JPH11266858A - 新規低栄養性微生物および該微生物を用いた石油あるいは芳香族化合物汚染物質の浄化方法 - Google Patents

新規低栄養性微生物および該微生物を用いた石油あるいは芳香族化合物汚染物質の浄化方法

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JPH11266858A
JPH11266858A JP10095439A JP9543998A JPH11266858A JP H11266858 A JPH11266858 A JP H11266858A JP 10095439 A JP10095439 A JP 10095439A JP 9543998 A JP9543998 A JP 9543998A JP H11266858 A JPH11266858 A JP H11266858A
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aromatic compound
microorganisms
ferm
ppm
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Toshiya Shigeno
俊也 茂野
Teruaki Oki
照章 大木
Tadaatsu Nakahara
忠篤 中原
Toshiaki Kanbe
敏明 神戸
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Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 栄養塩類を添加することなしに、低栄養条件
である自然環境の浄化、あるいは製油所や化学工場など
の低栄養排水の処理に有用な微生物および該微生物を使
用した浄化技術の提供。 【解決手段】 微生物がリン5ppm以下および窒素5
0ppm以下の条件で生育可能なRalstonia
属、Burkholderia属およびAureoba
sidium属に属する低栄養性微生物および該低栄養
性微生物で石油汚染物質、石油汚染土壌または製油所排
水、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物汚
染物質、例えば芳香族化合物汚染土壌または芳香族化合
物を含有する排水等を処理する浄化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明はリン、窒素等の栄養塩濃度のみが
低い低栄養条件で生育し、環境汚染物質を分解すること
のできる微生物及び該微生物を用いた環境浄化、特に芳
香族化合物、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレン
を含有する排水処理技術に関するものである。
【0002】
【従来技術】自然環境は一般的に低栄養条件であると考
えられており、また製油所や化学工場などの排水は、リ
ンや窒素に乏しい低栄養排水であるので、通常知られて
いる微生物は生育できない。従来の環境浄化技術では、
汚染環境に(NH42SO4、NH4Cl、Na3PO4
Na2HPO4等の栄養塩類を添加し、微生物の活性を高
める方法が行われている[(D.A.Gravesら、
Applied Biochemistry and
Biotechnology,vol.28,P813
(1991):原山 重明、「地球をまもる小さな生き
物たち」、技報堂出版、P109(1995):西村
実、土と微生物、No46、P19(1995):C.
H.Nelsonら、「Hydrocarbon Bi
oremediation」、CRC Press、P
125(1994))]。また排水処理においても、微
生物の生育と活性を保つために炭素:リン:窒素の割合
を制御することが必要であると考えられている。炭素:
リン:窒素の割合を制御するためには、排水に栄養塩を
添加する方法が一般的である[「廃水処理技術指導
書」、石油連盟、P129(1975):「公害防止の
技術と法規」、財団法人産業公害防止協会、P215
(1992)]。さらに特開平6−500495では汚
染環境に栄養塩を効率よく持続的に与えるための方法が
記されており、また特開平7−507208ではリン酸
エステルを添加することにより、栄養物質の供給と同時
に汚染物質を乳化させる方法が記されている。
【0003】前記のように自然、環境浄化や低栄養排水
の処理には栄養塩類を添加して微生物の活性を高めるこ
とが必要である。しかし汚染環境や排水に添加する栄養
塩類は、環境浄化や排水処理にかかるコストの1つであ
る。特に浄化しようとする汚染場所が広い範囲であった
り、あるいは処理をしようとする排水量が多い場合には
添加する栄養塩類にかかる費用は莫大なものとなる。さ
らに過剰に添加した栄養塩類は、地下水の硝酸汚染や環
境の富栄養化等の二次汚染の原因となるので、添加方法
や添加量の制御は重要である。
【0004】すなわち、窒素源は、土壌微生物の作用に
より酸化されて硝酸体となる。したがって窒素源を過剰
に与えると土壌や地下水中の硝酸イオン濃度が高くな
る。硝酸イオンは、発ガン性が指摘されており、飲料水
への混入が問題となっている(鶴巻 道二、「地下水汚
染・土壌汚染の現状と浄化対策」、工業技術会、P98
(1993))。また、過剰に添加した栄養塩類、特に
リンおよび窒素源が雨水や地下水によって河川や湖沼に
流入すると環境の富栄養化を引き起こす。環境の富栄養
化はアオコの異常発生や飲料水のカビ臭の原因となるた
め、生活排水中のリンや窒素を除去する方法が数多く提
案されている[中村 和憲、「微生物の生態17」、学
会出版センター、P31(1991):深瀬 哲朗、
「地球をまもる小さな生き物たち」、技報堂出版、P1
33(1995)]。P.Morganらは土壌環境に
栄養塩類を添加することが土着微生物の有機物質の分解
活性を阻害することを指摘している(Wat.Sci.
