JPH11254694A - インク吸収体、インクタンク、インクジェットカートリッジおよびインク吸収体の製造方法 - Google Patents

インク吸収体、インクタンク、インクジェットカートリッジおよびインク吸収体の製造方法

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JPH11254694A
JPH11254694A JP5503398A JP5503398A JPH11254694A JP H11254694 A JPH11254694 A JP H11254694A JP 5503398 A JP5503398 A JP 5503398A JP 5503398 A JP5503398 A JP 5503398A JP H11254694 A JPH11254694 A JP H11254694A
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JP
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ink
absorber
capillary force
fiber
tank
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JP5503398A
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Eiichiro Shimizu
英一郎 清水
Atsushi Hinami
淳 日南
Koki Hayashi
弘毅 林
Hajime Yamamoto
肇 山本
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 収容時におけるインクタンク内の空間使用効
率の高いインク吸収体、そのインク吸収体の製造方法等
を提供する。 【解決手段】 インクタンク10は、その上部に大気連
通口11を有し、下部にインク供給口12を有してい
る。インクタンク10の筺体10a内には、インク吸収
体26が充填されている。このインク吸収体26は、相
対的に毛細管力の弱い部分26aと、相対的に毛細管力
の強い部分26bとから構成されている。この相対的に
毛細管力の強い部分26bはインクタンク10のインク
供給口12の内側近傍に局所的に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタに用いる
インクを吸収保持するインク吸収体、インク吸収体の製
造方法、インクタンク、およびインクジェットカートリ
ッジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置に用いら
れるインクタンクには、インクジェットヘッドに連通接
続されたインクタンク内に、予めインクを含浸保持させ
たインク吸収体を装填し、該インク吸収体内のインクを
インクジェットヘッドへ供給するようにしたものが知ら
れている。前記インク吸収体としてはインク保持特性の
優れた均一な空孔率を持ったポリウレタンフォーム等の
発泡体が一般的に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般にインク吸収体が
装填されたインクタンクにおいては、インクジェットヘ
ッドへの確実なインク供給を行うために、インクジェッ
トヘッドへのインク供給口近傍におけるインク吸収体の
インク保持力(毛細管力)を高くし、インク吸収体内に
保持されたインクをインク供給口近傍に引き寄せること
が望ましいことが知られている。その手段として例えば
均一な空孔率を有するポリウレタンスポンジをインク吸
収体として用いる場合の例を図11,図12を用いて説
明する。
【0004】図11は従来のインク吸収体20がインク
タンク10内に装填された状態のインクタンクユニット
の断面図であり、図12は図11のインク供給口12部
分の部分拡大図を示す。図11に示すようにインクジェ
ットヘッド(不図示)へのインク供給口12部分の内側
にインク吸収体20よりもインク保持力の高いフェルト
等の圧接体30が装填された構成が知られている。この
構成は、部品点数の増加によるコストUPや組み立て工
数の増加、圧接体30がインク吸収体20をインク供給
口12の内壁面から圧接体30の厚みY(図12参照)
だけ押し上げることにより圧接体30の周囲に発生する
空隙13によるインクタンク10の空間使用効率の悪化
等の課題があった。
【0005】また、空隙13はインクタンク10の物流
時等にインク供給口12にキャップ(不図示)等が装着
されることで閉空間となる。これは、周囲の環境(温度
