JPH11252998A - 発電機制御装置 - Google Patents
発電機制御装置Info
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- JPH11252998A JPH11252998A JP10053843A JP5384398A JPH11252998A JP H11252998 A JPH11252998 A JP H11252998A JP 10053843 A JP10053843 A JP 10053843A JP 5384398 A JP5384398 A JP 5384398A JP H11252998 A JPH11252998 A JP H11252998A
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- signal
- power
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 速応励磁の長所である電圧低下時の素早い電
圧回復を損なうことなく協調制御における制御適応性を
確保する。 【解決手段】 発電機2の回転数を検出する回転数検出
手段11と、発電機2により発電された電力における有
効電力を検出する有効電力検出手段12と、有効電力と
所定の設定値との偏差についての高周波,低周波のそれ
ぞれの周波数成分の変動に応じて、高周波帯域の変動に
対してはAVR8の目標値の偏差であるものとして前記
補正量を供給するようにPSSを動作させ、周波数成分
の低周波帯域の変動に対してはこの変動が実質的には前
記機械トルクの変動であるものとしてこの実質的な機械
トルクの変動を抑制するようにガバナ制御系5を動作さ
せるようにガバナ制御系5とPSS9とを協調的に制御
する協調制御手段10と、を備える。
圧回復を損なうことなく協調制御における制御適応性を
確保する。 【解決手段】 発電機2の回転数を検出する回転数検出
手段11と、発電機2により発電された電力における有
効電力を検出する有効電力検出手段12と、有効電力と
所定の設定値との偏差についての高周波,低周波のそれ
ぞれの周波数成分の変動に応じて、高周波帯域の変動に
対してはAVR8の目標値の偏差であるものとして前記
補正量を供給するようにPSSを動作させ、周波数成分
の低周波帯域の変動に対してはこの変動が実質的には前
記機械トルクの変動であるものとしてこの実質的な機械
トルクの変動を抑制するようにガバナ制御系5を動作さ
せるようにガバナ制御系5とPSS9とを協調的に制御
する協調制御手段10と、を備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発電機制御装置に係
り、特に発電機の回転駆動力と出力とのエネルギバラン
スを調整するガバナ系と電力系統の動態を安定化させる
電力系統安定装置(以下、必要に応じてPSS― Power
System Stabilizer―と略記する。)とを協調制御する
発電機制御装置に関する。
り、特に発電機の回転駆動力と出力とのエネルギバラン
スを調整するガバナ系と電力系統の動態を安定化させる
電力系統安定装置(以下、必要に応じてPSS― Power
System Stabilizer―と略記する。)とを協調制御する
発電機制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電力系統に接続される発電機は、安定し
た電圧のもとに安定した電力を供給することが望まれて
いる。そこで、発電機の制御においては、水力・蒸気・
ガス等のエネルギーにより回転駆動されるタービンの回
転力を所望の発電出力に応じて制御するタービン調速制
御系またはガバナ系と、遠隔の電力系統における状態の
変動等に対応して安定した電圧を確保する励磁制御系と
の2つの制御系が設けられている。
た電圧のもとに安定した電力を供給することが望まれて
いる。そこで、発電機の制御においては、水力・蒸気・
ガス等のエネルギーにより回転駆動されるタービンの回
転力を所望の発電出力に応じて制御するタービン調速制
御系またはガバナ系と、遠隔の電力系統における状態の
変動等に対応して安定した電圧を確保する励磁制御系と
の2つの制御系が設けられている。
【0003】図7は、一般的な発電機制御装置の構成を
示すブロック線図であり、同図において、電力系統1に
接続された発電機2には、タービン3からの機械トルク
入力をバルブ4の開度により制御するガバナ制御装置5
と、発電機2の回転子巻き線6の界磁の強さを制御する
励磁制御装置7が設けられている。発電機2の前記励磁
制御装置7は発電機2の端子電圧を一定に保つ自動電圧
調整器(以下、必要に応じてAVR ―Automatic Volta
ge Regulator―と略記する。)8と、このAVR8の目
標電圧を調整することにより発電機2の運転の安定化を
図る系統安定化装置(以下、必要に応じてPSSと略記
する。)9と、より構成されている。
示すブロック線図であり、同図において、電力系統1に
接続された発電機2には、タービン3からの機械トルク
入力をバルブ4の開度により制御するガバナ制御装置5
と、発電機2の回転子巻き線6の界磁の強さを制御する
励磁制御装置7が設けられている。発電機2の前記励磁
制御装置7は発電機2の端子電圧を一定に保つ自動電圧
調整器(以下、必要に応じてAVR ―Automatic Volta
ge Regulator―と略記する。)8と、このAVR8の目
標電圧を調整することにより発電機2の運転の安定化を
図る系統安定化装置(以下、必要に応じてPSSと略記
する。)9と、より構成されている。
【0004】AVR8は、発電機電圧の偏差を所定値以
下にすることを目的としており、電圧偏差を界磁電圧に
フィードバックする機能を有している。一方、PSS9
は、有効電力の変化分ΔPe 、発電機角速度の変化分Δ
ω、または系統側周波数の変化分Δfを検出してそれぞ
れ演算し、これらの信号を進みまたは遅れ回路に供給し
て位相を修正するようにして、適当な電圧目標値調整信
号に加工してAVR8に出力している。一方、ガバナ制
御装置5は一般に発電機角速度ωをフィードバックし、
これを一定にするように蒸気流量または水量を制御して
いる。元来、この2つの制御系は全く別々に制御されて
きた。特にPSSとガバナは同じ有効電力を制御するも
のでありながら、別々に制御動作を行なってきた。
