JPH11262800A - 廃棄物の処理方法および処理装置 - Google Patents

廃棄物の処理方法および処理装置

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JPH11262800A
JPH11262800A JP10090890A JP9089098A JPH11262800A JP H11262800 A JPH11262800 A JP H11262800A JP 10090890 A JP10090890 A JP 10090890A JP 9089098 A JP9089098 A JP 9089098A JP H11262800 A JPH11262800 A JP H11262800A
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JP
Japan
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slurry
waste
sludge
filtrate
substance
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JP10090890A
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English (en)
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Sadahiko Maeda
禎彦 前田
Katsutoshi Suzuki
勝利 鈴木
Takahiko Terada
隆彦 寺田
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
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  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニルその他の含塩素系樹脂を多量に含
む廃棄物スラリーの水熱分解反応後の脱水により燃料化
されたケーキに転換するとともに、濾液中のCOD物質
およびBOD物質を電解酸化処理する。 【解決手段】 塩化ビニルその他の含塩素系樹脂を多量
に含む廃棄物ヲ前処理手段にて廃棄物スラリーを得た
後、フラッシュに引続き脱水してケーキ状の脱塩素化さ
れた原燃料と濾液を得るようにした廃棄物の処理方法で
あって、前記廃棄物スラリーにアルカリ性物質を加える
とともに、前記濾液を電解酸化処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみや産業廃
棄物などの有機固形分の内、特に塩化ビニルその他の含
塩素系樹脂を多量に含む廃棄物スラリーと、工場廃水や
都市下水などのように有機物を溶存する廃水の処理によ
って得られた有機性汚泥との混合廃棄物スラリーを、水
熱分解反応後の脱水により燃料化されたケーキに転換す
るとともに、濾液中のCOD物質およびBOD物質を電
解酸化処理するようにした廃棄物の処理方法およびその
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機性汚泥としては、パルプ、繊維、化
学、食品などの工場廃水処理から排出される汚泥の他
に、生活廃水処理から大量に排出される下水汚泥が代表
的とされている。下水処理場から排出される下水汚泥は
含水率98%と高く、また膨大な量であり、年々増加の
傾向にある。従来、このような下水汚泥の処理に関して
は、その80%前後が脱水後、埋立処分されているが、
しかし、この場合には埋立地確保の問題があり、都市化
の発展により、その埋立地確保は年々困難になってい
る。また、下水汚泥は焼却処理することも可能である
が、この方法は、その処理生成物が被処理原料である下
水汚泥の量に比して著しく減容化された焼却灰であり、
被処理原料の減容化という点からは非常に有効な方法で
ある。
【0003】一方、都市ごみ等の一般廃棄物や工場等か
ら排出される産業廃棄物等のいわゆる固形廃棄物も年々
増加しており、従来の埋立方式などによる処分処理方法
