JPH11272335A - 位置決め制御方法とその装置 - Google Patents

位置決め制御方法とその装置

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JPH11272335A
JPH11272335A JP10078036A JP7803698A JPH11272335A JP H11272335 A JPH11272335 A JP H11272335A JP 10078036 A JP10078036 A JP 10078036A JP 7803698 A JP7803698 A JP 7803698A JP H11272335 A JPH11272335 A JP H11272335A
Authority
JP
Japan
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motor
control
target value
rotation angle
rotation
Prior art date
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Application number
JP10078036A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Sakamoto
純一 坂本
Yoshiyuki Urakawa
禎之 浦川
Katsuhiko Ono
勝彦 大野
Akira Kimura
明 木村
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Publication of JPH11272335A publication Critical patent/JPH11272335A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルトによってモ−タの回転を部品装着ヘッ
ドに伝達する際、発生するロストモ−ションなどの外乱
の影響を受けず、高速かつ高い精度で制御可能な制御装
置を提供する。 【解決手段】 制御装置は、センサ目標値rg からフル
クロ−ズド(FC)制御用目標値rfcを算出するFC目
標角度生成部150と、2自由度PID制御を行う制御
演算部120と、目標値切り換え処理部160と目標値
切り換え回路110とを有する。処理部160は制御対
象である部品装着ヘッド90が整定範囲に到達する前は
切り換え回路110からモータ目標角度rm を出力させ
て制御演算部120においてモータ目標角度rm を用い
たセミクロ−ズド制御を遂行させる。切り換え処理部1
60は部品装着ヘッド90が整定範囲に到達したら切り
換え回路110からFC制御用目標値rfcを出力して制
御演算部120においてFC制御用目標値rfcを用いた
フルクロ−ズド制御を遂行させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業用ロボットや
電子回路基板の部品実装機など、高速高精度な位置決め
の必要な駆動部を有する制御装置とその制御方法に関す
る。本発明は特に、モータの回転力をベルトなどの伝達
手段で部品装着ヘッドなどの駆動部に伝達する機構を有
する制御対象にロストモ−ションなどの外乱要素が発生
した場合でも、オフセットを残すことなく、精密な整定
精度を達成可能な高精度位置決め制御方法とその装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】産業用ロボットや電子回路基板の部品実
装機において部品装着ヘッドを用いる場合、部品装着効
率の向上のため、同時に複数の電子部品を保持して順番
に電子部品の装着を行う機構が用いられている。
【0003】部品実装機においては、1方法として、カ
ム機構を用いたインデクサとして上記装着機構を実現し
た方法が知られている。この場合、インデクサではカム
機構を用いてモ−タの駆動力を機構部に伝達し、部品装
着ヘッドを高速高精度に駆動する。
【0004】また部品実装機における他の方法として、
インデクサより自由度が高く、軽量な部品装着ヘッドを
構成可能な方法として、モ−タからベルトもしくはギア
等の駆動力伝達手段を介して部品装着ヘッドを駆動する
方法も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したインデクサを
用いる方式では、カム機構を用いて部品装着ヘッドを駆
動するため、実現できる動作の自由度が小さく、たとえ
ば、部品装着ヘッドの回転角度も上述したカム機構によ
って決まる固定値となり、動作上、不都合がある。その
ため電子部品装着の順番も、上述の部品装着ヘッドに具
備されている部品装着ノズルの順番に固定されるなど、
動作上の自由度が制限されるという不具合がある。
【0006】上述したモ−タからベルトもしくはギア等
の駆動力伝達手段を介して部品装着ヘッドを駆動する方
法において、ベルトもしくはギア等の伝達手段にはバッ
クラッシュ、ロストモ−ション等の現象が存在するた
め、高い位置決め精度を実現することは難しい。
【0007】本発明は上述した問題点を克服するもので
あり、本発明の目的は、モ−タからベルトもしくはギア
などの駆動力伝達手段を介して部品装着ヘッドなどの駆
動部を駆動する制御対象について、ベルトもしくはギア
等の伝達手段に存在するバックラッシュ、ロストモ−シ
ョン等の現象(外乱)が発生しても、その影響を受け
ず、高速かつ高い整定精度で位置決めを可能とする制御
方法および制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、制御対象が最
終目標値に到達する近傍までは、2自由度PID制御な
どに代表される通常の制御を行い(セミクロ−ズド制御
という)、制御対象が最終目標値の近傍に到達したと
き、目標値を変更し、その目標値について制御を行う
(フルクロ−ズド制御という)という構想に基づく。
【0009】本発明の第1の観点によれば、モータと、
該モータの回転力を伝達する伝達手段と、該伝達手段に
よって駆動される駆動部とを有する制御対象を角度また
は位置決め制御する制御方法であって、前記駆動部の回
転角度または回転位置を検出しその結果から前記駆動部
が整定状態に到達したか否かを判断し、前記駆動部が整
定状態に到達する前は、第1の制御モードとして、前記
モータの回転角度または回転位置に対する目標値につい
てフィードフォワード制御演算を行い、該フィードフォ
