JPH11273690A - リン酸型燃料電池用カソード電極触媒、該触媒を用いたカソード電極および該カソード電極を備えたリン酸型燃料電池 - Google Patents
リン酸型燃料電池用カソード電極触媒、該触媒を用いたカソード電極および該カソード電極を備えたリン酸型燃料電池Info
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- JPH11273690A JPH11273690A JP10098350A JP9835098A JPH11273690A JP H11273690 A JPH11273690 A JP H11273690A JP 10098350 A JP10098350 A JP 10098350A JP 9835098 A JP9835098 A JP 9835098A JP H11273690 A JPH11273690 A JP H11273690A
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- Y02E60/50—Fuel cells
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱リン酸に対し優れた安定性および高い触媒
活性を有するリン酸型燃料電池用カソード電極触媒、該
触媒を用いたカソード電極および該電極を備えたリン酸
型燃料電池を提供する。 【解決手段】 カソード電極触媒は白金と、イリジウム
および/またはロジウムとの固溶体合金を、導電性カー
ボン担体に担持してなり、カソード電極は該触媒を撥水
性樹脂と共に多孔質基材の一方の表面に結着させてな
る。
活性を有するリン酸型燃料電池用カソード電極触媒、該
触媒を用いたカソード電極および該電極を備えたリン酸
型燃料電池を提供する。 【解決手段】 カソード電極触媒は白金と、イリジウム
および/またはロジウムとの固溶体合金を、導電性カー
ボン担体に担持してなり、カソード電極は該触媒を撥水
性樹脂と共に多孔質基材の一方の表面に結着させてな
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱リン酸に対する
優れた安定性および高い触媒活性を有するリン酸型燃料
電池用カソード電極触媒、該触媒を用いたカソード電極
および該カソード電極を備えたリン酸型燃料電池に関す
る。
優れた安定性および高い触媒活性を有するリン酸型燃料
電池用カソード電極触媒、該触媒を用いたカソード電極
および該カソード電極を備えたリン酸型燃料電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、オンサイトコージェネレーション
に用いられるリン酸型燃料電池は、実証試験機での累積
運転時間(スタック寿命)として4万時間を達成し、信
頼性が実証されつつあり、実用化の段階が近づいてい
る。しかし、ガスエンジンやガスタービンといった競合
技術の発電効率が近年、徐々に向上し40%に近づいて
きているため、リン酸型燃料電池は排気ガスがクリーン
である、騒音・振動が少ない等の利点を有しているもの
の、コージェネレーションの用途における優位性は相対
的に低下してきている。そこで、発電効率をさらに向上
させ、かつスタック寿命を5万〜6万時間に延長するた
めに、その電極触媒、特にカソード電極触媒をさらに改
良する必要がある。
に用いられるリン酸型燃料電池は、実証試験機での累積
運転時間(スタック寿命)として4万時間を達成し、信
頼性が実証されつつあり、実用化の段階が近づいてい
る。しかし、ガスエンジンやガスタービンといった競合
技術の発電効率が近年、徐々に向上し40%に近づいて
きているため、リン酸型燃料電池は排気ガスがクリーン
である、騒音・振動が少ない等の利点を有しているもの
の、コージェネレーションの用途における優位性は相対
的に低下してきている。そこで、発電効率をさらに向上
させ、かつスタック寿命を5万〜6万時間に延長するた
めに、その電極触媒、特にカソード電極触媒をさらに改
良する必要がある。
【0003】従来、リン酸型燃料電池のカソード電極触
媒として、白金と、クロム、マンガン、鉄、コバルト、
ニッケル等の卑金属の少なくとも1種との合金を導電性
カーボン担体に分散担持したものが使用されてきた(特
開昭61−8851号、特開昭62−155940号、
特開昭62−163746号等)。これらの合金担持触
媒の中でも、特に規則性合金担持触媒は、加熱されたリ
ン酸電解質(電池の運転温度で通常、190〜230
℃)に対する優れた安定性および高い触媒活性(電気化
学的酸素還元活性)を与えるものとして提案された(特
開昭60−156551号、特開昭62−155940
号)。しかし、いずれの白金−卑金属合金担持触媒も熱
リン酸に対する安定性が十分ではなく、上記のような温
度に加熱された熱リン酸中では、空気気流中で比較的短
時間に卑金属が溶出し、合金相の崩壊が起こる。しか
も、溶出した卑金属はリン酸中に溶解し、長期運転中に
リン酸の蒸発、濃縮が起こると、不溶性の卑金属リン酸
塩となって、マトリックス細孔や電極細孔内に析出し、
電池の出力を低下させる恐れがあることが判った。
媒として、白金と、クロム、マンガン、鉄、コバルト、
ニッケル等の卑金属の少なくとも1種との合金を導電性
カーボン担体に分散担持したものが使用されてきた(特
開昭61−8851号、特開昭62−155940号、
特開昭62−163746号等)。これらの合金担持触
媒の中でも、特に規則性合金担持触媒は、加熱されたリ
ン酸電解質(電池の運転温度で通常、190〜230
℃)に対する優れた安定性および高い触媒活性(電気化
学的酸素還元活性)を与えるものとして提案された(特
開昭60−156551号、特開昭62−155940
号)。しかし、いずれの白金−卑金属合金担持触媒も熱
リン酸に対する安定性が十分ではなく、上記のような温
度に加熱された熱リン酸中では、空気気流中で比較的短
時間に卑金属が溶出し、合金相の崩壊が起こる。しか
も、溶出した卑金属はリン酸中に溶解し、長期運転中に
リン酸の蒸発、濃縮が起こると、不溶性の卑金属リン酸
塩となって、マトリックス細孔や電極細孔内に析出し、
電池の出力を低下させる恐れがあることが判った。
【0004】一方、導電性カーボン担体に白金を単独に
担持した触媒は、その調製法を改良することによって、
担体への白金担持量を30重量%程度まで増加させると
共に、白金粒子径を15Å以下にまで小さくすることが
可能となったが、触媒活性の向上には限度があり、白金
−卑金属合金担持触媒には及ばないことが確認されてい
る。
担持した触媒は、その調製法を改良することによって、
担体への白金担持量を30重量%程度まで増加させると
共に、白金粒子径を15Å以下にまで小さくすることが
可能となったが、触媒活性の向上には限度があり、白金
−卑金属合金担持触媒には及ばないことが確認されてい
る。
【0005】また、白金と白金以外の貴金属とを共存担
持してなる燃料電池用電極触媒として、白金とパラジウ
ムとの合金、白金とルテニウムとの合金(米国特許第4
407986号、特開昭60−177554号)、また
は白金とロジウムとの合金を導電性カーボンに担持した
触媒(P.N.Ross等、Electroanalytical Chemistry and
Interfacial Electrochemistry 59 (1975) 177-189)が
知られている。しかし、これらはリン酸型燃料電池のア
ノード触媒として開発されたものであり、カソード触媒
としての用途については言及していない。さらに、白金
とイリジウムとを共存担持した燃料電池用電極触媒とし
て、白金と、白金の0.1〜5原子%のイリジウムまた
は金とを非合金化状態で担持した触媒が知られている
が、合金は効果がないとして排除されている(特開昭6
2−24568号)。
持してなる燃料電池用電極触媒として、白金とパラジウ
ムとの合金、白金とルテニウムとの合金(米国特許第4
407986号、特開昭60−177554号)、また
は白金とロジウムとの合金を導電性カーボンに担持した
触媒(P.N.Ross等、Electroanalytical Chemistry and
Interfacial Electrochemistry 59 (1975) 177-189)が
知られている。しかし、これらはリン酸型燃料電池のア
ノード触媒として開発されたものであり、カソード触媒
としての用途については言及していない。さらに、白金
とイリジウムとを共存担持した燃料電池用電極触媒とし
て、白金と、白金の0.1〜5原子%のイリジウムまた
は金とを非合金化状態で担持した触媒が知られている
が、合金は効果がないとして排除されている(特開昭6
2−24568号)。
【0006】また、燃料電池のカソード触媒として、白
金−白金以外の貴金属−卑金属合金担持触媒も提案され
ている(特表平8−504662号)。しかし、この種
の触媒も、卑金属の溶出による合金相の崩壊が起こる点
では白金−卑金属合金担持触媒と同様であり、対熱リン
酸安定性は改善されていない。以上のことから、長期運
転においても、熱リン酸に対し優れた安定性および高い
触媒活性を有するリン酸型燃料電池用のカソード電極が
要望されている。
