JPH11271306A - 生物学的活性物質の高分子量化 - Google Patents

生物学的活性物質の高分子量化

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JPH11271306A
JPH11271306A JP9391398A JP9391398A JPH11271306A JP H11271306 A JPH11271306 A JP H11271306A JP 9391398 A JP9391398 A JP 9391398A JP 9391398 A JP9391398 A JP 9391398A JP H11271306 A JPH11271306 A JP H11271306A
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bio
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radical
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JP9391398A
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Satoshi Fujita
聡 藤田
Takahiro Toyama
貴博 遠山
Iera Reddie Paidi
パイディ・イェラ・レディ
Takeshi Yu
健 融
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生物学的活性物質を片末端に有する重合体を
形成しうるラジカル重合誘発剤、ならびに、その免疫検
定への使用 【解決手段】生物学的活性物質(例えば、抗体)に共有
結合した、有機カルボン酸残基またはエチレン型不飽和
二重結合を有する化合物の残基を有するラジカル重合誘
発剤、ならびに該誘発剤を用いる重合体の製造方法およ
び該方法を用いる生物学的試料中の微量物質の検出方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生物学的活性物質の
高分子量化のための組成物に関する。かような組成物
は、例えば、生体内微量物質の検出に使用することがで
きる。
【0002】
【従来の技術】生体内微量物質を検出するために、EL
ISAを初めとし、酵素標識を用いるイムノアッセイが
広く使用されている。これは、理論的には酵素反応時間
を長くすればする程、該反応を介して得られるシグナル
が増強でき、高感度アッセイが可能であること等によ
る。
【0003】しかしながら、高感度を達成するには、酵
素反応時間を比較的長くする必要があり、また使用する
酵素の安定性に応じて、操作条件が限定されることもよ
くある。
【0004】こうような酵素標識を用いる短所を考慮
し、改良された免疫比濁法(turbidimetric immunoassa
y)も提案されている。例えば、特開平9−54092
号公報には、免疫学的活性物質重合体を検体中の被検物
質と接触させて生じる反応生成物の比濁分析が記載され
ている。また、特開平9−68530号公報には、酵素
重合体(複数の酵素をペンダントとして有する重合体)
に免疫学的活性物質を化学修飾した重合体も記載されて
いる。なお、この重合体は酵素標識を用いる免疫測定法
に分類されるものである。
【0005】特開平9−54092号公報では、ラジカ
ル重合可能な重合性基が共有結合した抗体分子それ自体
をマクロモノマーとして用い、重合させて得られた複数
のペンダントとして抗体分子を有する重合体が公表され
ており、さらにかかる重合体を用いる抗原の比濁分析も
公表されている。具体的には、被検体として抗原を含有
する試料に上記重合体を加え、生成する免疫複合体によ
る吸光度の変化を指標に抗原濃度を評価しようとするも
のである。
【0006】この従来技術によれば、測定感度が高まる
ことが示唆されているが、複数の抗体をペンダントとし
て有する重合体を用いるため、必ずしも抗体が効率よく
利用されているとはいえない。また、巨大分子である抗
体等が結合したラジカル重合可能な重合性基を介する重
合反応は、必ずしも容易に進行させることができず、そ
のため所望の重合体を調製することが困難な場合もあ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、主と
して、免疫比濁法に都合よく用いることのできる試薬を
提供することにある。さらに一般的には、本発明は生物
体に微量に存在する物質(本明細書では生物学的活性物
質とも称する)のある一定の物質との特異的結合能を利
用できる生物学的活性物質の化学的修飾体を提供するこ
とも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特に、抗
体などの高分子量物質の化学的修飾や該物質の特異的結
合能を効率よく利用するための手段を探究してきた。そ
の結果、特定の官能基で該物質を化学修飾した場合、そ
れらの官能基を介してラジカル重合を効率よく誘発でき
ることを見い出した。
【0009】したがって、本発明によれば、式 Bio−Int (I) [式中、Intは、ラジカル開始剤の存在下でラジカル
を発生しうる基を有する少なくとも1個の残基を示し、
Bioは、抗体と抗原、ポリ(もしくはオリゴ)ヌクレ
オチドと該ヌクレオチドにハイブリダイズしうるポリ
