JPH11263030A - プリント装置 - Google Patents

プリント装置

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JPH11263030A
JPH11263030A JP2181099A JP2181099A JPH11263030A JP H11263030 A JPH11263030 A JP H11263030A JP 2181099 A JP2181099 A JP 2181099A JP 2181099 A JP2181099 A JP 2181099A JP H11263030 A JPH11263030 A JP H11263030A
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Hiroyuki Miyake
裕幸 三宅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異常なプリント素子が発生しても、画像欠陥
のない所望の画像を得る。 【解決手段】 プリントヘッドによりモニター専用のプ
リント材上に所定のパターンをプリントし、このパター
ンを読み取り装置により読み取り、異常なプリント素子
を検出する。この結果に基づき、異常なプリント素子に
加えるべき画像データを補完用ブロックのプリント素子
に移動して、補完用ブロックのプリント素子によってプ
リントを補完させることにより、画像欠陥のない画像を
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像信号や原稿画
像に応じて画像を形成するプリント装置、特にインクジ
ェットプリント装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、様々な画像形成手段を用いた
プリント装置が実用化されている。この中でも、特にイ
ンクジェットプリント装置が装置構成、ランニングコス
ト等の点で有利なプリント装置であることから注目され
ている。インクジェットプリント装置は、インクを液滴
としてプリントヘッドのノズルからプリント媒体に対し
て吐出し、ドットプリントを行うプリント装置である。
このプリント装置の一例を挙げると、所定幅のノズル列
を持つプリントヘッドを、プリント媒体に対して相対的
に縦横に順次走査してプリントを行う構成となってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】インクジェットプリン
ト方法は、このように直接、プリント媒体にインク滴を
噴射することにより画像を得る。電子写真プリント方法
等と異なり、画像が形成されるまでに介在する工程等が
少ないので、意図した画像が安定して得られるという大
きな特徴を持つ。
【0004】しかしながら、微細なノズルから微小なイ
ンク滴を吐出させてプリントを行うことに起因する不安
定さ、例えば、よれ、塵埃や増粘インクがノズルのイン
ク吐出口に詰まることに起因する不吐出、ノズルのイン
ク加熱用ヒータの断線による不吐出、インク滴が気まぐ
れにノズルの吐出口を覆うことによる不吐出等があり、
主走査(シリアルスキャン)方向に沿った白筋が発生し
やすく、欠陥のない画像が得られない場合がある。
【0005】このような問題により、プリントのスピー
ドを上げようとして、ノズル数を数百、数千に増やした
場合、それに比例して異常ノズルの確率も増加してしま
い、無欠陥の画像が得にくくなるというのが現状であ
る。
【0006】またプリントヘッドを製造する観点から見
ると、無欠陥の画像を得るためには、従来はすべてのノ
ズルが正常な、無欠陥のヘッドでなければならなかっ
た。しかしノズル数を数百、数千に増やすと、製造中の
欠陥の発生確率がそれに比例して増加し、製造歩留りが
低下してしまい、経済的に成り立つ製造が困難であっ
た。
【0007】また、仮に無欠陥のプリントヘッドが製造
出来たとしても、使用中に1つのノズルに故障が発生し
てもそのプリントヘッド全体が使用できなくなってしま
う。よって、6〜8本のマルチノズルヘッドを持ったプ
リント装置に異常ノズルが発生した場合、その度に不良
印刷物を作ることになると共に、その都度プリントヘッ
ドの交換の為に装置を停止する必要があるという問題が
あった。
【0008】このような問題に対し、ノズルの詰まりを
生じにくくしたり、目視等によりノズルの詰まりを発見
した場合には回復装置を動作させて回復させる、もしく
は、ノズルの詰まりが生じる場合を想定して、回復動作
を印字シーケンスの中に組み込む等の対策が考えられ
る。
【0009】また、印字中にノズルの詰まりが発生して
しまった場合には、画像の欠損部に重ね印字を行う等に
より、その影響を少なくする考案もなされている(例え
ば米国特許第4,963,882 号、米国特許第4,967,203 号参
照)。
【0010】しかしながら、このような手段を講じても
ノズルの詰まり発生の確率は少なくなるが皆無とするこ
とはできず、さらには、ある確率でインクのフィルター
を通過してしまったごみが凝集して、ノズルを詰まらせ
不吐出を生じさせたり、インク加熱用の吐出ヒーターの
偶発的な、もしくは寿命による断線など、不可逆な不吐
出に対しては全く手当てが成されていないのが現状であ
る。
【0011】また、上述の米国特許で開示された方法に
よって回復動作を実行することによって、白筋の程度は
緩和されるにしても皆無とすることはできず、問題がす
べて解決したとは言えない。
【0012】一方、誤差拡散法等の画像処理技術や、こ
れに更に多値印字技術(1ピクセルを小さいサイズの数
個のインク滴の重ね打ちによって形成するようにして、
その打ち込み数によってドットの大きさを調整する)を
組み合わせることにより階調表現が可能となり、また更
に従来の4色以上にいくつかの特色印字ヘッドを持たせ
ることも容易であるため、6〜10色刷り等の多色刷りが
可能かつ色再現範囲が大幅に拡大されることになり、イ
ンクジェット印字技術による画像表現能力それ自体はオ
フセット印刷に迫るレベルに達した。
【0013】しかしながら、実用レベルでは上記の問題
点が完全には解決されず、コンピュータパブリッシング
(Computer Publishing )の出力として即時に、版作成
工程も無く、インク調合を要さず、しかも広い色再現範
囲を持つという多くの特徴を持ちながら、インクジェッ
ト印刷技術が広範に応用されるに至っていない。
【0014】したがって、欠陥の無い印刷物を得るとと
もに、インクジェット印刷技術に工業的な意味を有する
生産性(スピード、連続運転)と経済性を持たせるとい
う要求を、従来の技術では実現することは出来なかっ
た。
【0015】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、プリントヘッドのプリント素子に、画像不
良を生じさせるような異常が発生した場合においても、
画像欠陥のない所望の画像を得ることができるプリント
装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明により、プリント
媒体にインクによる画像をプリントするための複数のプ
リント素子を配列し、且つ複数の前記プリント素子をプ
リント用ブロックと前記プリント用ブロック中のプリン
ト素子に異常が生じた場合に当該異常なプリント素子の
プリントを補完するための補完用ブロックとに分割した
プリント素子列を有するプリント手段と、前記プリント
手段を前記プリント素子列方向とは異なる方向にプリン
ト媒体に対して相対移動させる主走査を行う主走査手段
と、前記主走査手段による前記主走査毎に前記補完用ブ
ロックの長さだけ前記プリント手段と前記プリント媒体
を前記プリント素子列の方向に相対移動させる副走査を
行う副走査手段と、前記異常が生じたプリント素子を有
するプリント用ブロックのプリント領域と同じ領域を前
記補完用ブロックが主走査するときに、前記異常が生じ
たプリント素子に供給すべき画像データを、前記異常が
生じたプリント素子に対応する補完用ブロック内のプリ
ント素子に供給してプリントを行わせるプリント制御手
段と、を備えることを特徴とするプリント装置が提供さ
れる。
【0017】なお、本明細書において、『プリント』と
は、『捺染』や『記録』の意味を含むものであり、プリ
ントの目的が限られることはなく、広くプリント媒体に
画像を付与することをいう。
