JPH1128114A - バッグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 開口部を備えた容器体と、この容器体の開口
部を被覆可能な蓋体とを備えたバッグにおいて、収納し
た対象物に対して外部からの衝撃を途中で吸収する緩衝
手段が設けられており、かつ、収納する対象物の性質に
応じて、収納容積を拡大可能なバッグを提供する。 【解決手段】 蓋体４が開口部Ｓを被覆している時に形
成される内部空間の内面２ｂ，２ｂ，２ｅ，２ｃに、外
部からの衝撃を吸収する緩衝部材１０が着脱可能に取り
付けられており、緩衝部材１０を取り外せば、総収納容
積が拡大し、また、容器体が折り畳み可能となる構成と
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はバッグに関し、より
具体的には、開口部を備えた容器体と、この容器体の開
口部を被覆可能な蓋体とを備えたバッグに関する。

【０００２】

【従来の技術】上記のバッグに、ポータブルパソコンに
代表されるような衝撃に対して敏感な対象物を収納する
場合、バッグの外郭を構成する部材と収納物の間に、バ
ッグの外部からの衝撃を途中で吸収する緩衝手段を適用
する必要があり、このような緩衝手段としてのスポンジ
層等をバッグの内面にライニングしたバッグが知られて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例のバッグに用いられているような緩衝手段は、特
に収納物の重量が増すに応じて、バッグ内にて比較的大
きな体積を占めるものであるから、結果として、バッグ
の収納容積はバッグの外寸に比して小さくなってしま
う。すなわち、このようなバッグに一般の衝撃に対して
特に敏感でない対象物を収納しようとする場合、このよ
うな緩衝手段は、不要であるのみならず、収納力を低下
させてしまう。

【０００４】本発明の目的は、上記の従来例のバッグに
見られる問題に鑑み、収納した対象物に対して外部から
の衝撃を途中で吸収する緩衝手段が設けられており、し
かも、収納する対象物の性質に応じて、収納容積を拡大
可能なバッグを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１によるバッグは、蓋体が開口部を
被覆している時に形成される内部空間の内面に、衝撃を
吸収する緩衝部材が着脱可能に取り付けられており、緩
衝部材の着脱に基づいて総収納容積が調節可能であるこ
とを特徴構成としている。

【０００６】上記の特徴構成のために、本発明の請求項
１によるバッグでは、緩衝材を取り付けた状態で使用す
れば、衝撃に対して敏感な対象物を収納しても、バッグ
外部からの衝撃が緩衝材によって吸収されて、対象物を
保護することができ、一方、緩衝材を取り外せば、バッ
グの総収納容積が増して、衝撃に対して特に敏感でない
対象物に対する収容力が高まるという効果が得られる。
また、緩衝材を除いたバッグ本体の大半を剛性の低い材
料だけで構成し、緩衝材を剛性の高い材料で構成してお
き、緩衝材を内面に取り付けたとき初めて使用中のバッ
グとして必要な剛性が生じるように構成すれば、緩衝材
を取り外した上で、バッグ本体部分を小さく折り畳んで
他のバッグに収納する等の操作が可能となる。この場
合、緩衝材自身が占める体積は常に小さいので、折り畳
まれて小さくなったバッグ本体と、緩衝材とを合わせた
体積は、緩衝材を取り付けた状態のバッグの体積に比し
て十分に小さい。

【０００７】また、請求項２に記載された発明のよう
に、緩衝部材を中実の弾性発泡材料で構成し、且つ、緩
衝部材は、内面に取り付けられている時、内部空間に向
かって先細りとなる断面形状を備えたものとすることが
できる。このように構成すれば、薄い膜で出来た隔壁内
にエアを封入して形成した緩衝手段など、外部からの強
い衝撃によって緩衝手段が破損して衝撃を吸収し得ない
可能性のあるものに比して、強い衝撃によっても緩衝手
段が破損されることがなく、より確実に収納物を保護で
きる。また、このように構成すれば、先細りの断面を構
成する三角形の底辺に相当する、充分な面積を持った部
位で緩衝部材をバッグの内面に確実に固定することが可
能となる上に、収納物は緩衝部材の断面の前記三角形の
頂点で支持されるので、緩衝部材を比較的弾性係数の低
い材質で構成することによって、重量の大きな収納物を
も弾性的に支持可能となる。さらに、このように構成す
れば、緩衝部材をその断面形状の先細りとなる側が内側
になる向きには比較的容易に折り曲げ可能で、しかも、
折り曲げによってできるコーナー部が内側に大きく迫り
出す支障（大きく迫り出すと、緩衝部材は矩形の収納物
を辺ではなく角部で支持するので、緩衝部材の特定箇所
のみが収納物の重量を負担してその部位の損傷が早ま
る、また、無駄な空きスペースが発生する等の問題が生
じる）も起き難いため、次に議論する請求項３に記載し
た発明のように、緩衝部材を長尺の一本の部材で構成し
ておいて、これを適宜折り曲げてバッグの内面形状に沿
わせることができる。

