JPH1127321A - ルーチング方法、ルータ装置及びルーチングプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

ルーチング方法、ルータ装置及びルーチングプログラムを記録した記録媒体

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JPH1127321A
JPH1127321A JP18217097A JP18217097A JPH1127321A JP H1127321 A JPH1127321 A JP H1127321A JP 18217097 A JP18217097 A JP 18217097A JP 18217097 A JP18217097 A JP 18217097A JP H1127321 A JPH1127321 A JP H1127321A
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Junichi Yamada
順一 山田
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和正 種田
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ATR KANKYO TEKIOU TSUSHIN KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インターネットなどのコネクションレスのパ
ケット伝送ネットワークのためのルーチングにおいて、
従来例に比較して構成が簡単であって、入力されるパケ
ットのトラフィックの変動に対して遅延時間を短縮する
ように動的に適応化してルーチングを行うことができる
ルーチング方法、ルータ装置及びルーチングプログラム
を記録した記録媒体を提供する。 【解決手段】 コネクションレスのパケット伝送ネット
ワークのためのマルチパスルーチング方法を用いて、ル
ータ装置に入力されたパケットのルーチングを行うルー
チング方法、ルータ装置及びルーチングプログラムを記
録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体が開示さ
れる。ここで、隣接するノードの待ちキュー長に基づい
て自局のルーチングテーブルを周期的に更新することに
より、適応型最短ホップパスルーチングを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターネットな
どのコネクションレスのパケット伝送ネットワークのた
めのルーチング方法、ルータ装置及びルーチングプログ
ラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のコネクションレスのパケット伝送
ネットワークのためのルーチング方法が、例えば、従来
技術文献1「アンドリュー・エス・タンネンバウム著,
齋藤忠夫ほか監訳,“原書2版タンネンバウムコンピュ
ータネットワーク”,丸善発行,pp.331−34
5,1992年」において以下のように開示されてい
る。
【0003】ルーチングアルゴリズムは非適応型と適応
型の2つの主要な種類に分けられる。非適応型アルゴリ
ズムはルーチングの決定を行う際に、現在のトラフィッ
クやトポロジーの測定値や推定値に基づかない。その代
わりに、任意のiからjへ行くのに用いる経路の選択
を、あらかじめオフラインで計算しておき、ネットワー
クを立ち上げるときにIMP(Interface M
essage Processorの略であり、ARP
ANETのパケット交換機のことである。)へダウンロ
ードする。この手続きは静的ルーチングと呼ばれること
もある。一方、適応型アルゴリズムは、反対に、トポロ
ジーの変化と現在のトラフィックを反映するようにルー
チングの決定を変えようとする。適応型アルゴリズムに
は、大域アルゴリズムと、孤立型アルゴリズムと、分散
型アルゴリズムとがある。
【0004】すなわち、コネクションレスネットワーク
における従来の適応型ルーチングは、ネットワーク内で
定期的に交換する、ホップ数、平均待ち合わせ時間、障
害情報などの各種評価情報に基づいて、個々のノードが
最短パスを計算し、唯一の経路を決定するシングルパス
ルーチング(以下、第1の従来例という。)である。こ
れに対して、従来のマルチパスルーチングは、複数の出
線に相対的な選択の重みを決定し、パケットを転送する
毎に乱数を発生させて、その重みを確率として出線を選
択するルーチング(以下、第2の従来例という。)であ
り、その選択の重みは変更しないために、非適応型ルー
チングである。このマルチパスルーチングは、データの
種類によりパスを選択してユーザの利便性の向上や、代
替経路が交わらない複数の経路を選択して信頼性を向上
させている。
【0005】また、広帯域ISDN網やATM網等の広
域中継網におけるメッセージ転送方式に関し、中継網内
