JPH11258978A - 道路ネットワーク情報自動生成手法および装置 - Google Patents

道路ネットワーク情報自動生成手法および装置

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JPH11258978A
JPH11258978A JP10061209A JP6120998A JPH11258978A JP H11258978 A JPH11258978 A JP H11258978A JP 10061209 A JP10061209 A JP 10061209A JP 6120998 A JP6120998 A JP 6120998A JP H11258978 A JPH11258978 A JP H11258978A
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line
block
road
center line
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JP10061209A
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English (en)
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Yosuke Asai
陽介 浅井
Yoshihiko Utsui
良彦 宇津井
Tadatomi Ishigami
忠富 石上
Tetsuo Kamikawa
哲生 上川
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の道路ネットワークデータは、縮尺が2
5000分の1〜50000分の1程度の地図を基に作
られていた。これらの地図は見易さの点から道路などの
形状をずらしたり誇張していたりしていたため、位置的
な精度は必ずしも良くなかった。これに基づいて作成さ
れる道路ネットワークも同様に位置的精度が悪かった。 【解決手段】 街区形状データの街区形状ベクトル情報
を用いて道路中心線すなわちセンターラインを求め、こ
れを基に道路ネットワークデータを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、精度の高いデジ
タル地図データベースの街区形状データを利用してその
道路中心線すなわちセンターラインを求め、これを基に
して精度の高い道路ネットワークデータを自動的に作成
する、道路ネットワーク情報の自動生成装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般的な「都市計画図」や「住宅地図」
等の縮尺2500分の1程度(いわゆる大縮尺)の地図
を基にして作られたデジタル地図データベースは、比較
的詳細なデータ(誤差が数メートル以下)を持ってい
る。このようなデジタル地図データベースには、建物や
街区の形状がデータとして入っており、道路は街区線の
「隙間」として定義されている。以下、このようなデジ
タル地図データベースを詳細地図DB(Data Ba
se)と称する。
【0003】図24は、街区形状のみを示す住宅地図
(縮尺2500分の1)を示す図である。この様な地図
において、街区形状データは道路の辺縁形状を詳細に表
していることがわかる。このような詳細地図DBでは街
区形状の他にも建物の形状や名称、各区画の番地情報な
どをデータとして持っている。
【0004】しかし、このような詳細地図DBは道路の
接続関係、すなわち道路ネットワークデータを持ってい
ない。それゆえ、単に建物の形状を管理する図面として
用いることや、建物内の居住者を管理する住所録のよう
な利用法しかできず、詳細な道路形状及び豊富な建物情
報を持ちながら、それらの位置的なつながりを管理する
ことができなかった。従って、この詳細地図DBに対し
て道路ネットワーク情報を構築すれば、豊富な周辺情報
を持つ道路ネットワークデータとして利用できる。
【0005】しかし、このようなネットワーク化作業を
人手で行おうとすると、地図が詳細であるためにそのデ
ータ入力には膨大な人手と時間を要することになる。
【0006】一方、従来の道路ネットワークデータは縮
尺が25000分の1〜50000分の1程度(いわゆ
る中縮尺)の地図に基づいて作成されていた。このよう
な道路ネットワークデータはカーナビゲーションシステ
ムでも利用されている。
【0007】図25は、修正された街区形状から道路中
心線を求めた例を示す図である。図25において、道路
ネットワークデータは道路の接続情報の他、付随情報と
して道路の名称、道路幅、制限速度、一方通行、右左折
禁止などの通行制限、交通量、有料道路の区別、国道、
県道、市道などの道路種別などの各種情報を備える。
【0008】しかし、図25に示すような道路ネットワ
ークデータの原図となる縮尺25000分の1から50
000分の1程度の地図(図示せず)は、作成上の許容
誤差が大きく、位置情報が必ずしも正確ではない。さら
に、これをデジタルデータ化する際にも誤差を許してい
るため、誤差範囲が拡大していると考えられる。例え
ば、25000分の1の地図をデジタルデータ化する際
の誤差許容範囲は25m以内であり、非常に大きい誤差
を包含している。
【0009】また、このような中縮尺の地図は、その情
報を見易くするために道路の位置や形状をずらしたり、
誇張したりして作成されていることがある。例えば、高
架道路の下を走っている道路を正しい位置で地図上に表
すと見えなくなってしまうので、見えるようにわざとず
らして描画するなどの作成上の処理が施されている。
【0010】これらのため、原図の位置的な精度はあま
り良くなく、このような中縮尺の地図を用いて作られた
道路ネットワークデータ(図25参照)も位置的精度が
良くなかった。また、このような中縮尺の地図では、道
路幅を表現するのにいくつかの段階にわけて描画するだ
けで、広い道路を誇張して幅を大きく描画したり、細い
道路を一本の線で表すなどしており、道路幅情報も不正
確であった。
【0011】さらに、このような中縮尺の地図は周辺の
情報に乏しいので、道路ネットワークデータにも周辺情
報が少ない。従って、このような中縮尺の地図に基づい
て作成される道路ネットワークデータをカーナビゲーシ
ョンシステムなどで利用すると、目標物、すなわちラン
ドマークとなる建物の情報が少なすぎ、また、交差点の
位置や道路の形状が不正確で、正しい案内をするために
は不適切であった。
【0012】現在、カーナビゲーションシステムにはD
−GPS(Differencial Groval
Positioning System)を用いて正確
な位置測定が行われている。しかし、この手法による計
測位置の誤差よりも、上述した道路ネットワークデータ
の誤差の方が大きいことが問題になっているため、中縮
尺地図から作成された道路ネットワークデータを座標変
換して大縮尺地図から作成された詳細地図DBに重ね合
わせたとしても、道路ネットワークデータは詳細地図D
Bの道路の位置から大きくずれてしまっていることが多
い。
【0013】図26は、図24の詳細地図DBと図25
の道路ネットワークデータとを座標変換して重ね合わせ
た地図を示す図である。図26に示すように、道路ネッ
トワークデータは詳細地図DBの街区形状の隙間に正し
くはまっていない部分が多い。なお、図26において、
図24に示す街区形状に対応する線は細い実線で、図2
5に示す道路中心線に対応する線は、太い点線で表す。
【0014】大縮尺の地図を用いて道路の中心線を求め
る技術としては、特開平9−102034号公報記載の
小縮尺地図の持つ道路ネットワーク情報を教示情報とす
ることにより、大縮尺地図の街区形状から正確な道路ネ
ットワーク情報を得る方法と、電子情報通信学会誌(1
995−10)に記載の「ディジタル道路地図の融合
法」(大澤、宮崎)に示された街区形状線分の平行部分
から中心線を作成する方法がある。これらの方法は、平
行な街区形状線分の組に注目して、その2つ線分の中心
線を求めることにより道路中心線を抽出するものであ
る。
【発明が解決しようとする課題】
【0015】しかしながら、上述した2つの技術におい
て用いられる地図は、デジタルデータにより構成された
地図であるため、数値の丸め誤差や入力誤差などによ
り、道路縁を表す街区形状線分が厳密に平行である場合
がほとんどなく、街区形状線分の平行性にいくらかの誤
差が含んでいる。
【0016】このような場合における許容誤差をどの程
度に設定するかは、実際には非常に難しい問題であり、
許容誤差を小さくすると、実際は平行であるはずの街区
形状線分の組を見逃すことがあり得るという課題があ
り、逆に許容誤差を大きくすると、カーブなどのように
平行に近い街区形状線分が多く存在する部分で、平行な