下にすることを目的としており、電圧偏差を界磁電圧に
フィードバックする機能を有している。一方、PSS9
は、有効電力の変化分ΔPe 、発電機角速度の変化分Δ
ω、または系統側周波数の変化分Δfを検出してそれぞ
れ演算し、これらの信号を進みまたは遅れ回路に供給し
て位相を修正するようにして、適当な電圧目標値調整信
号に加工してAVR8に出力している。一方、ガバナ制
御装置5は一般に発電機角速度ωをフィードバックし、
これを一定にするように蒸気流量または水量を制御して
いる。元来、この2つの制御系は全く別々に制御されて
きた。特にPSSとガバナは同じ有効電力を制御するも
のでありながら、別々に制御動作を行なってきた。
【0005】この結果、3つの制御系の動作速度、すな
わち周波数成分が同じくらいであるとすると、互いの操
作がそれぞれ干渉し合って制御が困難になってしまうの
で、PSS9は比較的速い速度で動作させ、一方、ガバ
ナはこれより遥かに遅い速度で動作するように調整して
いた。これは、PSSが結果的に制御する発電機励磁手
段はタービンを保護する等の目的により遅い制御動作し
か許されていなかったからでもある。
わち周波数成分が同じくらいであるとすると、互いの操
作がそれぞれ干渉し合って制御が困難になってしまうの
で、PSS9は比較的速い速度で動作させ、一方、ガバ
ナはこれより遥かに遅い速度で動作するように調整して
いた。これは、PSSが結果的に制御する発電機励磁手
段はタービンを保護する等の目的により遅い制御動作し
か許されていなかったからでもある。
【0006】上述した一般的な発電機制御装置によれ
ば、通常の運転モードにおいてはガバナの応答動作が非
常に遅いため電力動揺のダンピングにガバナの制御を用
いることができず、もっぱらPSS9等による励磁制御
のみにより電力動揺に対応していた。しかし、長周期の
電力動揺を発生させる系統間の電力動揺では、当該発電
機と動揺相手である他系統との間の系統インピーダンス
が極めて大きいために、PSS9による励磁制御では充
分なダンピング能力を得ることが困難である。
ば、通常の運転モードにおいてはガバナの応答動作が非
常に遅いため電力動揺のダンピングにガバナの制御を用
いることができず、もっぱらPSS9等による励磁制御
のみにより電力動揺に対応していた。しかし、長周期の
電力動揺を発生させる系統間の電力動揺では、当該発電
機と動揺相手である他系統との間の系統インピーダンス
が極めて大きいために、PSS9による励磁制御では充
分なダンピング能力を得ることが困難である。
【0007】また、長距離離間した電力系統間で大電力
を送電する際に途中の送電系で事故が発生した場合に
は、電力系統間で電力の大きなアンバランスが発生す
る。すなわち、送電側の電力系統においては供給すべき
電力が余ることになるために発電機(回転速度)が加速
し、これに対して受電側の電力系統では電力が不足する
ために減速することになる。このような大きなアンバラ
ンスが生じたときには、PSS9による励磁制御は本質
的にエネルギーの増減ができないこと、および、動揺が
長周期であることと相まって、動揺を抑制し収束させる
ことが困難である。また、発電機の至近端で地絡事故な
どが発生した場合などのように、単一の電力系統に大外
乱が発生した場合もPSSによる励磁制御ではエネルギ
ーの過不足を抑制する能力に欠けるために、安定性を保
持することが困難であった。
を送電する際に途中の送電系で事故が発生した場合に
は、電力系統間で電力の大きなアンバランスが発生す
る。すなわち、送電側の電力系統においては供給すべき
電力が余ることになるために発電機(回転速度)が加速
し、これに対して受電側の電力系統では電力が不足する
ために減速することになる。このような大きなアンバラ
ンスが生じたときには、PSS9による励磁制御は本質
的にエネルギーの増減ができないこと、および、動揺が
長周期であることと相まって、動揺を抑制し収束させる
ことが困難である。また、発電機の至近端で地絡事故な
どが発生した場合などのように、単一の電力系統に大外
乱が発生した場合もPSSによる励磁制御ではエネルギ
ーの過不足を抑制する能力に欠けるために、安定性を保
持することが困難であった。
【0008】上述のように、一般的な発電機の制御にお
いては、エネルギーバランスを調整するための制御はガ
バナ系により行ない、有効電力の急変等に対しては励磁
制御系によりそれぞれ別個に制御していたが、これらは
全く別個に発生する問題ではなく、一方の問題が発生し
たときには他方にも影響を及ぼすことがあり、基本的に
はそれぞれの制御系が形成されている長所はあるという
ものの、両方の制御系を完全に分離独立させておくこと
による弊害もしばしば問題となっていた。
いては、エネルギーバランスを調整するための制御はガ
バナ系により行ない、有効電力の急変等に対しては励磁
制御系によりそれぞれ別個に制御していたが、これらは
全く別個に発生する問題ではなく、一方の問題が発生し
たときには他方にも影響を及ぼすことがあり、基本的に
はそれぞれの制御系が形成されている長所はあるという
ものの、両方の制御系を完全に分離独立させておくこと
による弊害もしばしば問題となっていた。
【0009】このため、従来、例えば特公平5−596
77号公報に開示されているような励磁系およびガバナ
系それぞれの制御偏差の外に相手方の系の制御偏差を取
り入れてゲインを加えて用いることにより、励磁系とガ
バナ系とを協調制御するようにした「発電機の制御方
法」が提案されている。この制御方法は、両方の制御系
の制御偏差に所定のゲインを加えてそれぞれ積分演算
し、最後にそれぞれの前回値を加えて今回の操作量を出
力している。両制御系における制御偏差の内容として
は、発電機端子電圧,電力系統有効電力,発電機の界磁
磁束,回転角速度,相差角,界磁電圧,ガバナ弁開度に
ついてのそれぞれの目標値と検出値との偏差を用いてい
る(公報添付図面第1図および関連説明箇所参照)。
77号公報に開示されているような励磁系およびガバナ
系それぞれの制御偏差の外に相手方の系の制御偏差を取
り入れてゲインを加えて用いることにより、励磁系とガ
バナ系とを協調制御するようにした「発電機の制御方
法」が提案されている。この制御方法は、両方の制御系
の制御偏差に所定のゲインを加えてそれぞれ積分演算
し、最後にそれぞれの前回値を加えて今回の操作量を出
力している。両制御系における制御偏差の内容として
