JPH11278271A - 微少変位定圧機構及び転てつ減摩器 - Google Patents

微少変位定圧機構及び転てつ減摩器

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JPH11278271A
JPH11278271A JP10034298A JP10034298A JPH11278271A JP H11278271 A JPH11278271 A JP H11278271A JP 10034298 A JP10034298 A JP 10034298A JP 10034298 A JP10034298 A JP 10034298A JP H11278271 A JPH11278271 A JP H11278271A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作用力の作用する作用点の変位に対してほぼ
一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるよう
に変化させる微少変位定圧機構と、この微少変位定圧機
構を組込んだ転てつ減摩器を提供する。 【解決手段】 2つの固定軸11a,11bの一方にク
ランク12を取付け、他方に緩衝機構13を取付け、ク
ランクの他端と緩衝機構の他端をピン接合させて作用点
とし、所定の範囲内で作用点が変位するようにし、作用
力Fのクランク回転方向の分力をF′とし、FとF′の
成す角をθ1とし、Fに応じた緩衝機構の反力をSと
し、Sによりクランクを回転させる分力をS′とし、S
とS′の成す角をθ2とするとき、反力を(cosθ2
/cosθ1)×Sで表されるように機構を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作用力の作用する
作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しく
は緩やかな減少となるように変化させる微少変位定圧機
構と、この微少変位定圧機構を組込んだ転てつ減摩器に
関するものである。転てつ減摩器は、鉄道における分岐
器を転換する転てつ装置において、ポイント部とクロッ
シング部の可動レール(ポイント部の可動レールは「ト
ングレール」と呼ばれる。)を定位又は反位に転換させ
る際の転換力を減少させることを目的とした装置であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道において、鉄道車両の進路を
一つの線路(以下、「本線」という。)から他の線路
(以下、「分岐線」という。)へ移す分岐を行わせるた
めに分岐器が用いられている。この分岐器は、一般に、
図14に示すような構成を有している。図14に示す分
岐器100は、本線側のレールR1,R2(以下、「基
本レール」という。)と、分岐線側へのトングレールT
1,T2と、電気転てつ機101と、伝動部108を備
えている。
【0003】トングレールT1,T2が基本レールR
1,R2に密着する先端部は、舌状に形成されている。
また、伝動部108は、動作かん102と、リンク部材
103a,103b,103c,103d,103e及
び103fと、エスケープクランク104及び106
と、ロッド105及び107と、転てつ棒109,11
0を有している。また、ロッド105,107は、転て
つ棒109,110を介してトングレールT1,T2に
取り付けられている。
【0004】また、電気転てつ機101は、内部に電動
モーター(図示せず)を駆動力変換機構(図示せず)を
有しており、電動モーターの回転駆動力が直線方向の駆
動力に変換され、動作かん102が図14の右側方向又
は左側方向へ駆動される。この動作かん102の動き
は、伝動部108によりロッド105,107に伝えら
れ、転てつ棒109,110を介してトングレールT
1,T2を動かす。
【0005】例えば、動作かん102が図14における
右側方向に移動した場合には、ロッド105,107が
例えば図14における下方へ移動し、これに伴いトング
レールT2の先端(図14における左端)が基本レール
R2に密着し、かつトングレールT1の先端(図14に
おける左端)が基本レールR1から離れる。また、動作
かん102が図14における左側方向に移動した場合に
は、ロッド105,107が例えば図14における上方
へ移動し、これに伴いトングレールT2の先端が基本レ
ールR2から離れ、かつトングレールT1の先端が基本
レールR1に密着する。
【0006】上記のような動作により、分岐器100
は、進路を本線側又は分岐線側に切り換えるトングレー
ル転換動作を行うことができる。この場合、トングレー
ルが本線側レールに密着する位置のうちの一方の位置、
例えばトングレールT1の先端が基本レールR1から離
れトングレールT2の先端が基本レールR2に密着する
位置を「定位」といい、他方の位置、例えばトングレー
ルT1の先端が基本レールR1に密着しトングレールT
2の先端が基本レールR2から離れる位置を「反位」と
いう。これらは、列車運行上の取決めであり、これらの
逆の位置を定位又は反位としてもよい。また上記の電気
転てつ機101には、手動ハンドル(図示せず)が設け
られており、動作かん102の駆動は人力により手動で
行うことも可能である。
【0007】従来のトングレールにおける上記の転換動
作は、鋼製の床板上を摺動させて行われていた。しか
し、トングレールと床板との摺動摩擦抵抗は、摺動部分
に給油等の摩擦低減対策を行ったとしても、ローラーに
よる転動摩擦抵抗に比べて非常に大きかった。分岐器は
屋外で使用されるため、床板の摺動面に錆等が発生した
り塵埃等が付着し易く、摺動面を摩擦の少ない状態に保
持するには多くの労力や経費が必要であった。
【0008】このため、ローラーの転動を利用してトン
グレール転換時の転換力を減少させる転てつ減摩器が開
発され戦前から実用化されていた。転てつ減摩器を、図
14において201〜204で示す。
【0009】しかし、初期の転てつ減摩器は、トングレ
ールの側面に穴を開け、転動用ローラーとローラー支持
金具をその穴にボルト締結する必要があり、トングレー
ルの強度に与える影響や、転てつ減摩器の設置が煩雑に
なる等の問題があった。
【0010】この問題を解決するため、特開昭48−1
5203号公報記載の転てつ減摩器が開発され、トング
レールの側面に穴を開ける必要はなくなった。特開昭4
8−15203号公報記載の転てつ減摩器は、本体を基
本レール側に取付けて、そこからローラー支持金具を出
し、ローラー支持金具の先端にローラーを取付けた構造
のものである。この特開昭48−15203号公報記載
の転てつ減摩器によれば、トングレールが転換を開始す
ると、初めは床板上を摺動するものの、ある位置からは
ローラーに乗り移り、ローラーを利用して転動しトング
レール転換ができるようになっている。
【0011】現在では、特開昭48−15203号公報
記載の転てつ減摩器を基本として、さらにローラーの上
下・左右方向の位置を調整し易くした構造の転てつ減摩
器(実開昭60−45701号公報参照)が開発され、
普及している。
【0012】図16に、ローラーの転動を利用した転て
つ減摩器の一例の構成を示す。図16に示すように、こ
の転てつ減摩器は、本体210と、ローラー支持金具2
11と、ローラー212と、ボルト213と、ナット2
14と、ばね緩衝器215と、ボルト216と、ナット
217を備えている。本体210は、ボルト216とナ
ット217により基本レールRに取付けられている。ロ
ーラー支持金具211は、本体210の軸210aに取
付けられている。ローラー212は、ローラー支持金具
211の先端の軸211aに取付けられている。ボルト
213は、ばね緩衝器215を介して本体210に取付
けられ、ローラー支持金具211の後端211bを押え
ている。ばね緩衝器215については後述する。Tは、
基本レールRに密着している時のトングレールを示して
いる。また、T′は、転換中のトングレールを示してい
る。
【0013】上記のような構成により、基本レールRに
密着しているトングレールTは、初めは床板(図示せ
ず)上に乗っている。次に、T′に示すように、トング
レールが転換を開始してある位置にくると、それ以降は
ローラー212の上に乗り移り、ローラー212上を転
動する。これにより、トングレール転換時の摩擦抵抗が
軽減されるようになっている。
【0014】上記したようなローラーの転動を利用した
転てつ減摩器においては、初め床板上にあるトングレー
ルを途中からローラーに乗り移らせることが必要であ
る。もし、ローラーの上面の高さが床板よりも低いと、
トングレール底面がローラー上面と接触しないためトン
グレールは床板上を摺動してしまう。このため、ローラ
ー上面の高さは、トングレール底面の位置よりも高い位
置に設定する必要がある。しかし、ローラー上面の高さ
が床板よりも高くなると、トングレールがローラーに乗
り移る際に抵抗力を受ける。このため、ローラー上面の
高さが床板よりもかなり高くなると、トングレール転換
力が非常に大きくなる。そして、さらにローラー上面の
高さが高くなると、トングレールはローラーに乗り移る
ことができず、分岐器が転換不能となり、列車運行に支
障を生じる原因となるおそれがある。
【0015】そこで、従来は、経験上から、転てつ減摩
器のローラーの高さ設定の目安として、トングレール先
端と床板間に名刺が1枚挿入可能な程度に高くなるよう
に設定するとトングレール転換力を軽減する減摩効果が
有効に発揮される、とされてきた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トング
レールの先端の位置でトングレール底部と床板とが接触
していた場合であっても、転てつ減摩器の取付位置がト
ングレール先端位置から離れていればいるほど、上記の
ように「トングレール先端と床板間に名刺が1枚挿入可
能な程度に高く」するためには、ローラーの高さを相当
に高くしないと実現はできない。分岐器においては、ま
くらぎの設定の状態や、列車通過によるまくらぎの微少
沈下等の原因により、床板のすべてがトングレール底部
と接触しているわけではないため、トングレールの先端
の位置でトングレール底部と床板とが接触しない場合も
ある。このような場合には、上記したローラー高さの設
定基準の目安値は採用できず、現実には保守作業者等の
経験や感覚による設定に頼らざるを得なかった。
【0017】保守作業者等の感覚による設定では、トン
グレール底部を転てつ減摩器のローラーで転動するよう
に高めに設定することになる。しかし、ローラーが回転
する場合でも、転てつ減摩器の減摩効果が有効に発揮で
きるように設定されているとは限らない。転てつ減摩器
のローラーが回転しない状態であったものを回転するよ
うに高めに設定した後に、実際にトングレールを電気転
てつ機の手動ハンドルで転換してみると、設定前よりも
手動ハンドルが重く感じられることがよくあり、特にト
ングレールが床板からローラーに乗り移る際に重くなる
