JPH11281605A - ガス測定装置 - Google Patents

ガス測定装置

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JPH11281605A
JPH11281605A JP10084606A JP8460698A JPH11281605A JP H11281605 A JPH11281605 A JP H11281605A JP 10084606 A JP10084606 A JP 10084606A JP 8460698 A JP8460698 A JP 8460698A JP H11281605 A JPH11281605 A JP H11281605A
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concentration
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Hisao Onishi
久男 大西
Soichi Tabata
総一 田畑
Hajime Inoue
元 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境中(雰囲気中、大気中)や地中から発生
するガスの濃度やその発生量を測定するための消費電力
が小さく、高純度不活性ガスや水素の定期的な補給が不
要な、ガス濃度およびガス発生量を測定するガス測定装
置を得る。 【解決手段】 少なくとも、被測定ガス導入部4、導入
ガス処理部5、処理済ガスのガス濃度を検知可能なガス
センサー6aを備えたガス検知部6とを記載順に備えて
構成され、ガスセンサー6aとして、金属酸化物半導体
系ガスセンサーを備え、前記導入ガス処理部5に水分除
去手段15を備えるとともに、前記ガス検知部6よりも
上流側に校正ガスを添加する校正ガス添加手段14を備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境中に存在する
ガスや測定対象物部位から発生するガスの濃度やその発
生量を測定するガス測定技術に関する。
【0002】
【従来の技術】このようなガス濃度およびガス発生量測
定技術に関して、可燃性ガスの代表例であるメタンを例
に採って、以下に説明する。メタン濃度の測定は、今
日、例えば、シベリア地方にある湿原地帯から発生する
メタンの環境への影響が懸念されていることから、重要
なテーマである。ここで、このような発生ガスの濃度
は、従来、測定可能と考えられていた濃度よりかなり低
いため、このような濃度域に於ける障害要因を充分に考
慮する必要がある。従来、図10に示すように、湿原地
帯等の地中から発生するガスの濃度や発生量、発生速度
を測定する場合は、チャンバー法(地表面に箱91をか
ぶせ、中の空気を一定時間ごとに人手によりサンプリン
グバッグ92にサンプリングし、ガスクロマトグラフィ
ー93を使用して濃度分析し、その濃度変化から発生量
を求める方法)が用いられていきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、メタン濃度を
知るためには、分析装置の一つであるガスクロマトグラ
フィーを使用していたが、この機器は、消費電力が大き
いため大容量電源(配電線や現場発電器)が必要であ
り、高純度不活性ガスや取扱いに危険を伴う水素の補給
等の定期的な保守を必要とする。しかしながら、例え
ば、シベリア等の僻地では、このようなガスは入手困難
である。さらに、この装置を使用する場合は、作業者が
現場で作業をおこなう必要があり、現場の被測定環境を
乱すことになる。さらに、補給や観測作業に人手がかか
るため、人が容易に到達できない湿原等の観測点での長
期自動昼夜連続観測が事実上困難であり、このことが、
必要なデータを充分に収集する上で障害となっていた。
【0004】従って、本発明の目的は、環境中(雰囲気
中、大気中)や地中から発生するガスの濃度やその発生
量を測定するための消費電力が小さく、高純度不活性ガ
スや水素の定期的な補給が不要で、例えば、長期自動昼
夜連続観測が可能となる、ガス濃度およびガス発生量測
定装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、発明者らは、より簡便で消費電力の小さい測定装置
で、メタン等のガスの発生量の高精度な測定を可能にす
る装置の開発を行い、以下の発明を完成するに至った。
即ち、上記目的を達成するための本発明のガス測定装置
の特徴構成は、少なくとも、捕集された被測定ガスを導
入して吐出側へ吐出する被測定ガス導入部と、前記被測
定ガス導入部から吐出される前記被測定ガスに処理を施
す導入ガス処理部と、前記導入ガス処理部で処理された
処理済の前記被測定ガスが導入され、処理済の被測定ガ
スのガス濃度を検知可能なガスセンサーを備えたガス検
知部とを備えて構成され、前記ガスセンサーとして、金
属酸化物半導体系ガスセンサーを前記ガス検知部に備
え、前記導入ガス処理部に前記被測定ガス中の水分を除
去する水分除去手段を備えるとともに、前記ガス検知部
よりも上流側に、所定濃度の被測定ガスを一定量、校正
ガスとして添加する校正ガス添加手段を備え、前記被測
定ガス導入部から前記捕集された被測定ガスが単独で前
記ガス検知部に導かれる第1状態と、前記校正ガス添加
手段が働いて、前記校正ガスが導かれる第2状態との間
で、装置作動状態を切り換える切り換え手段を備えたこ
とにある。この装置にあっては、被測定ガス導入部は、
