JPH11261117A - 熱電変換モジュール及びそれを用いた排熱発電装置 - Google Patents

熱電変換モジュール及びそれを用いた排熱発電装置

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JPH11261117A
JPH11261117A JP10078507A JP7850798A JPH11261117A JP H11261117 A JPH11261117 A JP H11261117A JP 10078507 A JP10078507 A JP 10078507A JP 7850798 A JP7850798 A JP 7850798A JP H11261117 A JPH11261117 A JP H11261117A
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heat
face
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JP10078507A
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Kazuhiko Shinohara
和彦 篠原
Masakazu Kobayashi
正和 小林
Keiko Kushibiki
圭子 櫛引
Kenji Furuya
健司 古谷
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱源からの熱電変換効率が良好である熱電変
換モジュール及びその熱電変換モジュールを使用した排
熱発電装置において、発電出力を大きくすることがで
き、かつコンパクトである排熱発電装置を提供するこ
と。 【解決手段】 熱電変換モジュール9は、Ri+Ro<
Rm<2(Ri+Ro)又はRi+Ro<h/(κ×
S)<2(Ri+Ro)という関係を満足するものであ
り、排熱発電装置は、高温熱媒体が流れるインナーシェ
ル14と、インナーシェル14の外面と離間した状態で
インナーシェル14を包囲し、且つ冷却水10と接触し
ているアウターシェル13との間に、熱電変換モジュー
ル9をインナーシェル14の外面とアウターシェル13
の内面とに密着して配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来捨てられてい
た内燃機関の排気通路を流通する排気ガス及び焼却炉等
から排出される排気ガスの熱エネルギーから電気エネル
ギーを回収する熱電変換モジュール及びそれを用いた排
熱発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高温の排気ガスを放出する自動
車、工場などでは、エンジン、炉などから排出される排
気ガスの排熱から熱エネルギーを回収して電力に変換す
るため、例えば、後述する特開昭61−254082号
公報、特開昭63−262075号公報、特開平7−3
07493号公報に開示された排熱発電装置が用いられ
ている。
【0003】ここで、特開昭63−262075号公報
に開示された排熱発電装置では、図10に示すように、
自動車のエンジンから排出される排気ガスが流れる排気
管1に、箱形状の吸熱筒2が介装され、吸熱筒2の平面
に、熱電変換モジュール3が対向して配置され、熱電変
換モジュール3の低温端面には、水冷ジャケット4が対
向して配置されている。また熱電変換モジュール3の高
温端面と吸熱筒2の平面及び熱電変換モジュール3の低
温端面と水冷ジャケット4の冷却面は、ねじ又は接着に
より接合されている。この排熱発電装置では、排気管1
から流入した排気ガスの高温排熱が、吸熱筒2の平面を
介して排熱変換モジュール3の高温端面に伝達されると
同時に、熱電変換モジュール3の低温端面が、水冷ジャ
ケット4内を還流する冷却水により冷却されるため、熱
電変換モジュール3の高温端面と低温端面との間に温度
勾配が生じ、ゼーベック効果によって熱起電力が発生し
て発電され、排気ガスの排熱から熱エネルギーを回収し
て電力に変換することができる。
【0004】一方、特開昭61−254082号公報に
開示された排熱発電装置では、図11に示すように、自
動車のエンジンから排出される排気ガスが流れる排気管
5に、円形の断面形状の内筒6が介装され、内筒6の外
周面と外筒7の内周面との間には、複数の熱電変換素子