Tech.,vol.6,P63(1990))。添加
した栄養塩類による二次汚染を回避するには、栄養塩類
をコントロールしながら添加することが必要である。し
かしこの様な制御装置を排水処理設備に設置すること
は、設備をより高価なものとし、排水の処理コストを増
大させる。さらに汚染土壌や地下水等の汚染環境は解放
系であるため、栄養塩類をコントロールしながら効率よ
く添加するには、何らかの方法で汚染環境を閉鎖する必
要がある。しかし汚染環境を土木的方法によって閉鎖す
るには、多額な資金が必要であり、特に汚染環境が広い
場合には技術的に困難である。したがって汚染環境にお
いて、添加した栄養塩類による二次汚染を防ぐことは事
実上不可能と言わざるを得ない。
【0005】低栄養性微生物の存在は古くから知られて
おり、多くの研究がなされている。これまで低栄養性微
生物は生育条件の中の有機炭素量でのみ論じられてお
り、有機炭素濃度が1から15ppm以下で生育可能な
微生物が低栄養性微生物と称されて研究されている
[(畝本 力、「特殊環境に生きる細菌の巧みなライフ
スタイル」、共立出版、P7(1993):江口 充、
「海洋微生物とバイオテクノロジー」、技報堂出版、P
68(1991):諏訪 裕一ら、「微生物の分離
法」、R&Dプランニング、P545(1990)]。
しかしながら自然汚染環境あるいは製油所や化学工場の
排水は、汚染物質である有機炭素の濃度が高く、その他
のリン、窒素等の栄養塩濃度のみが低い状態にある。こ
の様な有機炭素の濃度が高く、その他のリン、窒素等の
栄養塩濃度のみが低い条件で生育し汚染物質を分解する
微生物は、従来の低栄養性微生物の概念に当てはまらな
いものであり、これまでに報告がない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、栄養
塩類を添加することなしに、低栄養条件である自然環境
の浄化、あるいは製油所や化学工場などの低栄養排水の
処理に有用な微生物および該微生物を使用した浄化技術
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、栄養塩類
を添加することなしに、低栄養条件である自然環境の浄
化あるいは製油所や化学工場などの低栄養排水の処理技
術を提供することを目的として多くの実験を行った。普
通の自然環境は低栄養状態と考えられているが、本発明
者らは、微生物の生育に特に重要なリンと窒素に注目
し、自然環境中のリンと窒素の濃度を測定した結果、土
壌や地下水では次表1に示すように窒素濃度が約60p
pm以下、リン濃度が約3ppm以下である。海洋では
更に栄養成分濃度は低く、窒素濃度が約1.0ppm以
下、リン濃度が約0.1ppm以下である。前記自然環
境中のリンと窒素の濃度の測定値に基づき、目的とする
有機炭素の濃度が高く、その他のリンと窒素の栄養塩濃
度のみが低い条件で生育し、汚染物質を分解することの
できる微生物を得るための培地は、リン濃度が約5pp
m以下で、かつ窒素濃度が約50ppm以下のものであ
ることを見出し、本発明の完成に至った。したがって、
本発明の特徴の第1は、リン5ppm以下でかつ窒素5
0ppm以下の条件で生育可能な微生物に関する。本発
明の特徴の第2は、自然環境の浄化、あるいは製油所や
化学工場などの低栄養排水の処理に有用な微生物および
該微生物を使用した浄化技術に関する。
【0008】
【表1】 1 発明者の測定による 2 微生物の生態12、P10、学会出版センター(1989)より 3 西村実、土と微生物、No.46、P19(1995)より 4 微生物の生態3、P4、学会出版センター(1987)より また、製油所や化学工場の排水等は、汚染物質である有
機炭素の濃度が高く、その他のリン、窒素等の栄養塩濃
度のみが低い状態にある。これに対して微生物の研究で
通常用いられている培地成分は、下表2に示すように高
栄養条件である。従ってこれまでの研究の培地で得られ
た微生物を環境浄化や排水処理に用いる場合には、これ
ら環境汚染物質を分解することができないので、微生物
の生育のために栄養源、特にリン源や窒素源を与える必
要がある。
【0009】
【表2】 1 発明者の測定による 4 微生物の生態3、P4、学会出版センター(1987)より * 極東製薬工業製 ** 日本製薬工業製
【0010】有機炭素の濃度が高く、その他のリン、窒
素等の栄養塩濃度のみが低い条件で生育し汚染物質を分
解する微生物は、リン濃度5ppm以下でかつ窒素濃度
