JPH11268945A - セメント硬化体の製造方法 - Google Patents

セメント硬化体の製造方法

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JPH11268945A
JPH11268945A JP7095798A JP7095798A JPH11268945A JP H11268945 A JPH11268945 A JP H11268945A JP 7095798 A JP7095798 A JP 7095798A JP 7095798 A JP7095798 A JP 7095798A JP H11268945 A JPH11268945 A JP H11268945A
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JP
Japan
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cement
water
powder
active powder
calcium
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JP7095798A
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Makoto Kitamura
真 北村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化速度が速く、得られたセメント硬化体の
耐久性及び寸法安定性に優れたセメント硬化体の製造方
法を提供する。 【解決手段】 結晶水を含有するアルミニウム化合物に
0.5〜30kwh/kgの機械的エネルギーを印加さ
せて得られる粉体(A)、水に溶解性のあるカルシウム
化合物よりなる粉体(B)及びセメント(C)からなる
セメント組成物に、炭酸イオン又は炭酸水素イオンを含
有する水(D)を混練して、硬化させることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化速度が速く、
得られたセメント硬化体の耐久性や寸法安定性に優れた
セメント組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セメントを用いて工事を行う場合に於い
ては、工期の短縮を図るために、凝結速度、硬化速度が
共に速い速硬化性に優れたセメントが求められている。
特に、市街地に於ける道路工事や鉄道、航空関係設備の
補修等の緊急工事に於いては、工期の短縮を図ることは
重要である。又、セメントからなる工業製品を製造する
工場に於いても、出荷までの期間の短縮、養生設備の簡
略化等を図るために、速硬化性に優れたセメントが望ま
れている。
【0003】特開昭47−34519号公報には、エト
リンガイトを早期に形成することにより優れた速硬化性
を発揮する超速硬性セメントが開示されている。このよ
うな超速硬性セメントは、例えば、ジェットセメントの
商品名で秩父小野田社から市販されている。
【0004】しかしながら、エトリンガイトは、形成時
に膨張性を有すること、エトリンガイト中の結晶水が通
常のセメント水和物中の結晶水に比べて低温で脱離しや
すいこと、未水和のカルシウムアルミネートと反応して
強度発現性の低いモノサルフェート水和物に変化するこ
と等の特性を有する。このため、エトリンガイトを含む
セメント硬化体は、耐久性や寸法安定性に問題があっ
た。
【0005】更に、上記超速硬化性セメントは、成形等
の作業時間を確保するために、クエン酸ナトリウムなど
の凝結遅延剤の添加が必要となり、その添加量が適切で
ない場合には、硬化速度や長期強度に悪影響を及ぼして
しまう欠陥があった。
【0006】又、エトリンガイトを形成しない方法で、
硬化速度を速める方法としては、例えば、特開平8−9
1831号公報に、アルミニウムを含有する粘土鉱物と
消石灰とを混合し、この混合物に機械的エネルギーを印
加することにより得られるカルシウムアルミネートをセ
メントに添加する方法が開示されている。
【0007】しかしながら、上記セメントは凝結速度は
著しく速いが、硬化速度に関してはエトリンガイト系
(ジェットセメント)のものに較べて、かなり遅いとい
う問題点があった。
【0008】ところで、セメントの硬化反応のような液
相中のカルシウムイオンやアルミニウムイオンを利用し
た固液反応に於いては、液相中の両者のイオンの量を最
適に制御することで反応を促進することができる。従っ
て、セメントの硬化速度を増大させるためには、アルミ
