JPH11269510A - 金属粉末製造装置 - Google Patents

金属粉末製造装置

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Publication number
JPH11269510A
JPH11269510A JP7801098A JP7801098A JPH11269510A JP H11269510 A JPH11269510 A JP H11269510A JP 7801098 A JP7801098 A JP 7801098A JP 7801098 A JP7801098 A JP 7801098A JP H11269510 A JPH11269510 A JP H11269510A
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JP
Japan
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cylinder
horizontal
molten metal
cooling liquid
gas jet
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Application number
JP7801098A
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English (en)
Inventor
Chikanobu Shintani
京宣 新谷
Isao Endo
功 遠藤
Yasushi Yamamoto
裕史 山本
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良質で且つ品質のばらつきが小さな急冷凝固
金属粉末を製造することが可能な金属粉末製造装置を提
供する。 【解決手段】 筒軸が横方向を向くように配置された横
型筒体3と、この横型筒体3に、その内周面に沿って旋
回しながら筒軸方向一端側から他端側へと移動する冷却
液層15を形成する冷却液層形成手段と、下方に流下す
る溶融金属流U上の一箇所に、該溶融金属流Uの周囲か
ら斜め下方に噴射されるガスジェットGJを吹き付ける
ことにより、溶融金属を溶滴に分断して冷却液層15に
供給する噴射ノズル43とを設け、さらに、横型筒体3
の筒軸に略直交する面における、ガスジェットGJの噴
射方向と冷却液層15の旋回方向Bとの成す角θが鋭
角、又は、鈍角となるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒体内に、該筒体
の内周面に沿って旋回しながら軸方向に移動する冷却液
層を形成し、この冷却液層に溶融金属を供給し急冷凝固
させて金属粉末を製造する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融金属を冷却液中に供給し、急冷凝固
させて得られる粉末は、結晶粒が微細で、合金元素も過
飽和に含有させることができ、また、非晶質の金属粉末
として得ることも可能であって、機械部品や軟磁性材料
部品等の素材として注目されている。
【0003】このような急冷凝固粉末の製造装置とし
て、例えば、実開平6−39929号公報に、図5
(a),(b)に示す構成の装置が記載されている。こ
の金属粉末製造装置は、冷却用筒体66を備え、この冷
却用筒体66の内周面に、冷却液供給孔66aから冷却
液を接線方向に噴出させることによって、筒体66内面
に沿って旋回しながら筒体66の軸方向に流下する冷却
液層68が形成される。筒体66上部側には、溶融金属
供給容器61が配置されている。
【0004】この容器61は、るつぼ62の下側にガス
ジェットノズル63を設けて構成され、このガスジェッ
トノズル63には、るつぼ62底部の溶湯ノズル孔64
を通る中心線回りに、この中心線と同心の円に沿ってス
リット状に開口するガス噴射口65が設けられている。
このガス噴射口65を通して、図中二点鎖線で示すよう
に、逆円錐状のガスジェットGjが噴射される。
【0005】この構成のものにおいては、溶湯ノズル孔
64から溶融金属流67がガスジェットGjの交点部に
流下し、ここで溶滴に分断される。この溶滴は、交点部
から円錐状に広がるガスジェットGjに乗って運ばれ、
前記同様に、冷却用筒体66内の旋回冷却液層68に注
