JPH11279609A - レースウェイ形状計測方法 - Google Patents

レースウェイ形状計測方法

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JPH11279609A
JPH11279609A JP10182798A JP10182798A JPH11279609A JP H11279609 A JPH11279609 A JP H11279609A JP 10182798 A JP10182798 A JP 10182798A JP 10182798 A JP10182798 A JP 10182798A JP H11279609 A JPH11279609 A JP H11279609A
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JP
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signal
sonde
raceway
horn antenna
pseudo
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JP10182798A
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Koichi Tezuka
浩一 手塚
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高炉レースウェイの奥行き方向だけではな
く、空間的な広がり形状を、安定して連続的に計測する
方法を提供する。 【解決手段】 冷却ジャケット4を有し、長時間の連続
計測を可能とする三重管方式の水冷型炉芯ゾンデ1を、
羽口より高温の炉内レースウェイ空間内に挿入して測定
を行う。電磁波を伝播させる導波管となる内管3は、送
信用及び受信用に2本挿入している。mm波距離計9から
入力された信号は一方のホーンアンテナ2によりゾンデ
の軸方向に対して斜め方向に指向性を持って放射され、
レースウェイ16空間内からの反射信号は他方のホーン
アンテナ2により受信されmm波距離計9に戻される。送
信から受信までの時間差を測定することにより、レース
ウェイの形状を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉炉下部の状
態、特に羽口からの熱風吹き込みにより生成される炉内
レースウェイ空間の状態を把握する方法に関するもので
あり、レースウェイの空間的な広がりを把握する形状計
測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉操業においては、羽口からの熱風の
吹き込みにより羽口先の炉内にレースウェイと呼ばれる
空間が生成され、レースウェイ空間内でコークスが旋回
燃焼している。レースウェイ空間の先は炉芯部となって
おり、レースウェイ空間での燃焼により生成された高温
のガスは炉内(炉芯部、炉壁部)を上昇していく。この
レースウェイ空間の形状(幅、高さ、奥行き)は炉芯部
の空隙率、炉芯コークスの粒度、炉芯の通気性により変
化する。よって、逆にレースウェイの前後、左右、上下
方向への広がり、形状を知ることにより炉芯部の空隙
率、通気性等を推定し、高炉炉下部の状態、操業状態を
把握し、操業の安定性に寄与することが可能となる。
【0003】現在、レースウェイ空間及び炉芯部の観
察、測定は羽口より炉芯ゾンデを挿入することにより実
施されている。炉芯ゾンデでは炉内のカメラによる観
察、サンプルの採取のほか、羽口から挿入、炉内方向に
推進した際のゾンデの推進に必要な推力の変化を観察す
ることによりゾンデ先端部がレースウェイ端部(炉芯)
に達したかどうかを判断し、レースウェイ深度(奥行
き)を計測する。
【0004】また、特開昭53−48004号公報、特
開昭55−89407号公報、特開平3−503186
号公報には、羽口外部より羽口を通して炉内レースウェ