街区形状線分の組を適切に特定するのが困難になるとい
う課題があった。
【0017】すなわち、大縮尺地図においては街区形状
を詳細に表現するために、微小な線分の列を用いている
ことが多く、カーブなどでは曲線形状を折れ線で表現し
ているために、隣り合う線分どうしの角度の差も微小で
ある。よって、カーブした道路において平行な街区形状
線分の組を見つけ出そうとすると、許容誤差が大きいと
きは一つの街区形状線分に対して平行な街区形状線分の
候補が多く見つかり、そのうちのどれが適切であるのか
を判定するのが困難になるという課題があった。
【0018】これは、先に述べた数値の丸め誤差、ある
いはデジタル化した際の入力誤差などにより、最も平行
に近い街区形状線分の組が実際に平行な組であるとは限
らないことによって生じる課題である。また、デジタル
処理を行う際に、街区形状線分を平行な組として入力し
ているわけではないので、ある街区形状線分に対する平
行な街区形状線分が必ずしも存在するとは限らないので
ある。
【0019】平行な街区形状線分の組を見つけ出す方法
はこれらの手法においては重要な要素の一つであるはず
であるが、上述の2つの方法では、この平行な街区形状
線分の組を見つけ出す方法が明示されていない。
【0020】また、特開平9−102034号公報記載
の方法には、大縮尺の地図から計算された中心線と、教
示地図の道路の一致を推定する際、その推定に誤りを含
む場合が考えられるという課題も生じていた。即ち、例
えば、同方法では道路の一致を推定する際、道路の形
状、幅、位置などをもって推定しているが、幅が同程度
の平行道路が近くにあり、かつ、教示地図の位置的誤差
が大きい場合には、誤って隣の平行道路を一致する道路
として推定する可能性があるという課題があった。
【0021】また、上述した電子情報通信学会誌(19
95−10)に記載の方法には、平行な街区形状線分か
ら中心線を抽出した後、求められた中心線の端を延長し
て交差点位置を決定する処理の際、先に挙げた平行性の
問題から複雑な処理が要求されるという課題も生じてい
た。すなわち、同方法においては中心線が求められた街
区形状線分の組によって囲まれた領域以外の領域を求
め、これを交差点の位置を計算するために用いるのであ
るが、先に挙げた平行性の問題から中心線が求められな
かった街区形状線分が多くなると、交差点の位置を計算
するために用いる領域の形状が複雑になり、それに伴っ
て処理も複雑になるという課題があった。
【0022】この発明は上述のような課題を解決するた
めになされたものであり、詳細地図DBに対して道路ネ
ットワーク情報を構築し、豊富な周辺情報を持つ道路ネ
ットワークデータを作成する道路ネットワーク情報自動
作成法およびその装置に関するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明の道路ネットワ
ーク情報自動生成手法は、デジタル地図データベースが
包含する多角形の街区形状に基づいて、各街区形状に対
して、当該街区形状を構成する多角形を上面とする錐体
を生成する工程と、街区形状に対応する各錐体の集合と
しての街区立体を生成するために、相隣接する街区形状
に対応する錐体の側面同士の交線を求める工程と、交線
を谷線とする谷部が刻まれた街区立体を生成し、街区立
体の谷線をデジタル地図データベースから求まる道路中
心線として求める工程とから構成される。
【0024】また、上記デジタル地図データベースに包
含される街区形状を表す多角形を上面として生成した錐
体の側面と上面とのなす角が一定角度である錐体によっ
て構成される街区立体を生成することを特徴とする。
【0025】また、上記街区形状データを三次元空間の
xy平面上に配置し、この多角形を上面とする錐体の上
記側面がz軸方向の負の領域に存在するように上記街区
立体を生成することを特徴とする。
【0026】この発明の道路ネットワーク情報自動生成
装置は、街区形状データを包含するデジタル地図データ
ベースを記憶する第一記憶装置と、街区形状を構成する
多角形を上面とする錐体を生成すると共に、相隣接する
街区形状に対応する錐体の側面同士の交線を求め、各錐
体を当該交線で接続して、交線を谷線とする谷部を有す
る街区立体を生成し、街区立体に刻まれた谷部の谷線
を、デジタル地図データベースから求まる道路中心線と
して抽出する道路中心線抽出部と、道路中心線を道路ネ
ットワークデータとして記憶する第二記憶装置とを備え
ることを特徴とする。
【0027】また、上記道路中心線抽出部は、街区形状
データに基づいて、本来接続するはずの上記街区立体の
谷線が接続していない箇所について、谷線が接続するよ
うに上記街区形状データに形状変更処理を行い、修正街
区形状データを生成する街区形状データ修正手段をさら
に備える。
【0028】また、上記道路中心線抽出部は、錐体の一
の側面に対して、一の側面に隣接する側面以外の全ての
側面と、一の側面との交線を道路中心線候補線分として
抽出する候補線分作成部と、候補線分作成部によって作
成された複数の道路中心線候補線分の中から、街区立体
の表面に現れる線分のみを選択すると共に、これらの線
分を接続して道路中心線を作成する線分加工部とを備え
ることを特徴とする。
【0029】また、上記候補線分作成部は、二つの側面
からその交線を線分として求める際に、錐体の側面の形
状をxy平面上に投射してその投射領域を求め、二つの
側面の交線をxy平面上に投射し、二つの投射領域が共
通の領域を持ち、かつ、交線がこの共通領域を通るとき
は、交線の上記二つの領域内の線分を、側面上に投射し
て道路中心線候補線分とする交線座標変換工程を備える
ことを特徴とする。
【0030】また、上記線分加工部は、錐体の側面に対
して得られた複数の道路中心線候補線分を、複数の道路
中心線候補線分の交点によって小区間線分に分割し、こ
れらの小区間線分と、小区間線分を含む側面に対応する
街区形状を構成する多角形の辺と、辺の両端にある多角
形の頂点における角の二等分線とによって囲まれる領域
の面積を最小とする小区間線分群を取り出す小区間線分
群抽出工程行うことを特徴とする。
【0031】また、上記小区間線分群抽出工程におい
て、取り出された小区間線分群の各小区間線分の始点及
び終点のz軸方向の値を用いて道路幅データを求め、こ
の道路幅データを各小区間線分の付随情報として記憶す
る、という道路幅データ作成工程を備えることを特徴と
する。
【0032】また、上記街区形状データ変更部におい
て、ある街区形状データ中の連続した二つの街区形状ベ
クトルのなす角度があるしきい値の範囲にあるとき、二
つの街区形状ベクトルのうちの一の街区形状ベクトルの
始点を固定したまま長さを縮めて終点の位置を変更する
と共に、他方の街区形状ベクトルの終点を固定したまま
長さを縮めて始点の位置を変更し、一の街区形状ベクト
ルの変更後の終点と、他の街区形状ベクトルの変更後の
始点との間に、新たな街区形状ベクトルを挿入する街区
形状ベクトル挿入工程をさらに備えることを特徴とす
る。
【0033】さらに、上記街区形状データ変更部におい
て、いずれかの街区形状データ中のいずれかの街区形状
ベクトルの始点及び終点に接続する街区形状ベクトル
を、それぞれ延長してこれらの交点を求め、街区形状ベ
クトルの始点に接続する街区形状ベクトルの終点をその
交点の位置に変更すると共に、街区形状ベクトルの終点
に接続する街区形状ベクトルの始点をその交点の位置に
変更することにより、始点および終点が変更された街区
形状ベクトルを削除する街区形状ベクトル削除工程をさ
らに備えることを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明に
係る道路ネットワーク情報自動生成手法における道路中
心線抽出手法の概要を図を用いて詳しく説明する。本手
法は三次元立体の幾何学的な性質を応用したものであ
り、その立体のモデルをあげて説明する。なお、以下の
説明において用いる詳細地図DBが包含する各街区形状
は、全て多角形で構成されているものである。
【0035】図1は、この発明の実施の形態1において
街区形状に立体化処理を行う工程を概念的に示す図であ
る。その中でも、図1(a)は、街区形状の一例を示
し、図1(b)は街区形状の斜視図を示し、図1(c)
は45度平面の一例を示し、図1(d)は立体化処理後
の街区形状を示す図である。
【0036】図1(a)、(b)において、xy平面上
に地図を表す。四角形ABCDは街区形状を表してい
る。このように、地図上の街区形状は多角形として表
し、当該多角形を構成する頂点ABCDの並びに対し
て、反時計廻りの回転方向(例えばA→B→C→D)を
与えておく。なお、この回転方向は時計廻りでもよいも
のである。このように反時計廻りの回転方向を与える
と、街区形状を示す線分である街区形状線分(AB、B
