JPH11281422A - 渦流量計 - Google Patents
渦流量計Info
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- JPH11281422A JPH11281422A JP10082153A JP8215398A JPH11281422A JP H11281422 A JPH11281422 A JP H11281422A JP 10082153 A JP10082153 A JP 10082153A JP 8215398 A JP8215398 A JP 8215398A JP H11281422 A JPH11281422 A JP H11281422A
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- flow rate
- fluid
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、被測流体中にカルマン渦が安定的
に発生できない微小流量を計測できることを課題とす
る。 【解決手段】 渦流量計11は、渦発生体17の下流側
の傾斜面17b,17cの中央部分には、電熱ヒータ等
からなる発熱体18が取り付けられている。この発熱体
18は、カルマン渦が発生しにくい微小流量を計測する
場合に通電されて、渦発生体17の周囲を通過する被測
流体を加熱して熱パルスを発生させる。発熱体18によ
り被測流体中に生成された熱パルスは、カルマン渦を検
出するための超音波送信器19と超音波受信器20を用
いて検出される。そして、カルマン渦の検出時と同様に
超音波送信器19から送信される超音波と熱パルスを検
出した復調信号との位相差から流量が算出される。
に発生できない微小流量を計測できることを課題とす
る。 【解決手段】 渦流量計11は、渦発生体17の下流側
の傾斜面17b,17cの中央部分には、電熱ヒータ等
からなる発熱体18が取り付けられている。この発熱体
18は、カルマン渦が発生しにくい微小流量を計測する
場合に通電されて、渦発生体17の周囲を通過する被測
流体を加熱して熱パルスを発生させる。発熱体18によ
り被測流体中に生成された熱パルスは、カルマン渦を検
出するための超音波送信器19と超音波受信器20を用
いて検出される。そして、カルマン渦の検出時と同様に
超音波送信器19から送信される超音波と熱パルスを検
出した復調信号との位相差から流量が算出される。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は渦流量計に係り、特
に渦発生体の下流に発生するカルマン渦を低流量域から
高流量域まで正確に検出するよう構成した渦流量計に関
する。
に渦発生体の下流に発生するカルマン渦を低流量域から
高流量域まで正確に検出するよう構成した渦流量計に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、石油,食品,化学液等の流体の
流量を計測するための流量計の一つとして、渦発生体の
下流に発生するカルマン渦を検出する構成とされた渦流
量計がある。渦流量計は、大略、被測流体が供給される
配管途中に設けられるハウジングと、ハウジングの流路
内に起立する渦発生体と、渦発生体の下流に発生したカ
ルマン渦を検出するセンサ部と、センサ部からの検出信
号の周期(又は周波数)より被測流体の流量を演算して
その流量値を表示する流量指示部とからなる。
流量を計測するための流量計の一つとして、渦発生体の
下流に発生するカルマン渦を検出する構成とされた渦流
量計がある。渦流量計は、大略、被測流体が供給される
配管途中に設けられるハウジングと、ハウジングの流路
内に起立する渦発生体と、渦発生体の下流に発生したカ
ルマン渦を検出するセンサ部と、センサ部からの検出信
号の周期(又は周波数)より被測流体の流量を演算して
その流量値を表示する流量指示部とからなる。
【0003】そして、センサ部には、超音波センサから
送信された超音波信号の位相変化を検出する方式、ある
いはカルマン渦による渦発生体の左右の差圧を検出する
方式などが採用されている。各種センサの中でも超音波
センサを使用した渦流量計は、高精度で堅牢な特徴を有
するため、液体を計測するのに適している。図18に超
音波センサを使用した従来の渦流量計の構成を示す。
送信された超音波信号の位相変化を検出する方式、ある
いはカルマン渦による渦発生体の左右の差圧を検出する
方式などが採用されている。各種センサの中でも超音波
センサを使用した渦流量計は、高精度で堅牢な特徴を有
するため、液体を計測するのに適している。図18に超
音波センサを使用した従来の渦流量計の構成を示す。
【0004】図18に示されるように、超音波発振器1
から発振信号が出力されると、超音波送信器2aから超
音波が流体中に送信される。超音波は、流体の進行方向
に垂直、且つ同図の紙面と平行な経路に沿って伝播し、
超音波受信器2bにより検出される。この超音波受信器
2bの出力信号αは位相制御器3を介して位相比較器4
に供給される。
から発振信号が出力されると、超音波送信器2aから超
音波が流体中に送信される。超音波は、流体の進行方向
に垂直、且つ同図の紙面と平行な経路に沿って伝播し、
超音波受信器2bにより検出される。この超音波受信器
2bの出力信号αは位相制御器3を介して位相比較器4
に供給される。
【0005】一方、流体中を伝播する超音波とは別に発
振器1の出力から分岐した発振信号βは位相制御器5を
介して位相比較器4の他方の入力端子に供給される。位
相比較器4において、上記2つの信号α,βの位相が比
較される。そして、カルマン渦が発生していない状態の
流体中を通過した超音波を検出して出力された信号α
は、発振器1からの発振信号βに対して一定の位相差を
有する。
振器1の出力から分岐した発振信号βは位相制御器5を
介して位相比較器4の他方の入力端子に供給される。位
相比較器4において、上記2つの信号α,βの位相が比
較される。そして、カルマン渦が発生していない状態の
流体中を通過した超音波を検出して出力された信号α
は、発振器1からの発振信号βに対して一定の位相差を
有する。
【0006】管路6内を被測流体が流れると、渦発生体
7の下流において被測流体の流量に比例した周波数で左
右交互に規則的なカルマン渦が発生する。渦発生体7の
下流には、超音波送信器2aと超音波受信器2bとより
なる超音波センサが設けられている。この超音波送信器
2a及び超音波受信器2bは、カルマン渦の移動方向に
対して直交する方向に超音波を送信するように設けられ
ている。
7の下流において被測流体の流量に比例した周波数で左
右交互に規則的なカルマン渦が発生する。渦発生体7の
下流には、超音波送信器2aと超音波受信器2bとより
なる超音波センサが設けられている。この超音波送信器
2a及び超音波受信器2bは、カルマン渦の移動方向に
対して直交する方向に超音波を送信するように設けられ
ている。
【0007】超音波送信器2aから送信された超音波が
渦発生体7の下流に発生したカルマン渦に遭遇すると、
カルマン渦の横方向の流速成分により位相変調を受ける
こととなる。そのため、位相比較器4に供給される2つ
の信号α,βの位相差は、流体中を通過する超音波がカ
ルマン渦に遭遇しない場合の所定の位相差とは異なった
値になる。渦流量計では、この位相差の変化を検出し、
フィルタ8を介して出力端子8aより取り出すことによ
り、流速又は流量に比例するカルマン渦の発生周波数を
検知し、これに基づいて被測流体の流量を測定すること
ができる。
渦発生体7の下流に発生したカルマン渦に遭遇すると、
カルマン渦の横方向の流速成分により位相変調を受ける
こととなる。そのため、位相比較器4に供給される2つ
の信号α,βの位相差は、流体中を通過する超音波がカ
ルマン渦に遭遇しない場合の所定の位相差とは異なった
値になる。渦流量計では、この位相差の変化を検出し、
フィルタ8を介して出力端子8aより取り出すことによ
り、流速又は流量に比例するカルマン渦の発生周波数を
検知し、これに基づいて被測流体の流量を測定すること
ができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の渦流
量計において、被測流体の流速が比較的高流速(レイノ
ルズ数≧5000〜7000)である場合はカルマン渦
が安定に発生するため、精度良く測定できるが、低流速
域の流量を計測する場合には、流速が減少しているので
カルマン渦による変調量が小さくなり、超音波受信器2
bからの信号の出力振幅が小さくなる。そのため、超音
波送信器2aから送信された超音波がカルマン渦に遭遇
しても2つの信号α,βの位相差が小さくてカルマン渦
を検出できない場合がある。
量計において、被測流体の流速が比較的高流速(レイノ
ルズ数≧5000〜7000)である場合はカルマン渦
が安定に発生するため、精度良く測定できるが、低流速
域の流量を計測する場合には、流速が減少しているので