で障害やふくそうが生じても、中継網内でのトラフィッ
ク状態に適応してメッセージ転送のルートを制御する方
法(以下、第3の従来例という。)が、特開平4−27
4639号公報に開示されている。当該公報では、複数
のノードからなる中継網の各ノードに、ノードに接続さ
れるユーザ装置のプロトコル形式と中継網内のプロトコ
ル形式との変換を行うユーザ装置収容手段を備えるとと
もに、またすべてのノード又は一部の特定のノードに、
ユーザ装置収容手段及び他のノード内のルーチング制御
手段とバーチャルチャネルにより固定接続されるルーチ
ング制御手段を備え、ルーチング制御手段がノードから
の各出力路のトラフィック状態に適応してメッセージに
対する出力ポートを選択するように構成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の第1の従来例の
適応型ルーチングでは、入力されるパケットの動的な変
動に対して、各種の評価情報が古いと選択ルートの発振
やループ現象が生じてパケットの損失や遅延時間(当該
技術分野では、パケットを送信元ノードから宛先ノード
までに伝送するのにかかる伝送時間を遅延時間といい、
以下、当該伝送時間を遅延時間という。)の増大を招
く。また、各種の評価情報を新しくするためには、その
発生周期を短くするために、データ以外の評価情報がネ
ットワークに溢れて非効率な伝送となるという問題点が
あった。
【0007】また、上述の第2の従来例のマルチパスル
ーチングでは、入力されるパケットの種類に応じて出線
パスを振り分けるだけて、ルーチングテーブルは固定さ
れ、入力されるパケットの動的な変動に対して適応しな
いので、局所的なトラフィックの集中によるパケットの
廃棄や遅延時間の増大を招くという問題点があった。
【0008】さらに、第3の従来例では、広帯域ISD
N網やATM網等のコネクションオリエンテッドの通信
網を対象として、永久又は半永久にルーチング経路が固
定されている公衆網を利用したときの通信を対象として
いる。すなわち、第3の従来例は、適応型シングルパス
ルーチングの場合であり、当該ルータ装置を設けるとき
に、それを接続する外部の情報が得られることを仮定す
ると、セルフォーマットの変更など導入時に高度な処理
が必要であって、多大の稼働がかかるという問題点があ
った。
【0009】本発明の目的は以上の問題点を解決し、イ
ンターネットなどのコネクションレスのパケット伝送ネ
ットワークのためのルーチングにおいて、従来例に比較
して構成が簡単であって、入力されるパケットのトラフ
ィックの変動に対して遅延時間を短縮するように動的に
適応化してルーチングを行うことができるルーチング方
法、ルータ装置及びルーチングプログラムを記録した記
録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載のルーチング方法は、コネクションレスのパケット伝
送ネットワークのためのマルチパスルーチング方法を用
いて、ルータ装置に入力されたパケットのルーチングを
行うルーチング方法において、隣接するノードの待ちキ
ュー長に基づいて自局のルーチングテーブルを周期的に
更新することにより、適応型最短ホップパスルーチング
を行うことを特徴とする。
【0011】また、請求項2記載のルーチング方法は、
請求項1記載のルーチング方法において、隣接するノー
ドと通信を周期的に行って待ちキュー長を受信して第1
の記憶装置に記憶するステップと、上記第1の記憶装置
に記憶された待ちキュー長に基づいて、マルチパスルー
チングのための確率を計算し、これに基づいて、宛先ノ
ード宛のルーチングテーブルを生成して第2の記憶装置
に記憶するステップと、上記ルータ装置のキューメモリ
で待ち合わせしている先頭のパケットに対して乱数を発
生して、発生された乱数に基づいて、上記第2の記憶装
置に記憶されたルーチングテーブルを参照して当該パケ
ットを送信すべき隣接ノードを決定して送信するステッ
プとを含むことを特徴とする。
【0012】さらに、請求項3記載のルーチング方法
は、請求項2記載のルーチング方法において、自局ノー
ドiから隣接ノードkを介して宛先ノードj宛(1≦i
≦N,1≦j≦N)のパケットのマルチパスルーチング
のための確率Pij(k)は次式で表され、
【数4】 ここで、k∈ni(j)であり、ni(j)は自局ノード
iに対して隣接しかつ宛先ノードjへの最短ホップパス
に属するノード集合であって、隣接ノードkは上記ノー
ド集合に属する隣接ノードであり、ノードmは上記ノー
ド集合に含まれるノードであり、Σの計算は上記ノード
集合に対して和をとる計算であり、wkは隣接ノードk
の待ちキュー長であり、β(>0)は待ちキュー長依存
度を表すパラメータであることを特徴とする。
【0013】本発明に係る請求項4記載のルータ装置
は、コネクションレスのパケット伝送ネットワークのた
めのマルチパスルーチング方法を用いて、ルータ装置に
