JPH11269087A - 老化防止剤 - Google Patents

老化防止剤

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JPH11269087A
JPH11269087A JP10074248A JP7424898A JPH11269087A JP H11269087 A JPH11269087 A JP H11269087A JP 10074248 A JP10074248 A JP 10074248A JP 7424898 A JP7424898 A JP 7424898A JP H11269087 A JPH11269087 A JP H11269087A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤ピーマンの新規な用途を提供する。 【解決手段】 赤ピーマンおよび/またはその抽出物を
有効成分とする老化防止剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、老化防止剤に関
し、詳しくは、赤ピーマンおよび/またはその抽出物を
有効成分として含有する老化防止効果に優れた老化防止
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】赤ピーマン(Capsicum annum L.)は、
なす科トウガラシ属に属する植物で、果実を食用とする
ために栽培されている。しかしながら、これまでに赤ピ
ーマンの薬剤効果についての報告はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、赤ピーマン
の新規な用途を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、赤ピーマンが、
毛髪や皮膚の老化等の外見に現れる老化の進行を抑制す
る作用や、老化による学習・記憶能力の衰退を抑制する
作用を有することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち本発明は、赤ピーマンおよび/ま
たはその抽出物を有効成分として含有する老化防止剤で
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の老化防止剤が含有する赤ピーマンについ
て説明する。
【0007】(1)本発明に用いる赤ピーマン 本発明の老化防止剤に用いられる赤ピーマンは、通常に
は、熟した果実の部分である。
【0008】上記赤ピーマンの果実は、赤ピーマンを通
常の方法により栽培することにより得られる。また、赤
ピーマンの果実は、日本国内外で販売されているので、
これを本発明に用いることも可能である。
【0009】この様にして得られる赤ピーマンの果実に
は、毛髪や皮膚の老化等の外見に現れる老化の進行を抑
制したり老化による学習・記憶能力の衰退を抑制する等
の老化を防止する作用を有する物質が含まれており、こ
れをそのまま使用してもよいが、通常は、これを処理し
て、具体的には、破砕、摩砕、濃縮、乾燥、凍結乾燥等
の操作やこれらを組み合わせた操作により処理して、得
られる破砕物、摩砕物、濃縮物、乾燥物、凍結乾燥物等
の処理物やこれらの混合物を本発明の老化防止剤に用い
る。本発明において赤ピーマンとは、赤ピーマンの果実
に加えて、上記の様な処理物を含む概念で用いられる。
【0010】本発明においては、さらに、上記赤ピーマ
ンの果実やこれらの処理物を抽出処理することで前記老
化防止作用を有する物質を抽出物に含有するかたちで取
り出して、これを本発明の老化防止剤に配合してもよ
い。また、前記赤ピーマン抽出物を濃縮、乾燥等して得
られる濃縮物や乾燥物やこれらの混合物も本発明におけ
る抽出物に含まれる。
【0011】赤ピーマンの抽出処理は、連続式、バッチ
式等の方法で、一般的な方法により、任意の時間、冷浸
または温浸することで行うことが可能である。例えば、
上記赤ピーマンの果実を細切後、抽出溶媒に室温にて1
〜50時間、穏やかに撹拌しながら抽出し、濾過または
