JPH11272847A - マルチカラー画像からなる動画像の符号化装置およびその方法並びにマルチカラー画像からなる動画像の復号化装置およびその方法 - Google Patents

マルチカラー画像からなる動画像の符号化装置およびその方法並びにマルチカラー画像からなる動画像の復号化装置およびその方法

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JPH11272847A
JPH11272847A JP10074719A JP7471998A JPH11272847A JP H11272847 A JPH11272847 A JP H11272847A JP 10074719 A JP10074719 A JP 10074719A JP 7471998 A JP7471998 A JP 7471998A JP H11272847 A JPH11272847 A JP H11272847A
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Shoji Hoshina
彰治 保科
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチカラー画像からなる動画像の符号化や
復号化を行う際にも動き補償を適用できるようにする。
また、動き補償の際のブロックの同一性の判断を厳しく
したいが、動きベクトルの数を増やしたくないという相
反する目的を同時に達成する。 【解決手段】 このマルチカラー画像からなる動画像の
符号化装置1は、動画像を形成する際、動き補償を行
う。そして、判断手段2aによって両ブロックの対応す
る位置の画素が異なる場合の数を算出し、その不一致数
が所定数以下のときには同一または類似のブロックと判
断し、動きベクトルVを作成している。また、判断手段
2aは、各分割されたブロック毎に動きベクトルVを用
いるか否かの判断を行い、両ブロックの不一致数が所定
数以下のときに同一または類似のブロックと判断し、マ
クロブロックの動きベクトルVを利用して動き補償を行
うようにしている。なお、復号化の際は逆となるアルゴ
リズムを使用している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルチカラー画像
からなる動画像の符号化装置およびその方法ならびにマ
ルチカラー画像からなる動画像の復号化装置およびその
方法に関する。そして、さらに詳細に述べれば、マルチ
カラー画像を符号化および復号化する際の動き補償の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からパソコンやゲーム機器等では、
マルチカラー画像と呼ばれる画像が使用されている。こ
のマルチカラー画像とは、代表色画像とか限定色画像等
とも呼ばれているもので、図41に示すように、特定の
色、すなわち特定のR(赤)、G(緑)、B(青)の値
を持つ色に対してインデックスを付与し、そのインデッ
クスのデータを利用して、16色や256色等の限定さ
れた代表色で表現するようにした画像のことである。
【0003】このようなマルチカラー画像のデータは、
仮にR、G、Bの各色が8ビット(256種)で表され
るとしたら、合計24ビット必要になるのであるが、イ
ンデックスそのものも例えば8ビットで表示するように
しているので、相当な圧縮率となっている。しかし、圧
縮はされているが、それでも情報量が多いため、何の工
夫もせず、そのままの形で処理すると、メモリ容量が大
きくなり、また通信速度も遅くなり実用的でない。した
がって、マルチカラー画像も他の画像データと同様にそ
の圧縮技術は極めて重要なものとなる。特に、マルチカ
ラー画像は、その色の数が限定されていることから、ロ
スレスでの符号化および復号化、すなわち可逆的な圧縮
技術が必要とされている。
【0004】一方、近年、データ圧縮の手法の一つとし
て、エントロピー符号器および復号器を用いた技術が注
目されている。このエントロピー符号化および復号化技
術の一つとして、例えば、算術符号化および復号化の技
術を用いたものがある。特開昭62−185413号公
報、特開昭63−74324号公報、特開昭63−76
525号公報等に記載されている。
【0005】図35に、このような技術を用いた従来の
マルチカラー画像の符号化システム50および復号化シ
ステム60を示す。この符号化システム50は、ライン
バッファ51と、エントロピー符号器52とを含むもの
である。入力されるインデックスのデータ、すなわちカ
ラー画素データ100Aは、ラインバッファ51および
エントロピー符号器52へ入力される。このカラー画素
データ100Aは、図36に示すように、いずれもラス
タースキャンされ水平走査順に順次画素データとして入
力される。なお、このインデックスのデータ、すなわち
カラー画素データ100Aを作成する方法としては、入
力する色の順番にインデックスを付与する方法が一般的
であり、図41に示すように、インデックスの番号が近
いもの、例えば「1」と「2」でもその色が大きく異な
ったり、インデックスの番号が遠いもの、例えば「10
0」と「200」でもその色は近似している現象が生じ
ている。このような現象を避けるため、特開平5−32
8142に示されるように、色の近いものに連続番号を
付与するようにしたものも現れている。
【0006】符号化システム50中のラインバッファ5
1は、参照画素生成手段として、既に入力されたカラー
画素データ100Aから、符号化対象画素Xに対する参
照画素データA,B,C,Dを作成する。すなわち、ラ
インバッファ51は、画像をスキャンするときにnライ
ン(1〜5ライン程度が多い)分の履歴を記憶してお
く。そして、符号化対象画素Xのカラー画素データ10
0Aが入力されるごとに、この直前の画素Aと、周辺の
画素B,C,Dとからなる一連の画素データを参照画素
データ110としてエントロピー符号器52へ向けて出
力する。
【0007】このエントロピー符号器52は、例えば、
算術符号化またはハフマン符号化などの手法を用いて形
成される。そして、参照画素データ110を状態信号と
して用い、対象カラー画素データ100Aを符号化デー
タ200に変換出力する。
【0008】一方、復号化システム60は、ラインバッ
ファ61とエントロピー復号器62を含んで構成され
る。ここにおいて、ラインバッファ61とエントロピー
復号器62は、入力される符号化データ200を符号化
システム50のラインバッファ51、エントロピー符号
器52とは全く逆の手順で復号化出力するように形成さ
れている。
【0009】このようにして、符号化システム50と、
復号化システム60とは、互いに全く逆のアルゴリズム
を用いて、カラー画素データ100Aを符号化データ2
00に符号化し、さらにこの符号化データ200をカラ
ー画素データ100Bに復号化して出力することができ
る。したがって、このシステムは、各種用途に幅広く用
いることができる。
【0010】ところで、このようなシステムでは、カラ
ー画素データ100Aの値、すなわちインデックスの番
号が一定の番号付近に偏るとそのデータの圧縮率が向上
する。また、このシステムでは、参照画素データ110
を、エントロピー符号器52、エントロピー復号器62
の状態信号として使用している。したがって、その状態
数、すなわち、参照画素数を多くとれば、同様にデータ
圧縮率は向上する。すなわち、算術符号化またはハフマ
ン符号化などの手法を用いてエントロピー符号器52お
よび復号器62を構成する場合には、0または1のシン
ボルの発生確率に大きな偏りがあると、データの圧縮率
を高めることができる。これは、エントロピー符号化技
術では、発生確率の高い入力データには短い符号化デー
タを割り当て、発生率の低い入力データには相対的に長
い符号化データを割り当てるからである。
【0011】シンボル、すなわちインデックスの番号の
発生確率の大きな偏りを得るために、従来より、入力デ
ータをいくつかの状態に分類して符号化することが行わ
れている。なぜなら、分類をしないと、良い圧縮率は得
られないからである。例えば、図35に示す従来の手法
では、ラインバッファ51,61を用い、参照画素デー
タを作成し、これを分類用の状態信号としてエントロピ
ー符号器52およびエントロピー復号器62へ入力して
いる。そして、これらエントロピー符号器52およびエ
ントロピー復号器62は、前記状態信号を用いることに
より入力データを分類し、符号化および復号化を行って
いる。すなわち、参照画素データの各状態の発生確率を
計算し、その発生確率の高い組み合わせのものに短い符
号化データを割り当てている。そして、これによりデー
タの圧縮率を高めている。
【0012】しかし、前述したエントロピー符号器52
およびエントロピー復号器62では、参照画素データの
状態数に対応した数の符号化パラメータテーブルが必要
となる。このため、圧縮率を高めるために参照画素数を
大きくとればとるほど、符号化および復号化のパラメー
タテーブルが大きくなる。このため、エントロピー符号
器52およびエントロピー復号器62が大型化かつ高価
となってしまうという問題がある。
【0013】例えば、カラー画素データ、すなわちイン
デックスの番号を4ビットデータ(16種)で構成し、
しかも参照画素データ110の画素数が4である場合を
想定する。この場合には、符号化および復号化パラメー
タテーブルの状態数は、4画素×4ビット=16ビット
分の状態数、すなわち216の状態数をとる。このた
め、216=65536通りのパラメータテーブルを用
意しなければならない。このことからも、参照画素を1
つ増やすごとに、その分、符号化および復号化パラメー
タテーブルが極めて大きくなり、エントロピー符号器5
2およびエントロピー復号器62を構成するハードウェ
アが大型化してしまうことが理解される。しかも、対象
画素も4ビット、すなわち、4プレーンで構成され、各
プレーンに1ビットずつの信号が割り当てられ、結果と
して4ビットで16通りの値(色)をとるので、パラメ
ータテーブルは65536×16の大きさを持つテーブ
ルとなる(図37参照)。
【0014】このような問題に対し、対象画素のカラー
シンボル、すなわち色に対応するインデックスの番号の
出現頻度の偏りを計算し、出現頻度順位に対応して、イ
ンデックスの番号を並び替える色順位変換の方法(特開
平6−276041号)がある。すなわち、これにより
出現頻度の高いものに短い符号化データを割り当て、さ
らに、圧縮率を高めている。また、この公開公報には、
エントロピー符号器52およびエントロピー復号器62
の中に縮退した状態数に応じてパラメータテーブルを小
さくさせる技術も開示されている。
【0015】この特開平6−276041号公報に示さ
れている状態数を縮退するシステムの特徴は、図38に
示すように、従来の符号化システム50や復号化システ
ム60と同様にエントロピー符号器52およびエントロ
ピー復号器62に参照画素データ110を状態信号とし
て入力するわけであるが、その入力に際し、その状態信
号140を、ラインバッファ51,61から出力される
参照画素データ110を縮退する状態縮退器53,63
によって生成する点にある。
【0016】この状態縮退器53、63は、入力される
参照画素データ110を、より少ないビット数の状態信
号140に縮退し、対応するエントロピー符号器52お
よびエントロピー復号器62へ向け出力するように構成
されている。なお、予測器54,64は、それぞれカラ
ーシンボルの出現頻度に基づいてカラー画素データを色
順位に変換するためおよびその逆を行うための色順位テ
ーブル(詳細は後述)をそのメモリーに保有しているも
のである。
【0017】なお、縮退とは、縮退後の状態数に、元の
状態を分類する操作である。この分類は、分類後のエン
トロピー(1つのシンボルを表示するための平均情報
量)が最少となるように、その組み合わせを選択して行
う。そして、縮退後の状態数、すなわち、分類された後
の状態数に対して識別ビットを付加する。これが状態信
号140である。
【0018】ところで、状態縮退器53,63に用いる
縮退テーブルとしては、参照画素データ110のカラー
シンボルの組み合わせパターンと、縮退データとの関係
を特定する縮退テーブルを設定し、この縮退テーブルを
用い、入力される参照画素データ110のカラーシンボ
ルの組み合わせパターンを、縮退データに変換出力する
方法がある。
【0019】図39には、このような手法を用いて行わ
れる縮退動作の一例が示されている。ここでは、説明を
簡単にするために、図39(A)に示すよう、符号化対
象画素Xに対し、A,B,Cの3つの画素から形成され
るマルコフモデルを参照画素パターンとして用いる場合
を例にとり説明する。
【0020】参照画素が、図39(A)に示すように、
3つの画素から構成される場合には、そのカラーシンボ
ルの組み合わせパターンは、図39(B)に示すように
5通りとなる。すなわち、3つに画素のカラーシンボル
が全て一致するパターンと、2つのカラーシンボルのみ
が一致する場合に該当する3つのパターンと、全ての画
素のカラーシンボルが異なるパターンの計5つのパター
ンに分類される。
【0021】したがって、図39(B)に示すテーブル
を状態縮退器53,63の縮退テーブルとして用いるこ
とにより、本来3つの画素の組み合わせが取りうる2
12パターンの状態を、図39(B)に示す5つの状態
S1〜S5に縮退することができる。このようにするこ
とによって、参照画素データ110を効果的に縮退し、
エントロピー符号器52およびエントロピー復号器62
の状態数を大幅に少なくすることができる。
【0022】ところで、このような算術符号化および復
号化の一般的な手法は、既に1画像符号化標準JBIG
(インターナショナルスタンダードISO/IEC11
544)のp26〜44およびp44〜p50に詳細に
述べられているが、ここでは後述する本発明を展開する
際の前提技術として簡単に説明する。
【0023】図35に用いられる算術符号型のエントロ
ピー符号器52の一例を図40に示す。なお、算術復号
型のエントロピー復号器62の構成は、エントロピー符
号器52の構成と実質的に同一であるので、ここではそ
の説明は省略する。
【0024】このエントロピー符号器52は、算術演算
部55と、状態記憶器として機能する発生確率生成手段
56とを含んで構成される。この発生確率生成手段56
内には、符号化に必要なシンボル発数確率を決定するた
めに必要な状態パラメータテーブルが書き込まれてい
る。上記の状態パラメータは、入力される状態信号によ
って特定される。そして、この状態信号によって特定さ
れた状態パラメータのテーブルに対し、発生確率生成手
段56の発生確率演算パラメータが算術演算部55へ向
けて出力される。算術演算部55は、このようにして入
力される発生確率に基づき、エントロピー符号化を行
い、入力される色順位データ120を符号化データ20
0に変換出力する。そして、符号化した色順位データ1
20の値により、状態信号に対する発生確率を再計算
し、演算パラメータ更新値として、発生確率生成手段5
6へ入力する。この更新結果が次データの発生確率とし
てテーブルに記憶されることで、エントロピー符号器5
2の圧縮効率が向上することとなる。
【0025】なお、色順位データ120を生成するため
に、先に述べたように予測器54,64内に色順位テー
ブルが配置されている。この色順位テーブルの一例とし
て、図42に示されるものが知られている(特開平6ー
276041号公報参照)。この例では、符号化対象画
素Xに対しての色順位テーブルを決める際、2次元的な
周辺画素データR0,R1,R2,R3を上位の色順位
データとして使用し、符号化対象画素Xと同一ラインの
1次元テーブルを下位の色順位データとして使用するも
のである。このとき、1次元テーブルから周辺画素デー
タR0,R1,R2,R3のカラーシンボルを除去した
後、上位と下位の色順位データをドッキングさせ符号化
対象画素Xの色順位テーブルとしている。
【0026】具体的にどのように色順位テーブルができ
あがるかを図42に基づき説明する。符号化されるカラ
ーシンボルが16色の場合を考える。仮に、色順位を図
42(A)に示すように、各画素の位置R0,R1,R
2…R8… で固定したとき、それぞれのカラーシンボ
ルが図42(B)に示すように、C4,C3,C6,C
5,C2,C2…のとき、できあがる最新出現表となる
色順位テーブルは、図42(C)に示すようになる。す
なわち、最上位はR0のC4,2番目はR1のC3,3
番目はR2のC6,4番目はR3のC5,5番目はR4
のC2,6番目はR5にあるC2となるが、C2は既に
発生しており、さらにR6のC4も既に発生しているの
で、第6番目はR7のC0となる。このようにして既に
上位にある色すなわち、R0〜R3に出現するカラーシ
ンボルを除いた色順位データがR0〜R3のデータに加
わり、16色のカラーシンボルの第1番目から16番目
までが決められる。なおこのとき、上位4つの周辺画素
を学習により可変とすることもできる。
【0027】一方、動画像の符号化や復号化において
は、動き補償と呼ばれるものが知られている。この動き
補償は、動画が静止画の連続であり、その1枚1枚を見
ると、前のフレームや後のフレームと相関があることに
着目したものである。具体的には、着目フレームを16
