JPH11275135A - 電子メール同時配信方法および電子メールシステム、ならびにそのプログラム記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】メールの送受信者の手数を減少させ、かつ電子
メールシステムの送受信データのトラフィックを増加さ
せることなく、効率的な同報配信を行う。 【解決手段】第１発信者４ａはサーバ装置１の階層型ア
ドレス帳３を基に登録した受信者リスト定義部６に従っ
て同報配信を行うメンバーの階層テーブルを階層テーブ
ル作成部７で作成し、電子メール作成部８で作成したメ
ールとともに、電子メール送信部９から階層テーブルの
下位層者に送信する。メールは、メールサーバ装置１を
介して受信者側メールクライアント４ｂに送られ、電子
メール受信部１０で受信される。メールに添付された階
層テーブルに下位受信者がいる場合には、下位受信者の
ための階層テーブルを階層テーブル作成部１１で作成
し、メール本文とともに送信部１２から送信する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、階層構造を有する
メール配信対象者に電子メール同報配信を簡単かつ効率
的に実現できる電子メール同時配信方法およびそのシス
テム、ならびにプログラムを格納した記録媒体に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、コンピュータ・ネットワークを使
用した電子メールシステムが広く用いられるようになっ
た。特に、企業内あるいはある組織内で使用される電子
メールシステムでは、１つの電子メールを送信者から複
数の特定された受信者に順次回覧する電子メール回覧配
布するものや、１つの電子メールを同時に複数の特定さ
れた受信者に配信する電子メール同報配信するものが行
われている。しかしながら、従来の電子メールシステム
の同報配信機能では、メール発信者が配信したい全ての
受信者アドレスリストを自分で記述しなければならなか
った。この記述作業は、発信者にとり極めて煩雑なもの
であった。同じように、電子メールの回覧配布において
も、メール発信者が回覧対象者のアドレスを全て記述す
る必要があり、その作業が煩わしかった。この問題を解
決する方法として、例えば特開平６−２５２９４２号公
報に記載された電子メールシステムがある。上記システ
ムは、階層構造を有するメンバーへ回覧配布するもので
あって、電子メール投函・受理装置（メールクライアン
ト）からの回覧メールが、電子メール受付・配送装置
（メールサーバ）に設けられた電子メール配送制御部に
より、階層構造登録テーブル内の階層構造データに従っ
て最上位のメンバーから順に回覧配布される。配送され
た回覧メールは、受信者によりメール確認欄に確認を示
す情報が設定され、配送元に返送される。電子メール配
送制御部は、返送されたメールの確認欄をチェックし、
階層構造を基にして同一階層の回覧が全て完了したか否
かを判別し、完了したことを判別したならばその下位層
への回覧メールの配送を開始している。この処理を階層
毎に行うものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に示す従来技術では、下記のような問題点があった。 （１）必ず配送先からメールの配送元に戻され、メール
の確認欄をチェックした後に、次の回覧を送信するとい
う処理が必要なため、メールのやり取りが多くなるとい
う問題があった。 （２）このメール回覧方法を同報配信に適用した場合、
配信先から必ずメールの配送元に戻されるので、全員へ
の同報が完了するまでに時間がかかるという問題もあっ
た。 （３）メールサーバの配送制御部で下位層への回覧メー
ルを発信し、下位層から確認欄の情報を配送元に返送す
るので、例えば会社組織等では広域ネットワーク（ＷＡ
Ｎ）を通したメールの送受信が増加し、そのためにネッ
トワークのパフォーマンスを低下させるという問題もあ
った。そこで、本発明の目的は、これら従来の課題を解
決し、メールの送受信者の手数を煩わせず、かつ送受信
データのトラフィックを増加させることがない効率的な
電子メール同時配信方法および電子メールシステム、な
らびにプログラム記録媒体を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の電子メール同時配信方法では、同報配信す
るメール本文と、配信先メールアドレスを階層構造で記
録した階層テーブルとからなる同報配信メールを、メー
ルクライアント装置から次の階層の受信者に送信し、こ
の同報配信メールを受信したメールクライアント装置
は、上記階層テーブルの内容をチェックして、自分より
下位階層の配信先アドレスがあれば、その階層テーブル
を下位配信先アドレスで構成される階層テーブルに再編
集して、同報配信メールを再送し、下位配信先アドレス
が無くなるまで上記処理を繰り返すことを特徴としてい
る。また、本発明の電子メールシステムは、送受信され
る電子メールデータを一時格納するメールボックス、お
よび送受信者のメールアドレスを階層構造で記録する階
層型アドレス帳を具備したメールサーバ装置と、受信者
リスト定義部、階層テーブル作成部、電子メール作成
部、電子メール送信部、および電子メール受信部とを具
備したメールクライアント装置とからなることを特徴と
している。これにより、確認メールのやり取りを行わず
に同報配信を行うことができ、また第１発信者が第１受
信者にメールを配信する場合には広範囲の送信になる
が、第２発信者以降では、その階層内のメールの送信の
みになるため、全体のネットワークのトラフィックは増
加しない。例えば、会社の部長→支店長→課長→係長の
順序（階層）で同報配信が行われる場合、第１受信者が
支店長となるので、第２受信者以降の処理はその支店内
のメールの送受信に限定されことになり、それ以降、広
域ネットワークを経由することがなくなり、会社全体の
ネットワークシステムのトラフィックを増加させない。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面に
より詳細に説明する。図１は、本発明の一実施例を示す
電子メールシステムの構成図である。電子メールシステ
ムは、メールボックス２と階層型アドレス帳３とを具備
したメールサーバ装置１と、電子メールソフトを具備し
たメールクライアント装置４ａ，４ｂとから構成され
る。いま、メールクライアント４ａから４ｂに同報配信
が行われるものとする。メールクライアント装置４ａか
ら発信されたメールは、ＬＡＮ１８を経由して必ずメー
ルサーバ装置１に受信され、メールボックス２に一旦格
納される。メールは、送信順序に従ってメールボックス
２から取り出され、最上位階層の受信者を宛先として再
送される。メールはＬＡＮ１８からＷＡＮ２０を介して
ＬＡＮ１９に至り、メールクライアント装置４ｂに受信
される。

