に均一に光触
媒膜を形成することが可能となる。
【0026】請求項5は、請求項4の蛍光ランプの製造
方法において、光触媒膜は、口金が取り付けられる前の
蛍光ランプの長手方向を鉛直に保持してコーティング剤
を上方より流して塗布することにより光触媒膜を形成す
ることを特徴とする。
【0027】請求項5は、請求項4の蛍光ランプの製造
方法の作用に加え、容易な方法でバルブ外面全領域にわ
たって均一な光触媒膜を形成することが可能となる。
【0028】請求項6の蛍光ランプの製造方法は、管状
バルブの両端に口金が取り付けられた蛍光ランプの長手
方向を鉛直に保持してことにより口金の周側面を含めて
光触媒膜を形成することを特徴とする。
【0029】バルブに光触媒膜を形成してから口金を取
付ける工程では、光触媒膜を塗布した後、膜が乾燥する
まで口金を取付ける工程に移れず、製造が煩雑となるこ
とも考えられる。
【0030】請求項6の蛍光ランプの製造方法によれ
ば、口金の周側面を含めて光触媒膜を形成するようにコ
ーティング剤を蛍光ランプの上方より流して塗布するよ
うにしたので、乾燥工程を製造の最終段階にすることが
でき、効率よく蛍光ランプを製造することができる。
【0031】請求項7は、請求項6の蛍光ランプの製造
方法において、口金ピンに光触媒膜のコーティング剤が
侵入しないように口金ピンの周囲に遮蔽体を取り付けて
から光触媒膜を塗布したことを特徴とする。
【0032】請求項7は、請求項6の蛍光ランプの製造
方法の作用に加え、容易な方法でバルブ外面および口金
の周側面に光触媒膜を形成するとともに、口金ピンに光
触媒膜が形成されることが防止され、口金ピンの電気接
触および電気絶縁の信頼性を高めることが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面を参
照して説明する。
【0034】図1は、第1の実施形態の蛍光ランプを模
式的に示す一部切欠き断面図である。
【0035】蛍光ランプは、JIS規格でFL40SS
と表示される定袷電力37Wの低圧水銀蒸気放電ランプ
であり、1は直管形をなすバルブとしての発光管であっ
て、この発光管1は、バルブ外径が28mm、管長11
98mm程度の大きさをなし、約300nm以上の紫外
線を透過するガラス、たとえばソーダライムガラスにて
形成されている。そして、この発光管1の両端部はステ
ム2,2により封止されており、これらステム2,2に
はリード線3,3が気密に貫通されている。また、リー
ド線3,3には、タングステンワイヤなどにより2重コ
イルに形成された電極手段としてのフィラメント電極
4,4が取付けられており、図示しないエミッタが塗布
されている。
【0036】さらに、発光管1の外方に露出する外面に
は光触媒膜6(図1においては破線で示す。)が形成さ
れている。ここで、光触媒膜6は、たとえばTiO2
(酸化チタン)で形成されており、主に平均粒径0.0
5〜0.2μmのアナターゼ形TiO2微粒子をおよび
SiO2微粒子(バインダー成分)で構成されている。
【0037】7は、発光管の内面に形成された蛍光体層
であり、水銀から放射された紫外線により励起されて可
視光に変換する。
【0038】蛍光体層7は、主に3波長発光形蛍光体を
主体として構成されている。3波長発光形蛍光体として
は、たとえば610nm付近にピーク波長を有する赤色
蛍光体としてY2O3:Eu、540nm付近にピーク波
長を有する緑色蛍光体としてLaPO4:Ce,Tb、
450nm付近にピーク波長を有する青色蛍光体として
(SrCaBa)5(PO4)3Cl:Euが用いられて
いる。
【0039】さらに、発光管1内には所定量の水銀とア
ルゴンガスなどの不活性ガスが封入されており、さらに
発光管1の端部には口金ピン8を突設させた口金9,9
が被着されている。そして、口金ピン8はリード線3を
介してフィラメント電極4,4に接続されている。
【0040】なお、蛍光体層7は、水銀から放射された
紫外線により励起されて300〜400nmの紫外線を
発する紫外線発光蛍光体を3波長発光形蛍光体に混合し
て構成してもよい。紫外線発光蛍光体としては、ユーロ
