JPH11263279A - 揺動支点を有する駆動力入力装置を用いた自転車 - Google Patents

揺動支点を有する駆動力入力装置を用いた自転車

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JPH11263279A
JPH11263279A JP6902298A JP6902298A JPH11263279A JP H11263279 A JPH11263279 A JP H11263279A JP 6902298 A JP6902298 A JP 6902298A JP 6902298 A JP6902298 A JP 6902298A JP H11263279 A JPH11263279 A JP H11263279A
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JP
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pedal
bicycle
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fulcrum
driving force
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JP6902298A
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English (en)
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Atsushi Mamiya
篤 間宮
Shuzo Miyake
周三 三宅
Nobuhiro Fujiwara
信浩 藤原
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ペダル軌道を自由度高く設定することができる
と共に、装置の構成をシンプルにして部品点数を少なく
し、安価で軽い装置を実現する。 【解決手段】左右のペダル23L(図示せず),23R
が交互に踏み込まれることによって、左右の支点リンク
21L(図示せず),21Rが円弧状の軌道Pで揺動し
て左右のペダル23L,23Rが偏平で湾曲した円弧形
状の軌道Tで回転移動する。これら左右のペダル23
L,23Rの動きに伴って、左右のペダルレバー22L
(図示せず),22Rが前後方向にわずかに移動しなが
ら上下方向に移動することで、これら左右のペダルレバ
ー22L,22Rの中間の連結部35Rに回動自在に結
合される左右のクランクアーム24L(図示せず),2
4Rが出力軸25を中心として360度回転運動して後
輪が駆動される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、揺動支点を有す
る駆動力入力装置を用いた自転車に関する。詳しくは、
車体を構成するフレームと、フレームの前後にそれぞれ
回転自在に取り付けられる前輪および後輪とを備える自
転車において、一端部がフレームに回動自在に取り付け
られ、他端部が一端部を支点として円弧状の軌跡で揺動
する左右の支持部材と、一端部が左右の支持部材の他端
部に回動自在に取り付けられる左右の連接部材と、左右
の連接部材の他端部に回動自在に取り付けられ、後輪を
駆動するための動力が入力される左右のペダルと、一端
部が左右の連接部材の中間に回動自在に結合され、他端
部が互いに180度の位相差をもって後輪に回転力を付
与するための出力軸に結合される左右のクランク部材と
を備えて構成される駆動力入力装置を有することによっ
て、ペダル軌道を自由度高く設定することができると共
に、装置の構成をシンプルにして部品点数を少なくし、
安価で軽い装置を実現し得る自転車に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の自転車は、スプロケットの軸の両
側に180度の位相差をもって固定されるクランク状の
ペダルを両足で交互に漕ぎ、スプロケットの軸を中心に
ペダルレバーを360度回転運動させることで回転力を
得、この回転力をスプロケットよりチェーンを介して後
輪に伝えるようになされている。しかし近年、このよう
