JPH11281546A - 材料試験機 - Google Patents

材料試験機

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JPH11281546A
JPH11281546A JP8194298A JP8194298A JPH11281546A JP H11281546 A JPH11281546 A JP H11281546A JP 8194298 A JP8194298 A JP 8194298A JP 8194298 A JP8194298 A JP 8194298A JP H11281546 A JPH11281546 A JP H11281546A
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JP
Japan
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chucks
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JP8194298A
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English (en)
Inventor
Masaki Shiratori
正樹 白鳥
Tsutomu U
強 于
Yutaka Okumoto
裕 奥本
Toru Irisa
徹 入佐
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Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の試験環境における供試体の材料特性
を、簡単に、しかも高精度に試験することのできる簡易
で実用性の高い構成の材料試験機を提供する。 【解決手段】 定盤等からなる基台上に横方向に離間し
て所定高さの第1および第2の支持体を設けると共に、
前記基台の上面から離間して所定の空間を形成して前記
第1および第2の支持体に、互いに対向して配置されて
前記供試体の保持に供される一対のチャックをそれぞれ
取り付けてなり、前記一対のチャックの一方を該チャッ
クが対向する向きに移動させる負荷手段を用いて、前記
チャック間に保持された前記供試体に負荷を加えるよう
にした。そして上記チャックと基台との空間を利用して
温度制御ユニット等の取り付けを可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負荷を加えた供試
体における荷重と変位との関係から、該供試体の材料特
性を試験する材料試験機に係り、特に種々の環境試験を
簡易に行うに好適な材料試験機に関する。
【0002】
【関連する背景技術】材料試験片等の供試体の材料特性
を試験する材料試験機は、供試体に対して圧縮荷重や引
っ張り荷重等の負荷を加える手段と、上記負荷により前
記供試体に加えられている荷重を検出するロードセル等
の荷重検出手段と、前記負荷により供試体に生じる伸び
や縮み、或いは曲げ等の変位を検出する為の位置検出器
等からなる変位検出手段を備えて構成される。そして検
出された上記荷重と変位との関係から前記供試体の強度
や耐力等の材料特性を求める如く構成される。
【0003】具体的には前記材料試験機は、供試体が装
着される一対のチャックの一方を第1の支持体に取り付
けると共に、他方のチャックを前記第1の支持体に対し
てその対向間距離が可変される第2の支持体に取り付
け、例えば油圧シリンダ機構を用いて上記第2の支持体
を移動駆動することで、前記チャック間に装着された供
試体に負荷を加える如く構成される。そして前記チャッ
クと前記第1の支持体との間に介挿されたロードセルに
て該供試体に加えられた荷重を検出しながら、前記第2
の支持体の移動量を計測する変位計を用いて前記供試体
に加えられた変位を検出する如く構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで温度等の試験
環境を変えて供試体の材料特性を試験する場合、従来一
般的には、上述した如く構成される材料試験機本体を恒
温槽(環境試験槽)に収納してその試験環境を変えた
り、或いは材料試験機本体を設置した環境試験室の全体
を環境管理して行われる。即ち、供試体を装着した材料
試験機そのものの環境を変えて、上記供試体の試験が行
われている。
【0005】しかしながら材料試験機を含む試験環境を
変えることは相当大掛かりであり、多大な設備を必要と
する。しかも本来的には供試体に対する温度等の環境だ
けを変えれば良いにも拘わらず、材料試験機本体までが
同じ環境下に晒されることになるので、例えば材料試験