50ppm以下の培地を用いて、例えベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族化合物100ppmを炭素源と
した条件で検索することによって得られる。炭素源は分
解しようとする有機物であれば何でも良く、フェノー
ル、クレゾール等の芳香族化合物、トリクロロエチレン
の様な有機塩素化合物、ナフタレン、ビフェニルのよう
な多環芳香族化合物等をあげることができる。リン源は
実質的に微生物がリン源として利用可能な物質であれば
なんでも良く、リン酸一アンモニウム、リン酸一ナトリ
ウム、リン酸一カリウム、リン酸水素アンモニウムカリ
ウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウ
ム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、リン酸二水素カリウム等の無機のリン酸塩およびこ
れらの塩の水和物、酵母エキス、肉汁エキス等のリンを
含む天然物やリン酸エステル等の有機リン化合物等をあ
げることができる。同様に窒素源も実質的に微生物が窒
素源として利用可能な物質であればなんでも良く、硫酸
アンモニウム、リン酸一アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、リン酸水素アンモニウムカリウム、塩化アンモニウ
ム等のアンモニウム塩およびこれらの塩の水和物、硝酸
アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸
塩、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩、尿素、アミノ酸、
酵母エキス、肉汁エキス、ペプトン等の窒素を含む天然
物やアミド化合物等の有機含窒素化合物等をあげること
ができる。
【0011】本発明の微生物は、リン5ppm以下でか
つ窒素50ppm以下と言う低栄養条件下で生育するこ
とができるので、栄養塩類を添加しない環境調和型の環
境浄化や排水処理に応用することが可能である。ただ
し、本発明の微生物がリン5ppm以下でかつ窒素50
ppm以下と言う低栄養条件下で生育することができる
と言う性質を有することは、該微生物がリン5ppm以
上あるいは窒素50ppm以上の条件で生育できないこ
とを意味するのではなく、本発明の微生物には、低栄養
条件下でしか生育できない偏性低栄養性微生物と低栄養
条件下でも高栄養条件下でも生育できる通性低栄養性微
生物が含まれる。また、本発明の微生物には、真性細菌
(プロトバクテリア)、古細菌(アーキア)を含む原核
微生物および酵母やカビを含む真核微生物が含まれ、該
微生物は1種類の微生物を単独で用いても、あるいは数
種類を混合して用いても良い。本発明の微生物の使用形
態は、浮遊状態で用いても良いが、菌体濃度を高めるた
めに適当な担体に固定化して用いることもできる。固定
化する場合の担体としては、活性炭やガラスビーズ等の
無機物、ポリスチレンやポリプロピレン等の樹脂担体、
アルギン酸ゲルやポリビニルアルコールゲル等の有機物
を挙げることができる。
【0012】
【実施例】実施例1 低リン濃度、低窒素濃度条件(自然環境)で生育するベ
ンゼン資化性菌の検索 (検索用培地の作成)検索用培地として、下表3に示し
た培地(以下、E−培地)を1/10に希釈したもの
(1/10E−培地:リン約5ppm、窒素約50pp
m)を用いた。これに、炭素源としてベンゼン100p
pmを加えた。また、各培地のpHは7.0とした。
【0013】
【表3】
【0014】(分解菌の取得方法)分離源としては、厚
木市周辺の土壌約20種類を用い、直接前記1/10E
−培地に加えて行った。すなわち、前記土壌サンプル約
1gを500mlの前記1/10E−培地を加えた50
0ml容のネジロ付き三角フラスコに加え、約30℃に
て約1週間培養を行なった。生育の見られたものについ
ては、さらに前記50mlの前記1/10E−培地を加
えた500ml容のネジロ付き三角フラスコ30℃にて
約1週間培養してから、前記1/10E−培地に電気泳
動用アガロース(和光純薬製agarose)を1.2
重量%添加した平板を用いてコロニーを取得した。平板
培地においては、ベンゼンは、シャーレ内に置いたガラ
スろ紙にl0μl染み込ませてべーパー法により与え
た。ベンゼン資化性菌として、2種類のベンゼン資化性