ピウム付活アルカリ土類金属硼酸塩、鉛付活珪酸塩、ユ
ーロピウム付活アルカリ土類金属アルミン酸塩、または
これらにハロゲンが添加された蛍光体の少なくとも1種
類以上が用いられている。ユーロピウム付活アルカリ土
額金属硼酸塩としては、たとえば368nmにピーク波
長をもつSr2B2O7:E2+が有効であり、鉛付活珪酸
塩としては370nmにピ一ク波長をもつ(Ba,S
r,Mg)3Si2O7:Eu2+や350nmにピーク波
長をもつBaSi2O5:Pb2+などが好適し、またユー
ロピウム付活アルカリ土類金属アルミン酸塩としては3
58〜360nmにピーク波長をもつものなどが有効で
ある。
【0041】図2は、第1の実施形態の蛍光ランプを模
式的に示す一部切欠き断面図である。
【0042】本実施形態の蛍光ランプは、外方に露出す
る発光管1の外面に連続して口金9で覆われる発光管1
の外面部位にも光触媒膜6が形成されている。なお、1
0は口金9を発光管1の端部に被着する接着剤であり、
フェノール樹脂溶液に石粉など添加配合して調製したセ
メントが使用されている。
【0043】次に、本実施形態の蛍光ランプの製造方法
を説明する。
【0044】図3は、本実施形態の蛍光ランプの外面に
光触媒膜を塗布する工程を説明する概念図、図4は、同
蛍光ランプの光触媒膜塗布後の口金被着工程を説明する
一部拡大断面図である。
【0045】発光管1は、放電媒体が発光管1内に封止
された後、口金9が取付けられる前に一方のアウターリ
ード線11がチャック12に把持され、その長手方向が
鉛直となるように保持される。この状態で、発光管1の
上端部にノズル13の先端を位置させ、ノズル13の先
端から光触媒膜コーティング剤を流出しながらノズル1
2を発光管1の管軸を中心として回動させる。こうし
て、光触媒膜6が口金9で覆われる部位を含んだ発光管
1の外面全体に塗布され、その後乾燥工程を経て膜形成
が完了する。なお、このコーティング剤には、TiO2
微粒子およびSiO2微粒子を酢酸ブチルアルコール−
ブチルアルコールの混合溶媒に分散させて調製した懸濁
液が使用されている。このコーティング剤に使用される
バインダー成分はSiO2微粒子に限らず、種々のもの
が適用可能である。また、混合溶媒も周知のものを用い
てもよい。
【0046】こうして、発光管1に光触媒膜6が形成さ
れた後、図4に示すように口金9が発光管1の端部に被
着される。口金9は、その開口縁内部に接着剤10が注
入されており、発光管1の端部と光触媒膜6を介して被
着されている。接着剤10は、光触媒膜6に酸化、分解
されないように有機系材料の混合量が少なく構成されて
いる。
【0047】次に、本実施形態の蛍光ランプの作用につ
いて説明する。
【0048】蛍光ランプを点灯すると電極4,4問のア
ーク放電により水銀蒸気が水銀特有のl85nmおよび
254nmの紫外線を放射し、この紫外線は蛍光体層7
を励起する。この場合、蛍光体層7の3波長発光形蛍光
体が3波長域にピーク波長を有する可視光を発する。そ
して、3波長発光形蛍光体によって発せられた可視光は
発光管1の管壁を透過し、光触媒膜6を透過して外部に
放射され、所定の可視光量が得られので、所定の明るさ
に照らすことができる。
【0049】一方、アーク放電によって水銀の輝線であ
る365nmなどの紫外線がわずかながら発光管1から
放射されるので、この紫外線は発光管1の管壁を透過
し、光触媒膜6に達する。光触媒膜6はこの紫外線を吸
収し、光触媒膜6表面が光触媒活性を生起し、周囲環境
を汚染している臭気や有機物などを、効率的に酸化、分
解するように機能する。
【0050】たとえば、臭気(アセトアルデヒド濃度1
300ppm)を有する密閉形の雰囲気下で、本実施形
態の蛍光ランプを点灯して、点灯時間とアセトアルデヒ
ド濃度の変化を測定したところ、1時間後300pp
m、24時間後5ppm程度とすぐれた光触媒機能を呈
することが確認された。
【0051】本実施形態の蛍光ランプによれば、照明用
光源として所要の可視光を発するとともに、表面に塗布
した光触媒膜6に対する紫外線発生源としても機能し、
住宅やオフィスなどの居住空間の照明および空気浄化を