入力されたパケットのルーチングを行うルータ装置にお
いて、隣接するノードの待ちキュー長に基づいて自局の
ルーチングテーブルを周期的に更新することにより、適
応型最短ホップパスルーチングを行うことを特徴とす
る。
【0014】また、請求項5記載のルータ装置は、請求
項4記載のルータ装置において、隣接するノードと通信
を周期的に行って待ちキュー長を受信して記憶する第1
の記憶装置と、上記第1の記憶装置に記憶された待ちキ
ュー長に基づいて、マルチパスルーチングのための確率
を計算する計算手段と、上記計算手段によって計算され
た確率に基づいて、宛先ノード宛のルーチングテーブル
を生成して記憶する第2の記憶装置と、入力されたパケ
ットを待ち合わせて記憶するキューメモリと、上記キュ
ーメモリで待ち合わせしている先頭のパケットに対して
乱数を発生して、発生された乱数に基づいて、上記第2
の記憶装置に記憶されたルーチングテーブルを参照して
当該パケットを送信すべき隣接ノードを決定して送信す
る制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】さらに、請求項6記載のルータ装置は、請
求項5記載のルータ装置において、自局ノードiから隣
接ノードkを介して宛先ノードj宛(1≦i≦N,1≦
j≦N)のパケットのマルチパスルーチングのための確
率Pij(k)は次式で表され、
【数5】 ここで、k∈ni(j)であり、ni(j)は自局ノード
iに対して隣接しかつ宛先ノードjへの最短ホップパス
に属するノード集合であって、隣接ノードkは上記ノー
ド集合に属する隣接ノードであり、ノードmは上記ノー
ド集合に含まれるノードであり、Σの計算は上記ノード
集合に対して和をとる計算であり、wkは隣接ノードk
の待ちキュー長であり、β(>0)は待ちキュー長依存
度を表すパラメータであることを特徴とする。
【0016】本発明に係る請求項7記載のルーチングプ
ログラムを記録した記録媒体は、コネクションレスのパ
ケット伝送ネットワークのためのマルチパスルーチング
方法を用いて、ルータ装置に入力されたパケットのルー
チングをコンピュータに実行させるルーチングプログラ
ムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体に
おいて、隣接するノードの待ちキュー長に基づいて自局
のルーチングテーブルを周期的に更新することにより、
適応型最短ホップパスルーチングを行うことを特徴とす
る。
【0017】また、請求項8記載のルーチングプログラ
ムを記録した記録媒体は、請求項7記載のルーチングプ
ログラムを記録した記録媒体において、隣接するノード
と通信を周期的に行って待ちキュー長を受信して第1の
記憶装置に記憶するステップと、上記第1の記憶装置に
記憶された待ちキュー長に基づいて、マルチパスルーチ
ングのための確率を計算し、これに基づいて、宛先ノー
ド宛のルーチングテーブルを生成して第2の記憶装置に
記憶するステップと、上記ルータ装置のキューメモリで
待ち合わせしている先頭のパケットに対して乱数を発生
して、発生された乱数に基づいて、上記第2の記憶装置
に記憶されたルーチングテーブルを参照して当該パケッ
トを送信すべき隣接ノードを決定して送信するステップ
とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】さらに、請求項9記載のルーチングプログ
ラムを記録した記録媒体は、請求項8記載のルーチング
プログラムを記録した記録媒体において、自局ノードi
から隣接ノードkを介して宛先ノードj宛(1≦i≦
N,1≦j≦N)のパケットのマルチパスルーチングの
ための確率Pij(k)は次式で表され、
【数6】 ここで、k∈ni(j)であり、ni(j)は自局ノード
iに対して隣接しかつ宛先ノードjへの最短ホップパス
に属するノード集合であって、隣接ノードkは上記ノー
ド集合に属する隣接ノードであり、ノードmは上記ノー
ド集合に含まれるノードであり、Σの計算は上記ノード
集合に対して和をとる計算であり、wkは隣接ノードk
の待ちキュー長であり、β(>0)は待ちキュー長依存
度を表すパラメータであることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。
【0020】図1は、本発明に係る一実施形態であるル
ータ装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の
ルータ装置は、インターネットなどのコネクションレス
のパケット伝送ネットワークのためのマルチパスルーチ
ング方法を用いて、ルータ装置に入力されたパケットの
ルーチングを行うルータ装置において、隣接するノード
の待ちキュー長に基づいて自局のルーチングテーブルを
周期的に更新することにより、適応型最短ホップパスル
ーチングを行うことを特徴とする。
【0021】ここで、当該ネットワークの各ノードにそ
れぞれ当該ルータ装置が設けられ、ノードiのルータ装
