JPH11281572A - 生体の動態計測装置及びその計測方法 - Google Patents

生体の動態計測装置及びその計測方法

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JPH11281572A
JPH11281572A JP8102498A JP8102498A JPH11281572A JP H11281572 A JPH11281572 A JP H11281572A JP 8102498 A JP8102498 A JP 8102498A JP 8102498 A JP8102498 A JP 8102498A JP H11281572 A JPH11281572 A JP H11281572A
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light
living body
signal
measuring
light beam
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JP8102498A
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English (en)
Inventor
Chikashi Usa
史 宇佐
Debaraji Barashigamani
バラシガマニ・デバラジ
Yoshiaki Sasaki
芳彰 佐々木
Fumio Inaba
文男 稲場
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SEITAI HIKARIJOHO KENKYUSHO KK
Original Assignee
SEITAI HIKARIJOHO KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リアルタイムで生体の動態を正確に計測する
ことが困難であった。 【解決手段】 人工気象器19は測定物体17の環境状
態を設定する。測定物体17を透過した信号光SBは参
照光RBとともに偏光ビームスプリッタ23に入射され
重畳される。Pinフォトダイオード24は偏光ビーム
スプリッタ23の出力信号を検出し、FFTアナライザ
25はこの検出出力信号を短い周期で処理し、制御部2
6に供給する。制御部26はFFTアナライザ25の出
力信号を処理するとともに人工気象器19の状態を制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光ヘテロダ
イン検出法を用いた植物等の生体の時間的変化を計測す
る生体の動態計測装置及びその計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば植物の生長度合い、物質生産性、
病害に対する抵抗力等の生理的活動性の高さを「活性」
と定義した場合、光合成の能力が活性に大きく寄与して
いる。光合成を活発に行う個体は、根からの吸水(ミネ
ラルを含む)と葉からの蒸散作用が大である。したがっ
て、植物の根、茎、葉等における水の分布、移動等、植
物の生理状態の過度的、時間的変化としての動態計測
は、植物の活性の指標となる。
【0003】近年、植物計測の分野において、本願出願
人等により光ヘテロダイン検出法を用いた光イメージン
グ法が開発されている。この光イメージング法は、非破
壊、非接触により計測を行うことができるため、従来の
MRI(Magnetic ResonanceImaging syste m )やX
線CT(Computed Tomography )を用いる手法と比較し
て安全性が高く、小型で安価であるという特徴を有して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本願出願人
等は、光イメージング法を用いて植物の光CT計測を行
ってきた。この光CT計測によれば、植物の例えば茎の
断層画像を得ることができ、使用するコヒーレント光の
波長を適宜変えることにより、断面における水の分布を
計測することができる。
【0005】しかし、茎の光CT画像を得るためには、
茎の全周囲に対して所定角度毎に光を照射し、茎を透過
した光又は茎から反射された光を受光して検出し、CT
画像を得るための演算を行う必要がある。このように、
光CTはイメージングに長時間を要するため時間分解能
が数分と長く、刻一刻と変化する植物の水の動態をリア
ルタイムで計測するには適していない。また、光CT画
像は濃淡画像であるため、茎の断面内における水の分布