C、CD、DA)は始点から終点への方向(A→B、B
→C、C→D、D→A)を持つことになる。このことに
より、上述のような方向を有する各街区形状ベクトルに
対して、始点から終点の向きに見て、右側が領域の外
部、左側が領域の内部になる。なお、このような立体化
処理は全ての街区形状に対して行うものとする。
【0037】次に、街区形状ベクトル(例えば、ベクト
ルAB、ベクトルBC、ベクトルCD、ベクトルDA)
に対して、当該各街区形状ベクトルをそれぞれ延長した
直線においてxy平面と交差する平面(例えば、直線A
Bに対して平面EFGH)をそれぞれ求める。各平面が
xy平面と交差する角度は45度とし、街区形状ベクト
ル(例えばベクトルAB)を軸とし、始点(A)から終
点(B)の向きに見て、街区形状を構成する多角形を時
計廻りに45度回転させたものを含む平面とする。以
下、この平面のことを45度平面と呼ぶ。従って、図1
(c)において、平面EFGHは街区形状ベクトルAB
に対する45度平面であり、平面EFGHはxy平面と
45度の角度をなして直線ABにおいて交差している。
【0038】次に、ここでは図示しないが、ベクトルA
Bに対して45度平面EFGHを求めたときと同様の立
体化処理によって、一つの街区形状図形の周囲の各街区
形状ベクトルに対する45度平面をそれぞれ求める。そ
して、こうして求められた全ての45度平面(図示せ
ず)と、当該街区形状図形と、xy平面と平行でz軸方
向の値がある負の値hであるような平面(即ち、z=h
で表される平面)とで囲まれた立体を考えれば、図1
(d)に示すように上面が街区形状となった錐体を求め
ることができる(このような錐体において、先に求めた
45度平面は錐体の側面となる)。なお、図1(d)に
示す錐体は、上面となる街区形状が四角形であるが、地
図上における街区形状は、様々な形を有するものである
から、錐体の形状も様々な形状を有することとなる(後
述する図2参照)。
【0039】図2は、この発明の実施の形態1における
道路ネットワーク情報の自動生成手法を立体図形を用い
て示す図である。なお、図2(a)は街区形状データの
例を示す図であり、図2(b)は図2(a)に対応する
斜視図である。このような立体化処理を図2(a)、
(b)に示す詳細地図DB21上の全ての街区形状22
に対して行うと、図2(a)、(b)に示す街区形状2
2を持つ詳細地図DB21に対して、図2(c)に示す
ような立体化処理された街区形状(以下、街区立体と称
する)23を求めることができる。なお、街区立体23
の上面は街区形状22となる。
【0040】図2(c)に示すような街区立体23にお
いて、各街区形状22(即ち、街区立体の上面)の間に
谷部24が形成されているが、この谷部24は街区形状
間に存在する道路を示しており、当該谷部24の底を走
る谷線25が道路中心線となる。図2(d)は、図2
(c)に示す街区立体23のxy平面投射図である。上
述したように、図2(d)において、上述した谷線25
が、立体化処理により求められる道路中心線である。こ
れらの谷線25は立体の稜線であるので、連続している
ことが保証されており、従来のように道路中心線の途切
れた部分から交差点位置を推定する等の処理を行う必要
がない。
【0041】また、上述したように、街区形状ベクトル
を延長した直線においてxy平面と交差するような平面
を求める際に、xy平面と交差する角度を45度とした
ため(図1参照)、街区形状22の間に存在する道路を
示す谷部24は、街区立体23の上面に対して45度の
角度で交わり、かつ、互いに直行する2つの平面26、
27で表される。従って、当該谷部24の谷線25に垂
直に交わる面による断面(図1(c)中の拡大図参照)
では、谷部24を表す2辺(平面26および27の断
面)のなす角が直角であり、この結果、道路中心線を表
す各谷線25と街区形状22を示す面とのz軸方向の値
の差(同拡大図中に示すl、即ち、街区形状22に対す
る谷線の深さ)の絶対値は、その位置における道路幅
(同拡大図中に示すw)の半分となる。
【0042】なお、ここでは、街区形状ベクトルを延長
した直線がxy平面との交線となるような平面をそれぞ
れ求める際に、説明の便宜上、xy平面と交差する角度
を45度としたが、45度以外の(0度と90度を除
く)値であっても、街区形状22に対する谷線25の深
さlと三角関数に基づいて道路幅を求めることができる
ので、45度以外による立体化処理を行っても同様にこ
の発明を実施することができる。
【0043】図3は、この発明の実施の形態1に係る装
置の機能を概略的に示すブロック図である。図3に示す
ような機能ブロックは、図示しないコンピュータがプロ
グラムを実行することによって得られるものである。以
下では、図3を用いて、この発明の実施の形態1におけ
る処理の流れについて説明する。
【0044】図3に示すように、この発明を適用した装
置は、詳細地図DBを記憶する第一記憶装置61と、街
区形状データを立体化処理して、上述のようにして得ら
れる谷部をなす平面同士の交線である谷線を抽出し、当
該谷線を適当な道路中心線データとして編集する道路中
心線抽出部62と、道路中心線のデータをネットワーク
化するネットワークデータ作成部63と、ネットワーク
化された道路中心線のデータを保持する第二記憶装置6
4により構成される。なお、道路中心線抽出部62、及
びネットワークデータ作成部63は処理するデータを一
時的に保持しておくためのメモリを備えている。
【0045】また、道路中心線抽出部は、上述した谷線
から道路中心線候補線分を作成する線分作成部621
と、線分作成部621によって得られた道路中心線候補
線分を加工して、適当な道路中心線を作成する線分加工
部622とを備えている。
【0046】図4は、この発明の実施の形態1における
街区形状を立体化処理する処理工程を示す図である。以
下、図4を用いて、この街区形状ベクトルaに対する道
路中心線を求める手順について述べる。まず、道路中心
線抽出部62では第一記憶装置61に保持された詳細地
図DBの中から街区形状図形を一つ選び、このうちの一
つの街区形状ベクトルaを選出する(図4(a)参
照)。次に、街区形状データの中から、街区形状ベクト
ルa以外のもう一つの街区形状ベクトル(図示せず)を
選出する。
【0047】このように2つの街区形状ベクトルを選出
する際に、充分遠く離れた二つの街区形状ベクトルの間
には道路は存在しないと考えられるため、街区形状ベク
トルaから充分離れたところにある街区形状ベクトルを
選ぶ必要はない。この時のしきい値となる距離は、存在
しうる最大の幅の道路を基準として、一般的には100
m程度とすれば充分である。
【0048】また、このような選択の際に、一つの街区
形状の内部に道路が形成されることはないため、街区形
状ベクトルaの始点または終点に接続する街区形状ベク
トルは選択しなくて良い。
【0049】また、上述したように、この立体化処理に
おいて、街区形状を構成する線分は、一定の回転方向
(ここでは反時計廻りの方向)に基づくベクトルとして
扱われるので、同一方向の二つの街区形状ベクトルの間
が全て道路であることはない。従って、街区形状ベクト
ルaと同一方向を持つ街区形状ベクトルは他の街区形状
ベクトルとして選択しなくて良い。これはすなわち、そ
れぞれの45度平面が平行になり、交線が得られないこ
とを意味している。
【0050】線分作成部621において、街区形状ベク
トルaと、上述の処理により選択された他の街区形状ベ
クトルとに対するそれぞれの45度平面を求め、その交
線を求める。45度平面は錐体の側面を表す式で表され
るが、45度平面は無限に広がる平面であるので、この
交線は直線として求められる。この直線をxy平面に投
射する。
【0051】次に、図4(a)において、街区形状ベク
トルaに対応する錐体の側面をxy平面に投射し、その
領域(同図斜線部)を表す式を求める。まず、街区形状
ベクトルaの始点である頂点Aにおいて接する2つの線
分のなす角DABの二等分線mを求める。また、街区形
状ベクトルaの終点においても同様の二等分線nを求め
る。これらの二等分線m、nは、錐体の側面の斜辺をx
y平面に投射したものである。すなわち、これらの二等
分線を求めるには、例えば、街区形状の各辺に対応する
各街区形状ベクトルの45度平面同士の交線を求め、こ
れをxy平面に投射すれば良い。
【0052】次に、図4(a)に示すように、街区形状
ベクトルaの右側つまり街区形状の外側に、街区形状ベ
クトルaと平行で、aからある距離d(d>0)だけ離
れた直線kを引く。この直線kは、先に説明した街区形
状の立体化の際に用いたxy平面と平行な面のz軸方向
の値hに対し、d=−hとしたときの、当該平行面と街
区形状ベクトルaの45度平面との交線、つまり錐体の
側面の下底辺をxy平面に投射したものである。
【0053】図4において、四角形で示す多角形は街区
