JPH11263617A - 高純度ゼオライト及びその製造方法 - Google Patents

高純度ゼオライト及びその製造方法

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JPH11263617A
JPH11263617A JP10106844A JP10684498A JPH11263617A JP H11263617 A JPH11263617 A JP H11263617A JP 10106844 A JP10106844 A JP 10106844A JP 10684498 A JP10684498 A JP 10684498A JP H11263617 A JPH11263617 A JP H11263617A
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JP
Japan
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zeolite
impurities
solution
slurry
water
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Application number
JP10106844A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Murakami
一彦 村上
Yukinori Fukuhara
幸則 福原
Osamu Miyamoto
修 宮本
Kazuo Tokita
一男 時田
Tokuaki Kumazawa
徳昭 熊沢
Tsuguyuki Abe
従幸 安部
Susumu Kobayashi
享 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Coal Mining Co Ltd
Original Assignee
Taiheiyo Coal Mining Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然産出ゼオライト原石に多量に混在する粘
土質分や不純物を効率良く且高い精度で分離除去して、
ゼオライト結晶体の純度を著るしく高めた高純度ゼオラ
イトを安価に提供すること及びその製造方法を提供す
る。 【構成】 ゼオライト原石の重量に対し少なくとも1.
8倍重量以上の水を加えて破砕させてスラリー状ゼオラ
イト溶液となしたるうえ、攪拌させつつ2層以上のフィ
ルターで構成され上層のフィルターの目合が比較的粗目
で且下層のフィルターの目合が75μm平方で而もフィ
ルター全体に振動機能が付与された振動フィルターを濾
通させて不純物を除去し、更にサイクロンにおいて溶解
粘土質分の浮上分離とゼオライト結晶体の沈降分離抽出
し、而してその内面に目合5μm平方のフィルターを設
けた遠心分離機で残留粘土質分及び水分を除去したうえ
加熱乾燥してなる高純度ゼオライト及び高純度ゼオライ
トの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は天然産出されるゼオライ
ト原石内に混在するモンモリロナイトを主成分とする粘
土質分、及び石英、長石、クリストバライト、方解石、
火山ガラス等の不純物を分離除去し、クリノプチロライ
トやモルデナイト等ゼオライト結晶体の純度を高めて高
度利用を図るための高純度ゼオライト及びその製造方法
に関する。
【0002】天然産出されるゼオライト原石は凝灰岩が
続成作用を受けて生成されるもので、我が国においては
比類の無い埋蔵量を有する鉱物資源とされている。ゼオ
ライトはその組成上含水アルミノ珪酸塩鉱物に属し、そ
の特異な結晶構造と多孔質とも相俟ってイオン交換作用
を初めガス吸着作用、分子ふるい作用、触媒作用、吸湿
作用等の特性を保持することが古くから知られており、