や気圧)変化により空隙13内の空気が膨張した場合に
インク吸収体20内のインクを押し出し大気連通口11
からインクが漏れ出すおそれがある。このため、空隙1
3が大気連通口11を介して大気と連通するようにイン
クタンク内壁にリブ16を設けることが一般的に知られ
ている。
【0006】しかし、このリブ16の設置は、さらにイ
ンクタンクの空間使用効率を悪化させる原因ともなる。
【0007】このほか、インク供給口12近傍に空隙1
3があり、しかも圧接体30がインク吸収体20を押圧
してインクをインクジェットヘッド(不図示)へ供給す
るため、押圧部や圧接体30の周囲からインクジェット
ヘッドが内部に空気(泡)を抱き込み印字不良を引き起
こすおそれもあった。具体的には、特に圧接体30とし
てフェルトを打ち抜いたものを採用した際には打ち抜き
端面31bの繊維のほつれ等により、局部的にインクの
メニスカス力が低下する領域が生じていると、インクジ
ェット記録装置本体の吸引回復等の急激な動作下でイン
クジェットヘッドのインク流路への空気の侵入を起こす
ことがあった。
【0008】この他、近年では特開平6−79882号
公報に開示されているようにインク吸収体を繊維束で構
成する方法が知られている。
【0009】ところが、この繊維束によるインクタンク
においては、僅かな繊維が直線状に存在するか、あるい
は繊維束が一方向で充填されており、インクの保持力が
ほとんど無いため、インク充填によって繊維が束状に収
縮するおそれがあった。加えて、同公報にはインクジェ
ットヘッドへのインク供給口部の内部に配される上述の
従来例と同様の圧接体が開示されており、上述の従来例
と同様の課題もある。
【0010】本発明は上述の問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、圧接体等の別部品を用いること
なく、安価であり、インクタンク内に収容されたときに
確実なインク供給が可能であり、収容時におけるインク
タンク内の空間使用効率の高いインク吸収体、そのイン
ク吸収体の製造方法、そのインク吸収体を収容したイン
クタンク、そのインクタンクを組み込んだインクジェッ
トカートリッジを提供することである。加えて、複雑な
形状となったインクタンクにも良好に適応するインク吸
収体を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明はインクタンクの筐体内部に収容可能であ
り、かつ、インクの保持が可能なインク吸収体におい
て、前記インク吸収体は少なくとも表面を熱により成形
された繊維からなり、相対的に毛細管力の強い部分と相
対的に毛細管力の弱い部分とが一体化され、該相対的に
毛細管力の強い部分は局所的に配されていることを特徴
とする。
【0012】本構成によれば、相対的に毛細管力の弱い
部分と一体化されている相対的に毛細管力の強い部分を
インクタンクのインク供給口部に対応させて配置するこ
とで、圧接体等の別部品を用いることがないため、部品
点数を減らすことができることから安価に製造できると
共に、インクタンクの筺体内部に収容されたときに、相
対的に毛細管力の強い部分の相対的に強い毛管力を利用
することができることから確実なインク供給が可能であ
る。また、従来のように圧接体を用いないため、その周
囲に生じていた空隙の発生もないことから、収容された
インクタンクの空間使用効率が高くなり、インクタンク
内のスペースをインクの保持に最大限利用することがで
きるので、長期間にわたって使用可能となり、交換頻度
を減らすことのできるインクタンクを提供することがで
きる。
【0013】また、前記インク吸収体において、前記イ
ンクタンク筐体内面の凹凸形状に同等もしくは対応する
外面を有するものでは、上述の作用、効果に加えて、イ
ンクジェット記録装置の限られたスペースを有効に活用
できる複雑な形状のインクタンクをも容易に提供するこ
ともできる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。
【0015】(第1実施形態)図1は、本発明に係るイ
ンク吸収体26をインクタンク10の筺体10a内に挿
入した状態のインクタンクユニットの縦断面図であり、
図2は図1に示したインクタンク10にインクジェット
ヘッド(不図示)へのインク供給管40が接続された状
態を示す縦断面図であり、図3は図2に示したインク供
給管40が接続された部分である要部を拡大した縦断面
図である。
【0016】図1および図2に示すように、インクタン
ク10の筺体10aの上部には、大気と連通するための
大気連通口11が設けられ、筺体10aの下部には、イ