被測定ガスが存在する部位より被測定ガスを導入し、そ
の吐出側へ送りだし、導入ガス処理部を介して、ガス検
知部に送る。被測定ガスは、このガス検知部に備えられ
ている金属酸化物半導体系ガスセンサーにより検知さ
れ、そのガス濃度が計測される。この状態が第1状態で
ある。さらに、この装置にあっては、第2状態におい
て、校正ガス添加手段によりガス検知部に校正ガスが添
加供給される構造とされており、この状態にあっては、
校正ガスの添加量に基づいた金属酸化物半導体系ガスセ
ンサーの出力を得ることができる。従って、第2状態に
あっては、所定量の校正ガス添加に伴ったこのセンサー
の校正値を得ることができる。以下に、さらに詳細に、
本件の構成要素に関して説明していく。消費電力の抑制
や高純度不活性ガスや水素の定期的な補給を不要にする
ためには、これまで用いられてきたガスクロマトグラフ
ィーに代わり、ガス検知に金属酸化物半導体系ガスセン
サーを用いることが、有効であることが明らかになっ
た。 1 ここで、金属酸化物半導体系ガスセンサーとは、酸
化亜鉛、酸化チタン、酸化同、酸化鉄などの遷移金属酸
化物や酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化インジウ
ム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の金属
酸化物を主成分とする半導体材料から構成される感ガス
部を有し、その電気抵抗値が、検知ガスの存在や濃度に
より変化しうるものを言う。 2 このような半導体材料から構成される感ガス部は、
下記の目的で加熱して用いられる場合が多い。 a 検知ガスに対する反応性を高める。 b ガスの濃度変動に対する応答速度を高める。 c 水分等の吸着性ガスの影響を抑制する。 しかしながら、このような加熱操作を行ったとしても金
属酸化物半導体系ガスセンサーを用いる場合は、消費電
力の抑制を図ることができるとともに、校正は、基本的
には被測定ガスと同種のガスの供給ですみ、僻地等での
測定にあたり問題なく測定をおこなうことができる。従
って、環境を乱すこともない。ここで、環境中のガス成
分や地中から僅かに発生するような低濃度のガスを、従
来用いられてきたガスクロマトグラフィーと同等以上の
精度で測定するためには、1 被測定ガス中の水分を除
去する水分除去手段と、2 ガス検知部よりも上流側に
校正ガスを添加する校正ガス添加手段を備えることが有
効である。 1 水分が存在する雰囲気中では、金属酸化物半導体系
ガスセンサーの材料表面に水分子が吸着し、低濃度の検
出対象ガスの検知を阻害することになり、例えば数十p
pm以下の低濃度の検出対象ガスに対する感度が低くな
り、充分な精度での検知が困難である。また、湿度(絶
対湿度:水蒸気分圧)が変動する場合にも、その変動に
伴い、検出対象ガスに対する感度が変動する事になり、
測定精度を損なう原因となる。そこで、被測定ガス中の
水分を除去する手段を備え、ガス検知部に至るガス中の
水分を低く保つことにより、低濃度の検出対象ガスに対
する感度を安定して確保することができる。このような
被測定ガス中の水分を除去する水分除去手段としては、
下記のものが例示される。 水分選択透過膜式ガス乾燥器 例:旭硝子製エアードライヤー 水分吸着剤を用いたガス乾燥器 冷却装置を用いたガス乾燥器 例:ベルチェ素子を用いた冷却式乾燥器 2 一方、ガスセンサーの感度の変動は、その環境の変
化及び経時的な変化によって発生しやすいため、校正ガ
スを使用した校正をおこなっていることが好ましい。 このような校正ガス添加手段を添加する手段としては、
下記の構造が例示される。測定対象ガスを一定濃度を含
有する(100%の場合も含む)ガスを一定体積部に充
填し、弁の開閉等によりガス導入流路に導入する。測定
対象ガスを一定濃度を含有するガスにより、ガス検知部
内部のガスを置換する。このように、金属酸化物半導体
系ガスセンサー、水分除去手段、校正ガス添加手段の組
み合わせにより、低消費電力で、低濃度のガス検出をも
良好に行え、環境、経時的な変化に適切に対応できるガ
ス測定装置を得ることができた。
【0006】さて、上記のガス測定装置において、前記
被測定ガス導入部の上流側に、前記被測定ガス導入部の
動作により測定対象部位から発生する前記被測定ガスを
捕集する発生ガス捕集容器を備えるとともに、ガス捕集
状態にあって、前記被測定ガス導入部、前記導入ガス処
理部を介して前記被測定ガスを前記ガス検知部に導き、
前記ガスセンサーの電気抵抗変化に基づく出力の変化に
より、前記測定対象部位から発生するガスのガス発生量
もしくはガス濃度を得る構成を有することが好ましい。
この構成を採用することにより、発生する微少なガス
を、発生ガス捕集容器内に捕捉し蓄積させることによ
り、容器内の検知ガス濃度の増大速度が捕らえれ、この
発生ガス捕集容器内の検知ガス濃度の増大速度は、ガス
検知部に内蔵されているガスセンサーの電気抵抗変化に
基づく出力の変化より知ることができる。
【0007】さらに、上記の構成に加えて、前記発生ガ
ス捕集容器が、内部に発生ガス捕集空間を備えるととも
に、前記発生ガス捕集空間と測定対象物の被測定ガス発
生部を連通接続するガス捕集開口と、前記ガス捕集空間
と外気空間とを連通接続する一つ以上の開放開口とを備
え、前記開放開口に開口を閉止可能な開口蓋を備えると
ともに、前記開放開口が閉止され、前記発生ガス捕集空
間に被測定ガスが捕集される前記第1状態において、前