更に近年に至っては遠赤外線放射特性や調湿特性に優れ
ていることも解明されるに至っている。
【0003】これがため該ゼオライトのイオン交換作用
を活用して上水中の塩素分の吸着固定や産業廃水若しく
は一般生活廃水或いは河川涸沼水中のアンモニア、窒
素、燐、硝酸、燐酸等の吸着固定のための水処理材を初
め、ガス吸着作用による消臭材或いは家畜類の消化管内
の消化ガスの吸着と排泄作用を促進させて飼育効果を高
めるための飼料添加材、分子ふるい作用による特定ガス
の分離や濃縮材、更には吸湿作用による化粧用保湿剤や
印刷インキの不滲性を保持させた高速印刷紙等の高度利
用が早くから模索されていた。
【0004】然るに天然産出されるゼオライト原石には
モンモリロナイトを主成分とする粘土質分や、石英、長
石、クリストバライト、方解石、火山ガラス等の不純物
が略50乃至70%程度も混在するため、水中での使用
はもとより水分の存在下では粘土質分が吸水膨潤のうえ
溶解し、而も長時間に亘る場合には粘土質分の溶解に伴
ってゼオライト結晶体と不純物の結合も破壊される結
果、水処理材や飼料添加剤、化粧用保湿剤、高速印刷紙
への有効利用が果しえず、更には極めて微粒な粘土質分
の混在により分子ふるい作用の有効性も阻害されること
等により未だ高度利用は実現されていない。
【0005】かかる状況に際し、近年においてはゼオラ
イトの保持するイオン交換作用所謂塩基置換容量(me
q/100g)を高めた素材として、アルミン酸ナトリ
ウ、水酸化アルミニウム及びシリカゲルを原料として合
成させ、その塩基置換容量が400乃至600meq/
100gのもの、或いはシリカや酸化アルミニウムを熔
融して水砕スラグを形成のうえ苛性ソーダーで加熱アル
カリ処理して塩基置換容量400乃至500meq/1
00gに形成させた合成ゼオライトと称されるものが上
市されているが、これら合成ゼオライトは価格的に極め
て高価なばかりか専ら高い塩基置換容量を保持させたも
のであって、耐酸性や耐熱性に著るしく劣ることからそ
の利用途も自づと制限され、現状においては合成洗剤用
ビルダーや石油精製時のFCC触媒としての使用が挙げ
られるに過ぎない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の如き実情に鑑
み、発明者等は天然産出のゼオライトの高度利用を図る
べく鋭意研究を重ねた結果、天然算出されるゼオライト
原石はクリノプチロライト若しくはモルデナイトからな
るゼオライト結晶体と、石英、長石、クリストバライ
ト、方解石、火山ガラス等からなる不純物とが、モンモ
リロナイトを主成分とする粘土質分により結合され形成
されてなること、並びに十分な水の存在下においては粘
土質分が吸水膨潤溶解しゼオライト結晶体と不純物との
結合も破壊されること、及び結合が破壊された不純物の
粒径は略75μm以上であるのに比べゼオライト結晶体
の粒径は略5乃至75μmの範囲にあり、且溶解した粘
土質分の粒径は最大でも5μm以下であって、而もゼオ
ライト結晶体の比重が略2.5乃至2.6であることに
対し粘土質分の比重が略0.9乃至1.1と大きな比重
差を有することを究明し本発明に至った。
【0007】即ち本発明は天然産出させるゼオライト原
石に多量に混在する粘土質分及び不純物を効率良く且高
い精度で分離除去し、以ってゼオライト結晶体の純度を
著るしく高めた高純度ゼオライトを安価に提供するこ
と、及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明が採用した技術的手段は、天然産出されるゼ
オライト原石をそのゼオライト原石重量に対して少なく
とも1.8倍重量以上の水とともに破砕させ、破砕に伴
い混在する粘土質分と水との接触面を増大せしめて、該
粘土質分に積極的に吸水させて膨潤溶解させ、ゼオライ
ト結晶体と不純物との結合を破壊させてスラリー状ゼオ
ライト溶液となす。そして該スラリー状ゼオライト溶液
