JPH11256560A - 土壌断面撮影装置とその方法 - Google Patents

土壌断面撮影装置とその方法

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JPH11256560A
JPH11256560A JP10084990A JP8499098A JPH11256560A JP H11256560 A JPH11256560 A JP H11256560A JP 10084990 A JP10084990 A JP 10084990A JP 8499098 A JP8499098 A JP 8499098A JP H11256560 A JPH11256560 A JP H11256560A
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JP
Japan
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soil
probe
transparent window
section
photographing
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JP10084990A
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English (en)
Inventor
Shunichi Kiwada
俊一 亀和田
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REAKKUSU KK
Original Assignee
REAKKUSU KK
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Publication date
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌地盤を乱すことなく断面画像を直接観察
する。 【解決手段】 計測器を内蔵した胴部(1)と、該胴部
の下端に設けた断面くさび状先端部(2)とからなる本
体を有し、さらに該胴部の上端に該本体を地中に貫入す
る接続ロッドを取付けた地中貫入式プローブにおいて、
胴部及び断面くさび状先端部をその軸線に沿った平面で
切断した本体形状であって、胴部平面の一部に透明窓
(4)を設け、該透明窓を通して地中断面画像を撮影す
る計測器(7)を設けたことを特徴とする土壌断面撮影
プローブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は地中の土壌断面を直
接撮影する装置とその方法に関し、特にボーリング削孔
せずに直接土壌地質の構造を観察記録できるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在、地中の土質構造を観察するために
使用されているのは、ボーリングによって土質試料を採
取し、これを肉眼で観察記録する方法である。しかしな
がら、ボーリングで採取した試料は、コアチューブの回
転で乱されていたり、あるいは試料の外周部が掘削ビッ
トによって乱され、本来の構造が判定できない場合が多
い。このため、ナイフで試料を削ったりしなければなら
ないなど、現場での観察はやっかいな作業になってい
る。
【0003】岩盤内部を観察する方法は、ボーリング孔
内に挿入するボアホールカメラやボアホールスキャナー
などがあるが、いずれも孔壁が自立していることが必要
で、孔壁が不安定な土のボーリング孔では使用は制限さ
れる。さらに土質ボーリングでは、掘削の際に泥水を使
用することが多く、光学的な観察装置では孔壁の土質構
造は観察できない。またたとえ清水を使用する場合で
も、掘削の際に土に含まれる粘土分が溶け出すので、水
が汚濁され観察は困難である。
【0004】また地中に直接円錐体を貫入させ、さまざ
まな土質工学的情報を取得する手法も用いられている。
このような手法のもっとも代表的なものとしてはコーン