ワード制御演算と同時的に、前記モータの回転角度また
は回転位置に対する目標値と前記モータの実際の回転角
度または回転位置との偏差についてのフィードバック制
御演算を行い、前記フィードフォワード制御演算結果と
前記フィードバック制御演算結果とを加算し、該加算結
果に基づいて前記モータを回転制御し、前記駆動部が整
定状態に到達した後は、第2の制御モードとして、前記
駆動部の回転角度または回転位置に対する目標値から、
前記駆動部の実際の回転角度または回転位置を減じ、該
減じた値に所定の変換係数を乗じ、該乗算結果に前記モ
ータの実際の回転角度または回転位置を加算して、新た
な目標値を算出し、該新たな目標値についてフィードフ
ォワード制御演算を行い、該フィードフォワード制御演
算と同時的に、該新たな目標値と前記モータの実際の回
転角度または回転位置との偏差についてのフィードバッ
ク制御演算を行い、前記フィードフォワード制御演算結
果と前記フィードバック制御演算結果とを加算し、該加
算結果に基づいて前記モータを回転制御する位置決め制
御方法が提供される。
【0010】好適には、前記フィードフォワード制御演
算、前記フィードバック制御演算、および、前記加算は
所定のサンプリング周期で離散的に行う。
【0011】好適には、前記フィードバック制御演算は
下記式1−1で規定される演算を行い、前記フィードフ
ォワード制御演算は下記式1−2で規定される演算を行
う。
【0012】
【数5】
【0013】
【数6】
【0014】前記制御モードの切り換え条件として、
(1)前記駆動部の実際の回転角度または回転位置が最
終的な回転角度または回転位置に接近しており、(2)
前記モータの実際の回転角度または実際の回転位置が、
前記モータの回転角度または回転位置に対する目標値に
接近している場合、前記第1の制御モードから前記第2
の制御モードに切り換える。
【0015】前記駆動部は、ベルト式またはギア式前記
伝達手段によって回転駆動される回転駆動部と、該回転
駆動部に放射状に装着された複数の装着部分を有し、該
装着部分はそれぞれ前記回転駆動部から昇降されるよう
に構成され、該装着部分を位置決めする。
【0016】本発明の第2の観点によれば、上記位置決
め制御方法を実施する制御装置が提供される。当該位置
決め制御装置は、モータと、該モータの回転力を伝達す
るベルト式伝達手段と、該伝達手段によって駆動される
駆動部とを有する制御対象を角度または位置決め制御す
る位置決め制御装置であって、前記モータの回転角度ま
たは回転位置の目標値と、前記駆動部の回転角度または
回転位置の目標値とを設定する手段と、前記モータの回
転角度または回転位置を検出する第1の検出手段と、前
記駆動部の回転角度または回転位置を検出する第2の検
出手段と、前記駆動部の回転角度または回転位置に対す
る目標値から、前記第2の検出手段で検出した前記駆動
部の実際の回転角度または回転位置を減じ、該減じた値
に所定の変換係数を乗じ、該乗算結果に前記第1の検出
手段で検出した前記モータの実際の回転角度または回転
位置を加算して、新たな目標値を算出する目標値生成手
段と、前記設定されたモータの回転角度または回転位置
の目標値か、前記目標値生成手段で生成された新たな目
標値かを選択して出力するスイッチング手段と、少なく
とも前記第2の検出手段の値が前記駆動部への目標値に
接近したか否かを判断し、前記第2の検出手段の値が前
記駆動部への目標値に接近する前は、前記スイッチング
手段を付勢して前記設定されたモータの回転角度または
回転位置の目標値を選択出力させ、前記第2の検出手段
の値が前記駆動部への目標値に接近した後は前記スイッ
チング手段を駆動して前記目標値生成手段で生成された
新たな目標値を選択出力させる制御状態判断手段と、前
記スイッチング手段から出力された目標値についてフィ
ードフォワード制御演算を行うフィードフォワード制御
演算手段と、前記スイッチング手段から出力された目標
値と、前記第1の検出手段で検出した前記モータの実際
の回転角度または回転位置との偏差についてのフィード
バック制御演算を行うフィードバック制御演算手段と、
前記フィードフォワード制御手段の演算結果と、前記フ
ィードバック制御演算手段の結果とを加算する加算手段
とを有し、該加算手段の結果に基づいて前記モータを制
御する。
【0017】好適には、前記第1の検出手段の信号をサ
ンプリングする第1のサンプリング手段と、前記第2の
検出手段の信号をサンプリングする第2のサンプリング
手段とをさらに有し、前記フィードフォワード制御演算
手段における演算、前記フィードバック制御演算手段に
おける演算、および、前記加算手段における演算は所定
のサンプリング周期で離散的に行う。
【0018】好適には、前記フィードバック制御演算手
段における演算は上記式1−1で規定される演算を行
い、前記フィードフォワード制御演算手段における演算
は上記1−2で規定される演算を行う。
【0019】好適には、前記制御状態判断手段は、
(1)前記第2の検出手段で検出した前記駆動部の実際
の回転角度または回転位置が前記設定された駆動部の目
標回転角度または目標回転位置に接近しており、(2)
前記第1の検出手段で検出した前記モータの実際の回転
角度または実際の回転位置が、前記設定された前記モー
タの回転角度または回転位置に対する目標値に接近して
いる場合、前記設定された前記モータの回転角度または
回転位置に対する目標値から、前記目標値生成手段にお
いて生成された新たな目標値に切り換える指令を前記ス
イッチング手段に出力する。
【0020】好適には、前記駆動部は、前記伝達手段に
よって回転駆動される回転駆動部と、該回転駆動部に放
射状に装着された複数の装着部分を有し、該装着部分は
それぞれ前記回転駆動部から昇降されるように構成さ
れ、該装着部分を位置決めする。
【0021】特定的には、前記伝達手段は前記モータの
回転力を前記駆動部に伝達するベルトまたはギアを有
し、前記駆動部は電子部品を着脱可能であり、該駆動部
の回転方向に対して往復移動可能な複数の部品装着ノズ
ルを有する。
【0022】制御対象の位置および状況に応じて、目標
値を適切に設定することにより、2自由度PID制御の
ような制御を適用しても、ロストモ−ション、バックラ
ッシュなどの影響を受けず、迅速かつ高い整定精度で位
置決め制御が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高精度位置決め制
御方法とその装置の実施の形態を添付図面を参照して述
べる。