カルマン渦による変調量が小さくなり、超音波受信器2
bからの信号の出力振幅が小さくなる。そのため、超音
波送信器2aから送信された超音波がカルマン渦に遭遇
しても2つの信号α,βの位相差が小さくてカルマン渦
を検出できない場合がある。
【0009】よって、従来の渦流量計では、流量がゼロ
付近になるとReの低下によりカルマン渦の発生が不安
定にとなり、発生していてもカルマン渦による変調量が
小さいために、超音波受信器2bからの出力が急激に低
下してしまい微小流量を正確に計測することが難しいと
いった問題があった。そこで、本発明は上記問題を解決
した渦流量計を提供することを目的とする。
付近になるとReの低下によりカルマン渦の発生が不安
定にとなり、発生していてもカルマン渦による変調量が
小さいために、超音波受信器2bからの出力が急激に低
下してしまい微小流量を正確に計測することが難しいと
いった問題があった。そこで、本発明は上記問題を解決
した渦流量計を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下のような特徴を有する。上記請求項1
記載の発明は、被測流体が流通する流路内に設けられた
渦発生体と、前記流路の前記渦発生体によって発生する
カルマン渦の発生領域をはさむように配設された一対の
超音波送受信器と、該超音波送受信器の一方から送信さ
れ、他方で受信される超音波がカルマン渦によって受け
る変調量を検出し、前記カルマン渦の発生周波数を有す
る渦信号として出力する渦信号出力手段と、該渦信号出
力手段から出力される渦信号に基づいて前記被測流体の
流量を演算する渦式流量演算手段と、からなる渦流量計
において、前記渦発生体に設けられ、被測流体を間欠的
に熱することで熱パルスを発生させる発熱体と、前記渦
信号出力手段の出力する渦信号から超音波が熱パルスに
よって受ける変調量を抽出し、熱パルスの移動速度から
前記被測流体の流量を演算する熱パルス式流量演算手段
と、前記渦信号出力手段から出力される渦信号の振幅を
検出し、該渦信号の振幅が所定値以上のときには前記渦
式流量演算手段によって流量演算を行わせ、前記渦信号
の振幅が所定値未満のときには前記発熱体を駆動させて
前記熱パルス式流量演算手段に流量演算を行わせる切換
手段と、を設けたことを特徴とするものである。
め、本発明は以下のような特徴を有する。上記請求項1
記載の発明は、被測流体が流通する流路内に設けられた
渦発生体と、前記流路の前記渦発生体によって発生する
カルマン渦の発生領域をはさむように配設された一対の
超音波送受信器と、該超音波送受信器の一方から送信さ
れ、他方で受信される超音波がカルマン渦によって受け
る変調量を検出し、前記カルマン渦の発生周波数を有す
る渦信号として出力する渦信号出力手段と、該渦信号出
力手段から出力される渦信号に基づいて前記被測流体の
流量を演算する渦式流量演算手段と、からなる渦流量計
において、前記渦発生体に設けられ、被測流体を間欠的
に熱することで熱パルスを発生させる発熱体と、前記渦
信号出力手段の出力する渦信号から超音波が熱パルスに
よって受ける変調量を抽出し、熱パルスの移動速度から
前記被測流体の流量を演算する熱パルス式流量演算手段
と、前記渦信号出力手段から出力される渦信号の振幅を
検出し、該渦信号の振幅が所定値以上のときには前記渦
式流量演算手段によって流量演算を行わせ、前記渦信号
の振幅が所定値未満のときには前記発熱体を駆動させて
前記熱パルス式流量演算手段に流量演算を行わせる切換
手段と、を設けたことを特徴とするものである。
【0011】従って、請求項1記載の発明によれば、渦
信号出力手段から出力される渦信号の振幅を検出し、渦
信号の振幅が所定値以上のときには渦式流量演算手段に
よって流量演算を行わせ、渦信号の振幅が所定値未満の
ときには発熱体を駆動させて熱パルス式流量演算手段に
流量演算を行わせるため、カルマン渦が発生しにくい微
小流量を計測する場合でも被測流体中の熱パルスの移動
により流速を検出することができ、微小流量域でも計測
精度を高めることができる。しかも、熱パルスを検出す
るためのセンサが不要であるので、部品点数を削減でき
る。
信号出力手段から出力される渦信号の振幅を検出し、渦
信号の振幅が所定値以上のときには渦式流量演算手段に
よって流量演算を行わせ、渦信号の振幅が所定値未満の
ときには発熱体を駆動させて熱パルス式流量演算手段に
流量演算を行わせるため、カルマン渦が発生しにくい微
小流量を計測する場合でも被測流体中の熱パルスの移動
により流速を検出することができ、微小流量域でも計測
精度を高めることができる。しかも、熱パルスを検出す
るためのセンサが不要であるので、部品点数を削減でき
る。
【0012】また、請求項2記載の発明は、被測流体が
流通する流路内に設けられた渦発生体と、前記流路の前
記渦発生体によって発生するカルマン渦の発生領域をは
さむように配設された一対の超音波送受信器と、該超音
波送受信器の一方から送信され、他方で受信される超音
波がカルマン渦によって受ける変調量を検出し、前記カ
ルマン渦の発生周波数を有する渦信号として出力する渦
信号出力手段と、該渦信号出力手段から出力される渦信
号に基づいて前記被測流体の流量を演算する渦式流量演
算手段と、からなる渦流量計において、前記渦発生体に
設けられ、前記被測流体の流れ方向の圧力変化を検出す
る圧力変化検出手段と、該圧力変化検出手段によって検
出される圧力変化に基づいて前記被測流体の流量を演算
する圧力変化式流量演算手段と、前記渦信号出力手段か
ら出力される渦信号の振幅を検出し、該渦信号の振幅が
所定値以上のときには前記渦式流量演算手段によって流
量演算を行わせ、前記渦信号の振幅が所定値未満のとき
には前記圧力変化式流量演算手段に流量演算を行わせる
切換手段と、を設けたことを特徴とするものである。
流通する流路内に設けられた渦発生体と、前記流路の前
記渦発生体によって発生するカルマン渦の発生領域をは
さむように配設された一対の超音波送受信器と、該超音
波送受信器の一方から送信され、他方で受信される超音
波がカルマン渦によって受ける変調量を検出し、前記カ
ルマン渦の発生周波数を有する渦信号として出力する渦
信号出力手段と、該渦信号出力手段から出力される渦信
号に基づいて前記被測流体の流量を演算する渦式流量演
算手段と、からなる渦流量計において、前記渦発生体に
設けられ、前記被測流体の流れ方向の圧力変化を検出す
る圧力変化検出手段と、該圧力変化検出手段によって検
出される圧力変化に基づいて前記被測流体の流量を演算
する圧力変化式流量演算手段と、前記渦信号出力手段か
ら出力される渦信号の振幅を検出し、該渦信号の振幅が
所定値以上のときには前記渦式流量演算手段によって流
量演算を行わせ、前記渦信号の振幅が所定値未満のとき
には前記圧力変化式流量演算手段に流量演算を行わせる
切換手段と、を設けたことを特徴とするものである。
【0013】従って、請求項2記載の発明によれば、渦
信号出力手段から出力される渦信号の振幅を検出し、該
渦信号の振幅が所定値以上のときには前記渦式流量演算
手段によって流量演算を行わせ、前記渦信号の振幅が所
定値未満のときには前記圧力変化式流量演算手段に流量
演算を行わせるため、カルマン渦が発生しにくい微小流
量を計測する場合でも被測流体の流れ方向の圧力変化か
ら流速を検出することができ、微小流量域での計測を可
能とすることができる。
信号出力手段から出力される渦信号の振幅を検出し、該
渦信号の振幅が所定値以上のときには前記渦式流量演算
手段によって流量演算を行わせ、前記渦信号の振幅が所
定値未満のときには前記圧力変化式流量演算手段に流量
演算を行わせるため、カルマン渦が発生しにくい微小流
量を計測する場合でも被測流体の流れ方向の圧力変化か
ら流速を検出することができ、微小流量域での計測を可
能とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下図面と共に本発明の実施の形
態について説明する。図1は本発明になる渦流量計の一
実施例を示す正面図である。また、図2は渦流量計11
の側面図である。図1及び図2に示されるように、渦流
量計11は、大略、上流側配管と下流側配管との間に配
設されるハウジング12と、ハウジング12の上部に設
けられ流量を表示する流量指示部13と、よりなる。
尚、流量指示部13は、その前面に流量計測値を数値で
表示する表示器13aを有すると共に、その内部には流
量計測回路14(図4参照)が収納されている。
態について説明する。図1は本発明になる渦流量計の一
実施例を示す正面図である。また、図2は渦流量計11
の側面図である。図1及び図2に示されるように、渦流
量計11は、大略、上流側配管と下流側配管との間に配
設されるハウジング12と、ハウジング12の上部に設
けられ流量を表示する流量指示部13と、よりなる。
尚、流量指示部13は、その前面に流量計測値を数値で
表示する表示器13aを有すると共に、その内部には流
量計測回路14(図4参照)が収納されている。
【0015】ハウジング12は、内部に被測流体が流れ