遠心分離して抽出液を得る。さらに、抽出残渣について
前記同様の抽出操作を2〜3回繰り返しこれらの抽出液
を合わせる。得られた抽出液を減圧あるいは限外濾過等
で濃縮して濃縮物とすることも可能である。さらに、必
要に応じて溶媒を完全に除去して乾固するかまたは凍結
乾燥させてもよい。
【0012】上記抽出に用いる溶媒としては、有機溶媒
が利用可能であり、特に、メタノール、エタノール等の
アルコール類が好ましい。
【0013】次に、上記赤ピーマンおよび/またはその
抽出物を含有する本発明の老化防止剤について説明す
る。
【0014】(2)本発明の老化防止剤 本発明の老化防止剤は、上記赤ピーマンおよび/または
その抽出物を有効成分として含有する。本発明の老化防
止剤は、上記赤ピーマンおよび/またはその抽出物を含
有することにより、毛髪や皮膚の老化等の外見に現れる
老化の進行を抑制したり老化による学習・記憶能力の衰
退を抑制する等の老化を防止する作用を有する。
【0015】本発明の老化防止剤は有効成分である赤ピ
ーマンおよび/またはその抽出物のみで構成されてもよ
いし、また、剤形等を考慮して各種担体を構成成分とし
て含んでもよい。ここで、本発明の老化防止剤の剤形は
特に制限されない。
【0016】また、本発明の老化防止剤を、さらに、各
種用途に応じて本発明の効果を損なわない範囲で各種任
意成分と組み合わせて組成物、例えば、老化防止効果を
有する医薬組成物や食品組成物等とすることができる。
【0017】本発明の老化防止剤を用いて医薬組成物を
作製する場合、上記任意成分としては、一般に製剤上許
容される無機または有機の一種、あるいは数種のベヒク
ル、坦体、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、防腐剤、
安定剤、湿潤剤、乳化・可溶化・分散剤、pH調整剤、
等張剤、甘味剤、芳香剤、着色剤等を挙げることができ
る。医薬組成物の剤形は、特に限定されないが、その組
成が投与経路、投与計画等によって決定され、例えば、
散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁剤、乳剤、液剤
等、通常用いられている各種剤形に、従来公知の技術を
用いて製剤化することが可能である。投与形態として
は、経口投与が挙げられる。
【0018】製剤化について具体的には、固形製剤を製
造する際には、上記老化防止剤と共に、コーンスター
チ、ゼラチン等の結合剤、炭酸カルシウム、微晶性セル
ロース等の賦形剤、デンプン、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム等の崩壊剤、タルク等の滑沢剤、乳糖、
ショ糖等の甘味剤等を配剤することで散剤、錠剤、顆粒
剤、錠剤、カプセル剤とすることができる。また、乳
剤、懸濁剤、液剤等の液体製剤の場合には、担体とし
て、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば、水や
植物油等を用いることができる。液体製剤には、上記不
活性な希釈剤以外に湿潤剤、乳化・可溶化・分散剤、p
H調整剤、等張剤、甘味剤、着色剤、防腐剤、安定剤等
を配合してもよい。更に、この様な液体製剤をゼラチン
のような吸収され得る物質のカプセル中に含ませて製剤
化することもできる。
【0019】また、本発明の老化防止剤を用いて食品組
成物を作製する場合、本発明の老化防止剤を、種々の食
品へ、食品で通常用いられる任意成分と共に配合するこ
とができる。この様な食品組成物として、例えば、クラ
ッカー、ケーキ、クッキー、ゼリー等の菓子類やジュー
ス、野菜飲料、アルコール飲料等のドリンク類、パン等
の主食、ソース類、ケチャップ等の調味料等が挙げられ
る。
【0020】また、上記食品組成物は、健康食品、健康
飲料として通常用いられている各種形態、例えば、散
剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、液剤等も含むものであ
り、これらの製剤化に際しては、本発明の老化防止剤と
