JPH11260276A - 金属イオン発生装置、金属イオン注入装置及び金属イオン発生方法 - Google Patents

金属イオン発生装置、金属イオン注入装置及び金属イオン発生方法

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JPH11260276A
JPH11260276A JP6235698A JP6235698A JPH11260276A JP H11260276 A JPH11260276 A JP H11260276A JP 6235698 A JP6235698 A JP 6235698A JP 6235698 A JP6235698 A JP 6235698A JP H11260276 A JPH11260276 A JP H11260276A
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建 行村
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KURITA SEISAKUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属イオンで被イオン注入体の表面を強固に
コーティングすると共に、金属イオンを被イオン注入体
の表層まで確実に注入することのできる金属イオン注入
装置を提供する。 【解決手段】 反応室1と、反応室1内に配置された被
イオン注入体2及び金属イオン源3と、被イオン注入体
2に負の高圧パルスを印加するパルス電圧発生源4と、
金属イオン源3にパルス状のアーク電流を流すアーク電
源5とを備える。アーク電源5からのパルス状のアーク
電流が金属イオン源3に流れた後に、パルス電圧発生源
4からの負のパルス電圧が被イオン注入体2に印加され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属イオンを発生
させる金属イオン発生装置及び金属イオン発生方法、並
びに金属やセラミック等からなるワーク(被イオン注入
体)の表面を金属イオンでコーティングすると共に、そ
の表層に金属イオンを注入する金属イオン注入装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、金属やセラミック等からなるワ
ーク(被イオン注入体)の表層に金属イオンを注入する
と、長寿命化、耐摩耗性の向上、硬度の増加、濡れ性の
改善、表面改質等の新たな機能を持たせることができ
る。従来の金属イオン注入装置では、反応室内にワーク
と金属イオン源を配置し、反応室内を真空状態や低ガス
圧状態とした上で、金属イオン源に連続的にアーク電流
を流すことでプラズマを連続発生させて、金属イオン源
から金属イオンを連続的に放出させながら、ワークに高
圧のパルス電圧を印加して、金属イオンを電気的に誘引
し、ワークの表面に引き付けることにより、ワークの表
面を金属イオンでコーティングしたり、コーティング膜
の付着強度を増大したり、或いはワークの表層に金属イ
オンを注入している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
金属イオン注入装置では、金属イオン源にアーク電流を
連続に流し続けてプラズマを維持しながら、ワークに高
圧のパルス電圧を印加しているので、金属イオンがワー
クの表層に注入され難い。これは、金属のプラズマを維
持したままであると、金属イオンがワーク表面に付着・
堆積してコーティング膜となり、ここでパルス電圧の印
加によりワークが金属イオンを誘引しても、金属イオン
がワーク表面のコーティング膜内に次々に注入されるに
留まり、ワークの表層まで金属イオンが進入し難いから
である。しかも、コーティング膜はワーク表面との結合
力が弱いため剥がれ易い上に、金属イオンが必要以上に
放出されるので、金属イオン源が無駄になる。
【0004】又、従来の金属イオン注入装置では、電気
式又は機械式のアークスタート(トリガ)が必要である