金−白金以外の貴金属−卑金属合金担持触媒も提案され
ている(特表平8−504662号)。しかし、この種
の触媒も、卑金属の溶出による合金相の崩壊が起こる点
では白金−卑金属合金担持触媒と同様であり、対熱リン
酸安定性は改善されていない。以上のことから、長期運
転においても、熱リン酸に対し優れた安定性および高い
触媒活性を有するリン酸型燃料電池用のカソード電極が
要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、長期運転においても、熱リン酸への合金成分の溶出
が少なく、熱リン酸に対し優れた安定性を有すると共
に、リン酸型燃料電池のカソードでの酸素還元反応にお
いて、高い触媒活性を示すリン酸型燃料電池用カソード
電極触媒、それを用いたカソード電極および該カソード
電極を備えたリン酸型燃料電池を提供することである。
は、長期運転においても、熱リン酸への合金成分の溶出
が少なく、熱リン酸に対し優れた安定性を有すると共
に、リン酸型燃料電池のカソードでの酸素還元反応にお
いて、高い触媒活性を示すリン酸型燃料電池用カソード
電極触媒、それを用いたカソード電極および該カソード
電極を備えたリン酸型燃料電池を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のリ
ン酸型燃料電池カソード用電極触媒における以上のよう
な問題を解決すべく鋭意研究を進めたところ、白金と、
イリジウムおよび/またはロジウムとの面心立方晶体固
溶体合金を導電性カーボン担体に担持してなる触媒が、
白金および前記他の合金成分の熱リン酸への溶出を大幅
に抑制して対熱リン酸安定性を向上させると共に、従来
の白金−卑金属担持触媒より一層高い触媒活性を示すこ
とを見い出し、本発明を完成した。即ち本発明は、白金
と、イリジウムおよびロジウムよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の金属との固溶体合金を、導電性カーボ
ンに担持してなるリン酸型燃料電池用カソード電極触媒
を提供する。
ン酸型燃料電池カソード用電極触媒における以上のよう
な問題を解決すべく鋭意研究を進めたところ、白金と、
イリジウムおよび/またはロジウムとの面心立方晶体固
溶体合金を導電性カーボン担体に担持してなる触媒が、
白金および前記他の合金成分の熱リン酸への溶出を大幅
に抑制して対熱リン酸安定性を向上させると共に、従来
の白金−卑金属担持触媒より一層高い触媒活性を示すこ
とを見い出し、本発明を完成した。即ち本発明は、白金
と、イリジウムおよびロジウムよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の金属との固溶体合金を、導電性カーボ
ンに担持してなるリン酸型燃料電池用カソード電極触媒
を提供する。
【0009】本発明の触媒においては、前記固溶体合金
の結晶格子定数は3.860〜3.900Åであること
が好ましい。また、白金と前記少なくとも1種の金属と
の原子比(原子%比)は40:60〜90:10である
ことが好ましい。さらに、導電性カーボンのグラファイ
トC(002)の格子面間距離は3.400〜3.60
0Åであることが好ましい。さらにまた、空気気流中、
105%リン酸中に触媒を分散、スラリー化した液を2
00℃で5時間攪拌した後の触媒の前記固溶体合金の結
晶格子定数の保持率は、初期の触媒の固溶体合金の結晶
格子定数の80%以上であることが好ましい。また本発
明は、上記カソード電極触媒を撥水性樹脂と共に導電性
多孔質基材の一方の表面に結着させてなるリン酸型燃料
電池用カソード電極を提供する。さらに本発明は、この
カソード電極を備えたリン酸型燃料電池を提供する。
の結晶格子定数は3.860〜3.900Åであること
が好ましい。また、白金と前記少なくとも1種の金属と
の原子比(原子%比)は40:60〜90:10である
ことが好ましい。さらに、導電性カーボンのグラファイ
トC(002)の格子面間距離は3.400〜3.60
0Åであることが好ましい。さらにまた、空気気流中、
105%リン酸中に触媒を分散、スラリー化した液を2
00℃で5時間攪拌した後の触媒の前記固溶体合金の結
晶格子定数の保持率は、初期の触媒の固溶体合金の結晶
格子定数の80%以上であることが好ましい。また本発
明は、上記カソード電極触媒を撥水性樹脂と共に導電性
多孔質基材の一方の表面に結着させてなるリン酸型燃料
電池用カソード電極を提供する。さらに本発明は、この
カソード電極を備えたリン酸型燃料電池を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】カソード電極触媒 本発明のリン酸型燃料電池用カソード電極触媒は、白金
(Pt)と、イリジウム(Ir)およびロジウム(R
h)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属との
固溶体合金を、導電性カーボンに担持して構成される。
上記固溶体合金において、結晶(面心立方晶)格子定数
aは、a=3.860〜3.900Åであることが好ま
しい。この結晶格子定数(結晶形も)は粉末法X線回折
によって測定される。合金化していない白金は、CuK
α線によるX線回折で2θ=39.4゜付近に面指数
(111)に対応する最大ピーク(100%)を有し、
2θ=44゜付近に面指数(200)に対応する第ニピ
ークを、そして2θ=67.5゜付近に面指数(22
0)に対応する第三ピークを有する面心立方晶である。
なお、Pt、Rh、Irの各単体の結晶格子定数aは、
室温でそれぞれa=3.9239Å、3.8044Å、
3.8389Åである(金属データブック、日本金属学
会編(1974)、p.42〜46)。
(Pt)と、イリジウム(Ir)およびロジウム(R
h)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属との
固溶体合金を、導電性カーボンに担持して構成される。
上記固溶体合金において、結晶(面心立方晶)格子定数
aは、a=3.860〜3.900Åであることが好ま
しい。この結晶格子定数(結晶形も)は粉末法X線回折
によって測定される。合金化していない白金は、CuK
α線によるX線回折で2θ=39.4゜付近に面指数
(111)に対応する最大ピーク(100%)を有し、
2θ=44゜付近に面指数(200)に対応する第ニピ
ークを、そして2θ=67.5゜付近に面指数(22
0)に対応する第三ピークを有する面心立方晶である。
なお、Pt、Rh、Irの各単体の結晶格子定数aは、
室温でそれぞれa=3.9239Å、3.8044Å、
3.8389Åである(金属データブック、日本金属学
会編(1974)、p.42〜46)。
【0011】PtがIrおよび/またはRhと固溶体合
金を形成すると、合金の結晶格子定数は、その組成によ
ってIrあるいはRhの結晶格子定数に近づき、格子の
収縮が起きる。該合金の結晶格子定数aがa=3.90
0Åより大きく、Pt単独の結晶格子定数に近いほど、
触媒活性および対熱リン酸安定性はPt単独の触媒活性
および対熱リン酸安定性に近づき、低下することがあ
る。また、該合金の結晶格子定数aがa=3.860Å
より小さいと、合金組成中のIrおよび/またはRhの
比率が高くなり、同様に触媒活性および対熱リン酸安定
性が低下することがある。
金を形成すると、合金の結晶格子定数は、その組成によ
ってIrあるいはRhの結晶格子定数に近づき、格子の
収縮が起きる。該合金の結晶格子定数aがa=3.90
0Åより大きく、Pt単独の結晶格子定数に近いほど、
触媒活性および対熱リン酸安定性はPt単独の触媒活性
および対熱リン酸安定性に近づき、低下することがあ
る。また、該合金の結晶格子定数aがa=3.860Å
より小さいと、合金組成中のIrおよび/またはRhの
比率が高くなり、同様に触媒活性および対熱リン酸安定
性が低下することがある。
【0012】また、前記固溶体合金において、Ptと、
Irおよび/またはRhとの原子比(原子%比)は、4
0:60〜90:10の範囲が好ましい。この原子比が
40:60より小さいと、合金組成中のIrおよび/ま
たはRhの比率が高くなり、触媒活性および対熱リン酸
安定性は低下することがある。一方、原子比が90:1
0より大きいと、触媒活性および対熱リン酸安定性はそ
れぞれPt単独の触媒活性および対熱リン酸安定性に近
くなり、Irおよび/またはRhを添加した効果が少な
くなることがある。
Irおよび/またはRhとの原子比(原子%比)は、4
0:60〜90:10の範囲が好ましい。この原子比が
40:60より小さいと、合金組成中のIrおよび/ま
たはRhの比率が高くなり、触媒活性および対熱リン酸
安定性は低下することがある。一方、原子比が90:1
0より大きいと、触媒活性および対熱リン酸安定性はそ
れぞれPt単独の触媒活性および対熱リン酸安定性に近
くなり、Irおよび/またはRhを添加した効果が少な
くなることがある。
【0013】その他、上記固溶体合金の結晶子サイズは
15〜80Å、特に20〜60Åの範囲であることが好
ましい。この結晶子サイズは、粉末法X線回折による回
折ピークの半値幅から求められる。該合金の結晶子サイ
ズが15Åより小さいと対熱リン酸安定性が低下するこ