ペネトロメータがあるが、近年ではこの先端部にさまざ
まなセンサを取付け、同時に各種の情報を集めることが
できるようになっている。しかしながら、土質構造を直
接画像化できるシステムは現在では存在しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題点に対処するため、撮影装置を直接土質地盤中に貫
入し、このとき形成される地中断面を直接TVカメラ等
で撮影することを目的とするものである。
【0006】上記の土質構造を画像化する場合、以下の
点が問題になる。 (1)土は固化していないので崩壊しやすく、また圧力
を受けると変形して元の構造から変化してしまう。この
ため、画像撮影部を押し込む際に、撮影部分の土をでき
るだけ原位置に近い状態で観察する必要がある。このた
め圧密変形を受けた土を観察前に整形する必要がある。 (2)土には粘土分が含まれるため、観察部分と接触す
ると粘土分が窓に付着し観察ができなくなる。逆に、土
と窓の間に空間があると間隙水がしみ込み、これに粘土
分が溶け出して汚濁水になり観察を妨げる。 (3)押し込み式のプローブの場合、できるだけ口径が
小さいほど押し込み抵抗が小さいので有利である。この
場合、画像の撮影範囲も小さくなるので、テレビ画像の
ようなフレーム画像では局部は観察できるが、全体の構
造は把握しにくい。このため、ラインスキャン方式など
により、土の構造を連続画像として観察することが不可
欠になる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこれに鑑み検討
の結果、上記目的を達することのできる土壌断面画像撮
影装置とその方法を開発したものである。
【0008】即ち本発明の土壌断面撮影プローブは、計
測器を内蔵した胴部と、該胴部の下端に設けた断面くさ
び状先端部とからなる本体を有し、さらに該胴部の上端
に該本体を地中に貫入する接続ロッドを取付けた地中貫
入式プローブにおいて、胴部及び断面くさび状先端部を
その軸線に沿った平面で切断した本体形状であって、胴
部平面の一部に透明窓を設け、該透明窓を通して地中断
面を撮影する計測器を設けたことを特徴とするものであ
る。そしてこの際、胴部を円筒状もしくは角筒状とし、
断面くさび状先端部を円錐状もしくは角錐状としたり、
軸線に沿った平面の、透明窓下方に下向きの土壌整形刃
を設け、さらに透明窓上方に土壌整形プロテクターを設
けて透明窓前面に観察空間を形成するのは有効である。
さらに地上に透明粘性流体の貯蔵タンクを設け、プロー
ブの透明窓と土壌整形刃との間であって観察空間に開口
した該透明粘性流体の送出口を設けて、該貯蔵タンクと
該送出口との間をパイプで連結するのも効果がある。
【0009】また本発明の土壌断面撮影装置は、上記の
土壌断面撮影プローブと、接続ロッド上端に連結した地
上の該プローブの地中押し込み用の油圧ジャッキもしく
は振動ハンマーと、地上に設けた該プローブの移動深度
測定ユニット、地中断面画像TVモニタ、地中断面画像
処理ユニット及び地中断面画像記録ユニットとを有する
ことを特徴とするものである。
【0010】さらに本発明の土壌断面撮影方法は、撮影
装置を内蔵した胴部と該胴部の下端に設けた断面くさび
状先端部とをその軸線に沿った平面で切断した本体形状
を有し、且つ胴部平面の一部に透明窓を有するプローブ
を地中へ貫入しながら透明窓を通して地中断面を撮影す
ることを特徴とするものであり、このときプローブ貫入
時に胴部平面の透明窓前面の土壌を削ることにより、該
透明窓前面に観察空間を設けたり、さらに観察空間を常
時透明粘性流体で充満させてプローブを貫入するのは効
果がある。
【0011】本発明の地中に貫入する土壌断面撮影プロ
ーブは、例えば円筒形の胴部と円錐状の断面くさび状先
端部を、円筒軸に平行な平面で切り取った形状をなして
いる。そしてこの内部に画像撮影ユニットを収納するも
のとし、内部は水密に保たれる。またこの切り取られた
平面部分に水密に取付けた透明窓を取付ける。従ってこ
のようなプローブ先端部の形状は円錐形もしくは角錐形
の一部が軸に沿って切り取られているので軸に対して非
