JPH11149551A - マルチカラー画像の符号化装置およびその方法並びにマルチカラー画像の復号化装置およびその方法 - Google Patents

マルチカラー画像の符号化装置およびその方法並びにマルチカラー画像の復号化装置およびその方法

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JPH11149551A
JPH11149551A JP9317539A JP31753997A JPH11149551A JP H11149551 A JPH11149551 A JP H11149551A JP 9317539 A JP9317539 A JP 9317539A JP 31753997 A JP31753997 A JP 31753997A JP H11149551 A JPH11149551 A JP H11149551A
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Masaichi Isomura
政一 礒村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 参照画素を利用して符号化および復号化を行
う際の処理速度の大幅な向上を図る。 【解決手段】 このマルチカラー画像の符号化装置は、
参照画素の状態を区分けする状態生成部13と、これに
より区分けされた状態を示す状態信号STを入力すると
共にその状態毎に参照画素のプリスキャン時の出現度数
を算出する変換テーブル生成部14と、状態生成部13
からの状態信号STと変換テーブル生成部14により算
出された出現度数とから作成され、区分けされた状態毎
に、参照画素の位置を出現度数の高いもの順に並べると
共に符号化時に利用する参照順位テーブル15とを設け
る。また、参照画素と不一致の画素の度数分布をプリス
キャン時に調べる変換テーブル生成部14と、その度数
順に画素インデックスを変換した画素インデックス変換
テーブル16と、この変換テーブル16を利用してカラ
ーパレット変換部17により生成される変換カラーパレ
ット18とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルチカラー画像
の符号化装置およびその方法ならびにマルチカラー画像
の復号化装置およびその方法に関する。そして、さらに
詳細に述べれば、特にマルチカラー画像を符号化および
復号化する際に各色に付与されるインデックスの変換の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からパソコンやゲーム機器等では、
マルチカラー画像と呼ばれる画像が使用されている。こ
のマルチカラー画像とは、代表色画像とか限定色画像等
とも呼ばれているもので、図40に示すように、特定の
色、すなわち特定のR(赤)、G(緑)、B(青)の値
を持つ色に対してインデックスを付与し、そのインデッ
クスのデータを利用して、16色や256色等の限定さ
れた代表色で表現するようにした画像のことである。
【0003】このようなマルチカラー画像のデータは、
仮にR、G、Bの各色が8ビット(256種)で表され
るとしたら、合計24ビット必要になるのであるが、イ
ンデックスそのものも例えば8ビットで表示するように
しているので、相当な圧縮率となっている。しかし、圧
縮はされているが、それでも情報量が多いため、何の工
夫もせず、そのままの形で処理すると、メモリ容量が大
きくなり、また通信速度も遅くなり実用的でない。した
がって、マルチカラー画像も他の画像データと同様にそ
の圧縮技術は極めて重要なものとなる。特に、マルチカ
ラー画像は、その色の数が限定されていることから、ロ
スレスでの符号化および復号化、すなわち可逆的な圧縮
技術が必要とされている。
【0004】一方、近年、データ圧縮の手法の一つとし
て、エントロピー符号器および復号器を用いた技術が注
目されている。このエントロピー符号化および復号化技
術の一つとして、例えば、算術符号化および復号化の技
術を用いたものがある。この技術の概要は、例えば、特
開昭62−185413号公報、特開昭63−7432
4号公報、特開昭63−76525号公報等に記載され
ている。
【0005】図34に、このような技術を用いた従来の
マルチカラー画像の符号化システム50および復号化シ
ステム60を示す。この符号化システム50は、ライン
バッファ51と、エントロピー符号器52とを含むもの
である。入力されるインデックスのデータ、すなわちカ
ラー画素データ100Aは、ラインバッファ51および
エントロピー符号器52へ入力される。このカラー画素
データ100Aは、図35に示すように、いずれもラス
タースキャンされ水平走査順に順次画素データとして入
力される。なお、このインデックスのデータ、すなわち
カラー画素データ100Aを作成する方法としては、入
力する色の順番にインデックスを付与する方法が一般的
であり、図40に示すように、インデックスの番号が近
いもの、例えば「1」と「2」でもその色が大きく異な
ったり、インデックスの番号が遠いもの、例えば「10
0」と「200」でもその色は近似している現象が生じ
ている。このような現象を避けるため、特開平5−32
8142に示されるように、色の近いものに連続番号を
付与するようにしたものも現れている。
【0006】符号化システム50中のラインバッファ5
1は、参照画素生成手段として、既に入力されたカラー
画素データ100Aから、符号化対象画素Xに対する参
照画素データA,B,C,Dを作成する。すなわち、ラ
インバッファ51は、画像をスキャンするときにnライ
ン(1〜5ライン程度が多い)分の履歴を記憶してお
く。そして、符号化対象画素Xのカラー画素データ10
0Aが入力されるごとに、この直前の画素Aと、周辺の
画素B,C,Dとからなる一連の画素データを参照画素
データ110としてエントロピー符号器52へ向けて出
力する。
【0007】このエントロピー符号器52は、例えば、
算術符号化またはハフマン符号化などの手法を用いて形
成される。そして、参照画素データ110を状態信号と
して用い、対象カラー画素データ100Aを符号化デー
タ200に変換出力する。
【0008】一方、復号化システム60は、ラインバッ
ファ61とエントロピー復号器62を含んで構成され
る。ここにおいて、ラインバッファ61とエントロピー
復号器62は、入力される符号化データ200を符号化
システム50のラインバッファ51、エントロピー符号
器52とは全く逆の手順で復号化出力するように形成さ
れている。
【0009】このようにして、符号化システム50と、
復号化システム60とは、互いに全く逆のアルゴリズム
を用いて、カラー画素データ100Aを符号化データ2
00に符号化し、さらにこの符号化データ200をカラ
ー画素データ100Bに復号化して出力することができ
る。したがって、このシステムは、各種用途に幅広く用
いることができる。
【0010】ところで、このようなシステムでは、カラ
ー画素データ100Aの値、すなわちインデックスの番
号が一定の番号付近に偏るとそのデータの圧縮率が向上
する。また、このシステムでは、参照画素データ110
を、エントロピー符号器52、エントロピー復号器62
の状態信号として使用している。したがって、その状態
数、すなわち、参照画素数を多くとれば、同様にデータ
圧縮率は向上する。すなわち、算術符号化またはハフマ
ン符号化などの手法を用いてエントロピー符号器52お
よび復号器62を構成する場合には、0または1のシン
ボルの発生確率に大きな偏りがあると、データの圧縮率
を高めることができる。これは、エントロピー符号化技
術では、発生確率の高い入力データには短い符号化デー
タを割り当て、発生率の低い入力データには相対的に長
い符号化データを割り当てるからである。
【0011】シンボル、すなわちインデックスの番号の
発生確率の大きな偏りを得るために、従来より、入力デ
ータをいくつかの状態に分類して符号化することが行わ
れている。なぜなら、分類をしないと、良い圧縮率は得
られないからである。例えば、図34に示す従来の手法
では、ラインバファ51,61を用い、参照画素データ
を作成し、これを分類用の状態信号としてエントロピー
符号器52およびエントロピー復号器62へ入力してい
る。そして、これらエントロピー符号器52およびエン
トロピー復号器62は、前記状態信号を用いることによ
り入力データを分類し、符号化および復号化を行ってい
る。すなわち、参照画素データの各状態の発生確率を計
算し、その発生確率の高い組み合わせのものに短い符号
化データを割り当てている。そして、これによりデータ
の圧縮率を高めている。
【0012】しかし、前述したエントロピー符号器52
およびエントロピー復号器62では、参照画素データの
状態数に対応した数の符号化パラメータテーブルが必要
となる。このため、圧縮率を高めるために参照画素数を
大きくとればとるほど、符号化および復号化のパラメー
タテーブルが大きくなる。このため、エントロピー符号
器52およびエントロピー復号器62が大型化かつ高価
となってしまうという問題がある。
【0013】例えば、カラー画素データ、すなわちイン
デックスの番号を4ビットデータ(16種)で構成し、
しかも参照画素データ110の画素数が4である場合を
想定する。この場合には、符号化および復号化パラメー
タテーブルの状態数は、4画素×4ビット=16ビット
分の状態数、すなわち2の16乗の状態数をとる。この
ため、2の16乗=65536通りのパラメータテーブ
ルを用意しなければならない。このことからも、参照画
素を1つ増やすごとに、その分、符号化および復号化パ
ラメータテーブルが極めて大きくなり、エントロピー符
号器52およびエントロピー復号器62を構成するハー
ドウェアが大型化してしまうことが理解される。しか
も、対象画素も4ビット、すなわち、4プレーンで構成
され、各プレーンに1ビットずつの信号が割り当てら
れ、結果として4ビットで16通りの値(色)をとるの
で、パラメータテーブルは65536×16の大きさを
持つテーブルとなる(図36参照)。
【0014】このような問題に対し、対象画素のカラー
シンボル、すなわち色に対応するインデックスの番号の
出現頻度の偏りを計算し、出現頻度順位に対応して、イ
ンデックスの番号を並び替える色順位変換の方法(特開
平6−276041号)がある。すなわち、これにより
出現頻度の高いものに短い符号化データを割り当て、さ
らに、圧縮率を高めている。また、この公開公報には、
エントロピー符号器52およびエントロピー復号器62
の中に縮退した状態数に応じてパラメータテーブルを小
さくさせる技術も開示されている。
【0015】この特開平6−276041号公報に示さ
れている状態数を縮退するシステムの特徴は、図37に
示すように、従来の符号化システム50や復号化システ
ム60と同様にエントロピー符号器52およびエントロ
ピー復号器62に参照画素データ110を状態信号とし
て入力するわけであるが、その入力に際し、その状態信
号140を、ラインバッファ51,61から出力される
参照画素データ110を縮退する状態縮退器53,63
によって生成する点にある。
【0016】この状態縮退器53、63は、入力される
参照画素データ110を、より少ないビット数の状態信
号140に縮退し、対応するエントロピー符号器52お
よびエントロピー復号器62へ向け出力するように構成
されている。なお、予測器54,64は、それぞれカラ
ーシンボルの出現頻度に基づいてカラー画素データを色
順位に変換するためおよびその逆を行うための色順位テ
ーブル(詳細は後述)をそのメモリーに保有しているも
のである。
【0017】なお、縮退とは、縮退後の状態数に、元の
状態を分類する操作である。この分類は、分類後のエン
トロピー(1つのシンボルを表示するための平均情報
量)が最少となるように、その組み合わせを選択して行
う。そして、縮退後の状態数、すなわち、分類された後
の状態数に対して識別ビットを付加する。これが状態信
号140である。
【0018】ところで、状態縮退器53,63に用いる
縮退テーブルとしては、参照画素データ110のカラー
シンボルの組み合わせパターンと、縮退データとの関係
を特定する縮退テーブルを設定し、この縮退テーブルを
用い、入力される参照画素データ110のカラーシンボ
ルの組み合わせパターンを、縮退データに変換出力する
方法がある。
【0019】図38には、このような手法を用いて行わ
れる縮退動作の一例が示されている。ここでは、説明を
簡単にするために、図38(A)に示すよう、符号化対
象画素Xに対し、A,B,Cの3つの画素から形成され
るマルコフモデルを参照画素パターンとして用いる場合
を例にとり説明する。
【0020】参照画素が、図38(A)に示すように、
3つの画素から構成される場合には、そのカラーシンボ
ルの組み合わせパターンは、図38(B)に示すように
5通りとなる。すなわち、3つに画素のカラーシンボル
が全て一致するパターンと、2つのカラーシンボルのみ
が一致する場合に該当する3つのパターンと、全ての画
素のカラーシンボルが異なるパターンの計5つのパター
ンに分類される。
【0021】したがって、図38(B)に示すテーブル
を状態縮退器53,63の縮退テーブルとして用いるこ
とにより、本来3つの画素の組み合わせが取りうる2の
12乗のパターンの状態を、図38(B)に示す5つの
状態S1〜S5に縮退することができる。このようにす
ることによって、参照画素データ110を効果的に縮退
し、エントロピー符号器52およびエントロピー復号器
62の状態数を大幅に少なくすることができる。
【0022】ところで、このような算術符号化および復
号化の一般的な手法は、既に1画像符号化標準JBIG
(インターナショナルスタンダードISO/IEC11
544)のp26〜44およびp44〜p50に詳細に
述べられているが、ここでは後述する本発明を展開する
際の前提技術として簡単に説明する。
【0023】図34に用いられる算術符号型のエントロ
ピー符号器52の一例を図39に示す。なお、算術復号
型のエントロピー復号器62の構成は、エントロピー符
号器52の構成と実質的に同一であるので、ここではそ
の説明は省略する。
【0024】このエントロピー符号器52は、算術演算
部55と、状態記憶器として機能する発生確率生成手段
56とを含んで構成される。この発生確率生成手段56
内には、符号化に必要なシンボル発数確率を決定するた
めに必要な状態パラメータテーブルが書き込まれてい
る。上記の状態パラメータは、入力される状態信号によ
って特定される。そして、この状態信号によって特定さ
れた状態パラメータのテーブルに対し、発生確率生成手
段56の発生確率演算パラメータが算術演算部55へ向
けて出力される。算術演算部55は、このようにして入
力される発生確率に基づき、エントロピー符号化を行
い、入力される色順位データ120を符号化データ20
0に変換出力する。そして、符号化した色順位データ1
20の値により、状態信号に対する発生確率を再計算
し、演算パラメータ更新値として、発生確率生成手段5
6へ入力する。この更新結果が次データの発生確率とし
てテーブルに記憶されることで、エントロピー符号器5
2の圧縮効率が向上することとなる。
【0025】なお、色順位データ120を生成するため
に、先に述べたように予測器54,64内に色順位テー
ブルが配置されている。この色順位テーブルの一例とし
て、図41に示されるものが知られている(特開平6ー
276041号公報参照)。この例では、符号化対象画
素Xに対しての色順位テーブルを決める際、2次元的な
周辺画素データR0,R1,R2,R3を上位の色順位
データとして使用し、符号化対象画素Xと同一ラインの
1次元テーブルを下位の色順位データとして使用するも
のである。このとき、1次元テーブルから周辺画素デー
タR0,R1,R2,R3のカラーシンボルを除去した
後、上位と下位の色順位データをドッキングさせ符号化
対象画素Xの色順位テーブルとしている。
【0026】具体的にどのように色順位テーブルができ
あがるかを図41に基づき説明する。符号化されるカラ
ーシンボルが16色の場合を考える。仮に、色順位を図
41(A)に示すように、各画素の位置R0,R1,R
2…R8… で固定したとき、それぞれのカラーシンボ
ルが図41(B)に示すように、C4,C3,C6,C
5,C2,C2…のとき、できあがる最新出現表となる
色順位テーブルは、図41(C)に示すようになる。す
なわち、最上位はR0のC4,2番目はR1のC3,3
番目はR2のC6,4番目はR3のC5,5番目はR4
のC2,6番目はR5にあるC2となるが、C2は既に
発生しており、さらにR6のC4も既に発生しているの
で、第6番目はR7のC0となる。このようにして既に
上位にある色すなわち、R0〜R3に出現するカラーシ
ンボルを除いた色順位データがR0〜R3のデータに加
わり、16色のカラーシンボルの第1番目から16番目
までが決められる。なおこのとき、上位4つの周辺画素
を学習により可変とすることもできる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】図41に示される2次
元の色順位変換を行うための色順位テーブルは、そのテ
ーブルを作成する際、2次元的な周辺画素と1次元テー
ブルとの重複したカラーシンボルを1次元テーブルから
削除する作業が必要となっている。1次元テーブルから
重複したカラーシンボルを削除するこの処理は、カラー
シンボルのインデックスコードのビット数が増加する