ともに、各種賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯
臭剤、増量剤、被覆剤等の通常、健康食品、健康飲料の
製剤化に用いられる任意成分を任意の量、配合すること
が可能であり、これらは、有効成分として本発明の老化
防止剤を配合する以外は、上記製剤を一般に製造する方
法と同様の製法で製造することができる。
【0021】赤ピーマンおよび/またはその抽出物が老
化防止作用を示す理由は明らかではないが、老化現象の
進行には活性酸素が関与しているとの説もあることか
ら、赤ピーマンに含まれる抗酸化作用を持つカロテノイ
ドが老化防止作用に関わっている可能性がある。特に、
赤ピーマンに特徴的なカロテノイドであるカプサンチン
は構造の中に水酸基を含むことから、経口で摂取した場
合、リコペンやβ−カロテンに比べ吸収性に優れている
と考えられるので、赤ピーマンを摂取した個体において
その抗酸化作用が発現して老化を防止した可能性もある
と推測される。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0023】
【実施例1】 赤ピーマンペーストの凍結乾燥粉末の製
造赤ピーマン果実を磨砕して得たペーストを凍結乾燥
し、ミキサーにて粉末化し、凍結乾燥粉末として老化防
止剤を得た。
【0024】<本発明の老化防止剤の評価>実験動物と
して、生理的に進行する発育・発達・成熟・老化のうち
普通のマウスと比較して老化のみが早期に現れかつ不可
逆的に進行する、老化促進モデルマウス(SAM)を用
い、以下の方法に従って、上記実施例で得られた老化防
止剤を配合した飼料を前記マウスに摂取させたときの、
外見の老化度の進行を防止する効果や、学習・記憶能力
の衰退を防止する効果を調べることにより、本発明の老
化防止剤の評価を行った。
【0025】(1)飼料の調製 実験には、対照飼料として、表1の対照飼料欄に組成を
示すオリエンタル酵母(株)製のOYC改変AIN93
−G粉末飼料を用いた。また、この対照飼料のコーンス
ターチの一部を、表1に示す様に上記実施例で得られた
老化防止剤に置き換えて、試験飼料を調製し、実験に用
いた。
【0026】
【表1】 表中、ミネラル混合(AIN-93M)、ビタミン混合(AIN-9
3-VX)は、それぞれオリエンタル酵母(株)製のミネラ
ル組成物、ビタミン組成物である。
【0027】(2)老化促進モデルマウスの飼育実験 上記で調製した各飼料を用いてマウスの飼育を行った。
飼育実験には、老化促進モデルマウス(SAM)のうち
でも、特に学習・記憶能力が早期に減退するSAMP8
系統(以下、P8系マウスという)と、その対照である
(老化の進行が通常のマウスと同程度である)SAMR
1系統(以下、R1系マウスという)を用いた。なお、
P8系マウスでは、外見の老化についても通常のマウス
に比べて早期に起こることが知られている。
【0028】R1系マウス、P8系マウスのそれぞれ
を、誕生後3週間母親と同居させた後、離乳し雌雄分け
して、誕生からほぼ6週齢までは通常の飼料(日本クレ
ア(株)製、CE−2)で飼育した。誕生後6週齢から
雄のみを用いて上記各飼料による飼育実験を開始した。
なお、試験飼料を摂取させる3日前から対照飼料を与え
た。
【0029】用いたマウスと飼料の組合せを表2に示
す。R1系マウス4匹には対照飼料を供与してR1対照
群(正対照)とした。P8系マウスは2群に分け、その
うちの1群(4匹)には対照飼料を供与してP8対照群
(負対照)とした。P8系マウスの残りの群(4匹)に
は、上記で得られた試験飼料をそれぞれ供与して、これ
らをそれぞれP8試験(P8赤ピーマン)群とした。P
8系マウスに関しては、各飼料摂取群間で平均体重にな
るべく差がでないように群分けをおこなった。なお、群
分けに際しては、ある特定の親から産まれた仔が特定の
群に偏らないように考慮した。
【0030】飼育実験は、温度(24±2℃)と湿度
(50±20%)とを一定に保ち、1ケージ(175×
245×125mm)中に2個体の条件で、3ヶ月間行