記金属酸化物半導体系ガスセンサーの電気抵抗変化に基
づく出力の変化より、被測定ガスのガス発生量を測定す
る構成とされていることが好ましい。この構成を採用す
る場合は、発生ガス捕集容器を地面または水面等の測定
対象部をガス捕集開口に面して覆うように設置し、開口
蓋で開放開口を閉止した状態で、地面や水面から発生す
るガスの濃度やその発生量を効率よく測定する事ができ
る。一方、測定を行わない時には、発生ガス捕集容器の
閉止可能な開放開口を開放し、外部との自由なガス交換
を許容することができる。さらに、ガス濃度の測定を行
う開口部閉止時間に対して、測定を行わない開放開口の
開放時間を十分長くとることにより、ガス捕集容器内の
ガス蓄積による濃度の上昇の影響や消費による濃度減少
の影響を最小限に抑制することができる。上記構成を採
用する場合に、発生ガス捕集容器に設けた閉止可能な開
口蓋を開閉させる機構を設け、タイマーやコンピュータ
ーにより自動的に開閉させることにより、自動測定を行
うことが可能となる。
【0008】さて、前記発生ガス捕集容器の少なくとも
一部分を光の透過を許容する材料により構成することが
好ましい。測定対象部において光合成等の光の関与する
現象を測定する場合のように、光の入射を制限すること
により、測定対象に対して、測定結果に関わるような影
響を及ぼす可能性なく測定をおこなうことができる。こ
のような構成は、容器全体を光の透過を許容する材料に
より構成したり、透明窓を備えるように構成する。ここ
で、光の透過を許容する材料としては、ガラス、アクリ
ル、その他の透過性プラスチックなどを使用できる。
【0009】さらに、前記ガス検知部よりも上流側に、
前記ガス検知部に導かれる前記被測定ガスもしくは前記
校正ガスのガス流量を制御する流量制御手段を設け、前
記ガス検知部に導かれるガス流量を一定に保つことが好
ましい。即ち、ガス検知部よりも上流側に流量制御手段
を設け、ガス検知部に導かれるガス流量(被測定ガスの
場合もあるし、校正ガスの場合もある)を一定に保つ機
構を備える。このようにすると、例えば、測定状態に於
ける環境温度が変化しても、そのガス検知部に導かれる
ガス流量を一定に保つことで、ベース抵抗値の変化を最
低限に押えることができる。即ち、後にも説明するよう
に、測定精度を高く保つことができる。 即ち、以下の理由から、上記効果を達成できる。 1 検知ガス(ガス検知部に導かれるガス)が存在しな
い状態でのセンサー抵抗値(ベース抵抗値)に基づく出
力や、検知ガスの濃度変化によるセンサー抵抗値変化に
基づく出力変化は、ガス検知部に導かれるガス流量が変
化すると、下記の要因により、影響を受け変動すること
になり、測定値の再現性や精度の面で好ましくない。 a 半導体材料から構成される感ガス部周辺の放熱抵抗
が変化するため、ガス検知部周辺の温度分布が変化す
る。 b 半導体材料から構成される感ガス部周辺のガス拡散
抵抗が変化するため、ガス検知部に到達する有効ガス濃
度が変化する。 従って、流量制御手段を設けることによって、この問題
を解消できる。ここで、流量制御手段としては、MF
C:マウスコントローラー等( 熱線式流量計+流量制御
弁を内蔵)、機械式圧力調整器とコンダクタンスバルブ
等を採用することができる。
【0010】さらに、ガス検知部に於けるガス検知状態
に関しては、検知ガスが存在しない状態でのセンサー抵
抗値(ベース抵抗値)に基づく出力や、検知ガスの濃度
変化によるセンサー抵抗値変化に基づく出力変化は、こ
のガスセンサーのガス検知温度が変動すると、その影響
を受け変動することになり、測定値の再現性や精度の面
で好ましくない。そこで、前記装置において、ガス検知
部の温度調整手段を設け、感ガス部の温度を一定に保つ
機構を備えることが、測定精度を高く保つ上で望まし
い。これは、前記装置において、ガス検知部あるいはガ
スセンサー自身にガスセンサーの温度を検出する検知温
度検出手段を設け、ガスセンサー温度を一定に保つガス
検知温度制御手段を備えて実現することができる。ここ
で、ガス検知温度制御手段は、ガス検知部あるいはガス
センサー自身を加熱するヒータと、このヒータにより温
度調整される所定部位の温度を一定にするように作動さ
せる作動機器から構成することができる。
【0011】さらにこれまで説明してきたガス測定装置
において、被測定ガスとしてのメタンのみを検知対象と
する場合には、検知部に用いられるガスセンサーとし
て、金属酸化物薄膜に触媒層(メタン以外のガスを触媒
反応により除去(例えば酸化除去)する触媒層等)を組
み合わせたものを用いることにより、共存ガスの影響の
少ない測定を行うことができる。このような触媒層を設
ける根拠は以下のような理由による。 1 温室効果原因成分としてのメタンの測定を目的とす
る場合、例えば湿地帯においてはメタン発生と同時に、
温暖化には寄与しない成分である水素や一酸化炭素など
も同時に発生している。通常の金属酸化物半導体系ガス
センサーは水素や一酸化炭素にも反応性が高いため、こ
れらの発生ガスの干渉により、そのままでは、微量なメ
タン発生量の正確な観測には使えなかった。 2 例えば、上記のような触媒層を備えた高選択性メタ
ンセンサーを用いることにより、水素や一酸化炭素等の
濃度変動の影響を受けることなく、僅かなメタン発生量
を低消費電力で簡便に精度高く連続測定することができ
る。 ここでいう高選択性メタンセンサーは、メタンに高感度
な金属酸化物薄膜(例えば、酸化スズを主成分とする半
導体薄膜)に、メタン以外の成分をカットする触媒層
