JPH11255756A - 4−(置換アミノカルボニル)オキサゾール誘導体及び抗癌剤 - Google Patents

4−(置換アミノカルボニル)オキサゾール誘導体及び抗癌剤

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JPH11255756A
JPH11255756A JP6339998A JP6339998A JPH11255756A JP H11255756 A JPH11255756 A JP H11255756A JP 6339998 A JP6339998 A JP 6339998A JP 6339998 A JP6339998 A JP 6339998A JP H11255756 A JPH11255756 A JP H11255756A
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JP
Japan
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group
substituted aminocarbonyl
oxazole derivative
anticancer drug
lower alkyl
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Application number
JP6339998A
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English (en)
Inventor
Daisuke Kamimura
大輔 上村
Tomoko Tsuji
智子 辻
Koji Yamaguchi
宏二 山口
Kiyotake Suenaga
聖武 末永
Gi Ou
曦 王
Kaoru Yamada
薫 山田
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Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な構造を有する4−(置換アミノカルボ
ニル)オキサゾール誘導体及び抗癌剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式 【化1】 (式中、R1、R2は独立に低級アルキル基を表す。R3
は水素原子、低級アルキル基、水酸基、または低級アル
コキシ基を表す。R4、R5は独立に、水素原子を表す
か、またはそのいずれか一方が水酸基を表すか、あるい
は両者がその結合している炭素原子と一体となってカル
ボニル基を形成する。R6 は、水酸基、低級アルコキシ
基、アミノ基または低級アルキルアミノ基を表す。)で
表される4−(置換アミノカルボニル)オキサゾール誘
導体及び4−(置換アミノカルボニル)オキサゾール誘
導体を有効成分とする抗癌剤。 【効果】 4−(置換アミノカルボニル)オキサゾール
誘導体は白血病細胞等の癌細胞の増殖阻害活性を持ち、
例えば、抗癌剤等の医薬としての用途を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は癌細胞の増殖阻害活
性を持つ4−(置換アミノカルボニル)オキサゾール誘
導体及びそれを有効成分とする抗癌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】天然物質由来の抗癌剤はアドリアマイシ
ン、マイトマイシン等、数多く知られているが、必ずし
も満足の行かない治療成績や重篤な副作用等の点で問題
が残っており、医療の場では常により有効で、より副作
用の少ない薬剤が求められている。
【0003】4−(置換アミノカルボニル)オキサゾー
ル誘導体としては例えば、既に抗菌作用を示す物質とし
て報告された下記式
【0004】
【化3】
【0005】で表されるオストレオグリシンA及びG
(Kingston, D. G. I. et al., J. Chem. Soc. (C), 16
69 and 1856, 1966)が知られているが、これらはオキ
サゾール環の5位が置換されておらず、この位置にアル
キル基を有する4−(置換アミノカルボニル)オキサゾ
ール誘導体は未だ報告されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、癌細
胞の増殖阻害活性を持ち、抗癌剤としての用途が期待さ
れる物質を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは微生物の培
養液に含まれる成分を検索した結果、下記一般式(1)
で表される4−(置換アミノカルボニル)オキサゾール
誘導体が、マウスリンパ性白血病細胞P388に対して
増殖阻害活性を有することを見出し、本発明を完成し
た。