な従来の自転車に比べて疲労を少なくして所望の推進力
の得られる揺動支点を有する駆動力入力装置を用いた自
転車が提案されている。
【0003】図15は、従来の揺動支点を有する駆動力
入力装置を用いた自転車の構成を概略的に示すものであ
る。図15において、揺動支点を有する駆動力入力装置
を用いた自転車(以下、「自転車」とする)60は、既
存の自転車と同様に、動輪である前輪61と後輪62と
がデルタ状の一対のフレーム63,64によって連結さ
れ、前方のフレーム63側にはハンドル65が取り付け
られ、後方のフレーム64側にはサドル66が取り付け
られている。
【0004】前輪61の車軸61aはハンドルフレーム
67の下部に形成される二股部67aの先端に回転自在
に固定され、ハンドルフレーム67の上部には操向装置
としてのハンドル65が取り付けられる。
【0005】ハンドルフレーム67を回動自在に保持す
る保持部63cからは前方フレーム63を構成する2本
の連結部63a,63bが水平および下方に延び、これ
ら連結部63a,63bの先端部は、後方フレーム64
を構成し、ハンドルフレーム67と略平行となるサドル
フレーム64cに結合される。サドルフレーム64cに
はサドル66が取り付けられ、運転者の乗車高さを必要
に応じて適宜に調整することができるように構成されて
いる。
【0006】2本の連結部63a,63bからは後方フ
レーム64を構成する2本の連結部64a,64bが延
び出し、これら連結部64a,64bの先端が互いに結
合されて後輪62の車軸62aを水平に保持している。
車軸62aの両端にはそれぞれギヤ75R,75L(図
示せず)が取り付け固定されている。なお、図15には
自転車の進行方向右側のギヤ75Rに関する構成が示さ
れている。
【0007】ギヤ75Rは図示せずも歯車列に噛合さ
れ、これら歯車列を介してギア75Rに回転力を伝達す
るようにクランク76Rが取り付け固定されている。ク
ランク76Rの軸78Rに対して偏心した位置にはクラ
ンクピン77Rが取り付けられる。クランクピン77R
には右側のペダルレバー72Rが回動自在に軸支され
る。
【0008】ペダルレバー72Rの前端部には右側のペ
ダル71Rが回動自在に取り付けられる。また、ペダル
レバー72Rの後端部にはローラ73Rが回転自在に軸
支される。ローラ73Rは車軸62aの近傍に形成され
る案内溝74Rの中を前後の方向に自由にスライド移動
が可能となっている。
【0009】ペダルレバー72Rはローラ73Rに軸支
されている点を支点とする梃子として構成されるもの
で、力点であるペダル71Rを踏み込むことによって、
ペダル71Rが偏平な楕円形状に近い円弧の軌道Sに沿
って反時計回りの方向に移動すると共に、ペダルレバー
72Rがローラ73Rを支点として所定の角度で上下に
移動する。
【0010】これにより、ペダルレバー72aの梃子と
しての作用点であるクランクピン77Rを介して、クラ
ンク76Rが軸78Rを中心として反時計回りの方向に
回転される。このとき、ペダルレバー72Rの支点とな
るローラ73Rは、案内溝74Rの中を前後の方向にス
ライド移動する。つまりローラ73Rは、ペダルレバー
72Rの揺動支点として機能することとなる。
【0011】クランク76Rが回転されると、歯車列を
介してクランク76Rの回転力がギヤ75Rに伝達さ
れ、ギヤ75Rが時計回りの方向に回転されることによ
って、車軸62aおよび後輪62が回転して自転車60
の推進力が得られる。左側のペダルレバー72L(図示
せず)についても上述した右側のペダルレバー72Rと
同様の機構となされているため、運転者が左右の足で交
互にペダル71R,71L(図示せず)を踏み込むこと
により、自転車60を走行させることができる。
【0012】このときのペダル71R,71Lの軌道
は、曲線Sで示した偏平な楕円形状に近いものとなるた
め、ペダル71R,71Lを踏み込む足の動きはほとん
ど上下に往復させるだけでよい。したがって、スプロケ
ットの軸を中心にペダルレバーを360度回転運動させ
て推進力を得る従来の自転車に比べてペダルに加える踏
込力のロスが少なくなるため、疲労が少なくて済む。ま
た、膝の開口角が小さくて済むため、老人などの比較的
膝の機能が弱い人でも楽に乗ることが可能となる。上述