ことが多かった。
【0018】そのような場合には、トングレールの手動
転換を繰り返しながら、試行錯誤により、手動ハンドル
が軽くなるようにローラー高さを微調整することになる
が、人間の感覚による調整であるので個人差があった。
また、転てつ減摩器の減摩効果の評価も人間の感覚によ
るものであり、これにも個人差があった。特に、弾性ポ
イントのように、トングレールの上下方向の動きが束縛
されている場合には、微調整の繰り返しが顕著にならざ
るを得なかった。
【0019】上記したローラーの転動を利用した転てつ
減摩器においては、図16に示すように、ばね緩衝器2
15が設けられている。このばね緩衝器215は、圧縮
ばねにより構成されている。図16において、ローラー
212の位置が高過ぎ、トングレールTがローラー21
2上へ乗り移る際にローラー212に大きな力が加わっ
た場合には、ローラー支持金具211の先端の211a
が下方に微少量押し下げられる動きに連動して、ローラ
ー支持金具211が軸210aを中心として微少回転
し、この動きによりボルト213が上方に微少量押し上
げられ、このときの衝撃がナット214からばね緩衝器
213に伝達され、ばね緩衝器215の弾性変形により
吸収され緩和されるようになっている。
【0020】しかし、ばね緩衝器215は、微少変位で
反発力が著しく増加する普通のばね緩衝器であるので、
転てつ減摩器の衝撃緩衝用としては役立つかもしれない
が、このばね緩衝器215が緩衝する状態で使用する
と、緩衝ばねの圧力が大き過ぎ、トングレールの押し付
け力と緩衝ばねの圧力による影響がローラー212に加
わり、かえって転換力を増大させてしまう結果となるこ
とが多かった。
【0021】このため、従来は、十分な減摩効果が発揮
されるまで、何度もトングレールの手動転換を繰り返
し、少しずつローラーの高さを微調整していくほかに方
法がなく、ローラーの高さ位置を適正位置に調整するた
めに手間がかかっていた。また、上記のようにしてロー
ラー位置を調整した後に分岐器上を列車が通過すると、
分岐器を支持するまくらぎは微少な沈下を生じ、ローラ
ーとトングレールとの位置関係が変化していく。まくら
ぎの沈下量は、列車の通過頻度や道床の状態によって絶
えず変化するため、上記したローラー位置調整は定期的
に行う必要があり、分岐器の保守担当者にとっては大き
な負担となっていた。
【0022】一方、初期の転てつ減摩器の中には、トン
グレール転換中のほか、基本レールにトングレールが密
着している場合にも、常にローラー上に乗せておく構造
のものもあった。しかし、このような構造の転てつ減摩
器では、基本レールに密着しているトングレールの上を
列車が通過する際に、列車の重量をトングレールとロー
ラーの線接触で受けることとなる。このような線接触に
よる支持は、機器の状態としては好ましい状態ではない
こと、また、ローラーの高さが高過ぎると実開昭60−
45701号公報記載の転てつ減摩器と同様の構成とな
ることから、ローラー高さを適正位置になるように微調
整しておく必要があり、この場合にも、実開昭60−4
5701号公報記載の転てつ減摩器と同様に調整に手間
がかかっていた。
【0023】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、作
用力の作用する作用点の変位に対してほぼ一定又は緩や
かな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させる
微少変位定圧機構と、この微少変位定圧機構を組込んだ
転てつ減摩器を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る第1の微少変位定圧機構は、2つの固
定軸を持ち、前記固定軸の一方にアームを取付け、前記
固定軸の他方に緩衝機構を取付け、前記アームの他端と
前記緩衝機構の他端をピン接合させ、前記ピン接合の点
を作用力の作用点とし、少なくとも前記2つの固定軸を
結ぶ直線の近傍に前記作用点が接近しない限定範囲内で
前記作用点が変位するようにし、前記作用力をFとし、
前記作用力Fによって前記アームを回転させる分力を
F′とし、前記作用力Fと前記分力F′の成す角をθ1
とし、前記作用力に応じた前記緩衝機構の反力をSと
し、前記反力Sにより前記アームを回転させる分力を
S′とし、前記反力Sと前記分力S′の成す角をθ2と
するとき、(cosθ2/cosθ1)×Sで表される
前記作用点での反力を、前記作用点の変位に対してほぼ
一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるよう
に変化させることを特徴とする。
【0025】上記の微少変位定圧機構において、好まし
くは、前記アームと軸対象方向又は任意の角度を持って
さらに前記アームを延長したクランクの他端を前記作用
点とした。
【0026】また、上記の微少変位定圧機構において、
好ましくは、前記の値(cosθ2/cosθ1)が
0.3〜3.0の範囲となるように前記作用点の動きを
拘束するように構成した。
【0027】また、本発明に係る第2の微少変位定圧機
構は、きょう体の金具軸に取付けられるローラー支持金
具と、前記ローラー支持金具のローラー軸に取付けられ
る第1ローラー及び第2ローラーと、前記きょう体に取
付けられ前記ローラー支持金具の動きを規制する第1ス
トッパー及び第2ストッパーを有して構成され、前記ロ
ーラー支持金具が前記第1ストッパーにより抑止された
状態から、前記第1ローラー上に対象物が乗ると、前記
対象物の底部側面が前記第1ローラーを押すことにより
前記ローラー支持金具が微少回転し、前記第2ローラー
が前記対象物の底部を押すことにより前記対象物の底部
を前記第1ローラーに円滑に乗せ、前記ローラー支持金
具が前記第2ストッパーと前記対象物の底部によって抑
止されることにより回転が拘束された状態で前記第1ロ
ーラーによる前記対象物の転動が行われるように構成さ
れることを特徴とする。
【0028】また、本発明に係る第1の転てつ減摩器
は、鉄道の分岐器の可動レールの転換力を軽減するため
の転てつ減摩器において、2つの固定軸を持ち、前記固
定軸の一方にアームを取付け、前記固定軸の他方に緩衝
機構を取付け、前記アームの他端と前記緩衝機構の他端
をピン接合させ、前記可動レールを転動摩擦により支持
する可動レール転動支持機構を前記ピン接合の点に取付
けて作用点とし、少なくとも前記2つの固定軸を結ぶ直
線の近傍に前記作用点が接近しない限定範囲内で前記作
用点が変位するようにし、前記作用点での前記可動レー
ル転動支持機構からの作用力をFとし、前記作用力Fに
よって前記アームを回転させる分力をF′とし、前記作
用力Fと前記分力F′の成す角をθ1とし、前記作用力
に応じた前記緩衝機構の反力をSとし、前記反力Sによ
り前記アームを回転させる分力をS′とし、前記反力S
と前記分力S′の成す角をθ2とするとき、(cosθ
2/cosθ1)×Sで表される前記作用点での反力
を、前記作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増
加若しくは緩やかな減少となるように変化させることを
特徴とする。
【0029】上記の転てつ減摩器において、好ましく
は、前記可動レール転動支持機構は、前記作用点を中心
として回転可能なローラーである。
【0030】また、上記の転てつ減摩器において、好ま
しくは、前記可動レール転動支持機構は、きょう体の金
具軸に取付けられるローラー支持金具と、前記ローラー
支持金具のローラー軸に取付けられる第1ローラー及び
第2ローラーと、前記きょう体に取付けられ前記ローラ
ー支持金具の動きを規制する第1ストッパー及び第2ス
トッパーを有して構成され、前記可動レールの転換前は
前記ローラー支持金具が前記第1ストッパーにより抑止
され、前記可動レールが転換を開始すると、前記可動レ
ールの底部側面が前記第1ローラーを押すことにより前
記ローラー支持金具が微少回転し、前記第2ローラーが
前記可動レールの底部を押すことにより前記可動レール
の底部を前記第1ローラーに円滑に乗せ、前記ローラー
支持金具が前記第2ストッパーと前記可動レールの底部
によって抑止されることにより回転が拘束された状態で
前記第1ローラーによる前記可動レールの転動が行われ
るように構成される。
【0031】また、上記の転てつ減摩器において、好ま
しくは、前記アームと軸対象方向又は任意の角度を持っ
てさらに前記アームを延長したクランクの他端に前記可
動レール転動支持機構を取り付ける。
【0032】また、上記の転てつ減摩器において、好ま
しくは、前記の値(cosθ2/cosθ1)が0.3
〜3.0の範囲となるように前記作用点の動きを拘束す
るように構成した。
【0033】また、本発明に係る第2の転てつ減摩器
は、鉄道の分岐器の可動レールの転換力を軽減するため
の転てつ減摩器において、きょう体の金具軸に取付けら
れるローラー支持金具と、前記ローラー支持金具のロー
ラー軸に取付けられる第1ローラー及び第2ローラー
と、前記きょう体に取付けられ前記ローラー支持金具の
動きを規制する第1ストッパー及び第2ストッパーを有
して構成され、前記可動レールの転換前は前記ローラー
支持金具が前記第1ストッパーにより抑止され、前記可
動レールが転換を開始すると、前記可動レールの底部側
面が前記第1ローラーを押すことにより前記ローラー支
持金具が微少回転し、前記第2ローラーが前記可動レー
ルの底部を押すことにより前記可動レールの底部を前記
第1ローラーに円滑に乗せ、前記ローラー支持金具が前
記第2ストッパーと前記可動レールの底部によって抑止
されることにより回転が拘束された状態で前記第1ロー
ラーによる前記可動レールの転動が行われるように構成
されることを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】(1)第1実施形態 図1は、本発明の第1実施形態である転てつ減摩器の構
成を示す図であり、図1(A)は転てつ減摩器の全体構
成及び分岐器との配置関係を示す図を、図1(B)は図
1(A)における緩衝機構のさらに詳細な構成を示す断
面図を、それぞれ示している。
【0036】図1(A)に示すように、この転てつ減摩
器10は、きょう体11と、クランク12と、緩衝機構
13と、ローラー14を備えて構成されている。
【0037】きょう体11は、分岐器における固定位
置、例えば床板P等に固定される。きょう体11の2箇
所には、固定軸11a及び11bが設けられている。
【0038】クランク12は、図示のように、「L」字
状又は「へ」字状に形成された部材であり、第1アーム
12aと、第2アーム12bの2つの部分を有してい
る。第2アーム12bは、第1アーム12aから任意の
角度を持ってさらに第1アーム12aを延長した構成と
なっている。
【0039】第1アーム12aと第2アーム12bが接
続する箇所には、固定軸用孔12dが設けられている。
この固定軸用孔12dは、固定軸11aが挿通可能であ
りかつ回転可能な構成となっている。これにより、クラ