状態は認識できるが、定量的且つ精密な計測を行うこと
が困難である。さらに、透過型光CTは、測定対象が大
きな断面積を有する場合に適しており、葉などの薄い物
体を計測するには適していない。
【0006】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、リアルタイ
ムで生体の動態を精密に計測することが可能な生体の動
態計測装置及びその計測方法を提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の生体の動態計測
装置は、上記課題を解決するため、光ビームを発生する
光源と、前記光源から発生された光ビームを信号光と参
照光に分ける第1の半透明鏡と、前記第1の半透明鏡か
らの信号光を測定物体としての生体に照射する照射手段
と、前記第1の半透明鏡からの参照光の周波数をシフト
する周波数シフト手段と、前記周波数シフト手段により
周波数がシフトされた前記参照光と、前記測定物体から
の前記信号光とを合成し、ビート信号を含む光ビームを
生成する第2の半透明鏡と、前記第2の半透明鏡からの
光ビームをヘテロダイン検出する検出手段と、前記検出
手段の出力信号を所定の時間間隔で処理する信号処理手
段と、前記信号処理手段からの出力信号の変化より前記
測定物体の動態を計測する制御手段とを具備している。
【0008】前記制御手段により計測された測定物体の
動態に応じて、前記測定物体の環境状況を制御する環境
制御手段をさらに具備している。
【0009】前記環境制御手段は、人工気象器、潅水装
置、施肥装置、薬剤散布装置、照明装置、空調装置、大
気の組成を制御する装置のうちの少なくとも1つであ
る。
【0010】本発明の生体の動態計測方法は、生体に光
ビームを照射し、前記生体からの前記光ビームの信号強
度を光ヘテロダイン法により所定周期で検出し、この所
定周期で検出された信号強度の変化から生体の動態を計
測する。
【0011】本発明の生体の動態計測方法は、第1の環
境下における生体に光ビームを照射し、前記生体からの
前記光ビームの信号強度を光ヘテロダイン法により所定
周期で検出し、前記第1の環境と異なる第2の環境にお
ける生体に光ビームを照射し、前記生体からの前記光ビ
ームの信号強度を光ヘテロダイン法により所定周期で検
出し、この検出された信号強度と前記第1の環境下にお
いて検出された信号強度の変化から生体の動態を計測す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0013】図1において、レーザ光源11は、例えば
連続発振、単一周波数のレーザ発生装置である。このレ
ーザ光源11から発生されたレーザ光はミラー12を経
て、コリメータレンズ13に入射する。このコリメータ
レンズ13によりコリメートされたレーザ光はビームス
プッリタ(半透明鏡)14により信号光SBと参照光R
Bとに分けられる。このビームスプッリタ14からの信
号光SBは、例えば音響光学的光変調器からなる周波数
シフタ15により周波数がシフトされる。この周波数シ
フタ15からの信号光SBはミラー16により反射さ
れ、例えば植物等の生体からなる測定物体17に照射さ
れる。この測定物体17は例えばX軸、及びZ軸方向に
移動可能なステージ18に載置されており、これらステ
ージ18及び測定物体17は例えば人工気象器19内に
収容されている。この人工気象器19は図示せぬランプ
やヒータ等を有し、光強度、スペクトル、光照射時間、
温度、湿度、水環境、大気環境等の環境因子を制御しな
がら植物体を育成、維持するための装置である。
【0014】一方、前記ビームスプッリタ14により分
けられた参照光RBは、前記周波数シフタ15と同様の
構成からなる周波数シフタ20により、前記信号光SB
とは異なる遷移量だけ周波数がシフトされる。この周波
数シフタ20からの参照光RBは、ミラー21により反
射され、1/2λ板22を通過して偏光ビームスプリッ
タ23に入射される。この偏光ビームスプリッタ23に
は、前記測定物体17を透過した信号光SBが入射され
ており、この信号光SBに参照光RBが重畳される。こ
の参照光RBが重畳された信号光SBは検出器としての
例えばPinフォトダイオード24に入射される。
【0015】ところで、前記レーザ光源11から出射さ
れたレーザ光は、所定方向に偏光した偏光光であり、測
定物体17を透過した信号光SBのうち、測定物体17
の内部で散乱されずに直進した直進透過光は、その偏光
状態を維持する。一方、測定物体17内部で散乱された
後、測定物体17から出射した散乱光は偏波面が乱れて
いる。このため、前記偏光ビームスプリッタ23は、測