ため、部品点数が多く、コストが掛かる上に、アーク電
流は精精数十A〜数百Aであるため、発生可能な金属イ
オンはクロムやチタン等に限られている。更には、単純
な形状のワークにはコーティング膜を施すことができる
が、特に複雑な三次元形状のワークに対しては、ワーク
の形状に対応するアークを形成できないので、コーティ
ング膜を形成できない部分があるだけでなく、金属イオ
ンを注入できない場合もある。
【0005】従って、本発明は、そのような問題点に着
目してなされたもので、 金属イオンをワークの表層に確実に注入する。 コーティング膜を剥がれ難くする。 金属イオン源を効率良く使用する。 部品点数の削減等により低コストとする。 金属イオンを発生させることのできる使用可能な金属
材料を増やす。 複雑な三次元形状のワークのどのような部分の表面に
もコーティング膜を形成すると共に、その表層に金属イ
オンを注入する。 のような主な課題〜を解決する金属イオン発生装
置、金属イオン注入装置及び金属イオン発生方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の金属イオン発生装置は、金
属イオン源と、この金属イオン源にパルス状のアーク電
流を流すアーク電源とを備えることを特徴とする。この
発生装置では、金属イオン源にアーク電流を連続して流
す従来の装置とは異なり、金属イオン源にパルス状のア
ーク電流を流すので、上記課題〜を一挙に解決する
ことができる。つまり、詳細は後述するが、パルス状の
アーク電流を流すことで、金属イオン源の表面を流れる
表皮効果を利用して、金属イオン源の表面のアーク点弧
を実現できる。アーク放電が行われれば、アークによる
加熱により金属イオン源の表面が溶融し、金属イオン源
から金属イオンが飛び出す。しかも、パルス状のアーク
電流を流す時間を調整することで、必要な量の金属イオ
ンだけを発生させることが可能である。
【0007】又、パルス状のアーク電流を使用すること
から、アーク電流は、従来の連続アーク方式の数十A〜
数百Aに比べて最大数千Aと非常に高くすることが可能
なので、従来と同様にクロム、チタン等は勿論のこと、
従来は金属イオン化が難しかった材料(例えば鉄、銅、
ニッケル、タングステン、モリブデン)の金属イオンを
も発生させることが可能となる。
【0008】更に、表皮効果の利用による表面のアーク
点弧が可能なので、即ち長柱状のアークを発生させるこ
とが可能となるので、被イオン注入体(ワーク)の形状
に応じて様々な形態の金属イオン源を使用することで、
複雑な三次元形状のワークのどのような部分の表面にも
コーティング膜を形成することができると共に、その表
層に金属イオンを注入することができる。
【0009】具体的に、金属イオン源の形態としては、
導電性のワイヤであり、ワイヤの一端及び他端からアー
ク電流が流されるもの(請求項3)、導電性の立体物で
あり、立体物の一端及び他端からアーク電流が流される
もの(請求項4)、或いは一端から他端に開口する貫通
孔を有する導電性の立体物であり、貫通孔に円筒状の絶
縁体が挿通され、この絶縁体に電線が挿入されて立体物
の一端に接続され、立体物の他端及び電線を通じてアー
ク電流が流されるもの(請求項5)が例示される。
【0010】一方、本発明の請求項6記載の金属イオン
注入装置は、反応室と、この反応室内に配置された金属
イオン源及び被イオン注入体と、金属イオン源にパルス
状のアーク電流を流すアーク電源と、被イオン注入体に
負のパルス電圧を印加するパルス電圧発生源とを備える
ことを特徴とする。この注入装置では、上記金属イオン
発生装置を備えるため、前記したように従来のように金
属イオン源にアーク電流を連続的に流してプラズマを維
持するのではなく、パルス状のアーク電流を流す。こう
することで、アーク電流を流したときだけ金属イオン源
のプラズマが励起され、金属イオンが放出される。この
後に、ワークに負のパルス電圧を印加すると(請求項
7)、金属イオンはワークに誘引され、高速でワークの
