JPH11270809A - ラジアントチューブバーナおよびその燃焼方法 - Google Patents

ラジアントチューブバーナおよびその燃焼方法

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JPH11270809A JP7180798A JP7180798A JPH11270809A JP H11270809 A JPH11270809 A JP H11270809A JP 7180798 A JP7180798 A JP 7180798A JP 7180798 A JP7180798 A JP 7180798A JP H11270809 A JPH11270809 A JP H11270809A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒素酸化物の発生量の低減とラジアントチュ
−ブの劣化防止が同時に達成できるバ−ナを得る。 【解決手段】 2段燃焼を行うためのラジアントチュー
ブバーナであって、気体燃料噴出ノズル1の軸心1aお
よび燃焼筒3の軸心3aを、ラジアントチュ−ブ2の軸
心2aに対して、気体燃料噴出ノズル1はラジアントチ
ュ−ブ2の内径Dの0.08〜0.12倍、燃焼筒3はラジア
ントチュ−ブ2の内径Dの0.025〜0.040倍だけ同一方向
に偏心させるとともに、前記燃焼筒3の前記気体燃料噴
出ノズル1の噴出口に近接する部分には、燃焼筒1の内
径を縮径させたスロ−ト部3bを設け、該スロ−ト部3
bから燃焼筒3先端までは、スロ−ト部3bにおいて内
径D 1が最小で、燃焼筒3の先端において内径D2が最大
となるテ−パ−部3cを形成し、該テ−パ−部3cの長
さLとテ−パ−部3cの最大内径D2と最小内径D1の差
dとの比L/dを4.3〜5.3としたラジアントチュ−ブバ
−ナ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用加熱炉,熱
処理炉等の熱源の発生用として使用されるラジアントチ
ューブバーナに関し、特に排ガス中のNOx(窒素酸化
物)の発生が低減できるとともに、ラジアントチューブ
の周方向の温度偏差の発生が防止できるラジアントチュ
ーブバーナおよびその燃焼方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ラジアントチューブバーナに要求される
条件としては、 ラジアントチューブの表面温度が均一になるように加
熱できること 燃焼が安定していること 公害防止のため、窒素酸化物(NOx)の生成量を低く
抑えることができること 等が重要な条件である。
【0003】燃焼中におけるNOxの発生要因としては、Z
eldovich機構等に代表される方程式から分かるように、 火炎温度 高温域における燃焼ガス滞留時間 燃焼ガス中の酸素濃度 等が挙げられる。
【0004】そして、これらのことから、NOxの生成量
は燃焼ガスの温度が高まるにつれ増加するということが
いえる。
【0005】したがって、NOxの生成量を低減するため
には、火炎の部分的な過熱防止と、燃焼ガスの温度を下
げることが必要不可欠である。
【0006】このような性能が要求されるラジアントチ
ューブバーナにおいて、NOxを低減させる方法として
は、以下に示す方法が一般的である。 排ガスの再循環 水・水蒸気の吹き込み 多段燃焼(緩慢混合,火炎形状の変更) このうちの排ガス再循環を行う排ガス再循環型バーナ
は、燃焼空気量と循環する燃焼排ガス量の比率を、ある
望ましい値に制御することが要求される。
【0007】特に、バーナのターンダウン操業によっ
て、燃焼用空気供給量が大幅に変わっても、燃焼用空気
の供給量の変化に対応して、燃焼排ガスの循環量を全供
給量変化範囲わたり、所要の比率をもって十分に追随さ
せる必要がある。
【0008】これを実現させるためには、ラジアントチ
ューブの排気部から分岐してバーナ部に連通する分岐管
を設置する必要があり、構造自体が複雑になる。そのた
め、製作に要するコストを安くするために、排ガス再循
環型バーナを既存のバーナの改造により製作したとして
も、かなり高価なものになる。