8が円環状に配置され、熱電変換素子8の高温端面は、
内筒6側に対向し、熱電変換素子8の低温端面は、外筒
7側に対向している。この排熱発電装置では、排気管5
から流入された排気ガスの高温排熱が、内筒を介して熱
電変換素子8の高温端面に伝達され、熱電変換素子8の
低温端面の熱が、外筒7を介して外側に放熱されるた
め、熱電変換素子8の低温端面と高温側端面の間に温度
勾配が生じ、ゼーベック効果によって熱起電力が発生し
て発電され、排気ガスの排熱から熱エネルギーを回収し
て電力に変換して、エネルギーを有効に利用することが
できる。
【0005】また、特開平7−307493号公報に
は、横断面円形状の内筒と外殻の間に、工夫した熱電変
換モジュールを巻装した熱電変換装置が開示されてお
り、この熱電変換装置では、熱電変換素子の特殊形状に
より、内筒と外筒の温度差による熱変形に強く、内筒と
熱電変換素子又は熱電変換素子と外筒の熱接触が良好で
ある。
【0006】さらに、特開平6−38560号公報に
は、発電変換モジュールを排気ガスの流れ方向に対して
直列に配置し、下流に向かってモジュールの高さを低く
するか又はモジュールの面積を大きくすることにより、
発電能力が向上することが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭61−
254082号公報、特開昭63−262075号公報
及び特開平7−307493号公報に開示された排熱発
電装置は、発電変換モジュールに流入し、そこから流出
する熱を大きくすること、即ち発電変換モジュールの高
温端面までの熱抵抗を減少させるか又は発電変換モジュ
ールの低温端面から外部への熱抵抗を低減させることに
より、発電変換モジュールの高温端面と低温端面の温度
差を高めているが、発電変換モジュール自体の熱抵抗は
一切配慮されていないため、実用的な大きさや形状の排
熱発電においては、発電変換モジュールの性能を充分引
き出す発電装置を得ることは困難であるという課題があ
った。また、特開平6−38560号公報記載のものに
ついても、下流に向かって順次発電変換モジュールの高
さを低くしたり面積を大きくすることが必ずしも発電能
力の向上には結びつかず、同公報中に開示された発電能
力の式、即ち発電能力=(発電素子の熱電変換部材の断
面積)×(熱電変換部材のうちの熱伝導のしやすさ)×
(集熱面と放熱面の温度差)は、実際の排熱発電におい
ては成り立たないという課題があった。
【0008】本発明は、このような技術の有する課題に
鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、
熱源からの熱電変換効率が良好である熱電変換モジュー
ル及びその熱電変換モジュールを使用した排熱発電装置
において、発電出力を大きくすることができ、かつコン
パクトである排熱発電装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、最大出力時における熱
抵抗や高温熱媒体又は冷却媒体との間の熱抵抗を適切に
制御することなどにより、排熱発電装置の発電能力が向
上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の熱電変換モジュールは、高
温熱媒体が流れる内管と、この内管の外面と離間した状
態で該内管を包囲し、且つ冷却媒体と接触している外管
との間に、上記内管の外面と上記外管の内面とに密着し
て配置される排熱発電装置用の熱電変換モジュールにお
いて、 次式 Ri+Ro<Rm<2(Ri+Ro)・・・ (式中のRmは、上記熱電変換モジュールの最大出力時
の熱抵抗、Riは、上記高温熱媒体と上記熱電変換モジ
ュールの高温端面との間の熱抵抗、Roは、上記熱電変
換モジュールの低温端面と上記冷却媒体との間の熱抵抗
を示す。)で表される関係を満足することを特徴とす
る。
【0011】本発明の熱電変換モジュールの好適形態
は、上記内管及び外管の双方が平坦部を有し、上記熱電
変換モジュールが、この平坦部同士の間隔に配置可能な
板状をなし、この板状熱電変換モジュールが、上記式
の代わりに、次式 Ri+Ro<h/(κ×S)<2(Ri+Ro)・・・ (式中のRi及びRoは、上記式と同じもの、hは、
上記板状熱電変換モジュールの厚さ、κは、上記板状熱
電変換モジュールの熱伝導率、Sは、上記板状熱電変換