ンク12はきょう体11に取付けられる。
【0040】また、第1アーム12aには、固定軸用孔
12dとは反対側の端部付近に、ピン軸12eが設けら
れている。このピン軸12eには、後述する緩衝機構1
3が取付けられる。
【0041】第2アーム12bには、固定軸用孔12d
とは反対側の端部付近に、ローラー軸12cが設けられ
ている。また、ローラー14には、その中心に図示しな
い孔が設けられている。この孔は、ローラー軸12cが
挿通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これ
により、ローラー14はクランク12の第2アーム12
bに取付けられる。
【0042】緩衝機構13は、図示のように、直線状又
は棒状に形成された部材であり、シリンダー部13a
と、ピストン部13bと、固定軸接続部13cと、ピン
軸接続部13tを有している。ピストン部13bは、シ
リンダー部13aの内部に挿入され、内部のばね(後
述)により弾性的に支持されるように構成されている。
また、ピン軸接続部13tは、ピストン部13bとは反
対側のシリンダー部13aの端部に固定されている。ま
た、固定軸接続部13cは、シリンダー部13aとは反
対側のピストン部13bの端部に固定されている。
【0043】また、固定軸接続部13cには、シリンダ
ー部13aとは反対側の端部付近(緩衝機構13の一方
の端部付近)に、固定軸用孔13eが設けられている。
この固定軸用孔13eは、固定軸11bが挿通可能であ
りかつ回転可能な構成となっている。これにより、緩衝
機構13の一方の端部である固定軸用孔13eは、固定
軸11bに取付けられる。
【0044】また、ピン軸接続部13tには、シリンダ
ー部13aとは反対側の端部付近(緩衝機構13の他方
の端部付近)に、ピン軸用孔13dが設けられている。
このピン軸用孔13dは、ピン軸12eが挿通可能であ
りかつ回転可能な構成となっている。これにより、第1
アーム12aの端部であるピン軸12eは、緩衝機構1
3の他方の端部であるピン軸用孔13dとピン接合され
る。
【0045】次に、シリンダー部13aの内部及びその
付近のさらに詳細な構成について、図1(B)を参照し
つつ説明する。図1(B)に示すように、シリンダー部
13aは、筒状に形成されており、軸方向(長手方向)
の一端が開口となり、軸方向(長手方向)の他端が閉塞
された構成となっている。
【0046】シリンダー部13aの内部には、ばね13
fが配置されている。ばね13fは、線形の反発力特性
を持つ圧縮ばねであり、シリンダー部13aの軸方向
(長手方向)に反発力が作用するように構成されてい
る。
【0047】また、シリンダー部13aの開口側から
は、ピストン部13bがシリンダー部13aの内部に挿
入されている。ピストン部13bの挿入側の端部である
ばね押圧部13gは、ばね13fを有効に圧縮可能な形
状に形成されている。また、シリンダー部13aの閉塞
側には、上記したピン軸接続部13tが連結されてい
る。
【0048】上記のような構成により、緩衝機構13の
固定軸接続部13cは、固定軸11bにより軸支されて
おり、固定軸11bのまわりに回転可能ではあるが、回
転以外の動きは拘束されている。このため、ピストン部
13bがシリンダー部13aの内方へ押し込まれると、
ばね13fが圧縮され、ばねのたわみ量(縮み量)に応
じた反発力がシリンダー部13aの軸方向(長手方向)
に発生する。この反発力は、ピン軸12eと固定軸11
bの両方に等しい値で伝達される。
【0049】また、緩衝機構13には、ばね13fのた
わみ量をあらかじめセットしておくための機構が設けら
れている。この機構は、例えば、図1(B)に示すよう
に、シリンダー部13aに設けられシリンダー部13a
の軸方向に長くなるように形成された長穴13hと、長
穴13hを通してシリンダー部13aの内部に突出する
ように配置されたばねたわみ量調整部材13iと、ばね
たわみ量調整部材13iをシリンダー部13aに固定す
るボルト13kと、シリンダー部13aに設けられたボ
ルト孔13m等から構成される。
【0050】このような構成により、ばねたわみ量調整
部材13iを長穴13h内でシリンダー部13fの軸方
向にスライド移動させた後にボルト13kで固定すれ
ば、ばね13fをあらかじめ縮ませた状態でセットする
ことができる。したがって、ばね13fの反発力を、零
でない任意の値から増加させることが可能となる。な
お、ボルト孔13mをシリンダー部13aの軸方向に複
数個設けておくなどすれば、ばねたわみ量を可変調整す
ることが可能であり、これによりばね13fからの圧力
も可変調整可能であり、これに伴いローラー14の支持
圧力も可変調整可能となる。
【0051】次に、上記した第1実施形態の転てつ減摩
器10の作用について、図2を参照しつつ説明を行う。
図2は、図1に示す転てつ減摩器の作用を示す図であ
り、図2(A)はトングレールが基本レールに密着して
いる状態を、図2(B)はトングレールが転換中の状態
を、それぞれ示している。
【0052】まず、図2(A)に示すように、基本レー
ルRに密着しているトングレールTは、初めは床板P上
に乗っている。この場合には、ローラー14の上部が床
板Pの上面よりも高くなるように設定されている。
【0053】次に、図2(B)に示すように、トングレ
ールTが転換を開始して密着位置から離れ、例えば図の
右方へ移動すると、ある位置から以降は、トングレール
Tの底部がローラー14の上に乗り移り、ローラー14
上を転動する。この際、トングレールTの底部は、ロー
ラー14を押し下げる。
【0054】この押し下げ力は、ローラー軸12cから
クランク12へ伝達される。この場合、ローラー軸12
cの中心を作用点とすると、第1実施形態の転てつ減摩
器10の構成上の効果により、作用点が下方へ下降する
変位量がある範囲内であれば、作用点での反力は、作用
点が下方へ下降する変位量に対してほぼ一定又は緩やか
な増加若しくは緩やかな減少となるように変化する。
【0055】すなわち、第1実施形態の転てつ減摩器1
0は、従来の転てつ減摩器のように、トングレール乗り
移り時のローラー支持圧力がローラー高さの変化で大き
く変化することはないため、従来のような煩雑なローラ
ー高さ微調整が不要となり、保守の手間が大幅に軽減さ
れる、という利点がある。
【0056】次に、上記した第1実施形態の転てつ減摩
器10の原理について説明を行う。図3は、図1に示す
転てつ減摩器の第1の原理モデルを説明する図である。
【0057】図3において、点D1と点A1を結ぶ直線
D1−A1は、クランク12の第2アーム12bを示し
ている。また、L1は、クランク12の第2アーム12
bの長さを示している。点D1は、ローラー軸12cの
中心点、すなわちこの機構の作用点を示している。F
は、作用点D1に作用する作用力、すなわちトングレー
ルTの底部がローラー14を押し下げようとする力であ
る。したがって、トングレールTの底部は、力Fと方向
が逆で値が等しい反力をこの機構から受ける。Xは、図
3の水平な鎖線から作用点D1までの垂直方向の距離で
ある。したがって、作用点D1が下方へ押し下げられる
場合には、Xが増加するように変化していく。
【0058】また、点A1と点C1を結ぶ直線A1−C
1は、クランク12の第1アーム12aを示している。
また、L2は、クランク12の第1アーム12aの長さ
を示している。点A1は、固定軸11aの中心点、すな
わちクランク12の回転の中心点(以下、「クランク
軸」という。)を示している。点C1は、ピン軸12e
の中心点、すなわちクランク12と緩衝機構13のピン
接合の中心点(以下、「ピン接合点」という。)を示し
ている。θ。は、クランク12の第1アーム12aと第
2アーム12bの成す角を示している。Sは、ピン接合
点C1が緩衝機構13のばね13fから受けるばね圧力
(反力)である。
【0059】すなわち、図3のモデルは、第1アーム1
2a(直線A1−C1)と任意の角度θ。を持ってさら
に第1アーム12a(直線A1−C1)を延長したクラ
ンク12(折線D1−A1−C1)を有するモデルであ
る。
【0060】また、点C1と点B1を結ぶ直線は、緩衝
機構13を示している。点B1は、固定軸11bの中心
点、すなわち緩衝機構13の回転の中心点を示してい
る。また、L3は、緩衝機構13のピン接合点C1と、
固定軸11bの中心点との間の距離を示している。ま
た、L。は、固定軸11aの中心点A1と固定軸11b
の中心点B1との間の距離を示している。
【0061】上記のような原理モデルによれば、ローラ
ー14上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トン
グレールTの底部がローラー14を押し下げる動作は、
図3において、作用点D1に垂直下方に作用力Fが作用
することに相当する。この作用力Fにより、クランク1
2を示す折線D1−A1−C1は、クランク軸A1を回
転中心として、反時計回りに回転する。この動きによ
り、ピン接合点C1が、緩衝機構13(直線C1−B
1)のピン軸接続部13t(図3には図示せず)に力を
作用させ、ピストン13b(図3には図示せず)をシリ
ンダー部13a(図3には図示せず)の内部へ押し込も
うとする。これによりばね13f(図3には図示せず)
が反発力を発生する。
【0062】このばね力は、クランク12(折線D1−
A1−C1)を経て作用点D1に伝達され、トングレー
ルTがローラー14から受ける反力となる。この反力
は、方向が力Fとは反対で、力の大きさは力Fと等しい
力、すなわち作用点D1において図3の上方へ向かい大
きさがFの力である。
【0063】また、作用点D1における第2アーム12
b(直線D1−A1)の回転方向の接線と、作用力Fの
作用方向の成す角をθ1とする。そして、ピン接合点C
1における緩衝機構13の反力Sと、第1アーム12a
(直線A1−B1)の回転方向の接線とが成す角をθ2
とする。このように角θ1,θ2を定義すると、作用力
Fによって第2アーム12b(直線D1−A1)を回転
させる分力をF′とすれば、 F′=F×cosθ1 ……(1) と表すことができる。
【0064】また、緩衝機構の反力Sによって第1アー
ム12a(直線A1−C1)を回転させる分力をS′と
すれば、 S′=S×cosθ2 ……(2) と表すことができる。
【0065】図3の状態では、クランク軸A1のまわり
のモーメントは釣り合っているから、 F′×L1=S′×L2 ……(3) と表すことができる。
【0066】式(3)に式(1),式(2)を代入して
整理すれば、力Fは、 F=(L2/L1)×(cosθ2/cosθ1)×S ……(4) と表すことができる。
【0067】上式(4)の値(L2/L1)を係数Kと
すると、 F=K×(cosθ2/cosθ1)×S ……(5) と表すことができる。
【0068】上式(5)のうち、{(cosθ2/co
sθ1)×S}の値が、作用点D1の変位に対してほぼ