×16ピクセルの複数のブロックに分割し、当該着目フ
レーム中の所定ブロックが参照フレームの1ピクセル左
にずれた同様のブロックと似ている場合、着目フレーム
中のそのブロックの画像データを符号化または復号化せ
ず、参照フレーム中の1ピクセル左にずれたブロックに
似ているというデータを符号化または復号化するもので
ある。
【0028】すなわち、この動き補償では、着目フレー
ムの全データを符号化したり復号化するのではなく、変
化のあった部分だけのデータを送ると共に、参照フレー
ム中のブロックと同一となるブロックについては、さら
に動きベクトルをデータ化することによってデータ量の
さらなる減少が可能となっている。
【0029】動き補償における動きベクトルを算出する
場合、R,G,Bからなる自然画のときには、着目フレ
ームと参照フレームの対応するブロックのR,G,Bの
差分である△R,△G,△Bを算出する。そして、その
平均2乗誤差(=△R+△G+△B)を得て、こ
の値が一定値以下のときに同一ブロックと判断し、動き
ベクトルを生成している。また、その他に、着目フレー
ムと参照フレームの対応するブロックの対応する位置の
画素の差分の絶対値和を計算し、その最小値を求め、動
きベクトルを得る方法も知られている。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】マルチカラー画像の場
合、図41に示されるようにインデックスの番号が近い
ものでもその色が大きく異なったり、インデックスの番
号が遠いものでもその色が近似しているという状態が生
ずる。このため、マルチカラー画像に動き補償を適用し
ようとしても、従来の平均2乗誤差方式や絶対値和方式
では、適切にその同一性を判断できない。
【0031】特に、色順位テーブルを利用して符号化、
復号化を行うものの場合、インデックスの番号が常に変
更され続けるため、動き補償を行わせる際、上述の平均
2乗誤差方式等の手法は全く採用できないこととなる。
【0032】さらに、マルチカラー画像の場合、隣接す
るカラーシンボルが大きく異なる場合が多く、かつその
変化が目立ち易い。このため、動き補償を行うに当た
り、ブロックの同一性の判断を厳しくする必要がある。
ところが、この判断を厳しくすると大きなブロック間で
は、同一と判断されるものが極端に少なくなり、動き補
償によるデータ圧縮の効果が生じなくなってしまう。一
方、小さなブロックに分割して、動きベクトルを各ブロ
ックで得るようにすると、動きベクトルのデータ量が増
え、効果的な圧縮ができなくなってしまう。
【0033】本発明は、以上のような問題に対処してな
されたものであり、マルチカラー画像からなる動画像の
符号化や復号化を行う際にも動き補償を適用できるよう
にしたマルチカラー画像からなる動画像の符号化装置お
よびその方法ならびにマルチカラー画像からなる動画像
の復号化装置およびその方法を提供することを目的とす
る。また、本発明は、動き補償の際のブロックの同一性
の判断を厳しくしたいが、動きベクトルの数を増やした
くないという相反する目的を同時に達成できるマルチカ
ラー画像からなる動画像の符号化装置等を提供すること
を目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、インデックスコードが付
与されたカラー画素データからなる静止画のフレームを
連続させて動画像を形成する際、符号化対象の着目フレ
ームをそれぞれN×Nピクセル(Nは4以上の整数)か
らなる複数のブロックに分割し、その着目フレーム中の
ブロックが参照フレーム中のブロックと同一または類似
しているとき、着目フレーム中のブロック位置と参照フ
レーム中のブロック位置との相対変位を動きベクトルと
して動き補償を行うマルチカラー画像からなる動画像の
符号化装置において、動きベクトルを用いるか否かの判
断手段を設け、この判断手段によって両ブロックの対応
する位置の画素が異なる場合の数を算出し、その不一致
数が所定数以下のときには同一または類似のブロックと
判断し、動きベクトルを作成している。
【0035】このため、マルチカラー画像からなる動画
像においても、自然画と同様に動き補償が使用できるこ
ととなり、データ圧縮が可能となる。
【0036】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載のマルチカラー画像からなる動画像の符号化装置に
おいて、ブロックは、MN×MNピクセル(Mは2以上
の整数)からなるより大きなマクロブロックを小ブロッ
ク化手段によってM×Mに分割され、判断手段は、各分
割されたブロック毎に前記動きベクトルを用いるか否か
の判断を行うために、参照フレーム内の対応するブロッ
クの対応する位置にある画素と当該ブロックの画素とが
異なる場合の数を算出し、その不一致数が所定数以下の
ときに同一または類似のブロックと判断し、マクロブロ
ックの動きベクトルを利用して動き補償を行うようにし
ている。
【0037】このように、より大きなブロック間で動き
ベクトルを作成するか否かを判断し、さらに小さいブロ
ック間でも動き補償を行うか否か判断しているため、動
きベクトルの作成数を増やすことなく動き補償の要否を
厳格に判断することが可能となる。すなわち、マルチカ
ラー画像の場合でも、データ圧縮を効果的に行えるよう
になる。
【0038】さらに、請求項3記載の発明では、請求項
1または2記載のマルチカラー画像からなる動画像の符
号化装置において、ブロックを8×8ピクセルからなる
ブロックとし、所定数を0〜5の整数値のいずれか1つ
としている。このため、一般的な動き補償の際の16×
16ピクセルのマクロブロックに比べ、効果的な動き検
出が可能となる。しかも、判定基準が厳しいので、マル
チカラー画像であっても画像の乱れは生じにくくなる。
【0039】加えて、請求項4記載の発明では、請求項
1、2または3記載のマルチカラー画像からなる動画像
の符号化装置において、動きベクトルを用いないと判断
したブロックを、着目フレームの符号化時の走査方向と
直角となる方向に拾っていくと共に、着目画素の囲りの
参照画素を利用して当該各ブロック内の各画素を符号化
している。このように、動きベクトルを用いないブロッ
クを、着目フレームの符号化時の走査方向と直角となる
方向に拾っていき符号化するので、メモリが少なくて済
むと共に、メモリへのアクセスが少なくなり符号化速度
が向上する。
【0040】また、請求項5記載の発明では、インデッ
クスコードが付与されたカラー画素データからなる静止
画のフレームを連続させて動画像を形成する際、符号化
対象の着目フレームをそれぞれN×Nピクセル(Nは4
以上の整数)からなる複数のブロックに分割し、その着
目フレーム中のブロックが参照する参照フレーム中のブ
ロックと同一または類似しているとき、着目フレーム中
のブロック位置と参照フレーム中のブロック位置との相
対変位を動きベクトルとして動き補償を行うマルチカラ
ー画像からなる動画像の符号化方法において、動きベク
トルを用いるか否かの判断を行う判断工程を設け、この
判断工程によって両ブロックの対応する位置の画素が異
なる場合の数を算出し、その不一致数が所定数以下のと
きには同一または類似のブロックと判断している。この
ため、マルチカラー画像からなる動画像においても、自
然画と同様に動き補償が使用できることとなり、データ
圧縮が可能となる。
【0041】さらに、請求項6記載の発明は、請求項5
記載のマルチカラー画像からなる動画像の符号化方法に
おいて、ブロックは、MN×MNピクセル(Mは2以上
の整数)からなるより大きなマクロブロックを小ブロッ
ク化工程によってM×Mの数に分割され、判断工程は、
各分割されたブロック毎に動きベクトルを用いるか否か
の判断を行うために、参照フレーム内の対応するブロッ
クの対応する位置にある画素と当該ブロックの画素とが
異なる場合の数を算出し、その不一致数が所定数以下の
ときに同一または類似のブロックと判断し、マクロブロ
ックの動きベクトルを利用して動き補償を行うようにし
ている。
【0042】また、請求項7記載の発明は、請求項5記
載のマルチカラー画像からなる動画像の符号化方法にお
いて、ブロックは、MN×MNピクセル(Mは2以上の
整数)からなるより大きなマクロブロックを小ブロック
化工程によってM×Mの数に分割され、判断行程は、各
分割されたブロック毎に動きベクトルを用いるか否かの
判断を行うために、参照フレーム内の対応するブロック
の対応する位置にある画素と当該ブロックの画素とが異
なる場合の数を算出し、その不一致数が所定数以下のと
きにN×Nピクセルの ブロックについて同一または類
似のブロックと判断し、マクロブロックの動きベクトル
を利用して前記動き補償を行うようにしている。
【0043】このように、請求項6または7記載の発明
では、より大きなブロック間で動きベクトルを作成する
か否かを判断し、さらに小さいブロック間でも動き補償
を行うか否か判断しているため、動きベクトルの作成数
を増やすことなく動き補償の要否を厳格に判断すること
が可能となる。すなわち、マルチカラー画像の場合で
も、データ圧縮を効果的に行えるようになる。
【0044】また、請求項8記載の発明は、請求項5、
6または7記載のマルチカラー画像からなる動画像の符
号化方法において、ブロックを8×8ピクセルからなる
ブロックとし、所定数を0〜5の整数値のいずれか1つ
としている。このため、一般的な動き補償の際の16×
16ピクセルのマクロブロックに比べ、効果的な動き検
出が可能となる。しかも、判定基準が厳しいので、マル
チカラー画像であっても画像の乱れは生じにくくなる。
【0045】加えて、請求項9記載の発明は、請求項
5、6、7または8記載のマルチカラー画像からなる動
画像の符号化方法において、動きベクトルを用いないと
判断したブロックを、着目フレームの符号化時の走査方
向と直角となる方向に拾っていくと共に、着目画素の囲
りの参照画素を利用して当該各ブロック内の各画素を符
号化している。このように、動きベクトルを用いないブ
ロックを、着目フレームの符号化時の走査方向と直角と
なる方向に拾っていき符号化するので、メモリが少なく
て済むと共に、メモリへのアクセスが少なくなり符号化
速度が向上する。
【0046】また、請求項10記載の発明では、入力さ
れる対象符号化データをインデックスコードが付与され
たカラー画素データに復号するエントロピー復号化手段
と、該カラー画素データからなる静止画を連続させて動
画像を形成する動画像形成手段とを備え、動画像形成手
段は、復号化対象の着目フレームをそれぞれN×Nピク
セル(Nは4以上の整数)からなる複数のブロックに分
割し、その着目フレーム中のブロックに関する復号化デ
ータ中にそのブロックの相対変位の方向を示す動きベク
トルが存在するとき、参照フレーム中の同一または類似
のブロックを利用してそのブロックを復号する動き補償
を行うマルチカラー画像からなる動画像の復号化装置に
おいて、動きベクトルは、着目フレーム中のブロックと
参照フレーム中の対応するブロックの対応する位置の画
素が異なる場合のその不一致数が所定数以下のときに発
生させられたものとしている。
【0047】このため、マルチカラー画像からなる動画
像の復号化においても、自然画と同様に動き補償が使用
でき、復号化装置のメモリ容量を小さくできると共にデ
ータ復号の速度を向上させることができる。
【0048】さらに、請求項11記載の発明は、請求項
10記載のマルチカラー画像からなる動画像の復号化装
置において、ブロックを、MN×MNピクセル(Mは2
以上の整数)からなるより大きなマクロブロックから小
ブロック化手段によってM×Mの数に分割し、マクロブ
ロックの動きベクトルを利用して小さな各ブロックを復
号するか否か判断する判断手段を有している。このた
め、より大きなマクロブロック間の動きベクトルを利用
して小さなブロックの動き補償を行うことが可能になる
ので、動きベクトルの数を増やすことなく、小さなブロ
ックについても動き補償が可能となる。このため、マル
チカラー画像の復号化の場合でも、データのメモリ容量
を小さくできると共にデータ復号を効率的に行えるもの
となる。
【0049】また、請求項12記載の発明では、請求項
10または11記載のマルチカラー画像からなる動画像
の復号化装置において、ブロックを、8×8ピクセルか
らなるブロックとし、所定数を0〜5の整数値のいずれ
か1つとしている。このため、一般的な動き補償の際の
16×16ピクセルのマクロブロックに比べ、効果的な
動き復号化が可能となる。しかも、判定基準が厳しいの
で、マルチカラー画像であっても画像の乱れは生じにく
くなる。
【0050】加えて、請求項13記載の発明では、請求
項10、11または12記載のマルチカラー画像からな
る動画像の復号化装置において、動きベクトルを有しな
いブロックを、着目フレームの符号化時の走査方向と直
角となる方向につなぎ合わせて復号すると共にその復号
の際、着目画素の囲りの参照画素を利用して当該動きベ
クトルを有さないブロック内の各画素を復号化してい
る。このように、動きベクトルを用いないブロックを、
着目フレームの符号化時の走査方向と直角となる方向に
つなぎ合わせていき復号化するので、メモリが少なくて
済むと共に、メモリへのアクセスが少なくなり復号化速
度が向上する。
【0051】また、請求項14記載の発明では、入力さ
れる対象符号化データをインデックスコードが付与され
たカラー画素データに復号するエントロピー復号化工程
と、該カラー画素データからなる静止画を連続させて動
画像を形成する動画像形成工程とを備え、動画像形成工
程は、復号化対象の着目フレームをそれぞれN×Nピク
セル(Nは4以上の整数)からなる複数のブロックに分
割し、その着目フレーム中のブロックに関する復号化デ
ータ中にそのブロックの相対変位の方向を示す動きベク
トルが存在するとき、参照する参照フレーム中の同一ま
たは類似のブロックを利用してそのブロックを復号する
動き補償を行うマルチカラー画像からなる動画像の復号
化方法において、動きベクトルは、着目フレーム中のブ
ロックと参照フレーム中の対応するブロックの対応する
位置の画素が異なる場合のその不一致数が所定数以下の
ときに発生させられたものとしている。
【0052】このため、マルチカラー画像からなる動画
像の復号化においても、自然画と同様に動き補償が使用
でき、この方法を採用すると、復号化装置のメモリ容量
を小さくできると共にデータ復号の速度を向上させるこ
とができる。
【0053】さらに、請求項15記載の発明は、請求項
13記載のマルチカラー画像からなる動画像の復号化方
法において、ブロックを、MN×MNピクセル(Mは2
以上の整数)からなるより大きなマクロブロックから小
ブロック化工程によってM×Mの数に分割し、マクロブ
ロックの動きベクトルを利用して小さな各ブロックを復
号するか否か判断する判断工程を有している。このた
め、マルチカラー画像の復号化の場合でも、データのメ
モリ容量を小さくできると共にデータ復号を効率的に行
えるものとなる。
【0054】加えて、請求項16記載の発明は、請求項
14または15記載のマルチカラー画像からなる動画像
の復号化方法において、ブロックを、8×8ピクセルか
らなるブロックとし、所定数を0〜5の整数値のいずれ
か1つとしている。このため、一般的な動き補償の際の
16×16ピクセルのマクロブロックに比べ、効果的な
動き復号化が可能となる。しかも、判定基準が厳しいの
で、マルチカラー画像であっても画像の乱れは生じにく
くなる。
【0055】また、請求項17記載の発明は、請求項1
4、15または16記載のマルチカラー画像からなる動
画像の復号化方法において、動きベクトルを有しないブ
ロックを、着目フレームの符号化時の走査方向と直角と
なる方向につなぎ合わせて復号すると共にその復号の
際、着目画素の囲りの参照画素を利用して当該動きベク
トルを有さないブロック内の各画素を復号化している。
このように、動き補償を行わないブロックを、着目フレ
ームの符号化時の走査方向と直角となる方向につなぎ合
わせていき復号するので、メモリが少なくて済むと共
に、メモリへのアクセスが少なくなり復号速度が向上す
る。
【0056】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1から図
34に基づき説明する。なお、従来技術中のデータと対
応する各データには、同一符号を付して説明する。
【0057】図1に、本発明に係るマルチカラー画像か
らなる動画像の符号化システム1の好適な実施の形態を
示す。また、図3に、図1の符号化システム1に対応す
るマルチカラー画像からなる動画像の復号化システム3
の好適な実施の形態を示す。
【0058】この符号化システム1は、動き補償を行う
ための動きベクトルVを生成する動き予測部2と、入力
されるカラー画素データ100Aから動き予測部2で生
成されるデータを減算する減算器1aと、後述するイン
デックス変換部7に入力するデータと動き予測部2から
のデータとを加算する加算器1bと、静止画としてのフ
レームをメモリする2つのフレームメモリ1c,1d
と、各スイッチ5a,5b,5c,5d,5e,5fを
制御する制御回路5と、インデックス変換部7と、周辺
画素生成手段および参照画素生成手段となるラインバッ
ファ10と、縮退手段となるマルコフモデル生成部11
と、エントロピー符号化手段となる2つのエントロピー