モジュールの高温端面又は低温端面の面積を示す。)で
表される関係を満足することを特徴とする。
【0012】本発明の排熱発電装置は、高温熱媒体が流
れる内管と、この内管の外面と離間した状態で該内管を
包囲し且つ冷却媒体と接触している外管との間に、上記
熱電変換モジュールを、上記内管の外面と上記外管の内
面とに密着して配置したことを特徴とする。
【0013】ここで、本発明の排熱発電装置の好適形態
は、上記内管の外面と上記熱電変換モジュールの高温端
面との間に、ボロンナイトライド、アルミナ、ベリリ
ア、窒化ケイ素及び窒化アルミから成る群より選ばれた
少なくとも1種のものを含む絶縁性セラミックの粉末又
はその厚膜から成る熱伝導促進部材を配置したことを特
徴とし、上記外管の内面と上記熱電変換モジュールの低
温端面との間に、ボロンナイトライド、アルミナ、ベリ
リア、窒化ケイ素及び窒化アルミから成る群より選ばれ
た少なくとも1種のものを含む絶縁性セラミックの粉末
又はこれらが分散されたグリース、ゴム若しくは厚膜か
ら成る熱伝導促進部材を配置したことを特徴とする。
【0014】また、本発明の排熱発電装置の好適形態
は、上記内管の外面と上記外管の内面で形成される空間
のうち、上記熱電変換モジュールの存在しない部分に断
熱体を配置したことを特徴とする。
【0015】さらに、本発明の排熱発電装置の好適形態
は、上記熱電変換モジュールを上記高温熱媒体の流れ方
向に沿って複数個配置して成り、各熱電変換モジュール
が、当該配置位置における該高温熱媒体の温度に対応し
て、上記式又は式を満足することを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明の熱電変換モジュールでは、燃焼ガスや
高温水蒸気等の高温熱媒体で発生した熱によって熱電変
換モジュールの一方の端面が加熱され、大気又は冷却水
等の冷却媒体によって熱電変換モジュールの他方の端面
が冷却されると、熱電変換モジュールの両端面の間に温
度差が生じ、その温度差に応じて起電力が発生する。
【0017】ここで、熱電変換モジュールが、Ri+R
o<Rm<2(Ri+Ro)という関係を有するRmを
持つこと、又は代表的にこのモジュールが板状をなし、
Ri+Ro<h/(κ×S)<2(Ri+Ro)という
関係を有する厚さhと面積Sの比率を有すれば、かかる
熱電変換モジュールの最大出力の90%以上の出力が得
られる。
【0018】なお、Ri及びRoは、一般的に次式 Ri=(Tg−Th)/Qthrough h・・・ (式中のTgは、高温熱媒体の温度、Thは、熱電変換
モジュールの高温側端面の温度、Qthrough hは、高温熱
媒体の通過熱量を示す。)及び Ro=(Tl−To)/Qthrough o・・・ (式中のTlは、熱電変換モジュールの低温側端面の温
度、Toは、冷却媒体の温度、Qthrough Oは、冷却媒体
の通過熱量を示す。)で表される。
【0019】内管の外面と熱電変換モジュールの高温端
面との間に熱伝導促進部材としてボロンナイトライド、
アルミナ、ベリリア、窒化ケイ素、窒化アルミ等を含む
絶縁性セラミックスの粉末又はその厚膜を配置すること
は好ましく、これにより、Riが低減されるため、排熱
発電装置の最大出力の式、 Pmax=(Tg−To)2 ×η0×Rm/(Ri+Rm+Ro)2 ・・・ (式中のTg、To、Rm、Ri及びRoは、上記〜
式と同じもの、η0は、熱電変換モジュールの効率を
示す。)における分母が小さくなり、排熱発電装置の最
大出力が高められる。また、外管の内面と熱電変換モジ
ュールの低温端面との間に、ボロンナイトライド、アル
ミナ、ベリリア、窒化ケイ素、窒化アルミ等を含む絶縁
性セラミックスの粉末又はそれらが分散されたグリー
ス、ゴム若しくは厚膜から成る熱伝導促進部材を配置す
ることも可能であり、これにより、Roが低減されるた
め、排熱発熱装置の最大出力の式における分母が小さく
なり、排熱発電装置の最大出力が高められる。
【0020】さらに、内管の外面と外管の内面で形成さ
れる空間のうち、熱電変換モジュールが存在しない部分
に断熱体を配置することは好ましく、これにより熱電変
換モジュールが存在しない空間における空気層の対流や
輻射による熱伝達を低減でき、熱電変換モジュールの高
温端面がより高温となり、かつ熱電変換モジュールの低
温端面がより低温となるため、熱電変換モジュールの両
端面の温度勾配が大きくなり、排熱発電装置からより高