したような前後の方向にスライド移動(揺動)する支点
を有する駆動力入力装置を用いた自転車は、「特願平9
−193952号」に記載されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した自
転車60の構成においては、後輪62を回転させるため
の揺動支点を有する駆動力入力装置を構成するクランク
76R、ギヤ75Rおよび案内溝74Rなどの駆動機構
を自転車60の両側に特別に設ける必要がある。このた
め装置を構成する部品の点数が多くなり、自転車60の
コストが高くなると共に、自転車60の車両重量が重く
なるという問題があった。
【0014】そこで、この発明では、ペダル軌道を自由
度高く設定することができると共に、装置の構成をシン
プルにして部品点数を少なくし、安価で軽い装置を実現
し得る自転車を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係る揺動支点
を有する駆動力入力装置を用いた自転車は、車体を構成
するフレームと、フレームの前後にそれぞれ回転自在に
取り付けられる前輪および後輪とを備える自転車におい
て、一端部がフレームに回動自在に取り付けられ、他端
部が一端部を支点として円弧状の軌道で揺動する左右の
支持部材と、一端部が左右の支持部材の他端部に回動自
在に取り付けられる左右の連接部材と、左右の連接部材
の他端部に回動自在に取り付けられ、後輪を駆動するた
めの動力が入力される左右のペダルと、一端部が左右の
連接部材の中間に回動自在に結合され、他端部が互いに
180度の位相差をもって後輪に回転力を付与するため
の出力軸に結合される左右のクランク部材とを備えて構
成される駆動力入力装置を有することを特徴とするもの
である。
【0016】この発明において、左右のペダルが交互に
踏み込まれることによって、左右の支持部材が円弧状の
軌道で揺動し、左右のペダルが偏平で湾曲した円弧形状
の軌道で回転移動する。これら左右のペダルの動きに伴
って、左右の連接部材が前後方向にわずかに移動しなが
ら上下方向に移動することで、これら左右の連接部材の
中間に回動自在に結合される左右のクランク部材が出力
軸を中心として360度回転運動して後輪が駆動され
る。
【0017】このような構成にすることにより、ペダル
軌道を自由度高く設定することができると共に、装置の
構成をシンプルにして部品点数を少なくし、安価で軽い
装置を実現できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形
態としての揺動支点を有する駆動力入力装置を用いた自
転車10の構成を示すものである。
【0019】図1において、揺動支点を有する駆動力入
力装置を用いた自転車(以下、単に「自転車」という)
10は、既存の自転車と同様に、動輪である前輪1と後
輪2とがデルタ状の一対のフレーム3,4によって連結
され、前方のフレーム3側にはハンドル5が取り付けら
れ、後方のフレーム4側にはサドル6が取り付けられて
いる。
【0020】前輪1の車軸1aはハンドルフレーム7の
下部に形成される二股部7aの先端に回転自在に固定さ
れ、ハンドルフレーム7の上部には操向装置としてのハ
ンドル5が取り付けられる。
【0021】ハンドルフレーム7を回動自在に保持する
保持部3cからは前方フレーム3を構成する2本の連結
部3a,3bが水平および下方に延び、これら連結部3
a,3bの先端部は、後方フレーム4を構成し、ハンド
ルフレーム7と略平行となるサドルフレーム4cに結合
される。サドルフレーム4cにはサドル6が取り付けら
れ、運転者の乗車高さを必要に応じて適宜に調整するこ
とができるように構成されている。
【0022】2本の連結部3a,3bからは後方フレー
ム4を構成する2本の連結部4a,4bが延び出し、こ
れら連結部4a,4bの先端が互いに結合されて後輪2
の車軸2aを水平に保持している。車軸2aには、サド
ルフレーム4cの下部に設けられる後述する揺動支点を
有する駆動力入力装置(以下、単に「駆動力入力装置」
という)20より得られる回転力をスプロケット26よ
りチェーン27を介して後輪2に伝達するためのギヤ2
8が取り付け固定されている。なお、図1には自転車1
