JPH11253465A - 歯科用餅状物の製造方法、その保存方法、並びに、それを用いた義歯床の製造方法、および、歯科用餅状物の製造装置 - Google Patents

歯科用餅状物の製造方法、その保存方法、並びに、それを用いた義歯床の製造方法、および、歯科用餅状物の製造装置

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JPH11253465A
JPH11253465A JP8278198A JP8278198A JPH11253465A JP H11253465 A JPH11253465 A JP H11253465A JP 8278198 A JP8278198 A JP 8278198A JP 8278198 A JP8278198 A JP 8278198A JP H11253465 A JPH11253465 A JP H11253465A
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powdery polymer
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郁男 池田
Akira Hasegawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡混在のない均質な餅状物を大量にかつ熟
練を要することなく容易に得ることのできる歯科用餅状
物の製造方法、長期間餅状物の物性を損なわない餅状物
の保存方法、および、該餅状物を用いたジン床義歯等の
製造方法、前記歯科用餅状物の製造装置を提供する。 【解決手段】 攪拌槽と、該攪拌槽を回転可能に保持す
る保持手段と、攪拌槽内に挿入される攪拌羽根とが、真
空ケース内に配設され、前記保持手段が回転駆動手段に
連結され、粉末状ポリマーの攪拌槽への供給手段を具備
する真空吸引脱泡装置により、液状モノマーと粉末状ポ
リマーとを攪拌して混合する際、前記液状モノマーと粉
末状ポリマーとの混合物の液体状態において、真空吸引
して脱泡することを特徴とし、得られた餅状物を低温保
存し、必要に応じ所定量取り出して成型する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、歯科用餅状物の
製造方法、その保存方法、並びに、それを用いた義歯床
の製造方法、および、歯科用餅状物の製造装置に関する
ものである。さらに詳しくは、この発明は、例えば、義
歯製造用フラスコ内に填入してレジン床を製造するのに
適した歯科用餅状物の製造、その歯科用餅状物の保存方
法、並びに、歯科用餅状物を用いた義歯の製造方法、お
よび、歯科用餅状物の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、義歯のレジン床は、液状モノマ
ーと粉末状ポリマーとをメーカーの指示に従って所定割
合で混合し、適当な可塑性のある餅状物とし、これを事
前に作製したフラスコに充填し重合させることで製造さ
れている。この餅状物に気泡が混在したままレジン床を
作製すると、所定の強度が得られず、咬合力が加わると
気泡の周辺に応力が集中して破損に至りやすい。また、
気泡の存在により、レジンの透明性が低下したり、色調
が変化したりし、審美性が不足することにもなる。こう
いったことから、気泡の混在しない餅状物を作製するこ
とが肝要とされている。
【0003】餅状物の作製は、これまで、主に以下に示
す方法によって行われている。すなわち、 a.密閉蓋を有する専用のレジン混和器を使用し、容器
内に液状モノマーを入れた後、粉末状ポリマーを静かに
気泡が入らないように注意しながら散布し、これをポリ
マー表面にモノマーが滲み出なくなるまで続け、散布終
了後、蓋を締め、モノマーがポリマーを膨潤させ餅状態
になるまで保管する。
【0004】b.密封性の高い袋にポリマーを入れた
後、モノマーを入れ、手によってよく揉みながら気泡を
抜き、袋を密閉し、湿砂状態から、糸引き状態を経て、
餅状態になるまで適当な荷重を加え餅状物を整える。
【0005】これらの方法は、いずれも熟練を要するも
のであり、しかも、注意深く餅状物の作製を行ったとし
たも、わずかに気泡が残存することになり、完全に均質
な餅状物を得ることは困難である。また、必要とする以
上の量の餅状物を作製したとしても、自然に重合が進行
し比較的早くゴム状態に変化してしまい、フラスコに填
入することができなくなることから餅状態のままで長期
間保存することは困難である。そして、この餅状物の作
製は手作業によることから、一度に大量な餅状物を作製
することは困難であり、操作、温度等により、餅状態に
差異が生じ易く、一定した品質の餅状物を常に得ること
は困難であった。こういったことから、通常、レジン床
を作製するに際し、餅状物は必要とする分量だけをフラ
スコに填入する直前に手作業によって作製しているが、
前述したように熟練を要するものであって、常に、均質
な餅状物を作製することは困難なことから、得られたレ
ジン床等は物性にバラツキがあり、常に、同一の物性の
レジン床等を得ることができない。
【0006】また、近年、大規模の技工所等が開設さ
れ、多数のフラスコを擁し、一度に多量の餅状物を使用
して、多数のレジン床等を製造することが行われつつあ
る。このような技工所等においては、大量の餅状物を必
要とすることになるが、大量の餅状物を作製するには、
多くの熟練作業者を擁するか、または、少数の熟練作業
者による長時間の作業が必要となる。しかしながら、い
ずれにしても、常に、均質の餅状物を得ることは困難で
あり、大量の餅状物を得、大量にレジン床の製造を行う
ことのネックとなっている。一方、餅状物の長期保存を
可能とするべく、餅状物に重合禁止剤等の抑制剤を混入
し、容器中で保存することも検討されているが、このよ
うにしても、容器中等において餅状物は徐々にゴム状態
に変化してしまうので、餅状態を維持して長期貯蔵する
には限度があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、
その目的とするところは、第1に、気泡の混在しない均
一で良質な餅状物を大量にかつ熟練を要することなく容
易に得ることのできる歯科用餅状物の製造方法を提供す
ることにある。また、第2に、そのようにして得られた
餅状物を必要な時に提供することのできるように、餅状
物の物性を損なわず長期間の保存を可能とする保存方法
を提供すること、および、第3に、係る餅状物を用いて
レジン床等を製造する方法を提供することにある。そし
て、第4に、前記歯科用餅状物を簡便且つ確実に得るこ
とのできる製造装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の液状モノマーと粉末状ポリマーを所定の
比率で含有する歯科用餅状物の製造方法は、液状モノマ
ーと粉末状ポリマーとを攪拌して混合することにより歯
科用餅状物を製造する方法であって、前記液状モノマー
と粉末状ポリマーとの混合物の液体状態において、真空
吸引して脱泡することを特徴とする(請求項1)。ここ
において、液状モノマーはオリゴマーをも含むものを意
味するものである。これによれば、餅状となる前であっ
て、液状モノマーによる粉末状ポリマーの膨潤し始め段
階の混合物が液体状態の時において、気泡が脱泡される
ことになり、その後、液状モノマーによる粉末状ポリマ
ーの膨潤により混合物が湿砂状態から、糸引き状態を
経、餅状物へと変化し、混合物の量の多少に関わらず気
泡の混在しない均質な餅状物が容易に得られる。この気
泡の混在しない餅状物は、攪拌と真空吸引脱泡とを併用
することにより初めて短時間のうちに得ることができた
ものであって、攪拌だけ、または、真空吸引脱泡だけで
は、良質な餅状物は得ることができない。
【0009】液状モノマーと粉末状ポリマーとを攪拌し
て混合するには、液状モノマーの攪拌中に粉末状ポリマ
ーを投入して行うのが好ましい。ここにおいて、攪拌開
始は、粉末状ポリマーの液状モノマーへの投入前、同
時、または、直後のいずれかの段階から行う。液状モノ
マーへの粉末状ポリマーの投入は、必要量の粉末状ポリ
マーを少量づつ連続して投入する連続投入、必要量を所
定回数に分割して投入する分割投入、必要量を一度に投
入する一括投入が採用できるが、このうち、連続投入は
粉末状ポリマーのダマができにくく、均一混合が容易な
ことから好ましい。分割投入、一括投入によれば、投入
に要する時間が短縮できる。なお、粉末状ポリマーに液
状モノマーを投入して、攪拌混合する方法も採用でき
る。
【0010】液状モノマーの攪拌開始時において、液状
モノマーの温度は−25〜30℃に設定されることが好
ましい。液状モノマーの温度が−25℃未満では、攪拌
の操作余裕時間は長いが餅状になるのに時間を要するた
めに好ましくなく、30℃を超えると、重合触媒によっ
て液状モノマーの重合が開始することになり、また、餅
状になる時間は速いが攪拌の操作余裕時間も短くなって
好ましくない。
【0011】液状モノマーと粉末状ポリマーとの混合物
の液体状態において、真空吸引脱泡を開始するが、より
具体的な真空吸引脱泡を開始する時期としては、液状モ
ノマーと粉末状ポリマーとの混合物が多少流動性のある
非粘膜性を呈してきた液体状態が好ましい。
【0012】真空吸引脱泡におけるケース内圧力は、ゲ
ージ圧として5〜160Torrとすることが好まし
い。5Torr未満では、液状モノマーの揮発による影
響が大きくなることから好ましくなく、160Torr
を超えると、真空吸引脱泡に長時間を要することになり
好ましくない。