表面に付着すると共に、ワークの表層に進入する。この
ようなことを高速で繰り返すことにより、ワークの表面
に剥離し難い均一なコーティング膜が形成されると共
に、ワークの表層に金属イオンが確実に注入される。
【0011】又、金属イオン源にパルス状のアーク電流
を流すタイミングと、ワークに負のパルス電圧を印加す
るタイミングを調整することで、単にコーティングと金
属イオン注入を行うだけでなく、双方を所望に制御する
ことができる。例えば、コーティングを主に行う場合
は、アークの発生時間を長くすればよいし、金属イオン
注入を主に行う場合は、アークの発生時間を短くすれば
よい。
【0012】他方、本発明の請求項9記載の金属イオン
発生方法は、金属イオン源にパルス状のアーク電流を流
し、金属イオン源の表面を流れる表皮効果を利用するこ
とにより金属イオン源から金属イオンを発生させること
を特徴とする。この発生方法は、上記発生装置に係るも
ので、同様の作用効果が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
いて説明する。その一実施形態に係る金属イオン注入装
置(実施形態に係る金属イオン発生装置を備えるもの)
の基本構成を図1に示す。図1において、この金属イオ
ン注入装置は、反応室(図1では図示せず)と、反応室
内に配置された被イオン注入体(ワーク、ここでは例え
ばシリンダ)2と、同じく反応室内に配置された金属イ
オン源(導電性のワイヤや立体物、ここではワイヤ)3
と、ワーク2に負のパルス電圧を印加するパルス電圧発
生源(−パルス電圧印加)4と、金属イオン源3にパル
ス状のアーク電流を流すアーク電源5とを備える。
【0014】金属イオン注入装置のより具体的な構成を
図2に示す。図2では、反応室1にワーク2とワイヤ3
が配置され、ワーク2はフィードスルー(高電圧導入
部)25を介してパルス電圧発生源4に接続され、パル
ス電圧発生源4より負の高圧パルスがワーク2に印加さ
れる。ワイヤ3はアーク電源5に接続され、アーク電源
5よりパルス状のアーク電流がワイヤ3に流される。
【0015】ここに示すアーク電源5は、瞬時のアーク
放電用のエネルギーを蓄積するためのコンデンサ11
と、スイッチ12と、電流を観測するための測定器13
と、電圧を観測するための測定器14と、直流電源15
とを備える。コンデンサ11と直流電源15は並列接続
され、これにスイッチ12が直列接続された回路がワイ
ヤ3に接続される。
【0016】なお、コンデンサ11及び直流電源15の
極性はプラス・マイナスどちらでもよい。又、スイッチ
12は、開閉スイッチ・閉スイッチのいずれでもよく、
開閉スイッチとしてはトランジスタ、IGBT(Insula
ted Gate Bipolar Transis-tor )、GTO(ターンオ
フサイリスタ)等、閉スイッチとしてはサイラトロン、
トリガトロン等を使用すればよい。更に、放電電流やワ
イヤ3の加熱領域を制御するために、回路中には直列或
いは並列に抵抗やインダクタンスを設けてもよい。但
し、加熱領域の制御は、表皮効果によりワイヤ3の表皮
からの一部のみを集中的に加熱する。
【0017】一方、反応室1には、バルブ21を介して
反応室1内を真空状態又は低ガス圧状態にするための真
空排気ポンプ23と、バルブ22を介して反応室1内に
補助ガスとしてのアルゴン(Ar)又はその他のガスを
導入するためのボンベ24とが連結されている。パルス
電圧発生源4は、例えば図3に示すような基本回路構成
であり、大別して高電圧電源部31、高電圧モジュレー
タ部32、電源システム制御部33、電圧昇圧部(パル
ストランス)、フィードスルー(高電圧導入部)で構成
され、図中の真空装置が上記反応室1に該当する。この
パルス電圧発生源4では、高電圧電源部31からの電圧
を高電圧スイッチ(大型4極真空管)によりパルス電圧
に変換し、パルストランスにより昇圧し、所定のエネル
ギーを反応室1内のワーク2に供給する。最も、ここに
示すパルス電圧発生源4の構成は一例であり、パルス電