【0024】高精度位置決め制御装置の全体構成 図1は本発明の1実施の形態としての高精度位置決め制
御装置の構成を示す図である。図1に図解の制御装置
は、制御器10、モ−タドライバ20、モ−タ30、第
1の検出手段としてのエンコ−ダ80、駆動力伝達手段
としてのベルト40、駆動部としての部品装着ヘッド9
0、第2の検出手段としてのマグネットセンサ70が図
示のごとく接続されて構成されている。駆動伝達手段と
しては、ベルト40に代えて、ギアでもよいが、本実施
の形態においては、駆動伝達手段としてベルトを代表し
て述べる。部品装着ヘッド90の詳細は図2に図解し、
制御器10の詳細構成は図3に図解する。
【0025】図1に図解した高精度位置決め制御装置の
動作の概要を述べる。制御器10には、第1の検出手段
としてのエンコ−ダ80でモ−タ30の回転角度を検出
した信号、すなわち、モータ回転角度検出信号ym と、
第2の検出手段としてのマグネットセンサ70で部品装
着ヘッド90の部品装着ノズル900(図2)の位置を
検出した信号、すなわち、部品装着ヘッド回転角度検出
信号yh が入力されている。
【0026】制御器10にはまた、モ−タ30を駆動制
御して部品装着ヘッド90を希望する角度または位置に
制御するため、モータ目標角度rm とセンサ目標値rg
とが印加されている。このように2種の目標値、センサ
目標値rg とモータ目標角度rm を設定手段(図示せ
ず〕によって制御器10に設定している理由は、制御対
象としての部品装着ヘッド90を最終目標値の近傍まで
迅速に(高速に)制御するために、詳細を後述する2自
由度PID制御などによって高速な制御を行い、制御対
象が整定範囲に到達したとき、センサ目標値rg から新
たな目標値を生成して、その新たな目標値を用いて制御
対象を制御することにより、モ−タ30と部品装着ヘッ
ド90との間に介在するベルト40に起因するロストモ
−ション、バックラッシュなどの外乱によって生ずる可
能性のあるオフセットを相殺することを意図している。
すなわち、本発明においては、制御対象の迅速な位置決
めと、ロストモ−ションなどによるオフセットの相殺と
いう2つの目的を達成するため、2つの制御モードを切
り換える。本発明においては、モータ目標角度rm に従
って制御対象を制御する第1の制御モードをセミクロ−
ズド制御といい、制御対象、具体的には、部品装着ヘッ
ド90の位置決め整定後に制御則を切り換えてセンサ目
標値rgから生成した新たな目標値に従って制御対象を
制御する第2の制御モードをフルクロ−ズド制御とい
う。制御モードの切り換え条件については後述する。ま
た、セミクロ−ズド制御の詳細およびフルクロ−ズド制
御の詳細は図3を参照して後述する。
【0027】部品装着ヘッド90 図2は図1に図解した部品装着ヘッド90を中心とした
拡大図である。部品装着ヘッド90はベルト40を介し
てモ−タ30の回転に応じて駆動され、矢印Rのように
回転運動する。駆動伝達手段としてのベルト40は、他
の伝達手段、たとえば、ギアなどに代えることもでき
る。しかし、以下、ベルト40を代表して述べる。部品
装着ヘッド90には複数の部品装着ノズル900が放射
状に装着されている。複数の部品装着ノズル900のそ
れぞれにはマグネットセンサ70によって位置検出が可
能なようにマグネット902が装着されている。それぞ
れの部品装着ノズル900の先端は、小型コンデンサ、
薄膜抵抗、ICなど電子回路基板1に装着(載置)すべ
き電子部品3を真空吸着可能になっている。電子回路基
板1に装着されるべき小型コンデンサ、薄膜抵抗、IC
などの電子部品3は電子回路基板1とは異なる位置に置
かれた部品カセット(図示せず)などに収容されてお
り、部品カセット内の所望の電子部品が部品装着ノズル
900の先端に真空吸着されて保持され、モ−タ30の
回転に応じてベルト40を介して矢印Rの如く部品装着
ヘッド90が回転され、部品装着ノズル900の先端の
電子部品3が電子回路基板1の所定の位置Pの上部に位
置すると、モ−タ30の回転が停止し、部品装着ノズル
900の回転も停止する。位置Pにおいて、部品装着ノ
ズル900は電子回路基板1に対して直交する。位置P
において、部品装着ノズル900が矢印Eで示したよう
に電子回路基板1に向けて下方に降ろされる。その位置
で部品装着ノズル900が真空吸着を解くと、部品装着
ノズル900の先端の電子部品3が部品装着ヘッド90
の先端から解放されて電子回路基板1の所定の位置Pに
載置される。その後、部品装着ノズル900は矢印Eの
ように上部に上げられる。すなわち、部品装着ノズル9
00と矢印Eの如く昇降可能である。なお、部品装着ノ
ズル900の昇降機構は本発明の要旨とは直接関係ない
ので図解を省略した。
【0028】部品装着ヘッド90の回転角度の精度によ
り電子回路基板1の上の電子部品の装着位置の精度が左
右されるから、マグネットセンサ70による部品装着ヘ
ッド90の回転角度の検出精度は非常に重要となる。ま
た、固定されたマグネットセンサ70と昇降可能な部品
装着ノズル900に固定されたマグネット902との位
置関係によって、部品装着ノズル900が昇降した位置
によってはマグネットセンサ70がそれを検出できない
範囲が生ずる。マグネットセンサ70が部品装着ノズル
900に固定されたマグネット902を検出可能な範囲
を検出可能範囲という。
【0029】制御器10 図3は図1に図解した制御器10のブロック構成と関連
部分の全体を概略的に図解した図である。図3には図1
に図解した関連部分も図解しており、図2に詳細を示し
た、モ−タ30、ベルト40、部品装着ヘッド90、マ
グネットセンサ70、エンコ−ダ80は単なるブロック
として模式化して示した。制御器10は、目標値切り換
え回路110、制御演算部120、ディジタル/アナロ
グ変換器(D/A変換器)130、フルクローズ(F
C)目標角度生成部150、目標値切り換え処理部16
0、第1のサンプリング回路(または第1のサンプラ回
路)140、第2のサンプリング回路(または第2のサ
ンプラ回路)170が図示のごとく接続されて構成され
ている。
【0030】スイッチング手段としての目標値切り換え
回路110は、制御状態判断手段としての目標値切り換
え処理部160と協動し、目標値切り換え処理部160
の判断結果に応じて、設定されたモータ目標角度rm
たはフルクローズ(FC)目標角度生成部150からの
フルクロ−ズド制御用目標値rfcを切り換える。本実施
の形態においては、目標値切り換え回路110から出力