符号器12,12aと、合成部20とを含み、入力され
るカラー画素データ100Aのデータストリームを符号
化データ200のデータストリームに変換して出力する
ように構成されている。
【0059】減算器1aおよび加算器1bによって、フ
レーム間の予測符号化手段を構成する。これは着目フレ
ームに対して隣接フレームの同一位置の画素データの減
算することにより、エントロピー符号器12に入力する
データの値を0近傍の値に収め符号化効率を上昇させる
手段である。フレームがRGB(Red,Green,
Blue)それぞれの色で表現されている場合には、減
算器1aおよび加算器1bによって演算する値は、それ
ぞれ色ごとに演算する。この場合は画素データ値の近傍
値が類似した色となっているため、差分値は0の近傍に
集中する。一方、インデックスパレットによって構成さ
れたマルチカラー画像では、画素データ値の近傍が必ず
しも類似色ではない。よってフレーム間の予測符号化
は、着目フレームと隣接フレームの値が同値、すなわち
同色の場合のみ0になる。このため、本発明において、
前述のフレーム間予測符号化手段は必須ではない。
【0060】次に、この動き補償の一般的な動作につい
て説明する。カラー画素データ100Aは、マルチカラ
ー画素データとして入力する。減算器1aでは、カラー
画素データ100Aから入力する現在の画素データと、
フレームメモリ1c,1dから転送する過去または未来
の画素データとの差分を行う。これは、フレーム間予測
符号化のフレーム間差分の減算器に当たる。なお、マル
チカラー画像では差分によってかえって、情報量が増大
する場合がある。この場合には、減算器を使用しない。
減算を行わない方法としては、図1に示すように、カラ
ー画素データ100Aを減算器1aを迂回する経路に接
続する方法の他、減算器を設けない方法、またはフレー
ムメモリ1c,1dからのデータに0情報を送る方法な
どがある。
【0061】さらに、スイッチ5aを通過したこの情報
を、加算器1bに入力するデータと、エントロピー符号
器12に入力するデータとに分岐させる。エントロピー
符号器12に入力するデータについては後述する。加算
器1bは、フレーム間予測符号化のフレーム間差分の加
算器に当たる。加算器1bでは、減算器1aで減算した
過去または未来のデータと同じデータで加算を行う。よ
って、この加算器1bを通過した信号は、減算前のカラ
ー画素データ100Aと同一となる。減算器1aと加算
器1bは、対にして、フレーム間予測符号化のフレーム
差分を行うので、減算器1aを使用しない場合には、加
算器1bは必要なく、スイッチ5fによって使用しない
側に切り換えられる。加算を行わないためには、図1に
示すように、加算器1bを迂回する経路に信号を切り替
える方法の他、フレームメモリ1c,1dからのデータ
線に0を入力する方法が採用される。
【0062】この元の信号と同一の信号を、動き予測部
2に入力する。元の信号が、ラスタスキャンにしたがっ
て入力されている場合には、動き予測部2にてブロック
単位の画素比較を行うために、画像バッファ(図示省
略)に画素データを入力する。この場合には、画像バッ
ファは少なくとも、ブロックの縦の画素数×画像フレー
ムの横画素数分の画像データを入力できる容量になる。
この画像バッファの値と、フレームメモリ1c,1dに
格納された過去または未来の画像データと排他的論理和
XORにて、該当画素が互いに一致しているかどうかを
検証する。この検証は、画像バッファ中のブロックと同
じ座標の、フレームメモリ1c,1d中のブロックを取
り出しXOR比較する他に、その同じ座標の周囲のブロ
ックについても比較する。
【0063】画素データは、マルチカラー画像では、1
画素あたり1バイト程度のデータから成り立つ。排他的
論理和XORは、フレーム画像データの画素と、画像バ
ッファの画素が同一であるかどうかの確認であるので、
1画素を表す全てのビットをXORするのではなく、ど
れか1ビットでも異なっているものがあれば、確認は終
了する。
【0064】画素の一致、不一致は、動き予測部2内の
カウンター(図示省略)によって、カウントする。ここ
では不一致検出ごとにカウンターが増大するとする。こ
のカウンターは、フレームメモリ1c,1dの1ブロッ
ク分のカウントを終了するごとにリセットされる。リセ
ット直前のカウント値は、カウンターに内在している、
カウント値の配列格納部(図示省略)に、現在の比較し
ているブロックの位置と、フレームメモリ1c,1dの
ブロック位置とのずれごとに格納する。
【0065】現在の画像の1ブロック分の比較の終了時
には、配列格納部中でカウント値のもっとも小さい値を
検索する。その値が設定した閾値よりも大きい場合に
は、現在のブロックが過去または未来の該当位置のブロ
ックと、同一または類似していないと判別する。判別の
結果によって行う動作は、順方向予測すなわち過去から
現在方向の予測と、逆方向予測すなわち未来から現在方
向の予測と、双方向予測すなわち過去または未来から現
在への予測とでは動作が異なる。
【0066】順方向予測では、同一または類似であると
判別した時、過去フレームの最も不一致点が少ない領域
を、現在のフレームへコピーする。逆に同一または類似
ではない時には、画像バッファから現在のフレームにコ
ピーする。このとき、動き予測部2以外の部分では、画
像バッファの比較したブロックに相当するデータをエン
トロピー符号器12によって符号化する。
【0067】逆方向予測では、同一または類似であると
判別した時、未来フレームの最も不一致点が少ない領域
を、現在のフレームへコピーする。逆に同一または類似
ではない時には、画像バッファから現在のフレームにコ
ピーする。このとき、動き予測部2以外の部分では、画
像バッファの比較したブロックに相当するデータをエン
トロピー符号器12によって符号化する。
【0068】双方向予測では、同一または類似でないと
判別した時、動き予測部2以外では、画像バッファの比
較したブロックに相当するデータをエントロピー符号器
12によって符号化する。同一または類似であると判別
した時は、順方向予測または逆方向予測と同一となる。
【0069】順、逆および双方向予測ともに、同一また
は類似であると判別した時の、最も不一致点が少ない領
域と、現在判断している領域との相対位置のずれを、動
きベクトルVとする。この動きベクトルVは、動きベク
トルV用に決める符号化手順により圧縮や多重化を行
う。
【0070】ここで、ブロックをN画素×N画素単位と
すると、このブロックの上位のM(Mは2以上の整
数)個のN×N単位のブロックによってMN×MNのマ
クロブロックMBを構成し、マクロブロックMBごとに
動きベクトルVを使用するか否か判断してもよい。その
場合には、ブロックごとの判断の閾値の他に、マクロブ
ロックMBに対する閾値を定めて、その閾値に対しての
判断を行う方法の他に、ブロックとマクロブロックMB
の双方の閾値を使う方法がある。
【0071】次に、この動き予測部2の具体的な動きを
図を参照しながら説明する。従来と同様に、全く予測を
用いないフレームをIピクチャー、過去の画像を用いて
予測を行うフレームをPピクチャー、過去と未来の画像
を利用して予測を行うフレームをBピクチャーとする
と、例えば図5(A)に示すように、入力順は、PBB
PBBIBBPBBPBBIとなる。このように、各フ
レームに役割を与えると、符号化順序は図5(B)に示
すとおりとなる。すなわち、例えば、No.8のフレー
ムは、No.7のIピクチャーとNo.10のPピクチ
ャーが符号化された後に、それらのデータを利用して符
号化される。この符号化の際、動き補償が適宜使用され
る。
【0072】動き補償は、PピクチャーとBピクチャー
を符号化するときに使用される。具体的には、符号化し
ようとするフレーム内を、図6に示すように、16×1
6ピクセルのマクロブロックMBに分割し、そのマクロ
ブロックMBと同一と判定されるマクロブロックを参照
フレームから捜し出す。なお、参照フレームは、Pピク
チャーを符号化するときはIピクチャーで、Bピクチャ
ーを符号化するときはIピクチャーとPピクチャーとな
る。
【0073】参照フレームから同一ブロックを捜し出す
方法は、従来と同様に、参照フレームの対応するマクロ
ブロックMBの位置およびその位置からわずかにずれた
位置のマクロブロックMBの各画素を対比することによ
り行う。この実施の形態では、同一か否かの判断を両マ
クロブロック内の対応する位置の画素が異なる場合のそ
の個数で行っている。すなわち、不一致数が所定値以下
となるときに、動き補償部2の判断手段2aが両マクロ
ブロックMBを同一と判断する。この実施の形態では、
このマクロブロックMBの判定のための所定値を20個
としている。
【0074】同一と判断すると、動き予測部2は、両マ
クロブロックMBの移動方向をベクトル化した動きベク
トルVを生成し、その値をハフマンテーブルを利用した
一方のエントロピー符号器12aへ送出する。動き予測
部2は、マクロブロックMBを4つに分割して小さな4
つのブロックSBを生成する小ブロック化手段2bを有
している。そして、このちいさなブロックSBについて
も同一か否かを判断手段2aにて判定している。この実
施の形態では、そのブロックSBと参照フレーム中のブ
ロックSBの画素の不一致数が3個以下のとき、両ブロ
ックSBは同一と判断している。同一か否かの判定基準
となる所定数としては、0〜5個の値とするのが、マル
チカラー画像の乱れが生じずかつ効果的な圧縮を行うた
めには好ましい。なお、ブロックSBはここではマクロ
ブロックMBを4つに分割しているが、そのブロック数
は4つに限るものではなく、また最も小さいブロックと
しては、1画素も許される。
【0075】なお、この小さなブロックSBについて
は、動きベクトルV用のデータ部分を設けず、先のマク
ロブロックMBの動きベクトルVをそのまま利用する。
このため、動きベクトルV用のデータ部分は小さくな
り、データ増大を招くことがない。一方、同一か否かの
判定は、小さなブロックSBで厳しく行うことができる
ので、マルチカラー画像の乱れも生じない。
【0076】例えば、図6に示すマクロブロックMB
と、参照フレームのマクロブロックMBとの画素の不一
致数が仮に18個とすると、両マクロブロックMBは同
一と判定され、動きベクトルVが生成される。一方、小
さなブロックSB(1)の不一致数が3個、SB(2)
が2個、SB(3)が2個とすると、小さなブロックS
B(1),SB(2),SB(3)は同一のものがある
と判定され、マクロブロックMBによって生成された動
きベクトルVを利用してデータ圧縮される。しかし、小
さなブロックSB(4)の不一致数は11個となること
となり、この小さなブロックSB(4)は、動き補償を
使用することなく、その画素が符号化される。
【0077】この実施の形態では、マクロブロックMB
の同一判定を甘くし、小さなブロックSBの同一判定を
厳しくしている。このため、動きベクトルを利用できる
ブロックが増える一方、画像の乱れも生じないものとな
る。なお、画像の性質によっては、マクロブロックMB
の同一判定を厳しくし、小さなブロックSBの同一判定
を甘くしたり、両者を同一レベルのものとしても良い。
【0078】インデックス変換部7は、図2に示すよう
に、参照画素生成手段となるラインバッファ10と、縮
退手段となるマルコフモデル生成部11と、エントロピ
ー符号化手段となるエントロピー符号器12とに接続さ
れ、状態信号STを生成する状態生成部13と、プリス
キャン時に2種類の変換テーブルを生成する変換テーブ
ル生成部14と、参照順位テーブル15と、符号化時に
画素インデックス(カラーシンボル)3を入力し、イン
デックス変換する画素インデックス変換テーブル16
と、カラーパレット変換部17と、変換された変換カラ
ーパレット18と、変換された画素インデックスを入力
し、所定の順位を出力する判別部19とを含むように構
成されている。
【0079】なお、この実施の形態において、符号化の
対象とするカラー画素は、マルチカラーの画素インデッ
クス100Aであり、1画素当たり8ビットのインデッ
クスコードのデータで構成され、256色分のカラーシ
ンボルを表示できる。
【0080】ラインバッファ10は、プリスキャン時に
は、参照画素を状態生成部13に入力し、符号化時には
参照画素をマルコフモデル生成部11に入力している。
マルコフモデル生成部11は、図7(A)に示すよう
に、符号化対象画素buf〔i〕に対し参照画素とし
て、周辺の4画素R
〔0〕〜R〔3〕を取り入れ、マル
コフ状態信号CXを発生させている。
【0081】エントロピー符号器12は、後述するよう
に、予測ランレングス符号化によってモデル化されて画
像信号を符号化コード化するものとなっている。このエ
ントロピー符号器12は、図40に示す算術型のエント
ロピー符号器や、ハフマン符号を使用した符号器を採用
するようにしても良い。なお、エントロピー符号器12
の構成、動作、機能の詳細については後述する。
【0082】状態生成部13は、符号化プロセスに先立
つプリスキャン時に動作するもので、図7(A)に示す
ように、符号化対象画素をbuf〔i〕としたとき、そ
の周辺の参照画素R
〔0〕〜R〔03〕の状態を図8に
示すように区分けするものとなっている。例えば、R
〔0〕〜R〔3〕がすべて同一の色の時は、状態信号S
Tは「0」となり、R
〔0〕〜R〔3〕がすべて互いに
異なる色のときは状態信号STは「33」となる。な
お、符号化対象画素buf〔i〕は、先頭ラスタにある
ときは、図7(B)に示すように、現れてこない部分で
ある参照画素R〔1〕〜R〔3〕にはすべて「0」、す
なわち後述するように最も頻度の高い画素インデックス
を設定する。また、符号化対象画素buf〔i〕が、画
像の先頭であるとき、R
〔0〕〜R〔3〕のすべてに
「0」を設定する。
【0083】変換テーブル生成部14も、プリスキャン
時にのみ動作する。そして、符号化対象画素buf
〔i〕が4つの参照画素(以下R〔4〕という)と一致
した場合、状態信号毎にその一致した色の位置の度数を
算出すると共に、参照画素R〔4〕の中に符号化対象画
素buf〔i〕が無いときには、その一致しなかった画
素インデックスの出現度数をカウントする。
【0084】例えば、状態信号STが「3」のとき、図
9(A)に示すように、符号化対象画素buf〔i〕が
参照画素R
〔0〕と一致した数をNAとし、参照画素R
〔2〕と一致した数をNBとすると、NA>NBなら作
成する参照順位テーブル15の参照画素位置は、図9
(B)に示すように、0位にR
〔0〕がきて、1位にR
〔2〕がくる。一方、NA<NBのときは、図9(C)
に示すように、0位にR〔2〕、1位にR
〔0〕がく
る。このようにして、図10に示すような参照順位テー
ブル15が作成される。なお、参照順位テーブル15中
の数字、例えば、状態信号STが「3」のときの0位の
「2」、1位の「0」は、先に示した例で言えば、0位
のR〔2〕の「2」を、1位のR
〔0〕の「0」を示し
ている。また、状態信号STが「0」のときは0位のみ
であり、参照順位テーブル15から除かれるため、その
テーブル15は縦が14個、横が4個のテーブルとなっ
ている。
【0085】また、変換テーブル生成部14は、参照画
素R〔4〕の中に符号化対象画素buf〔i〕の色が無
いときは、図11に示すように、参照画素R〔4〕中に
なかった度数を画素インデックス毎にカウントする。そ
して、図12に示すような画素インデックス変換テーブ
ル16を生成する。なお、図12に示すものは、N2≧
N0 ≧…≧Nn の場合となっている。
【0086】カラーパレット変換部17は、カラーパレ
ット(例えば、図13の左側に示すようなカラーパレッ
ト)9を、画素インデックス変換テーブル16を利用し
て図13(B)に示すような変換カラーパレット18を
生成している。例えば、画素インデックス(カラーシン
ボル)C2 がRGBの三原色の組み合わせとしてRGB
2 なるものとされているとき、参照画素R〔4〕中に無
かった度数の順位が1番目すなわち順位として0順位の
とき、変換カラーパレット18では最上位すなわちカラ
ーシンボルC0 の位置に設定されることとなる。
【0087】判別部19は、符号化時に動作するもの
で、画素インデックス変換テーブル16によって変換さ
れた画素インデックスと、状態信号STに基づく参照画
素が入力される。そして、その画素インデックスと参照
画素が一致したときは、参照順位テーブル15に基づい
てその順位を出力する。一致しなかった場合は、その画
素インデックスの順位に、マルコフ状態信号CXに1を
加えた数を加算して出力する。例えば、変換された画素
インデックスがCn のときで状態信号STが「3」の場
合は、その画素インデックスCn と同一の色が参照画素
〔0〕にあったときは、順位として「1」を出力す
る。一方、画素インデックスCn が参照画素R〔4〕中
に無いときは、CXが「1」なので、「n+1+1」=
「n+2」を出力する。
【0088】エントロピー符号器12は、判別部19の
出力をマルコフ状態信号CXでマルコフモデル化し、可
変長符号化する。合成部20では、変換カラーパレット
18のデータと、参照順位テーブル15のデータと、エ
ントロピー符号器12からの出力とを合成して符号化デ
ータ200として出力する。この実施の形態では、符号
