JPH11268022A - コンクリート製品成形用可撓性チューブ及びその製造方法 - Google Patents

コンクリート製品成形用可撓性チューブ及びその製造方法

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JPH11268022A
JPH11268022A JP10114092A JP11409298A JPH11268022A JP H11268022 A JPH11268022 A JP H11268022A JP 10114092 A JP10114092 A JP 10114092A JP 11409298 A JP11409298 A JP 11409298A JP H11268022 A JPH11268022 A JP H11268022A
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JP
Japan
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concrete product
tube
flexible tube
concrete
knitted fabric
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JP10114092A
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English (en)
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Tomoyuki Mita
朋幸 三田
Yoshi Tanaka
好 田中
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Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はケーブル等を貫通するコンクリート
製品の孔の接触面積を少なくし、摩擦抵抗が小さく引き
入れ操作が容易なコンクリート製品を成形するする際、
好適なコンクリート製品成形用可撓性シームレスチュー
ブ及びその製造方法の提供に関する。 【解決手段】 本発明は、可撓性を有する中空状中子体
に被覆するチューブ状フィルムであり、繊維材料からな
るシームレス編み物に、有機高分子材料からなる塗料を
コーティングしてなるコンクリート製品成形用可撓性シ
ームレスチューブを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばケーブル等
を貫通させ、保護するコンクリート製品を成形する際、
中空状中子体の表面に被覆して使用する可撓性を有する
コンクリート製品成形用チューブ及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えばケーブル、通信線、電力
線、ガス、水道及び下水管等の幹線が、地下に埋設され
るようになってきた。このような幹線のユーザー等(例
えば工場、一般家庭等)への配線は、通路等の地下に埋
設されている電線共同溝等のコンクリート製品に挿通
し、保護されているケーブル、通信線、電力線、ガス、
水道及び下水管等を使用している場合が多い。
【0003】このようなコンクリート製品については、
例えば特開平9−38934のコンクリート製品並びに
このコンクリート製品の成形方法及びその装置に開示さ
れている。該公報は、コンクリート製品本体に形成され
る少なくとも一端面に開口されている中空部の内壁面を
軸線方向に沿って断面弧状凹凸面に形成することによ
り、ケーブル、通信線、電力線、ガス、水道及び下水管
等の幹線の挿通材を挿通させる際、中空部の内壁面との
接触面積が少なくし、摩擦抵抗が小さく、過大な引き入
れ張力を必要としないコンクリート製品に関するもので
ある。
【0004】その成形方法についても、前記の特開平9
−38934に開示されている。その成形方法は、コン
クリート製品本体に形成される少なくとも一端面に開口
を有する中空部の内壁面を軸線方向に沿って断面弧状凹
凸面に形成するために、孔成形体の中子芯材の表面に、
例えば熱可塑性樹脂からなる一端部を密閉してなる膨縮