対称な形状である。
【0012】また該プローブの内部に収納される画像撮
影ユニットは、テレビカメラ(ラインカメラ含む)又は
ラインセンサ、直角プリズム又はハーフミラー、照明ラ
ンプ、電源装置、画像送信装置などで構成される。土壌
断面撮影プローブの形状から、例えばTVカメラの場
合、円筒軸に平行に取付けざるを得ないので、直角プリ
ズム又はハーフミラーによって光軸を直角に曲げ、孔壁
を撮影する。ハーフミラーを使用した場合、この背面に
照明ランプを取付けることができる。さらに土壌断面撮
影プローブの上端部は接続ロッドを接続するため、通常
ネジ加工されている。また土壌断面撮影プローブの透明
窓の下部に、土壌断面を整形しかつ透明窓の前面に空間
を形成するように、透明窓より突出して土壌整形刃を設
けてもよい。
【0013】上記のように構成された土壌断面撮影プロ
ーブに接続ロッドを接続し、この上部にロッドヘッドを
取付ける。さらにこの上部に押し込みジャッキを取付
け、適当な反力をとって地中に静的に押し込む。同様
に、押し込みジャッキの代わりに振動ハンマーを使用
し、重りを併用して振動と荷重によって地中に押し込ん
でもよい。この場合、押し込み深度は地上に別途用意し
た距離測定ユニットで測定する。これは、ロッドの周面
にロッドの移動に応じて回転する車輪を設け、この回転
量をエンコーダで電気信号に置き換えたり、ロッドヘッ
ドに糸を取付けこの送出量を、該糸を係合した滑車の回
転量を検出するエンコーダで電気信号に置き換えること
により計測するものである。
【0014】地上には別途、画像処理ユニット、TVモ
ニタ、画像記録ユニットを設け、土壌断面撮影プローブ
と電力信号ケーブルで接続する。土壌断面撮影プローブ
で撮影された画像は、画像処理ユニットに送られ連続画
像としてTVモニタに表示され、さらに画像記録ユニッ
トで記録される。土壌断面撮影プローブ内部にTVカメ
ラが内蔵されている場合には、画像をTVモニタで確認
できる。この場合、距離測定ユニットで計測した深度を
文字テロッパを使用して、画像上に表示することができ
る。またTVカメラ画像をフレームメモリに取り込み、
距離測定ユニットからの信号をトリガー信号として水平
にスキャンし、連続的に並べれば、連続したデジタル土
壌断面撮影として、TVモニタに表示したり画像記録ユ
ニットに記録したりできる。この場合、画像記録ユニッ
トとして、光磁気ディスクドライバーや、磁気テープユ
ニットなどが利用できる。また土壌断面撮影プローブ内
部にラインカメラまたはラインセンサが内蔵されている
場合には、画像信号を距離測定ユニットからの信号をト
リガー信号として逐次取り込み、連続的に並べれば、連
続したデジタル土壌断面画像として、TVモニタに表示
したり画像記録ユニットに記録したりできる。この場
合、距離測定ユニットで計測した深度データを画像ライ
ンとともに記録すれば、画像表示のさいに標尺として表
示したり、デジタルナンバーとして表示することができ
る。この場合も、画像記録ユニットとして、光磁気ディ
スクドライバーや、磁気テープユニットなどが利用でき
る。
【0015】上記の土壌断面撮影プローブの透明窓の下
部に透明粘性流体として、例えばポリマー溶液送出口を
設け、接続ロッド内及びロッドヘッド内と連結した空間
をなすようにする。さらに地上にポリマー溶液タンクを
設け、ロッドヘッド部とパイプで接続する。このように
構成したポリマー溶液タンクにポリマー溶液を満たす
と、ポリマー溶液は重力によって土壌断面撮影プローブ
に達し、ポリマー溶液送出口から、透明窓の前面の土壌
整形刃によって形成された観察空間に流出する。この状
態で上記のようにジャッキ又は振動ハンマーで土壌断面
撮影プローブを地中に押し込むと、地下水中でも粘土分
の溶け出しを抑えて土壌断面の観察を行うことができ
る。
【0016】次に本発明においてプローブの先端を上記
のような形状とした理由について図10により以下説明
する。土壌貫入プローブ(44)の先端部の形状が、軸
に対して回転対称な円錐形状である場合は、このプロー
ブ(44a)を貫入させると図10(a)のように先端