【0013】真空吸引脱泡は、液状モノマーと粉末状ポ
リマーとの混合物からの脱泡が完了するまで行い、攪拌
も停止し、真空吸引脱泡された混合物を適宜な容器に移
し、大気圧下、常温で液状モノマーが粉末状ポリマーを
膨潤し、混合物が湿砂状態、糸引き状態を経て餅状物に
なるまで放置すればよい。もちろん、真空状態のままで
餅状物になるまで放置しておいてもよい。
【0014】そして、粉末状ポリマーと液状モノマーの
重量比は1.25/1〜3.3/1の範囲内であること
が好ましい。一般に、粉末状ポリマーの量を多くすると
粉末状ポリマーと液状モノマーの混合物は比較的短時間
に餅状物になる。粉末状ポリマーの混合割合が少なく、
重量比が1.25/1未満では、餅状になるのに長時間
を要し、しかも、液成分が過多状態の餅状物となるた
め、重合時の収縮が大きく残留応力によって歪むことか
ら好ましくない。また、液状モノマーが重合硬化して
も、レジン床等として使用に耐える十分な強度を有しな
いことになり好ましくない。粉末状ポリマーの混合割合
が多く、重量比が3.3/1を超えると、液状モノマー
と粉末状ポリマーとの混合物は、粉末状ポリマーが十分
湿らず、粉末状ポリマーのダマができやすく均一な混合
物となりにくく、餅状物もバサついた感じのものとな
る。また、液状モノマーが重合硬化しても、レジン床等
として使用に耐える十分な強度を有しないことから好ま
しくない。特に好ましい範囲は、前記重量比が1.5/
1〜2.5/1であり、この範囲であれば、気泡のない
良好な餅状物が比較的短時間で容易に得られ、液状モノ
マーが重合硬化したものは、レジン床等として使用に耐
える十分な強度を有する。
【0015】攪拌時間、真空時間は、液状モノマー、粉
末状モノマーの種類、組合せ、容量、攪拌装置等に応じ
て適宜決定されるものである。
【0016】液状モノマーが、単官能のメタクリレー
ト、多官能のメタクリレート、多官能のアクリレートの
うちから選択された少なくとも1つであり、粉末状ポリ
マーが、メタクリレート、アクリレートのホモポリマー
のうちから選択された少なくとも1つ、および/または
メタクリレート、アクリレート、スチレンの少なくとも
2種以上のモノマーから得られるコポリマーのうちから
選択された少なくとも1つであることが好ましい(請求
項2)。
【0017】液状モノマーである単官能のメタクリレー
ト、多官能のメタクリレート、多官能のアクリレートを
具体的に示すと、メチルメタクリレート、アルキルメタ
クリレート、脂環・芳香族・複素環及びビニル基含有メ
タクリレート、ヒドロキシ(アルコキシ)含有メタクリ
レート、ジ及びトリメタクリレート、カルボン酸含有メ
タクリレート、ジアルキルアミノエチルメタクリレー
ト、フルオロアルキルメタクリレートが例示される。さ
らにより具体的にはメチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメ
タクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、ベンジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルア
ミノエチルメタクリエート、グリシジルメタクリレー
ト、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、
ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレートが例示される。また、上記のメ
タクリレートに代えこれらのアクリレートが例示され
る。なお、これらに準じるメタクリレートもしくはアク
リレートのモノマーであれば上記のモノマーに限定され
るものではない。モノマーに限られずオリゴマーであっ
ても、また、モノマーとオリゴマーの混合物であっても
よい。
【0018】粉末状ポリマーであるメタクリレート、ア
クリレートのホモポリマーのうちから選択された少なく
とも1つ、および/またはメタクリレート、アクリレー
トの少なくとも2種以上のモノマーから得られるコポリ
マーを具体的に示すと、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチ
ルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エ
チルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリ
レート、ベンジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチル
アミノエチルメタクリエート、グリシジルメタクリレー
ト、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、
ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレートおよびこれらのアクリレートの
ホモポリマー、またはそれらのコポリマー、またはこれ
らホモポリマーとコポリマーの混合物等が例示される。
なお、これらに準じるメタクリレートもしくはアクリレ
ートのホモポリマー、またはそれらのコポリマー、また
はこれらホモポリマーとコポリマーの混合物であれば上
記の物質に限定されるものではない。これらは、単独で
あっても、または、2種以上を併用した混合物であって
もよいものである。また、上記において例示したメタク
リレート、アクリレートの少なくとも1種以上のモノマ
ーとスチレンとのコポリマーも採用可能であり、メチル
メタクリレート/スチレン、エチルメタクリレート/ス
チレン、n−ブチルメタクリレート/スチレンが例示で
きる。
【0019】そして、粉末状ポリマーは、一般に粒状の
ものを使用することが好ましい。粉末状ポリマーの平均
粒径が100μm以下であると、例えば、液状のモノマ
ーが重合固化してなるレジン床とした場合、審美性のあ
るものが得られることから好ましい。平均粒径が100
μmを超えると粉末状ポリマーの粒子がレジン床表面に
パール状になって現れ、審美性を損なうことになり好ま
しくない。
【0020】餅状物を重合硬化させるためには、重合触
媒を用い、これを粉末状ポリマーに添加することが好ま
しい。重合触媒としては、加熱重合型開始剤、化学重合
型開始剤、光重合型開始剤等が採用できる。
【0021】加熱重合型開始剤としては、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタ
ール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサ
イド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、
パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物や、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス−2,4−ジメチルバレロニトリル、4,4’−アゾ
ビス−4−シアノバレリック酸、1,1’−アゾビス−
1−シクロヘキサンカーボニトリル、ジメチル−2,
2’−アゾビスイソブチラート、2,2’−アゾビス−
(2−アミノプロパン)ジハイドクロライド等のアゾ化
合物等が例示される。これら加熱重合型開始剤は、1種
または2種以上併用してもよい。加熱重合型開始剤の添
加量は、開始剤の能力に応じ粉末状ポリマー100重量
部に対し0.1〜20重量部までの範囲で決定すること
ができる。
【0022】化学重合型の開始剤としては、過酸化物と
三級アミンや有機金属化合物、ピリミジントリオン酸誘
導体と4級アンモニウムクロライドの組合せ等が採用で
きる。
【0023】光重合型開始剤としては、増感剤と還元剤
との組合せが一般的に使用される。増感剤としては、カ
ンファーキノン、ベンジル、ジアセチル、ベンジルジメ
チルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジ
(2−メトキシエチル)ケタール、4,4−ジメチルベ
ンジルジメチルケタール、アントラキノン、1−クロロ
アントラキノン、2−クロロアントラキノン、1,2−
ベンズアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノ
ン、1−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキ
ノン、1−ブロモアントラキノン、チオキサントン、2
−イソプロピルチオキサントン、2−ニトロチオキサン
トン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチ
オキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,
4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロ−7−
トリフルオロメチルチオキサントン、チオキサントン−
10,10−ジオキシド、チオキサントン−10−オキ
サイド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチル
エーテル、イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチ
ルエーテル、ベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミ
ノフェノン)ケトン、4,4−ビスジエチルアミノベン