ンクジェットヘッド(不図示)へインクを供給するため
のインク供給管40を挿入するインク供給口12が設け
られている。インクタンク10の筺体10a内には、上
述のように、相対的に毛細管力の弱い部分26aとイン
ク供給口12の内側近傍に局所的に配された相対的に毛
細管力の強い部分26bとを一体的に成形してなるイン
ク吸収体26が挿入されている。このインク吸収体26
の外形は、図1に示すようにインクタンク10の筐体1
0a内面とほぼ同じであり、大気連通口11付近以外に
筐体10a内面とインク吸収体26との間にはほとんど
空隙が存在しない。このため、図11に示した従来例の
ような空隙13が発生せず、したがって従来例のように
空隙13と大気連通口11との連絡路を確保するための
リブ16を必要としない。
【0017】上記インク吸収体26はインクタンク10
内に収容されたときには、そのインクタンク10内の空
間使用効率が極めて高くなり、インク充填率を上げるこ
とができ、インクタンク10の筺体10aの内容積を最
大限、有効に使用することができる。
【0018】また、相対的に毛細管力の強い部分26b
をインクタンク10のインク供給口12の内側近傍に局
所的に配置し、相対的に毛細管力の弱い部分26aと一
体化されているため、インク供給口12の近傍で毛管力
が大きくなることから、インク吸収体26に吸収された
インクは上記インク供給口12の近傍に集中し易くな
り、前述のような空隙や押圧部が形成されず、インク供
給時に空気(泡)の抱き込みも発生しない。
【0019】また、図2および図3に示すように、イン
クジェットヘッド(不図示)とインクタンクの接続時、
すなわち、インク吸収体26との圧接面にフィルタ50
を有するインク供給管40が接続されるときに、このイ
ンク供給管40による押圧によりXだけインク吸収体2
6が押し上げられる。このとき、インク供給管40側に
設けられたシール部材41によりインク供給口12が塞
がれるため、インクタンク10内には、挿入されたイン
ク供給管40の周囲に僅かな閉空隙14が発生する。こ
の閉空隙14は、図11および図12で説明した空隙1
3と比べてかなり小さく、前述の従来例のようなリブ1
6は必要とされない。
【0020】以上の構成を有するインク吸収体を充填し
たインクタンクにおいては、本発明者らによる検討によ
れば、インク充填効率が数%向上した。ここで、インク
充填効率とは、インクタンクの筺体内部に充填されたイ
ンク量(容積)をインクタンクの筺体の内容積で除した
ものの百分率をいう。このインクタンクでは、上述のイ
ンク充填効率の向上に伴い、インク使用率も数%向上し
た。ここで、インク使用率とは、インクタンクの筺体内
部から外部(インクジェットヘッド)に供給されるイン
ク量(容積)をインクタンクの筺体内部に充填されたイ
ンク量(容積)で除したものの百分率をいう。
【0021】また、本発明者らによる検討では、図4に
示すように、相対的に毛細管力の強い部分26bが相対
的に毛細管力の弱い部分26aよりも1.5倍以上の毛
細管力を有していれば、図11〜図12で説明した従来
の圧接体30を用いたときと同様の良好なインク使用効
率が得られることを見出している。なお、図4では、縦
軸にインク使用効率をとり、横軸に毛細管力比をとって
いる。ここで、毛細管力比とは、相対的に毛細管力の強
い部分の毛細管力を相対的に毛細管力の弱い部分の毛細
管力で除した割合をいう。図4では、許容値下限を示す
破線の上に位置する場合はインク使用効率が高いと判定
されるが、上述の毛細管力比が1.5以上のときに許容
値下限を上回ることがわかる。
【0022】因みに、本実施形態におけるインク吸収体
26の毛細管力は、その繊維径が約Φ30μmのとき、
相対的に毛細管力の強い部分26bは−120mmAq
以上であり、相対的に毛細管力の弱い部分26aが−8
0mmAqであった。また、本実施形態においては、図
3に示す相対的に毛細管力の強い部分26bの幅Pはイ
ンク供給管40の管径(外径)Sの約1.5倍とした
が、上記幅Pが大きすぎるとインク充填/使用効率の低
下が懸念され、小さすぎるとインク供給信頼性の低下が
懸念されるので、インクタンクサイズやインク供給管サ
イズ等を考慮して決定することが望ましい。
【0023】ここで、相対的に毛細管力の強い部分を局
所的に有する本発明に係るインク吸収体の製造方法につ
いて説明する。
【0024】図5は本発明のインクタンクに用いられる
繊維塊を製造するための製造装置を示す概略斜視図であ
り、図6(a)〜(c)は本発明のインクタンク内に充
填され得るインク吸収体を成形する方法を説明するため
の概略斜視図である。
【0025】まず、弾性力を有する棒状あるいは板状の