では対応し切れなくなっている。このような観点から、
固形廃棄物を水中破砕し、水スラリーの状態で再資源可
能な鉄、アルミニウム、ガラス等の有用物を回収した後
に、適宜な水分値を有した状態まで脱水し、ついで高温
・高圧の条件下、所定の滞留時間にて水熱反応で処理し
て得られた高温・高圧の反応スラリーを最終的に大気圧
まで減圧して製品スラリーを得ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
下水処理方法の場合、汚泥の細胞膜内に多量の水を含有
するため、脱水度の高いケーキでも含水率80%と高い
うえに、自燃性が無く、焼却処理しようとすると助燃剤
が必要となるばかりでなく、水分蒸発に多大な熱エネル
ギーを要するために、ランニングコストが高く、経済的
でない。
【0005】さらに、後者では、塩化ビニルその他の含
塩素系樹脂を多量に含む都市ごみや産業廃棄物を処理す
る場合、つぎのような問題がある。 塩化ビニルその他の含塩素プラスチックを多量に含
む都市ごみや産業廃棄物を焼却した場合、猛毒物質のダ
イオキシンを発生させる可能性が有り、環境保護の観点
から問題がある。 また、塩化ビニルその他の含塩素系樹脂を多量に含
む廃棄物を燃焼すると、燃焼時にCl2 やHClが発生
し、後続の空気予熱器や廃熱回収ボイラー等で腐食トラ
ブルを生じ易い。 有機塩素化合物を含む廃棄物を水熱反応により脱塩
素化することが可能であるが、生成する塩酸とのアルカ
リ塩(塩化ナトリウム)は腐食性が大きく、溶解度にも
限界があるので、極力系内に蓄積しないように系外に排
出する必要がある。 前記濾液を排水として公共水域に流すにはCOD
(化学的酸素要求量)除去を中心とした排水処理設備や
処理費用が必要となり、このため費用が高価となる。 さらに、前記濾液中の塩化ナトリウムを蒸発、濃縮
により晶析、分離する方法では、大部分の水を蒸発させ
るため、多量の熱エネルギが必要となる。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は有機性汚泥を加圧、加熱して得
られた有機性膨化汚泥スラリーと、塩化ビニルその他の
含塩素系樹脂を多量に含む固形廃棄物スラリーとを混合
して混合廃棄物スラリーとし、当該スラリーを水熱分解
反応後の脱水により燃料化されたケーキに転換するとと
もに、濾液中のCOD物質およびBOD物質を電解酸化
処理するようにした廃棄物の処理方法およびその装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の発明では、塩化ビニルその他の
含塩素系樹脂を多量に含む固形廃棄物を前処理手段にて
廃棄物スラリーにして混合槽に供給するとともに、有機
性汚泥を加圧、加熱した後、瞬時に脱圧して汚泥を膨化
処理することにより膨化汚泥スラリーを生成し前記混合
槽に供給して混合廃棄物スラリーとし、当該スラリーを
反応器にて水熱反応させて反応生成物スラリーを得た
後、フラッシュに引続き脱水してケーキ状の脱塩素化さ
れた原燃料と濾液を得るようにした廃棄物の処理方法で
あって、前記混合廃棄物スラリーにアルカリ性物質を加
えるとともに、前記濾液を電解酸化処理するようにし
た。
【0008】また、第1の発明を主体とする第2の発明
では、脱塩素後の該ケーキ状の燃料を燃焼炉で燃焼し、
該燃焼時の燃焼熱で熱媒体を加熱し、該熱媒体を反応器
に至る経路に配設された熱交換器に通して混合廃棄物ス
ラリーを加熱するようにし、さらに、第1の発明を主体
とする第3の発明では、フラッシュ時に発生したスチー
ムを反応器に至る経路に配設された熱交換器に通して混
合廃棄物スラリーを加熱し、熱交換後に熱交換器から排
出される凝縮液を反応生成物スラリーの脱水手段の洗浄
水として系内で循環使用するようにした。
【0009】第3の発明を主体とする第4の発明では、
凝縮液を反応生成物スラリーの脱水手段の洗浄水として
系内で循環使用するとともに、該凝縮液が不足する場合
に外部から補給水を供給するようにし、また 第1の発
明を主体とする第5の発明では、濾液中のCOD物質お
よびBOD物質を電解酸化処理し、削減されたCOD物
質およびBOD物質を含む排水と水素ガスとに分離処理
するようにした。