置は、ルーチングテーブル生成処理を割込処理により実
行することにより、所定のp秒毎に(好ましくは、pは
0.5秒以上10秒以下である。)周期的にルーチング
テーブルメモリ13内のルーチングテーブルを更新して
ルーチングを行い、ここで、隣接する各ノードAk(k
=1,2,…,M)と通信を行って待ちキュー長wk
受信して待ちキュー長メモリ14に記憶した後、キュー
長メモリ14内の待ちキュー長wkに基づいて、マルチ
パスルーチングのための次式の確率又は割合Pij(k)
を計算し、これに基づいて、ノードj宛のルーチングテ
ーブルを生成してルーチングテーブルメモリ13に記憶
し、そして、キューメモリ21で待ち合わせしている先
頭のパケット(以下、処理対象のパケットという。)に
対して、乱数R(0≦R≦1)を発生して、発生された
乱数Rに基づいて、上記ルーチングテーブルを参照して
当該パケットを送信すべき隣接ノードを決定して送信す
る。
【0022】
【数7】 ここで、k∈ni(j),1≦i≦N,1≦j≦N
【0023】本実施形態においては、最短ホップパス選
択に関して動的に動作し、ここで、当該ネットワークの
各ノードは、1からNまでの番号が付られているとす
る。ノードiは、ノードj宛パケットの次のホップ先の
ノードkを、数7で計算された確率Pij(k)を用いて
求める。ここで、ni(j)は、ノードiに対して隣接
しかつノードjへの最短ホップパスに属するノード集合
であって、ノードmは上記ノード集合に含まれるノード
であり、Σの計算は上記ノード集合に対して和をとる計
算である。また、wkはノードkの待ちキュー長であ
り、β(>0)は待ちキュー長依存度を表すパラメータ
である。ここで、パラメータβを0に設定したときは、
ノードkの待ちキュー長wkにかかわらず、均等に送信
すべきノードの確率が割りあてられ、パラメータβが0
を超えるときにパラメータβが増大するにつれて待ちキ
ュー長の依存性が増大する。本実施形態において、好ま
しくは、パラメータβは1前後に設定される。
【0024】図1において、コントローラ10は、ノー
ドiの当該ルータ装置の動作を制御するためのマイクロ
コンピュータなどのCPU又はDSPで構成され、コン
トローラ10には、図2のルーチング処理のプログラム
及び図3のルーチングテーブル生成処理のプログラムな
どを予め記憶するプログラムROM(読出専用メモリ)
11と、コントローラ10のワーキングエリアとして用
いられるワーキングRAM(ランダムアクセスメモリ)
12と、ルーチングテーブルを記憶するルーチングテー
ブルメモリ13と、隣接する各ノードkの現在の待ちキ
ュー長wkを記憶する待ちキュー長メモリ14と、宛先
ノードj別に、最短ホップパスに属する隣接ノードを予
め記憶した最短ホップパスメモリ15とが接続される。
自局ノードiから宛先ノードjに対して最短ホップパス
で送信することができるパスが予め決められており、当
該最短ホップパスを通過する次の隣接ノードkが最短ホ
ップパスメモリ15に記憶される。また、ルーチングテ
ーブルメモリ13に記憶されるルーチングテーブルは、
例えば、以下の表1に示す形式にてなる。
【0025】
【表1】 ノードiのルーチングテーブル ─────────────────────────────────── 宛先 第1の候補 第2の候補 第3候補 ノード 隣接ノード 確率 隣接ノード 確率 隣接ノード 確率 ─────────────────────────────────── 1 1 0.63 5 0.21 6 0.16 2 1 0.46 3 0.31 4 0.23 3 1 0.34 4 0.33 5 0.33 … … …… … …… … …… i … …… … …… … …… … … …… … …… … …… j 5 0.65 4 0.22 6 0.13 … N 8 0.42 7 0.42 6 0.16 ───────────────────────────────────
【0026】表1のノードiのルーチングテーブルの例
では、ノードj宛のパケットに対して、乱数Rが0≦R
≦0.65のときは隣接ノード5に送信され、乱数Rが
0.65<R≦0.87のとき隣接ノード4に送信さ
れ、乱数Rが0.87<R≦1.00のときは隣接ノー
ド6に送信されることになる。そして、本実施形態で
は、当該ルーチングテーブルが、図3のルーチングテー
ブル生成処理により、概ねリアルタイムな隣接のノード
kの待ちキュー長wkに基づいて周期的に更新される。
表1の例では、3つの候補の隣接ノードが記載されてい
るが、本発明はこれに限らず、2つの以上複数の候補の
隣接ノードについて、確率を記載するようにしてもよ
い。
【0027】図1において、コントローラ10は、複数
M個の隣接ノードA1乃至AMに接続された入力インター
フェース20−1乃至20−Mと、キューメモリ21
と、データスイッチ22と、出力バッファメモリ23−
1乃至23−Mと、M個の隣接ノードA1乃至AMに接続