定物体17から出射した光のうち、直進透過光成分がP
inフォトダイオード24に入射するように、信号光の
光軸が規定されている。
【0016】また、前記1/2λ板22は、信号光SB
の偏波面を回転させる性質を有しており、偏光ビームス
プリッタ23で適当な強度の参照光RBが反射されて信
号光SBに重畳されるように、光軸が調整されている。
【0017】前記Pinフォトダイオード24では、信
号光Sbと参照光RBとが干渉して2つの周波数シフタ
15、20による信号光SBと参照光RBとの周波数遷
移量同士の差に相当する周波数成分(ビート信号成分)
を有する信号が検出される。このPinフォトダイオー
ド24の出力信号は、信号処理手段としての例えばFF
T (Fast Fourier Transform) アナライザ25に供給さ
れる。このFFTアナライザ25は、Pinフォトダイ
オード24から供給される信号の周波数成分を抽出する
とともに、対数圧縮、整流することにより前記信号の包
絡線を求める。さらに、このFFTアナライザ25は、
前記求めた包絡線をデジタルデータの変換し、制御部2
6に供給する。この制御部26は例えばパーソナルコン
ピュータにより構成され、前記FFTアナライザ25か
ら供給されるデータを解析する。さらに、制御部26
は、前記ステージ18を駆動して測定物体17の位置を
定めたり、前記人工気象器19のランプやヒータの動作
を制御し、測定物体17の環境を変化させ、リアルタイ
ムで測定物体17の動態を計測する。前記FFTアナラ
イザ25は、高速にデータを処理できるため、測定物体
17の動態を例えば数秒毎に計測することが可能であ
る。
【0018】尚、前記レーザ光源11から出射されるレ
ーザ光の波長は、植物中の水の吸収を測定するのに適し
た例えば1064nm又は1319nmが有効であり、
特に、水の動態を計測するには吸収が大きい1319n
mが有効である。また、レーザ光のビーム径は回折限界
以上の径を最低限とし、測定対象の大きさに応じて変え
ればよい。例えば葉脈の付け根付近を計測する場合であ
れば、1mm程度の直径が適当である。
【0019】また、制御部26によりレーザ光源11の
発振動作を制御するようにしてもよい。
【0020】上記構成において、人工気象器19内に測
定物体17として鉢に植えた植物を収容し、この植物の
例えば葉脈における水の動態を計測した。
【0021】(第1の計測例)図2は、本発明の第1の
計測例を示すものであり、次の条件で植物の葉脈におけ
る水の動態を計測した結果を示している。
【0022】水分…鉢土が乾燥した状態、ライトの明暗
サイクル…2時間、照度…ライト消灯時 0(lux) 、ラ
イト点灯時 10000(lux) 、温度…22℃、湿度…
60%、計測周期…1分。
【0023】図2は、葉脈の光透過性を減衰量により示
している。このため、葉脈に含まれる水分が多い場合、
レーザ光の吸収が多くなるため減衰量が多くなり、葉脈
に含まれる水分が少ない場合、レーザ光の吸収が少なく
なるため減衰量も少なくなる。図2に示す複数の点は、
各計測時に実測された信号強度であり、曲線は、例えば
連続する2点以上の移動平均を求めた線であり、直線は
実測値前記曲線の変化の傾向を近似している。
【0024】図2に示すように、ライト消灯(オフ)の
時において、検出された信号強度のレベルはほぼ一定で
あり、ライトを点灯(オン)すると同時に信号強度が大
きく減衰していることが分かる。この現象は、ライトを
点灯した際、植物体に残っている水が移動し始めたこと
に由来するものと考えられる。
【0025】(第2の計測例)図3は、本発明の第2の
計測例を示すものであり、次の条件で植物の葉脈におけ
る水の動態を計測した結果を示している。
【0026】水分…鉢土が湿った状態(計測前日に潅
水)、ライトの明暗サイクル…明期1時間、暗期2時
間、明期5時間、照度…ライト消灯時 0(lux) 、ライ
ト点灯時 10000(lux) 、温度…22℃、湿度…6
0%、計測周期…1分。
【0027】図3において、計測開始後60分にライト
を消灯すると、信号強度が徐々に上昇し、約1時間後に
プラトー(平衡)な状態に達した。その後、ライトを点
灯した際、急激な信号強度の低下が認められたが、約1
時間経過後にプラトーな状態に達した。計測に使用した
サンプルは十分に水を与えた比較的健康状態の良いもの
であるため、光のオン、オフに対する反応が早く、プラ
トーな状態に達する時間も短いと考えられる。
【0028】図4は、図2に示す第1の計測例と、図3
に示す第2の計測例の明暗サイクルが一致する部分のみ