0の進行方向右側にギヤ28を設ける構成が示されてい
るが、自転車10の進行方向左側にギア28およびスプ
ロケット26を設けてもよい。
【0023】図2は、実施の形態としての自転車10の
進行方向右側における駆動力入力装置20の構成を示す
部分拡大図である。
【0024】図2において駆動力入力装置20は、一端
部31Rが連結部4bに回動自在に取り付けられ、他端
部32Rが一端部31Rを支点として円弧状の軌道で揺
動する支持部材としての支点リンク21Rと、一端部3
3Rが支点リンク21Rの他端部32Rに回動自在に取
り付けられる連接部材としてのペダルレバー22Rと、
ペダルレバー22Rの他端部34Rに回動自在に取り付
けられ、後輪2を駆動するための動力が入力されるペダ
ル23Rと、一端部36Rがペダルレバー22Rの中間
の結合部35Rに回動自在に結合され、他端部37Rが
後輪2に回転力を付与するための出力軸25に結合され
るクランク部材としてのクランクアーム24Rとを備え
て構成されている。
【0025】支点リンク21Rは、両端に回動自在の保
持部として機能する一端部31Rと他端部32Rを有
し、これら一端部31Rと他端部32Rの間隔が所定の
範囲で伸張自在となるようになされている。一端部31
Rは、後方フレーム4を構成する連結部4bのサドルフ
レーム4c寄りに、回動自在となるように取り付け固定
されている。詳述すると、図4に示すように、他端部3
2Rが支点リンク軌道P(一点鎖線図示)の図において
最も右側近くに揺動する際に、他端部32Rがクランク
アーム24Rの一端部36Rの回転軌道W(一点鎖線図
示)の内側に入り込むように、支点リンク21Rの一端
部31Rが連結部4bに回動自在に取り付け固定されて
いる。
【0026】図2に示すように、支点リンク21Rの他
端部32Rにはペダルレバー22Rの一端部33Rがピ
ン41Rを介して回動自在に取り付けられている。ペダ
ルレバー22Rは金属製の板状体で形成され、その中間
部がく字状に折り曲げられており、両端には回動自在の
保持部として機能する一端部33R,他端部34Rを有
している。く字状に折り曲げられた部分には、クランク
アーム24Rの一端部36Rにクランクピン42を介し
て回動自在に結合される結合部35Rが設けられてい
る。
【0027】ペダルレバー22Rの一端部33Rから結
合部35Rまでの形状および長さは、ピン41Rの中心
点とクランクピン42Rの中心点を結んだ直線の長さL
と、出力軸25の中心点とクランクピン42Rの中心点
を結んだ直線の長さrとの関係が「r<L<2r」とな
るように選定されている。
【0028】ペダルレバー22Rの他端部34Rには、
後輪2を駆動するための動力が入力されるペダル23R
が回動自在に取り付けられている。ペダル23Rはプラ
スチックなどの軽量な材質のもので直方体状に形成され
ており、図3に示すように、外側に突出するようにペダ
ルレバー22Rに対して片持ち支持されている。
【0029】図2に示すように、ペダルレバー22Rの
結合部35Rには、クランクアーム24Rの一端部36
Rがクランクピン42Rを介して回動自在となるように
取り付けられている。クランクアーム24Rは金属製で
あり、両端部に回動自在の保持部として機能する一端部
36Rと他端部37Rを有している。そしてクランクア
ーム24Rの一端部37Rは、図3に示すように、左右
のクランクアーム24R,24Lが互いに180度の位
相差をもって後輪2に回転力を付与するための出力軸2
5に結合されている。出力軸25は、前方フレーム3を
構成する連結部3bや後方フレーム4を構成する連結部
4bなどが結合されるピボット部4dに挿通されて軸支
されている。
【0030】この実施の形態では、出力軸25のピボッ
ト部4dの右側に突出する部分にスプロケット26が取
り付け固定されており、スプロケット26にチェーン2
7が巻装され、さらに図1に示すようにギア28にチェ
ーン27が巻装されることによって、出力軸25より後
輪2に対して回転力が付与されることになる。なお、上
述した駆動力入力装置20の構成についての説明は、自
転車10の右側に設けられる駆動力入力装置20に関す
るものであるが、自転車10の左側に設けられる駆動力
入力装置20については右側のものと同様の構成である