は、発電機端子電圧,電力系統有効電力,発電機の界磁
磁束,回転角速度,相差角,界磁電圧,ガバナ弁開度に
ついてのそれぞれの目標値と検出値との偏差を用いてい
る(公報添付図面第1図および関連説明箇所参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の発電機の制御方法によれば、上記公報第1図に
示されているように、励磁系とガバナ系の両方から検出
された種々の検出値と目標値の偏差を用いてそれぞれに
個別の所定ゲインを加えているとはいえ、出力されてい
る制御信号の周波数成分については全く考慮していない
ため、両制御系に対して同時に補正値が求められること
になり、それぞれの制御系に対する制御信号の周波数帯
域についての考慮は全くなかった。したがって、長周期
の補正を行なうガバナ系の制御についても励磁系の制御
と同様の高速な補正信号が出力されてしまうことにな
り、発電機を制御する際の制御適応性に欠けるという問
題があった。
た従来の発電機の制御方法によれば、上記公報第1図に
示されているように、励磁系とガバナ系の両方から検出
された種々の検出値と目標値の偏差を用いてそれぞれに
個別の所定ゲインを加えているとはいえ、出力されてい
る制御信号の周波数成分については全く考慮していない
ため、両制御系に対して同時に補正値が求められること
になり、それぞれの制御系に対する制御信号の周波数帯
域についての考慮は全くなかった。したがって、長周期
の補正を行なうガバナ系の制御についても励磁系の制御
と同様の高速な補正信号が出力されてしまうことにな
り、発電機を制御する際の制御適応性に欠けるという問
題があった。
【0011】また、ガバナ系の制御はエネルギーバラン
スを補正するような制御となるため上記従来例に記載さ
れているような協調制御を用いると、励磁系の状態の変
動に基づく外乱の際に、ガバナ系の制御量を変更してし
まうことにもなり、外乱の原因に正確に対応する補正を
行なうことができないという問題もあった。
スを補正するような制御となるため上記従来例に記載さ
れているような協調制御を用いると、励磁系の状態の変
動に基づく外乱の際に、ガバナ系の制御量を変更してし
まうことにもなり、外乱の原因に正確に対応する補正を
行なうことができないという問題もあった。
【0012】本発明は上記従来の発電機制御装置の問題
を解決するために、協調制御における制御適応性を確保
すると共に速応励磁の長所である電圧低下時の素早い電
圧回復を損なうことない発電機制御装置を提供すること
を目的としている。
を解決するために、協調制御における制御適応性を確保
すると共に速応励磁の長所である電圧低下時の素早い電
圧回復を損なうことない発電機制御装置を提供すること
を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に係る発電機制御装置は、発電機に機械ト
ルクを供給する機械トルク供給手段と、この機械トルク
を制御するトルク制御手段と、発電機に界磁を供給する
発電機励磁手段と、発電機の端子電圧が所定の目標値と
なるように前記発電機励磁手段を制御する端子電圧制御
手段と、前記端子電圧制御手段の前記目標値の補正量を
与えることにより前記発電機により発電された電力が供
給される電力系統の有効電力を制御する電力系統安定化
手段と、を備えるものにおいて、前記発電機の回転数を
検出して回転数信号を出力する回転数検出手段と、前記
発電機により発電された前記電力における有効電力を検
出して有効電力信号を出力する有効電力検出手段と、前
記発電機の前記端子電圧を検出して端子電圧信号を出力
する端子電圧検出手段と、前記有効電力信号と所定の設
定値との偏差についての高周波,低周波のそれぞれの周
波数成分の変動に応じて、前記周波数成分の高周波帯域
の変動に対しては前記端子電圧制御手段の前記目標値の
偏差であるものとして前記補正量を与えるように前記電
力系統安定化手段を動作させると共に、前記周波数成分
の低周波帯域の変動に対してはこの変動が実質的には前
記機械トルクの変動であるものとしてこの実質的な機械
トルクの変動を抑制するように前記トルク制御手段を動
作させることにより、前記電力系統安定化手段と前記ト
ルク制御手段を協調的に制御する協調制御手段と、を備
えることを特徴としている。
め、請求項1に係る発電機制御装置は、発電機に機械ト
ルクを供給する機械トルク供給手段と、この機械トルク
を制御するトルク制御手段と、発電機に界磁を供給する
発電機励磁手段と、発電機の端子電圧が所定の目標値と
なるように前記発電機励磁手段を制御する端子電圧制御
手段と、前記端子電圧制御手段の前記目標値の補正量を
与えることにより前記発電機により発電された電力が供
給される電力系統の有効電力を制御する電力系統安定化
手段と、を備えるものにおいて、前記発電機の回転数を
検出して回転数信号を出力する回転数検出手段と、前記
発電機により発電された前記電力における有効電力を検
出して有効電力信号を出力する有効電力検出手段と、前
記発電機の前記端子電圧を検出して端子電圧信号を出力
する端子電圧検出手段と、前記有効電力信号と所定の設
定値との偏差についての高周波,低周波のそれぞれの周
波数成分の変動に応じて、前記周波数成分の高周波帯域
の変動に対しては前記端子電圧制御手段の前記目標値の
偏差であるものとして前記補正量を与えるように前記電
力系統安定化手段を動作させると共に、前記周波数成分
の低周波帯域の変動に対してはこの変動が実質的には前
記機械トルクの変動であるものとしてこの実質的な機械
トルクの変動を抑制するように前記トルク制御手段を動
作させることにより、前記電力系統安定化手段と前記ト
ルク制御手段を協調的に制御する協調制御手段と、を備
えることを特徴としている。
【0014】また、請求項2に係る発電機制御装置は、
請求項1に記載のものにおいて、前記協調制御手段が、
前記有効電力検出信号と前記回転数検出信号の2入力信
号に加えて、前記端子電圧信号を入力して前記機械トル
ク供給手段および前記端子電圧の前記目標値を補正する
制御指令値信号をそれぞれ出力することを特徴としてい
る。
請求項1に記載のものにおいて、前記協調制御手段が、
前記有効電力検出信号と前記回転数検出信号の2入力信
号に加えて、前記端子電圧信号を入力して前記機械トル
ク供給手段および前記端子電圧の前記目標値を補正する
制御指令値信号をそれぞれ出力することを特徴としてい
る。
【0015】また、請求項3に係る発電機制御装置は、