を切り出し、重ねて示している。図4において、実線は
第1の計測例(鉢土が乾燥した状態)であり、破線は第
2の計測例(鉢土が湿った状態)である。図4より、十
分に吸水され、比較的健康状態の良い第2の計測例のサ
ンプルは、ライトの消灯及び点灯に対する反応が早く、
プラトーな状態に達する時間が短いことが分かる。
【0029】(第3の計測例)図5は、本発明の第3の
計測例を示すものであり、次の条件で植物の葉脈におけ
る水の動態を計測した結果を示している。
【0030】水分…鉢土が湿った状態(計測前日に潅
水)、ライトの明暗サイクル…90分、照度…ライト消
灯時 0(lux) 、ライト点灯時 10000(lux) 、温
度…22℃、湿度…60%、計測周期…1分。
【0031】図5において、ライトの点灯、消灯に対応
して、信号強度が変化しており、ライトの点灯、消灯に
反応して、植物体内で水が移動していることが分かる。
すなわち、ライト点灯時、植物体は根から水を吸い込む
ため、植物体内に水の量が多く、水の移動量も大きい。
これに対して、ライト消灯時は、植物体は根から水を吸
い込む働きが弱くなるため、植物体内の水の吸い上げが
少なくなると考えられる。
【0032】(第4の計測例)図6は、本発明の第4の
計測例を示すものであり、次の条件で植物の葉脈におけ
る水の動態を計測した結果を示している。
【0033】水分…0〜240分:鉢土が乾燥した状
態、計測途中240分の時点で水を与える。240〜6
00分:鉢土が湿った状態、ライトの明暗サイクル…2
時間、照度…ライト消灯時 0(lux) 、ライト点灯時
10000(lux) 、温度…22℃、湿度…60%、計測
周期…1分。
【0034】図6において、計測開始から240分まで
の鉢土が乾燥した状態においては、第1の計測例と同様
の結果となっている。計測途中240分の時点で水を与
えると、240分から300分の間ほぼプラトーな状態
にあった信号強度が、300分から360分の間で幾分
さらに減衰し、植物が水を必要としたことが認められ
た。また、ライト消灯時は、水の必要性が減るため信号
強度が上昇するというこれまでと一致した結果が得られ
た。
【0035】上記第1乃至第4の計測例より、植物体の
活性度をモニタすることが可能となる。図7(a)
(b)は、植物体の活性度をモニタするための概念図を
示している。図7(a)は、植物体が健康な状態である
ときの信号強度の変化を示し、図7(b)は、植物体に
病気や害虫等の障害が見られるときの信号強度の変化を
示している。例えば図7(a)に示すように、植物体が
健康な状態であるとき、同図にA、B、Cで示すように
個体差はあるものの、ライトの点灯、消灯に応じて信号
強度/時間の勾配が変化する。したがって、この勾配の
相違により、活性度をモニタできると考えられる。すな
わち、健康状態が良好な個体ほど勾配が急峻となる。一
方、植物体に病気や害虫等の障害がある時、図7(b)
に示すように、ライトの点灯、消灯に応じて信号強度/
時間の勾配が殆ど変化しないか、勾配が極端に緩やかと
なる傾向がある。このため、この勾配の変化をモニタす
ることにより、植物体の活性度を知ることができる。
【0036】上記実施の形態によれば、人工気象器によ
り生体に対する光環境を明期、暗期に切換え、これら光
環境において、生体に光ビームを照射し、生体を透過し
た光ビームの強度(減衰量)を光ヘテロダイン法により
所定の周期毎に検出している。したがって、異なる光環
境下における生体内の水の動態を計測することができ
る。
【0037】しかも、上記実施の形態の場合、従来のよ
うに光イメージングを行わず、Pinフォトダイオード
24の出力信号を高速に信号処理可能なFFTアナライ
サ゛25により処理している。このため、計測に要する
時間を短縮でき、計測周期を例えば数ミリ秒単位まで短
縮できる。したがって、生体の微小な変化をリアルタイ
ムで正確に計測することができ、生体の水の動態を的確
に観測することができる。
【0038】このように、上記実施の形態によれば、従
来知ることができなかった生体の僅かな過渡的、時間的
変化を精密に計測することができるため、この計測結果
に応じて、例えば植物の物質生産性を向上させるための
最適環境を設定することができる。
【0039】尚、上記実施の形態では、ミラーに16に
より反射された信号光SBを測定物体17に照射した
が、測定物体の所定の部位に光ビームを照射する手段は
これに限定されるものではない。
【0040】図8(a)(b)は、光ビーム照射手段の
他の例を示している。図8(a)は、ミラーに16によ
り反射された信号光SBを、さらに、ミラー81、82