可能なチューブ(以下、「中空状中子体」と称す)を備
える。次いで、このような中空状中子体がコンクリート
成形型枠内に保持され、中空状中子体の内部に圧力流体
を供給し、軸線方向に沿って断面弧状凹凸部を形成さ
せ、前記可撓性を有するチューブの周囲にコンクリート
を打設、加熱、養生する。その後、前記圧力流体を吸引
して前記の膨縮可能な中空状中子体を収縮させると共
に、中子芯材、中空状中子体をコンクリート製品から引
き抜いて離形することによりコンクリート製品を成形す
る方法が提案されている。
【0005】この際、前記の可撓性を有する中空状中子
体は、コンクリートの打設圧による中空状中子体の凸面
の窪みを防止するために圧力流体を供給する際、中空状
中子体の過膨張を抑制し、中空状中子体の破裂防止及び
コンクリートによる中空状中子体の汚染防止等の特性を
有することが要求される。
【0006】従来より、このような中空状中子体に嵌着
する可撓性を有するチューブとしては、プラスチックか
らなるチューブ、ゴム類からなるチューブ、または、繊
維材料からなる織布あるいは編み物等に有機高分子材料
からなる塗料等を塗布し乾燥して製造されるチューブ
(例えばポリエステル系樹脂からなる繊維を用いた織布
あるいは編み物にポリ塩化ビニル系樹脂からなるコーテ
ィング剤をコート、加熱成形したもの)等が検討されて
いる。
【0007】しかしながら、単なるプラスチックチュー
ブでは、繰り返して圧力流体の供給、吸引を行うと、ク
リープ現象が発生する傾向があり、復元性が劣り初期の
チューブ径寸法を維持することが難しい。またゴム類か
らなるチューブでは、圧力流体供給時、チューブ膨張が
指定径より大きくなる傾向があり、膨張を抑えようとす
るために、ゴム厚みを厚くする必要が生じ、チューブ重
量が重くなり取扱い性が悪くなる傾向がある。またポリ
エステル系繊維からなる織布にポリ塩化ビニール系樹脂
からなるコーティング剤をコート、含浸、加熱して成形
される可撓性を有するチューブは、一般的には、シーム
レスではなく接着剤等を用い継ぎ合わせたものである。
このような織布からなるチューブは、例えばコンクリー
ト製品成形の際、加熱条件下で、内壁面に断面弧状な凹
凸部を形成させるために、圧力流体叉は圧縮気体等で膨
張させると、継ぎ目部分が破断し易い傾向がある。また
熱変形温度が低いポリ塩化ビニル系樹脂を用いるので変
形する傾向があり、中空状中子体に圧力流体等を供給
し、膨張させて形成した凹凸形状がそのままチューブに
残ってしまい繰り返してコンクリート製品を成形するの
に耐えず、消耗品としての使用となり、コンクリート製
品のコスト高を招いていた。従って、斯かるチューブ類
は、コンクリート製品の繰り返し成形においての復元
性、寸法安定性、耐久性等に問題があった。
【0008】
【発明が解決しよとする課題】本発明は、上記の状況に
鑑みなされたものである。本発明の目的は、コンクリー
ト製品を繰り返し成形しても、優れた復元性、寸法安定
性、耐破断性、平滑性、耐通水性、耐久性及び操作の容
易性等を有するコンクリート製品成形用可撓性チューブ
及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1による本発明に
係る可撓性を有するコンクリート製品成形用チューブ
は、中空状中子体の外表面に被覆される繊維材料を丸編
み状に編成してなるシームレス編み物に、有機高分子材
料からなる塗料をコーティングして形成したものであ
る。
【0010】請求項2によると、本発明に係る可撓性を
有するコンクリート製品成形用チューブの製造方法は、
繊維材料を編成してなるシームレス編み物を、円筒状シ
リンダー表面に嵌着し、予熱後、前記の繊維材料で編成
したシームレス編み物の表面に有機高分子材料からなる
塗料を塗布、乾燥させた後、有機高分子材料からなる塗
料が塗布されている編み物の表面が内側になるように円
筒状シリンダーから剥離して成形するものである。
【0011】請求項3及び4に記載されている編み物を
編成する繊維材料を構成する樹脂、編み物の表面に塗布
される塗料を構成する有機高分子材料を用いることによ
り、復元性、寸法安定性、耐破断性、平滑性、耐通水
性、耐久性、取扱い容易性等が付与される可撓性を有す
るコンクリート製品成形用チューブが成形できる。この