と、莫大な処理量になってしまう。すなわち、図41に
示すように全カラーシンボルの数が16色、すなわちイ
ンデックスコードとしては4ビットあれば十分な場合に
は、重複するカラーシンボルを検索し、該当するカラー
シンボルを1次元テーブルから削除する作業もそれ程の
負荷にはならないが、インデックスコードが8ビットと
なると256色となり、重複するカラーシンボルを検索
し、削除する作業は莫大となる。
【0028】例えば、周辺画素データR0,R1,R
2,R3が全部異なる色であったとき、4色それぞれに
ついて1次元テーブル中の256色から検索し、同じ色
が見つかったところで、そのカラーシンボルを削除し、
それ以後の順位を詰めて最後のカラーシンボルに256
番目の順位を付ける作業を行う。このため、最高256
×4回の比較を行わなければならない。この作業量は極
めて莫大なものである。
【0029】さらに、図41に示す色順位テーブルを構
成する1次元テーブルや、特開平6ー276041中の
図45に示すような1次元テーブルのみから構成する色
順位テーブルでは、複数のレジスタからなるFIFOを
利用した、いわゆる先頭移動処理(Move to F
ront)の最新出現表作成処理を行っている。この最
新出現表作成時のソーティング処理も、インデックスコ
ードのビット数の増加に伴い演算量が増大し、その処理
量が増加する。このため、ビット数が多いインデックス
コードを扱う場合には、マルチカラー画像の符号化や復
号化の際の処理速度が低下してしまう。
【0030】特に、これらの処理をハードウェアではな
く、ソフトウェアで行おうとすると、その速度が一層遅
くなる。すなわち、同じ色を検索する処理とその検索さ
れた色を先頭に移動させる処理をソフトウェアで行おう
とすると、そのオペレーション数が極めて多くなり、そ
の処理速度が大きく低下する。
【0031】また、図38に示すようなマルコフモデル
の参照画素を利用し、状態数を大幅に削減して符号化や
復号化を行う際、従来の方法では、参照画素の順位を固
定するかもしくは学習により可変としている。いずれの
場合も、参照画素の各状態に対応した工夫を行うもので
はなく、圧縮率の面ではまだ不十分なものとなってい
る。
【0032】本発明は、以上のような問題に対処してな
されたものであり、参照画素を利用して符号化および復
号化を行う際の処理速度、特に復号処理の速度の大幅な
向上を可能とするマルチカラー画像の符号化装置および
その方法ならびにマルチカラー画像の復号化装置および
その方法を提供することを目的とする。また、本発明
は、符号化や復号化に際し、参照画素を利用するとき、
その圧縮率や復号化効率を大幅に向上させ得るマルチカ
ラー画像の符号化装置等を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、カラーシンボルを周辺の
参照画素を利用して符号化するマルチカラー画像の符号
化装置において、参照画素の状態を区分けする状態生成
部と、この状態生成部によって区分けされた状態を示す
状態信号を入力すると共に区分けされた状態毎に参照画
素のプリスキャン時の出現度数を算出する変換テーブル
生成部と、状態生成部からの状態信号と変換テーブル生
成部によって算出された出現度数とから作成され、区分
けされた状態毎に、参照画素の位置を出現度数の高いも
の順に並べると共に符号化時に利用するようにした参照
順位テーブルとを設けている。
【0034】このように、プリスキャンによって、参照
画素の出現度数を算出し、その出現度数によって順位を
並び換えた参照順位テーブルを利用しているので、圧縮
率が大幅に向上する。しかも、復号化の際には、高速化
が達成される。
【0035】また、請求項2記載の発明では、カラーシ
ンボルを周辺の参照画素を利用して符号化するマルチカ
ラー画像の符号化装置において、参照画素と一致しなか
った画素の度数分布をプリスキャン時に調べる変換テー
ブル生成部と、その度数順に画素インデックスを変換し
た画素インデックス変換テーブルと、この画素インデッ
クス変換テーブルを利用してカラーパレット変換部によ
って生成される変換カラーパレットとを設けている。
【0036】このように、プリスキャンによって、参照
画素と一致しなかった画素の度数分布を調べ、その度数
順に並び換えた画素インデックス変換テーブルを利用し
ているので、プリスキャンによってエンコードの際の負
担は増大するが、いわゆる先頭移動処理のような多数の
工程を設ける必要がなくなり、ソフトウェアでデコード
する際の速度が大幅に向上する。しかも、画素インデッ
クスの並び換えを行うことによって先頭移動処理を行な
わないようにしても、圧縮率はそれほど劣化しない。
【0037】さらに、請求項3記載の発明では、カラー
シンボルを周辺の参照画素を利用して符号化するマルチ
カラー画像の符号化装置において、参照画素の状態を区
分けする状態生成部と、この状態生成部によって区分け
された状態を示す状態信号を入力すると共に区分けされ
た状態毎に参照画素のプリスキャン時の出現度数および
参照画素と一致しなかった画素の度数分布をプリスキャ
ン時にそれぞれ調べる変換テーブル生成部と、上記状態
生成部からの上記状態信号と上記変換テーブル生成部に
よって算出された上記出現度数とから作成され、区分け
された状態毎に、上記参照画素の位置を上記出現度数の
高いもの順に並べると共に符号化時に利用するようにし
た参照順位テーブルと、一致しなかった画素の度数順に
画素インデックスを変換した画素インデックス変換テー
ブルと、この画素インデックス変換テーブルを利用して
カラーパレット変換部によって生成される変換カラーパ
レットとを設けている。
【0038】このように、プリスキャンによって、参照
画素の出現度数を算出し、その出現度数によって順位を
並び換えた参照順位テーブルを利用しているので、圧縮
率が大幅に向上する。しかも、復号化の際には、高速化
が達成される。さらに、プリスキャンによって、参照画
素と一致しなかった画素の度数分布を調べ、その度数順
に並び換えた画素インデックス変換テーブルを利用して
いるので、プリスキャンによってエンコードの際の負担
は増大するが、いわゆる先頭移動処理のような多数の工
程を設ける必要がなくなり、ソフトウェアでデコードす
る際の速度が大幅に向上する。しかも、画素インデック
スの並び換えを行うことによって、先頭移動処理を行な
わないようにしても圧縮率はそれほど劣化しない。
【0039】加えて、請求項4記載の発明では、請求項
3記載のマルチカラー画像の符号化装置において、画素
インデックス変換テーブルによって変換された画素イン
デックスが参照画素と一致したとき、その参照画素の参
照順位テーブル中の順位を出力すると共に、一致しなか
ったとき、参照画素の色数を変換された画素インデック
スに加えた順位を出力する判別部を設けている。このよ
うに、変換された画素インデックスと参照画素とを判別
部で照合し、参照画素と一致したときは参照画素の順位
を、一致しないときは変換された画素インデックスに参
照画素の順位を加えた数値を出力し符号化しているの
で、圧縮率が大幅に向上すると共に復号化の際には高速
化が達成される。
【0040】さらに、請求項5記載の発明では、請求項
4記載のマルチカラー画像の符号化装置において、判別
部からの出力をエントロピー符号化するエントロピー符
号器を設けると共に、エントロピー符号化した符号化コ
ードと、参照順位テーブルのデータと、変換カラーパレ
ットのデータとを入力し合成して出力する合成部を設け
ている。このため、画素インデックスのデータが高圧縮
され、圧縮率がさらに向上すると共にソフトウェアで処
理し易いものとなる。
【0041】さらに、請求項6記載の発明では、請求項
5記載のマルチカラー画像の符号化装置において、参照
画素を利用してマルコフモデルを生成するマルコフモデ
ル生成部を設け、エントロピー符号器によるエントロピ
ー符号化の際、そのマルコフモデル生成部からの状態信
号によって状態分けしてエントロピー符号化している。
この状態分けによって、画素インデックスのデータが一
層高圧縮され、圧縮率がさらに向上する。
【0042】加えて、請求項7記載の発明では、請求項
5または6記載のマルチカラー画像の符号化装置におい
て、エントロピー符号器に、予測ランを使用する予測ラ
ンレングス符号化手段を使用している。この予測ランの
使用によって、画素インデックスのデータがさらに一層
高圧縮され、圧縮率が大幅に向上する。
【0043】また、請求項8記載の発明では、カラーシ
ンボルを周辺の参照画素を利用して符号化するマルチカ
ラー画像の符号化方法において、参照画素の状態を区分
けする状態生成工程と、この状態生成工程によって区分
けされた状態を示す状態信号を入力すると共に区分けさ
れた状態毎に参照画素のプリスキャン時の出現度数を算
出する変換テーブル生成工程と、状態生成工程からの状
態信号と変換テーブル生成工程によって算出された出現
度数とから作成され、区分けされた状態毎に、参照画素
の位置を出現度数の高いもの順に並べると共に符号化時
に利用するようにした参照順位テーブルとを備えてい
る。
【0044】このように、プリスキャンによって、参照
画素の出現度数を算出し、その出現度数によって順位を
並び換えた参照順位テーブルを利用しているので、圧縮
率が大幅に向上する。しかも、復号化の際には、高速化
が達成される。
【0045】さらに、請求項9記載の発明では、カラー
シンボルを周辺の参照画素を利用して符号化するマルチ
カラー画像の符号化方法において、参照画素と一致しな
かった画素の度数分布をプリスキャン時に調べる変換テ
ーブル生成工程と、その度数順に画素インデックスを変
換した画素インデックス変換テーブルと、この画素イン
デックス変換テーブルを利用してカラーパレット変換工
程によって生成される変換カラーパレットとを備えてい
る。
【0046】このように、プリスキャンによって、参照
画素と一致しなかった画素の度数分布を調べ、その度数
順に並び換えた画素インデックス変換テーブルを利用し
ているので、プリスキャンによってエンコードの際の負
担は増大するが、いわゆる先頭移動処理のような多数の
工程を設ける必要がなくなり、ソフトウェアでデコード
する際の速度が大幅に向上する。しかも、画素インデッ
クスの並び換えを行うことによって、先頭移動処理を行
わないようにしても圧縮率はそれほど劣化しない。
【0047】また、請求項10記載の発明では、カラー
シンボルを周辺の参照画素を利用して符号化するマルチ
カラー画像の符号化方法において、参照画素の状態を区
分けする状態生成工程と、この状態生成工程によって区
分けされた状態を示す状態信号を入力すると共に区分け
された状態毎に参照画素のプリスキャン時の出現度数お
よび参照画素と一致しなかった画素の度数分布をプリス
キャン時にそれぞれ調べる変換テーブル生成工程と、上
記状態生成工程からの上記状態信号と上記変換テーブル
生成工程によって算出された上記出現度数とから作成さ
れ、区分けされた状態毎に、上記参照画素の位置を上記
出現度数の高いもの順に並べると共に符号化時に利用す
るようにした参照順位テーブルと、一致しなかった画素
の度数順に画素インデックスを変換した画素インデック
ス変換テーブルと、この画素インデックス変換テーブル
を利用してカラーパレット変換工程によって生成される
変換カラーパレットとを備えている。
【0048】このように、プリスキャンによって、参照
画素の出現度数を算出し、その出現度数によって順位を
並び換えた参照順位テーブルを利用しているので、圧縮
率が大幅に向上する。しかも、復号化の際には、高速化
が達成される。さらに、プリスキャンによって、参照画
素と一致しなかった画素の度数分布を調べ、その度数順
に並び換えた画素インデックス変換テーブルを利用して
いるので、プリスキャンによってエンコードの際の負担
は増大するが、いわゆる先頭移動処理のような多数の工
程を設ける必要がなくなり、ソフトウェアでデコードす
る際の速度が大幅に向上する。しかも、画素インデック
スの並び換えを行うことによって、先頭移動処理を行な
わないようにしても圧縮率はそれほど劣化しない。
【0049】さらに、請求項11記載の発明では、請求
項10記載のマルチカラー画像の符号化方法において、
画素インデックス変換テーブルによって変換された画素
インデックスが参照画素と一致したとき、その参照画素
の参照順位テーブル中の順位を出力すると共に、一致し
なかったとき、参照画素の色数を変換された画素インデ
ックスに加えた順位を出力する判別工程を設けている。
このように、変換された画素インデックスと参照画素と
を判別工程で照合し、参照画素と一致したときは参照画
素の順位を、一致しないときは変換された画素インデッ
クスに参照画素の順位を加えた数値を出力し符号化して
いるので、圧縮率が大幅に向上すると共に復号化の際に
は高速化が達成される。
【0050】加えて、請求項12記載の発明では、請求
項11記載のマルチカラー画像の符号化方法において、
判別工程からの出力をエントロピー符号化するエントロ
ピー符号化工程を設けると共に、エントロピー符号化し
た符号化コードと、参照順位テーブルのデータと、変換
カラーパレットのデータとを入力し合成して出力する合
成工程を設けている。このため、画素インデックスのデ
ータが高圧縮され、圧縮率がさらに向上すると共にソフ
トウェアで処理し易いものとなる。
【0051】また、請求項13記載の発明では、請求項
12記載のマルチカラー画像の符号化方法において、参
照画素を利用してマルコフモデルを生成するマルコフモ
デル生成工程を設け、エントロピー符号化工程によるエ
ントロピー符号化の際、そのマルコフモデル生成工程か
らの状態信号によって状態分けしてエントロピー符号化
している。このように状態分けするため、画素インデッ
クスのデータがさらに高圧縮され、圧縮率がさらに向上
する。
【0052】さらに、請求項14記載の発明では、請求
項12または13記載のマルチカラー画像の符号化方法
において、エントロピー符号化工程に、予測ランを使用
する予測ランレングス符号化工程を使用している。この
予測ランの使用により、画素インデックスのデータがさ
らに一層高圧縮され、圧縮率が大幅に向上する。
【0053】また、請求項15記載の発明では、入力さ
れる符号化データを、復号された周辺の参照画素を利用
して、復号化するマルチカラー画像の復号化装置におい
て、参照画素の状態を区分けする状態生成部と、この状
態生成部によって区分けされた状態を示す状態信号を入
力すると共に区分けされた状態毎に参照画素の位置をそ
の出現度数の高いもの順に並べられ、復号時に利用する
ようにした参照順位テーブルと、この参照順位テーブル
の順位データを利用して画素インデックスを復号する画
素インデックス生成部とを設けている。
【0054】このように、出現度数によって並び換えら
れる参照順位テーブルを利用して復号化しているので、
復号効率を向上させることができると共に復号速度を高
速化できる。
【0055】また、請求項16記載の発明では、入力さ
れる符号化データを、復号された周辺の参照画素を利用
して、復号化するマルチカラー画像の復号化装置におい
て、参照画素と一致しなかった画素の度数分布によって
並び替えられた変換カラーパレットと、入力されてきた
順位データが、参照画素を指し示すとき、順位データで
指し示された参照画素データを出力すると共に、参照画
素の順位を指し示さないとき、参照画素の色数を、入力
されてきた順位データから差し引いて出力する画素イン
デックス生成部とを設けている。
【0056】このように、参照画素と一致しなかった画
素の度数分布によって並び換えられた変換カラーパレッ
トを利用して復号しているので、いわゆる先頭移動処理
のような多数の工程を設ける必要がなくなりソフトウェ
アでデコードする際の速度が大幅に向上する。しかも、
画素インデックスの並び換えを行うことによって、先頭
移動処理を行わない場合でも復号効率はそれほど劣化し
ない。
【0057】さらに、請求項17記載の発明では、入力
される符号化データを、復号された周辺の参照画素を利
用して、復号化するマルチカラー画像の復号化装置にお
いて、参照画素の状態を区分けする状態生成部と、この
状態生成部によって区分けされた状態を示す状態信号を
入力すると共に区分けされた状態毎に参照画素の位置を
その出現度数の高いもの順に並べられ、復号時に利用す
るようにした参照順位テーブルと、参照画素と一致しな
かった画素の度数分布によって並び替えられた変換カラ
ーパレットと、入力されてきた順位データが、参照画素
を指し示すとき、順位データで指し示された参照画素デ
ータを出力すると共に、参照画素の順位を指し示さない
とき、参照画素の色数を、入力されてきた順位データか
ら差し引いて出力する画素インデックス生成部とを設け
ている。
【0058】このように、出現度数によって並び換えら
れる参照順位テーブルを利用して復号化しているので、
復号効率を向上させることができると共に復号速度を高
速化できる。さらに、参照画素と一致しなかった画素の
度数分布によって並び換えられた変換カラーパレットを
利用して復号しているので、いわゆる先頭移動処理のよ
うな多数の工程を設ける必要がなくなりソフトウェアで
デコードする際の速度が大幅に向上する。しかも、画素
インデックスの並び換えを行うことによって、先頭移動
処理を行わない場合でも復号効率はそれほど劣化しな
い。
【0059】さらに、請求項18記載の発明では、請求
項17記載のマルチカラー画像の復号化装置において、
入力された符号化データから、参照順位テーブルのデー