ため、その詳細な説明は省略する。
【0031】以上の構成において、図4に示すようにク
ランクアーム24Rの他端部36Rが静止状態で12時
の方向に位置している際、ペダル23RはAに示される
場所に位置し、支点リンク21Rの他端部32RはEに
示される場所に位置している。そして、ペダル23Rが
運転者によって踏み込まれ、クランクアーム24Rの他
端部36Rが3時の方向に位置するまで回転すると、ペ
ダル23RはBに示される場所まで移動する。このと
き、支点リンク21Rの他端部32Rは一端部31Rを
支点として、支点リンクの円弧状の軌道P(一点鎖線図
示)に沿ってFに示される場所まで揺動する。
【0032】ペダル23Rが運転者によって踏み込ま
れ、クランクアーム24Rの他端部36Rが6時の方向
に位置するまで回転すると、ペダル23RはCに示され
る場所まで移動する。このとき、支点リンク21Rの他
端部32RはGに示される場所までわずかに揺動する。
さらにクランクアーム24Rの他端部36Rが9時の方
向に位置するまで回転すると、ペダル23RはDに示さ
れる場所まで移動する。
【0033】このとき既に運転者はペダル23Rから反
対側のペダル23L(図示せず)に対して踏み変え動作
を行っている。そして、支点リンク21Rの他端部32
Rは支点リンク軌道Pに沿ってHに示される場所まで揺
動する。ペダル23L(図示せず)が運転者によって踏
み込まれ、クランクアーム24Rが12時の方向に位置
するまで回転すると、ペダル23RはAに示される元位
置まで移動して、ペダルの踏み込み動作が一周期分終了
する。
【0034】このペダルの踏み込み動作時のペダル23
Rの軌道T(一点鎖線図示)は、偏平で湾曲した円弧形
状となるため、ペダルを踏み込む足の動きはほとんど上
下に往復させるだけでよい。したがって、スプロケット
の軸を中心にペダルレバーを360度回転運動させて推
進力を得る従来の自転車に比べてペダルに加える踏込力
のロスが少なくなるため、疲労が少なくて済む。また、
膝の開口角が小さくて済むため、老人などの比較的膝の
機能が弱い人でも楽に乗ることが可能となる。また、支
点リンク21Rの長さやペダルレバー22Rの長さおよ
びクランクアーム24Rのそれぞれの比を変更すること
によって、ペダル軌道Tの形状やペダル23Rの速度特
性および出力軸25におけるトルク特性を自由度高く設
定することができる。
【0035】上述した駆動力入力装置20の一連の動作
を図5〜図10に示す模式図を用いて詳細に説明する。
【0036】図5に示すように、クランクアーム24R
の他端部36Rが静止状態で12時の方向に位置してい
る際、ペダル23Rはペダル軌道Tの最上点に位置し、
支点リンク21Rの他端部32Rは支点リンク軌道Pの
図において左側に位置している。そして、ペダル23R
が運転者によって踏み込まれ、クランクアーム24Rの
他端部36Rが図6に示すように時計回りの方向に回転
すると、支点リンク21Rの他端部32Rは支点リンク
軌道Pの図において右側に揺動してゆく。
【0037】図7に示すように、クランクアーム24R
の他端部36Rが3時の方向に位置するまでペダル23
Rが踏み込まれると、支点リンク21Rの他端部32R
は支点リンク軌道Pの図において最も右側に近い位置ま
で揺動してゆく。このとき、支点リンク21Rの他端部
32Rは、クランクアーム24Rの他端部36Rの回転
軌道Wの内側に入り込むが、クランクアーム24Rも支
点リンク21Rと同期して図において右側に移動してい
るため、支点リンク21Rとクランクアーム24Rが干
渉することはない。クランクアーム24Rの他端部36
Rが図8に示すように6時の方向に位置するまで回転す
るとき、支点リンク21Rの他端部32Rは支点リンク
軌道Pの図において最も右側の位置まで揺動し、今度は
図において左側に揺動してゆく。
【0038】さらにペダル23Rが踏み込まれ、図9に
示すように、ペダル23Rがペダル軌道Tの最下点に位
置したとき、反対側のペダル23L(図示せず)に踏み
変え動作が行われる。このとき、ペダル23L(図示せ
ず)は、出力軸25を介してペダル23Rと180度の
位相差をもって取り付けられているため、ペダル軌道T
の最上点より図において下側に位置する(図6参照)。
つまり、ペダル23Rをペダル軌道Tの最上点から最下