請求項1に記載のものにおいて、前記協調制御手段が、
発電機回転数と有効電力を入力信号として、前記トルク
制御手段を介して出力される弁開度指令信号と、前記端
子電圧制御手段を介して出力される電圧目標補正値とを
演算して出力することを特徴としている。
請求項1に記載のものにおいて、前記協調制御手段が、
発電機回転数と有効電力を入力信号として、前記トルク
制御手段を介して出力される弁開度指令信号と、前記端
子電圧制御手段を介して出力される電圧目標補正値とを
演算して出力することを特徴としている。
【0016】また、請求項4に係る発電機制御装置は、
請求項3に記載のものにおいて、前記協調制御手段が、
前記有効電力信号および発電機回転数信号を入力して発
電機状態量を推定する状態量推定器と、この状態量推定
器の出力する状態量を入力して所定の行列演算を行な
い、前記トルク制御制御手段に対して弁開度指令値信号
を出力すると共に、前記端子電圧制御手段に対して励磁
系指令値信号を出力する状態フィードバック制御器と、
を備えることを特徴としている。
請求項3に記載のものにおいて、前記協調制御手段が、
前記有効電力信号および発電機回転数信号を入力して発
電機状態量を推定する状態量推定器と、この状態量推定
器の出力する状態量を入力して所定の行列演算を行な
い、前記トルク制御制御手段に対して弁開度指令値信号
を出力すると共に、前記端子電圧制御手段に対して励磁
系指令値信号を出力する状態フィードバック制御器と、
を備えることを特徴としている。
【0017】また、請求項5に係る発電機制御装置は、
請求項1に記載のものにおいて、前記協調制御手段が、
電力系統安定化手段を介して界磁電圧目標値または界磁
電流目標値の補正量を励磁系指令値信号として出力する
ことを特徴としている。
請求項1に記載のものにおいて、前記協調制御手段が、
電力系統安定化手段を介して界磁電圧目標値または界磁
電流目標値の補正量を励磁系指令値信号として出力する
ことを特徴としている。
【0018】すなわち、本発明の発電機制御装置は、発
電機回転数ωと有効電力Pを入力信号とし、タービンへ
の蒸気流量制御弁(ガバナ)の開度指示値FcvとAVR
に供給される電圧指示値の補正値ΔVref を出力する。
制御装置内部の演算機能は、入力信号として電力系統の
有効電力Pe と発電機回転数ωを用いて内部状態を推定
する状態推定機能と、これにより推定された内部状態を
行列演算することによりFcvとΔVref を求めるフィー
ドバック制御機能と、を具備する。
電機回転数ωと有効電力Pを入力信号とし、タービンへ
の蒸気流量制御弁(ガバナ)の開度指示値FcvとAVR
に供給される電圧指示値の補正値ΔVref を出力する。
制御装置内部の演算機能は、入力信号として電力系統の
有効電力Pe と発電機回転数ωを用いて内部状態を推定
する状態推定機能と、これにより推定された内部状態を
行列演算することによりFcvとΔVref を求めるフィー
ドバック制御機能と、を具備する。
【0019】以上のように、本発明に係る協調制御装置
は、蒸気流量制御と励磁制御を協調動作させることによ
り、従来のPSSとガバナ制御において、ガバナ制御を
電力動揺に応動するよう高速化した場合に発生する、両
制御操作の干渉による蒸気流量と発電機電圧の持続振動
や発散を防止する。これにより、ガバナ制御を高速化す
ることができるので、PSSによる励磁制御では充分な
能力が得られなかった長周期の電力動揺に対するダンピ
ング能力を向上させることができると共に、大きな過渡
外乱時に発電機のエネルギーの過不足を速やかに補償す
ることができるので、過渡安定度確保に有効である。し
かも、AVRはそのまま従来の制御装置のものを用いる
ことができるため、電圧維持速度は劣化することが無
く、電力系統の安定化を図るのに好都合である。
は、蒸気流量制御と励磁制御を協調動作させることによ
り、従来のPSSとガバナ制御において、ガバナ制御を
電力動揺に応動するよう高速化した場合に発生する、両
制御操作の干渉による蒸気流量と発電機電圧の持続振動
や発散を防止する。これにより、ガバナ制御を高速化す
ることができるので、PSSによる励磁制御では充分な
能力が得られなかった長周期の電力動揺に対するダンピ
ング能力を向上させることができると共に、大きな過渡
外乱時に発電機のエネルギーの過不足を速やかに補償す
ることができるので、過渡安定度確保に有効である。し
かも、AVRはそのまま従来の制御装置のものを用いる
ことができるため、電圧維持速度は劣化することが無
く、電力系統の安定化を図るのに好都合である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る発電機制御装
置の好適な実施形態について添付図面を参照しながら詳
細に説明する。図1は、本発明の基本概念を含む第1実
施形態に係る発電機制御装置を示すブロック図である。
図1において図7と同一符号を付したものは、従来の発
電機制御装置と同一または相当する構成要素を示すもの
として重複説明を省略する。
置の好適な実施形態について添付図面を参照しながら詳
細に説明する。図1は、本発明の基本概念を含む第1実
施形態に係る発電機制御装置を示すブロック図である。
図1において図7と同一符号を付したものは、従来の発
電機制御装置と同一または相当する構成要素を示すもの
として重複説明を省略する。
【0021】図1において、第1実施形態に係る発電機
制御装置は、電力を発電して電力系統1に電力を供給す
る発電機2と、この発電機2に機械トルクを供給する機
械トルク供給手段3と、この機械トルク供給手段3を制
御するガバナ等のトルク制御手段5と、発電機2の固定
子側の界磁巻き線に界磁電流を流す発電機励磁手段4
と、発電機2の端子電圧を検出して端子電圧検出信号を
出力する端子電圧検出手段18と、発電機2の端子電圧
が所定の目標値となるように制御するAVR等の端子電
圧制御手段8と、発電機2により発電された電力が供給
される電力系統1の有効電力に基づいて端子電圧制御手
段8の前記所定の目標値の補正量を制御するPSS等の
電力系統安定化手段9と、を備えている。発電機制御装
置は、上記のような基本構成において、更に前記発電機
2の回転数を検出して回転数信号を出力する回転数検出
手段11と、前記発電機2により発電された電力におけ
る有効電力を検出して有効電力信号を出力する有効電力
検出手段12と、トルク制御手段5および電力系統安定