とがあり、また80Åより大きいと触媒単位質量当りの
触媒活性が低下することがある。
15〜80Å、特に20〜60Åの範囲であることが好
ましい。この結晶子サイズは、粉末法X線回折による回
折ピークの半値幅から求められる。該合金の結晶子サイ
ズが15Åより小さいと対熱リン酸安定性が低下するこ
とがあり、また80Åより大きいと触媒単位質量当りの
触媒活性が低下することがある。
【0014】また、上記固溶体合金のCO.MSA(一
酸化炭素が白金表面において、一酸化炭素1ml当り
4.35m2の吸着面積を有すると仮定した、一酸化炭
素を化学吸着した金属の表面積)は、20〜130m2
/gPt、特に33〜100m2/gPtであることが
好ましい。固溶体合金の表面積は、粉末状態の合金でC
O.MSAにより測定される。CO.MSAが高いほ
ど、担持された合金の分散度が高く、結晶子サイズが小
さい。CO.MSAが20m2/gPtより小さいと触
媒活性が低下し、130m2/gPtより大きいと対熱
リン酸安定性が低下する。
酸化炭素が白金表面において、一酸化炭素1ml当り
4.35m2の吸着面積を有すると仮定した、一酸化炭
素を化学吸着した金属の表面積)は、20〜130m2
/gPt、特に33〜100m2/gPtであることが
好ましい。固溶体合金の表面積は、粉末状態の合金でC
O.MSAにより測定される。CO.MSAが高いほ
ど、担持された合金の分散度が高く、結晶子サイズが小
さい。CO.MSAが20m2/gPtより小さいと触
媒活性が低下し、130m2/gPtより大きいと対熱
リン酸安定性が低下する。
【0015】本発明の触媒に用いられる導電性カーボン
担体としては特に制約はなく、従来使用されている比表
面積50〜1200m2/gの導電性カーボンでよい。
このような導電性カーボンの市販品としては、例えば、
Cabot社の商品名カーボンブラックVulcanX
C−72、同VulcanXC−72R、Ga1fOi
1社の商品名シャウニガンブラックが挙げられる。この
導電性カーボン担体は、熱リン酸中での耐食性を向上さ
せるために、グラファイトCの(002)格子面間距離
がd=3.400〜3.600Åであることが好まし
い。このような導電性カーボンは、少なくとも部分的に
グラファイト化されたものである。上記格子面間距離が
3.400Åより小さいとグラファイト化度が高くな
り、担体表面における白金合金粒子の分散性保持能が低
下することがあり、また3.600Åより大きいとグラ
ファイト化度が低くなり、担体の耐食性が低下すること
がある。
担体としては特に制約はなく、従来使用されている比表
面積50〜1200m2/gの導電性カーボンでよい。
このような導電性カーボンの市販品としては、例えば、
Cabot社の商品名カーボンブラックVulcanX
C−72、同VulcanXC−72R、Ga1fOi
1社の商品名シャウニガンブラックが挙げられる。この
導電性カーボン担体は、熱リン酸中での耐食性を向上さ
せるために、グラファイトCの(002)格子面間距離
がd=3.400〜3.600Åであることが好まし
い。このような導電性カーボンは、少なくとも部分的に
グラファイト化されたものである。上記格子面間距離が
3.400Åより小さいとグラファイト化度が高くな
り、担体表面における白金合金粒子の分散性保持能が低
下することがあり、また3.600Åより大きいとグラ
ファイト化度が低くなり、担体の耐食性が低下すること
がある。
【0016】<熱リン酸に対する安定性>本発明の触媒
は、長期運転においても熱リン酸に対する安定性に優れ
ている。この熱リン酸に対する安定性の評価は、空気気
流中で触媒を105%リン酸中に分散、スラリー化させ
液を200℃で5時間攪拌した後の熱リン酸中への金属
成分の溶出率を測定することにより行われる。即ち、従
来の白金−卑金属規則性合金担持カーボン触媒の場合、
卑金属の溶出率は50〜70%と大きいのに対し、本発
明触媒の場合は、RhやIrの溶出率は数%から10%
程度に留まる。このように、本発明の触媒では、固溶体
合金中のRhおよび/またはIrの溶出率は、従来の白
金−卑金属合金担持カーボン触媒の卑金属の溶出率に比
較して大幅に抑制されている。また、導電性カーボンに
Rh,Irを各々単独に担持した触媒は、Ptを単独に
担持した触媒よりも溶出率が高いにも拘わらず、Rhお
よび/またはIrをPtと合金化した本発明の触媒で
は、Rh,Irの溶出率が大幅に抑制されたことは注目
すべきである。
は、長期運転においても熱リン酸に対する安定性に優れ
ている。この熱リン酸に対する安定性の評価は、空気気
流中で触媒を105%リン酸中に分散、スラリー化させ
液を200℃で5時間攪拌した後の熱リン酸中への金属
成分の溶出率を測定することにより行われる。即ち、従
来の白金−卑金属規則性合金担持カーボン触媒の場合、
卑金属の溶出率は50〜70%と大きいのに対し、本発
明触媒の場合は、RhやIrの溶出率は数%から10%
程度に留まる。このように、本発明の触媒では、固溶体
合金中のRhおよび/またはIrの溶出率は、従来の白
金−卑金属合金担持カーボン触媒の卑金属の溶出率に比
較して大幅に抑制されている。また、導電性カーボンに
Rh,Irを各々単独に担持した触媒は、Ptを単独に
担持した触媒よりも溶出率が高いにも拘わらず、Rhお
よび/またはIrをPtと合金化した本発明の触媒で
は、Rh,Irの溶出率が大幅に抑制されたことは注目
すべきである。
【0017】固溶体合金の白金以外の成分が溶出する
と、合金の結晶格子定数が変化し、Ptの結晶格子定数
に近づくため、合金相保持の程度を次の式で算出するこ
とができる。 固溶体合金の結晶格子定数保持率(%)=〔(溶出後の
固溶体合金の結晶格子定数−白金の結晶格子定数)/
(初期の合金結晶格子定数−白金結晶格子定数)〕×1
00 本発明の触媒においては、固溶体合金の結晶格子定数保
持率は80%以上、特に90%以上であることが好まし
い。この結晶格子定数保持率が80%未満では熱リン酸
に対する安定性が不十分である。なお、従来の白金−卑
金属合金担持カーボン触媒の合金の結晶格子定数保持率
は80%未満である。
と、合金の結晶格子定数が変化し、Ptの結晶格子定数
に近づくため、合金相保持の程度を次の式で算出するこ
とができる。 固溶体合金の結晶格子定数保持率(%)=〔(溶出後の
固溶体合金の結晶格子定数−白金の結晶格子定数)/
(初期の合金結晶格子定数−白金結晶格子定数)〕×1
00 本発明の触媒においては、固溶体合金の結晶格子定数保
持率は80%以上、特に90%以上であることが好まし
い。この結晶格子定数保持率が80%未満では熱リン酸
に対する安定性が不十分である。なお、従来の白金−卑
金属合金担持カーボン触媒の合金の結晶格子定数保持率
は80%未満である。
【0018】<触媒活性>本発明の触媒は、長期運転に
おいても初期から高い触媒活性を示す。この触媒活性
は、電気化学的酸素還元活性(ハーフセル)によって測
定される。即ち、触媒活性は、該触媒を用いて、ガス拡
散電極を調製し、これを空気極ハーフセルの動作極(カ
ソード)とし、これと水素基準電極(RHE)(アノー
ド)との間に一定の電流を流した時の電圧を測定するこ
とにより評価される。なお、触媒活性の具体的な評価方
法は後述する。本発明の触媒において、固溶体合金は高
度に活性化されている。その300mA/cm2におけ
る端子電圧は、従来の白金単独担持触媒や自金−卑金属
合金担持触媒に比較して著しく高い。
おいても初期から高い触媒活性を示す。この触媒活性
は、電気化学的酸素還元活性(ハーフセル)によって測
定される。即ち、触媒活性は、該触媒を用いて、ガス拡
散電極を調製し、これを空気極ハーフセルの動作極(カ
ソード)とし、これと水素基準電極(RHE)(アノー
ド)との間に一定の電流を流した時の電圧を測定するこ
とにより評価される。なお、触媒活性の具体的な評価方
法は後述する。本発明の触媒において、固溶体合金は高
度に活性化されている。その300mA/cm2におけ
る端子電圧は、従来の白金単独担持触媒や自金−卑金属
合金担持触媒に比較して著しく高い。
【0019】実際に、後記実施例に示すように、本発明
の触媒を空気極(カソード)に、また従来の白金単独担
持カーボン触媒をアノードに用いて、105%リン酸を
含浸させたマトリックスシートを挟んだ小型燃料電池単
電池を作製し、カソードに空気を、アノードに水素また
は80容量%水素−20容量%二酸化炭素の改質ガスを
流し、セル温度190〜230℃の範囲の一定温度で運
転を行ったところ、本発明の触媒をカソードとした燃料
電池は、白金単独担持触媒または白金−卑金属合金担持
触媒をカソードとした燃料電池に比較して、初期の端子
電圧が高いだけでなく、一定の電流密度で長期連続運転
した場合は、端子電圧劣化速度が小さく、出力が安定し
ており優れた性能を示すことが判った。
の触媒を空気極(カソード)に、また従来の白金単独担
持カーボン触媒をアノードに用いて、105%リン酸を
含浸させたマトリックスシートを挟んだ小型燃料電池単
電池を作製し、カソードに空気を、アノードに水素また
は80容量%水素−20容量%二酸化炭素の改質ガスを
流し、セル温度190〜230℃の範囲の一定温度で運
転を行ったところ、本発明の触媒をカソードとした燃料