連続した繊維集合体を成形する(第1の成形工程)。本
実施形態では、ポリプロピレン繊維とポリエチレン繊維
とを重量比7対3で混合した繊維を図5に示す梳綿機
(カード機)41にかけ、このカード機41により、複
雑に絡み合っている繊維をほぐして、繊維方向がほぼ並
行状態にそろった目付の安定したシート状のウェブ42
に加工した後、このウェブ42を束ね、加熱ローラ43
を通して、表層を熱接着することで連続繊維体の成形を
行った。本実施形態における連続繊維体は、梳綿機を利
用しているために、短繊維の集合体であることは言うま
でもない。
【0026】加熱ローラ43の温度は、ポリエチレン繊
維の融点より高く、ポリプロピレン繊維の融点より低い
温度なら、何度でもよいが、繊維と加熱ローラとの接触
時間が長いほど低い温度に、接触時間が短いほど高い温
度にそれぞれ設定するのがよい。例えば、融点が132
℃のポリエチレン繊維の場合、加熱ローラの温度は13
5℃〜155℃の設定が望ましい。加熱手段は、表層の
みを熱接着できれば何でもよく、例えば、熱風を吹き付
けてもよい。熱風を用いる場合には、加熱ローラを用い
る場合よりも、高い温度に設定した方がよい。
【0027】通常、梳綿機を用いる場合、原料として短
繊維塊(スティプルファイバ)を使用し、開繊工程を経
て、梳綿機へ原料を供給するが、原料として連続長繊維
束(トウ)を用いた場合、トウを切断した後、切断した
トウを風送することで開繊ができ、開繊工程を省略する
ことができるのでより望ましい。
【0028】次に、連続繊維体をカッター44で基準単
位に切断し、繊維塊45を形成する(第2の成形工
程)。切断する長さは、インク吸収体の型のいずれか一
辺とほぼ同じか、若干大きめがよい。繊維塊を圧縮する
際、繊維方向に比べて繊維方向と略垂直方向は容易に圧
縮可能であるため、繊維塊の長さを上述のようにするこ
とで、複雑な形状に対しても、より良好に圧縮すること
ができる。
【0029】前記表層のみが熱接着された繊維塊45
は、繊維方向がほぼそろった綿を不織布でくるんだよう
な状態となっている。この表層部分は搬送等、自動化工
程での取り扱いがし易い程度の強度を有するため、後述
するインク吸収体の製造工程が非常に容易である。次
に、上述した繊維塊を用いてインク吸収体を成形する。
【0030】まず、図6(a)に示すように、型51の
一辺とほぼ同じ長さの繊維塊45をインクタンクのイン
ク吸収体収容型とほぼ同じ大きさか、若干大きめに形成
された型51に挿入する。繊維塊45は、インクタンク
の容量に応じて、1個または複数個を使用してもよい。
【0031】また、前記繊維塊45と同様のプロセス
で、該繊維塊45とは繊維径、切断長の異なる繊維塊4
6を作り、完成品としてのインク吸収体26のうち、局
所的に毛細管力を高くしたい部分に上記繊維塊46を対
応させた上で、繊維塊46と上記繊維塊45とを一緒に
型51内に挿入する。
【0032】本実施形態では、上記繊維塊46を型51
の底部51aの中央部に挿入している。繊維塊46に対
して、上述の加熱ローラ43間のクリアランスおよびカ
ッター44での切断時のワーク送り速度、カード機41
からの繊維の供給量等を調整することで、容易に所望の
径、切断長および毛細管力を有する繊維塊46を得るこ
とができる。また、必要に応じて繊維径の異なる繊維塊
46を使用してもよい。
【0033】上述したように、繊維塊45および46
は、繊維方向が揃った繊維集合体を不織布で包んだよう
な状態であるので、容易に型の形状になじむことができ
る。
【0034】次に、図6(b)に示すように、繊維塊4
5を型51に収納した後に蓋52を装着する。この蓋5
2により繊維塊45および46は一定の圧縮状態とな
る。
【0035】次に、図6(b)に示す状態で、加熱炉で
加熱して、繊維塊45および46は型の形状に一体的に
熱成形され、インク吸収体26となる。
【0036】加熱炉の温度は、ポリエチレン繊維の融点
より高く、ポリプロピレン繊維の融点より低い温度であ
れば何度でもよい。例えば、ポリエチレン繊維の融点が
132℃の場合、加熱炉の温度としては135℃〜15
5℃が好ましい。加熱する時間は、必要な強度に応じて
調整することができる。
【0037】上述程度の温度の熱をかけることで、ポリ
エチレン繊維が溶けて接着剤の役目を果たし、ポリプロ
ピレン繊維の三次元的に絡み合った交点が固定されて機
械的強度が向上するので、高い機械的強度を必要とする
場合には、インク吸収体の形状にもよるが、内部まで完
全に熱が伝わるまで、比較的長時間加熱した方がよく、
また、柔軟性が必要な場合は、インク吸収体26の内部
まで完全に熱が伝わらない、比較的短時間の加熱でよ
い。