イ空間内に電磁波または光(レーザ光)信号を照射し、
炉内からの反射波又は反射光を検出することによりレー
スウェイ空間内の状態を推定する方法が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
技術には以下に述べるような問題点がある。炉芯ゾンデ
の推力変化によりレースウェイ奥行きを計測する方法で
は、機械的な推力の変化による計測であるため、炉芯及
びレースウェイの状態により推力変化のパターンが異な
り、安定して正確なレースウェイ深度を計測することは
困難である。さらに、この計測では機械的なゾンデの推
進、後退により計測を行うため断続的な計測となり連続
した計測を行うことができない。
【0006】羽口外部からの電磁波、レーザ光による計
測では電磁波、レーザ光が、伝播する空間に存在するコ
ークス、微粉炭等により反射、減衰するため奥行き方向
の計測が困難となる場合がある。特に近年の高炉操業に
おいては羽口からの微粉炭吹き込みが行われる場合が多
く、この影響によりレースウェイ深部まで信号が到達せ
ず、計測が困難となる。
【0007】また、推力変化による計測や羽口外部から
の電磁波、レーザ光による計測はレースウェイの奥行き
方向のみを計測する方法であり、レースウェイの上下左
右方向への空間的な広がりを計測することはできない。
【0008】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたものであり、高炉レースウェイの奥行き方向
だけではなく、空間的な広がり形状を、安定して連続的
に計測する方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、高炉羽口先端位置又は高炉炉内レース
ウェイ空間内に挿入したゾンデに設けられたアンテナか
らレースウェイ空間内に電磁波を照射し、レースウェイ
空間の境界よりの反射信号を受信し、電磁波の往復の伝
播時間からレースウェイ境界の位置を計測することを特
徴とするレースウェイ形状計測方法(請求項1)であ
る。
【0010】この手段においては、高炉羽口先端位置又
は高炉炉内レースウェイ空間内にゾンデを挿入し、ゾン
デに設けられたアンテナからレースウェイ空間内に電磁
波を照射し、レースウェイ空間の境界よりの反射信号を
受信する。よって、羽口外部から電磁波を照射する計測
方法と異なり、微粉炭等による電磁波の減衰等が少なく
なり、安定して連続した計測ができる。又、アンテナ先
端の位置、電磁波の放射方向を変えることにより、レー
スウェイの上下左右方向への空間的な広がりを計測する
ことができる。
【0011】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、ゾンデとして、内部に導波管
及び電磁ホーンアンテナを内臓し、正面に電磁ホーンア
ンテナの開口を有するゾンデを使用することにより、レ
ースウェイの奥行深さを測定することを特徴とするもの
(請求項2)である。
【0012】この手段においては、電磁ホーンアンテナ
の開口がゾンデの正面に向いているので、電磁波がレー
スウェイの奥行き方向に放射される。よって、レースウ
ェイの奥行きを測定することができる。
【0013】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段であって、電磁波の送受信を行うゾンデ
として、内部に導波管及び電磁ホーンアンテナを内臓
し、側面に電磁ホーンアンテナの開口を有するゾンデを
使用することにより、ゾンデの長さ方向に略垂直な方向
のレースウェイ空間の距離を測定することを特徴とする
もの(請求項3)である。
【0014】この手段においては、電磁ホーンアンテナ
の開口がゾンデの側面に向いているので、電磁波がゾン
デの長さ方向と略垂直な方向に放射される。よって、ゾ
ンデの長さ方向に略垂直な方向のレースウェイ空間の距
離を測定することができる。
【0015】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第1の手段であって、電磁波の送受信を行うゾンデ