(もしくはオリゴ)ヌクレオチド、レセプターとリガン
ド、酵素−その阻害剤もしくは基質、アビジンとビオチ
ンおよびレクチンと糖類からなる群より選ばれる特異的
結合性対のいずれか一方の構成員、あるいは両構成員に
より形成された複合体に由来する残基を示し、そしてB
ioとIntは、Intの数に応じた数の共有結合によ
って結合している、但し、こうして結合しているBio
−IntのInt部分に存在するラジカルを発生しうる
基は、それら自体を介して重合したBio−Intを形
成することができないものである]で表される生物学的
活性物質を担持するラジカル重合誘発剤を含んでなる重
合用組成物が提供される。
【0010】かような重合用組成物は、適当な単量体の
共存下でラジカル重合反応、殊にレドックス重合に供す
ると、生物学的活性物質に悪影響を及ぼすことなく、片
末端に生物学的活性物質が共有結合した重合体を効率よ
く製造するのに使用できる。したがって、もう一つの態
様の本発明として、上記生物学的活性物質を担持するラ
ジカル重合誘発剤を、ラジカル重合性のエチレン型不飽
和二重結合を有する少なくとも1種の単量体およびラジ
カル開始剤を含有する水性媒体中で共重合させることを
特徴とする生物学的活性物質を分子の片末端に有する重
合体の製造方法も提供される。かような重合反応は、極
めて迅速に重合反応が進行する。
【0011】したがって、ある一定の試料中に存在する
ことが疑われる被検体に応じて、上記生物学的活性物質
を選び、試料中で被検体と生物学的活性物質とを特異的
に結合させた複合体を形成した後、上記重合反応を試料
中で実施すれば、かような複合体上で重合体鎖を迅速に
成長させることができる。すなわち、上記重合反応を利
用すれば、試料中で被検体を短時間で目視可能な程度ま
で巨大分子化することができる。こうして得られる重合
体の量は、被検体の存否または存在量に比例して変化す
るので、上記重合反応により生成する重合体の量は、被
検体の指標として容易に評価することができる。かくし
て、本発明によれば、生物学的試料中に存在することが
疑われる被検体の検出方法であって、(A)上記ラジカ
ル重合誘発剤を、前記試料に加える工程、(B)工程
(A)の前もしくは後または同時にラジカル重合性のエ
チレン型不飽和二重結合を有する少なくとも1種の単量
体およびレドックス開始剤の還元剤を含有する水性液を
前記生物学的試料に加える工程、(C)レドックス開始
剤の酸化剤を含有する水性液を加えて重合反応を行う工
程、ならびに(D)工程(C)で形成される重合体の存
否を生物学的試料中の被検体の存否の指標として評価す
る工程、を含んでなる検出方法も提供される。上述した
ごとく、かような方法によれば、検出の容易な巨大分子
を迅速に生成しうるので、被検体の迅速かつ高感度の検
出方法が提供できる。
【0012】
【発明の具体的な態様】本発明にいう「ラジカル重合誘
発剤」とは、それ自体は重合せず、適当なラジカル開始
剤(触媒)と協同してラジカル重合反応を開始させるよ
うに作用する化合物を意味する。したがって、該ラジカ
ル重合誘発剤を使用して、適当な単量体をラジカル重合
させると、生成する重合体分子の片末端(開始末端)を
該重合誘発剤の残基が占める。
【0013】このような残基中には、生物学的活性物質
が含有されていることに、本発明の特徴がある。本発明
では、生物学的活性物質とは、主として、生物体中の微
量成分と特異的に結合(バインディング)しうる物質を
意味し、具体的には、抗体と抗原、ポリ(もしくはオリ
ゴ)ヌクレオチドと該ヌクレオチドにハイブリダイズし
うるポリ(もしくはオリゴ)ヌクレオチド、レセプター
とリガンド、酵素−その阻害剤もしくは基質、アビジン
とビオチンおよびレクチンと糖類からなる群より選ばれ
る特異的結合性対のいずれか一方の構成員、あるいは両
構成員により形成される複合体を意味する。
【0014】したがって、式(I)におけるBio−
は、抗体および抗原を初めとする上記特異的結合性対の
いずれか一方の構成員、ならびに両構成員の複合体から
なる群より選ばれる物質由来の残基である。これらの残
基は、一般に、上記物質を構成する分子中のアミノ基お
よび/水酸基から水素原子が除去された形態にある。か
ような残基は、上記ラジカル重合誘発剤の使用目的に応
じて適当に選ぶことができ、生物学的試料中の被検体を
検出する免疫比濁法においては、抗原または抗体のいず
れか、殊に抗体に由来する残基であることが好ましい。
こうして抗体がBio−中に含有される場合、Bio−
Intと単量体との重合反応によって形成される重合体
は、上述の比濁法における検出用指標となるだけでな
く、抗体の機能を利用して、適当な薬剤の送達用担体と
しても使用できるであろう。このような目的では、予め
適当な薬剤を共有結合した単量体を、上記重合反応で使
用するか、または単量体から成長した重合体鎖中に疎水
結合等の物理的結合(バインディング)能を介して担持
させてもよい。
【0015】式(I)における−Int部分、すなわち
ラジカル開始剤(好ましくは、レドックス開始剤)の存
在下でラジカルを発生しうる基を有する残基は、限定さ
れるものでないが、典型的には、式 −L−A−C(R)=CH2(Int−a)または−L−
B−CO2H(Int−b) で表され、ここでAは単結合または基C(R)=CH2
存在に起因してラジカルを発生する上で悪影響を及ぼさ
ない二価の炭化水素基を示し、そしてRは水素原子また
はメチル基を示し、Bは基−CO2Hの存在に起因して