コーン(45a)により土は該コーンの全周にわたって
下向側方に加圧される。従って貫入するコーン(45
a)の周囲は全方向に土の圧密が発生するために土の構
造が破壊されてしまう。
【0017】これに対して図10(b)に示すような本
発明のプローブ形状の場合は、円錐もしくは角錐状先端
部から胴部にかけて一部を平面で切断した形状となって
おり、切断する前の形状の軸線に対して非対称である。
このためこのプローブ(44b)を地中に貫入させると
断面くさび状先端部(2)の元の形状部分の周囲の前方
の土は図(10a)と同様に圧密されて土の構造破壊が
発生する。しかしながら該くさび状先端部(2)の平面
部(46)側は土の圧密が小さいので、この周囲前方は
土の構造の破壊が小さく土の構造は原形のまま保存さ
れ、土壌断面撮影プローブの降下とともに、透明窓の前
面を通って見掛け上、上に移動していく。このとき透明
窓の内側に設けたTVカメラあるいはラインカメラ、ラ
インセンサなどの画像装置によって逐次画像の取り込み
を行い、土質構造を観察記録することができる。同様の
作用は胴部形状を角柱状とし、くさび状先端部を角錐状
にした場合でも期待できる。このとき透明窓の下方に土
の整形刃(5)を設けておけば、さらに圧密の小さい部
分をも削除してより原地盤に近い構造を観察することが
できる。
【0018】また胴部平面の透明密の下端に透明粘性流
体の送出口を受けたことにより、図11に示すように該
プローブの貫入時に該粘性流体が、透明窓の前面の土壌
整形刃(5)によって形成された空間に流出する。該粘
性流体(47)は汚濁水(48)とは混じり合わないの
で、孔壁と透明窓(4)の間に透明状態が保たれる。こ
の作用により孔壁の土からの粘土分の溶け出しも抑えら
れ、土の構造の観察が可能になる。このとき該粘性流体
の貯蔵タンクは地上に設けられるので、地下水水頭より
常に圧力を高くでき、押し出された粘性流体により孔壁
を常に押し付ける圧力が発生する。この作用により孔壁
の崩壊が抑えられ、常に原位置状態が保たれることにな
る。なお粘性流体に機械的に圧力を加えることも可能で
ある。この状態で上記のようにジャッキ又は振動ハンマ
ーで土壌断面撮影プローブを地中に押し込むと、地下水
中でも粘土分の溶け出しを抑えて画像観察を行うことが
できる。
【0019】
【実施例】本発明による土壌断面撮影プローブは、例え
ば図1に示すような断面形状をなしている。即ち円筒状
の胴部(1)と先端が円錐状に尖った断面くさび状先端
部(2)をこの軸線に沿った平面で切断した本体形状で
あり、該本体の上端には接続ロッドとの接続ネジ(3)
が設けられている。この平面部には矩形の透明窓として
直接45度に傾いたハーフミラー(4)を備え、またそ
の下方には土壌整形刃(5)を設け、さらにその上方に
は土壌整形プロテクター(6)を取付けた。なお図中
(10)は制御基板、(11)はカメラレンズ、(1
2)は電力信号ケーブルである。
【0020】この土壌断面撮影プローブの内部は水密に
作られ、画像撮影ユニット(7)として、テレビカメラ
(ラインカメラ含む)(8)、照明ランプ(9)、電源
装置、画像送信装置などが内蔵されている。テレビカメ
ラは土壌断面撮影プローブの軸に平行に取付けられてお
り、土壌整形刃(5)で整形された土壌の断面は45度
に傾いたハーフミラー(4)により、上方のTVカメラ
(8)で撮影される。またハーフミラーの背面には照明
ランプ(9)が設けられており、ハーフミラーを通して
土壌断面を照明する。また土壌断面撮影プローブの他の
例としては、図2に示すようにラインセンサ(13)と
ロッドレンズ(15)を用いて作成することもできる。
【0021】さらに図3(a)〜(c)に示すように、
透明窓部分を拡大するかあるいは別途切り欠きを設け、
透明粘性流体であるポリマー溶液の送出口(16)と
し、土壌断面撮影プローブ外殻と内部の画像撮影ユニッ
トとの間にポリマー溶液の通路(17)を設け、土壌断
面撮影プローブの上端を中空として、例えば中空の接続
ロッドを通してポリマー溶液を送り、ポリマー溶液送出