【0018】また、プリント媒体としては、布帛、壁
紙、壁布、紙、OHP用フィルム等が挙げられる。ここ
で、布帛とは素材、織り方、編み方を問わず、あらゆる
織り物、不織布及びその他の布地を含む。
【0019】また、上記壁紙には、紙、布帛、合成樹脂
シート等を素材とする壁用貼付材を含む。
【0020】(作用)本発明の構成に基づき、プリント
ヘッドによりモニター専用のプリント材上に所定のパタ
ーンをプリントし、このパターンを読み取り装置により
読み取り、異常なプリント素子を検出する。この結果に
基づき、異常なプリント素子に加えるべき画像データを
移動させて他のプリント素子の画像データに重畳し、異
なる主走査でプリントを補完させることにより画像欠陥
のない画像を得る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、
図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明によるプリント装置の断面
図で、1はプリント媒体としての長尺状ロール、4は、
プリント用紙1を適宜必要な長さに切断するカッター、
2はプリント媒体を搬送方向に案内する案内ローラー、
3はプリント媒体を搬送方向に搬送する送りローラー
で、プリント媒体1は案内ローラー2、送りローラー3
を経由してプリント部5に送られる。
【0023】8は後述するプリントヘッド列7を支持す
るキャリッジで、一対の主走査レール21により、図面
に対して垂直方向(実際のプリント装置においては水平
方向)に移動可能に支持される。プリント部5でプリン
トされたプリント媒体1は、排紙口6から排出される。
【0024】次に、図2によりプリント部5について説
明する。
【0025】プリントヘッド列7は、黒を印字するプリ
ントヘッド7Bk、シアンを印字するプリントヘッド7C
1、シアン系特色を印字するプリントヘッド7C2、マゼ
ンタを印字するプリントヘッド7M1、マゼンタ系特色を
印字するプリントヘッド7M2、オレンジ系特色を印字す
るプリントヘッド7O 、イエローを印字するプリントヘ
ッド7Y の計7本のプリントヘッドから構成されてお
り、従来の4色からの混色では得られなかった広範な色
再現範囲を持たせてある。このプリントヘッド列7は主
走査レール21で直線的に案内されるキャリッジ8に搭
載されている。
【0026】このプリントヘッド列7は、図2の矢印1
6に示す方向に左から右に印字しながら右端まで往動し
(主走査)、その後、左側に向かって復動する。1ライ
ンの印字が終るとプリント媒体1は次の行の印字のため
に矢印17に示す副走査方向にプリントヘッドの印字巾
の1/2だけ搬送される。
【0027】図3に実際の印字例を拡大して示す。鎖線
で示す格子105で区切られた桝(ます)の部分104
は印字される領域であるピクセルを示す。
【0028】その格子の大きさは400dpiの解像度の場合
63.5μm ×63.5μm であり、印字されるドットの直径
は、すべてのピクセルにドットを並べたとき隙間なく塗
りつぶされるように、格子の一辺より大きく(約φ100
μm )設計されている。
【0029】また、その実際の印字位置はいくらかの揺
らぎをもって、図3に示されているように、必ずしも正
確にその位置に印字されるわけではなく、ドットのサイ
ズも形状もばらついている。
【0030】図3において矢印100で示すラインでは
黒色プリントヘッド7Bkが不吐出となっており、矢印
101で示すラインではシアンプリントヘッド7C1によ
るドットが”よれ”となっており、*印で示すドットが
本来はこのライン上になければならない。矢印102で
示すラインではシアンプリントヘッド7C1によるドット
径が異常に小さい。矢印103で示すラインではシアン
プリントヘッド7C1によるドットの形状が異常である。
【0031】図3から明らかなように、揺らいで印字さ
れている隣接ドットや/類似の特色プリントヘッド7C2
によるドットとの分離識別が不可能で、この実際に印字
されたものからノズルが正常か否かの判定は困難であ
る。特に印字デューティの高い混色部分ではインクがプ
リント媒体の上で混じり合ってしまい、ドットを分離し
て検知することが不可能となる。さらにドット径を調整
して印字するタイプ(多値印字法)では、同じ位置に複
数のドットが打たれることとなり、益々判定は困難にな
る。印字ノズルの状態を精度良く検出するために、本発
明ではプリントヘッドの状況を検出する装置を設けてい
る。
【0032】図2において、プリント媒体の左側にはプ
リント媒体1と同一平面に給送されるノズル異常検出用
紙9があり、この上に、毎ラインの印字に先だってプリ
ントヘッドの吐出状況(異常ノズルがないか/それはど
こか)のチェックの為のテスト画像であるチェックパタ
ーン10を印字する。
【0033】チェックパターン10は図4に示すように
各色プリントヘッドに対応している。その一部10’の
詳細を図5に示す。図中の番号1、2、・・7、8、
9、10、・・はそのドットを印字したノズル番号を示
す。各ノズルからの印字ドットは分散して印字され、光
学的に読み取れるようにしてある。(この図では10、
11、12番目のノズルが異常である。)
【0034】このパターンを、図2に示すCCDインラ
インセンサー等を備えた光学的な読取装置11が矢印2
2、22’で示す方向に往復して、そのCCDインライ
ンセンサーの光路12がスキャンすることにより読み取
る。
【0035】これらのプリント部の動きについて、上方
より見たときの図を、図6A,図6B,図6C,図6D
に示す。なお、これらの図においては、図を簡略にする
ために便宜上、プリントヘッドの数を3本に省略して図
示してある。
【0036】図6Aにおいて、この読取装置11はキャ
リッジ8と同様に主走査レール21によって案内されて
いるが、駆動および制御は別のモーター(図示せず)に
よって行われている。
【0037】図6Aは、読取装置11、キャリッジ8が
それぞれのホームポジション11-0、8- 0から矢印
22、16で示すように右方向に同じように動き始め、
黒色プリントヘッド7Bkによるチェックパターンをこれ
から検出用紙9上にプリントしようとするときの図であ
る。
【0038】図6Bは、読取装置11、キャリッジ8が
更に矢印22、16方向に進み、すべての色のチェック
パターンを書き終り、読取装置11の光路12が黒色
(Bk)のチェックパターン10をちょうど読み終った
ときの状態を示す。
【0039】図6Cは、すべての色のチェックパターン
を読み終えて、まさに黒色プリントヘッド7Bkによる
印字を開始せんとするときの図を示す。
【0040】黒色については、この図6Bと図6Cに示
した読み取り操作の間に、読取ったデータから異常ノズ
ルの判定をし、後で説明する画像データの移動を行う。
他の色についても同様に読取完了から印字開始までの間
に同じ処理を行う。
【0041】読取装置11は読み取りが終ると、図6D
の矢印22’方向に復動し、そのホームポジション11
- 0に戻り、キャリッジ8がそのホームポジション8−
0に戻るのを待つ。一方キャリッジ8はその行の印字を
続け、その行の印字が終ると復動しホームポジション8
−0に戻り、再度読取装置11とともに次のラインの印
字に移る。以下、図6A〜図6Dの動作を繰り返す。
【0042】図7に図5に示すチェックパターンの一部
18の拡大図を示す。
【0043】各ノズルの状況を分離して検出できるよう
許容着弾エリア19を各ノズル番号に応じて図示の格子
105で区切られたピクセル行列104中に配分してあ
る。ドットが大きくそれても検出できるように、各着弾
エリアはそれよりも広いCCD視野20で観測する。
【0044】9番目のノズルからのドットはOK、10番
目のノズルからのドットはNG(不吐出)、11番目の
ノズルからのドットはNG(着弾位置が外れて ”よ
れ”ている)、12番目のノズルからのドットはNG
(ドットが小さすぎる)、のように異常判定する。また
図3のライン103のような異形ドットや大きすぎるド
ットも異常と判定する。
【0045】ここではノズルの状態を各1つのドットで
判定した。不吐出の判定については問題ないが、着弾位
置についてはそのドットの揺らぎによって、あるいは理
想的ピクセル位置として規定しているグリッドとの相対
位置の誤差によって、それほど悪くないノズルをNGと
してしまうこともある。これを避けるために許容着弾エ
リアはやや大きめに設定してあるが(図7の許容着弾エ