る流路16を有し、流路16内には渦発生体17が設け
られている。渦発生体17は、被測流体が衝突する前面
17aと、前面17aより下流側に向かって傾斜する傾
斜面17b,17cとを有しており、上から見ると三角
形あるいは台形等のカルマン渦が発生しやすい形状に加
工されている。そして、渦発生体17の下流側の傾斜面
17b,17cの中央部分には、電熱ヒータ等からなる
発熱体18が取り付けられている。
る流路16を有し、流路16内には渦発生体17が設け
られている。渦発生体17は、被測流体が衝突する前面
17aと、前面17aより下流側に向かって傾斜する傾
斜面17b,17cとを有しており、上から見ると三角
形あるいは台形等のカルマン渦が発生しやすい形状に加
工されている。そして、渦発生体17の下流側の傾斜面
17b,17cの中央部分には、電熱ヒータ等からなる
発熱体18が取り付けられている。
【0016】この発熱体18は、後述するようにカルマ
ン渦が発生しにくい微小流量を計測する場合に通電され
て、渦発生体17の周囲を通過する被測流体を加熱して
熱パルスを発生させる。従って、カルマン渦を安定的に
発生しなような微小流量での被測流体は、渦発生体17
の前面17aに衝突した後、傾斜面17b,17cに沿
って発熱体18の表面を通過して部分的に加熱される。
ン渦が発生しにくい微小流量を計測する場合に通電され
て、渦発生体17の周囲を通過する被測流体を加熱して
熱パルスを発生させる。従って、カルマン渦を安定的に
発生しなような微小流量での被測流体は、渦発生体17
の前面17aに衝突した後、傾斜面17b,17cに沿
って発熱体18の表面を通過して部分的に加熱される。
【0017】尚、発熱体18により被測流体中に生成さ
れた熱パルスは、後述するようにカルマン渦を検出する
ための超音波センサを用いて検出される。そのため、流
路16内には熱パルスを検出するためのセンサを別個に
設ける必要がなく、その分部品点数を削減することがで
きる。また、渦発生体17より下流となる流路16の左
右位置には、図2に示されるように超音波センサを構成
する超音波送信器19と超音波受信器20が設けられて
いる。各超音波送信器19及び超音波受信器20はそれ
ぞれ流路16の軸心に向けて取り付けられている。
れた熱パルスは、後述するようにカルマン渦を検出する
ための超音波センサを用いて検出される。そのため、流
路16内には熱パルスを検出するためのセンサを別個に
設ける必要がなく、その分部品点数を削減することがで
きる。また、渦発生体17より下流となる流路16の左
右位置には、図2に示されるように超音波センサを構成
する超音波送信器19と超音波受信器20が設けられて
いる。各超音波送信器19及び超音波受信器20はそれ
ぞれ流路16の軸心に向けて取り付けられている。
【0018】尚、超音波送信器19は、例えば図示しな
いが発振信号により振動する圧電素子と、圧電素子に加
振される振動板とからなる。また、超音波受信器20
は、上記超音波送信器19と同様な構成であり、流体中
を伝播した超音波を受信する振動板と、振動板の振動に
応じた電気信号を出力する圧電素子とから構成されてい
る。
いが発振信号により振動する圧電素子と、圧電素子に加
振される振動板とからなる。また、超音波受信器20
は、上記超音波送信器19と同様な構成であり、流体中
を伝播した超音波を受信する振動板と、振動板の振動に
応じた電気信号を出力する圧電素子とから構成されてい
る。
【0019】図3は渦発生体17の下流に発生するカル
マン渦と、超音波送信器19及び超音波受信器20の取
付位置を示す斜視図である。図3において、超音波送信
器19から送信された超音波aは、破線で示すように伝
播する。すなわち、超音波aは、流路16の軸心を通過
して超音波受信器20に到達する。また、図3では、カ
ルマン渦22が超音波送信器19から送信される超音波
aの伝播経路を通過し、次のカルマン渦23が超音波伝
播経路にさしかかった様子が示されている。
マン渦と、超音波送信器19及び超音波受信器20の取
付位置を示す斜視図である。図3において、超音波送信
器19から送信された超音波aは、破線で示すように伝
播する。すなわち、超音波aは、流路16の軸心を通過
して超音波受信器20に到達する。また、図3では、カ
ルマン渦22が超音波送信器19から送信される超音波
aの伝播経路を通過し、次のカルマン渦23が超音波伝
播経路にさしかかった様子が示されている。
【0020】超音波送信器19から送信された超音波a
は、カルマン渦22が超音波aの進行方向と同じ方向の
成分を持つことからその位相は進むことになる。一方、
カルマン渦23が超音波送信器19から送信された超音
波aを通過する際は、その進行方向がカルマン渦23の
横方向成分と逆向きであることにより、その位相が遅れ
ることとなる。
は、カルマン渦22が超音波aの進行方向と同じ方向の
成分を持つことからその位相は進むことになる。一方、
カルマン渦23が超音波送信器19から送信された超音
波aを通過する際は、その進行方向がカルマン渦23の
横方向成分と逆向きであることにより、その位相が遅れ
ることとなる。
【0021】そのため、渦発生体17の下流に渦巻き方
向の異なるカルマン渦22,23が交互に発生すると、
超音波aの位相の進み及び超音波aの位相の遅れが交互
に発生する。このように、渦巻き方向の異なるカルマン
渦22,23が上記超音波aの伝播経路を通過すると、
超音波aの位相差は半周期分のサイン波的に変化する。
この超音波aの位相差の変化を検出することによりカル
マン渦の発生を検知することができ、さらに単位時間当
たりのカルマン渦をカウントすること、あるいはカルマ
ン渦の発生周波数を求めることにより、流体の流速及び
流量を計測することが可能になる。
向の異なるカルマン渦22,23が交互に発生すると、
超音波aの位相の進み及び超音波aの位相の遅れが交互
に発生する。このように、渦巻き方向の異なるカルマン
渦22,23が上記超音波aの伝播経路を通過すると、
超音波aの位相差は半周期分のサイン波的に変化する。
この超音波aの位相差の変化を検出することによりカル
マン渦の発生を検知することができ、さらに単位時間当
たりのカルマン渦をカウントすること、あるいはカルマ
ン渦の発生周波数を求めることにより、流体の流速及び
流量を計測することが可能になる。
【0022】図4は渦流量計11の流量計測回路14の
構成を示すブロック図である。流量計測回路14は、超
音波送信器19の発振信号を出力する発振回路25と、
超音波受信器20から出力された渦検出信号を増幅する
増幅回路26と、発振回路25からの発振信号と増幅回
路26からの渦検出信号との位相差を検出する位相比較
器27とから構成されている。さらに、渦検出回路24
は、フィルタ回路28、増幅回路29、波形整形回路3
0、制御回路31、出力回路32、表示回路33、振幅
監視回路34、電流制御回路35を有する。
構成を示すブロック図である。流量計測回路14は、超
音波送信器19の発振信号を出力する発振回路25と、
超音波受信器20から出力された渦検出信号を増幅する
増幅回路26と、発振回路25からの発振信号と増幅回
路26からの渦検出信号との位相差を検出する位相比較
器27とから構成されている。さらに、渦検出回路24
は、フィルタ回路28、増幅回路29、波形整形回路3
0、制御回路31、出力回路32、表示回路33、振幅
監視回路34、電流制御回路35を有する。
【0023】尚、位相比較器27は、本発明の渦信号出
力手段に相当する。また、振幅監視回路34と制御回路
31は、本発明の切換手段に相当する。また、制御回路
31は、本発明の渦式流量演算手段、圧力変化式流量演
算手段に相当する。超音波送信器19は、発振回路25
と接続され、超音波受信器20は増幅回路26と接続さ
れている。また、位相比較器27は、発振回路25から
の発振信号と増幅回路26からの渦検出信号とが入力さ
れると、両信号の位相差を求める。そして、位相比較器
27からの出力は、フィルタ回路28へ入力され、増幅
回路29、波形整形回路30を通って制御回路31に入
力される。
力手段に相当する。また、振幅監視回路34と制御回路
31は、本発明の切換手段に相当する。また、制御回路
31は、本発明の渦式流量演算手段、圧力変化式流量演
算手段に相当する。超音波送信器19は、発振回路25
と接続され、超音波受信器20は増幅回路26と接続さ
れている。また、位相比較器27は、発振回路25から
の発振信号と増幅回路26からの渦検出信号とが入力さ
れると、両信号の位相差を求める。そして、位相比較器
27からの出力は、フィルタ回路28へ入力され、増幅
回路29、波形整形回路30を通って制御回路31に入
力される。
【0024】増幅回路29の出力は、振幅監視回路34
を介して制御回路31に接続される。また、制御回路3
1は、出力回路32及び表示回路33に接続されてい
る。渦発生体17に設けられた発熱体18は、電流制御
回路35を介して電源が接続されて加熱される。また、