入され、ここでさらに分断されて急冷凝固される。この
ように、逆円錐状のガスジェットGjの交点部部に溶融
金属を流下させる構成とすることで、溶融金属の分断が
効率的に行われ、より微細な粉末を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のようなガス
ジェットGjによって溶融金属流58を微細に分断する
ようにしたものにあっては、冷却速度のばらつきに起因
して、品質が一様な急冷凝固粉末は得難いという問題を
生じている。つまり、ガスジェットGjの交点部で分断
された後の溶滴は、ガスジェットGjに乗って下側に向
かって運ばれるが、例えば図5(b)に示す状態では、
ガスジェットノズル63のガス噴射口65から噴射され
るガスジェットGjのうち、図において左側から右下方
向に向かうガスジェットGjLは、斜めに配置した冷却
用筒体66の軸心との交差角が比較的大きく、したがっ
て、旋回冷却液層68とすぐに交差するのに対し、右側
から左下方向に噴射されるガスジェットGjRは、冷却
用筒体66の軸心との交差角が小さく、平行に近い状態
となっている。このため、特にこのガスジェットGjR
に沿って飛行する溶滴が旋回冷却液層68に注入されな
いか、あるいは旋回冷却液層68に注入されるまでの時
間が長くなり、さらには、冷却用筒体66の底部に達す
るまで旋回冷却液層68に注入されずに空中で凝固す
る。
【0007】この結果、例えば非晶質の金属粉末を製造
しようとする場合には、冷却速度の遅い結晶化した金属
粉末が混在するものとなり、金属粉末の軟磁気特性が悪
くなる。また、旋回冷却液層68に注入されるまでの時
間が長いと、この間に表面が酸化して酸化膜が形成され
るために、旋回冷却液層68による分断が困難となって
微細化が充分に行われないと共に、液滴が有する表面張
力により金属粉末の形状が球状に近い形状となり、軟磁
性材料粉末に求められる反磁界係数の小さな偏平楕円体
金属粉末を得ることができず、さらに、酸素や水素の含
有量が増加して品質劣化を招来する。また、この酸化膜
は、圧粉成形時等においても種々の悪影響を及ぼすこと
になる。
【0008】そこで、噴射ノズルから噴射される溶融金
属の全体に亘って、略同じ短い距離で該溶融金属を冷却
液層に注入できるようにするために、図6及び図7に示
すように、冷却用筒体66を、筒軸が横方向を向くよう
に配置することで、その内周面に旋回流によって形成さ
れる横向きの冷却液層68を形成し、下方に流下する溶
融金属流67上の一箇所に、該溶融金属流67の周囲か
ら斜め下方に噴射される逆円錐状のガスジェットGjを
吹き付けることにより、溶融金属を溶滴に分断して冷却
液層に供給する噴射ノズル70を設けてなる金属粉末製
造装置を構成することが考えられている。
【0009】しかしながら、噴射ノズル70の配置を、
図6に示すように、溶融金属流67の流下方向を、冷却
用筒体66の筒軸を通る鉛直方向の線分Eと一致させ、
ガスジェットGjをこの冷却用筒体66の筒軸を通る鉛
直方向の線分E上の一点Oで交差させるようにすると、
冷却用筒体66の筒軸に略直交する面における、ガスジ
ェットGjの噴射方向と冷却液層68の旋回方向Bとの
成す角θが、図中線分Eから左側では鋭角となり、線分
Eから右側では鈍角となり、冷却液層68に注入される
溶滴への冷却液層68の物理的作用に差異が生じるた
め、得られる金属粉末の冷却速度、及び粉末の形状が異
なり、得られる金属粉末の特性にばらつきが生じるとい
う問題が生じる。
【0010】本発明は、前述した従来の問題点に鑑みな
されたもので、良質で且つ品質のばらつきが小さな急冷
凝固金属粉末を製造することが可能な金属粉末製造装置
を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明が前記目的を達成
するために講じた技術的手段は、筒軸が横方向を向くよ
うに配置された横型筒体3と、この横型筒体3に、その
内周面に沿って旋回しながら筒軸方向一端側から他端側
へと移動する冷却液層15を形成する冷却液層形成手段
と、下方に流下する溶融金属流U上の一箇所に、該溶融
金属流Uの周囲から斜め下方に噴射されるガスジェット
GJを吹き付けることにより、溶融金属を溶滴に分断し
て冷却液層15に供給する噴射ノズル43とを設け、さ
らに、横型筒体3の筒軸に略直交する面における、ガス
ジェットGJの噴射方向と冷却液層15の旋回方向Bと