った。照明は12時間周期で点灯と消灯を繰り返した
(明期:6:00〜18:00)。また、飼料と飲用水はともに
自由摂取とした。
【0031】
【表2】
【0032】ここで、上記飼育実験において、各マウス
群間で体重および飼料摂取量に概ね差がないことを確認
するために、体重と飼料摂取量を、飼育実験期間中1週
間に2回以上測定した。飼料摂取量は、各ケージごとに
餌壺の重量を測定して求めた。
【0033】3ヶ月間にわたる飼育実験期間における各
マウス群の体重の平均値の変化を標準偏差とともに図1
に示す。なお、R1対照群では、1個体の脱落があった
ため、64日以降は、3匹の平均と標準偏差を示してい
る。また、飼育実験期間における各マウス群の飼料摂取
量(g/日/マウス)の平均値を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】図1から、R1対照群がP8系の2群と比
較して飼育実験中の体重増加が顕著であったことがわか
るが、この差はマウスの系統間の差として既に知られて
いるものであり、この飼育実験に特異的なものではない
といえる。また、P8系の2群間ではその体重変化に差
は認められず、これより、この飼育実験において各飼料
がマウスの成長を著しく促進したり阻害したりする作用
は示さなかったといえる。また、飼料摂取量について
は、P8試験(P8赤ピーマン)群の飼料摂取量が他の
群のそれと比較してやや少ない傾向が認められたが、こ
れはβ−コーンスターチの替わりに添加した赤ピーマン
ペースト凍結乾燥粉末に糖が含まれていたことに起因す
ると考えられる。
【0036】(3)老化防止効果の評価 上記老化促進モデルマウスの飼育実験を通して、上記各
マウス群の外見の老化度と、学習・記憶能力の衰退の度
合いを以下の方法で測定して各群間で比較することによ
り、本発明の老化防止剤を評価した。
【0037】1)外見の老化度に基づく老化防止効果の
評価 上記飼育実験期間中に、マウスの外見に現れる老化の度
合いを評価する評価項目として、マウスをゲージから出
した直後の行動(reactivity)、真上から手で捕獲を試
みた際の反応(passivity)、毛艶(glossiness)、毛
と皮膚の荒れ具合(coarseness)、脱毛の程度(loss o
f hair)、皮膚のただれ(瘢痕も含む)(ulcer of the
skin)、目の周辺のただれ(periophthalmic lesio
n)、角膜の濁り(cornear opacity)、角膜の傷(corn
ear ulcer)、網膜の濁り(白内障)(cataract)、背
骨の屈曲度(lordokyphosis)の11項目を設定し、上
記各マウス群について、各評価項目ごとに老化の度合い
を以下の基準により判定し、得られた11項目の評点を
合計して老化度評点とした。なお、上記外見の老化度の
測定は、飼育実験開始から2ヶ月目および3ヶ月目に行
った。
【0038】(判定基準) a)マウスをゲージから出した直後の行動(reactivit
y) 0点 : 自分のテリトリーを確認するために動き回る。 1点 : つま先立ち(チョコチョコ歩き)または興奮状
態。 2点 : ゆっくり、のそのそと動く。 3点 : 動かない。お尻を押すと動き出す。 4点 : 全く動かない。
【0039】b)真上から手で捕獲を試みた際の反応
(passivity) 0点 : 力強く、すっと逃げる。 1点 : 逃げ方が遅い。 2点 : 逃げない。首を掴んで仰向けにすると寝返る。 3点 : 仰向けにしても寝返らないが、足を掴んでぶら
下げるともがく。 4点 : 足を掴んでぶら下げても逃げようとしない。
【0040】c)毛艶(glossiness) 0点 : 真白でピカピカ健康なヤングアダルトな状態。 1点 : 毛にあまり艶がない状態。 2点 : はっきりと艶がない状態。ただし、毛は清潔。 3点 : 毛に艶がなく、汚れがある状態。 4点 : 非常に汚れきった状態。