一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるよう
にパラメーターを選択すれば、Fの値も、変位に対して
ほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となる
ように変化させることができる。
【0069】例えば、上記したL。=200mm,L1
=200mm,L2=100mm,θ。=135°と
し、ばね13fのばね定数を15N/mm(N:ニュー
トン)とし、ばね13fのセット時のたわみ量を70m
mとすると、変位X(mm),θ1,θ2,(cosθ
2/cosθ1),ばね圧S(N),支持力F(N)
は、表1のようになる。
【0070】
【表1】
【0071】この表1から、変位Xが50mm〜65m
mの範囲であれば、支持力Fは、605N〜608Nの
範囲の変化しかなく、ほぼ一定の支持力が得られること
がわかる。これは単なる一例であり、ほぼ一定の支持力
を得るには、上記の式を用いてアーム長さや角度等の定
数の種々の様々な組合わせの中から最も適した定数を選
択することにより、望ましい特性を得ることができる。
【0072】上記のような特性をグラフに示すと、図4
における曲線302,303のようになる。横軸はロー
ラーの高さを示しており、これは変位Xに相当する。ま
た、縦軸はローラーの支持圧力を示しており、これは支
持力Fに相当する。すなわち、曲線302の場合には、
ローラーの高さが変化しても、ローラーの支持圧力はほ
ぼ一定となる。また、曲線303の場合には、ローラー
の高さの変化に伴い、ローラーの支持圧力は、緩やかな
増加からほぼ一定となるか、又はほぼ一定から緩やかな
減少となるように変化する。なお、図4における直線3
01は、従来の転てつ減摩器の特性を示しており、ロー
ラー高さの変化に応じて一様に増加していく。
【0073】次に、上記した第1実施形態の転てつ減摩
器10の他の原理について説明を行う。図5は、図1に
示す転てつ減摩器の第2の原理モデルを説明する図であ
る。
【0074】図5において、点D2と点A2を結ぶ直線
D2−A2は、クランク12の第2アーム12bを示し
ている。また、L1は、クランク12の第2アーム12
bの長さを示している。点D2は、ローラー軸12cの
中心点、すなわちこの機構の作用点を示している。F
は、作用点D1に作用する作用力、すなわちトングレー
ルTの底部がローラー14を押し下げようとする力であ
る。したがって、トングレールTの底部は、力Fと方向
が逆で値が等しい反力をこの機構から受ける。Xは、図
5の水平な鎖線から作用点D2までの垂直方向の距離で
ある。したがって、作用点D2が下方へ押し下げられる
場合には、Xが減少するように変化していく。
【0075】また、点A2と点C2を結ぶ直線A2−C
2は、クランク12の第1アーム12aを示している。
また、L2は、クランク12の第1アーム12aの長さ
を示している。点A2は、固定軸11aの中心点、すな
わちクランク12の回転の中心点(以下、「クランク
軸」という。)を示している。点C2は、ピン軸12e
の中心点、すなわちクランク12と緩衝機構13のピン
接合の中心点(以下、「ピン接合点」という。)を示し
ている。θ。は、クランク12の第1アーム12aと第
2アーム12bの成す角を示している。Sは、ピン接合
点C2が緩衝機構13のばね13fから受けるばね圧力
(反力)である。
【0076】すなわち、図5のモデルは、第1アーム1
2a(直線A2−C2)と軸対象方向にさらに第1アー
ム12a(直線A2−C2)を延長したクランク12
(直線D2−A2−C2)を有するモデルである。
【0077】また、点C2と点B2を結ぶ直線は、緩衝
機構13を示している。点B2は、固定軸11bの中心
点、すなわち緩衝機構13の回転の中心点を示してい
る。また、L3は、緩衝機構13のピン接合点C2と、
固定軸11bの中心点との間の距離を示している。ま
た、L。は、固定軸11aの中心点A2と固定軸11b
の中心点B2との間の距離を示している。
【0078】上記のような原理モデルによれば、ローラ
ー14上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トン
グレールTの底部がローラー14を押し下げる動作は、
図5において、作用点D2に垂直下方に作用力Fが作用
することに相当する。この作用力Fにより、クランク1
2を示す直線D2−A2−C2は、クランク軸A2を回
転中心として、反時計回りに回転する。この動きによ
り、ピン接合点C2が、緩衝機構13(直線C2−B
2)のピン軸接続部13t(図5には図示せず)に力を
作用させ、ピストン13b(図5には図示せず)をシリ
ンダー部13a(図5には図示せず)の内部へ押し込も
うとする。これによりばね13f(図5には図示せず)
が反発力を発生する。
【0079】このばね力は、クランク12(直線D2−
A2−C2)を経て作用点D2に伝達され、トングレー
ルTがローラー14から受ける反力となる。この反力
は、方向が力Fとは反対で、力の大きさは力Fと等しい
力、すなわち作用点D2において図5の上方へ向かい大
きさがFの力である。
【0080】また、作用点D2における第2アーム12
b(直線D2−A2)の回転方向の接線と、作用力Fの
作用方向の成す角をθ1とする。そして、ピン接合点C
2における緩衝機構13の反力Sと、第1アーム12a
(直線A2−B2)の回転方向の接線とが成す角をθ2
とする。このように角θ1,θ2を定義すると、作用力
Fによって第2アーム12b(直線D2−A2)を回転
させる分力をF′とすれば、 F′=F×cosθ1 ……(6) と表すことができる。
【0081】また、緩衝機構の反力Sによって第1アー
ム12a(直線A2−C2)を回転させる分力をS′と
すれば、 S′=S×cosθ2 ……(7) と表すことができる。
【0082】図5の状態では、クランク軸A2のまわり
のモーメントは釣り合っているから、 F′×L1=S′×L2 ……(8) と表すことができる。
【0083】式(8)に式(6),式(7)を代入して
整理すれば、力Fは、 F=(L2/L1)×(cosθ2/cosθ1)×S ……(9) と表すことができる。
【0084】上式(9)の値(L2/L1)を係数Kと
すると、 F=K×(cosθ2/cosθ1)×S ……(10) と表すことができる。すなわち、第2の原理モデルで
も、上述した第1の原理モデルと同一の式を得ることが
できる。
【0085】上式(10)のうち、{(cosθ2/c
osθ1)×S}の値が、作用点D2の変位に対してほ
ぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるよ
うにパラメーターを選択すれば、Fの値も、変位に対し
てほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少とな
るように変化させることができる。
【0086】例えば、上記したL。=200mm,L1
=200mm,L2=100mmとし、ばね13fのば
ね定数を15N/mmとし、ばね13fのセット時のた
わみ量を70mmとすると、変位X(mm),θ1,θ
2,(cosθ2/cosθ1),ばね圧S(N),支
持力F(N)は、表2のようになる。
【0087】
【表2】
【0088】この表2から、変位Xが120mm〜13
5mmの範囲であれば、支持力Fは、651N〜654
Nの範囲の変化しかなく、ほぼ一定の支持力が得られる
ことがわかる。これは単なる一例であり、ほぼ一定の支
持力を得るには、上記の式を用いてアーム長さや角度等
の定数の種々の様々な組合わせの中から最も適した定数
を選択することにより、望ましい特性を得ることができ
る。
【0089】この表2の場合も、上記した図4の特性と
同様の特性が得られる。
【0090】さらに、上式(10)を用い、L。=20
0mm,L1=100mm,L2=100mmとし、ば
ね13fのばね定数を15N/mmとし、ばね13fの
セット時のたわみ量を70mmとすると、変位X(m
m),θ1,θ2,(cosθ2/cosθ1),ばね
圧S(N),支持力F(N)は、表3のようになる。
【0091】
【表3】
【0092】この表3から、変位Xが40mm〜50m
mの範囲であれば、支持力Fは、650N〜660Nの
範囲の変化しかなく、ほぼ一定の支持力が得られること
がわかる。これは単なる一例であり、ほぼ一定の支持力
を得るには、上記の式を用いてアーム長さや角度等の定
数の種々の様々な組合わせの中から最も適した定数を選
択することにより、望ましい特性を得ることができる。
【0093】この表3の場合も、上記した図4の特性と
同様の特性が得られる。
【0094】(2)第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照しな
がら詳細に説明する。図6は、本発明の第2実施形態で
ある転てつ減摩器の構成と作用を示す図であり、図6
(A)はトングレールが基本レールに密着している状態
を、図6(B)はトングレールが転換中の状態を、それ
ぞれ示している。
【0095】図6(A),図6(B)に示すように、こ
の転てつ減摩器20は、きょう体21と、アーム22
と、緩衝機構23と、ローラー24を備えて構成されて
いる。
【0096】きょう体21は、分岐器における固定位
置、例えば床板P等に固定される。きょう体21の2箇
所には、固定軸21a及び21bが設けられている。
【0097】アーム22は、図示のように、直線状又は
棒状に形成された部材である。
【0098】アーム22の一端には、固定軸用孔22d
が設けられている。この固定軸用孔22dは、固定軸2
1aが挿通可能でありかつ回転可能な構成となってい
る。これにより、アーム22はきょう体21に取付けら
れる。
【0099】また、アーム22の他端には、ローラー軸
22eが設けられている。このローラー軸22eには、
後述するローラー24と緩衝機構23が取付けられる。
【0100】ローラー24には、その中心に図示しない
孔が設けられている。この孔は、ローラー軸22eが挿
通可能でありかつ回転可能な構成となっている。これに
より、ローラー24はアーム22に取付けられる。
【0101】緩衝機構23は、図示のように、直線状又
は棒状に形成された部材であり、シリンダー部23a
と、ピストン部23bと、固定軸接続部23cと、ピン
軸接続部23tを有している。この緩衝機構23の基本
的な構成は、上記した第1実施形態の緩衝機構13と同
様であり、シリンダー部23aはシリンダー部13aに
相当し、ピストン部23bはピストン部13bに相当
し、固定軸接続部23cは固定軸接続部13cに相当
し、ピン軸接続部23tはピン軸接続部13tに相当し
ているので、詳細部分についての説明は省略する。
【0102】ピン軸接続部23tには、シリンダー部2
3aとは反対側の端部付近(緩衝機構23の他方の端部
付近)に、ローラー軸用孔23dが設けられている。こ
のローラー軸用孔23dは、ローラー軸22eが挿通可
能でありかつ回転可能な構成となっている。これによ