化データ200は、画像のサイズ等の情報に続き、変換
カラーパレット18のデータ、参照順位テーブル15の
データ、最後にエントロピー符号器12によって符号化
された符号化コードという順に出力されるが、基本的に
は符号化データ200中に入っていれば良く、他の順序
としても良い。
【0089】次に、以上の構成を有する符号化システム
1の動作について、図14および図15に示すフローチ
ャートに基づいて説明する。なお、動き予測部2の動作
は、既に説明したので、ここではインデックス変換部7
およびその周辺の部材の動作について説明する。
【0090】符号化システム1の動作は、プリスキャン
プロセスと符号化プロセスとに分かれる。符号化の前処
理に当たるプリスキャンプロセスでは、後段の符号化プ
ロセスで適切な符号化が行えるように、画素インデック
ス変換テーブル16および参照順位テーブル15の作成
を行う。このために、まず、スイッチ21を端子21a
に接続する。そして、ステップS0では変換テーブル生
成部14中の後述するカウントテーブルならびに参照順
位テーブル15および画素インデックス変換テーブル1
6の初期化ならびに後述する符号化処理のための各種変
数の初期化を行う。
【0091】ステップS1では、入力画像のカラーパレ
ット9のデータをカラーパレット変換部17中の配列p
allet〔 〕に入力する。ステップS2では、入力
画像の画素インデックス100Aをラインバッファ10
中の配列buf〔 〕に入力する。次に、ステップS3
では、符号化対象画素buf〔i〕の周辺の4画素をラ
インバファ10から取り出し、変換テーブル生成部14
や状態生成部13等の配列R〔 〕に入力する。符号化
対象画素buf〔i〕と参照画素R
〔0〕〜R〔3〕の
位置関係は図7に示すとおりである。ステップS4で
は、ラインバファ10から抽出した参照画素に基づき、
図8の基準で状態信号STを生成する。
【0092】ステップS5では、参照画素R〔4〕の中
に符号化対象画素buf〔i〕と一致するものがあるか
どうか調べる。その後、ステップ6で参照画素R〔i〕
と一致した場合、変換テーブル生成部14中の参照順位
テーブル15用のカウントテーブルN_table_A
〔ST+j〕に1を加える。ここで、jは参照画素の位
置を現すため、N_table_A〔 〕には、参照画
素の状態と一致した位置毎に、一致した回数がカウント
される。次のステップS7では、参照画素と一致しない
場合、変換テーブル生成部14中の画素インデックス変
換テーブル16作成用のカウントテーブルN_tabl
e_B[buf〔i〕]に1を加える。つまり、カウン
トテーブルN_table_B[buf〔i〕]には、
参照画素と一致しなかった画素について、その画素イン
デックス3ごとにカウントされる。
【0093】ステップS8で、すべての画素データにつ
いて、ステップS3からステップ6あるいはステップ7
までの処理を繰り返す。カウントテーブルN_tabl
e_B〔 〕には、画素インデックス100A毎に出現
度数がカウントされている。ステップS9では、これを
基に出現度数の多いものから昇順のコードに変換する画
素インデックス変換テーブル16を作成する。このテー
ブル16により、出現度数の多い画素インデックス10
0Aほど、小さいインデックス値に変換され、その特性
に合わせたエントロピー符号化を用意すれば、いかなる
画像であっても最も効率の良いエントロピー圧縮を行う
ことができる。
【0094】ステップS10では、その参照順位を記述
した参照順位テーブル15を作成する。すなわち、カウ
ントテーブルN_table_A〔 〕には、参照画素
の状態信号STと、符号化対象画素buf〔i〕に一致
した参照画素位置毎にその度数がカウントされているの
で、度数の多い順に昇順を付ければ、最も効率の良い圧
縮が期待できる。
【0095】プリスキャンプロセスによって、参照順位
テーブル15と画素インデックス変換テーブル16を作
成後、図15に示す符号化プロセスを実行する。この実
行に当たり、まずスイッチ2を端子21b側に切り換え
る。
【0096】プリスキャンプロセスにて作成された参照
順位テーブル15は、復号処理に必要となる。このた
め、圧縮ストリームのヘッダ情報の一部として符号化デ
ータ200のストリームに付加するために、ステップS
11で、合成部20に出力される。ステップS12で
は、プリスキャンプロセスで作成した画素インデックス
変換テーブル16を用いて、画素インデックス100A
の変換を行う。この変換により参照画素と一致しなかっ
た画素インデックス100Aが、その出現度数の大きい
順に昇順のコードとなる。
【0097】画素インデックス100Aの変換に伴っ
て、カラーパレットも復号側で正しい色が再現されるよ
うに変換する必要がある。このため、ステップS13
で、画素インデックス変換テーブル16を利用して、カ
ラーパレット変換部17で変換カラーパレット18の作
成を行う。変換された変換カラーパレット18は、合成
部20に入力し、符号化データ200からなる圧縮スト
リームのヘッダ情報の一部として付加される。ステップ
S14では、プリスキャンプロセスのステップS3と同
じ動作をする。すなわち、ラインバッファ10から参照
画素R〔4〕を取り出し、マルコフモデル生成部11や
状態生成部13に入力する。
【0098】次のステップS15では、プリスキャンプ
ロセスのステップS4と同じ動作をする。すなわち、状
態生成部13で、図8に示す基準に基づいて状態信号S
Tを、参照順位テーブル15に向けて出力する。ステッ
プS16では、マルコフ状態信号CXを生成する。この
マルコフ状態信号CXは、参照画素の色数を現す値で、
図8の表に基づいて参照画素の状態から生成する。な
お、この符号化プロセスのフローでは明記しないが、こ
のマルコフ状態信号CXは、エントロピー符号化を行う
際のマルコフモデル化のための符号化条件としても用い
ている。
【0099】ステップS17では、符号化対象画素bu
f〔i〕が、参照画素R〔4〕と一致するか否か調べ
る。具体的には、参照順位テーブル15中の状態信号S
Tに対応する欄内を0からCXと等しい値まで変化さ
せ、符号化対象画素buf〔i〕と一致するか調べてい
く。参照画素と一致した場合は、即ステップS18に進
み、そうでない場合はステップS19に進む。
【0100】参照画素と一致した場合は、その時の順位
をエントロピー符号化する(ステップS18)。参照画
素と一致しなかった場合は、符号化対象画素buf
〔i〕を直接エントロピー符号化する。ただし、(CX
+1)個の符号が参照画素と一致した場合の符号に割り
当てられているので、(CX+1)を加算して符号化す
る(ステップS19)。ステップ20で、すべての画素
データについて、ステップS14からステップS18あ
るいはステップS19までの処理を繰り返す。
【0101】ところで、上述したフローでは、ステップ
S18あるいはステップS19で順位の確定と共に逐次
エントロピー符号化を行うようになっているが、全画素
の順位と対応するマルコフ状態信号CXを一旦バッファ
に格納し、まとめて後述する符号化を行っても良い。例
えば、後述する予測ランレングスの符号化方法を採用し
た場合、符号化対象シンボル以降の未来のシンボルをま
とめて符号化することとなる。
【0102】なお、PピクチャーやBピクチャーの符号
化において、所定のマクロブロックMBが動き補償を行
わないと判断されたとき、それらのマクロブロックMB
が拾われ、連続して符号化される。例えば、図16
(A)に示すように、マクロブロックMBのNo.1〜
No.7が動き補償を行わないものであるとき、符号化
はNo.1→No.4→No.2→No.6→No.7
→No.5→No.3の順で行われる。このため、メモ
リ容量を小さくしても効果的な圧縮が可能となる。動き
予測の結果、動きベクトルVを利用しないで、エントロ
ピー符号化を行い復号化システム3に伝送する場合、マ
クロブロックMBの符号化の再には、図16(B)のよ
うにマクロブロックMB内をラスタスキャンによって画
素値をラインバッファ10に格納しつつ符号化する。例
えば、図16(B)に示す、No.1,4,2のマクロ
ブロックMBをNo.1→No.2の順で符号化する
と、No.2のマクロブロックMBのNo.1と隣接す
る部分の画素を効果的に圧縮するには、No.1のマク
ロブロックMBの右端側の少なくとも1列について記憶
するためのメモリが余分に必要となると共にアクセスの
手間がかかる。ところが、No.1→No.4の順で符
号化すると、No.4のマクロブロックMBのNo.1
と隣接する部分の画素の符号化には先に示した最新出現
表をそのまま利用でき、余分なメモリが必要とならずア
クセス時間も速くなる。
【0103】なお、復号化システム3に伝送されるブロ
ックは、1度エントロピー符号化をかけられるが、動き
ベクトルVを使用することによって画像そのものを復号
化システム3に伝送しなくなるブロックは1度もエント
ロピー符号化がかけられないこととなる。
【0104】次に、符号化システム1に対応したマルチ
カラー画像からなる動画像の復号化システム3について
説明する。
【0105】この復号化システム3は、動き補償部4
と、後述するインデックス変換部8からのデータと動き
補償部4からのデータとを加算する加算器3aと、2つ
のフレームメモリ3b,3cと、各スイッチ6a,6
b,6c,6dを切り替える制御回路6と、インデック
ス変換部8と、周辺画素生成手段および参照画素生成手
段となるラインバッファ30と、縮退手段となるマルコ
フモデル生成部31と、エントロピー復号化手段となる
2つのエントロピー復号器32,32aと、分離部33
とを含み、入力される符号化データ200のデータスト
リームをカラー画素データ100Bのデータストリーム
に変換して出力するように形成されている。
【0106】このとき、復号化システム3のアルゴリズ
ムは、符号化システム1のアルゴリズムと全く逆のアル
ゴリズムになるように構成されている。したがってカラ
ー画素データ100Aのビット構成およびデータストリ
ームと、カラー画素データ100Bのビット構成および
データストリームとは全く同じものとなる。また、動き
補償部4は、先の符号化システム1の動き予測部2と基
本的に同一となっており、その内部に、動きベクトルV
の有無を判断する判断手段4aを有している。
【0107】すなわち、動き補償部4の動作は、動き予
測部2と逆の動作を行う。動きベクトルVの情報を元に
して、動きベクトルVと、その動きベクトルVを使用す
るか否かの情報を入手する。動きベクトルVを使用する
場合には、フレームメモリ3b,3c中のデータを復号
し、動きベクトルVを使用しない場合には、エントロピ
ー復号器32から復号したデータを、復号データとして
採用する。
【0108】動きベクトルVを使用する場合、順方向の
ときには過去のデータから、逆方向のときには未来のデ
ータから、それぞれデータを転送する。双方向の場合に
は、過去または未来のいずれかを選択し転送する。一
方、動きベクトルVを使用しない場合には、エントロピ
ー復号器32からのデータを復号データとして出力する
他に、順、逆方向の場合には、現在のフレームデータと
してフレームメモリ3b,3cに格納する。
【0109】フレーム間予測符号の差分符号化に関して
は、復号化システム3には加算器3aを含むこととな
る。符号化システム1の構成に準じて、加算器3aを迂
回させたりまたは、加算器3aのもう一方の入力に0を
入力することによってフレーム間予測符号の差分符号化
を回避させることができる。
【0110】インデックス変換部8は、参照画素生成手
段となるラインバッファ30と、縮退手段となるマルコ
フモデル生成部31と、エントロピー復号化手段となる
エントロピー復号器32とに接続され、状態信号STを
生成する状態生成部34と、参照順位テーブル35と、
画素インデックス(カラーシンボル)生成部36とを含
むように構成されている。
【0111】ラインバッファ30は、符号化システム1
のラインバッファ10と同様に複数の画素を保存できる
ものとなっている。そして、その値を周辺画素としてマ
ルコフモデル作成部31や状態生成部34等に入力し、
参照順位テーブル35や各信号ST、CXを作成してい
る。
【0112】エントロピー復号器32は、マルコフ状態
信号CXを利用して、入力する符号化データ200中の
符号化コードを、エントロピー符号器12と逆の手順で
復号化演算処理する。なお、エントロピー復号器32
は、エントロピー符号器12とは全く逆のアルゴリズム
でその演算を行うように形成しなければならない。した
がって、エントロピー復号器32は、エントロピー符号
器12に算術符号器が用いられた場合には、それと同様
な構成の算術復号器として形成する必要があり、また、
エントロピー符号器12にハフマン符号器が用いられた
場合には、それと同じ構成のハフマン復号器として構成
する必要がある。
【0113】分離部33は、符号化データ200のデー
タストリームより変換カラーパレット18のデータと、
参照順位テーブル35のデータとを分離するものであ
る。そして、その内部に符号化システム1の合成部20
と逆の機能が設定されており、エントロピー符号器12
で符号化された符号化コードをエントロピー復号器32
に出力する。
【0114】状態生成部34は、符号化システム1中の
状態生成部13と同様な構成、機能を有しており、図8
に示す表に示された基準に基づいて状態信号STを出力
する。参照順位テーブル35は、分離部33で分離され
た参照順位テーブル35用のデータによって構成され、
符号化システム1中の参照順位テーブル15と同様な表
となっている。画素インデックス生成部36は、符号化
システム1で生成された所定順位のデータおよびマルコ
フ状態信号CXならびに参照順位テーブル35の各デー
タから画素インデックス6を出力する。
【0115】次に、このように構成される復号化システ
ム3の動作について、図17に示すフローチャートに基
づいて説明する。
【0116】まず、ステップS30で、参照画素や後述
する予測ランレングス(PRLC)復号のための各種変
数の初期化を行う。次に、分離部33によって符号化デ
ータ200の圧縮ストリームのヘッダに付加された参照
順位テーブル35のデータを抽出し参照順位テーブル3
5を生成する(ステップS31)。ステップS32で
は、圧縮ストリームとなる符号化データ200のヘッダ
に付加された変換カラーパレット18のデータを同様に
分離部33によって抽出し出力する。
【0117】次に、ステップS33で、参照画素R
〔4〕を抽出する。これは符号化プロセスのステップS
14と全く同様となっている。ステップS34では、マ
ルコフ状態信号CXを生成する。これは符号化プロセス
のステップS16と全く同様となっている。ステップS
35では、PRLCによるエントロピー復号により復号
順位Xを得る。
【0118】ステップS36では、画素インデックス生
成部36において、順位Xがマルコフ状態信号CXの値
以下かどうかを判定する。順位Xが値CX以下の場合、
復号される画素インデックスが参照画素に存在すること
を示し、ステップS37に進む。それ以外は、ステップ
S38に進む。ステップS37では、状態信号STで区
分される中に存在する順位Xが指し示す位置にある参照
画素の画素インデックス100Bを出力する。
【0119】ステップS38では、復号順位Xが参照画
素を指し示さない場合は、復号順位Xそのものが復号さ
れる画素インデックス6となる。ただし、(CX+1)
個の符号が参照画素に割り当てられているため、復号順
位Xから(CX+1)を差し引く必要がある。ステップ
S39で、すべての画素インデックス6の復号が完了す
るまで、ステップS33からステップS37あるいはス
テップS38までを繰り返す。そして、すべての画素イ
ンデックス6の復号が終了すると、復号動作が終了す
る。
【0120】次に、先に説明した符号化システム1中の
エントロピー符号器12で行う符号化について説明す
る。この実施の形態では、いわば予測ランレングス(以
下、PRLCという)と称するものを採用している。こ
のPRLCは、良く知られているランレングス符号化を
改良したもので、そのアルゴリズムの概要について、図
18から図20に基づいて説明すると共に、このPRL
Cの基礎となる基本的な符号化方法等を図21および図
22に基づいて説明する。
【0121】この符号化の基本のアルゴリズムは、従来
から良く知られているQMコーダと同様、基本的には、
2値のビット列を圧縮の対象としている。まず初期値と
して、“0”か“1”のいずれかを優勢シンボルと定
め、そのシンボルが連続すると予測する個数runを設
定する。入力系列の出現確率が不明の場合は、runを
1に設定するのが良い。その上で、以下に示すようなル
ールに従い符号化を進める。なお、個数runが予測ビ
ット数に相当する。
【0122】図18に示すように、runで示される注
目系列がすべて優勢シンボルであると予測し、予測が当
たったとき、符号語として“0”を出力し、この系列の
符号化を完了する。はずれた場合は“1”を出力し、次
の分割符号化工程を実行する。
【0123】予測がはずれた場合は、図19に示すよう
に注目系列を前半部系列と後半部系列の2つに分け、前
半部がすべて優勢シンボルのときは符号語として“0”
を、前半部系列に劣勢シンボルが存在し後半部がすべて
優勢シンボルのときは、符号語として“10”を、前半