リア19、)、そうすると”よれ”を甘く許容すること
になり、高画質化の点からは望ましくない。
【0046】また逆にたまたま異常検出パターン上のた
だ1つのドットはOKでも、平均的にはNGのドットを
印字する場合もあり、この場合も高画質化の妨げとな
る。
【0047】図8に改良された読み取り/判定方法を示
す。
【0048】図8では同一ノズルからの複数個のドット
(各ノズル4ドット;たとえば8番目のノズルについて
は矢印で示す4個のドット)の測定から平均の着弾位置
とドットサイズを求めるようにした。そしてすべてのド
ットの平均位置と理想的ピクセル位置を示すグリッド1
03との狂いが最小になるように相互位置を合わせ込む
ように演算し判定をする。
【0049】”よれ”、ドットサイズ、形状、について
は平均値から判定し、不吐出については4ドット中不吐
出が1つでもあるか否かというように、判定する。
【0050】ここで”よれ”、ドットサイズ、形状、に
ついては平均値をとったため、それぞれの許容域を狭く
絞り込むことができ、例えば”よれ”については図9の
許容着弾エリア19により高精度の、不吐出については
より確実な判定がなされる。
【0051】図2と図4に示す異常検出用紙9はプリン
ト媒体1とは別に駆動される。そして検出パターンがオ
ーバーラップしないように1ラインの印字巾よりもやや
大きなピッチで間欠的にロール13から巻取りロール1
4へと給送される。
【0052】一方、プリント媒体1は、図4に示すよう
に印字巾wの1/2のピッチで精密に矢印17方向に副
走査送りされ、各ラインを正確に1/2ずつオーバーラ
ップさせながら印字する。
【0053】以下、NGと判定したノズルのデータをい
かに補完するかを、ある1色のプリントヘッドとその画
像データの扱い方により説明する。尚、本発明に係る補
完の例を説明する前に、まず最初に他の補完の例を2つ
ほど示す。
【0054】〔他の補完の例ー1:図10〕画像データ
は、図10Aに示すように奇数目のスキャン(主走査)
で印字する画像データ(a)と偶数目のスキャンで印字
する画像データ(b)とに分けられている。
【0055】この分け方はいくつかの方法があるが、い
ずれも大まかには全画像データを1/2の濃度に分割し
たもので、(a)と(b)とを重ねあわせると丁度完全
な画像データとなるようにしてある。
【0056】ここで画像データ(a)および(b)は理
解しやすいように一時(いちどき)に全画面がある、と
して図示してあるが、これは逐次送られてきた画像デー
タから、そのスキャンデータに順次分割するようにして
もよい。
【0057】第1スキャンでは(a)よりそのスキャン
に対応する部分のデータを読み出しながらプリントヘッ
ド15で印字する。第2スキャンでは(b)より、その
スキャンに対応する部分(第1スキャンの印字位置に対
し、印字巾の1/2だけずれた位置)のデータを読み出
しながら印字する。以下第3スキャン、第4スキャンを
重ねて、全体では1/2濃度の2度重ね書きによって印
字する。
【0058】この分割送り重ね書きによって、ヘッドの
濃度むらの低減とピッチ送り誤差に起因するつなぎ筋を
なくしている。
【0059】ここで、多数のノズルを1列に配して一体
化した印字ヘッド15にはその1部に異常ノズル15’
が有る。なお、この異常ノズル15’は上記の検出装置
によって各主走査に先立って判定される。
【0060】この他の補完の例−1ではこの異常ノズル
に対応する画像データ(a’)を(a)から取り去り
(b)の画像データに移す。そして第2スキャンでこれ
が重畳された状態のデータとして印字する。この時重畳
されたデータを印字するノズルは正常なノズルであるの
でそのデータに従って、何もしなければ異常に印字され
てしまう/もしくは欠落してしまうデータ(a’)を正
しく印字することになる。
【0061】またこの第2スキャンでも異常ノズル1
5’はそのまま存在しているが、第2のスキャン(主走
査)に先だって行われる異常検出によってそのノズルを
検出して、同様にそれに対応するデータ(b’)を
(b)から取り去り(a)に移して重畳する。以下同様
に繰り返して図10Bに示す完全な印字画像を得る。
【0062】ここでは、異常ノズルのデータ(a’)
(b’)をそれぞれ(b)(a)に直接移したが、これ
を別の専用メモリー領域に格納しておいて印字時にデー
タを取り出して合流重畳させてもよい。
【0063】”異常”が不吐出の場合、そのデータ
(a’)(b’)はそれが印字されないからといっても
元の画像データに残しておかず、取り去ってしまう方が
好ましい。その理由は、不吐出ノズルが、気まぐれに回
復することもあり、期待しない印字が行われて意図した
補完が乱される恐れがあるからである。
【0064】あるスキャン(主走査)に先立つ異常検出
で異常が回復しているのが検出された時には、そのデー
タに従って上記の補完作業は中止する。
【0065】以上のようにして異常ノズルによるデータ
の欠落/ゆがみは補完されるが、これが出来るのはプリ
ントヘッドの前半分(先行印字ブロックA)の印字した
部分上を再びプリントヘッドの後半部分(最後尾印字ブ
ロックB)がなぞって印字するようにしたからである。
このように先行印字ブロックAと最後尾印字ブロックB
の各画像データは、1ラインの画像データを分割して得
られた、互いに補完の関係にある画像データである。
【0066】以上述べたように、異常ノズルが先行印字
ブロックA中に発生したときに補完が行われる。なお、
最後尾印字ブロックBに発生した異常は、米国特許第4,
963,882 号に記載されているように、その影響度が縮減
されるに留まる。
【0067】〔他の補完の例ー2:図11および図1
2〕最後尾印字ブロックにある異常ノズルに対しても適
応できる、上記他の補完の例−1を発展させた例−2に
ついて、図11及び図12に基づき以下説明する。
【0068】最後尾印字ブロックBに有る異常ノズル1
5’は印字の主走査に先立つ異常検出で特定される。こ
の異常ノズルは次の第2スキャンで異常を発生させるこ
ととなるから、あらかじめこれに対応する部分のデータ
(b’)を(b)から切りだし(a)に移しておいて、
この重畳データで第1スキャンを行う。
【0069】同様に第2スキャンに先だつ異常検出でや
はりそのノズルが異常であれば、第3スキャンの対応す
る部分のデータ(a’)を(b)に移しておいてその重
畳データで第2スキャンを行う。
【0070】これによって異常ノズルがどこにあっても
補完がなされる。しかし図12に示すように初めは異常
がなく、途中(あるスキャン)から異常ノズルが発生し
た場合で、それが最後尾印字ブロック上であった場合に
は、発生してはじめての行のデータ(b’)は補完する
ことが出来ず、その1ラインについては、その影響度が
縮減されるに留まる。
【0071】次のラインからの印字は図11に示した例
の如く補完される。また途中から異常が回復してしまっ
た場合にも問題はない。
【0072】図12に第4スキャン目で異常が無くなっ
た場合を示す。第3スキャンに先立つ異常検出で異常で
あったノズルに対応するデータ(b”)は、既に画像デ
ータ(a)に移されて印字済みで、画像データ(b)は
空白になっていて、第4スキャンでは結果としてその部
分は印字されないが印字画像に重複も欠落もない。
【0073】このようにして他の補完の例−2ではプリ
ントヘッドのどの部分に生じた異常ノズルに対しても補
完がなされる。
【0074】なお、印字の途中から発生した異常に対し
ては、その初めの1ラインについては、影響度が縮減さ
れる効果に留まるとはいえ、その次の行からまた完全な
画像が得られる効果は大きい。
【0075】この他の補完の例ー1および2は2分割2
度重ね書きとした例についで説明したがそれ以上の重ね
書き、例えば3分割3度重ね書きとすることもできる。
この場合、画像データを3つに分割し、2つの先行印字
ブロックの異常に対応するデータはそれぞれ次のスキャ
ンデータに移し、最後尾印字ブロックの異常に対応する
データは最初の先行印字ブロックのスキャンデータに図
11に示したやり方で移す。
【0076】重ね書き回数を増やすことによって、多値
印字技術が応用できて印刷物の高画質化が達成される。
また、高画質化のために更に重ね書き回数を増しても、
本発明では、別に設けたドットの状態を検出する装置に
よって全く同じように高精度にプリントヘッドの状況を
判定できるので、その効果は一層著しい。
【0077】〔本発明に係る補完の例:図13〕次に、