された出力インターフェース24−1乃至24−Mと、
M個の隣接ノードA1乃至AMに接続された通信インター
フェース25−1乃至25−Mとの動作を制御する。各
入力インターフェース20−1乃至20−Mはそれぞ
れ、パケットを受信するための受信機を備え、各隣接ノ
ードA1乃至AMから入力されるパケットを受信してキュ
ーメモリ21に出力する。キューメモリ21は、FIF
Oメモリで構成され、各入力インターフェース20−1
乃至20−Mから入力されるパケットを順次、その入力
順序で待ち合わせて記憶して、コントローラ10の制御
のもとで、先頭のパケットをデータスイッチ22を介し
て出力バッファメモリ23−1乃至23−Mのうちの1
つに出力して記憶させる。データスイッチ22は、パケ
ット交換機を構成し、コントローラ10の制御のもと
で、キューメモリ21から入力されるパケットをコント
ローラ10から指示された隣接ノードに対応する出力バ
ッファメモリに出力して記憶する。各出力バッファメモ
リ23−1乃至23−Mはそれぞれ、入力されたパケッ
トを一時的に記憶した後、対応する送信機を備えた各出
力インターフェース24−1乃至24−Mを介して隣接
ノードA1乃至AMに送信する。さらに、各通信インター
フェース25−1乃至25−Mはそれぞれ、隣接ノード
1乃至AMに接続され、コントローラ10の指示に従っ
て、各隣接ノードkの通信インターフェースと通信を行
うことにより、各隣接ノードkにおける待ちキュー長w
kを受信してコントローラ10を介して待ちキュー長メ
モリ14に記憶する。
【0028】図2は、図1のコントローラ10によって
実行されるルーチング処理を示すフローチャートであ
る。図2において、まず、ステップS1において、キュ
ーメモリ21で待ち合わせしている先頭のパケットを処
理対象とする。次いで、ステップS2で、処理対象のパ
ケットの宛先ノードjをキューメモリ21から読み出
し、ステップS3で公知の方法で乱数R(0≦R≦1)
を発生する。そして、ステップS4で、発生された乱数
Rに基づいて、ルーチングテーブルを用いて処理対象の
パケットを送信すべき、隣接ノードを決定し、ステップ
S5でデータスイッチ22を制御して、処理対象のパケ
ットを上記決定された隣接ノードに向けて送信する。最
後に、ステップS6で、キューメモリ21で待ち合わせ
している次のパケットを処理対象として、ステップS2
に戻り、上記の処理を繰り返す。
【0029】図3は、図1のコントローラ10によって
割込処理で実行されるルーチングテーブル生成処理を示
すフローチャートである。まず、ステップS11で、前
の処理から所定のp秒後か否かが判断され、p秒後であ
れば、ステップS12でパラメータkを1に設定し、ス
テップS13で隣接するノードAkと通信して、待ちキ
ュー長wkを受信して待ちキュー長メモリ14に記憶し
た後、ステップS14に進む。ステップS14では、パ
ラメータkがM以上であるか否かが判断され、NOのと
きは、ステップS15でパラメータkを1だけインクリ
メントしてステップS13に戻る。ステップS14でY
ESであるときは、すべての隣接ノードkから待ちキュ
ー長wkのデータを受信したので、ステップS16でパ
ラメータkを1に設定し、ステップS17でノードk
は、最短ホップパスメモリ15に記憶されたノードjへ
の最短ホップパスに属する隣接ノードであるか否かが判
断され、NOであるときはステップS20に進む一方、
YESであるときは、ステップS18で、待ちキュー長
メモリ14内の待ちキュー長wkに基づいて、数7を用
いて、確率Pij(k)を計算し、これに基づいてノード
j宛のルーチングテーブルを生成してルーチングテーブ
ルメモリ13に記憶する。次いで、ステップS19で、
パラメータkがM以上であるか否かが判断され、NOで
あるときは、ステップS20でパラメータkを1だけイ
ンクリメントしてステップS17に戻って上記の処理を
繰り返す。一方、ステップS19でYESのときは、ス
テップS11に戻って、ステップS11の処理を行う。
【0030】以上の実施形態においては、図2のルーチ
ング処理と図3のルーチングテーブル生成処理のルーチ
ングプログラムをプログラムROM11に記録している
が、本発明はこれに限らず、当該ルーチングプログラム
を、CD−ROM、光ディスク、光磁気ディスクなどの
各種の記録媒体に記録してもよい。
【0031】
【実施例】本発明者は、本発明の動作を検証するため
に、図4のネットワークモデルを用いて、図5に示すよ
うに各ノードで入力パケットを発生させてシミュレーシ
ョンを行った。ここで、ネットワークモデルは、1つの
ノードが最大6個のノードを接続されるように、48個
のノードが、図4のトポロジーで接続されており、ノー
ド間のリンクは双方向である。ノードは、1つのキュー
メモリ21を持ち、入力パケットに対しFIFOメモリ
で処理する。パケット当たりの処理時間μは定数であ
る。また、入力トラヒックは、ネットワーク全体でポア