された目標値を、目標値rとして共通して表す。したが
って、目標値rは、モータ目標角度rmか、フルクロ−
ズド制御用目標値rfcかを意味する。
【0031】制御演算部120 制御演算部120は、信号減算回路(または信号加算回
路)122、フィードバック(FB)制御演算部12
4、フィードフォワード(FF)制御演算部126およ
び信号加算回路130から構成されている。制御演算部
120は、第2のサンプリング回路170のサンプリン
グ周期T2ごと離散的な制御演算を行う。
【0032】信号減算回路122は、第2のサンプリン
グ回路170のサンプリング周期T2 に同期して動作
し、目標値切り換え回路110から出力される目標値r
(モータ目標角度rm またはフルクロ−ズド制御用目標
値rfc)から、第2のサンプリング回路170を介して
入力したエンコ−ダ80で検出したモ−タ30の回転検
出位置信号ym を減じて、制御偏差(減算結果)Δm
算出する。
【0033】制御偏差Δm =モータ目標角度rm − モ
ータ回転角度検出信号ym
【0034】なお、目標値rは上述したように、目標値
切り換え回路110の端子aに入力されるモータ目標角
度rm か、目標値切り換え回路110の端子bに入力さ
れるフルクロ−ズド制御用目標値rfcかのいずれかであ
る。フルクローズ目標角度生成部150において算出さ
れるフルクロ−ズド制御用目標値rfcについては後述す
る。
【0035】制御演算部120内のフィードバック(F
B)制御演算部124は、信号減算回路122で算出し
た制御偏差Δについて下記式2−1に示したフィ−ドバ
ック制御関数を用いてモ−タ30の回転動作量を算出す
る。
【0036】
【数7】
【0037】FB制御演算部124によって最終的に制
御すべき制御対象は、部品装着ヘッド90の回転角度
(または回転位置)であるが、モ−タ30と部品装着ヘ
ッド90との間はベルト40で結合された1対1の関係
があるので、制御演算部120のFB制御演算部124
は間接的にモ−タ30をフィードバック(FB)制御し
て、部品装着ヘッド90を駆動している。フィードバッ
ク(FB)制御演算部124は、モータ目標角度rm
対応して、フィードバック(FB)信号として、エンコ
−ダ80でモ−タ30の回転角度(または回転位置)を
検出して、その検出信号をモータ回転角度検出信号ym
として信号減算回路122に入力している。
【0038】フィードフォワード(FF)制御演算部1
26は、目標値切り換え回路110から出力された目標
値r(モータ目標角度rm またはフルクロ−ズド制御用
目標値rfc)について、下記式2−2で規定されるフィ
ードフォワード制御を行う。
【0039】
【数8】
【0040】FB制御演算部124からのフィードバッ
ク(FB)演算結果fbK と、FF制御演算部126か
らフィードフォワード(FF)制御結果ffk が、信号
加算回路128が加算されて、モ−タ30の動作を制御
する制御信号uk (=fbK+ffK )としてD/A変
換器130に出力され、モ−タドライバ20を介してモ
−タ30を回転制御する。
【0041】以上のとおり、制御演算部120は、比例
ゲインKp 、積分ゲインKi 、微分ゲインKd 、0次フ
ィードフォワードゲインα、1次フィードフォワードゲ
インβの5つの制御パラメ−タで、2自由度PID制御
を行う。
【0042】制御演算部120の演算は、サンプリング
周期kごとのディジタル演算であるため、D/A変換器
130において、ディジタル演算結果をアナログ信号、
電圧信号または電流信号に変換する。
【0043】モ−タドライバ20はD/A変換器130
でアナログ信号に変換された制御信号に応じてモ−タ3
0を駆動する電力を調整してモ−タ30に供給してモ−
タ30を制御信号に応じた量だけ駆動する。
【0044】フルクローズ目標角度生成部150からの
フルクロ−ズド制御用目標値rfcを用いず、モータ目標
角度rm について制御を行うセミクロ−ズド制御におい
て、制御器10はモ−タ目標角度とエンコ−ダ80の検
出値との差に応じた制御演算を行い、モ−タドライバ2
0に指令トルクを出力して、モ−タ30を駆動する。モ
−タ30の回転駆動力がベルト40を介して部品装着ヘ
ッド90に伝達され部品装着ヘッド90が回転する。
【0045】なお、ベルト40と部品装着ヘッド90と
の間に、外乱要素が印加される場合がある。外乱の例と
しては、たとえば、ベルト40のすべりに起因するロス
トモ−ション、ベルト40に代えてギアを用いた場合の
バックラッシュなどがある。そこで、図3に図解の高精
度位置決め制御装置においては、外乱加え合わせ点50
を付加して外乱dが加わる構成にしている。外乱dとし
ては上記例示の他、種々の外乱が考えられる。もちろ
ん、ベルト40と部品装着ヘッド90との間に発生する
外乱は機械的な外乱が主であるが、本明細書において
は、外乱の意味を広く解釈して、バックラッシュ、ベル
ト40の滑りなどに起因するロストモ−ション、その他
の外乱を意味する。
【0046】エンコ−ダ80はモ−タ30の軸に固定さ
れており、モ−タ30の回転とともに回転してモ−タ3
0の回転角度を検出したモータ回転角度検出信号ym
出力する。第2のサンプリング回路170は所定のサン
プリング周期T2 でエンコ−ダ80からのモータ回転角
度検出信号ym をサンプリングする。このサンプリング
結果ym が、制御演算部120内の信号減算回路12
2、フルクローズ(FC)目標角度生成部150内の信
号加算回路156、および、目標値切り換え処理部16
0に入力される。
【0047】次いで、セミクロ−ズド制御モードにおけ
る制御動作と、フルクロ−ズド制御動作の必要性につい
て詳述する。まず、図2に図解した部品装着ヘッド90
におけるロストモ−ションの影響を考察する。図4はセ
ミクロ−ズド制御時のモータ目標角度rm と、モータ回
転角度検出信号ym が整定したときの部品装着ヘッド9
0の回転角度検出信号yh を図解したグラフである。フ
ルクローズ目標角度生成部150からのフルクロ−ズド
制御用目標値rfcを用いないで、制御演算部120がモ
ータ目標角度rm を用いて行うセミクロ−ズド制御モー
ドにおいて、図4の曲線C1で示したモータ目標角度r
m に応じて、制御演算部120が制御演算することによ
りモ−タ30が制御される。このセミクロ−ズド制御に
おいて、曲線C2で示したモータ回転角度検出信号ym
が迅速に整定する。しかし、曲線C3で示した部品装着
ヘッド回転角度検出信号yh はロストモ−ションにより
