JPH11271351A - 圧電検出素子 - Google Patents

圧電検出素子

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JPH11271351A
JPH11271351A JP7027398A JP7027398A JPH11271351A JP H11271351 A JPH11271351 A JP H11271351A JP 7027398 A JP7027398 A JP 7027398A JP 7027398 A JP7027398 A JP 7027398A JP H11271351 A JPH11271351 A JP H11271351A
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JP
Japan
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piezoelectric
film
metal film
detecting element
element according
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Application number
JP7027398A
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English (en)
Inventor
Toshio Umemura
敏夫 梅村
Akira Yamada
朗 山田
Chisako Maeda
智佐子 前田
Takehiko Sato
剛彦 佐藤
Hidefusa Uchikawa
英興 内川
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型でかつ温度係数を小さくできしかも高感
度で加速度、磁界等の物理量を検出することができる圧
電検出素子を提供する。 【解決手段】 中央部に開口部を有する基板と、開口部
を実質的に覆いかつ開口部において印加される物理量に
対応して変形可能となるように開口部の周辺部で基板に
固定された金属膜と、印加される物理量に応答して開口
部において金属膜を変形させるために設けられた作用体
と、開口部の金属膜の変形に対応して変形するように該
金属膜に接して又は離れて設けられた圧電膜とを備え、
印加される物理量に対応する電気信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加速度センサ、磁
界センサ等の圧電膜を用いた圧電検出素子に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、自動車、FA(ファクトリーオー
トメション)機器等において、高機能化及び高性能化を
図るため数多くの様々なセンサが利用されている。特
に、自動車では電子制御システムの進展に伴い、今後益
々、位置および加速度などの検出に多くにセンサが利用
されるものと思われる。
【0003】このような需要に応えるために、基板に接
合されたゲージ抵抗素子やピエゾ抵抗素子が外力による
基板の歪みを検知して物理量に表す方法が提案されてい
る。また、特開平4−148833号公報では、固定基
板と外力を伝達する作用体を有する可撓性基板が対向す
る面に電極を配置した構造が提案され、力、加速度、磁
界により作用体に発生した力で可撓性基板を撓ませ、こ
れに伴う電極間の静電容量の変化を検知して物理量を検
出する方法が開示されている。更に、特開平5−267
44号公報では、可撓性基板上に電極で挟まれた板状圧
電素子を固定し、且つ、可撓性基板に定義した原点に作
用体を設けた構造が提案され、力、加速度、磁界により
作用体に発生した力により可撓性基板を撓ませ、これを
圧電素子により検知して物理量を検出する方法が開示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車載用
のセンサに代表されるように、センサの使用温度範囲
(−50℃〜+180℃)は広いので、上述の基材に固
定されたゲージ抵抗素子やピエゾ抵抗素子を利用する方
法では、検出素子自体は小型であるが、それらの温度係
数を補償する回路が不可欠となり、センサシステムの簡
略化、小型化が困難であるという問題点があった。ま
た、センサ筐体に固定された可撓性基板を作用体により
撓ませる方法は、比較的温度係数は小さくできるが、大
きな作用を必要とするために弱い外力の作用の検出には
不向きであるという問題点があり、また、可撓性基板に
別体で作成された圧電素子を固定する構造であるために
小型化が困難でありかつ安価に製造できないという問題
点もあった。
【0005】そこで、本発明は、小型でかつ温度係数を
小さくできしかも高感度で加速度、磁界等の物理量を検
出することができる圧電検出素子を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の圧電
検出素子は、中央部に開口部を有する基板と、上記開口
部を実質的に覆いかつ上記開口部において印加される物
理量に対応して変形可能となるように上記開口部の周辺
部で上記基板に固定された金属膜と、上記印加される物
理量に応答して上記開口部において上記金属膜を変形さ
せるために設けられた作用体と、上記開口部の上記金属
膜の変形に対応して変形するように該金属膜に接して又
は離れて設けられた圧電膜とを備え、上記印加される物
理量に対応する電気信号を出力することを特徴とする。
これによって、本発明の圧電検出素子では、従来例のよ
うに可撓性基板を用いることなく、変形可能に形成され
た上記金属膜を印加される物理量により直接変形させて
いるので、小さな作用で上記金属膜及び圧電膜を変形さ
せることができ、上記圧電膜の変形に対応した電気信号
を出力することができる。
【0007】また、本発明の圧電検出素子では、上記圧
電膜が、上記開口部の略中央に位置する原点を通る第1
軸上に上記原点に対して略対称に設けられた少なくとも
2つの第1圧電膜を含んで構成されることが好ましく、
これによって、2次元的に変化する方向と大きさを有す
る物理量が印加されたときに、その方向と大きさを検出
することができる。
【0008】この場合、上記第1圧電膜のうち上記原点
に対して一方の側に設けられた第1圧電膜を上記金属膜
上に直接形成し、かつ他方の側に設けられた第1圧電膜
を、上記金属膜上に絶縁膜を介して形成された電極上に
形成することにより、一方の側に設けられた第1圧電膜
と他方の側に設けられた第1圧電膜との電極を互いに分
離でき、例えば、製造ばらつきによる一方の側と他方の
側にある圧電膜間の特性ばらつき補償して検出すること
ができる。
【0009】また、本発明の圧電検出素子では、上記圧
電膜がさらに、上記開口部の略中央に位置する原点を通
る第2軸上に上記原点に対して略対称に設けられた少な