ゾフェノン、アジド基を含む化合物等が採用でき、これ
らの化合物を1種、または2種以上組み合わせてもよ
く、用途に応じ化合物およびその割合を任意に選択す
る。
【0024】還元剤としては、3級アミン等が一般に使
用される。3級アミンとしては、ジメチルアミノエチル
メタクリレート、トリエタノールアミン、4−ジメチル
アミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エ
チル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルが採用さ
れる。その他には、ベンゾイルパーオキサイド、有機金
属化合物、スルフィン酸誘導体等が使用される。
【0025】光重合型開始剤を単独または2種以上併用
する場合は、紫外線若しくは可視光線等の活性光線を照
射することにより重合反応が達せられる。光源として
は、超高圧、高圧、中圧および低圧の各種水銀灯、ケミ
カルランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドラン
プ、蛍光ランプ、タングステンランプ、キセノンラン
プ、アルゴンイオンレーザー等を使用することができ
る。
【0026】このほかに、必要に応じ着色剤、重合禁止
剤、酸化安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料等を適宜使
用する。このうち着色剤、顔料、染料は、粉末状ポリマ
ーに添加することが好ましい。重合禁止剤は液状モノマ
ーに添加することが好ましい。酸化安定剤、紫外線吸収
剤は、液状モノマーに添加されていてもよい。
【0027】その他、架橋剤、重合禁止剤等を添加する
こともできる。架橋剤、重合禁止剤は液状モノマーに添
加することが好ましい。架橋剤としては、エチレングリ
コールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート、2,2−ビス(メタクリロキシフェニ
ル)プロパン等が例示される。重合禁止剤としては、ハ
イドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエン、6−te
rt−ブチル2,4−キシレノール等が例示される。
【0028】この発明の歯科用餅状物の製造方法によっ
て得られた歯科用餅状物の保存方法は、低温保存される
ことを特徴とする(請求項3)。この発明の歯科用餅状
物を低温保存することで、餅状態が変質せず、長期間保
存することが可能となる。より具体的には、−25〜0
℃において低温保存されることが好ましい。−25℃未
満では、餅状態に戻すのに時間がかかるため好ましくな
く、0℃を超えると餅状が進みゴム状になってしまい、
フラスコ等への填入が困難となり好ましくない。低温保
存には適宜の容器に収容して保冷庫等で保存すればよ
い。
【0029】この発明の、歯科用餅状物の保存方法によ
って保存された歯科用餅状物は、フラスコ内に填入し重
合させることでレジン床を成型することができる(請求
項4)。フラスコ内への填入・成型は、加圧成型、また
は、射出成型が採用できる。
【0030】餅状物の重合硬化は、重合触媒に応じ、加
熱重合方式、ヒートショック方式、マイクロウェーブ方
式、光重合方式を採用する。
【0031】この発明の歯科用餅状物の製造装置は、攪
拌槽と、該攪拌槽を回転可能に保持する保持手段と、攪
拌槽内に挿入される攪拌羽根とが、真空ケース内に配設
され、前記保持手段が攪拌槽の回転停止手段を介して回
転駆動手段に連結されてなることを特徴とする(請求項
5)。これによれば、液状モノマーと粉末状ポリマーの
攪拌混合、真空吸引脱泡といった操作を1台で行うこと
ができることになり、しかも、この装置は、液状モノマ
ーと粉末状ポリマーの組合せ、製造しようとする重量等
に広範囲に対応ですることができる。より具体的には、
攪拌羽根としては、固定式の攪拌羽根と回転駆動手段に
よって回転可能とされているスクリューのような回転可
能な攪拌羽根を交換可能とし、回転停止手段による攪拌
槽の回転と停止固定を選択することで、液状モノマーと
粉末状ポリマーの組合せ、製造しようとする餅状物の量
等に応じ、後述するように、攪拌槽を回転させる攪拌混
合真空吸引脱泡、攪拌羽根を回転させる攪拌混合真空吸
引脱泡、または、攪拌槽と攪拌羽根の両者を回転させる
攪拌混合真空吸引脱泡の3種の操作が適宜選択可能とな
り汎用機として利用することができるそして、この発明
の歯科用餅状物の製造装置は、粉末状ポリマーの攪拌槽
への供給手段を具備していることが好ましい(請求項
6)。粉末状ポリマーの攪拌槽への供給手段としては、
粉末状ポリマーの貯蔵部と攪拌槽への供給部とを具備
し、粉末状ポリマーを攪拌槽に供給できるようになって
いるものであればよく、後述するような構造のものが例
示できる。なお、歯科用餅状物の製造装置としては、上
記した装置に限定されるものではない。
【0032】以下、歯科用餅状物としては、便宜上、レ
ジン床に使用するものについて説明するが、コンポジッ
トレジン、人工歯等に使用する歯科用餅状物の組成は基
本的に同じ成分構成を有しており、コンポジットレジン
は1ペースト、2ペーストまたは粉液型で供給され、人
工歯は1ペーストのコンポジット材料を成形型で成型、
硬化して作られる点が異なるだけであって、何れも餅状
物を経て作成されるものである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示し、さらに
詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は
以下の実施の形態によって限定されるものではない。 [真空吸引脱泡装置]前記した素材を使用して、歯科用
餅状物を作製するに際し、液状モノマーと粉末状ポリマ
ーを攪拌混合し内部の気泡を脱泡するために使用する真
空吸引脱泡装置の一例を図1、および、図2に示す。図
1に示す真空吸引脱泡装置は、攪拌羽根が固定式のもの
であり、図2に示す真空吸引脱泡装置は、図1に示す固
定式の攪拌羽根に代え駆動回転式の攪拌スクリューを採
用したものである。
【0034】図1に示されるように、真空吸引脱泡装置
(1)は、攪拌槽(2)が回転盤(3)にチャック
(4)で着脱可能に保持されるようになっている。該チ
ャック(4)は、半径方向にスライドして3方向から攪
拌槽を保持するものであって、外径の違う攪拌槽(2)
を使用する場合にも対応できるようになっている。チャ
ックとしては、後述するような4方向から攪拌槽を保持
する構造を採用してもよいものである。前記回転盤
(3)は、伝動軸(5)に支持されており、該伝動軸
(5)は、装置台(6)のベース板(7)に設けられた
軸受(8)を貫通して下方に延長され、ロックブレーキ
(9)を介し駆動モータ(10)に連結されている。従
って、前記回転盤(3)は、ロックブレーキ(9)を解
除し、駆動モータ(10)への通電を行うことで回転で
き、駆動モータ(10)への通電を止め、ロックブレー
キ(9)を作動させることで、停止できる。回転盤
(3)の回転方向、回転速度の制御は図示していない制
御装置によって行われるようになっている。前記伝動軸
(5)と軸受(8)とは、後述するように、真空ケース
(11)を被せ真空ケース内の空気を排出した時に、真
空ケース内に空気が流入しないようにシール構造となっ
ている。なお、ロックブレーキに代え、停止爪によるロ
ック機構であってもよい。
【0035】攪拌槽(2)内には、支持棒(12a)の
先端に固定された攪拌羽根(12)が挿入されており、
該攪拌羽根(12)は、攪拌槽(2)の回転盤(3)へ
の取付け取り外し時に支障がないような位置に移動させ
たり、異なるサイズの攪拌槽(2)を使用する場合、ま
たは、被攪拌物の重量等に応じた適切な位置に設定でき
るように多関節アームに支持されている。具体的には、
攪拌羽根(12)の支持棒(12a)が、水平アーム
(14)の先端の固定ブロック(16)に固定ネジ(1
7)によって固定されることで、攪拌羽根(12)の垂
直位置が調節できるようになっており、水平アーム(1
4)が、ベース板(7)から立設された支柱(19)の
先端の固定ブロック(20)に固定ネジ(21)によっ
て固定されることで、攪拌羽根(12)の水平位置が調
節できるようになっている。また、支柱(19)はベー
ス板(7)に固定された外パイプと、該外パイプにスラ
イド可能に挿入された内パイプの二重パイプからなるテ
レスコープ型スライド構造となっており、内パイプを外
パイプに固定ネジ(22)により固定することで水平ア
ーム(14)の高さが調整できるようになっている。ま
た、内パイプを外パイプに対し回動させれば、水平アー
ム(14)の位置調節を行わないで攪拌羽根(12)の
水平位置が調節できる。なお、攪拌羽根(12)は複数
種の形状、大きさのものを用意し、必要に応じ交換でき
るようになっている。
【0036】真空ポンプ(24)には排気管(25)が
連結されており、該排気管(25)はベース板(7)に
設けられたシールを通って、ベース板(7)上面から突
出している。排気管(25)には大気との連通管(2
6)が分岐接続されるとともに、真空計(27)が配設
されており、前記連通管(26)には開放弁(28)が
設けられている。真空ポンプ(24)は図示していない
制御装置により排気速度、圧力等を制御できるようにな
っている。
【0037】ベース板(7)の表面は平滑面となってお
り、攪拌槽(2)、支柱(19)を覆う真空ケース(1
1)の下端部周縁に設けられたパッキン(29)によっ
て、真空ケース(11)とベース板(7)との間の気密