(例えば、酸化スズやアルミナ、シリカ、ジルコニア等
の金属酸化物に貴金属を担持したものから構成される多
孔質層)を組み合わせることにより構成される。大気中
では酸化スズ半導体表面に酸素が吸着しており、電気抵
抗は高くなっている。ここにメタンなどの還元性ガスが
到達すると、表面の酸素と反応し電気抵抗の変化を引き
起し、この抵抗変化を検出することによりガス濃度を知
ることができる。
【0012】さらに前記装置において、複数のガス捕集
容器を用い、各ガス捕集容器からのガス導入経路のうち
ひとつ以上を選択して導入ガス処理部に至らせる経路の
切り換え機構を設けることにより、複数個所の測定対象
部からの発生ガスの濃度および発生量を測定することが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本発明の実施の形態を、ガス測定
装置1の構成、その使用状況の順に説明する。図1、図
7には、本願のガス測定装置1の構成を示した。 1 単一の発生ガス捕集容器2を備えたガス測定装置1
の構成図1に、本発明の実施の第1例の装置の構成要素
を図示する。本願のガス測定装置1は、発生ガス捕集部
3、被測定ガス導入部4、導入ガス処理部5、ガス検知
部6を備えて構成されている。以下、各部位に関して、
その構成と機能に関して説明する。説明にあたっては、
現場にて、メタン生成菌の活動によって生じる、土壌中
から発生するメタン生成量を測定しようとする状況(図
1に示す状況)にそくして説明する。
【0014】イ 発生ガス捕集部3 この発生ガス捕集部3は、土壌内に埋設され、その部位
に被測定ガス捕集開口7aを備えてステンレス製土壌埋
設枠7と、この枠体を下端に備えたアクリル製の透光製
箱8から構成される。測定対象となる土壌部位には、土
壌埋設枠7が埋設がされている。この例では40cm×
40cmの開口を有するステンレス製の土壌埋設枠7が
用いられている。これは土中埋設枠7により周辺土壌部
との物質交換を制限し、一定の測定対象面積からの発生
ガスのみの測定を行うためのものである。この上に、一
例として、内寸40cm×40cm×40cmの透光性
のアクリル製の透光性箱8が設けられている。この箱8
の上面は開放開口9として構成されており、これに開口
9を開閉択一状態とする開口蓋10が備えられ、これ
に、モーター駆動の開閉機構11が備えられている。さ
らに、容器内部上部には、上面扉閉止時に、容器内の気
体成分濃度を均等にするための攪拌用ファン12が設け
られている。従って、この箱内は、発生ガス捕集空間1
3として構成されており、その上端に開放開口9が、下
端にガス捕集開口7aが備えられている。
【0015】本願のように、屋外自然環境における、自
然発生ガスの発生状況を観測するような場合には、発生
ガス捕集容器2の設置により測定対象の自然な状況に影
響を与えることを最小限に止めたい。そのため、通常時
(測定をおこなわないとき)は、上面開口蓋10は開放
され、外部(外気)との自由なガス交換が許容される。
ガス濃度の測定を行う開口部閉止時間に対して、測定を
行わない開口部開放時間を十分長くとることにより、捕
集容器内の(1)発生ガス蓄積による気相中ガス濃度の
上昇の影響、(2)消費による濃度減少の影響、(3)
容器内の温度上昇を最小限に抑制することができる。
【0016】また、測定対象部位の生物の活動等に影響
を与えるような日光照射の阻害を最小限にするために、
当実施例では、発生ガス捕集容器2は透光性のアクリル
により構成されている。
【0017】発生ガス捕集容器2には校正ガス添加手段
14が接続されている。当実施例では、1mL(一定
量)の純メタン(一定濃度)を発生ガス捕集容器2中に
注入する機構が備えられている。ここでLはリットルを
示す。一日に一度、上面開口蓋10閉止時に、この機構
を動作させ、そのときのガス検知部6に備えられるガス
センサー出力の変化により、1mLのメタンの発生に相
当するガスセンサー出力の変化値を知ることができ、こ
の値を元に、後に記すようにメタンの発生速度を算出す
ることができる。
【0018】このガス測定装置1では、タイマー制御さ
れたモーター11aで発生ガス捕集容器2の上面開口蓋
10が一定時間自動的に閉止される。上面開口蓋閉止時
には、測定対象となる土壌部位でのメタン生成菌の活動
によりメタンガスがある速度で発生することにより、発
生ガス捕集容器内にメタンが蓄積され、その濃度が増大
する。このメタン濃度増大速度が、ガス検知部6に備え
られたガスセンサー6aからの出力信号が変化する速度
から求められ、メタンガス発生速度が自動測定、記録さ
れる。従って、この装置にあっては、被測定ガスを捕集
してその発生速度を測定する状態(第1状態)と、校正
ガスが添加される状態(第2状態)とに、切り換え操作
が行われている。この切り換えは、タイマー基準のもの
であり、データロガー22とともに備えられる切り換え
手段27の働きで、前記第1状態、第2状態の切り換え
をおこなうとともに、さらに、上面開口蓋10を閉止・
開口する切り換えも行える構成とされている。当然、こ
のような切り換え状態は、データロガー22側でモニタ
ーされており、この切り換え状態に対応した測定データ
の整理・処理がおこなわれる。
【0019】以上が、発生ガス捕集部2の構成とその働
きである。さらに本願のガス測定装置1には、先にも示
したように、僅かなメタン発生速度を十分な精度で測定
するために、以下のような構成部が設けられている。