ような可撓性を有するコンクリート製品成形用チューブ
で被覆される中空状中子体は、コンクリート製品本体の
少なくとも一端面に開口を有する中空部の内壁面に軸線
方向に沿って断面弧状凹凸面を形成できる。
【0012】請求項5記載によると、可撓性を有するコ
ンクリート製品成形用チューブは、コンクリート製品本
体の少なくとも一端面に開口を有する中空部の内壁面に
軸線方向に沿って断面弧状凹凸面を形成させる中空状中
子体表面に嵌着されるものである。そして該可撓性を有
するコンクリート製品成形用チューブが嵌着される中空
状中子体を用いて、少なくとも一端面に開口を有する中
空部の内壁面に軸線方向に沿って断面弧状凹凸面を形成
されたコンクリート製品は、中空部内にケーブル等の挿
通材を挿通する際、過大な引き入れ張力を要することな
くスムーズに挿通できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
で説明する。図1乃至図3において、1は繊維材料を編
成したシームレス編み物に塗料を塗布乾燥してなるコン
クリート製品成形用可撓性チューブである。2は熱可塑
性樹脂(シリコン)からなる一端部が密閉された膨縮性
シームレスチューブからなり、前記コンクリート成形用
チューブに比較して径寸法は十分小さく、中子芯材3の
外表面に螺旋状に巻回させた後、該チューブの内部に圧
力流体を供給してコンクリート製品の孔の軸方向に沿っ
て断面弧状凹凸部を形成する中空状中子体である。該中
空状中子体2は外周面に、前記のコンクリート製品成形
用可撓性スチューブ1を嵌着してコンクリート製品成形
型枠に把持され、コンクリート4を打設、養生すること
により、コンクリート製品の少なくとも一端面に開口し
た中空部の壁面に凹凸部6、7を形成する。
【0014】本発明に係る繊維材料を編成してなるシー
ムレス編み物は、特に制限はなく、従来公知のものを広
く使用できるが、丸編状に編成されたものが特に好まし
い。また、斯かる繊維材料を編成してなる編み物はシー
スレスの筒状であることが望ましい。この際、繊維材料
で編成されるシームレス編み物の編み組織としては、例
えば平編み、フライス編み、両面編み、インレイ変化編
み、縦編み等を例示できるが、特に制限はない。
【0015】一般に編み物は繊維糸状の弧状ループを連
結させ組み合わせた組織であるので伸縮性に富んだもの
となる。編成時のループ長の長さにより、その伸縮特性
は異なるものとなる。即ちループ長を短く編成すると、
伸縮性が抑えられる傾向になり、ループ長を長く編成す
ると伸縮性に富む編みものとなる。本発明では、編成さ
れた編み物の、1cm当たりのコース(横に並んだルー
プの列)数をコース密度として伸縮性の指標とした。
【0016】本発明に係る繊維材料を編成してなるシー
ムレス編み物のコース密度は12〜25本/cmを例示
できるが、特に制限はなく、実際のコンクリート製品の
指定径、成形条件によって決定するのがよい。繊維密度
が12未満であると、圧力流体供給時のチューブ膨張が
大きく、指定径より孔径が大きくなりやすい傾向があ
る。逆に繊維密度が25本/cmを超えると、膨張が小
さくなり、コンクリート4を打設、養生される際、良好
な軸線方向に沿って断面弧状凹凸面が成形できない傾向
がある。
【0017】本発明に係るシームレス編み物に編成され
る繊維材料からなる糸条としては、例えばポリプロピレ
ン繊維、ポリエステル系繊維、ナイロン系繊維、アラミ
ド繊維、液晶樹脂繊維、その他の各種合成繊維、天然繊
維及び半合成繊維の群から選ばれる少なくとも1種、叉
は2種以上を混合して用いてもよく、特に制限はない。
また、糸条の形態としては、モノもしくはマルチフィラ
メント糸条や嵩高加工糸、撚糸、紡績糸等が好ましく、
特に制限はない。
【0018】本発明に係る繊維材料を編成してなる編み
物の表面に塗布される塗料を構成する有機高分子材料と
しては、軟質の弾性体が好ましい。例えば熱可塑性スチ
レン系エラストマー、熱可塑性オレフィン系エラストマ
ー、熱可塑性塩化ビニル系エラストマー、熱可塑性ウレ
タン系エラストマー、熱可塑性エステル系エラストマ
ー、熱可塑性アミド系エラストマー、ブタジエン系ゴ