として、内部に導波管及び電磁ホーンアンテナを内臓
し、側面に電磁ホーンアンテナの開口を有するゾンデを
使用し、ゾンデの炉内への挿入位置とゾンデの回転角度
を変更して測定を行うことにより、レースウェイ空間の
境界位置の立体的形状を計測することを特徴とするもの
(請求項4)である。
【0016】この手段によれば、ゾンデの装入位置を変
えることにより、種々な深さにおけるゾンデの長さ方向
に略垂直な方向のレースウェイ空間の距離を測定するこ
とができる。さらに、ゾンデを回転することにより、ゾ
ンデの長さ方向に略垂直な種々の方向のレースウェイ空
間の距離を測定することがでる。従って、これらを組み
合わせることにより、レースウェイ空間の立体的形状を
測定することができる。
【0017】前記課題を解決するための第5の手段は、
前記第1の手段であって、電磁波の送受信を行うゾンデ
として、内部に導波管及び電磁ホーンアンテナを内臓
し、正面及び側面に電磁ホーンアンテナの開口を有する
ゾンデを使用し、ゾンデの炉内への挿入位置とゾンデの
回転角度を変更して測定を行うことにより、レースウェ
イ空間の境界位置の立体的形状を計測することを特徴と
するもの(請求項5)である。
【0018】この手段によれば、前記第4の手段に加え
て、ゾンデの正面に開口を有する電磁ホーンアンテナに
よりレースウェイ奥行き方向の深さを同時に測定できる
ため、レースウェイ空間の立体的形状を、より正確に測
定することができる。
【0019】前記課題を解決するための第6の手段は、
前記第1の手段から第5の手段のいずれかであって、電
磁波の伝播時間を計測する方法が、搬送波信号を第1の
擬似ランダム信号により変調して電磁波送信信号として
アンテナより送信し、アンテナより受信された信号を、
第1の擬似ランダム信号と信号パターンが同一で周波数
がわずかに異なる第2の擬似ランダム信号と乗算して、
その出力を前記搬送波信号及び前記搬送波信号と位相が
90°異なる信号によりそれぞれ検波し、その後これら
2つの信号をローパスフィルタにより帯域制限した信号
をそれぞれ2乗して加算して受信信号となし、一方、第
1の擬似ランダム信号と第2の擬似ランダム信号とを乗
算し、ローパスフィルタにより帯域制限して基準信号と
なし、前記基準信号と前記受信信号のピーク位置の時間
差を計測する方法であることを特徴とするもの(請求項
6)である。
【0020】この手段においては、送信される信号の
基本波として擬似ランダム信号を使用している。 送信波として、搬送波を前記擬似ランダム信号で変調
したものを使用している。 電磁波を送信してから受信するまでの時間を測定する
手法として、波形パターンが同じで周波数がわずかに異
なる2つの擬似ランダム信号の相互相関処理を使用して
いる。 点が特徴である。ここに、擬似ランダム信号とは、周期
性があるが、1周期の間においてはランダムな信号であ
るとみなせるような信号系列をいう。
【0021】まず、において、信号の基本波として擬
似ランダム信号を使用することにより、後に信号処理形
において、この擬似ランダム信号と相関のある信号のみ
を取り出して処理することができる。よって、この擬似
ランダム信号と相関の無いノイズを除外して処理するこ
とができるので、高いS/N比が得られる。
【0022】において、搬送波の周波数として擬似ラ
ンダム信号の周波数より十分高いものを用いることによ
り、アンテナから放射される電磁波の指向性を高くする
ことができると共に、アンテナを小型化することができ
る。この手段においては、搬送波信号を第1の擬似ラン
ダム信号により変調して電磁波送信信号としてアンテナ
より送信することにより、電磁波の周波数を高周波と
し、搬送波信号及び前記搬送波信号と位相が90°異な
る信号によりそれぞれ位相検波し、その後これら2つの
信号をローパスフィルタにより帯域制限した信号をそれ
ぞれ2乗して加算して受信信号とすることにより、搬送
波成分信号成分の検波及び擬似ランダム信号の相関処理
を行っている。