ニウムイオンやカルシウムイオンの溶解性が制御された
活性粉体をセメントに添加することが有効である。又、
セメント硬化体の耐久性、寸法安定性を阻害しないため
には、硬化過程でエトリンガイト水和物を生成させず
に、これに代わるカルシウムアルミネート系水和物の生
成が必要となる。
【0009】エトリンガイト水和物以外のカルシウムア
ルミネート水和物としては、Inorganic Ma
terials,Vol.2,No.258,375−
382(1995)に於いて、モノカーボネート水和物
の生成が報告されているが、速硬化性やセメント硬化体
の耐久性に関する報告はまだなされていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、硬化速度が速く、得られたセメント硬化体の耐久性
及び寸法安定性に優れたセメント硬化体の製造方法を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のセメント硬化体
の製造方法は、結晶水を含有するアルミニウム化合物に
0.5〜30kwh/kgの機械的エネルギーを印加さ
せて得られる粉体(A)、水に溶解性のあるカルシウム
化合物よりなる粉体(B)及びセメント(C)からなる
セメント組成物に、炭酸イオン又は炭酸水素イオンを含
有する水(D)を混練して、硬化させることを特徴とす
る。
【0012】本発明に使用されるセメント組成物は、結
晶水を含有するアルミニウム化合物に0.5〜30kw
h/kgの機械的エネルギーを印加させて得られる粉体
(A)〔以後、単に、活性粉体(A)と記すことがあ
る)、水に溶解性のあるカルシウム化合物よりなる粉体
(B)〔以後、単に、活性粉体(B)と記すことがあ
る)及びセメント(C)からなるセメント組成物からな
る。
【0013】活性粉体(A)に於いて、結晶水を含有す
るアルミニウム化合物としては、特に限定されず、例え
ば、水酸化アルミニウム〔Al(OH)3 〕;カオリナ
イト、モンモリロナイト、ハロサイト、パイロフィライ
ト等のアルミニウムを含有する粘土鉱物等が挙げられ、
これらのうち、アルミニウム濃度が高く、少量の添加で
優れた速硬化性が得られる点で、水酸化アルミニウム、
カオリナイトが好適に用いられる。結晶水を含有するア
ルミニウム化合物の平均粒径は、特に限定されず、機械
的エネルギーの有効利用の観点から、0.1〜500μ
mが好ましく、より好ましくは、0.1〜100μmで
ある。
【0014】上記機械的エネルギーとしては、特に限定
されず、例えば、圧縮力、せん断力、衝撃力等によるエ
ネルギーが挙げられる。機械的エネルギーを印加させる
方法としては、特に限定されず、粉砕を目的として一般
的に使用されている粉砕装置を用いて行うことができ
る。粉砕装置としては、例えば、衝撃、摩擦、圧縮、せ
ん断等が複合したボールミル、振動ミル、遊星ミル、媒
体攪拌型ミル等のボール媒体ミル;ローラーミル;乳鉢
等が挙げられる。又、衝撃、摩砕が主であるジェット粉
砕機を使用することも可能である。これらのうち、機構
的に原料粉体に有効に機械的エネルギーを付与すること
が可能であるので、ボール媒体ミルが好ましい。
【0015】機械的エネルギーを印加させるに際して
は、セメントクリンカー、珪砂、石灰石等の粉砕時に通
常使用される粉砕助剤を使用することが好ましい。上記
粉砕助剤としては、特に限定されず、例えば、メチルア
ルコール等のアルコール類;トリエタノールアミン等の
エタノールアミン類等の液体系のもの;ステアリン酸ナ
トリウム、ステアリン酸カルシウム等の固体系のもの;
アセトン蒸気等の気体系のもの等が挙げられる。
【0016】機械的エネルギーは、0.5〜30kwh
/kgが必要で、好ましくは、1.0〜10kwh/k
gである。0.5kwh/kg未満であると、得られる
活性粉体のアルミニウムイオンの溶解性が低くなり、セ
メント組成物の硬化速度が不充分となる。又、30kw
h/kgを超えると、粉砕装置へ過大な負荷を与え、媒
体としてのボールや容器の激しい磨耗によって、活性粉
体(A)を汚染し、更に、これが凝集して粒子を粗大化
するので、コスト、生産性の面で不利益を招く。
【0017】機械的エネルギーは、上記アルミニウム化
合物を粉砕装置中に投入して実際に運転したときに粉砕
装置が消費する全電力量から、粉砕装置やボール媒体自
体の運動や回転によって消費される電力量を差し引いた
電力量であって、該結晶水を含有するアルミニウム化合
物(1kg)にのみ作用されたと考えられる電力量を示
したものである。ここで、上記粉砕装置やボール媒体自
体の運転や回転によって消費される電力量は、上記アル