電流制御回路35は、制御回路31に接続されている。
を介して制御回路31に接続される。また、制御回路3
1は、出力回路32及び表示回路33に接続されてい
る。渦発生体17に設けられた発熱体18は、電流制御
回路35を介して電源が接続されて加熱される。また、
電流制御回路35は、制御回路31に接続されている。
【0025】次に、上記のように構成された流量計測回
路14の計測動作について説明する。渦流量計11の流
路16を流れる流体のレイノルズ数Reが高くカルマン
渦が発生しているときには、超音波送信器19から送信
された超音波を受信する超音波受信器20の出力がカル
マン渦から受ける変調からカルマン渦の発生を検出す
る。発振回路25から出力された超音波信号は、超音波
送信器19により超音波に変換され流路16内を流れる
被測流体中を伝搬して上記カルマン渦22,23からの
変調を受けた後に超音波受信器20で電気信号に変換さ
れる。
路14の計測動作について説明する。渦流量計11の流
路16を流れる流体のレイノルズ数Reが高くカルマン
渦が発生しているときには、超音波送信器19から送信
された超音波を受信する超音波受信器20の出力がカル
マン渦から受ける変調からカルマン渦の発生を検出す
る。発振回路25から出力された超音波信号は、超音波
送信器19により超音波に変換され流路16内を流れる
被測流体中を伝搬して上記カルマン渦22,23からの
変調を受けた後に超音波受信器20で電気信号に変換さ
れる。
【0026】その後、超音波受信器20から出力された
信号は、増幅回路26で増幅された後に位相比較器27
で発振回路25から出力された信号と位相比較され、渦
信号を得る。このようにして位相比較器27から出力さ
れた渦信号は、フィルタ回路28、増幅回路29を通っ
て波形整形回路30で矩形波に変換された後、制御回路
31に入力される。また、制御回路31では、その周波
数から流路16を流れる被測流体の流速を演算し、予め
設定された口径から流量を導く。
信号は、増幅回路26で増幅された後に位相比較器27
で発振回路25から出力された信号と位相比較され、渦
信号を得る。このようにして位相比較器27から出力さ
れた渦信号は、フィルタ回路28、増幅回路29を通っ
て波形整形回路30で矩形波に変換された後、制御回路
31に入力される。また、制御回路31では、その周波
数から流路16を流れる被測流体の流速を演算し、予め
設定された口径から流量を導く。
【0027】演算された流量値は、表示回路33を介し
て表示器13aに表示されると共に、出力回路32から
外部へ出力される。ここで、流路16を流れる流速の低
下(レイノルズ数Reの低下により)によりカルマン渦
の発生が不安定となってきたとき、位相比較器27から
出力された渦信号は増幅回路29で増幅された後、振幅
監視回路34により振幅を監視される。そして、振幅監
視回路34は、波形整形回路30で渦信号を矩形波に変
換できなくなる振幅(所定以下)以下になったとき、制
御回路31にカルマン渦の発生がなくなる状態、すなわ
ち流路16を流れる流量(レイノルズ数Re)が減少し
てカルマン渦が発生できない程度に微小であることを知
らせる。
て表示器13aに表示されると共に、出力回路32から
外部へ出力される。ここで、流路16を流れる流速の低
下(レイノルズ数Reの低下により)によりカルマン渦
の発生が不安定となってきたとき、位相比較器27から
出力された渦信号は増幅回路29で増幅された後、振幅
監視回路34により振幅を監視される。そして、振幅監
視回路34は、波形整形回路30で渦信号を矩形波に変
換できなくなる振幅(所定以下)以下になったとき、制
御回路31にカルマン渦の発生がなくなる状態、すなわ
ち流路16を流れる流量(レイノルズ数Re)が減少し
てカルマン渦が発生できない程度に微小であることを知
らせる。
【0028】従って、振幅監視回路34でレイノルズ数
Reの低下を検知すると、制御回路31は電流制御回路
15を制御し、発熱体18に通電して渦発生体17の近
傍を通過する被測流体を瞬問的に加熱する。渦発生体1
7に設けられた発熱体18から熱パルスを受けた流体
は、渦発生体17の下流に流れ、超音波送信器19から
送信される超音波の伝播系路を通過するまでの時間から
熱パルスの流速を算出する。
Reの低下を検知すると、制御回路31は電流制御回路
15を制御し、発熱体18に通電して渦発生体17の近
傍を通過する被測流体を瞬問的に加熱する。渦発生体1
7に設けられた発熱体18から熱パルスを受けた流体
は、渦発生体17の下流に流れ、超音波送信器19から
送信される超音波の伝播系路を通過するまでの時間から
熱パルスの流速を算出する。
【0029】被測流体中に伝播された熱パルスを超音波
で検出する方法は、被測流体の温度変化による音速の変
化を位相復調して検出する。また、電流制御回路15の
制御は制御回路31により行うため、発熱体18に通電
してから位相復調で得られた熱パルスが超音波の伝搬経
路を横切るまでの時間を制御回路31で計測して流量を
算出する。
で検出する方法は、被測流体の温度変化による音速の変
化を位相復調して検出する。また、電流制御回路15の
制御は制御回路31により行うため、発熱体18に通電
してから位相復調で得られた熱パルスが超音波の伝搬経
路を横切るまでの時間を制御回路31で計測して流量を
算出する。
【0030】このように、渦流量計11では、被測流体
中にカルマン渦が発生しない微小流量でも、発熱体18
に通電して被測流体を加熱して熱パルスを発生させるこ
とにより正確に計測することができる。また、流速が高
くなりカルマン渦が発生して振幅監視回路34の出力が
高レイノルズ数Re領域であることを知らせると、制御
回路31は入力される渦信号をカルマン渦を検出したも
のと認識して流量を算出する。
中にカルマン渦が発生しない微小流量でも、発熱体18
に通電して被測流体を加熱して熱パルスを発生させるこ
とにより正確に計測することができる。また、流速が高
くなりカルマン渦が発生して振幅監視回路34の出力が
高レイノルズ数Re領域であることを知らせると、制御
回路31は入力される渦信号をカルマン渦を検出したも
のと認識して流量を算出する。
【0031】ここで、被測流体に与える熱パルスの形態
は、パルス幅一定で一定間隔で加熱するのではなく、熱
パルス信号とカルマン渦の信号とを簡単に判別できるた
めに不連続な信号や系列的な信号(M系列など)を用い
ても構わない。また、今回の実施例では、超音波の位相
比較により渦と熱パルスの情報を検出していたが、超音
波の伝播時間差から上記情報を検出する方法でも構わ
ず、送信受信の超音波センサを切り椿えたり、複数組の
センサを用いても良いのは勿論である。
は、パルス幅一定で一定間隔で加熱するのではなく、熱
パルス信号とカルマン渦の信号とを簡単に判別できるた
めに不連続な信号や系列的な信号(M系列など)を用い
ても構わない。また、今回の実施例では、超音波の位相
比較により渦と熱パルスの情報を検出していたが、超音
波の伝播時間差から上記情報を検出する方法でも構わ
ず、送信受信の超音波センサを切り椿えたり、複数組の
センサを用いても良いのは勿論である。
【0032】ここで、上記流量計測回路14による計測
動作による各信号の状態について説明する。図5(A)
(B)はカルマン渦が正常に発生している場合の渦信号
の波形図である。図5(A)に示すように、通常、カル
マン渦が充分に発生している状態では、位相比較器27
からの渦信号(位相復調信号)Bが振幅の充分に大きく
しきい値(破線で示す)以上の出力として得られるの
で、図5(B)に示すように、波形整形回路30より正
常なパルス波Pbが得られる。
動作による各信号の状態について説明する。図5(A)
(B)はカルマン渦が正常に発生している場合の渦信号
の波形図である。図5(A)に示すように、通常、カル
マン渦が充分に発生している状態では、位相比較器27
からの渦信号(位相復調信号)Bが振幅の充分に大きく
しきい値(破線で示す)以上の出力として得られるの
で、図5(B)に示すように、波形整形回路30より正
常なパルス波Pbが得られる。
【0033】図6は管内平均流速と渦信号との関係を示
すグラフである。図6に示すように、管内平均流速と渦
信号(位相復調信号)の振幅は、比例関係にある。すな
わち、カルマン渦の発生周波数は、管内平均流速に比例
して速くなる。さらに、カルマン渦の超音波伝播方向に
対する巻き込む速度成分も管内平均流速に比例している
ことから渦信号の振幅と周波数は管内平均流速に比例す
る。
すグラフである。図6に示すように、管内平均流速と渦
信号(位相復調信号)の振幅は、比例関係にある。すな
わち、カルマン渦の発生周波数は、管内平均流速に比例
して速くなる。さらに、カルマン渦の超音波伝播方向に
対する巻き込む速度成分も管内平均流速に比例している
ことから渦信号の振幅と周波数は管内平均流速に比例す
る。
【0034】図7は流速が低下した微小流量を計測した
場合の渦信号(位相復調信号)の波形図である。図7