【０００６】メールサーバ装置１に備えられる階層型ア
ドレス帳３は、会社組織図のような階層的に記述された
アドレス帳である。このアドレス帳は、メールクライア
ント装置４ａ，４ｂからのアドレスの問い合わせや、ア
ドレス不明のメール等があった際に参照されて、それぞ
れ応答される。メールクライアント装置４の電子メール
ソフト５は、受信者リスト定義部、階層テーブル作成
部、電子メール作成部、電子メール送信部および電子メ
ール受信部から構成される。ここで、電子メール送信部
は、再編集された階層テーブルの最上位階層の受信者を
読み取って、それらを宛先としてメールの送信を制御す
るソフトであり、また電子メール受信部は、発信側クラ
イアントからメールを受信するまでの制御と、受信した
メールのうち階層テーブルを取り出して階層テーブル作
成部に転送するソフトである。また、受信者リスト定義
部は、電子メールの宛先となる受信者のリストをメール
サーバ１の階層型アドレス帳３を参照して定義するソフ
トである。また、階層テーブル作成部は、受信した階層
テーブルから自分を除いた下位の階層のテーブルに編集
し直すものである。さらに、電子メール作成部は発信者
が伝達するメール内容を作成するものである。

【０００７】図２は、図１における階層型アドレス帳に
登録されている階層構造の概念図である。図２に示すよ
うに、第１層にはクライアントＡ、第２層にはクライア
ントＢ，Ｃ，Ｄ、第３層にはクライアントＢ１，Ｂ２，
Ｃ１，Ｃ２，Ｄ１，Ｄ２、第４層にはクライアントＢ１
１〜Ｂ１３，Ｂ２１〜Ｂ２２，Ｃ１１〜Ｃ１２，Ｃ２
１，Ｄ１１〜Ｄ１２，Ｄ２１がそれぞれ登録されてい
る。ここでは、第１層のＡ（発信者）から第４層のＢ１
１〜Ｂ２２まで、およびＡから第３層のＣ１，Ｃ２ま
で、ならびにＡから第４層のＤ１１，Ｄ１２まで、それ
ぞれ同報配信する場合の３つを例にとって説明する。第
１発信者Ａは階層型アドレス帳を基に受信者リスト定義
部により同報配信を行うメンバーの階層テーブルを作成
し、次の下位層の受信者にメール本文とともにこのテー
ブルも配信する。第１受信者Ｂ，Ｃ，Ｄは、メールの受
信後、メールに添付されている階層テーブルに下位受信
者がいる場合、下位受信者のための階層テーブルを作成
し、メール本文とともにこの編集された階層テーブルも
配信する。下位受信者がいない場合には、処理を終了す
る。同じようにして、第３層のＢ１，Ｂ２，Ｃ１，Ｃ
２、Ｄ１、第４層のＢ１１〜Ｂ１３、Ｂ２１，Ｂ２２、
Ｄ１１，Ｄ１２にもメール本文とともに編集された階層
テーブルが配信される。