タおよび変換カラーパレットのデータを分離する分離部
と、この分離部で分離された残りのエントロピー符号化
されたデータをエントロピー復号するエントロピー復号
器とを設け、このエントロピー復号器からの出力を画素
インデックス生成部に入力し参照画素を利用して画素イ
ンデックスを出力するようにしている。
【0060】このように、分離部でデータが分離されて
処理されるので、ソフトウェアで処理し易いものとな
る。しかも、エントロピー復号器でエントロピー符号化
されたデータを復号し、その復号されたデータから参照
画素を利用して画素インデックスを出力するので、復号
効率が向上し、復号速度が速いものとなる。
【0061】加えて、請求項19記載の発明では、請求
項18記載のマルチカラー画像の復号化装置において、
参照画素を利用してマルコフモデルを生成するマルコフ
モデル生成部を設け、エントロピー復号器によるエント
ロピー復号化の際、そのマルコフモデル生成部からの状
態信号によって状態分けしてエントロピー復号してい
る。このように、マルコフモデルによる状態信号で状態
分けして復号しているので、復号効率が上がると共に復
号速度が向上する。
【0062】また、請求項20記載の発明では、請求項
18または19記載のマルチカラー画像の復号化装置に
おいて、エントロピー復号器に、予測ランを使用する予
測ランレングス復号化手段を使用している。このよう
に、予測ランを使用して復号しているので、復号効率が
一層向上すると共に復号速度が向上する。
【0063】また、請求項21記載の発明では、入力さ
れる符号化データを、復号された周辺の参照画素を利用
して、復号化するマルチカラー画像の復号化方法におい
て、参照画素の状態を区分けする状態生成工程と、この
状態生成工程によって区分けされた状態を示す状態信号
を入力すると共に区分けされた状態毎に参照画素の位置
をその出現度数の高いもの順に並べられ、復号時に利用
するようにした参照順位テーブルと、この参照順位テー
ブルの順位データを利用して画素インデックスを復号す
る画素インデックス生成工程とを備えている。
【0064】このように、出現度数によって並び換えら
れる参照順位テーブルを利用して復号化しているので、
復号効率を向上させることができると共に復号速度を高
速化できる。
【0065】また、請求項22記載の発明では、入力さ
れる符号化データを、復号された周辺の参照画素を利用
して、復号化するマルチカラー画像の復号化方法におい
て、参照画素と一致しなかった画素の度数分布によって
並び替えられた変換カラーパレットと、入力されてきた
順位データが、参照画素を指し示すとき、順位データで
指し示された参照画素データを出力すると共に、参照画
素の順位を指し示さないとき、参照画素の色数を、入力
されてきた順位データから差し引いて出力する画素イン
デックス生成工程とを設けている。
【0066】このように、参照画素と一致しなかった画
素の度数分布によって並び換えられた変換カラーパレッ
トを利用して復号しているので、いわゆる先頭移動処理
のような多数の工程を設ける必要がなくなりソフトウェ
アでデコードする際の速度が大幅に向上する。しかも、
画素インデックスの並び換えを行うことによって、先頭
移動処理を行わない場合でも復号効率はそれほど劣化し
ない。
【0067】さらに、請求項23記載の発明では、入力
される符号化データを、復号された周辺の参照画素を利
用して、復号化するマルチカラー画像の復号化方法にお
いて、参照画素の状態を区分けする状態生成工程と、こ
の状態生成部によって区分けされた状態を示す状態信号
を入力すると共に区分けされた状態毎に参照画素の位置
をその出現度数の高いもの順に並べられ、復号時に利用
するようにした参照順位テーブルと、参照画素と一致し
なかった画素の度数分布によって並び替えられた変換カ
ラーパレットと、入力されてきた順位データが、参照画
素を指し示すとき、順位データで指し示された参照画素
データを出力すると共に、参照画素の順位を指し示さな
いとき、参照画素の色数を、入力されてきた順位データ
から差し引いて出力する画素インデックス生成工程とを
設けている。
【0068】このように、出現度数によって並び換えら
れる参照順位テーブルを利用して復号化しているので、
復号効率を向上させることができると共に復号速度を高
速化できる。さらに、参照画素と一致しなかった画素の
度数分布によって並び換えられた変換カラーパレットを
利用して復号しているので、いわゆる先頭移動処理のよ
うな多数の工程を設ける必要がなくなりソフトウェアで
デコードする際の速度が大幅に向上する。しかも、画素
インデックスの並び換えを行うことによって、先頭移動
処理を行わない場合でも復号効率はそれほど劣化しな
い。
【0069】さらに、請求項24記載の発明では、請求
項23記載のマルチカラー画像の復号化方法において、
入力された符号化データから、参照順位テーブルのデー
タおよび変換カラーパレットのデータを分離する分離工
程と、この分離工程で分離された残りのエントロピー符
号化されたデータをエントロピー復号するエントロピー
復号工程とを設け、このエントロピー復号工程からの出
力を画素インデックス生成工程に入力し参照画素を利用
して画素インデックスを出力している。
【0070】このように、分離工程でデータが分離され
て処理されるので、ソフトウェアで処理し易いものとな
る。しかも、エントロピー復号工程でエントロピー符号
化されたデータを復号し、その復号されたデータから参
照画素を利用して画素インデックスを出力するので、復
号効率が向上し、復号速度が速いものとなる。
【0071】加えて、請求項25記載の発明では、請求
項24項記載のマルチカラー画像の復号化方法におい
て、参照画素を利用してマルコフモデルを生成するマル
コフモデル生成工程を設け、エントロピー復号工程によ
るエントロピー復号化の際、そのマルコフモデル生成工
程からの状態信号によって状態分けしてエントロピー復
号している。このように、マルコフモデルによる状態信
号によって状態分けして復号しているので、復号効率が
上がると共に復号速度が向上する。
【0072】さらに、請求項26記載の発明では、請求
項24または25記載のマルチカラー画像の復号化方法
において、エントロピー復号工程に、予測ランを使用す
る予測ランレングス復号化工程を使用している。このよ
うに、予測ランを使用して復号しているので、復号効率
が一層向上すると共に復号速度が大幅に向上する。
【0073】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
から図33に基づき説明する。
【0074】図1に、本発明に係るマルチカラー画像の
符号化システム1の好適な実施の形態を示す。また、図
2に、図1の符号化システム1に対応するマルチカラー
画像の復号化システム2の好適な実施の形態を示す。
【0075】この符号化システム1は、参照画素生成手
段となるラインバッファ10と、縮退手段となるマルコ
フモデル生成部11と、エントロピー符号化手段となる
エントロピー符号器12と、状態信号STを生成する状
態生成部13と、プリスキャン時に2種類の変換テーブ
ルを生成する変換テーブル生成部14と、参照順位テー
ブル15と、符号化時に画素インデックス(カラーシン
ボル)3を入力し、インデックス変換する画素インデッ
クス変換テーブル16と、カラーパレット変換部17
と、変換された変換カラーパレット18と、変換された
画素インデックスを入力し、所定の順位を出力する判別
部19と、各信号を入力し合成する合成部20と、プリ
スキャン時と符号化時の切り替えをするスイッチ21と
を含み、入力される画素インデックス3のデータストリ
ームを符号化データ5のデータストリームに変換して出
力するように構成されている。
【0076】なお、この実施の形態において、符号化の
対象するカラー画素は、マルチカラーの画素インデック
ス3であり、1画素当たり8ビットのインデックスコー
ドのデータで構成され、256色分のカラーシンボルを
表示できる。また、そのデータは、携帯端末に表示され
る地図データで、GSPによる現在位置の表示に使用さ
れるものとなっている。
【0077】ラインバッファ10は、プリスキャン時に
は、参照画素を状態生成部13に入力し、符号化時には
参照画素をマルコフモデル生成部11に入力している。
マルコフモデル生成部11は、図3(A)に示すよう
に、符号化対象画素buf〔i〕に対し参照画素とし
て、周辺の4画素R
〔0〕〜R〔3〕を取り入れ、マル
コフ状態信号CXを発生させている。
【0078】エントロピー符号器12は、後述するよう
に、予測ランレングス符号化によってモデル化されて画
像信号を符号化コード化するものとなっている。このエ
ントロピー符号器12は、図39に示す算術型のエント
ロピー符号器や、ハフマン符号を使用した符号器を採用
するようにしても良い。なお、エントロピー符号器12
の構成、動作、機能の詳細については後述する。
【0079】状態生成部13は、符号化プロセスに先立
つプリスキャン時に動作するもので、図3(A)に示す
ように、符号化対象画素をbuf〔i〕としたとき、そ
の周辺の参照画素R
〔0〕〜R〔03〕の状態を図4に
示すように区分けするものとなっている。例えば、R
〔0〕〜R〔3〕がすべて同一の色の時は、状態信号S
Tは「0」となり、R
〔0〕〜R〔3〕がすべて互いに
異なる色のときは状態信号STは「33」となる。な
お、符号化対象画素buf〔i〕は、先頭ラスタにある
ときは、図3(B)に示すように、現れてこない部分で
ある参照画素R〔1〕〜R〔3〕にはすべて「0」、す
なわち後述するように最も頻度の高い画素インデックス
を設定する。また、符号化対象画素buf〔i〕が、画
像の先頭であるとき、R
〔0〕〜R〔3〕のすべてに
「0」を設定する。
【0080】変換テーブル生成部14も、プリスキャン
時にのみ動作する。そして、符号化対象画素buf
〔i〕が4つの参照画素(以下R〔4〕という)と一致
した場合、状態信号毎にその一致した色の位置の度数を
算出すると共に、参照画素R〔4〕の中に符号化対象画
素buf〔i〕が無いときには、その一致しなかった画
素インデックスの出現度数をカウントする。
【0081】例えば、状態信号STが「3」のとき、図
5(A)に示すように、符号化対象画素buf〔i〕が
参照画素R
〔0〕と一致した数をNAとし、参照画素R
〔2〕と一致した数をNBとすると、NA>NBなら作
成する参照順位テーブル15の参照画素位置は、図5
(B)に示すように、0位にR
〔0〕がきて、1位にR
〔2〕がくる。一方、NA<NBのときは、図5(C)
に示すように、0位にR〔2〕、1位にR
〔0〕がく
る。このようにして、図6に示すような参照順位テーブ
ル15が作成される。なお、参照順位テーブル15中の
数字、例えば、状態信号STが「3」のときの0位の
「2」、1位の「0」は、先に示した例で言えば、0位
のR〔2〕の「2」を、1位のR
〔0〕の「0」を示し
ている。また、状態信号STが「0」のときは0位のみ
であり、参照順位テーブル15から除かれるため、その
テーブル15は縦が14個、横が4個のテーブルとなっ
ている。
【0082】また、変換テーブル生成部14は、参照画
素R〔4〕の中に符号化対象画素buf〔i〕の色が無
いときは、図7に示すように、参照画素R〔4〕中にな
かった度数を画素インデックス毎にカウントする。そし
て、図8に示すような画素インデックス変換テーブル1
6を生成する。なお、図8に示すものは、N2 ≧N0≧
…≧Nn の場合となっている。
【0083】カラーパレット変換部17は、カラーパレ
ット(例えば、図9の左側に示すようなカラーパレッ
ト)4を、画素インデックス変換テーブル16を利用し
て図9(B)に示すような変換カラーパレット18を生
成している。例えば、画素インデックス(カラーシンボ
ル)C2 がRGBの三原色の組み合わせとしてRGB2
なるものとされているとき、参照画素R〔4〕中に無か
った度数の順位が1番目すなわち順位として0順位のと
き、変換カラーパレット18では最上位すなわちカラー
シンボルC0 の位置に設定されることとなる。
【0084】判別部19は、符号化時に動作するもの
で、画素インデックス変換テーブル16によって変換さ
れた画素インデックスと、状態信号STに基づく参照画
素が入力される。そして、その画素インデックスと参照
画素が一致したときは、参照順位テーブル15に基づい
てその順位を出力する。一致しなかった場合は、その画
素インデックスの順位に、マルコフ状態信号CXに1を
加えた数を加算して出力する。例えば、変換された画素
インデックスがCn のときで状態信号STが「3」の場
合は、その画素インデックスCn と同一の色が参照画素
〔0〕にあったときは、順位として「1」を出力す
る。一方、画素インデックスCn が参照画素R〔4〕中
に無いときは、CXが「1」なので、「n+1+1」=
「n+2」を出力する。
【0085】エントロピー符号器12は、判別部19の
出力をマルコフ状態信号CXでマルコフモデル化し、可
変長符号化する。合成部20では、変換カラーパレット
18のデータと、参照順位テーブル15のデータと、エ
ントロピー符号器12からの出力とを合成して符号化デ
ータ5として出力する。この実施の形態では、符号化デ
ータ5は、画像のサイズ等の情報に続き、変換カラーパ
レット18のデータ、参照順位テーブル15のデータ、
最後にエントロピー符号器12によって符号化された符
号化コードという順に出力されるが、基本的には符号化
データ5中に入っていれば良く、他の順序としても良
い。
【0086】次に、以上の構成を有する符号化システム
1の動作について、図10および図11に示すフローチ
ャートに基づいて説明する。
【0087】符号化システム1の動作は、プリスキャン
プロセスと符号化プロセスとに分かれる。符号化の前処
理に当たるプリスキャンプロセスでは、後段の符号化プ
ロセスで適切な符号化が行えるように、画素インデック
ス変換テーブル16および参照順位テーブル15の作成
を行う。このために、まず、スイッチ21を端子21a
に接続する。そして、ステップS0では変換テーブル生
成部14中の後述するカウントテーブルならびに参照順
位テーブル15および画素インデックス変換テーブル1
6の初期化ならびに後述する符号化処理のための各種変
数の初期化を行う。
【0088】ステップS1では、入力画像のカラーパレ
ット4のデータをカラーパレット変換部17中の配列p
allet〔 〕に入力する。ステップS2では、入力
画像の画素インデックス3をラインバッファ10中の配
列buf〔 〕に入力する。次に、ステップS3では、
符号化対象画素buf〔i〕の周辺の4画素をラインバ
ファ10から取り出し、変換テーブル生成部14や状態
生成部13等の配列R〔 〕に入力する。符号化対象画
素buf〔i〕と参照画素R
〔0〕〜R〔3〕の位置関
係は図3に示すとおりである。ステップS4では、ライ
ンバファ10から抽出した参照画素に基づき、図4の基
準で状態信号STを生成する。
【0089】ステップS5では、参照画素R〔4〕の中
に符号化対象画素buf〔i〕と一致するものがあるか
どうか調べる。その後、ステップ6で参照画素R〔i〕
と一致した場合、変換テーブル生成部14中の参照順位
テーブル15用のカウントテーブルN_table_A
〔ST+j〕に1を加える。ここで、jは参照画素の位
置を現すため、N_table_A〔 〕には、参照画
素の状態と一致した位置毎に、一致した回数がカウント
される。次のステップS7では、参照画素と一致しない
場合、変換テーブル生成部14中の画素インデックス変
換テーブル16作成用のカウントテーブルN_tabl
e_B[buf〔i〕]に1を加える。つまり、カウン
トテーブルN_table_B[buf〔i〕]には、
参照画素と一致しなかった画素について、その画素イン
デックス3ごとにカウントされる。
【0090】ステップS8で、すべての画素データにつ
いて、ステップS3からステップ6あるいはステップ7
までの処理を繰り返す。カウントテーブルN_tabl
e_B〔 〕には、画素インデックス3毎に出現度数が
カウントされている。ステップS9では、これを基に出
現度数の多いものから昇順のコードに変換する画素イン
デックス変換テーブル16を作成する。このテーブル1
6により、出現度数の多い画素インデックス3ほど、小
さいインデックス値に変換され、その特性に合わせたエ
ントロピー符号化を用意すれば、いかなる画像であって
も最も効率の良いエントロピー圧縮を行うことができ
る。
【0091】ステップS10では、その参照順位を記述
した参照順位テーブル15を作成する。すなわち、カウ
ントテーブルN_table_A〔 〕には、参照画素
の状態信号STと、符号化対象画素buf〔i〕に一致
した参照画素位置毎にその度数がカウントされているの
で、度数の多い順に昇順を付ければ、最も効率の良い圧
縮が期待できる。
【0092】プリスキャンプロセスによって、参照順位
テーブル15と画素インデックス変換テーブル16を作
成後、図11に示す符号化プロセスを実行する。この実
行に当たり、まずスイッチ2を端子21b側に切り換え
る。
【0093】プリスキャンプロセスにて作成された参照
順位テーブル15は、復号処理に必要となる。このた
め、圧縮ストリームのヘッダ情報の一部として符号化デ
ータ5のストリームに付加するために、ステップS11
で、合成部20に出力される。ステップS12では、プ
リスキャンプロセスで作成した画素インデックス変換テ