【0009】また、バーナの燃焼調整時に、排ガス循環
量と空気比とを、同時に適当な範囲に設定することは、
非常に困難であるという欠点も有している。
【0010】の水・水蒸気の吹き込みは、水の潜熱と
水蒸気の顕熱上昇で、火炎の熱を奪って温度を下げると
同時に、酸素濃度を低下させるため、 NOx濃度(ppm)を
1〜2桁というオーダで著しく低減させる効果がある。
そのため、比較的自由なバーナレイアウトが採用できる
というメリットはあるが、反面、水・水蒸気の投入量を
非常に多くする必要があり、燃料原単位が著しく悪化す
るというデメリットがあるので、実際的ではない。
【0011】また、の多段燃焼については、そのスペ
ースの制約から2段燃焼が一般的であり従来から各種の
2段燃焼バーナが提案されている。この2段燃焼バ−ナ
は、 (1)燃焼筒の軸心とラジアントチューブの軸心を同一
にするタイプ (2)燃焼筒の軸心をラジアントチュ−ブの軸心から偏
心させるタイプ(特開昭62−134410号公報や特開昭63−
63806号公報に開示されている)の2つに大別すること
ができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の2段燃焼型のラジアントチュ−ブバ−ナを用い
た燃焼方法には、次のような問題点がある。
【0013】(1)燃焼筒の軸心とラジアントチューブ
の軸心を同一にするタイプ 1次・2次空気は、偏流することなく流入する構造にな
っているため、それほどのNOx低減を期待することはで
きない。
【0014】(2)燃焼筒の軸心をラジアントチュ−ブ
の軸心から偏心させるタイプ バ−ナの設計諸元が定量化されていないので、偏心量が
過剰であると、NOxの低減効果はあるが、ラジアント
チューブに周方向に温度偏差が発生し、ラジアントチュ
−ブの寿命が著しく短くなる。
【0015】本発明は、従来技術の上述のような問題点
を解消するためになされたものであり、燃焼筒を偏心さ
せるタイプのラジアントチュ−ブバ−ナにおいて、NO
xの低減効果を低下させないとともに、ラジアントチュ
ーブの周方向に大きな温度偏差を発生させないラジアン
トチュ−ブバーナおよびその燃焼方法を提供することを
目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明に係るラジアン
トチュ−ブバーナは、2段燃焼を行うためのラジアント
チューブバーナであって,気体燃料噴出ノズルの軸心お
よび燃焼筒の軸心を、ラジアントチュ−ブの軸心に対し
て、気体燃料噴出ノズルはラジアントチュ−ブの内径の
0.08〜0.12倍、燃焼筒はラジアントチュ−ブの内径の
0.025〜0.040倍だけ同一方向に偏心させるとともに、前
記燃焼筒の前記気体燃料噴出ノズルの噴出口に近接する
部分には、燃焼筒の内径を縮径させたスロ−ト部を設
け、該スロ−ト部から燃焼筒先端までは、スロ−ト部に
おいて内径が最小で、燃焼筒の先端において内径が最大
となるテ−パ−部を形成し、該テ−パ−部の長さLとテ
−パ−部の最大内径と最小内径の差dとの比L/dを4.
3〜5.3としたものである。
【0017】また、この発明に係るラジアントチュ−ブ
バ−ナの燃焼方法は、上記ラジアントチュ−ブバ−ナを
使用し、1次燃焼用燃焼空気の供給量Q1と2次燃焼用燃
焼空気の供給量Q2との比Q1対Q2を、2:8〜4:6の範
囲にして燃焼するものである。
【0018】本発明者等は、ラジアントチュ−ブバーナ
を用いて2段燃焼を行うに際して、どのような条件であ
れば、NOxの低減とラジアントチューブ周方向の温度
偏差の発生防止を同時に達成することができるか、鋭意
検討した。その結果、気体燃料噴出ノズルの軸心および
燃焼筒の軸心を、ラジアントチュ−ブの軸心から適正量
偏心させ、かつ燃焼筒先端に適正な広がり角を持つテー
パ部分を設けた2段燃焼バーナを採用すれば、NOxの
低減が図れるともに、ラジアントチューブの周方向の大
きな温度偏差の発生も防止できるという知見が得られ
た。
【0019】ラジアントチュ−ブの軸心に対する気体燃
料噴出ノズルの軸心の偏心量を、大きくすればするほ
ど、NOxの発生量を低減させることはできるが、ラジ