【０００８】図３は、本発明のメールクライアント装置
の発信者側と受信者側の同報配信処理の流れを示す図で
あり、図４〜図８は、各処理段階におけるクライアント
装置内で作成された階層テーブルの内容を示す図であ
る。図３に示す各ブロックはいずれもソフトウェアを示
す機能ブロックであって、各機能ブロック間の太線で示
す矢印の順序で自動的に処理が実行される。図３におい
て、メールサーバ装置１にメールボックス２や階層型ア
ドレス帳３を備えることは従来から行われているが、メ
ールクライアント装置に電子メールソフト５である受信
者リスト定義部６，１３、電子メール作成部８，１４、
階層テーブル作成部７，１１、電子メール送信部９，１
２、および電子メール受信部５ａ，１０を設けたこと
は、本発明の重要な点である。

【０００９】図３において、メールクライアント装置
（発信者側）４ａが第１発信者Ａの装置である場合、第
１発信者Ａは自分のメールクライアント装置４ａ内の受
信者リスト定義部６で同報配信を行う配信先アドレス
を、メールサーバ装置にある階層型アドレス帳を参照し
て定義する。その配信先アドレス定義情報に基づいて、
階層テーブル作成部７が図４に示す階層テーブル１を作
成する。図４に示すように、第１発信者Ａは、同報配信
すべき全ての受信者を階層別に記述した階層テーブル１
を作成する。一方、電子メール作成部８では、配信すべ
きメール本文を作成する。そして、第１発信者Ａのクラ
イアント装置４ａからはその階層テーブル１の第１受信
者の階層のクライアント装置のみを宛先として送信す
る。すなわち、電子メール送信部９は、階層テーブル１
を受け取ると、その階層テーブル１に基づいてメール本
文と階層テーブル１をセットにしてメール送信する。こ
のとき送信されたメールは、メールサーバ装置１を介し
て第１受信者であるＢ，Ｃ，Ｄのそれぞれに配信され
る。

【００１０】いま、メールクライアント装置（受信者
側）４ｂが第１受信者Ｂのメールクライアント装置であ
る場合、第１受信者Ｂのメール操作により電子メール受
信部１０がメールを受信する。電子メール受信部１０
は、受信したメール本文と階層テーブル１を階層テーブ
ル作成部１１に転送する。階層テーブル作成部１１で
は、メール本文と一緒に受け取った階層テーブル１を参
照して、第２受信者があることを判別し、図５に示す階
層テーブル２を作成する。階層テーブル２では、階層テ
ーブル１の第２受信者を第１受信者に、第３受信者を第
２受信者に編集し直す。第１受信者Ｂが編集する階層テ
ーブル２はＢ以下の階層の受信者だけを作成すればよ
い。同じようにして、第１受信者Ｃの編集する階層テー
ブル２はＣ以下の階層の受信者Ｃ１，Ｃ２だけを作成す
ればよく、第１受信者Ｄの編集する階層テーブル２はＤ
以下の階層の受信者Ｄ１，Ｄ１１，Ｄ１２だけを作成す
ればよい。電子メール送信部１２は、階層テーブル作成
部１１から転送されたメール本文および階層テーブル２
をセットし、階層テーブル２の第１受信者を宛先として
送信する。ここでは、Ｂ１とＢ２に送信される。なお、
受信側のメールクライアント装置４ｂでは、受信者リス
ト定義部１３と電子メール作成部１４は起動しない。

【００１１】次に、図３のメールクライアント装置（受
信者側）４ｂが第２受信者Ｂ１のクライアント装置であ
るとする。第２受信者Ｂ１のメールクライアント装置で
は、第２受信者Ｂ１のメール受信操作により電子メール
受信部１０がメールを受信した後、メール本文と一緒に
受信した階層テーブル２に第２受信者（第１発信者Ａか
らは第３受信者となる）があるので、階層テーブル作成
部１１で図６に示す階層テーブル３を作成する。電子メ
ール送信部１２は階層テーブル３に基づいてメール本文
と階層テーブル３をセットして送信する。送信されたメ
ールは、メールサーバ装置１を介して第２受信者（第１
発信者Ａからは第３受信者となる）であるＢ１１とＢ１
２とＢ１３のそれぞれに配信される。