ミニウム化合物を投入しないこと以外は投入する場合と
同一の条件で粉砕装置を運転した場合の消費電力量に等
しい。
【0018】活性粉体(B)に於いて、水に溶解性のあ
るカルシウム化合物としては、特に限定されず、例え
ば、工業原料として一般的である水酸化カルシウム〔消
石灰、Ca(OH)2 〕、酸化カルシウム(生石灰、C
aO)、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、シュウ酸カ
ルシウム、セメント、アルミナセメントなどが挙げら
れ、これらの中で、陰イオンがセメントの水和反応を阻
害しない水酸化カルシウム、酸化カルシウムが好適に用
いられる。上記カルシウム化合物の粉体の平均粒径は、
特に限定されず、セメントへ添加したときの分散性、水
への溶解性の観点から、0.1〜100μmが好まし
い。
【0019】セメント(C)としては、特に限定され
ず、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトラ
ンドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポ
ルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等
のポルトランドセメント;高炉セメント、シリカセメン
ト、フライアッシュセメント等の混合セメント;白色ポ
ルトランドセメント、セメント系固化材、アルミナセメ
ント等の特殊セメント等が挙げられる。これらのうち、
安価で品質が安定しているので、普通ポルトランドセメ
ントが好適に用いられる。
【0020】活性粉体(A)、活性粉体(B)及びセメ
ント(C)の割合は、特に限定されないが、良好な硬化
速度と優れた耐久性を得るためには、〔活性粉体(B)
に含まれるカルシウム原子数/活性粉体(A)に含まれ
るアルミニウム原子数〕の比、即ち、(Ca/Al)の
モル比が0.1〜10であることが好ましく、更に好ま
しくは、0.5〜5である。モル比は0.1未満の場合
は、充分な凝結速度、硬化速度が得られず、10を超え
ると、充分な作業性が得られない内に、硬化が開始す
る。
【0021】活性粉体(A)、活性粉体(B)及びセメ
ント(C)の混合割合は、特に限定されないが、セメン
ト(C)100重量部に対し、活性粉体(A)と活性粉
体(B)との混合物が1〜100重量部であることが好
ましく、より好ましくは、3〜50重量部である。1重
量部未満の場合は、セメント(C)に混合する効果が認
められず、充分な凝結速度、硬化速度が得られない。
又、100重量部を超えると、充分な作業性が得られな
い内に、硬化が開始するので問題である。
【0022】活性粉体(A)、活性粉体(B)及びセメ
ント(C)を乾式混合してセメント組成物を得る方法と
しては、これらが相互に均一に分散できれば、特に限定
されず、例えば、オムニミキサー、アイリッヒミキサー
等が好適に使用できる。
【0023】上記セメント組成物には、活性粉体
(A)、活性粉体(B)及びセメント(C)以外に各種
セメント配合材、セメント混和剤などが添加されても構
わない。セメント配合材は、増量、強度向上などのため
に配合され、例えば、砂利、珪砂、炭酸カルシウムなど
の骨材;ガラス繊維、炭素繊維、ビニロン、木繊維など
の有機又は無機繊維;フライアッシュ、シリカヒュー
ム、ワラストナイトなどの充填剤等が挙げられる。又、
セメント混和剤は、作業性を向上させるために添加さ
れ、凝結遅延剤、減水剤、高性能AE剤、流動化剤等が
挙げられる。
【0024】本発明の製造方法は、上述のように作製さ
れたセメント組成物に、「炭酸イオン又は炭酸水素イオ
ンを含有する水(D)」〔以後、単に、イオン溶解水
(D)と記すことがある〕を混練して、硬化させること
を特徴とする。
【0025】上記イオン溶解水(D)は、炭酸イオン
(CO3 --)又は炭酸水素イオン(HCO3 - )を含有
し、両者のイオン又は両者にいずれか一方のイオンを含
有する水である。両者のイオンの濃度は、特に限定され
ず、好ましくは、0.1〜10モル/リットル、更に好
ましくは、0.5〜5モル/リットルである。イオン濃
度が上記の範囲にあると、熱的に安定なモノカーボネー
トが多く生成されるので、耐久性、寸法安定性の優れた
セメント硬化体になる。上記イオン濃度が0.1モル/
リットル未満の場合は、セメント硬化体中に生成する水
和物がカルシウムアルミネート水和物になり、熱安定性
が低いため、得られるセメント硬化体の耐久性が乏しく
なる。又、10モル/リットルを超えると、セメントの
水和反応が阻害され、得られるセメント硬化体の中性化