ソン分布に従って、トラヒックをメッセージ単位で発生
した。各メッセージに含まれるパケット数は、平均νの
幾何分布に従う。各メッセージの送信元ノードと宛先ノ
ード番号の分布は、一様分布である。メッセージ発生間
隔は指数分布であるが、メッセージ発生率λ(t)は次
式で表される時間の関数である。
【0032】
【数8】 λ(t)=α1+α2sin(ωt),α1>α2 ここで、ωは変動の周期であり、α1及びα2は当該関数
を変化させるためのパラメータである。
【0033】図5及びそれ以降の図面において、シミュ
レーション時間は、μに対して相対的な時間である。図
5のシミュレーションにおいて、各パラメータをν=
5,α 1=1,α2=0.5,ω=2π/104に設定し
ている。図6は、図1のルータ装置のシミュレーション
におけるβ=10のときの宛先到着パケット数の時間的
変動を示すグラフであり、図7は、第1の従来例のルー
タ装置のシミュレーションにおける宛先到着パケット数
の時間的変動を示すグラフである。図5、図6及び図7
から明らかなように、本実施形態のルーチング方法は、
入力パケットのトラフィック変動に追随しているという
点で、第1の従来例に比較して応答特性が優れているこ
とがわかる。
【0034】また、図8は、図1のルータ装置のシミュ
レーションにおけるβ=10のときのパケット遅延時間
の時間的変動を示すグラフであり、図9は、第1の従来
例のルータ装置のシミュレーションにおけるパケット遅
延時間の時間的変動を示すグラフである。図5、図8及
び図9から明らかなように、入力パケット数の変動と比
較すると、本実施形態のルーチング方法は、第1の従来
例に比較して、位相のずれ及び振幅が小さいことがわか
る。
【0035】さらに、図10は、図1のルータ装置と第
1の従来例のルータ装置のシミュレーションにおける、
送信元ノードから宛先ノードまでのパケット遅延時間の
比較を示すグラフである。このグラフでは、パケット毎
に、図1のルータ装置での遅延時間を縦軸に、第1の従
来例のルータ装置での遅延時間を横軸に○でプロットし
ている。図10から明らかなように、本実施形態のルー
チング方法は、第1の従来例に比較して、遅延時間が大
幅に短縮されていることがわかる。
【0036】以上説明したように、本発明に係る実施形
態によれば、インターネットなどのコネクションレスの
パケット伝送ネットワークのためのマルチパスルーチン
グ方法を用いてパケットのルーチングを行うルータ装置
において、隣接するノードの待ちキュー長に基づいて自
局のルーチングテーブルを周期的に更新することによ
り、適応型最短ホップパスルーチングを行うことによ
り、以下の特有の効果を有する。 (1)ネットワーク資源の有効利用により、エンド・ツ
ー・エンドの遅延時間を従来例に比較して大幅に短縮す
ることができる。 (2)ユーザ情報以外の各種の評価情報を低減して、具
体的には、隣接ノードの待ちキュー長のみに基づいてル
ーチングテーブルを更新するので、ネットワークを有効
利用することができる。 (3)入力トラフィックの時間的な変動に対して、遅延
時間を短縮するように動的に適応することができる。 (4)従来例に比較して構成が簡単である。 従って、ネットワークの利用環境の変化に対して、局所
的なトラフィックの集中によるデータの廃棄や遅延時間
の増大を防止することができる。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、コ
ネクションレスのパケット伝送ネットワークのためのマ
ルチパスルーチング方法を用いて、ルータ装置に入力さ
れたパケットのルーチングを行うルーチング方法、ルー
タ装置及びルーチングプログラムを記録したコンピュー
タで読み取り可能な記録媒体において、隣接するノード
の待ちキュー長に基づいて自局のルーチングテーブルを
周期的に更新することにより、適応型最短ホップパスル
ーチングを行う。従って、本発明は以下の特有の効果を
有する。 (1)ネットワーク資源の有効利用により、エンド・ツ
ー・エンドの遅延時間を従来例に比較して大幅に短縮す
ることができる。 (2)ユーザ情報以外の各種の評価情報を低減して、具
体的には、隣接ノードの待ちキュー長のみに基づいてル
ーチングテーブルを更新するので、ネットワークを有効
利用することができる。 (3)入力トラフィックの時間的な変動に対して、遅延
時間を短縮するように動的に適応することができる。 (4)従来例に比較して構成が簡単である。 従って、ネットワークの利用環境の変化に対して、局所
的なトラフィックの集中によるデータの廃棄や遅延時間
の増大を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施形態であるルータ装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のコントローラ10によって実行される
ルーチング処理を示すフローチャートである。