【0041】d)毛と皮膚の荒れ具合(coarseness) 0点 : 毛玉が全くないスベスベ状態。 1点 : 頭や目のあたりがゴワゴワしている。 2点 : 肩のあたりまでゴワゴワしている。 3点 : 背中にまでゴワゴワが達している。 4点 : お尻まで以上にゴワゴワの症状が広がってい
る。
【0042】e)脱毛の程度(loss of hair) 0点 : 脱毛が全くない。 1点 : 毛のない部分が頭の大きさ程度。または毛の薄
い面積が背中全体の半分以下。 2点 : 毛のない部分が背中全体の1/4以下。または毛
の薄い部分が背中全体の1/2より多い。 3点 : 全く毛のない部分が背中全体の1/4より多く1/2
以下。 4点 : 全く毛のない部分が背中全体の1/2より多い。
【0043】f)皮膚のただれ(瘢痕も含む)(ulcer
of the skin) 0点 : 皮膚のただれが全くない。 1点 : 瘢痕や痂痕が観察される。 2点 : 赤くズルズルにただれている部分が頭の面積以
下。 3点 : 赤くズルズルにただれている部分が全身の1/4
以下。 4点 : 赤くズルズルにただれている部分が全身の1/4
より多い。
【0044】g)目の周辺のただれ(periophthalmic l
esion) 0点 : 目の周辺のただれが全くない。 1点 : 瞼が腫れていたり眼が閉じてしまっている。ま
たは目の周囲にのみただれあり。 2点 : ただれや瘢痕が鼻先まで広がってしまってい
る。 3点 : 症状が顔全体にまで広がってしまっている。
【0045】h)角膜の濁り(cornear opacity) 0点 : 角膜の濁りが全くない。 1点 : 虹彩が見える。 2点 : 虹彩が見えにくい。ただし、網膜反射光(黄金
色)はある。 3点 : 網膜反射光がない。
【0046】i)角膜の傷(cornear ulcer) 0点 : 角膜に傷が全くない。 1点 : 瞼のところに線条傷。 2点 : 症状が角膜にだいぶ現れている。ただし、網膜
反射光はある。 3点 : 殆ど角膜全体に症状が広がっている。網膜反射
光がない。
【0047】j)網膜の濁り(白内障)(cataract) 0点 : 白濁なし。網膜反射光あり。 1点 : 網膜反射光はやや減弱している。 2点 : 網膜反射光がない。
【0048】k)背骨の屈曲度(lordokyphosis) 0点 : 背中を撫でたときひっかかりが全くない。 1点 : 優しく撫でるとひっかかるが、強く撫でればな
くなる。 2点 : 強く撫でてもひっかかりはなくならないが、尻
尾を引っ張ればなくなる。 3点 : どうしてもひっかかりが消えない。
【0049】実験開始から2ヶ月目および3ヶ月目の、
各マウス群毎の個体別老化度評点およびその平均値を表
4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】試験開始時にはどの群も老化度評点は0で
あったが、加齢とともに数値は上昇し、試験終了時(3
ヶ月目)には最も老化度の高い個体の評点は8になっ
た。試験群ごとに比較すると、2ヶ月目においては、P
8対照群がP8試験(P8赤ピーマン)群とR1対照群
よりも高い老化度を示す傾向が見られた。3ヶ月目では
P8対照群が他の2群よりも高い老化度を示した。これ
は、主に毛艶とケージの外に出した時の行動の差に起因
していた(P8対照群では、ケージの外に出しても探索
行動を行わなかったり、捕獲を試みた時に逃げなかった
りした個体があった。)。
【0052】2)学習・記憶能力の衰退の度合いに基づ
く老化防止効果の評価 上記各マウス群の学習能力および記憶能力を調べるため
に、ステップスルー式行動測定装置を用いた受動回避試
験を行った。
【0053】試験装置 試験には、UGO BASILE社(VA,Italy)の受動回避装置
(PASSIVE AVOIDANCE APPARATUS)を用いた。この装置
は暗室(222×210×212)と明室(110×2
10×212)とからなり、両室は壁で隔てられてお
り、その隔壁には両室を結ぶ左右にスライドして開く約
7cm四方の扉がある。両室を隔てる壁の下を支点とし
て、床は金属のスノコ状のシーソーになっており、明室
側に入れた動物が暗室側に移動してシーソー(床)が傾