【0023】において、同じ擬似ランダム信号の相互
相関をとると、1周期のうちお互いの位相が一致する1
パルス分のみにピーク信号が現われ、位相が1パルス以
上ずれた場合には相互相関は0となる。
【0024】周波数がFである第1の擬似ランダム信号
とパターンが同じで周波数がF+ΔF(F≫ΔF)の第
2のランダム信号の相互相関をとると、両者の位相が一
致した点を中心として幅が2/ΔFパルスに亙ってピー
ク信号が現われ、位相がそれ以上ずれた場合には相互相
関は0となる。両者の位相が一致してから再び一致する
までの時間は、第1の擬似ランダム信号の周期をTとす
ると、TF/ΔFとなる。すなわち、第1の擬似ランダ
ム信号と第2の擬似ランダム信号の相互相関をとったも
のを検出信号として用いることにより、時間軸をF/Δ
Fに伸ばして観測しているのと同じ効果を得ることがで
きる。
【0025】従って、第1の擬似ランダム信号にΔdだ
けの時間遅れが発生した場合、第2の擬似ランダム信号
との相互相関のピークが現れる時間はΔdF/ΔFとな
る。よって、第1の擬似ランダム信号と第2の擬似ラン
ダム信号の相互相関をとったものを観測し、そのピーク
発生位置を測定すれば、F/ΔF倍の分解能で遅れ時間
Δdを測定することができ、極短い時間Δdを測定でき
る。
【0026】この手段は、この測定方法を応用したもの
であり、第1の擬似ランダム信号を送信信号とし、その
反射信号を検出する。この反射信号は、信号の伝播に伴
う時間遅れをもって入力される。この入力信号に、第1
の擬似ランダム信号と信号パターンが同一で周波数がわ
ずかに異なる第2の擬似ランダム信号を乗算して積分す
ることにより、両者の相互相関を算出する。そして、基
準信号として、第1の擬似ランダム信号と第2の擬似ラ
ンダム信号を乗算して積分することにより、両者の相互
相関を計算する。そして、これら2つの相互相関のピー
クが現れる時間差を測定することにより、入力信号の遅
れ時間を算出する。
【0027】前述のように、この遅れ時間はF/ΔF倍
に拡大されているので、極めて短い時間差であっても測
定が可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図を用いて説明する。図1にレースウェイ形状計測に用
いられる炉芯ゾンデの1例を示し、図2に炉芯ゾンデと
高炉羽口周りの設備との位置関係を示す。図1におい
て、1は炉芯ゾンデ、2はホーンアンテナ、3は内管
(導波管)、4は冷却ジャケット、5は仕切り、6はガ
ス流入管、7は同軸−導波管変換器、8は同軸ケーブ
ル、9はmm波距離計を示す。図2において、10は鉄
皮、11は耐火物、12は羽口、13はゾンデ設置架
台、14は推進装置、15は気密装置を示す。全ての図
において、同じ要素には同じ符号を付し、再出のときに
はその説明を省略する。又、図3は、炉芯ゾンデを羽口
12より高炉の中に装入し測定を行っている図を示した
もので、16はレースウェイ、17は炉内原料充填部
(炉芯)を示す。
【0029】本実施の形態においては、冷却ジャケット
4を有し、長時間の連続計測を可能とする三重管方式の
水冷型炉芯ゾンデ1を、羽口12より高温の炉内レース
ウェイ空間17内に挿入して測定を行う。炉芯ゾンデ1
の外管となる水冷ジャケット4の外径は羽口寸法が上限
となり、さらに羽口の方向とゾンデの挿入方向により制
限、決定されるが、本実施の形態では外径約80mmと
している。
【0030】電磁波を伝播させる導波管となる内管3に
は内径11mmの銅管を使用し、送信用及び受信用に2
本挿入している。このとき、導波管内に伝播させる電磁
波の周波数は導波管の内径により決まるカットオフ周波
数以上とする必要があり、本実施の形態では15.98GHz
以上となるが、擬似ランダム信号により変調された電磁
波を使用するため信号の帯域幅を考慮し、25GHzのmm
波帯域の電磁波を搬送波信号を使用している。また、内
管の根元部分には同軸−導波管変換器7を取り付けるた
めのフランジを有し、取り付けた同軸−導波管変換器と