上記他の補完の例に基づいて、本発明に係る補完の例を
説明する。本発明は、上記他の補完の例−1および2を
更に発展させたものであり、完全に補完出来ることを特
徴としている。
【0078】この本発明に係る補完の例ではプリントヘ
ッドを3分割し、その前2つの先行印字ブロックA1 、
A2 を使用し、これまで述べてきた1/2(プリントヘ
ッド全体から見ると1/3)ずらしの2度重ねの印字を
行う。異常ノズルの印字データは順次別の補完印字の画
像データ領域(c)に納め、最後尾印字ブロックBがそ
の部分をスキャンする時そのデータを逐次読みだして印
字する。
【0079】このデータ領域(c)は、説明をわかりや
すくするために1画面全部として示してあるが、実際は
最小限のもので良い。
【0080】最後尾印字ブロックは殿(しんがり)を守
って、異常補完ブロックとしての役に徹するから、シン
プルな構成で完全な補完印字がなされる。
【0081】〔他の補完の例ー3〕以上述べた補完の例
において、異常ノズルの検出は印字パターンを光学的に
読んで行ったが、これを吐出ヒータの断線検知(印字中
画像データに従って加えられている吐出パルスの隙間で
抵抗チェックを行う)を併用することも出来る。
【0082】インクを加熱してインクの吐出を行わせる
インクジェットプリント方式の、偶発的に起きる不吐出
の現象と、寿命による不吐出(ヒーターの摩耗によって
断線に至る)の多くはヒータ断線に起因する。
【0083】これまで述べてきた例は印字直前に異常ノ
ズルの判定を行ってそれについて手当してきたが、印字
の途中(ある行を印字スキャンしている最中)に発生し
た異常については手当がなされていない。
【0084】ここにヒータ断線検出を併用すれば、その
行のどの位置から異常(不吐出)になったかが検出され
る。それに従って、その行の異常発生位置から上記他の
補完の例−1、2、又は本発明に係る補完の例を適用す
る。
【0085】図14および図15によって断線検出の構
成について説明する。図14は断線検知のタイミングを
説明する図であり、図14Aは通常のプリントヘッドか
らの吐出タイミングを示し、例えば2.5kHzの吐出
周波数のプリントヘッドである場合は、T2の400μ
sec毎にプリントヘッドの駆動信号が来る。プリント
ヘッド内ヒーター31の駆動時間はT1の10μsec
である。
【0086】図14Bは、断線検知用のタイミングであ
り、吐出動作していない期間に図14Cに示すような極
めて短時間のパルスを与える。図14Cに示すように2
56ノズルを有するプリントヘッドを1ノズル毎に1μ
secの周期で0.2μsecのパルスを順次与えた場
合、プリントヘッドの消費電流を図15に示すフォトカ
プラ32を用いて検出する。この時の検出信号は、理想
的には図14Cに示すようなパルスである。
【0087】通常、プリントヘッドからインクを吐出す
るためには最低、数μsecのパルス幅が必要であり、
この例のように0.2μsec程度は吐出には何ら影響
を及ぼさない。次に、断線の検出動作を説明する。ま
ず、図14Dに示すように、断線検知用入力パターンに
従って、プリントヘッド内吐出ヒーター31を駆動し、
その時の消費電流をフォトカプラ32で検出する。入力
パターンと出力パターンの波形は、回路系の遅延時間が
あるので図14Dに示すように出力パターンは少し遅れ
ることになる。そして矢印で示した判定タイミングで入
力パターンに応じて出力が出てくるかを検知する。図1
4Dの場合は、3個目の出力が出ていないので断線して
いることがわかる。
【0088】図15に示すように、入力パターンをカウ
ンター33に入れて、現在何番目のノズルを判定してい
るのかをモニターする。NGの判定が出たら、その時の
カウンター値をラッチしてCPUに何番目のノズルが断
線しているのかの信号を出力することができる。
【0089】この他の補完の例−3によれば、印字途中
に発生した異常(不吐出)についても補完が可能とな
る。
【0090】以上、本発明に係る補完の例、及び他の補
完の例1〜3の動作については、プリント装置全体を制
御する制御部(不図示)の制御の下に実行される。この
制御部は、マイクロプロセッサ等のCPU,制御プログ
ラムや各種データを記憶しているROM,CPUのワー
クエリアとして使用されるRAM等を備えている。
【0091】次に、上記CPUが実行する上述の本発明
に係る補完の例、及び他の補完の例1〜3の動作につい
て、図16のフローチャートに基づき説明する。なお、
これらの処理を実行する制御プログラムは、前記ROM
に格納されている。
【0092】まず、スタート指令(ステップS201)
によって、システムの起動が行われる(ステップS20
2)。次に、ステップS203で通常の吐出回復動作が
行われた後、ステップS204で読み取り装置11を用
いた異常ノズルの検出が行われる。
【0093】異常ノズルがない場合は、ステップS21
0に移行し、プリントヘッド7による印字が行われる。
一方、異常が発見された場合は、ステップS205に移
行し、回復動作が行われる。次にステップS206にお
いて再び異常ノズルの検出が行われ、異常が確認されな
かった場合は、ステップS210に移行し、印字が実行
される。一方、異常が確認された場合は、その異常の発
生ノズルが補完動作を実行するノズルと重ならないかど
うかをステップS207で判定する。この結果、重なる
場合には、両ノズルともに異常であり、補完ができない
から、ステップS208に移行して警告を出しプリント
装置の動作を停止する。
【0094】異常の発生ノズルが重ならない場合は、ス
テップS209において、上述の方法によりデータ移動
を行い、その後ステップS210に移行し印字を行う。
その行の印字が終るとステップS211において、それ
が最終行かどうかの判定を行い、最終行であればステッ
プS213においてプリントを終了する。まだ次にプリ
ントする行がある場合にはステップS212に移行し、
所定回数(たとえば5行)繰り返したか否かを判断し、
所定回数繰り返した場合は、ステップS203に戻り、
回復動作を行う。一方、所定回数繰り返していない場合
は、ステップS204に戻り、異常ノズルの検出動作を
実行する。以下同様に繰り返す。
【0095】図17、18および19は、画像データの
流れを説明する図である。図17は、他の補完の例−1
および2(図10、11、12に対応する)に関するも
ので、画像データ301はデータの分割装置302によ
り奇数スキャンデータ304と偶数スキャンデータ30
5に分割される。異常ノズル検出装置303の出力にし
たがって異常部画像データ切出し装置306が働き、異
常部画像データ307は他のスキャンデータに移され
る。移されたデータはデータ重畳装置308によって重
畳され印字ヘッド309に送られてプリントが実行され
る。
【0096】図18は、これを3分割3度重ねに拡張し
た場合の説明図で、データは(3n+ 1)スキャン目の
データ311、(3n+ 2)スキャン目のデータ312
(3n+ 3)スキャン目のデータ313(nは0以上の
整数)に分割され、先行印字ブロックの異常部画像デー
タ307はそれぞれ次のスキャンデータに移されるが、
最後尾印字ブロックの異常部画像データ307は対応す
るスキャンよりも前のスキャンのデータに移す。
【0097】図19は、本発明に係る補完の例(図13
に対応する)についての説明図で異常データ307、は
補完データ領域310に格納され、そこから印字ヘッド
309の補完印字ブロック309’に送られて印字が行
われる。
【0098】なお、本発明の効果として、異常ノズルが
発生してもプリント装置が停止しないこと、プリントヘ
ッドの寿命が結果的に大きく延びることも挙げることが
できる。
【0099】図11および図12の場合、印字ブロック
AとBとでそれぞれ不吐出が発生してもそれが、ちょう
ど合致しない限りは問題なく使用できる。また、図13
の場合、印字ブロックA1とA2の不吐出が合致しない
限り、もしくは、印字ブロックA1/A2の不吐出が印
字ブロックBのそれに合致しない限り、問題なく使用す
ることができる。
【0100】即ち従来の不吐出回復機能を働かせていて
も、運転にともない不可逆の異常ノズルが増加していく
が、その中のすくなくとも1つが合致した場合には、補
完不能となり、この時点が本発明における実際上のヘッ
ドの寿命となる。印字ブロックは数百〜数千のノズルで
形成されているから、異常が十数本程度にまでなって