中に結合破壊されて混在するゼオライト結晶体と不純物
及び粘土質分はそれぞれその粒径や比重を異にするもの
であるから、該スラリー状ゼオライト溶液中の粒径の最
も大きな75μm以上の不純物をフィルターを濾通させ
て濾着除去するに際しそれぞれ混在するゼオライト結晶
体、不純物及び粘土質が分散された状態で濾通させるこ
とがフィルターの目詰り防止のうえで肝要なため、該ス
ラリー状ゼオライト溶液を攪拌させながらフィルターに
供給濾通させる。
【0009】そして不純物を濾着除去するフィルターは
濾通抵抗が小さく且75μm以上の粒径を有する不純物
を確実に濾着除去させるため少なくとも2層以上のフィ
ルターで構成され、且その上層のフィルターの目合は比
較的粗目で、且下層のフィルターの目合が75μm平方
で形成されており、而もスラリー状ゼオライト溶液の濾
通を促進させるために、これら2層以上のフィルターに
は振動機能を付与させた振動フィルターを用いる。
【0010】かくして振動フィルターを濾通し不純物が
濾着除去されたスラリー状ゼオライト溶液は、均質で且
所要の移送圧力でサイクロン内に供給して所要の渦流を
生成せしめ、比重の小さな溶解粘土質分は浮上させて分
離除去し、且比重の大きなゼオライト結晶体は沈降させ
て、その下方より分離して、ゼオライト結晶体水溶液と
して抽出する。而してこの抽出されたゼオライト結晶体
水溶液は、含有する水分の除去と且残留する極く微粒状
の溶解粘土質分の確実な分離除去を図るうえから、その
内面に水分及び溶解粘土質分を濾通させる目合5μm平
方のフィルターを設けた遠心分離機により、水分及び溶
解粘土質分を分離除去させて含水率が35%以下のゼオ
ライト結晶体となしたるうえ、その塩基置換容量を損わ
ぬよう最高温度300℃以下の温度を以って加熱乾燥さ
せて形成される高純度ゼオライト及びその製造方法に存
する。
【0011】
【作用】本発明は上述の如き技術的手段を用いてなるた
め、次の如き作用を有する。即ち天然産出されるゼオラ
イト原石はクリノプチロライト若しくはモルデナイトか
らなるゼオライト結晶体と石英、長石、クリストバライ
ト、方解石、火山ガラス等からなる不純物とかモンモリ
ロナイトを主成分とする粘土質分により結合されてなる
もので、該粘土質分は吸水膨潤溶解性を保持するため水
とともに破砕させることにより、破砕に伴って粘土質分
と水との接触面積率が急激に増大するため、短時に吸水
膨潤溶解しゼオライト結晶体と不純物との結合も破壊さ
れる。そしてかかるゼオライト原石の破砕に際しては、
該ゼオライト原石重量に対して少なくとも1.8倍重量
以上の水が用いられるため、粘土質分の吸水膨潤溶解及
びゼオライト結晶体と不純物の結合が破壊された状態に
おいても低粘度のスラリー状ゼオライト溶液となるた
め、以後の振動フィルターにおける濾通と不純物の濾着
除去やサイクロンにおける溶解粘土質分とゼオライト結
晶体との分離、及び遠心分離機による含有水分並びに残
留溶解粘土質分の脱水及び分離作業が能率的になしえる
こととなる。
【0012】そしてスラリー状ゼオライト溶液は攪拌さ
れながら振動フィルターを濾通されるため、粒径や比重
の異るゼオライト結晶体、不純物及び溶解粘土質分が分
散された状態で濾通されるため、フィルターの部分的目
詰まりが防止され濾通性も良好に保持される。加えて該
振動フィルターは少なくとも2層のフィルターで構成さ
れ、且その上層のフィルターが比較的粗目で而も下層の
フィルターの目合が75μm平方で形成されてなるた
め、濾通されるスラリー状ゼオライト溶液中の粒度の粗
い不純物は上層のフィルターで濾着除去され、且下層の
フィルターで細かい不純物の濾着除去と二段階に亘る濾
着除去がなされるためフィルター目詰りが防止されると
ともに、フィルター全体に振動機能が付与されてなるた
め、仮令スラリー状ゼオライト溶液の粘土変動が生じて
も、濾通が促進される。
【0013】而して不純物が濾着除去されたスラリー状