ム、ウレタン系ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム
及び天然ゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種叉
は2種以上を挙げられる。就中、種々のゴム硬度が得易
く、コーティングでの成形性、種々の繊維材料で編成さ
れる編み物との接着性が優れる熱可塑性ウレタン系エラ
ストマ、ウレタン系ゴムを好ましいものとして例示でき
る。
【0019】具体的な熱可塑性ウレタン系エラストマー
叉はウレタン系ゴムとしては、ポリイソシアナートと分
子中に活性水素を含むポリオールとの反応によって得ら
れるものが好ましい。ポリオール種類によって耐水性、
耐熱性、耐油性等の性質が異なるものが得られる。斯か
るポリオールとしてはポリアジペートエステル系ポリオ
ール、ポリカプロラクトンエステル系ポリオール、、ポ
リエーテル系ポリオール、ポリ炭酸エステル系ポリオー
ル等を例示できるが、コンクリート成分、コンクリート
硬化条件によって決定すればよく、特に制限はない。
【0020】また、ウレタンゴム硬度は、軟質であるほ
どチューブ膨張後の収縮復元時間が短くなるので、なる
べく軟質なもの(例えばショアA硬度で45〜60)が
望ましいが、コンクリート製品の指定孔径、コンクリー
ト製品の硬化条件等から決定すればよく、特に制限はな
い。
【0021】塗料としては、上記の繊維材料を構成する
熱可塑性エラストマー、各種のゴム類等を有機溶媒、例
えばトルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド等で溶解してなるものが例示できる
が、特に制限はなく、エマルジョンや、水溶液でもよ
い。
【0022】本発明に係るコンクリート製品成形用可撓
性チューブ1の製造方法としては、先ず、繊維材料を編
成してなるシームレス編み物の繊維を選定し、最終コン
クリート製品の孔径に膨張し易い繊維密度、編み径の設
計を行い、例えば丸編み機でシームレス編み物を編成す
る。次いで、前記シームレス編み物は、最終コンクリー
ト製品の孔径より、例えば中空状中子体2から圧力流体
を吸引した後、離型しやすいように、少々小さめ、例え
ば最終コンクリート製品の孔径より30〜40mm程度
小さい外径を有する円筒状シリンダー(金属製が好まし
い)の外周面に嵌着された後、例えば50〜150℃熱
風循環式オーブンを用いて予熱される。予熱を行うこと
により、有機高分子材料からなる塗料等の液垂れを防止
でき、コーティングの付着量を増やすことが出来る傾向
がある。上記の各数値は特に制限はない。
【0023】この際、予熱温度が50℃未満では有機高
分子材料からなる塗料の液垂れが発生しやすく、上記塗
料のロスが多くなる傾向になり、150℃を超えると、
特に上記塗料のコート量が多い場合、硬化塗膜に気泡を
含み易い傾向がある。予熱温度については、経済性、成
型時間、硬化塗膜の状態、塗料溶剤種により決定するの
がよい。
【0024】繊維材料を編成してなる予熱されたシーム
レス編み物を嵌着した円筒状シリンダーを回転台に固定
し、回転させる状態で、繊維材料を編成してなるシーム
レス編み物の表面に、耐熱性、耐水性、硬度等を考慮し
て選定した、例えば熱可塑性ウレタン系塗料をスプレー
を用いて噴霧、塗布を行い、60〜150℃の、例えば
熱風循環式オーブンで乾燥する。この際、塗布量として
は、固形分換算70g/m以上が例示できる。塗布量
が固形分換算で70g/m未満では、繊維材料で編成
してなるシームレス編み物の空隙を効率よく被覆できな
いので、耐通水性が劣る傾向がある。塗布量については
編み物の組織、コース密度、塗料種類等から決定するの
がよい。
【0025】有機高分子材料からなる塗料の塗布方法と
しては、ロールコート法、含浸法、スプレー法等一般的
に公知の各種方法で塗布すればよいが、スプレー法によ
る塗布が好ましい。スプレー法によるメリットとして
は、塗料を微粒状態にして塗布を行うことができるの
で、繊維材料を編成してなるシームレス編み物の空隙を
効率よく被覆できる。また、前記繊維材料を編成してな
る編み物を嵌着した円筒状シリンダーが予熱処理されて
いるので、噴霧された微粒状態の塗料が、塗布と同時に
乾燥され、乾燥後の硬化塗膜は気泡を含みにくい傾向に