アントチュ−ブの周方向の温度偏差が大きくなってく
る。
【0020】逆に、ラジアントチュ−ブの軸心に対する
気体燃料噴出ノズルの軸心の偏心量を、小さくすればす
るほど、ラジアントチュ−ブの周方向の温度偏差を小さ
くすることはできるが、NOxの発生量は多くなる。
【0021】したがって、ラジアントチュ−ブの軸心に
対する気体燃料噴出ノズルの軸心の偏心量の下限は、N
Oxの発生量の低減効果が期待できるラジアントチュ−
ブの内径の0.08倍とした。また、ラジアントチュ−
ブの軸心に対する気体燃料噴出ノズルの軸心の偏心量の
上限は、ラジアントチュ−ブの周方向の温度偏差が許容
できるラジアントチュ−ブの内径の0.12倍とした。
【0022】同様に、ラジアントチュ−ブの軸心に対す
る燃焼筒の軸心の偏心量を、大きくすればするほど、N
Oxの発生量を低減させることはできるが、ラジアント
チュ−ブの周方向の温度偏差が大きくなってくる。
【0023】逆に、ラジアントチュ−ブの軸心に対する
燃焼筒の軸心の偏心量を、小さくすればするほど、ラジ
アントチュ−ブの周方向の温度偏差を小さくすることは
できるが、NOxの発生量は多くなる。
【0024】したがって、ラジアントチュ−ブの軸心に
対する燃焼筒の軸心の偏心量の下限は、NOxの発生量
の低減効果が期待できるラジアントチュ−ブの内径の
0.025倍とした。また、ラジアントチュ−ブの軸心
に対する燃焼筒の軸心の偏心量の上限は、ラジアントチ
ュ−ブの周方向の温度偏差が許容できるラジアントチュ
−ブの内径の0.040倍とした。
【0025】また、燃焼筒先端に設けるテーパ部分につ
いては、テ−パの大きさを示すテ−パ−部の長さLとテ
−パ−部の最大内径と最小内径の差dとの比L/dを、
4.3〜5.3とした場合、NOxの発生量が最も少なくな
る。
【0026】また、上述した条件のラジアントチュ−ブ
バ−ナを使用して、2段燃焼を行う場合に、1次燃焼用
空気の供給量Q1と2次燃焼用空気の供給量Q2との比Q
1対Q2をどのように設定すれば、NOxの発生量が最も
少なくなるか検討した。そのお結果、Q1対Q2を2:8
〜4:6の範囲とすれば、NOxの発生量が最も少なくな
ることが分かった。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態のラ
ジアントチュ−ブバ−ナの透視図であるが、このラジア
ントチュ−ブバ−ナにおいては、気体燃料噴出ノズル1
を、その軸心1aのラジアントチュ−ブ2の軸心2aに
対する偏心量δ1が、ラジアントチュ−ブ2の内径Dの
0.08〜0.12倍となるようにして、配置してい
る。
【0028】また、燃焼筒3も、その軸心3aのラジア
ントチュ−ブ2の軸心2aに対する偏心量δ2が、ラジ
アントチュ−ブ2の内径Dの0.025〜0.040倍とな
るようにして、気体燃料噴出ノズル1と同じ方向に偏心
させて配置している。
【0029】さらには、燃焼筒3の気体燃料噴出ノズル
1の噴出口に近い位置には、燃焼筒3のそれまでの内径
をD1まで縮径させたスロ−ト部3bが設けられ、この
スロ−ト部から先端に向けて、内径がD1からD2まで拡
径されるテ−パ−部3cが、長さLの範囲にわたって設
けられている。
【0030】そして、燃焼筒3のテ−パ−部3cの長さ
Lと、テ−パ−部3cの最大内径D 2と最小内径D1との
差dの比L/d、すなわちテ−パ−の度合いが、4.3
〜5.3となるようにしている。
【0031】次に、上述したように気体燃料噴出ノズル
1や燃焼筒3を偏心させたり、燃焼筒3にテ−パ−部3
cを設けた理由を、図2〜図5のグラフにより説明す
る。
【0032】図2は縦軸にNOxの発生量(ppm、1
1%O2のときに換算したもの)およびラジアントチュ
−ブ2の周方向の温度偏差(℃)を、横軸に気体燃料噴
出ノズル1の軸心1aの偏心量δ1とラジアントチュ−
ブ2の内径Dとの比δ1/Dをとり、燃焼筒3の軸心3
aの偏心量δ2とラジアントチュ−ブ2の内径Dとの比
δ2/Dをパラメ−タとして整理したグラフである。な
お、このときのL/dは4.75、1次燃焼用空気の供
給量Q1と2次燃焼用空気の供給量Q2との比は3:7と