部にも後半部にも劣勢シンボルが存在するときは“1
1”をそれぞれ出力する。そして、劣勢シンボルが存在
する系列は、さらに系列を分割する(図20参照)。劣
勢シンボルが存在する系列は、可能な限り系列を分割し
て上述の分割符号化工程を繰り返す。
【0124】なお、分割は必ずしも2つの均等分割とす
る必要はなく、不均等な分割としたり3つ以上の分割と
しても良い。また、予測が当たったとき“0”ではな
く、優勢シンボルを出力し、はずれた場合“1”ではな
く、劣勢シンボルを出力するようにしたり、予測当たり
で“1”を、予測はずれで“0”を出力するようにして
も良い。
【0125】以上がこの符号化の前提となるデータ符号
化の基本アルゴリズムであるが、さらに、入力系列の出
現確率の変化に追随し、符号化効率を向上させるため、
以下の処理を加えるようにしても良い。
【0126】すなわち、runで予測した系列が続けて
所定回数、例えば、2回当たったとき、runを2倍等
に増加させる。なお、予測が的中し続けた場合、さらに
予測範囲を拡大していく。一方、runで予測した系列
が2回以上劣勢シンボルを含むと共にrunを1/2倍
する。予測がはずれ続けた場合、さらに1/2倍してい
く。そして、runが1で、それが劣勢シンボルのとき
は、以降の入力系列を反転させる。すなわち、優勢シン
ボルを変更させる。
【0127】なお、runで予測した系列の後半部系列
に劣勢シンボルが存在するとき、runをいきなり1/
4等に減少させるようにしても良い。これは、後半部に
劣勢シンボルが存在するときは、次に続く系列に劣勢シ
ンボルが多く含まれると判断されているためである。こ
のため、runで予測した系列の前半部系列のみに劣勢
シンボルが存在するときは、後半部に劣勢シンボルが存
在するときより多い値、例えばrunを1/2倍するよ
うにしても良い。
【0128】この実施の形態のエントロピー符号器12
内の符号化プロセスは、次に説明する図21および図2
2の符号化プロセスを改良したものであり、まずその符
号化プロセスについて説明する。改良前の符号化プロセ
スは、図21の符号化メインルーチンと図22の符号化
サブルーチンにより構成される。なお、図22中の符号
化サブルーチンは、サブルーチンから同じサブルーチン
を呼び出すいわゆる関数の再帰読出しを行っている。
【0129】まず、図21の符号化メインルーチンの各
ステップについて説明する。なお、符号化の対象は2値
のビット列からなる入力系列となっている。最初に、予
測の初期値runの設定と優勢シンボルの選択(“0”
または“1”)を行う(ステップS50)。次に、ロー
カル変数ofsに0を、widthにrunを代入する
(ステップS51)。ここでofsは、符号化のために
予め定義した配列Aのポインタで、予測開始ビット位置
を示す。したがって初期値は0となる。widthはo
fsで示したビット位置から何ビットを予測の対象にす
るかを示す値で、ここでは、予測の初期値runが代入
される。その後、予め定義した配列AのA〔ofs〕か
らA〔width−1〕までに入力ビットを書き込む
(ステップS52)。そして、A〔ofs〕からA〔w
idth−1〕のすべての要素が優勢シンボルのときス
テップS54へ進み、ひとつでも劣勢シンボルが含まれ
ているときは、ステップS55へ進む。
【0130】予測が的中した場合、符号語として予測当
たり信号“0”を出力し、配列Aに取り込んだ系列の符
号化を完了する(ステップS54)。一方、予測はずれ
た場合、符号語として予測はずれ信号“1”を出力する
(ステップS55)。そして、widthが1以上か否
かを検出する(ステップS56)。widthが1以下
ならこれ以上分割できないので、ステップS7の符号化
サブルーチンへは移行せずステップS58へ移行する。
一方、widthが1を超えていると、図22の符号化
サブルーチンを呼び出す(ステップS57)。
【0131】ステップS58では、予測runの再設定
と必要ならば優勢シンボルの変更を行う。すなわち、こ
のステップS58においては、基本的には予測が的中す
れば、runを大きくし、はずれれば小さくする。そし
てrunを小さくしても予測が所定回数はずれ続けるよ
うなら、優勢シンボルの変更を行う。なお、予測の的中
や予測のはずれをどのように評価するかについては、さ
まざまな方法を採用することができる。たとえば、予測
がはずれた場合、直ちにrunを小さくしたり、2回以
上連続してはずれたとき、初めてrunを小さくする等
の方法を採用することができる。さらに、前半部系列も
しくは後半部系列のみはずれた場合と、両方はずれた場
合とでrunの縮小の度合いを異ならせる方法も採用で
きる。また、符号済みビット系列で所定の確率テーブル
を引き、次の予測runを設定する等の方式も採用可能
である。
【0132】符号化メインルーチンで1次予測がはずれ
た場合は、ステップS57で図22に示す符号化サブル
ーチンを呼び出す。符号化サブルーチンへ渡す引き数
は、ofsとwidthである。以下、符号化サブルー
チンの各ステップについて説明する。
【0133】符号化サブルーチンでは、予測を前半部系
列と後半部系列に分けて行うため、予測の範囲を半分に
する(ステップS60)。すなわち、親ルーチンから引
き数として受け取ったwidthを1/2にする。そし
て、次のステップS61で、前半部系列(配列のA〔o
fs〕からA〔ofs+width−1〕まで)がすべ
て優勢シンボルか否かをチェックする。すべて優勢シン
ボルならステップS62へ進む。ひとつでも劣勢シンボ
ルが存在したら、直ちにステップS64へ進む。
【0134】前半部系列がすべて優勢シンボルなら、符
号語として“0”を出力する(ステップS62)。そし
て、前半部系列の先頭位置を示すポインタofsにwi
dthを加え、後半部系列の先頭位置を示すように変更
する。また、前半部系列がすべて優勢シンボルのとき
は、後半部系列に必ず劣勢シンボルが存在するので、後
半部系列の予測がはずれたことを示す符号語“1”を出
力する必要がない。したがって、後述するステップS7
0はスキップし、ステップS71に進む。
【0135】一方、前半部系列に劣勢シンボルが存在す
る場合、符号語として“1”を出力する(ステップS6
4)。次に、widthが1を超えているか否かをチェ
ックする(ステップS65)。1以下の場合、これ以上
分割できないので、子の符号化サブルーチン(ステップ
S66)の呼び出しをスキップし、ステップS67へ移
行する。なお、widthが2以上なら、さらに系列を
2つに分け、それぞれを符号化しなければならない。そ
のための子の符号化サブルーチンを呼び出す(ステップ
S66)。子の符号化サブルーチンは、図22に示した
符号化サブルーチンと全く同一となっている。つまり、
ここでは、同一ルーチン(関数)の再帰呼び出しを行
う。
【0136】符号化サブルーチンの再帰呼び出しによっ
て前半部系列の符号化を終了すると、前半部系列の先頭
位置を示すポインタofsにステップS60で設定した
widthを加え、後半部系列の先頭位置を示すように
変更する(ステップS67)。その後、後半部系列(配
列のA〔ofs〕からA〔ofs+width−1〕ま
で)がすべて優勢シンボルか否かをチェックする(ステ
ップS68)。すべて優勢シンボルならステップS69
へ進む。ひとつでも劣勢シンボルが存在したら、直ちに
ステップS70へ進む。そして、後半部系列がすべて優
勢シンボルなら、符号語として“0”を出力する(ステ
ップS69)。
【0137】一方、前半部系列に劣勢シンボルが存在す
る場合、符号語として“1”を出力する(ステップS7
0)。そして、次に、widthが1を超えているか否
かをチェックする(ステップS71)。1以下の場合、
これ以上分割できないので、子の符号化サブルーチンを
実行するステップS72をスキップし、次の注目系列の
符号化工程へリターンする。なお、後半部系列について
も、widthが2以上なら、さらに系列を2つに分
け、それぞれ符号化する。そのため図22に示す符号化
サブルーチンと同一の子の符号化サブルーチンを呼び出
す(ステップS72)。この符号化サブルーチンの再帰
呼び出しによって後半部系列の符号化を実行する。
【0138】以上のような符号化プロセスの具体例を次
に説明する。すなわち、符号化の具体例として、予測の
初期値runを8、優勢シンボルを“0”として、“0
0001001”として表される入力ビットを符号化す
る場合について説明する。
【0139】まず、図21の符号化メインルーチンのス
テップS52で、A
〔0〕からA〔7〕に、上記の入力
ビットを入力する。ステップS53では、A
〔0〕から
A〔7〕のすべてが“0”かどうか判定する。上の例の
場合、ビット列に“1”が含まれているので、ステップ
S55に移行し、まず符号語として“1”を出力する。
続いてステップS56では、widthの大きさをチェ
ックするが、widthはこのとき8なので、符号化サ
ブルーチン(ステップS57)に進む。
【0140】符号化サブルーチンでは、まずステップS
60で、widthを1/2の4に設定する。そしてス
テップS61で、入力ビットの前半部、つまりA
〔0〕
からA〔3〕がすべて0かどうかチェックする。この場
合、すべて“0”なのでステップS62に進み、符号語
として“0”を出力する。以上で前半部系列の符号化が
完了する。続いてステップS63を実行し、後半部系列
の符号化に移るが、前半部系列がすべて“0”の場合、
後半部系列に“1”が含まれるのは明らかである。した
がって、ステップS71でwidthが1以下でない限
り後半部系列をさらに分割して符号化しなければならな
い。そこで、符号化サブルーチンを子プロセスとしてス
テップS72で再び呼び出す。なお、そのための前処理
として、上述したようにステップS63では、ofsに
widthを加え、ofsを後半部系列の先頭位置にセ
ットする。
【0141】ステップS72では、ofsとwidth
を引き数として子の符号化サブルーチンを呼び出す。子
の符号化サブルーチンを実行するステップS72では、
まず、図22に示す符号化サブルーチンのステップS6
0でwidthをさらに半分にして2に変更する。次の
ステップS61では、前半部系列、すなわちA〔4〕と
A〔5〕が共に“0”であるか否かをチェックする。こ
の場合、A〔4〕が“1”なので、次のステップS64
に移行し、符号語として“1”を出力する。そしてステ
ップS65でwidthが1を超えていると判断し、孫
プロセスをステップS66で呼び出す。孫の符号化サブ
ルーチンでは、まずステップS60においてwidth
が1となる。A〔4〕は“1”なのでステップS61か
らステップS64へ処理が移り、符号語“1”を出力す
る。ステップS65では、widthが1以下なので、
ステップS66をスキップし、ステップS67でofs
を5に変更する。A〔5〕は“0”なのでステップS6
8からステップS69に処理が移り、符号語“0”を出
力する。
【0142】次に、この孫の符号化サブルーチンから抜
けて、子の符号化サブルーチンのステップS67に戻
る。子の符号化サブルーチンのofsは4、width
は2であるから、ステップS67でofsは6に変更さ
れる。したがってステップS68では、A〔6〕とA
〔7〕をチェックすることになる。この場合、A〔7〕
が“1”なのでステップS70へ移行し、符号語“1”
を出力する。そして、再び孫の符号化サブルーチンをス
テップS72で呼び出す。孫の符号化サブルーチンで
は、A〔6〕が“0”なのでステップS62で符号語
“0”を出力する。そして、widthが1なので、ス
テップS72をスキップして子の符号化サブルーチンに
復帰する。
【0143】子の符号化サブルーチンに復帰したプロセ
スは、さらに符号化メインルーチンに復帰し、ステップ
S58で予測runの再設定と、優勢シンボルの再設定
を行う。この例の場合、1次予測ははずれたが、2次予
測で前半部が的中したので、runを8から4に変更
し、優勢シンボルは引き続き“0”とする処理を施す。
なお、予測runの設定は、2回続けてはずれたときに
変更する等の設定にしても良い。
【0144】このような符号化プロセスによって、入力
ビットである“00001001”が“101101
0”の符号化系列となる。したがってこの場合、8ビッ
トの入力系列が7ビットに圧縮されたことになる。
【0145】なお、復号化プロセスについては、符号化
プロセスと逆のアルゴリズムによって、入力されてくる
符号語を復号している。すなわち、復号化プロセスも、
復号化メインルーチンと復号化サブルーチンにより構成
され、符号化と逆のアルゴリズムによって復号してい
る。
【0146】このように、図21および図22に示す符
号化プロセスおよびその符号化プロセスと逆のアルゴリ
ズムを使用して行う復号化プロセスでは、圧縮率が従来
のQMコーダと呼ばれるものと同レベルであり、一方、
符号化時間や復号化時間は大幅に短縮されたものとなっ
ている。しかし、この符号化プロセスおよび復号化プロ
セスにおいては、予測ビット数であるrunで定まるビ
ット列を一度に符号化しているため、圧縮率を高めるた
めに、runの最大値を大きく設定すると、runの個
数分のビットを保存しておくためのバッファが大きくな
るという問題が生じる。
【0147】この問題は、マルコフ状態信号CXをマル
コフモデル化から得るような場合、そのバッファが非常
に大きくなり、さらに大きな問題となる。すなわち、仮
にrunをnとしたとき、バッファとしてはnビット分
必要となり、さらにm状態のマルコフモデル化を行う
と、バッファは各状態毎に必要となるため、n×mビッ
トの容量になる。この容量は、runの値が大きくなる
と無視できなくなる大きさとなる。
【0148】また、図21および図22に示す符号化プ
ロセスおよびその符号化プロセスと逆のアルゴリズムを
使用する復号化プロセスでは、その各処理時間は、QM
コーダに比べ大幅に短縮されているものの、符号化や復
号化のサブルーチンを再帰的に呼び出して符号化や復号
化を行っており、このサブルーチンの再帰的呼び出しの
プロセスで時間を有するものとなっている。
【0149】このため、本実施の形態では、図18から
図22に示す符号化プロセスおよび復号化プロセスを生
かしつつ、デコード用のバッファを小さくしたり、符号
化や復号化の時間をさらに減少できるデータ符号化方法
等を採用している。以下、本発明の実施の形態における
インデックス変換部7,8の動作の基本的な考え方を、
図23から図34に基づき説明する。
【0150】まず、改良された本発明の実施の形態のエ
ントロピー符号器12を、図23に基づき説明する。
【0151】このエントロピー符号器12は、エントロ
ピー符号化装置となっており、符号化すべき2値ビット
列を入力するビット列分解部22と、各予測ビット長r
un毎に符号化テーブルを内蔵する符号化テーブル部2
3と、符号化テーブル部23から入力される可変長符号
を一旦バッファリングして固定のビット幅にならして出
力するストリーム生成部24と、後述する状態遷移表を
内蔵し、予測ビット長run等を設定する符号化制御部
25とから主に構成される。
【0152】ここで、符号化制御部25には、状態遷移
表を有する状態遷移部26と、マルコフモデル等により
生成される符号化条件を入力し、その条件毎に現在の状
態の信号を状態遷移部26に与え、符号化後に次の状態
の信号入力し、その符号化の状態を記憶しておく状態記
憶部27とが設けられている。
【0153】したがって、マルコフモデルのような条件
付き符号化を行うときは、条件をインデックスとして、
状態記憶部27から該当する状態を取り出し、その状態
を後述する図28に示した状態遷移表により遷移させ、
次の状態を再び状態記憶部27の元の番地にストアして
おけば、条件毎に、状態を管理できることとなる。した
がって、予測ビット長run等のパラメータも条件毎に
個別に設定できることとなる。なお、マルコフモデル化
する場合、ビット列分解部22には、各符号化条件毎に
切り換えるバッファが複数必要となるが、この実施の形
態では、予測ビット長runの数ではなく、より小さい
固定の区切りビット数pで段階的に符号化しているの
で、そのバッファの容量はそれ程大きくならず、実用面
で適したものとなっている。
【0154】ビット列分解部22は、符号化制御部25
から予測ビット長runを指示する信号RUNと、優勢
シンボルを指示する信号SWを入力する。ここで、信号
RUNは、1からn(nは最大予測ビット長)の値を取
る。また、信号SWは、その値が「0」のとき、“0”
を優勢シンボルとし、「1」のとき、“1”を優勢シン
ボルとするが、その逆でも構わない。
【0155】さらに、ビット列分解部22は、デコード
すべきビット数の信号DECNUMと、デコードすべき
ビットのパターンとなる信号パターンDECPATNを
符号化テーブル部23に出力する。信号DECNUM
は、入力ビット列に、劣勢シンボルを含む4ビットのパ
ターンが現れたとき、その4ビットとそれまで続いた優
勢シンボル個数の合計数となる。なお、信号RUNが
「4」未満のときは、信号RUNと同じ値が出力され
る。これは、この実施の形態では、区切りビット数pを
「4」としているためである。
【0156】このようにして、ビット列分解部22は、
入力したビット列が信号RUNで指定されたビット数
分、すべて信号SWで指定された優勢シンボルが続いた