化手段9を含む協調制御手段10を備えている。
制御装置は、電力を発電して電力系統1に電力を供給す
る発電機2と、この発電機2に機械トルクを供給する機
械トルク供給手段3と、この機械トルク供給手段3を制
御するガバナ等のトルク制御手段5と、発電機2の固定
子側の界磁巻き線に界磁電流を流す発電機励磁手段4
と、発電機2の端子電圧を検出して端子電圧検出信号を
出力する端子電圧検出手段18と、発電機2の端子電圧
が所定の目標値となるように制御するAVR等の端子電
圧制御手段8と、発電機2により発電された電力が供給
される電力系統1の有効電力に基づいて端子電圧制御手
段8の前記所定の目標値の補正量を制御するPSS等の
電力系統安定化手段9と、を備えている。発電機制御装
置は、上記のような基本構成において、更に前記発電機
2の回転数を検出して回転数信号を出力する回転数検出
手段11と、前記発電機2により発電された電力におけ
る有効電力を検出して有効電力信号を出力する有効電力
検出手段12と、トルク制御手段5および電力系統安定
化手段9を含む協調制御手段10を備えている。
【0022】協調制御手段10は、前記有効電力と所定
の設定値との偏差についての高周波,低周波のそれぞれ
の周波数成分の変動に応じて、前記周波数成分の高周波
帯域の変動に対しては前記端子電圧制御手段8の前記目
標値の偏差であるものとして前記補正量を供給するよう
に前記電力系統安定化手段9を動作させ、前記周波数成
分の低周波帯域の変動に対してはこの変動が実質的には
前記機械トルク3の変動であるものとしてこの実質的な
機械トルク3の変動を抑制するように前記トルク制御手
段5を動作させるように前記トルク制御手段5および電
力系統安定化手段9を協調的に制御するものとして構成
されている。
の設定値との偏差についての高周波,低周波のそれぞれ
の周波数成分の変動に応じて、前記周波数成分の高周波
帯域の変動に対しては前記端子電圧制御手段8の前記目
標値の偏差であるものとして前記補正量を供給するよう
に前記電力系統安定化手段9を動作させ、前記周波数成
分の低周波帯域の変動に対してはこの変動が実質的には
前記機械トルク3の変動であるものとしてこの実質的な
機械トルク3の変動を抑制するように前記トルク制御手
段5を動作させるように前記トルク制御手段5および電
力系統安定化手段9を協調的に制御するものとして構成
されている。
【0023】上記のように構成された本第1実施形態に
係る発電機制御装置によれば、従来より設けられていた
エネルギーバランスの調整を行なうガバナと、発電機端
子電圧を検出して安定した系統電力の供給を行なうため
のAVRと、有効電力や発電機の回転数を検出して系統
電力を制御するPSSとの3者それぞれの役割を尊重し
た発電機の制御が可能となる。すなわち、図7に示した
元々の発電機制御装置は、図2(a)に示すように、ガ
バナ制御系が低周波数帯域の制御信号を用い、AVRを
含む励磁制御系のPSSは高周波帯域の制御信号を用い
ていた。このような発電機制御装置に対しては、図2
(b)に示すように、ガバナ系制御信号とPSS制御信
号との周波数帯をなるべく広くとりたいという制御上の
要請があるが、両者の周波数帯域をそれぞれ広げると相
互の干渉が発生してしまう。
係る発電機制御装置によれば、従来より設けられていた
エネルギーバランスの調整を行なうガバナと、発電機端
子電圧を検出して安定した系統電力の供給を行なうため
のAVRと、有効電力や発電機の回転数を検出して系統
電力を制御するPSSとの3者それぞれの役割を尊重し
た発電機の制御が可能となる。すなわち、図7に示した
元々の発電機制御装置は、図2(a)に示すように、ガ
バナ制御系が低周波数帯域の制御信号を用い、AVRを
含む励磁制御系のPSSは高周波帯域の制御信号を用い
ていた。このような発電機制御装置に対しては、図2
(b)に示すように、ガバナ系制御信号とPSS制御信
号との周波数帯をなるべく広くとりたいという制御上の
要請があるが、両者の周波数帯域をそれぞれ広げると相
互の干渉が発生してしまう。
【0024】これに対して、特公平5−59677号公
報に開示されている従来の発電機協調制御装置は、同一
の制御要素を互いに取り入れるような形で制御信号を生
成していたので、図2(c)に示すように、ガバナ制御
系と励磁制御系との間で共通の周波数帯域を用いている
ので、周波数帯域の干渉が発生することはない。しか
し、速応性が求められるPSSやAVR等の励磁制御系
とゆっくりとした制御特性が求められるガバナ制御系に
対して同一の周波数帯域を用いており、前述したような
制御適応性や安定性に欠けることになる。
報に開示されている従来の発電機協調制御装置は、同一
の制御要素を互いに取り入れるような形で制御信号を生
成していたので、図2(c)に示すように、ガバナ制御
系と励磁制御系との間で共通の周波数帯域を用いている
ので、周波数帯域の干渉が発生することはない。しか
し、速応性が求められるPSSやAVR等の励磁制御系
とゆっくりとした制御特性が求められるガバナ制御系に
対して同一の周波数帯域を用いており、前述したような
制御適応性や安定性に欠けることになる。
【0025】これに対して、第1実施形態に係る発電機
制御装置は、図2(d)に示すように、長周期の制御信
号を用いるガバナ制御系と、高周波帯域の制御信号を用
いるAVRを含むPSSの励磁制御系との制御信号の帯
域を明確に区画して制御信号同士の周波数帯域が干渉し
合わないようにしている。このように動作させることに
より、本第1実施形態に係る発電機制御装置によれば、
制御信号同士の周波数帯域上の衝突を避け、安定性のあ
る発電機制御を可能とすると共に、発電機が本質的に抱
える制御上の問題を克服して適応制御が可能な発電機制
御装置を提供することが可能となる。
制御装置は、図2(d)に示すように、長周期の制御信
号を用いるガバナ制御系と、高周波帯域の制御信号を用
いるAVRを含むPSSの励磁制御系との制御信号の帯
域を明確に区画して制御信号同士の周波数帯域が干渉し
合わないようにしている。このように動作させることに
より、本第1実施形態に係る発電機制御装置によれば、
制御信号同士の周波数帯域上の衝突を避け、安定性のあ
る発電機制御を可能とすると共に、発電機が本質的に抱
える制御上の問題を克服して適応制御が可能な発電機制
御装置を提供することが可能となる。
【0026】次に、より具体的な構成を含む本発明の第