【0010】第6の発明では、塩化ビニルその他の含塩
素系樹脂を多量に含む固形廃棄物を前処理手段にて廃棄
物スラリーにして混合槽に供給するとともに、有機性汚
泥を加圧、加熱した後、脱圧して汚泥を膨化処理するこ
とにより膨化汚泥スラリーを生成し前記混合槽に供給し
て混合廃棄物スラリーとし、当該スラリーを反応器にて
水熱反応させて反応生成物スラリーを得た後、フラッシ
ュに引続き脱水してケーキ状の脱塩素化された原燃料と
濾液を得るようにした廃棄物の処理装置であって、前記
濾液中のCOD物質およびBOD物質を電解酸化処理可
能な電解酸化手段を設けた。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る廃棄物の処
理方法およびその装置の具体的実施例を図1ないし図3
を用いて詳細に説明する。
【0012】図1は本発明による実施形態のシステム構
成ブロック図、図2は第2の事例のシステムブロック
図、図3は第3の事例のシステムブロック図である。
【0013】以下、図1について詳細に説明する。ま
ず、各所から収集され未分別状態にある有機固形分を含
む廃棄物の前処理を行なった後、次工程の熱分解処理工
程に供給するようにしている。特に本発明では、塩化ビ
ニルその他の含塩素系樹脂を多量に含む廃棄物を前処理
工程にて予め前処理される。
【0014】前処理工程では、基本的に未分別状態にあ
る塩化ビニルその他の含塩素系樹脂を多量に含む廃棄物
を処理する場合、再資源可能な鉄、アルミニウム、ガラ
ス等の有用物を含んでいるので、最初にこれを回収する
とともに、固形廃棄物処理システムの連続運転のために
固形廃棄物を搬送可能な程度までスラリー化する必要が
ある。このための前処理手段10が設けられており、こ
の前処理手段10は破砕装置と有用物の分離装置ならび
に脱水装置などから構成される。
【0015】したがって、この前処理手段10では、未
分別状態にある有機固形物を含む固形廃棄物を水中破砕
により水スラリー化させるようにし、このスラリー化の
段階で、破砕物中に含まれる不燃物の比重差を利用し
て、再資源可能な鉄、アルミニウム、ガラス等の有用物
を回収するようにしている。そして、不燃物の除去され
た有機固形物を含む水スラリーを約8〜20重量%の固
形物含有量まで脱水し、後段の処理工程への搬送ができ
る程度の粘性となるように調整している。
【0016】このような前処理手段10で処理された固
形廃棄物スラリーは常温スラリーであり一旦混合槽48
に貯溜される。混合槽48から排出される混合廃棄物ス
ラリーは固形廃棄物スラリーと後述する膨化汚泥スラリ
ーとの混合廃棄物スラリーを形成する。
【0017】次に、もう一方の有機性汚泥の膨化処理に
ついて述べる。図1において、工場廃水や生活廃水の生
物化学処理の残渣として発生する有機性汚泥は廃水処理
施設よりの輸送ハンドリングのために脱水処理され、通
常の含水率は78〜83重量%を有するケーキ状のもの
となっている。この脱水汚泥は、大部分が微生物細胞で
構成され、汚泥は水分を内包する細胞膜で覆われてい
る。この細胞膜は単純な脱水処理によっては破壊され
ず、したがって上記含水率以下に汚泥を脱水することが
困難であり、含水率は高いものの固り状の汚泥ケーキと
なっている。
【0018】このようなケーキ態様を示す有機性汚泥は
図示を省略したバンカーに一時的に貯溜され、バンカー
に付設されたスクリュウポンプ50によって下流の処理
システムに圧送供給される。スクリュウポンプ50から
の汚泥送給ライン52には予熱器54が介装され、搬送
された汚泥を汚泥膨化反応器56へ導入する前に予め昇
温し、汚泥膨化反応器56での熱負荷を小さくしてい
る。
【0019】汚泥膨化反応器56は、導入された予熱汚
泥を加圧、加熱処理するものであり、これは密閉容器と
して構成されおり、ほぼ圧力を7Kg/cm2 に維持す
るように調圧バルブ(図示せず)が装備されている。こ
の汚泥膨化反応器56内で汚泥は160〜170℃に均
一加熱され、熱変質により汚泥細胞膜が破壊され、同時
に汚泥中の水分の一部で蒸発して気液平衡状態における
圧力を得ることができるようにしている。ここで、加圧
されている加熱汚泥をフラッシュ蒸発器58内に瞬時に