オフセット的に変化する。このように、いかにセミクロ
−ズド制御によってモ−タ30の軸を高速かつ高精度に
制御しても部品装着ヘッド90の角度はロストモ−ショ
ンにより変化し、それ以上の高精度は期待できない。
【0048】そこでマグネットセンサ70の出力である
部品装着ヘッド回転角度検出信号y h 、すなわち部品装
着ヘッド90の回転角度デ−タを用い、かつ、フルクロ
ーズ目標角度生成部150においてフルクロ−ズド制御
用目標値rfcを算出して、このフルクロ−ズド制御用目
標値rfcに基づいてモ−タ30を制御するフルクロ−ズ
ド制御を行う。
【0049】目標値切り換え処理部160 制御状態判断手段としての目標値切り換え処理部160
は、セミクロ−ズド制御モードとフルクロ−ズド制御モ
ードとを判断して目標値切り換え回路110を駆動し
て、制御演算部120に印加される目標値rを、モータ
目標角度rm と、フルクローズ(FC)目標角度生成部
150で算出したFC制御用目標値rfcとを切り換え
る。目標値切り換え処理部160における切り換え判断
処理について述べる。フルクロ−ズド制御モードとセミ
クロ−ズド制御モードの切り換えの判断は、モータ目標
角度rm 、エンコ−ダ80で検出したモータ回転角度検
出信号ym 、マグネットセンサ70で検出した部品装着
ヘッド回転角度検出信号yh を用いて行う。すなわち、
部品装着ヘッド90がマグネットセンサ70の有効動作
領域内でフルクロ−ズド制御すべきと判断したときは
(フルクロ−ズド制御モード)、目標値切り換え処理部
160は、目標値切り換え回路110を駆動して、フル
クローズ(FC)目標角度生成部150で算出したFC
制御用目標値rfcを制御演算部120に出力する。ま
た、セミクロ−ズド制御時はモータ目標角度rm を目標
値rとして制御演算部120へ出力する。その判断基準
の1例を下記に述べる。
【0050】マグネットセンサ70は有効動作領域が限
られているため、フルクロ−ズド制御は有効動作領域内
でしか用いることができない。したがって、部品装着ヘ
ッド90の高速移動時には通常の2自由度PID制御に
よるセミクロ−ズド制御を行い、部品装着ヘッド90の
整定時にフルクロ−ズド制御に切り換える。本実施の形
態の1例として、目標値切り換え処理部160における
モータ目標角度rm からフルクロ−ズド制御用目標値r
fcへの切り換えは、次の条件で行った。 (1)被検出体としての部品装着ノズル900のマグネ
ット902がマグネットセンサ70の有効動作領域内に
入っていること。 (2)モータ目標角度rm とモータ回転角度検出信号y
m との角度差が所定の範囲、たとえば、1.5度以内に
入っていること。 (3)モータ目標角度rm が最終的な目標角度(後述す
る図7の例では5333〈エンコ−ダパルス〉)に達してい
ること。 条件(1)、(2)はあまり大きな偏差がある場合には
切り換えを行わないよう付加した条件であり、必ずしも
必要な条件ではない。したがって、セミクロ−ズド制御
モードからフルクロ−ズド制御モードへの切り換えの基
本的な条件としては、第3の条件、すなわち、モータ目
標角度rm が最終的な目標角度の近傍に達して、部品装
着ヘッド90が整定状態に達していることである。
【0051】フルクローズ(FC)目標角度生成部15
フルクローズ目標角度生成部150は、信号減算回路1
52と、ゲイン乗算回路154と、信号加算回路156
とが図示のごとく接続されて構成されている。フルクロ
ーズ目標角度生成部150は、センサ目標値rg と、マ
グネットセンサ70の検出信号yh と、エンコ−ダ80
で検出したモ−タ30のモータ回転角度検出信号ym
ら、フルクロ−ズド(FC)制御用目標値rfcを算出す
る。FC制御用目標値rfcの演算方法を下記に述べる。
【0052】
【数9】
【0053】信号減算回路152は、センサ目標値rg
から、第1のサンプリング回路140を介してサンプリ
ング周期T1 で入力されるマグネットセンサ70の部品
装着ヘッド位置検出信号yh を減じて偏差Δh を算出す
る。マグネットセンサ70はモ−タ30の回転に応じて
回転する部品装着ヘッド90の回転角度を検出して、部
品装着ヘッド回転角度検出信号yh を出力する。第1の
サンプリング回路140は、マグネットセンサ70が検
出した部品装着ヘッド90の部品装着ヘッド90の回転
角度を所定のサンプリング周期T1 でサンプリングし部
品装着ヘッド回転角度デ−タとして出力する。なお、本
実施の形態においては、第1のサンプリング回路140
のサンプリング周期T1 と、第2のサンプリング回路1
70のサンプリング周期T2 とは同じである。
【0054】ゲイン乗算回路154は偏差Δh にゲイン
m を乗ずる。ゲインKm はモータ回転角度検出信号y
m と部品装着ヘッド回転角度検出信号yh との部品装着
ヘッド回転角度デ−タとモ−タ回転角度デ−タの換算係
数であり、ゲイン乗算回路154における演算は部品装
着ヘッド回転角度検出信号yh の偏差をエンコ−ダ80
のパルス数に換算するためである。
【0055】信号加算回路156は、ゲイン乗算回路1
54の乗算結果(Km ×Δh )と、第2のサンプリング
回路170を経由した入力されるエンコ−ダ80のモー
タ回転角度検出信号ym を加算する。
【0056】このようにして算出されるフルクロ−ズド
制御用目標値rfcの単位は、エンコ−ダ80の検出パル
スを基準にした値である。同様に、制御器10に印加さ
れるモータ目標角度rm およびセンサ目標値rg、制御
演算部120からD/A変換器130に出力される制御
信号の単位もエンコ−ダ80のパルスを基準にした値で
ある。
【0057】フルクローズ目標角度生成部150におい
て算出されたFC制御用目標値rfcは、上述したよう
に、目標値切り換え処理部160の判断制御によって目
標値切り換え回路110の端子bを経由して、制御演算
部120に目標値rとして印加される。
【0058】部品装着ヘッド回転角度検出信号y h とセ
ンサ目標値r g との関係 マグネットセンサ70で検出した部品装着ヘッド回転角
度検出信号yh がセンサ目標値rg と一致する場合は、
信号減算回路152における偏差Δh =rg −yh が0
となり、式2−3から、FC制御用目標値rfcは信号加
算回路156に入力されたエンコ−ダ80の読みである
モータ回転角度検出信号ym となる。すなわち、FC制
御用目標値rfcは現在のモ−タ30の回転角度であるモ
ータ回転角度検出信号ym に一致する。これにより、2
自由度PID制御を行う制御演算部120の制御は定常