2実施形態に係る発電機制御装置について図3を用いて
説明する。図3に示す第2実施形態の制御装置の構成図
において、ガバナ・PSS協調制御器10は発電機回転
数ωと有効電力Pe を入力信号として、タービンの蒸気
ガバナ4の弁開度指令FcvとAVR8の電圧目標補正値
ΔVref を出力する制御装置である。制御装置10内部
の演算は、図4に示すように、有効電力Pe および発電
機回転数ωを入力して発電機状態量を推定する状態量推
定器14と、この状態量推定器14の出力する状態量を
入力して所定の演算を行ない、蒸気ガバナ4に対して弁
開度指令値信号Fcvを出力すると共に、AVR8に対し
て励磁系指令値信号ΔVref を出力する状態フィードバ
ック制御器15と、を備えている。状態量推定器14に
おける演算は、良く知られたカルマンフィルタリングの
理論により構成することができ、下式(1)により表現
される微分方程式を積分することにより得られる。すな
わち、
2実施形態に係る発電機制御装置について図3を用いて
説明する。図3に示す第2実施形態の制御装置の構成図
において、ガバナ・PSS協調制御器10は発電機回転
数ωと有効電力Pe を入力信号として、タービンの蒸気
ガバナ4の弁開度指令FcvとAVR8の電圧目標補正値
ΔVref を出力する制御装置である。制御装置10内部
の演算は、図4に示すように、有効電力Pe および発電
機回転数ωを入力して発電機状態量を推定する状態量推
定器14と、この状態量推定器14の出力する状態量を
入力して所定の演算を行ない、蒸気ガバナ4に対して弁
開度指令値信号Fcvを出力すると共に、AVR8に対し
て励磁系指令値信号ΔVref を出力する状態フィードバ
ック制御器15と、を備えている。状態量推定器14に
おける演算は、良く知られたカルマンフィルタリングの
理論により構成することができ、下式(1)により表現
される微分方程式を積分することにより得られる。すな
わち、
【0027】
【数1】 制御対象が発電機であることから、K1〜K6の定数を
用いて表現される発電機の動態安定度ブロック図の表現
を借りれば、上式(1)における行列A,B,Cは以下
のように表わすことができる。つまり、
用いて表現される発電機の動態安定度ブロック図の表現
を借りれば、上式(1)における行列A,B,Cは以下
のように表わすことができる。つまり、
【0028】
【数2】 ここで、K1〜K6は発電機の動態安定度ブロックのパ
ラメータ、Tdo’は発電機時定数、ωSは電力系統の基
準周波数、Hは発電機慣性の1/2の値、Dは発電機自
身の有するダンピング定数である。これ以外のパラメー
タはガバナ関係およびAVRのものであり、それぞれ以
下の伝達特性を想定している。まず、ガバナ特性として
は下式(2)に示されるΔTmが用いられ、AVR関数
としては下式(3)に示されるΔEfdが用いられる。す
なわち、
ラメータ、Tdo’は発電機時定数、ωSは電力系統の基
準周波数、Hは発電機慣性の1/2の値、Dは発電機自
身の有するダンピング定数である。これ以外のパラメー
タはガバナ関係およびAVRのものであり、それぞれ以
下の伝達特性を想定している。まず、ガバナ特性として
は下式(2)に示されるΔTmが用いられ、AVR関数
としては下式(3)に示されるΔEfdが用いられる。す
なわち、
【0029】
【数3】 式(1)における符号Lはカルマンゲインと呼ばれる6
行3列の定数行列であり、これを調節することにより、
状態量推定器14に対して所望のフィルタリング特性を
実現することができるので、定数行列Lは状態量推定器
14用の調整パラメータである。また、
行3列の定数行列であり、これを調節することにより、
状態量推定器14に対して所望のフィルタリング特性を
実現することができるので、定数行列Lは状態量推定器
14用の調整パラメータである。また、
【0030】
【数4】 は状態変数x=[ΔTm ΔXcv ΔXavr Δδ Δ
ω ΔEq’]の推定値であり、操作量u=[ΔFcv
ΔVref ]、観測量y=[ΔVt Δω ΔPe]であ
る。
ω ΔEq’]の推定値であり、操作量u=[ΔFcv
ΔVref ]、観測量y=[ΔVt Δω ΔPe]であ
る。
【0031】次に、状態フィードバック制御器15は下
式(4)により表現される行列演算を行なう。すなわ
ち、
式(4)により表現される行列演算を行なう。すなわ
ち、
【0032】
【数5】 上式(4)において、行列Fは2行6列のゲイン行列で
あり、この調整によりPSS機能とガバナ機能が協調動
作する。一般に、このように多数の変数を試行錯誤によ
り調整するのは容易なことではないので、本第2実施形
態においては、LQR理論を用いて、下式(5)を最小
化するFを求めた。すなわち、
あり、この調整によりPSS機能とガバナ機能が協調動
作する。一般に、このように多数の変数を試行錯誤によ
り調整するのは容易なことではないので、本第2実施形
態においては、LQR理論を用いて、下式(5)を最小
化するFを求めた。すなわち、
【0033】
【数6】 上式(5)の最適解の解き方は良く知られており、下式
(6)のリカッチ方程式をPについて解くと、下式
(7)によりFが得られる。 ATP+PA+Q−PBR-1BTP=0 (6) F=−R-1BTP (7) 本発明のガバナPSS協調制御装置を備えた発電機の応
答と、従来のPSSのみによる発電機の応答をシミュレ
ーションにより比較した結果が図4および図5に示され
ている。両図より明らかなように、従来のように、PS
Sのみによる制御では、局所的なローカル動揺に対して
は有効であっても、長周期の動揺が発生した場合にこれ
を吸収するダンピング効果は極めて小さくなっている。
これに対して、本第2実施形態に係る発電機制御装置に
おいては、常に一定のダンピング力が得られていること
がわかる。
(6)のリカッチ方程式をPについて解くと、下式
(7)によりFが得られる。 ATP+PA+Q−PBR-1BTP=0 (6) F=−R-1BTP (7) 本発明のガバナPSS協調制御装置を備えた発電機の応
答と、従来のPSSのみによる発電機の応答をシミュレ
ーションにより比較した結果が図4および図5に示され
ている。両図より明らかなように、従来のように、PS
Sのみによる制御では、局所的なローカル動揺に対して
は有効であっても、長周期の動揺が発生した場合にこれ
を吸収するダンピング効果は極めて小さくなっている。
これに対して、本第2実施形態に係る発電機制御装置に