【0020】ロ 被測定ガス導入部4 発生ガス捕集容器2に設けられた被測定ガス導入部2a
から、測定ガス導入部4に備えられたポンプ4aにより
発生ガス捕集容器内のガスが吸入され、その吐出側へ吐
出される。このポンプ4aとして、ダイヤフラムポンプ
が用いられており、被測定ガスの吸引を行うのみなら
ず、後に記す導入ガス処理部5の水分除去手段15や流
量制御手段16の動作に必要な圧力を与える機能を果た
している。
【0021】ハ 導入ガス処理部5 ポンプ4aにより加圧された被測定ガスは、熱交換管1
7により冷却され、含まれていた水分の一部分が結露す
る。結露により生じた水滴はドレイン分離器18により
被測定ガスから除去され、後に記すガス回収経路19へ
合流し、発生ガス捕集容器2に戻される。さらに、被測
定ガス中の塵等の夾雑物がフィルター20により除去さ
れ、圧力調整器21に至り、一定圧力となるように調整
される。また、この実施例の場合、水分除去手段15と
して水分選択透過膜式ガス乾燥器151が用いられる
が、この乾燥器151の除湿性能はガス圧力に依存する
ため、一定圧力に制御することが必要となる。図2に示
すように、水分選択透過膜式ガス乾燥器151には、水
蒸気選択透過機能を有するフッ素樹脂系より構成される
多数の中空糸152が備えられている。加圧された被測
定ガスは、この中空糸152内側に導かれ、流通する課
程で、中空糸壁面を水分子のみが選択的に透過し、中空
糸外側へ除去される。中空糸外側へ透過した水分を効率
よく除去するために、除去される中空糸外側の空間15
3には、除湿済みの被測定ガスがキャピラリー構造のパ
ージガス供給路154を介して減圧後、導入され、(中
空糸内側のガスの流れと向流して)流通されている。こ
のような構成により、本願の場合、導入ガス処理部5
で、水分選択透過膜式ガス乾燥器通過後の処理後被測定
ガスの露点は0℃以下に保持される。
【0022】このガスのうち一定流量部分が、流量制御
手段16によりガス検知部6に導かれる。当実施例で
は、流量制御手段16として、熱線式流量計(図外)と
流量制御弁(図外)を内蔵した質量流量制御装置(マス
フローコントローラー)161が用いられている。ここ
で、目標流量がSの場合は、その変動範囲sをs/S=
0.98〜1.02としている。一方、ガス乾燥器15
1の中空糸内側通過後の被測定ガスの大部分が、前記の
パージガス供給路154に戻され、中空糸外側流路を流
通し、ガス回収経路19を経て、ドレイン分離器18で
分離された水分を含むガスと合流し、発生ガス捕集容器
2に戻される。
【0023】ニ ガス検知部6 ガス検知部6には、アルミ製ブロック内の空間にガスセ
ンサー6aを設置したものである。ガス測定装置1の動
作状況をモニターするために、ブロック内空間に温度・
湿度測定用センサー6bが挿入されている。ブロック内
部空間に導入された被測定ガスは、ガスセンサー6aに
十分接触した後、外部へ排出される。当実施例で用いら
れるガスセンサー6aは、図3に示されるように、表面
に金属酸化物半導体部61の抵抗値を測定するための電
極62が備えられ、裏面に薄膜ヒーター63が備えられ
たアルミナ基板64表面上に、酸化スズが薄膜として形
成されている。さらに、この上にメタン以外の成分をカ
ットする触媒層65(アルミナに貴金属を担持したもの
から構成される多孔質層)を積層して構成される高選択
性メタンセンサーが用いられている。この触媒層65を
一点鎖線で示した。このガスセンサー6aは、清浄空気
中では金属酸化物半導体部61としての酸化スズ半導体
表面に酸素が吸着しており、電気抵抗は高くなってい
る。メタンガスが到達すると、表面の酸素と反応し電気
抵抗の変化を引き起こし、この抵抗変化を検出すること
によりメタン濃度もしくはその発生量を知ることができ
る。測定にあたっては、測定開始から、2分後と8分後
のセンサー出力の差を記録するものとし、この閉止後2
分後と8分後との間、6分間のセンサー出力変化から、
ガス発生量を得る。基板裏面には薄膜ヒーター63が設
けられており、このヒーター63には、ガスセンサー6
aを約400〜500℃に加熱するための電力が供給さ
れて、測定が行われている。この裏面の薄膜ヒーター6
3の材料に白金が用いられている。このヒーター63の
抵抗値を測定することにより、ガスセンサー6aの温度
を知ることができ、この温度の検出結果に従ってセンサ
ー加熱電源回路(図外)でヒーター63の抵抗値が一定
となるようにヒーター63への印加電圧を制御供給して
いる。これは、結果的に、このガスセンサーのガス検知
温度を抵抗値を介して検出することとなるとともに、こ
の検知温度を一定に制御する構成となっている。即ち、
検知温度検出手段が備えられるとともに、ガス検知温度
制御手段が備えられている。ここで、目標温度がAの場
合は、その変動範囲aをa/A=0.96〜1.04と
している。
【0024】ガスセンサー6aの金属酸化物半導体部6
1の抵抗値は、抵抗値測定器(図外)により、電圧信号
に変換され、データロガー22により記憶される。その
ほかに、温度・湿度測定用センサー6bの出力信号や、
ガス検知部6に導入されるガス流量もデータロガー22
により記憶され、測定データの解析に供されている。ガ
スセンサー6aの金属酸化物半導体部61の抵抗値は、
下記のようなさまざまな既知の抵抗測定法によって、抵
抗値測定器(図外)により測定される。 1 金属酸化物半導体部61の電極62間に一定電流を
流し、両電極62間の電位差を測定する方法 2 金属酸化物半導体部61の電極62間に一定電圧を