【0008】すなわち、本発明は一般式(1)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1、R2は独立に低級アルキル基
を表す。R3は水素原子、低級アルキル基、水酸基、ま
たは低級アルコキシ基を表す。R4、R5は独立に、水素
原子を表すか、またはそのいずれか一方が水酸基を表す
か、あるいは両者がその結合している炭素原子と一体と
なってカルボニル基を形成する。R6 は、水酸基、低級
アルコキシ基、アミノ基または低級アルキルアミノ基を
表す。)で表される4−(置換アミノカルボニル)オキ
サゾール誘導体及び下記一般式(1)
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1、R2は独立に低級アルキル基
を表す。R3は水素原子、低級アルキル基、水酸基、ま
たは低級アルコキシ基を表す。R4、R5は独立に、水素
原子を表すか、またはそのいずれか一方が水酸基を表す
か、あるいは両者がその結合している炭素原子と一体と
なってカルボニル基を形成する。R6 は、水酸基、低級
アルコキシ基、アミノ基または低級アルキルアミノ基を
表す。)で表される4−(置換アミノカルボニル)オキ
サゾール誘導体を有効成分とする抗癌剤を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)中の低級アルキ
ル基とは、炭素数1から6の直鎖状、分枝状もしくは環
状のアルキル基を意味し、その具体例としてメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、シクロプロピル基、シクロペンチル基等を挙げるこ
とができる。また、低級アルコキシ基とは、炭素数1か
ら6の直鎖状、分枝状もしくは環状のアルコキシ基を意
味し、その具体例としてメトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロプ
ロピルオキシ基、シクロペンチルオキシ基等を挙げるこ
とができる。低級アルキルアミノ基とは、水素原子の1
つ又は両方が低級アルキル基に置換されたアミノ基を意
味し、その具体例としてN−メチルアミノ基、N−エチ
ルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピル
アミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチ
ルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N,N
−ジプロピルアミノ基等を挙げることができる。
【0014】本発明の上記一般式(1)で表される4−
(置換アミノカルボニル)オキサゾール誘導体は、下記
の微生物の培養あるいは化学変換によって製造すること
ができる。
【0015】本発明において使用する微生物は、上記の
4−(置換アミノカルボニル)オキサゾール誘導体を生
産するものであって、このような微生物は自然界から新
たに分離することができる。
【0016】上記4−(置換アミノカルボニル)オキサ
ゾール誘導体生産能力を持つ微生物として本発明者らが
新たに分離したSCRC−ZF5を挙げることができ
る。このSCRCーZF5は、工業技術院生命工学工業
技術研究所にFERM P−16657として寄託され
ている。
【0017】なお、本菌に変異を生じさせて一層生産性
の高い菌株を得ることもできる。また、本菌株の細胞中
に存在する4−(置換アミノカルボニル)オキサゾール
誘導体の生産に関与する遺伝子を切り出し、これを適切
なベクター例えばプラスミドに挿入し、このベクターを
用いて適当な宿主、例えば大腸菌(Escherichia coli)
や酵母のごとき異種宿主を形質転換することにより、本
発明の4−(置換アミノカルボニル)オキサゾール誘導
体生産菌を人為的に創製することもできる。
【0018】本発明において使用される菌株は、常法に
従って保存することができ、例えば寒天スラント上で、
または凍結乾燥法により保存することができる。寒天ス
ラント培地としてはSCRC−ZF5の保存に常用され
ている培地を使用することができる。また凍結乾燥も常
法に従って行うことができる。
【0019】前記微生物を培養して4−(置換アミノカ
ルボニル)オキサゾール誘導体を製造しようとする場
合、基礎栄養培地として、この発明の微生物が増殖し得
るものであればいずれを使用してもよい。この培地は、
窒素源として例えば酵母エキス、ペプトン、肉エキス等
の1種類または複数種類を含有する。またこの培地には
必要に応じて炭素源として各種の糖類を加えることがで
きる。
【0020】培養は固体培地または液体培地のいずれを
用いても良いが、目的とする物質を多量に得るためには
液体培地を用い、静置培養もしくは振とう培養、通気・
攪はん培養等により好気的条件下で行うのが好ましい。
培養温度は菌が生育し、4−(置換アミノカルボニル)
オキサゾール誘導体が生産される温度範囲であればいず