い出力が得られる。
【0021】本発明の排熱発電装置では、内管の長さが
長くなるか又は高温熱媒体と熱電変換モジュールの高温
端面の熱交換性能が向上すると、高温熱媒体の温度Tg
が下流に行くにつれて低下し、これに伴いRiも変化す
る。そのため、内管の外側に、かかる高温熱媒体の温度
変化に対し、上記又は式に示す関係を満足する複数
個の熱電変換モジュールを順次配置することは好まし
く、これにより、高温熱媒体の流れ方向に対し、Riが
一様でなくなった場合であっても、排熱発電装置の出力
の低下が軽減される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の排熱発熱装置につ
いて図面に基づき詳細に説明するが、本発明はこれに限
定されるものではない。
【0023】本発明の熱電変換モジュールは、例えば、
一対又は複数対のp,n熱電半導体に直列又は並列に電
極を接合し、両端面を電気的に絶縁処理(例えば、アル
ミナや窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の板材を張り付
けたものや厚膜を形成したもの)し、外部に発電電力を
取り出すためのリード電極を設けた構造になっている。
熱電変換モジュールのRmは、一般に、熱電変換モジュ
ールの高さhと高温熱媒体の流れ方向に垂直な面の面積
Sの比率を変更することにより変えることができるが、
熱電変換モジュールの見かけ上の熱伝導度の変動によっ
ても変化する。熱電変換モジュールの見かけ上の熱伝導
度は、熱電変換素子が持つ熱伝導度と、その熱電変換素
子以外の熱が流れる部分の熱伝導度の合成となる。ここ
で、全く発電しない状態で、高温熱媒体が流れている場
合には、熱電変換素子の熱伝導度は極めて小さく、約3
W/m/K程度で、熱電変換モジュールの見かけ上の熱
伝導度は、約1.5W/m/K程度となるが、熱電変換
モジュールから電力を取り出すと、熱電変換モジュール
内に電流が流れ、この電流によりペルチェ効果が起こ
り、熱電変換モジュールの見かけ上の熱伝導度が高くな
り、熱電変換モジュールのRmは低くなる。
【0024】図1は、本発明の排熱発熱装置の一実施形
態の概略構成を示す図である。この排熱発熱装置は、高
温熱媒体の一例である排気ガス12が内部を流れる内管
の一例であるインナーシェル14と、インナーシェル1
4の外側の平坦面に配置された複数の熱電変換モジュー
ル9と、インナーシェル14が内挿され、熱電変換モジ
ュール9をインナーシェル14に密着固定させる外管の
一例であるアウターシェル13を備える(図2及び図3
参照)。
【0025】なお、図2は、本発明の排熱発電装置の一
実施形態における高温熱媒体の流れ方向に垂直な面(x
−z面)の断面形状の概略を示す図、図3は、本発明の
排気熱発電装置の一実施形態における高温熱媒体の流れ
方向に平行な面(y−z面)の断面形状の概略を示す
図、図4は、図3に示した○の部分の拡大概略図であ
る。
【0026】インナーシェル14は、端面形状が平坦部
を有する円筒状、即ちトラック形又は小判形の筒状にな
っており、その両端には、熱伝達促進用のフィンが設置
されている。インナーシェル14の内側を流れる高温熱
媒体としては、エンジン、炉などから放出される高温の
排気ガスや高温水蒸気などがある。
【0027】アウターシェル13は、インナーシェル1
4を包囲し、熱電変換モジュール9をインナーシェル1
4に密着させるものであり、上部と下部が分離形成され
ており、これらを機械的にカシメて円筒状になるもので
ある。また、アウターシェル13の壁内には、冷却媒体
の一例である冷却水の水路10が設けられている。な
お、この排熱発電装置は、インナーシェル14と熱電変
換モジュール9を図示したように配置し、アウターシェ
ル13で上下からカシメることにより得られる。
【0028】本発明の排熱発電装置において実用的な出
力を得るためには、上述した熱電変換モジュールの見か
け上の熱伝導度を排熱発電装置のRi+Roから決まる
最適な領域に入れる必要がある。
【0029】図5は、本発明の排熱発熱装置の他の実施
形態の断面構造の概略を示す図であり、この装置では、
インナーシェル14の外面と熱電変換モジュール9の高
温端面の間に、ボロンナイトライド、アルミナ、ベリリ
ア、窒化ケイ素、窒化アルミ等を含む絶縁性セラミック
スの粉末又はその厚膜から成る熱伝導促進部材が配置さ