同軸ケーブル8とを介してmm波距離計9と接続して、電
磁波信号の入力と出力を行う。
【0031】内管3根元部分にはガス流入管6を有し、
内管内にガスパージを行う。また、冷却(水冷)ジャケ
ット4と内管3との境界には仕切用の管5を挿入し、冷
却水を流すための流路を確保している。導波管3の先端
は炉芯ゾンデ1の軸に対して曲率を有し、ホーン状の形
状となっておりホーンアンテナ2を形成している。その
開口はゾンデ側面に設けられている。ホーン部分は根元
部の径が11mm、開口部の径が長径20mm短径15
mmの楕円状となっており、ホーン部分の長さは約30
mmとなっている。
【0032】本実施の形態では、炉芯ゾンデ1の外径寸
法の制限により、ホーンアンテナ2の軸が炉芯ゾンデ1
の軸に対して35°の角度をなすように配置されてい
る。そして、mm波距離計9から入力された信号は一方の
ホーンアンテナ2によりゾンデの軸方向に対して斜め方
向に指向性を持って放射され、レースウェイ16空間内
からの反射信号は他方のホーンアンテナ2により受信さ
れmm波距離計9に戻される。
【0033】本実施の形態では、ホーンアンテナ2は軸
方向に対して斜め方向としているが、炉芯ゾンデ1正面
にホーンアンテナ2開口を設置し、軸方向(奥行き方
向)の計測を行うことも可能であり、さらに、炉芯ゾン
デ1の外形寸法が十分取れれば、炉芯ゾンデ1の軸に対
してホーンアンテナ2を直交方向に配置し、直交方向の
計測を行うことも可能である。
【0034】図2に示されるように、炉芯ゾンデ1は架
台13上に設置され、架台13上の推進装置14により
軸方向に駆動され、炉内への挿入、引き抜きが行われ
る。また、炉芯ゾンデ1は、架台上13でゾンデ軸周り
に±180°の範囲で回転可能なように設置されている。
本実施の形態においては、手動で炉芯ゾンデ1を軸方向
に回転させ、側面のホーンアンテナ2開口を任意の方向
に設定可能なようにしている。
【0035】炉芯ゾンデ1は、羽口12に設置されたバ
ルブを有する機密(シール)装置15を通して羽口1
2、炉内レースウェイ16空間内に挿入される。機密装
置15に設けられたバルブの開閉により、高炉炉内と外
部との気密を維持したまま、炉芯ゾンデ1の挿入と引き
抜きを行うことが可能となっている。炉芯ゾンデ1の全
長は約7mとなっており、架台13に設置し、気密装置
15、羽口12を介して高炉炉内に挿入した場合に、先
端部が羽口12先端から1mの位置まで挿入可能として
いる。
【0036】計測は以下の手順で行っている。炉芯ゾン
デ1を架台13上に設置し、炉芯ゾンデ1のホーンアン
テナ2開口部を計測を実施する方向に向ける。次に、ユ
ーティリィティ(冷却水、カ゛スハ゜ーシ゛配管)を炉芯ゾンデ
1に取り付ける。続いて、高炉羽口12に炉芯ゾンデ1
挿入のための気密装置15を設置する。次に、炉芯ゾン
デ1後端の同軸−導波管変換器7とmm波距離計9を同軸
ケーブル8により接続する。そして、ユーティリィティ
の供給、mm波距離計8による計測を開始する。炉芯ゾン
デ1を推進装置14により前進させ、気密装置15に炉
芯ゾンデ1を挿入し、順次バルブを開放することにより
炉芯ゾンデ1を羽口内12に挿入する。その後、炉芯ゾ
ンデ1をレースウェイ16空間内の奥行き方向に挿入し
ながら連続的に炉芯ゾンデ1位置の記録とmm波距離計9
による計測を実施する。炉芯ゾンデ1が最深部に到達し
た時点でゾンデの後退(引き抜き)を行い、再度位置の
記録と計測を行う。
【0037】一旦、炉芯ゾンデ1を炉外まで後退させ、
架台13上で炉芯ゾンデ1の方向(アンテナ開口方向)
を変更した後、再度、前述の方法により、炉芯ゾンデ1
の挿入、引き抜きを行い、計測を行う。このホーンアン
テナ2開口方向の変更と計測を繰り返すことにより炉芯
ゾンデ1軸周りの各方向の計測を実施する。
【0038】レースウェイ16空間内は完全な空洞とな
っているのではなく、旋回燃焼するコークス粒や、コー
クス粉が存在するため、mm波距離計による検知信号には
レースウェイ境界部からの反射に加え、レースウェイ空