印加し、両電極62間を流れる電流を測定する方法 3 金属酸化物半導体部61の電極62間と直列に固定
抵抗を接続し、(金属酸化物半導体部)+(固定抵抗)
に一定電圧を印加し、金属酸化物半導体部61または固
定抵抗の両電極62間の電位差を測定する方法
【0025】2 ガス測定装置1の使用例 次に上記のガス測定装置1を使用した測定状況について
説明する。この測定例では、上記(3) で述べた、金属
酸化物半導体部61の両電極62間の電位差をセンサー
出力電圧として測定する方法による測定結果を示す。 〔測定例1〕図1中の発生ガス捕集容器2に設けられた
被測定ガス導入口2aから、0,4,8,12,16,
20ppmのメタンを含む空気を順次吸引させた場合
の、センサー出力電圧変化を図4に示す。4ppmもの
低濃度のメタンに対しても、十分な感度を有しており、
従来のガスクロマトグラフィーに匹敵する低濃度ガス検
出能力を有していることがわかる。次に、発生ガス捕集
容器2の上面開口蓋10を閉止した状態で、容器内を十
分攪拌しながらメタンガスを一定速度で注入し、容器内
のメタン濃度を一定割合で上昇させた時のセンサー出力
電圧変化を測定した。図5(イ)(ロ)に0.99pp
m/minおよび0.35ppm/minの速度でメタ
ン濃度を増加させた場合の結果を示す。何れの場合も、
メタン濃度の増大に伴い、センサー出力(メタン濃度増
大に伴い減少する)が一定の速度で減少していることが
示されている。容器内のメタン濃度の増加速度とセンサ
ー出力の低下速度の関係を図6に示す。0.1ppm/
minもの僅かな濃度上昇も、センサー出力の変化より
測定可能であることが示されている。
【0026】前記のように、当実施例では、内寸40c
m×40cm×40cmの発生ガス捕集容器2が用いら
れており、測定対象部24(測定対象土壌面)からのメ
タンの発生速度は、上面開口蓋閉止時の発生ガス捕集容
器2内のメタン濃度増大速度より容易に算出される。こ
の例の場合、例えば0.1ppm/minの濃度増大
は、1平方メートルの土壌面から1時間当り1.7mg
のメタンが発生していることに相当している。計算式は
以下のようになる。ここで、リットルはLで現す。以
下、同じ。 0.1〔ppm/min〕×10-6 〔L−CH4/L〕
/1〔ppm〕×403〔mL〕×(1/1000)
〔L/mL〕×(16/22.4)〔g−CH4/L−
CH4〕×{1/(0.4×0.4)}〔l/m2〕×6
0〔min/Hr〕×1000〔mg/g〕=1.7
〔mg−CH4/m2・Hr〕 以上のことより、発生ガス捕集容器2の上面開口蓋閉止
時の一定時間のセンサー出力の変化を測定することによ
り、測定対象部24(測定対象土壌面)からのメタンの
発生速度を知ることが出来る。
【0027】また、当実施例の場合、前記のように、一
日に一度、上面開口蓋閉止時に校正ガス添加手段14を
動作させ、そのときのセンサー出力の変化より、1mL
のメタンの発生時に相当するセンサー出力の変化値を知
り、この値と、発生ガス測定時のセンサー出力の変化値
を比較することにより、メタンの発生速度を算出するこ
とができる。この状況を、図9に則して説明する。図9
において、蓋を閉止した時点において、ガスの捕集及び
捕集に伴ったセンサー出力の変化(減少)が発生する。
通常の校正ガスを添加しない状態にあっては、出力値
は、V1 、V2 、V3’のように変化する。ここで、V1
、V2 、V3’の測定時点を、それぞれ、蓋閉止後、2
分、6分、8分とする。通常は、先にも示したように、
この2分と8分の測定値を使用して、測定結果をだす。
この場合、V3’=2V2 −V1 と書ける。これに対し
て、蓋閉止後7分時点に校正ガスを注入したとする。蓋
閉止後8分時点の出力値を、V3とする。この場合、校
正ガス注入による出力変化の寄与分は、ΔV=V3’−
3=2V2 −V1 −V3として計算される。このΔVに
は、容器内の水面(湿地帯の水表面)等による体積ファ
クターの変動や、センサの感度係数のなども含まれ、こ
れらの変動も、この校正をおこなうことにより、吸収さ
れることとなる。
【0028】校正ガスの導入を行わない通常の測定時に
は、ΔVを例えば1mLのメタンの注入に対する値であ
るとすると、以下の式により、メタンの発生速度が求め
られる。 (V3’−V1 )〔V〕/ΔV〔V/mL−CH4〕×
(16/22.4)〔mg−CH4/mL−CH4〕×1
/(8−2)〔1/min〕×60〔min/Hr〕×
{1/(0.4×0.4)}〔l/m2〕=(V3’−V
1 )/ΔV×7.14〔mg−CH4/m2・Hr〕
【0029】3 複数の発生ガス捕集容器2を備えたガ
ス測定装置100に関する例 以上、説明した実施例においては、発生ガス捕集部3に
単一の発生ガス捕集容器2を備えた装置に関して、本願
の装置構成とその測定原理について説明したが、現地で
の使用に有用である複数の発生ガス捕集容器2を備えた
装置に関して以下説明する。この装置100の構成例が
図7に示されている。この装置100にあっては、複数
(図示する例の場合は6個)の発生ガス捕集容器2を対
象とするため、発生ガス捕集容器2と被測定ガス導入部
4との間に、各発生ガス捕集容器2の択一選択をおこな
う第1ガス径路切り換え機構25が備えられている。さ
らに、ドレイン分離器18の下流側に設けられるガス回
収径路19と、第1ガス径路切り換え機構25によって
択一選択された発生ガス捕集容器2とを、複数の発生ガ