ラジカルを発生する上で悪影響を及ぼさない二価の炭化
水素基を示し、Lは−CO−、−CONH−または−C
SNH−を示す。また、上記式中の連結基−L−は、−
O−で置き換っていてもよく、この場合、Bio−にお
ける結合基は、生物学的活性物質中のカルボキシル基に
由来する−COO−であることができる。
【0016】こうして、式(I)のラジカル重合誘発剤
のBio部分とInt部分は、限定されるものでない
が、好ましくは−NHCO−、−OCO−、−NHCO
NH−、−NHCSNH−または−COO−によって共
有結合されている。
【0017】上記式(Int−a)で表される残基の特
に好ましいものとしては、−CO−CH=CH2、−C
O−C(CH3)=CH2
【0018】
【化7】
【0019】が挙げられる。一方、上記式(Int−
b)で表される残基は、より具体的には、式中のBが−
CH2C(CH3)2−、−CH2CH(CH3)−、−(CH2)
a−(ここで、aは1〜8のいずれかの整数である)、
【0020】
【化8】
【0021】からなる群より選ばれるいずれの連結基で
あるものを挙げることができる。これらのうち、特に好
ましい残基は、−COCH2C(CH3)2−COOH、−
COCH2CH(CH3)−COOH、−COCH2CH2
COOH、−COCH2COOH、
【0022】
【化9】
【0023】−CONHCH2C(CH3)2−COOH、
−CONHCH2CH(CH3)−COOH、−CSNHC
2C(CH3)2−COOHおよび−CSNHCH2CH
(CH3)−COOHである。
【0024】さらに、−Intは、式
【0025】
【化10】
【0026】[式中、Mは
【0027】
【化11】
【0028】または−NHNH−を示し、bは2〜8の
いずれかの整数である]で表される基であることができ
る。
【0029】上記のようなBio部分を構成する生物学
的活性物質は、官能基として、一、二もしくは三級アミ
ノ基、水酸基、カルボキシル基またはメルカプト基を有
している。したがって、Bio部分とInt部分との間
の共有結合を形成するには、Int部分の出発原料とし
て、例えば、上記式(Int−aおよびInt−b)の
−C(R)=CH2または−CO2H以外に、上記Bioの
官能基との縮合反応によって共有結合を形成しうる、カ
ルボキシル基、水酸基またはメルカプト基を有する化合
物を選べばよい。上記のBio部分およびInt部分の
それぞれの出発原料を、それ自体既知の、例えば、ジシ
クロヘキシルカルボジイミド等の縮合剤を用いて、縮合
させるか、またはInt部分が式(Int−b)で表さ
れる場合には、対応するジカルボン酸の酸無水物を用
い、またはイソシアナートもしくはチオイソシアナート
基を有するカルボン酸を用い直接、Bioのアミノ基ま
たは水酸基に反応させて、ペプチド結合、エステル結合
またはウレイドもしくはチオウレイド結合を形成するこ
とにより、式(I)のBio−Intを提供できる。ま
た、Bio部分とInt部分は、上記のように、それぞ
れ対応する出発原料どうしを直接結合することができる
が、上記に挙げた官能基を分子の両末端に有する化合物
をスペーサーとして用いて、Bio部分とInt部分を
連結することもできる。このような結合様式をもつBi
o−Intも本発明の範囲内に入る。このようなスペー
サーを形成することのできる化合物としては、アルキレ
ン鎖が酸素または窒素原子で中断されていてもよいアル
キレンジアミン、アルキレンジオールを挙げることがで
きる。このようなスペーサー基の導入方法も、上記のよ
うな縮合反応を介して実施することができる。
【0030】上記のようなBio部分とInt部分の結
合方法によると、Bio部分に対して1個ないし複数個
のInt部分が結合しうる。例えば、Bio部分が抗体
分子に由来する場合、抗体の有する生物学的活性(抗原
に対する特異的結合能)は、1分子のBioに対して1
00分子のIntが結合しても、残存しうる。したがっ
て、式(I)のBio−Intは、1分子のBioに対
して、1ないし100分子のIntが結合したものが包
含される。
【0031】式(I)のBio−Intは、水性媒体
中、ラジカル開始剤の存在下でラジカルを発生し、ラジ
カル重合性のエチレン型不飽和二重結合を有する単量体
が共存すると、それらの単量体に基づく重合鎖を、In
t部分上に成長させることができる。なお、Bio−I
ntにおけるラジカルを発生しうる基が−C(R)=CH
2の場合、Bio−Intは、それ自体がマクロモノマ
ーとして重合しうることもある。このように、Bio−
Intがマクロモノマーとして重合しうる時には、Bi
o−Intは、Bioを介して固体支持体上に固定され
ていることが必要であるかも知れない。すなわち、本発
明の「但し」書きにいう、「Bio−IntのInt部
分に存在するラジカルを発生しうる基は、それら自体を
介して重合したBio−Intを形成することができな
いものである」とは、上記のように、Bio−Intが
固体支持体上に固定される場合を包含する。固体支持体
としては、各種材料から作製された試験管またはビーカ
ー等の壁、やその他水不溶性重合体ビーズもしくは膜等
が挙げられる。
【0032】Bio−Intにラジカルを発生させるに
は、それ自体既知のラジカル開始剤が使用できるが、生
物学的活性物質に悪影響を及ぼさないものを選ぶことが
望まれる。かような観点から、好ましいものとしてはレ
ドックス開始剤を挙げることができる。本発明に従う、