間内に存在する粒子からの反射信号が観察される。よっ
て、計測時には、ホーンアンテナ2から最も遠い位置の
反射信号をレースウェイ空間境界からの反射信号と判別
する。
【0039】炉芯ゾンデ1の挿入による連続計測では、
計測結果として炉芯ゾンデ1軸の任意の方向に対して軸
方向位置(レースウェイ奥行き方向位置)によるゾンデ
からの境界位置のプロファイルが得られ、各方向のプロ
ファイルを計測することによりレースウェイ16空間全
体の形状が把握される。
【0040】以上の本発明の実施の形態の説明において
は、長尺の水冷ゾンデを使用し、レースウエイ空間内に
ゾンデを挿入し、アンテナの位置方向を変更することに
より形状を計測する方法に関して述べたが、ゾンデ(ア
ンテナ)の位置、方向を固定し、一定方向に関して、長
時間の操業に伴うレースウェイ空間の連続的な変化を計
測、観察することも可能である。また、より短尺の水冷
ゾンデや空冷式の簡易ゾンデによりアンテナ部分を羽口
先付近に固定的に設置し、一定方向に関して、長時間の
操業に伴うレースウェイ空間の連続的な変化を計測、観
察することも可能である。
【0041】図4に本発明の実施の形態で使用したmm波
距離計(電磁波の伝播時間測定装置)の1構成例を示す
(このmm波距離計の測定原理については、特開平2−1
45985号公報、特開平2−98685号公報参
照)。図4において、20、21は擬似ランダム信号発
生装置、22は搬送波信号発生器、23、24、25、
26、27は周波数ミキサ、28、29は信号増幅器、
30、31は信号分配器、32、33、34はローパス
フィルタ、35、36は二乗器、37は加算器、38は
信号処理装置を示す。
【0042】本実施の形態においては、擬似ランダム信
号発生器20、21としてフィードバックループを有す
るシフトレジスタにより構成されるM系列信号発生器を
使用している。これらの擬似ランダム信号発生器20、
21は、同一パターンの符号長127の2値のM系列信
号で、周波数のみがそれぞれ1527.000MHzと1527.005M
Hzとわずかに異なるものを発振している。擬似ランダム
信号発生器20の出力m1(t)は、搬送波信号発生器12
の出力である周波数25GHzのmm波信号S(t)=A・sin(ω
t)とともに周波数ミキサ23に入力され、搬送波信号S
(t)が擬似ランダム信号m1(t)により2位相変調されてTx
(t)=s(t)・m1(t)=A・sin(ωt)・m1(t)なる送信信号とな
る。
【0043】擬似ランダム信号により変調された送信信
号は信号増幅器28を介して外部に出力され同軸ケーブ
ル8を通じてホーンアンテナ2に供給される。送信用ホ
ーンアンテナ2から放射され、対象物で反射された信号
は、反射波受信用ホーンアンテナ2により受信される。
受信された反射信号Rx(t)=A・sin(ωt+ωΔt)・m1(t+Δt)
は、mm波距離計8に入力され、信号増幅器29で増幅さ
れた後に周波数ミキサ24に入力される(Δtは、送信か
ら受信までの遅れ時間である)。
【0044】周波数ミキサ24では入力された受信信号
Rx(t)と第2の擬似ランダム信号発生器31の出力m2(t)
と乗算が行われ、信号Rxm(t)=A・sin(ωt+ωΔt)・m1(t+
Δt)・m2(t)が得られる。周波数ミキサ24の出力は信号
分配器30により2等分に分配され周波数ミキサ25、
26に入力される。信号分配器31には搬送波信号発生
器からの信号s(t)が入力され信号位相が90°異なる2
つの信号、sin(ωt)、cos(ωt)が出力され、周波数ミキ
サ35、36に入力され受信信号の搬送波成分の検波を
行う。
【0045】すなわち、周波数ミキサ25の出力は、 Si(t)=Rxm(t)・sin(ωt) =A・sin(ωt+ωΔt)・m1(t+Δt)・m2(t)・sin(ωt) =A・m1(t+Δt)・m2(t)(cos(ωΔt)-cos(2ωt+ωΔt))/2 となる。ここで、搬送波に対して高い周波数の高周波成