【００１２】次に、第３受信者Ｂ１１のメールクライア
ント装置は、第３受信者Ｂ１１のメール受信操作により
電子メール受信部１０がメールを受信した後、メール本
文と一緒に受信した階層テーブル３に第２受信者がない
ので、処理を終了する。全く同様にして、第１受信者Ｃ
についても、図７に示す階層テーブル４を作成し、Ｃ
１，Ｃ２にメールを送信する。Ｃ１ではメールを受信し
ても、第２受信者がないので、処理を終了する。第１受
信者Ｄについても、図８に示す階層テーブル５を作成
し、Ｄ１にメールを送信する。このように、階層毎にメ
ールの配信を実施し、下位受信者がなくなった時点で終
了する。

【００１３】さらに、他の実施例について説明する。図
３で説明した太線で示す各動作をプログラムに変換し、
そのプログラムをＣＤ ＲＯＭ等の記録媒体に格納すれ
ば、その記録媒体を任意のメールシステムに運び込ん
で、プログラムを実行することにより、本発明の電子メ
ール同時配信方法が実現できる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電子メールの階層型同報配信を効率的に行うことができ
るので、発信者の受信者リストの記述操作はなくなると
ともに、ネットワークのパフォーマンスの向上を図るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すメールシステムの概略
構成図である。

【図２】図１の階層型アドレス帳に登録されている階層
構造の概念図である。

【図３】本発明における発信者側と受信者側の同報配信
処理の流れを示す図である。

【図４】第１発信者Ａが作成する階層テーブル１の内容
を示す図である。

【図５】第１受信者Ｂ（第２発信者）が作成する階層テ
ーブル２の内容を示す図である。

【図６】第２受信者Ｂ１（第３発信者）が作成する階層
テーブル３の内容を示す図である。

【図７】第１受信者Ｃ（第２発信者）が作成する階層テ
ーブル４の内容を示す図である。

【図８】第１受信者Ｄ（第２発信者）が作成する階層テ
ーブル５の内容を示す図である。

【符号の説明】

１…メールサーバ処理装置、１ａ…メールサーバ装置、
２…メールボックス、３…階層型アドレス帳、４ａ，４
ｂ…メールクライアント装置、５…電子メールソフト、
５ａ，１０…電子メール受信部、７，１１…階層テーブ
ル作成部、９，１２…電子メール送信部、６，１３…受
信者リスト定義部、８，１４…電子メール作成部、１
８，１９…ＬＡＮ、２０…ＷＡＮ（広域ネットワー
ク）。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子メールを送受信する複数のメールク
   ライアント装置と、電子メールの受付けと配信を制御す
   るメールサーバ装置とがネットワークを介して接続され
   ている電子メールシステムの電子メール同時配信方法に
   おいて、 同報配信するメール本文と配信先メールアドレスを階層
   構造で記録した階層テーブルとからなる同報配信メール
   を、メールクライアント装置から送信し、 前記同報配信メールを受信したメールクライアント装置
   は、前記階層テーブルをチェックして下位配信先アドレ
   スがある場合には、該階層テーブルを下位配信先アドレ
   スで構成される階層テーブルに再編集して、同報配信メ
   ールを下位配信先に送信し、 同報配信メールの下位配信先アドレスがなくなるまで、
   上記処理を繰り返すことを特徴とする電子メール同時配
   信方法。
2. 【請求項２】 送受信される電子メールデータを一時格
   納するメールボックス、および送受信者のメールアドレ
   スを階層構造で記録する階層型アドレス帳とを備えたメ
   ールサーバ装置と、 該メールサーバ装置を介して互いに電子メールの送受信
   を行い、かつ前記階層型アドレス帳を参照して配信先を
   定めた受信者リスト定義部、受信した階層テーブルの下
   位受信者に対する階層テーブルを作成する階層テーブル
   作成部、配信すべきメール本文を作成する電子メール作
   成部、下位受信者を宛先としてメールと階層テーブルを
   送信する電子メール送信部、およびメールと階層テーブ
   ルを受信する電子メール受信部からなる電子メールソフ
   トを備えたメールクライアント装置とを有することを特
   徴とする電子メールシステム。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の電子メール同時配信方
   法の各動作をプログラムに変換し、変換されたプログラ
   ムを格納したことを特徴とするプログラム記録媒体。