の成す角θが鋭角となるように構成したことを特徴とす
る。
【0012】また、筒軸が横方向を向くように配置され
た横型筒体3と、この横型筒体3に、その内周面に沿っ
て旋回しながら筒軸方向一端側から他端側へと移動する
冷却液層15を形成する冷却液層形成手段と、下方に流
下する溶融金属流U上の一箇所に、該溶融金属流Uの周
囲から斜め下方に噴射されるガスジェットGJを吹き付
けることにより、溶融金属を溶滴に分断して冷却液層1
5に供給する噴射ノズル43とを設け、さらに、横型筒
体3の筒軸に略直交する面における、ガスジェットGJ
の噴射方向と冷却液層15の旋回方向Bとの成す角θが
鈍角となるように構成したことを特徴とする。
【0013】また、ガスジェットGJの交点部Oが、横
型筒体3の筒軸を通る鉛直方向の線分Eに対して水平方
向に位置ずれするように、噴射ノズル43をオフセット
配置したことを特徴とする。また、横型筒体3の筒軸を
通る鉛直方向の線分Eと、ガスジェットGJの交点部O
との水平方向の距離dが、冷却液層15の内径Dに対
し、 0.01≦d/D<0.50 であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1乃至図3は第1の実施
の形態を示し、図1に示すように、本実施の形態に係る
金属粉末製造装置1は、溶解炉2の下方側に、冷却用の
横型筒体3と、溶解炉2から横型筒体3内へと溶融金属
を案内する溶湯案内手段4とを配置して主構成されてい
る。
【0015】溶解炉2は、不活性雰囲気下とされた密閉
型炉室5を形成する炉体6を備えると共に、該炉室5内
に、るつぼ7と、該るつぼ7内に投入された原料金属を
加熱して溶解し該溶解状態を保持する高周波コイル8と
を備えて主構成されており、底部に、溶融金属9を鉛直
下方に向けて排出すべく、炉体6及びるつぼ7を貫通す
る溶湯排出孔10が形成されている。
【0016】冷却用の横型筒体3は、円筒状に形成さ
れ、その筒軸が横方向を向くように配置されていると共
に、該横型筒体3は筒軸方向一端側(図1では右側)か
ら他端側に向かうにしたがって下方に移行するように若
干傾斜状とされて、図外のフレーム等に取付固定されて
いる。なお、横型筒体3は、その筒軸が水平方向と一致
するように配置してもよい。
【0017】この横型筒体3の一端側開口は蓋体11に
よって密閉状に閉塞され、他端側は横型筒体3と一体の
閉塞壁12によって閉塞されている。この横型筒体3の
他端側下部には、該筒体3の内部空間に連通する冷却液
排出筒13が接続されており、この冷却液排出筒13の
筒軸は横型筒体3の筒軸と直交状とされている。前記横
型筒体3の内周面の一端側には、該筒体3の円周上の複
数箇所、図例では、最上位と最下位との二箇所の位置
に、冷却液供給孔14が貫通形成されている。これら供
給孔14は、それぞれ内周面に沿う接線方向に形成され
ていると共に、外部側に図示しない冷却液供給配管が接
続されており、この冷却液供給配管は冷却液タンクに接
続されている。
【0018】この冷却液供給配管に介装されたポンプを
作動させることによって、加圧された冷却液が、各供給
孔14から横型筒体3の内周面に沿って互いに同方向に
高速で噴射され、該噴射された冷却液は、このときの流
速に応じた遠心力の作用で、冷却用筒体9の内周面に沿
って周回する。そして、各冷却液供給孔14からの冷却
液の噴射を継続することによって、横型筒体3内に、そ
の内周面に沿って旋回しながら、一端側から他端側へと
移動する冷却液層15が形成される。つまり、供給孔1
4から噴射されて周回する冷却液は、これに続いて冷却
液供給孔14を通して噴射される冷却液(以下、後続冷
却液という)と合流する際、この後続冷却液に押しのけ
られて周回方向が変化することになるが、後続冷却液の
内側に入り込んで周回径が小さくなるような移動は、周
回速度に応じた遠心力によって抑えられる。したがっ
て、軸方向への移動を伴った周回方向の変化を生じるこ
とになるが、蓋体11側に向かう移動はこの蓋体11に
よって阻止され、この結果、横型筒体3の筒軸側に円柱
状の空間部16を形成した状態で、横型筒体3の内周面
に沿って旋回しながら、冷却液排出筒13側に軸方向に
移動する冷却液層15が形成される。
【0019】したがって、前記冷却液、冷却液供給孔1
4、蓋体11、ポンプ等によって冷却液層形成手段が構
成されている。また、横型筒体3の筒軸方向中途部に