機本体の各部に熱的歪みが生じる虞がある。するとこの
熱的歪みに起因して、例えば前記第2の支持体の移動量
にずれが生じ、前述した如く計測される供試体の変位に
対する計測精度が大幅に劣化する等の不具合が生じる。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、種々の試験環境における供試体
の材料特性を、簡単に、しかも高精度に試験することの
できる簡易で実用性の高い構成の材料試験機を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明に係る材料試験機は、供試体に負荷を加えた
ときの該供試体における荷重と変位との関係から前記供
試体の材料特性を試験するものであって、特に定盤等か
らなる基台上に横方向に離間して所定高さの第1および
第2の支持体を設けると共に、前記基台の上面から離間
した空間を形成して、前記第1および第2の支持体に互
いに対向して配置されて前記供試体の保持に供される一
対のチャックをそれぞれ取り付けてなり、前記一対のチ
ャックの一方を該チャックが対向する方向に進退移動さ
せる負荷手段を用いて、前記チャック間に保持された前
記供試体に負荷を加えるようにしたことを特徴としてい
る。
【0008】また本発明の好ましい態様は、請求項2に
記載するように、前記第1の支持体を、前記第2の支持
体に対向する面内において前記チャックを位置調整自在
に設けた2軸テーブル機構を備えた構成として実現する
と共に、また請求項3に記載するように前記第2の支持
体を、前記第1の支持体に対向する向きに移動自在に設
けることで該第2の支持体に取り付けられたチャックと
一体に移動可能とし、前記負荷手段を上記第2の支持体
を移動させる駆動機構として実現することを特徴として
いる。
【0009】特に請求項4に記載するように前記第2の
支持体を、軸体に軸支されて前記駆動機構により駆動さ
れて上記軸体に沿って移動する移動テーブル上に設ける
ことを特徴としている。更には請求項5に記載するよう
に、前記一対のチャックが対向配置される前記基台上の
空間部に、該チャック間に把持された供試体を囲繞する
環境槽を設け、これによって供試体の試験環境条件を簡
単に変え得るようにしたことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係る小型の材料試験機について説明する。こ
の実施形態に係る材料試験機は、例えば電子デバイスや
電子機器等に用いられる部品のように異種材マイクロ接
合構造をなす供試体の強度やその機械的性質の評価に用
いるに好適なものであり、電気を動力源として作動する
ディスクトップ型の装置として実現される。
【0011】図1は材料試験機本体の概略構成を示す斜
視図であり、1は防振構造を有する定盤等からなる基台
である。この基台1上には、試験に供する供試体Sに対
して圧縮や引っ張り、或いは曲げ等の荷重や変位からな
る負荷を加える為の第1の支持体10と第2の支持体2
0とが、上記負荷を加える方向(X軸方向)に離間して
装着される。
【0012】ちなみに上記第1の支持体10は、前記負
荷方向(X軸方向)に対して垂直に設けられた衝立状の
2軸(Y軸およびZ軸)テーブル機構を主体とし、例え
ば前記供試体Sの一端部を保持するチャック11を前記
2軸テーブル機構に取り付けて構成される。特に上記チ
ャック11の取り付け位置は、前記基台1の上面から離
間して所定の高さHとなるように設定されている。そし
て前記チャック11は上記高さ位置Hを基準として、前
記2軸テーブル機構により前記基台1の幅方向(Y軸方
向)および上下方向(Z軸方向)にそれぞれ位置調整可
能に設けられている。
【0013】また第2の支持体20は、前記負荷方向
(X軸方向)に移動可能に設けられた移動テーブルを主
体としたもので、該移動テーブルに前記チャック11と
対をなすチャック21を取り付けて構成される。このチ
ャック21は前記チャック11と同一高さ位置Hに位置
付けられるものであって、例えば前記供試体Sの他端部
を保持すると共に、前記移動テーブルによるX軸方向へ
の移動に伴って該移動テーブルと一体に移動して前記供
試体Sに負荷を加える役割を果たす。
【0014】尚、ここでは一対のチャック11,21に
より供試体Sの両端を保持し、移動テーブル(第2の支
持体)を駆動することでチャック21のX軸方向の位置
を変位させ、これによって前記供試体Sに圧縮荷重また
は引っ張り荷重からなる負荷を加えるものとして説明す
るが、圧縮変位または引っ張り変位を負荷として加える
ことも勿論可能である。またチャック11,21の一方
に、供試体SをX軸と直交する方向(YZ面)に装着
し、上記チャック11,21の他方側に上記供試体Sに