菌B2およびB10が分離された。下表4〜5にB2の
科学的性質および分類学上の情報を示す。
【0015】
【表4】
【0016】
【表5】 前表の科学的性質および分類学上の情報と細胞膜脂肪酸
は、Ralstonia eutrophaの特徴的な
ものであることから、前記分解菌の取得方法で取得した
ベンゼン資化性菌株のB2はRalstonia eu
trophaB2(FERM P− 16672)であ
ると同定された。
【0017】また、他方のベンゼン資化性菌種類B10
の特性は、以下の通りであった。これら特性から、前記
分解菌の取得方法で取得したベンゼン資化性菌株のB1
0はAureobasidium pullulans
B10(FERM P−16674)であると同定さ
れた。以下に前記ベンゼン資化性菌株B10の特性を記
載する。 (1)コロニー性状 培養初期に培地中に透明な菌糸の侵入が観察された。コ
ロニーは酵母様で培養初期は乳白色、そして後期になる
とコロニー周辺より茶色がかった黒色に変化し、最終的
には緑がかった黒色になった。 (2)顕微鏡観察下での形態 菌糸は培養初期にはφ5〜7μmの透明であり、培養後
期には短い間隔で隔壁を有する細胞壁の厚い茶色がかっ
たφ10μm以上の形態へと変化した。分生子は培養後
期から終期に未分化菌糸と同時に形成された。分生子の
大きさはバラツキが大きく、平均的には7〜10×3μ
mであった。
【0018】実施例2 低リン濃度、低窒素濃度条件(自然環境)で生育するト
ルエン資化性菌の検索 (検索用培地の作成)検索用培地として、前記1/10
E−培地を用いた。これに、炭素源としてトルエン10
0ppmを加えた。また、各培地のpHは7.0とし
た。分解菌の取得方法としては、ベンゼンに代えトルエ
ンを用いた以外は、実施例1の取得方法を採用した。ト
ルエン資化性菌としてT23、T26が分離された。下
表6〜7にT23の科学的性質および分類学上の情報、
また下表8〜9にT26の科学的性質および分類学上の
情報を示す。
【0019】
【表6】
【0020】
【表7】 前表の科学的性質および分類学上の情報と細胞質脂肪酸
のプロフィールがRalstonia eutroph
aの典型であることから、前記分解菌の取得方法で取得
したトルエン資化性菌株のT23はRalstonia
eutropha T23(FERM P− 166
71)であると同定された。
【0021】
【表8】
【0022】
【表9】 前表の科学的性質および分類学上の情報と細胞質脂肪酸
のプロフィールがBurkholderia pyrr
ociniaに近似していると記載されているBurk
holderia cepaciaと類似していること
から、前記分解菌の取得方法で取得したトルエン資化性
菌株の前記T26はBurkholderia pyr
rocinia T26(FERM P− 1666
9)であると同定された。
【0023】実施例3 低リン濃度、低窒素濃度条件(自然環境)で生育するキ
シレン資化性菌の検索 (検索用培地の作成)検索用培地として、前記1/10
E−培地を用いた。これに、炭素源としてキシレン10
0ppmを加えた。また、各培地のpHは7.0とし
た。分解菌の取得方法としては、ベンゼンに代えキシレ
ンを用いた以外は、実施例1の取得方法を採用した。キ
シレン資化性菌としてX3、X4が分離された。下表1
0〜11にX3の科学的性質および分類学上の情報、ま
た下表12〜9にT26の科学的性質および分類学上の
情報を示す。下表10〜11にX3の科学的性質および
分類学上の情報、また、下表12〜13にX4の科学的
性質および分類学上の情報を示す。
【0024】
【表10】
【0025】
【表11】 前表の科学的性質および分類学上の情報と細胞質脂肪酸
の組成がRalstonia eutrophaの典型
であることから、前記分解菌の取得方法で取得したキシ
レン資化性菌株のX3はRalstonia eutr
opha X3(FERM P− 16673)である
と同定された。
【0026】
【表12】
【0027】
【表13】 前表の科学的性質および分類学上の情報と細胞質脂肪酸
のプロフィールがBurkholderia pyrr
ociniaに近似していると記述されているBurk
holderia cepaciaの典型であることか
ら、前記分解菌の取得方法で取得したキシレン資化性菌
株の前記X4はBurkholderia pyrro
cinia X4(FERM P− 16670)であ