は、冷却液層15の厚さ(横型筒体3径方向の深さ)を
調整する層厚調節手段17が設けられている。この層厚
調節手段17はリング体によって形成され、横型筒体3
の内周面に、径方向内方に突出状に取付固定されてい
る。この層厚調節手段17により冷却液の筒軸方向の移
動速度が抑えられ、この結果、前記層厚調節手段17の
突出寸法をやや超える厚さの略一定内径の冷却液層15
が、蓋体11側から層厚調節手段17にわたって形成さ
れる。
【0020】なお、層厚調節手段17を、その突出寸法
が異なるものに取り替えることによって、冷却液層15
の層厚を所望の層厚に調節することができる。冷却液供
給孔14を通して横型筒体3内に噴射された冷却液は、
前記のように冷却液層15を形成した後、層厚調節手段
17を越えて冷却液排出筒13へと流出し、この排出筒
13を通して図示しない遠心分離機等の脱液装置に送ら
れる。この脱液装置を通過した冷却液は、前記した冷却
液タンクに戻され、したがって、冷却液は冷却液タンク
と冷却用筒体9との間を循環させて使用される。冷却液
としては一般に水(水中の溶存酸素を除去したものが好
ましい)が使用されるが、油等の他の液体が使用される
場合もある。
【0021】前記溶湯案内手段4は一側が横型筒体3の
蓋体11を貫通して冷却液層15内の空間部16に挿入
状とされていると共に、この冷却液層15内の空間部1
6に挿入状とされている部分の下部側に、鉛直下方に溶
融金属を排出する出湯部が設けられている。横型筒体3
内には、ガスアトマイズノズルからなる噴射ノズル43
が設けられている。この噴射ノズル43は、溶湯案内手
段4の出湯部の下方に位置しており、溶湯噴出部分が、
下方に向けて指向していて冷却液層15に対して対向状
に配置されている。
【0022】噴射ノズル43は、前記溶湯ノズル40と
ガスジェットノズル44とから主構成されている。溶湯
ノズル40は溶湯案内手段4の出湯部に接続されてい
て、内部が溶融金属流Uを鉛直下方に排出する溶湯流路
45とされている。ガスジェットノズル44は、内部が
ガス室44aとされた中空状のリング形に形成され、サ
ポート部材48によって蓋体11に取付固定されている
と共に、中央の貫通孔49に溶湯ノズル40の下部が挿
通されており、溶湯ノズル40の下部がガス室44aに
よって囲われている。
【0023】このガスジェットノズル44には、ガス室
44aに不活性ガスを圧縮状に供給することによって、
該ガス室44aから図中矢印で示すガスジェットGJ
を、溶湯ノズル40の軸心と同軸の逆円錐状に吹き出さ
せるためのノズル孔50が形成されており、このガスジ
ェットGJは、溶湯ノズル40の下端部よりやや下側の
位置で交差した後、円錐状に拡がるように冷却液層15
に向けて噴射される。
【0024】したがって、ガスジェットGJは、溶湯ノ
ズル40から鉛直下方に流下する溶融金属流U上の一箇
所に、該溶融金属流Uの周囲から斜め下方に逆円錐状に
噴射されることとなり、溶湯ノズル40から鉛直下方に
排出された溶融金属流Uは、ガスジェットGJの交点部
Oに当たり、ここで溶滴に分断される。この溶滴は、前
記交点部Oから円錐状に拡がるガスジェットGJに乗っ
てその下側に運ばれ、冷却液層15に注入供給される。
注入された溶滴は、冷却液層15によってさらに分断さ
れ微細化されて急冷凝固し、非晶質金属粉末として形成
される。
【0025】このとき、前記交点部Oの下側には、これ
に近接して冷却液層15が形成されており、しかも、ガ
スジェットGJの下側領域における冷却液層15の内面
は、軸方向に直交する断面では横型筒体3の内周面と同
心の円弧状であるが、軸方向に沿う断面では、ガスジェ
ットGJの中心線に対してほぼ直交する面となってい
る。したがって、交点部Oで分断された溶滴はすぐに冷
却液層15に注入され、かつ、ガスジェットGJの交点
部Oから広がりを生じながら下方に向かう溶滴は、その
全体にわたって冷却液層15に達するまでの距離が互い
にほぼ同等になる。この結果、全体にわたる急冷速度の
ばらつきが小さく、これによって、品質の揃った非晶質
金属粉末を得ることができ、また、表面酸化膜や酸素・
水素などの含有量の小さな良質の金属粉末を得ることが
できる。
【0026】また、噴射ノズル43は、図3に示す横型
筒体3の筒軸に略直交する面において、ガスジェットG
Jの交点部Oが、横型筒体3の筒軸を通る鉛直方向の線
分Eに対して水平方向に位置ずれするように、前記線分