性が確保できるようになっている。ベース板(7)表面
側には、図示していないが、後述する攪拌スクリューの
回転用のモータへの給電を可能とするコンセントが設け
られ、該コンセントにはベース板(7)のシールを通っ
てベース板(7)裏面側に導出たされた配線ワイヤ(図
示せず)が接続されている。
【0038】真空ケース(11)の上面には、粉末状ポ
リマー供給用のホッパー(31)の支持フレーム(3
2)が立設され、前記ホッパー(31)が送り機構によ
って、上下動可能とされている。該送り機構は、ホッパ
ー(31)の側部に取り付けられた摺動ブロック(3
3)が支持フレーム(32)のブラケット(34)、
(34)間の摺動溝(32a)に嵌入されて、前記摺動
ブロック(33)に設けられた雌ネジと支持フレーム
(32)のブラケット(34)、(34)間に回転可能
に軸架された送りネジ(36)とが螺合するネジ送り構
造であって、送りネジ(36)の先端に固定されたハン
ドル(37)を操作することで摺動ブロック(33)が
摺動するようになっているが、これに限定されるもので
はなく、例えば、ラックとピニオンによる送り機構等が
採用できることはいうまでもない。前記ホッパー(3
1)の底部には供給パイプ(39)が接続されており、
該供給パイプ(39)は、手動の供給調節弁(40)を
介し、真空ケース(11)に設けられたパッキン(4
2)を通って真空ケース(11)内に延長されている。
供給パイプ(39)は、パッキン(42)によって密封
されるとともに摺動可能となっており、前記ハンドル
(37)を回転させることで、ホッパー(31)と共に
上下動する。前記ハンドル(37)の回転により、供給
パイプ(39)の下端が上下動できるようにしたこと
で、攪拌槽(2)に入れた液状モノマーの重量に応じ、
液面と接触しない上方位置に供給パイプ(39)の下端
が任意に設定でき、粉末状ポリマーの供給時の飛散が防
止できるとともに、粉末状ポリマーの投入により液面が
上昇した時に、供給パイプ(39)の下端を上昇させて
液面との接触を防止することができる。粉末状ポリマー
の攪拌槽(2)への投入量の調節は、供給調節弁(4
0)を開きその開度を調節することにより行い、供給調
節弁(40)を閉鎖することで、粉末状ポリマーの投入
が停止できる。ホッパー(31)側面には、透明部(4
3)および容量目盛(44)が設けられ、ホッパー内の
状態が観察できるとともに、内部の容量が判読できるよ
うになっている。真空ケース(11)側面には、内部状
態が観察できるように観察窓(45)が設けられてい
る。また、取っ手(46)、(46)が真空ケース(1
1)上面に取り付けられ、真空ケース(11)のベース
板(7)への載置、または、取り外しを容易にしてい
る。なお、真空ケース(11)に設けられた供給パイプ
(39)のパッキン(42)の位置は、外径の相違する
攪拌槽(2)を使用する場合にも、支障のない位置に設
定されている。
【0039】図2に示す真空吸引脱泡装置(51)は、
図1の真空吸引脱泡装置(1)の固定式の攪拌羽根(1
2)を攪拌スクリュー(52)に取り代えたものであ
る。この装置(51)においては、攪拌スクリュー(5
2)回転用のモータ(53)が、水平アーム(14)の
先端の締め付けリング(54)に締め付けネジ(55)
によって固定されている。前記コンセントに接続してモ
ータ(53)へ通電し、図示していない制御装置によ
り、攪拌スクリュー(52)の回転速度、回転方向を制
御できるようになっている。
【0040】このような真空吸引脱泡装置によれば、液
状モノマーと粉末状ポリマーとの攪拌混合が真空ケース
を被せたままで行うことができ、所定量の粉末状ポリマ
ーの供給後、直ちに真空吸引脱泡を開始することができ
る利点がある。
【0041】このような真空吸引脱泡装置(1)、(5
1)によれば、以下のような3種の操作が可能となる。
すなわち、 攪拌羽根固定、攪拌槽回転による攪拌脱泡(図1参
照) 攪拌槽固定、攪拌スクリュー回転による攪拌脱泡(図
2参照) 攪拌スクリュー、および、攪拌槽回転による攪拌脱泡
(図2参照) 以下、さらに詳細に説明する。
【0042】[の攪拌脱泡操作]図1に示す真空吸引
脱泡装置(1)において、真空ケース(11)を取り外
し、攪拌槽(2)を回転盤(3)に装着しチャック
(4)によって固定する。次いで、固定ネジ(17)、
(21)、(22)によって、攪拌羽根(12)を液状
モノマーの容量、および、攪拌槽(2)の大きさに応じ
た所定の位置に設定する。そして、攪拌槽(2)に所定
量の液状モノマーを注入する。なお、液状モノマーの変
質防止や、加熱重合触媒等を使用した場合の、加熱重合
触媒による重合の開始の防止のためには、液状モノマー
を所定の温度以下に設定しておくことが好ましく、攪拌
槽(2)へ液状モノマーを入れるのは、後述するように
真空ケース(11)を攪拌槽(2)等に被せる直前とす
ることが好ましい。
【0043】そして、真空ケース(11)を取っ手(4
6)、(46)を持って持ち上げ、パッキン(29)を
ベース板(7)の表面に密着させ、図1に示すように攪
拌槽(2)及び支柱(19)を密閉する。
【0044】次いで、ハンドル(37)を操作して、供
給パイプ(39)の下端が攪拌槽(2)の液状モノマー
の液面と接触しない適当な間隔を持った上方位置に来る
ように調節する。この調節量は、後述する液状モノマー
への粉末状ポリマーの投入方法の相違により適宜設定さ
れるものである。そして、予め所定割合となるように計
量しておいた粉末状ポリマーをホッパー(31)に入れ
る。
【0045】このような状態において、ロックブレーキ
(9)を解除し、駆動モータ(10)を起動させて、攪
拌槽(2)を回転させることにより液状モノマーを攪拌
しつつ、供給調節弁(40)を操作して粉末状ポリマー
を投入し、液状モノマーと粉末状ポリマーとを均一に混
合する。液状モノマーへの粉末状ポリマーの投入は、必
要量を少量づつ連続して投入する連続投入、必要量を所
定回数に分割して投入する分割投入、必要量を一度に投
入する一括投入が採用できる。粉末状ポリマーの投入量
および残量は、ホッパー(31)の透明部(43)およ
び容量目盛(44)によって確認する。従って、連続投
入の場合や分割投入の場合には、投入に応じ液面が上昇
するに伴い、観察窓(45)を通して内部を観察しなが
ら、ハンドル(37)を操作して、供給パイプ(39)
の下端が液面に接触しないようにホッパー(31)とと
もに供給パイプ(39)を上昇させるようにする。ま
た、予め供給パイプ(39)の下端位置を粉末状ポリマ
ーの投入後を予想して若干高めに設定しておいてもよ
い。液状モノマーと粉末状ポリマーとの攪拌混合状態
は、真空ケース(11)の観察窓(45)を通して確認
すればよい。
【0046】粉末状ポリマーの投入の終了後、供給調節
弁(40)を閉じ、その後、真空ポンプ(24)を作動
させて真空ケース(11)内の空気を排気し、真空ケー
ス(11)内の圧力を所定の圧力にまで減圧し、液状モ
ノマーと粉末状ポリマーとの攪拌混合を続けながら、液
状モノマーと粉末状ポリマーとの混合物中に含まれてい
る空気を脱泡する。制御装置により所定の圧力となるよ
うに真空ポンプ(24)は制御され、真空ケース(1
1)内の圧力は真空計(27)の表示によって確認す
る。
【0047】混合物からの真空吸引脱泡が完了したら、
駆動モータ(10)への通電を停止し、ロックブレーキ
(9)を作動させて攪拌を終了させる。そして、真空ポ
ンプ(24)の作動を停止し、開放弁(28)を開いて
真空ケース(11)内に大気を流入させる。この場合、
真空ポンプ(24)の作動停止後、駆動モータ(10)
への通電を停止してもよい。次いで、真空ケース(1
1)を取り外し、固定ネジ(21)をゆるめ、攪拌羽根
(12)を攪拌槽(2)から取り出す。次いで、チャッ
ク(4)をゆるめて攪拌槽(2)を回転盤(3)から取
り外す。
【0048】次いで、必要に応じ、攪拌槽(2)内の混
合物を図示していない適宜の保管容器に移し代え、液状
モノマーによる粉末状ポリマーの膨潤に伴い混合物が湿
砂状態から糸引き状態を経て、餅状態になるまで、室温
にて放置する。餅状態の確認は、検査資格者(熟練者)
による官能評価によって行うことができる。このように
して気泡の混在していない良好な餅状物を得ることがで
きる。
【0049】図1に示した真空吸引脱泡装置(1)によ
る餅状物の製造プロセスの工程図の一例を図3に示す。
【0050】なお、真空吸引脱泡後、攪拌槽から混合物
を保管容器に移し代えないで、そのまま攪拌槽中で餅状
物になるようにしてもよいことはいうまでもない。
【0051】[の攪拌脱泡操作]図2に示した真空吸
引脱泡装置(51)を用いて行う攪拌脱泡操作であっ
て、駆動モータ(10)を駆動させず、ロックブレーキ
(9)を作動させて攪拌槽(2)の回転を停止させる一
方、攪拌スクリュー(52)を回転させ液状モノマーと
粉末状ポリマーとを攪拌混合させる点が[の攪拌脱泡
操作]と相違するものである。真空吸引脱泡の工程の一
例を図4に示し、詳細な説明は省略する。
【0052】[の攪拌脱泡操作]前記と同様に図2
に示した真空吸引脱泡装置(51)を用いて行う攪拌脱
泡操作であって、駆動モータ(10)を駆動させ、攪拌
槽(2)の回転と攪拌スクリュー(52)の回転とによ
って液状モノマーと粉末状ポリマーとを攪拌混合させる
点が[の攪拌脱泡操作]と相違するものである。真空
吸引脱泡の工程の一例を図5に示し、詳細な説明は省略
する。なお、攪拌槽(2)の回転方向と攪拌スクリュー
(52)の回転方向とは逆方向に制御することが好まし
い。
【0053】図6にさらに真空吸引脱泡装置の他の例を