分cos(2ωt)は無視しうるので、ミキサ25出力は、 Si(t)=A・m1(t+Δt)・m2(t)・cos(ωΔt)/2 となり、同様、ミキサ26の出力は、 Sr(t)=A・m1(t+Δt)・m2(t)・sin(ωΔt)/2 となる。
【0046】各信号は、ローパスフィルタ32、33で
帯域制限されるが、これは積分処理に等しく、各ローパ
スフィルタを通過した出力は、 Si'(t)=A・Φ(t)・cos(ωΔt)/2 Sr'(t)=A・Φ(t)・sin(ωΔt)/2
【0047】
【数1】 となる。ここに、Tは擬似ランダム信号の周期である。
m1(t)とm2(t)の周波数はわずかに異なるため、m1(t)とm
2(t)間の位相は時間の経過と共に徐々にずれていくの
で、Φ(t)は時間の経過と共に変化し、近時的に相互相
関を行った結果と同等の結果が得られる。
【0048】これらの2つの出力Si'(t)、Sr'(t)は、そ
れぞれ二乗器35、36で二乗され加算器37で加算さ
れる。よって、加算器37の出力は、A2・Φ(t)2/4とな
る。すなわち、加算器37の出力は、受信信号m1(t+Δ
t)と発振器21の出力信号m2(t)の相関をとったものを
二乗したものとなる。
【0049】一方、第1及び第2の擬似ランダム信号発
生装置20、21の出力、m1(t)、m2(t)は周波数ミキサ
27に直接入力され、乗算された後にローパスフィルタ
34により周波数帯域制限され、伝播による時間遅れの
ない時間基準信号として出力される。すなわち、ローパ
スフィルタ34の出力は、信号m1(t)とm2(t)の相関とな
る。
【0050】基準信号であるローパスフィルタ35の出
力と、検出信号である加算器37の出力を比較すると、
後者のm1信号に、Δtだけの遅れがある。前述した原理
により、m1の周波数をF、m2の周波数をF+ΔFとする
と、このΔtの遅れに起因して、ローパスフィルタ35
と加算器37の出力にピークの現れる時間の差は、F/
ΔFに拡大される。本実施の形態においては、F=152
7.000MHz、ΔF=1527.005MHzであるので、時間差は
約305,400倍に拡大され、短い距離の変化も正確に測定
することができる。
【0051】検知信号と時間基準信号は信号処理装置3
8に入力される。信号処理装置38では時間基準信号に
対する検知信号の時間後れとその変化を計測し、mm波の
伝播速度(空気中ではほぼ光速)とからアンテナから対
象物までの距離を算出、表示を行う。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、高炉レースウェイ空間
にゾンデを挿入し、ゾンデに内蔵されたアンテナからレ
ースウェイ空間内の任意の方向に対して電磁波を照射
し、反射信号を検出することによりその方向のレースウ
ェイ境界位置を計測することができ、ゾンデの位置、方
向を変更することによりゾンデからレースウェイ各方向
の境界位置を計測し、レースウェイの空間的な広がり、
形状を計測、把握することが可能となる。よって、操業
条件、炉内条件の変更、変動に対応したレースウェイ形
状の変化の詳細を把握することが可能となる。さらに、
この情報からにより高炉炉下部、羽口部周辺の炉内状態
を推定し、より安定した高炉操業を実現することも可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レースウェイ形状計測に用いられる炉芯ゾンデ
の1例を示す図である。
【図2】炉芯ゾンデと高炉羽口周りの設備との位置関係
を示す図である。
【図3】炉芯ゾンデを羽口より高炉の中に装入し測定を
行っている図である。
【図4】本発明の実施の形態で使用したmm波距離計の1
構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…炉芯ゾンデ、2…ホーンアンテナ、3…内管(導波
管)、4…冷却ジャケット、5…仕切り、6…ガス流入
管、7…同軸−導波管変換器、8…同軸ケーブル、9…
mm波距離計、10…鉄皮、11…耐火物、12…羽口、
13…ゾンデ設置架台、14…推進装置、15…気密装