形状、点線m、nは、街区形状ベクトルaの始点および
終点を頂点として接する多角形の2辺(DAとAB、A
BとBC)がそれぞれなす角の二等分線、直線kは街区
形状ベクトルaに対する平行線であり、斜線部は街区形
状ベクトルaに対応する錐体の側面をxy平面に投射し
た領域を示す。ここで、図4(a)に示す斜線部は、二
等分線m、nの交点pがベクトルaの左側になるときの
錐体の側面を示す四辺形領域、図4(b)に示す斜線部
は、二等分線m、nの交点pが平行線kの右側になると
きの四辺形領域、図4(c)に示す斜線部は、二等分線
m、nの交点pがベクトルaと平行線kの間になるとき
の三角形領域である。
【0054】次に、これら三本の直線k、m、nと街区
形状ベクトルaとによって囲まれた上述の四辺形領域
(図4(a)、(b)参照)、または平行線kを除く二
本の直線m、nと街区形状ベクトルaとによって囲まれ
た上述の三角形領域を求める(図4(c)参照)。以上
より、これらの各領域が四辺形になるのは、二等分線
m、nの交点pが街区形状ベクトルaの左側になるか
(図4(a)参照)、あるいは、二本の二等分線m、n
の交点pが平行線kの右側(図4(b)参照)になると
きである。また、領域が三角形になるのは、二等分線
m、nの交点pが街区形状ベクトルaと平行線の間にあ
る時(図4(c)参照)である。
【0055】例えば、図4(d)に示すように他の街区
形状ベクトルbおよび街区形状ベクトルbを包含する街
区形状EFGHが求まれば、街区形状EFGHの街区形
状ベクトルbについても45度平面をxy平面に投射し
た領域EHRQを求める。そして、上述のように街区形
状ベクトルaについて二等分線m、nおよび直線kを求
めた場合と同様に、街区形状ベクトルbについて二等分
線q、rおよび直線jを求める。なお、直線jは、街区
形状ベクトルaに対する直線kと同様に、街区形状ベク
トルbに対して距離dを隔ててxy平面上に存在する直
線である。ここで、街区形状ベクトルaについて求めた
領域を図4(d)において領域AMNBとし、領域AM
NBと領域EHRQの共通領域を求めると、共通領域U
VSRQが求まる。
【0056】さらに領域UVSRQを通る中心線lを求
める。図4(d)における中心線lは、直線k、jの中
央を通る直線となる。以上のように、共通領域があり、
かつ、中心線lをxy平面に投射した直線が共通領域を
通るときは次の処理に進むが、共通領域がないか、ある
いは、共通領域あっても直線が共通領域を通らないとき
は上述の処理により選択される他の街区形状ベクトルを
選択し直す。
【0057】次に、中心線lが共通領域を通る部分であ
る中心線分を求める。すなわち、共通領域UVSRQと
中心線lの交点を求め、求まった線分を街区形状ベクト
ルaの45度平面上に投射する(他の街区形状ベクトル
の45度平面上に投射しても結果は同じである)。図4
(d)では交点がSおよびWと求まり、中心線分はSW
となる。以下、このようにして求まる中心線分のことを
道路中心線候補線分と称する。
【0058】上述のような他の街区形状ベクトル(図4
(d)における街区形状ベクトルb)を選ぶ作業を繰り
返し、全ての街区形状ベクトルに対する道路中心線候補
線分を求める。道路中心線候補線分が二つ以上ある場合
は、以下で説明する線分加工を行う。道路中心線候補線
分が一本の場合は、それが街区形状ベクトルaに対する
道路中心線であるので、この線分加工は行わなくて良
い。また、道路中心線候補線分が一つも求められないと
きは道路中心線が求められない街区形状ベクトルとして
メモリに記憶しておく。
【0059】次に線分加工部622において、街区形状
ベクトルaに対して得られた道路中心線候補線分のう
ち、上述した街区形状の立体化の際に立体の表面に現れ
る部分のみを取り出す。このような立体の表面に現れる
部分を求めるには、道路中心線候補線分同士をその交点
によって小区間線分に分割し、各小区間線分のうちz座
標が大きいものだけを取り出せば良い。なぜなら、各線
分は45度平面どうしの交線であり、平面が重なる部分
はその座標の大きい方の部分のみが表面に出てくるから
である。
【0060】そして、このような小区間線分群を取り出
すには、小区間線分を用いて折れ線を構成し、この折れ
線と街区形状ベクトルaおよび二つの二等分線によって
囲まれた多角形の面積が最小になるように小区間線分を
選べばよい。なぜなら、街区形状ベクトルaのz座標の
値は0であり、z座標が大きい小区間線分を選ぶことは
必然的に街区形状ベクトルaとの距離が近いものを選ぶ
ことになり、その結果、このような多角形の面積が最小
になるからである。
【0061】これを図1および図5を用いて説明する。
図5は、この発明の実施の形態1において、道路中心線
候補線分を求める処理を概念的に示す図である。また、
図6は、この発明の実施の形態1において、道路中心線
候補線分を決定する処理を概念的に示す図である。図5
(a)の四角形は街区線形状を示し、当該四角形の頂点
を通る点線mは、街区形状ベクトルaの始点を頂点とし
て接する多角形の2辺がなす角の二等分線であり、点線
nは街区形状ベクトルaの終点を頂点として接する多角
形の2辺がなす角の二等分線である。また、線分AB、
CD、EFが街区形状ベクトルaに対して求められた道
路中心線候補線分である。
【0062】これに対して、図5(b)の折れ線AGH
Fが取り出される小区間線分群である。図5(b)にお
けるこの折れ線AGHFと街区形状ベクトルa、及び相
隣接する街区形状ベクトルの二本の二等分線m、nによ
って囲まれる領域、すなわち図6に示すの斜線部は、他
のいずれの小区間線分を用いて作る領域よりも面積が小
さくなっていることは明らかである。
【0063】この処理について具体的に説明する。図7
は、この発明の実施の形態1において、道路中心線候補
線分を決定する処理を概念的に示す図である。図8は、
この発明の実施の形態1において、道路中心線候補線分
を求める処理を概念的に示す図である。図8おいて、ま
ず、街区形状ベクトルaの始点側の二等分線に一端を持
つ道路中心線候補線分AB、CD、EFのうち、その端
点が街区形状ベクトルaに近いもの、すなわち、各道路
中心線候補線分の端点のz座標がもっとも大きい道路中
心線候補線分を選ぶ。この道路中心線候補線分をc1、
その端点をX1とする。従って、図5(a)において、
線分c1は線分AB、端点X1は端点Aとなる。
【0064】次に、図8に示すように、線分c1(A
B)と交点を持つ道路中心線候補線分(CD、EF)の
うち、線分c1との交点(GあるいはI)と街区形状ベ
クトルaの二本の二等分線の交点Pを結ぶ直線(PGあ
るいはPI)に対して、これらの直線(PGあるいはP
I)と、街区形状ベクトルaの始点側の二等分線mとが
なす角度が最も小さくなる直線に含まれる交点(Gある
いはI)を含む道路中心線候補線分を選ぶ。この道路中
心線候補線分をc2、その時の交点をX2、角度をφ2
とする。従って、図8においては、線分c2は線分C
D、交点X2はG、角度φ2は角度1となる。
【0065】なお、角度を計算する際、交点Pが街区形
状ベクトルaの左側にあるときは角度は反時計廻りに求
め、右側にあるときは時計廻りに求めることとする。こ
れにより、いずれの角度も正の値になる。
【0066】なお、図7に示すように、交点X2におい
て、線分c1を除いて2本以上の道路中心線候補線分が
交差している場合は、PとX2(G)を結ぶ直線とそれ
ぞれの中心線のなす角度が最も小さくなる道路中心線候
補線分を選ぶ。この場合の角度は時計廻りに求めるもの
とする。
【0067】図7において、ABがc1として選ばれて
いるとすると、点GにおいてCDとEFが交差している
が、角PGDよりも角PGFのほうが小さいので、EF
がc2として選ばれる。
【0068】次に、c2と交点を持つ道路中心線候補線
分のうち、その交点と点Pを結ぶ直線と、街区形状ベク
トルaの始点側の二等分線とがなす角度がφ2より大き
くかつ、最も小さくなる道路中心線候補線分を選ぶ。こ
の道路中心線候補線分をc3、その時の交点をX3、角
度をφ3とする。なお、X3においてc2を除いて2本
以上の道路中心線候補線分が交差している場合の処理は
先の場合と同様である。
【0069】上記の作業を、選ばれた道路中心線候補線
分に対して次の道路中心線候補線分が選べなくなるまで
繰り返し行う。そして、このような処理を繰り返し行っ
た結果求まる道路中心線候補線分をcn(nは正の整
数)、交点をXn、角度をφn、cnの終点をXfとす
る。これらの処理により、小区間線分どうしの交点にお
いて次の道路中心線候補線分を選ぶ際に、常にzの値が
大きい道路中心線候補線分をたどって処理を行っている
ため、点X1、X2、・・・XnおよびXfを結ぶ折れ
線は、この折れ線と街区形状ベクトルaおよび街区形状