示す。図6に示された真空吸引脱泡装置(61)は、透
明真空ケース(62)を使用し、粉末状ポリマーの攪拌
槽(2)への投入を行った後に、透明真空ケース(6
2)を被せ、吸引脱泡するようにしたものである。
【0054】図6においては、粉末状ポリマー供給用の
ホッパー(63)の支持フレーム(64)を固定した支
持板(65)が、送り機構によってベース板(66)上
を攪拌槽(2)への粉末状ポリマーの供給位置と退避位
置との間で移動できるようになっている。ベース板(6
6)にはスリット(68)が設けられており、支持板
(65)下面の前後には、ベース板(66)上を転動す
る一対のキャスター(69)、(69)が所定距離離れ
てそれぞれ配設されているとともに、前記スリット(6
8)に沿って摺動する摺動板(70)がベース板(6
6)下方にまで延長されている。該摺動板(70)に
は、雌ネジを設けた摺動ブロック(71)が固定されて
いる。該摺動ブロック(71)の雌ネジは、ベース板
(66)下面に設けられたブラケット(72)、(7
2)間に回転可能に軸架された送りネジ(73)と螺合
している。このようなネジ送り機構により、送りネジ
(73)に固定されたハンドル(74)を操作すること
で摺動ブロック(71)が摺動し支持フレーム(64)
の移動が行われる。支持フレーム(64)の退避位置と
作動位置との間の移動は、ネジ送り機構による移動に限
られるものではなく、例えば、ラックとピニオンによる
送り機構によってでもよいことはいうまでもない。前記
スリット(68)は、透明真空ケース(62)を被せて
真空吸引脱泡する際に真空吸引を妨げない位置におい
て、伝動軸(5)に向かって設けられている。図6にお
いて、実線で示されるホッパー(63)は退避位置にあ
り、2点鎖線で示されるホッパー(63)は粉末状ポリ
マーの投入位置にあることを示す。その他は、図1に示
す真空吸引脱泡装置と同一なことから同一番号を付し詳
細な説明は省略する。
【0055】このような真空吸引脱泡装置によれば、真
空ケースの容積を比較的小さくすることができ、所定の
圧力にまで低下させる時間が短くなる利点がある。
【0056】攪拌羽根固定、攪拌槽回転による攪拌脱
泡(図6参照) この真空吸引脱泡装置(61)によって、攪拌脱泡操作
をするには、透明真空ケース(62)を取り外し、攪拌
槽(2)を回転盤(3)に装着しチャック(4)によっ
て固定する。次いで、固定ネジ(17)、(21)、
(22)によって、攪拌羽根(12)を液状モノマーの
容量、および、攪拌槽(2)の大きさに応じた所定の位
置に設定する。そして、攪拌槽(2)に所定量の液状モ
ノマーを注入する。
【0057】次いで、ハンドル(74)を操作して、攪
拌槽(2)への粉末状ポリマーの投入可能な投入位置に
まで支持フレーム(64)を移動させ、ホッパー(6
3)のハンドル(37)を操作することで、供給パイプ
(76)の下端が攪拌槽(2)の液状モノマーの液面と
接触しない適当な間隔を持った上方位置に来るように調
節する。そして、予め所定割合となるように計量してお
いた粉末状ポリマーをホッパー(63)に入れる。
【0058】このような状態において、前記と同様
に、ロックブレーキ(9)を解除し、駆動モータ(1
0)を起動させて、攪拌槽(2)を回転させることによ
り液状モノマーを攪拌しつつ、供給調節弁(77)を操
作して粉末状ポリマーを投入し、液状モノマーと粉末状
ポリマーとを均一に混合する。所定量の粉末状ポリマー
の投入の終了後、供給調節弁(77)を閉じ、ホッパー
(63)のハンドル(37)を操作し、供給パイプ(7
6)の下端が攪拌槽(2)と接触しない適当な間隔を持
った上方位置に来るように調節する。そして、支持フレ
ーム(64)を退避位置にまで戻す。
【0059】そして、透明真空ケース(62)を被せ、
パッキン(78)をベース板(66)の表面に密着させ
ることにより、図6に示すように攪拌槽(2)及び支柱
(19)を密閉する。
【0060】次いで、真空ポンプ(24)を作動させて
透明真空ケース(62)内の空気を排気し、透明真空ケ
ース(62)内の圧力を所定の圧力にまで減圧し、液状
モノマーと粉末状ポリマーとの攪拌混合を続けながら、
液状モノマーと粉末状ポリマーとの混合物中に含まれて
いる空気を脱泡する。
【0061】混合物からの真空吸引脱泡が完了したら、
駆動モータ(10)への通電を停止し、ロックブレーキ
(9)を作動させて攪拌を終了させる。そして、真空ポ
ンプ(24)の作動を停止し、開放弁(28)を開いて
透明真空ケース(62)内に大気を流入させる。この場
合、真空ポンプ(24)の作動停止後、駆動モータ(1
0)への通電を停止してもよい。そして、透明真空ケー
ス(62)を取り外し、固定ネジ(21)をゆるめ、攪
拌羽根(12)を攪拌槽(2)から取り出す。次いで、
チャック(4)をゆるめて攪拌槽(2)を回転盤(3)
から取り外す。
【0062】次いで、必要に応じ、攪拌槽(2)内の混
合物を図示していない適宜の保管容器に移し代え、モノ
マーによるポリマーの膨潤に伴い混合物が湿砂状態から
糸引き状態を経て、餅状態になるまで、室温にて保管す
る。
【0063】図6に示した真空吸引脱泡装置(61)に
よる餅状物の製造プロセスの工程図の1例を図7に示
す。
【0064】図6に示した真空吸引脱泡装置(61)の
攪拌羽根(12)に代え、図2に示す攪拌スクリュー
(52)を用いることで、前記、と同様な攪拌脱泡
をすることができる。図8に攪拌スクリュー(52)を
用いた真空吸引脱泡装置(81)を示す。この真空吸引
脱泡装置(81)を用いて、と同様の攪拌槽固定、攪
拌スクリュー回転による攪拌脱泡を行う餅状物の製造に
ついては、工程図の1例を図9に示し、詳細な説明は省
略する。また、と同様の攪拌スクリュー、および、攪
拌槽回転による攪拌脱泡を行う餅状物の製造について
は、工程図の1例を図10に示し、詳細な説明は省略す
る。
【0065】図6に示された真空吸引脱泡装置(61)
のネジ送り機構を省き、図11に示される真空吸引脱泡
装置(91)のように、支持フレーム(64)をベース
板(66)と別体とし、支持板(65)下面に設けたそ
れぞれ一対のキャスター(69)、(69)によって支
持フレーム(64)がベース板(66)上を移動するよ
うにしてもよいものである。
【0066】図12は、攪拌槽のチャックの概略図であ
る。図12に示すチャック(94)は、4方向から攪拌
槽を保持するようにしたものであって、個々のネジ(9
5)を回転させることで各スライダ(96)を摺動さ
せ、ホルダー(97)によって攪拌槽を保持することが
できる構造となっている。なお、攪拌槽のチャックとし
ては、これに限られるものではない。
【0067】攪拌羽根としては、図1、図6に示される
ような形状のものに限られるものではなく、攪拌スクリ
ューも図2に示されるような形状のものに限られるもの
ではなく、攪拌、および、真空吸引脱泡が良好に行うこ
とができる形状のものであればよい。
【0068】また、加熱重合触媒等が添加使用される場
合等において、液状モノマーの温度を所定の温度以下に
して、攪拌槽(2)に注入するようにしたが、さらに、
回転盤(3)に冷媒通路を設け、攪拌槽(2)を冷却す
るようにしたり、攪拌槽(2)の周囲に冷媒管を設け
て、攪拌槽(2)を冷却するようにしてもよいことはい
うまでもない。
【0069】このようにして得られた餅状物は、保管容
器のまま保冷庫等において低温保存をすることで、長期
間気泡の混在がなく、変質しないで保存することができ
る。そして、必要に応じ、保冷庫等から取り出し、必要
とする量を小分けしてフラスコ等に填入し、レジン床等
を成型し重合硬化させる。成型は、加圧成型、射出成型
等を採用することが大量生産を可能とすることから好ま
しい。
【0070】また、技工所等へは、保冷容器等に収容し
て、宅配便等の流通ルートによって輸送し、技工所等に
おいて低温保存することが可能となる。このような容器
としては、フラスコへの填入等が直接行える構造が好ま
しく、例えば、チューブ状容器、先端にノズルを有し後
端に押し出し板を備えた筒状容器等で、断熱材によって
被覆された構造のものが好ましい。
【0071】
【実施例】次に、実施例を比較例とともに示しさらに詳
しく説明する。 (実施例1)液状モノマーとしてメチルメタクリレート
を用い、これを98.0重量部、重合禁止剤としてハイ
ドロキノンを0.05重量部、架橋剤としてエチレング
リコールを1.95重量部を含有する混合液Lを調整し
た。粉末状ポリマーとしてポリメチルメタクリレートを
用い、これを99.5重量部、重合開始剤としてBPO
を0.5重量部、着色剤を微量含有する粉末Pを調整し
た。粉末Pと混合液Lの重量比を100/60として、
図1に示す装置を用い図3の工程図に従って、表1の実
施例1に示す条件で操作を行った。該装置の攪拌槽の容
量は20リットル、真空ケースの容量は50リットルで
あり、真空ポンプの排気能力は160リットル/分であ
る。餅状物の作製において、粉末Pの投入は、連続投入
にて攪拌と同時に開始した。真空排気は、粉末Pの投入
完了直後から行い、ケース内圧力を20Torrに到達
させて1分後に排気を停止し、攪拌も終了した。得られ
た混合物を密閉容器に流し入れ、室温(23℃)にて餅
状となるのを待った。得られた餅状物をスライスし、そ
の表面を拡大鏡で観察したところ気泡はなく、また、餅
状態を触感にて判断したところ良好であった。
【0072】また、得られた餅状物を0℃で保管し、7
日後と14日後に餅状態を触感にて判断した。結果は表
1に示すとおりである。
【0073】7日保管した餅状物を、25×25×15