ーブル16を用いて、画素インデックス3の変換を行
う。この変換により参照画素と一致しなかった画素イン
デックス3が、その出現度数の大きい順に昇順のコード
となる。
【0094】画素インデックス3の変換に伴って、カラ
ーパレットも復号側で正しい色が再現されるように変換
する必要がある。このため、ステップS13で、画素イ
ンデックス変換テーブル16を利用して、カラーパレッ
ト変換部17で変換カラーパレット18の作成を行う。
変換された変換カラーパレット18は、合成部20に入
力し、符号化データ5からなる圧縮ストリームのヘッダ
情報の一部として付加される。ステップS14では、プ
リスキャンプロセスのステップS3と同じ動作をする。
すなわち、ラインバッファ10から参照画素R〔4〕を
取り出し、マルコフモデル生成部11や状態生成部13
に入力する。
【0095】次のステップS15では、プリスキャンプ
ロセスのステップS4と同じ動作をする。すなわち、状
態生成部13で、図4に示す基準に基づいて状態信号S
Tを、参照順位テーブル15に向けて出力する。ステッ
プS16では、マルコフ状態信号CXを生成する。この
マルコフ状態信号CXは、参照画素の色数を現す値で、
図4の表に基づいて参照画素の状態から生成する。な
お、この符号化プロセスのフローでは明記しないが、こ
のマルコフ状態信号CXは、エントロピー符号化を行う
際のマルコフモデル化のための符号化条件としても用い
ている。
【0096】ステップS17では、符号化対象画素bu
f〔i〕が、参照画素R〔4〕と一致するか否か調べ
る。具体的には、参照順位テーブル15中の状態信号S
Tに対応する欄内を0からCXと等しい値まで変化さ
せ、符号化対象画素buf〔i〕と一致するか調べてい
く。参照画素と一致した場合は、即ステップS18に進
み、そうでない場合はステップS19に進む。
【0097】参照画素と一致した場合は、その時の順位
をエントロピー符号化する(ステップS18)。参照画
素と一致しなかった場合は、符号化対象画素buf
〔i〕を直接エントロピー符号化する。ただし、(CX
+1)個の符号が参照画素と一致した場合の符号に割り
当てられているので、(CX+1)を加算して符号化す
る(ステップS19)。ステップ20で、すべての画素
データについて、ステップS14からステップS18あ
るいはステップS19までの処理を繰り返す。
【0098】なお、上述したフローでは、ステップS1
8あるいはステップS19で順位の確定と共に逐次エン
トロピー符号化を行うようになっているが、全画素の順
位と対応するマルコフ状態信号CXを一旦バッファに格
納し、まとめて後述する符号化を行っても良い。例え
ば、後述する予測ランレングスの符号化方法を採用した
場合、符号化対象シンボル以降の未来のシンボルをまと
めて符号化することとなる。
【0099】次に、符号化システム1に対応したマルチ
カラー画像の復号化システム2について説明する。
【0100】この復号化システム2は、参照画素生成手
段となるラインバッファ30と、縮退手段となるマルコ
フモデル生成部31と、エントロピー復号化手段となる
エントロピー復号器32と、符号化データ5を分離する
分離部33と、状態信号STを生成する状態生成部34
と、参照順位テーブル35と、画素インデックス(カラ
ーシンボル)生成部36とを含み、入力される符号化デ
ータ5のデータストリームを、変換された画素インデッ
クス6および変換カラーパレット18のデータストリー
ムとして出力するように形成されている。このとき、復
号化システム2のアルゴリズムは、符号化システム1の
アルゴリズムと全く逆のアルゴリズムになるように構成
されている。したがって、画素インデックス3のビット
構成およびデータストリームと、画素インデックス6の
ビット構成およびデータストリームとは全く同じものと
なる。
【0101】ラインバッファ30は、符号化システム1
のラインバッファ10と同様に複数の画素を保存できる
ものとなっている。そして、その値を周辺画素としてマ
ルコフモデル作成部31や状態生成部34等に入力し、
参照順位テーブル35や各信号ST、CXを作成してい
る。
【0102】エントロピー復号器32は、マルコフ状態
信号CXを利用して、入力する符号化データ5中の符号
化コードを、エントロピー符号器12と逆の手順で復号
化演算処理する。なお、エントロピー復号器32は、エ
ントロピー符号器12とは全く逆のアルゴリズムでその
演算を行うように形成しなければならない。したがっ
て、エントロピー復号器32は、エントロピー符号器1
2に算術符号器が用いられた場合には、それと同様な構
成の算術復号器として形成する必要があり、また、エン
トロピー符号器12にハフマン符号器が用いられた場合
には、それと同じ構成のハフマン復号器として構成する
必要がある。
【0103】分離部33は、符号化データ5のデータス
トリームより変換カラーパレット18のデータと、参照
順位テーブル35のデータとを分離するものである。そ
して、その内部に符号化システム1の合成部20と逆の
機能が設定されており、エントロピー符号器12で符号
化された符号化コードをエントロピー復号器32に出力
する。
【0104】状態生成部34は、符号化システム1中の
状態生成部13と同様な構成、機能を有しており、図4
に示す表に示された基準に基づいて状態信号STを出力
する。参照順位テーブル35は、分離部33で分離され
た参照順位テーブル35用のデータによって構成され、
符号化システム1中の参照順位テーブル15と同様な表
となっている。画素インデックス生成部36は、符号化
システム1で生成された所定順位のデータおよびマルコ
フ状態信号CXならびに参照順位テーブル35の各デー
タから画素インデックス6を出力する。
【0105】次に、このように構成される復号化システ
ム2の動作について、図12に示すフローチャートに基
づいて説明する。
【0106】まず、ステップS30で、参照画素や予測
ラン・レングス(PRLC)復号のための各種変数の初
期化を行う。次に、分離部33によって符号化データ5
の圧縮ストリームのヘッダに付加された参照順位テーブ
ル35のデータを抽出し参照順位テーブル35を生成す
る(ステップS31)。ステップS32では、圧縮スト
リームとなる符号化データ5のヘッダに付加された変換
カラーパレット18のデータを同様に分離部33によっ
て抽出し出力する。
【0107】次に、ステップS33で、参照画素R
〔4〕を抽出する。これは符号化プロセスのステップS
14と全く同様となっている。ステップS34では、マ
ルコフ状態信号CXを生成する。これは符号化プロセス
のステップS16と全く同様となっている。ステップS
35では、PRLCによるエントロピー復号により復号
順位Xを得る。
【0108】ステップS36では、画素インデックス生
成部36において、順位Xがマルコフ状態信号CXの値
以下かどうかを判定する。順位Xが値CX以下の場合、
復号される画素インデックスが参照画素に存在すること
を示し、ステップS37に進む。それ以外は、ステップ
S38に進む。ステップS37では、状態信号STで区
分される中に存在する順位Xが指し示す位置にある参照
画素の画素インデックス6を出力する。
【0109】ステップS38では、復号順位Xが参照画
素を指し示さない場合は、復号順位Xそのものが復号さ
れる画素インデックス6となる。ただし、(CX+1)
個の符号が参照画素に割り当てられているため、復号順
位Xから(CX+1)を差し引く必要がある。ステップ
S39で、すべての画素インデックス6の復号が完了す
るまで、ステップS33からステップS37あるいはス
テップS38までを繰り返す。そして、すべての画素イ
ンデックス6の復号が終了すると、復号動作が終了す
る。
【0110】次に、先に説明した符号化システム1中の
エントロピー符号器12で行う符号化について説明す
る。この実施の形態では、いわば予測ラン・レングス
(=PRLC)と称するものを採用している。このPR
LCは、良く知られているラン・レングス符号化を改良
したもので、そのアルゴリズムの概要について、図13
から図15に基づいて説明すると共に、このPRLCの
基礎となる基本的な符号化方法等を図16および図17
に基づいて説明する。
【0111】この符号化のアルゴリズムは、QMコーダ
と同様、基本的には、2値のビット列を圧縮の対象とし
ている。まず初期値として、“0”か“1”のいずれか
を優勢シンボルと定め、そのシンボルが連続すると予測
する個数runを設定する。入力系列の出現確率が不明
の場合は、runを1に設定するのが良い。その上で、
以下に示すようなルールに従い符号化を進める。なお、
個数runが予測ビット数に相当する。
【0112】図13に示すように、runで示される注
目系列がすべて優勢シンボルであると予測し、予測が当
たったとき、符号語として“0”を出力し、この系列の
符号化を完了する。はずれた場合は“1”を出力し、次
の分割符号化工程を実行する。
【0113】予測がはずれた場合は、図14に示すよう
に注目系列を前半部系列と後半部系列の2つに分け、前
半部がすべて優勢シンボルのときは符号語として“0”
を、前半部系列に劣勢シンボルが存在し後半部がすべて
優勢シンボルのときは、符号語として“10”を、前半
部にも後半部にも劣勢シンボルが存在するときは“1
1”をそれぞれ出力する。そして、劣勢シンボルが存在
する系列は、さらに系列を分割する(図15参照)。劣
勢シンボルが存在する系列は、可能な限り系列を分割し
て上述の分割符号化工程を繰り返す。
【0114】なお、分割は必ずしも2つの均等分割とす
る必要はなく、不均等な分割としたり3つ以上の分割と
しても良い。また、予測が当たったとき“0”ではな
く、優勢シンボルを出力し、はずれた場合“1”ではな
く、劣勢シンボルを出力するようにしたり、予測当たり
で“1”を、予測はずれで“0”を出力するようにして
も良い。
【0115】以上がこの符号化の前提となるデータ符号
化の基本アルゴリズムであるが、さらに、入力系列の出
現確率の変化に追随し、符号化効率を向上させるため、
以下の処理を加えるようにしても良い。
【0116】すなわち、runで予測した系列が続けて
所定回数、例えば、2回当たったとき、runを2倍等
に増加させる。なお、予測が的中し続けた場合、さらに
予測範囲を拡大していく。一方、runで予測した系列
が2回以上劣勢シンボルを含むと共にrunを1/2倍
する。予測がはずれ続けた場合、さらに1/2倍してい
く。そして、runが1で、それが劣勢シンボルのとき
は、以降の入力系列を反転させる。すなわち、優勢シン
ボルを変更させる。
【0117】なお、runで予測した系列の後半部系列
に劣勢シンボルが存在するとき、runをいきなり1/
4等に減少させるようにしても良い。これは、後半部に
劣勢シンボルが存在するときは、次に続く系列に劣勢シ
ンボルが多く含まれると判断されているためである。こ
のため、runで予測した系列の前半部系列のみに劣勢
シンボルが存在するときは、後半部に劣勢シンボルが存
在するときより多い値、例えばrunを1/2倍するよ
うにしても良い。
【0118】この実施の形態のエントロピー符号器12
内の符号化プロセスは、次に説明する図16および図1
7の符号化プロセスを改良したものであり、まずその符
号化プロセスについて説明する。改良前の符号化プロセ
スは、図16の符号化メインルーチンと図17の符号化
サブルーチンにより構成される。なお、図17中の符号
化サブルーチンは、サブルーチンから同じサブルーチン
を呼び出すいわゆる関数の再帰読出しを行っている。
【0119】まず、図16の符号化メインルーチンの各
ステップについて説明する。なお、符号化の対象は2値
のビット列からなる入力系列となっている。最初に、予
測の初期値runの設定と優勢シンボルの選択(“0”
または“1”)を行う(ステップS50)。次に、ロー
カル変数ofsに0を、widthにrunを代入する
(ステップS51)。ここでofsは、符号化のために
予め定義した配列Aのポインタで、予測開始ビット位置
を示す。したがって初期値は0となる。widthはo
fsで示したビット位置から何ビットを予測の対象にす
るかを示す値で、ここでは、予測の初期値runが代入
される。その後、予め定義した配列AのA〔ofs〕か
らA〔width−1〕までに入力ビットを書き込む
(ステップS52)。そして、A〔ofs〕からA〔w
idth−1〕のすべての要素が優勢シンボルのときス
テップS54へ進み、ひとつでも劣勢シンボルが含まれ
ているときは、ステップS55へ進む。
【0120】予測が的中した場合、符号語として予測当
たり信号“0”を出力し、配列Aに取り込んだ系列の符
号化を完了する(ステップS54)。一方、予測はずれ
た場合、符号語として予測はずれ信号“1”を出力する
(ステップS55)。そして、widthが1以上か否
かを検出する(ステップS56)。widthが1以下
ならこれ以上分割できないので、ステップS7の符号化
サブルーチンへは移行せずステップS58へ移行する。
一方、widthが1を超えていると、図17の符号化
サブルーチンを呼び出す(ステップS57)。
【0121】ステップS58では、予測runの再設定
と必要ならば優勢シンボルの変更を行う。すなわち、こ
のステップS58においては、基本的には予測が的中す
れば、runを大きくし、はずれれば小さくする。そし
てrunを小さくしても予測が所定回数はずれ続けるよ
うなら、優勢シンボルの変更を行う。なお、予測の的中
や予測のはずれをどのように評価するかについては、さ
まざまな方法を採用することができる。たとえば、予測
がはずれた場合、直ちにrunを小さくしたり、2回以
上連続してはずれたとき、初めてrunを小さくする等
の方法を採用することができる。さらに、前半部系列も
しくは後半部系列のみはずれた場合と、両方はずれた場
合とでrunの縮小の度合いを異ならせる方法も採用で
きる。また、符号済みビット系列で所定の確率テーブル
を引き、次の予測runを設定する等の方式も採用可能
である。
【0122】符号化メインルーチンで1次予測がはずれ
た場合は、ステップS57で図17に示す符号化サブル
ーチンを呼び出す。符号化サブルーチンへ渡す引き数
は、ofsとwidthである。以下、符号化サブルー
チンの各ステップについて説明する。
【0123】符号化サブルーチンでは、予測を前半部系
列と後半部系列に分けて行うため、予測の範囲を半分に
する(ステップS60)。すなわち、親ルーチンから引
き数として受け取ったwidthを1/2にする。そし
て、次のステップS61で、前半部系列(配列のA〔o
fs〕からA〔ofs+width−1〕まで)がすべ
て優勢シンボルか否かをチェックする。すべて優勢シン
ボルならステップS62へ進む。ひとつでも劣勢シンボ
ルが存在したら、直ちにステップS64へ進む。
【0124】前半部系列がすべて優勢シンボルなら、符
号語として“0”を出力する(ステップS62)。そし
て、前半部系列の先頭位置を示すポインタofsにwi
dthを加え、後半部系列の先頭位置を示すように変更
する。また、前半部系列がすべて優勢シンボルのとき
は、後半部系列に必ず劣勢シンボルが存在するので、後
半部系列の予測がはずれたことを示す符号語“1”を出
力する必要がない。したがって、後述するステップS7
0はスキップし、ステップS71に進む。
【0125】一方、前半部系列に劣勢シンボルが存在す
る場合、符号語として“1”を出力する(ステップS6
4)。次に、widthが1を超えているか否かをチェ
ックする(ステップS65)。1以下の場合、これ以上
分割できないので、子の符号化サブルーチン(ステップ
S66)の呼び出しをスキップし、ステップS67へ移
行する。なお、widthが2以上なら、さらに系列を
2つに分け、それぞれを符号化しなければならない。そ
のための子の符号化サブルーチンを呼び出す(ステップ
S66)。子の符号化サブルーチンは、図17に示した
符号化サブルーチンと全く同一となっている。つまり、
ここでは、同一ルーチン(関数)の再帰呼び出しを行
う。
【0126】符号化サブルーチンの再帰呼び出しによっ
て前半部系列の符号化を終了すると、前半部系列の先頭
位置を示すポインタofsにステップS60で設定した
widthを加え、後半部系列の先頭位置を示すように
変更する(ステップS67)。その後、後半部系列(配
列のA〔ofs〕からA〔ofs+width−1〕ま
で)がすべて優勢シンボルか否かをチェックする(ステ
ップS68)。すべて優勢シンボルならステップS69
へ進む。ひとつでも劣勢シンボルが存在したら、直ちに
ステップS70へ進む。そして、後半部系列がすべて優
勢シンボルなら、符号語として“0”を出力する(ステ
ップS69)。
【0127】一方、前半部系列に劣勢シンボルが存在す
る場合、符号語として“1”を出力する(ステップS7
0)。そして、次に、widthが1を超えているか否
かをチェックする(ステップS71)。1以下の場合、
これ以上分割できないので、子の符号化サブルーチンを
実行するステップS72をスキップし、次の注目系列の
符号化工程へリターンする。なお、後半部系列について
も、widthが2以上なら、さらに系列を2つに分
け、それぞれ符号化する。そのため図17に示す符号化
サブルーチンと同一の子の符号化サブルーチンを呼び出
す(ステップS72)。この符号化サブルーチンの再帰
呼び出しによって後半部系列の符号化を実行する。
【0128】以上のような符号化プロセスの具体例を次
に説明する。すなわち、符号化の具体例として、予測の
初期値runを8、優勢シンボルを“0”として、“0