ベクトルaの二つの二等分線によって囲まれた多角形の
面積を最小にするものとなる。以上により小区間線分群
抽出工程が実現される。
【0070】このような工程を、図5(a)の場合につ
いて図示する。c1に当たる道路中心線候補線分はA
B、端点X1はAとなる。次に、線分ABと他の道路中
心線候補線分との交点を求める。図8に示すように、線
分CDとの交点はG、線分EFとの交点はIである。そ
して角度1と角度2を比べ、角度1の方が小さいのでC
Dをc2とする。X2はG、φ2は角度1となる。次
に、CDと他の道路中心線候補線分との交点を求める
s。図9は、この発明の実施の形態1において、道路中
心線候補線分を決定する処理を概念的に示す図である。
図9に示すように、線分EFとの交点はHである。角度
3はφ2よりも大きく、他に交点はないのでこれが最小
となり、線分EFをc3とする。その端点Fは街区形状
ベクトルaの終点側の二等分線上にあるのでこれで処理
が終わり、求めるべき折れ線はAGHFとなる。
【0071】ここで、得られた折れ線の各節点における
街区形状ベクトルaからの距離を求める。距離とはすな
わち、街区形状ベクトルaの45度平面に折れ線を投射
した際の各点のzの値の絶対値である。この2倍の値は
すなわちその位置での道路幅になっている(図2(c)
参照)。これを道路幅データとして各点の付随情報とし
て記憶しておく。これにより、道路幅データ作成工程が
実現される。
【0072】以上が街区形状ベクトルaに対する道路中
心線を求める工程である。あとは、デジタル地図データ
内の全ての街区形状ベクトルについて、同様の作業を繰
り返す。
【0073】図3における道路中心線抽出部62におい
て、全ての街区形状ベクトルについてその道路中心線を
求めたら、次にネットワークデータ作成部63におい
て、これらの道路中心線を用いて道路ネットワークを構
成する。これは二つの工程からなっている。第一に、求
められた道路中心線は同じ線分が二つ求められているの
でこれを一つにする作業、第二に、これをネットワーク
化する作業である。
【0074】この発明の道路中心線抽出部62において
道路中心線を求める際、その小区間線分は二度求められ
ていることに注意する。すなわち、街区形状ベクトルa
と街区形状ベクトルbの間の道路中心線(の小区間線
分)は、街区形状ベクトルaの道路中心線(の小区間線
分)としても求められており、かつ、街区形状ベクトル
bの道路中心線(の小区間線分)としても求められてい
るからである。この重複を取り除くには、求められた全
ての小区間線分どうしを比較し、同じ始終点を持つもの
を削除すれば良い。
【0075】次に、ネットワーク化であるが、道路ネッ
トワークは基本的にノードとリンクから構成されている
ことに注意する。ノードは交差点に当たるもので、リン
クはノード間を結ぶ道路として置かれているものであ
る。よって、求められた小区間線分の端点が3つ以上集
まっている点をノードとし、ノード間を小区間線分の列
からなる折れ線で結び、これをリンクとすれば良い。な
お、端点が他の小区間線分と接しない場合は行き止まり
の道路とみなし、ここにもノードを置くこととする。こ
れによって道路中心線はネットワーク化される。
【0076】上述した処理は、全て自動的に行われるも
のであり、以上により、図24に示した詳細地図DBか
ら、精度の高い道路ネットワークデータを構成すること
ができる。得られた道路ネットワークデータは第二記憶
装置64に記憶しておく。また、このようにして用いた
れた道路中心線を詳細地図DBと組み合わせることによ
り、図23に示すような精度の高い道路ネットワークデ
ータを自動的に構築することができる。なお、以上で説
明した一連の処理は、全て多角形上の街区形状について
適用したが、実際に道路中心線を作成する際に用いる大
縮尺の詳細地図DBに包含される街区形状は、多角形で
示されているため、詳細地図DB上の全ての街区形状に
対して上述のような処理を行うことにより、精度の高い
道路中心線を求めることができる。
【0077】実施の形態2.次に、この発明の実施の形
態2について説明する。この発明に係る道路ネットワー
ク情報自動生成手法においては、立体の幾何学的性質を
応用して道路中心線を求めているが、その街区形状によ
っては幾何学的性質ゆえに不適当な形状の道路中心線が
求められる場合がある。以下にその不適当な道路中心線
が得られる場合を挙げ、街区形状データに変更を加える
ことによってこれらの不適当な道路中心線を是正する方
法について説明する。
【0078】図10は、この発明の実施の形態2に係る
装置の機能を概略的に示すブロック図である。図10に
示すように、この発明の実施の形態2に係る装置は、詳
細地図DBを記憶する第一記憶装置61と、詳細地図D
Bの街区形状データを処理に適したデータに変更する街
区形状データ変更部71と、街区形状データを立体化処
理して錐体の側面同士の交線を抽出し、それを適当な道
路中心線データに編集する道路中心線抽出部62と、上
記処理により得られた道路中心線をネットワーク化する
ネットワークデータ作成部63と、ネットワークデータ
作成部63で作成された道路ネットワークデータを保持
する第二記憶装置64とにより構成される。なお、街区
形状データ変更部71、道路中心線抽出部62、及びネ
ットワークデータ作成部63には処理するデータを一時
的に保持しておくためのメモリが含まれている。
【0079】このようにこの発明の実施の形態2に係る
装置は、図3に示す実施の形態1に係る装置において、
第1記憶装置61と道路中心線作成部62との間に、街
区形状データ変更部71を付加した構成となっており、
街区形状データ変更部71以外の構成は、実施の形態1
の装置と同様の構成である。
【0080】図11は、この発明の実施の形態2におい
て道路中心線を決定する処理を概念的に示す図である。
図11において、四角形は街区形状、点線は街区形状ベ
クトルの始点および終点を頂点として接する四角形の辺
同士のなす角の二等分線、太線はこの発明を適用した装
置(実施の形態1)で求められた道路中心線を示す。な
お、道路中心線は必要なところのみ示してある。
【0081】図11において、3つある街区形状のうち
の街区形状111および112に注目する。街区形状1
11、112の街区形状ベクトルa、bは、ほとんど平
行であるが、同一直線上ではなくわずかにずれた平行線
上に存在する。このような街区形状111、112から
求められる交差点付近の道路中心線は、実際の道路形状
から歪んだもの(街区形状113に沿って図中左右に走
る道路中心線との接続点が左側に大きくずれてしまう)
が求まることがわかる。
【0082】従って、街区形状113と、街区形状11
1および112との間を、図中左右に走る道路がさらに
広ければ、このような歪みがさらに大きくなることは容
易に想像できる。このような場合は、求められた道路中
心線どうしの交点C(すなわち交差点の位置)は正しい
とは言えない。
【0083】このような歪みが生じる理由は、街区形状
の角部の部分の相対位置関係が大きく影響している。従
って、この発明の実施の形態2に係る道路ネットワーク
情報自動生成手法は、このような街区形状の角部の相対
位置関係によって生じる歪みを緩和するために、事前に
角部の角度を緩和するものである。
【0084】図12は、この発明の実施の形態2におけ
る街区形状ベクトル挿入工程を概念的に示す図である。
この発明の実施の形態2においては、あらかじめ各街区
形状の角部の角度を計算し、当該角度が、あるしきい値
未満の場合には、角部を落としてしまう処理を行う。
【0085】具体的には、その角部をなす二つの街区形
状ベクトル(例えば、街区形状111においては街区形
状ベクトルa、e)に対して(図11参照)、街区形状
ベクトルaの始点を固定したまま当該ベクトルの長さだ
けを縮めてその終点の位置を変更し(図12参照)、ま
た、当該角部に始点を有する街区形状ベクトルeの終点
を固定したまま、街区形状ベクトルeの長さだけを縮め
ることによって、街区形状ベクトルeの始点の位置を変
更する。そして、このようにして、街区形状ベクトルa
の変更された終点と、街区形状ベクトルeの変更された
始点との間に新たな街区形状ベクトルfを挿入する。
【0086】この様な処理におけるそれぞれの街区形状
ベクトルaおよびeの長さを縮める量は、街区形状ベク
トルa、eの長さがある一定の長さd以上であるときは
d/2だけ縮め、長さd未満であれば、街区形状ベクト
ルa、eを半分の長さに縮めることとする。この長さd
は1m程度にすれば良い。以上により街区形状ベクトル
挿入工程が実現される。なお、このような処理は、道路
中心線に歪みが生じる全ての角部について行うものであ
る。
【0087】このような街区形状ベクトル挿入工程によ
る処理を道路中心線に歪みが生じる全ての角部について
行うことによって、図11に示すような街区形状を変更