Bio−Intは、レドックス開始剤を用いて、効率よ
くラジカルを発生させうることに特徴がある。使用でき
るレドックス開始剤は、上記目的に沿うものであれば、
いかなる酸化性物質(または酸化剤ともいう)と還元性
物質(または還元剤ともいう)との組み合わさった系で
あることができる。限定されるものでないが、好ましく
は水系の過硫酸アンモニウムもしくは過硫酸カリウムと
硝酸銀の系、過硫化水素とFe2+(フェントン試薬)、
過硫酸カリウムもしくは過硫酸アンモニウムと亜硫酸ナ
トリウムもしくは亜硫酸水素ナトリウムの系等をレドッ
クス開始剤として挙げることができる。
【0033】このようなレドックス開始剤を使用する場
合、酸化性物質と還元性物質のいずれか一方、好ましく
は、還元性物質を、式(I)のラジカル重合誘発剤およ
ぴ単量体と組み合わせて含有する水性組成物は、例え
ば、式(I)のラジカル重合誘発剤を、その中の生物学
的活性物質の特異的結合能を利用して、他の特異的結合
性構成員と結合させた後、残りの酸化性物質を加える
と、イン・サイチュー(insitu)で重合反応が起こり、
水性組成物中で不溶性の重合体が現れてくる。この重合
体は目視さえ可能である。したがって、式(I)のラジ
カル重合誘発剤、単量体および還元性物質を含有する水
性組成物は、式(I)のラジカル重合誘発剤中に存在す
る生物学的活性物質(例えば、抗体)と特異的結合性対
を構成する他の構成員(例えば、抗原)の検出用試薬と
して有用である。当然なことに、該試薬で検出できる被
検体は、抗原に限らず、式(I)のBio部分に存在す
る特異的結合性対の他方の構成員であることもできる。
【0034】単量体は、ラジカル重合性のエチレン型不
飽和二重結合を有するものであれば、いずれも使用でき
る。このような単量体の具体的なものとしては、各種ス
チレン類、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アク
リル酸アミド、ピロリドン、N−置換マレイミド(置換
基としては、さらに置換されていてもよいアリール基、
アルキル基、等)、またはそれらの2種以上の組み合わ
せが挙げられる。上記反応系を検出用試薬として用いる
場合は、(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基に代
え、発色もしくは蛍光色素となりうる基を導入したもの
や、またN−置換マレイミドのN−置換基として、該色
素となりうる基を導入したものが、好ましいこともあ
る。あるいは、上記のような色素分子等に代え、医薬化
合物を、上記の単量体に担持させると、上述の反応系で
製造される重合体は、ドラッグデリバリー用の薬物とし
て使用しうる可能性もある。
【0035】特に、式(I)の重合誘発剤を用いて、被
検体が存在することの疑われる生物学的試料中でイン・
サイチューの重合反応を行い、被検体を検出する場合、
式(I)の重合誘発剤が有する生物学的活性物質は、抗
体であることが好ましい。この際、被検体は、反応容
器、例えば、試験管、マイクロタイターウェル、等の壁
に固定化されたさらなる抗体によって捕捉された状態で
あることが望ましい。また、式(I)のラジカル重合誘
発剤としては、好ましくは、下式
【0036】
【化12】
【0037】[式中、Abは抗体の残基であって、抗体
を構成するペプチド結合に関与しないアミノ基または水
酸基を有するアミノ酸部分から水素原子が除去された残
基を示し、Bは−CH2−C(CH3)2−、−CH2−CH
(CH3)−、−(CH2)a−(ここで、aは1〜8のいず
れかの整数である)、
【0038】
【化13】
【0039】からなる群より選ばれる二価の基を示し、
Lは−CO−、−CONH−または−CSNH−を示
し、そしてmは1〜100のいずれかの整数である]で
表される生物学的活性物質を担持する化合物、特に好ま
しくは、上記Bが−CH2C(CH3)2−である化合物が
使用できる。
【0040】前記抗体は、ポリクローナルもしくはモノ
クローナル抗体のいずれをも包含し、限定されるもので
ないが、アレルゲン、例えばハウスダスト、花粉、ダ
ニ、アルブミンに対する抗体であることができる。これ
らの抗体は市販のものを使用することもできる。
【0041】以上のとおり、本発明に従い提供される式
(I)のラジカル重合誘発剤を含有する組成物は、片末
端に生物学的活性物由来の残基を有する重合体を提供す
るのに有用である上に、生物学的試料、例えば、動植物
の細胞調製物、ならびに動物の血液、尿、その他の体
液、中の微量成物、例えば、タンパク質、ペプチド、
糖、核酸の検出に有用である。
【0042】
【実施例】以下、具体例を挙げて、本発明をさらに具体
的に説明する。
【0043】製造例1:スチレン標識ヒトアルブミン抗
体の製造 本例は、式(I)のBio部分がヒトアルブミン抗体残
基を有し、そしてInt部分がスチレン型の部分を有す
るラジカル重合誘発剤(以下、スチレン標識ヒトアルブ
ミン抗体という)の製造例を記述する。
【0044】(1) 4−ビニル安息香酸スクシンイミ
ジルエステルの合成 ナスフラスコに4−ビニル安息香酸(100mg 0.6
7mmol)を入れ、アルゴンで置換した後、2mlの
脱水アセトニトリルを加え溶解させた。次いで、N−ヒ
ドロキシスクシンイミド(77mg 0.67mmol)
/0.5mlアセトニトリルとN,N−ジシクロヘキシル
カルボジイミド(139mg 0.67mmol)/0.