(A)に示されるように、微小流量を計測する場合、渦
信号(位相復調信号)は、殆どがしきい値以下となる。
そして、図7(B)に示されるように、しきい値を超え
る渦信号aのみがパルス信号Paとして抽出される。す
なわち、流速が低くなり、カルマン渦の超音波伝播方向
に対する流速(巻き込む速度成分)が低くなると、超音
波の変調量が小さくなるため、渦振幅も小さくなる。そ
のため、上記図5に示すように安定したカルマン渦の検
出、すなわち連続的に規則性を持った渦パルス列Pbが
得られなくなる。安定したカルマン渦の検出ができなく
なる。
場合の渦信号(位相復調信号)の波形図である。図7
(A)に示されるように、微小流量を計測する場合、渦
信号(位相復調信号)は、殆どがしきい値以下となる。
そして、図7(B)に示されるように、しきい値を超え
る渦信号aのみがパルス信号Paとして抽出される。す
なわち、流速が低くなり、カルマン渦の超音波伝播方向
に対する流速(巻き込む速度成分)が低くなると、超音
波の変調量が小さくなるため、渦振幅も小さくなる。そ
のため、上記図5に示すように安定したカルマン渦の検
出、すなわち連続的に規則性を持った渦パルス列Pbが
得られなくなる。安定したカルマン渦の検出ができなく
なる。
【0035】図8は渦発生体17に設けられた発熱体1
8からの熱パルスが被測流体中に付与されたときの渦信
号(位相復調信号)の波形図である。図8に示されるよ
うに、微小流量を計測する際に渦信号Iがしきい値以下
の範囲で変化している場合、上記発熱体18からの熱パ
ルスによる変調が検出される。そのため、発熱体18に
より熱パルスを与える周期をある規則性を持った不連続
な信号とすると、位相比較器27で得られる渦信号は図
8に示すグラフのように熱パルスを検出した復調信号b
が渦信号Bに重畳される。
8からの熱パルスが被測流体中に付与されたときの渦信
号(位相復調信号)の波形図である。図8に示されるよ
うに、微小流量を計測する際に渦信号Iがしきい値以下
の範囲で変化している場合、上記発熱体18からの熱パ
ルスによる変調が検出される。そのため、発熱体18に
より熱パルスを与える周期をある規則性を持った不連続
な信号とすると、位相比較器27で得られる渦信号は図
8に示すグラフのように熱パルスを検出した復調信号b
が渦信号Bに重畳される。
【0036】この熱パルスにより得られた信号から大き
な熱エネルギを得てパルス化のしきい値を越えるように
設定すれば、与えた熱パルスに応じた復調信号が得られ
る。さらに、上記熱パルスを安定的に検出する場合に
は、図8に示す波形の渦信号Bを微分処理して熱パルス
を渦信号Bの変動の影響を受けずに検出できるようにす
ることも可能である。
な熱エネルギを得てパルス化のしきい値を越えるように
設定すれば、与えた熱パルスに応じた復調信号が得られ
る。さらに、上記熱パルスを安定的に検出する場合に
は、図8に示す波形の渦信号Bを微分処理して熱パルス
を渦信号Bの変動の影響を受けずに検出できるようにす
ることも可能である。
【0037】例えば、図9(A)に示すように、渦信号
Bが変動している場合、渦信号Bに重畳された復調信号
bがしきい値以下となって検出されず、図9(B)に示
すように、検出されたパルス列Pbにパルス欠落が生じ
る場合がある。このような場合、位相比較器27におい
て渦信号Bを微分処理することにより、図10(A)に
示すような変動のない渦信号Bが生成され、図10
(B)に示すような、所望とするパルス列が得られる。
Bが変動している場合、渦信号Bに重畳された復調信号
bがしきい値以下となって検出されず、図9(B)に示
すように、検出されたパルス列Pbにパルス欠落が生じ
る場合がある。このような場合、位相比較器27におい
て渦信号Bを微分処理することにより、図10(A)に
示すような変動のない渦信号Bが生成され、図10
(B)に示すような、所望とするパルス列が得られる。
【0038】このように、復調信号を微分処理すること
により、熱パルスによる変化した信号bを安定的に検出
することが可能となる。従って、上記熱パルスは、発振
回路25から与えられた周期であるので、発熱体18か
ら被測流体へ熱が付与されてから超音波受信器20によ
り復調されるまで、時間(位相差)を正確に計測するこ
とができる。そのため、図11(A)に示す発振回路2
5からのパルスPaと、図11(B)に示す増幅回路3
6から出力される超音波受信器20のパルスPbとの位
相差が位相比較器27から出力される。これにより、カ
ルマン渦が発生できないような微小流量を計測する場
合、渦発生体17に設けられた発熱体18により生成さ
れた熱パルスを上記のようにして検出することにより、
微小流量を正確に計測することが可能となる。
により、熱パルスによる変化した信号bを安定的に検出
することが可能となる。従って、上記熱パルスは、発振
回路25から与えられた周期であるので、発熱体18か
ら被測流体へ熱が付与されてから超音波受信器20によ
り復調されるまで、時間(位相差)を正確に計測するこ
とができる。そのため、図11(A)に示す発振回路2
5からのパルスPaと、図11(B)に示す増幅回路3
6から出力される超音波受信器20のパルスPbとの位
相差が位相比較器27から出力される。これにより、カ
ルマン渦が発生できないような微小流量を計測する場
合、渦発生体17に設けられた発熱体18により生成さ
れた熱パルスを上記のようにして検出することにより、
微小流量を正確に計測することが可能となる。
【0039】図12は制御回路31が実行する計測処理
のフローチャートである。ここで、上記流量計測回路1
4の制御回路31が実行する計測処理につき図12を参
照して説明する。図12に示されるように、制御回路3
1は、ステップS11(以下「ステップ」を省略する)
において、渦信号の振幅が所定値以上かどうかをチェッ
クする。S11で渦信号の振幅が所定値以上であり、流
路16を流れる被測流体中にカルマン渦が安定的に発生
していると判定されたときは、S12に進み、位相比較
器27から出力された位相差信号を読み込む。そして、
S13では、発振回路25からのパルスと、増幅回路3
6から出力される超音波受信器20のパルスとの位相差
に基づいて瞬時流量を算出する。
のフローチャートである。ここで、上記流量計測回路1
4の制御回路31が実行する計測処理につき図12を参
照して説明する。図12に示されるように、制御回路3
1は、ステップS11(以下「ステップ」を省略する)
において、渦信号の振幅が所定値以上かどうかをチェッ
クする。S11で渦信号の振幅が所定値以上であり、流
路16を流れる被測流体中にカルマン渦が安定的に発生
していると判定されたときは、S12に進み、位相比較
器27から出力された位相差信号を読み込む。そして、
S13では、発振回路25からのパルスと、増幅回路3
6から出力される超音波受信器20のパルスとの位相差
に基づいて瞬時流量を算出する。
【0040】次のS14では、S13で算出された瞬時
流量を積算して単位時間当たりの流量値を算出する。次
のS15では、上記のように算出された流量値を表示回
路33を介して表示器13aに表示すると共に、出力回
路12から外部へ出力する。また、上記S11におい
て、渦信号の振幅が所定値以下のときは、カルマン渦が
安定的に発生していないので、流路16を流れる被測流
体の流速が小さいものと判断し、S16に移行して渦発
生体17に設けられた発熱体18を予め設定された周期
で加熱させて被測流体中に熱パルスを生成させる。次の
S17では、上記図8乃至図10に示されるように、熱
パルスによる変調を検出し、それに対応する微分処理さ
れた復調信号から生成された位相差の信号を波形整形回
路30から読み込む。
流量を積算して単位時間当たりの流量値を算出する。次
のS15では、上記のように算出された流量値を表示回
路33を介して表示器13aに表示すると共に、出力回
路12から外部へ出力する。また、上記S11におい
て、渦信号の振幅が所定値以下のときは、カルマン渦が
安定的に発生していないので、流路16を流れる被測流
体の流速が小さいものと判断し、S16に移行して渦発
生体17に設けられた発熱体18を予め設定された周期
で加熱させて被測流体中に熱パルスを生成させる。次の
S17では、上記図8乃至図10に示されるように、熱
パルスによる変調を検出し、それに対応する微分処理さ
れた復調信号から生成された位相差の信号を波形整形回
路30から読み込む。
【0041】そして、S18では、図11(A)に示す
発振回路25からのパルスPaと、図11(B)に示す
熱パルスを検出した超音波受信器20のパルスPbとの
位相差に基づいて瞬時流量を算出する。次のS19では
S18で算出された瞬時流量を積算して単位時間当たり
の流量値を算出する。そして、上記S15に移行して、
上記のように算出された熱パルスによる流量値を表示回
路33を介して表示器13aに表示すると共に、出力回
路12から外部へ出力する。
発振回路25からのパルスPaと、図11(B)に示す
熱パルスを検出した超音波受信器20のパルスPbとの