ス捕集容器2から択一して接続する第2ガス径路切り換
え機構26が備えられている。従って、この装置100
にあっては、図1に示す例に於ける単一の発生ガス捕集
容器2と同様に、複数の発生ガス捕集容器2から択一選
択された容器のみが接続され、この択一選択が順次、別
個の容器2に対して行われる。データロガー22におい
ては、第1及び第2ガス径路切り換え機構25及び26
をの作動状態に合わせて、選択された容器2を特定し
て、検知されるガス濃度、ガス発生量が、データロガー
22に記憶されるように構成されている。上記、以外の
構成は、基本的には、図1に示す装置構成と基本的には
同一であるため、説明を省略する。 〔測定例2〕以下、下記の条件で、の現場での測定状況
に関して説明する。 (A) 装置動作設定 1 図7に示すように6台の発生ガス捕集容器2を接続 a 20分毎に発生ガス捕集容器2を切り換えて測定 b 各発生ガス捕集容器2の上面開口蓋10を2時間サ
イクルで、10分間クローズ。ほかの時間は上面開口蓋
10を開放するものとする。 ここで、各発生ガス捕集容器2に関する測定サイクルに
おいては、上面開口蓋10を開放状態のままで10分間
測定し、その後、上面開口蓋10を10分間閉止して、
この閉止状態にあって、閉止後2分後と8分後のセンサ
ー出力の差を記録するものとした。そして、この閉止後
2分後と8分後との間、6分間のセンサー出力変化か
ら、ガス発生量を算出する。さらに、この発生ガス捕集
容器2のサンプル周期が終了した後(前記の10分の経
過した後)、この容器2の上面開口蓋10を開放し、次
の発生ガス捕集容器2の測定を行うものとした。このよ
うにして順次、測定対象の容器2を切り換えた場合の結
果を、図8に示した。同図においては、図8(ニ)に、
ガスセンサー6aの温度をフィードバック制御して、一
定温度に保つとともに、流量制御手段16としてのマス
フローコントローラ161により、ガス検知部に流入さ
れる流量を一定(例えば30mL/min)に制御した
場合の例を示した。同図(図8(ニ))において、横軸
は時間を示しており、縦軸はガスセンサーの出力(電気
抵抗出力)を示している。この図において、各発生ガス
捕集容器2に於ける測定サイクルは20分毎に切り換え
られているため、例えば、0〜20分までの時間帯の出
力結果が、最初に測定対象となった容器2の状態に対応
しており、出力の横軸に沿った部分が、開放状態にある
状態に、出力値が経時的に低下している傾斜部が、発生
ガスの捕集を伴った、ガス発生量及びガス濃度の測定状
態に対応している。
【0030】さて、以上が、単一の容器2に対する測定
結果であるが、図8(イ)(ロ)(ハ)の結果に関し
て、その開放状態におけるセンサー出力値が様々に変化
している。これは、本願のようなガスセンサーの温度の
フィードバック制御の実施の有無、流量制御手段として
のマスフローコントローラ161による流量制御の有無
の影響によるものである。即ち、複数の容器2に対する
測定をおこなう場合、あるいは、単一の容器2にあって
も複数回の測定をおこなう場合にあって、その測定時間
スパンが長時間に及ぶと、所謂、ガスセンサー6aのベ
ース出力の変動の影響が大きく現れる。即ち、測定状態
に於ける気温の変動が出力に影響しやすい。この問題に
関する、実験結果を、図8に基づいて説明する。図8
(イ)(ロ)(ハ)の測定状況は、図8(ニ)に示した
ものと同様である。ただし、ガスセンサー6aの温度制
御と、ガス検知部6への流量制御が異なる。以下、この
点に関してその差異を説明するとともに、その測定結果
について説明する。 検討例1(図8(イ)に示す検討結果) ガスセンサーの温度制御 :ヒーターに供給される電圧
を一定に保ち制御 流量制御:圧力調整器21による調整をおこなうととも
に、先に説明した流量制御手段部位にコンダクタンス・
バルブ(ニードル・バルブ)を設置して、流量を制御 結果:図8(イ)に示すように、各容器間でベース抵抗
にかなりの変動がみられる。この場合センサーの金属酸
化物半導体部の抵抗値は、ガスセンサーのガス検知面の
温度が変動した場合には変動する。結果、このケースで
は、ガス検知部周辺温度の変動が発生するとともに、ガ
ス検知部6へ導入されるガス流量の変動が発生いやすい
ため、変動が出やすい状況にあるものと考えられ、ベー
スラインの補正が必要である。
【0031】検討例2(図8(ロ)に示す検討結果) ガスセンサーの温度制御:本願と同様なセンサー温度に
基づくフィードバック制御 流量制御:検討例1と同様な流量制御 結果:図8(ロ)に示すように、各容器間でベース抵抗
にかなりの変動がまだ認められる。このケースでは、ガ
ス検知部へ導入されるガス流量の変動が発生いやすいた
め、変動が出やすい状況にあるものと考えられる。よっ
て、ベースラインの補正が必要である。
【0032】検討例3(図8(ハ)に示す検討結果) ガスセンサーの温度制御:検討例1と同様な温度制御 流量制御:本願と同様なマスフローコントローラー16
1による流量制御 結果:図8(ハ)に示すように、各容器間でベース抵抗
にかなりの変動がまだ認められる。このケースでは、ガ
ス検知部の温度の変動が発生いやすいため、変動が出や
すい状況にあるものと考えられる。よって、ベースライ
ンの補正が必要である。
【0033】検討例4(図8(ニ)に示す検討結果) ガスセンサーの温度制御:本願と同様なセンサー温度に
基づくフィードバック制御 流量制御:本願と同様なマスフローコントローラー16
1による流量制御 結果:図8(ニ)に示すように、各容器間でベース抵抗