れている。インナーシェル14の外面と熱電変換モジュ
ール9の高温端面の間に、上記熱伝導促進部材を配置す
ることが好ましい理由は、インナーシェル14の外面と
熱電変換モジュール9の間に上記熱伝導促進部材を配置
すると、Riが0.06以下になり、Ri+Roを小さ
くすることができるが、単に機械的にカシメて熱電変換
モジュールをインナーシェルに密着させた状態では、熱
抵抗Riはその接触部分だけで0.1K/W程度と大き
くなってしまうことがあるからである。
【0030】図6は、本発明の排熱発熱装置の更に他の
実施形態の断面構造の概略を示す図であり、この装置で
は、アウターシェル13の内面と熱電変換モジュール9
の低温端面の間に、ボロンナイトライド、アルミナ、ベ
リリア、窒化ケイ素、窒化アルミ等を含む絶縁性セラミ
ックスの粉末又はこれらが分散されたグリース、ゴム若
しくは厚膜から成る熱伝導促進部材が配置されている。
アウターシェル13の内面と熱電変換モジュール9の低
温端面の間に、上記熱伝導促進部材を配置することが好
ましい理由は、アウターシェル13の外面と熱電変換モ
ジュール9の間に上記熱伝導促進部材を配置すると、R
oが0.03以下になり、Ri+Roを小さくすること
ができるが、単に機械的にカシメた状態では、熱抵抗R
oは、その接触部分だけで0.1K/W程度と大きくな
ってしまうことがあるからである。
【0031】図7は、本発明の排熱発熱装置の他の実施
形態の断面構造の概略を示す図である。この装置では、
インナーシェル14の外面とアウターシェル13の内面
で形成される空間のうち、熱電変換モジュール9の存在
しない部分に断熱体15が配置されている。このように
断熱体15を配置することが好ましいのは、インナーシ
ェル14の外面とアウターシェル13の内面で形成され
る空間のうち、熱電変換モジュール9の存在しない空間
の輻射や対流により、熱電変換モジュールの両端面の温
度勾配が小さくなり、排熱発電装置の発電出力が低下す
ることがあるからである。ここで、使用することができ
る断熱体としては、例えば、SiO2、Al23、Mg
O又はCaO及びこれらの任意の混合物を主成分として
含有する電気的絶縁体原料から成る線状又は板状の断熱
体が挙げられる。
【0032】なお、図3に示すように、上述した排熱発
電装置では、熱電変換モジュール9は、インナーシェル
14とアウターシェル13とに挾持された状態で配置さ
れているが、この熱電変換モジュール9は、排気ガス1
2の流れに対しては、その上流から下流に亘って複数個
配置されている。かかる構成において、インナーシェル
14及びアウターシェル13が長くなったり、熱電変換
モジュール9と排気ガス12との熱交換性能が増大する
と、排気ガス12の温度Tgは、下流になるほど低下す
ることになり、Riもこれに応じて変化してしまう。こ
のような現象に対し、上記実施形態の装置では、各熱電
変換モジュール9がその配置位置における排気ガス12
の温度に応じて、上記又は式に示す関係を満足する
ように制御されており、従って、このような排熱発電装
置の長さ方向全域に亘って最大の発電出力を得ることが
可能である。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例及び試験例に
より詳細に説明する。
【0034】図1〜図3に示す排熱発電装置を作成し
た。
【0035】熱電変換モジュール9としては、以下の特
性及び物性を有するものを72個使用した。 (1)熱電変換モジュール9は、高さ5mm、面積4c
2(2cm×2cm)である。 (2)熱電変換モジュール9は、図8に示すような最大
出力の温度依存性を示す。 (3)熱電変換モジュール9は、短絡時には、4〜8A
程度の電流が流れ、熱電変換モジュールの見かけの熱伝
導度は2W/m/K程度まで増加する。 (4)熱電変換モジュール9の熱抵抗は、出力を取りだ
さない場合は、8K/W、発電中は6K/W程度で、熱
電変換モジュール9を72個集積すると、出力を取りだ
さない場合は、0.12K/W、発電中は0.08K/
W程度である。
【0036】インナーシェル内を流れる排気ガスの温度
Tgは、600℃、アウターシェルの壁内を流れる冷却
水の温度Toは、50℃とした。熱電変換モジュールの
高温端面の温度Thは、高温端面の絶縁基板に埋め込ん
だ熱電対、熱電変換モジュールの低温端面の温度Tl
は、低温端面の絶縁基板に埋め込んだ熱電対により求め