れの温度でも良く、好ましくは20〜40℃であり、よ
り好ましくは25〜30℃である。pHは4〜7、好ま
しくは5〜6の範囲である。培養時間は採取し得る量の
4−(置換アミノカルボニル)オキサゾール誘導体が生
産される時間を選べば良く、好ましくは12時間〜10
日間である。
【0021】前記一般式(1)で表される4−(置換ア
ミノカルボニル)オキサゾール誘導体は、例えばSCR
C−ZF5の微生物培養菌体または培養上清を有機溶媒
で抽出し、更にクロマトグラフィにより分離することに
より、通常の方法で得られる。
【0022】抽出に用いられる溶媒としてはメタノー
ル、エタノール、酢酸エチル、クロロホルム等が挙げら
れ、クロマトグラフィはカラム、薄層及び高速液体クロ
マトグラフィが用いられ、カラムクロマトグラフィとし
てはシリカゲルの他、セファデックスLH20、逆相系
のRP−18等が用いられ、薄層及び高速液体クロマト
グラフィとしては、シリカゲルの他、RP−18等が用
いられる。
【0023】本発明における前記一般式(1)に含まれ
る化合物としては具体的には、
【0024】
【化6】
【0025】で表される4−(置換アミノカルボニル)
オキサゾール誘導体1aが挙げられる。
【0026】本発明の上記化合物は治療のために経口的
あるいは非経口的に投与することができる。経口投与剤
としては散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤などの固形製
剤あるいはシロップ剤、エリキシル剤などの液状製剤と
することができる。また、非経口投与剤として注射剤、
粘膜投与剤、外用剤とすることができる。これらの製剤
は活性成分に薬理学的、製剤学的に認容される製造助剤
を加えることにより常法に従って製造される。更に公知
の技術により持続性製剤とすることも可能である。当該
製造助剤を用いる場合は、本発明の製剤中の有効成分の
配合量は通常は0.1〜10重量%、好ましくは0.2
〜5重量%である。
【0027】上記製造助剤として、内服用製剤(経口
剤)、注射用製剤(注射剤)、粘膜投与剤(バッカル、
トロ−チ、坐剤等)、外用剤(軟膏、貼付剤等)などの
投与経路に応じた適当な製剤用成分が使用される。例え
ば、経口剤および粘膜投与剤にあっては、賦形剤(例:
澱粉、乳糖、結晶セルロース、乳酸カルシウム、メタケ
イ酸アルミン酸マグネシウム、無水ケイ酸、マンニトー
ル)、結合剤(例えばヒドロキシプロピルセルロース、
ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(例:カルボキシメ
チルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム)、滑沢剤(例:ステアリン酸マグネシム、タル
ク)、コ−テング剤(例:ヒドロキシエチルセルロ−
ス)、矯味剤などの製剤用成分が、また注射剤にあって
は、水性注射剤を構成し得る溶解剤ないし溶解補助剤
(例:注射用蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコ−
ル)、懸濁剤(例:ポリソルベ−ト80などの界面活性
剤)、pH調整剤(例:有機酸またはその金属塩)、安
定剤などの製剤用成分が、さらに外用剤にあっては、水
性ないし油性の溶解剤ないし溶解補助剤(例:アルコ−
ル、脂肪酸エステル類)、粘着剤(例:カルボキシビニ
ルポリマ−、多糖類)、乳化剤(例:界面活性剤)、安
定剤などの製剤用成分が使用される。
【0028】上記構成を有する本発明の薬剤は、公知の
製造法、例えば日本薬局方第10版製剤総則記載の方法
ないし適当な改良を加えた方法によって製造することが
できる。
【0029】本発明に係る有効成分の投与量は、成人を
治療する場合で1〜1000mgであり、これを1日2〜
3回に分けて投与することが好ましい。この投与量は、
患者の年齢、体重および症状によって増減することがで
きる。
【0030】以下、実施例及び試験例により詳細に説明
する。
【0031】
【実施例】実施例1.SCRC−ZF5の培養による4
−(置換アミノカルボニル)オキサゾール誘導体の生産 SCRC−ZF5をグルコース3.0%、大豆ペプチド
1.0%、肉エキス0.3%、ペプトン0.3%、イー
ストエキス0.3%、リン酸二水素カリウム0.05
%、硫酸マグネシウム7水和物0.05%を含む培地
(pH5.9)で28℃、7日間好気的に培養した。培
養液(0.5L)をクロロホルム−メタノール(3:
1)混合溶媒(1L)で3回抽出し、合わせて濃縮して
有機溶媒を溜去した。水性残渣を酢酸エチル(1L)で
3回抽出し、合わせて濃縮して粗抽出物390mgを得
た。
【0032】実施例2.オキサゾール誘導体(1a)の
分離精製
【0033】上記粗抽出物250mgを分取用薄層板
(厚さ0.5mm、20×20cm)6枚に吸着させ、
5%メタノ−ル−クロロホルムで展開し、Rf値が0.