0001001”として表される入力ビットを符号化す
る場合について説明する。
【0129】まず、図16の符号化メインルーチンのス
テップS52で、A
〔0〕からA〔7〕に、上記の入力
ビットを入力する。ステップS53では、A
〔0〕から
A〔7〕のすべてが“0”かどうか判定する。上の例の
場合、ビット列に“1”が含まれているので、ステップ
S55に移行し、まず符号語として“1”を出力する。
続いてステップS56では、widthの大きさをチェ
ックするが、widthはこのとき8なので、符号化サ
ブルーチン(ステップS57)に進む。
【0130】符号化サブルーチンでは、まずステップS
60で、widthを1/2の4に設定する。そしてス
テップS61で、入力ビットの前半部、つまりA
〔0〕
からA〔3〕がすべて0かどうかチェックする。この場
合、すべて“0”なのでステップS62に進み、符号語
として“0”を出力する。以上で前半部系列の符号化が
完了する。続いてステップS63を実行し、後半部系列
の符号化に移るが、前半部系列がすべて“0”の場合、
後半部系列に“1”が含まれるのは明らかである。した
がって、ステップS71でwidthが1以下でない限
り後半部系列をさらに分割して符号化しなければならな
い。そこで、符号化サブルーチンを子プロセスとしてス
テップS72で再び呼び出す。なお、そのための前処理
として、上述したようにステップS63では、ofsに
widthを加え、ofsを後半部系列の先頭位置にセ
ットする。
【0131】ステップS72では、ofsとwidth
を引き数として子の符号化サブルーチンを呼び出す。子
の符号化サブルーチンを実行するステップS72では、
まず、図17に示す符号化サブルーチンのステップS6
0でwidthをさらに半分にして2に変更する。次の
ステップS61では、前半部系列、すなわちA〔4〕と
A〔5〕が共に“0”であるか否かをチェックする。こ
の場合、A〔4〕が“1”なので、次のステップS64
に移行し、符号語として“1”を出力する。そしてステ
ップS65でwidthが1を超えていると判断し、孫
プロセスをステップS66で呼び出す。孫の符号化サブ
ルーチンでは、まずステップS60においてwidth
が1となる。A〔4〕は“1”なのでステップS61か
らステップS64へ処理が移り、符号語“1”を出力す
る。ステップS65では、widthが1以下なので、
ステップS66をスキップし、ステップS67でofs
を5に変更する。A〔5〕は“0”なのでステップS6
8からステップS69に処理が移り、符号語“0”を出
力する。
【0132】次に、この孫の符号化サブルーチンから抜
けて、子の符号化サブルーチンのステップS67に戻
る。子の符号化サブルーチンのofsは4、width
は2であるから、ステップS67でofsは6に変更さ
れる。したがってステップS68では、A〔6〕とA
〔7〕をチェックすることになる。この場合、A〔7〕
が“1”なのでステップS70へ移行し、符号語“1”
を出力する。そして、再び孫の符号化サブルーチンをス
テップS72で呼び出す。孫の符号化サブルーチンで
は、A〔6〕が“0”なのでステップS62で符号語
“0”を出力する。そして、widthが1なので、ス
テップS72をスキップして子の符号化サブルーチンに
復帰する。
【0133】子の符号化サブルーチンに復帰したプロセ
スは、さらに符号化メインルーチンに復帰し、ステップ
S58で予測runの再設定と、優勢シンボルの再設定
を行う。この例の場合、1次予測ははずれたが、2次予
測で前半部が的中したので、runを8から4に変更
し、優勢シンボルは引き続き“0”とする処理を施す。
なお、予測runの設定は、2回続けてはずれたときに
変更する等の設定にしても良い。
【0134】このような符号化プロセスによって、入力
ビットである“00001001”が“101101
0”の符号化系列となる。したがってこの場合、8ビッ
トの入力系列が7ビットに圧縮されたことになる。
【0135】なお、復号化プロセスについては、符号化
プロセスと逆のアルゴリズムによって、入力されてくる
符号語を復号している。すなわち、復号化プロセスも、
復号化メインルーチンと復号化サブルーチンにより構成
され、符号化と逆のアルゴリズムによって復号してい
る。
【0136】このように、図16および図17に示す符
号化プロセスおよびその符号化プロセスと逆のアルゴリ
ズムを使用して行う復号化プロセスでは、圧縮率が従来
のQMコーダと呼ばれるものと同レベルであり、一方、
符号化時間や復号化時間は大幅に短縮されたものとなっ
ている。しかし、この符号化プロセスおよび復号化プロ
セスにおいては、予測ビット数であるrunで定まるビ
ット列を一度に符号化しているため、圧縮率を高めるた
めに、runの最大値を大きく設定すると、runの個
数分のビットを保存しておくためのバッファが大きくな
るという問題が生じる。
【0137】この問題は、マルコフ状態信号CXをマル
コフモデル化から得るような場合、そのバッファが非常
に大きくなり、さらに大きな問題となる。すなわち、仮
にrunをnとしたとき、バッファとしてはnビット分
必要となり、さらにm状態のマルコフモデル化を行う
と、バッファは各状態毎に必要となるため、n×mビッ
トの容量になる。この容量は、runの値が大きくなる
と無視できなくなる大きさとなる。
【0138】また、図16および図17に示す符号化プ
ロセスおよびその符号化プロセスと逆のアルゴリズムを
使用する復号化プロセスでは、その各処理時間は、QM
コーダに比べ大幅に短縮されているものの、符号化や復
号化のサブルーチンを再帰的に呼び出して符号化や復号
化を行っており、このサブルーチンの再帰的呼び出しの
プロセスで時間を有するものとなっている。
【0139】このため、本実施の形態では、図13から
図17に示す符号化プロセスおよび復号化プロセスを生
かしつつ、デコード用のバッファを小さくしたり、符号
化や復号化の時間をさらに減少できるデータ符号化方法
等を採用している。以下、本発明の実施の形態における
符号化方法および復号化方法の基本的な考え方を、図1
8から図29に基づき説明する。
【0140】まず、改良された本発明の実施の形態のエ
ントロピー符号器12を、図18に基づき説明する。
【0141】このエントロピー符号器12は、エントロ
ピー符号化装置となっており、符号化すべき2値ビット
列を入力するビット列分解部22と、各予測ビット長r
un毎に符号化テーブルを内蔵する符号化テーブル部2
3と、符号化テーブル部23から入力される可変長符号
を一旦バッファリングして固定のビット幅にならして出
力するストリーム生成部24と、後述する状態遷移表を
内蔵し、予測ビット長run等を設定する符号化制御部
25とから主に構成される。
【0142】ここで、符号化制御部25には、状態遷移
表を有する状態遷移部26と、マルコフモデル等により
生成される符号化条件を入力し、その条件毎に現在の状
態の信号を状態遷移部26に与え、符号化後に次の状態
の信号入力し、その符号化の状態を記憶しておく状態記
憶部27とが設けられている。
【0143】したがって、マルコフモデルのような条件
付き符号化を行うときは、条件をインデックスとして、
状態記憶部27から該当する状態を取り出し、その状態
を後述する図23に示した状態遷移表により遷移させ、
次の状態を再び状態記憶部27の元の番地にストアして
おけば、条件毎に、状態を管理できることとなる。した
がって、予測ビット長run等のパラメータも条件毎に
個別に設定できることとなる。なお、マルコフモデル化
する場合、ビット列分解部22には、各符号化条件毎に
切り換えるバッファが複数必要となるが、この実施の形
態では、予測ビット長runの数ではなく、より小さい
固定の区切りビット数pで段階的に符号化しているの
で、そのバッファの容量はそれ程大きくならず、実用面
で適したものとなっている。
【0144】ビット列分解部22は、符号化制御部25
から予測ビット長runを指示する信号RUNと、優勢
シンボルを指示する信号SWを入力する。ここで、信号
RUNは、1からn(nは最大予測ビット長)の値を取
る。また、信号SWは、その値が「0」のとき、“0”
を優勢シンボルとし、「1」のとき、“1”を優勢シン
ボルとするが、その逆でも構わない。
【0145】さらに、ビット列分解部22は、デコード
すべきビット数の信号DECNUMと、デコードすべき
ビットのパターンとなる信号パターンDECPATNを
符号化テーブル部23に出力する。信号DECNUM
は、入力ビット列に、劣勢シンボルを含む4ビットのパ
ターンが現れたとき、その4ビットとそれまで続いた優
勢シンボル個数の合計数となる。なお、信号RUNが
「4」未満のときは、信号RUNと同じ値が出力され
る。これは、この実施の形態では、区切りビット数pを
「4」としているためである。
【0146】このようにして、ビット列分解部22は、
入力したビット列が信号RUNで指定されたビット数
分、すべて信号SWで指定された優勢シンボルが続いた
とき、すなわち、予測が的中したとき、信号DECNU
Mとして信号RUNの値を、信号パターンDECPAT
Nとして“0”を出力する。
【0147】符号化テーブル部23は、図19から図2
2に示すような符号化テーブルを内蔵しており、どのテ
ーブルを用いるかは、符号化制御部25からのテーブル
番号指示信号TABLEにより選択される。そして、こ
の符号化テーブル部23は、ビット列分解部22からの
信号DECNUMと信号パターンDECPATNにより
所定のテーブル内を検索し、所定の圧縮ビット列DEC
BITとそのビット長LENGTHおよび予測の当たり
外れを示すFAILを出力する。なお、信号TABLE
は、信号RUNと1対1の関係を有するものとなってい
る。
【0148】図19の符号化テーブルは、テーブル番号
は「0」で、信号RUNの値が「1」、すなわちrun
が「1」の場合を示している。図19に示されるよう
に、runが「1」のときは、2種類の信号となってい
る。すなわち、デコードすべきビット数は1個であり、
信号パターンは“0”と“1”の2種類となる。この2
種類の入力信号に対して、圧縮ビット列DECBIT
と、そのビット長LENGTHと、予測の列外れを示す
フラグFAILの組み合わせからなる2種類の信号が対
応する。例えば、信号DECNUMが「1」で、信号パ
ターンDECPATNが“0”の場合は、予測当たりと
なり、フラグFAILは当たり信号の「0」となり、圧
縮ビット列DECBITは“0”となり、ビット長LE
NGTHは「1」となる。
【0149】図20の符号化テーブルは、テーブル番号
が「1」で、runが2の場合を示している。なお、各
符号化テーブルの信号パターンDECPATNと圧縮ビ
ット列DECBITは、共に右側から左側に入力してく
る信号を示している。この図20の場合、その信号形態
は4種類となる。デコードすべきビット数はすべて2個
であり、そのときの信号パターンDECPATNは“0
0”“10”“01”“11”の4種類となる。信号パ
ターンDECPATNが“00”のときは、2つとも優
勢シンボルのため予測が当たったこととなり、フラグF
AILは当たり信号の「0」となると共に、そのときの
圧縮ビット列DECBITは“0”となり、ビット長L
ENGTHは「1」となる。
【0150】一方、信号パターンDECPATNが“1
0”のときは、劣勢シンボル“1”が入っており、予測
が外れたこととなる。この結果、フラグFAILは、外
れ信号の「1」となり、圧縮ビット列DECBITは、
最初に“1”がくる。次に、“10”の前半部が“0”
であるため、予測が当たり圧縮ビット列DECBITの
2番目は“0”となり、“01”となる。ここで、最初
に予測外れとなっているので、後半部に“1”があるこ
ととなる。このため、圧縮ビット列DECBITは、こ
の“01”がそのまま採用される。
【0151】信号パターンDECPATNが“01”の
ときは、劣勢シンボル“1”が入っており、予測が外れ
たこととなる。この結果、フラグFAILは外れ信号の
「1」となり、圧縮ビット列DECBITは最初に
“1”がくる。次に、“01”の前半部が“1”である
ため、予測がまたも外れたこととなり、圧縮ビット列D
ECBITの2番目は“1”となる。信号パターンDE
CPATN“01”の後半部は“0”であるため、予測
当たりとなり、圧縮ビット列DECBITの3番目は
“0”となる。すなわち、信号パターンDECPATN
“01”に対応する圧縮ビット列DECBITは、“0
11”となる。そして、ビット長LENGTHは「3」
となる。同様にして、信号パターンDECPATN“1
1”に対する圧縮ビット列DECBITは、“111”
となる。以上の4種類の信号の対応表が図20となって
いる。
【0152】同様にして、テーブル番号が「2」で、r
unが「4」の16種類の信号の対応関係が図21に示
され、テーブル番号「3」でrunが「8」の計31種
類の信号の対応関係が図22に示されている。なお、図
21のrunが「4」の場合では、runの値が区切り
ビット数pと同じとなるので、図19および図20と全
く同じ関係のみのものとなるが、図22のrunが
「8」の場合は、区切りビット数p(この実施の形態で
はp=4)より大きくなるため、少し変更された表とな
る。
【0153】次に、他の表とは若干異なるこの図22の
符号化テーブルの内容を説明する。この符号化テーブル
では、デコードすべき信号のビット数DECNUMは、
「8」のものと「4」のものが存在する。「8」のもの
は、前半部がすべて“0000”のものであり、「4」
のものは、runが「8」で前半部に劣勢シンボル
“1”がきた場合のものを示している。デコードすべき
信号のビット数DECNUM(以下単にDECNUMと
して示す)が「8」で、信号パターンDECPATN
(以下単にDECPATNとして示す)が“0000”
のときは“00000000”であることを示し、予測
が当たったこととなり、フラグFAIL(以下単にFA
ILとして示す)は当たり信号の「0」となる。そし
て、圧縮ビット列DECBIT(以下単にDECBIT
として示す)は“0”で、ビット長LENGTH(以下
単にLENGTHとして示す)は「1」となる。DEC
NUMが「8」で、DECPATNが“1000”のと
きは、“10000000”であることを示し、予測が
外れたこととなり、FAILは外れ信号の「1」とな
る。そして、DECBITの1番目には“1”がくる。
次に、前半部“0000”は予測当たりとなり、DEC
BITの2番目には“0”がくる。このとき、後半部
“1000”に劣勢シンボル“1”が当然くることとな
るため、後半部の4つの信号に対するDECBITは、
特に発生しない。
【0154】後半部“1000”の中の前半部“00”
は、予測当たりであり、3番目のDECBITは“0”
となる。このとき、後半部“10”に劣勢シンボル
“1”が当然くることとなるため、後半部の2つの信号
に対するDECBITは特に発生しない。そして、この
後半部“10”の前半部“0”は予測当たりとなり、4
番目のDECBITは“0”となる。こうなると、最後
尾に“1”があることが当然となり、特にDECBIT
は発生しない。よって、DECPATN“1000”に
対応するDECBITは“0001”となる。そして、
LENGTHは「4」となる。これが、図22のテーブ
ル番号「3」の表の上から2番目の状態に対応する。
【0155】このような関係は、図22の符号化テーブ
ルの第3番目から第16番目にも当てはまる。一方、図
22のテーブル番号「3」の上から第17番目から第3
1番目までは、DECNUMが「4」となり、図21の
テーブル番号「2」のものに近似する。すなわち、図2
1の符号化テーブルの第2番目から第16番目のもの
に、runが「8」として見たときの予測外れの“1”
がすべて最初に付加されたものと、図22のDECNU
M「4」のものとは同一となる。なお、符号化テーブル
部3より出力される符号は、LENGTHによって指定
される可変長符号になっている。
【0156】この実施の形態では、さらにrunが16
のテーブルと、runが32のテーブルとを有してい
る。その両テーブルは、図22に示すrunが8のテー
ブル番号「3」の考え方と同様となっており、その説明
を省略する。
【0157】ストリーム生成部24は、入力の可変長符
号を一旦バッファリングして、出力の伝送路で定められ
た固定のビット幅にならして出力するものとなってい
る。
【0158】符号化制御部25の基本動作は、信号RU
N(以下単にRUNという)によってビット列分解部2
2にビットの切り出し方法を指示し、同時に信号TAB
LE(以下単にTABLEという)により符号化テーブ
ルの選択を行うものとなる。そして、符号化テーブル部
23からフィードバックされるFAILにより、次の符
号化のためのRUNとTABLEを設定する。なお、こ
の実施の形態では、区切りビット数pを利用した段階的
な符号化を導入したため、ある予測ビット長runで符
号化した際、必要に応じて途中の段階であることをこの
符号化制御部25は記憶する必要がある。
【0159】この符号化制御部25の具体的な動作は、
図23に示す状態遷移表に基づくものとなっている。こ
の状態遷移表の動作について、予測当たりが続く場合を
例にして説明する。ここで、初期状態は、SS1となっ
ている。まず、状態SS1のとき、runが「1」で、
TABLEは「0」である。このため、図19に示すテ
ーブル番号「0」の符号化テーブルが使用される。そし