くとも2つの第2圧電膜を含んでなりかつ上記第1圧電
膜と上記第2圧電膜とが一直線上にないように構成する
ことにより、3次元的に変化する方向と大きさを有する
物理量が印加されたときに、その方向と大きさを検出す
ることができる。
【0010】この場合、上記第1圧電膜のうち上記原点
に対して一方の側に設けられた第1圧電膜を上記金属膜
上に直接形成し、かつ他方の側に設けられた第1圧電膜
を、上記金属膜上に絶縁膜を介して形成された電極上に
形成し、上記第2圧電膜のうち上記原点に対して一方の
側に設けられた第2圧電膜を上記金属膜上に直接形成
し、かつ他方の側に設けられた第2圧電膜を、上記金属
膜上に絶縁膜を介して形成された電極上に形成すること
により、例えば、製造ばらつきによる一方の側と他方の
側にある圧電膜間の特性ばらつき補償して検出すること
ができる。
【0011】また、本発明の圧電検出素子では、上記第
1軸と上記第2軸とが上記原点において直交することが
好ましく、これによって、物理量の方向と大きさとを効
率的にかつ精度良く検出できる。
【0012】なお、本発明の圧電検出素子では、上記圧
電膜を上記金属膜の一方の主面側に設けかつ上記作用体
を上記金属膜の他方の主面側に設けるようにしてもよい
し、上記圧電膜と上記作用体とを上記金属膜の同一面側
に設けるようにしてもよい。
【0013】また、本発明の圧電検出素子において、上
記圧電膜が上記金属膜を介して対向するように上記金属
膜の一方の主面側と他方の主面側とに設けることによ
り、対向して設けられた2つの圧電膜からの信号を加算
して出力できる。
【0014】また、本発明の圧電検出素子では、上記作
用体を2以上備えていてもよく、これによって、検出感
度を向上させることができる。
【0015】さらに、本発明の圧電検出素子では、上記
作用体を少なくとも1つの圧電膜上に電極を介して形成
するようにしてもよい。この場合、上記作用体を上記圧
電膜の中心からずらして形成することによって、該圧電
膜の変形を大きくすることができ、検出感度を向上させ
ることができる。また圧電膜上に電極を介して作用体を
形成する場合、製造工程を簡単にするために上記作用体
と上記電極と一体で形成することもできる。
【0016】また、本発明の圧電検出素子では、上記作
用体を互いに質量の異なる2以上の部分から構成しても
よい。これによって、検出する物理量に対応して、作用
体の質量を適切な値に比較的自由に設定できる。
【0017】また、本発明の圧電検出素子では、上記圧
電膜上に形成された電極と上記圧電膜にそれぞれ対応し
て外部回路との接続用として形成されたパッド電極との
間を接続する場合、上記圧電膜の自由な変形を妨げるこ
とがないようにかつ上記圧電膜に不必要な力がかからな
いように上記圧電膜と上記パッド電極との間がエアーブ
リッジ配線で接続することが好ましい。
【0018】また、本発明の圧電検出素子では、上記基
板と上記金属膜及び上記作用体と上記金属膜とをそれぞ
れ、強固に固定するために接着層を介して固定すること
が好ましい。
【0019】また、本発明の圧電検出素子では、上記開
口部における金属膜が自由に変形できるように基板を保
持し素子を保護するための容器を備えることが好まし
い。
【0020】また、本発明の圧電検出素子では、チタン
酸鉛、ジルコン酸チタン酸鉛、チタン酸バリウム、酸化
シリコン、タンタル酸リチウム及びニオブ酸リチウムか
らなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含
む圧電材料を用いて上記圧電膜を形成することができ
る。
【0021】また、本発明の圧電検出素子では、金、白
金、パラジウム、ルテニウム及びイリジウムからなる群
から選ばれた少なくとも1種を主成分として含も金属を
用いて上記金属膜を形成することができる。
【0022】この場合、上記金属膜が、チタン、クロ
ム、タンタル、バナジウム及びニオブからなる群から選
ばれた少なくとも一種を含む層からなる接着層を介して
基板に固定されていることが好ましい。
【0023】また、本発明の圧電検出素子では、シルコ
ン、ガリウム砒素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム及び酸化ジルコニウムからなる群から選ばれた少なく
とも一種を主成分として含む基板を用いることにより容
易に形成できる。
【0024】また、本発明の圧電検出素子では、上記作
用体として磁性体を用いることにより、磁気センサとで
きる。この場合、作用体として、ネオジウム鉄ボロン、
サマリウムコバルト、アルニコ、フェライトからなる群
から選ばれた少なくとも一種以上の永久磁石を主成分と
して含む磁性体で形成することができる。
【0025】また、本発明の圧電検出素子では、上記基
板上に制御回路を一体で形成することができ、これによ
って、制御回路を含め小型化が図れる。
【0026】さらに、本発明の圧電検出素子において、
上記作用体の少なくとも1部として形成された磁性体
と、上記作用体の回りに設けられたコイルとを備えるこ
とにより、上記磁性体と上記コイルとの間の電磁誘導に
よる信号を用いて検出機能を検証する機能を付加するこ
とができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施の形態について説明する。 実施の形態1.実施の形態1の圧電検出素子は、図1に
示すように、開口部100を備えた基板1上に、該開口
部100を覆うように金属膜2が形成され、該金属膜2
上に圧電膜3を含む各要素が以下のように形成されて構
成される。尚、実施の形態1において、素子に印加され
る加速度に対応して開口部100に張られた金属膜2を
変形させるために、円柱形状の作用体6が、その軸が開
口部100の中心と略一致するように金属膜2の下面に
設けられている。
【0028】金属膜2上には、作用体6の外周の直上
に、該直上における金属膜2の変形と同期して変形する
ように4つの圧電膜3が形成される。ここで、圧電膜3
はそれぞれ電極4を備え、作用体6の外周上に等間隔に
配置される。また、各圧電膜3の外側の金属膜2上に
は、制御回路との接続用のパッド電極7が絶縁膜71を
介して設けられ、それぞれ対応する圧電膜3上の電極4
に配線金属5でエアーブリッジ配線されている。尚、パ
ッド電極7は、開口部100の外側の基板1上に位置す
るように設けられる。
【0029】次に、実施の形態1の圧電検出素子の概略
の製造方法について説明する。本実施の形態1では、基
板1として、種々の基板を用いることができるが、金属
膜2、圧電膜3の形成の容易さ、開口部の加工等を考慮
して、シルコン、ガリウム砒素、酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム及び酸化ジルコニウムの内の一種を用い
ることが好ましい。本実施の形態1の製造方法では、基
板1上に白金からなる金属膜2を、スパッタ法にて0.