おいては、常に一定のダンピング力が得られていること
がわかる。
【0034】なお、上記第1および第2実施形態に係る
発電機制御装置においては、ガバナとPSSとの協調制
御の出力としてAVRの電圧目標値または電流目標値の
補正量を出力するように構成していたが、本発明はこれ
に限定されず、電圧目標値または電流目標値の補正量に
代えて、界磁電圧または界磁電流の目標値を直接出力し
ても同様の効果が得られる。要するに、制御信号の帯域
分離を正確に行なうことによりガバナ制御系と励磁制御
系の制御を協調させて行なうことができれば、従来の自
動電圧調整手段(AVR)はそのまま用いることも可能
であるし、AVRをPSSに含めるような制御器設計を
行なうことも可能であり、本発明を提案したことによる
所望の作用効果が得られることになる。
発電機制御装置においては、ガバナとPSSとの協調制
御の出力としてAVRの電圧目標値または電流目標値の
補正量を出力するように構成していたが、本発明はこれ
に限定されず、電圧目標値または電流目標値の補正量に
代えて、界磁電圧または界磁電流の目標値を直接出力し
ても同様の効果が得られる。要するに、制御信号の帯域
分離を正確に行なうことによりガバナ制御系と励磁制御
系の制御を協調させて行なうことができれば、従来の自
動電圧調整手段(AVR)はそのまま用いることも可能
であるし、AVRをPSSに含めるような制御器設計を
行なうことも可能であり、本発明を提案したことによる
所望の作用効果が得られることになる。
【0035】また、上記実施形態においては、制御装置
内部の演算機能として状態量推定器14と状態フィード
バック制御器15を用いるように構成したが、本発明は
これにも限定されず、ラプラス変換を用いて伝達関数に
変換することができる。このようにして得られた伝達関
数行列により、制御演算を表現することによっても同様
の効果を得ることができる。
内部の演算機能として状態量推定器14と状態フィード
バック制御器15を用いるように構成したが、本発明は
これにも限定されず、ラプラス変換を用いて伝達関数に
変換することができる。このようにして得られた伝達関
数行列により、制御演算を表現することによっても同様
の効果を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明に係
る発電機制御装置によれば、ガバナ制御を電力動揺に応
動するよう高速化した場合に発生する、両制御操作の干
渉による蒸気流量と発電機電圧における持続振動や発散
を防止することができる。これによって、ガバナ制御を
高速化することができるので、PSSでは充分な制御能
力を得ることができなかった長周期の電力動揺に対して
もこれを吸収するダンピング能力を向上させることがで
き、さらに、大きな過渡外乱時に発電機のエネルギーの
過不足を速やかに補償することができる。したがって、
発電機制御システムの制御系のハードウェア構成をあま
り変更しなくとも、過渡安定度の確保に有効であるばか
りでなく、電圧維持速度は劣化することが無く、電力系
統の安定化にとって優れた効果を奏する。
る発電機制御装置によれば、ガバナ制御を電力動揺に応
動するよう高速化した場合に発生する、両制御操作の干
渉による蒸気流量と発電機電圧における持続振動や発散
を防止することができる。これによって、ガバナ制御を
高速化することができるので、PSSでは充分な制御能
力を得ることができなかった長周期の電力動揺に対して
もこれを吸収するダンピング能力を向上させることがで
き、さらに、大きな過渡外乱時に発電機のエネルギーの
過不足を速やかに補償することができる。したがって、
発電機制御システムの制御系のハードウェア構成をあま
り変更しなくとも、過渡安定度の確保に有効であるばか
りでなく、電圧維持速度は劣化することが無く、電力系
統の安定化にとって優れた効果を奏する。
【図1】本発明の第1実施形態に係る発電機制御装置の
構成を示すブロック図。
構成を示すブロック図。
【図2】(a)一般的な制御装置、(b)その装置にお
いて発生する干渉、(c)従来の制御装置、と共に、
(d)第1実施形態に係る発電機制御装置の制御信号の
周波数帯域を示す説明図。
いて発生する干渉、(c)従来の制御装置、と共に、
(d)第1実施形態に係る発電機制御装置の制御信号の
周波数帯域を示す説明図。
【図3】本発明の第2実施形態に係る発電機制御装置の
構成を示すブロック図。
構成を示すブロック図。
【図4】第2実施形態に係る発電機制御装置の内部構成
を示すブロック図。
を示すブロック図。
【図5】(a)はローカル動揺モードのみを有する電力
系統と、(b)ローカルおよび長周期動揺モードを併せ
有する電力系統における従来のPSSのみで電力系統安
定化を行なっている発電機制御系による制御応答を示す
説明図。
系統と、(b)ローカルおよび長周期動揺モードを併せ
有する電力系統における従来のPSSのみで電力系統安
定化を行なっている発電機制御系による制御応答を示す
説明図。
【図6】(a)はローカル動揺モードのみを有する電力
系統と、(b)ローカルおよび長周期動揺モードを併せ
有する電力系統における本発明の発電機制御装置による
制御応答を示す説明図。
系統と、(b)ローカルおよび長周期動揺モードを併せ
有する電力系統における本発明の発電機制御装置による
制御応答を示す説明図。
【図7】一般的な発電機制御装置の構成を示すブロック
図。
図。
1 電力系統 2 発電機 3 機械トルク供給手段(タービン) 4 発電機励磁手段 5 トルク制御手段(ガバナ制御系) 8 端子電圧制御手段(AVR) 9 電力系統安定化手段(PSS) 11 回転数検出手段 12 有効電力検出手段 13 加算器 18 端子電圧検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高 木 康 夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 篠 原 和太郎 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 上 村 洋 市 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 坂 口 保 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内
Claims (5)