単一の蛍光ランプで実現でき、快適な居住環境が得られ
る。また、蛍光ランプの外表面にほこりや、煙草のヤ
ニ、油脂成分などが堆積しても、光触媒膜6の酸化分解
作用によりこれら物質の付着を防止する。一方、蛍光ラ
ンプの規格表示などが鮮明に維持されるため、光触媒作
用による光束低下の防止、蛍光ランプの拭き洗い掃除の
不要化などと相俟ってメンテナンスも容易になる。
【0052】本実施形態の蛍光ランプによれば、外方に
露出する発光管1の外面全領域にわたって光触媒膜6が
形成されるので、光触媒膜非形成部との境界が現れるこ
とがなく、ランプ点灯時の外観が損なわれるおそれがな
い。
【0053】また、本実施形態の蛍光ランプ製造方法に
よれば、口金9が取付けられる前に光触媒膜6を発光管
1の外面に形成するので、口金9の近傍に発生しやすい
液溜りによる塗りむらが発生することがなく、発光管1
の外面に均一に光触媒膜6が形成される。
【0054】また、光触媒膜6が、口金9が取付けられ
る前にコーティング剤を上方より流して塗布するので、
容易な方法で発光管1の外面全領域にわたって均一な光
触媒膜6が形成される。
【0055】次に、第2実施形態の蛍光ランプについて
図5および図6を参照して説明する。
【0056】図5は第2実施形態の蛍光ランプの端部を
示す一部拡大側面図、図6は同蛍光ランプの光触媒膜塗
布時の口金状態を説明する一部拡大側面図である。な
お、第1実施形態と同一構成について説明を省略し、同
一構成については同一符号を用いて説明する。
【0057】本実施形態の蛍光ランプは、光触媒膜6が
発光管1の外面および口金9の周側面に形成されている
点で第1実施形態と異なる。口金9は、アルミニウムな
どの金属製で成形された中空部材であるため、口金9の
表面は光触媒作用によってほとんど影響を受けない。な
お、光触媒膜6は口金9が被着される発光管部位に形成
されないので、口金被着用の接着剤を有機系材料の混合
量が少ないものにする必要がなく、接着剤の使用できる
範囲が広がるという利点がある。
【0058】次に、本実施形態の蛍光ランプ製造方法に
ついて説明する。
【0059】蛍光ランプは、放電媒体が発光管1内に封
止されて口金9が発光管1の端部に被着された後、図3
と同様に口金9がチャックに把持されて、発光管の長手
方向が鉛直となるように保持される。その後は、第1実
施形態の製造方法と同様にして光触媒膜6が形成され
る。
【0060】なお、コーティング剤を塗布する工程にお
いて、口金ピン8にコーティング剤が塗布されないよう
にする必要がある。したがって、コーティング剤を塗布
する前に、図6に示すリング状の遮蔽体14を口金ピン
8の周囲に予め取付けておくことが望ましい。この遮蔽
体14によって、口金ピン8に光触媒膜が形成されるこ
とが防止され、口金ピン8の電気接触および電気絶縁の
信頼性を高められる。
【0061】本実施形態の蛍光ランプによれば、外方に
露出する発光管1の外面全領域にわたって光触媒膜6が
形成されるので、光触媒膜非形成部との境界が現れるこ
とがなく、ランプ点灯時の外観が損なわれない。
【0062】なお、発光管1に光触媒膜6を形成してか
ら口金9を取りつける工程では、光触媒膜6を塗布した
後、光触媒膜6が乾燥するまで口金9を取付ける工程に
移れず、製造が煩雑となることも考えられる。
【0063】本実施形態の蛍光ランプ製造方法によれ
ば、口金9の周側面を含めて光触媒膜6を形成するよう
にコーティング剤を蛍光ランプの上方より流して塗布す
るようにしたので、乾燥工程を蛍光ランプの製造工程の
最終段階にすることができ、効率よく蛍光ランプを製造
することができる。
【0064】なお、上記各実施形態では直管形蛍光ラン
プについて説明したが、環形蛍光ランプや、発光管がU
字状、ダブルU字状などの蛍光ランプであっても構わな
い。
【0065】また、照明を用途としない光源であれば、
紫外線蛍光体のみで蛍光体層を形成した蛍光ランプや発
光管内に蛍光体が形成されていない殺菌ランプのような
低圧水銀蒸気放電灯に置き換えても上記各実施形態と同
様の効果を得ることができる。
【0066】さらに、光触媒作用を奏する物質として