し、図12に示すような街区形状に変更する。図12中
の実線のように街区形状が変更すれば、太線が改めて求
められた道路中心線である。なお、道路中心線は必要な
ところのみ示してある。この処理を行えば、より実際に
即した形状の道路中心線が求められ、上述したような道
路中心線の歪みを解消できたことがわかる。
【0088】図13は、この発明の実施の形態2におけ
る道路中心線を求める処理を概念的に示す図である。図
14は、街区形状から道路中心線を求めた例を示す図で
ある。図13中の多角形は街区形状、点線は街区形状ベ
クトルの指定および終点を頂点として接する多角形の辺
同士のなす角の二等分線、太線はこの発明を適用した装
置(実施の形態1)で求められた道路中心線を示す。な
お、道路中心線は必要なところのみ示してある。
【0089】図中には3つの街区形状131、132お
よび133があるが、そのうちの街区形状131および
132に注目する。それぞれの街区形状ベクトルa、b
は平行であり、しかも同一直線上にある。そしてこの2
つの街区形状131および132の間にある道路中心線
134は、図中横に走っている道路中心線135と接続
していない。
【0090】これは、2つの街区形状131および13
2の街区形状ベクトルのうち、道路中心線135の側近
にある街区形状ベクトルa、bが同一直線上に乗ってい
るため、これらの街区形状ベクトルaおよびbに対応す
る45度平面136および137が重なってしまい、交
線がそこで途切れてしまうためである。2つの街区形状
ベクトルが同一直線状になく、わずかでも離れた平行線
上にあれば交線が他の交線と接することは先の例からわ
かる。
【0091】なお、図中横に走る道路の幅が縦に走る道
路の幅より広い場合に、道路中心線134および135
が接続しなくなるが、図14に示すように、図中横に走
る道路の幅が縦に走る道路の幅より狭いと道路中心線が
接続することがわかる。
【0092】すなわち、縦に走る道路の幅が横に走る道
路の幅より広ければ問題ないのであるが、道路幅を変更
するのはデータを歪めてしまうことになる。そこで、上
述した街区形状ベクトル挿入処理と同様の方法により、
街区形状の角の部分を緩和してやる。これにより、図1
5に示すように、交差点付近では道路幅が広がったのと
同じ効果が得られ、道路中心線が接続するようになる。
【0093】このとき、道路幅はリンクを構成する小区
間線分群の道路幅データの平均を用いれば良い。この平
均とは、各小区間線分の長さにその幅を乗じ、これを各
小区間線分の長さの総和で除したものである。このよう
して求めた道路幅に対して角を緩和した部分の影響は小
さいので、道路幅は充分正確であると言える。
【0094】図15は、この発明の実施の形態2におけ
る街区形状ベクトル挿入工程を概念的に示す図である。
図15に示すように、図13において道路中心線が接続
していなかった交差点の周囲の街区形状が変更されてお
り、太線が改めて求められた道路中心線である。なお、
道路中心線は必要なところのみ示してある。この処理に
より、正しく接続した道路中心線が得られたことがわか
る。
【0095】図16は、街区形状の一例を示す図であ
る。図16に示す街区形状においては、街区形状の角が
鋭角である部分が存在する。図16中の多角形は街区形
状、点線は街区形状ベクトルの始点および終点を頂点と
して接する多角形の辺同士のなす角の二等分線、太線は
求められた道路中心線である。なお、道路中心線は必要
なところのみ示してある。
【0096】図16において、交差点付近の道路中心線
が乱れているのは、図の左上にある斜線で示した三角形
の街区形状161のためである。街区形状161の右下
の角部pが鋭角であるので、角部pの両側の道路線街区
形状ベクトルa、eに対応する45度平面162および
163の交線164のxy平面に対する傾き(xy平面
に対するz軸方向の仰角)が小さく、他の45度平面に
対して影響する範囲が大きくなるためである。
【0097】よって、上述の街区形状ベクトル挿入処理
と同様の処理を用いて、角部pの影響を緩和してやれば
良い。なお、このような処理は、上述した2つの処理
(図11および図12に示した道路中心線に歪みが生じ
た場合の処理、および、図13および図14に示した道
路中心線が交差点で接続されていない場合の処理)を組
み合わせて行うものである。
【0098】図17は、この発明の実施の形態2におけ
る街区形状ベクトル挿入工程を概念的に示す図である。
図17に示すように街区形状161を変更すると、道路
中心線165が求まる。なお、道路中心線165は必要
なところのみ示してある。この処理により、より実際に
則した形状の道路中心線を求めることができる。
【0099】図18は、街区形状の一例を示す図であ
る。図18に示すのは、街区形状ベクトルBCに対応し
て求められた錐体の側面の領域181が三角形領域であ
り、かつ、当該街区形状ベクトルBCに対して道路中心
線候補線分が一本も求められなかった場合である。図1
8中の多角形は街区形状、点線は街区形状ベクトルの始
点および終点を頂点として接する多角形の辺同士のなす
角の二等分線、太線は求められた道路中心線である。な
お、道路中心線は必要なところのみ示してある。
【0100】図18に示すとおり、求められた道路中心
線182および183は交差しており、その端点184
および185同士は接続していない。
【0101】図19は、図18に示す街区形状を立体的
に示す図である。図20は、図18に示す街区形状に対
して立体化処理を行う際の処理工程を概略的に示す図で
ある。図21は、図18に示す街区形状に対して立体化
処理を行う際の処理工程を概略的に示す図である。図2
2は、図20に示す処理を行った後の街区形状を示す概
略図である。
【0102】図19を用いて、道路中心線182および
183の端点184および185が接続していない状況
について詳しく説明する。図19において、街区形状A
BCDEFGの街区形状ベクトルBCは三角形の領域1
81を持っているが、取り出されるべき道路中心線18
2および183にはこの三角形の領域181は無関係で
あることがわかる。
【0103】そして、街区形状ベクトルABと街区形状
ベクトルCDに対して道路中心線を求める領域は、図2
0(a)に示すような五角形領域ABHIJ及びCDK
IHでなくてはならないことがわかる。しかし、この発
明の構成では街区形状ベクトルABと街区形状ベクトル
CDに対して道路中心線を求める領域は、図20(b)
に示すような四辺形領域ABLJおよびCDKMになっ
ており、その結果、図18のような道路中心線が求まっ
てしまう。
【0104】以上より、三角形領域を有し、かつ、道路
中心線を作成できなかった街区形状ベクトル(この場合
は街区形状ベクトルBC)を除外して道路中心線を求め
ることが必要である。そこで、当該街区形状ベクトルの
始終点(ベクトルBCにおいて始点はB、終点はC)に
それぞれ接続した2つの街区形状ベクトル(ベクトルB
Cに対しては街区形状ベクトルABおよびCD)を直線
的に延長したもの同士の交点(直線ABおよびCDに対
しては交点Pを求め(図21(a)参照)、当該街区形
状ベクトルBCの始点Bに接続する街区形状ベクトルA
Bの終点Bをこの交点Pの位置に変更し、街区形状ベク
トルABの終点Bに接続する街区形状ベクトルBCの始
C点をこの交点Pの位置に変更する。
【0105】そして、道路中心線の作成に携わっていな
い街区形状ベクトルBCを削除し、この結果得られる街
区形状(図21(b)参照)を用いて計算すればよい。
図22に示すように、このような変更において得られた
辺ALおよびLDのなす角の二等分線221は、それぞ
れの元の街区形状ベクトルが持つ五角形領域の共通の線
分HIと重なることになるので、変更前の街区形状ベク
トルABおよびCD(図20(a)参照)の五角形領域
AJIHBおよびIKDCHに対して道路中心線線分H
Iを求めているのと同じことになる。以上により街区形
状ベクトル削除工程が実現される。
【0106】上述の説明を補足すると、図21は図18
の場合の不必要な街区形状ベクトルの取り除き方を示す
図である。図21(a)で街区形状ベクトルABとCD
をそれぞれ延長し、その交点をLとする。そしてこの交
点を用いて街区形状ABCDEFGをANDEFGに変
更したのが図21(b)である。
【0107】上述した処理は、全て自動的に行われるも
のであり、このようにして街区形状を変更し、改めて道
路中心線を抽出した例が図22である。図中の太線が改
めて求められた道路中心線である。なお、道路中心線は
必要なところのみ示してある。この処理により、正しく
接続した道路中心線が得られたことがわかる。
【0108】ただし、このような不必要な三角形領域を
持つ街区形状ベクトルは、計算しないとその存在が分か