とき、すなわち、予測が的中したとき、信号DECNU
Mとして信号RUNの値を、信号パターンDECPAT
Nとして“0”を出力する。
【0157】符号化テーブル部23は、図24から図2
7に示すような符号化テーブルを内蔵しており、どのテ
ーブルを用いるかは、符号化制御部25からのテーブル
番号指示信号TABLEにより選択される。そして、こ
の符号化テーブル部23は、ビット列分解部22からの
信号DECNUMと信号パターンDECPATNにより
所定のテーブル内を検索し、所定の圧縮ビット列DEC
BITとそのビット長LENGTHおよび予測の当たり
外れを示すFAILを出力する。なお、信号TABLE
は、信号RUNと1対1の関係を有するものとなってい
る。
【0158】図24の符号化テーブルは、テーブル番号
は「0」で、信号RUNの値が「1」、すなわちrun
が「1」の場合を示している。図24に示されるよう
に、runが「1」のときは、2種類の信号となってい
る。すなわち、デコードすべきビット数は1個であり、
信号パターンは“0”と“1”の2種類となる。この2
種類の入力信号に対して、圧縮ビット列DECBIT
と、そのビット長LENGTHと、予測の列外れを示す
フラグFAILの組み合わせからなる2種類の信号が対
応する。例えば、信号DECNUMが「1」で、信号パ
ターンDECPATNが“0”の場合は、予測当たりと
なり、フラグFAILは当たり信号の「0」となり、圧
縮ビット列DECBITは“0”となり、ビット長LE
NGTHは「1」となる。
【0159】図25の符号化テーブルは、テーブル番号
が「1」で、runが2の場合を示している。なお、各
符号化テーブルの信号パターンDECPATNと圧縮ビ
ット列DECBITは、共に右側から左側に入力してく
る信号を示している。この図25の場合、その信号形態
は4種類となる。デコードすべきビット数はすべて2個
であり、そのときの信号パターンDECPATNは“0
0”“10”“01”“11”の4種類となる。信号パ
ターンDECPATNが“00”のときは、2つとも優
勢シンボルのため予測が当たったこととなり、フラグF
AILは当たり信号の「0」となると共に、そのときの
圧縮ビット列DECBITは“0”となり、ビット長L
ENGTHは「1」となる。
【0160】一方、信号パターンDECPATNが“1
0”のときは、劣勢シンボル“1”が入っており、予測
が外れたこととなる。この結果、フラグFAILは、外
れ信号の「1」となり、圧縮ビット列DECBITは、
最初に“1”がくる。次に、“10”の前半部が“0”
であるため、予測が当たり圧縮ビット列DECBITの
2番目は“0”となり、“01”となる。ここで、最初
に予測外れとなっているので、後半部に“1”があるこ
ととなる。このため、圧縮ビット列DECBITは、こ
の“01”がそのまま採用される。
【0161】信号パターンDECPATNが“01”の
ときは、劣勢シンボル“1”が入っており、予測が外れ
たこととなる。この結果、フラグFAILは外れ信号の
「1」となり、圧縮ビット列DECBITは最初に
“1”がくる。次に、“01”の前半部が“1”である
ため、予測がまたも外れたこととなり、圧縮ビット列D
ECBITの2番目は“1”となる。信号パターンDE
CPATN“01”の後半部は“0”であるため、予測
当たりとなり、圧縮ビット列DECBITの3番目は
“0”となる。すなわち、信号パターンDECPATN
“01”に対応する圧縮ビット列DECBITは、“0
11”となる。そして、ビット長LENGTHは「3」
となる。同様にして、信号パターンDECPATN“1
1”に対する圧縮ビット列DECBITは、“111”
となる。以上の4種類の信号の対応表が図20となって
いる。
【0162】同様にして、テーブル番号が「2」で、r
unが「4」の16種類の信号の対応関係が図26に示
され、テーブル番号「3」でrunが「8」の計31種
類の信号の対応関係が図27に示されている。なお、図
26のrunが「4」の場合では、runの値が区切り
ビット数pと同じとなるので、図24および図25と全
く同じ関係のみのものとなるが、図27のrunが
「8」の場合は、区切りビット数p(この実施の形態で
はp=4)より大きくなるため、少し変更された表とな
る。
【0163】次に、他の表とは若干異なるこの図27の
符号化テーブルの内容を説明する。この符号化テーブル
では、デコードすべき信号のビット数DECNUMは、
「8」のものと「4」のものが存在する。「8」のもの
は、前半部がすべて“0000”のものであり、「4」
のものは、runが「8」で前半部に劣勢シンボル
“1”がきた場合のものを示している。デコードすべき
信号のビット数DECNUM(以下単にDECNUMと
して示す)が「8」で、信号パターンDECPATN
(以下単にDECPATNとして示す)が“0000”
のときは“00000000”であることを示し、予測
が当たったこととなり、フラグFAIL(以下単にFA
ILとして示す)は当たり信号の「0」となる。そし
て、圧縮ビット列DECBIT(以下単にDECBIT
として示す)は“0”で、ビット長LENGTH(以下
単にLENGTHとして示す)は「1」となる。DEC
NUMが「8」で、DECPATNが“1000”のと
きは、“10000000”であることを示し、予測が
外れたこととなり、FAILは外れ信号の「1」とな
る。そして、DECBITの1番目には“1”がくる。
次に、前半部“0000”は予測当たりとなり、DEC
BITの2番目には“0”がくる。このとき、後半部
“1000”に劣勢シンボル“1”が当然くることとな
るため、後半部の4つの信号に対するDECBITは、
特に発生しない。
【0164】後半部“1000”の中の前半部“00”
は、予測当たりであり、3番目のDECBITは“0”
となる。このとき、後半部“10”に劣勢シンボル
“1”が当然くることとなるため、後半部の2つの信号
に対するDECBITは特に発生しない。そして、この
後半部“10”の前半部“0”は予測当たりとなり、4
番目のDECBITは“0”となる。こうなると、最後
尾に“1”があることが当然となり、特にDECBIT
は発生しない。よって、DECPATN“1000”に
対応するDECBITは“0001”となる。そして、
LENGTHは「4」となる。これが、図27のテーブ
ル番号「3」の表の上から2番目の状態に対応する。
【0165】このような関係は、図27の符号化テーブ
ルの第3番目から第16番目にも当てはまる。一方、図
27のテーブル番号「3」の上から第17番目から第3
1番目までは、DECNUMが「4」となり、図21の
テーブル番号「2」のものに近似する。すなわち、図2
1の符号化テーブルの第2番目から第16番目のもの
に、runが「8」として見たときの予測外れの“1”
がすべて最初に付加されたものと、図27のDECNU
M「4」のものとは同一となる。なお、符号化テーブル
部3より出力される符号は、LENGTHによって指定
される可変長符号になっている。
【0166】この実施の形態では、さらにrunが16
のテーブルと、runが32のテーブルとを有してい
る。その両テーブルは、図27に示すrunが8のテー
ブル番号「3」の考え方と同様となっており、その説明
を省略する。
【0167】ストリーム生成部24は、入力の可変長符
号を一旦バッファリングして、出力の伝送路で定められ
た固定のビット幅にならして出力するものとなってい
る。
【0168】符号化制御部25の基本動作は、信号RU
N(以下単にRUNという)によってビット列分解部2
2にビットの切り出し方法を指示し、同時に信号TAB
LE(以下単にTABLEという)により符号化テーブ
ルの選択を行うものとなる。そして、符号化テーブル部
23からフィードバックされるFAILにより、次の符
号化のためのRUNとTABLEを設定する。なお、こ
の実施の形態では、区切りビット数pを利用した段階的
な符号化を導入したため、ある予測ビット長runで符
号化した際、必要に応じて途中の段階であることをこの
符号化制御部25は記憶する必要がある。
【0169】この符号化制御部25の具体的な動作は、
図28に示す状態遷移表に基づくものとなっている。こ
の状態遷移表の動作について、予測当たりが続く場合を
例にして説明する。ここで、初期状態は、SS1となっ
ている。まず、状態SS1のとき、runが「1」で、
TABLEは「0」である。このため、図24に示すテ
ーブル番号「0」の符号化テーブルが使用される。そし
て、予測が当たる場合は、優勢シンボルが“0”が続く
ことであるため、入力されるビット列入力からそのDE
CNUMの数である「1」個分の“0”のみを符号化テ
ーブル部23に送り、テーブル番号「0」のテーブル
(=図24の表)に基づいて、FAIL「0」と、DE
CBIT“0”と、LENGTH「1」とが出力され
る。そして、そのFAIL「0」が符号化制御部25に
伝えられる。
【0170】符号化制御部25は、図28の状態遷移表
に基づき、SS1中のFAIL「0」となるものを見つ
け、次の状態として状態SS0を選択する(図28の状
態遷移表の上から3番目)。このとき、信号SWは
“0”となるので、シンボルの逆転はなく、そのまま
“0”が優勢シンボルとなる。状態SS0においても、
同様な動作の結果、状態遷移表の第1番目が選択され、
状態SS3が次の状態となる。これによって、2回予測
が当たったこととなる。
【0171】この状態遷移表では、2回予測が当たる
と、runが2倍になる。すなわち、上から7番目およ
び8番の状態SS3となり、runが「2」となる。こ
のように予測が当たり続けると、すなわち、入力ビット
列がこの場合であると“0”であり続けると、runが
「2」「2」「4」「4」「8」「8」と増えていく。
また、一方、予測が外れ続けるときは、2回毎、同一r
unで行い小さくなっていく。すなわち、runが
「8」「8」「6」「6」「4」「4」「2」「2」と
小さくなっていく。そして、runが「1」のときに、
予測が外れると、信号SWは反転する。
【0172】このような状態遷移表の動作のルールをま
とめると、次のとおりとなる。
【0173】(1)同一の予測ビット長runでの予測が
2回連続して的中したとき、予測ビット長runを2倍
する。
【0174】(2)同一の予測ビット長runでの予測が
2回連続して外れたとき、予測ビット長runを1/2
倍する。
【0175】(3)予測ビット長runが4以下のとき
は、1回で符号化を実行する。
【0176】(4)予測ビット長runが8で、DECN
UM=4のときは、2回に分けて符号化を実行する。
【0177】(5)このときは、状態SS5に遷移して、
予測ビット長runを「4」で、後半のビットを符号化
する。
【0178】なお、信号SWの反転とは、この値が1の
とき、信号SWを反転させるという意味である。
【0179】なお、図28で示す状態遷移表は、run
が「8」までしか示していないが、この実施の形態で
は、runを最大「32」としているので、run「1
6」とrun「32」のものも、図示していないが同様
に作成されている。また、状態遷移表としては、run
が「64」以上のものにしても良い。さらに、当たりや
外れが2回続いたらrunを増加させたり減少させたり
するのではなく、1回毎に変えたり3回以上の数とした
り、種々のパターンを採用することができる。また、こ
のような符号化テーブルとしては、ビット数の少ないも
のだけを用意し、大きなビット数、例えば、16ビット
以上の場合は符号化テーブルを持たないようにすること
もできる。
【0180】次に、以上のような構成を有するエントロ
ピー符号器12の動作を具体例を使用して説明する。
【0181】例えば、予測が当たり続けて、run=1
6となった状態で、“000001000011110
0………」のような形で入力してきたビット列を符号化
する場合、4ビットの区切りビット数pで区切り、ま
ず、最初は“00000100”までを符号化すること
となる。これは、劣勢シンボル“1”が第1番目の区切
りビット数(=最初の4ビット)部分にはなく、第2番
目(=次の4ビット)に出てくるためである。そして、
次に“0011”を、そして最後に“1100”を符号
化することとなる。
【0182】このため、ビット列分解部22から出力さ
れるDECNUMは、「8」「4」「4」となる。一
方、DECPATNは、“0100”“0011”“1
100”(ここでは、いずれのパターンも左の数値から
入力されてくるとする)となる。このような条件におい
て、DECBITは、まず、run=16としたときの
予測外れの“1”がくる。次に、“00000100”
は、RUN「8」、TABLE「3」、DECNUM
「8」のため、図27に示す上から5番目に相当するも
のであり(図27に示す各数値の場合、それぞれ右端側
から入力されてくることに注意)、DECBITは“1
0100”となる。このため、先の“1”と合わせられ
た“110100”(この数値は左端から順に出力)の
DECBITとLENGTH「6」が符号化テーブル部
23からストリーム生成部24に出力される。
【0183】一方、符号化制御部25内の状態遷移表で
いえば、状態SS6でDECNUM「8」のとき、FA
IL「1」となったこととなり、次の状態は状態SS7
となる。そして、次の“0011”は、run=8でD
ECNUM「4」なので、テーブル番号「3」のテーブ
ル(=図27の符号化テーブル)が採用され、その上か
ら19番目のものが該当し、“11011”のDECN
UMとLENGTH「5」が符号テーブル3から出力さ
れる。
【0184】最後の“1100”については、前の状態
が状態SS7のrun「8」、DECNUM「4」で、
FAIL「1」となったため(図28の現状態コード
“0111”中の1番下の状態)、状態SS5が採用さ
れる。このため、run「4」、TABLE「2」とな
り、図26に示すテーブル番号「2」の符号化テーブル
が使用される。そして、このテーブル番号「2」のテー
ブルにおいて、下から4番目が該当し“11110”の
DECBITと、LENGTH「5」が符号化テーブル
部23からストリーム生成部24に出力される。なお、
状態SS5で、FAILは「1」となるので、次は状態
SS2に移る。すなわち、次の入力ビット列に対して
は、run=2である図25の符号化テーブルが使用さ
れることとなる。
【0185】以上をまとめると、入力ビット列“000
0010000111100”が“110100”,
“11011”,“11110”の3つの圧縮ビット列
として符号化されたこととなる。なお、入力ビット列や
3つの圧縮ビット列は、共に先頭側から入力され、出力
されていくものとする。この点、図24から図27の各
符号化テーブルとは異なることに注意する必要がある。
すなわち、各符号化テーブルでは、その表示の各値は、
その表示の右端から順に入力し、出力するものとなって
いる。
【0186】そして、runは、当初「16」であった
のが、この4ビットの区切りビットpで段階的に符号化
していく中で、runは「2」となり、次の入力ビット
列に対しては、「2」の予測ビット長runで符号化さ
れることとなる。
【0187】一方、先に示した本実施の形態の元となる
基本的プロセスで、同じ入力ビット列“0000010
000111100”を符号化すると、まずrun=1
6での予測外れの“1”、次に前半の8ビットを注目
し、2番目に予測外れの“1”がきて、さらに前半の4
ビット“0000”に注目し、予測当たりの“0”が3
番目にくる。すると、後半部の4ビット“0100”に
劣勢シンボルがくるとは確実なので、すぐに2つに分割
し、前半の2ビット“01”に注目する。このため、予
測外れの“1”が4番目にくる。次は、さらにこれを2
分割し、前半の“0”に注目し、5番目に予測当たりの
“0”がくる。すると、後半の“1”は劣勢シンボルが
確実なので、すぐに後半の2ビット“00”に注目し、
予測当たりの“0”が6番目にくる。
【0188】以上の前半8ビットの符号化をまとめる
と、“110100”となる。これは、本実施の形態に
よる符号化ビットと全く同じとなる。続く8ビットも同
様な方法で進めていくと、これらも本実施の形態による
符号化ビットと同一となる。本実施の形態の元となる基
本的プロセスと本実施の形態とが異なる点は、符号化さ
れたビット自体ではなく、1.符号化の区切り方、2.予測
ビット表の変更の仕方、3.符号化テーブルの活用の3点
にある。
【0189】すなわち、改良した本実施の形態では、入
力ビット列に対しrunより小さい区切りビット数p
(この実施の形態ではp=4)で区切り、劣勢シンボル
が存在する区切り部分までで一旦符号化を区切るように
している。先の例では、16ビットの入力ビット列が3
つに区切られて符号化されている。また、本実施の形態
では、次の入力ビット列に対し予測ビット長runは
「2」となるのに対し、基本的プロセスの考え方では、
予測外れは1回であり、runは「16」のままとな
る。さらに、本実施の形態の基本的プロセスの考え方で
は、符号化サブルーチンを再帰的に呼び出して符号化し
ているが、改良した本実施の形態の符号化方法では、符
号化テーブル、具体的には予測ビット長run毎に符号
化テーブルを用いている。
【0190】以上の3つの点は、それらが同時に利用さ
れることによって大きな効果を生ずるが、それぞれ単独