ゼオライト溶液は均質で且所要の移送圧力を以ってサイ
クロン内に供給されるため、所定速度の渦流が生成せし
められその比重が略0.9乃至1.1の溶解粘土質分は
浮上することにより除去され、且その比重が略2.5乃
至2.6のゼオライト結晶体は沈降するため下方よりゼ
オライト結晶体水溶液として分離抽出しえる。
【0014】更にこの分離抽出されたゼオライト結晶体
水溶液を、その内面に目合が5μm平方のフィルターが
設けられてなる遠心分離機で遠心分離させることによ
り、含有水分はもとより残留する溶解粘土質分も濾過除
去され、ゼオライト結晶体のみが該フィルターに濾着さ
れることとなる。
【0015】
【実施例】以下に本発明実施例を詳細に説明すれば、使
用する天然産出ゼオライト原石については特段の制約は
ないが、産出鉱床によっては粘土質分の含有量や結合強
度及び硬度に差異があるため、水と共に破砕しスラリー
状ゼオライト溶液化するための条件を左右することから
予めこれら性質を把握しておくことが望まれる。一般的
に天然産出されるゼオライト原石中には粘土質分及び不
純物が略50乃至70%程度が混在するものであり、且
スラリー状ゼオライト溶液は低粘度のゲル状態となすこ
とが不純物除去や溶解粘土質分の除去処理上要求される
ため、該ゼオライト原石重量に対して少なくとも1.8
倍重量以上好ましくは2.0乃至2.5倍重量の水とと
もに破砕することが望まれる。
【0016】破砕に際してのゼオライト原石の大きさは
特に制限はなく、通常10乃至30cm程度に一次破砕
したもので十分使用できるが、短時間にスラリー状ゼオ
ライト溶液化を図るうえからは更に細かく破砕させたも
のを使用すれば良い。そしてゼオライト原石と水とによ
る破砕は通常湿式ボールミルを使用することが至便であ
るが、特にゼオライト原石中には吸水膨潤溶解する粘土
質分が多量に含有されてなるため、本発明における湿式
ボールミルの使用に際しては、破砕用ボールを使用せず
にゼオライト原石と水とを回転させるのみでゼオライト
原石相互の接触衝撃で破砕させることにより、含有され
てなる粘土質分の水との接触面積率が急激に増大し、該
粘土質分の吸水膨潤溶解によりゼオライト結晶体と不純
物との結合も破壊され、低粘度なゲル状態のスラリー状
ゼオライト溶液が形成される。かかる場合においてゼオ
ライト原石重量に対し水が1.8倍重量以下となると形
成されるスラリー状ゼオライト溶液の粘度が高くなり、
以後の不純物除去を初め溶解粘土質分の除去、或いは脱
水や残留溶解粘土質分の除去が難かしくなり、且水が
2.5倍重量を超えると全体量が大きくなりこれら後処
理に多大な時間を要することに留意すべきである。因み
に40l容量の湿式ボールミル内に平均15cmの大き
さに一次破砕したゼオライト原石10kgと水20kg
とを封入し42回転/分で湿式ボールミルを回転させて
破砕させると、略18時間でゼオライト結晶体、不純物
及び溶解粘土質分からなるスラリー状ゼオライト溶液が
作成される。
【0017】かくして作成されたスラリー状ゼオライト
溶液よりその粒径が75μm以上の不純物を除去するた
めに、該スラリー状ゼオライト溶液を振動式フィルター
に濾通させる。この振動式フィルターはスラリー状ゼオ
ライト溶液中の不純物のみを濾着除去させるためのもの
であって、不純物の粒径は少なくとも75μm以上の広
範囲に亘る粒径分布を有するものである反面、ゼオライ
ト結晶体は略5乃至75μmの粒径を有し且溶解粘土質
分は最大でも5μm以下の微細な粒径を有する。従って
該振動式フィルターではその粒径が75μm以上の不純
物を濾着させ且ゼオライト結晶体及び溶解粘土質分は濾
通させる必要がある。これがため、その目合が75μm
平方のフィルター1層で濾着並びに濾通をなしたる場合
には、粒径の大きな不純物の濾着により目合が閉塞され
てゼオライト結晶体や溶解粘土質分の濾通がなされず製
造自体不可能に陥る。
【0018】そこで本発明においては、少なくとも2層