曲げを与える治具を装着することで、前記移動テーブル
の駆動により前記供試体Sに対して直角方向から曲げ荷
重や曲げ変位を与えるようにすることも可能である。
【0015】さて前記第1の支持体10は、前記基台1
上にX軸方向に位置調整可能に取り付けられて前述した
2軸テーブル機構の台座をなすXテーブル12と、この
Xテーブル12上にY軸方向に位置調整可能に取り付け
られた衝立状のYテーブル13、およびこのYテーブル
13の垂直壁面にZ軸方向に位置調整可能に取り付けら
れて前記チャック11を支持するZテーブル14からな
る2軸テーブル機構とを備えている。そして前記チャッ
ク11は、後述するように棒状のロードセル15と、こ
のロードセル15を保持する棒状の保持部材16とを介
して前記Zテーブル14に固定支持され、前記基台1と
の間に所定の空間を形成して所定の高さ位置Hに位置付
けられている。
【0016】ちなみに前記Xテーブル12は、前記チャ
ック11,21間に装着される供試体Sの長さに応じて
前記基台1上における取り付け位置(X軸方向の位置)
が調整された後、該基台1にボルト締めにより強固に固
定される。また前記2軸テーブル機構を構成するYテー
ブル13は、前記Zテーブル14を保持する垂直壁面
と、その裏面側を支えて前記Zテーブル14に垂直に加
わる横方向荷重を受ける略三角形状のステー部(支え
部)を備えたブロック体形状を有し、前記Xテーブル1
2の上面に設けられたレールにその基部をガイドされて
Y軸方向に位置調整可能に設けられている。そしてYテ
ーブル13は、図2に示すように前記Xテーブル12の
両端に設けられた左右一対の送りねじ機構13a,13
aにより前記レールに沿って高精度に位置調整された
後、前記Xテーブル12に対してボルト締めにより強固
に固定されるものとなっている。
【0017】また前記Zテーブル14は、Yテーブル1
3の直立面(前面をなす垂直壁面)における上部両側に
設けられたガイド体13bに保持されてZ軸方向に位置
調整可能に設けられている。そしてガイド体13bの上
下端に設けられた上下一対の送りねじ機構14a,14
aにより上記ガイド体13bに沿って上下方向に高精度
に位置調整された後、前記Yテーブル13に対してボル
ト締めにより強固に固定されるものとなっている。
【0018】このようなYテーブル13およびZテーブ
ル14の位置調整は、前記一対のチャック11,12間
の軸心を高精度に位置合わせするべく行われる。尚、前
記送りねじ機構13a,13a,14a,14aは、マイ
クロメータに見られるようなラチェットストップ機構を
内蔵したシンブル(マイクロメータヘッド)の回転によ
りその軸部を進退させ、該軸部先端により前記各テーブ
ル13,14の側面を押圧することでその位置を調整す
る如く構成される。
【0019】一方、前記Zテーブル14の前面への前記
ロードセル15および保持部材16を介するチャック1
1の取り付けは次のようにしてなされている。例えば棒
状のロードセル15は、前記負荷方向(X軸方向)に対
して垂直に設けられている。このロードセル15は、物
理的にはその一端に負荷を受けて両端間を平行に変位さ
せる平行リンクを構成したもので、その変形に伴う主体
部の撓み(変形量)に応じて、上記一端に加わった荷重
を電気的に検出する如く構成されている。特にここでは
ロードセル15のY軸方向の長さを長くすることで、上
記荷重を分解能良く高精度に検出するものとなってい
る。尚、棒状のロードセル15に代えて、従来一般的な
磁歪式のものを用いることも勿論可能である。
【0020】しかして前記保持部材16は、このような
ロードセル15の軸心から離れた位置に設定された他端
側(固定端)を固定保持すると共に、該ロードセル15
の負荷が加えられる上記一端側(変位端)を前記Zテー
ブル14の軸心に一致させる役割を担うもので、ロード
セル15と略平行に配置される棒状体をなす。このよう
な保持部材16を用いて前記ロードセル15を支持し、
該ロードセル15の変位端にチャック11を取り付ける
ことで、該チャック11が前記Zテーブル14の前述し
た高さHの軸心線上に配置される。そして前記チャック
11に加わる負荷は、前記ロードセル15から保持部材
16を介して前記2軸テーブル機構(第1の支持体1
0)にて確実に、且つ強固に受け止められるようになっ
ている。
【0021】さて上述した如く構成される第1の支持体
10に対して、前記第2の支持体20は次のように構成
されている。即ち、第2の支持体20は、前述したよう
に前記基台1上に前記負荷方向(X軸方向)に移動自在
に設けられた移動テーブルを主体とし、この移動テーブ
ルに前記チャック21を取り付けて構成される。この移