や炭酸化が起こり、所望の長期強度が得られない。
【0026】イオン溶解水(D)を得る方法としては、
特に限定されず、例えば、水溶性の炭酸塩又は炭酸ガス
を水に溶解する方法などが挙げられる。水溶性の炭酸塩
としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸
アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙げられ、
これらの少なくとも1種が使用できる。これらの中で、
工業原料として安価であるため、炭酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウムが好適に使用できる。
【0027】セメント組成物にイオン溶解水(D)を注
水し、混合・混練して、セメント硬化性組成物を得る方
法としては、該組成物にイオン溶解水(D)を均一に分
散させることができれば、特に限定されず、例えば、ア
イリッヒミキサー、オムニミキサー、ヘンシェルミキサ
ー等の一般的なミキサー、ニーダー類が好適に使用でき
る。
【0028】又、上記の混合・混練によって得られたセ
メント硬化性組成物の成形方法は、特に限定されず、例
えば、注型、振動注型、プレス、振動プレス、ホットプ
レス、押出などが挙げられ、硬化方法としても、特に限
定されず、例えば、常温、加熱、又は、加熱加湿雰囲気
で養生硬化される。
【0029】
【作用】本発明のセメント組成物にイオン溶解水(D)
が混練されると、活性粉体(A)、活性粉体(B)から
それぞれ溶出したアルミニウムイオン、カルシウムイオ
ンが、初期段階に於いて、炭酸イオン、又は、炭酸水素
イオンと反応して、モノカーボネート水和物(3CaO
・Al2 3 ・CaCO3 ・11H2 O)が急速に生成
されるので、その結果、セメントの硬化速度が増大す
る。上記のモノカーボネート水和物は、従来の速硬化性
セメントに含まれるエトリンガイト水和物(3CaO・
Al2 3 ・3CaSO4 ・32H2 O)より、熱的に
安定であるので、本発明のセメント硬化体の製造方法に
よれば、硬化速度が速くなり、得られるセメント硬化体
は、エトリンガイト水和物ではなく、モノカーボネート
水和物を含むので、熱的に安定で、耐久性も優秀とな
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0031】実施例1〜9、比較例3〜4 (1)活性粉体(A)の作製 結晶水を有するアルミニウム化合物として、水酸化アル
ミニウム(住友化学工業社製、商品名:C−31、Al
(OH)3 )を用意し、ウルトラファインミル(三菱重
工業社製、型式:AT−20)を用いて、表1に示す機
械的エネルギーを印加させて、活性粉体(A)を得た。
【0032】機械的エネルギーを印加させる際には、ボ
ール媒体として、10mmφのジルコニアボールを使用
した。又、ジルコニアボールの投入量は520kgと
し、水酸化アルミニウムは20kgとした。更に、それ
ぞれのアルミニウム化合物に対して、粉砕助剤として、
エタノールを100g添加した。
【0033】水酸化アルミニウムに印加させた機械的エ
ネルギーは、平均エネルギー密度(1時間当たりの平均
エネルギーであり、下式で求められる化合物に印加させ
た機械的エネルギーを処理時間で割った値をいう)が、
約0.5kwh/kgとなる運転条件で、処理時間を変
化させることにより、表1に示した機械的エネルギー値
になるようにした。
【0034】印加させた機械的エネルギー(kwh/k
g)={化合物処理時の運転で消費した電力量(kw
h)−化合物投入前の空運転時に消費した電力量(kw
h)}÷処理化合物量(kg)
【0035】(2)活性粉体(B) 水に溶解性のあるカルシウム化合物として、消石灰(河
合石灰工業社製)を用意し、これを活性粉体(B)とし
た。
【0036】(3)セメント組成物の作製 活性粉体(A)と活性粉体(B)との混合割合をモル比
で表1になるように計量し、これをオムニミキサーで混
合して活性粉体の混合物を得た。しかる後に、上記混合
物を普通ポルトランドセメント(C)(秩父小野田社
製)100重量部に対して、15重量部になるように添
加し、オムニミキサーで混合してセメント組成物を作製
した。
【0037】(4)イオン溶解水の作製 和光純薬社製の各種塩〔炭酸ナトリウム(Na2
3 )、炭酸カリウム(K 2 CO3 )、炭酸水素ナトリ
ウム(NaHCO3 )、炭酸水素カリウム(NaHCO
3 )〕を表1に示す濃度になるように蒸留水に溶解させ
た。さらに別に、炭酸ガス(イワタニ社製、純度99.