以上のフィルターを用いた振動式フィルターの使用でか
かる問題を解決しているもので濾着される不純物はその
粒径において75μm以上の広範に亘る粒径分布を有す
るため、成可くその上層の粗目のフィルターで粒径の大
きな不純物を濾着させておくことが、下層のフィルター
によりゼオライト結晶体や溶解粘土質分の濾通促進のう
えで重要であり、これがため上層のフィルター目合は下
層のフィルター目合に比べ粗目のものが使用される所以
で、当然に下層フィルターはその目合が75μm平方の
ものが採用されるため、2層のフィルターで構成する場
合においては上層フィルターの目合としては略300乃
至400μm平方の目合が好適である。
【0019】そしてかかる2層以上のフィルターを濾通
させるスラリー状ゼオライト溶液は、溶解粘土質分に係
る粘性を有し而もこれらフィルターの目合も極めて微細
なため濾通抵抗も大きなためフィルター目合に粘着して
濾通性が損われる危険を防止するうえから、該フィルタ
ー全体を上下方向若しくは、左右方向に振動させて濾通
促進させるために振動機能の付与されたものが採用され
ている。加えて肝要なことは、スラリー状ゼオライト溶
液中にはその粒径や比重の著るしく異るゼオライト結晶
体、不純物及び溶解粘土質分が混合された状態にあるか
ら、該スラリー状ゼオライト溶液を静置させると高比重
物の沈降等により、粒径や比重の偏在化したスラリー状
ゼオライト溶液が濾通されることとなり、フィルターの
特定部分が閉塞される危険も生じる。従ってスラリー状
ゼオライト溶液を振動式フィルターに供給するに際して
は、攪拌させながら供給することにある。
【0020】かくして不純物が濾着除去されたスラリー
状ゼオライト溶液は、引続いてその比重差によりゼオラ
イト結晶体と溶解粘土質分との分離がなされるもので、
かかる分離に際してはサイクロンが用いられる。即ちゼ
オライト結晶体の比重は略2.5乃至2.6であり、且
溶解粘土質分の比重は略0.9乃至1.1の水準にあ
る。これがため不純物の除去されたスラリー状ゼオライ
ト溶液を均質で且所要の移送圧力を以って該サイクロン
内に供給して渦流を生成せしめてやることにより、比重
の小さな溶解粘土質分は浮上するため該サイクロン上部
より排出分離させ、而も比重の大きなゼオライト結晶体
は沈降することから、該サイクロン下部より水と共にゼ
オライン結晶体水溶液として抽出分離させる。かかる場
合において重要なことはサイクロン内に供給されたスラ
リー状ゼオライト溶液の渦流を均質に生成させることが
低比重な溶解粘土質分の浮上と高比重なゼオライト結晶
体の沈降による分離効果が高められるため、移送供給に
際しては圧力変動、所謂脈動のないホースポンプ等の使
用が望まれる。更に低比重の溶解粘土質分と高比重のゼ
オライト結晶体の浮上並びに沈降は、生成される渦流速
度によって大きく影響されるものであるが、流体分級能
力として1.6l/分のサイクロンを使用する場合にお
いては、移送圧力として3.0乃至5.0kg/cm
程度が好適である。
【0021】而してサクロンにより分離抽出されたゼオ
ライト結晶体水溶液は、その水分及び残留する微細な溶
解粘土質分を除去し純度の高いゼオライト結晶体となす
うえから遠心分離機が用いられる。この遠心分離機の内
面には残留するその粒径が最大でも5μm以下の溶解粘
土質分及び水分を濾通除去させてゼオライト結晶体のみ
を濾着させるため、その目合が5μm平方のフィルター
が設けられてなるもので、該遠心分離機内に供給された
ゼオライト結晶体水溶液は、その高速回転に伴う遠心力
を以ってフィルターを濾通され粒径が最大で5μm以下
の溶解粘土質分及び水分がフィルター外部に濾通除去さ
れる。かかる場合に遠心分離機内面に設けられるフィル
ターは目合が5μm平方と極めて微細な目合のものが使
用されるため濾通抵抗も大きく、従って遠心分離力の強
いものが好適であることから略4000乃至7000回
転/分程度の遠心分離機を使用すべきである。そしてか