位相差に基づいて瞬時流量を算出する。次のS19では
S18で算出された瞬時流量を積算して単位時間当たり
の流量値を算出する。そして、上記S15に移行して、
上記のように算出された熱パルスによる流量値を表示回
路33を介して表示器13aに表示すると共に、出力回
路12から外部へ出力する。
【0042】次に、本発明の変形例について説明する。
図13は本発明の変形例の横断面図である。また、図1
4は変形例の縦断面図である。尚、図13及び図14に
おいて、上記実施例と同一部分には同一符号を付してそ
の説明を省略する。図13及び図14に示されるよう
に、渦流量計41は、渦発生体17の前面17aに流体
圧力を導入するための圧力導入口44が設けられてい
る。そして、渦発生体17の内部には、低流速検知用の
圧力センサ45が取り付けられている。
図13は本発明の変形例の横断面図である。また、図1
4は変形例の縦断面図である。尚、図13及び図14に
おいて、上記実施例と同一部分には同一符号を付してそ
の説明を省略する。図13及び図14に示されるよう
に、渦流量計41は、渦発生体17の前面17aに流体
圧力を導入するための圧力導入口44が設けられてい
る。そして、渦発生体17の内部には、低流速検知用の
圧力センサ45が取り付けられている。
【0043】図15は管内を流れる流体の速度分布を示
す図である。図15に示されるように、流路16内を流
れる被測流体の流れ状態を考えると、層流域において流
速分布は流路16中心部分で最高速となり、流路16の
内壁付近で流速がゼロとなる。そのため、圧力導入口4
4は、感度良い計測を行なえるようにするため、流路1
6中心部分に対向する渦発生体17の中心部分に設置さ
れている。また、圧力センサ45は、例えばひずみゲー
ジ、半導体式ゲージ等のように被測流体の圧力変化を物
理的な変位量として検出できる圧力検出部材を使用す
る。
す図である。図15に示されるように、流路16内を流
れる被測流体の流れ状態を考えると、層流域において流
速分布は流路16中心部分で最高速となり、流路16の
内壁付近で流速がゼロとなる。そのため、圧力導入口4
4は、感度良い計測を行なえるようにするため、流路1
6中心部分に対向する渦発生体17の中心部分に設置さ
れている。また、圧力センサ45は、例えばひずみゲー
ジ、半導体式ゲージ等のように被測流体の圧力変化を物
理的な変位量として検出できる圧力検出部材を使用す
る。
【0044】また、渦発生体17の下流には、上記実施
例と同様にカルマン渦を検出するための超音波送信器1
9及び超音波受信器20が対向して設置されている。
尚、超音波送信器19及び超音波受信器20によりカル
マン渦を検出する方法は、上記実施例の場合と同様なた
め、ここではその説明を省略する。図16は流量計測回
路47の構成を示すブロック図である。
例と同様にカルマン渦を検出するための超音波送信器1
9及び超音波受信器20が対向して設置されている。
尚、超音波送信器19及び超音波受信器20によりカル
マン渦を検出する方法は、上記実施例の場合と同様なた
め、ここではその説明を省略する。図16は流量計測回
路47の構成を示すブロック図である。
【0045】図16に示されるように、渦発生体17に
設置された低流量検知用の圧力センサ45には圧力検出
器46が接続されている。また、圧力検出器46は制御
回路31に接続されている。次に上記構成とされ流量計
測回路47による計測動作について説明する。流路16
中を流れる流体のレイノルズ数が高くカルマン渦が発生
しているときには、超音波がカルマン渦から受ける位相
変調から渦の発生周波数を超音波送信器19及び超音波
受信器20によって検出する。また、発振回路25から
発振された周波数の超音波信号は、超音波送信器19に
より超音波に変換され、流路16内を流れる被測流体中
を伝搬してカルマン渦からの変調を受けた後に超音波受
信器20で受信されて電気信号に変換される。
設置された低流量検知用の圧力センサ45には圧力検出
器46が接続されている。また、圧力検出器46は制御
回路31に接続されている。次に上記構成とされ流量計
測回路47による計測動作について説明する。流路16
中を流れる流体のレイノルズ数が高くカルマン渦が発生
しているときには、超音波がカルマン渦から受ける位相
変調から渦の発生周波数を超音波送信器19及び超音波
受信器20によって検出する。また、発振回路25から
発振された周波数の超音波信号は、超音波送信器19に
より超音波に変換され、流路16内を流れる被測流体中
を伝搬してカルマン渦からの変調を受けた後に超音波受
信器20で受信されて電気信号に変換される。
【0046】その後、超音波受信器20から出力された
信号は、増幅回路26で増幅された後に位相比較器27
で発振回路25からの信号と比較され、渦信号が生成さ
れる。また、渦信号はフィルタ回路28、増幅回路29
を通って波形整形回路30で矩形波に変換された後、制
御回路31に入力される。制御回路31では、その周波
数から流速を演算し、予め設定された口径から流量を導
く。
信号は、増幅回路26で増幅された後に位相比較器27
で発振回路25からの信号と比較され、渦信号が生成さ
れる。また、渦信号はフィルタ回路28、増幅回路29
を通って波形整形回路30で矩形波に変換された後、制
御回路31に入力される。制御回路31では、その周波
数から流速を演算し、予め設定された口径から流量を導
く。
【0047】演算された流量値は、表示回路33に表示
されると共に、出力回路32から出力される。ここで、
流速が低下して流量が減少して(レイノルズ数が低下)
カルマン渦の発生が不安定な状態となったことを、渦信
号を増幅した後の振幅を監視する振幅監視回路34にて
その状態を監視する。そして、波形整形回路30で渦信
号を矩形波に変換できなくなる振幅以下になったとき、
制御回路31にレイノルズ数の低下を知らせる。
されると共に、出力回路32から出力される。ここで、
流速が低下して流量が減少して(レイノルズ数が低下)
カルマン渦の発生が不安定な状態となったことを、渦信
号を増幅した後の振幅を監視する振幅監視回路34にて
その状態を監視する。そして、波形整形回路30で渦信
号を矩形波に変換できなくなる振幅以下になったとき、
制御回路31にレイノルズ数の低下を知らせる。
【0048】振幅監視回路34によりレイノルズ数Re
が低下しカルマン渦の発生が不安定となったことが検知
されると、制御回路31は圧力検出器46を介して圧力
センサ45からの信号を検出する。圧力センサ45で
は、流速の変化により渦発生体17の前面17aに受け
る圧力変化を変位量として取り出し電気信号に変換す
る。この信号は圧力検出器46で検出され制御回路31
に入力される。
が低下しカルマン渦の発生が不安定となったことが検知
されると、制御回路31は圧力検出器46を介して圧力
センサ45からの信号を検出する。圧力センサ45で
は、流速の変化により渦発生体17の前面17aに受け
る圧力変化を変位量として取り出し電気信号に変換す
る。この信号は圧力検出器46で検出され制御回路31
に入力される。
【0049】制御回路31は圧力検出器46で検出され
た信号を予め入力されているライン圧力による零流量時
信号と比較して流速を導き出し、流量を算出する。ま
た、流速が高くなり(レイノルズ数が上昇)カルマン渦
が発生すると、渦信号を増幅した後、振幅を監視する振
幅監視回路34にてその状態を監視する。そして、振幅
監視回路34は、波形整形回路30で渦信号を矩形波に
変換できる振幅以上になったとき制御回路31にレイノ
ルズ数の上昇をしらせる。
た信号を予め入力されているライン圧力による零流量時
信号と比較して流速を導き出し、流量を算出する。ま
た、流速が高くなり(レイノルズ数が上昇)カルマン渦
が発生すると、渦信号を増幅した後、振幅を監視する振
幅監視回路34にてその状態を監視する。そして、振幅
監視回路34は、波形整形回路30で渦信号を矩形波に
変換できる振幅以上になったとき制御回路31にレイノ
ルズ数の上昇をしらせる。
【0050】また、振幅監視回路34の出力により高レ
イノルズ数領域であることを知らせると、制御回路31
は波形整形回路30から入力される渦信号により流量を
算出する。図17は変形例の制御回路31が実行する計
測処理のフローチャートである。ここで、上記流量計測
回路47の制御回路31が実行する計測処理につき図1
7を参照して説明する。尚、図17において、流路16
を流れる被測流体の流速が十分に高く、カルマン渦が安
定的に発生するときは、前述にした図12に示すフロー
チャートのS11〜S15と同様な処理をS21〜S2
5で行う。
イノルズ数領域であることを知らせると、制御回路31
は波形整形回路30から入力される渦信号により流量を
算出する。図17は変形例の制御回路31が実行する計
測処理のフローチャートである。ここで、上記流量計測
回路47の制御回路31が実行する計測処理につき図1
7を参照して説明する。尚、図17において、流路16
を流れる被測流体の流速が十分に高く、カルマン渦が安