なる。更に、上記塗布操作は、必要に応じて2〜4回程
度噴霧して重塗りしてもよい。
【0026】前記塗布操作後、円筒状シリンダーから有
機高分子材料からなる塗料等が塗布、乾燥された繊維材
料を編成してなるシームレス編み物1の離型を行う。こ
の際、塗料等が噴霧塗布された繊維材料を編成してなる
シームレス編み物1の外面(前記表面)が内側に、円筒
状シリンダーに接する内面が外側面になるように、円筒
シリンダーから剥離を行うのが好ましい。こうすること
により、塗料の塗布、乾燥されてなる塗膜が、円筒状シ
リンダーに接する面では、円筒状シリンダーの平滑な表
面状態が転写されるので、平滑性が優れた表面が付与さ
れたコンクリート製品成形用可撓性チューブ1が成形で
きる。
【0027】上記で得られたコンクリート製品成形用可
撓性チューブ1は、例えば中子芯材3の外周表面を熱可
塑性樹脂からなる一端部を密閉してなる膨縮可能なシー
ムレス状チューブを用いて所定のピッチで螺旋状に巻回
してなる中空状中子体2の表面に被覆される。そして該
コンクリート製品成形用可撓性チューブ1は、圧力流体
を供給し軸線方向に沿って断面弧状の凹凸部を形成させ
た中空状中子体2の巻回ピッチの間に位置する部分が、
コンクリート4の打設圧によつて、中子芯材3に向かつ
て断面弧状に撓んだ状態でコンクリート4を養生させ
る。従って、該コンクリート製品成形用可撓性チューブ
1は、上記中空状中子体2の表面部に形成される凸部等
の破壊、伸び、汚染等を防止でき、中空状中子体2の耐
久性を向上させ、中空状中子体2を繰り返し使用でき
る。更に、該可撓性を有するチューブ1表面に付着する
コンクリート4も容易に取り除くことができ、繰り返し
使用できる傾向がある。
【0028】中空状中子体2の好ましい態様としては、
金属製の円筒状中子芯材3の外周面に、熱可塑性樹脂か
らなるチューブを、所定のピッチで螺旋状に巻回した
後、圧力流体を該チューブ2の内部に供給し、軸線方向
に沿って断面弧状凹凸面を形成できる膨縮可能なチュー
ブを使用する。この際の圧力流体としては、コンプレッ
サー等で供給される気体(例えば、空気等)、液体(例
えば、水、油等)を3kg/cm程度で供給するのが
好ましいが特に制限はない。
【0029】コンクリート製品が打設、養生された後、
中空状中子体2に供給された気体、あるいは液体等が、
例えばバキュウム等を用いて排出され、中子芯材3と共
に中空状中子体2及び該中空状中子体を嵌着した繊維材
料で編成したシームレス状可撓性を有するコンクリート
製品成形用チューブ1を引き抜きコンクリート製品を成
形できる。
【0030】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明を説明する
が、本発明は下記実施例によって制限されるものでな
い。
【0031】尚、下記実施例及び比較例において、各検
査項目の測定、評価は下記の方法により行った。
【0032】[復元性]:約8.0×1.5cmのサン
プル片に500gの荷重をかけ80℃で3時間放置後の
長さを測定し、次いで該試験片を、荷重をかけず、23
℃で1日放置後の長さを測定し復元性を評価した。荷重
を架けた後無荷重で放置した際、初期の長さとの差が小
さいほど復元性が優れている。
【0033】[表面粗さ]:3次元表面粗さ形状測定機
(SURF−COM)[東京精密(株)製]でチューブ
外表面を測定評価した。数値が小さいほど平滑性がよ
い。
【0034】[通気性]:AUTOMATIC AIR
−PERMEBILITY TESTER(KATO
TECH CO.LTD製)でチューブ内面から外面へ
の通気性を測定評価した。数値が小さいほど気密性が優
れている。
【0035】実施例1 (1).繊維材料で編成したシームレス編み物。 ポリプロピレン系樹脂からなる8.5dのモノフィラメ
ント、20本を撚糸して得られた170dの糸条を丸編
機で編成した、コース密度13.4本/cmの平編み組
織のシームレス編み物を使用した。 (2).シームレス編み物の表面に塗布する塗料 ウレタン系樹脂(三洋化成(株)製:LQ−3700)
を、ジメチルホルムアルデヒド(DMF)を用いて3倍
に希釈した塗料を用いた。 (3).上記で得られた編み物からなる可撓性シームレ