り、アーム22の端部であるローラー軸22eは、緩衝
機構23の他方の端部であるローラー軸用孔23dとピ
ン接合される。
【0103】シリンダー部23aの内部及びその付近の
さらに詳細な構成は、上記したシリンダー部13aと同
様であるので、その説明は省略する。
【0104】次に、上記した第1実施形態の転てつ減摩
器20の作用について、図6(A)及び図6(B)を参
照しつつ説明を行う。まず、図6(A)に示すように、
基本レールRに密着しているトングレールTは、初めは
床板P上に乗っている。この場合には、ローラー24の
上部が床板Pの上面よりも高くなるように設定されてい
る。
【0105】次に、図6(A)に示すように、トングレ
ールTが転換を開始して密着位置から離れ、例えば図の
右方へ移動すると、ある位置から以降は、トングレール
Tの底部がローラー24の上に乗り移り、ローラー24
上を転動する。この際、トングレールTの底部は、ロー
ラー24を押し下げる。
【0106】この押し下げ力は、ローラー軸22eから
アーム22及び緩衝機構23へ伝達される。この場合、
ローラー軸22eの中心を作用点とすると、第2実施形
態の転てつ減摩器20の構成上の効果により、作用点が
下方へ下降する変位量がある範囲内であれば、作用点で
の反力は、作用点が下方へ下降する変位量に対してほぼ
一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるよう
に変化する。
【0107】すなわち、第1実施形態の転てつ減摩器2
0は、従来の転てつ減摩器のように、トングレール乗り
移り時のローラー支持圧力がローラー高さの変化で大き
く変化することはないため、従来のような煩雑なローラ
ー高さ微調整が不要となり、保守の手間が大幅に軽減さ
れる、という利点がある。
【0108】次に、上記した第1実施形態の転てつ減摩
器20の原理について説明を行う。図7は、図6に示す
転てつ減摩器の原理モデルを説明する図である。
【0109】図7において、点A3と点C3を結ぶ直線
A3−C3は、アーム22を示している。点A3は、固
定軸21aの中心点、すなわちアーム22の回転の中心
点(以下、「アーム軸」という。)を示している。ま
た、L2は、アーム22の長さを示している。点C3
は、ローラー軸22eの中心点、すなわちこの機構の作
用点を示している。Fは、作用点C3に作用する作用
力、すなわちトングレールTの底部がローラー24を押
し下げようとする力である。したがって、トングレール
Tの底部は、力Fと方向が逆で値が等しい反力をこの機
構から受ける。
【0110】Xは、図7の水平な鎖線から作用点C3ま
での垂直方向の距離である。したがって、作用点C3が
下方へ押し下げられる場合には、Xが減少するように変
化していく。
【0111】また、点C3は、作用点であるとともに、
アーム22と緩衝機構23のピン接合の中心点(以下、
「ピン接合点」という。)でもある。Sは、ピン接合点
C3が緩衝機構23のばねから受けるばね圧力(反力)
である。
【0112】また、点C3と点B3を結ぶ直線は、緩衝
機構23を示している。点B3は、固定軸21bの中心
点、すなわち緩衝機構23の回転の中心点を示してい
る。また、L3は、緩衝機構23のピン接合点(作用
点)C3と、固定軸21bの中心点との間の距離を示し
ている。また、L。は、固定軸21aの中心点A3と固
定軸21bの中心点B3との間の距離を示している。
【0113】すなわち、図7のモデルは、アーム22
(直線A3−C3)と緩衝機構23(直線C3−B3)
のピン接合点を作用力の作用点とするモデルである。
【0114】上記のような原理モデルによれば、ローラ
ー24上にトングレールRの底部が乗り移る際に、トン
グレールTの底部がローラー24を押し下げる動作は、
図7において、作用点C3に垂直下方に作用力Fが作用
することに相当する。この作用力Fにより、アーム22
(直線A3−C3)は、アーム軸A3を回転中心とし
て、時計回りに回転する。この動きにより、作用点(ピ
ン接合点)C3が、緩衝機構23(直線C3−B3)の
ピン軸接続部23t(図7には図示せず)に力を作用さ
せ、ピストン23b(図7には図示せず)をシリンダー
部23a(図7には図示せず)の内部へ押し込もうとす
る。これによりばね(図7には図示せず)が反発力を発
生する。
【0115】このばね力は、直接作用点(ピン接合点)
C3に加えられ、トングレールTがローラー24から受
ける反力となる。この反力は、方向が力Fとは反対で、
力の大きさは力Fと等しい力、すなわち作用点(ピン接
合点)C3において図7の上方へ向かい大きさがFの力
である。
【0116】また、作用点(ピン接合点)C3における
アーム22(直線A3−C3)の回転方向の接線と、作
用力Fの作用方向の成す角をθ1とする。そして、作用
点(ピン接合点)C3における緩衝機構23の反力S
と、アーム22(直線A3−C3)の回転方向の接線と
が成す角をθ2とする。このように角θ1,θ2を定義
すると、作用力Fによってアーム22(直線A3−C
3)を回転させる分力をF′とすれば、 F′=F×cosθ1 ……(11) と表すことができる。
【0117】また、緩衝機構の反力Sによってアーム2
2(直線A3−C3)を回転させる分力をS′とすれ
ば、 S′=S×cosθ2 ……(12) と表すことができる。
【0118】図7の状態では、アーム軸A3のまわりの
モーメントは釣り合っているから、 F′×L1=S′×L1 ……(13) と表すことができる。
【0119】式(13)に式(11),式(12)を代
入して整理すれば、力Fは、 F=(cosθ2/cosθ1)×S ……(14) と表すことができる。
【0120】上式(14)の値{(cosθ2/cos
θ1)×S}が、作用点C3の変位に対してほぼ一定又
は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるようにパラ
メーターを選択すれば、Fの値も、変位に対してほぼ一
定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように
変化させることができる。
【0121】この第2実施形態の場合も、上記した図4
の特性と同様の特性が得られる。
【0122】(3)第3実施形態 次に、本発明の第3実施形態について、図面を参照しな
がら詳細に説明する。図8は、本発明の第3実施形態で
ある転てつ減摩器の構成を示す図である。
【0123】図8に示すように、この転てつ減摩器30
は、きょう体31と、クランク32と、緩衝機構33
と、ボルト35と、ナット36を備えて構成されてい
る。
【0124】きょう体31は、分岐器における固定位
置、例えば床板(図示せず)等に固定される。きょう体
31の2箇所には、固定軸31a及び31bが設けられ
ている。
【0125】クランク32は、図示のように、「L」字
状又は「へ」字状に形成された部材であり、第1アーム
32aと、第2アーム32bの2つの部分を有してい
る。第2アーム32bは、第1アーム32aから任意の
角度を持ってさらに第1アーム32aを延長した構成と
なっている。このクランク32の基本的な構成は、上記
した第1実施形態のクランク12と同様であり、第1ア
ーム部32aは第1アーム部12aに相当し、第2アー
ム部12bは第2アーム部12bに相当し、固定軸用孔
32dは固定軸用孔12dに相当し、ピン軸32eはピ
ン軸12eに相当しているので、詳細部分についての説
明は省略する。
【0126】クランク32が上記した実施形態と異なる
点は、第2アーム32bの、固定軸用孔32dとは反対
側の端部付近に、ボルト35とナット36が取付けら
れ、このボルト35の下端が、図17に示す構成のロー
ラー支持金具211の後端211bを押えるように構成
されている点である。ローラー支持金具211の先端の
軸211a(図17参照)には、ローラー212(図1
7参照)が取付けられている。
【0127】緩衝機構33は、図示のように、直線状又
は棒状に形成された部材であり、シリンダー部33a
と、ピストン部33bと、固定軸接続部33cと、ピン
軸接続部33tを有している。この緩衝機構33の基本
的な構成は、上記した第1実施形態の緩衝機構13と同
様であり、シリンダー部33aはシリンダー部13aに
相当し、ピストン部33bはピストン部13bに相当
し、固定軸接続部33cは固定軸接続部13cに相当
し、ピン軸接続部33tはピン軸接続部13tに相当し
ているので、詳細部分についての説明は省略する。
【0128】シリンダー部33aの内部及びその付近の
さらに詳細な構成は、上記したシリンダー部13aと同
様であるので、その説明は省略する。
【0129】上記のような構成により、図8に示す第3
実施形態の転てつ減摩器30は、ローラーと接続する。
この構成は、中間にローラー支持金具211と、ボルト
35を介する点が異なり、緩衝機構とクランクの配置状
態が逆になっているだけで、その他の点は図1に示す第
1実施形態の転てつ減摩器10と基本的に同様である。
このため、この第3実施形態の転てつ減摩器30は、第
1実施形態の転てつ減摩器10とまったく同様の作用・
効果を発揮し、作用点(ボルト35の下端)が上方へ上
昇する変位量がある範囲内であれば、作用点での反力
は、作用点が上方へ上昇する変位量に対してほぼ一定又
は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化
する。
【0130】(4)第4実施形態 次に、本発明の第4実施形態について、図面を参照しな
がら詳細に説明する。図9は、本発明の第4実施形態で
ある転てつ減摩器の構成を示す図である。
【0131】図9に示すように、この転てつ減摩器40
は、きょう体41と、アーム42と、緩衝機構43と、
中間ローラー47を備えて構成されている。
【0132】きょう体41は、分岐器における固定位
置、例えば床板(図示せず)等に固定される。きょう体
41の2箇所には、固定軸41a及び41bが設けられ
ている。
【0133】アーム42は、図示のように、直線状又は
棒状に形成された部材である。このアーム42の基本的
な構成は、上記した第2実施形態のアーム22と同様で
あり、固定軸用孔42dは固定軸用孔22dに相当し、
ローラー軸42eはローラー軸22eに相当しているの
で、詳細部分についての説明は省略する。
【0134】緩衝機構43は、図示のように、直線状又
は棒状に形成された部材であり、シリンダー部43a
と、ピストン部43bと、固定軸接続部43cと、ピン
軸接続部43tを有している。この緩衝機構43の基本
的な構成は、上記した第1実施形態の緩衝機構13と同
様であり、シリンダー部43aはシリンダー部13aに
相当し、ピストン部43bはピストン部13bに相当
し、固定軸接続部43cは固定軸接続部13cに相当
し、ピン軸接続部43tはピン軸接続部13tに相当し
ているので、詳細部分についての説明は省略する。
【0135】シリンダー部43aの内部及びその付近の
さらに詳細な構成は、上記したシリンダー部13aと同