した。実線がNOxの発生量を表わし、点線がラジアン
トチュ−ブ2の温度偏差を表わすものであるが、δ1
Dが大きくなるにしたがって、NOxの発生量は少なく
なってくるが、ラジアントチュ−ブ2の温度偏差は大き
くなってくる。このような傾向に基づき、δ1は下限値
をNOxの発生量の低減がある程度期待できる0.08
Dとし、上限値はラジアントチュ−ブ2の温度偏差の許
容限界である0.12Dとした。
【0033】図3は縦軸にNOxの発生量(ppm、1
1%O2のときに換算したもの)およびラジアントチュ
−ブ2の周方向の温度偏差(℃)、横軸に燃焼筒3の軸
心3aの偏心量δ2とラジアントチュ−ブ2の内径Dと
の比δ2/Dをとり、気体燃料噴射ノズル1の軸心1a
の偏心量δ1とラジアントチュ−ブ2の内径Dとの比δ1
/Dをパラメ−タとして整理したグラフである。なお、
このときのL/dは4.75、1次燃焼用空気の供給量
1と2次燃焼用空気の供給量Q2との比は3:7とし
た。実線がNOxの発生量を表わし、点線がラジアント
チュ−ブ2の温度偏差を表わすものであるが、δ2/D
が大きくなるにしたがって、NOxの発生量は少なくな
ってくるが、ラジアントチュ−ブ2の温度偏差は大きく
なってくる。
【0034】このような傾向に基づき、δ2は下限値を
NOxの発生量の低減がある程度期待できる0.025
Dとし、上限値はラジアントチュ−ブ2の温度偏差の許
容限界である0.040Dとした。
【0035】図4および図5は縦軸にNOxの発生量
(ppm、11%O2のときに換算したもの)、横軸に
燃焼筒3のテ−パ−部3cの長さLと、テ−パ−部3c
の最大内径D2と最小内径D1との差dの比L/d、すな
わちテ−パ−の度合い横軸にとって整理したグラフであ
る。図4はパラメ−タを気体燃料噴出ノズル1の軸心1
aの偏心量δ1とラジアントチュ−ブ2の内径Dとの比
δ1/Dとしたグラフであり、このときのδ2/Dは0.
034、Q1とQ2との比は3:7とした。
【0036】また、図5はパラメ−タを燃焼筒3の軸心
3aの偏心量δ2とラジアントチュ−ブ2の内径Dとの
比δ2/Dとして整理したグラフであり、このときのδ1
/Dは0.10、Q1とQ2との比は3:7とした。。図
4および図5から、L/dの適性な範囲を4.3〜5.
3とした。
【0037】次に、上述したラジアントチュ−ブバ−ナ
を使用した燃焼方法を説明する。図1に示す燃焼用空気
配管4から供給された燃焼用空気のうち、一部のものは
燃焼筒3に送られて気体燃料噴出ノズル1から噴射され
る気体燃料の1次燃焼に供される。そして、残りのもの
が、ラジアントチュ−ブ2と燃焼筒3との間の通路を通
って、2次燃焼に供される。なお、図1には図示してい
ないが、燃焼筒3には円周方向に沿って複数の開口が設
けられており、1次燃焼用空気は、この開口を通って燃
焼筒3に流入するようになっている。また、燃焼筒3と
ラジアントチュ−ブ2との間には、燃焼筒3を固定する
ための間隔材が配置してあり、2次燃焼空気はこの間隔
材に設けた開口を通ってラジアントチュ−ブ2内に流入
するようになっている。したがって、燃焼筒3に設ける
開口の総面積と、間隔材に設ける開口の総面積の比率を
あらかじめ設定しておくことにより、1次燃焼用空気の
供給量と2次燃焼用空気の供給量との比率を適正なもの
にすることができる。
【0038】このような2段燃焼について図6に基づき
詳述すると、次のとおりである。気体燃料噴出ノズル1
から、運動量の大きい気体燃料の噴流を燃焼筒3のテ−
パ−部3cに向けて噴射すると、気体燃料は1次燃焼領
域5において、周囲の1次燃焼用空気6と燃焼反応を起
こす。そして、燃焼反応によって発生した未燃焼の可燃
成分を含む燃焼ガスは、気体燃料噴出ノズル1の偏心し
ているのとは反対側で、逆流を形成する。そして、逆流
した高温の未燃焼の可燃成分を含む燃焼ガスは、燃料噴
流中に吸引されるので、燃焼ガスの逆流は連続して起こ
る。このような逆流を1次燃焼排ガスの自己再循環流7
という。
【0039】燃料噴流中に吸引された未燃焼の可燃成分
を含む燃焼排ガスは均一に拡散され、燃料と急速に吸熱
ガス化反応を起こす。この1次燃焼排ガスの自己再循環