【０００８】すなわち、請求項３に記載した発明のよう
に、緩衝部材を長尺の一本の部材で構成すれば、種々の
長さの緩衝部材を複数製造する場合に比して製造コスト
が低く済んで都合が良い。しかも、このように、緩衝部
材を長尺の一本の部材で構成しておけば、緩衝部材どう
しの連結部は一カ所で済ますことができるので、複数の
緩衝部材をバッグのコーナー部等で組み合わせて使用す
る場合に比して、バッグのコーナー部の剛性、ひいては
バッグ全体としての剛性が高くなって都合が良い。

【０００９】また、請求項４に記載した発明のように、
容器体が、矩形のシート部材と、このシート部材の四周
から立設された四角筒状の側壁部材を有し、この側壁部
材の内面全周に四角筒状に緩衝部材を取り付けるように
構成し、ポータブルパソコンを収納した時、緩衝部材が
ポータブルパソコンの上下の辺（バッグをバッグの外側
に取り付けられたハンドルで吊り下げた状態での上下の
意）に押し付けられるような寸法に設定すれば、ポータ
ブルパソコンが少なくとも上下方向では隙間無く確実に
緩衝部材に支持されて、移動中などもポータブルパソコ
ンがバッグ内で上下に移動せず、ポータブルパソコンに
与える衝撃がより少なくなり都合が良い。

【００１０】緩衝部材を構成する弾性材料としては、請
求項５に記載した発明のようにポリウレタン発泡体で構
成すれば良い。

【００１１】請求項６に記載した発明のように、内部空
間を複数の空間に区分する中仕切りを、緩衝部材の更に
内面に取り付け可能としても良い。このように構成すれ
ば、バッグの前後方向についてポータブルパソコンと緩
衝部材の間に隙間があっても、（上下方向に比してポー
タブルパソコンの重量が直接作用することが少ないの
で）中仕切り部材でポータブルパソコンの横方向の移動
を防止することができる。

【００１２】本発明によるその他の特徴及び利点は、以
下図面を用いた実施例の説明により明らかになるだろ
う。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明によるバッグの一実施形態
について図面に基づいて解説する。図１は、本発明によ
るバッグの一実施形態としてのパソコンバッグ（主にラ
ップトップ型パソコン等と言ったポータブルパソコンを
持ち運ぶためのバッグ）の外観を示す。図２に良く示さ
れるように、パソコンバッグ１は、開口部Ｓを備えた容
器体２と、容器体２の開口部Ｓを被覆可能な蓋体４とを
備えている。容器体２と蓋体４の材質としては、ナイロ
ンポリスチック等を用いると良い。容器体２は、矩形の
シート部材２ａと、このシート部材２ａの四周から立設
された四角筒状の側壁部材を有する。前記側壁部材は、
一対の袖部２ｂ，２ｂ、ハンドル２２が縫い付けられた
天井部２ｅ、樹脂製の脚２４，２４が取り付けられた底
部２ｃからなる。また、蓋体４も矩形のシート部材４ａ
を有する。蓋体４のシート部材４ａと、側壁部材２ｂ，
２ｂ，２ｅ，２ｃの間には、蓋体４を容器体２の上端と
連結して開口部Ｓを被覆、閉鎖するためのファスナー３
０が設けられている。また、容器体２のシート部材２ａ
と、蓋体４のシート部材４ａの内部には、外部からの衝
撃を吸収可能な板状のスポンジ（図示されず）が装着さ
れている。図２に良く示されるように、容器体２の側壁
部材２ｂ，２ｂ，２ｅ，２ｃの内面全周（蓋体が開口部
Ｓを被覆している時に形成される内部空間の内面の一
例）には、弾性を有し、衝撃を吸収する緩衝部材１０が
四角筒状に取り付けられている。そして、図４の断面図
に示されるように、上下の外寸が約２４ｃｍのポータブ
ルパソコンＰを収納した時、緩衝部材１０がポータブル
パソコンＰの上下の辺に圧着されるように設定されてい
る。

【００１４】図３に最も良く示されるように、緩衝部材
１０は、容器体２の側壁部材２ｂ，２ｂ，２ｅ，２ｃの
内面に対して着脱可能に設けられている。すなわち、側
壁部材２ｂ，２ｂ，２ｅ，２ｃの内面全周と、緩衝部材
１０の間には、互いに絡み付く構造の面ファスナー５０
ａ，５０ｂが設けられており、緩衝部材１０を側壁部材
２ｂ，２ｂ，２ｅ，２ｃから引き剥がせば、バッグの開
口部Ｓの面積、および、バッグ１全体の収納容積が拡張
される。また、容器体２の側壁部材２ｂ，２ｂ，２ｅ，
２ｃの内面全周に緩衝部材１０が取り付けられている
時、緩衝部材１０の上辺部位と下辺部位の間に中仕切り
部材２０を取り付けることができる。したがって、緩衝
部材１０の上辺部位と下辺部位、および、中仕切り部材
２０の端部にも面ファスナー５２ａ，５２ｂが設けられ
ている。中仕切り部材２０は、内部空間を複数の空間に
区分すると同時に、バッグの前後方向についてポータブ
ルパソコンと緩衝部材の間に隙間があった場合、中仕切
り部材２０を緩衝部材１０の上辺部位と下辺部位の間に
取り付けることによって、収納物が横方向に移動するの
を防止することができる。