点まで踏み込むことでクランクアーム24Rを180度
以上回転させることができる。
【0039】逆に、ペダル23Lがペダル軌道Tの最下
点に位置しているときは(図9参照)、ペダル23Rが
ペダル軌道Tの最上点より図において下側に位置してい
る(図6参照)。このため、クランクアーム24Rとク
ランクアーム24L(図示せず)に作用する回転力のオ
ーバーラップ領域が形成される。オーバーラップ領域
は、クランクアーム24R,24Lのオーバーラップ角
θ(図5参照)が25度位となるのが好適であり、この
オーバーラップ角が確保できるように左右のペダルレバ
ー22R,22L(2点鎖線図示)の折り曲げ角が選定
される。
【0040】このように、クランクアーム24Rとクラ
ンクアーム24L(図示せず)に作用する回転力をオー
バーラップさせることによって、クランクアーム24R
の回転運動を継続する際のペダル23Rからペダル23
L(図示せず)およびペダル23L(図示せず)からペ
ダル23Rへの踏み変え動作時に必要な踏み込み力の受
け渡しが楽になる。
【0041】ペダル23L(図示せず)が踏み込まれる
ことにより、ペダル24Rが図10に示すように図にお
いて上側に移動してゆくと、支点リンク21Rの他端部
32Rは支点リンク軌道Pの図において最も左側の位置
まで揺動し、再び図において右側に揺動してゆく。さら
にペダル23L(図示せず)が踏み込まれることによ
り、クランクアーム24Rの他端部36Rが再び12時
の方向に位置することとなる(図5参照)。
【0042】上述した動作を繰り返すことによって、ク
ランクアーム24Rの回転運動が継続され、クランクア
ーム24Rの回転力が出力軸25に取り付けられたスプ
ロケット26よりチェーン27を介して後輪2に付与さ
れることになる。
【0043】上述した実施の形態において、図4に示す
ように、支点リンク軌道Pが支点リンク21Rの一端部
31Rより上側に位置するように支点リンク21Rを設
けることによって、ペダル軌道Tの最上点近辺の曲率を
小さくすることができる。これにより、ペダル23Rの
踏み始めの軌道を踏み込み易い形に設定することができ
る。また、支点リンク軌道Pが支点リンク21Rの一端
部31Rより下側に位置するように支点リンク21Rを
設けることも可能である。
【0044】上述した実施の形態において、図4に示す
ように、他端部32Rが支点リンク軌道Pの図において
最も右側近くに揺動する際に、他端部36Rがクランク
アーム24Rの他端部36Rの回転軌道Wの内側に入り
込むように支点リンク21Rを設けることによって、駆
動力入力装置20の構成をコンパクトにすることができ
る。このため、ペダル23Rの踏み込み位置を従来の自
転車と同等の位置に設定しても、前輪1と後輪2との間
に駆動力入力装置20を配置することが可能となり、出
力軸25やスプロケット26などの回転力を後輪2に付
与するための部品構成を従来の自転車と同様に構成でき
る。これにより、特別な部品の点数を比較的少なくで
き、低コストかつ軽量な駆動力入力装置20を実現でき
る。
【0045】上述した実施の形態において、この発明に
係る駆動力入力装置20では、ペダルレバー22Rは出
力軸25を中心として360度回転することがなくな
る。したがって、図3に示すようにペダルレバー22R
に対してペダル23Rを回動自在に片持ち支持させる必
要がなくなる。つまり、ペダル23Rがペダル軌道Tに
沿って移動する際に、ペダル23Rとペダルレバー22
Rとの間に生じる所定の角度変化を許容できれば良いた
め、図11および図12に示すように、ペダルレバー2
2Rに対してペダルを回動自在に両端支持させる構成を
適用することができる。
【0046】この場合、直方体状の両持ちペダル51R
(以下、「ペダル」とする)の下部には対をなす軸受部
52R,52Rが一体的に設けられ、これら軸受部52
R,52Rの間にペダルレバー22Rの他端部34Rが
位置する状態で、ピン53Rを介してペダル51Rが回
動自在となるように取り付けられている。このため、ペ
ダルレバー22Rに対してペダル23Rを回動自在に片
持ち支持させる場合(図3参照)に比べ、自転車10の
横方向の占有幅を狭くすることができる。
【0047】また、ペダルレバー22Rに対してピン5