フラッシュさせて大気圧まで開放するためのフラッシュ
弁(図示せず)が汚泥膨化反応器56とフラッシュ蒸発
器58間に配設された配管60上に設けられている。
【0020】したがって、加圧状態の加熱汚泥は前記フ
ラッシュ弁を通過することにより、大気圧まで圧力が瞬
時に開放され、この脱圧により汚泥細胞膜内に存在する
水が急激に気化膨張してスチームを発生することとな
る。この作用により汚泥粒子の細胞膜の破壊が促進さ
れ、水分の溶出と汚泥細胞膜の微細化により流動性が極
めて高い状態の膨化汚泥スラリーが生成され、配管62
を介して混合槽48に貯溜される。混合槽48に貯溜さ
れた混合廃棄物スラリーは高圧ポンプ13等の圧送手段
により塩基を混合した廃棄物スラリーとして後段の反応
器14に送給するようにして、反応器14内で水熱反応
を生じるようにしている。
【0021】反応器14内の操作温度を250〜350
℃程度の適当な温度に昇温させるが、前記高圧ポンプ1
3により170気圧程度まで加圧した状態で混合廃棄物
スラリーを送り込むとともに、予め反応器14の前段で
反応温度まで昇温させるようにしており、実施例では、
第1熱交換器16と第2熱交換器18で反応温度まで段
階的に昇温させてから反応器14に送給するようにして
いる。これにより昇温された混合廃棄物スラリーは反応
器14を通過する過程で、反応温度を維持しつつ、また
その反応温度の飽和水蒸気圧以上の圧力で、数分ないし
は数十分間の反応時間で、水熱反応により熱分解され
る。
【0022】ところで、本発明の対象とする廃棄物中に
は、水熱反応に伴い塩化水素を発生する例えば塩化ビニ
ル等の有機塩素系樹脂が多量に含まれるので、水熱反応
に処する混合廃棄物スラリーにアルカリ性物質を添加す
ることにより塩化水素を中和処理するようにしている。
このため、アルカリタンク40が設けられ、このアルカ
リタンク40から供給されるアルカリ性物質を連続的に
注入供給している。このアルカリ性物質は、KOH、K
2 CO3 、Na2 CO3 、NaOH等が用いられる。ア
ルカリタンク40からのアルカリ性物質の供給量は、発
生する塩化水素の等モルかまたは若干過剰の量が注入さ
れる。
【0023】このアルカリ性物質の注入量は、発生する
塩化水素の中和に必要な量であり、都市ごみ等に含まれ
る有機塩素系樹脂の含有量が多いとアルカリ性物質の注
入量は増える。このようなアルカリ性物質の注入のた
め、アルカリ供給ポンプ42が供給配管に設けられ、特
に前記混合槽48の直下流部に接続して廃棄物スラリー
に注入するようにしている。アルカリ供給ポンプ42は
反応スラリーのpH値により調整できるような可変ポン
プとされる。なお、アルカリ性物質は、反応によって塩
酸等が生じることにより反応器や熱交換器、その他の配
管等の接液部に腐食が生じることを防止する目的で注入
される。
【0024】反応器14における水熱反応後の反応スラ
リーは、当該実施例では、冷却装置としてフラッシュ蒸
発器20を用い、フラッシュ蒸発により発生したスチー
ムを第1熱交換器16に供給するシステムとなってい
る。すなわち、反応温度まで段階的に昇温させてから反
応器14に送給し、所定の操作条件下で水熱反応をさ
せ、フラッシュ蒸発器20を用いて等エンタルピ膨張に
よってフラッシュされたスチームを第1熱交換器16お
よび汚泥膨化反応器56の加熱に利用するようになって
いる。なお、このような熱回収の効率を高めるために、
フラッシュ圧力は数段に分けて減圧することが望まし
い。さらに、このフラッシュスチームを圧縮(例えば、
ヒートポンプ)することにより、より一層熱回収の効率
を高めることもできる。
【0025】さらに、反応器14からの反応スラリーは
フラッシュ蒸発器20にフラッシュされて大気圧まで減
圧されるがこのときスチームを発生する。フラッシュ蒸
発器20に貯溜された反応スラリーは分離手段24をな
す遠心分離器などで濃縮する過程で、溶存ガス、塩等を
含む濾液29と、脱塩素化された燃料ケーキ27とを得
るが、このうち燃料ケーキ27を熱媒加熱炉34で燃焼
し、燃焼熱で第1熱交換器16と熱媒加熱炉34間で循
環する熱媒体を加熱するのである。第1熱交換器16に
て混合廃棄物スラリーを加熱した後のフラッシュスチー