2μm厚さに成膜する。尚、本発明では、金属膜2とし
て白金以外に、金、パラジウム、ルテニウム及びイリジ
ウム等種々の金属を用いることができる。次に、チタン
酸鉛(膜組成PbTiO3)からなる圧電膜3を、DC
マグネトロンスパッタ法により1μmの厚さに成膜す
る。尚、本発明では、ジルコン酸チタン酸鉛(膜組成
(Pb,Zr)TiO3)、チタン酸バリウム(膜組成
BaTiO3)、酸化シリコン(膜組成SiO2)、タン
タル酸リチウム(膜組成LiTaO3)又はニオブ酸リ
チウム(膜組成LiNbO3)等の種々の圧電材料を用
いて圧電膜3を形成することができる。また、圧電膜3
として多結晶体のチタン酸鉛(膜組成PbTiO3)を
用いる場合は、結晶軸が(111)配向するように形成
することが好ましく、これは、(111)配向させたP
t膜上に形成することにより容易に形成できる。
【0030】次に、圧電膜3上に、1μm厚の金膜を成
膜した後、フォトレジストを用いた湿式エッチングによ
り、図1(a)に示す所定の位置に上部電極膜4及び圧
電膜3を形成する。ここで、金膜のエッチング液として
は、HClおよびHNO3の3:1混合液、チタン酸鉛
からなる圧電膜のエッチング液としてHNO3−HFを
用いることができる。さらに、絶縁膜71を形成する位
置に開口部を有するレジストを形成し、室温にてシリコ
ンを0.1μmの厚さにスパッタ成膜し、その上に金を
0.1μmの厚さにスパッタ成膜した後、レジストを溶
剤により除去する。これによって、金属膜2上に絶縁膜
71を介してパッド電極が形成される。
【0031】次に、上部電極膜4の上面とパッド電極7
の上面が開口するようにレジストを形成し、上方から金
膜を室温にて0.1μmの厚さにスパッタ成膜し、該金
膜上に配線金属5を形成すべき位置を開口させたレジス
トを形成し、該開口部を介して金膜上に電解メッキによ
り金を1μmの厚さにメッキした後、レジストをアセト
ンにより除去する。これによって、電極膜4とパッド電
極7とを接続する配線金属5を形成する。次に、基板1
の所定の位置において、下面から7%KOH溶液を用い
てエッチングを行うことにより開口部100を形成して
金属膜2を露出させる。この際、開口部100の中央部
に円柱形状にシリコン基板を残すことにより作用体6を
形成する。以上のようにして図1に示す実施の形態1の
圧電検出素子は製造される。
【0032】次に、以上のように構成された実施の形態
1の圧電検出素子において作用体6に所定の向きに力が
加わったときの動作を、図2及び表を参照して説明す
る。ここで、図2において、符号12〜15は、金属膜
2と電極4とによって挟設された圧電膜3からなる圧電
素子を示し、配線金属5及びパッド電極7は省略して描
いている。本実施の形態1の圧電検出素子の動作の確認
は、図2(d)に示すように各圧電素子12〜15の電
極4と金属膜2の電極間にそれぞれ、電圧計V1、V
2、V3、V4およびコンデンサ(1pF〜100p
F)を結線して、この圧電検出素子を加振機に乗せて加
振方向に対する各電圧計の電圧のふれを計測することに
より行った。その結果を表1に示す。ここで、表1にお
いて、Fx+、Fy+、Fz+はそれぞれ、X、Y、Zの
正方向の力を示し、Fx-、Fy-、Fz-はそれぞれ、
X、Y、Zの負方向の力を示す。また、X及びY方向
は、図2(a)(b)に示すように金属膜2と同一平面
上において直交する方向であり、Z方向は図2(c)に
示すように作用体6の軸方向である。さらに、X軸及び
Y軸にはそれぞれ原点を挟んで対称になるように2つの
圧電素子が位置する。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように、本実施の形態1
の圧電検出素子は、各圧電素子において印加される力の
方向に対応した正又は負の電圧を出力することができ
る。また、容量の小さいコンデンサを用い、加振方向の
振幅の時間変化が正弦波で表される場合には、電圧計の
ふれも正弦波的電圧−時間依存性が得られ、さらに印加
される力に応じた大きさの電圧が出力されることも確認
された。また、圧電素子12〜15の各圧電膜3が印加
される力の方向と大きさに依存して屈曲し、各電圧計の
ふれを各方向の加速度のベクトルと見なしたとき、3成
分の合力を圧電素子に加わる力(加速度)と関連させる
ことができることが分かった。 従って、実施の形態1
の圧電検出素子を用いると、X、Y、Zのうち2以上の
方向成分を有する力が印加された場合において、各圧電
素子12、13、14、15からは、作用体6が受ける
力の各方向の成分に対応して生じる電圧が重畳して出力
されるので、各圧電素子12、13、14、15から出
力される信号に基づいて圧電検出素子に印加される力の
方向と大きさが一義的に決定できる。またさらに、われ
われの検討によると、−80℃〜+200℃の温度範囲
において、出力電圧の温度依存性は極めて小さいもので
あった。
【0035】以上詳細に説明したように、本実施の形態
1の圧電検出素子は、可撓性基板を用いることなく、基
板1の開口部100上に膜状の金属膜2を設け、印加さ
れる力に対応して直接、開口部100上に位置する金属
膜2を変形するように構成しているので、可撓性基板を
変形させる場合の力に比べて極めて小さい力で金属膜2
を変形させることができる。従って、本実施の形態1の
圧電検出素子においては、作用体6の質量を大きくする
ことなく金属膜2を変形させることができるので、小型
でかつ従来例と同等の加速度等の検出性能を実現でき
る。また、実施の形態1の圧電検出素子は、上述の製造
方法の説明から明らかなように、いわゆる半導体製造プ
ロセスを用いて製造することができるので、大量生産が
可能で、かつ大量生産することにより極めて安価に製造
することができる。
【0036】また、本実施の形態1の圧電検出素子で
は、圧電素子の電極4とパッド電極7とをエアブリッジ
配線を用いて接続することにより、開口部100上に位
置する金属膜2の変形可能部分に、圧電膜3以外のもの
を形成していないので、外力が印加されたときに金属膜
2の変形を妨げることがなく、効果的にかつ精度よく印
加される外力を検出できる。また、このエアーブリッジ
配線をすることにより、このエアーブリッジ配線の緩衝
作用により、例えば、素子が衝撃等による極度に大きな