圧発生源4自体は既知であって、従来のものを使用して
もよいので、詳細な説明は省略する。
【0018】反応室1に配置される金属イオン源3は、
ワーク2の形状に応じて様々な形態のものを使用すれば
よいが、その各種形態について図4〜図7を参照して説
明する。まず、図4の(a)に示す金属イオン源3a
は、導電性のワイヤであり、ワイヤの一端及び他端から
アーク電流が流されるものであり、図4の(b)のワイ
ヤ3bは、コイル状にしてインダクタンスを持たせ、低
い電圧でアークプラズマが発生するようにしたものであ
る。図4の(c)に断面で示す金属イオン源3cは、導
電性の立体物であり、立体物の一端及び他端からアーク
電流が流されるものであり、大径部分と小径部分からな
る。図5の(d),(e)に示す立体物3d,3eも、
大径部分と小径部分からなる。金属イオン源として立体
物3c,3d,3eを使用することで、長柱状のアーク
を発生させることができ、しかも金属イオン源の長寿命
化を図ることができる。
【0019】図6の(a)のワイヤ3fは、ワイヤ3a
の変形例で、ワーク2の形状に応じて曲げたものであ
り、このような形状に限らず、様々な形状に変形させれ
ばよい。図6の(b),(c)のワイヤ3g,3hは、
ワイヤ3bの変形例で、同様にインダクタンスを持たせ
てあり、ワイヤ3gでは円錐形のプラズマが、ワイヤ3
hではフットボール形のプラズマが発生する。
【0020】図7の(a),(b)に示す金属イオン源
3i,3jは、一端から他端に開口する貫通孔を有する
導電性の立体物であり、貫通孔に円筒状の絶縁体50が
挿通され、この絶縁体50に電線が挿入されて立体物の
一端に接続され、立体物の他端及び電線を通じてアーク
電流が流されるものである。立体物3i,3jは、いず
れも大径部分と小径部分からなり、長柱状のアークを発
生させることができる。特にこの立体物3i,3jは、
アーク電流を流す地点が一方側にあるので、ワーク2が
深い凹部や溝等を有する場合に、その凹部や溝に容易に
位置決めすることができ便利である。
【0021】このように、ワーク2の形状に応じて図4
〜図7に示すような様々な形態の金属イオン源3を使用
することで、複雑な三次元形状のワークであっても、ワ
ークのどのような部分の表面にもコーティング膜を形成
することができると共に、その表層に金属イオンを注入
することができる。次に、上記のように構成した金属イ
オン注入装置の動作について説明する。この装置による
金属イオンのコーティング及び注入動作は、大体次の段
階順a〜pになる。 a)ワイヤにパルス状のアーク電流が流される。 b)ワイヤに表皮効果が現れる。 c)ワイヤの表面に電流が集中する。 d)ワイヤが加熱される。 e)ワイヤから熱電子が飛び出る。 f)エレクトロンで励起される。 g)アーク放電に移行する。 h)ワイヤがアークにより加熱される。 i)ワイヤの表面が溶融する。 j)ワイヤから金属イオンが飛び出す。 k)必要な金属イオン量を確保する。 l)前記スイッチ12が開閉スイッチの場合、アーク電
源をOFFする。 m)プラズマが消滅し、金属イオンの発生が止まる(金
属イオンの消時間は500〜2000μs以内であ
る)。 n)発生した金属イオンが拡散する(次のoの段階を待
つディレイ時間)。 o)ワークに負のパルス電圧が印加される。 p)ワークが金属イオンを誘引する。
【0022】図8は、アーク電源5からワイヤ3に流す
パルス状のアーク電流の波形と、パルス電圧発生源4か
らワーク2に印加する負の高圧パルスの波形とのタイミ
ング図を示し、図9は、高圧パルス(出力電圧)の波形
と出力電流の波形を示す。勿論、アーク電流と負の高圧
は高速パルスである。アーク電流は、数百A〜数千Aで
あり、負のパルス電圧は、数kV〜数十kVであり、ワ
ーク2の材質・表面改質深さにもよるが、最大100k
Vの出力であれば十分である。
【0023】図8において、前記したようにアーク電流
はパルス状であるが、ワイヤ3に高速なパルス電流が流
れると、表皮効果のため表面に電流が集中する。従っ