により反射して測定物体17の所要の部位に照射し、測
定物体17を透過した信号光SBをミラー83、84に
より偏光ビームスプリッタ23に導く構成としている。
【0041】図8(b)は、ミラーに16により反射さ
れた信号光SBを光ファイバ85により測定物体17の
所要の部位に照射し、測定物体17を透過した信号光S
Bを光ファイバ86により偏光ビームスプリッタ23に
導く構成としている。
【0042】図8(a)(b)に示す構成によれば、信
号光を測定物体17の所要の部位に照射することができ
るため、測定物体の外観形状、大きさ、及び高さにかか
わらず計測を行うことができる。例えば通常は計測の対
象とはならないが、地中の根系についても計測を行うこ
とができる。
【0043】さらに、上記実施の形態では、植物の水の
動態を計測したが、これに限らず、レーザ光の波長を適
宜変更することにより、他の成分の計測も可能である。
【0044】また、上記実施の形態では、人工気象器を
用いた実験レベルにおける植物の動態計測について説明
したが、本発明は屋外、温室、植物工場等の広範囲な実
用レベルの環境下において使用することが可能であり、
前記環境制御手段としての前記人工気象器に代え、例え
ば水の供給量、供給タイミング等を制御可能な潅水装
置、肥料の供給量、供給タイミング、肥料の種類等を制
御可能な施肥装置、農薬の供給量、供給タイミング、農
薬の種類等を制御可能な薬剤散布装置、光の強度やスペ
クトル、及び照射時間等を制御可能な照明装置、温度、
湿度を調整可能な空調装置、及び大気の組成を制御する
ことが可能な装置等、環境因子をそれぞれ又は複合的に
制御するための装置の何れか1つ又は複数個を目的に応
じて組合わせて使用してもよい。屋外の自然環境を含む
これらの環境下において、刻々と変化する植物の動態を
リアルタイム且つリモートセンシングで計測し、この計
測された植物の動態に応じて、環境制御手段としての上
記各装置を制御し、潅水、施肥、薬剤散布、調光、及び
空調を行うことにより、植物が求める最適な環境を設定
でき、この最適な環境で植物を育成することが可能とな
る。
【0045】また、測定対象は一個所に限定されるもの
ではなく、例えば一個体の複数箇所、あるいは複数個体
を同時に測定することも可能である。一個体の複数箇
所、あるいは複数個体を同時に測定するためには、例え
ば図8に示すような光学系、及び検出器を複数個配置す
ることにより実施できる。このように一個体の複数箇
所、あるいは複数個体の動態を同時に測定することによ
り、一個体の各部の動態、あるいは屋外、温室、植物工
場等の広い場所における複数個体の動態を的確に計測す
ることができる。
【0046】また、上記人工気象器と潅水装置、施肥装
置、薬剤散布装置、照明装置、及び空調装置等を組合わ
せることも可能である。
【0047】さらに、前記信号処理手段は、FFTアナ
ライザに限定されるものではなく、例えばスペクトルア
ナライザや、ロックインアンプ等の高速信号処理が可能
な装置を適用することができる。
【0048】また、上記実施の形態では、信号光も周波
数シフタにより、周波数を遷移させたが、参照光の周波
数のみを周波数シフタにより遷移させる構成としてもよ
い。さらに、周波数を遷移させる以外に位相を変化させ
てもよい。
【0049】また、前記検出器は、Pinフォトダイオ
ード24に限定されるものではなく、光ビームの波長に
応じて、例えば光電子増倍管、シリコンPinフォトダ
イオード、InGaAsPinフォトダイオード、アバ
ランシェフォトダイオード、サーモパイル、二次元フォ
トマル、二次元フォトダイオードアレイ、CCD、スト
リークカメラ等を使用することができる。
【0050】また、上記実施の形態では、生体からの透
過光を検出したが、これに限定されるものではなく、生
体からの反射光、又は入射光に対して生体から90°方
向に出射する光を検出してもよい。
【0051】また、上記入射光に対して生体から90°
方向に出射する光を検出方法の一例として、上記光ヘテ
ロダイン系を構成する検出器の前段にコンフォーカル系
(共焦点系)を設ける構成が考えられる。この構成とす
ることにより、測定対象としての生体の所望の深さに焦
点を合わせることができ、所望の深さからの信号光を検
出することができる。したがって、例えば植物の道管、
師管等の目的とする部位に焦点を合わせ、この部位の水
の動態を計測することも可能である。
【0052】さらに、本発明は、植物に限定されるもの
ではなく、例えばマウス等の実験動物や人間を除く他の
生体の動態計測に適用することも可能である。この場
合、環境制御手段としては、これらの生体の動態計測に