【図3】 図1のコントローラ10によって実行される
ルーチングテーブル生成処理を示すフローチャートであ
る。
【図4】 図1のルータ装置のシミュレーションにおい
て用いた8個×6段の構成からなるノードを備えたネッ
トワークにおいて、1つのノードが隣接する最大6個の
ノードに接続されるように、各ノードが相互に接続され
たネットワークを示す図である。
【図5】 図1のルータ装置のシミュレーションにおけ
る入力パケット数の時間的変動を示すグラフである。
【図6】 図1のルータ装置のシミュレーションにおけ
る宛先到着パケット数の時間的変動を示すグラフであ
る。
【図7】 第1の従来例のルータ装置のシミュレーショ
ンにおける宛先到着パケット数の時間的変動を示すグラ
フである。
【図8】 図1のルータ装置のシミュレーションにおけ
るパケット遅延時間の時間的変動を示すグラフである。
【図9】 第1の従来例のルータ装置のシミュレーショ
ンにおけるパケット遅延時間の時間的変動を示すグラフ
である。
【図10】 図1のルータ装置と第1の従来例のルータ
装置のシミュレーションにおける、送信元ノードから宛
先ノードまでのパケット遅延時間の比較を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10…コントローラ、 11…プログラムROM、 12…ワーキングRAM、 13…ルーチングテーブルメモリ、 14…待ちキュー長メモリ、 15…最短ホップパスメモリ、 20−1乃至20−M…入力インターフェース、 21…キューメモリ、 22…データスイッチ、 23−1乃至23−M…出力バッファメモリ、 24−1乃至24−M…出力インターフェース、 25−1乃至25−M…通信インターフェース、 101乃至108,201乃至208,301乃至30
8,401乃至408,501乃至508,601乃至
608…ノード、 A1乃至AM…隣接ノード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 順一 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール環境適 応通信研究所内 (72)発明者 種田 和正 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール環境適 応通信研究所内 (72)発明者 下川 信祐 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール環境適 応通信研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コネクションレスのパケット伝送ネット
    ワークのためのマルチパスルーチング方法を用いて、ル
    ータ装置に入力されたパケットのルーチングを行うルー
    チング方法において、 隣接するノードの待ちキュー長に基づいて自局のルーチ
    ングテーブルを周期的に更新することにより、適応型最
    短ホップパスルーチングを行うことを特徴とするルーチ
    ング方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のルーチング方法におい
    て、 隣接するノードと通信を周期的に行って待ちキュー長を
    受信して第1の記憶装置に記憶するステップと、 上記第1の記憶装置に記憶された待ちキュー長に基づい
    て、マルチパスルーチングのための確率を計算し、これ
    に基づいて、宛先ノード宛のルーチングテーブルを生成
    して第2の記憶装置に記憶するステップと、 上記ルータ装置のキューメモリで待ち合わせしている先
    頭のパケットに対して乱数を発生して、発生された乱数
    に基づいて、上記第2の記憶装置に記憶されたルーチン
    グテーブルを参照して当該パケットを送信すべき隣接ノ
    ードを決定して送信するステップとを含むことを特徴と
    するルーチング方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のルーチング方法におい
    て、自局ノードiから隣接ノードkを介して宛先ノード
    j宛(1≦i≦N,1≦j≦N)のパケットのマルチパ
    スルーチングのための確率Pij(k)は次式で表され、 【数1】 ここで、k∈ni(j)であり、ni(j)は自局ノード
    iに対して隣接しかつ宛先ノードjへの最短ホップパス
    に属するノード集合であって、隣接ノードkは上記ノー
    ド集合に属する隣接ノードであり、ノードmは上記ノー
    ド集合に含まれるノードであり、Σの計算は上記ノード
    集合に対して和をとる計算であり、wkは隣接ノードk
    の待ちキュー長であり、β(>0)は待ちキュー長依存
    度を表すパラメータであることを特徴とするルーチング
    方法。