ムと、汚泥膨化反応器56内の有機性汚泥を加熱した後
のフラッシュスチームは凝縮しているため、当該凝縮液
は分離手段24で分離して得られたケーキ27の洗浄液
として利用される。凝縮液で洗浄するとケーキ中の塩素
イオンを含有した母液が凝縮液で置換され、脱塩素化さ
れた燃焼可能な水分濃度が20〜60重量%含有する燃
料ケーキ27が得られる。なお、凝縮液をケーキ27の
洗浄液として使用するが、凝縮液のみでは洗浄液として
不足する場合のことを考慮して、第1熱交換器16から
分離手段24に接続されるフラッシュスチームの凝縮ラ
インの途中に補給水の供給ラインを配設しておくことが
望ましい。
【0026】混合廃棄物スラリーを反応器14にて水熱
反応させ、得られた反応スラリーを分離手段24で分離
してケーキ27と濾液29を得るが、このうち濾液29
を電解酸化手段26に送給し電解すると、濾液29中の
COD物質およびBOD物質は電解酸化され、水素ガス
およびCOD物質およびBOD物質の大幅に減少した排
水とに分離される。
【0027】このような廃棄物処理システムを用いた処
理方法の具体的内容を説明する。
【0028】有機固形物中に多量の塩化ビニルその他の
含塩素系樹脂を含む都市ごみや産業廃棄物は、混合未分
別の状態で処理システムに導入される。未分別廃棄物は
最初の前処理手段10にて粉砕して水性スラリーとな
し、これから鉄やアルミニウム等の有用無機物質を分離
して有機固形物を含む廃棄物スラリーを生成する。粉砕
処理は水中破砕によって固形物が数mm程度になるよう
に行えばよく、これにより水性スラリーとするととも
に、水中破砕の際に鉄等を分離除去する。次いで、この
水性スラリーはサイクロンに投入し、ここでアルミニウ
ム、ガラス等の有用物を分離し、有機性固形物を含むス
ラリーを脱水装置を介してポンプ輸送可能な範囲で固形
物濃度(約14重量%)を高めるように調整して混合槽
48に投入するのである。
【0029】一方、有機性汚泥の処理においては、工場
廃水や生活廃水の処理によって生じた有機性汚泥がハン
ドリングのために78〜83重量%の含水量されるまで
脱水されたケーキを受け入れる。そして、スクリュウポ
ンプ50から途中予熱器54で予熱された後、汚泥膨化
反応器56に送給され、さらに加圧、加熱される。汚泥
膨化反応器56内で加圧、加熱された有機性汚泥は、フ
ラッシュ蒸発器58に導入されて瞬時に大気圧まで開放
されて膨化汚泥スラリーとなり、混合槽48に送給され
る。
【0030】混合槽48では、固形廃棄物スラリーと膨
化汚泥スラリーが図示を省略した撹拌機によって撹拌さ
れて均一な混合廃棄物スラリーを得る。このような混合
廃棄物スラリーは高圧ポンプ13により反応器14に送
給されるが、混合槽48の出口部でアルカリタンク40
から連続的にアルカリ性物質が廃棄物スラリー中に注入
される。アルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム
(NaOH)、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )、水酸
化カルシウム(Ca(OH)2 )、等の他、炭酸カリウ
ム(K2 CO3 )、炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3 )、炭酸水素カリウム(KHCO3 )、ギ酸ナトリウ
ム(NaHCOO)等のアルカリ金属化合物もしくはア
ルカリ土類金属化合物を用いることができるが、実地的
検知から水酸化ナトリウム(NaOH)が最も望まし
い。
【0031】このようなアルカリ性物質は反応器14の
出口の反応スラリーのpH値が弱酸性のpH=3〜6、
好ましくは4〜6となるように、添加量を調整すればよ
い。このように反応器14の出口の反応スラリーのpH
が弱酸性のpH=3〜6となるようにその注入量を調整
すればよい。また、処理する固形廃棄物中に塩化ビニル
その他の含塩素系樹脂量に応じてアルカリ性物質の注入
量を変更して反応器14の出口pH値を検出し、所定の
濃度となるように調整することができる。
【0032】高圧ポンプ13により送給されるアルカリ
性物質が注入された混合廃棄物スラリーは反応器14に