力(加速度)を受けた場合にも、金属膜2及び圧電膜3
の一部分に集中して大きな力が係ることを防止でき、金
属膜2等の破壊を防止できる。
【0037】以上の実施の形態1の圧電検出素子では、
図3に示すように、容器31を設け検出部分を保護する
ようにすることが好ましい。この場合、図3(a)に示
すように、基板1を容器31の側面に固定するようにし
ても良いし、図3(b)に示すように、作用体6を容器
31の底面に固定するようにしてもよい。図3(a)の
構成では、外力によって作用体6が容器に対して相対的
に変位し、図3(b)の構成では、外力によって基板1
が容器に対して相対的に変位する。われわれの検討で
は、いずれにおいても圧電効果を検出することができ
た。このように、容器31を設けることにより、素子を
大気からの遮断できかつ、機械的接触を容易に回避でき
るので、信頼性を向上させることができる。
【0038】実施の形態2.実施の形態1では圧電膜
3、上部電極4等を下部電極膜2に対して基板1と異な
る側に配置したが、実施の形態2では、図4に示すよう
に、圧電膜3、電極4等を下部電極膜2に対して基板1
側に配置、すなわち開口部100内に形成したことを特
徴とする。
【0039】次に、実施の形態2の圧電検出素子の製造
方法について説明する。本方法では、まず、例えばSi
からなる基板(この基板は、最終的に素子に残る基板1
とは異なるので、以下それと区別するために基板Aとい
う。尚、この基板Aは図4には図示されていない。)上
に金属膜2を形成し、その金属膜2上に実施の形態1と
同様にして、圧電膜3、電極4、パッド電極7及び配線
金属5等を形成することにより各圧電素子を形成する。
次に、基板1、作用体6が形成される部分が開孔するよ
うにフォトレジストを形成して、金属膜2上にSiを形
成した後、溶剤を用いてフォトレジストを除去すること
により、開口部以外のSiが該レジストとともに除去さ
れ、基板1及び作用体6が形成される。そして、7%K
OH溶液等により金属膜2の下に接する基板Aをエッチ
ング除去することにより図4に示す断面形状を有する実
施の形態2の素子が構成される。
【0040】以上のように構成された実施の形態2の圧
電検出素子は、開口部100に圧電素子及び作用体6等
が形成されるので、素子において、基板1の厚さ方向に
突出する突出部を無くすることができ、実施の形態1に
比較して素子を薄くできる。尚、本実施の形態2では、
基板1及び作用体6を構成する材料としてSiに代えて
例えばハンダ等の金属を用いて形成してもよい。すなわ
ち、基板1、作用体6が形成される部分が開孔するよう
にフォトレジストを形成して、金属膜2上に給電層金膜
を例えば0.1μm厚に形成して、該金膜上にハンダメ
ッキを200μm厚だけ形成した後、溶剤によりレジス
トを除去して、ハンダからなる基板1と作用体6とを形
成してもよい。以上のように構成しても実施の形態2と
同様の作用効果を有する。
【0041】実施の形態3.本発明に係る実施の形態3
の圧電検出素子は、図5に示すように、実施の形態1の
圧電素子12,13に代えて、金属膜2上に絶縁膜17
を介して形成された圧電素子12a,13aを設けたこ
とを特徴とする。すなわち、実施の形態3の圧電検出素
子は、(001)面を有するシリコンからなる基板1上
に、下部電極膜2として結晶軸が(111)配向した1
μm厚の白金をスパッタ法にて成膜し、メタルマスクを
用いて絶縁膜17として酸化シリコンをプラズマCVD
により0.2μm成膜し、さらに該絶縁膜17上に中間
電極膜16として、白金(1μm厚)をDCマグネトロ
ンスパッタにて成膜した後、実施の形態1と同様にし
て、圧電膜3、電極膜4及び配線5を形成することによ
り作成される。
【0042】以上のように構成された実施の形態3の圧
電検出素子は、X方向に設けられた2つの圧電素子のう
ち、圧電素子14が金属膜2を一方の電極として金属膜
2上に直接形成され、圧電素子12aが金属膜2上に絶
縁膜17を介して形成されて、互いに共通の電極を有し
ていないので、電気的に独立している。また、Y方向に
設けられた2つの圧電素子のうち、圧電素子15が金属
膜2を一方の電極として金属膜2上に直接形成され、圧
電素子13aが金属膜2上に絶縁膜17を介して形成さ
れて、互いに共通の電極を有していないので、電気的に
独立している。このように、圧電素子の下部に設けられ
た電極を分離することにより、分離されて形成された圧
電素子間においてはすべての電極が、独立して形成され
ているので、各圧電素子から出力される信号の処理回路
の構成の自由度が増す。これによって、独立した(互い
に電気的に分離された電極で構成された)圧電素子間で
は、例えば圧電膜の製造のバラツキによって圧電素子か
らの信号がばらついた場合、そのバラツキを吸収するよ
うに回路を構成することが容易になりかつ簡単なバラツ
キ補正手段で補正できる。
【0043】実施の形態4.次に本発明に係る実施の形
態4の圧電検出素子について説明する。実施の形態4の
圧電検出素子は、実施の形態1の圧電検出素子におい
て、図6に示すように、基板1及び作用体6と金属膜2
との間に密着力を向上させるための密着層21を形成
し、圧電膜3と電極4との間及び絶縁膜71とパッド電
極7との間に密着力を向上させるための密着層22が形
成されていることを特徴とする。ここで、本実施の形態
4において、密着層21,22として、チタン、クロ
ム、タンタル、バナジウム、ニオブの内一種を例えば5
0nmの厚さに形成する。以上のように構成された実施
の形態4の圧電検出素子は、基板1及び作用体と金属膜
2との間、並びに圧電膜3と電極4との間及び絶縁膜7
1とパッド電極7との間の密着力を向上させることがで
きるので、製造工程上で該部分が剥離するのを防止で
き、製造歩留まりを向上させることができるとともに、
信頼性を向上させることができる。尚、この場合、密着
層の元素が電極膜内を拡散して圧電膜を劣化させる場合
があるが、これを抑制するためには、白金を成膜した後
焼鈍し、更に、白金を成膜して電極膜とすることが有効
である。
【0044】実施の形態5.本発明に係る実施の形態5
の圧電検出素子は、図7に示すように、作用体6に代え
て各電極4と一体で形成された作用体20を備えたこと
を特徴とし、以下のように製造される。実施の形態5の
圧電検出素子は、実施の形態1と同様な工程で電極4ま