て、ワイヤ3の表面が加熱され、熱電子が放出される。
又、温度上昇による抵抗値の増大によってワイヤ3の両
端に電位差が生じ、或る時点でアーク放電に移行する。
アーク放電に移行した後、ワイヤ3の表面は更に加熱さ
れるので、ワイヤ3の表面はやがて溶融し、金属イオン
が発生する。これらの過程で得られた金属イオンの残存
時間の間に、ワーク2に負の高圧パルスがタイミング良
く印加されることで、金属イオンがワーク2に誘引さ
れ、ワーク2の表面にコーティング膜が形成され、ワー
ク2の表層に金属イオンが注入される。
【0024】図9において、ステップ1では、ワーク2
に負のパルス電圧が印加され、金属イオンがワーク2の
表面に誘引されると同時に表層に注入される。ステップ
2では、途中でワーク2とワイヤ3との間でアーク放電
による短絡が起きたときは、過電流検出により遮断さ
れ、再印加のための適当なブランキング時間(一時停
止)が経過した後、自動復帰し、再びプラズマが発生
し、金属イオンがワーク2に注入される。
【0025】前記したように、この金属イオン注入装置
では、パルス状のアーク電流を流すタイミングと負のパ
ルス電圧を印加するタイミングを調整することで、金属
イオンのコーティングと注入を所望に制御することがで
きる。例えば、コーティングを主に行いたい場合は、ア
ーク放電を長くして、負のパルス電圧の印加によりワー
ク表面のコーティング膜を叩くことで、コーティング膜
の付着強度を高めることができる。逆に、金属イオン注
入を主に行いたい場合は、注入に必要な金属イオン量が
得られる時間だけアーク放電を行えばよい。
【0026】ここで、金属イオンがワーク2に注入され
る原理作用について説明する。ワイヤ3は、反応室1内
(真空から加圧領域)に配置され、当初は室温にあり、
抵抗値も低い。アーク電源5では、コンデンサ11が所
定の電圧に充電され、電荷が蓄積される。ここで、スイ
ッチ12をオンにすると、コンデンサ11の電荷がワイ
ヤ3に流れる。最初、電流は抵抗値の低いワイヤ3の中
を流れるため、ワイヤ3は加熱される。時間の経過に連
れてワイヤ3の抵抗値が徐々に増加すると共に、加熱に
従いワイヤ3の周囲には粒子雲が形成される。一方、ワ
イヤ3の周囲の放電媒質は気体であり、図10に示すよ
うにパッシェンの法則に従う絶縁破壊電圧を有する。
【0027】ワイヤ3の加熱に従い、ワイヤ3間の電圧
が増加し、ワイヤ3間には回路を流れる電流とワイヤ3
の抵抗との積による電圧降下が生じる。この電圧は、同
時にワイヤ3の周囲の媒質にも加わることになる。ワイ
ヤ3の抵抗が増加することで、ワイヤ3中に流れる電流
が次第に少なくなる。即ち、ワイヤ3中の通電が困難に
なり、ワイヤ3間の電圧について言えば、抵抗の増加が
電流の減少を補い、条件によっては電圧の増加をもたら
す。又、粒子雲の形成は放電媒質の絶縁破壊電圧の低下
をもたらすと考えられる。ワイヤ3間の電圧が周囲媒質
の絶縁破壊電圧を満足する値に達すると、金属原子や粒
子を含む周囲媒質が絶縁破壊して放電が発生し、ギャッ
プインピーダンスは急激に低い値となる。
【0028】放電媒質のインピーダンスの低下により、
ワイヤ3中に電流は流れなくなり、電流の殆どは周囲媒
質を流れるようになる。従って、ワイヤ3周囲の絶縁破
壊は金属イオン及び電子を含むいわゆるプラズマとな
り、ワイヤ3を金属イオン源として供用できる。ここ
で、ワーク2に印加する負のパルス電圧により金属イオ
ンをワーク2に誘引することが可能となる。
【0029】そのような一連の現象の発生例を図11〜
図14に示す。但し、図11は電流波形を表し、図12
は金属線間の電圧波形を表し、図13は電流波形を表
し、図14は金属線間の電圧波形を表す。図11におい
て、電流は時刻ゼロで立ち上がるが、ワイヤの加熱に従
い抵抗が増加する結果、電流は減衰を始める。約13μ
s付近より電流は再度増加に向かい、アークが発生した
ことが分かる。なお、10μs付近より電流が比較的一
定となる現象が生じているが、これは、ワイヤの膨張に