必要な環境乃至条件を設定する装置を用いればよい。
【0053】その他、本発明は上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲で種々
変形実施可能なことは勿論である。
【0054】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
リアルタイムで生体の動態を精密に計測することが可能
な生体の動態計測装置及びその計測方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明を用いた第1の計測例を示す図。
【図3】本発明を用いた第2の計測例を示す図。
【図4】本発明を用いた第3の計測例を示す図。
【図5】本発明を用いた第4の計測例を示す図。
【図6】本発明を用いた第5の計測例を示す図。
【図7】植物体の活性度をモニタするための概念を示す
図。
【図8】本発明の他の実施の形態を示す構成図。
【符号の説明】
11…レーザ光源、 14…ビームスプリッタ、 15、20…周波数シフタ、 17…測定物体、 19…人工気象器、 23…偏光ビームスプリッタ、 24…Pinフォトダイオード、 25…FFTアナライザ、 26…制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲場 文男 山形県山形市松栄二丁目2番1号 山形県 高度技術研究開発センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを発生する光源と、 前記光源から発生された光ビームを信号光と参照光に分
    ける第1の半透明鏡と、 前記第1の半透明鏡からの信号光を測定物体としての生
    体に照射する照射手段と、 前記第1の半透明鏡からの参照光の周波数をシフトする
    周波数シフト手段と、 前記周波数シフト手段により周波数がシフトされた前記
    参照光と、前記測定物体からの前記信号光とを合成し、
    ビート信号を含む光ビームを生成する第2の半透明鏡
    と、 前記第2の半透明鏡からの光ビームをヘテロダイン検出
    する検出手段と、 前記検出手段の出力信号を所定の時間間隔で処理する信
    号処理手段と、 前記信号処理手段からの出力信号の変化より前記測定物
    体の動態を計測する制御手段とを具備することを特徴と
    する生体の動態計測装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段により計測された測定物体
    の動態に応じて、前記測定物体の環境因子を制御する環
    境制御手段をさらに具備することを特徴とする請求項1
    記載の生体の動態計測装置。
  3. 【請求項3】 前記環境制御手段は、人工気象器、潅水
    装置、施肥装置、薬剤散布装置、照明装置、空調装置、
    大気の組成を制御する装置のうちの少なくとも1つであ
    ることを特徴とする請求項2記載の生体の動態計測装
    置。
  4. 【請求項4】 生体に光ビームを照射し、前記生体から
    の前記光ビームの信号強度を光ヘテロダイン法により所
    定周期で検出し、この所定周期で検出された信号強度の
    変化から生体の動態を計測することを特徴とする生体の
    動態計測方法。
  5. 【請求項5】 第1の環境下における生体に光ビームを
    照射し、前記生体からの前記光ビームの信号強度を光ヘ
    テロダイン法により所定周期で検出し、前記第1の環境
    と異なる第2の環境における生体に光ビームを照射し、
    前記生体からの前記光ビームの信号強度を光ヘテロダイ
    ン法により所定周期で検出し、この検出された信号強度
    と前記第1の環境下において検出された信号強度の変化
    から生体の動態を計測するとを特徴とする生体の動態計
    測方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003047340A (ja) * 2001-08-08 2003-02-18 Hitachi Ltd 作物観察用模擬環境装置及び制御方法
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JP2009276292A (ja) * 2008-05-16 2009-11-26 Fujifilm Corp 液体の表面物性の異方性評価方法およびそれに用いる装置
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