スチューブの成形。 上記で得たシームレス編み物を、金属製の円筒状シリン
ダー(直径78mm)に嵌着した。次いで、該円筒状シ
リンダーに嵌着したシームレス編み物を100℃に予熱
後、該シームレス編み物の表面に、上記のウレタン系樹
脂をジメチルホルムアルデヒド(DMF)で3倍希釈し
た塗料を、ノズル径15mmのスプレーガンを用いて、
吹き付け圧力3kg/cmの条件で、スプレー塗布を
2回繰り返し、塗料を含浸させた。その後、120℃の
熱風循環式オーブンで乾燥した。引き続いて、上記ウレ
タン系塗料が塗布、乾燥されたシームレス編み物の表面
が内側に、円筒状シリンダーに接触している内面が外側
になるように、円筒状シリンダーから離形し、ウレタン
系樹脂の塗布量(固形分換算)160g/mのシーム
レス編み物からなる可撓性を有するコンクリート製品成
形用チューブ1を得た。得られたウレタン系塗料を含む
可撓性を有するコンクリート製品成形用チューブ1の復
元性、表面粗さ、通気性を表1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】実施例2 ポリプロピレン系樹脂からなる8.5dのモノフィラメ
ント20本を撚糸して得られた糸条を丸編機で編成して
なる繊維密度20.5本/cmの平編み組織シームレス
編み物を用いること以外は実施例1と同様にしてウレタ
ン系樹脂の塗布量(固形分換算)140g/mの可撓
性有するコンクリート製品成形用チューブ1を得た。得
られた可撓性を有するコンクリート製品成形用チューブ
1の復元性、表面粗さ及び通気性を表1に示した。
【0038】実施例3 ポリプロピレン系樹脂からなる8.5dのモノフィラメ
ント20本を撚糸してなる糸条を丸編機で編成した繊維
密度20.5本./cmの平編み組織シームレス編み物
及びウレタン系塗料が、LQ−3700(三洋化成
(株)製)と、LQ−3300(三洋化成(株)製)の
2種類のウレタン系樹脂を1:1の割合でブレンドし、
DMFで3倍に希釈してなるウレタン系塗料であること
以外は実施例1と同様にして塗布量(固形分換算)15
0g/mのウレタン系樹脂が塗布されたシームレス編
み物からなる可撓性を有するコンクリート製品成形用チ
ューブ1を得た。得られた可撓性を有するコンクリート
製品成形用チューブ1の復元性、表面粗さ及び通気性を
表1に示した。
【0039】シリコン系樹脂で製膜された厚さ1.0m
m、外径13mmのチューブ状フィルムを所定の長さで
切断し、一端部を密閉してなる膨縮可能なシームレス状
チューブ2を中空状中子体2として使用した。該シーム
レス状チューブを直径60mmの金属からなる中子芯材
3の外周面に所定のピッチで螺旋状に巻回した後、該シ
ームレス状チューブの内部に蒸気圧3kg/cmの蒸
気を供給し、軸線方向に沿って断面弧状凹凸部を形成さ
せた。
【0040】引き続いて、軸線方向に沿って断面弧状凹
凸部を形成形されたシームレス状チューブ2の表面に、
上記実施例3で得られたウレタン系塗料を塗布、含浸
し、加熱乾燥せしめたシームレス編み物からなる可撓性
を有するチューブ1で被覆した後、コンクリート製品形
成枠に架設し、可撓性を有するコンクリート製品成形用
チューブ1が被覆された中空中子体2の周囲にコンクリ
ート4を打設、加熱し養生した。養生完了後、圧力蒸気
を吸引し、上記中空状中子体2を収縮して中子芯材3と
共に中空状中子体及びコンクリート製品成形用チューブ
1を引き抜き、コンクリート製品本体に形成された一端
面に開口を有する中空部の内周面に軸線方向に沿って断
面弧状凹凸部6、7が付与されたコンクリート製品を成
形した。該コンクリート製品は、ケーブル線5を挿通し
たところ、コンクリート製品とケーブルとの接触面積が
少なくなるので、摩擦抵抗が小さくなり過大な引き入れ
張力を要せず引きいれ操作が容易であり、またコンクリ
ート製品成形用可撓性シームレスチューブ1は繰り返し
コンクリート製品成形に使用できる耐久性を有するもの
であった。
【0041】比較例1 ポリエステル系樹脂からなる糸条を織成してなるフラッ
ト状織物の表面に、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる塗料
を、ロールコート方法で塗布、乾燥する操作を4回繰り