35から0.40の部分をかきとり、5%メタノール−
酢酸エチルで溶出、濃縮して4−(置換アミノカルボニ
ル)オキサゾール誘導体1aを無色油状物質として2
2.8mg得た。
【0034】分子式 : C15H23N3O5 1 H-NMR(500MHz, CDCl3) :δ0.84(3H, t, J=7.3), 1.14
(6H, d, J=7.0), 1.25(3H, d, J=7.0), 1.64(2H, m),
2.96(1H, m), 3.36(1H, m), 3.55(2H, s), 4.04(3H,
s), 6.22(1H,bs), 6.93(1H, bs).13 C-NMR(100MHz, CDCl3):δ12.6, 18.2, 19.9, 19.9, 2
7.5, 30.7, 33.7, 41.1,64.1, 134.9, 135.0, 152.0, 1
61.5, 166.0, 168.0. EIMS (m/z) : 325.1675 (M+,計算値: 325.1638). [α]D 20(CHCl3) +22°(c=0.30).
【0035】試験例1.マウスリンパ性白血病細胞(P
388)を2−ヒドロキシエチルジスルフィド5μM、
硫酸カナマイシン100μg/mlを添加した10%牛
胎児血清含有のRPMI−1640培地に加え、培養細
胞を1x104 個/mlに調製し、前記4−(置換アミ
ノカルボニル)オキサゾール誘導体1aを所定の濃度に
なるように添加し、CO2 培養器(CO2 5%、湿度1
00%、37℃)で4日間培養した。MTT比色法によ
り生存細胞数を計測して、対照群に対する増殖阻害率か
ら求めた50%細胞増殖阻害濃度(IC50)は34μg
/mLであった。
【0036】
【発明の効果】本発明の4−(置換アミノカルボニル)
オキサゾール誘導体は白血病細胞等の癌細胞の増殖阻害
活性を持ち、例えば、抗癌剤等の医薬としての用途を有
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 王 曦 静岡県静岡市大谷828 第一岳南荘23号 (72)発明者 山田 薫 東京都世田谷区成城3−10−33

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)、 【化1】 (式中、R1、R2は独立に低級アルキル基を表す。R3
    は水素原子、低級アルキル基、水酸基、または低級アル
    コキシ基を表す。R4、R5は独立に、水素原子を表す
    か、またはそのいずれか一方が水酸基を表すか、あるい
    は両者がその結合している炭素原子と一体となってカル
    ボニル基を形成する。R6 は、水酸基、低級アルコキシ
    基、アミノ基または低級アルキルアミノ基を表す。)で
    表される4−(置換アミノカルボニル)オキサゾール誘
    導体。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1)、 【化2】 (式中、R1、R2は独立に低級アルキル基を表す。R3
    は水素原子、低級アルキル基、水酸基、または低級アル
    コキシ基を表す。R4、R5は独立に、水素原子を表す
    か、またはそのいずれか一方が水酸基を表すか、あるい
    は両者がその結合している炭素原子と一体となってカル
    ボニル基を形成する。R6 は、水酸基、低級アルコキシ
    基、アミノ基または低級アルキルアミノ基を表す。)で
    表される4−(置換アミノカルボニル)オキサゾール誘
    導体を有効成分とする抗癌剤。
JP6339998A 1998-03-13 1998-03-13 4−(置換アミノカルボニル)オキサゾール誘導体及び抗癌剤 Pending JPH11255756A (ja)

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