て、予測が当たる場合は、優勢シンボルが“0”が続く
ことであるため、入力されるビット列入力からそのDE
CNUMの数である「1」個分の“0”のみを符号化テ
ーブル部23に送り、テーブル番号「0」のテーブル
(=図19の表)に基づいて、FAIL「0」と、DE
CBIT“0”と、LENGTH「1」とが出力され
る。そして、そのFAIL「0」が符号化制御部25に
伝えられる。
【0160】符号化制御部25は、図23の状態遷移表
に基づき、SS1中のFAIL「0」となるものを見つ
け、次の状態として状態SS0を選択する(図23の状
態遷移表の上から3番目)。このとき、信号SWは
“0”となるので、シンボルの逆転はなく、そのまま
“0”が優勢シンボルとなる。状態SS0においても、
同様な動作の結果、状態遷移表の第1番目が選択され、
状態SS3が次の状態となる。これによって、2回予測
が当たったこととなる。
【0161】この状態遷移表では、2回予測が当たる
と、runが2倍になる。すなわち、上から7番目およ
び8番の状態SS3となり、runが「2」となる。こ
のように予測が当たり続けると、すなわち、入力ビット
列がこの場合であると“0”であり続けると、runが
「2」「2」「4」「4」「8」「8」と増えていく。
また、一方、予測が外れ続けるときは、2回毎、同一r
unで行い小さくなっていく。すなわち、runが
「8」「8」「6」「6」「4」「4」「2」「2」と
小さくなっていく。そして、runが「1」のときに、
予測が外れると、信号SWは反転する。
【0162】このような状態遷移表の動作のルールをま
とめると、次のとおりとなる。
【0163】(1)同一の予測ビット長runでの予測が
2回連続して的中したとき、予測ビット長runを2倍
する。
【0164】(2)同一の予測ビット長runでの予測が
2回連続して外れたとき、予測ビット長runを1/2
倍する。
【0165】(3)予測ビット長runが4以下のとき
は、1回で符号化を実行する。
【0166】(4)予測ビット長runが8で、DECN
UM=4のときは、2回に分けて符号化を実行する。
【0167】(5)このときは、状態SS5に遷移して、
予測ビット長runを「4」で、後半のビットを符号化
する。
【0168】なお、信号SWの反転とは、この値が1の
とき、信号SWを反転させるという意味である。
【0169】なお、図23で示す状態遷移表は、run
が「8」までしか示していないが、この実施の形態で
は、runを最大「32」としているので、run「1
6」とrun「32」のものも、図示していないが同様
に作成されている。また、状態遷移表としては、run
が「64」以上のものにしても良い。さらに、当たりや
外れが2回続いたらrunを増加させたり減少させたり
するのではなく、1回毎に変えたり3回以上の数とした
り、種々のパターンを採用することができる。また、こ
のような符号化テーブルとしては、ビット数の少ないも
のだけを用意し、大きなビット数、例えば、16ビット
以上の場合は符号化テーブルを持たないようにすること
もできる。
【0170】次に、以上のような構成を有するエントロ
ピー符号器12の動作を具体例を使用して説明する。
【0171】例えば、予測が当たり続けて、run=1
6となった状態で、“000001000011110
0………」のような形で入力してきたビット列を符号化
する場合、4ビットの区切りビット数pで区切り、ま
ず、最初は“00000100”までを符号化すること
となる。これは、劣勢シンボル“1”が第1番目の区切
りビット数(=最初の4ビット)部分にはなく、第2番
目(=次の4ビット)に出てくるためである。そして、
次に“0011”を、そして最後に“1100”を符号
化することとなる。
【0172】このため、ビット列分解部22から出力さ
れるDECNUMは、「8」「4」「4」となる。一
方、DECPATNは、“0100”“0011”“1
100”(ここでは、いずれのパターンも左の数値から
入力されてくるとする)となる。このような条件におい
て、DECBITは、まず、run=16としたときの
予測外れの“1”がくる。次に、“00000100”
は、RUN「8」、TABLE「3」、DECNUM
「8」のため、図22に示す上から5番目に相当するも
のであり(図22に示す各数値の場合、それぞれ右端側
から入力されてくることに注意)、DECBITは“1
0100”となる。このため、先の“1”と合わせられ
た“110100”(この数値は左端から順に出力)の
DECBITとLENGTH「6」が符号化テーブル部
23からストリーム生成部24に出力される。
【0173】一方、符号化制御部25内の状態遷移表で
いえば、状態SS6でDECNUM「8」のとき、FA
IL「1」となったこととなり、次の状態は状態SS7
となる。そして、次の“0011”は、run=8でD
ECNUM「4」なので、テーブル番号「3」のテーブ
ル(=図22の符号化テーブル)が採用され、その上か
ら19番目のものが該当し、“11011”のDECN
UMとLENGTH「5」が符号テーブル3から出力さ
れる。
【0174】最後の“1100”については、前の状態
が状態SS7のrun「8」、DECNUM「4」で、
FAIL「1」となったため(図23の現状態コード
“0111”中の1番下の状態)、状態SS5が採用さ
れる。このため、run「4」、TABLE「2」とな
り、図21に示すテーブル番号「2」の符号化テーブル
が使用される。そして、このテーブル番号「2」のテー
ブルにおいて、下から4番目が該当し“11110”の
DECBITと、LENGTH「5」が符号化テーブル
部23からストリーム生成部24に出力される。なお、
状態SS5で、FAILは「1」となるので、次は状態
SS2に移る。すなわち、次の入力ビット列に対して
は、run=2である図20の符号化テーブルが使用さ
れることとなる。
【0175】以上をまとめると、入力ビット列“000
0010000111100”が“110100”,
“11011”,“11110”の3つの圧縮ビット列
として符号化されたこととなる。なお、入力ビット列や
3つの圧縮ビット列は、共に先頭側から入力され、出力
されていくものとする。この点、図19から図22の各
符号化テーブルとは異なることに注意する必要がある。
すなわち、各符号化テーブルでは、その表示の各値は、
その表示の右端から順に入力し、出力するものとなって
いる。
【0176】そして、runは、当初「16」であった
のが、この4ビットの区切りビットpで段階的に符号化
していく中で、runは「2」となり、次の入力ビット
列に対しては、「2」の予測ビット長runで符号化さ
れることとなる。
【0177】一方、先に示した本実施の形態の元となる
基本的プロセスで、同じ入力ビット列“0000010
000111100”を符号化すると、まずrun=1
6での予測外れの“1”、次に前半の8ビットを注目
し、2番目に予測外れの“1”がきて、さらに前半の4
ビット“0000”に注目し、予測当たりの“0”が3
番目にくる。すると、後半部の4ビット“0100”に
劣勢シンボルがくるとは確実なので、すぐに2つに分割
し、前半の2ビット“01”に注目する。このため、予
測外れの“1”が4番目にくる。次は、さらにこれを2
分割し、前半の“0”に注目し、5番目に予測当たりの
“0”がくる。すると、後半の“1”は劣勢シンボルが
確実なので、すぐに後半の2ビット“00”に注目し、
予測当たりの“0”が6番目にくる。
【0178】以上の前半8ビットの符号化をまとめる
と、“110100”となる。これは、本実施の形態に
よる符号化ビットと全く同じとなる。続く8ビットも同
様な方法で進めていくと、これらも本発明による符号化
ビットと同一となる。本実施の形態の元となる基本的プ
ロセスと本実施の形態とが異なる点は、符号化されたビ
ット自体ではなく、1.符号化の区切り方、2.予測ビット
表の変更の仕方、3.符号化テーブルの活用の3点にあ
る。
【0179】すなわち、改良した本実施の形態では、入
力ビット列に対しrunより小さい区切りビット数p
(この実施の形態ではp=4)で区切り、劣勢シンボル
が存在する区切り部分までで一旦符号化を区切るように
している。先の例では、16ビットの入力ビット列が3
つに区切られて符号化されている。また、本実施の形態
では、次の入力ビット列に対し予測ビット長runは
「2」となるのに対し、基本的プロセスの考え方では、
予測外れは1回であり、runは「16」のままとな
る。さらに、本実施の形態の基本的プロセスの考え方で
は、符号化サブルーチンを再帰的に呼び出して符号化し
ているが、改良した本実施の形態の符号化方法では、符
号化テーブル、具体的には予測ビット長run毎に符号
化テーブルを用いている。
【0180】以上の3つの点は、それらが同時に利用さ
れることによって大きな効果を生ずるが、それぞれ単独
で使用されても十分効果を有する。例えば、第1の点の
段階的に符号化する方法を採用すると、バッファ、例え
ば、ビット列分解部22やストリーム生成部24内の各
バッファを小さくできるばかりか後述するマルコフモデ
ル化によって圧縮ビット列を得ようとするときにそのバ
ッファの容量を減少させることができる。
【0181】第2の点の予測ビット長runの変更につ
いては、入力ビット列が途中からがらっとその性質が変
わるような場合に特に有効となる。先の例では、予測が
当たり続けてrun=16となったのに対し、次に性質
ががらっと変わったビット列、すなわち劣勢シンボルを
多く含む“0000010000111100”がきた
とき、改良された本実施の形態の符号化方法では、その
性質に合わせ、runは「2」となり、続く入力ビット
列の性質に合う確率が高いものとなり、圧縮率が高くな
る。しかし、基本的プロセスで処理した場合、runは
「16」のままであり、次の入力ビット列の性質にそぐ
わない確率の高いものとなる。なお、圧縮率の向上は、
具体的には0.5%から数%程度であるが、各プログラ
ムソフト等が大容量化している現在では、このようなわ
ずかな数値の向上効果も無視し得ないものとなってい
る。
【0182】第3の点の符号化テーブルについては、サ
ブルーチンの再帰的呼び出しによる符号化に比べ、符号
化テーブルのためのメモリ容量は若干増えるものの、符
号化速度が極めて速くなる。
【0183】次に、この実施の形態のエントロピー復号
器32について、図24に基づき説明する。
【0184】このエントロピー復号器32は、符号化さ
れた信号のストリームを入力するストリーム切り出し部
41と、予測ビット長runに応じた複数の復号テーブ
ルを内蔵する復号テーブル部42と、復号されたビット
をストアし、所定のシンボルを出力するデコードバッフ
ァ部43と、エントロピー符号器12の状態変換部26
内の状態遷移表と同じ状態遷移表他を有する復号制御部
44とから主に構成されている。ここで、復号制御部4
4には、状態遷移表を有する状態遷移部45と、マルコ
フモデル等により生成される復号条件を入力し、その条
件毎に現在の状態の信号を状態遷移部45に与え、復号
後に次の状態の信号を入力し、その復号条件の状態を記
憶しておく状態記憶部46とが設けられている。
【0185】なお、デコードバッファ部43は、復号条
件が入力し、その条件毎に個別に管理されるものとなっ
ている。このため、マルコフモデルのような条件付き復
号化の場合、バッファとして非常に大きなものが必要に
なる。しかし、本実施の形態のエントロピー復号器32
では、後述するように段階的な復号を行うので、各バッ
ファは小さいものでも十分対応でき、マルコフモデルの
ような条件付きの復号化でもデコードバッファ部43は
それ程大きな容量を必要としなくなる。
【0186】ストリーム切り出し部41は、復号テーブ
ル部42から、復号したビット数を後述するLENGT
Hにより指示されるので、その値に基づき、復号済みビ
ットを廃棄して、未復号ビットの先頭が、符号化された
データとなる復号予定の符号語信号CODE(以下単に
CODEという)の最下位ビット(または最上位)に来
るようにストリームを切り出す。なお、LENGTHを
評価して、復号済みビットを廃棄するのは、デコードバ
ッファ部43から廃棄指示DECREQ(以下単にDE
CREQという)があったときのみである。また、CO
DEは8ビット単位で送信される。
【0187】復号テーブル部42は、図25から図28
に示すような各復号テーブルを内蔵し、復号制御部44
が出力するテーブル番号指示信号TABLE(以下単に
TABLEという)によりそれらを切り替えて使用す
る。そして、復号テーブル部42は、次の信号を出力す
る。すなわち、(1)何ビット復号したかを示す信号LE
NGTH(以下単にLENGTHという)で、エントロ
ピー符号器12におけるLENGTHに相当するもの、
(2)予測の当たり外れを示す信号FAIL(以下単にF
AILという)で、エントロピー符号器12におけるF
AILに相当するもの、(3)復号したビット・パターン
信号DECPATN(以下単にDECPATNという)
で、エントロピー符号器12におけるDECPATNに
相当するもの、(4)復号結果が何ビットかを示す信号D
ECNUM(以下単にDECNUMという)で、エント
ロピー符号器におけるDECNUMに相当するもの、を
出力する。
【0188】図25に示すrun=1の復号テーブル
は、CODEが“0”“1”の2種類に対応する各出力
が記載されている。この復号テーブルは、図19のru
n=1の符号化テーブルに相当するもので、符号化テー
ブル中のDECBITに相当するものが、この復号テー
ブルではCODEとなっている。図26に示すrun=
2の復号テーブルは、同様に図20のrun=2の符号
化テーブルに相当するものとなっている。また、図27
に示すrun=4の復号テーブルでは、図21のrun
=4の符号化テーブルに相当し、図28に示すrun=
8の復号テーブルは、図22のrun=8の符号化テー
ブルに相当している。なお、各復号テーブルにおける各
数値も、符号化テーブルと同様に、各数値の右端側から
入力し、出力する表示となっている。また、復号テーブ
ルとして、run=16と、run=32のテーブルも
用意されている。
【0189】デコードバッファ部43は、4ビット(こ
の実施例の場合)以下のDECPATNとDECNUM
を直接的にストアし、それぞれデコードバッファ部43
内のPATNREG(以下単にPATNREGという)
とナンバーレジスタNUMREG(以下単にNUMRE
Gという)にストアする。そして、デコードバッファ部
43の出力がqビット幅の場合、デコードバッファ部4
3は、1回デコード・データを出力する度にストアした
NUMREGからqを減じる。そして、NUMREGが
qより小さくなったら、DECREQをアクティブにし
て、新たなデータのデコード要求を発する。また、NU
MREGが5以上のときは、信号SWで定まる優勢シン
ボルをデコード出力として出力する。一方、NUMRE
Gが4以下になったら、PATREGの値を出力する。
【0190】例えば、図28の上から5番目のCODE
“00101”が復号テーブル部42に入力された場
合、DECNUM=8、DECPATN=“0010”
がデコードバッファ部43に入力されてくる。このと
き、信号SWが「0」となっていたとし、出力を2ビッ
ト単位(これはq=2に相当)で行うとした場合、最初
の2回の出力は優勢シンボルを出力すればよい。この場
合SW=0なので、優勢シンボルは“0”である。した
がって、“0000”を出力する。この4ビットを出力
した時点で、NUMREGは4(=8−4)になってい
る。そこで、次のサイクルは、PATNREGの値を、
順に出力する。すなわち、“0100”をこの表示の左
端側から出力する。
【0191】復号制御部44の状態遷移部45は、符号
化制御部25の状態遷移部26と同じ状態遷移表を保有
している。そして、状態の初期値は、SS1であり、F
AILとDECNUMにより、次の遷移先が決定され、
DECREQがアクティブのとき、その遷移先へ遷移す
る。
【0192】以上のように構成されるエントロピー復号
器32は、先に示したエントロピー符号器12と逆のア
ルゴリズムによって動作する。なお、このエントロピー
復号器32は、デコードバッファ部43の出力状態によ
って制御されるものとなっている。すなわち、デコード
バッファ部43のNUMREGが出力ビット幅qより小
さくなると、DECREQがストリーム切り出し部41
と復号制御部44へ出力される。ストリーム切り出し部
41は、そのDECREQにより復号済みビットをその
LENGTH分廃棄する先の例のrun=8でCODE
“00101”の場合、NUMREGが「8」から
「4」へ、「4」から「2」、「2」から「0」へと下
がる。この「2」から「0」へ下がったときに、DEC
REQが発生する。そして、LENGTHが「5」であ
るので、CODEから復号済みの5ビットを廃棄する。
このため、ストリーム切り出し部41内のCODEに
は、未復号ビットが最下位または最上位にきて、次の復
号に備える。一方、復号制御部44では、run=8、
DECNUM=8で、FAIL=1なので、状態SS7
へ遷移する。このため、run=8に相当するTABL
E=3を復号テーブル部42に向けて出力する。
【0193】この結果、復号テーブル部42は、図28
のテーブル番号「3」であるrun=8の復号テーブル
を準備する。そして、入力してくるCODEからLEN
GTH、DECNUM、DECPATNおよびFAIL
が確定し、出力される。例えば、そのCODEの最初が