- 【請求項1】発電機に機械トルクを供給する機械トルク
供給手段と、前記機械トルクを制御するトルク制御手段
と、前記発電機に界磁を供給する発電機励磁手段と、前
記発電機の端子電圧が所定の目標値となるように前記発
電機励磁手段を制御する端子電圧制御手段と、前記端子
電圧制御手段の前記目標値の補正量を与えることにより
前記発電機により発電された電力が供給される電力系統
の有効電力を制御する電力系統安定化手段と、を備える
発電機制御装置において、 前記発電機の回転数を検出して回転数信号を出力する回
転数検出手段と、 前記発電機により発電された前記電力における有効電力
を検出して有効電力信号を出力する有効電力検出手段
と、 前記発電機の前記端子電圧を検出して端子電圧信号を出
力する端子電圧検出手段と、 前記有効電力信号と所定の設定値との偏差についての高
周波,低周波のそれぞれの周波数成分の変動に応じて、 前記周波数成分の高周波帯域の変動に対しては前記端子
電圧制御手段の前記目標値の偏差であるものとして前記
補正量を与えるように前記電力系統安定化手段を動作さ
せると共に、 前記周波数成分の低周波帯域の変動に対してはこの変動
が実質的には前記機械トルクの変動であるものとしてこ
の実質的な機械トルクの変動を抑制するように前記トル
ク制御手段を動作させることにより、 前記電力系統安定化手段と前記トルク制御手段を協調的
に制御する協調制御手段と、 を備えることを特徴とする発電機制御装置。 - 【請求項2】前記協調制御手段は、前記有効電力検出信
号と前記回転数検出信号の2入力信号に加え、前記端子
電圧信号を入力して前記機械トルク供給手段および前記
端子電圧の目標値を補正する制御指令値信号をそれぞれ
出力することを特徴とする請求項1に記載の発電機制御
装置。 - 【請求項3】前記協調制御手段は、前記発電機の回転数
と前記有効電力を入力信号として、前記トルク制御手段
を介して出力される弁開度指令信号と、前記端子電圧制
御手段を介して出力される電圧目標補正値とを演算して
出力することを特徴とする請求項1に記載の発電機制御
装置。 - 【請求項4】前記協調制御手段は、前記有効電力信号お
よび発電機回転数信号を入力して発電機状態量を推定す
る状態量推定器と、この状態量推定器の出力する状態量
を入力して所定の行列演算を行ない、前記トルク制御制
御手段に対して弁開度指令値信号を出力すると共に、前
記端子電圧制御手段に対して励磁系指令値信号を出力す
る状態フィードバック制御器と、を備えることを特徴と
する請求項3に記載の発電機制御装置。 - 【請求項5】前記協調制御手段は、前記電力系統安定化
手段を介して界磁電圧目標値または界磁電流目標値の補
正値を励磁系指令値信号として出力することを特徴とす
る請求項1に記載の発電機制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10053843A JPH11252998A (ja) | 1998-03-05 | 1998-03-05 | 発電機制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10053843A JPH11252998A (ja) | 1998-03-05 | 1998-03-05 | 発電機制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11252998A true JPH11252998A (ja) | 1999-09-17 |
Family
ID=12954070
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10053843A Pending JPH11252998A (ja) | 1998-03-05 | 1998-03-05 | 発電機制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11252998A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108110750A (zh) * | 2017-11-14 | 2018-06-01 | 广西电网有限责任公司电力科学研究院 | 一种基于松耦合设计的小干扰稳定分析建模方法 |
CN112448385A (zh) * | 2019-09-03 | 2021-03-05 | 三菱重工业株式会社 | 控制装置、控制方法及存储介质 |
-
1998
- 1998-03-05 JP JP10053843A patent/JPH11252998A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108110750A (zh) * | 2017-11-14 | 2018-06-01 | 广西电网有限责任公司电力科学研究院 | 一种基于松耦合设计的小干扰稳定分析建模方法 |
CN108110750B (zh) * | 2017-11-14 | 2019-11-22 | 广西电网有限责任公司电力科学研究院 | 一种基于松耦合设计的小干扰稳定分析建模方法 |
CN112448385A (zh) * | 2019-09-03 | 2021-03-05 | 三菱重工业株式会社 | 控制装置、控制方法及存储介质 |
JP2021040418A (ja) * | 2019-09-03 | 2021-03-11 | 三菱重工業株式会社 | 制御装置、制御方法、及びプログラム |
US11537158B2 (en) | 2019-09-03 | 2022-12-27 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Control apparatus, control method, and non-transitory computer readable medium |
US11927978B2 (en) | 2019-09-03 | 2024-03-12 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Control apparatus, control method, and non-transitory computer readable medium |
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