mmの金型内に填入し、400kgf/cm2で加圧
し、70℃で30分間、100℃で40分間加熱重合さ
せて成型し板状体を得た。得られた板状体をスライスし
てその表面の気泡の有無を拡大鏡にて確認した。結果は
表1に示すとおりである。
【0074】また、重合板状体の曲強度を、圧縮引っ張
り試験機(島津製作所製 オートグラフAGS−50
D)を用い、CHS(クロスヘッドスピード)=1mm
/min、試験下支点間距離=50mmとして試験を行
い、下記の関係に基づき求めた。ここにおいて試料の大
きさは64×10×2.5mmとした。結果は表1に示
すとおりである。
【0075】曲強度: σb3=3PL/2WT2 σb3:3点曲強度(MPa) P:試料が破壊したときの最大荷重(N) L:試験下支点間距離(mm) W:試料の幅(mm) T:試料の厚さ(mm)
【0076】実施例1の歯科用餅状物としての適性は、
曲げ強度も十分で総合的に判断して良好なものであっ
た。
【0077】(実施例2)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図1に示す装置を
用い、図3の工程図に従って表1の実施例2に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、1/
3量を攪拌開始と同時に行い、さらに同量ずつ1分後、
2分後に行い、計3回に分割して行った。真空排気は、
粉末Pの投入完了直後から行い、ケース内圧力を160
Torrに到達させて4分後に排気を停止し、攪拌も終
了した。得られた混合物を密閉容器に入れ、室温(23
℃)にて餅状となるのを待った。得られた餅状物をスラ
イスし、その表面を拡大鏡で観察したところ気泡はな
く、また、餅状感も良好であった。
【0078】また、得られた餅状物を−10℃で保管
し、7日後と14日後に餅状態を触感にて判断した。結
果は表1に示すとおりである。7日保管した餅状物の気
泡の有無を実施例1と同様にして確認した。結果は表1
に示すとおりである。曲強度は、実施例1と同一サイズ
の試験片により同様に測定した。結果は表1に示すとお
りである。実施例2の歯科用餅状物としての適性は、曲
げ強度も十分で総合的に判断して良好なものであった。
【0079】(実施例3)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図1に示す装置を
用い、図3の工程図に従って表1の実施例3に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、連続
投入にて攪拌と同時に開始した。真空排気は、粉末Pの
投入完了直後から行い、ケース内圧力を160Torr
に到達させて4分後に排気を停止し、攪拌も終了した。
得られた混合物を密閉容器に入れ、室温(23℃)にて
餅状となるのを待った。得られた餅状物をスライスし、
その表面を拡大鏡で観察したところ気泡はなく、また、
餅状感も良好であった。
【0080】また、得られた餅状物を−20℃で保管
し、7日後と14日後に餅状態を触感にて判断した。結
果は表1に示すとおりである。7日保管した餅状物の気
泡の有無を実施例1と同様にして確認した。結果は表1
に示すとおりである。曲強度は、実施例1と同一サイズ
の試験片により同様に測定した。結果は表1に示すとお
りである。実施例3の歯科用餅状物としての適性は、曲
げ強度も十分で総合的に判断して良好なものであった。
【0081】(実施例4)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図2に示す装置を
用い、図4の工程図に従って表1の実施例4に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、1/
3量を攪拌開始と同時に行い、さらに同量ずつ0.5分
後、1分後に行い、計3回に分割して行った。真空排気
は、粉末Pの投入完了直後から行い、ケース内圧力を5
Torrに到達させて1分後に排気を停止し、攪拌も終
了した。得られた混合物を密閉容器に入れ、室温(23
℃)にて餅状となるのを待った。得られた餅状物をスラ
イスし、その表面を拡大鏡で観察したところ、気泡はな
く、また、餅状感も良好であった。
【0082】また、得られた餅状物を−10℃で保管
し、7日後と14日後に餅状態を触感にて判断した。結
果は表1に示すとおりである。7日保管した餅状物の気
泡の有無を実施例1と同様にして確認した。結果は表1
に示すとおりである。曲強度は、実施例1と同一サイズ
の試験片により同様に測定した。結果は表1に示すとお
りである。実施例4の歯科用餅状物としての適性は、曲
げ強度も十分で総合的に判断して良好なものであった。
【0083】(実施例5)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図2に示す装置を
用い、図4の工程図に従って表1の実施例5に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、連続
投入にて攪拌と同時に開始した。真空排気は、粉末Pの
投入完了直後から行い、ケース内圧力を10Torrに
到達させて4分後に排気を停止し、攪拌も終了した。得
られた混合物を密閉容器に入れ、室温(23℃)にて餅
状となるのを待った。得られた餅状物をスライスし、そ
の表面を拡大鏡で観察したところ、気泡はなく、また、
餅状感も良好であった。
【0084】また、得られた餅状物を0℃で保管し、7
日後と14日後に餅状態を触感にて判断した。結果は表
1に示すとおりである。7日保管した餅状物の気泡の有
無を実施例1と同様にして確認した。結果は表1に示す
とおりである。曲強度は、実施例1と同一サイズの試験
片により同様に測定した。結果は表1に示すとおりであ
る。実施例5の歯科用餅状物としての適性は、曲げ強度
も十分で総合的に判断して良好なものであった。
【0085】
【表1】
【0086】(実施例6)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図2に示す装置を
用い、図4の工程図に従って表2の実施例6に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、1/
3量を攪拌開始と同時に行い、さらに同量ずつ2分後、
4分後に行い、計3回に分割して行った。真空排気は、
粉末Pの投入完了直後から行い、ケース内圧力を5To
rrに到達させて4分後に排気を停止し、攪拌も終了し
た。得られた混合物を密閉容器に入れ、室温(23℃)
にて餅状となるのを待った。得られた餅状物をスライス
し、その表面を拡大鏡で観察したところ、気泡はなく、
また、餅状感も良好であった。
【0087】また、得られた餅状物を−10℃で保管
し、7日後と14日後に餅状態を触感にて判断した。結
果は表2に示すとおりである。7日保管した餅状物の気
泡の有無を実施例1と同様にして確認した。結果は表2
に示すとおりである。曲強度は、実施例1と同一サイズ
の試験片により同様に測定した。結果は表2に示すとお
りである。実施例6の歯科用餅状物としての適性は、曲
げ強度も十分で総合的に判断して良好なものであった。
【0088】(実施例7)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図2に示す装置を
用い、図5の工程図に従って表2の実施例7に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、1/
3量を攪拌開始と同時に行い、さらに同量ずつ0.5分
後、1分後に行い、計3回に分割して行った。真空排気
は、粉末Pの投入完了直後から行い、ケース内圧力を2
0Torrに到達させて1分後に排気を停止し、攪拌も
終了した。得られた混合物を密閉容器に入れ、室温(2
3℃)にて餅状となるのを待った。得られた餅状物をス
ライスし、その表面を拡大鏡で観察したところ、気泡は
なく、また、餅状感も良好であった。
【0089】また、得られた餅状物を−20℃で保管
し、7日後と14日後に餅状態を触感にて判断した。結
果は表2に示すとおりである。7日保管した餅状物の気
泡の有無を実施例1と同様にして確認した。結果は表2
に示すとおりである。曲強度は、実施例1と同一サイズ
の試験片により同様に測定した。結果は表2に示すとお
りである。実施例7の歯科用餅状物としての適性は、曲
げ強度も十分で総合的に判断して良好なものであった。
【0090】(実施例8)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図2に示す装置を
用い、図5の工程図に従って表2の実施例8に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、1/
3量を攪拌開始と同時に行い、さらに同量ずつ1分後、
2分後に行い、計3回に分割して行った。真空排気は、
粉末Pの投入完了直後から行い、ケース内圧力を10T
orrに到達させて2分後に排気を停止し、攪拌も終了
した。得られた混合物を密閉容器に入れ、室温(23
℃)にて餅状となるのを待った。得られた餅状物をスラ
イスし、その表面を拡大鏡で観察したところ、気泡はな
く、また、餅状感も良好であった。
【0091】また、得られた餅状物を−10℃で保管
し、7日後と14日後に餅状態を触感にて判断した。結
果は表2に示すとおりである。7日保管した餅状物の気
泡の有無を実施例1と同様にして確認した。結果は表2
に示すとおりである。曲強度は、実施例1と同一サイズ
の試験片により同様に測定した。結果は表2に示すとお