“0”であれば、CODE“0”であることが確定し、
LENGTH=1、DECNUM=8、DECPATN
=“0000”、FAIL=「0」を出力する。一方、
CODEが“01011”の場合、CODEの最初が
“1”であるので、まだ確定せず、次の“1”でも、3
番目の“0”でも、4番目の“1”でも確定しない。し
かし、5番目の“0”が入った段階で“01011”で
あることが確定する。この確定によって、LENGTH
=5、DECNUM=4、DECPATN=“010
0”、FAIL=「1」がそれぞれ出力される。このよ
うにして、順次、復号されていく。
【0194】このエントロピー復号器32は、エントロ
ピー符号器12と同様に、先に述べた基本的プロセスに
基づく復号に比べると、段階的な復号によるバッファ
容量の減少化信号の性質にあった予測ビット長run
の変更復号テーブルによる復号速度の向上という各種
の有利な効果を有するものとなる。
【0195】このエントロピー復号器32においては、
状態遷移を条件毎に個別に管理する点で、エントロピー
符号器12と同様である。ただし、このエントロピー復
号器32の場合は、上述したようにさらにデコードバッ
ファ部43も個別に管理しなければならない。このた
め、デコードバッファ部43は、NUMREG、PAT
NREGに相当するレジスタを有り得る条件数分内蔵
し、復号条件によって切り換えるものとなっている。
【0196】上述の説明では、2値のピット列を対象と
して、予測ランレングス符号化方式を適用した場合につ
いて説明したが、判別部19から出力される順位コード
は多値データであり、実際は多値データを2値系列に変
換する必要がある。例えば、ビット・プレーンに分け
て、各ビット・プレーンをこの予測ランレングス符号化
方式で符号化するようにしても良い。また、最上位ビッ
トからプレーン毎にこの予測ランレングス符号化方式に
て符号化を行い、“1”が出現した時点で続く下位ビッ
トを直接ストリームに出力するようにしても良い。
【0197】この実施の形態では、この予測ランレング
ス符号化方式を多値系列に適用する方式として、ビット
・プレーンではなくレベル・プレーンに分けて行ってい
る。具体的には、シンボルが8ビットであるため、25
6のレベル・プレーンに分け、その入力シンボルをグル
ープに分け、グループ番号をこの予測ランレングス符号
化方式で符号化している。すなわち、入力シンボルを図
29に示すように、グループ分けし、まず入力シンボル
がグループ番号0か0以外かを示す判定ビットをこの予
測ランレングス符号化方式で符号化する。もし入力シン
ボルが0ならこのシンボルの符号化を完了するが、そう
でない場合はさらにグループ番号が1か1以外かを示す
判定ビットをこの予測ランレングス符号化方式で符号化
する。
【0198】このようにして、グループ番号が確定する
まで、判定ビットを予測ランレングス符号化方式で符号
化し、確定したグループ番号が2以上の場合は、該当グ
ループにおけるシンボルを確定するため、必要とする付
加ビットを直接ストリームに出力する。ただし、各グル
ープ判定ビットは、グループ毎に独立した系列として扱
い、各々個別に現状態コードを管理して符号化する。こ
の方法は、グループ番号が確定した時点で、上位の判定
ビットの符号化を行わないので、処理速度が向上する。
【0199】なお、この実施の形態では、圧縮対象画素
の画素インデックス3の数が256個に加え、(CX+
1)が加わるため、最高260個が対象となり、順位と
しては259順位となる。この対策として、順位255
をエスケープ・コードに割り当て、255以上の順位に
ついては、このエスケープ・コードを符号化後、255
との差分を3ビット付加ビットとして直接圧縮ストリー
ムに出力している。このような対策は、圧縮対象の画素
インデックス3が256色をわずかに超える場合にも適
用できる。
【0200】また、この実施に形態のエントロピー符号
器12では、符号化する際、過去の符号化済み系列等に
より適当に条件付けを行い、符号化することで、圧縮率
が向上している。すなわち、マルコフ状態信号CXによ
り条件分けを行ってPRLC符号化を実行している。具
体的には、マルコフ状態信号CXは、4状態存在し、1
つの状態で8つのグループ判定ビットを個別に符号化す
るため、合計で32状態の現状態コードを個別に管理し
符号化することになる。
【0201】以上のような構成による符号化システム1
の圧縮率を従来の「GIF」として知られている圧縮方
法および従前に本出願人が発明した「比較用技術」と比
較したものを図30に示す。なお、比較用技術では、復
号されたインデックスが参照画素を示す場合、その参照
画素を復号画素として出力し、同時に、その画素を別に
設けた先頭移動辞書(最新出現表)から探し出し、辞書
の先頭に移動する処理を行っている。そして、この処理
に加え、上述のPRLC(runの最高値は16)によ
って符号化している。図30に示す比較は、各々560
×560ピクセルの16色画像の10枚の地図データ
(ファイル1〜10)を用いている。圧縮率の単位は%
で、値が小さいほど圧縮率が高い。表を見て分かるとお
り、本発明によるものは、GIFに対して2倍近い効率
を示している。また、比較用技術に対しても1%程度の
圧縮率の向上が見られる。
【0202】また、上述の実施の形態によるデコード速
度を図31に示す。ファイル1〜10の平均デコード速
度は0.50/秒で、同じものを従来の極めて軽い圧縮
方式として知られているLZWで行うと、約0.26秒
となる。このように、デコード速度は、従来の速いもの
に比べると若干遅くなるが、「比較用技術」と比べる
と、図31に示すように、2倍以上のデコード速度とな
っている。なお、表の数値の単位は「秒」である。
【0203】さらに、上述の地図のデータと同じ560
×560ピクセルの16色地図画像を500枚圧縮した
ときのファイルサイズを他の圧縮方式と比較したものを
図32に示す。図32の表に示されるように、本発明で
は、GIFに対して2倍近い効率であることがわかる。
また、LHAに対しても十分な優位性をもっている。
【0204】以上のように、本発明の符号化方法は、地
図データに関しては優れた圧縮効率を示しているが、図
33に示すように、一般のグラフィック・イメージにつ
いては、比較用技術より劣る結果となっている。すなわ
ち、色数の少ない画像では、本発明の方が勝っている
が、色数が多くなると比較用技術に軍配があがる。これ
は一般的なグラフィック・イメージの場合、先頭移動辞
書の学習機能が功を奏しているためと思われる。しかし
ながら、本発明の符号化方法は、従来のGIFに対して
は一般のグラフィック・イメージの場合も5〜10%程
度の圧縮率向上が見られる。
【0205】このように、上述の実施の形態では、比較
用技術等で用いられている、先頭移動辞書から復号画素
を探し出す逐次比較処理と、該当画素を辞書の先頭に移
動させる先頭移動処理の2処理を行っていないので、ソ
フトウェアで行った場合も高速化が達成できる。すなわ
ち、辞書の先頭移動処理を行わず、その代わり符号化の
段階で画像全体をプリスキャンし、参照画素と一致しな
かった画素の度数分布を調べ、その度数順にインデック
スを変換し、符号化する方法を採用している。このイン
デックスの変換によって、そのままでは復号画像の色が
正しく再現されなくなるが、カラーパレットも同様に変
換することで、この問題を解決している。なお、プリス
キャンによりエンコード側の負担は増大しているが、デ
コード側の辞書の関する処理が不要になるため、デコー
ド速度の大幅の改善が図られている。
【0206】また、上述の実施の形態では、単純なラス
タ走査をしているため、特別なレジストが不要となる。
さらに、上述の実施の形態では、プリスキャンにより、
参照画素の状態を15状態に区分し、その状態毎に最適
な参照順位テーブル15を求め、その表にしたがって符
号化を行っている。これは、参照画素の参照順位を固定
しているものに比べ、デコード速度の高速化に直接寄与
するものではないが、圧縮率が大幅に向上し、それに伴
い、エントロピー復号の高速化が達成される。
【0207】また、上述の実施の形態では、ソフトウェ
アを前提にしたデコーダとしており、メモリの制約は比
較的小さいので、最大予測ビット長runを32にして
いる。これにより、最大予測ビット長runを16とし
た場合に比べ地図データのように高圧縮可能な画像につ
いては、圧縮率が大幅に向上している。
【0208】さらに、上述の実施の形態では、余計な条
件判定を少なくし、ソフトウェア処理に適合したストリ
ーミングを採用しており、デコード速度の改善がさらに
図られている。また、関数の再帰呼び出しを行わず、P
RLC復号処理をフラット化するなど、様々なコーディ
ングの改善を図ると、さらに一層デコード速度の改善を
図ることができる。
【0209】なお、上述の各実施の形態は、本発明の好
適な実施の形態の例であるが、これに限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々
変形実施可能である。例えば、参照画素の順位を変化さ
せるのではなく、参照順位を固定化し、その固定された
参照画素に一致しなかった画素について出現度数をカウ
ントして画素インデックス変換テーブル16を作成する
ようにしても良い。また、変換カラーパレット18を作
成せず、入力されてくるカラーパレット4にかえ、画素
インデックス変換テーブル16を一緒に符号化するよう
にしても良い。
【0210】また、予測が当たったときに出力する符号
語としては“0”ではなく“1”とし、予測がはずれた
ときは“1”ではなく0”としたり、予測が当たったと
きは優勢シンボルを出力し、予測がはずれたときは劣勢
シンボルを出力するようにしても良い。
【0211】また、新減少予測ビット数を元の予測ビッ
ト数の1/2ではなく、1/3や1/4等にしたり、元
の予測ビット数から所定数を差し引いた数等とすること
ができる。一方、新増加予測ビット数も元の予測ビット
数の2倍ではなく、3倍や4倍等にしたり、元の予測ビ
ット数に所定数を加えた数等とすることができる。な
お、新増加予測ビット数を無制限とせず、所定の値、例
えば256ビット等、2の倍数を最大値とするようにし
ても良い。また、新減少予測ビット数の最小値としては
1ではなく、2や3等他の数値としても良い。
【0212】さらに、符号化システム1や復号化システ
ム2をハード構成ではなく、ソフトウェアで対応するよ
うにしても良い。すなわち、本発明の符号化方法や復号
化方法をすべてソフトウェアで対応したり、例えば、符
号化方法はハードウェアで対応し、復号化方法は、ソフ
トウェアで対応するようにしても良い。
【0213】さらに、図10,図11および図12に示
すフローチャートの各手順をプログラム化し、そのプロ
グラムをCDーROM等の記録媒体に読み取り可能に記
録するようにしたり、通信によってそのプログラムを配
送するようにしても良い。
【0214】また、マルコフモデルのコンテクストとし
ては周辺4つの画素以外に、周辺の5つ以上の画素とし
たり、2段上のものも含めたり種々のものを採用するこ
とができる。さらに、エントロピー符号器12やエント
ロピー復号器32としては、予測ラン・レングス符号化
技術を使用したものではなく、従来のラン・レングス符
号化としたり、算術符号型やハフマン等の他の符号化
(復号化)技術を採用することができる。また、エント
ロピー符号器12やエントロピー復号器32等を使用し
ないようにしても良い。
【0215】また、本発明は、地図データのみならず一
般的なグラフィック・イメージにも適用することができ
るが、地図データ等の限られた色数のものに特に好適と
なる。さらに、携帯端末以外の各種の表示部保有機器に
適用できる。
【0216】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマルチカ
ラー画像の符号化装置および符号化方法では、参照画素
の参照順位を可変としたり、参照画素と一致しなかった
画素のインデックスを出現度数の多い順に並び換えてい
るので、圧縮率が大幅に向上したり符号化効率が向上す
る。
【0217】また、本発明のマルチカラー画像の復号化
装置および復号化方法では、圧縮率の向上による復号化
速度の向上が図られると共に先頭移動処理をおこなわな
いのでソフトウェアで復号した際の速度が大幅に向上す
るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマルチカラー画像の符号化装置および
その方法を採用した符号化システムを示す図である。
【図2】本発明のマルチカラー画像の復号化装置および
その方法を採用した復号化システムを示す図である。
【図3】図1および図2の符号化システムおよび復号化
システムにマルコフモデルとして採用される参照画素の
配置を説明するための図で、(A)は通常の参照画素
を、(B)は先頭ラスタの場合を、(C)は先頭画素の
場合をそれぞれ示している図である。
【図4】図1および図2の符号化システムおよび復号化
システムに採用される参照画素の状態と、状態信号ST
と、色数と、マルコフ状態信号CXとの関係を示す図で
ある。
【図5】図1の符号化システムに採用される変換テーブ
ル生成部の参照順位テーブル作成の機能を説明するため
の図で、(A)は符号化対象画素と参照画素が一致した
ときの度数の例を示す図で、(B)(C)はそれぞれの
度数が所定の関係となったときの参照画素の順位を示す
図である。
【図6】図1および図2の符号化システムおよび復号化
システムに採用される参照順位テーブルの例を示す図で
ある。
【図7】図1の符号化システムに採用される変換テーブ
ル生成部の画素インデックス変換テーブル作成機能を説
明するための図で、入力してきた画素インデックスに対
応する画素が参照画素中に無かった度数を示す図であ
る。
【図8】図1の符号化システムに採用される変換テーブ
ル生成部の画素インデックス変換テーブル作成機能を説
明するための図で、入力してきた画素インデックスに対
応する画素が参照画素中に無かった度数の順位を示す図
である。
【図9】図1の符号化システムにおける入力してきたカ
ラーパレットから変換カラーパレットへの変換を説明す
るための図である。
【図10】図1の符号化システムにおけるプリスキャン
時の動作を示すフローチャートである。
【図11】図1の符号化システムにおける符号化プロセ
ス時の動作を示すフローチャートである。
【図12】図2の復号化システムにおける復号化プロセ
スを示すフローチャートである。
【図13】本発明で採用するエントロピー符号器および
エントロピー復号器で使用しているアルゴリズムの概要
を説明するための図で、注目系列と予測ビット数run
との関係を示す図である。
【図14】図13の注目系列を分割した状態を示す図で
ある。
【図15】図14の前半部注目系列をさらに分割した状
態を示す図である。
【図16】図13から図15に示すエントロピー符号器
内の符号化プロセスを説明するためのフローチャート
で、符号化メインルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図17】図13から図15に示すエントロピー符号器
内の符号化プロセスを説明するためのフローチャート
で、符号化サブルーチンを示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態で採用するエントロピー
符号器の構成を示すブロック図である。
【図19】図18のエントロピー符号器の符号化テーブ
ル部内の符号化テーブルを示す図で、予測ビット長が
「1」の場合のテーブルを示す図である。
【図20】図18のエントロピー符号器の符号化テーブ
ル部内の符号化テーブルを示す図で、予測ビット長が
「2」の場合のテーブルを示す図である。
【図21】図18のエントロピー符号器の符号化テーブ
ル部内の符号化テーブルを示す図で、予測ビット長が
「4」の場合のテーブルを示す図である。
【図22】図18のエントロピー符号器の符号化テーブ
ル部内の符号化テーブルを示す図で、予測ビット長が
「8」の場合のテーブルを示す図である。
【図23】図18のエントロピー符号器の状態遷移部内
の状態遷移表を示す図である。
【図24】本発明の実施の形態で採用するエントロピー
復号器の構成を示すブロック図である。
【図25】図24のエントロピー復号器の復号テーブル
部内の復号テーブルを示す図で、予測ビット長が「1」
の場合のテーブルを示す図である。
【図26】図24のエントロピー復号器の復号テーブル
部内の復号テーブルを示す図で、予測ビット長が「2」
の場合のテーブルを示す図である。
【図27】図24のエントロピー復号器の復号テーブル
部内の復号テーブルを示す図で、予測ビット長が「4」
の場合のテーブルを示す図である。
【図28】図24のエントロピー復号器の復号テーブル
部内の復号テーブルを示す図で、予測ビット長が「8」
の場合のテーブルを示す図である。
【図29】本発明で採用するアルゴリズムを本実施の形
態で示す多値系列データに適用した場合の列を説明する
ための図で、入力シンボルを複数のグループに分けた状
態を示す図である。
【図30】本発明の実施の形態の符号化システムによる
圧縮率を従来技術のGIFや比較用技術と比較して示す
図である。
【図31】本発明の実施の形態の復号化システムによる
デコード速度を比較用技術と比較して示す図である。
【図32】本発明の実施の形態の符号化システムによっ
て500枚の地図データを圧縮したときの圧縮率を他の
従来技術と比較して示す図である。