置、16…レースウェイ、17…炉内原料充填部(炉
芯)、20、21…擬似ランダム信号発生装置、22…
搬送波信号発生器、23、24、25、26、27…周
波数ミキサ、28、29…信号増幅器、30、31…信
号分配器、32、33、34…ローパスフィルタ、3
5、36…二乗器、37…加算器、38…信号処理装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉羽口先端位置又は高炉炉内レースウ
    ェイ空間内に挿入したゾンデに設けられたアンテナから
    レースウェイ空間内に電磁波を照射し、レースウェイ空
    間の境界よりの反射信号を受信し、電磁波の往復の伝播
    時間からレースウェイ境界の位置を計測することを特徴
    とするレースウェイ形状計測方法。
  2. 【請求項2】 前記ゾンデとして、内部に導波管及び電
    磁ホーンアンテナを内臓し、正面に電磁ホーンアンテナ
    の開口を有するゾンデを使用することにより、レースウ
    ェイの奥行深さを測定することを特徴とする請求項1に
    記載のレースウェイ形状計測方法。
  3. 【請求項3】 前記ゾンデとして、内部に導波管及び電
    磁ホーンアンテナを内臓し、側面に電磁ホーンアンテナ
    の開口を有するゾンデを使用することにより、ゾンデの
    長さ方向に略垂直な方向のレースウェイ空間の距離を測
    定することを特徴とする請求項1に記載のレースウェイ
    形状計測方法。
  4. 【請求項4】 前記ゾンデとして、内部に導波管及び電
    磁ホーンアンテナを内臓し、側面に電磁ホーンアンテナ
    の開口を有するゾンデを使用し、ゾンデの炉内への挿入
    位置とゾンデの回転角度を変更して測定を行うことによ
    り、レースウェイ空間の境界位置の立体的形状を計測す
    ることを特徴とする請求項1に記載のレースウェイ形状
    計測方法。
  5. 【請求項5】 前記ゾンデとして、内部に導波管及び電
    磁ホーンアンテナを内臓し、正面及び側面に電磁ホーン
    アンテナの開口を有するゾンデを使用し、ゾンデの炉内
    への挿入位置とゾンデの回転角度を変更して測定を行う
    ことにより、レースウェイ空間の境界位置の立体的形状
    を計測することを特徴とする請求項1に記載のレースウ
    ェイ形状計測方法。
  6. 【請求項6】 電磁波の伝播時間を計測する方法が、搬
    送波信号を第1の擬似ランダム信号により変調して電磁
    波送信信号としてアンテナより送信し、アンテナより受
    信された信号を、第1の擬似ランダム信号と信号パター
    ンが同一で周波数がわずかに異なる第2の擬似ランダム
    信号と乗算して、その出力を前記搬送波信号及び前記搬
    送波信号と位相が90°異なる信号によりそれぞれ検波
    し、その後これら2つの信号をローパスフィルタにより
    帯域制限した信号をそれぞれ2乗して加算して受信信号
    となし、一方第1の擬似ランダム信号と第2の擬似ラン
    ダム信号とを乗算して基準信号となし、前記基準信号と
    前記受信信号のピーク位置の時間差を計測する方法であ
    ることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれ
    か1項に記載のレースウェイ形状計測方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007520625A (ja) * 2003-07-29 2007-07-26 カウンシル オブ サイエンティフィク アンド インダストリアル リサーチ 新規な相関及び数学モデルを用いた充填層系における空隙寸法の予測
CN111676340A (zh) * 2020-07-13 2020-09-18 唐山嘉科科技有限公司 一种雷达探尺的天线总成

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