Eから水平方向右側にオフセット配置されている。これ
によって、第1の実施の形態では、横型筒体3の筒軸に
略直交する面における、ガスジェットGJの噴射方向と
冷却液層15の旋回方向Bとの成す角θ(溶滴の入射
角)が鋭角(図例では、45°〜90°)、となるよう
に構成されており、大部分の溶滴が冷却液層15の流れ
に逆らわないように注入される。
【0027】また、横型筒体3の筒軸を通る鉛直方向の
線分Eと、ガスジェットGJの交点Oとの水平方向の距
離dと、冷却液層15の内径Dとが、 0.01≦d/D<0.50 という関係になる位置に、噴射ノズル43が配置される
のが好ましい。前記のように冷却液層15中に形成され
た金属粉末は、冷却液と共に旋回しながら横型筒体3の
筒軸方向他端側へと移動し、層厚調節手段17を越えて
冷却液排出筒13内へと冷却液と共に排出されて、前記
脱液装置に送られる。この脱液装置にて金属粉末が冷却
液から分離され、この金属粉末はさらに乾燥装置により
乾燥されて回収される。一方、金属粉末が分離された冷
却液は前記した冷却液タンクに戻されて循環使用され
る。
【0028】また、ガスジェットGJの交点部Oから冷
却液層15までの距離を極力短くすることができ、これ
によって、ガスジェットGJによって分断された溶滴が
その表面に凝固殻を形成する前に冷却液層15に注入さ
れ、また、冷却液層15に対向状とされた噴射ノズル4
3から溶融金属が噴射されるので、衝突エネルギーを大
とすることができ、該衝突圧や遠心力によって、一様に
偏平状になった粉末が得られる。このような偏平状の粉
末は、例えばこれが軟磁気特性を有するものであれば、
各粉末の方向を揃えて圧粉成形することによって、反磁
界が小さく、この結果、透磁率の高い磁気特性に優れた
成形体を得ることができる。
【0029】図4は第2の実施の形態を示しており、同
図に示す横型筒体3の筒軸に略直交する面において、ガ
スジェットGJの交点部Oが、横型筒体3の筒軸を通る
鉛直方向の線分Eに対して水平方向に位置ずれするよう
に、前記線分Eから水平方向左側にオフセット配置され
ている。これによって、第2の実施の形態では、横型筒
体3の筒軸に略直交する面における、ガスジェットGJ
の噴射方向と冷却液層15の旋回方向Bとの成す角θ
(溶滴の入射角)が鈍角(図例では、90°〜135
°)、となるように構成されており、大部分の溶滴が冷
却液層15の流れに逆らうように注入される。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、筒軸が
横方向を向くように配置された横型筒体3によって、そ
の内周面に旋回流によって形成される横向きの冷却液層
15を形成し、下方に流下する溶融金属流U上の一箇所
に、該溶融金属流Uの周囲から斜め下方に噴射されるガ
スジェットGJを吹き付けることにより、溶融金属を溶
滴に分断して冷却液層15に供給する噴射ノズル43に
よって、溶融金属を冷却液層15に注入するよう構成さ
れているので、溶融金属を冷却液層15の内面に対して
大きな入射角で入射させることができ、これにより、溶
融金属と冷却液層15との衝突エネルギーが大となり、
溶融金属に十分な変形エネルギーを与えることができ、
反磁界係数の小さな偏平楕円体金属粉末を得ることがで
きる金属粉末製造装置を提供することができる。
【0031】また、噴射ノズル43から噴射される溶融
金属の全体に亘って、略同じ短い距離で該溶融金属を冷
却液層15に注入できるので、急冷度合の差に起因する
品質のばらつきが抑えられ、均質な非結晶急冷凝固粉末
を製造することができる。さらに、横型筒体3の筒軸に
略直交する面における、ガスジェットGJの噴射方向と
冷却液層15の旋回方向Bとの成す角θが鋭角または鈍
角となるように構成することによって、冷却液層15に
注入される溶滴の全般に亘って、冷却液層15との衝突
により溶滴が受ける冷却能と流体抵抗が略等しくなるた
め、得られる粉末の冷却速度の安定と形状の安定とが図
れ、粉末の特性のばらつきの少ない、均質な非結晶急冷
凝固粉末を製造することができる。
【0032】また、ガスジェットGJの交点部Oが、横
型筒体3の筒軸を通る鉛直方向の線分Eに対して水平方
向に位置ずれするように、噴射ノズル43をオフセット
配置することによって、横型筒体3の筒軸に略直交する
面における、ガスジェットGJの噴射方向と冷却液層1