口(16)から押し出して透明窓の全面を覆うようにす
れば、汚濁水内部でも土壌断面を撮影可能な土壌断面撮
影プローブとなる。図中(18)はステーを示す。なお
透明粘性流体としては上記透明樹脂の他粘性のある油な
どでもよい。
【0022】また土壌断面撮影プローブが形状的に胴部
の横断面を大きくとれない等の問題により、画像撮影ユ
ニット及び内部のTVカメラを同軸上に取付ける必要が
ある場合には、図4に示すように画像撮影ユニット
(7)を水密な円筒形状とし、この最下端に円筒状の透
明窓(19)を取付け、この内部にTVカメラ(8)と
ハーフミラー(4)を一体に取付けたものを同軸上に収
め、ハーフミラー(4)の背面に照明ランプ(9)を設
ける。このように作成した画像撮影ユニットを土壌断面
撮影プローブ内部に収め、両者の間にポリマー溶液の通
路(17)を設け、透明窓(19)の上部にはポリマー
溶液ストッパーを兼用した土壌整形プロテクター(2
0)を設ける。図中(21)は孔開き取付リングを示
す。
【0023】以上のように作製した土壌断面撮影プロー
ブ(22)を使用するときは、図5に示すようにこの上
部に接続中空ロッド(25)、ロッドヘッド(26)を
一体に取付け、さらにこの上部に地中押し込み用の油圧
ジャッキ(27)を設ける。また地上に接続ロッドの移
動距離を測定するための距離測定ユニット(28)を設
け、画像処理ユニット(29)、画像TVモニタ(3
0)、画像記録ユニット(31)を設けてこれらと土壌
断面撮影プローブ(22)とを電力信号ケーブル(3
2)で接続する。また地上にポリマー溶液タンク(3
5)を設け、ロッドヘッド(26)とパイプ(36)で
接続する。なお図中(37)は固定支柱、(38)はポ
リマー溶液、(39)はコック、(40)は地表を示
す。
【0024】また図6に示すように、油圧ジャッキのか
わりに重り(41)と振動ハンマー(42)を用いても
同様の効果を得ることができる。なお図中(43)はク
レーン付トラックを示す。
【0025】上記のように構成された土壌断面撮影装置
を用い、地中に土壌断面撮影プローブを押し込みながら
連続的な土壌断面画像の観察を行う場合、土壌断面撮影
プローブの内部にTVカメラを内蔵している場合には、
図7に示すような方法で画像を観察することができる。
このうち図7の左側に示される方法は、土壌断面撮影プ
ローブ内部のTVカメラによって撮影された画像に、深
度記録ユニットで計測された深度情報をテロッパーによ
って合成表示するものである。また図7の右側に示され
る方法は、土壌断面撮影プローブ内部のTVカメラによ
って撮影された画像をデジタル化し、これを深度記録ユ
ニットから土壌断面撮影プローブの一定距離移動毎に送
信される電気信号をトリガー信号として水平にスキャン
し、これを次々と繰り返して連続土壌断面画像を作成
し、これをTVモニタに表示するとともに、フロッピー
ディスク、光磁気ディスクなどのデジタル媒体にデジタ
ル記録するものである。
【0026】同様に土壌断面撮影プローブの内部にTV
カメラを内蔵している場合、振動ハンマーを使ってプロ
ーブを押し込むと、間欠的にプローブが貫入していくた
め、画像がモザイク状になる懸念がある。この場合、図
9に示すように振動ハンマーによる1回の打撃貫入が終
わった後、振動ハンマーによるプローブの押し込み距離
を深度測定で計測し、これによってTV画像の取り込み
幅を決定し、さらにプローブの貫入停止をセンサで確認
し、この後、指定された幅のTV画像を取り込み、画像
表示及び画像記録を行った後、振動ハンマーによるプロ
ーブの押し込みを繰り返せば、連続的な画像を観察記録
することができる。
【0027】また土壌断面撮影プローブの内部にライン
カメラ又はラインセンサを内蔵している場合には、図8
に示すように土壌断面撮影プローブから送信される画像
信号を、深度記録ユニットから土壌断面撮影プローブの
一定距離移動毎に送信される電気信号をトリガー信号と
して1ラインの画像として取り込み、これを次々と繰り
返して連続土壌断面画像を作成し、これをTVモニタに
表示するとともに、フロッピーディスク、光磁気ディス