流7による吸熱ガス化反応と同じような反応は、燃焼筒
3を出た2次燃焼反応領域8でも同様に起こり、2次燃
焼用空気9の供給がラジアントチュ−ブ2の内面に沿っ
て行われるため、ラジアントチュ−ブ2の中心部で、2
次燃焼排ガスの自己再循環流10が連続的に発生する。
【0040】このように形成された火炎は、部分的な高
温部を生じさせることなく、理想的な温度分布の火炎と
なる。そして、その結果、NOxの発生が抑えられると
ともに、ラジアントチュ−ブ2の周方向の温度偏差も小
さい値に抑えられる。
【0041】これは、一般的に自己排ガス再循環現象と
いわれるものであり、この現象は1次燃焼用空気量を減
らし、2次燃焼用空気量を増やすことで、さらに促進さ
れる。ただし、1次燃焼用空気量をゼロにすることは、
2段燃焼の概念から逸脱することになり、逆にNOxの
発生量が多くなることになる。このことから、1次燃焼
用空気量Q1と2次燃焼用空気量Q2との間の比率Q1
2を適正に選択すれば、NOxの発生量を効果的に抑
えることができるということが分かる。
【0042】図7および図8は縦軸にNOxの発生量
(ppm、11%O2のときに換算したもの)およびラ
ジアントチュ−ブ2の周方向の温度偏差(℃)、横軸に
1次燃焼用空気量Q1の全燃焼用空気供給量Q0に対する
比Q1/Q0をとったグラフである。図7は気体燃料噴出
ノズル1の軸心1aの偏心量δ1とラジアントチュ−ブ
2の内径Dとの比δ1/Dをパラメ−タとして整理した
ものであり、そのときのδ2/Dは0.034、L/d
は4.75とした。また、図8は燃焼筒3の軸心3aの
偏心量δ2とラジアントチュ−ブ2の内径Dとの比δ2
Dをパラメ−タとして整理したものであり、そのときの
δ1/Dは0.10、L/dは4.75とした。
【0043】図7および図8から、1次燃焼用空気量Q
1と2次燃焼用空気量Q2との比率Q 1対Q2は2:8〜
4:6の範囲とした。
【0044】
【実施例】表1に示すような加熱炉の条件および燃焼条
件により、実炉におけるNOxの低減効果およびそのと
きのラジアントチュ−ブの周方向の温度偏差の程度につ
いて調査を行った。
【0045】
【表1】
【0046】表2にそのときのNOxの発生量を従来の
場合と比較して示す。燃焼用空気の予熱温度が300〜
400℃の範囲において、従来の燃焼筒偏心タイプのラ
ジアントチュ−ブバ−ナを使用した場合に比較して、N
Oxの濃度は2〜5ppm程度しか上昇していない。す
なわち、実質的なNOxの低減効果は、従来の燃焼筒偏
心タイプのラジアントチュ−ブバ−ナを使用した場合と
同等であると言える。
【0047】なお、従来のバ−ナは、δ1/D、δ2/D
およびL/dとも本発明の請求範囲から外れたものであ
り、その燃焼における1次燃焼用空気の供給量と2次燃
焼用空気の供給量との比率は6:4とし、その他の燃焼
条件は本発明の場合と同一とした。
【0048】
【表2】
【0049】表3はそのときのラジアントチュ−ブの周
方向の温度偏差の程度を従来例と比較して示したもので
ある。従来例では温度偏差が最も大きい位置で190
℃、最も小さい位置で100℃程度あるのに対して、本
発明においては、温度偏差が最も大きい位置でも50℃
未満であり、大きな温度偏差が発生しないことが分か
る。
【0050】
【表3】
【0051】このように、温度偏差が低減されることに
より、熱応力は従来の15kgf/mm2から5kgf
/mm2に軽減されることになるので、ラジアントチュ
−ブの寿命も従来の2年未満から5〜6年に延びること
になる。
【0052】なお、上記実施例においては,気体燃料と
してCOG(コ−クス炉ガス)を使用したが、LDG(転炉ガ
ス)やBFG(高炉ガス)等も高H2ガスであるので、いず
れも同様の傾向を示す。
【0053】また、燃焼用空気の予熱温度については3
00〜400℃の範囲しか示していないが、常温から通
常レキュペレータの上限値である600℃程度の高温域ま
での全範囲において、NOxの発生量を従来の燃焼筒偏心
タイプのラジアントチュ−ブバーナと同程度に維持しつ
つ、ラジアントチュ−ブの周方向温度偏差を低位に保つ