くと、床の金属棒に任意の強度の電流が流れ、刺激が与
えられる。与える刺激の強さは電流の強度(0.0〜
2.0mA)と電流を流す時間(持続時間:0〜9秒)
とで決定することができる。
【0054】受動回避試験 マウスは上記の様な装置において明室に入れられると暗
室側に移動する習性を持っている。そこで、上記装置を
用いて明室に入れたマウスが暗室に移動して床が傾いた
ときに電気刺激を与える操作を繰り返せば、マウスは明
室側に留まることを学習する。また、上記電気刺激を中
止すれば時間の経過とともに学習の記憶を喪失し、明室
に入れられてもそこに留まることなく暗室側に移動す
る。
【0055】この様なマウスの行動を利用して、3カ月
間飼育実験を行った上記各マウスについて上記試験装置
を用いて表5に示すスケジュールと電気刺激の強度で受
動回避試験を、学習獲得の過程において最初の4回、続
いて記憶喪失の過程において2回の合計6回行い、学習
獲得や記憶喪失の様子を観察、評価した。
【0056】与えた電気刺激の強度は、1.2mA、3
秒とした。潜時の打ち切り時間は5分とし、明室側に5
分間留まった場合は試験をそこで打ち切った。また、暗
室側にマウスが移動した時点で試験は打ち切った。5回
目および6回目の試行は、上記で学習した記憶を喪失す
る様子を観察するための無刺激の試験であった。
【0057】
【表5】
【0058】評価方法 受動回避試験の評価のために、各試行において、試験時
間中に明室側に継続して留まった時間をステップスルー
潜時として測定した。このステップスルー潜時は最大を
300秒として、それ以上留まってもステップスルー潜
時は一定の300秒とした。各試行毎に得られたステッ
プスルー潜時の測定値を各群毎に平均し、その変化の過
程を各群間で比較する方法により学習獲得、記憶喪失の
評価を行った。
【0059】結果 上記受動回避試験で測定された各個体のステップスルー
潜時(秒)の結果(平均および標準誤差)を図3に示
す。なお、図3の横軸は試行開始日を第1日とした日数
を示し、図中のエラーバーは標準誤差を示すものであ
る。
【0060】記憶獲得の評価では、P8対照群に対しP
8試験(P8赤ピーマン)群は、記憶獲得が早く、正常
老化として用いたR8対照群と同様なパターンを示し
た。また、記憶の喪失を評価した8および9日目の結果
では、P8対照群が9日目にほとんど記憶が保持されて
いない結果を示したのに対し、P8試験群は、R8対照
群より保持程度は劣るが、9日目においても記憶が保持
されていることが分かった。
【0061】以上の結果より、本発明の老化防止剤は、
外見の老化の進行を抑制する効果や老化による学習獲得
や記憶保持に関する能力の衰退を抑制する効果を有する
ことが明らかである。
【0062】
【発明の効果】本発明は、赤ピーマンの新規な用途とし
て、赤ピーマンおよび/またはその抽出物を配合する老
化防止剤を提供するものであり、前記老化防止剤は、外
見の老化の進行を抑制したり、老化による学習獲得や記
憶保持に関する能力の衰退を抑制する等の老化防止効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 飼育実験期間中の各マウス群の体重の平均値
の変化を標準偏差とともに示すグラフである。
【図2】 飼育実験における各マウス群の老化度評点の
平均値と標準偏差を示すグラフである。
【図3】 受動回避試験における各マウス群のステップ
スルー潜時の平均値の変化を標準偏差とともに示すグラ
フである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤ピーマンおよび/またはその抽出物を
    有効成分として含有する老化防止剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003095930A (ja) * 2001-09-20 2003-04-03 Kagome Co Ltd 抗肥満剤

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