は、TiO2(酸化チタン)の他に、ZnO(酸化亜
鉛)CeO2(酸化セリウム)、Tb2O3(酸化テルビ
ウム)、MgO(酸化マグネシウム)、Er2O3(酸化
エルビウム)、もしくはこれらの2種類以上の混合系、
さらにはゼオライトなど混合した形態を採ってもよい。
【0067】
【発明の効果】本発明の蛍光ランプによれば、外方に露
出するバルブ外面全領域にわたって光触媒膜が形成され
るので、非形成部との境界が現れることがなく、ランプ
点灯時の外観が損なわれるおそれがない。
【0068】また、本発明の蛍光ランプの製造方法は、
口金が取り付けられる前に光触媒膜をバルブ外面に塗布
すると、口金近傍に発生しやすい液溜りによる塗りむら
が発生することがなく、バルブ外面に均一に光触媒膜を
形成することが可能となり、口金の周側面を含めて光触
媒膜を形成するようにコーティング剤を蛍光ランプの上
方より流して塗布すると、乾燥工程を製造の最終段階に
することができ、効率よく蛍光ランプを製造することが
できる。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施形態の蛍光ランプを模式的
に示す一部切欠き断面図。
【0071】
【図2】同上蛍光ランプを模式的に示す一部切欠き断面
図。
【0072】
【図3】同上蛍光ランプの外面に光触媒膜を塗布する工
程を説明する概念図。
【0073】
【図4】同上蛍光ランプの光触媒膜塗布後の口金被着工
程を説明する一部拡大断面図。
【0074】
【図5】本発明の第2実施形態の蛍光ランプの端部を示
す一部拡大側面図。
【0075】
【図6】同上蛍光ランプの光触媒膜塗布時の口金状態を
説明する一部拡大側面図。
【0076】
【符号の説明】
1…バルブ、4…電極、9…口金、6…光触媒膜、7…
蛍光体層。
フロントページの続き (72)発明者 河野 仁志 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に蛍光体層が形成され、両端に電極
    が封装された管状バルブと;このバルブ端部に取付けら
    れた口金と;バルブ外面および口金の周側面に形成され
    た光触媒膜と;を具備していることを特徴とする蛍光ラ
    ンプ。
  2. 【請求項2】 内面に蛍光体層が形成され、両端に電極
    が封装された管状バルブと;このバルブ端部に取付けら
    れた口金と;バルブ外面および口金に覆われるバルブ部
    位に形成された光触媒膜と;を具備していることを特徴
    とする蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 器具本体と:前記器具本体に着脱自在に
    装着された請求項1または2記載の蛍光ランプと:を具
    備していることを特徴とする照明器具。
  4. 【請求項4】 管状バルブの両端に口金が取り付けられ
    る前に光触媒膜をバルブ外面に塗布し、その後管状バル
    ブの両端に口金を取付けることを特徴とする蛍光ランプ
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 光触媒膜は、口金が取り付けられる前の
    蛍光ランプの長手方向を鉛直に保持してコーティング剤
    を上方より流して塗布することにより光触媒膜を形成す
    ることを特徴とする請求項4記載の蛍光ランプの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 管状バルブの両端に口金が取り付けられ
    た蛍光ランプの長手方向を鉛直に保持してコーティング
    剤を蛍光ランプの上方より流して塗布することにより口
    金の周側面を含めて光触媒膜を形成することを特徴とす
    る蛍光ランプの製造方法。
  7. 【請求項7】 口金ピンに光触媒膜のコーティング剤が
    侵入しないように口金ピンの周囲に遮蔽体を取り付けて
    から光触媒膜を塗布したことを特徴とする請求項6記載
    の蛍光ランプの製造方法。
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