様であるので、その説明は省略する。
【0136】この第4実施形態の転てつ減摩器40が上
記した実施形態と異なる点は、ローラー軸42eに中間
ローラー47が取付けられ、この中間ローラー47の下
端が、図17に示す構成のローラー支持金具211の後
端211bを押えるように構成されている点である。ロ
ーラー支持金具211の先端の軸211a(図17参
照)には、ローラー212(図17参照)が取付けられ
ている。
【0137】上記のような構成により、図9に示す第4
実施形態の転てつ減摩器40は、ローラーと接続する。
この構成は、中間にローラー支持金具211と、中間ロ
ーラー47を介する点が異なり、緩衝機構とクランクの
配置状態が逆になっているだけで、その他の点は図6に
示す第2実施形態の転てつ減摩器20と基本的に同様で
ある。このため、この第4実施形態の転てつ減摩器40
は、第2実施形態の転てつ減摩器20とまったく同様の
作用・効果を発揮し、作用点(中間ローラー47の下
端)が上方へ上昇する変位量がある範囲内であれば、作
用点での反力は、作用点が上方へ上昇する変位量に対し
てほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少とな
るように変化する。
【0138】(5)第5実施形態 次に、本発明の第5実施形態について、図面を参照しな
がら詳細に説明する。図10は、本発明の第5実施形態
である転てつ減摩器の構成と作用を示す第1の図であ
る。
【0139】図10に示すように、この転てつ減摩器5
0は、きょう体51と、きょう体51の金具軸51aに
挿通かつ回転可能な金具軸用孔52cにより取付けられ
るローラー支持金具52と、ローラー支持金具52の第
1ローラー軸52aに回転可能な構成で取付けられる第
1ローラー53と、ローラー支持金具52の第2ローラ
ー軸52bに回転可能な構成で取付けられる第2ローラ
ー54と、きょう体51に取付けられローラー支持金具
52の動きを規制する第1ストッパー55及び第2スト
ッパー56を有して構成されている。
【0140】次に、上記した転てつ減摩器50の作用に
ついて、図10,11,12,13を参照しつつ説明す
る。
【0141】まず、トングレールTの転換前は、ローラ
ー支持金具52が第1ストッパー55により抑止されて
いる。次に、トングレールTが転換を開始すると(図1
0参照)、トングレールTの底部側面が第1ローラー5
3を押すことにより、ローラー支持金具52が図の時計
回りに微少回転する。
【0142】この動きに伴い、第2ローラー54がトン
グレールTの底部を押すことにより、トングレールTの
底部を第1ローラー53に円滑に乗せる(図11参
照)。
【0143】次いで、ローラー支持金具52が第2スト
ッパー56とトングレールTの底部によって抑止される
ことにより回転が拘束された状態で、第1ローラー53
によるトングレールTの転動が行われる(図12,図1
3参照)。
【0144】このように、第5実施形態の転てつ減摩器
50によれば、2つのローラー53,54を組み合わせ
るとともに、ローラー支持金具52がある範囲内で微少
回転可能な構成としたので、床板Pからローラーに乗り
移る動きが円滑になり、ローラーからの支持圧力もほぼ
一定である、という利点を有している。
【0145】(6)第6実施形態 次に、本発明の第6実施形態について、図面を参照しな
がら詳細に説明する。図14は、本発明の第6実施形態
である転てつ減摩器の構成を示す図である。
【0146】図14に示すように、この転てつ減摩器6
0は、上記した第1実施形態の転てつ減摩器10におけ
るローラー14のかわりに、第5実施形態の転てつ減摩
器50を取り付けた構成となっている。異なる点は、き
ょう体51の動きが、第2アーム部12bの動きの範囲
内のみに拘束するガイド部61,62が設けられている
点である。
【0147】このように、第6実施形態の転てつ減摩器
60によれば、第1実施形態の転てつ減摩器50の利点
に加え、第5実施形態の転てつ減摩器50の利点が加わ
るので、2つのローラー53,54からの支持圧力がほ
ぼ一定化すること、ローラー高さの自動調整が速やかに
なること、さらに安定した減摩効果を発揮すること等の
多くの利点を有している。
【0148】なお、上記した各実施形態においては、作
用点の変位の範囲は、少なくとも2つの固定軸を結ぶ直
線の近傍に作用点が接近しない範囲内に設定する必要が
ある。このため、公知の拘束部材や規制機構等が採用可
能である。
【0149】また、上記した表1,表2,表3の値よ
り、(cosθ2/cosθ1)の値は、0.3〜3.
0程度の範囲であれば、実用上、作用点での反力を、作
用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは
緩やかな減少となるように変化させることができる。こ
のため、図1(B)に示すばねたわみ量調整部材13i
やその他公知の手段を用いて、作用点の動きを上記の条
件を満足するように拘束する構成としておけばよい。
【0150】上記した第1実施形態において、固定軸1
1a及び11bと、クランク12と、緩衝機構13から
なる機構は、微少変位定圧機構を構成している。また、
第2実施形態において、固定軸21a及び21bと、ア
ーム22と、緩衝機構23からなる機構は、微少変位定
圧機構を構成している。また、第3実施形態において、
固定軸31a及び31bと、クランク32と、緩衝機構
33からなる機構は、微少変位定圧機構を構成してい
る。また、第4実施形態において、固定軸41a及び4
1bと、アーム42と、緩衝機構43からなる機構は、
微少変位定圧機構を構成している。また、第5実施形態
において、きょう体51と、ローラー支持金具52と、
第1ローラー53と、第2ローラー54と、第1ストッ
パー55と、第2ストッパー56と、金具軸51aから
なる機構は、微少変位定圧機構を構成している。また、
第5実施形態において、トングレールTは、微少変位定
圧機構の対象物に相当している。また、第6実施形態に
おいて、固定軸61a及び61bと、クランク62と、
緩衝機構63からなる機構は、微少変位定圧機構を構成
している。
【0151】また、上記した第1実施形態において、ロ
ーラー14とローラー軸12cからなる機構は、可動レ
ール転動支持機構を構成している。また、第2実施形態
において、ローラー24とローラー軸22eからなる機
構は、可動レール転動支持機構を構成している。また、
第3実施形態において、ローラー212(図16参照)
と、ローラー支持金具211と、ボルト35と、ナット
36からなる機構は、可動レール転動支持機構を構成し
ている。また、第4実施形態において、ローラー212
(図16参照)と、ローラー支持金具211と、中間ロ
ーラー47からなる機構は、可動レール転動支持機構を
構成している。また、第6実施形態において、きょう体
64と、ローラー支持金具65と、第1ローラー66
と、第2ローラー67と、第1ストッパー68と、第2
ストッパー69と、金具軸64aからなる機構は、可動
レール転動支持機構を構成している。また、上記各実施
形態において、トングレールTは、可動レールに相当し
ている。
【0152】以上説明したように、上記各実施形態に例
示を行った本発明の微少変位定圧機構によれば、作用点
での反力を、前記作用点の変位に対してほぼ一定又は緩
やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させ
るようにしたので、反力をほぼ一定にする必要がある機
器や装置に好適である、という利点がある。
【0153】また、さらに、上記の微少変位定圧機構を
転てつ減摩器に組込んだ場合には、可動レールを乗せる
可動レール転動支持機構をほぼ一定又は緩やかな増加若
しくは緩やかな減少となるように変化する圧力で支持す
るように構成し、支持圧力を可変としておけば、支持圧
力の調整によって可動レール転動支持機構(例えばロー
ラー)が転動するようになったときが支持圧力の適正値
であり、可動レールの押しつけ力と可動レール転動支持
機構の支持圧力のバランスのとれた位置が可動レール転
動支持機構の高さの適正位置となる。
【0154】すなわち、可動レール転動支持機構の高さ
の適正位置を求めるために微少変位の調整を感覚的に繰
り返す必要がなく、支持圧力の調整と可動レール転動支
持機構による転動を目で確認するだけで済む。そのとき
の、減摩効果は、従来の転てつ減摩器でローラー高さの
適正な設定を行ったときに匹敵し、それよりも多少高め
に設定したとしても、その支持圧力がほぼ一定又は緩や
かな増加若しくは緩やかな減少となるような変化である
ので、減摩効果への影響は無視できる。
【0155】したがって、調整に手間がかからず、調整
後に可動レールの高さが多少変化しても、安定した減摩
効果を発揮する転てつ減摩器を提供することができる。
【0156】さらに、可動レール転動支持機構の高さが
高過ぎた場合でも、第5,6実施形態に例示を行った本
発明のように、可動レール転動支持機構への乗り移りの
際に、ローラー支持金具に可動レールの底部を押し上げ
てローラーへの乗り移りが容易になる機構を付加する
と、ローラー高さの自動調整が速やかになり、さらに安
定した減摩効果を発揮するのに役立つ。
【0157】上記各実施形態に例示を行った本発明の転
てつ減摩器によれば、転てつ減摩器を取付ける際に転て
つ減摩器の可動レール転動支持機構(例えばローラー)
の高さを可動レール底部より人間の感覚で高くなってい
ると感じる程度に設定しておくと、可動レールの押しつ
け力と転てつ減摩器の可動レール転動支持機構の支持圧
力とのバランスがとれた位置に可動レール転動支持機構
の高さが自動的に治り、可動レール転動支持機構が転動
するようであればその圧力でよく、可動レール転動支持
機構が転動しなければ、圧力調整によって支持圧力を上
げればよく、微少変位に合わせるような手間のかかる微
調整は不要となる。
【0158】この支持圧力は、可動レールの種類や取付
ける位置によって異なるが、転てつ減摩器を取付けられ
る位置はほぼ決まっているのであらかじめ標準的な圧力
に設定することは可能であり、そのようにすればほぼ無
調整で適度な減摩効果を得ることができる。
【0159】なお、可動レール転動支持機構には、可動
レールからの押しつけ力と転てつ減摩器の緩衝機構から
の支持圧力が加わることとなるが、床板による摺動摩擦
よりも一段と小さなローラー等による転動摩擦にするこ
とで、十分な減摩効果が得られる。
【0160】また、上記各実施形態における緩衝機構1
3,23,33,43は、原理構成を示したものであ
り、実際の転てつ減摩器等に使用するためには、種々の
点で技術的な改良が必要である。以下に、その一例につ
いて説明する。図15は、本発明の各実施形態に用いる
緩衝機構の他の例のさらに詳細な構成を示す図であり、
図15(A)は断面図を、図15(B)は図15(A)
に対し垂直な方向からの断面図を、図15(C)はばね
がδだけ圧縮された場合の図15(A)と同様な断面図