供給される前段で予め反応温度になるように昇温され、
常温から反応温度である250〜350℃まで加熱され
る。このため、第1熱交換器16、第2熱交換器18が
反応器14経路の前段に配置され、この第1熱交換器1
6、第2熱交換器18にて段階的に昇温させている。第
1熱交換器16、第2熱交換器18を経由して送られる
混合廃棄物スラリーは、最初後段のフラッシュより生成
したスチームにより予熱され、次いで熱媒加熱炉34と
第2熱交換器18間を循環する熱媒により反応温度25
0〜350℃、望ましくは325℃程度まで昇温されて
反応器14に導入される。
【0033】このスラリーは反応器14内で数十分間保
持され、液圧はその温度における飽和蒸気圧より高圧と
なるようにして沸騰が防止されている。反応器14から
の反応スラリーはフラッシュ蒸発器20にフラッシュさ
れて大気圧まで減圧されるがこのときスチームを発生す
る。フラッシュ蒸発器20に貯溜された反応スラリーは
分離手段24をなす遠心濾過器などに通して濃縮する過
程でフラッシュスチームの凝縮液で洗浄された燃料ケー
キ27と濾液29とに分離される。
【0034】この分離手段24により分離された一部の
濾液29(X)は電解酸化手段26に送給され、残りの
濾液29(Y)は前処理手段10にリサイクルされる。
当該電解酸化手段26では、塩化ナトリウム水溶液(電
解液)に不溶性電極を用いた電解槽、例えば海水、上水
用の次亜塩素酸発生用電解槽を使用する。還元性物質で
あるCOD物質およびBOD物質は直接電解反応による
酸化と次式により生成する次亜塩素酸ナトリウムによる
酸化を同時に受ける。すなわち、
【化1】 2Cl- → Cl2 + 2e- 2NaOH+Cl2 → NaClO+NaCl+H2
【0035】こうした処理により、濾液29中のCOD
値は、1〜2%より100ppm程度かそれ以下に減少
した排水となって系外に排出される。なお、濾液29を
電解酸化手段26にて電解酸化を行う際に、水素ガスを
生成するが、適宜な手段によって回収し、他の用途に利
用してもよい。
【0036】上記例では、反応器14からの反応スラリ
ーをフラッシュ蒸発器20によりフラッシュ蒸発して発
生したスチームを第1熱交換器16に供給してスラリー
予熱をなすとともに、分離手段24によって遠心分離し
て得られた燃料ケーキ27を、第2熱交換器18と熱媒
加熱炉34間を循環しながら加熱された熱媒体にて混合
廃棄物スラリーの予熱をなすようにしたしたが、図2に
示すように、図1に示すシステムに自己熱交換システム
を追加したシステムとして利用することができる。
【0037】さらに、図3に示すように、図1に示した
システムをベースとして、反応器14の出口の反応スラ
リーの顕熱を有効利用するために、当該反応スラリーを
一旦冷却器31を通して熱媒体の加熱加勢に利用するた
めに、反応器14の後段に冷却器31を配設して第3熱
交換器19間で熱媒体を熱媒体循環ポンプ44で循環加
熱するようなシステムとしてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明ではつぎのような利点がある。すなわち、 汚泥を自己燃焼性のある燃料ケーキに転換できる。 塩化ビニルその他の含塩素系樹脂を多量に含む廃棄
物から脱塩化された燃料ケーキを製造できる。 分解反応が著しく促進されるので、固形廃棄物が固
体炭素化され、代替燃料またはガス化源としての有効利
用が可能となる。また、系内で一部を加熱源として利用
できるので外部から供給する熱量を減ずることができ
る。 副生物として水素ガスが得られ、化学原料として利
用することができる。 系外に排出される排水中のCOD物質およびBOD
物質を大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態のシステム構成ブロック
図である。
【図2】第2の事例のシステムブロック図である。
【図3】第3の事例のシステムブロック図である。
【符号の説明】