電池は、白金単独担持触媒または白金−卑金属合金担持
触媒をカソードとした燃料電池に比較して、初期の端子
電圧が高いだけでなく、一定の電流密度で長期連続運転
した場合は、端子電圧劣化速度が小さく、出力が安定し
ており優れた性能を示すことが判った。
【0020】<触媒の製造法>本発明の触媒の製造法に
は特に制約はなく、従来知られた方法を用いることがで
きる。金属成分をカーボン担体に担持する方法として、
例えば、段階的担持法が挙げられる。即ち、まず導電性
カーボンの均一分散液にPt化合物の溶液を添加し、p
Hを調整するか、或いは固定化剤を添加して、Pt担持
カーボンを調製する。次に、Pt担持カーボンの均一分
散液にIr化合物の溶液、Rh化合物の溶液またはこれ
らの混合溶液を添加した後、pHを調整するか、固定化
剤を添加するか、或いは溶媒を蒸発乾固して、Ptと、
Irおよび/またはRh共存担持カーボン前駆体を調製
する。
は特に制約はなく、従来知られた方法を用いることがで
きる。金属成分をカーボン担体に担持する方法として、
例えば、段階的担持法が挙げられる。即ち、まず導電性
カーボンの均一分散液にPt化合物の溶液を添加し、p
Hを調整するか、或いは固定化剤を添加して、Pt担持
カーボンを調製する。次に、Pt担持カーボンの均一分
散液にIr化合物の溶液、Rh化合物の溶液またはこれ
らの混合溶液を添加した後、pHを調整するか、固定化
剤を添加するか、或いは溶媒を蒸発乾固して、Ptと、
Irおよび/またはRh共存担持カーボン前駆体を調製
する。
【0021】ここでPt化合物としては、例えば、塩化
白金(II)酸、塩化白金(IV)酸、塩化白金(II)酸ア
ルカリ塩、塩化白金(IV)酸アルカリ塩、硫酸白金、ジ
ニトロジアミノ白金、水酸化白金のアンミン錯体等が挙
げられる。Ir化合物としては、例えば、塩化イリジウ
ム、塩化イリジウム酸、硝酸イリジウムニトロシル、硫
酸イリジウムおよびこれらの混合物が挙げられる。Rh
化合物としては、例えば、硝酸ロジウム、塩化ロジウ
ム、沃化ロジウム、硫酸ロジウムおよびこれらの混合物
が挙げられる。
白金(II)酸、塩化白金(IV)酸、塩化白金(II)酸ア
ルカリ塩、塩化白金(IV)酸アルカリ塩、硫酸白金、ジ
ニトロジアミノ白金、水酸化白金のアンミン錯体等が挙
げられる。Ir化合物としては、例えば、塩化イリジウ
ム、塩化イリジウム酸、硝酸イリジウムニトロシル、硫
酸イリジウムおよびこれらの混合物が挙げられる。Rh
化合物としては、例えば、硝酸ロジウム、塩化ロジウ
ム、沃化ロジウム、硫酸ロジウムおよびこれらの混合物
が挙げられる。
【0022】金属成分をカーボン担体に担持する他の方
法として、例えば、同時担持法が挙げられる。即ち、P
t化合物と、Irおよび/またはRhの各化合物との混
合溶液を調製し、導電性カーボンの均一分散液に添加し
た後、pHを調整するか、固定化剤を添加するか、或い
は溶媒を蒸発乾固して、PtとIrおよび/またはRh
を担体表面に、各成分毎にまたは複数成分を同時に固定
化し、PtとIrおよび/またはRhとが共存、担持さ
れたカーボン前駆体を調製する。担体表面に担持された
合金が好ましい結晶子サイズおよび良好な分散性を有す
る触媒を得るためには、PtとIrおよび/またはRh
とが共存、担持されたカーボン前駆体におけるPt粒子
とIrおよび/またはRh粒子とを、できるだけ小さ
く、かつ良好な分散状態で均一にカーボン担体に固定化
させることが好ましい。
法として、例えば、同時担持法が挙げられる。即ち、P
t化合物と、Irおよび/またはRhの各化合物との混
合溶液を調製し、導電性カーボンの均一分散液に添加し
た後、pHを調整するか、固定化剤を添加するか、或い
は溶媒を蒸発乾固して、PtとIrおよび/またはRh
を担体表面に、各成分毎にまたは複数成分を同時に固定
化し、PtとIrおよび/またはRhとが共存、担持さ
れたカーボン前駆体を調製する。担体表面に担持された
合金が好ましい結晶子サイズおよび良好な分散性を有す
る触媒を得るためには、PtとIrおよび/またはRh
とが共存、担持されたカーボン前駆体におけるPt粒子
とIrおよび/またはRh粒子とを、できるだけ小さ
く、かつ良好な分散状態で均一にカーボン担体に固定化
させることが好ましい。
【0023】次に、上記の方法で調製したPtとIrお
よび/またはRhとが共存、担持されたカーボン前駆体
を、水素を含むか含まない不活性ガス気流中で還元し、
合金化処理してPtとIrおよび/またはRhとの固溶
体合金が担持されたカーボンを得る。この還元・合金化
処理温度は通常200〜1000℃であり、好ましくは
400〜900℃である。処理時間は通常10分〜5時
間であり、好ましくは30分〜2時間である。なお、処
理温度が低く、処理時間が短いと、合金の固溶体化が不
完全となり、得られる触媒の熱リン酸に対する安定性お
よび触媒活性が低下する。処理温度が高く、処理時間が
長いと、合金粒子の熱凝集が起こり、触媒活性が低下す
る。
よび/またはRhとが共存、担持されたカーボン前駆体
を、水素を含むか含まない不活性ガス気流中で還元し、
合金化処理してPtとIrおよび/またはRhとの固溶
体合金が担持されたカーボンを得る。この還元・合金化
処理温度は通常200〜1000℃であり、好ましくは
400〜900℃である。処理時間は通常10分〜5時
間であり、好ましくは30分〜2時間である。なお、処
理温度が低く、処理時間が短いと、合金の固溶体化が不
完全となり、得られる触媒の熱リン酸に対する安定性お
よび触媒活性が低下する。処理温度が高く、処理時間が
長いと、合金粒子の熱凝集が起こり、触媒活性が低下す
る。
【0024】リン酸型燃料電池用カソード電極 本発明のカソード電極は、上記固溶体担持触媒を撥水性
樹脂と共に導電性の多孔質基材の一方の表面に結着させ
て構成される。撥水性樹脂は結着剤として使用され、例
えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフルオロエチレ
ンプロピレン、ペルフルオロアルコキシポリエチレン等
のポリマーが挙げられる。導電性の多孔質基材として
は、予め、上記ポリマーで撥水処理したガス拡散性のカ
ーボンペーパー;タンタル、ニオブ等の金属からなるメ
ッシュスクリーン等が使用される。本発明の電極はリン
酸型燃料電池のカソードとして特に有用であるが、他の
プロトン電解質燃料電池のカソードまたはアノードとし
ても有用である。
樹脂と共に導電性の多孔質基材の一方の表面に結着させ
て構成される。撥水性樹脂は結着剤として使用され、例
えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフルオロエチレ
ンプロピレン、ペルフルオロアルコキシポリエチレン等
のポリマーが挙げられる。導電性の多孔質基材として
は、予め、上記ポリマーで撥水処理したガス拡散性のカ
ーボンペーパー;タンタル、ニオブ等の金属からなるメ
ッシュスクリーン等が使用される。本発明の電極はリン
酸型燃料電池のカソードとして特に有用であるが、他の
プロトン電解質燃料電池のカソードまたはアノードとし
ても有用である。
【0025】<電極の製造法>本発明の電極は、例えば
次のようにして製造される。まず、本発明の触媒粉末を
樹脂結着剤の分散液と混合し、均一な分散液とする。次
に、上記基材の一方の表面に該分散液を濾過法、スプレ
ーコーティング、ロールコーティング等の方法により塗
布、被覆し、さらにプレス等で圧着した後、窒素ガス等
の不活性気流中で焼成することにより製造される。触媒
は基材上に触媒的に有効な量だけ存在することが好まし
く、一般的に、電極の幾何学的表面積1cm2当り、固
溶体合金の重量で、好ましくは0.05〜5mgであ
り、より好ましくは0.2〜2mg、特に好ましくは
0.5〜1mgである。
次のようにして製造される。まず、本発明の触媒粉末を
樹脂結着剤の分散液と混合し、均一な分散液とする。次
に、上記基材の一方の表面に該分散液を濾過法、スプレ
ーコーティング、ロールコーティング等の方法により塗
布、被覆し、さらにプレス等で圧着した後、窒素ガス等
の不活性気流中で焼成することにより製造される。触媒
は基材上に触媒的に有効な量だけ存在することが好まし
く、一般的に、電極の幾何学的表面積1cm2当り、固
溶体合金の重量で、好ましくは0.05〜5mgであ
り、より好ましくは0.2〜2mg、特に好ましくは
0.5〜1mgである。
【0026】リン酸型燃料電池 本発明のリン酸型燃料電池は、基本的には上記カソード
電極を備えたもの(単電池)である。この燃料電池は、
長期安定性に優れたカソード電極触媒を用いたので、高
い出力を示すと共に長い寿命を有する。本発明の燃料電
池に使用されるアノード電極としては、従来と同様、例
えば白金単独担持カーボン触媒、改質ガス中の微量一酸
化炭素に対する耐被毒性を向上させるための白金−ルテ
ニウム担持カーボン触媒等を撥水性樹脂と共に、前述の
ような多孔質基材の一方の表面に結着させたものが使用
できる。アノード電極の製造法は、触媒として上記のも
のを用いる他は、カソード電極の場合と同様である。電
解質としては、105%リン酸が使用される。この電解
質は、シリコンカーバイド、リン酸ジルコニウム、フェ