で形成した後、作用体20を形成する部分を残してレジ
ストで覆い、その上から金メッキをしてレジストを除去
することにより、電極4上に一体で金からなる作用体2
0を形成する。他の工程については、開口部100をエ
ッチングにより形成する工程で作用体6を形成しないよ
うにする以外は、実施の形態1と同様である。以上のよ
うに構成しても実施の形態1と同様に動作し同様の効果
を有するとともに、実施の形態1に比較して検出感度を
高くできる。
【0045】本実施の形態5では、作用体20を電極4
と同じ金を用いて構成したが、本発明はこれに限らず、
異種金属を用いて構成してもよい。この場合、電極4に
比較して密度の大きい金属を用いることが好ましい。ま
た、本実施の形態5では、作用体20に加えさらに実施
の形態1と同様の作用体6を設けるようにしてもよい。
この場合、作用体6は金属膜2の上面に設けてもよい
し、下面に設けてもよい。
【0046】実施の形態6.本発明に係る実施の形態6
の圧電検出素子は、実施の形態1の圧電検出素子におい
て、圧電素子12,13,14,15に金属膜2を介し
て対向するように、圧電素子112,113,114,
115を設けたことを特徴とする。尚、実施の形態6で
は、圧電素子112,113,114,115にそれぞ
れ対応してパッド電極107を開口部内に設けている。
以上のように構成された実施の形態6の圧電検出素子
は、金属膜2を介して対向して2つの圧電素子を形成
し、その2つの圧電素子から出力される信号の合計した
信号を検出信号として処理できるので、検出感度を向上
させることができる。
【0047】実施の形態7.本発明に係る実施の形態7
の圧電検出素子は、図9に示すように作用体6に副作用
体32を設けたことを特徴とする。本実施の形態7は、
圧電素子12〜15等を実施の形態1と同様に形成した
後、以下のようにして作用体6及び副作用体32を形成
する。まず、基板1の上部電極膜2が形成されていない
側に給電層となる金膜を室温にて0.1μm成膜し、該
金膜上に作用体Cの形状に開口するようにレジストを形
成する。次に、電解メッキにより金を20μmメッキし
た後、レジストとレジストの下に位置する給電層をアセ
トンにより除去することにより、略20μmの金からな
る作用体32を形成する。次に、作用体32を形成した
面にから実施の形態1と同様に7%のKOH溶液にてシ
リコンエッチングを行うことにより図9に示す作用体3
2を備えた作用体6を形成する。尚、配線5、パット電
極7の形成は実施の形態1と同様の方法で形成する。本
実施の形態において、副作用体として高密度な金属を作
用体6に付加することにより同一の加速度においても大
きな作用を圧電膜3に印加させることが可能となり感度
を向上させることができる。
【0048】実施の形態8.本発明に係る実施の形態8
の圧電検出素子は、磁気センサであって、実施の形態7
において、図10に示すように副作用体32に代えて、
磁性体33を形成したことを特徴とする。本実施の形態
7は、圧電素子12〜15等を実施の形態1と同様に形
成した後、以下のようにして作用体6及び磁性体33を
形成する。まず、基板1の金属膜2が形成されていない
側に、磁性体33となるネオジ鉄ボロン(元素組成比、
Nd:Fe:B=0.15:1.0:0.15)をDC
マグネトロンスパッタにより20μm成膜する。次に、
レジストを用いて、作用体32を形成した面にから実施
の形態1と同様に7%のKOH溶液にてシリコンエッチ
ングを行うことにより図10に示すように開口部100
と作用体33を備えた作用体6を形成する。尚、他の工
程は実施の形態7と同様である。
【0049】以上のように構成することにより、磁界下
において、磁性体33に働く電磁力により金属膜2を変
形させることができ、圧電膜の屈曲による圧電効果を検
出することにより磁界の強さと方向を検出することがで
きる。尚、本実施の形態8において、磁性体としては
鉄、コバルト、ニッケルを主元素とした軟磁性体、或い
は、ネオジ鉄ボロン以外のサマリウムコバルト、アルニ
コ、フェライト等を用いることができ、この場合も同様
に、磁界変動に伴う変形を圧電膜により検出することが
できる。
【0050】実施の形態9.本発明に係る実施の形態9
の圧電検出素子は、圧電素子12,13,14,15等
からなる検出部分に加え、図11に示すように信号制御
回路及び駆動回路部からなる制御回路34を基板1内に
一体的に形成したことを特徴とする。尚、この制御回路
34は例えば、CMOSプロセスとバルクマイクロマシ
ニングプロセスを用いて形成することができる。このよ
うに構成することにより、制御回路を含む圧電検出素子
を小型軽量に構成できる。尚、実施の形態9では、制御
回路を圧電素子部に隣接する構成としたが、制御回路を
作用体内に形成するようにしてもよい。
【0051】実施の形態10.本発明に係る実施の形態
10の圧電検出素子は、図12に示すように、実施の形
態9の圧電検出素子において、磁性体33の周りにコイ
ル35を設けた、自己機能検証機構付き磁気センサであ
る。すなわち、本実施の形態10の圧電検出素子は、コ
イル35に交流磁界を印加して圧電効果を検出すること
により自己で機能検証することができる。しかしなが
ら、本発明では、コイル35を設けることなく機能を検
証するようにしてもよい。例えば、加速度センサとして
使用する際は、予め圧電膜3の両面に交流電圧を印加し
て圧電効果を検出することにより、機能検証でき、磁界
センサとして使用する際には、予め圧電膜3の両面に交
流電圧を印加して圧電効果を検出することによっても、
簡易的に機能検証するようにしてもよい。
【0052】変形例.以上の実施の形態ではそれぞれ、
エアーブリッジ配線により、電極4とパッド電極とを接
続するようにしたが、本発明はこれに限られるものでは
ない。その一例を挙げると、例えば、以下のような簡便
な方法を用いてもよい。すなわち、金属膜2を形成した
後、金属膜2の全面に圧電膜を形成して、さらに、上部
電極膜4、配線5、パット7となる1μm厚の金膜を室
温でスパッタ成膜する。次に、図13に示すように電極
4、配線501、および、パット701が連結した形状
に金膜およびPTO膜をフォトレジストを用いた湿式エ
ッチングにより成形する。この時、金膜をエッチングす
るためのエッチ液及び、PTOをエッチングするための