た。
【0037】Ri=(Tg−Th)/Qthrough h、Ro
=(Tl−To)/Qthrough oの式から、Ri+Roの
値を計算した。
【0038】熱電変換モジュールの最大出力時の熱抵抗
Rmは、冷却水に流出する全熱量が、熱電変換モジュー
ルを全て通過してくると仮定し、熱電変換モジュールの
高温端面の温度と低温端面の温度の差を冷却水に流出す
る全熱量で割って算出した。この時、断熱材を通過する
熱量は、モジュール部を通過する熱量に比べ、一桁程度
低い。また、モジュールの高さは、その熱抵抗と比例関
係にあることから、適宜高さの異なるモジュールを用
い、Rmを変化させた。
【0039】それぞれのRi+Roの値に対する排熱発
電装置の最大出力と熱電変換モジュールの最大出力時の
熱抵抗Rmの関係を図9に示す。
【0040】図9から、排熱発電装置の最大出力は、発
電変換モジュールの最大出力時の熱抵抗Rmの増加に伴
い増加し、Rm=Ri+Roのとき、その値は最大とな
り、RmをRi+Roより増加しても、最大出力は減少
することが明かとなった。また、同図から、Ri+Ro
を小さくすると、Rm=Ri+Roのときの排熱発電装
置の最大出力は高くなった。Ri+Ro=0.09の場
合、発電変換モジュールの最大出力時の熱抵抗が0.0
9K/W以上であれば、実用上極めて高い出力(375
W以上)が得られ、最大出力時のRmが2(Ri+R
o)を超えない領域であれば、排熱発電装置の出力は3
25W程度と、最大出力の90%以上を確保することが
できた。よって、このような条件を満たすように、熱電
変換モジュールの高さhと面積Sの比率を設定すること
により、高出力の排熱発電装置が得られることがわかっ
た。
【0041】
【発明の効果】以上に説明してきたように、本発明によ
れば、最大出力時における熱抵抗や熱電変換モジュール
と高温熱媒体又は冷却媒体との間の熱抵抗を適切に制御
することとしたため、発電変換モジュールの最大出力の
90%以上の出力が得られる発電変換モジュール及び排
熱発電装置を提供することができる。
【0042】内管の外面と熱電変換モジュールとの間及
び/又は外管の内面と熱電変換モジュールとの間に特定
の熱伝導促進部材を配置すれば、最大出力をさらに高め
ることが可能となる。
【0043】内管の外面と外管の内面で形成される空間
のうち、熱電変換モジュールが存在しない部分に断熱体
を配置すれば、熱電変換モジュールの両端面の温度勾配
が大きくなり、より高い発電出力を得ることが可能とな
る。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排熱発電装置の一実施形態の概略構成
を示す斜視図である。
【図2】図1に示した装置のx−z面における断面図で
ある。
【図3】図1に示した装置のy−z面における断面図で
ある。
【図4】図3に示した装置の部分拡大断面図である。
【図5】本発明の排熱発電装置の他の実施形態を示す断
面図である。
【図6】本発明の排熱発電装置の更に他の実施形態を示
す断面図である。
【図7】本発明の排熱発電装置の他の実施形態を示す断
面図である。
【図8】実施例に用いた熱電変換モジュールの両端面の
温度勾配ΔTと最大出力Pmaxの関係を表すグラフであ
る。
【図9】熱電変換モジュールの最大出力時の熱抵抗Rm
と排熱発電装置の最大出力の関係を表すグラフである。
【図10】従来の排熱発電装置の一例を示す斜視図であ
る。
【図11】従来の排熱発電装置の他の例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 排気管 2 吸熱筒 3 熱電変換モジュール 4 水冷ジャケット 5 排気管 6 内筒 7 外筒 8 熱電変換素子 9 熱電変換モジュール 10 冷却水の水路 11 アウターシェル固定用リブ 12 排気ガス 13 アウターシェル 14 インナーシェル 15 断熱体 h 熱電変換モジュールの厚さ Qthrough h 高温熱媒体の通過熱量 through o 冷却媒体の通過熱量 Ri 高温熱媒体と熱電変換モジュールの高温端面と
の間の熱抵抗 Rm 熱電変換モジュールの最大出力時の熱抵抗 Ro 熱電変換モジュールの低温端面と冷却媒体との
間の熱抵抗 S 熱電変換モジュールの高温端面又は低温端面の