も、それが合致して寿命となる確率は著しく低い。実際
上は吐出用ヒータが全体的に摩耗して多数のノズルが異
常になって初めて寿命となる。
【0101】従来のように1本のノズルが異常になった
ときを寿命とした場合、多くは偶発故障モードによるも
ので極端に短い場合から、それほど極端ではない程度ま
で大きくばらつく。これに対し本発明のように数十本も
の異常迄となると、この原因は摩耗故障モードによるも
ので実効寿命は従来の数倍〜数十倍にまで延長され、し
かもそのばらつきは非常に少なくなるので、コスト自体
の低減もさることながら、装置の運転の予算の見通しも
つけやすくなるというメリットもある。
【0102】本発明の具体的な効果は次のようにまとめ
ることができる。 (1)インクジェット印刷技術の基本問題すなわち、異
常ノズルによる画像上の問題(インクの不吐出は勿
論、”よれ”やドットサイズの異常によるものまでも含
む画像上の問題)を解決し、問題のないインクジェット
印刷画像を得ることができる。 (2)異常ノズルのある印字ヘッドも”良品”として使
用できるので、たとえ数百〜数千のノズルを持ったマル
チノズルヘッドであっても、その生産において、歩留を
向上させることができる。 (3)使用中、異常ノズルが発生しても次々に補完機能
が働くから、実効的なプリントヘッドの寿命を著しく延
ばすことができる。 (4)実質的にコストが低い数百〜数千のノズルを持っ
たマルチノズルヘッドの使用と、ヘッドの実効的長寿命
とによって、これを使用したプリント装置は、プリント
ヘッドの実効的寿命に至るまで連続運転が可能となり、
インクジェット印刷技術に工業的な意味を持つほどの生
産性と経済性を持たせることができる。
【0103】なお、本発明は必ずしも実施例に狭く限定
されない。本実施例では、1つの印字ヘッドを分割して
印字ブロックとしたが、各印字ブロックをそれぞれ別の
プリントヘッドに担当させてもよい。この場合1スキャ
ンでプリントヘッドの長さwだけ副走査送りできるの
で、印刷スピードを向上させることができる。
【0104】この技術は、インクを加熱することにより
インクをノズルから吐出させる電気−熱変換体を用いた
インクジェットプリント装置のみならず、ピエゾ素子等
の電気−機械変換体を用いてインクをノズルから吐出さ
せるインクジェットプリント装置に適用することができ
るとともに、熱転写プリント方法や感熱紙を用いたサー
マルプリント装置のように多くのプリント素子を有する
プリント装置に同様に適用できる。
【0105】なお、サーマルプリント装置の場合には印
字異常のほとんどすべての原因がヒータ断線であるの
で、異常なプリント素子の検出機構としては上述のヒー
タの断線検知により行うことができる。
【0106】図20および図21は本発明のプリント装
置を適用可能である、布帛に対してプリントを行うイン
クジェットプリント装置の基本構成を示す図である。
【0107】このインクジェットプリント装置は、シス
テムとして構成され、大別して図20に示すように、デ
ザイナー等が作成した原画を読み取り、この原画像を電
気信号で表される原画データに変換する画像読み取り装
置401、画像読み取り装置401からの原画データを
取り込んで加工してイメージデータとして出力する画像
処理部402、画像処理部402で作成されたイメージ
データに基づき、布帛等のプリント媒体上にプリントを
行う画像プリント部403から構成されている。
【0108】画像読み取り装置401では、CCDイメ
ージセンサにより原画像が読み取られる。
【0109】画像処理部402では、入力された原画デ
ータから、後述するマゼンタ(略号M)、シアン(略号
C)、イエロー(略号Y)、ブラック(略号Bk)の4
色のインクを吐出するインクジェットプリント部A−2
(図21参照)を駆動するためにデータを作成する。デ
ータの作成の際には、原画像をインクのドットで再現す
るための画像処理、色調を決定する配色、レイアウトの
変更、拡大、縮小等の図柄の大きさの加工、選択がなさ
れる。
【0110】画像プリント部403では、インクジェッ
トプリント部A−2によりプリントが行われる。
【0111】図21は、上記捺染用プリント装置の好ま
しい画像プリント部の概要を示す模式図である。このプ
リント装置は、大きく分けて、捺染用の前処理を施され
たロール状の布帛等のプリント媒体を送り出す給布部B
と、送られてきたプリント媒体を精密に行送りして、イ
ンクジェットヘッドでプリントを行う本体部Aと、プリ
ントされたプリント媒体を乾燥させ巻取る巻取り部Cか
らなる。そして、本体部Aはさらにプラテンを含むプリ
ント媒体の精密送り部A−1とインクジェットプリント
部A−2とからなる。
【0112】以下、プリント媒体として前処理されたプ
リント媒体を用い捺染を実施する場合を例にとってこの
装置の動作を説明する。
【0113】前処理されたロール状のプリント媒体23
6は給付部Bから送り出され、本体部に送られる。本体
部には精密にステップ駆動される薄い無端のベルト23
7が駆動ローラ247、巻回ローラ249に架け回され
ている。駆動ローラ247は、高分解能のステッピング
モータ(図示せず)でダイレクトにステップ駆動されて
そのステップ量だけベルトをステップ送りする。送られ
てきた布236は巻回ローラ249によってバックアッ
プされたベルト237表面に、押付けローラ240によ
って押付けられ、張付けられる。
【0114】ベルトによってステップ送りをされてきた
プリント媒体236は、第1のプリント部231におい
て、ベルト裏面のプラテン232によって定位され表側
からインクジェットヘッド209によってプリントされ
る。1行のプリントが終る毎に、所定量ステップ送りさ
れ、次いでベルト裏面からの加熱プレート234による
加熱と、温風ダクト235によって供給/排出される、
表面からの温風によって乾燥される。続いて第2のプリ
ント部231′において、第1のプリント部と同様な方
法で重ねプリントがなされる。
【0115】プリントが終ったプリント媒体236は引
き剥されて前述の加熱プレート234と温風ダクト23
5と同様な後乾燥部246で再度乾燥されガイドロール
241に導かれて巻取りロール248に巻取られる。そ
して、巻取られたプリント媒体236は本装置から取外
され、バッチ処理で発色、洗浄、乾燥等の後処理工程を
経て製品となる。
【0116】次に、インクジェットプリント部A−2付
近の詳細について図22に基づき説明する。
【0117】ここでの好ましい態様は、画像データを複
数の画像データに分割し、第1プリント部のヘッドによ
り、前記分割された画像データの一方をプリントし、乾
燥工程を経て、第2プリント部のヘッドにより、第1プ
リント部でプリントされなかった他方の画像データをプ
リントするようにインク滴を吐出するものである。
【0118】図22において、プリント媒体であるプリ
ント媒体236は、ベルト237に張り付けられて、図
中の上方向にステップ送りされるようになっている。図
中下方の第1プリント部231にはY.M.C.Bkの
ほか、特色S1〜S4用のインクジェットヘッド8本を
搭載した第1のキャリッジ244がある。本例における
インクジェットヘッド(プリントヘッド)は、インクを
吐出するために利用されるエネルギーとして、インクに
膜沸騰を生じさせる熱エネルギーを発生する素子を有す
るものを用いてあり、また、400dpi(ドット/イ
ンチ)の密度で128の吐出口を配列したものを用いて
いる。
【0119】第1のプリント部の下流側にはベルトの裏
面から加熱する加熱プレート234と、表側から乾燥さ
せる温風ダクト235とからなる乾燥部245が設けら
れている。加熱プレート234の熱伝達面は、強くテン
ションをかけられた無端のベルト237に押し当てら
れ、中空になっている内側に通してある高温高圧の蒸気
によって、ベルト237を裏面から強力に加熱する。ベ
ルト237は貼り付けられているプリント媒体236を
熱伝導によって直接に効果的に加熱する。加熱プレート
面の内側は集熱のためのフィン234′が設けられてい
て熱を効率的にベルト裏面に集中できるようにしてあ
る。ベルトに接しない側は断熱材243でカバーしてあ
り、放熱による損失を防いでいる。
【0120】表側では、下流側の供給ダクト230から
乾燥温風を吹き付けることによって、乾燥しつつあるプ
リント媒体236に、より湿度の低い空気を当てて効果
を高めるようにしている。そしてプリント媒体236の