よる抵抗の減少と加熱による抵抗の増加が相殺する結
果、ほぼ一定の抵抗となるためと考えられる。
【0030】図12において、電流の通電に従い電圧は
増加に向かい、ワイヤの抵抗加熱が行われる。一方、立
ち上がり部は若干下に凸の形である。これは、加熱に従
い抵抗が増加する結果、時間の経過とともに電圧が増加
するためである。電流の減少に従い電圧は減少するが、
詳細にみると電流の降下部で電圧は最大に達しているの
が分かる。これは、電流の減少による回路インダクタン
スの誘導電圧が発生し、コンデンサの電荷の方向と同じ
向きになり、等価的にワイヤに加わる電圧が高くなるた
めである。アークの発生により、電圧は急激に低下し、
観測の範囲内では80〜200V程度のアーク電圧とな
る。
【0031】又、アーク電圧は90V程度の値を維持し
た後、消弧に向かう。電流がゼロになると共に電圧もゼ
ロとなる。最大電流値付近のアーク抵抗は約22mΩと
小さな値になる。なお、回路の特性インピーダンスは9
5mΩである。勿論、アーク抵抗及び特性インピーダン
スは単なる一例であり、ワーク2の形状によって大幅に
変わる。
【0032】図13において、アーク電流は正弦波状で
あることが分かる。これは、アークの形成に伴いアーク
抵抗が小さくなり、回路が再び振動条件となるためであ
る。放電時間は一例として約60μsであり、回路イン
ダクタンスは一例として約1.8μHであることが分か
る。電流は第一半波で終了しているが、これは、コンデ
ンサの残留電圧が第二半波の再点弧電圧に達しなかった
ためである。最大電流値は約4000Aである。
【0033】図14は、金属線及び500Vでのshunti
ng discharge(周囲アーク)を示す図であり、観測条件
は、コンデンサの容量が200μF、金属線(ワイヤ)
が直径0.1mm、長さ30mmのタングステン線、圧
力が空気の14Torrである。(a)では、中心部に加熱
された金属線があり、その金属線のごく近傍に濃い粒子
雲が現れ、更にその外側には放出された粒子雲が現れ
る。(b)では、中心部は膨張した金属線があり、その
金属線のごく近傍には濃い粒子雲が形成され、更にその
周囲では薄い粒子雲が膨張する。右側では、金属線の止
め方による局部溶融が起こったため、粒子が広がってい
る。(c)では、薄い粒子雲は更に広がるが、金属線の
周囲に存在する粒子雲中でほぼ金属線の沿面に沿う形で
周囲アークが形成される。(d)では、アークが著しく
膨張し、濃い粒子雲中に発生したアークは、そのまま粒
子雲を引き連れるようにして膨張し、薄い粒子雲に重畳
する。従って、アークの半径はほぼ薄い粒子雲の端に達
しており、約6μsの間に約6mm膨張する。よって、
膨張速度は1000m/sである。
【0034】図11〜図14の場合、アークの発生は約
13μsであり、ワイヤの温度は約1900℃と考えら
れる。結果として、ワイヤは沸点以下においても金属蒸
気を発生しているのは明らかであり、金属を残したまま
アークの形成に至っていることが分かる。この現象は従
来よりShunt discharge 又はPeripheral arc等と称され
ている。従来の研究で観測されている全ての現象による
と、最終的にワイヤは溶融爆発して1回の放電で消滅す
る。しかしながら、この金属イオン注入装置では、発生
する現象を適当に制御してワイヤ(金属イオン源)を電
極間に残しながら周囲の蒸気や粒子雲を用いて金属イオ
ン源として活用しようとするものである。
【0035】又、プラズマからのスペクトルの観測例を
図15に示す。図15において、測定条件は、コンデン
サの容量が20μF、ワイヤが直径0.4mm、長さ3
5mmのタングステン線、圧力がアルゴンガスの10To
rrである。図15から明らかなように、金属スペクトル
が現れているのが分かる。このように実施形態の金属イ
オン注入装置では、金属プラズマ発生用の電源自身によ
り金属イオン源を加熱し、金属イオン源の表面層のみを
蒸発させ、金属イオン源そのものは残したまま、金属イ
オン源の周囲に発生する金属粒子雲中で絶縁破壊を達成