【0038】インク吸収体26の内部まで固めたい場合
には、まず繊維塊を型に入れずに加熱した後、ポリエチ
レン繊維が融点以下になる前に型に入れ、圧縮成形する
ことで、成形時間を短縮することができる。
【0039】また、ポリエチレン繊維とポリプロピレン
繊維との混合比を変えることでも強度を調整することが
でき、強度が必要な場合には、繊維塊中のポリエチレン
繊維の量を増やせばよく、柔軟性が必要な場合には、繊
維塊中のポリエチレン繊維の量を減らせばよい。
【0040】そして、図6(c)に示すように、インク
吸収体26を型51から取り出す。このときのインク吸
収体26は、インクタンクの筐体内面の凹凸形状に対応
した形状となっているが、その大きさは上記筺体のイン
ク吸収体収容部に比べ若干大きめとなっている。
【0041】上述したように、挿入前のインク吸収体の
大きさは、インク吸収体収容部の大きさより若干大きい
ので、インクタンク内壁とインク吸収体との間の隙間を
作らずに、インク吸収体を挿入することができる。ま
た、インク吸収体の各面が熱により成形されているの
で、従来のフェルトを用いたインク吸収体の場合とは異
なり、任意の面にインク供給口を設けることができる。
【0042】以上のように、インク吸収体の製造工程
は、繊維塊を形成する工程と、繊維塊を型に入れて熱成
形する工程とに分けているので、型を変えることで、容
易に様々な形状のインク吸収体に対応することができ
る。
【0043】しかも、前述のように相対的に毛細管力の
異なる少なくとも2つの繊維塊を用いることで容易に所
望の位置に相対的に毛細管力の強い部分を一体的にかつ
局所的に配することができるので、従来のような圧接体
等の別部品を用いることなく、安価で確実なインク供給
が可能であり、インクタンクの空間使用効率の高いイン
クタンクを提供することができる。
【0044】(第2実施形態)本発明のインクタンクの
他の実施形態を図7および図8に示す。
【0045】図7は本発明のインクタンクの第2の実施
形態を示す概略斜視図であり、図8(a)〜(c)には
本発明のインクタンクの第2の実施形態に用いられるイ
ンク吸収体の製造工程を示す説明図である。
【0046】本実施形態では、インク吸収体27の形
状、および型54と蓋55を用いたインク吸収体の製造
方法において複数の繊維塊を用いてインク吸収体を成形
している点と、インクタンクの一部に屈曲部15を有
し、インクジェットヘッド(不図示)へのインク供給口
12が側面に設けられた点が先の第1実施形態と異なっ
ている。
【0047】本実施形態のインク吸収体27の容積が先
の第1実施形態のインク吸収体26の容積に比べて大き
いため、一つの繊維塊45ではなく図8に示すように、
同一の二つの繊維塊45と、この繊維塊45とは径、切
断長の異なる繊維塊46を一つ用いることによってイン
ク吸収体を形成している。
【0048】繊維塊46は図7に示すインク供給口12
の位置に対応する位置すなわち、型54の側壁54aの
下部に挿入される。これにより、図8(c)に示すよう
に容易にインク供給口近傍に毛細管力の強い部分27b
を形成することができる。しかも、上述のように型54
の形状を変えることで、容易に様々なインクタンク形状
に対応することができる。
【0049】このように、複数の繊維塊を型に挿入する
場合の挿入方法については特に規定しないが、型の形状
が比較的単純な場合には、複数個積層した後に同時に挿
入した方がよく、型の形状が比較的複雑な場合には、一
つずつ型に挿入した方が、型の内部形状になじみやす
く、また密度ばらつきも少なくなくなるのでよい。
【0050】次に、上述した本発明に係るインクタンク
を含むインクジェットカートリッジおよび当該カートリ
ッジを装着できるインクジェット装置の一例を図面を参
照して説明する。
【0051】図9は上述のインクタンク10とこのイン
クタンク10内に保持されたインクの供給を受けて画像
形成を行うインクジェットヘッド500とを接続したイ
ンクジェットカートリッジIJCを示す斜視図である。
【0052】なお、このインクジェットカートリッジI
JCを構成するインクタンクへのインクの注入は、次の
ように行えばよい。
【0053】インクタンクにインク供給パイプ等を接続
することでインクを導入するインク導入路を形成し、こ
のインク導入路を介してインクタンクにインクを注入す
ればよい。インクタンク側にインク供給口としては、イ
ンクジェットヘッド側への供給口、大気連通口や、イン
クタンクの壁面にあけた穴等を用いればよい。
【0054】図10は、以上のように構成されるインク
ジェットカートリッジIJCが搭載可能なインクジェッ
ト装置の一例の概観図を示す。