状態となりモ−タ30は静止する。その結果、部品装着
ヘッド90も停止する。
【0059】マグネットセンサ70で検出した部品装着
ヘッド回転角度検出信号yh がセンサ目標値rg と一致
しない場合は、FC制御用目標値rfcは式2−3で規定
された値となる。この時、フルクロ−ズド制御が行われ
る。すなわち、制御演算部120のフィードバック(F
B)制御演算部124は、信号減算回路122で算出す
るFC制御用目標値rfcとモータ回転角度検出信号ym
との制御偏差Δm を0にするように動作する。この制御
動作により最終的には部品装着ヘッド角度(部品装着ヘ
ッド回転角度検出信号yh )はセンサ目標値rg と一致
する。なお、フィードフォワード制御演算部126は、
式2−2に基づいて演算を行う。信号加算回路128
は、上述したように、フィードバック制御演算部124
の演算結果fbk とフィードフォワード(FF)制御演
算部126の演算結果ffk とを加算した制御信号uK
をD/A変換器130に出力する。モ−タ30および部
品装着ヘッド90はこの制御信号uK に応じて制御され
る。
【0060】このフルクロ−ズド制御動作において偏差
が零になる条件について考察する。図5は図3を基にし
たフルクロ−ズド制御系のブロック図である。図5のブ
ロック図は連続系に近似しラプラス変換した結果として
表現されている。図5はフルクロ−ズド制御系のみを図
解しているので、図3に図解した目標値切り換え回路1
10によるモータ目標角度rm の入力系統は削除してお
り、目標値切り換え処理部160も省略している。な
お、第1のサンプリング回路140および第2のサンプ
リング回路170も図解を簡単にするため省略している
が、図5の制御系が離散的に行われることは図3の制御
系と同様である。エンコ−ダ80およびマグネットセン
サ70も図解を省略している。モ−タ30の伝達関数
は、「1次遅れ系+積分」、すなわち、K/s(sTo
+1)として表すことができる。ベルト40はゲインK
hとして表すことができる。
【0061】2自由度PID制御系である制御演算部1
20の部分を書き直すと、図6のようなブロック線図に
なる。図6は2自由度PID制御系を書き直した制御ブ
ロック図である。ただし、G(s) は2自由度PID制御
系の閉ル−プ伝達関数である。ここで、G(s) は下記式
2−4のごとく表すことができる。
【0062】
【数10】
【0063】式2−4の分母と分子を因数分解して変数
a,b,c,d,eを用いて式2−4を書き直すと、下
記式2−5となる。
【0064】
【数11】
【0065】2自由度PID制御系が、式2−5におい
て、a=d、b=eとなるように、理想的にパラメ−タ
調整されていると仮定すると、伝達関数G(s) は下記式
2−6で規定される1次遅れ系となる。
【0066】
【数12】
【0067】伝達関数G(s)を式2−6として、図6
のブロック線図における加え合わせ点50に加わる外乱
dのラプラス変換D(s)に対する、部品装着ヘッド9
0(部品装着ノズル900)の回転角度デ−タyh のラ
プラス変換Yh (s) の伝達関数式を求めると下記式2−
7となる。
【0068】
【数13】
【0069】式2−7を考察すると、分子は微分要素を
表すラプラス演算子sの項のみである。したがって、外
乱dとしてロストモ−ションのようなオフセット的外乱
が加わってもそれは微分され、部品装着ヘッド回転角度
デ−タyh に定常偏差は残らない。すなわち、制御演算
部120の2自由度PID制御系が良好にパラメ−タ調
整され、式2−6に示したような1次遅れ系と見なせる
場合には、制御演算部120における目標値rとして式
2−3で規定されるフルクロ−ズド制御用目標値rfc
用いたフルクロ−ズド制御により、ロストモ−ションの
ようなオフセット的外乱が加わってもその外乱に起因す
るオフセットは定常偏差として残らないように制御でき
る。すなわち、部品装着ヘッド回転角度検出信号yh
よって示される部品装着ヘッド90の回転角度(部品装
着ノズル900の回転位置)は必ずセンサ目標値rg
一致するように制御できる。
【0070】目標値切り換え処理部160と目標値切り
換え回路110との協動による目標値rの切り換え動作
とその結果としての制御動作について述べる。フルクロ
−ズド制御は上述のように2自由度PID制御器として
の制御演算部120への目標値rをモータ目標角度rm
から式2−3で規定されるフルクロ−ズド制御用目標値
fcに変更するだけで実現できるので、セミクロ−ズド
制御モードからフルクロ−ズド制御モートへの切り換え
は容易である。またその逆の、フルクロ−ズド制御モー
ドからセミクロ−ズド制御モードへの切り換えも容易で
ある。
【0071】このような制御モードの切り換え時の制御
動作の結果例を図7に示す。図7はセミクロ−ズド制御
モードからフルクロ−ズド制御モードに切り換えたとき
の結果を示すグラフである。曲線C11はモータ目標角
度rm を示し、曲線C12はモータ回転角度検出信号y
m を示し、曲線C13は部品装着ヘッド回転角度検出信
号yh を示す。図7の特性図から明らかなように、セミ
クロ−ズド制御モードからフルクロ−ズド制御モードに
適切に切り換えてモ−タ30、ひいては、部品装着ヘッ
ド90の制御を行うと、部品装着ヘッド回転角度検出信
号yh にオフセットが残らない。
【0072】目標値切り換え処理部160に関連づけて
上述した、セミクロ−ズド制御もードからフルクロ−ズ
ド制御モードへの切り換え条件が成立したとき、フルク
ロ−ズド制御モードへの切り換えは、図7の例ではモ−
タ目標角度が最終的な目標角度、図7の例では5333〈エ
ンコ−ダパルス〉に達したところで切り換えが行われて
いる。図7をみると切り換え時にステップ状にフルクロ
−ズド制御用目標値rfcが変化している。この変動はロ
ストモ−ション等による外乱と推定される。セミクロ−
ズド制御モードからフルクロ−ズド制御モードへの切り
換え以降は、式2−3に従ってロストモ−ション等の外
乱の影響も含めて算出されるフルクロ−ズド制御用目標
値rfcをモータ目標角度rm に代えて制御演算部120
において制御演算を行うため、制御演算部120への目
標値rは頻繁に変化する。
【0073】図7のグラフをみると、このような目標値
rの変化があっても、モータ回転角度検出信号ym 、部
品装着ヘッド回転角度検出信号yh とも大きな乱れもな
く、目標値r(フルクロ−ズド制御用目標値rfc)の変
動に追従している。
【0074】部品装着ヘッド回転角度検出信号yh の整