5mlアセトニトリルを加え、室温で12時間撹拌し
た。ウレアをろ過で取り除き、結晶をアセトニトリルで
洗浄した後アセトニトリルを減圧留去すると目的物の4
−ビニル安息香酸スクシンイミジルエステルを155m
g(収率100%)で得た。
【0045】(2) スチレン標識ヒトアルブミン抗体
の合成 10mgの4−ビニル安息香酸スクシンイミジルエステ
ルを1mlのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解
させた。次いで、ヒトアルブミン抗体を0.1Mほう酸
ナトリウム緩衝液(pH8.8)に1mg/mlになる
ように溶解させた。次いで、その抗体0.1mg/0.1
mlに対して4−ビニル安息香酸スクシンイミジルエス
テルのDMSO溶液を0.003ml(0.03mg)加
え室温で4時間反応させ、1M塩化アンモニウム溶液を
0.0024ml加え、室温で10分間反応させること
によって、ヒトアルブミン抗体にスチレン標識をカップ
リングした。
【0046】機能試験例1:本例は、製造例1で得られ
たスチレン標識ヒトアルブミン抗体の機能について試験
するものである。
【0047】(1) スチレン標識ヒトアルブミン抗体
とヒトアルブミンのカップリングアルブミン抗原をホス
フェート緩衝液(PBS)に0.1および0.01mg/
mlの2条件で溶解した。次いで、その抗原をマイクロ
プレートに0.1ml/ウエルずつ分注し4℃オーバー
ナイトインキュベートした。次いで、洗浄液によって洗
浄し、4倍希釈ブロッキング液によってブロッキング
し、室温で30分間インキュベートした。次いで、洗浄
し、スチレン標識アルブミン抗体をPBSブロッキング
液に0.1および0.01mg/mlの2条件で希釈し、
抗原が固定された各ウエルに0.1mlずつ注入し、室
温で1時間反応させた。(スチレン標識抗体が固定化抗
原と結合している状態の確認として、PBSブロッキン
グ液で1000倍希釈したアルカリホスフェターゼ標識
マウスIgG抗体を2次抗体として1時間カップリング
させ、次いで、リン酸化された4−ニトロフェノールの
水溶液(10mg/ml)を0.1mlを加え、室温で
1時間反応させると黄色い発色が確認された。こうし
て、ヒトアルブミンとスチレン標識ヒトアルブミン抗体
の結合が確認された。) (2) スチレン標識ヒトアルブミン抗体上での重合体
化反応 (2−1) 重合体化試薬の調製 反応溶液Aの調製:試験管にN−フェニルマレイミド
(50mg、0.288mmol)を入れ、そこにピバ
リン酸(0.29mg、0.01moleq)のジメチル
アミド(0.0144M)溶液を0.2ml加え、完全に
溶解させた。次いで、スチレン(0.033ml、0.2
88mmol)を加え、次いで、硝酸銀水溶液(0.2
M)を0.01ml(0.01moleq)を加え、さら
に蒸留水を0.26ml加えた。この反応溶液をAとす
る。
【0048】反応溶液Bの調製:2Mの過硫酸アンモニ
ウム水溶液を調製した。
【0049】(2−2) 重合体化反応 上記機能の試験例で、ヒトアルブミン抗原とスチレン標
識ヒトアルブミン抗体を結合操作後、洗浄を行い、洗浄
緩衝液を留去後、反応液Aを50μl加え、次いで反応
液Bを10μl加えると直後に結晶が析出した(重合体
化反応が起きた)。次いで、非特異的な重合体を除去す
るため、緩衝液で洗浄すると抗体に結合した重合体の結
晶が目視によって観察できた。
【0050】製造例2:2,2−ジメチルプロピオン酸
標識ヒトアルブミン抗体の製造 本例は、式(I)のBio部分がヒトアルブミン抗体残
基を有し、そしてInt部分が−COCH2C(CH3)2
COOHを有するラジカル重合誘発剤(以下、2,2−
ジメチルプロピオン酸標識ヒトアルブミン抗体という)
の製造例を記述する。
【0051】(1) 2,2−ジメチルコハク酸無水物
の合成 30mlナス型フラスコに2,2−ジメチルコハク酸
(2g、0.0137mol)を入れ、アルゴン置換
後、蒸留した無水酢酸(8ml)加え溶解した。次い
で、加熱還流を4時間行い、TLCにより、原料の消失
を確認した。次いで、蒸留により溶媒留去すると、ガム
状の沈殿物が得られた。この沈殿を、脱水蒸留したテト
ラヒドロフラン/脱水蒸留したヘキサン(1:3)で再
結晶を行った。次いで、吸引濾過で結晶を取り出し、乾
燥させると目的物の2,2−ジメチルコハク酸無水物が
98%収率で得られた。
【0052】1H−NMR(200MHz,CDCl3
δ1.45(6H,s),2.82(2H,s) (2) 2,2−ジメチルプロピオン酸標識ヒトアルブ
ミン抗体の合成 10mgの2,2−ジメチルコハク酸無水物を1mlの
ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させた。一
方、ヒトアルブミン抗体を0.1Mほう酸ナトリウム緩
衝液(pH8.8)に1mg/mlになるように溶解さ
せた。次いで、その抗体0.1mg/mlに対して2,2
−ジメチルコハク酸無水物のDMSO溶液を0.003
ml(0.03mg)加え室温で1時間反応させ、さら