ノール樹脂繊維不織布等のマトリックスシートに含浸さ
せて使用する。こうして得られる単電池は、直列に複数
個組み合わせ、積層電池として使用することができる。
電極を備えたもの(単電池)である。この燃料電池は、
長期安定性に優れたカソード電極触媒を用いたので、高
い出力を示すと共に長い寿命を有する。本発明の燃料電
池に使用されるアノード電極としては、従来と同様、例
えば白金単独担持カーボン触媒、改質ガス中の微量一酸
化炭素に対する耐被毒性を向上させるための白金−ルテ
ニウム担持カーボン触媒等を撥水性樹脂と共に、前述の
ような多孔質基材の一方の表面に結着させたものが使用
できる。アノード電極の製造法は、触媒として上記のも
のを用いる他は、カソード電極の場合と同様である。電
解質としては、105%リン酸が使用される。この電解
質は、シリコンカーバイド、リン酸ジルコニウム、フェ
ノール樹脂繊維不織布等のマトリックスシートに含浸さ
せて使用する。こうして得られる単電池は、直列に複数
個組み合わせ、積層電池として使用することができる。
【0027】<リン酸型燃料電池の製造法>本発明のリ
ン酸型燃料電池を作製するには、例えば本発明の電極を
空気極(カソード)とし、従来の白金単独担持カーボン
触媒をアノードに用いて、105%リン酸を含浸させた
マトリックスシートを挟み、その外側にそれぞれアノー
ド及びカソードの反応ガス流路を設けて単電池を構成す
る。また、ガス不透過性の緻密な炭素材料からなるセパ
レーターバイポーラー板の両面に反応ガス流路を設け
て、隣接する単電池を直列に接続して積層電池を構成す
ることができる。更に、セパレーターの中に冷却管を数
電池毎に埋設し、電池反応に伴う反応熱を除去すると共
に、熱回収を図ることもできる。
ン酸型燃料電池を作製するには、例えば本発明の電極を
空気極(カソード)とし、従来の白金単独担持カーボン
触媒をアノードに用いて、105%リン酸を含浸させた
マトリックスシートを挟み、その外側にそれぞれアノー
ド及びカソードの反応ガス流路を設けて単電池を構成す
る。また、ガス不透過性の緻密な炭素材料からなるセパ
レーターバイポーラー板の両面に反応ガス流路を設け
て、隣接する単電池を直列に接続して積層電池を構成す
ることができる。更に、セパレーターの中に冷却管を数
電池毎に埋設し、電池反応に伴う反応熱を除去すると共
に、熱回収を図ることもできる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例、比較例において、触媒の担持率
「%」は「重量%」を示す。比較例1 グラファイトC(002)面間隔d=3.525Åの熱
処理済み導電性カーボンブラック(Cabot社製Vu
lcanXC72R)70gを、氷酢酸10.5mlを
含む脱イオン水5600mlに加え、超音波分散機で分
散させ、スラリーとした。Pt30gを含むH2Pt
(OH)6をアミンと共に脱イオン水530mlに溶解
させ、白金溶液を調製した。上記カーボンスラリーを撹
拌しながら、これに白金溶液を添加した後、スラリーを
95℃に加熱した。次いで、還元剤として2%蟻酸水溶
液390mlを30分に亘って滴下した後、さらに30
分間撹絆した。その後、室温まで放冷し、濾過した後、
脱イオン水で洗浄した。洗浄後、得られたケークを真空
乾燥機で95℃で16時問乾燥し、30%Pt担持カー
ボン触媒(C−1)を得た。この触媒を粉末法X線回折
(以下「XRD」という。)で測定したところ、Pt
(111)結晶子径が21Å、面心立方結晶格子定数a
が3.923Åであった。比較例2 導電性カーボンブラック量を77.8gに変え、かつP
t30gを含むH2Pt(OH)6をPt22.2gを含
むH2Pt(OH)6に変えた以外は比較例1と同様にし
て、22.2%Pt担持カーボン触媒(C−2)を得
た。比較例3 カーボンブラック(Cabot社製VulcanXC7
2R)の代わりにグラファイトC(002)面間隔d=
3.460Åのアセチレンブラック(電気化学工業社
製)79.4gを用い、かつPt30gを含むH2Pt
(OH)6の代わりにPt20.6gを含むH2Pt(O
H)6を用いた以外は比較例1と同様にして、20.6
%Pt担持カーボン触媒(C−3)を得た。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例、比較例において、触媒の担持率
「%」は「重量%」を示す。比較例1 グラファイトC(002)面間隔d=3.525Åの熱
処理済み導電性カーボンブラック(Cabot社製Vu
lcanXC72R)70gを、氷酢酸10.5mlを
含む脱イオン水5600mlに加え、超音波分散機で分
散させ、スラリーとした。Pt30gを含むH2Pt
(OH)6をアミンと共に脱イオン水530mlに溶解
させ、白金溶液を調製した。上記カーボンスラリーを撹
拌しながら、これに白金溶液を添加した後、スラリーを
95℃に加熱した。次いで、還元剤として2%蟻酸水溶
液390mlを30分に亘って滴下した後、さらに30
分間撹絆した。その後、室温まで放冷し、濾過した後、
脱イオン水で洗浄した。洗浄後、得られたケークを真空
乾燥機で95℃で16時問乾燥し、30%Pt担持カー
ボン触媒(C−1)を得た。この触媒を粉末法X線回折
(以下「XRD」という。)で測定したところ、Pt
(111)結晶子径が21Å、面心立方結晶格子定数a
が3.923Åであった。比較例2 導電性カーボンブラック量を77.8gに変え、かつP
t30gを含むH2Pt(OH)6をPt22.2gを含
むH2Pt(OH)6に変えた以外は比較例1と同様にし
て、22.2%Pt担持カーボン触媒(C−2)を得
た。比較例3 カーボンブラック(Cabot社製VulcanXC7
2R)の代わりにグラファイトC(002)面間隔d=
3.460Åのアセチレンブラック(電気化学工業社
製)79.4gを用い、かつPt30gを含むH2Pt
(OH)6の代わりにPt20.6gを含むH2Pt(O
H)6を用いた以外は比較例1と同様にして、20.6
%Pt担持カーボン触媒(C−3)を得た。
【0029】実施例1 比較例2で得られた22.2%Pt担持カーボン触媒
(C−2)22.5gを脱イオン水1500mlに加
え、超音波分散機で分散させ、スラリーとした。スラリ
ーを撹拌しながら、Ir2.50gを含む塩化イリジウ
ム酸(H2IrCl6)水溶液100mlをスラリーに添
加した。次に、このスラリーに、5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液を徐々に滴下して、pHを7.0に調整した。
次いで、スラリーを40℃に加熱し、撹拌しながら、抱
水ヒドラジン3.25gを含む水溶液100mlを30
分に亘って滴下した後、さらに30分間撹拌した。その
後、室温まで放冷し、濾過した後、得られたケークを脱
イオン水で洗浄した。次いで、ケークを真空乾燥機で9
5℃で16時間乾燥した。このケークを粉砕した後、1
0容量%水素(残部窒素)気流中、900℃で1時間加
熱後、室温まで冷却し、20.4%Pt−9.9%Ir
合金担持カーボン触媒(A−1)を得た。この触媒のP
t:Ir原子比(%)は67:33であった。XRDで
測定したところ、面心立方晶固溶体合金の結晶子径(結
晶子サイズ)は45Å、結晶格子定数aはa=3.88
6Åであった。XRDスペクトルからは面心立方晶固溶
体合金相のみが検出され、単独Ptおよび単独Irの回
折ピークは検出されなかった。また、分析透過電子頭微
鏡で観察したところ、カーボンに担持された金属粒子の
各々のEDX分析(エネルギー分散型X線分析)におい
て、各粒子毎の合金組成はいずれもバルクのPt:Ir
原子比に対応しており、Pt,Ir共にほぼ完金に合金
化していることが確認された。実施例2 比較例2で得られた22.2%Pt担持カーボン触媒
(C−2)22.5gの代わりに比較例3で得られた2
0.6%Pt担持カーボン触媒(C−3)24.3gを
用い、かつIr2.50gを含む塩化イリジウム酸の代
わりにIr0.75gを含む塩化イリジウム酸を用いた
以外は、実施例1と同様にして、20.2%Pt−3.
1%Ir合金担持カーボン触媒(A−2)を得た。この
触媒のPt:Ir原子比(%)は87:13であった。
XRDで測定したところ、面心立方晶固溶体合金の結晶
子径は55Å、結晶格子定数aはa=3.893Åであ
った。実施例3 Ir2.50gを含む塩化イリジウム酸の代わりに、R
h2.5gを含む硝酸ロジウム〔Rh(NO3)3〕を用
いた以外は実施例1と同様にして20.15%Pt−1
0.19%Rh合金担持カーボン触媒(A−3)を得
た。この触媒のPt:Rh原子比(%)は51:49で
あった。XRDで測定したところ、面心立方晶固溶体合
金の結晶子径は47Å、結晶格子定数aはa=3.86
7Åであった。実施例4 Ir2.50gを含む塩化イリジウム酸の代わりに、I
r1.7gを含む塩化イリジウム酸およびRh0.8g
を含む硝酸ロジウムの混合水溶液を用いた以外は実施例
1と同様にして、20.5%Pt−6.8%Ir−3.
3%Rh合金担持カーボン触媒(A−4)を得た。この
触媒のPt:Ir:Rh原子比(%)は61:20:1
9であった。XRDで測定したところ、面心立方晶固溶
体合金の結晶子径は42Å、結晶格子定数aはa=3.