定的に発生するときは、前述にした図12に示すフロー
チャートのS11〜S15と同様な処理をS21〜S2
5で行う。
【0051】また、S21において、渦信号の振幅が所
定以下であるときは、カルマン渦が安定的に発生しない
微小流量であるものと判断してS26に移行し、圧力検
出器46を介して圧力センサ45により検出された圧力
変化の信号を読み込む。次のS27では、予め入力され
ているライン圧力による零流量時信号と圧力検出器46
からの圧力変化に応じた信号とを比較して流速を導き出
す。
定以下であるときは、カルマン渦が安定的に発生しない
微小流量であるものと判断してS26に移行し、圧力検
出器46を介して圧力センサ45により検出された圧力
変化の信号を読み込む。次のS27では、予め入力され
ているライン圧力による零流量時信号と圧力検出器46
からの圧力変化に応じた信号とを比較して流速を導き出
す。
【0052】そして、S28では、流路16内に圧力変
化に基づいて瞬時流量を算出する。次のS19ではS1
8で算出された瞬時流量を積算して単位時間当たりの流
量値を算出する。その後、上記S25に移行して、上記
のように算出された圧力変化信号による流量値を表示回
路33を介して表示器13aに表示すると共に、出力回
路12から外部へ出力する。
化に基づいて瞬時流量を算出する。次のS19ではS1
8で算出された瞬時流量を積算して単位時間当たりの流
量値を算出する。その後、上記S25に移行して、上記
のように算出された圧力変化信号による流量値を表示回
路33を介して表示器13aに表示すると共に、出力回
路12から外部へ出力する。
【0053】尚、上記変形例では、圧力検出器46で検
出された信号を予め入力されているライン圧力による零
流量信号と比較して流速を導き出し、流量を算出してい
るが、これに限らず、配管の内壁に上記圧力検出器46
と同様な圧力検出器を設け、該圧力検出器によって常時
ライン圧力を検出し、制御回路31で圧力検出器46に
より検出された信号とライン圧力とを比較して流速を導
き出し、流量を算出すれば流量計測中のライン圧力が変
化した場合でもライン圧力の変化に追従することがで
き、より信頼性の高い流量計測を行うことができる。
出された信号を予め入力されているライン圧力による零
流量信号と比較して流速を導き出し、流量を算出してい
るが、これに限らず、配管の内壁に上記圧力検出器46
と同様な圧力検出器を設け、該圧力検出器によって常時
ライン圧力を検出し、制御回路31で圧力検出器46に
より検出された信号とライン圧力とを比較して流速を導
き出し、流量を算出すれば流量計測中のライン圧力が変
化した場合でもライン圧力の変化に追従することがで
き、より信頼性の高い流量計測を行うことができる。
【0054】また、上記変形例では、超音波センサを用
いてカルマン渦を検出する構成とされた渦流量計を用い
て説明したが、カルマン渦の検出手段としては、超音波
センサ以外のセンサ(例えば、静電容量式センサやサー
ミスタ式センサ等)を用いた構成の渦流量計にも適用で
きるのは勿論である。
いてカルマン渦を検出する構成とされた渦流量計を用い
て説明したが、カルマン渦の検出手段としては、超音波
センサ以外のセンサ(例えば、静電容量式センサやサー
ミスタ式センサ等)を用いた構成の渦流量計にも適用で
きるのは勿論である。
【0055】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、渦信号出力手段から出力される渦信号の振幅を検出
し、渦信号の振幅が所定値以上のときには渦式流量演算
手段によって流量演算を行わせ、渦信号の振幅が所定値
未満のときには発熱体を駆動させて熱パルス式流量演算
手段に流量演算を行わせるため、カルマン渦が発生しに
くい微小流量を計測する場合でも被測流体中の熱パルス
の移動により流速を検出することができ、微小流量域で
も計測精度を高めることができる。そのため、従来の流
量計では、安定して計測できなかった低レイノルズ数領
域での流量計測が可能となり、これにより微小流量域か
ら高流量域まで幅広いレンジで計測することができると
共に、計測精度をより高めることができる。しかも、熱
パルスを検出するためのセンサが不要であるので、部品
点数を削減できる。
ば、渦信号出力手段から出力される渦信号の振幅を検出
し、渦信号の振幅が所定値以上のときには渦式流量演算
手段によって流量演算を行わせ、渦信号の振幅が所定値
未満のときには発熱体を駆動させて熱パルス式流量演算
手段に流量演算を行わせるため、カルマン渦が発生しに
くい微小流量を計測する場合でも被測流体中の熱パルス
の移動により流速を検出することができ、微小流量域で
も計測精度を高めることができる。そのため、従来の流
量計では、安定して計測できなかった低レイノルズ数領
域での流量計測が可能となり、これにより微小流量域か
ら高流量域まで幅広いレンジで計測することができると
共に、計測精度をより高めることができる。しかも、熱
パルスを検出するためのセンサが不要であるので、部品
点数を削減できる。
【0056】また、熱パルスを用いた流量計測は、高流
速の乱流域では熱パルスが拡散したり熱パルスの移動速
度がばらついて流速に比例しなくなるなどするために、
制度が低下するといった欠点があるが、本発明では、高
流速域に強く低流速域に弱いカルマン渦を用いた渦式流
量演算手段と、低流速域に強く高流速域に弱い熱パルス
式流量演算手段を組み合わせたことで幅広いレンジで精
度良く流量計測を行うことができる。
速の乱流域では熱パルスが拡散したり熱パルスの移動速
度がばらついて流速に比例しなくなるなどするために、
制度が低下するといった欠点があるが、本発明では、高
流速域に強く低流速域に弱いカルマン渦を用いた渦式流
量演算手段と、低流速域に強く高流速域に弱い熱パルス
式流量演算手段を組み合わせたことで幅広いレンジで精
度良く流量計測を行うことができる。
【0057】また、渦信号の周波数は、流れの乱れによ
って周波数が不規則になったり欠落したりすることが起
こって渦信号の周波数が不安定となることがあるため、
渦信号の周波数の大きさによって切換を行わせると切換
のタイミングが不安定になってしまうが、本発明では、
渦式流量演算手段と熱パルス式流量演算手段との切換を
渦信号の振幅の大きさによって行っているため、上記切
換タイミングが不安定になるという欠点も防止してい
る。
って周波数が不規則になったり欠落したりすることが起
こって渦信号の周波数が不安定となることがあるため、
渦信号の周波数の大きさによって切換を行わせると切換
のタイミングが不安定になってしまうが、本発明では、
渦式流量演算手段と熱パルス式流量演算手段との切換を
渦信号の振幅の大きさによって行っているため、上記切
換タイミングが不安定になるという欠点も防止してい
る。
【0058】また、請求項2記載の発明によれば、渦信
号出力手段から出力される渦信号の振幅を検出し、該渦
信号の振幅が所定値以上のときには前記渦式流量演算手
段によって流量演算を行わせ、前記渦信号の振幅が所定
値未満のときには前記圧力変化式流量演算手段に流量演
算を行わせるため、カルマン渦が発生しにくい微小流量
を計測する場合でも被測流体の流れ方向の圧力変化から
流速を検出することができ、微小流量域での計測を可能
とすることができる。そのため、従来の流量計では、安
定して計測できなかった低レイノルズ数領域での流量計
測が可能となり、これにより微小流量域から高流量域ま
で幅広いレンジで計測することができると共に、計測精
度をより高めることができる。
号出力手段から出力される渦信号の振幅を検出し、該渦
信号の振幅が所定値以上のときには前記渦式流量演算手
段によって流量演算を行わせ、前記渦信号の振幅が所定
値未満のときには前記圧力変化式流量演算手段に流量演
算を行わせるため、カルマン渦が発生しにくい微小流量
を計測する場合でも被測流体の流れ方向の圧力変化から
流速を検出することができ、微小流量域での計測を可能
とすることができる。そのため、従来の流量計では、安
定して計測できなかった低レイノルズ数領域での流量計
測が可能となり、これにより微小流量域から高流量域ま
で幅広いレンジで計測することができると共に、計測精
度をより高めることができる。
【0059】また、渦信号の周波数は、流れの乱れによ
って周波数が不規則になったり欠落したりすることが起
こって渦信号の周波数が不安定となることがあるため、
渦信号の周波数の大きさによって切換を行わせると切換
のタイミングが不安定になってしまうが、本発明では、
渦式流量演算手段と圧力変化式流量演算手段との切換を
渦信号の振幅の大きさによって行っているため、上記切
換タイミングが不安定になるという欠点も防止してい
る。
って周波数が不規則になったり欠落したりすることが起
こって渦信号の周波数が不安定となることがあるため、
渦信号の周波数の大きさによって切換を行わせると切換
のタイミングが不安定になってしまうが、本発明では、
渦式流量演算手段と圧力変化式流量演算手段との切換を