に1M塩化アンモニウム溶液を0.0024ml加え室
温で10分間反応させることによって、ヒトアルブミン
抗体にスチレン標識をカップリングした。
【0053】機能試験例2:本例は、製造例2で得られ
た、2,2−ジメチルプロピオン酸標識ヒトアルブミン
抗体の機能について試験するものである。
【0054】(1) 表面プラズモン共鳴解析装置によ
る2,2−ジメチルプロピオン酸標識の確認 上記製造例2の操作(2)において、カップリング反応
を1時間および3時間、それぞれ行い、表面プラズモン
共鳴解析装置による2,2−ジメチルプロピオン酸標識
効率を検討した。方法として、まず、比較として、4℃
に未標識のヒトアルブミン抗体を1時間および3時間、
それぞれ放置した抗体と、室温に未標識のヒトアルブミ
ン抗体を1時間および3時間、それぞれ放置した抗体そ
れぞれ用意した。次いで、表面プラズモン共鳴解析装置
のチップにヒトアルブミン抗原0.01μg/mlを固
定化し、次いで、上記6種類の抗体をリン酸バッファー
(pH7.2)で100倍希釈した溶液を泳動させた。
泳動溶媒はリン酸バッファー(pH7.2)で行った。
それぞれの抗体の抗原との結合効率(=標識化合物のカ
ップリング効率)を表1に示す。
【0055】表1:表面プラズモン共鳴解析装置による
2,2−ジメチルプロピオン酸の抗体への標識効率
【0056】
【表1】
【0057】表1より、2,2−ジメチルプロピオン酸
標識ヒトアルブミン抗体は、抗体1分子当たり約80分
子の標識が共有結合していることが予測できる。
【0058】(2) 2,2−ジメチルプロピオン酸標
識ヒトアルブミン抗体とヒトアルブミンのカップリング アルブミン抗原をホスフェート緩衝液(PBS)に0.
1および0.01mg/mlの2条件で溶解した。次い
で、その抗原をマイクロプレートに0.1mlウエルず
つ分注し4℃オーバーナイトインキュベートした。次い
で、洗浄液によって洗浄し、4倍希釈ブロッキング液に
よってブロッキングし、室温で30分間インキュベート
した。次いで、洗浄し、2,2−ジメチルプロピオン酸
標識アルブミン抗体をPBSブロッキング液に0.1及
び0.01mg/mlの2条件で希釈し、抗原が固定さ
れた各ウエルに0.1mlずつ注入し、室温で1時間反
応させた。(2,2−ジメチルプロピオン酸標識抗体が
固定化抗原と結合している状態の確認として、PBSブ
ロッキング液で1000倍希釈したアルカリホスフェタ
ーゼ標識マウスIgG抗体を、2次抗体として1時間カ
ップリングさせ、次いで、リン酸化された4−ニトロフ
ェノールの水溶液(10mg/ml)を0.1mlを加
え、室温で1時間反応させると黄色い発色が確認され
た。このことより、ヒトアルブミンと2,2−ジメチル
プロピオン酸標識ヒトアルブミン抗体の結合が確認され
た。) (3) 2,2−ジメチルプロピオン酸標識ヒトアルブ
ミン抗体上でのポリマー化反応(3−1):重合体化試
薬の調製 反応溶液Aの調製:試験管にN−フェニルマレイミド
(50mg、0.288mmol)を入れ、そこにN,N
−ジメチルホルムアミド溶液を0.5ml加え、完全に
溶解させた。次いで、スチレン(3.3μl、0.028
8mmol)を加え、次いで、硝酸銀水溶液(0.2
M)を0.01ml(0.01moleq)を加え、さら
に蒸留水を0.24ml加えた。この反応溶液(0.75
ml)をAとする。
【0059】反応溶液Bの調製:2Mの過硫酸アンモニ
ウム水溶液を調製した。
【0060】(3−2):重合体化反応 上記(2)のヒトアルブミン抗原と2,2−ジメチルプ
ロピオン酸標識ヒトアルブミン抗体を結合操作後洗浄を
行った。洗浄緩衝液を留去後、反応液Aを75μl加
え、次いで反応液Bを25μl加えると3分後に結晶が
析出した(重合体化反応が起きた)。次いで、非特異的
なポリマーを除去するため、緩衝液で洗浄すると抗体に
結合した重合体の白い結晶が目視によって観察できた。
【0061】製造例3〜9 本例は、各種カルボン酸(抗体に結合していない)をラ
ジカル重合誘発剤として用い、レドックス開始剤の存在
下で重合反応を行った場合の重合の進行状況を確認する
ためのものである。
【0062】レドックス開始剤を用いた懸濁重合法によ
る重合体化 試験管にN−フェニルマレイミド(50mg、0.28
9mmol)を加え、次いで、トルエン0.3ml、ス
チレン(33μl、0.289mmol)を加え、溶解
させた。そこに0.0289Mの下記表2に示す各種有
機カルボン酸(0.1ml、0.01moleq)水溶
液、0.0289Mの硝酸銀(0.1ml、0.01mo
leq)水溶液、0.0289Mの過硫酸アンモニウム
(0.1ml、0.01moleq)水溶液を順に加え、
室温で30分撹拌すると、それぞれ沈殿物が析出した。
ここに、塩化メチレンをいれ、抽出し、脱水後、溶媒留
去した。得られた結晶を塩化メチレンに溶解させ、その
溶液をメタノールにゆっくり滴下し再沈を行った。吸引
濾過で、結晶を取り出し、GPC(ゲル透過クロマトグ
ラフィー)により分子量分布を測定し、分子量を計算し