876Åであった。
(C−2)22.5gを脱イオン水1500mlに加
え、超音波分散機で分散させ、スラリーとした。スラリ
ーを撹拌しながら、Ir2.50gを含む塩化イリジウ
ム酸(H2IrCl6)水溶液100mlをスラリーに添
加した。次に、このスラリーに、5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液を徐々に滴下して、pHを7.0に調整した。
次いで、スラリーを40℃に加熱し、撹拌しながら、抱
水ヒドラジン3.25gを含む水溶液100mlを30
分に亘って滴下した後、さらに30分間撹拌した。その
後、室温まで放冷し、濾過した後、得られたケークを脱
イオン水で洗浄した。次いで、ケークを真空乾燥機で9
5℃で16時間乾燥した。このケークを粉砕した後、1
0容量%水素(残部窒素)気流中、900℃で1時間加
熱後、室温まで冷却し、20.4%Pt−9.9%Ir
合金担持カーボン触媒(A−1)を得た。この触媒のP
t:Ir原子比(%)は67:33であった。XRDで
測定したところ、面心立方晶固溶体合金の結晶子径(結
晶子サイズ)は45Å、結晶格子定数aはa=3.88
6Åであった。XRDスペクトルからは面心立方晶固溶
体合金相のみが検出され、単独Ptおよび単独Irの回
折ピークは検出されなかった。また、分析透過電子頭微
鏡で観察したところ、カーボンに担持された金属粒子の
各々のEDX分析(エネルギー分散型X線分析)におい
て、各粒子毎の合金組成はいずれもバルクのPt:Ir
原子比に対応しており、Pt,Ir共にほぼ完金に合金
化していることが確認された。実施例2 比較例2で得られた22.2%Pt担持カーボン触媒
(C−2)22.5gの代わりに比較例3で得られた2
0.6%Pt担持カーボン触媒(C−3)24.3gを
用い、かつIr2.50gを含む塩化イリジウム酸の代
わりにIr0.75gを含む塩化イリジウム酸を用いた
以外は、実施例1と同様にして、20.2%Pt−3.
1%Ir合金担持カーボン触媒(A−2)を得た。この
触媒のPt:Ir原子比(%)は87:13であった。
XRDで測定したところ、面心立方晶固溶体合金の結晶
子径は55Å、結晶格子定数aはa=3.893Åであ
った。実施例3 Ir2.50gを含む塩化イリジウム酸の代わりに、R
h2.5gを含む硝酸ロジウム〔Rh(NO3)3〕を用
いた以外は実施例1と同様にして20.15%Pt−1
0.19%Rh合金担持カーボン触媒(A−3)を得
た。この触媒のPt:Rh原子比(%)は51:49で
あった。XRDで測定したところ、面心立方晶固溶体合
金の結晶子径は47Å、結晶格子定数aはa=3.86
7Åであった。実施例4 Ir2.50gを含む塩化イリジウム酸の代わりに、I
r1.7gを含む塩化イリジウム酸およびRh0.8g
を含む硝酸ロジウムの混合水溶液を用いた以外は実施例
1と同様にして、20.5%Pt−6.8%Ir−3.
3%Rh合金担持カーボン触媒(A−4)を得た。この
触媒のPt:Ir:Rh原子比(%)は61:20:1
9であった。XRDで測定したところ、面心立方晶固溶
体合金の結晶子径は42Å、結晶格子定数aはa=3.
876Åであった。
【0030】比較例4 比較例1で用いたのと同じカーボンブラック20.0g
を、脱イオン水1500mlに加え、超音波分散機で分
散させ、スラリーとした。スラリーを撹拌しながら、こ
れに、Ir5.0gを含む塩化イリジウム酸水溶液10
0mlを添加した。次に、このスラリーに、5重量%炭
酸水素ナトリウム水溶液を徐々に滴下してpHを7.0
に調整した。次いで、スラリーを40℃に加熱し、撹拌
しながら、抱水ヒドラジン3.25gを含む水溶液10
0mlを30分に亘って滴下し、滴下終了後さらに30
分間撹拌した。その後、室温まで放冷し、濾過した後、
得られたケークを脱イオン水で洗浄した。洗浄後のケー
クを真空乾燥機で95℃で16時間乾燥した。このケー
クを粉砕した後、10容量%水素(残部窒素)気流中9
00℃で1時間加熱後、室温まで冷却し、19.8%I
r担持カーボン触媒(C−4)を得た。XRDで測定し
たところ、Irの結晶子径は47Å、結晶格子定数aは
a=3.840Åであった。比較例5 Ir5.00gを含む塩化イリジウム酸の代わりにRh
5.00gを含む硝酸ロジウムを用いた以外は比較例4
と同様にして、20.5%Rh担持カーボン触媒(C−
5)を得た。XRDで測定したところ、Rhの結晶子径
は53Å、結晶格子定数aはa=3.806Åであっ
た。比較例6 Ir2.50gを含む塩化イリジウム酸の代わりに、P
d2.5gを含む硝酸パラジウム〔Pd(NO3)2)〕
を用いた以外は実施例1と同様にして、21.0%Pt
−10.2%Pd合金担持カーボン触媒(C−6)を得
た。この触媒のPt:Pd原子比(%)は53:47で
あった。XRDで測定したところ、面心立方晶固溶体合
金の結晶子径は65Å、結晶格子定数aはa=3.90
4Åであった。
を、脱イオン水1500mlに加え、超音波分散機で分
散させ、スラリーとした。スラリーを撹拌しながら、こ
れに、Ir5.0gを含む塩化イリジウム酸水溶液10
0mlを添加した。次に、このスラリーに、5重量%炭
酸水素ナトリウム水溶液を徐々に滴下してpHを7.0
に調整した。次いで、スラリーを40℃に加熱し、撹拌
しながら、抱水ヒドラジン3.25gを含む水溶液10
0mlを30分に亘って滴下し、滴下終了後さらに30
分間撹拌した。その後、室温まで放冷し、濾過した後、
得られたケークを脱イオン水で洗浄した。洗浄後のケー
クを真空乾燥機で95℃で16時間乾燥した。このケー
クを粉砕した後、10容量%水素(残部窒素)気流中9
00℃で1時間加熱後、室温まで冷却し、19.8%I
r担持カーボン触媒(C−4)を得た。XRDで測定し
たところ、Irの結晶子径は47Å、結晶格子定数aは
a=3.840Åであった。比較例5 Ir5.00gを含む塩化イリジウム酸の代わりにRh
5.00gを含む硝酸ロジウムを用いた以外は比較例4
と同様にして、20.5%Rh担持カーボン触媒(C−
5)を得た。XRDで測定したところ、Rhの結晶子径
は53Å、結晶格子定数aはa=3.806Åであっ
た。比較例6 Ir2.50gを含む塩化イリジウム酸の代わりに、P
d2.5gを含む硝酸パラジウム〔Pd(NO3)2)〕
を用いた以外は実施例1と同様にして、21.0%Pt
−10.2%Pd合金担持カーボン触媒(C−6)を得
た。この触媒のPt:Pd原子比(%)は53:47で
あった。XRDで測定したところ、面心立方晶固溶体合
金の結晶子径は65Å、結晶格子定数aはa=3.90
4Åであった。
【0031】比較例7 Ir2.50gを含む塩化イリジウム酸の代わりに、A
u2.50gを含む塩化金酸(H2AuCl4)を用い、
抱水ヒドラジン3.25gを含む水溶液100mlの代
わりに、2%ホルマリン水溶液200mlを用い、かつ
10容量%水素(残部窒素)気流中での加熱を行わなか
った以外は実施例1と同様にして、20.3%Pt−1
0.1%Au合金担持カーボン触媒(C−7)を得た。
この触媒のPt:Au原子比(%)は67:33であっ
た。XRDで測定したところ、面心立方晶固溶体合金の
結晶子径は58Å、結晶格子定数aはa=3.940Å
であった。比較例8 Ir0.75gを含む塩化イリジウム酸の代わりに、C
o0.75gを含む硝酸コバルト〔Co(NO3)3〕と
Ni0.75gを含む硝酸ニッケル〔Ni(NO3)2〕
との混合溶液を用いた以外は実施例2と同様にして、1
9.7%Pt−3.0%Co−3.0%Ni合金担持カ
ーボン触媒(C−8)を得た。この触媒のPt:Co:
Ni原子比(%)は50:25:25であった。XRD
で測定したところ、面心立方晶固溶体合金の結晶子径は
42Å、結晶格子定数aはa=3.787Åであった。比較例9 Ir2.50gを含む塩化イリジウム酸の代わりに、R
h0.72gを含む硝酸ロジウムとFe0.78gを含
む硝酸鉄〔Fe(NO3)3〕との混合溶液を用いた以外
は実施例1と同様にして、20.8%Pt−3.0%R
h−3.2%Fe合金担持カーボン触媒(C−9)を得
た。この触媒のPt:Rh:Fe原子比(%)は55:
15:30であった。XRDで測定したところ、規則性
合金の結晶子径は44Å、結晶格子常数aはa=3.8
64Åであった。
u2.50gを含む塩化金酸(H2AuCl4)を用い、
抱水ヒドラジン3.25gを含む水溶液100mlの代
わりに、2%ホルマリン水溶液200mlを用い、かつ
10容量%水素(残部窒素)気流中での加熱を行わなか
った以外は実施例1と同様にして、20.3%Pt−1
0.1%Au合金担持カーボン触媒(C−7)を得た。
この触媒のPt:Au原子比(%)は67:33であっ
た。XRDで測定したところ、面心立方晶固溶体合金の
結晶子径は58Å、結晶格子定数aはa=3.940Å
であった。比較例8 Ir0.75gを含む塩化イリジウム酸の代わりに、C
o0.75gを含む硝酸コバルト〔Co(NO3)3〕と