かる遠心分離処理によってゼオライト結晶体の含有水分
率は略35乃至30%程度まで脱水される。
【0022】次いで脱水されたゼオライト結晶体は広範
な利用に供するうえから乾燥粉体となす必要より乾燥処
理がなされるもので、乾燥手段としては特段の制限は無
いが安価な手段として加熱乾燥が挙げられる。かかる加
熱乾燥に際して肝要なことは、ゼオライトの利用にはそ
の保持する塩基置換容量(meq/100g)特性を活
用する場合が多く、反面該塩基置換容量は350℃を超
えた加熱条件下では減少することが究明されている。従
って加熱乾燥に際しても最大300℃以下の温度を以っ
て乾燥すべきである。このような製造手段により不純物
や粘土質分が多量に混在するゼオライト原石より、極め
て安価且能率的に高純度のゼオライトを製造することが
可能となる。
【0023】本発明により天然産出されるゼオライト原
石より高純度ゼオライトの製造を実験例として以下に述
べれば、使用したゼオライト原石は釧路市坑内で採炭時
に採掘され選別のうえ約6ヶ月屋外集積されたものを使
用したもので、該ゼオライト原石の初期塩基置換容量
(meq/100g)は略131であった。かかるゼオ
ライト原石を略10乃15cm程度に一次破砕のうえ、
該ゼオライト原石10kgに対して2.0倍重量の水2
0kgを加え401容量の湿式ボールミルを用い42回
転/分の回転速度を以って20時間破砕させることによ
りゾル化したスラリー状ゼオライト溶液が作成された。
このスラリー状ゼオライト溶液を攪拌させつつ、その上
層フィルター目合が375μm平方で且下層のフィルタ
ー目合が75μm平方の2層構造で而もこれらフィルタ
ーが左右方向に往復振動される振動式フィルターに毎分
0.5lの割合で供給し、該振動式フィルターで不純物
を除去させたスラリー状ゼオライト溶液を得た。そして
この不純物の除去されたスラリー状ゼオライト溶液をホ
ースポンプより移送圧力3.0kg/cmでその処理
容量1.6l/分のサイクロン内に供給して均質な渦流
を生成させ、その上端に設けた排出口より浮上する溶解
粘土質分を自然排出させて分離するとともに、該サイク
ロン下端に設けた抽出弁より沈降したゼオライト結晶体
を水とともに排水抽出してゼオライト結晶体水溶液を得
た。
【0024】而して得たゼオライト結晶体水溶液を、そ
の内面に目合が5μm平方のフィルターを設けてなる遠
心分離機内に供給するとともに5000回転/分の回転
速度を以って残留溶解粘土質分及び水分を濾通させて除
去することにより、該フィルターに含水率32%のゼオ
ライト結晶体が濾着採取される。このゼオライト結晶体
を250℃2時間熱風乾燥させることによりゼオライト
結晶体粉体が得られるもので、生産収率は15.4%即
ち1.54kgのゼオライト結晶体が生産しえ、且この
ゼオライト結晶体の純度は略93%であり、而もこの結
晶体の塩基置換容量(meq/100g)は196であ
った。
【0025】
【発明の効果】本発明は上述したように、採炭に伴って
採掘されたうえ選別廃棄されてなるゼオライト原石を、
該ゼオライト原石重量に対して少なくとも1.8倍重量
以上の水とともに破砕させるのみで、混在する粘土質分
の吸水膨潤溶解に伴いゼオライト結晶体と不純物との結
合が自己破壊されて容易にスラリー状ゼオライト溶液と
なり、而も該スラリー状ゼオライト溶液はゲル状の低粘
度であるため振動式フィルターを十分に濾通されながら
不純物が濾着除去しえるとともに、この不純物の除去さ
れたスラリー状ゼオライト溶液中のゼオライト結晶体と
溶解粘土質分には大きな比重差が存在するため、サイク
ロン内における渦流で溶解粘土質の浮上分離とゼオライ
ト結晶体の沈降による抽出分離も簡便になしえるばかり
か、分離抽出されたゼオライト結晶体水溶液をその内面
に目合が5μm平方のフィルターを設けた遠心分離機で
遠心分離させるため、残留する溶解粘土質分も水分とと
もに濾通除去され極めて純度の高いゼオライト結晶体が