た。結果をまとめて表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】比較製造例:ラジカル重合誘発剤である有
機カルボン酸を加えないときの重合体化 本例は、上記製造例3〜9における反応系に有機カルボ
ン酸を加えないで重合を行った場合の、単量体(N−フ
ェニルマレイミドおよびスチレン)の反応性を検討する
ものである。
【0065】試験管にN−フェニルマレイミド(50m
g、0.289mmol)を加え、次いで、トルエン0.
3ml、スチレン(33μl、0.289mmol)を
加え、溶解させた。そこに水(0.1ml)、0.028
9Mの硝酸銀(0.1ml、0.01moleq)水溶
液、0.0289Mの過硫酸アンモニウム(0.1ml、
0.01moleq)水溶液を順に加え、室温で30分
から1時間撹拌しても沈殿物は析出しなかった。ここ
に、塩化メチレンをいれ、抽出し、脱水後、溶媒留去し
た。得られた結晶を塩化メチレンに溶解させ、その溶液
をメタノールにゆっくり滴下し再沈を行った。吸引濾過
で、結晶を取り出し、GPC(ゲル透過クロマトグラフ
ィー)により分子量分布を測定し、分子量を計算した。
分子量は510であった。
【0066】このことより、本発明に従う、生物学的活
性物質を標識する予定のラジカルを発生しうる基、すな
わち有機カルボン酸残基が存在しないと重合体化が進行
しないことが予期できる。換言すれば、式(I)のラジ
カル重合誘発剤において、有機カルボン酸残基が重合体
鎖を成長させる上で、重要な役割を担っていることがわ
かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 融 健 愛知県愛知郡東郷町御岳2−18−19

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 Bio−Int (I) [式中、Intは、ラジカル開始剤の存在下でラジカル
    を発生しうる基を有する少なくとも1個の残基を示し、 Bioは、抗体と抗原、ポリ(もしくはオリゴ)ヌクレ
    オチドと該ヌクレオチドにハイブリダイズしうるポリ
    (もしくはオリゴ)ヌクレオチド、レセプターとリガン
    ド、酵素−その阻害剤もしくは基質、アビジンとビオチ
    ンおよびレクチンと糖類からなる群より選ばれる特異的
    結合性対のいずれか一方の構成員、あるいは両構成員に
    より形成された複合体に由来する残基を示し、そしてB
    ioとIntは、Intの数に応じた数の共有結合によ
    って結合している、但し、 こうして結合しているBio−IntのInt部分に存
    在するラジカルを発生しうる基は、それら自体を介して
    重合したBio−Intを形成することができないもの
    である]で表される生物学的活性物質を担持するラジカ
    ル重合誘発剤を含んでなる重合用組成物。
  2. 【請求項2】 ラジカル開始剤がレドックス開始剤であ
    る請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 Bioが抗体または抗原−抗体からなる
    免疫複合体に由来する残基である請求項1または2記載
    の組成物。
  4. 【請求項4】 −Intが式 −L−A−C(R)=CHまたは −L−B−CO2H [式中、Aは単結合または基C(R)=CH2の存在に起
    因してラジカルを発生する上で悪影響を及ぼさない二価
    の炭化水素基を示し、そしてRは水素原子またはメチル
    基を示し、Bは基−CO2Hの存在に起因してラジカル
    を発生する上で悪影響を及ぼさない二価の炭化水素基を
    示し、Lは−CO−、−CONH−または−CSNH−
    を示す]で表される請求項1〜3のいずれかに記載の組
    成物。
  5. 【請求項5】 −Intが式 【化1】 [式中、Mは 【化2】 または−NHNH−を示し、bは2〜8のいずれかの整
    数である]で表される請求項1〜3のいずれかに記載の
    組成物。
  6. 【請求項6】 −Intが式−CO−A−C(R)=CH
    2で示され、Aが単結合でありそしてRが水素もしくは
    メチル基であるか、あるいは 【化3】 である請求項4記載の組成物。
  7. 【請求項7】 −Intが式 −CO−B−CO2Hで示
    され、Bが−CH2C(CH3)2−、−CH2CH(CH3)
    −、−(CH2)a−(ここで、aは1〜8のいずれかの整
    数である)、 【化4】 からなる群より選ばれる請求項4記載の組成物。
  8. 【請求項8】 −IntがBioに対して1〜100モ
    ル当量存在する請求項1〜7のいずれかに記載の組成
    物。
  9. 【請求項9】 さらに、ラジカル重合性のエチレン型不
    飽和二重結合を有する少なくとも1種の単量体およびレ
    ドックス開始剤を構成する還元剤を含んでなる請求項1
    記載の組成物。
  10. 【請求項10】 単量体がスチレンおよびN−フェニル