する。従って、金属プラズマ発生用のトリガとなる金属
プラズマや金属原子雲の生成のための別電源を設けるこ
となく、1つの電源により金属プラズマ形成に至る点
(即ち、トリガレスでプラズマを励起させて、金属イオ
ンを発生させている点)が大きな特徴であり、金属イオ
ン源を繰り返して使用できることから、簡便でコストパ
フォーマンスに優れている。
【0036】金属イオン源の溶融、発生する金属イオン
量の制御は、金属イオン源そのものの形状や大きさのみ
でなく、周囲ガス圧力、金属イオン源中を流れる電流
値、印加電圧、印加時間により可能である。例えば、ア
ーク放電の周波数によっては、表皮効果により金属イオ
ン源の断面を流れる電流領域が変化するため、生成され
る金属イオン量の制御ができる。又、前記スイッチ12
として開閉スイッチを使用することで、任意の時間だけ
アークを発生させることが可能となる。
【0037】更に、アーク電流は最大数千Aが可能であ
るため、従来の連続アーク放電式(数十A〜数百A)で
は金属イオン化が困難であった材料(例えば鉄、銅、ニ
ッケル、タングステン、モリブデン)も容易に金属プラ
ズマ化することができ、コーティング膜の生成のみでな
く金属イオンの注入を行うことができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の金属イオン発生装置、請求項6記載の金属イオン
注入装置、及び請求項9記載の金属イオン発生方法によ
れば、いずれも従来のように金属イオン源にアーク電流
を連続的に流してプラズマを常時維持するのではなく、
パルス状のアーク電流を流すようにするので、次の効果
(1)〜(8)が得られる。 (1)表皮効果を利用することで、トリガレスでプラズ
マを励起させて、金属イオンを発生させるので、構造を
簡素化し、信頼性を高めることができる。 (2)金属イオンで被イオン注入体の表面を強固にコー
ティングすることができ、また金属イオンを被イオン注
入体の表層まで確実に注入することができる。 (3)金属イオン源を効率良く繰り返し使用できること
から、簡便でコストパフォーマンスに優れている。 (4)被イオン注入体の形状に応じた様々な形態の金属
イオン源を使用することで、複雑な三次元的立体構造を
有する被イオン注入体であっても、どのような部分の表
面にも金属イオンによるコーティング膜を形成すること
ができると共に、その表層に金属イオンを注入すること
ができる。 (5)従来金属イオン化が困難であった材料(鉄、銅、
ニッケル、タングステン、モリブデン等)も金属イオン
源として使用することができる。 (6)必要な量の金属イオンだけを発生させることがで
き、余分なコーティングを行うことが無くなり、金属イ
オン源が無駄にならない。 (7)パルス状のアーク電流を流すタイミングと負のパ
ルス電圧を印加するタイミングを調整することで、金属
イオンのコーティングと注入を所望に制御することがで
きる。例えば、コーティングをできるだけ抑えて、金属
イオン注入のみを積極的に行うことが可能である。 (8)部品点数の削減等により低コストである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る金属イオン注入装置の基本構
成を示す図である。
【図2】同金属イオン注入装置のより具体的な構成を示
す図である。
【図3】同金属イオン注入装置におけるパルス電圧発生
源の概略構成を示す図である。
【図4】同金属イオン注入装置に使用する金属イオン源
の各種形態例を示す図である。
【図5】同金属イオン注入装置に使用する金属イオン源
の各種形態例を示す図である。
【図6】同金属イオン注入装置に使用する金属イオン源
の各種形態例を示す図である。
【図7】同金属イオン注入装置に使用する金属イオン源
の各種形態例を示す図である。
【図8】同金属イオン注入装置におけるアーク電源のア
ーク電流とパルス電圧発生源の負の高圧パルスを示すタ
イミング図である。
【図9】同金属イオン注入装置におけるパルス電圧発生