定の詳細を観察するため、図7の拡大図を図8に示す。
図8はロストモ−ションの様子を示した図4と同じスケ
−ルで表示している。図4に図解の特性はロストモ−シ
ョンによるオフセット的外乱の影響のため部品装着ヘッ
ド回転角度検出信号yh がゆっくりと変動してオフセッ
トしていくのに、図8の部品装着ヘッド回転角度検出信
号yh はこのようなオフセットは発生しない。すなわ
ち、図8に図解のグラフからは、フルクロ−ズド制御に
よりロストモ−ションの影響をキャンセルして位置決め
制御されている様子が認識できる。すなわち、本発明の
実施の形態および上述した実施例から明らかなように、
部品装着ヘッド90が整定領域に到達したときモータ目
標角度rm を用いるセミクロ−ズド制御モードから、フ
ルクロ−ズド制御用目標値rfcを用いるフルクロ−ズド
制御モードに切り換えることにより、部品装着ヘッド9
0の位置決め(回転角度制御)にオフセットが定常偏差
として残ることなく、正確な整定精度が得られる。な
お、部品装着ヘッド90が整定領域に到達する前は、モ
ータ目標角度rm を用いた2自由度PID制御により部
品装着ヘッド90は迅速に整定領域まで制御される。
【0075】以上、本発明の位置決め制御方法とその装
置の実施の形態として、図1および図2に例示的に図解
した電子部品装着装置について例示したが、本発明はそ
のような電子部品装着装置に限定されることない。たと
えば、上記実施の形態における、ベルト40、部品装着
ヘッド90に代えて、ベルト40がギア、部品装着ヘッ
ド90がギアによって駆動される機構の場合でも、本発
明は適用される。また、第1の検出手段としての回転式
エンコ−ダ80に代えて、任意の角度または位置検出手
段、たとえば、リニアエンコーダ、リニアセンサなどを
用いることができるし、第2の検出手段としてのマグネ
ットセンサ70に代えて制御対象の位置を検出する種々
の位置検出センサを用いることができる。
【0076】また、制御演算部120における制御演算
アルゴリズムとしては、式2−1に例示したフィードバ
ック制御演算、および、式2−2に例示したフィードフ
ォワード制御演算に限定されず、種々のフィードバック
制御演算アルゴリズム、および、種々のフィードフォワ
ード制御演算アルゴリズムを適用できる。
【0077】したがって、本発明は詳述した実施の形態
に限定されることなく、本発明は、特許請求の範囲に規
定された発明と当業者にとってその均等範囲は考えられ
る範囲に及ぶものである。
【0078】
【発明の効果】本発明の制御方法および制御装置によれ
ば、ロストモ−ション、バックラッシュなどの外乱を発
生する可能性のある制御対象場合でも、制御対象が整定
領域の近傍または整定範囲に到達するまではセミクロ−
ズド制御を行い、制御対象が整定領域の近傍または整定
範囲に到達した後はフルクロ−ズド制御を行うという構
想により、制御対象を迅速、かつ、外乱の影響を受けず
オフセットなしに正確に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施の形態としての高精度位
置決め制御装置の構成を示す図である。
【図2】図2は図1に図解した部品装着ヘッドを中心と
した拡大図である。
【図3】図3は図1に図解した制御器のブロック構成と
関連部分の全体を概略的に図解した図である。
【図4】図4はセミクロ−ズド制御時のモータ目標角度
m と、モータ回転角度検出信号ym が整定したときの
部品装着ヘッドの回転角度検出信号yh を図解したグラ
フである。
【図5】図5は図3を基にしたフルクロ−ズド制御系の
ブロック図である。
【図6】図6は図5に図解した2自由度PID制御系を
書き直した制御ブロック図である。
【図7】図7はセミクロ−ズド制御モードからフルクロ
−ズド制御モードに切り換えたときの結果を示すグラフ
である。
【図8】図8は図7に図解したグラフの拡大図である。
【符号の説明】
1・・電子回路基板 3・・電子部品 10・・制御器 110・・目標値切り換え回路 120・・制御演算部 122・・信号減算回路 124・・フィードバック制御演算部 126・・フィードフォワード制御演算部 128・・信号加算回路 130・・D/A変換器 140・・第1のサンプリング回路 150・・フルクローズ目標角度生成部 152・・信号減算回路 154・・ゲイン乗算回路 156・・信号加算回路 160・・目標値切り換え処理部 170・・第2のサンプリング回路 20・・モ−タドライバ 30・・モ−タ 40・・ベルト 50・・外乱加え合わせ点 70・・マグネットセンサ 80・・ロータリ・エンコ−ダ 90・・部品装着ヘッド 900・・部品装着ノズル 902・・マグネット r・・目標値 rm ・・モータ目標角度 rfc・・フルクロ−ズド制御用目標値 rs ・・センサ目標値 ym ・・モータ回転角度検出信号 yh ・・部品装着ヘッド回転角度検出信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 明 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータと、該モータの回転力を伝達する伝
    達手段と、該伝達手段によって駆動される駆動部とを有
    する制御対象を角度または位置決め制御する制御方法で
    あって、 前記駆動部の回転角度または回転位置を検出しその結果
    から前記駆動部が整定状態に到達したか否かを判断し、 前記駆動部が整定状態に到達する前は、第1の制御モー
    ドとして、 前記モータの回転角度または回転位置に対する目標値に
    ついてフィードフォワード制御演算を行い、 該フィードフォワード制御演算と同時的に、前記モータ
    の回転角度または回転位置に対する目標値と前記モータ
    の実際の回転角度または回転位置との偏差についてのフ
    ィードバック制御演算を行い、 前記フィードフォワード制御演算結果と前記フィードバ
    ック制御演算結果とを加算し、 該加算結果に基づいて前記モータを回転制御し、 前記駆動部が整定状態に到達した後は、第2の制御モー
    ドとして、 前記駆動部の回転角度または回転位置に対する目標値か
    ら、前記駆動部の実際の回転角度または回転位置を減
    じ、該減じた値に所定の変換係数を乗じ、該乗算結果に
    前記モータの実際の回転角度または回転位置を加算し
    て、新たな目標値を算出し、 該新たな目標値についてフィードフォワード制御演算を