5の旋回方向Bとの成す角θを、簡単に、鋭角または鈍
角とすることができる。
【0033】また、横型筒体3の筒軸を通る鉛直方向の
線分Eと、ガスジェットGJの交点部Oとの水平方向の
距離dを、冷却液層15の内径Dに対し、0.01≦d
/D<0.50とすることによって、冷却液層15に対
する溶滴の良好な入射角(横型筒体3の筒軸に略直交す
る面における、ガスジェットGJの噴射方向と冷却液層
15の旋回方向Bとの成す角θ)が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る金属粉末製造装
置を示す側面断面図である。
【図2】噴射ノズルの側面断面図である。
【図3】横型筒体の筒軸に略直交する面の断面図であ
る。
【図4】第2の実施の形態に係る金属粉末製造装置の、
横型筒体の筒軸に略直交する面の断面図である。
【図5】従来の金属粉末製造装置を示すものであって、
同図(a) は溶融金属供給容器を示す縦断面図、同図(b)
はこの溶融金属供給容器を用いた金属粉末製造装置の構
成を示す縦断面図である。
【図6】比較例に係る金属粉末製造装置の、冷却用筒体
の筒軸に略直交する面の断面概略図である。
【図7】比較例に係る金属粉末製造装置の側面断面図で
ある。
【符号の説明】
3 横型筒体 15 冷却液層 43 噴射ノズル GJ ガスジェット θ ガスジェットGJの噴射方向と冷却液層15の旋
回方向Bとの成す角

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒軸が横方向を向くように配置された横
    型筒体(3)と、この横型筒体(3)に、その内周面に
    沿って旋回しながら筒軸方向一端側から他端側へと移動
    する冷却液層(15)を形成する冷却液層形成手段と、
    下方に流下する溶融金属流U上の一箇所に、該溶融金属
    流Uの周囲から斜め下方に噴射されるガスジェット(G
    J)を吹き付けることにより、溶融金属を溶滴に分断し
    て冷却液層(15)に供給する噴射ノズル(43)とを
    設け、さらに、横型筒体(3)の筒軸に略直交する面に
    おける、ガスジェット(GJ)の噴射方向と冷却液層
    (15)の旋回方向(B)との成す角(θ)が鋭角とな
    るように構成したことを特徴とする金属粉末製造装置。
  2. 【請求項2】 筒軸が横方向を向くように配置された横
    型筒体(3)と、この横型筒体(3)に、その内周面に
    沿って旋回しながら筒軸方向一端側から他端側へと移動
    する冷却液層(15)を形成する冷却液層形成手段と、
    下方に流下する溶融金属流U上の一箇所に、該溶融金属
    流Uの周囲から斜め下方に噴射されるガスジェット(G
    J)を吹き付けることにより、溶融金属を溶滴に分断し
    て冷却液層(15)に供給する噴射ノズル(43)とを
    設け、さらに、横型筒体(3)の筒軸に略直交する面に
    おける、ガスジェット(GJ)の噴射方向と冷却液層
    (15)の旋回方向(B)との成す角(θ)が鈍角とな
    るように構成したことを特徴とする金属粉末製造装置。
  3. 【請求項3】 ガスジェット(GJ)の交点部(O)
    が、横型筒体(3)の筒軸を通る鉛直方向の線分(E)
    に対して水平方向に位置ずれするように、噴射ノズル
    (43)をオフセット配置したことを特徴とする請求項
    1又は2に記載の金属粉末製造装置。
  4. 【請求項4】 横型筒体(3)の筒軸を通る鉛直方向の
    線分(E)と、ガスジェット(GJ)の交点部(O)と
    の水平方向の距離dが、冷却液層(15)の内径Dに対
    し、 0.01≦d/D<0.50 であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の金
    属粉末製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017145495A (ja) * 2016-02-19 2017-08-24 セイコーエプソン株式会社 金属粉末製造装置
CN107096921A (zh) * 2016-02-19 2017-08-29 精工爱普生株式会社 金属粉末制造装置

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