【0055】このインクジェット装置IJRAは、駆動
モータの2010の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア
2020,2030を介して回転するリードスクリュー
2040を有する。インクジェットヘッドとインクタン
クとが一体化されたインクジェットカートリッジIJC
が載置されるキャリッジHCは、キャリッジ軸2050
およびリードスクリュー2040に支持され、リードス
クリュー2040のら線溝2041に対して係合するピ
ン(不図示)を有しており、リードスクリュー2040
の回転に伴って、矢印a,b方向に往復移動される。2
060は紙押え板であり、キャリッジ移動方向にわたっ
て紙Pをプラテンローラ2070に対して押圧する。2
080および2090はフォトカプラで、これらは、キ
ャリッジHCに設けられたレバー2100のこの域での
存在を確認してモータ2010の回転方向切換等を行う
ためのホームポジション検知手段として動作する。21
10は記録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材で
あり、支持部材2120により支持されている。213
0はこのキャップ内を吸引する吸引手段であり、キャッ
プ内開口を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。記録ヘ
ッドの端面をクリーニングするクリーニングブレード2
140は、前後方向に移動可能に部材2150に設けら
れており、これらは本体支持板2160に支持されてい
る。ブレード2140はこの形態に限定されず、周知の
クリーニングブレードが本例に適用できることはいうま
でもない。また、2170は吸引回復の吸引を開始する
ためのレバーであり、キャリッジHCと係合するカム2
180の移動に伴って移動するようになっており、これ
により駆動モータ2010からの駆動力がクラッチ切換
等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0056】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジHCがホームポジシヨン側領域に
きたときにリードスクリュー2040の作用によってそ
れらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されて
いるが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにす
れば、本例には何れも適用できる。上述における各構成
は単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明に
とって好ましい構成例を示している。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
任意の位置に相対的に毛細管力の強い部分を一体的にし
かも容易に形成することができるので、圧接体等の別部
品を用いることなく、安価で確実にインク供給が可能で
あり、空間使用効率の高いインクタンクを提供すること
ができる。
【0058】また、本発明によれば、インクタンクの筐
体内面の凹凸形状に対応する外面を有するインク吸収体
を容易に提供することができるので、上記の効果に加え
て、インクカートリッジしいては、インクジェット記録
装置の設計自由度を増すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインク吸収体が筺体内に挿入された状
態のインクタンクを示す断面図である。
【図2】図1に示したインクタンクにインクジェットヘ
ッドへのインク供給管が接続された状態を示した断面図
である。
【図3】図2のインク供給管が接続された部分の部分拡
大図である。
【図4】インク吸収体における毛細管力比とインク使用
効率との関係を示すグラフである。
【図5】本発明のインク吸収体の材料としての繊維塊を
製造するための製造装置を示す概略斜視図である。
【図6】(a)〜(c)は本発明のインク吸収体の第1
の実施形態を成形する方法を示す分解斜視図である。
【図7】本発明のインクタンクの第2の実施形態を示す
概略斜視図である。
【図8】(a)〜(c)は本発明のインク吸収体の第2
の実施形態を成形する方法を示す分解断面図である。
【図9】インクジェットヘッドに供給するためのインク
を保持したインクタンクとを分離可能に接続したインク
ジェットカートリッジを示す斜視図である。
【図10】インクジェットカートリッジが搭載可能なイ
ンクジェット記録装置の一例の外観を示す概略斜視図で
ある。