面積 Tg 高温熱媒体の温度 Th 熱電変換モジュールの高温端面の温度 Tl 熱電変換モジュールの低温端面の温度 To 冷却媒体の温度 κ 熱電変換モジュールの熱伝導度 η0 熱電変換モジュールの効率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古谷 健司 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温熱媒体が流れる内管と、この内管の
    外面と離間した状態で該内管を包囲し、且つ冷却媒体と
    接触している外管との間に、上記内管の外面と上記外管
    の内面とに密着して配置される排熱発電装置用の熱電変
    換モジュールにおいて、 次式 Ri+Ro<Rm<2(Ri+Ro)・・・ (式中のRmは、上記熱電変換モジュールの最大出力時
    の熱抵抗、Riは、上記高温熱媒体と上記熱電変換モジ
    ュールの高温端面との間の熱抵抗、Roは、上記熱電変
    換モジュールの低温端面と上記冷却媒体との間の熱抵抗
    を示す。)で表される関係を満足することを特徴とする
    熱電変換モジュール。
  2. 【請求項2】 上記内管及び外管の双方が平坦部を有
    し、上記熱電変換モジュールが、この平坦部同士の間隔
    に配置可能な板状をなし、この板状熱電変換モジュール
    が、上記式の代わりに、次式 Ri+Ro<h/(κ×S)<2(Ri+Ro)・・・ (式中のRi及びRoは、上記式と同じもの、hは、
    上記板状熱電変換モジュールの厚さ、κは、上記板状熱
    電変換モジュールの熱伝導率、Sは、上記板状熱電変換
    モジュールの高温端面又は低温端面の面積を示す。)で
    表される関係を満足することを特徴とする請求項1記載
    の熱電変換モジュール。
  3. 【請求項3】 高温熱媒体が流れる内管と、この内管の
    外面と離間した状態で該内管を包囲し且つ冷却媒体と接
    触している外管との間に、請求項1又は2記載の熱電変
    換モジュールを、上記内管の外面と上記外管の内面とに
    密着して配置したことを特徴とする排熱発電装置。
  4. 【請求項4】 上記内管の外面と上記熱電変換モジュー
    ルの高温端面との間に、ボロンナイトライド、アルミ
    ナ、ベリリア、窒化ケイ素及び窒化アルミから成る群よ
    り選ばれた少なくとも1種のものを含む絶縁性セラミッ
    クの粉末又はその厚膜から成る熱伝導促進部材を配置し
    たことを特徴とする請求項3に記載の排熱発電装置。
  5. 【請求項5】 上記外管の内面と上記熱電変換モジュー
    ルの低温端面との間に、ボロンナイトライド、アルミ
    ナ、ベリリア、窒化ケイ素及び窒化アルミから成る群よ
    り選ばれた少なくとも1種のものを含む絶縁性セラミッ
    クの粉末又はこれらが分散されたグリース、ゴム若しく
    は厚膜から成る熱伝導促進部材を配置したことを特徴と
    する請求項3又は4に記載の排熱発電装置。
  6. 【請求項6】 上記内管の外面と上記外管の内面で形成
    される空間のうち、上記熱電変換モジュールの存在しな
    い部分に断熱体を配置したことを特徴とする請求項3〜
    5のいずれか1つの項に記載の排熱発電装置。
  7. 【請求項7】 上記熱電変換モジュールを上記高温熱媒
    体の流れ方向に沿って複数個配置して成り、各熱電変換
    モジュールが、当該配置位置における該高温熱媒体の温
    度に対応して、上記式又は式を満足することを特徴
    とする請求項3〜6のいずれか1つの項に記載の排熱発
    電装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009013960A1 (ja) * 2007-07-20 2009-01-29 Aruze Corp. 熱電変換モジュール
KR101144960B1 (ko) 2010-06-30 2012-05-11 한국전력공사 가스 냉각 장치
JP2016012613A (ja) * 2014-06-27 2016-01-21 日立化成株式会社 熱電変換装置
JPWO2014155591A1 (ja) * 2013-03-27 2017-02-16 株式会社日立製作所 高効率熱電変換ユニット

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