3Rを介して軸受部52R,52Rの両端でペダル51
Rを支持しているため、ペダル23Rの踏み込み時ペダ
ルレバー22Rにねじり荷重が発生しない。このため、
ペダルレバー22Rに比較的安価な材料を使用すること
や軽量化を実施できるので部品コストを抑えることが可
能となる。
【0048】上述したペダル51Rを適用する場合、ペ
ダル51Rをペダル軌道T(図4参照)の最下点近くま
で踏み込んだときに、踵がペダルレバー22Rに干渉し
ないようにペダルレバー22Rの形状および長さを選定
する必要があることは言うまでもない。
【0049】上述したように、ペダルレバー22Rに対
してペダル51Rが回動自在となるようにピン53Rを
介して軸受部52R,52Rで両端支持させる他に、ペ
ダルの形状を図13に示すようにコの字形に形成し、ペ
ダルレバー22Rに対してペダル55Rが回動自在とな
るようにピン56R(図14参照)を介して両端支持さ
せることもできる。
【0050】図13に示すように、ペダル55Rはコの
字形に形成されており、その凹部にペダルレバー22R
の他端部34Rが挟み込まれる状態で、ペダルレバー2
2Rに対してペダル55Rが回動自在となるようにピン
56R(図14参照)を介して取り付けられる。このた
め、ペダルレバー22Rに対してペダル23Rを回動自
在に片持ち支持させる場合(図3参照)に比べ、自転車
10の横方向の占有幅を狭くすることができる。
【0051】また、ペダルレバー22Rに対してピン5
6Rを介してペダル55Rを両端で支持しているため、
ペダル23Rの踏み込み時にペダルレバー22Rにねじ
り荷重が発生しない。このため、ペダルレバー22Rに
比較的安価な材料を使用することや、軽量化が実施でき
るので部品コストを抑えることが可能となる。
【0052】上述したペダル55Rを適用する場合、ペ
ダル55Rをペダル軌道T(図4参照)の最下点まで踏
み込んだときに、足の踵がペダルレバー22Rに干渉し
ないようにペダルレバー22Rの形状および長さを選定
する必要があることは言うまでもない。
【0053】なお、上述した実施の形態における駆動力
入力装置20は、チェーン駆動方式の自転車10に適用
されているが、これに限定されることなく、例えばベル
トドライブやシャフトドライブ駆動方式などの自転車
(図示せず)などにも同様に適用することが可能であ
る。
【0054】
【発明の効果】この発明によれば、車体を構成するフレ
ームと、フレームの前後にそれぞれ回転自在に取り付け
られる前輪および後輪とを備える自転車において、一端
部がフレームに回動自在に取り付けられ、他端部が一端
部を支点として円弧状の軌跡で揺動する左右の支点リン
クと、一端部が左右の支点リンクの他端部に回動自在に
取り付けられる左右のペダルレバーと、左右のペダルレ
バーの他端部に回動自在に取り付けられ、後輪を駆動す
るための動力が入力される左右のペダルと、一端部が左
右のペダルレバーの中間に回動自在に結合され、他端部
が互いに180度の位相差をもって後輪に回転力を付与
するための出力軸に結合される左右のクランクアームと
を備えて構成される駆動力入力装置を有するようにした
ものである。
【0055】これにより、ペダル軌道を自由度高く設定
することができると共に、装置の構成をシンプルにして
部品点数を少なくし、安価で軽い装置を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態としての揺動支点を有する駆動力入
力装置を用いた自転車の構成を示す側面図である。
【図2】実施の形態としての揺動支点を有する駆動力入
力装置の構成を示す部分拡大側面図である。
【図3】実施の形態としての揺動支点を有する駆動力入
力装置の構成を示す平面図である。
【図4】実施の形態としての揺動支点を有する駆動力入
力装置の動作を示す部分拡大側面図である。
【図5】実施の形態としての揺動支点を有する駆動力入
力装置の動作を示す模式図(その1)である。
【図6】実施の形態としての揺動支点を有する駆動力入
力装置の動作を示す模式図(その2)である。
【図7】実施の形態としての揺動支点を有する駆動力入
力装置の動作を示す模式図(その3)である。
【図8】実施の形態としての揺動支点を有する駆動力入