返してポリ塩化ビニル系樹脂からなる塗布量(固形分換
算)240g/mの塗料が塗布されたフラット状織物
を得た。次いで該フラット状織物をカットし両端を接着
剤でシールし、更に該シール部分に上記で得たポリ塩化
ビニル樹脂からなる塗料を塗布した織物で補強してチュ
ーブ状に成形した。該チューブの復元性、表面粗さ及び
通気性を表1に示した。
【0042】比較例1のチューブは表1に示すように、
3時間放置後と24時間放置後を比較すると復元性が悪
い(伸びた長さが元に戻っていない)ので、例えば圧力
流体を供給して成形した軸線方向に沿って断面弧状な凹
凸部を有する中空状中子体に嵌着された場合、圧力流体
を吸引して排出した後も凹凸形状が残り、またチューブ
径も大きくなる傾向がある。従って、該チューブは、例
えば少なくとも一端面に開口する中空部の内壁面に軸線
方向に沿って断面弧状凹凸部6、7が付与されたコンク
リート製品を成形する場合、繰り返して使用できないも
のであった。
【0043】更に、比較例1のチューブは、コンクリー
ト4を硬化する加熱処理や、圧力流体を供給する時の加
圧力により、シール部分が破断する傾向がある。またシ
ール部分を補強するために補強材が接着されているの
で、チューブの厚さが厚いその部分は、例えばコンクリ
ート製品の少なくとも一端面に開口する中空部の内壁面
に軸線方向に沿って断面弧状凹凸部を成形されない傾向
がある。また、該チューブは、平滑性が劣るので、コン
クリート製品の内壁面に、織物の凹凸形状、硬化塗膜の
空隙等の形状が転写される傾向があった。
【0044】本発明に係る繊維材料を編成してなるシー
ムレス編み物に有機高分子材料からなる塗料を塗布、含
浸し、加熱、乾燥して成形される可撓性を有するコンク
リート製品成形用チューブ1の用途は、例えばコンクリ
ート製品本体の少なくとも一端面に開口を有する中空部
の内壁面に軸線方向に沿って断面弧状凹凸面6、7を形
成させ、例えばケーブル5等の挿通材を挿通する際、接
触面積が少なく、摩擦抵抗が小さいコンクリート製品を
成形する中空中子体2に嵌着する可撓性を有するコンク
リート製品成形用チューブ1として好適に使用できる。
【0045】
【発明の効果】請求項1及び請求項2の発明によれば、
圧力流体が供給され軸線方向に沿って断面弧状凹凸部が
形成される中空状中子体2の凸部の窪みや、圧力流体供
給して膨張させる凹凸部の破裂を防止でき、更に、中空
伏中子体2の外周面にコンクリート4を打設、養生され
る硬化前のコンクリート成分の水分保持性、中空状中子
体2のコンクリート4による汚染を防止し繰り返し使用
できる耐久性が付与される可撓性を有するコンクリート
製品成形用チューブ1を提供できる。
【0046】請求項3によれば、クリープ現象がなく、
復元性、径寸法安定性、表面平滑性、耐通水性、尾取扱
い性、及び耐破断性が優れた製造容易な、例えばケーブ
ル等の挿通材を容易に挿通できる可撓性を有するコンク
リート製品成形用チューブ1の製造方法を提供する。
【0047】請求項4及び5によれば、シームレス編み
物を編成するのに使用される繊維材料を製造する素材、
シームレス編み物に塗布、合浸、乾燥される塗料を製造
する有機高分子材料は、例えば、圧力流体を供給し軸線
方向に沿って断面弧状凹凸面に形成できる中空状中子体
2の外周面を嵌着する可撓性を有するコンクリート製品
成形用チューブ1を成形するのに好適に使用できる。そ
してこのような可撓性を有するコンクリート製品成形用
チューブ1は、例えば中空状中子体2の外周面を嵌着
し、その外周にコンクリート4を打設、養生して、少な
くとも一端面に開口を有する中空部の壁面に軸線方向に
沿って断面弧状凹凸面6、7を形成して、ケーブル5等
を挿通する際、内壁面との接触面積が少なくなり、摩擦
抵抗が小さく、ケーブル5等の挿通に過大な張力を必要
とせず、引き入れ操作等が容易な作業効率が向上できる
可撓性を有するコンクリート製品成形用チューブ1とし
て好適に使用できる。
【0048】請求項6の発明によれば、圧力流体を供給
し軸線方向に沿って断面弧状凹凸面に形成される中空状
中子体2の外周面を被覆した後、中空状中子体2の外周
面にコンクリート4を打設、養生して、コンクリート製
品本体を形成すると、少なくとも一端面の開口を有する