動テーブルは、図3に示すように基台1上に固定され、
後述するリニアモータ機構の収納空間を形成してなる台
座22のX軸方向両端部間に、脚部23,23を介して
架設された断面矩形状の軸体24に移動自在に軸支され
たもので、これによって該移動テーブル25を負荷方向
(X軸方向)に進退移動可能に設けた構造を有する。
【0022】前記チャック21は、このような移動テー
ブル25上に略三角形状のブロック体(反力台)26を
介して、その前端垂直面に固定されることで、前記基台
1との間に所定の空間を形成する高さ位置Hに設けられ
て前記第1の支持体10に取り付けられたチャック11
に対向配置されている。そして前記チャック21は、上
記移動テーブル25の前記負荷方向(X軸方向)への移
動変位により該移動テーブル25と一体に移動されて、
前記チャック11,21間に装着された供試体Sに対し
て所定の負荷を加えるものとなっている。
【0023】尚、前記移動テーブル25は、図4にその
断面構成を示すように前記軸体24を囲繞して設けられ
た上部構造体25a、一対の側部構造体25b,25
b、および下部構造体25cからなり、その軸受部は空
気導入路27を介して軸体24との間に圧縮空気を導入
して該軸体24に非接触に軸支するエアベアリングを構
成している。特にこのエアベアリングは、前記下部構造
体25cの下面と前記台座22の上面との間にも圧縮空
気を導入することで移動テーブル25を効率的に軸支し
ている。この結果、移動テーブル25は摩擦抵抗の影響
を受けることなく前記軸体24に支持されて円滑に移動
し得るようになっている。
【0024】一方、上記移動テーブル25の駆動源に
は、ここではリニアモータ機構30が用いられている。
このリニアモータ機構30は、前記軸体24に沿って前
記台座22に配設された複数本の棒状の永久磁石31か
らなる第1の磁気機構と、コイル保持部材33に組み込
まれて前記移動テーブル25の両側部にそれぞれ取り付
けられて前記永久磁石31に対向して配置された電磁コ
イル32からなる第2の磁気機構とによって構成され
る。ちなみに前記永久磁石31は、例えばその極性を交
互に異ならせながら所定のピッチで等間隔に配設され、
且つその両極を前記台座22の幅方向(Y軸方向)の両
端にそれぞれ位置付けられている。前記電磁コイル32
は、その磁極(図示せず)を前記各永久磁石31の両端
部(極)にそれぞれ微小な間隙を隔てて対向配置されて
選択的に磁気結合する。
【0025】このように構成されたリニアモータ機構3
0は、上記電磁コイル32の駆動する位相を制御するこ
とで、前述した如く固定的に配設された永久磁石31の
N極とS極との間で吸引・反発力を発生しながら、上記
永久磁石31の配列方向に移動推力を生起し、これによ
って永久磁石31間を順に移動する。このようなリニア
モータ機構30により、前記移動テーブル25が前記軸
体24に沿ってX軸方向に移動制御され、該リニアモー
タ機構30の推力が前述した負荷として与えられる。
【0026】尚、リニアモータ機構30によって移動駆
動される移動テーブル25には、軸体24に対する移動
変位位置を検出するための、例えば光学式の位置センサ
(図示せず)が組み込まれている。前記リニアモータ機
構30は、このような位置センサにより検出される位置
情報(変位情報)に従ってサーボ制御され、その移動位
置が高精度に制御される。ちなみにこの実施形態に係る
移動テーブルにおいては、前記移動テーブル25の移動
ストロークLは最大100mmに設定されており、また
この移動テーブル25は前記リニアモータ機構30によ
り0.1μmの分解能で高精度に位置制御し得るように
構成されている。
【0027】また図3に示すように前記移動テーブル2
5の移動方向前後端には、その移動範囲を制限する検出
片35が設けられている。この検出片35は、移動テー
ブル25がその移動範囲限界に到達したとき、前記脚部
23,23に取り付けられたフォトカプラ36,36の光
学路に進入してその光路を遮るもので、これによって前
記移動テーブル25の移動限界位置(ストップ位置)が
検出されるようになっている。
【0028】このように第2の支持体20は、リニアモ
ータ機構30によって駆動される移動テーブル25上
に、ブロック体26を介して前記チャック21を取り付
けた構造をなしている。そしてリニアモータ機構30
(移動テーブル25)から上方に変位させた高さ位置に
前述した如くブロック体26を介してチャック21を取
り付けることで、その推力軸(リニアモータ機構30)
と平行する位置に設けられた前記チャック21に移動力
を与え、前記チャック11,21間に保持された供試体
Sに所定の負荷を加えるものとなっている。即ち、前記