搬送方向とは逆に流れて充分に水分を含んだ空気は、上
流側の吸引ダクト233から、吹き付けの量よりもはる
かに多量の吸引をすることによって、蒸発水分が漏れて
周囲の機械装置に結露しないようにしてある。温風の供
給源は図22の奥側にあり、吸引は手前側から行うよう
になっていて、プリント媒体236に対向している吹き
出し口238と吸引口239との圧力差が長手方向全域
にわたって均一になるようにしてある。空気の吹き付け
/吸引部は裏面の加熱プレート234の中心に対して下
流側にオフセットされており、充分に加熱された所に空
気が当たるようにしてある。これらによって第1のプリ
ント部231がプリント媒体236が受容した薄め液も
含むインク中の多量の水分を強力に乾燥させる。
【0121】その下流(上方)には第2のプリント部2
31′があり、第1のキャリッジと同様の構成の第2の
キャリッジ244′で第2のプリント部を形成してい
る。
【0122】上記例においては、例えば、第1プリント
部のヘッドと第2プリント部のヘッドのプリント素子列
の夫々の長さを合わせた長さをプリント素子列の全体の
長さとし、第1プリント部のヘッドを一方のブロック、
第2プリント部のヘッドを他方のブロックとして、異常
なプリント素子に対応する画像データを異常なプリント
素子が属さない他のブロックのプリント素子でプリント
させることにより、本発明を適用できる。
【0123】次に、インクジェット捺染プリントの具体
例を説明する。図21に示すようなインクジェットプリ
ント装置を用いて、インクジェット印捺工程を経た後、
プリント媒体を乾燥(自然乾燥を含む)させる。そし
て、引き続きプリント媒体繊維上の染料を拡散させ、か
つ繊維への染料を反応定着させる工程を施す。この工程
により、充分な発色性と染料の固着による堅牢性を得る
ことができる。
【0124】この拡散、反応定着工程は従来公知の方法
でよく、例えば、スチーミング法が挙げられる。なお、
この場合、印捺工程の前に、予めプリント媒体にアルカ
リ処理を施してもよい。
【0125】その後、後処理工程において、米反応の染
料の除去及び前処理に用いた物質の除去が行われる。最
後に欠陥補正、アイロン仕上げ等の生理仕上げ工程を経
てプリントが完成する。
【0126】特に、インクジェット捺染用布帛として
は、(1)インクを充分な濃度に発色させ得ること、
(2)インクの染着率が高いこと、(3)インクが布帛
上で速やかに乾燥すること、(4)布帛上での不規則な
インクの滲みの発生が少ないこと、(5)装置内での搬
送性に優れていること、等の性能が要求される。これら
の要求性能を満足させるために、必要に応じて布帛に対
し、予め前処理を施しておくことができる。例えば、特
開昭62−53492号公報においてインク受容層を有
する布帛類が開示され、また、特公平3−46589号
公報においては還元防止剤やアルカリ物質を含有させた
布帛の提案がなされている。このような前処理の例とし
ては、布帛に、アルカリ性物質、水溶性高分子、合成高
分子、水溶性金属塩、尿素及びチオ尿素から選ばれる物
質を含有させる処理を挙げることができる。
【0127】アルカリ性物質としては、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、
モノ、ジ、トリエタノールアミン等のアミン類、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等の炭酸も
しくは重炭酸アルカリ金属塩等が挙げられる。さらに酢
酸カルシウム、酢酸バリウム等の有機酸金属塩やアンモ
ニア及びアンモニア化合物等がある。また、スチーミン
グ及び乾熱下でアルカリ物質となるトリクロロ酢酸ナト
リウム等も用い得る。特に好ましいアルカリ性物質とし
ては、反応性染料の染色に用いられる炭酸ナトリウム及
び重炭酸ナトリウムがある。
【0128】水溶性高分子としては、トウモロコシ、小
麦等のデンプン物質、カルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセル
ロース系物質、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、
ローカスイトビーンガム、トラガントガム、グアガム、
タマリンド種子等の多糖類、ゼラチン、カゼイン等の蛋
白質物質、タンニン系物質、リグニン系物質等の天然水
溶性高分子が挙げられる。
【0129】また、合成高分子としては、例えば、ポリ
ビニルアルコール系化合物、ポリエチレンオキサイド系
化合物、アクリル酸系水溶性高分子、無水マレイン酸系
水溶性高分子等が挙げられる。これらの中でも多糖類系
高分子やセルロース系高分子が好ましい。
【0130】水溶性金属塩としては、例えば、アルカリ
金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、典型
的なイオン結晶を作るものであって、pH4〜10であ
る化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例とし
ては、例えば、アルカリ金属では、NaCl,Na2S
O4,KCl及びCH3COONa等が挙げられ、また、
アルカリ土類金属としては、CaCl2及びMgCl2等
が挙げられる。中でもNa,K及びCaの塩類が好まし
い。
【0131】前処理において上記物質等を布帛に含有さ
せる方法は、特に制限されないが、通常行われる浸漬
法、パッド法、コーティング法、スプレー法等を挙げる
ことができる。
【0132】さらに、インクジェット捺染用布帛に付与
される捺染インクは、布帛上に付与した状態では単に付
着しているに過ぎないので、引き続き繊維への染料の反
応定着工程(染着工程)を施すのが好ましい。このよう
な反応定着工程は、従来公知の方法でよく、例えば、ス
チーミング法、HTスチーミング法、サーモフィックス
法、予めアルカリ処理した布帛を用いない場合は、アル
カリパッドスチーム法、アルカリブロッチスチーム法、
アルカリショック法、アルカリコールドフィックス法等
が挙げられる。
【0133】さらに未反応の染料の除去及び前処理に用
いた物質の除去は、上記反応定着工程の後に従来公知の
方法に準じ、洗浄により行うことができる。なお、この
洗浄の際に従来公知のフィックス処理を併用することが
好ましい。
【0134】なお以上述べた後処理工程が施されたプリ
ント物は、その後所望の大きさに切り離され、切り離さ
れた片は縫着、接着、溶着等、最終的な加工品を得るた
めの工程が施され、ワンピース、ドレス、ネクタイ、水
着、エプロン、スカーフ等や布団カバー、ソファカバ
ー、ハンカチ、カーテン、ブックカバー、ルームシュー
ズ、タペストリー、テーブルクロス等が得られる。布帛
を縫製等により加工して衣類やその他の日用品とする方
法は、例えば「最新ニット縫製マニュアル」:センイジ
ャーナル社発行や月刊誌「装苑」:文化出版局発行等、
公知の書籍に多数記載されている。
【0135】本発明は、特にインクジェットプリント方
式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成
し、プリントを行うインクジェット方式のプリントヘッ
ド、プリント装置において優れた効果をもたらすもので
ある。
【0136】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、プリント情報に対応していて核沸騰
を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動
信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネル
ギーを発生せしめ、プリントヘッドの熱作用面に膜沸騰
を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応し
た液体(インク)内の気泡を形成できるので有効であ
る。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液
体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成
する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に
気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液