Ni0.75gを含む硝酸ニッケル〔Ni(NO3)2〕
との混合溶液を用いた以外は実施例2と同様にして、1
9.7%Pt−3.0%Co−3.0%Ni合金担持カ
ーボン触媒(C−8)を得た。この触媒のPt:Co:
Ni原子比(%)は50:25:25であった。XRD
で測定したところ、面心立方晶固溶体合金の結晶子径は
42Å、結晶格子定数aはa=3.787Åであった。比較例9 Ir2.50gを含む塩化イリジウム酸の代わりに、R
h0.72gを含む硝酸ロジウムとFe0.78gを含
む硝酸鉄〔Fe(NO3)3〕との混合溶液を用いた以外
は実施例1と同様にして、20.8%Pt−3.0%R
h−3.2%Fe合金担持カーボン触媒(C−9)を得
た。この触媒のPt:Rh:Fe原子比(%)は55:
15:30であった。XRDで測定したところ、規則性
合金の結晶子径は44Å、結晶格子常数aはa=3.8
64Åであった。
【0032】性能評価例1(熱リン酸に対する安定性評
価試験) 実施例1で得られた触媒(A−1)2.0gをテフロン
蓋付き300mlテフロンビーカーに入れ、105%リ
ン酸160mlを加えてスラリーとし、ビーカー内を2
0容量%酸素+残部窒素(ゼロエアー)でパージしなが
ら、スラリーを攪拌した。ビーカーを加熱してスラリー
を200℃に保持して5時間撹拌した。室温まで冷却
後、脱イオン水300mlで希釈し、次いで、濾過し、
洗浄した後、得られたケークを95℃で真空乾燥し、溶
出残査触媒を得た。XRDにより、触媒中の合金の結晶
子径および格子定数を測定した。尚、初期触媒中の合金
の結晶子径および結晶格子定数を予め測定しておいた。
上記濾過、洗浄で生じた濾液と洗浄液とを混合し、この
混合液中の合金成分の濃度を分析した。各成分の濃度と
混合液量との積から各成分の溶出量を算出し、この値
を、予め分析した初期触媒中の合金の各成分の含有量で
除して、各合金成分の溶出率(%)を算出した。実施例
の触媒(A−2)〜(A−4)並びに比較例の触媒(C
−1)および(C−8)〜(C−13)について同様な
試験を行った。表1に各触媒の成分溶出率、結晶子径お
よび結晶格子定数の変化、合金格子定数保持率を示す。
価試験) 実施例1で得られた触媒(A−1)2.0gをテフロン
蓋付き300mlテフロンビーカーに入れ、105%リ
ン酸160mlを加えてスラリーとし、ビーカー内を2
0容量%酸素+残部窒素(ゼロエアー)でパージしなが
ら、スラリーを攪拌した。ビーカーを加熱してスラリー
を200℃に保持して5時間撹拌した。室温まで冷却
後、脱イオン水300mlで希釈し、次いで、濾過し、
洗浄した後、得られたケークを95℃で真空乾燥し、溶
出残査触媒を得た。XRDにより、触媒中の合金の結晶
子径および格子定数を測定した。尚、初期触媒中の合金
の結晶子径および結晶格子定数を予め測定しておいた。
上記濾過、洗浄で生じた濾液と洗浄液とを混合し、この
混合液中の合金成分の濃度を分析した。各成分の濃度と
混合液量との積から各成分の溶出量を算出し、この値
を、予め分析した初期触媒中の合金の各成分の含有量で
除して、各合金成分の溶出率(%)を算出した。実施例
の触媒(A−2)〜(A−4)並びに比較例の触媒(C
−1)および(C−8)〜(C−13)について同様な
試験を行った。表1に各触媒の成分溶出率、結晶子径お
よび結晶格子定数の変化、合金格子定数保持率を示す。
【0033】表1から判るように、比較例のPt−Pd
合金触媒(C−6)は、Pdの溶出率が高く、合金結晶
格子定数保持率が低く、熱リン酸に対する安定性が低
い。比較例のPt−Au合金触媒(C−7)は、Ptお
よびAuの溶出率は顕著に抑えられているものの、結晶
子径の成長が高く、シンターリングし易いため実用的で
はない。従来の触媒である比較例のPt−Co−Ni合
金触媒(C−8)およびPt−Rh−Fe合金触媒(C
−9)は、卑金属の溶出率が非常に高く、合金結晶格子
定数保持率が低く、熱リン酸に対する安定性が低い。こ
れに対して、本発明の触媒(A−1)〜(A−4)は、
Ptと固溶体合金を形成するIrやRhの溶出率が低
く、結晶子径の変化が少なく、合金結晶格子定数保持率
が高く、熱リン酸に対する安定性が高い。
合金触媒(C−6)は、Pdの溶出率が高く、合金結晶
格子定数保持率が低く、熱リン酸に対する安定性が低
い。比較例のPt−Au合金触媒(C−7)は、Ptお
よびAuの溶出率は顕著に抑えられているものの、結晶
子径の成長が高く、シンターリングし易いため実用的で
はない。従来の触媒である比較例のPt−Co−Ni合
金触媒(C−8)およびPt−Rh−Fe合金触媒(C
−9)は、卑金属の溶出率が非常に高く、合金結晶格子
定数保持率が低く、熱リン酸に対する安定性が低い。こ
れに対して、本発明の触媒(A−1)〜(A−4)は、
Ptと固溶体合金を形成するIrやRhの溶出率が低
く、結晶子径の変化が少なく、合金結晶格子定数保持率
が高く、熱リン酸に対する安定性が高い。
【0034】実施例5 多孔質カーボンペーパー(東レ社製、TGP−H−1
2)をポリテトラフルオロエチレンの水性分散液(Du
Pont社製、TEFLON TFE−30)で撥水処
理した。実施例1で得た触媒(A−1)をこの水性分散
液に加え、超音波分散機で分散させ、触媒とポリテトラ
フルオロエチレンとの乾燥重量比が60:40であるス
ラリーを得た。このスラリーに塩化アルミニウムを添加
して綿状の塊を析出させた。上記の撥水処理した多孔質
カーボンペーパーに、この塊を堆積させ、プレスした
後、乾燥し、次いで、窒素気流中、350℃で15分間
焼成してガス拡散電極(カソード電極、以下同じ)(A
E−1)を得た。実施例6〜7 実施例2および3の各触媒を用い、実施例5と同様の方
法でそれぞれガス拡散電極(AE−2)および(AE−
3)を得た。比較例10〜14 比較例1および6〜9の触媒(C−1)および(C−
6)〜(C−9)を各々用い、実施例5と同様の方法で
それぞれガス拡散電極(CE−1)および(CE−6)
〜(CE−9)を得た。
2)をポリテトラフルオロエチレンの水性分散液(Du
Pont社製、TEFLON TFE−30)で撥水処
理した。実施例1で得た触媒(A−1)をこの水性分散
液に加え、超音波分散機で分散させ、触媒とポリテトラ
フルオロエチレンとの乾燥重量比が60:40であるス
ラリーを得た。このスラリーに塩化アルミニウムを添加
して綿状の塊を析出させた。上記の撥水処理した多孔質
カーボンペーパーに、この塊を堆積させ、プレスした
後、乾燥し、次いで、窒素気流中、350℃で15分間
焼成してガス拡散電極(カソード電極、以下同じ)(A
E−1)を得た。実施例6〜7 実施例2および3の各触媒を用い、実施例5と同様の方
法でそれぞれガス拡散電極(AE−2)および(AE−
3)を得た。比較例10〜14 比較例1および6〜9の触媒(C−1)および(C−
6)〜(C−9)を各々用い、実施例5と同様の方法で
それぞれガス拡散電極(CE−1)および(CE−6)
〜(CE−9)を得た。
【0035】性能評価例2(空気極ハーフセルによる触
媒活性評価試験) テフロン製円筒の側壁下方部に孔をあけ、実施例5で得
たガス拡散電極(AE−1)から直径24mmの円形を
切り抜き、この円形電極の触媒被覆層は熱リン酸中に配
置されるように外側に、またガス拡散層は空気気流中に
配置されるように内側にして、孔に固定し、ハーフセル
装置とした。次にこのハーフセル装置を、500mlテ
フロンビーカー中で200℃に保持された105%リン
酸に浸した。さらに、電極のガス拡散層に流量600m
l/minで20容量%酸素(残部窒素)ガスを供給し
て動作極とし、これと白金金網からなる対極との間に、
電極の単位面積当りの電流密度が0から600mA/c
m2程度までの一定電流を流し、セル電圧(mV)(白
金線に沿って水素ガスをバブリングしたルギン管からな
る参照電極を基準とする)を測定した。次に、内部抵抗
をカレントインターラプション法で測定し、補正した。
最後に、電流密度近似曲線から内部抵抗なしの電池電位
(I−V)を片対数グラフにプロットし、IR−フリー
の電池電圧800mVにおける電流密度I800mA/c
m2を求めたところ、294mA/cm2であった。これ
を触媒活性(電気化学的酸素還元活性)の尺度とした。
また、実施例の電極(AE−2)および(AE−3)、
比較例の電極(CE−1)および(CE−6)〜(CE
−9)についても、上記の方法と同様にして電流密度I
800mA/cm2を求めた。以上の結果を表2に示す。
媒活性評価試験) テフロン製円筒の側壁下方部に孔をあけ、実施例5で得
たガス拡散電極(AE−1)から直径24mmの円形を
切り抜き、この円形電極の触媒被覆層は熱リン酸中に配
置されるように外側に、またガス拡散層は空気気流中に
配置されるように内側にして、孔に固定し、ハーフセル
装置とした。次にこのハーフセル装置を、500mlテ
フロンビーカー中で200℃に保持された105%リン
酸に浸した。さらに、電極のガス拡散層に流量600m