らない。また、三角形領域が連続する時は再帰的な変更
が必要である。そこで、変更した後に道路中心線の再計
算を有限回繰り返すことにより、最終的に正しい道路中
心線を得ることができる。
【0109】この際、変更になった街区形状ベクトルの
近傍の街区形状ベクトルのみについて道路中心線の再計
算を行うことにより、再計算処理を早くすることができ
る。
【0110】街区形状データに以上の変更を加え、後は
実施の形態1と同様の処理を行うことによって、道路ネ
ットワーク情報が生成できる。
【0111】図23は、この発明によって得られた道路
中心線をデジタル街区地図DBに重ね合わせた様子を示
す図である。以上のように説明した全ての処理をデジタ
ル街区地図DBに示す地図に対して適用し、道路中心線
を抽出すると、図23を得ることができ、デジタル地図
DBの道路部分にあてはまる正確な道路中心線を求める
ことができることが確認できる。この発明によって生成
される道路ネットワークデータは精度の高い地図を基に
しているために精度が優れており、また、道路幅情報も
正確に求められるため、有用性が高く、かつ、自動的に
生成されるためにコストの削減が可能である。
【0112】
【発明の効果】この発明の道路ネットワーク情報自動生
成手法は、デジタル地図データベースが包含する多角形
の街区形状に基づいて、各街区形状に対して、当該街区
形状を構成する多角形を上面とする錐体を生成する工程
と、街区形状に対応する各錐体の集合としての街区立体
を生成するために、相隣接する街区形状に対応する錐体
の側面同士の交線を求める工程と、交線を谷線とする谷
部が刻まれた街区立体を生成し、街区立体の谷線をデジ
タル地図データベースから求まる道路中心線として求め
る工程とから構成されるので、正確な道路中心線を自動
的に求めることが可能であり、また、立体の稜線を求め
ているので、街区形状の街区形状ベクトルが平行である
かどうかの推定を行う必要もなく、交差点位置などでの
複雑な処理も必要ないので、構成が簡単になっている。
【0113】また、上記デジタル地図データベースに包
含される街区形状を表す多角形を上面として生成した錐
体の側面と上面とのなす角が一定角度である錐体によっ
て構成される街区立体を生成することを特徴とするの
で、道路ネットワークデータの道路幅情報が不正確であ
っても、これを正確な情報にすることができる。
【0114】また、上記街区形状データを三次元空間の
xy平面上に配置し、この多角形を上面とする錐体の上
記側面がz軸方向の負の領域に存在するように上記街区
立体を生成することを特徴とするので、簡単に正確な道
路中心線を求めることができる。
【0115】この発明の道路ネットワーク情報自動生成
装置は、街区形状データを包含するデジタル地図データ
ベースを記憶する第一記憶装置と、街区形状を構成する
多角形を上面とする錐体を生成すると共に、相隣接する
街区形状に対応する錐体の側面同士の交線を求め、各錐
体を当該交線で接続して、交線を谷線とする谷部を有す
る街区立体を生成し、街区立体に刻まれた谷部の谷線
を、デジタル地図データベースから求まる道路中心線と
して抽出する道路中心線抽出部と、道路中心線を道路ネ
ットワークデータとして記憶する第二記憶装置とを備え
ることを特徴とするので、正確な道路中心線を自動的に
求めることが可能であり、また、立体の稜線を求めてい
るので、街区形状の街区形状ベクトルが平行であるかど
うかの推定を行う必要もなく、交差点位置などでの複雑
な処理も必要ないので、構成が簡単になっている。
【0116】また、上記道路中心線抽出部は、街区形状
データに基づいて、本来接続するはずの上記街区立体の
谷線が接続していない箇所について、谷線が接続するよ
うに上記街区形状データに形状変更処理を行い、修正街
区形状データを生成する街区形状データ修正手段をさら
に備えるので、正確に道路中心線を求めることができる
と共に、精度の高い道路ネットワーク情報を提供するこ
とができる。
【0117】また、上記道路中心線抽出部は、錐体の一
の側面に対して、一の側面に隣接する側面以外の全ての
側面と、一の側面との交線を道路中心線候補線分として
抽出する候補線分作成部と、候補線分作成部によって作
成された複数の道路中心線候補線分の中から、街区立体
の表面に現れる線分のみを選択すると共に、これらの線
分を接続して道路中心線を作成する線分加工部とを備え
ることを特徴とするので、正確に道路中心線を求めるこ
とができると共に、精度の高い道路ネットワーク情報を
提供することができる。
【0118】また、上記候補線分作成部は、二つの側面
からその交線を線分として求める際に、錐体の側面の形
状をxy平面上に投射してその投射領域を求め、二つの
側面の交線をxy平面上に投射し、二つの投射領域が共
通の領域を持ち、かつ、交線がこの共通領域を通るとき
は、交線の上記二つの領域内の線分を、側面上に投射し
て道路中心線候補線分とする交線座標変換工程を備える
ことを特徴とするので、正確に道路中心線を求めること
ができると共に、精度の高い道路ネットワーク情報を提
供することができる。
【0119】また、上記線分加工部は、錐体の側面に対
して得られた複数の道路中心線候補線分を、複数の道路
中心線候補線分の交点によって小区間線分に分割し、こ
れらの小区間線分と、小区間線分を含む側面に対応する
街区形状を構成する多角形の辺と、辺の両端にある多角
形の頂点における角の二等分線とによって囲まれる領域
の面積を最小とする小区間線分群を取り出す小区間線分
群抽出工程を行うことを特徴とするので、正確に道路中
心線を求めることができると共に、精度の高い道路ネッ
トワーク情報を提供することができる。
【0120】また、上記小区間線分群抽出工程におい
て、取り出された小区間線分群の各小区間線分の始点及
び終点のz軸方向の値を用いて道路幅データを求め、こ
の道路幅データを各小区間線分の付随情報として記憶す
る、という道路幅データ作成工程を備えることを特徴と
するので、正確に道路中心線を求めることができると共
に、精度の高い道路ネットワーク情報を提供することが
できる。
【0121】また、上記街区形状データ変更部におい
て、ある街区形状データ中の連続した二つの街区形状ベ
クトルのなす角度があるしきい値の範囲にあるとき、二
つの街区形状ベクトルのうちの一の街区形状ベクトルの
始点を固定したまま長さを縮めて終点の位置を変更する
と共に、他方の街区形状ベクトルの終点を固定したまま
長さを縮めて始点の位置を変更し、一の街区形状ベクト
ルの変更後の終点と、他の街区形状ベクトルの変更後の
始点との間に、新たな街区形状ベクトルを挿入する街区
形状ベクトル挿入工程をさらに備えることを特徴とする
ので、正確に道路中心線を求めることができると共に、
精度の高い道路ネットワーク情報を提供することができ
る。
【0122】さらに、上記街区形状データ変更部におい
て、いずれかの街区形状データ中のいずれかの街区形状
ベクトルの始点及び終点に接続する街区形状ベクトル
を、それぞれ延長してこれらの交点を求め、街区形状ベ
クトルの始点に接続する街区形状ベクトルの終点をその
交点の位置に変更すると共に、街区形状ベクトルの終点
に接続する街区形状ベクトルの始点をその交点の位置に
変更することにより、始点および終点が変更された街区
形状ベクトルを削除する街区形状ベクトル削除工程をさ
らに備えることを特徴とするので、正確に道路中心線を
求めることができると共に、精度の高い道路ネットワー
ク情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1において街区形状に
立体化処理を行う工程を概念的に示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における道路ネット
ワーク情報の自動生成手法を立体図形を用いて示す図で
ある。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る装置の機能を
概略的に示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態1における街区形状を
立体化処理する処理工程を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1において、道路中心
線候補線分を求める処理を概念的に示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態1において、道路中心
線候補線分を決定する処理を概念的に示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態1において、道路中心
線候補線分を決定する処理を概念的に示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態1において、道路中心