渦信号の振幅の大きさによって行っているため、上記切
換タイミングが不安定になるという欠点も防止してい
る。
【図1】本発明になる渦流量計の一実施例を示す正面図
である。
である。
【図2】渦流量計11の側面図である。
【図3】渦発生体17の下流に発生するカルマン渦と、
超音波送信器19及び超音波受信器20の取付位置を示
す斜視図である。
超音波送信器19及び超音波受信器20の取付位置を示
す斜視図である。
【図4】渦流量計11の流量計測回路14の構成を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
【図5】カルマン渦が正常に発生している場合の渦信号
の波形図である。
の波形図である。
【図6】管内平均流速と渦信号との関係を示すグラフで
ある。
ある。
【図7】流速が低下した微小流量を計測した場合の渦信
号(位相復調信号)の波形図である。
号(位相復調信号)の波形図である。
【図8】渦発生体17に設けられた発熱体18からの熱
パルスが被測流体中に付与されたときの渦信号(位相復
調信号)の波形図である。
パルスが被測流体中に付与されたときの渦信号(位相復
調信号)の波形図である。
【図9】変動する渦信号Bに熱パルスの復調信号bが重
畳された状態を示す波形図である。
畳された状態を示す波形図である。
【図10】渦信号Bを微分処理したときの波形図であ
る。
る。
【図11】発振回路25からのパルスPaと増幅回路3
6から出力される超音波受信器20のパルスPbとの位
相差を示す波形図である。
6から出力される超音波受信器20のパルスPbとの位
相差を示す波形図である。
【図12】制御回路31が実行する計測処理のフローチ
ャートである。
ャートである。
【図13】本発明の変形例の横断面図である。
【図14】変形例の縦断面図である。
【図15】管内を流れる流体の速度分布を示す図であ
る。
る。
【図16】流量計測回路47の構成を示すブロック図で
ある。
ある。
【図17】変形例の制御回路31が実行する計測処理の
フローチャートである。
フローチャートである。
【図18】従来の渦流量計及びその計測原理を説明する
ための構成図である。
ための構成図である。
11 渦流量計 12 ハウジング 13 流量指示部 14 超音波発振器 15 位相比較器 16 流路 17 渦発生体 19 超音波送信器 20 超音波受信器 22,23 カルマン渦 14 流量計測回路 25 発振回路 26 増幅回路 27 位相比較器 28 フィルタ回路 29 増幅回路 30 波形整形回路 31 制御回路 32 出力回路 33 表示回路 34 振幅監視回路 35 電流制御回路 44 圧力導入口 45 圧力センサ 46 圧力検出器
Claims (2)
- 【請求項1】 被測流体が流通する流路内に設けられた
渦発生体と、 前記流路の前記渦発生体によって発生するカルマン渦の
発生領域をはさむように配設された一対の超音波送受信
器と、 該超音波送受信器の一方から送信され、他方で受信され
る超音波がカルマン渦によって受ける変調量を検出し、
前記カルマン渦の発生周波数を有する渦信号として出力
する渦信号出力手段と、 該渦信号出力手段から出力される渦信号に基づいて前記
被測流体の流量を演算する渦式流量演算手段と、 からなる渦流量計において、前記渦発生体に設けられ、
被測流体を間欠的に熱することで熱パルスを発生させる
発熱体と、 前記渦信号出力手段の出力する渦信号から超音波が熱パ
ルスによって受ける変調量を抽出し、熱パルスの移動速
度から前記被測流体の流量を演算する熱パルス式流量演
算手段と、 前記渦信号出力手段から出力される渦信号の振幅を検出
し、該渦信号の振幅が所定値以上のときには前記渦式流
量演算手段によって流量演算を行わせ、前記渦信号の振
幅が所定値未満のときには前記発熱体を駆動させて前記
熱パルス式流量演算手段に流量演算を行わせる切換手段
と、 を設けたことを特徴とする渦流量計。 - 【請求項2】 被測流体が流通する流路内に設けられた
渦発生体と、 前記流路の前記渦発生体によって発生するカルマン渦の
発生領域をはさむように配設された一対の超音波送受信
器と、 該超音波送受信器の一方から送信され、他方で受信され
る超音波がカルマン渦によって受ける変調量を検出し、
前記カルマン渦の発生周波数を有する渦信号として出力
する渦信号出力手段と、 該渦信号出力手段から出力される渦信号に基づいて前記
被測流体の流量を演算する渦式流量演算手段と、 からなる渦流量計において、 前記渦発生体に設けられ、前記被測流体の流れ方向の圧
力変化を検出する圧力変化検出手段と、 該圧力変化検出手段によって検出される圧力変化に基づ
いて前記被測流体の流量を演算する圧力変化式流量演算
手段と、 前記渦信号出力手段から出力される渦信号の振幅を検出
し、該渦信号の振幅が所定値以上のときには前記渦式流
量演算手段によって流量演算を行わせ、前記渦信号の振
幅が所定値未満のときには前記圧力変化式流量演算手段
に流量演算を行わせる切換手段と、 を設けたことを特徴とする渦流量計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10082153A JPH11281422A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 渦流量計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10082153A JPH11281422A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 渦流量計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11281422A true JPH11281422A (ja) | 1999-10-15 |
Family
ID=13766501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10082153A Pending JPH11281422A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 渦流量計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11281422A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007145036A1 (ja) * | 2006-06-13 | 2007-12-21 | Oval Corporation | 容積流量を切り替えポイントに用いるマルチ渦流量計 |
WO2007145037A1 (ja) * | 2006-06-13 | 2007-12-21 | Oval Corporation | 圧力計一体形マルチ渦流量計 |
CN114046835A (zh) * | 2021-09-29 | 2022-02-15 | 华能苏州热电有限责任公司 | 一种基于流量积算仪的蒸汽流量计量方法及装置 |
JP2022515795A (ja) * | 2018-12-24 | 2022-02-22 | マイクロ モーション インコーポレイテッド | 渦流量計及び流量測定方法 |
-
1998
- 1998-03-27 JP JP10082153A patent/JPH11281422A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007145036A1 (ja) * | 2006-06-13 | 2007-12-21 | Oval Corporation | 容積流量を切り替えポイントに用いるマルチ渦流量計 |
WO2007145037A1 (ja) * | 2006-06-13 | 2007-12-21 | Oval Corporation | 圧力計一体形マルチ渦流量計 |
US7895904B2 (en) | 2006-06-13 | 2011-03-01 | Oval Corporation | Multi-vortex flowmeter employing volume flow rate as switching point |
US8069734B2 (en) | 2006-06-13 | 2011-12-06 | Oval Corporation | Multi-vortex flowmeter integrating pressure gauge |
JP2022515795A (ja) * | 2018-12-24 | 2022-02-22 | マイクロ モーション インコーポレイテッド | 渦流量計及び流量測定方法 |
CN114046835A (zh) * | 2021-09-29 | 2022-02-15 | 华能苏州热电有限责任公司 | 一种基于流量积算仪的蒸汽流量计量方法及装置 |
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