l/minで20容量%酸素(残部窒素)ガスを供給し
て動作極とし、これと白金金網からなる対極との間に、
電極の単位面積当りの電流密度が0から600mA/c
m2程度までの一定電流を流し、セル電圧(mV)(白
金線に沿って水素ガスをバブリングしたルギン管からな
る参照電極を基準とする)を測定した。次に、内部抵抗
をカレントインターラプション法で測定し、補正した。
最後に、電流密度近似曲線から内部抵抗なしの電池電位
(I−V)を片対数グラフにプロットし、IR−フリー
の電池電圧800mVにおける電流密度I800mA/c
m2を求めたところ、294mA/cm2であった。これ
を触媒活性(電気化学的酸素還元活性)の尺度とした。
また、実施例の電極(AE−2)および(AE−3)、
比較例の電極(CE−1)および(CE−6)〜(CE
−9)についても、上記の方法と同様にして電流密度I
800mA/cm2を求めた。以上の結果を表2に示す。
【0036】表2から判るように、本発明の触媒を用い
た電極(AE−1)〜(AE−3)は、本発明の触媒よ
りPtの担持量が多い触媒(C−1)を用いた電極(C
E−1)、従来の白金−貴金属合金触媒(C−6)およ
び(C−7)を用いた電極(CE−6)および(CE−
7)、従来の白金−卑金属合金触媒(C−8)を用いた
電極(CE−8)、従来の白金−貴金属−卑金属合金触
媒(C−9)用いた電極(CE−9)に比較して、高い
触媒活性を示した。
た電極(AE−1)〜(AE−3)は、本発明の触媒よ
りPtの担持量が多い触媒(C−1)を用いた電極(C
E−1)、従来の白金−貴金属合金触媒(C−6)およ
び(C−7)を用いた電極(CE−6)および(CE−
7)、従来の白金−卑金属合金触媒(C−8)を用いた
電極(CE−8)、従来の白金−貴金属−卑金属合金触
媒(C−9)用いた電極(CE−9)に比較して、高い
触媒活性を示した。
【0037】性能評価例3(燃料電池単電池試験) 新たに10%Pt担持カーボン触媒を比較例1と同様に
して調製し、この触媒を用いて実施例5と同様にして電
極を作り、これをアノード電極とした。実施例の電極
(AE−1)、比較例の電極(CE−8)をそれぞれカ
ソード電極とし、アノード電極およびカソード電極の触
媒層側を向かい合わせ、その間に105%リン酸を含浸
させた炭化珪素製マトリックスシートを挿入して、電極
有効面積7.4×7.4cmの小型単電池を作製した。
この電池を210℃に保持して、アノード電極に流量1
00ml/minの水素ガスを、またカソード電極に流
量600ml/minの空気を供給しながら、200m
A/cm2の電流密度の電流を流して、IR−フリーの
端子電圧の経時変化を測定した。図1に端子電圧の経時
変化を示す。図1から判るように、実施例の電極(AE
−1)を用いた単電池は、白金−卑金属合金触媒(C−
8)を用いた電極(CE−8)に比較して、初期電圧が
高く、かつ3000時間に亘って端子電圧の低下速度が
小さく、優れた性能を示した。
して調製し、この触媒を用いて実施例5と同様にして電
極を作り、これをアノード電極とした。実施例の電極
(AE−1)、比較例の電極(CE−8)をそれぞれカ
ソード電極とし、アノード電極およびカソード電極の触
媒層側を向かい合わせ、その間に105%リン酸を含浸
させた炭化珪素製マトリックスシートを挿入して、電極
有効面積7.4×7.4cmの小型単電池を作製した。
この電池を210℃に保持して、アノード電極に流量1
00ml/minの水素ガスを、またカソード電極に流
量600ml/minの空気を供給しながら、200m
A/cm2の電流密度の電流を流して、IR−フリーの
端子電圧の経時変化を測定した。図1に端子電圧の経時
変化を示す。図1から判るように、実施例の電極(AE
−1)を用いた単電池は、白金−卑金属合金触媒(C−
8)を用いた電極(CE−8)に比較して、初期電圧が
高く、かつ3000時間に亘って端子電圧の低下速度が
小さく、優れた性能を示した。
【0038】
【表1】 注)合金格子定数保持率=[(溶出後の合金格子定数−白
金格子定数)/(フレッシュ合金格子定数−白金格子定
数)]×100(%) *:白金−金合金では白金に比べ格子定数は拡大する。
金格子定数)/(フレッシュ合金格子定数−白金格子定
数)]×100(%) *:白金−金合金では白金に比べ格子定数は拡大する。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の白金−イリジウムおよび/また
はロジウム固溶体合金触媒は、リン酸型燃料電池の電解
質である熱リン酸へのイリジウムおよび/またはロジウ
ムの溶出が少ないので、固溶体合金の結晶格子定数およ
び結晶子サイズ(径)の変化が少なく、熱リン酸に対し
て優れた安定性を有する。また、リン酸型燃料電池のカ
ソードでの酸素還元反応において、従来の白金−卑金属
合金担持カーボン触媒に比較して高い触媒活性を有す
る。このため、リン酸型燃料電池用カソード触媒として
長期安定性に優れ、従って本発明の触媒および電極を用
いたリン酸型燃料電池は、高い出力と長い寿命を有し、
実用的に極めて有用である。
はロジウム固溶体合金触媒は、リン酸型燃料電池の電解
質である熱リン酸へのイリジウムおよび/またはロジウ
ムの溶出が少ないので、固溶体合金の結晶格子定数およ
び結晶子サイズ(径)の変化が少なく、熱リン酸に対し
て優れた安定性を有する。また、リン酸型燃料電池のカ
ソードでの酸素還元反応において、従来の白金−卑金属
合金担持カーボン触媒に比較して高い触媒活性を有す
る。このため、リン酸型燃料電池用カソード触媒として
長期安定性に優れ、従って本発明の触媒および電極を用
いたリン酸型燃料電池は、高い出力と長い寿命を有し、
実用的に極めて有用である。
【図1】実施例5で作製したカソード電極(AE−1)
および比較例8で作製したカソード電極(C−8)を各
々用いて作製した単電池の端子電圧の経時変化を示す。
および比較例8で作製したカソード電極(C−8)を各
々用いて作製した単電池の端子電圧の経時変化を示す。
Claims (7)
- 【請求項1】白金と、イリジウムおよびロジウムよりな
る群から選ばれる少なくとも1種の金属との固溶体合金
を、導電性カーボンに担持してなるリン酸型燃料電池用
カソード電極触媒。 - 【請求項2】前記固溶体合金の結晶格子定数が3.86
0〜3.900Åである請求項1に記載の触媒。 - 【請求項3】白金と前記少なくとも1種の金属との原子
比(原子%比)が40:60〜90:10である請求項
1または2に記載の触媒。 - 【請求項4】導電性カーボンのグラファイトC(00
2)の格子面間距離が3.400〜3.600Åである
請求項1、2または3に記載の触媒。 - 【請求項5】空気気流中、105%リン酸中に触媒を分
散、スラリー化した液を200℃で5時間攪拌した後の
触媒の前記固溶体合金の結晶格子定数の保持率が、初期
の触媒の固溶体合金の結晶格子定数の80%以上である
請求項1、2、3または4に記載の触媒。 - 【請求項6】請求項1、2、3、4または5に記載の触
媒を、撥水性樹脂と共に導電性多孔質基材の一方の表面
に結着させてなるリン酸型燃料電池用カソード電極。 - 【請求項7】請求項6に記載のカソード電極を備えたリ
ン酸型燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10098350A JPH11273690A (ja) | 1998-03-26 | 1998-03-26 | リン酸型燃料電池用カソード電極触媒、該触媒を用いたカソード電極および該カソード電極を備えたリン酸型燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10098350A JPH11273690A (ja) | 1998-03-26 | 1998-03-26 | リン酸型燃料電池用カソード電極触媒、該触媒を用いたカソード電極および該カソード電極を備えたリン酸型燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11273690A true JPH11273690A (ja) | 1999-10-08 |
Family
ID=14217457
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10098350A Pending JPH11273690A (ja) | 1998-03-26 | 1998-03-26 | リン酸型燃料電池用カソード電極触媒、該触媒を用いたカソード電極および該カソード電極を備えたリン酸型燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11273690A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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