【図33】本発明の実施の形態の符号化システムによっ
て一般のグラフィック・イメージを圧縮したときの圧縮
率を従来技術のGIFや比較用技術と比較して示す図で
ある。
【図34】従来のマルチカラー画像の符号化システムお
よび復号化システムのブロック図である。
【図35】従来の符号化対象画素データに対する参照画
素データの説明図である。
【図36】従来のパラメータテーブルを示す図である。
【図37】状態縮退器を有する従来のマルチカラー画像
の符号化システムおよび復号化システムのブロック図で
ある。
【図38】従来の縮退テーブルの一例を示す図である。
【図39】従来の算術符号型のエントロピー符号器およ
びエントロピー復号器の説明図である。
【図40】従来のマルチカラー画像のインデックスを説
明するための図である。
【図41】従来の合成された色順位テーブルの作成原理
を示す説明図で、(A)は各画素の配置関係を示し、
(B)は各画素のカラーシンボルを示し、(C)は合成
された色順位テーブル(最新出現表)を示す図である。
【符号の説明】
1 符号化システム 2 復号化システム 3 画素インデックス 4 カラーパレット 5 符号化データ 10 ラインバッファ(周辺画素生成手段) 11 マルコフモデル作成部(縮退手段) 12 エントロピー符号器(エントロピー符号化手段) 13 状態生成部 14 変換テーブル生成部 15 参照順位テーブル 16 画素インデックス変換テーブル 17 カラーパレット変換部 18 変換カラーパレット 19 判別部 20 合成部 21 スイッチ 30 ラインバッファ 31 マルコフモデル生成部(縮退手段) 32 エントロピー復号器(エントロピー復号化手段) 33 分離部 34 状態生成部 35 参照順位テーブル 36 画素インデックス生成部 CX マルコフ状態信号 ST 状態信号

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラーシンボルを周辺の参照画素を利用
    して符号化するマルチカラー画像の符号化装置におい
    て、上記参照画素の状態を区分けする状態生成部と、こ
    の状態生成部によって区分けされた状態を示す状態信号
    を入力すると共に区分けされた状態毎に参照画素のプリ
    スキャン時の出現度数を算出する変換テーブル生成部
    と、上記状態生成部からの上記状態信号と上記変換テー
    ブル生成部によって算出された上記出現度数とから作成
    され、区分けされた状態毎に、上記参照画素の位置を上
    記出現度数の高いもの順に並べると共に符号化時に利用
    するようにした参照順位テーブルとを設けたことを特徴
    とするマルチカラー画像の符号化装置。
  2. 【請求項2】 カラーシンボルを周辺の参照画素を利用
    して符号化するマルチカラー画像の符号化装置におい
    て、上記参照画素と一致しなかった画素の度数分布をプ
    リスキャン時に調べる変換テーブル生成部と、その度数
    順に画素インデックスを変換した画素インデックス変換
    テーブルと、この画素インデックス変換テーブルを利用
    してカラーパレット変換部によって生成される変換カラ
    ーパレットとを設けたことを特徴とするマルチカラー画
    像の符号化装置。
  3. 【請求項3】 カラーシンボルを周辺の参照画素を利用
    して符号化するマルチカラー画像の符号化装置におい
    て、上記参照画素の状態を区分けする状態生成部と、こ
    の状態生成部によって区分けされた状態を示す状態信号
    を入力すると共に区分けされた状態毎に参照画素のプリ
    スキャン時の出現度数および上記参照画素と一致しなか
    った画素の度数分布をプリスキャン時にそれぞれ調べる
    変換テーブル生成部と、上記状態生成部からの上記状態
    信号と上記変換テーブル生成部によって算出された上記
    出現度数とから作成され、区分けされた状態毎に、上記
    参照画素の位置を上記出現度数の高いもの順に並べると
    共に符号化時に利用するようにした参照順位テーブル
    と、上記一致しなかった画素の度数順に画素インデック
    スを変換した画素インデックス変換テーブルと、この画
    素インデックス変換テーブルを利用してカラーパレット
    変換部によって生成される変換カラーパレットとを設け
    たことを特徴とするマルチカラー画像の符号化装置。
  4. 【請求項4】 前記画素インデックス変換テーブルによ
    って変換された画素インデックスが前記参照画素と一致
    したとき、その参照画素の前記参照順位テーブル中の順
    位を出力すると共に、一致しなかったとき、前記参照画
    素の色数を前記変換された画素インデックスに加えた順
    位を出力する判別部を設けたことを特徴とする請求項3
    記載のマルチカラー画像の符号化装置。
  5. 【請求項5】 前記判別部からの出力をエントロピー符
    号化するエントロピー符号器を設けると共に、エントロ
    ピー符号化した符号化コードと、前記参照順位テーブル
    のデータと、前記変換カラーパレットのデータとを入力
    し合成して出力する合成部を設けたことを特徴とする請
    求項4記載のマルチカラー画像の符号化装置。
  6. 【請求項6】 前記参照画素を利用してマルコフモデル
    を生成するマルコフモデル生成部を設け、前記エントロ
    ピー符号器によるエントロピー符号化の際、そのマルコ
    フモデル生成部からの状態信号によって状態分けしてエ
    ントロピー符号化することを特徴とする請求項5記載の
    マルチカラー画像の符号化装置。
  7. 【請求項7】 前記エントロピー符号器に、予測ランを
    使用する予測ランレングス符号化手段を使用したことを
    特徴とする請求項5または6記載のマルチカラー画像の
    符号化装置。
  8. 【請求項8】 カラーシンボルを周辺の参照画素を利用
    して符号化するマルチカラー画像の符号化方法におい
    て、上記参照画素の状態を区分けする状態生成工程と、
    この状態生成工程によって区分けされた状態を示す状態
    信号を入力すると共に区分けされた状態毎に参照画素の
    プリスキャン時の出現度数を算出する変換テーブル生成
    工程と、上記状態生成工程からの上記状態信号と上記変
    換テーブル生成工程によって算出された上記出現度数と
    から作成され、区分けされた状態毎に、上記参照画素の
    位置を上記出現度数の高いもの順に並べると共に符号化
    時に利用するようにした参照順位テーブルとを備えたこ
    とを特徴とするマルチカラー画像の符号化方法。
  9. 【請求項9】 カラーシンボルを周辺の参照画素を利用
    して符号化するマルチカラー画像の符号化方法におい
    て、上記参照画素と一致しなかった画素の度数分布をプ
    リスキャン時に調べる変換テーブル生成工程と、その度
    数順に画素インデックスを変換した画素インデックス変
    換テーブルと、この画素インデックス変換テーブルを利
    用してカラーパレット変換工程によって生成される変換
    カラーパレットとを備えたことを特徴とするマルチカラ
    ー画像の符号化方法。
  10. 【請求項10】 カラーシンボルを周辺の参照画素を利
    用して符号化するマルチカラー画像の符号化方法におい
    て、上記参照画素の状態を区分けする状態生成工程と、
    この状態生成工程によって区分けされた状態を示す状態
    信号を入力すると共に区分けされた状態毎に参照画素の
    プリスキャン時の出現度数および上記参照画素と一致し
    なかった画素の度数分布をプリスキャン時にそれぞれ調
    べる変換テーブル生成工程と、上記状態生成工程からの
    上記状態信号と上記変換テーブル生成工程によって算出
    された上記出現度数とから作成され、区分けされた状態
    毎に、上記参照画素の位置を上記出現度数の高いもの順
    に並べると共に符号化時に利用するようにした参照順位
    テーブルと、上記一致しなかった画素の度数順に画素イ
    ンデックスを変換した画素インデックス変換テーブル
    と、この画素インデックス変換テーブルを利用してカラ
    ーパレット変換工程によって生成される変換カラーパレ
    ットとを備えたことを特徴とするマルチカラー画像の符
    号化方法。
  11. 【請求項11】 前記画素インデックス変換テーブルに
    よって変換された画素インデックスが前記参照画素と一
    致したとき、その参照画素の前記参照順位テーブル中の
    順位を出力すると共に、一致しなかったとき、前記参照
    画素の色数を前記変換された画素インデックスに加えた
    順位を出力する判別工程を設けたことを特徴とする請求
    項10記載のマルチカラー画像の符号化方法。
  12. 【請求項12】 前記判別工程からの出力をエントロピ
    ー符号化するエントロピー符号化工程を設けると共に、
    エントロピー符号化した符号化コードと、前記参照順位
    テーブルのデータと、前記変換カラーパレットのデータ
    とを入力し合成して出力する合成工程を設けたことを特
    徴とする請求項11記載のマルチカラー画像の符号化方
    法。
  13. 【請求項13】 前記参照画素を利用してマルコフモデ
    ルを生成するマルコフモデル生成工程を設け、前記エン
    トロピー符号化工程によるエントロピー符号化の際、そ
    のマルコフモデル生成工程からの状態信号によって状態
    分けしてエントロピー符号化することを特徴とする請求
    項12記載のマルチカラー画像の符号化方法。
  14. 【請求項14】 前記エントロピー符号化工程に、予測
    ランを使用する予測ランレングス符号化工程を使用した
    ことを特徴とする請求項12または13記載のマルチカ
    ラー画像の符号化方法。
  15. 【請求項15】 入力される符号化データを、復号され
    た周辺の参照画素を利用して、復号化するマルチカラー
    画像の復号化装置において、参照画素の状態を区分けす
    る状態生成部と、この状態生成部によって区分けされた
    状態を示す状態信号を入力すると共に区分けされた状態
    毎に上記参照画素の位置をその出現度数の高いもの順に
    並べられ、復号時に利用するようにした参照順位テーブ
    ルと、この参照順位テーブルの順位データを利用して画
    素インデックスを復号する画素インデックス生成部とを
    設けたことを特徴とするマルチカラー画像の復号化装
    置。
  16. 【請求項16】 入力される符号化データを、復号され
    た周辺の参照画素を利用して、復号化するマルチカラー
    画像の復号化装置において、上記参照画素と一致しなか
    った画素の度数分布によって並び替えられた変換カラー
    パレットと、入力されてきた順位データが、上記参照画
    素を指し示すとき、上記順位データで指し示された参照
    画素データを出力すると共に、上記参照画素の順位を指
    し示さないとき、上記参照画素の色数を、入力されてき
    た順位データから差し引いて出力する画素インデックス
    生成部とを設けたことを特徴とするマルチカラー画像の
    復号化装置。
  17. 【請求項17】 入力される符号化データを、復号され
    た周辺の参照画素を利用して、復号化するマルチカラー
    画像の復号化装置において、参照画素の状態を区分けす
    る状態生成部と、この状態生成部によって区分けされた
    状態を示す状態信号を入力すると共に区分けされた状態
    毎に上記参照画素の位置をその出現度数の高いもの順に
    並べられ、復号時に利用するようにした参照順位テーブ
    ルと、上記参照画素と一致しなかった画素の度数分布に
    よって並び替えられた変換カラーパレットと、入力され
    てきた順位データが、上記参照画素を指し示すとき、上
    記順位データで指し示された参照画素データを出力する
    と共に、上記参照画素の順位を指し示さないとき、上記
    参照画素の色数を、入力されてきた順位データから差し
    引いて出力する画素インデックス生成部とを設けたこと
    を特徴とするマルチカラー画像の復号化装置。
  18. 【請求項18】 入力された前記符号化データから、前
    記参照順位テーブルのデータおよび前記変換カラーパレ
    ットのデータを分離する分離部と、この分離部で分離さ
    れた残りのエントロピー符号化されたデータをエントロ
    ピー復号するエントロピー復号器とを設け、このエント
    ロピー復号器からの出力を前記画素インデックス生成部
    に入力し前記参照画素を利用して画素インデックスを出
    力するようにしたことを特徴とする請求項17記載のマ
    ルチカラー画像の復号化装置。
  19. 【請求項19】 前記参照画素を利用してマルコフモデ
    ルを生成するマルコフモデル生成部を設け、前記エント
    ロピー復号器によるエントロピー復号化の際、そのマル
    コフモデル生成部からの状態信号によって状態分けして
    エントロピー復号することを特徴とする請求項18記載
    のマルチカラー画像の復号化装置。
  20. 【請求項20】 前記エントロピー復号器に、予測ラン
    を使用する予測ランレングス復号化手段を使用したこと
    を特徴とする請求項18または19記載のマルチカラー
    画像の復号化装置。
  21. 【請求項21】 入力される符号化データを、復号され
    た周辺の参照画素を利用して、復号化するマルチカラー
    画像の復号化方法において、参照画素の状態を区分けす
    る状態生成工程と、この状態生成工程によって区分けさ
    れた状態を示す状態信号を入力すると共に区分けされた
    状態毎に上記参照画素の位置をその出現度数の高いもの
    順に並べられ、復号時に利用するようにした参照順位テ
    ーブルと、この参照順位テーブルの順位データを利用し
    て画素インデックスを復号する画素インデックス生成工
    程とを備えたことを特徴とするマルチカラー画像の復号
    化方法。
  22. 【請求項22】 入力される符号化データを、復号され
    た周辺の参照画素を利用して、復号化するマルチカラー
    画像の復号化方法において、上記参照画素と一致しなか
    った画素の度数分布によって並び替えられた変換カラー
    パレットと、入力されてきた順位データが、上記参照画
    素を指し示すとき、上記順位データで指し示された参照
    画素データを出力すると共に、上記参照画素の順位を指
    し示さないとき、上記参照画素の色数を、入力されてき
    た順位データから差し引いて出力する画素インデックス
    生成工程とを備えたことを特徴とするマルチカラー画像
    の復号化方法。
  23. 【請求項23】 入力される符号化データを、復号され
    た周辺の参照画素を利用して、復号化するマルチカラー
    画像の復号化方法において、参照画素の状態を区分けす
    る状態生成工程と、この状態生成部によって区分けされ
    た状態を示す状態信号を入力すると共に区分けされた状
    態毎に上記参照画素の位置をその出現度数の高いもの順
    に並べられ、復号時に利用するようにした参照順位テー
    ブルと、上記参照画素と一致しなかった画素の度数分布
    によって並び替えられた変換カラーパレットと、入力さ
    れてきた順位データが、上記参照画素を指し示すとき、
    上記順位データで指し示された参照画素データを出力す
    ると共に、上記参照画素の順位を指し示さないとき、上
    記参照画素の色数を、入力されてきた順位データから差
    し引いて出力する画素インデックス生成工程とを設けた
    ことを特徴とするマルチカラー画像の復号化方法。
  24. 【請求項24】 入力された前記符号化データから、前
    記参照順位テーブルのデータおよび前記変換カラーパレ
    ットのデータを分離する分離工程と、この分離工程で分
    離された残りのエントロピー符号化されたデータをエン
    トロピー復号するエントロピー復号工程とを設け、この
    エントロピー復号工程からの出力を前記画素インデック
    ス生成工程に入力し前記参照画素を利用して画素インデ
    ックスを出力するようにしたことを特徴とする請求項2
    3記載のマルチカラー画像の復号化方法。
  25. 【請求項25】 前記参照画素を利用してマルコフモデ
    ルを生成するマルコフモデル生成工程を設け、前記エン
    トロピー復号工程によるエントロピー復号化の際、その
    マルコフモデル生成工程からの状態信号によって状態分
    けしてエントロピー復号することを特徴とする請求項2
    5記載のマルチカラー画像の復号化方法。
  26. 【請求項26】 前記エントロピー復号工程に、予測ラ
    ンを使用する予測ランレングス復号化工程を使用したこ
    とを特徴とする請求項24または25記載のマルチカラ
    ー画像の復号化方法。
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