    行い、 該フィードフォワード制御演算と同時的に、該新たな目
    標値と前記モータの実際の回転角度または回転位置との
    偏差についてのフィードバック制御演算を行い、 前記フィードフォワード制御演算結果と前記フィードバ
    ック制御演算結果とを加算し、 該加算結果に基づいて前記モータを回転制御する位置決
    め制御方法。
  2. 【請求項2】前記フィードフォワード制御演算、前記フ
    ィードバック制御演算、および、前記加算は所定のサン
    プリング周期で離散的に行う請求項1記載の制御方法。
  3. 【請求項3】前記フィードバック制御演算は下記式1で
    規定される演算を行い、 前記フィードフォワード制御演算は下記式2で規定され
    る演算を行う請求項2記載の位置決め制御方法。 【数1】 【数2】
  4. 【請求項4】前記制御モードの切り換え条件として、
    (1)前記駆動部の実際の回転角度または回転位置が最
    終的な回転角度または回転位置に接近しており、(2)
    前記モータの実際の回転角度または実際の回転位置が、
    前記モータの回転角度または回転位置に対する目標値に
    接近している場合、前記第1の制御モードから前記第2
    の制御モードに切り換える請求項1記載の位置決め制御
    方法。
  5. 【請求項5】前記駆動部は、ベルト式またはギア式前記
    伝達手段によって回転駆動される回転駆動部と、該回転
    駆動部に放射状に装着された複数の装着部分を有し、該
    装着部分はそれぞれ前記回転駆動部から昇降されるよう
    に構成され、 該装着部分を位置決めする請求項1記載の位置決め制御
    方法。
  6. 【請求項6】モータと、該モータの回転力を伝達するベ
    ルト式伝達手段と、該伝達手段によって駆動される駆動
    部とを有する制御対象を角度または位置決め制御する位
    置決め制御装置であって、 前記モータの回転角度または回転位置の目標値と、前記
    駆動部の回転角度または回転位置の目標値とを設定する
    手段と、 前記モータの回転角度または回転位置を検出する第1の
    検出手段と、 前記駆動部の回転角度または回転位置を検出する第2の
    検出手段と、 前記駆動部の回転角度または回転位置に対する目標値か
    ら、前記第2の検出手段で検出した前記駆動部の実際の
    回転角度または回転位置を減じ、該減じた値に所定の変
    換係数を乗じ、該乗算結果に前記第1の検出手段で検出
    した前記モータの実際の回転角度または回転位置を加算
    して、新たな目標値を算出する目標値生成手段と、 前記設定されたモータの回転角度または回転位置の目標
    値か、前記目標値生成手段で生成された新たな目標値か
    を選択して出力するスイッチング手段と、 少なくとも前記第2の検出手段の値が前記駆動部への目
    標値に接近したか否かを判断し、前記第2の検出手段の
    値が前記駆動部への目標値に接近する前は、前記スイッ
    チング手段を付勢して前記設定されたモータの回転角度
    または回転位置の目標値を選択出力させ、前記第2の検
    出手段の値が前記駆動部への目標値に接近した後は前記
    スイッチング手段を駆動して前記目標値生成手段で生成
    された新たな目標値を選択出力させる制御状態判断手段
    と、 前記スイッチング手段から出力された目標値についてフ
    ィードフォワード制御演算を行うフィードフォワード制
    御演算手段と、 前記スイッチング手段から出力された目標値と、前記第
    1の検出手段で検出した前記モータの実際の回転角度ま
    たは回転位置との偏差についてのフィードバック制御演
    算を行うフィードバック制御演算手段と、 前記フィードフォワード制御手段の演算結果と、前記フ
    ィードバック制御演算手段の結果とを加算する加算手段
    と を有し、 該加算手段の結果に基づいて前記モータを制御する位置
    決め制御装置。
  7. 【請求項7】前記第1の検出手段の信号をサンプリング
    する第1のサンプリング手段と、 前記第2の検出手段の信号をサンプリングする第2のサ
    ンプリング手段とをさらに有し、 前記フィードフォワード制御演算手段における演算、前
    記フィードバック制御演算手段における演算、および、
    前記加算手段における演算は所定のサンプリング周期で
    離散的に行う請求項6記載の制御装置。
  8. 【請求項8】前記フィードバック制御演算手段における
    演算は下記式3で規定される演算を行い、 前記フィードフォワード制御演算手段における演算は下
    記式4で規定される演算を行う請求項7記載の位置決め
    制御方法。 【数3】 【数4】
  9. 【請求項9】前記制御状態判断手段は、(1)前記第2
    の検出手段で検出した前記駆動部の実際の回転角度また
    は回転位置が前記設定された駆動部の目標回転角度また
    は目標回転位置に接近しており、(2)前記第1の検出
    手段で検出した前記モータの実際の回転角度または実際
    の回転位置が、前記設定された前記モータの回転角度ま
    たは回転位置に対する目標値に接近している場合、前記
    設定された前記モータの回転角度または回転位置に対す
    る目標値から、前記目標値生成手段において生成された
    新たな目標値に切り換える指令を前記スイッチング手段
    に出力する請求項6記載の位置決め制御装置。
  10. 【請求項10】前記駆動部は、前記伝達手段によって回
    転駆動される回転駆動部と、該回転駆動部に放射状に装
    着された複数の装着部分を有し、該装着部分はそれぞれ
    前記回転駆動部から昇降されるように構成され、 該装着部分を位置決めする請求項6記載の位置決め制御
    装置。
  11. 【請求項11】前記伝達手段は前記モータの回転力を前
    記駆動部に伝達するベルトまたはギアを有し、 前記駆動部は電子部品を着脱可能であり、該駆動部の回
    転方向に対して往復移動可能な複数の部品装着ノズルを
    有する請求項10記載の位置決め制御装置。
JP10078036A 1998-03-25 1998-03-25 位置決め制御方法とその装置 Pending JPH11272335A (ja)

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