源の高圧パルス(出力電圧)と出力電流を示す波形図で
ある。
【図10】パッシェンの法則に従う絶縁破壊電圧を示す
グラフである。
【図11】アークを発生させる場合の電流波形を示すグ
ラフである。
【図12】アークを発生させる場合のワイヤ間の電圧波
形を示すグラフである。
【図13】アークを発生させる場合の電流波形を示すグ
ラフである。
【図14】金属線と500Vでのshunting dischargeを
示す状態変化図である。
【図15】2.0kVでのshunting dischargeにより得
られるスペクトルの波長と強度との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 反応室(真空装置) 2 ワーク(被イオン注入体) 3 ワイヤ(金属イオン源) 4 パルス電圧発生源 5 アーク電源 11 コンデンサ 12 スイッチ 15 直流電源 50 絶縁体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属イオン源と、この金属イオン源にパル
    ス状のアーク電流を流すアーク電源とを備えることを特
    徴とする金属イオン発生装置。
  2. 【請求項2】前記アーク電流は、パルス大電流であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の金属イオン発生装置。
  3. 【請求項3】前記金属イオン源は、導電性のワイヤであ
    り、ワイヤの一端及び他端からアーク電流が流されるも
    のであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    金属イオン発生装置。
  4. 【請求項4】前記金属イオン源は、導電性の立体物であ
    り、立体物の一端及び他端からアーク電流が流されるも
    のであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    金属イオン発生装置。
  5. 【請求項5】前記金属イオン源は、一端から他端に開口
    する貫通孔を有する導電性の立体物であり、貫通孔に円
    筒状の絶縁体が挿通され、この絶縁体に電線が挿入され
    て立体物の一端に接続され、立体物の他端及び電線を通
    じてアーク電流が流されるものであることを特徴とする
    請求項1又は請求項2記載の金属イオン発生装置。
  6. 【請求項6】反応室と、この反応室内に配置された金属
    イオン源及び被イオン注入体と、金属イオン源にパルス
    状のアーク電流を流すアーク電源と、被イオン注入体に
    負のパルス電圧を印加するパルス電圧発生源とを備える
    ことを特徴とする金属イオン注入装置。
  7. 【請求項7】前記パルス電圧発生源は、アーク電源から
    のアーク電流が金属イオン源に流れた後に被イオン注入
    体に負のパルス電圧を印加することを特徴とする請求項
    6記載の金属イオン注入装置。
  8. 【請求項8】前記金属イオン源は、被イオン注入体の形
    状に応じた形態を有するものであることを特徴とする請
    求項6又は請求項7記載の金属イオン注入装置。
  9. 【請求項9】金属イオン源にパルス状のアーク電流を流
    し、電流が金属イオン源の表面を流れる表皮効果を利用
    することにより金属イオン源から金属イオンを発生させ
    ることを特徴とする金属イオン発生方法。
  10. 【請求項10】前記アーク電流は、パルス大電流である
    ことを特徴とする請求項9記載の金属イオン発生方法。
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CN103981493A (zh) * 2014-05-30 2014-08-13 大连理工常州研究院有限公司 一种等离子镀膜设备用引弧装置

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