体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0137】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れたプリントを行うことができる。
【0138】プリントヘッドの構成としては、上述の各
明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変
換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流
路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構
成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国
特許第4459600号明細書を用いた構成としてもよ
い。
【0139】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
とすることもできる。
【0140】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプのプリントヘッ
ド、あるいはプリントヘッド自体に一体的にインクタン
クが設けられたカートリッジタイプのプリントヘッドを
用いてもよい。
【0141】また、本発明のプリント装置の構成として
設けられる、プリントヘッドに対しての回復手段、予備
的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安
定できるので好ましいものである。これらを具体的に挙
げれば、プリントヘッドに対してのキャッピング手段、
クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換
体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み
合わせによる予備加熱手段、プリントとは別の吐出を行
う予備吐出モードを行うことも安定したプリントを行う
ために有効である。
【0142】さらに、プリント装置のプリントモードと
しては、プリントヘッドを一体的に構成するか複数個の
組み合わせにより、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの少なくとも一つのプリントモードを
備えた装置あるいは黒色等の主流色のみのプリントモー
ドだけを備えた装置とすることもできる。
【0143】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用プリント信号
付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0144】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーのプリント
信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インク
として吐出するものや、プリント媒体に到達する時点で
は既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによ
って初めて液化する性質のインクの使用も本発明には適
用可能である。このような場合インクは、特開昭54−
56847号公報あるいは特開昭60−71260号公
報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0145】さらに加えて、本発明に係るプリント装置
の形態としては、上述のようなワードプロセッサやコン
ピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体ま
たは別体に設けられるプリンタの形態の他、リーダ等と
組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するフ
ァクシミリ装置の形態を採るものであっても良い。
【0146】図23は本発明のプリント装置をワードプ
ロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装
置、複写装置、電子タイプライタ等としての機能を有す
る情報処理装置に適用した場合に概略構成を示すブロッ
ク図である。図中、501は装置全体の制御を行なう制
御部で、マイクロプロセッサ等のCPUや各種I/Oポ
ートを備え、各部に制御信号やデータ信号等を出力した
り、各部よりの制御信号やデータ信号を入力して制御を
行なっている。502はディスプレイ部で、この表示画
面には各種メニューや文書情報及びイメージリーダ50
7で読み取ったイメージデータ等が表示される。503
はディスプレイ部502上に設けられた透明な感圧式の
タッチパネルで、指等によりその表面を押圧することに
より、ディスプレイ部502上での項目入力や座標位置
入力等を行なうことができる。
【0147】504はFM(Frequency Mo
dulation)音源部で、音楽エディタ等で作成さ
れた音楽情報をメモリ部510や外部記憶装置512に
デジタルデータとして記憶しておき、それらメモリ等か
ら読み出してFM変調を行なうものである。FM音源部
504からの電気信号はスピーカ部505により可聴音
に変換される。プリンタ部506はワードプロセッサ、
パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、複写装
置、電子タイプライタ等の出力端末として、本発明に係
るプリント装置が適用されたものである。
【0148】507は原稿データを光電的に読み取って
入力するイメージリーダ部で、原稿の搬送経路途中に設
けられており、ファクシミリ原稿や複写原稿の他、各種
原稿の読み取りを行う。508はイメージリーダ部や5
07で読み取った原稿データのファクシミリ送信や、送
られてきたファクシミリ信号を受信して復号するファク
シミリ送受信部であり、外部とのインターフェース機能
を有する。509は通常の電話機能や留守番電話機能等
の各種電話機能を有する電話部である。510はシステ
ムプログラムやマネージャプログラムおよびその他のア
プリケーションプログラム等や文字フォントおよび辞書
等を記憶するROMや、外部記憶装置512からロード
されたアプリケーションプログラムや文字情報さらには
ビデオRAM等を含むメモリ部である。
【0149】511は文書情報や各種コマンド等を入力
するキーボード部である。512はフロッピィディスク
やハードディスク等を記憶媒体とする外部記憶装置で、
この外部記憶装置512には文字情報や音楽あるいは音
声情報、ユーザのアプリケーションプログラム等が格納
される。
【0150】図24は図23に示す情報処理装置の外観
図である。図中、601は液晶等を利用したフラットパ
ネルディスプレイで、各種メニューや図形情報および文
書情報等を表示する。このディスプレイ601上にはタ
ッチパネルが設置されており、このタッチパネルの表面
を指等で押圧することにより座標入力や項目指定入力を
行うことができる。602は装置が電話機として機能す
るときに使用されるハンドセットである。
【0151】キーボード603は本体と脱着可能にコー
ドを介して接続されており、各種文字情報や各種データ
入力を行うことができる。また、このキーボード603
には各種機能キー604等が設けられている。605は
フロッピィディスクの挿入口である。
【0152】607はイメージリーダ部607で読み取
られる原稿を載置する用紙載置部で、読み取られた原稿
は装置後部より排出される。またファクシミリ受信等に
おいては、プリンタ607によりプリントされる。
【0153】なお、上記ディスプレイ601はCRTで
もよいが、強誘電性液晶を利用した液晶ディスプレイ等
のフラットパネルが望ましい。小型、薄型化に加え軽量
化が図れるからである。上記情報処理装置をパーソナル
コンピュータやワードプロセッサとして機能する場合、
図23においてキーボード部511から入力された各種
情報が制御部501により所定のプログラムに従って処
理され、プリンタ部506に画像として出力される。フ
ァクシミリ装置の受信機として機能する場合、通信回線
を介してファクシミリ送受信部508から入力したファ
クシミリ情報が制御部501により所定のプログラムに
従って受信処理され、プリンタ部506に受信画像とし