ると同定された。
【0028】実施例4 前記各実施例の菌株の資化性の確認 下表14の培地(リン、窒素共に5ppm)50mlを
500ml容量のネジロ付三角フラスコに加え、これに
ベンゼン、トルエン、キシレン各々を100ppmにな
るように添加した。供試菌株としてB2株、T23株、
X3株をそれぞれ用いた。30℃で3日間の振とう培養
を行い生育を肉眼で観察した。その結果を下表15に示
した。
【0029】
【表14】
【0030】
【表15】 前表15の結果、B2株、X3株は、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンをすべて資化可能であることおよびT23
株はトルエン、キシレンを資化可能であることが明らか
になった。
【0031】実施例5 1/10E培地に1.2%のアガロースと100ppm
のフェノールを添加した平板培地にB2株、X4株、T
23株を植菌し、生育を肉眼で確認した。
【表16】 この結果供試菌すべてにフェノール資化性があることが
明らかになった。
【0032】
【効果】自然汚染環境や製油所や化学工場などからの低
栄養排水にリン源や窒素源等の栄養塩類を添加すること
なく、低コストで二次汚染の心配のない環境浄化あるい
は排水処理することのできる微生物、および該微生物を
用いた環境浄化あるいは排水処理方法が提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 1/14 B09B 3/00 ZABE //(C12N 1/20 C12R 1:01) (C12N 1/14 C12R 1:645)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン5ppm以下および窒素50ppm
    以下の条件で生育可能な微生物。
  2. 【請求項2】 微生物がRalstonia属に属する
    請求項1記載の低栄養性微生物。
  3. 【請求項3】 微生物がRalstonia eutr
    ophaに属するものである請求項2記載の低栄養性微
    生物。
  4. 【請求項4】 微生物がBurkholderia属に
    属するものである請求項1記載の低栄養性微生物。
  5. 【請求項5】 微生物がBurkholderia p
    yrrociniaに属するものである請求項4記載の
    低栄養性微生物。
  6. 【請求項6】 微生物がAureobasidium属
    に属する低栄養性微生物。
  7. 【請求項7】 微生物がAureobasidium
    pullulansに属するものである請求項6記載の
    低栄養性微生物。
  8. 【請求項8】 微生物が芳香族化合物を分解することが
    可能なものである請求項1〜7のいずれかに記載の低栄
    養性微生物。
  9. 【請求項9】 芳香族化合物がベンゼン、トルエンおよ
    びキシレンよりなる群から選ばれた少なくとも一種以上
    を含有するものである請求項8記載の低栄養性微生物。
  10. 【請求項10】 請求項8または9記載の微生物で石油
    汚染物質を処理することを特徴とする石油汚染物質の浄
    化方法。
  11. 【請求項11】 石油汚染物質が石油汚染土壌または製
    油所排水である請求項10記載の石油汚染物質の浄化方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項8または9記載の微生物で芳香
    族化合物汚染物質を処理することを特徴とする芳香族化
    合物汚染物質の浄化方法。
  13. 【請求項13】 芳香族化合物汚染物質が芳香族化合物
    汚染土壌または芳香族化合物を含有する排水である請求
    項12記載の芳香族化合物汚染物質の浄化方法。
  14. 【請求項14】 芳香族化合物汚染物質がベンゼン、ト
    ルエンおよびキシレンよりなる群から選ばれた少なくと
    も一種以上のもので汚染された汚染物質である請求項1
    2または13記載の芳香族化合物汚染物質の浄化方法。
JP10095439A 1998-03-24 1998-03-24 新規低栄養性微生物および該微生物を用いた石油あるいは芳香族化合物汚染物質の浄化方法 Pending JPH11266858A (ja)

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