を、それぞれ示している。
【0161】図15に示すように、この緩衝機構73
は、直線状又は棒状に形成された部材であり、シリンダ
ー部73aと、ピストン部73bと、固定軸接続部73
cと、ピン軸接続部73tを有している。ピストン部7
3bは、シリンダー部73aの内部に挿入され、シリン
ダー部73aの外部のばね(後述)により弾性的に支持
されるように構成されている。また、ピン軸接続部73
tは、ピストン部73bとは反対側のシリンダー部73
aの端部に固定されている。また、固定軸接続部73c
は、シリンダー部73aとは反対側のピストン部73b
の端部に固定されている。
【0162】また、固定軸接続部73cには、シリンダ
ー部73aとは反対側の端部付近(緩衝機構73の一方
の端部付近)に、固定軸用孔73eが設けられている。
この固定軸用孔73eは、上記各実施形態の固定軸(1
1b,21b,31b,41b)が挿通可能でありかつ
回転可能な構成となっている。これにより、緩衝機構7
3の一方の端部である固定軸用孔73eは、上記各実施
形態の固定軸(11b等)に取付けられる。
【0163】また、ピン軸接続部73tには、シリンダ
ー部73aとは反対側の端部付近(緩衝機構73の他方
の端部付近)に、ピン軸用孔73dが設けられている。
このピン軸用孔73dは、上記各実施形態のピン軸(1
2e,22e,32e,42e)が挿通可能でありかつ
回転可能な構成となっている。これにより、上記各実施
形態の第1アーム等の部材(12a,22,32a,4
2)の端部であるピン軸(12e等)は、緩衝機構73
の他方の端部であるピン軸用孔73dとピン接合され
る。
【0164】また、図15に示すように、シリンダー部
73aは、筒状に形成されており、軸方向(長手方向)
の両端(図における左端及び右端)が開放された構成と
なっている。
【0165】シリンダー部73aの外部には、シリンダ
ー部73aを取り巻くようにしてばね73fが配置され
ている。ばね73fの一端(図における左端)は、シリ
ンダー部73aに設けられた鍔状のばね押圧部73nに
よって押えられている。ばね73fは、線形の反発力特
性を持つ圧縮ばねであり、シリンダー部73aの軸方向
(長手方向)に反発力が作用するように構成されてい
る。
【0166】また、シリンダー部73aの右側の開口か
らは、ピストン部73bがシリンダー部73aの内部に
挿入されている。ピストン部73bの挿入側の端部73
rは、シリンダー部73aの端部73pと係合し離脱し
ないように拡径されている。また、ピストン部73bに
は、円盤状のばね押圧部73gが取り付けられており、
ばね73fの他端(図における右端)は、このばね押圧
部73gによって押えられている。
【0167】また、ピストン部73bには、雄ネジ部7
3sが形成されている。また、ピストン部73bのばね
押圧部73gの外側(図におけるばね押圧部73gの右
側)には、上記した雄ネジ部73sに螺合する雌ネジ部
を有するばねたわみ量調整ナット73iが嵌合されてい
る。
【0168】上記のような構成により、緩衝機構73の
固定軸接続部73cは、上記各実施形態の固定軸(11
b等)により軸支されており、固定軸(11b等)のま
わりに回転可能ではあるが、回転以外の動きは拘束され
ている。このため、ピストン部73bがシリンダー部7
3aの内方へ押し込まれると、ばね73fが圧縮され、
ばねのたわみ量(縮み量)に応じた反発力がシリンダー
部73aの軸方向(長手方向)に発生する。この反発力
は、ピストン部73bと固定軸(11b等)の両方に等
しい値で伝達される。
【0169】また、この緩衝機構73には、ばねたわみ
量調整ナット73iが設けられているので、上記各実施
形態の緩衝機構13におけるばねたわみ調整部材13i
等と同様に、ばね73fのたわみ量をあらかじめセット
しておくことができる。したがって、ばね73fの反発
力を、零でない任意の値から増加させることが可能とな
る。
【0170】また、ばねたわみ量調整ナット73iをい
ずれかの方向へ回動させることにより、ばねたわみ調整
ナット73iのシリンダー軸方向(長手方向)の位置を
適宜設定することができる。これにより、上記各実施形
態の緩衝機構13におけるボルト孔13m等と同様に、
ばねたわみ量を可変調整することが可能であり、これに
よりばね73fからの圧力も可変調整可能であり、これ
に伴い上記各実施形態におけるローラー等の部材(1
4,24,35,4753,54)の支持圧力も可変調
整可能となる。
【0171】また、上記の緩衝機構73のように構成す
れば、緩衝機構13,23,33,43に比べ、ピスト
ン部が揺れたりぶれるおそれはなくなり、より安定した
緩衝作用を果たすことができる、という利点を有してい
る。
【0172】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発
明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に
同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、い
かなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0173】例えば、上記各実施形態においては、緩衝
機構(例えば13)として、圧縮ばね(例えば13f)
を用いたものを例に挙げて説明したが、本発明はこれに
は限定されず、他の構成の緩衝機構、例えば、油圧、空
圧、磁石等を利用した緩衝機構であってもよい。
【0174】また、微少変位定圧機構の場合は、圧縮に
より反発力を発生する緩衝機構には限定されず、引張に
より力を発生するような緩衝機構、例えば引張ばねを用
いた緩衝機構などであってもよい。このことは、図3,
図5,図6の原理図において、作用力Fを図示とは逆の
方向に作用させ、引張により力を発生するような緩衝機
構を図のL3の部分に配置した場合にも、作用点の変位
に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減
少となるように変化することから明らかである。
【0175】また、ばねを用いる緩衝機構の場合、図1
(B)に示した構成には限定されず、他の公知のばねの
使用形態を利用した構成、例えば固定軸(例えば11
b)の側をピストンとする構成、あるいはシリンダーの
内部にばねを配置するのではなくピストンの周囲に巻き
付けるようにばねが配置される(ばねが外部に露出す
る)構成等のほか種々の形態が適用可能である。
【0176】また、ばねを用いる緩衝機構の場合、ばね
13fのたわみ量をあらかじめセットしておくための機
構についても、図1(B)に示した構成には限定され
ず、ばねたわみ量調整部材(例えば13h)は、他の公
知の拘束機構、規制部材等が適用可能である。また、ば
ねたわみ量調整部材を固定する機構についても、ボルト
とボルト孔以外に、他の公知の固定機構が適用可能であ
る。
【0177】また、上記した第5,6実施形態において
は、第1ストッパー,第2ストッパーとして図示のよう
な部材を用いた例について説明したが、本発明はこれに
は限定されず、他の構成の第1ストッパー,第2ストッ
パーでもよい。要は、第5,6実施形態に示すような作
用を可能とするようにローラー支持金具の動きを規制す
る部材であればどのようなものであってもよいのであ
る。
【0178】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の微少変位
定圧機構によれば、作用点での反力を、作用点の変位に
対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少
となるように変化させるようにしたので、反力をほぼ一
定にする必要がある機器や装置に好適である、という利
点がある。また、上記の微少変位定圧機構を転てつ減摩
器に組込んだ場合には、ローラー高さの微少変位の設定
を行う必要のある従来転てつ減摩器のような手間のかか
る調整から免れることができ、人の目で可動レール転動
支持機構が転動することを確認するような調整が可能と
なって調整が容易になるとともに、調整後に転てつ減摩
器近傍のまくらぎが微少に沈むような変化があったり、
可動レール底部の高さが微少変化しても、可動レールの
押しつけ力が許容範囲であれば、可動レール転動支持機
構の高さは補正されて適正な高さによる可動レール転動
支持機構の転動が確保され、常に安定した減摩効果が得
られる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である転てつ減摩器の構
成を示す図であり、図1(A)は転てつ減摩器の全体構
成及び分岐器との配置関係を示す図を、図1(B)は図
1(A)における緩衝機構のさらに詳細な構成を示す断
面図を、それぞれ示している。
【図2】図1に示す転てつ減摩器の作用を示す図であ
り、図2(A)はトングレールが基本レールに密着して
いる状態を、図2(B)はトングレールが転換中の状態
を、それぞれ示している。
【図3】図1に示す転てつ減摩器の第1の原理モデルを
説明する図である。
【図4】図1に示す転てつ減摩器におけるローラーの高
さとローラーの支持圧力との関係を示すグラフである。
【図5】図1に示す転てつ減摩器の第2の原理モデルを
説明する図である。
【図6】本発明の第2実施形態である転てつ減摩器の構
成と作用を示す図であり、図6(A)はトングレールが
基本レールに密着している状態を、図6(B)はトング
レールが転換中の状態を、それぞれ示している。
【図7】図6に示す転てつ減摩器の原理モデルを説明す
る図である。
【図8】本発明の第3実施形態である転てつ減摩器の構
成を示す図である。
【図9】本発明の第4実施形態である転てつ減摩器の構
成を示す図である。
【図10】本発明の第5実施形態である転てつ減摩器の
構成と作用を示す第1の図である。
【図11】本発明の第5実施形態である転てつ減摩器の
構成と作用を示す第2の図である。
【図12】本発明の第5実施形態である転てつ減摩器の
構成と作用を示す第3の図である。
【図13】本発明の第5実施形態である転てつ減摩器の
構成と作用を示す第4の図である。
【図14】本発明の第6実施形態である転てつ減摩器の
構成を示す図である。
【図15】本発明の各実施形態に用いる緩衝機構の他の
例のさらに詳細な構成を示す図であり、図15(A)は
断面図を、図15(B)は図15(A)に対し垂直な方
向からの断面図を、図15(C)はばねがδだけ圧縮さ
れた場合の図15(A)と同様な断面図を、それぞれ示
している。
【図16】従来の分岐器の構成を示す上面図である。