て出力される。
【0154】また、複写装置として機能する場合、イメ
ージリーダ部507によって原稿を読取り、読み取られ
た原稿データが制御部501を介してプリンタ部506
に複写画像として出力される。なお、ファクシミリ装置
の送信機として機能する場合、イメージリーダ部507
によって読み取られた原稿データは、制御部501によ
り所定のプログラムに従って送信処理された後、ファク
シミリ送受信部508を介して通信回線に送信される。
なお、上述した情報処理装置は図25に示すようにプリ
ンタを本体に内蔵した一体型としてもよく、この場合
は、よりポータブル性を高めることが可能となる。同図
において、図24と同一機能を有する部分には、対応す
る符号を付した。
【0155】以上説明した多機能型情報処理装置に本発
明のプリント装置を適用することによって、高品位のプ
リント画像を得ることができるため、上記情報処理装置
の機能をさらに向上させることが可能となる。
【0156】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
プリント手段のプリント素子に異常が生じた場合であっ
ても、異常なプリント素子に与えられるべき画像データ
を補完用ブロックのプリント素子に与えられる画像デー
タに移動し、前記補完用ブロックのプリント素子により
プリントを補完させることができるので、画像欠陥の生
じない所望の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリント装置の断面図である。
【図2】プリント部を説明するための斜視図である。
【図3】実際の印字例の拡大図である。
【図4】チェックパターンを説明する図である。
【図5】チェックパターンの一部拡大図である。
【図6】キャリッジの動きを上方より見た状態を説明す
るための図である。
【図7】図5に示すチェックパターンの一部拡大図であ
る。
【図8】改良された読み取り/判定方法を説明するため
の図である。
【図9】許容着弾エリアについて説明するための図であ
る。
【図10】他の補完の例−1を説明するための図であ
る。
【図11】他の補完の例−2を説明するための図であ
る。
【図12】他の補完の例−2を説明するための図であ
る。
【図13】本発明に係る補完の例を説明するための図で
ある。
【図14】断線検出のタイミングの説明図である。
【図15】断線検出の回路図である。
【図16】補完処理手順を示すフローチャートである。
【図17】画像データの流れを説明するための図であ
る。
【図18】画像データの流れを説明するための図であ
る。
【図19】画像データの流れを説明するための図であ
る。
【図20】布帛に対してプリントを行うプリント装置の
ブロック図である。
【図21】布帛に対してプリントを行うプリント装置の
画像プリント部の構成を示す図である。
【図22】布帛に対してプリントを行うプリント装置の
画像プリント部付近を示す図である。
【図23】プリント装置を情報処理装置に適用した場合
の概略構成を示すブロック図である。
【図24】情報処理装置の外観図である。
【図25】プリント装置を一体に備える情報処理装置の
外観図である。
【符号の説明】
2 案内ローラー 3 送りローラー 5 プリント部 7 プリントヘッド列 8 キャリッジ 11 読取装置

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント媒体にインクによる画像をプリ
    ントするための複数のプリント素子を配列したプリント
    素子列を有するプリント手段を用いてプリントを行い、
    前記プリント素子列がプリント用ブロックと、前記プリ
    ント用ブロック中のプリント素子に異常が生じた場合に
    当該異常なプリント素子のプリントを補完するためのプ
    リント素子を有する補完用ブロックとに分割されたプリ
    ント装置であって、、 前記プリント手段を前記プリント素子列方向とは異なる
    方向にプリント媒体に対して相対移動させる主走査を行
    う主走査手段と、 前記主走査手段による前記主走査毎に前記プリント媒体
    を前記プリント手段に対して相対的に前記プリント素子
    列の方向に所定量移動させる副走査を行う副走査手段
    と、 前記異常が生じたプリント素子を有するプリント用ブロ
    ックのプリント領域と同じ領域を前記補完用ブロックが
    主走査するときに、前記異常が生じたプリント素子に供
    給すべき画像データを、前記異常が生じたプリント素子
    に対応する補完用ブロック内のプリント素子に供給して
    プリントを行わせるプリント制御手段と、を備えること
    を特徴とするプリント装置。
  2. 【請求項2】 前記補完用ブロックは、前記プリント素
    子列中においてプリント用ブロックの主走査より後にプ
    リント媒体上の同じ領域を主走査する箇所に位置するこ
    とを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記プリント用ブロックは複数のブロッ
    クに分割され、各分割されたブロックの長さは前記補完
    用ブロックの長さに等しいことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記プリント素子はインクの吐出口を有
    し、インクに熱による状態変化を生起させ、該状態変化
    に基づいてインクを前記吐出口から吐出させる熱エネル
    ギー発生手段を有することを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載のプリント装置。
  5. 【請求項5】 布帛に対するプリントに用いられること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプリン
    ト装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のプリ
    ント装置と原稿画像読み取り手段とを備えることを特徴
    とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれかに記載のプリ
    ント装置と画像情報の送信手段および受信手段とを備え
    ることを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 原稿画像読み取り手段をさらに備えるこ
    とを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至5のいずれかに記載のプリ
    ント装置とプリント信号入力手段とを備えることを特徴
    とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記プリント信号入力手段がキーボー
    ドであることを特徴とする請求項9記載の画像形成装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至5のいずれかに記載のプ
    リント装置と計算処理手段とを備えることを特徴とする
    情報処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005212417A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Mimaki Engineering Co Ltd インクジェットプリンタのノズル機能チェック機構
JP2005288828A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Sato Corp 印字装置
EP2927002A1 (en) * 2014-03-31 2015-10-07 Xerox Corporation System for detecting inoperative inkjets in printheads ejecting clear ink using thermal substrates
JP2022158366A (ja) * 2021-04-01 2022-10-17 株式会社トライテック 印刷装置及び印刷装置の制御方法

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