で使用されても十分効果を有する。例えば、第1の点の
段階的に符号化する方法を採用すると、バッファ、例え
ば、ビット列分解部22やストリーム生成部24内の各
バッファを小さくできるばかりか後述するマルコフモデ
ル化によって圧縮ビット列を得ようとするときにそのバ
ッファの容量を減少させることができる。
【0191】第2の点の予測ビット長runの変更につ
いては、入力ビット列が途中からがらっとその性質が変
わるような場合に特に有効となる。先の例では、予測が
当たり続けてrun=16となったのに対し、次に性質
ががらっと変わったビット列、すなわち劣勢シンボルを
多く含む“0000010000111100”がきた
とき、改良された本実施の形態の符号化方法では、その
性質に合わせ、runは「2」となり、続く入力ビット
列の性質に合う確率が高いものとなり、圧縮率が高くな
る。しかし、基本的プロセスで処理した場合、runは
「16」のままであり、次の入力ビット列の性質にそぐ
わない確率の高いものとなる。なお、圧縮率の向上は、
具体的には、改良前に比べ、0.5%から数%程度であ
るが、各プログラムソフト等が大容量化している現在で
は、このようなわずかな数値の向上効果も無視し得ない
ものとなっている。
【0192】第3の点の符号化テーブルについては、サ
ブルーチンの再帰的呼び出しによる符号化に比べ、符号
化テーブルのためのメモリ容量は若干増えるものの、符
号化速度が極めて速くなる。
【0193】次に、この実施の形態のエントロピー復号
器32について、図29に基づき説明する。
【0194】このエントロピー復号器32は、符号化さ
れた信号のストリームを入力するストリーム切り出し部
41と、予測ビット長runに応じた複数の復号テーブ
ルを内蔵する復号テーブル部42と、復号されたビット
をストアし、所定のシンボルを出力するデコードバッフ
ァ部43と、エントロピー符号器12の状態変換部26
内の状態遷移表と同じ状態遷移表他を有する復号制御部
44とから主に構成されている。ここで、復号制御部4
4には、状態遷移表を有する状態遷移部45と、マルコ
フモデル等により生成される復号条件を入力し、その条
件毎に現在の状態の信号を状態遷移部45に与え、復号
後に次の状態の信号を入力し、その復号条件の状態を記
憶しておく状態記憶部46とが設けられている。
【0195】なお、デコードバッファ部43は、復号条
件が入力し、その条件毎に個別に管理されるものとなっ
ている。このため、マルコフモデルのような条件付き復
号化の場合、バッファとして非常に大きなものが必要に
なる。しかし、本実施の形態のエントロピー復号器32
では、後述するように段階的な復号を行うので、各バッ
ファは小さいものでも十分対応でき、マルコフモデルの
ような条件付きの復号化でもデコードバッファ部43は
それ程大きな容量を必要としなくなる。
【0196】ストリーム切り出し部41は、復号テーブ
ル部42から、復号したビット数を後述するLENGT
Hにより指示されるので、その値に基づき、復号済みビ
ットを廃棄して、未復号ビットの先頭が、符号化された
データとなる復号予定の符号語信号CODE(以下単に
CODEという)の最下位ビット(または最上位)に来
るようにストリームを切り出す。なお、LENGTHを
評価して、復号済みビットを廃棄するのは、デコードバ
ッファ部43から廃棄指示DECREQ(以下単にDE
CREQという)があったときのみである。また、CO
DEは8ビット単位で送信される。
【0197】復号テーブル部42は、図30から図33
に示すような各復号テーブルを内蔵し、復号制御部44
が出力するテーブル番号指示信号TABLE(以下単に
TABLEという)によりそれらを切り替えて使用す
る。そして、復号テーブル部42は、次の信号を出力す
る。すなわち、(1)何ビット復号したかを示す信号LE
NGTH(以下単にLENGTHという)で、エントロ
ピー符号器12におけるLENGTHに相当するもの、
(2)予測の当たり外れを示す信号FAIL(以下単にF
AILという)で、エントロピー符号器12におけるF
AILに相当するもの、(3)復号したビット・パターン
信号DECPATN(以下単にDECPATNという)
で、エントロピー符号器12におけるDECPATNに
相当するもの、(4)復号結果が何ビットかを示す信号D
ECNUM(以下単にDECNUMという)で、エント
ロピー符号器におけるDECNUMに相当するもの、を
出力する。
【0198】図30に示すrun=1の復号テーブル
は、CODEが“0”“1”の2種類に対応する各出力
が記載されている。この復号テーブルは、図24のru
n=1の符号化テーブルに相当するもので、符号化テー
ブル中のDECBITに相当するものが、この復号テー
ブルではCODEとなっている。図31に示すrun=
2の復号テーブルは、同様に図25のrun=2の符号
化テーブルに相当するものとなっている。また、図32
に示すrun=4の復号テーブルでは、図26のrun
=4の符号化テーブルに相当し、図33に示すrun=
8の復号テーブルは、図27のrun=8の符号化テー
ブルに相当している。なお、各復号テーブルにおける各
数値も、符号化テーブルと同様に、各数値の右端側から
入力し、出力する表示となっている。また、復号テーブ
ルとして、run=16と、run=32のテーブルも
用意されている。
【0199】デコードバッファ部43は、4ビット(こ
の実施例の場合)以下のDECPATNとDECNUM
を直接的にストアし、それぞれデコードバッファ部43
内のPATNREG(以下単にPATNREGという)
とナンバーレジスタNUMREG(以下単にNUMRE
Gという)にストアする。そして、デコードバッファ部
43の出力がqビット幅の場合、デコードバッファ部4
3は、1回デコード・データを出力する度にストアした
NUMREGからqを減じる。そして、NUMREGが
qより小さくなったら、DECREQをアクティブにし
て、新たなデータのデコード要求を発する。また、NU
MREGが5以上のときは、信号SWで定まる優勢シン
ボルをデコード出力として出力する。一方、NUMRE
Gが4以下になったら、PATREGの値を出力する。
【0200】例えば、図33の上から5番目のCODE
“00101”が復号テーブル部42に入力された場
合、DECNUM=8、DECPATN=“0010”
がデコードバッファ部43に入力されてくる。このと
き、信号SWが「0」となっていたとし、出力を2ビッ
ト単位(これはq=2に相当)で行うとした場合、最初
の2回の出力は優勢シンボルを出力すればよい。この場
合SW=0なので、優勢シンボルは“0”である。した
がって、“0000”を出力する。この4ビットを出力
した時点で、NUMREGは4(=8−4)になってい
る。そこで、次のサイクルは、PATNREGの値を、
順に出力する。すなわち、“0100”をこの表示の左
端側から出力する。
【0201】復号制御部44の状態遷移部45は、符号
化制御部25の状態遷移部26と同じ状態遷移表を保有
している。そして、状態の初期値は、SS1であり、F
AILとDECNUMにより、次の遷移先が決定され、
DECREQがアクティブのとき、その遷移先へ遷移す
る。
【0202】以上のように構成されるエントロピー復号
器32は、先に示したエントロピー符号器12と逆のア
ルゴリズムによって動作する。なお、このエントロピー
復号器32は、デコードバッファ部43の出力状態によ
って制御されるものとなっている。すなわち、デコード
バッファ部43のNUMREGが出力ビット幅qより小
さくなると、DECREQがストリーム切り出し部41
と復号制御部44へ出力される。ストリーム切り出し部
41は、そのDECREQにより復号済みビットをその
LENGTH分廃棄する。
【0203】先の例のrun=8でCODE“0010
1”の場合、NUMREGが「8」から「4」へ、
「4」から「2」、「2」から「0」へと下がる。この
「2」から「0」へ下がったときに、DECREQが発
生する。そして、LENGTHが「5」であるので、C
ODEから復号済みの5ビットを廃棄する。このため、
ストリーム切り出し部41内のCODEには、未復号ビ
ットが最下位または最上位にきて、次の復号に備える。
一方、復号制御部44では、run=8、DECNUM
=8で、FAIL=1なので、状態SS7へ遷移する。
このため、run=8に相当するTABLE=3を復号
テーブル部42に向けて出力する。
【0204】この結果、復号テーブル部42は、図33
のテーブル番号「3」であるrun=8の復号テーブル
を準備する。そして、入力してくるCODEからLEN
GTH、DECNUM、DECPATNおよびFAIL
が確定し、出力される。例えば、そのCODEの最初が
“0”であれば、CODE“0”であることが確定し、
LENGTH=1、DECNUM=8、DECPATN
=“0000”、FAIL=「0」を出力する。一方、
CODEが“01011”の場合、CODEの最初が
“1”であるので、まだ確定せず、次の“1”でも、3
番目の“0”でも、4番目の“1”でも確定しない。し
かし、5番目の“0”が入った段階で“01011”で
あることが確定する。この確定によって、LENGTH
=5、DECNUM=4、DECPATN=“010
0”、FAIL=「1」がそれぞれ出力される。このよ
うにして、順次、復号されていく。
【0205】このエントロピー復号器32は、エントロ
ピー符号器12と同様に、先に述べた基本的プロセスに
基づく復号に比べると、段階的な復号によるバッファ
容量の減少化信号の性質にあった予測ビット長run
の変更復号テーブルによる復号速度の向上という各種
の有利な効果を有するものとなる。
【0206】このエントロピー復号器32においては、
状態遷移を条件毎に個別に管理する点で、エントロピー
符号器12と同様である。ただし、このエントロピー復
号器32の場合は、上述したようにさらにデコードバッ
ファ部43も個別に管理しなければならない。このた
め、デコードバッファ部43は、NUMREG、PAT
NREGに相当するレジスタを有り得る条件数分内蔵
し、復号条件によって切り換えるものとなっている。
【0207】上述の説明では、分かり易さを考慮し、2
値のビット列を例にして、予測ランレングス符号化方式
を説明したが、判別部19から出力される順位コードは
多値データであり、実際は多値データを2値系列に変換
する必要がある。例えば、ビット・プレーンに分けて、
各ビット・プレーンをこの予測ランレングス符号化方式
で符号化するようにしても良い。また、最上位ビットか
らプレーン毎にこの予測ランレングス符号化方式にて符
号化を行い、“1”が出現した時点で続く下位ビットを
直接ストリームに出力するようにしても良い。
【0208】この実施の形態では、このPRLCを多値
系列に適用する方式として、ビット・プレーンではなく
レベル・プレーンに分けて行っている。具体的には、シ
ンボルが8ビットであるため、256のレベル・プレー
ンに分け、その入力シンボルをグループに分け、グルー
プ番号をこの予測ランレングス符号化方式で符号化して
いる。すなわち、入力シンボルを図34に示すように、
グループ分けし、まず入力シンボルがグループ番号0か
0以外かを示す判定ビットをこのPRLCで符号化す
る。もし入力シンボルが0ならこのシンボルの符号化を
完了するが、そうでない場合はさらにグループ番号が1
か1以外かを示す判定ビットをこの予測ランレングス符
号化方式で符号化する。
【0209】このようにして、グループ番号が確定する
まで、判定ビットをPRLCで符号化し、確定したグル
ープ番号が2以上の場合は、該当グループにおけるシン
ボルを確定するため、必要とする付加ビットを直接スト
リームに出力する。ただし、各グループ判定ビットは、
グループ毎に独立した系列として扱い、各々個別に現状
態コードを管理して符号化する。この方法は、グループ
番号が確定した時点で、上位の判定ビットの符号化を行
わないので、処理速度が向上する。
【0210】なお、この実施の形態では、圧縮対象画素
の画素インデックス3の数が256個に加え、(CX+
1)が加わるため、最高260個が対象となり、順位と
しては259順位となる。この対策として、順位255
をエスケープ・コードに割り当て、255以上の順位に
ついては、このエスケープ・コードを符号化後、255
との差分を3ビット付加ビットとして直接圧縮ストリー
ムに出力している。このような対策は、圧縮対象の画素
インデックス3が256色をわずかに超える場合にも適
用できる。
【0211】また、この実施の形態では、動画像のイン
デックスパレットは、動画ストリームの中で共通のパレ
ットとして使用されている。さらに、このパレットは、
フレーム間相関を用いた符号化では、フレーム間相関の
及ぶ範囲で共通のパレットを使用している。例えば、I
ピクチャーとIピクチャーの間(GOP)毎にパレット
を持つようにしたり、他の範囲で持つようにしたりして
いる。
【0212】また、この実施に形態のエントロピー符号
器12では、符号化する際、過去の符号化済み系列等に
より適当に条件付けを行い、符号化することで、圧縮率
が向上している。すなわち、マルコフ状態信号CXによ
り条件分けを行ってPRLC符号化を実行している。具
体的には、マルコフ状態信号CXは、4状態存在し、1
つの状態で8つのグループ判定ビットを個別に符号化す
るため、合計で32状態の現状態コードを個別に管理し
符号化することになる。
【0213】なお、上述の実施の形態は、本発明の好適
な実施の形態の例であるが、これに限定されるものでは
なく本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形
実施可能である。例えば、カラー画素データ100Aと
しては、nビット(nは2以上の整数)のカラー画素デ
ータ100Aを対象とし、その符号化や復号化を行うよ
うに構成することができる。
【0214】なお、符号化や復号化を行うにあたり、図
18から図22に示す改良前の方法を採用したり、図4
0に示す従来の算術符号型のエントロピー符号器および
エントロピー復号器を利用しても良い。また、上述の実
施の形態のように、プリスキャンを行うのではなく、特
開平6−276041号に開示された技術を利用しても
良い。すなわち、インデックスを出現頻度順に並び替え
た色順位データを利用したり、最新のものを先頭へ移動
する移動処理を行って得た最新出現表を利用するように
しても良い。
【0215】さらに、先頭移動処理を使用する場合、現
れたカラーシンボルを常に先頭へ持っていくのではな
く、先頭方向へ所定の決まりにしたがって移動させるよ
うにしても良い。このようにすると、出現確率が低いカ
ラーシンボルが出たとき、すぐに先頭へ移動しないの
で、出現確率の低いものに短い符号を割り当てるという
ことが無くなる。このため、出現確率が低いものが現れ
ても符号化効率や復号化効率が悪化してしまうことはな
い。
【0216】なお、マクロブロックMBと小さなブロッ
クSBによる二重判定は、マルチカラー画像以外の画
像、例えば自然画の動き補償の際にも適用できる。ま
た、動きベクトルを利用しないとしたマクロブロックM
Bの拾い方は、フレームのスキャンが横方向のときは縦
方向に集めていき、フレームのスキャンが縦方向のとき
は横方向に集めていくのが好ましい。
【0217】また、動き補償を行うブロックは、一般的
に採用されている16×16ピクセルの他に8×8ピク
セル、4×4ピクセル、32×32ピクセル等種々の大
きさのものとすることができるが、動きベクトルのため
のデータ量を考慮すると4×4ピクセル以上が好まし
く、効果的な動き検出を考慮すると64×64ピクセル
以下が好ましい。
【0218】さらに、上述の実施の形態では、符号化お
よび復号化は、ハードとして構成されたシステムで処理
しているが、すべてソフトウェアで処理するようにして
も良い。また、ソフトウェアで処理する際は、その処理
手順をプログラム化しCDーROM等の記憶媒体にイン
ストールし、その記憶媒体をパソコン等のハードに差し
込んで処理したり、そのプログラムをネットワーク等を
介して送受信し、パソコン等のハードディスク等へ取り
込んで処理するようにしても良い。
【0219】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマルチカ
ラー画像からなる動画像の符号化装置およびその方法で
は、マルチカラー画像にも動き補償を適切に利用できる
ようになり効果的なデータ圧縮が可能となる。
【0220】また、本発明のマルチカラー画像からなる
動画像の復号化装置およびその方法では、マルチカラー
画像の復号化にも動き補償を利用でき、復号化装置のメ
モリの低容量化が可能となると共に復号処理を高速化す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマルチカラー画像からなる動画像の符
号化装置およびその方法を採用した符号化システムを示
す図である。
【図2】図1の符号化システム中のインデックス変換部
およびその周辺の構成を示す図である。
【図3】本発明のマルチカラー画像からなる動画像の復
号化装置およびその方法を採用した復号化システムを示
す図である。
【図4】図3の復号化システム中のインデックス変換部
およびその周辺の構成を示す図である。
【図5】図1の符号化システムの動き補償部の動作結果