10 前処理手段 13 高圧ポンプ 14 反応器 16 第1熱交換器 18 第2熱交換器 19 第3熱交換器 20 フラッシュ蒸発器 24 分離手段 26 電解酸化手段 27 燃料ケーキ 29 濾液 31 冷却器 32 アルカリ水溶液供給ポンプ 34 熱媒加熱炉 40 アルカリタンク 42 アルカリ供給ポンプ 44 熱媒体循環ポンプ 48 混合槽 50 スクリュウポンプ 52 汚泥送給ライン 54 予熱器 56 汚泥膨化反応器 58 フラッシュ蒸発器 60 配管

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニルその他の含塩素系樹脂を多量
    に含む固形廃棄物を前処理手段にて廃棄物スラリーにし
    て混合槽に供給するとともに、有機性汚泥を加圧、加熱
    した後、瞬時に脱圧して汚泥を膨化処理することにより
    膨化汚泥スラリーを生成し前記混合槽に供給して混合廃
    棄物スラリーとし、当該スラリーを反応器にて水熱反応
    させて反応スラリーを得た後、フラッシュに引続き脱水
    してケーキ状の脱塩素化された原燃料と濾液を得るよう
    にした廃棄物の処理方法であって、前記混合廃棄物スラ
    リーにアルカリ性物質を加えるとともに、前記濾液を電
    解酸化処理するようにしたことを特徴とする廃棄物の処
    理方法。
  2. 【請求項2】 前記脱塩素後の該ケーキ状の燃料を燃焼
    炉で燃焼し、該燃焼時の燃焼熱で熱媒体を加熱し、該熱
    媒体を反応器に至る経路に配設された熱交換器に通して
    混合廃棄物スラリーを加熱するようにしたことを特徴と
    する請求項1記載の廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記フラッシュ時に発生したスチームを
    反応器に至る経路に配設された熱交換器に通して混合廃
    棄物スラリーを加熱し、熱交換後に熱交換器から排出さ
    れる凝縮液を反応スラリーの脱水手段の洗浄水として系
    内で循環使用するようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記凝縮液を反応スラリーの脱水手段の
    洗浄水として系内で循環使用するとともに、該凝縮液が
    不足する場合に外部から補給水を供給するようにしたこ
    とを特徴とする請求項3記載の廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記濾液中のCOD物質およびBOD物
    質を電解酸化処理し、削減されたCOD物質およびBO
    D物質を含む排水と水素ガスとに分離処理するようにし
    たことを特徴とする請求項1記載の廃棄物の処理方法。
  6. 【請求項6】 塩化ビニルその他の含塩素系樹脂を多量
    に含む固形廃棄物を前処理手段にて廃棄物スラリーにし
    て混合槽に供給するとともに、有機性汚泥を加圧、加熱
    した後、脱圧して汚泥を膨化処理することにより膨化汚
    泥スラリーを生成し前記混合槽に供給して混合廃棄物ス
    ラリーとし、当該スラリーを反応器にて水熱反応させて
    反応スラリーを得た後、フラッシュに引続き脱水してケ
    ーキ状の脱塩素化された原燃料と濾液を得るようにした
    廃棄物の処理装置であって、前記濾液中のCOD物質お
    よびBOD物質を電解酸化処理可能な電解酸化手段を設
    けたことを特徴とする廃棄物の処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011012756A1 (de) * 2011-03-01 2012-09-06 Terranova Energy Gmbh Verfahren zur Reinigung von Abwasser aus der Hydrothermalen Karbonisierung von Biomasse
CN108558102A (zh) * 2018-02-12 2018-09-21 东华大学 一种碳化结晶处理高盐高有机废水的方法
CN111423260A (zh) * 2020-03-23 2020-07-17 刘文治 一种有机固体废物处理制肥料的成套设备

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