【００１５】尚、図４に示されるように、緩衝部材１０
は、断面形状が半円形（前記内面に取り付けられている
時、前記内部空間に向かって先細りとなる形状の一例）
の中実の弾性発泡材料１４、弾性発泡材料１４の背面に
隣接した平面状で樹脂製の補強板１２、および、弾性発
泡材料１４を補強板１２と一体化するために両者に縫い
付けられたナイロンポリスチック製の被覆１６からな
り、補強板１２の背面に面ファスナー５０ｂが取り付け
られている。弾性発泡材料１４は具体的には、ポリウレ
タン発泡体などが適しており、断面形状の半円形の高さ
ｈの例としては約２０ｍｍ等で良い。尚、図４から良く
判るように、緩衝部材１０は、断面形状が半円形である
ために、断面が矩形の収納物が容器体２に収納されてい
る時に、収納物の上縁部付近においては、緩衝部材１０
と収納物の間に断面がほぼ三角形の空間が形成されてお
り、この三角形の空間に指などを差し込むことで収納物
を容器体２から容易に取り出すことができる。

【００１６】また、板状の薄い補強板が内部に装着され
た側壁部材（天井部）２ｅを除く他の側壁部材２ｂ，２
ｂ，２ｃには剛性の高い補強部材が用いられていないの
で、緩衝部材１０を側壁部材２ｂ，２ｂ，２ｅ，２ｃか
ら取り外して、容器体２と別体とすれば、図５に示すよ
うに、容器体２を薄く折り畳むことができる。この時、
取り外された緩衝部材１０は、リング状などに小さく折
り畳むことができる。尚、容器体２の側壁部材２ｂの外
側に取り付けられた携帯電話用ポケット４２、およびバ
ッグ１をショルダー型バッグとして用いるためのストラ
ップ５０も取り外し可能である。容器体２内部には、収
納されたポータブルパソコンを固定するためのベルト４
０が設けられている。容器体２と蓋体４の間のヒンジ部
には、収納されたポータブルパソコンを被覆可能な仕切
りシート６が、揺動可能に一体形成されており、天井部
２ｅからは、ポータブルパソコンを被覆した仕切りシー
ト６と連結可能なフラップ８が延びている。

【００１７】〔別実施形態〕上記実施形態は、パソコン
バッグとして記載されたが、ポータブルパソコン以外の
比較的重量が大きな精密機械を対象としたバッグとして
も使用可能であることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるバッグの外観斜視図

【図２】図１のバッグの蓋部を開放した状態の斜視図

【図３】図２に対応する分解斜視図

【図４】図１のバッグの横断面図

【図５】図１のバッグの容器体を折り畳んだ状態の斜視
図

【符号の説明】

１ バッグ ２ 容器体 ４ 蓋体 ６ 仕切りシート １０ 緩衝部材 ２０ 中仕切り部材 Ｓ 開口部

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口部を備えた容器体と、この容器体の
   前記開口部を被覆可能な蓋体とを備えたバッグであっ
   て、 前記蓋体が前記開口部を被覆している時に形成される内
   部空間の内面に、衝撃を吸収する緩衝部材が着脱可能に
   取り付けられており、前記緩衝部材の前記着脱に基づい
   て総収納容積が調節可能なバッグ。
2. 【請求項２】 前記緩衝部材が中実の弾性発泡材料から
   なり、且つ、前記緩衝部材は、前記内面に取り付けられ
   ている時、前記内部空間に向かって先細りとなる断面形
   状を備えている請求項１に記載のバッグ。
3. 【請求項３】 前記緩衝部材が長尺一本物の部材である
   請求項２に記載のバッグ。
4. 【請求項４】 前記容器体が、矩形のシート部材と、こ
   のシート部材の四周から立設された四角筒状の側壁部材
   を有し、この側壁部材の内面全周に四角筒状に前記緩衝
   部材を取り付けて、ポータブルパソコンを収納した時、
   前記緩衝部材が前記ポータブルパソコンの上下の辺に押
   し付けられる請求項１から３のいずれか１項に記載のバ
   ッグ。
5. 【請求項５】 前記弾性材料がポリウレタン発泡体であ
   る請求項２から４のいずれか１項に記載のバッグ。
6. 【請求項６】 前記内部空間を複数の空間に区分する中
   仕切りを、前記緩衝部材の更に内面に取り付け可能とな
   っている請求項１から５のいずれか１項に記載のバッ
   グ。