チャック11,21が前記基台1の上面に離間して所定
の空間を形成する高さHの位置に設けられているにも拘
わらず、その下方位置に設けられた移動テーブル25と
その台座22との間に組み込まれたリニアモータ機構3
0により、前記チャック11,21間に所定の負荷が加
えられ、またその反力が前記第1の支持体10における
Yテーブル13および第2の支持体20におけるブロッ
ク体26によって、それぞれ効果的に受け止められるよ
うになっている。
【0029】ちなみに上述した如く構成された第2の支
持体20に取り付けられたチャック21は、図5に示す
ように前述した第1支持体10に取り付けられたチャッ
ク11に対向して配置される。そしてこれらのチャック
11,21間に供試体Sが装着されて、その材料試験に
供せられる。この際、前述したように第1の支持体10
における2軸テーブルによるチャック11のY軸方向お
よびZ軸方向への位置調整により、上記チャック11,
21間の位置が調整され、供試体Sが軸ずれを生じるこ
となくチャック11,21間に装着されるようになって
いる。この状態で第2支持体20のリニアモータ機構3
0を駆動することでその移動テーブル、ひいてはチャッ
ク21がX軸方向に進退して前記供試体Sに負荷が加え
られる。そしてこの負荷により供試体Sに加えられた荷
重が、前述したロードセル15により検出される。
【0030】ところで上述した如く負荷が加えられた供
試体Sに生じる変位は、次のようにして検出される。こ
の供試体Sの変位を検出する変位検出計は、例えば図5
に示すように前記一対のチャック11,21間の変位を
直接検出するように設けられている。即ち、前記各チャ
ック11,21の基部には、その軸心から横方向に延び
るアーム体41,42がそれぞれ取り付けられている。
そして一方のアーム体41にはX軸方向に進退するスラ
イド軸を備えたマグネットスケールからなる変位計43
が装着され、また他方のアーム体42には上記変位計4
3における変位検出の基準面をなす治具44が設けられ
ている。この治具44は、上記変位計43のスライド軸
の先端に接触して該スライド軸を進退させるセンシング
体として機能する。特に前記変位計43は、これを保持
する保持部材45を介して前記アーム体41にX軸方向
に位置調整可能に設けられており、また前記治具44は
送りねじ機構46を介して前記アーム体42に位置調整
可能に設けられている。この送りねじ機構46は、その
移動(進退)量を微調整することで前記変位計43のス
ライド軸に対する前記治具44の位置を調整する、例え
ばマイクロメータヘッドからなる。
【0031】ちなみに前記保持部材45は、供試体Sの
長さに応じて調整されるチャック11,21間の距離に
応じて、前記アーム体41に対してX軸方向に粗調整さ
れた後、該アーム体41に強固にねじ止めされる。これ
に対して前記送りねじ機構46は、上記の如く保持部材
45の取り付け位置を粗調整して位置決めされる変位計
43に対して、前記供試体Sが無負荷状態であるときの
前記治具44の位置を微調整するもので、前記変位計4
3のスライド軸を零点調整する役割を担う。
【0032】このようにしてチャック11,21間に取
り付けられた変位計43は、チャック11,21間に装
着された供試体Sに負荷を加えた際の、該供試体Sの圧
縮や伸びからなる変位を、該チャック11,21間の距
離L2の変化として直接的に計測する。即ち、前述した
如くサーボ制御されて駆動されるリニアモータ機構30
により移動されるチャック21の変位(移動位置)は、
前述した位置センサにより移動テーブル25の変位量と
して検出可能である。しかしこの変位は基台1に対する
チャック21の絶対位置の変位、ひいては図5に示すよ
うに第1支持体10と第2支持体20(移動テーブル)
との距離L1の変位を示すものである。従って上記変位
には該第2支持体20の移動により供試体Sに加えた負
荷に伴う前述したロードセル15の変形量に起因する変
位Δが含まれることが否めない。
【0033】この点、上述した如く一対のチャック1
1,21間の距離L2の変化を検出する如く、前記チャッ
ク11,21間に設けられた変位計43によれば、負荷
により前記ロードセル15に変形が生じたとしても、供
試体Sに生じた変位そのものがチャック11,21間の
距離変化として検出されるので、その変位を直接的に、
しかも高精度に検出することが可能となる。特に負荷に
よって供試体Sに加えられる荷重を高感度に、且つ高精
度に検出するべくロードセル15の荷重に対する変形量
(撓み)を大きくした場合であっても、その変形量に拘
わることなく供試体Sの負荷による変位量を前記チャッ
ク11,21間の変位として直接的に、且つ高精度に検
出することが可能となる。