を説明するための図で、(A)は各ピクチャー(フレー
ム)の種類と入力順序を示す図で、(B)はそのときの
符号化順序を示す図である。
【図6】図1の符号化システムおよび図3の復号化シス
テムで採用されるマクロブロックと小さなブロックおよ
びその関係を示す図である。
【図7】図1および図3の符号化システムおよび復号化
システムにマルコフモデルとして採用される参照画素の
配置を説明するための図で、(A)は通常の参照画素
を、(B)は先頭ラスタの場合を、(C)は先頭画素の
場合をそれぞれ示している図である。
【図8】図1および図3の符号化システムおよび復号化
システムに採用される参照画素の状態と、状態信号ST
と、色数と、マルコフ状態信号CXとの関係を示す図で
ある。
【図9】図1の符号化システムに採用される変換テーブ
ル生成部の参照順位テーブル作成の機能を説明するため
の図で、(A)は符号化対象画素と参照画素が一致した
ときの度数の例を示す図で、(B)(C)はそれぞれの
度数が所定の関係となったときの参照画素の順位を示す
図である。
【図10】図1および図3の符号化システムおよび復号
化システムに採用される参照順位テーブルの例を示す図
である。
【図11】図1の符号化システムに採用される変換テー
ブル生成部の画素インデックス変換テーブル作成機能を
説明するための図で、入力してきた画素インデックスに
対応する画素が参照画素中に無かった度数を示す図であ
る。
【図12】図1の符号化システムに採用される変換テー
ブル生成部の画素インデックス変換テーブル作成機能を
説明するための図で、入力してきた画素インデックスに
対応する画素が参照画素中に無かった度数の順位を示す
図である。
【図13】図1の符号化システムにおける入力してきた
カラーパレットから変換カラーパレットへの変換を説明
するための図である。
【図14】図1の符号化システムにおけるプリスキャン
時の動作を示すフローチャートである。
【図15】図1の符号化システムにおける符号化プロセ
ス時の動作を示すフローチャートである。
【図16】図1の符号化システムにおいて動き補償を行
わないと判断されたマクロブロックの符号化方法を説明
するための図で、(A)は動き補償を行わないマクロブ
ロックの位置の例を示し、(B)はその一部拡大図であ
る。
【図17】図3の復号化システムにおける復号化プロセ
スを示すフローチャートである。
【図18】本発明で採用するエントロピー符号器および
エントロピー復号器で使用しているアルゴリズムの概要
を説明するための図で、注目系列と予測ビット数run
との関係を示す図である。
【図19】図18の注目系列を分割した状態を示す図で
ある。
【図20】図19の前半部注目系列をさらに分割した状
態を示す図である。
【図21】図18から図20に示すエントロピー符号器
内の符号化プロセスを説明するためのフローチャート
で、符号化メインルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図22】図18から図20に示すエントロピー符号器
内の符号化プロセスを説明するためのフローチャート
で、符号化サブルーチンを示すフローチャートである。
【図23】本発明の実施の形態で採用するエントロピー
符号器の構成を示すブロック図である。
【図24】図23のエントロピー符号器の符号化テーブ
ル部内の符号化テーブルを示す図で、予測ビット長が
「1」の場合のテーブルを示す図である。
【図25】図23のエントロピー符号器の符号化テーブ
ル部内の符号化テーブルを示す図で、予測ビット長が
「2」の場合のテーブルを示す図である。
【図26】図23のエントロピー符号器の符号化テーブ
ル部内の符号化テーブルを示す図で、予測ビット長が
「4」の場合のテーブルを示す図である。
【図27】図23のエントロピー符号器の符号化テーブ
ル部内の符号化テーブルを示す図で、予測ビット長が
「8」の場合のテーブルを示す図である。
【図28】図23のエントロピー符号器の状態遷移部内
の状態遷移表を示す図である。
【図29】本発明の実施の形態で採用するエントロピー
復号器の構成を示すブロック図である。
【図30】図29のエントロピー復号器の復号テーブル
部内の復号テーブルを示す図で、予測ビット長が「1」
の場合のテーブルを示す図である。
【図31】図29のエントロピー復号器の復号テーブル
部内の復号テーブルを示す図で、予測ビット長が「2」
の場合のテーブルを示す図である。
【図32】図29のエントロピー復号器の復号テーブル
部内の復号テーブルを示す図で、予測ビット長が「4」
の場合のテーブルを示す図である。
【図33】図29のエントロピー復号器の復号テーブル
部内の復号テーブルを示す図で、予測ビット長が「8」
の場合のテーブルを示す図である。
【図34】本発明で採用するアルゴリズムを本実施の形
態で示す多値系列データに適用した場合の例を説明する
ための図で、入力シンボルを複数のグループに分けた状
態を示す図である。
【図35】従来のマルチカラー画像の符号化システムお
よび復号化システムのブロック図である。
【図36】従来の符号化対象画素データに対する参照画
素データの説明図である。
【図37】従来のパラメータテーブルを示す図である。
【図38】状態縮退器を有する従来のマルチカラー画像
の符号化システムおよび復号化システムのブロック図で
ある。
【図39】従来の縮退テーブルの一例を示す図である。
【図40】従来の算術符号型のエントロピー符号器およ
びエントロピー復号器の説明図である。
【図41】従来や本発明で使用されるマルチカラー画像
のインデックスを説明するための図である。
【図42】従来の合成された色順位テーブルの作成原理
を示す説明図で、(A)は各画素の配置関係を示し、
(B)は各画素のカラーシンボルを示し、(C)は合成
された色順位テーブル(最新出現表)を示す図である。
【符号の説明】
1 符号化システム 2 動き予測部 2a 判断手段 3 復号化システム 4 動き補償部 4a 判断手段 7、8 インデックス変換部 10 ラインバッファ(周辺画素生成手段) 11 マルコフモデル作成部(縮退手段) 12、12a エントロピー符号器(エントロピー符号
化手段) 20 合成部 30 ラインバッファ 31 マルコフモデル生成部(縮退手段) 32、32a エントロピー復号器(エントロピー復号
化手段) 33 分離部 100A 符号化されるカラー画素データ 100B 復号化されたカラー画素データ 200 符号化データ

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インデックスコードが付与されたカラー
    画素データからなる静止画のフレームを連続させて動画
    像を形成する際、符号化対象の着目フレームをそれぞれ
    N×Nピクセル(Nは4以上の整数)からなる複数のブ
    ロックに分割し、その着目フレーム中のブロックが参照
    フレーム中のブロックと同一または類似しているとき、
    着目フレーム中のブロック位置と参照フレーム中のブロ
    ック位置との相対変位を動きベクトルとして動き補償を
    行うマルチカラー画像からなる動画像の符号化装置にお
    いて、上記動きベクトルを用いるか否かの判断手段を設
    け、この判断手段によって両ブロックの対応する位置の
    画素が異なる場合の数を算出し、その不一致数が所定数
    以下のときには同一または類似のブロックと判断し、動
    きベクトルを作成することを特徴とするマルチカラー画
    像からなる動画像の符号化装置。
  2. 【請求項2】 前記ブロックは、MN×MNピクセル
    (Mは2以上の整数)からなるより大きなマクロブロッ
    クを小ブロック化手段によってM×Mに分割され、前記
    判断手段は、各分割されたブロック毎に前記動きベクト
    ルを用いるか否かの判断を行うために、前記参照フレー
    ム内の対応するブロックの対応する位置にある画素と当
    該ブロックの画素とが異なる場合の数を算出し、その不
    一致数が所定数以下のときに同一または類似のブロック
    と判断し、上記マクロブロックの動きベクトルを利用し
    て前記動き補償を行うようにしたことを特徴とする請求
    項1記載のマルチカラー画像からなる動画像の符号化装
    置。
  3. 【請求項3】 前記ブロックを8×8ピクセルからなる
    ブロックとし、前記所定数を0〜5の整数値のいずれか
    1つとしたことを特徴とする請求項1または2記載のマ
    ルチカラー画像からなる動画像の符号化装置。
  4. 【請求項4】 前記動きベクトルを用いないと判断した
    ブロックを、前記着目フレームの符号化時の走査方向と
    直角となる方向に拾っていくと共に、着目画素の囲りの
    参照画素を利用して当該各ブロック内の各画素を符号化
    することを特徴とする請求項1、2または3記載のマル
    チカラー画像からなる動画像の符号化装置。
  5. 【請求項5】 インデックスコードが付与されたカラー
    画素データからなる静止画のフレームを連続させて動画
    像を形成する際、符号化対象の着目フレームをそれぞれ
    N×Nピクセル(Nは4以上の整数)からなる複数のブ
    ロックに分割し、その着目フレーム中のブロックが参照
    フレーム中のブロックと同一または類似しているとき、
    着目フレーム中のブロック位置と参照フレーム中のブロ
    ック位置との相対変位を動きベクトルとして動き補償を
    行うマルチカラー画像からなる動画像の符号化方法にお
    いて、上記動きベクトルを用いるか否かの判断工程を設
    け、この判断工程によって両ブロックの対応する位置の
    画素が異なる場合の数を算出し、その不一致数が所定数
    以下のときには同一または類似のブロックと判断するこ
    とを特徴とするマルチカラー画像からなる動画像の符号
    化方法。
  6. 【請求項6】 前記ブロックは、MN×MNピクセル
    (Mは2以上の整数)からなるより大きなマクロブロッ
    クを小ブロック化工程によってM×Mの数に分割され、
    前記判断工程は、各分割されたブロック毎に前記動きベ
    クトルを用いるか否かの判断を行うために、前記参照フ
    レーム内の対応するブロックの対応する位置にある画素
    と当該ブロックの画素とが異なる場合の数を算出し、そ
    の不一致数が所定数以下のときに同一または類似のブロ
    ックと判断し、上記マクロブロックの動きベクトルを利
    用して前記動き補償を行うようにしたことを特徴とする
    請求項5記載のマルチカラー画像からなる動画像の符号
    化方法。
  7. 【請求項7】 前記ブロックは、MN×MNピクセル
    (Mは2以上の整数)からなるより大きなマクロブロッ
    クを小ブロック化工程によってM×Mの数に分割され、
    前記判断工程は、各分割されたブロック毎に前記動きベ
    クトルを用いるか否かの判断を行うために、前記参照フ
    レーム内の対応するブロックの対応する位置にある画素
    と当該ブロックの画素とが異なる場合の数を算出し、そ
    の不一致数が所定数以下のときにN×Nピクセルのブロ
    ックについて同一または類似のブロックと判断し、上記
    マクロブロックの動きベクトルを利用して前記動き補償
    を行うようにしたことを特徴とする請求項5記載のマル
    チカラー画像からなる動画像の符号化方法。
  8. 【請求項8】 前記ブロックを8×8ピクセルからなる
    ブロックとし、前記所定数を0〜5の整数値のいずれか
    1つとしたことを特徴とする請求項5、6または7記載
    のマルチカラー画像からなる動画像の符号化方法。
  9. 【請求項9】 前記動きベクトルを用いないと判断した
    ブロックを、前記着目フレームの符号化時の走査方向と
    直角となる方向に拾っていくと共に、前記着目画素の囲
    りの参照画素を利用して当該各ブロック内の各画素を符
    号化することを特徴とする請求項5,6,7または8記
    載のマルチカラー画像からなる動画像の符号化方法。
  10. 【請求項10】 入力される対象符号化データをインデ
    ックスコードが付与されたカラー画素データに復号する
    エントロピー復号化手段と、該カラー画素データからな
    る静止画を連続させて動画像を形成する動画像形成手段
    とを備え、動画像形成手段は、復号化対象の着目フレー
    ムをそれぞれN×Nピクセル(Nは4以上の整数)から
    なる複数のブロックに分割し、その着目フレーム中のブ
    ロックに関する復号化データ中にそのブロックの相対変
    位の方向を示す動きベクトルが存在するとき、参照フレ
    ーム中の同一または類似のブロックを利用してそのブロ
    ックを復号する動き補償を行うマルチカラー画像からな
    る動画像の復号化装置において、上記動きベクトルは、
    上記着目フレーム中のブロックと上記参照フレーム中の
    対応するブロックの対応する位置の画素が異なる場合の
    その不一致数が所定数以下のときに発生させられたもの
    であることを特徴とするマルチカラー画像からなる動画
    像の復号化装置。
  11. 【請求項11】 前記ブロックを、MN×MNピクセル
    (Mは2以上の整数)からなるより大きなマクロブロッ
    クから小ブロック化手段によってM×Mの数に分割し、
    上記マクロブロックの動きベクトルを利用して上記小さ
    な各ブロックを復号するか否か判断する判断手段を有し
    ていることを特徴とする請求項10記載のマルチカラー
    画像からなる動画像の復号化装置。
  12. 【請求項12】 前記ブロックを、8×8ピクセルから
    なるブロックとし、前記所定数を0〜5の整数値のいず
    れか1つとしたことを特徴とする請求項10または11
    記載のマルチカラー画像からなる動画像の復号化装置。
  13. 【請求項13】 前記動きベクトルを有しないブロック
    を、前記着目フレームの符号化時の走査方向と直角とな
    る方向につなぎ合わせて復号すると共にその復号の際、
    着目画素の囲りの参照画素を利用して当該動きベクトル
    を有さないブロック内の各画素を復号化することを特徴
    とする請求項10、11または12記載のマルチカラー
    画像からなる動画像の復号化装置。
  14. 【請求項14】 入力される対象符号化データをインデ
    ックスコードが付与されたカラー画素データに復号する
    エントロピー復号化工程と、該カラー画素データからな
    る静止画を連続させて動画像を形成する動画像形成工程
    とを備え、動画像形成工程は、復号化対象の着目フレー
    ムをそれぞれN×Nピクセル(Nは4以上の整数)から
    なる複数のブロックに分割し、その着目フレーム中のブ
    ロックに関する復号化データ中にそのブロックの相対変
    位の方向を示す動きベクトルが存在するとき、参照フレ
    ーム中の同一または類似のブロックを利用してそのブロ
    ックを復号する動き補償を行うマルチカラー画像からな
    る動画像の復号化方法において、上記動きベクトルは、
    上記着目フレーム中のブロックと上記参照フレーム中の
    対応するブロックの対応する位置の画素が異なる場合の
    その不一致数が所定数以下のときに発生させられたもの
    であることを特徴とするマルチカラー画像からなる動画
    像の復号化方法。
  15. 【請求項15】 前記ブロックを、MN×MNピクセル
    (Mは2以上の整数)からなるより大きなマクロブロッ
    クから小ブロック化工程によってM×Mの数に分割し、
    上記マクロブロックの動きベクトルを利用して上記小さ
    な各ブロック復号するか否か判断する判断工程を有して
    いることを特徴とする請求項14記載のマルチカラー画
    像からなる動画像の復号化方法。
  16. 【請求項16】 前記ブロックを、8×8ピクセルから
    なるブロックとし、前記所定数を0〜5の整数値のいず
    れか1つとしたことを特徴とする請求項14または15
    記載のマルチカラー画像からなる動画像の復号化方法。
  17. 【請求項17】 前記動きベクトルを有しないブロック
    を、前記着目フレームの符号化時の走査方向と直角とな
    る方向につなぎ合わせて復号すると共にその復号の際、
    着目画素の囲りの参照画素を利用して当該動きベクトル
    を有さないブロック内の各画素を復号化することを特徴
    とする請求項14、15または16記載のマルチカラー
    画像からなる動画像の復号化方法。
JP10074719A 1998-03-23 1998-03-23 マルチカラー画像からなる動画像の符号化装置およびその方法並びにマルチカラー画像からなる動画像の復号化装置およびその方法 Withdrawn JPH11272847A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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