に、ほとんど変化が無い。よって、好ましい測定となっ
ていることが判る。
【0034】
【発明の効果】本発明の装置を使用することにより、 1 測定環境を乱さずに長期の無人連続運転が可能とな
り、環境要因の変動とガス発生量の相関を精度高く評価
することが実現した。 2 従来のガスクロマトグラフィーを用いたシステムに
比べると、構成がシンプルになるため装置コストが大幅
に低減できる上、消費電力が低く、水素ガス等の補給を
必要としないためメンテナンスおよびランニングに伴う
コストも低減化されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願のガス発生量測定装置の構成を示す図
【図2】水分選択透過膜式ガス乾燥器の構成を示す図
【図3】ガスセンサーの構造とその基本検出原理を示す
模式図
【図4】異なった被測定ガス濃度に対するガスセンサー
の出力状況を示す図
【図5】異なった被測定ガスの発生速度に於けるガス濃
度変化とガスセンサー出力変化の関係を示す図
【図6】異なった被測定ガスの発生速度に於けるガス濃
度変化とガスセンサー出力変化の関係を示す図
【図7】複数の発生ガス捕集容器を備えた本願のガス発
生量測定装置の構成を示す図
【図8】センサー素子温度制御と流入ガス量制御を行う
場合と行わない場合とに於ける、センサー出力の変化を
比較した図
【図9】校正ガスの添加を行った場合に於ける出力の時
間的変化状況を示す図
【図10】ガスクロマトグラフィーを使用する従来例の
説明図
【符号の説明】
1 ガス測定装置 2 発生ガス捕集容器 3 発生ガス捕集部 4 被測定ガス導入部 5 導入ガス処理部 6 ガス検知部 6a ガスセンサー 9 開放開口 10 開口蓋 13 発生ガス捕集空間 14 校正ガス添加手段 15 水分除去手段 16 流量制御手段 24 測定対象部 61 半導体 65 触媒層 161 マスフローコントローラ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、捕集された被測定ガスを導
    入して吐出側へ吐出する被測定ガス導入部と、前記被測
    定ガス導入部から吐出される前記被測定ガスに処理を施
    す導入ガス処理部と、前記導入ガス処理部で処理された
    処理済の前記被測定ガスが導入され、処理済の前記被測
    定ガスのガス濃度を検知可能なガスセンサーを備えたガ
    ス検知部とを備えて構成され、 前記ガスセンサーとして、金属酸化物半導体系ガスセン
    サーを前記ガス検知部に備え、 前記導入ガス処理部に前記被測定ガスと共存する水分を
    除去する水分除去手段を備えるとともに、 前記ガス検知部よりも上流側に、所定濃度の被測定ガス
    を一定量、校正ガスとして添加する校正ガス添加手段を
    備え、 前記被測定ガス導入部から前記捕集された被測定ガスが
    単独で前記ガス検知部に導かれる第1状態と、前記校正
    ガス添加手段が働いて、前記校正ガスが導かれる第2状
    態との間で、装置作動状態を切り換える切り換え手段を
    備えたガス測定装置。
  2. 【請求項2】 前記被測定ガス導入部の上流側に、前記
    被測定ガス導入部の動作により測定対象部位から発生す
    る前記被測定ガスを捕集する発生ガス捕集容器を備え、
    ガス捕集状態にあって、前記被測定ガス導入部、前記導
    入ガス処理部を介して前記被測定ガスを前記ガス検知部
    に導き、前記金属酸化物半導体系ガスセンサーの電気抵
    抗変化に基づく出力の変化により、前記測定対象部位か
    ら発生するガスのガス発生量もしくはガス濃度を得る請
    求項1記載のガス測定装置。
  3. 【請求項3】 前記発生ガス捕集容器が、内部に発生ガ
    ス捕集空間を備えるとともに、前記発生ガス捕集空間と
    測定対象部位の被測定ガス発生部を連通接続するガス捕
    集開口と、前記ガス捕集空間と外気空間とを連通接続す
    る一つ以上の開放開口とを備え、前記開放開口に開口を
    閉止可能な開口蓋を備えるとともに、前記開放開口が閉
    止され、前記発生ガス捕集空間に被測定ガスが捕集され
    る前記第1状態において、前記金属酸化物半導体系ガス
    センサーの電気抵抗変化に基づく出力の変化より、被測
    定ガスのガス発生量を得る請求項1または2記載のガス
    測定装置。
  4. 【請求項4】 前記発生ガス捕集容器の少なくとも一部
    分を光の透過を許容する材料により構成した請求項1〜
    3のいずれか1項に記載のガス測定装置。
  5. 【請求項5】 前記ガス検知部よりも上流側に、前記ガ
    ス検知部に導かれる前記被測定ガスもしくは前記校正ガ
    スのガス流量を制御する流量制御手段を設け、前記ガス
    検知部に導かれるガス流量を一定に保つ請求項1〜4記
    載のいずれか1項に記載のガス測定装置。
  6. 【請求項6】 前記ガス検知部もしくは金属酸化物半導
    体系ガスセンサーに、前記ガスセンサーによるガス検知
    温度を検出する検知温度検出手段を備えるとともに、こ
    の検知温度検出手段による検知結果に基づいて、前記ガ
    ス検知温度を一定に制御するガス検知温度制御手段を備
    えた請求項1〜5記載のいずれか1項に記載のガス測定
    装置。
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