中空部の壁面に軸線方向に沿って断面弧状凹凸面6、7
が形成されるので、ケーブル5等を挿通する際、内壁面
との接触面積が少なくなるので、摩擦抵抗が小さくな
り、ケーブル5等の挿通に過大な張力を必要とせず、引
き入れ操作が容易になり、作業効率が向上できる可撓性
を有するコンクリート製品成形用チューブ1を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のコンクリート製品成形用可撓性チュ
ーブの斜視図。
【図2】 本発明のコンクリート製品成形用可撓性チュ
ーブを被覆した中空状中子体を膨張させコンクリート製
品成形状態を示す要部拡大断面図。
【図3】 貫通孔を有するコンクリート製品の斜視図。
【符号の説明】
1 コンクリート製品成形用可撓性チューブ。 2 中空状中子体。 3 中子芯材。 4 コンクリート。 5 ケーブル。 6 コンクリート製品中空部の凸面。 7 コンクリート製品中空部の凹面。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有する中空状中子体に被覆する
    チューブ状フィルムであって、繊維材料からなるシーム
    レス編み物に、有機高分子材料からなる塗料をコーティ
    ングして形成されることを特徴とするコンクリート製品
    成形用可撓性チューブ
  2. 【請求項2】 前記繊維材料からなるシームレス編み物
    を円筒状シリンダー表面に嵌着し、予熱後、編み物の表
    面に、有機高分子材料からなる塗料を塗布、乾燥し、塗
    料が塗布乾燥された表面が内側になるように、円筒状シ
    リンダーから剥離し成形する請求項1に記載のコンクリ
    ート製品成形用可撓性チューブ
  3. 【請求項3】 中空状中子体に嵌着される繊維材料から
    なる編み物が、ポリプロピレン系繊維、ポリエステル系
    繊維、ナイロン系繊維、アラミド繊維、液晶樹脂繊維、
    天然繊維及び半合成繊維からなる群より選ばれる少なく
    とも1種、叉は2種以上の繊維で編成される請求項1、
    2に記載のコンクリート製品成形用可撓性チューブの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 繊維材料からなるシームレス編み物の表
    面に塗布される塗料を構成する有機高分子材料が、熱可
    塑性スチレン系エラストマー、熱可塑性オレフィン系エ
    ラストマー、熱可塑性塩化ビニル系エラストマー、熱可
    塑性ウレタン系エラストマー、熱可塑性エステル系エラ
    ストマー、熱可塑性アミド系エラストマー、ブタジエン
    系ゴム、ウレタン系ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系
    ゴム及び天然ゴムからなる群より選ばれる少なくとも1
    種叉は2種以上であることを特徴とする請求項1〜3に
    記載のコンクリート製品成形用可撓性チューブ。
  5. 【請求項5】 コンクリート製品本体の少なくとも一端
    面に開口する中空部の内壁面に、軸線方向に沿って断面
    弧状凹凸面を形成させるために用いる中空状中子体の表
    面に嵌着されることを特徴とする請求項1〜4に記載の
    コンクリート製品成形用可撓性チューブ。
JP10114092A 1998-03-19 1998-03-19 コンクリート製品成形用可撓性チューブ及びその製造方法 Pending JPH11268022A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5951066B1 (ja) * 2015-03-17 2016-07-13 テクノアート 有限会社 グラウト注排孔形成用部材と前記部材を用いたグラウト注排孔の形成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5951066B1 (ja) * 2015-03-17 2016-07-13 テクノアート 有限会社 グラウト注排孔形成用部材と前記部材を用いたグラウト注排孔の形成方法

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