エッチ液は、実施の形態1と同様のものを用いることが
できる。このように、金属膜2上に電極4、配線50
1、および、パット701を一体で、かついずれも圧電
膜を介して形成することにより、配線及びパッド電極を
形成する工程を極めて簡略化できる。
【0053】以上の各実施の形態では、金属膜2上に圧
電素子をX軸、Y軸の各方向に2個配置した構成となっ
ているが、本発明はこれに限らず、各軸上に2つ以上設
けるようにしてもよい。この場合、圧電素子の個数は偶
数であることが好ましく、かつ作用体が概ね原点に対し
て対称であることがさらに好ましい。以上のように構成
しても実施の形態1と同様の検出特性を高い感度で得る
ことができる。尚、本発明では、例えば、限られた一定
の方向の加速度等の物理量の大きさのみを検出する場合
は、金属膜2上に少なくとも1つの圧電素子を形成すれ
ばよい。また、方向が2次元に限られる場合は、X軸又
はY軸のいずれか1つの方向に少なくとも2つの圧電素
子を形成すれば、加速度等の物理量を限られた一平面内
における方向と大きさを検出することができる。
【0054】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る圧電検出素子は、上記基板の上記開口部に設けられた
金属膜に、作用体と圧電膜とを備え、従来例のように可
撓性基板を用いることなく、上記金属膜を直接変形させ
ているので、小さな作用で上記金属膜及び圧電膜を変形
させることができ、極めて小型軽量にできる。また、本
発明に係る圧電検出素子は、IC等と同様な製造プロセ
スを利用して製造可能なため、量産に適している。
【0055】また、本発明の圧電検出素子では、上記圧
電膜が、第1軸上に上記原点に対して略対称に設けられ
た少なくとも2つの第1圧電膜を含むことにより、少な
くとも2次元的に変化する方向と大きさを有する物理量
の方向と大きさを検出することができる。
【0056】さらに、上記圧電検出素子では、上記第1
圧電膜のうち上記原点に対して一方の側に設けられた第
1圧電膜を上記金属膜上に直接形成し、かつ他方の側に
設けられた第1圧電膜を、上記金属膜上に絶縁膜を介し
て形成された電極上に形成することにより、一方の側に
設けられた第1圧電膜と他方の側に設けられた第1圧電
膜との電極を互いに分離でき、例えば、製造ばらつきに
よる一方の側と他方の側にある圧電膜間の特性ばらつき
補償して検出することができるので、検出精度を向上さ
せることができる。
【0057】また、本発明の圧電検出素子では、上記圧
電膜がさらに、上記開口部の略中央に位置する原点を通
る第2軸上に上記原点に対して略対称に設けられた少な
くとも2つの第2圧電膜を含むことにより、3次元的に
変化する方向と大きさを有する物理量が印加されたとき
に、その方向と大きさを検出することができる。
【0058】上記圧電検出素子では、上記第1圧電膜の
うち一方の側の第1圧電膜を上記金属膜上に直接形成
し、かつ他方の側の第1圧電膜を、上記金属膜上に絶縁
膜を介して形成された電極上に形成し、さらに上記第2
圧電膜についても同様に形成することにより、一方の側
と他方の側にある圧電膜間の特性ばらつき補償して検出
することができるので、極めて精度のよい検出が可能に
なる。
【0059】また、本発明の圧電検出素子では、上記第
1軸と上記第2軸とが上記原点において直交させること
により、物理量の方向と大きさとを効率的にかつ精度良
く検出できる。
【0060】さらに、本発明の圧電検出素子では、上記
圧電膜を上記金属膜の一方の主面側に設けかつ上記作用
体を上記金属膜の他方の主面側に設けるようにすること
により、素子の製造を容易にできる。
【0061】また、本発明の圧電検出素子では、上記圧
電膜と上記作用体とを上記金属膜の同一面側に設けるこ
とにより、素子を薄くできる。
【0062】また、本発明の圧電検出素子において、上
記圧電膜が上記金属膜を介して対向するように上記金属
膜の一方の主面側と他方の主面側とに設けることによ
り、対向して設けられた2つの圧電膜からの信号を加算
して出力できるので、検出感度を向上させることができ
る。
【0063】また、本発明の圧電検出素子では、上記作
用体を2以上備えることにより、検出感度を向上させる
ことができる。
【0064】さらに、本発明の圧電検出素子では、上記
作用体を少なくとも1つの圧電膜上に電極を介して形成
することにより、その作用体が占める面積だけ小型にで
きる。
【0065】上記圧電検出素子では、上記作用体を上記
圧電膜の中心からずらして形成することによって、該圧
電膜の変形を大きくすることができ、検出感度を向上さ
せることができる。
【0066】また圧電膜上に電極を介して作用体を形成
する場合、製造工程を簡単にするために上記作用体と上
記電極と一体で形成することにより、製造工程の簡略化
がはかれる。
【0067】また、本発明の圧電検出素子では、上記作
用体を互いに質量の異なる2以上の部分から構成するこ
とにより、検出する物理量に対応して、作用体の質量を
適切な値に比較的自由に設定でき、設計の自由度が向上
する。
【0068】また、本発明の圧電検出素子では、上記圧
電膜上に形成された電極とパッド電極との間の接続をエ
アーブリッジ配線することにより、上記圧電膜の自由な
変形を確保できかつ上記圧電膜に不必要な力がかかるの
を防止できるので、検出感度を高くできしかも信頼性を
高くできる。
【0069】また、本発明の圧電検出素子では、上記基
板と上記金属膜及び上記作用体と上記金属膜とをそれぞ
れ、接着層を介して固定することにより、信頼性を高く
できる。
【0070】また、本発明の圧電検出素子ではさらに、
検出部分を覆う容器を備えることにより信頼性を高くで
きる。
【0071】また、本発明の圧電検出素子では、チタン
酸鉛、ジルコン酸チタン酸鉛、チタン酸バリウム、酸化
シリコン、タンタル酸リチウム及びニオブ酸リチウムか
らなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含
む圧電材料を用いて上記圧電膜を形成することにより、
感度のよい検出素子を実現できる。
【0072】また、本発明の圧電検出素子では、金、白
金、パラジウム、ルテニウム及びイリジウムからなる群
から選ばれた少なくとも1種を主成分として含も金属を