【0034】尚、上述した如く構成された第1支持体1
0および第2支持体20を備えて構成される試験機本体
は、例えば図6に示すように、マイクロプロセッサを主
体とする制御部51の制御の下で駆動される。具体的に
はエアポンプ52を作動させて前記エアベアリングを機
能させ、この状態でリニアモータ駆動部53を作動させ
て前記リニアモータ機構30を駆動する。上記リニアモ
ータ駆動部53はサーボ制御回路をなし、前述した位置
センサを用いて前記軸体24に対する移動テーブル25
の位置(チャック21の位置)を検出しながら、前記制
御部51からの荷重、または変位に関する指令に従って
リニアモータ機構30を駆動する。このようにして駆動
されるリニアモータ機構30の作動により、前記チャッ
ク11,21間に保持された供試体Sに対して荷重また
は変位からなる負荷が加えられることになる。
【0035】しかして上述したようにして負荷が掛けら
れた供試体Sにおける荷重とその変位は、ロードセル1
5および変位計(マグネットスケール)43の出力とし
て荷重検出部54および変位検出部55にてそれぞれ検
出され、例えば所定の周期でサンプリングされたディジ
タルデータとして前記制御部51における計測部56に
取り込まれる。そしてこの計測部56にて、例えば所定
の計測演算処理が施されて前記供試体Sの材料特性や機
械的強度特性が評価される。
【0036】かくして上述した如く構成された材料試験
機によれば、第2の支持体20を駆動して前記一対のチ
ャック11,21間に保持した供試体Sに負荷を加えた
ときの、該供試体Sに加わる荷重とその変位をそれぞれ
高精度に検出することが可能となる。特に前記一対のチ
ャック11,21間の距離L2の変化として供試体Sの変
位を直接的に検出するので、荷重によるロードセル(荷
重計)15の変位の影響を受けることなく供試体Sの変
位を高精度に検出することができる。従って供試体Sに
加える負荷自体が小さく、供試体Sに加わる荷重やその
変位が小さい場合であっても、これを高感度に検出する
ことが可能となるので、その計測精度の大幅な向上を図
ることが可能となる等の実用上多大なる効果が奏せられ
る。
【0037】また上述した構成の材料試験機によれば、
一対のチャック11,21が第1および第2の支持体1
0,20を介して前記基台1の上面から離間して所定の
空間を形成する所定の高さ位置Hに設けられているの
で、例えば図7に示すように上記空間を利用して前記チ
ャック11,21間に保持された供試体Sを囲繞して円
筒体からなる温度制御ユニット(環境槽)50を設け、
この温度制御ユニット50により上記供試体Sに対して
だけ局部的に熱を加えることができる。即ち、材料試験
機の全体を恒温槽に収納しなくても、チャック11,2
1間に保持された供試体Sに対してだけ効果的に熱を加
えて、その試験環境を簡単に制御することができる。特
に材料試験機における第1および第2の支持体10,2
0に対して不本意な熱を加えることなしに、供試体Sの
試験環境を変えることができる。
【0038】この結果、材料試験機における各種可動部
等の熱的変形(歪み)を招来することなく、供試体Sに
加える負荷を高精度に制御しながらその荷重と変位とを
それぞれ計測することが可能となり、その測定精度を十
分に高めることが可能となる。また試験環境を制御する
上での、例えば前記温度制御ユニット50の構成も簡単
なもので良く、大掛かりな装置を必要としない等の効果
が奏せられる。
【0039】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではない。例えば実施形態においては供試体Sに
圧縮負荷を与える場合を例に説明したが、引っ張り負荷
を与える場合も同様に計測可能である。但し、この場合
には治具44として変位計43のスライド軸を引っ張る
ような構造として実現するようにすれば良い。またマグ
ネットスケールの変位軸を押し込んだ状態でその位置を
零点として設定し、この零点位置からの突出量から引っ
張り量を計測することも可能である。また変位計43と
しては、前述したスライド軸を有するマグネットスケー
ルのようなものではなく、レーザ測長器のようなものを
用いることも可能である。この場合には前記治具44と
してはレーザ光の反射体として実現するようにすれば良
い。
【0040】また第2の支持体20の駆動機構として
は、前述したリニアモータ機構30のみならず、従来一
般的な送りねじ機構を用いても良く、更には油圧シリン
ダ機構を用いることも勿論可能である。また実施形態に
示した小型の材料試験機のみならず、大型の材料試験機
に適用可能なことは言うまでもない。更にはチャック1
1,21の側部に設けられる変位計についても、適宜、