  4. 【請求項4】 コネクションレスのパケット伝送ネット
    ワークのためのマルチパスルーチング方法を用いて、ル
    ータ装置に入力されたパケットのルーチングを行うルー
    タ装置において、 隣接するノードの待ちキュー長に基づいて自局のルーチ
    ングテーブルを周期的に更新することにより、適応型最
    短ホップパスルーチングを行うことを特徴とするルータ
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のルータ装置において、 隣接するノードと通信を周期的に行って待ちキュー長を
    受信して記憶する第1の記憶装置と、 上記第1の記憶装置に記憶された待ちキュー長に基づい
    て、マルチパスルーチングのための確率を計算する計算
    手段と、 上記計算手段によって計算された確率に基づいて、宛先
    ノード宛のルーチングテーブルを生成して記憶する第2
    の記憶装置と、 入力されたパケットを待ち合わせて記憶するキューメモ
    リと、 上記キューメモリで待ち合わせしている先頭のパケット
    に対して乱数を発生して、発生された乱数に基づいて、
    上記第2の記憶装置に記憶されたルーチングテーブルを
    参照して当該パケットを送信すべき隣接ノードを決定し
    て送信する制御手段とを備えたことを特徴とするルータ
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のルータ装置において、自
    局ノードiから隣接ノードkを介して宛先ノードj宛
    (1≦i≦N,1≦j≦N)のパケットのマルチパスル
    ーチングのための確率Pij(k)は次式で表され、 【数2】 ここで、k∈ni(j)であり、ni(j)は自局ノード
    iに対して隣接しかつ宛先ノードjへの最短ホップパス
    に属するノード集合であって、隣接ノードkは上記ノー
    ド集合に属する隣接ノードであり、ノードmは上記ノー
    ド集合に含まれるノードであり、Σの計算は上記ノード
    集合に対して和をとる計算であり、wkは隣接ノードk
    の待ちキュー長であり、β(>0)は待ちキュー長依存
    度を表すパラメータであることを特徴とするルータ装
    置。
  7. 【請求項7】 コネクションレスのパケット伝送ネット
    ワークのためのマルチパスルーチング方法を用いて、ル
    ータ装置に入力されたパケットのルーチングをコンピュ
    ータに実行させるルーチングプログラムを記録したコン
    ピュータで読み取り可能な記録媒体において、 隣接するノードの待ちキュー長に基づいて自局のルーチ
    ングテーブルを周期的に更新することにより、適応型最
    短ホップパスルーチングを行うことを特徴とするルーチ
    ングプログラムを記録した記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のルーチングプログラムを
    記録した記録媒体において、 隣接するノードと通信を周期的に行って待ちキュー長を
    受信して第1の記憶装置に記憶するステップと、 上記第1の記憶装置に記憶された待ちキュー長に基づい
    て、マルチパスルーチングのための確率を計算し、これ
    に基づいて、宛先ノード宛のルーチングテーブルを生成
    して第2の記憶装置に記憶するステップと、 上記ルータ装置のキューメモリで待ち合わせしている先
    頭のパケットに対して乱数を発生して、発生された乱数
    に基づいて、上記第2の記憶装置に記憶されたルーチン
    グテーブルを参照して当該パケットを送信すべき隣接ノ
    ードを決定して送信するステップとをコンピュータに実
    行させることを特徴とするルーチングプログラムを記録
    した記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のルーチングプログラムを
    記録した記録媒体において、自局ノードiから隣接ノー
    ドkを介して宛先ノードj宛(1≦i≦N,1≦j≦
    N)のパケットのマルチパスルーチングのための確率P
    ij(k)は次式で表され、 【数3】 ここで、k∈ni(j)であり、ni(j)は自局ノード
    iに対して隣接しかつ宛先ノードjへの最短ホップパス
    に属するノード集合であって、隣接ノードkは上記ノー
    ド集合に属する隣接ノードであり、ノードmは上記ノー
    ド集合に含まれるノードであり、Σの計算は上記ノード
    集合に対して和をとる計算であり、wkは隣接ノードk
    の待ちキュー長であり、β(>0)は待ちキュー長依存
    度を表すパラメータであることを特徴とするルーチング
    プログラムを記録した記録媒体。
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