用いて上記金属膜を形成することにより、比較的結晶軸
がそろった圧電膜を形成でき、その圧電特性を有効に利
用できる。
【0073】この場合、上記金属膜が、チタン、クロ
ム、タンタル、バナジウム及びニオブからなる群から選
ばれた少なくとも一種を含む層からなる接着層を介して
基板に固定されることにより、信頼性を高くできる。
【0074】また、本発明の圧電検出素子では、シルコ
ン、ガリウム砒素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム及び酸化ジルコニウムからなる群から選ばれた少なく
とも一種を主成分として含む基板を用いることにより、
容易に製造できかつ素子の信頼性を高くできる。
【0075】また、本発明の圧電検出素子では、上記作
用体として磁性体を用いることにより、磁気センサを構
成できる。
【0076】さらに、上記圧電検出素子において、作用
体として、ネオジウム鉄ボロン、サマリウムコバルト、
アルニコ、フェライトからなる群から選ばれた少なくと
も一種以上の永久磁石を主成分として含む磁性体を用い
て形成することにより、感度のよい磁気センサを作成で
きる。
【0077】また、本発明の圧電検出素子では、上記基
板上に制御回路を一体で形成することにより、制御回路
を備えた極めて小型の圧電検出素子が作成できる。
【0078】さらに、本発明の圧電検出素子において、
上記作用体の少なくとも1部として形成された磁性体
と、上記作用体の回りに設けられたコイルとを備えるこ
とにより、上記磁性体と上記コイルとの間の電磁誘導に
よる信号を用いて検出機能を検証する機能を付加するこ
とができ、高い信頼性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態1の圧電検出素子の
構成を示す、(a)は素子の上方から見た平面図、
(b)は素子の下方から見た平面図(c)は(a)のA
−A’線における断面図である。
【図2】 実施の形態1において動作を説明するため
の、(a)は平面図、(b),(c)は断面図であり、
(d)は素子からの信号を検出するための模式的な測定
回路図である。
【図3】 (a)(b)はそれぞれ、実施の形態1にお
いて、容器内に素子を固定する場合の固定方法を模式的
に示す断面図である。
【図4】 本発明に係る実施の形態2の構成を示す模式
的な断面図である。
【図5】 (a)は本発明に係る実施の形態3の構成を
示す平面図であり、(b)は、(a)のB−B’線にお
ける模式的な断面図である。
【図6】 本発明に係る実施の形態4の構成を示す模式
的な断面図である。
【図7】 本発明に係る実施の形態5の構成を示す模式
的な断面図である。
【図8】 本発明に係る実施の形態6の構成を示す模式
的な断面図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態7の構成を示す模式
的な断面図である。
【図10】 本発明に係る実施の形態8の構成を示す模
式的な断面図である。
【図11】 本発明に係る実施の形態9の構成を示す模
式的な断面図である。
【図12】 本発明に係る実施の形態10の構成を示す
模式的な断面図である。
【図13】 本発明に係る変形例の部分的な構成を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 基板、2 金属膜、3.301,302 圧電膜、
4 電極、5,501配線金属、6,20 作用体、
7,701 パッド電極、12,13,14,15,1
2a,13a,107,113 圧電素子、16 中間
電極膜、17 絶縁膜、21,22 密着層、31 容
器、32 副作用体、33 磁性体、34制御回路、3
5 コイル、71 絶縁膜、100 開口部、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 剛彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 内川 英興 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部に開口部を有する基板と、 上記開口部を実質的に覆いかつ上記開口部において印加
    される物理量に対応して変形可能となるように上記開口
    部の周辺部で上記基板に固定された金属膜と、 上記印加される物理量に応答して上記開口部において上
    記金属膜を変形させるために設けられた作用体と、 上記開口部の上記金属膜の変形に対応して変形するよう
    に該金属膜に接して又は離れて設けられた圧電膜とを備
    え、 上記印加される物理量に対応する電気信号を出力するこ
    とを特徴とする圧電検出素子。
  2. 【請求項2】 上記圧電膜が、上記開口部の略中央に位
    置する原点を通る第1軸上に上記原点に対して略対称に
    設けられた少なくとも2つの第1圧電膜を含んでなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の圧電検出素子。
  3. 【請求項3】 上記第1圧電膜のうち上記原点に対して
    一方の側に設けられた第1圧電膜を上記金属膜上に直接
    形成し、かつ他方の側に設けられた第1圧電膜を、上記
    金属膜上に絶縁膜を介して形成された電極上に形成した
    請求項2記載の圧電検出素子。
  4. 【請求項4】 上記圧電膜がさらに、上記開口部の略中
    央に位置する原点を通る第2軸上に上記原点に対して略
    対称に設けられた少なくとも2つの第2圧電膜を含んで
    なりかつ上記第1圧電膜と上記第2圧電膜とが一直線上
    にないことを特徴とする請求項2記載の圧電検出素子。
  5. 【請求項5】 上記第1圧電膜のうち上記原点に対して
    一方の側に設けられた第1圧電膜を上記金属膜上に直接
    形成し、かつ他方の側に設けられた第1圧電膜を、上記
    金属膜上に絶縁膜を介して形成された電極上に形成し、 上記第2圧電膜のうち上記原点に対して一方の側に設け
    られた第2圧電膜を上記金属膜上に直接形成し、かつ他
    方の側に設けられた第2圧電膜を、上記金属膜上に絶縁
    膜を介して形成された電極上に形成した請求項4記載の
    圧電検出素子。