クなどのデジタル媒体にデジタル記録するものである。
【0028】
【発明の効果】このように本発明の土壌断面撮影プロー
ブによれば、土壌断面の構造をより原位置状態、即ちよ
り乱れのない状態で深度方向に連続的な画像として観察
記録することができる。この場合、旧来のボーリングな
どの手法に比べると、簡便且つ迅速な作業が可能であ
り、多くの地点で土質観察を行う場合にきわめて効率的
である。また土のサンプリングを行わないので、地中に
汚染物質が存在する場合でも、地表や作業員への影響を
最小限にとどめることができる。
【0029】さらに透明粘性流体の送出機構をもつ土壌
断面撮影プローブを使用した場合、該粘性流体は汚濁水
と容易に混じり合わないので、孔壁と透明窓の間に透明
状態が保たれる。この作用により削った土壌断面からの
粘土分の溶け出しが抑えられ、該断面の観察が可能にな
る。さらに該粘性流体貯蔵タンクを地上に設けて地下水
頭より常に高い圧力を加える構造にすれば、別に加圧装
置等を用いなくても自然に汚濁水を抑え、さらに土壌断
面を常に押し付ける圧力が発生する。この作用により孔
壁の崩壊が抑えられ、常に原位置状態が保たれることに
なる。
【0030】以上の通り、本発明によれば地中を掘削せ
ずに画像記録ができるので、従来ボーリング調査を行っ
ていた分野では、すべて本発明を利用して作業を合理
化、効率化することができる。たとえば土質調査におい
てはボーリングを行って土や地質の試料を採取するが、
本発明による土壌断面撮影装置を使用すれば、このよう
な作業を省いて直接地下の土質地質構造を画像記録する
ことができる。なお従来からボーリング調査に代わっ
て、コーンペネトロメータなど直接の貫入試験装置が用
いられる場合もあるが、本発明をこの代わりに使用すれ
ば貫入抵抗値とともに、同時に対象土層の構造や土の種
類などを画像処理で記録することができる。この場合、
さらに土壌の比抵抗値、pH、間隙水圧などのセンサを
併用すると調査効率を飛躍的に向上させることができ
る。従って例えば農業分野では圃場の土層断面を、道路
分野では路床の構造を簡単に調べることができる。さら
に土壌汚染調査においては、土の詳細な構造や汚染物質
の分布を探ることが必要であるが、このような調査は本
発明を利用することで簡便に行うことができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明プローブのTVカメラを内蔵した例を示
す縦断面図である。
【図2】本発明プローブのラインセンサを内蔵した例を
示す縦断面図である。
【図3】本発明プローブのラインセンサを内蔵し、且つ
透明粘性流体送出機構をもった例を示すもので、(a)
は側方の縦断面図、(b)は正面方向からの縦断面図、
(c)は正面図である。
【図4】本発明プローブのTVカメラを内蔵し、且つ透
明粘性流体送出機構をもった例を示す縦断面図である。
【図5】本発明撮影装置の、プローブ貫入用油圧ジャッ
キと地上に粘性流体貯蔵タンクを備えた例を示す説明図
である。
【図6】本発明撮影装置の、プローブ貫入用振動ハンマ
ーと地上に透明粘性流体貯蔵タンクを備えた例を示す説
明図である。
【図7】TVカメラを内蔵した土壌断面撮影プローブを
使用した場合の画像データ処理方法を示す説明図であ
る。
【図8】ラインカメラ又はラインセンサを内蔵した土壌
断面撮影プローブを使用した場合の画像データ処理方法
を示す説明図である。
【図9】TVカメラを内蔵した土壌断面撮影プローブを
振動ハンマーを使用して押し込む場合の画像データ処理
方法を示す説明図である。
【図10】土壌貫入プローブの形状による土壌への影響
を説明するもので、(a)は従来例の説明図、(b)
(c)はともに本発明の説明図である。
【図11】透明粘性流体の送出部分を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 胴部 2 断面くさび状先端部 3 接続ネジ 4 透明窓(ハーフミラー) 5 土壌整形刃 6 土壌整形プロテクター 7 画像撮影ユニット 8 テレビカメラ 9 照明ランプ 10 制御基板 11 カメラレンズ 12 電力信号ケーブル 13 ラインセンサ 15 ロッドレンズ 16 ポリマー溶液送出口 17 通路 18 ステー 19 透明窓 20 ポリマー溶液ストッパー兼用土壌整形プロテクタ