力装置の動作を示す模式図(その4)である。
【図9】実施の形態としての揺動支点を有する駆動力入
力装置の動作を示す模式図(その5)である。
【図10】実施の形態としての揺動支点を有する駆動力
入力装置の動作を示す模式図(その6)である。
【図11】実施の形態としての揺動支点を有する駆動力
入力装置に両端支持のペダルを適用した状態を示す部分
拡大側面図である。
【図12】実施の形態としての揺動支点を有する駆動力
入力装置に両端支持のペダルを適用した状態を示す平面
図である。
【図13】実施の形態としての揺動支点を有する駆動力
入力装置にコの字形のペダルを適用した状態を示す平面
図である。
【図14】実施の形態としての揺動支点を有する駆動力
入力装置にコの字形のペダルを適用した状態を示す部分
拡大側面図である。
【図15】従来の揺動支点を有する駆動力入力装置を用
いた自転車の具体構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1・・・前輪、2・・・後輪、3・・・前方フレーム、
4・・・後方フレーム、5・・・ハンドル、6・・・サ
ドル、7・・・ハンドルフレーム、10・・・揺動支点
を有する駆動力入力装置を用いた自転車、20・・・揺
動支点を有する駆動力入力装置、21・・・支点リン
ク、22・・・ペダルレバー、23・・・ペダル、24
・・・クランクアーム、25・・・出力軸、26・・・
スプロケット、27・・・チェーン、28・・・ギア、
31・・・支点リンク一端部、32・・・支点リンク他
端部、33・・・ペダルレバー一端部、34・・・ペダ
ルレバー他端部、35・・・連結部、36・・・クラン
クアーム一端部、37・・・クランクアーム他端部、4
1・・・ピン、42・・・クランクピン、51・・・両
持ちペダル、55・・・コの字ペダル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体を構成するフレームと、上記フレー
    ムの前後にそれぞれ回転自在に取り付けられる前輪およ
    び後輪とを備える自転車において、 一端部が上記フレームに回動自在に取り付けられ、他端
    部が上記一端部を支点として円弧状の軌道で揺動する左
    右の支持部材と、 一端部が上記左右の支持部材の他端部に回動自在に取り
    付けられる左右の連接部材と、 上記左右の連接部材の他端部に回動自在に取り付けら
    れ、上記後輪を駆動するための動力が入力される左右の
    ペダルと、 一端部が上記左右の連接部材の中間に回動自在に結合さ
    れ、他端部が互いに180度の位相差をもって上記後輪
    に回転力を付与するための出力軸に結合される左右のク
    ランク部材とを備えて構成される駆動力入力装置を有す
    ることを特徴とする揺動支点を有する駆動力入力装置を
    用いた自転車。
  2. 【請求項2】 上記左右の支持部材の他端部が揺動する
    ときの軌道が上記左右の支持部材の一端部より上側に位
    置するように、上記左右の支持部材の他端部が上記連接
    部材の一端部に回動自在に取り付けられることを特徴と
    する請求項1に記載の揺動支点を有する駆動力入力装置
    を用いた自転車。
  3. 【請求項3】 上記左右の支持部材の他端部が揺動する
    ときの軌道が上記左右の支持部材の一端部より下側に位
    置するように、上記左右の支持部材の他端部が上記連接
    部材の一端部に回動自在に取り付けられることを特徴と
    する請求項1に記載の揺動支点を有する駆動力入力装置
    を用いた自転車。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102287501A (zh) * 2010-06-21 2011-12-21 吴仲圣 椭圆形用力轨迹的杠杆传动装置
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CN112298438A (zh) * 2020-11-09 2021-02-02 宋子奎 新一代高工效省力自行车及其曲柄滑块式脚踏驱动装置

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