濾着され、且これを加熱乾燥させるのみで高純度ゼオラ
イトが作成しえるもので、簡便な設備と操作を以って生
産収率が高く且極めて安価に高純度ゼオライトが提供で
きるばかりか、高純度化に伴ってイオン交換作用はもと
より分子ふるい作用、ガス吸着作用が著しく高まるため
高度利用が可能となり、加えて天然ゼオライトを原料と
するため耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性に優れるため広
範な利用も可能となる等、優れた特長を具備する高純度
ゼオライト及びその製造方法といえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 時田 一男 北海道釧路市興津5丁目2番23号 太平洋 炭礦株式会社釧路鉱業所内 (72)発明者 熊沢 徳昭 北海道釧路市興津5丁目2番23号 太平洋 炭礦株式会社釧路鉱業所内 (72)発明者 安部 従幸 北海道釧路市興津5丁目2番23号 太平洋 炭礦株式会社釧路鉱業所内 (72)発明者 小林 享 北海道釧路市興津5丁目2番23号 太平洋 炭礦株式会社釧路鉱業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼオライト原石を該ゼオライト原石重量
    に対し少なくとも1.8倍重量以上の水とともに破砕さ
    せ、含有粘土質分の吸水膨潤溶解によりゼオライト結晶
    体と不純物との結合を破壊させてスラリー状ゼオライト
    溶液となしたるうえ、粒径75μm以上の不純物を濾着
    除去し、且比重差を以って溶解粘土質分とゼオライト結
    晶体水溶液とに分離させ、更にこの分離されたゼオライ
    ト結晶体水溶液中に残留する溶解粘土質分及び水分を遠
    心分離除去させたうえ、最高温度が300℃以下の温度
    を以って加熱乾燥し形成されてなることを特徴とする高
    純度ゼオライト。
  2. 【請求項2】 ゼオライト原石を該ゼオライト原石重量
    に対し少なくとも1.8倍重量以上の水と湿式ボールミ
    ルにて破砕し、粘土質分の吸水膨潤溶解に伴いゼオライ
    ト結晶体と不純物との結合が破壊されたスラリー状ゼオ
    ライト溶液となしたるうえ、該スラリー状ゼオライト溶
    液を攪拌させつつ少なくとも2層以上のフィルターから
    なり、且上層のフィルターの目合が比較的粗く而も下層
    フィルターの目合が75μm平方で且スラリー状ゼオラ
    イト溶液の濾通を促進させるため該フィルターに振動機
    能が付与された振動フィルターを濾通させて不純物を濾
    着除去させ、更にこの不純物が除去されたスラリー状ゼ
    オライト溶液を均質且所要の移送圧力でサイクロン内に
    供給し、その渦流作用により低比重の溶解粘土質分を浮
    上分離させ且高比重のゼオライト結晶体を沈降させたう
    えゼオライト結晶体水溶液として分離抽出させ、而して
    このゼオライト結晶体水溶液をその内面に5μm平方の
    目合のフィルターが設けられた遠心分離機で残留する溶
    解粘土質分の除去と含有水分率を35%以下に脱水した
    うえ、300℃以下の温度を以って加熱乾燥させる高純
    度ゼオライトの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015124094A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 ユニオン昭和株式会社 ゼオライト微粒粉末の製造方法及びゼオライト微粒粉末
CN105544232A (zh) * 2016-01-20 2016-05-04 浙江正宇纺织印染基地有限公司 一种高效防酸防护服面料的制备方法

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