ー 21 孔開き取付けリング 22 土壌断面撮影プローブ 25 接続中空ロッド 26 ロッドヘッド 27 油圧ジャッキ 28 距離測定ユニット 29 画像処理ユニット 30 画像TVモニタ 31 画像記録ユニット 32 電力信号ケーブル 35 ポリマー溶液タンク 36 パイプ 37 固定支柱 38 ポリマー溶液 39 コック 40 地表 41 重り 42 振動ハンマー 43 クレーン付トラック 44 土壌貫入プローブ 45 先端コーン 46 平面部 47 透明粘性流体 48 土粒子及び汚濁水

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計測器を内蔵した胴部と、該胴部の下端
    に設けた断面くさび状先端部とからなる本体を有し、さ
    らに該胴部の上端に該本体を地中に貫入する接続ロッド
    を取付けた地中貫入式プローブにおいて、胴部及び断面
    くさび状先端部をその軸線に沿った平面で切断した本体
    形状であって、胴部平面の一部に透明窓を設け、該透明
    窓を通して地中断面を撮影する計測器を設けたことを特
    徴とする土壌断面撮影プローブ。
  2. 【請求項2】 胴部を円筒状もしくは角筒状とし、断面
    くさび状先端部を円錐状もしくは角錐状とした請求項1
    記載の土壌断面撮影プローブ。
  3. 【請求項3】 軸線に沿った平面の、透明窓下方に下向
    きの土壌整形刃を設け、さらに透明窓上方に土壌整形プ
    ロテクターを設けて透明窓前面に観察空間を形成した請
    求項1又は2に記載の土壌断面撮影プローブ。
  4. 【請求項4】 地上に透明粘性流体の貯蔵タンクを設
    け、プローブの透明窓と土壌整形刃との間であって観察
    空間に開口した該透明粘性流体の送出口を設けて、該貯
    蔵タンクと該送出口との間をパイプで連結した請求項3
    記載の土壌断面撮影プローブ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の土壌断
    面撮影プローブと、接続ロッド上端に連結した地上の該
    プローブの地中押し込み用の油圧ジャッキもしくは振動
    ハンマーと、地上に設けた該プローブの移動深度測定ユ
    ニット、地中断面画像TVモニタ、地中断面画像処理ユ
    ニット及び地中断面画像記録ユニットとを有することを
    特徴とする土壌断面撮影装置。
  6. 【請求項6】 撮影装置を内蔵した胴部と該胴部の下端
    に設けた断面くさび状先端部とをその軸線に沿った平面
    で切断した本体形状を有し、且つ胴部平面の一部に透明
    窓を有するプローブを地中へ貫入しながら透明窓を通し
    て地中断面を撮影することを特徴とする土壌断面画像撮
    影方法。
  7. 【請求項7】 プローブ貫入時に胴部平面の透明窓前面
    の土壌を削ることにより、該透明窓前面に観察空間を設
    ける請求項6記載の土壌断面画像撮影方法。
  8. 【請求項8】 観察空間を常時透明粘性流体で充満させ
    てプローブを貫入する請求項7記載の土壌断面画像撮影
    方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009102892A (ja) * 2007-10-24 2009-05-14 Maeda Corp 地盤改良体の有効径確認方法
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JP2016061079A (ja) * 2014-09-18 2016-04-25 東洋建設株式会社 ドレーン工法及びドレーン工法の管理システム
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