  6. 【請求項6】 上記第1軸と上記第2軸とが上記原点に
    おいて直交する請求項4又は5記載の圧電検出素子。
  7. 【請求項7】 上記圧電膜が上記金属膜の一方の主面側
    に設けられかつ上記作用体が上記金属膜の他方の主面側
    に設けられている請求項1〜6のうちのいずれか1つに
    記載の圧電検出素子。
  8. 【請求項8】 上記圧電膜と上記作用体とが上記金属膜
    の同一面側に設けられている請求項1〜6のうちのいず
    れか1つに記載の圧電検出素子。
  9. 【請求項9】 上記圧電膜が上記金属膜を介して対向す
    るように上記金属膜の一方の主面側と他方の主面側とに
    設けられている請求項1〜6のうちのいずれか1つに記
    載の圧電検出素子。
  10. 【請求項10】 上記作用体を2以上備えた請求項1〜
    9のうちのいずれか1つに記載の圧電検出素子。
  11. 【請求項11】 上記作用体が少なくとも1つの圧電膜
    上に電極を介して形成されている請求項1〜10のうち
    のいずれか1つに記載の圧電検出素子。
  12. 【請求項12】 上記作用体が上記圧電膜の中心からず
    らして形成されている請求項11記載の圧電検出素子。
  13. 【請求項13】 上記作用体が上記圧電膜上に形成され
    た電極と一体で形成されている請求項11記載の圧電検
    出素子。
  14. 【請求項14】 上記作用体が、互いに質量のことなる
    2以上の部分からなる請求項1〜12のうちのいずれか
    1つに記載の圧電検出素子。
  15. 【請求項15】 上記圧電膜上にそれぞれ電極が形成さ
    れかつ上記圧電膜にそれぞれ対応して外部回路との接続
    用のパッド電極が形成された圧電検出素子であって、 上記圧電膜と上記パッド電極との間がエアーブリッジ配
    線されている請求項1〜14のうちのいずれか1つに記
    載の圧電検出素子。
  16. 【請求項16】 上記基板と上記金属膜及び上記作用体
    と上記金属膜とをそれぞれ、接着層を介して固定されて
    いる請求項1〜15のうちのいずれか1つに記載の圧電
    検出素子。
  17. 【請求項17】 上記開口部における金属膜が自由に変
    形できるように基板を保持し素子を保護するための容器
    を備えた請求項1〜16のうちのいずれか1つに記載の
    圧電検出素子。
  18. 【請求項18】 上記圧電膜が、チタン酸鉛、ジルコン
    酸チタン酸鉛、チタン酸バリウム、酸化シリコン、タン
    タル酸リチウム及びニオブ酸リチウムからなる群から選
    ばれた少なくとも1種を主成分として含む請求項1〜1
    7のうちのいずれか1つに記載の圧電検出素子。
  19. 【請求項19】 上記金属膜が、金、白金、パラジウ
    ム、ルテニウム及びイリジウムからなる群から選ばれた
    少なくとも1種を主成分として含んで形成されている請
    求項18記載の圧電検出素子。
  20. 【請求項20】 上記金属膜が、チタン、クロム、タン
    タル、バナジウム及びニオブからなる群から選ばれた少
    なくとも一種を含む層からなる接着層を介して基板に固
    定されている請求項19記載の圧電検出素子。
  21. 【請求項21】 上記基板が、シルコン、ガリウム砒
    素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び酸化ジル
    コニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種を主成
    分として含む請求項18〜20のうちのいずれか1つに
    記載の圧電検出素子。
  22. 【請求項22】 上記作用体が磁性体からなる請求項1
    〜21のうちのいずれか1つに記載の圧電検出素子。
  23. 【請求項23】 上記作用体が、ネオジウム鉄ボロン、
    サマリウムコバルト、アルニコ、フェライトからなる群
    から選ばれた少なくとも一種以上の永久磁石を主成分と
    して含む請求項22記載の圧電検出素子。
  24. 【請求項24】 上記基板上に制御回路が一体で形成さ
    れている請求項1〜23のうちのいずれか1つに記載の
    圧電検出素子。
  25. 【請求項25】 上記作用体の少なくとも1部として形
    成された磁性体と、上記作用体の回りに設けられたコイ
    ルとを備え、 上記磁性体と上記コイルとの間の電磁誘導による信号を
    用いて検出機能を検証する請求項1〜24のうちのいず
    れか1つに記載された圧電検出素子。
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JP7027398A Pending JPH11271351A (ja) 1998-03-19 1998-03-19 圧電検出素子

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100353994B1 (ko) * 1999-12-23 2002-09-26 현대자동차주식회사 회전 각속도 및 가속도 검출 장치
JP2006525132A (ja) * 2003-04-29 2006-11-09 フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド Mems構造体に質量を付加する方法
JP2007218761A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Tokai Rika Co Ltd 磁気センサ装置
JP2013047637A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Nec Tokin Corp 圧電デバイス
WO2013061356A1 (ja) * 2011-10-24 2013-05-02 株式会社日立製作所 滑りセンサ
JP2015528892A (ja) * 2012-06-04 2015-10-01 ネイションズ テクノロジーズ インコーポレーテッド 交流磁界誘導装置

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