【図11】従来のインク吸収体が筺体内に挿入された状
態のインクタンクを示す断面図である。
【図12】図11のインク供給口を部分拡大した断面図
である。
【符号の説明】
10 インクタンク 10a 筐体 11 大気連通口 12 インク供給口 13 従来のインク吸収体とインクタンク筐体の間に形
成された空隙 14 空隙 16 リブ 20 インク吸収体(従来) 26,27 インク吸収体(本発明に係る) 30 圧接体 40 インク供給管 45,46 繊維塊 51,54 型 52,55 蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 肇 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクタンクの筐体内部に収容可能であ
    り、かつ、インクの保持が可能なインク吸収体におい
    て、 前記インク吸収体は少なくとも表面を熱により成形され
    た繊維からなり、相対的に毛細管力の強い部分と相対的
    に毛細管力の弱い部分とが一体化され、該相対的に毛細
    管力の強い部分は局所的に配されていることを特徴とす
    るインク吸収体。
  2. 【請求項2】 前記相対的に毛細管力の強い部分の毛細
    管力は、前記相対的に毛細管力の弱い部分の毛細管力の
    1.5倍以上であることを特徴とする請求項1記載のイ
    ンク吸収体。
  3. 【請求項3】 前記相対的に毛細管力の強い部分は、前
    記インクタンク内に収容された場合に該インクタンクの
    インク供給口に対応することを特徴とする請求項1また
    は2に記載のインク吸収体。
  4. 【請求項4】 前記積層された繊維塊同士の大きさが異
    なることを特徴とする請求項1記載のインク吸収体。
  5. 【請求項5】 前記積層された繊維塊同士の繊維径が異
    なることを特徴とする請求項1記載のインク吸収体。
  6. 【請求項6】 前記繊維塊を圧縮して成形されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のインク吸収体。
  7. 【請求項7】 前記インクタンクの筐体内面の凹凸形状
    に同等もしくは対応する外面を有することを特徴とする
    請求項1記載のインク吸収体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかの項に記載のイ
    ンク吸収体と、該インク吸収体を収容すると共に外部へ
    インクを供給するためのインク供給口を有する筐体とを
    備え、該筺体の前記インク供給口の内側に前記インク吸
    収体の相対的に毛細管力の強い部分が対応することを特
    徴とするインクタンク。
  9. 【請求項9】 前記インク吸収体と前記筐体とは同質材
    料からなることを特徴とする請求項8記載のインクタン
    ク。
  10. 【請求項10】 請求項8または9に記載のインクタン
    クと、該インクタンクから供給されるインクを吐出する
    ためのインクジェットヘッドとを備えたことを特徴とす
    るインクジェットカートリッジ。
  11. 【請求項11】 インクタンクの筐体内部に収容可能で
    あり、かつ、相対的に毛細管力の強い部分を有するイン
    クの保持が可能なインク吸収体の製造方法において、 少なくとも2つの繊維塊を用意し、該複数の繊維塊を積
    層する工程と、 該積層された繊維塊を圧縮する工程と、 該圧縮された繊維塊に対し少なくともその表面を熱処理
    して成形を行う工程とを含むことを特徴とするインク吸
    収体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記圧縮工程および前記熱成形工程で
    は、前記筐体内面の凹凸形状に同等もしくは対応する外
    面を有するように圧縮熱成形を行うことを特徴とする請
    求項11記載のインク吸収体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記積層工程では、互いに大きさの異
    なる複数の繊維塊の積層を行うことを特徴とする請求項
    11記載のインク吸収体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記積層工程では、互いに繊維径の異
    なる複数の繊維塊の積層を行うことを特徴とする請求項
    11記載のインク吸収体の製造方法。
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