りである。実施例8の歯科用餅状物としての適性は、曲
げ強度も十分で総合的に判断して良好なものであった。
【0092】(実施例9)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図2に示す装置を
用い、図5の工程図に従って表2の実施例9に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、連続
投入にて攪拌と同時に開始した。真空排気は、粉末Pの
投入完了直後から行い、ケース内圧力を5Torrに到
達させて2分後に排気を停止し、攪拌も終了した。得ら
れた混合物を密閉容器に入れ、室温(23℃)にて餅状
となるのを待った。得られた餅状物をスライスし、その
表面を拡大鏡で観察したところ、気泡はなく、また、餅
状感も良好であった。
【0093】また、得られた餅状物を−10℃で保管
し、7日後と14日後に餅状態を触感にて判断した。結
果は表2に示すとおりである。7日保管した餅状物の気
泡の有無を実施例1と同様にして確認した。結果は表2
に示すとおりである。曲強度は、実施例1と同一サイズ
の試験片により同様に測定した。結果は表2に示すとお
りである。実施例9の歯科用餅状物としての適性は、曲
げ強度も十分で総合的に判断して良好なものであった。
【0094】
【表2】
【0095】(比較例1)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図1に示す装置を
用い、真空排気を行わない以外は、図3の工程図に準じ
表3の比較例1に示す条件で操作を行った。ここにおい
て、粉末Pの投入は、連続投入にて攪拌と同時に開始し
た。得られた混合物を密閉容器に入れ、室温(23℃)
にて餅状となるのを待った。得られた餅状物をスライス
し、その表面を拡大鏡で観察したところ、真空排気が行
われていないことから気泡はあったが、餅状感は良好で
あった。
【0096】また、得られた餅状物を0℃で保管し、7
日後と14日後に餅状態を触感にて判断した。結果は表
3に示すとおりである。7日保管した餅状物の気泡の有
無を実施例1と同様にして確認した。結果は表3に示す
とおりである。曲強度は、実施例1と同一サイズの試験
片により同様に測定した。結果は表3に示すとおりであ
る。比較例1の歯科用餅状物としての適性は良好とはい
えない。
【0097】(比較例2)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図1に示す装置を
用い、図3の工程図に従って表3の比較例2に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、1/
3量を攪拌開始と同時に行い、さらに同量ずつ1分後、
2分後に行い、計3回に分割して行った。真空排気は、
粉末Pの投入完了直後から行い、ケース内圧力を5To
rrに到達させて4分後に排気を停止し、攪拌も終了し
た。得られた混合物を密閉容器に入れ、室温(23℃)
にて餅状となるのを待ったが、短時間のうちに餅状から
ゴム状に変化した。これは、使用したモノマーの温度が
45℃と高いことによるものと考えられる。なお、この
ものをスライスし、その表面を拡大鏡で観察したところ
気泡はなかった。
【0098】(比較例3)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図1に示す装置を
用い、図3の工程図に従って表3の比較例3に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、攪拌
開始と同時に一括に行った。真空排気は、粉末Pの投入
完了直後から行い、ケース内圧力を5Torrに到達さ
せて60分後に排気を停止し、攪拌も終了した。得られ
た混合物を密閉容器に入れ、室温(23℃)にて餅状と
なるのを待ったが、餅状物が得られなかった。これは、
真空排気時間が長かったためモノマーが揮発したたこと
によるものと考えられる。
【0099】(比較例4)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図2に示す装置を
用い、図4の工程図に従って表3の比較例4に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、攪拌
開始と同時に一括に行った。真空排気は、粉末Pの投入
完了直後から行い、ケース内圧力を360Torrに到
達させて1分後に排気を停止し、攪拌も終了した。攪拌
時間が短かいことから、混合が十分にできなかった。
【0100】(比較例5)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図2に示す装置を
用い、図4の工程図に従って表3の比較例5に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、連続
投入にて攪拌と同時に開始した。真空排気は、粉末Pの
投入完了直後から行い、ケース内圧力を10Torrに
到達させて4分後に排気を停止し、攪拌も終了した。羽
根の回転数が少なかったため、十分に練ることができな
かった。
【0101】
【表3】
【0102】(比較例6)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図2に示す装置を
用い、図4の工程図に従って表4の比較例6に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、1/
3量を攪拌開始と同時に行い、さらに同量ずつ2分後、
4分後に行い、計3回に分割して行った。真空排気は、
粉末Pの投入完了直後から行い、ケース内圧力を560
Torrに到達させて4分後に排気を停止し、攪拌も終
了した。得られた混合物を密閉容器に入れ、室温(23
℃)にて餅状となるのを待った。得られた餅状物をスラ
イスし、その表面を拡大鏡で観察したところケース内圧
力が十分低くないため気泡はあったが、餅状感は良好で
あった。
【0103】また、得られた餅状物を40℃で保管し、
7日後と14日後に餅状態を触感にて判断した。結果は
表4に示すとおりである。餅状物は保管温度が高いこと
により硬化してしまった。比較例6の歯科用餅状物とし
ての適性は良好とはいえない。
【0104】(比較例7)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図2に示す装置を
用い、図5の工程図に従って表4の比較例7に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、1/
3量を攪拌開始と同時に行い、さらに同量ずつ2分後、
4分後に行い、計3回に分割して行った。真空排気は、
粉末Pの投入完了直後から行い、ケース内圧力を660
Torrに到達させて4分後に排気を停止し、攪拌も終
了した。得られた混合物を密閉容器に入れ、室温(23
℃)にて餅状となるのを待った。得られた餅状物をスラ
イスし、その表面を拡大鏡で観察したところ、ケース内
圧力が十分低くないため気泡はあったが、餅状態は良好
であった。
【0105】また、得られた餅状物を0℃で保管し、7
日後と14日後に餅状態を触感にて判断した。結果は表
4に示すとおりである。7日保管した餅状物の気泡の有
無を実施例1と同様にして確認した。結果は表4に示す
とおりである。曲強度は、実施例1と同一サイズの試験
片により同様に測定した。結果は表4に示すとおりであ
る。比較例7の歯科用餅状物としての適性は良好とはい
えない。
【0106】(比較例8)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図2に示す装置を
用い、図5の工程図に従って表4の比較例8に示す条件
で操作を行った。ここにおいて、粉末Pの投入は、1/
3量を攪拌開始と同時に行い、さらに同量ずつ2分後、
4分後に行い、計3回に分割して行った。真空排気は、
粉末Pの投入完了直後から行い、ケース内圧力を10T
orrに到達させて4分後に排気を停止し、攪拌も終了
した。得られた混合物を密閉容器に入れ、室温(23
℃)にて餅状となるのを待った。得られた餅状物をスラ
イスし、その表面を拡大鏡で観察したところ気泡はな
く、餅状態も良好であった。
【0107】また、得られた餅状物を40℃で保管し、
7日後と14日後に餅状態を触感にて判断した。結果は
表4に示すとおりである。餅状物は保管温度が高いこと
により硬化してしまった。
【0108】(比較例9)実施例1と同一の混合液L、
粉末Pを実施例1と同一比で用いた。図2に示す装置を
用い、真空排気を行わない以外は、図5の工程図に準じ
て表4の比較例9に示す条件で操作を行った。ここにお
いて、粉末Pの投入は、1/3量を攪拌開始と同時に行
い、さらに同量ずつ1分後、2分後に行い、計3回に分
割して行った。得られた混合物を密閉容器に入れ、室温
(23℃)にて餅状となるのを待ったが、短時間のうち
に餅状からゴム状に変化した。これは、使用したモノマ
ーの温度が40℃と高いことによるものと思われる。ま
た、得られた餅状物をスライスし、その表面を拡大鏡で
観察したところ気泡があった。これは、真空排気が行わ
れていないことによるものと思われる。
【0109】
【表4】
【0110】種々実験を行った結果に基づくと、この発
明の真空吸引脱泡装置によって液状モノマーとしてメチ
ルメタクリレート(MMA)、粉末状ポリマーとしてポ
リメチルメタクリレート(PMMA)を用いて餅状物を
作製する場合の好適な攪拌混合、真空吸引脱泡条件は以
下の通りである。PMMAとMMAとの重量比は、1.