ことができるという傾向を示すことは言うまでもない。
【0054】なお、図1に基づく本発明のラジアントチ
ュ−ブバ−ナの説明においては、燃料噴出ノズルおよび
燃焼筒を上方向に偏心させる例で説明したが、言うまで
もなく下方向でもよく、横方向でもよく、少なくともラ
ジアントチューブの軸心に対して所定量同一方向に偏心
させればよい。
【0055】
【発明の効果】この発明により、燃焼筒および燃料噴出
ノズルのホルダのみを改造するという簡単かつ安価な対
策を施すだけで、NOxの発生量の低減効果を低下させ
ることなく、ラジアントチュ−ブの寿命を延ばすことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のラジアントチュ−ブバ−
ナの透視図である。
【図2】気体燃料噴出ノズルの軸心の偏心量とNOxの
発生量およびラジアントチュ−ブの周方向の温度偏差と
の関係を示すグラフである。
【図3】燃焼筒の軸心の偏心量とNOxの発生量および
ラジアントチュ−ブの周方向の温度偏差との関係を示す
グラフである。
【図4】燃焼筒のテ−パ−部の長さと、テ−パ−部の最
大内径と最小内径との差の比とNOxの発生量との関係
を示すグラフであり、パラメ−タに気体燃料噴出ノズル
の軸心の偏心量とラジアントチュ−ブの内径との比をと
ったものである。
【図5】燃焼筒のテ−パ−部の長さと、テ−パ−部の最
大内径と最小内径との差の比とNOxの発生量との関係
を示すグラフであり、パラメ−タに燃焼筒の軸心の偏心
量とラジアントチュ−ブの内径との比をとったものであ
る。
【図6】本発明のラジアントチュ−ブバ−ナを使用した
2段燃焼の説明図である。
【図7】1次燃焼用空気量の全燃焼用空気供給量に対す
る比とNOxの発生量およびラジアントチュ−ブの周方
向の温度偏差との関係を示すグラフであり、パラメ−タ
に気体燃料噴射ノズルの軸心の偏心量とラジアントチュ
−ブの内径との比をとったものである。
【図8】1次燃焼用空気量の全燃焼用空気供給量に対す
る比とNOxの発生量およびラジアントチュ−ブの周方
向の温度偏差との関係を示すグラフであり、パラメ−タ
に燃焼筒の軸心の偏心量とラジアントチュ−ブの内径と
の比をとったものである。
【符号の説明】
1 気体燃料噴出ノズル 1a 気体燃料噴出ノズルの軸心 2 ラジアントチュ−ブ 2a ラジアントチュ−ブの軸心 3 燃焼筒 3a 燃焼筒の軸心 3b 燃焼筒のスロ−ト部 3c 燃焼筒のテ−パ−部 4 燃焼用空気配管 5 1次燃焼領域 6 1次燃焼用空気 7 1次燃焼排ガスの自己再循環流 8 2次燃焼反応領域 9 2次燃焼用空気 10 2次燃焼排ガスの自己再循環流

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2段燃焼を行うためのラジアントチュー
    ブバーナであって、気体燃料噴出ノズルの軸心および燃
    焼筒の軸心を、ラジアントチューブの軸心に対して、気
    体燃料噴出ノズルはラジアントチューブの内径の0.08〜
    0.12倍、燃焼筒はラジアントチューブの内径の0.025
    〜0.040倍だけ同一方向に偏心させるとともに、前記燃
    焼筒の前記気体燃料噴出ノズルの噴出口に近接する部分
    には、燃焼筒の内径を縮径させたスロート部を設け、該
    スロート部から燃焼筒先端までは、スロ−ト部において
    内径が最小で、燃焼筒の先端において内径が最大となる
    テーパー部を形成し、該テーパー部の長さLとテーパー
    部の最大内径と最小内径の差dとの比L/dを4.3〜5.3
    としたことを特徴とするラジアントチューブバーナ。
  2. 【請求項2】 1次燃焼用燃焼空気の供給量Q1と2次燃
    焼用燃焼空気の供給量Q2との比Q1対Q2を、2:8〜4:
    6の範囲にして燃焼することを特徴とする請求項1に記
    載のラジアントチューブバーナの燃焼方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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