線候補線分を求める処理を概念的に示す図である。
【図9】複数の道路中心線候補線分から一本の道路中心
線を作成する方法を説明するための図である。
【図10】 この発明の実施の形態1に係る装置の機能
を概略的に示すブロック図である。
【図11】 この発明の実施の形態2における道路中心
線を求める処理を概念的に示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態2における街区形状
ベクトル挿入工程を概念的に示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態2における道路中心
線を求める処理を概念的に示す図である。
【図14】 街区形状から道路中心線を求めた例を示す
図である。
【図15】 この発明の実施の形態2における街区形状
ベクトル挿入工程を概念的に示す図である。
【図16】 街区形状から道路中心線を求めた例を示す
図である。
【図17】 この発明の実施の形態2における街区形状
ベクトル挿入工程を概念的に示す図である。
【図18】 街区形状から道路中心線を求めた例を示す
図である。
【図19】 図18に示す街区形状を立体的に示す図で
ある。
【図20】 図18に示す街区形状に対して立体化処理
を行う際の処理工程を概略的に示す図である。
【図21】 図18に示す街区形状に対して立体化処理
を行う際の処理工程を概略的に示す図である。
【図22】 図20に示す処理を行った後の街区形状を
示す概略図である。
【図23】 この発明によって得られた道路中心線をデ
ジタル街区地図DBに重ね合わせた様子を示す図であ
る。
【図24】 街区形状のみを示す住宅地図(縮尺250
0分の1)を示す図である。
【図25】 修正された街区形状から道路中心線を求め
た例を示す図である。
【図26】 図24の詳細地図DBと図25の道路ネッ
トワークデータとを座標変換して重ね合わせた地図を示
す図である。
【符号の説明】
61 第一記憶装置、62 道路中心線抽出部、63
ネットワークデータ作成部、64 第二記憶装置、71
街区形状データ変更部、621 交線作成部、622
交線加工部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上川 哲生 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル地図データベースが包含する多
    角形の街区形状に基づいて、各街区形状に対して、当該
    街区形状を構成する多角形を上面とする錐体を生成する
    工程と、 上記街区形状に対応する各錐体の集合としての街区立体
    を生成するために、相隣接する街区形状に対応する錐体
    の側面同士の交線を求める工程と、 上記交線を谷線とする谷部が刻まれた上記街区立体を生
    成し、当該街区立体の谷線を上記デジタル地図データベ
    ースから求まる道路中心線として求める工程とから構成
    される道路ネットワーク情報自動生成手法。
  2. 【請求項2】 上記デジタル地図データベースに包含さ
    れる街区形状を表す多角形を上面として生成した錐体の
    側面と上記上面とのなす角が一定角度である錐体によっ
    て構成される街区立体を生成することを特徴とする請求
    項1記載の道路ネットワーク情報自動生成手法。
  3. 【請求項3】 上記街区形状データを三次元空間のxy
    平面上に配置し、この多角形を上面とする錐体の上記側
    面がz軸方向の負の領域に存在するように上記街区立体
    を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の
    道路ネットワーク情報自動生成手法。
  4. 【請求項4】 街区形状データを包含するデジタル地図
    データベースを記憶する第一記憶装置と、 街区形状を構成する多角形を上面とする錐体を生成する
    と共に、相隣接する街区形状に対応する錐体の側面同士
    の交線を求め、上記各錐体を当該交線で接続して、当該
    交線を谷線とする谷部を有する街区立体を生成し、当該
    街区立体に刻まれた谷部の谷線を、上記デジタル地図デ
    ータベースから求まる道路中心線として抽出する道路中
    心線抽出部と、 上記道路中心線を道路ネットワークデータとして記憶す
    る第二記憶装置とを備えることを特徴とする道路ネット
    ワーク情報自動生成装置。
  5. 【請求項5】 上記道路中心線抽出部は、上記街区形状
    データに基づいて、本来接続するはずの上記街区立体の
    谷線が接続していない箇所について、当該谷線が接続す
    るように上記街区形状データに形状変更処理を行い、修
    正街区形状データを生成する街区形状データ修正手段を
    さらに備える請求項4に記載の道路ネットワーク情報自
    動生成装置。
  6. 【請求項6】 上記道路中心線抽出部は、 上記錐体の一の側面に対して、当該一の側面に隣接する
    側面以外の全ての側面と、上記一の側面との交線を道路
    中心線候補線分として抽出する候補線分作成部と、 上記候補線分作成部によって作成された複数の道路中心
    線候補線分の中から、 上記街区立体の表面に現れる線分のみを選択すると共
    に、これらの線分を接続して道路中心線を作成する線分
    加工部とを備えることを特徴とする請求項4または5に
    記載の道路ネットワーク情報自動生成装置。
  7. 【請求項7】 上記候補線分作成部は、二つの側面から
    その交線を線分として求める際に、上記錐体の側面の形
    状をxy平面上に投射してその投射領域を求め、二つの
    側面の交線をxy平面上に投射し、二つの投射領域が共
    通の領域を持ち、かつ、当該交線がこの共通領域を通る
    ときは、当該交線の上記二つの領域内の線分を、側面上
    に投射して道路中心線候補線分とする交線座標変換工程
    を備えることを特徴とする請求項6に記載の道路ネット
    ワーク情報自動生成装置。
  8. 【請求項8】 上記線分加工部は、上記錐体の側面に対
    して得られた複数の道路中心線候補線分を、当該複数の
    道路中心線候補線分の交点によって小区間線分に分割
    し、これらの小区間線分と、当該小区間線分を含む側面
    に対応する上記街区形状を構成する多角形の辺と、当該
    辺の両端にある上記多角形の頂点における角の二等分線
    とによって囲まれる領域の面積を最小とする小区間線分
    群を取り出す小区間線分群抽出工程行うことを特徴とす
    る請求項4ないし5記載の道路ネットワーク情報自動生
    成装置。
  9. 【請求項9】 上記小区間線分群抽出工程において、取
    り出された小区間線分群の各小区間線分の始点及び終点
    のz軸方向の値を用いて道路幅データを求め、この道路
    幅データを各小区間線分の付随情報として記憶する、と
    いう道路幅データ作成工程を備えることを特徴とする請
    求項8に記載の道路ネットワーク情報自動生成装置。
  10. 【請求項10】 上記街区形状データ変更部において、
    ある街区形状データ中の連続した二つの街区形状ベクト
    ルのなす角度があるしきい値の範囲にあるとき、二つの
    街区形状ベクトルのうちの一の街区形状ベクトルの始点
    を固定したまま長さを縮めて当該終点の位置を変更する
    と共に、他方の街区形状ベクトルの終点を固定したまま
    長さを縮めて当該始点の位置を変更し、一の街区形状ベ
    クトルの変更後の終点と、他の街区形状ベクトルの変更
    後の始点との間に、新たな街区形状ベクトルを挿入する
    街区形状ベクトル挿入工程をさらに備えることを特徴と
    する請求項5に記載の道路ネットワーク情報自動生成装
    置。
  11. 【請求項11】 上記街区形状データ変更部において、
    いずれかの街区形状データ中のいずれかの街区形状ベク
    トルの始点及び終点に接続する街区形状ベクトルを、そ
    れぞれ延長してこれらの交点を求め、当該街区形状ベク
    トルの始点に接続する街区形状ベクトルの終点をその交
    点の位置に変更すると共に、当該街区形状ベクトルの終
    点に接続する街区形状ベクトルの始点をその交点の位置
    に変更することにより、当該始点および終点が変更され
    た街区形状ベクトルを削除する街区形状ベクトル削除工
    程をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の道
    路ネットワーク情報自動生成装置。
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