25/1〜3.3/1の範囲内であることが好ましく、
このうち1.5/1〜2.5/1の範囲が特に好まし
い。PMMAの混合割合が少なく、重量比が1.25/
1未満では、MMAとPMMAとの混合物は餅状になる
のに長時間を要し、しかも、液成分が過多状態の餅状物
となるため、重合時の収縮が大きく残留応力によって歪
むことから好ましくない。また、MMAが重合硬化して
も、レジン床等として使用に耐える十分な強度を有しな
いことから好ましくない。PMMAの混合割合が多く、
重量比が3.3/1を超えると、MMAとPMMAとの
混合物は、PMMAが十分湿らず、PMMAのダマがで
きやすく均一な混合物となりにくく、餅状物もバサつい
た感じのものとなる。また、MMAが重合硬化しても、
レジン床等として使用に耐える十分な強度を有しないこ
とから好ましくない。前記重量比が1.5/1〜2.5
/1であり、この範囲であれば、気泡のない良好な餅状
物が比較的短時間で容易に得られ、MMAが重合硬化し
たものは、レジン床等として使用に耐える十分な強度を
有する。
【0111】ケース内圧力は、5〜160Torrが好
ましい。5Torr未満では、MMAの揮発による影響
が大きくなることから好ましくなく、160Torrを
超えると、真空吸引脱泡に長時間を要することになり好
ましくない。また、MMAの温度は攪拌開始時におい
て、−25〜30℃とされることが好ましい。MMAの
温度が−25℃未満では、攪拌の操作余裕時間は長いが
餅状になるのに時間を要するために好ましくなく、30
℃を超えると、重合触媒によってMMAの重合が開始す
ることになり、また、餅状になる時間は速いが攪拌の操
作余裕時間も短くなって好ましくない。
【0112】そして、この実施例程度である1〜10k
gの重量の餅状物を作成する場合であって、実施例程度
の容量の攪拌槽、真空ケース、真空ポンプを用いた場合
の容器・羽根回転数は10〜70r.p.m、攪拌時間
は1〜10min、真空時間は1〜4minが好まし
い。
【0113】なお、10kgを超える重量についても装
置のサイズ、攪拌時間、真空時間等の相違はあるものの
同様にして良好な餅状物を得ることができた。
【0114】得られた餅状物の保管温度は、−25〜0
℃とすることが好ましい。
【0115】
【発明の効果】この発明は、以上詳しく説明したように
構成されているので、以下に記載されるような効果を奏
する。すなわち、この発明の歯科用餅状物の製造方法に
よれば、気泡の混在しない均質な餅状物を大量にかつ熟
練を要することなく容易にしかも安価に得ることができ
ることになる。そして、この発明の製造方法によって得
られた歯科用餅状物は、気泡が混在していないことか
ら、これを使用すれば、気泡周辺への応力の集中による
破損の恐れがなく、強度があり、審美性に優れたレジン
床義歯等を作製することができることになる。
【0116】この発明の歯科用餅状物の保存方法によれ
ば、この発明の歯科用餅状物の製造方法によって得られ
た餅状物の物性を損なわないで、長期間保存することが
可能なる。このため、大量の餅状物を製造し保存するこ
とにより、随時、餅状物を必要な量だけ保冷庫等から取
り出し使用することができることになる。また、この発
明の歯科用餅状物を製造するメーカーにおいて、多種の
歯科用餅状物を製造・保存し、ニーズに応じ提供するシ
ステムを採用することが可能となる。その場合は、歯科
用餅状物のメーカーは、必要とする種類の餅状物を必要
な量だけ取り出し、流通用の保冷容器に収納し、宅配
便、郵送等の適宜の物流機構を通じて技工所等に迅速に
提供することができる。このようなシステムを採用すれ
ば、技工所等の規模の大小に係わらず歯科用餅状物の製
造の手間を省略することができ、熟練者を配する必要が
なく極めて経済的となる。
【0117】この発明の歯科用餅状物を、レジン床の成
型に使用することで、均質のレジン床義歯を容易に製造
することができる。また、歯科用餅状物が均質であるこ
とから、近年、開設されている大規模の技工所等でのレ
ジン床義歯の大量製造を可能とすることができる。
【0118】この発明の歯科用餅状物の製造装置によれ
ば、この発明の歯科用餅状物を多少に関わらず、簡便且
つ確実に得ることができることになる。従って、この製
造装置を各技工所等が導入することで、小規模の技工所
に限らず大規模の技工所においても必要とする品質の歯
科用餅状物を、必要とする量、随時製造することがで
き、顧客のニーズに迅速に対応することができることに
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するために使用する液状モノマ
ーと粉末状ポリマーとを攪拌混合し真空吸引脱泡する装
置の一例を示す説明図である。
【図2】図1の装置において、攪拌羽根を交換した状態
を示す説明図である。
【図3】図1に示す装置により歯科用餅状物を作製する
一例を示す工程図である。
【図4】図2に示す装置により歯科用餅状物を作製する
一例を示す工程図である。
【図5】図2に示す装置により歯科用餅状物を作製する
他例を示す工程図である。
【図6】この発明を実施するために使用する液状モノマ
ーと粉末状ポリマーとを攪拌混合し真空吸引脱泡する装
置の他例を示す説明図である。
【図7】図6に示す装置により歯科用餅状物を作製する
一例を示す工程図である。
【図8】図6の装置において、攪拌羽根を交換した状態
を示す説明図である。
【図9】図8に示す装置により歯科用餅状物を作製する
一例を示す工程図である。
【図10】図8に示す装置により歯科用餅状物を作製す
る他例を示す工程図である。
【図11】この発明を実施するために使用する液状モノ
マーと粉末状ポリマーとを攪拌混合し真空吸引脱泡する
装置のさらに他例を示す説明図である。
【図12】この発明の攪拌混合し真空吸引脱泡する装置
における攪拌槽のチャックの概略斜視図である。
【符号の説明】
1 真空吸引脱泡装置 2 攪拌槽 11 真空ケース 12 攪拌羽根 24 真空ポンプ 31 ホッパー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状モノマーと粉末状ポリマーとを攪拌
    して混合することにより歯科用餅状物を製造する方法で
    あって、前記液状モノマーと粉末状ポリマーとの混合物
    の液体状態において、真空吸引して脱泡することを特徴
    とする歯科用餅状物の製造方法。
  2. 【請求項2】 液状モノマーが、単官能のメタクリレー
    ト、多官能のメタクリレート、多官能のアクリレートの
    うちから選択された少なくとも1つであり、 粉末状ポリマーが、メタクリレート、アクリレートのホ
    モポリマーのうちから選択された少なくとも1つ、およ
    び/またはメタクリレート、アクリレート、スチレンの
    少なくとも2種以上のモノマーから得られるコポリマー
    のうちから選択された少なくとも1つであることを特徴
    とする請求項1記載の歯科用餅状物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の歯科用餅状物の
    製造方法によって得られた歯科用餅状物が、低温保存さ
    れることを特徴とする歯科用餅状物の保存方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の歯科用餅状物の保存方法
    によって保存された歯科用餅状物をフラスコ内に填入し
    重合させることでレジン床を成型することを特徴とする
    義歯床の製造方法。
  5. 【請求項5】 攪拌槽と、該攪拌槽を回転可能に保持す
    る保持手段と、攪拌槽内に挿入される攪拌羽根とが、真
    空ケース内に配設され、前記保持手段が攪拌槽の回転停
    止手段を介して回転駆動手段に連結されてなることを特
    徴とする歯科用餅状物の製造装置。
  6. 【請求項6】 粉末状ポリマーの攪拌槽への供給手段を
    具備することを特徴とする請求項5記載の歯科用餅状物
    の製造装置。
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