9%)を蒸留水にバブリングさせて、炭酸ガスの飽和水
溶液を作製した。
【0038】(5)セメント硬化体の作製 上記(3)で得られたセメント組成物に上記(4)で得
られたイオン溶解水(D)を注水、混練して、これを硬
化させてセメント硬化体を作製した。硬化時の強度発現
性、又は、硬化後のセメント硬化体の水和物結晶構造、
耐久性については、下記の評価方法で測定し、結果を表
1に纏めた。
【0039】評価方法 (1)強度発現性 (a)凝結速度 セメント組成物100重量部に対して、イオン溶解
(D)35重量部を注水、混練して、セメントペースト
を調製した。得られたセメントペーストについて、JI
S R 5201(セメントの物理試験法7.凝結試
験)に準じて凝結試験を行い、凝結の始発と終結とを測
定し、この差を凝結速度の指標とした。凝結試験機とし
ては、自動凝結試験機(MIC−308−1、圓井製作
所製)を用いた。但し、凝結速度が著しく速く、測定が
不可能であるものに対しては、得られたセメント組成物
100重量部に対して、凝結遅延剤(秩父小野田社製、
商品名:ジェットセッター)を添加した後、同様な測定
を行った。
【0040】(b)硬化速度 ・3時間圧縮強度 上記セメントペーストを直径5cm、高さ5cmの円筒
形状になるように注型成形し、注水から3時間経過した
時点で、得られたセメント硬化体の圧縮強度を測定し、
これを短期の硬化速度の指標とした。尚、圧縮強度の測
定は、JIS R 5201(セメントの物理試験法
9.強さ試験)に準じて行った。
【0041】・7日曲げ強度 上記セメントペーストを5cm×15cm×肉厚1cm
のダンベル形状になるように注型成形し、常温下で注水
後7日経過した時点で、該セメント硬化体の曲げ強度を
測定し、これを長期の硬化速度の指標とした。
【0042】(2)寸法安定性 セメント組成物100重量部、8号珪砂(六呂屋鉱業社
製)50重量部、及び、イオン溶解水(D)40重量部
を混練し、得られた混練物を50mm×150mm×1
0mmのダンベル形状に注型成形した。この後、常温で
7日間養生を行い、セメント硬化体を得た。得られたセ
メント硬化体を、60℃乾燥1日、水中に浸漬1日のサ
イクルで3サイクル試験を行い、試験前後での長手方向
の寸法をマイクロメーターにより測定し、以下の式によ
り寸法変化率を求めた。 寸法変化率(%)=〔(試験後飽水寸法−初期寸法)/
初期寸法〕×100 寸法安定性の評価は、寸法変化率が0.1%以下のもの
を○印、0.1%を超えるものを×印、更に10サイク
ルの試験を追加しても、寸法変化率が0.1%以下のも
のを◎印とした。
【0043】(3)セメント硬化体中に生成した水和物
の種類の同定 セメント組成物100重量部に対し、イオン溶解水
(D)35重量部注水、混練して、セメントペーストを
作製した。上記セメントペーストの作製に於いて、注水
より3時間後に、アセトン中で粉砕し、60℃で1日乾
燥を行い、得られた試料を粉末X線回折法により測定を
行い、生成した水和物の結晶構造を同定した。上記の同
定は、X線回折装置(理学社製、RINT1000)を
使用して、銅管球による2θ/θスキャンで5°〜60
°の回折ピークを得てJCPDSカードにより生成する
水和物の種類を同定した。
【0044】比較例1 セメントとしてジェットセメント(記号:JET、秩父
小野田社製)を用いて、活性粉体(A)、活性粉体
(B)を添加しないものをセメント組成物とした。作業
性を向上させるために、凝結遅延剤として、ジェットセ
ッター(秩父小野田社製)をセメント組成物の注水時の
水の中に表1に示す添加量(セメント100重量部に対
する)だけ添加して、実施例と同様な評価を行い、表1
に結果を示した。
【0045】比較例2 結晶水を有するアルミニウム化合物として、水酸化アル
ミニウム(住友化学工業社製、C−31)、水に溶解性
のあるカルシウム化合物として、消石灰(河合石灰工業
社製、水酸化カルシウム)を用いた。これらを事前に、
Al/Caがモル比で2/3となるように計量、混合し
た後、ウルトラファインミル(三菱重工業社製、型式:
AT−20)を用いて、この混合物に、実施例と同様
に、4kwh/kgの機械的エネルギーを印加させて活
性粉体を得た。
【0046】得られた活性粉体を普通ポルトランドセメ
ント(秩父小野田社製)100重量部に対して15重量
部となるように添加した後、オムニミキサーにより混合
して、セメント組成物を作製し、これを実施例と同様に
評価して、結果を表1に示した。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明は、上述のように構成されている
ので、硬化の際に、凝結速度と硬化速度とが共に速いセ
メント硬化体の製造方法となり、従来のセメント硬化体
の中には、熱的に安定性が低いエトリンガイト水和物が
多量に含まれていたが、本発明によって得られるセメン
ト硬化体は、熱的に安定性の高いモノカーボネート水和
物を含有するため、セメント硬化体の寸法安定性や耐久
性に優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶水を含有するアルミニウム化合物に
    0.5〜30kwh/kgの機械的エネルギーを印加さ
    せて得られる粉体(A)、水に溶解性のあるカルシウム
    化合物よりなる粉体(B)及びセメント(C)からなる
    セメント組成物に、炭酸イオン又は炭酸水素イオンを含
    有する水(D)を混練して、硬化させることを特徴とす
    るセメント硬化体の製造方法。
JP7095798A 1998-03-19 1998-03-19 セメント硬化体の製造方法 Pending JPH11268945A (ja)

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