【図17】従来の転てつ減摩器の一例の構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 転てつ減摩器 11 きょう体 11a,11b 固定軸 12 クランク 12a 第1アーム 12b 第2アーム 12c ローラー軸 12d 固定軸用孔 12e ピン軸 13 緩衝機構 13a シリンダー部 13b ピストン部 13c 固定軸接続部 13d ピン軸用孔 13e 固定軸用孔 13f ばね 13g ばね押圧部 13h 長穴 13i ばねたわみ量調整部材 13k ボルト 13m ボルト孔 13t ピン軸接続部 14 ローラー 20 転てつ減摩器 21 きょう体 21a,21b 固定軸 22 アーム 22d 固定軸用孔 22e ローラー軸 23 緩衝機構 23a シリンダー部 23b ピストン部 23c 固定軸接続部 23d ローラー軸用孔 23e 固定軸用孔 23t ピン軸接続部 24 ローラー 30 転てつ減摩器 31 きょう体 31a,31b 固定軸 32 クランク 32a 第1アーム 32b 第2アーム 32d 固定軸用孔 32e ピン軸 33 緩衝機構 33a シリンダー部 33b ピストン部 33c 固定軸接続部 33d ピン軸用孔 33e 固定軸用孔 33t ピン軸接続部 35 ボルト 36 ナット 40 転てつ減摩器 41 きょう体 41a,41b 固定軸 42 アーム 42d 固定軸用孔 42e ローラー軸 43 緩衝機構 43a シリンダー部 43b ピストン部 43c 固定軸接続部 43d ローラー軸用孔 43e 固定軸用孔 43t ピン軸接続部 47 中間ローラー 50 転てつ減摩器 51 きょう体 51a 金具軸 52 ローラー支持金具 52a 第1ローラー軸 52b 第2ローラー軸 52c 金具軸用孔 53 第1ローラー 53a 第1ローラー軸用孔 54 第2ローラー 54a 第2ローラー軸用孔 55 第1ストッパー 56 第2ストッパー 60 転てつ減摩器 61,62 ガイド部 73 緩衝機構 73a シリンダー部 73b ピストン部 73c 固定軸接続部 73d ピン軸用孔 73e 固定軸用孔 73f ばね 73g ばね押圧部 73i ばねたわみ量調整ナット 73n ばね押圧部 73p シリンダー端部 73r ピストン端部 73s 雄ネジ部 73t ピン軸接続部 100 分岐器 101 電気転てつ機 102 動作かん 103a〜103f リンク部材 104 エスケープクランク 105 ロッド 106 エスケープクランク 107 ロッド 108 伝動部 109,110 転てつ棒 201〜204 転てつ減摩器 210 本体 210a 軸 211 ローラー支持金具 211a 軸 211b 後端 212 ローラー 213 ボルト 214 ナット 215 ばね緩衝器 216 ボルト 217 ナット P 床板 R,R1,R2 基本レール T,T′,T1,T2 トングレール

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの固定軸を持ち、前記固定軸の一方
    にアームを取付け、前記固定軸の他方に緩衝機構を取付
    け、前記アームの他端と前記緩衝機構の他端をピン接合
    させ、前記ピン接合の点を作用力の作用点とし、少なく
    とも前記2つの固定軸を結ぶ直線の近傍に前記作用点が
    接近しない限定範囲内で前記作用点が変位するように
    し、前記作用力をFとし、前記作用力Fによって前記ア
    ームを回転させる分力をF′とし、前記作用力Fと前記
    分力F′の成す角をθ1とし、前記作用力に応じた前記
    緩衝機構の反力をSとし、前記反力Sにより前記アーム
    を回転させる分力をS′とし、前記反力Sと前記分力
    S′の成す角をθ2とするとき、(cosθ2/cos
    θ1)×Sで表される前記作用点での反力を、前記作用
    点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩
    やかな減少となるように変化させることを特徴とする微
    少変位定圧機構。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の微少変位定圧機構におい
    て、 前記アームと軸対象方向又は任意の角度を持ってさらに
    前記アームを延長したクランクの他端を前記作用点とし
    たことを特徴とする微少変位定圧機構。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の微少変位
    定圧機構において、 前記の値(cosθ2/cosθ1)が0.3〜3.0
    の範囲となるように前記作用点の動きを拘束するように
    構成したことを特徴とする微少変位定圧機構。
  4. 【請求項4】 きょう体の金具軸に取付けられるローラ
    ー支持金具と、前記ローラー支持金具のローラー軸に取
    付けられる第1ローラー及び第2ローラーと、前記きょ
    う体に取付けられ前記ローラー支持金具の動きを規制す
    る第1ストッパー及び第2ストッパーを有して構成さ
    れ、前記ローラー支持金具が前記第1ストッパーにより
    抑止された状態から、前記第1ローラー上に対象物が乗
    ると、前記対象物の底部側面が前記第1ローラーを押す
    ことにより前記ローラー支持金具が微少回転し、前記第
    2ローラーが前記対象物の底部を押すことにより前記対
    象物の底部を前記第1ローラーに円滑に乗せ、前記ロー
    ラー支持金具が前記第2ストッパーと前記対象物の底部
    によって抑止されることにより回転が拘束された状態で
    前記第1ローラーによる前記対象物の転動が行われるよ
    うに構成されることを特徴とする微少変位定圧機構。
  5. 【請求項5】 鉄道の分岐器の可動レールの転換力を軽
    減するための転てつ減摩器において、 2つの固定軸を持ち、前記固定軸の一方にアームを取付
    け、前記固定軸の他方に緩衝機構を取付け、前記アーム
    の他端と前記緩衝機構の他端をピン接合させ、前記可動
    レールを転動摩擦により支持する可動レール転動支持機
    構を前記ピン接合の点に取付けて作用点とし、少なくと
    も前記2つの固定軸を結ぶ直線の近傍に前記作用点が接
    近しない限定範囲内で前記作用点が変位するようにし、
    前記作用点での前記可動レール転動支持機構からの作用
    力をFとし、前記作用力Fによって前記アームを回転さ
    せる分力をF′とし、前記作用力Fと前記分力F′の成
    す角をθ1とし、前記作用力に応じた前記緩衝機構の反
    力をSとし、前記反力Sにより前記アームを回転させる
    分力をS′とし、前記反力Sと前記分力S′の成す角を
    θ2とするとき、(cosθ2/cosθ1)×Sで表
    される前記作用点での反力を、前記作用点の変位に対し
    てほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少とな
    るように変化させることを特徴とする転てつ減摩器。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の転てつ減摩器において、 前記可動レール転動支持機構は、前記作用点を中心とし
    て回転可能なローラーであることを特徴とする転てつ減
    摩器。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の転てつ減摩器において、 前記可動レール転動支持機構は、きょう体の金具軸に取
    付けられるローラー支持金具と、前記ローラー支持金具
    のローラー軸に取付けられる第1ローラー及び第2ロー
    ラーと、前記きょう体に取付けられ前記ローラー支持金
    具の動きを規制する第1ストッパー及び第2ストッパー
    を有して構成され、前記可動レールの転換前は前記ロー
    ラー支持金具が前記第1ストッパーにより抑止され、前
    記可動レールが転換を開始すると、前記可動レールの底
    部側面が前記第1ローラーを押すことにより前記ローラ
    ー支持金具が微少回転し、前記第2ローラーが前記可動
    レールの底部を押すことにより前記可動レールの底部を
    前記第1ローラーに円滑に乗せ、前記ローラー支持金具
    が前記第2ストッパーと前記可動レールの底部によって
    抑止されることにより回転が拘束された状態で前記第1
    ローラーによる前記可動レールの転動が行われるように
    構成されることを特徴とする転てつ減摩器。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の転てつ減摩器において、 前記アームと軸対象方向又は任意の角度を持ってさらに
    前記アームを延長したクランクの他端に前記可動レール
    転動支持機構を取り付けることを特徴とする転てつ減摩
    器。
  9. 【請求項9】 請求項5ないし請求項8に記載の微少変
    位定圧機構において、 前記の値(cosθ2/cosθ1)が0.3〜3.0
    の範囲となるように前記作用点の動きを拘束するように
    構成したことを特徴とする転てつ減摩器。
  10. 【請求項10】 鉄道の分岐器の可動レールの転換力を
    軽減するための転てつ減摩器において、 きょう体の金具軸に取付けられるローラー支持金具と、
    前記ローラー支持金具のローラー軸に取付けられる第1
    ローラー及び第2ローラーと、前記きょう体に取付けら
    れ前記ローラー支持金具の動きを規制する第1ストッパ
    ー及び第2ストッパーを有して構成され、前記可動レー
    ルの転換前は前記ローラー支持金具が前記第1ストッパ
    ーにより抑止され、前記可動レールが転換を開始する
    と、前記可動レールの底部側面が前記第1ローラーを押
    すことにより前記ローラー支持金具が微少回転し、前記
    第2ローラーが前記可動レールの底部を押すことにより
    前記可動レールの底部を前記第1ローラーに円滑に乗
    せ、前記ローラー支持金具が前記第2ストッパーと前記
    可動レールの底部によって抑止されることにより回転が
    拘束された状態で前記第1ローラーによる前記可動レー
    ルの転動が行われるように構成されることを特徴とする
    転てつ減摩器。
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JP2010234926A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Railway Technical Res Inst 列車風評価方法、列車風評価システム及び列車風評価プログラム
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RU2575317C2 (ru) * 2010-07-01 2016-02-20 Швихаг Аг Роликовое устройство для острякового рельса стрелочного перевода

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