該チャック11,21との間に所定の空間が形成される
ように、例えばアーム体41,42を長くし、これによ
って前述した如く供試体Sを囲繞して設けられる温度制
御ユニット50の外側に配置するようにすることが望ま
しい。この場合、チャック11,21についても上記温
度制御ユニット50の外側に配置されるように、温度制
御ユニット50の形状を工夫することが望ましい。その
他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して
実施することができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、定
盤等からなる基台上に横方向に離間して設けた所定高さ
の第1および第2の支持体に、前記供試体の保持に供さ
れる一対のチャックを前記基台の上面から離間して所定
の空間を形成して互いに対向配置してそれぞれ取り付け
ているので、上記基台の上面枷離間した空間を利用して
前記チャック間に保持された供試体に熱を加える温度制
御ユニット等を効果的に組み込むことができる。従って
上述した構成によれば大掛かりな試験環境制御を行うこ
となしに、簡易に供試体の試験環境を変えながら、その
試験を行うことが可能となる等の実用上多大なる効果が
奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る材料試験機の概略構
成を示す斜視図。
【図2】実施形態に係る材料試験機の第1支持体におけ
る2軸テーブルの構成を示す図。
【図3】実施形態に係る材料試験機の第2支持体におけ
る移動テーブルの構成を示す図。
【図4】軸体と移動テーブルとの間のエアベアリングの
構成と、リニアモータ機構の配置関係を示す断面図。
【図5】本発明に係る材料試験機における特徴的な構造
である変位検出器の取り付け構造を示す図。
【図6】材料試験機の全体的な制御系を示すブロック
図。
【図7】一対のチック間に保持された供試体を囲繞して
温度制御ユニットを設けた例を示す図。
【符号の説明】
1 基台 10 第1の支持体 11 チャック 15 ロードセル 16 保持部材 20 第2の支持体 21 チャック 22 台座 25 移動テーブル 26 ブロック体 30 リニアモータ機構 41,42 アーム体 43 変位計(変位検出器) 44 治具(センシング体) 50 温度制御ユニット
フロントページの続き (72)発明者 于 強 神奈川県横浜市保土ヶ谷区東川島町87 サ ンコートガーデンA202 (72)発明者 奥本 裕 東京都北区堀船2−20−46 日本たばこ産 業株式会社機械事業部内 (72)発明者 入佐 徹 愛知県豊橋市北島町字北島202 JTトー シ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供試体に負荷を加えたときの該供試体に
    おける荷重と変位との関係から前記供試体の材料特性を
    試験する材料試験機であって、 基台上に横方向に離間して配置された所定高さの第1お
    よび第2の支持体と、 前記基台の上面から離間した空間を形成して前記第1お
    よび第2の支持体にそれぞれ取り付けられ、互いに対向
    して配置されて前記供試体の保持に供される一対のチャ
    ックと、 上記一対のチャックの一方を該チャックが対向する方向
    に進退移動させて前記チャック間に保持された前記供試
    体に負荷を加える負荷手段とを具備したことを特徴とす
    る材料試験機。
  2. 【請求項2】 前記第1の支持体は、前記第2の支持体
    に対向する面内において前記チャックを位置調整自在に
    設けた2軸テーブル機構を備えていることを特徴とする
    請求項1に記載の材料試験機。
  3. 【請求項3】 前記第2の支持体は、前記第1の支持体
    に対向する向きに移動自在に設けられて該第2の支持体
    に取り付けられたチャックを一体に移動させるものであ
    って、 前記負荷手段は、前記第2の支持体を移動させる駆動機
    構からなることを特徴とする請求項1に記載の材料試験
    機。
  4. 【請求項4】 前記第2の支持体は、軸体に軸支されて
    前記駆動機構により駆動されて上記軸体に沿って移動す
    る移動テーブル上に設けられることを特徴とする請求項
    3に記載の材料試験機。
  5. 【請求項5】 前記一対のチャックが対向配置される前
    記基台上の空間部には、該チャック間に把持された供試
    体を囲繞する環境槽が設けられることを特徴とする請求
    項1に記載の材料試験機。
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