    マレイミドである請求項9記載の組成物。
  11. 【請求項11】 式 Bio−Int (I) [式中、Intは、ラジカル開始剤の存在下でラジカル
    を発生しうる基を有する少なくとも1個の残基を示し、 Bioは、抗体と抗原、ポリ(もしくはオリゴ)ヌクレ
    オチドと該ヌクレオチドにハイブリダイズしうるポリ
    (もしくはオリゴ)ヌクレオチド、レセプターとリガン
    ド、酵素−その阻害剤もしくは基質、アビジンとビオチ
    ンおよびレクチンと糖類からなる群より選ばれる特異的
    結合性対のいずれか一方の構成員、あるいは両構成員に
    より形成された複合体に由来する残基を示し、そしてB
    ioとIntは、Intの数に応じた数の共有結合によ
    って結合している、但し、こうして結合しているBio
    −IntのInt部分に存在するラジカルを発生する基
    は、それら自体を介して重合したBio−Intを形成
    することができないものである]で表される生物学的活
    性物質を担持するラジカル重合誘発剤を、ラジカル重合
    性のエチレン型不飽和二重結合を有する少なくとも1種
    の単量体およびラジカル開始剤を含有する水性媒体中で
    共重合させることを特徴とする生物学的活性物質を分子
    の片末端に有する重合体の製造方法。
  12. 【請求項12】 ラジカル開始剤がレドックス開始剤で
    ある請求項11記載の重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 生物学的試料中に存在することが疑わ
    れる被検体の検出方法であって、(A) 式 Bio−Int (I) [式中、Intは、ラジカル開始剤の存在下でラジカル
    を発生しうる基を有する少なくとも1個の残基を示し、 Bioは、抗体と抗原、ポリ(もしくはオリゴ)ヌクレ
    オチドと該ヌクレオチドにハイブリダイズしうるポリ
    (もしくはオリゴ)ヌクレオチド、レセプターとリガン
    ド、酵素−その阻害剤もしくは基質、アビジンとビオチ
    ンおよびレクチンと糖類からなる群より選ばれる特異的
    結合性対のいずれか一方の構成員、あるいは両構成員に
    より形成された複合体に由来する残基を示し、そしてB
    ioとIntは、Intの数に応じた数の共有結合によ
    って結合している、但し、こうして結合しているBio
    −IntのInt部分に存在するラジカルを発生する基
    は、それら自体を介して重合したBio−Intを形成
    することができないものである]で表される生物学的活
    性物質を担持するラジカル重合誘発剤を、前記生物学的
    試料に加え、(B) 工程(A)の前もしくは後または
    同時に、ラジカル重合性のエチレン型不飽和二重結合を
    有する少なくとも1種の単量体およびレドックス開始剤
    の還元剤を含有する水性液を前記生物学的試料に加え、
    (C) レドックス開始剤の酸化剤を含有する水性液を
    加えて重合反応を行い、次で(D) 工程(C)で形成
    される重合体の存否を生物学的試料中の被検体の存否の
    指標として評価する、ことを特徴とする被検体の検出方
    法。
  14. 【請求項14】 単量体がスチレンおよびN−フェニル
    マレイミドである請求項13記載の検出方法。
  15. 【請求項15】 レドックス開始剤の還元剤が銀(I)
    イオンであり、そして酸化剤が過硫酸イオンである請求
    項13または14記載の検出方法。
  16. 【請求項16】 式 【化5】 [式中、Abは抗体の残基であって、抗体を構成するペ
    プチド結合に関与しないアミノ基または水酸基を有する
    アミノ酸部分から水素原子が除去された残基を示し、 Lは−CO−、−CONH−または−CSNH−を示
    し、 Bは−CH2C(CH3)2−、−CH2CH(CH3)−、−
    (CH2)a−(ここで、aは1〜8のいずれかの整数であ
    る)、 【化6】 からなる群より選ばれる二価の基であり、そしてmは1
    〜100のいずれかの整数である]で表される生物学的
    活性物質を担持する化合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090298746A1 (en) * 2005-06-10 2009-12-03 Acharya Seetharama A Pegylated hemoglobin and albumin and uses thereof
US8741832B2 (en) * 2005-06-10 2014-06-03 Albert Einstein College Of Medicine Of Yeshiva University Pegylated albumin and uses thereof

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