JPH11252012A - 3r光受信器 - Google Patents

3r光受信器

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Publication number
JPH11252012A
JPH11252012A JP10049477A JP4947798A JPH11252012A JP H11252012 A JPH11252012 A JP H11252012A JP 10049477 A JP10049477 A JP 10049477A JP 4947798 A JP4947798 A JP 4947798A JP H11252012 A JPH11252012 A JP H11252012A
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JP
Japan
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signal
output
unit
clock signal
input
Prior art date
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Pending
Application number
JP10049477A
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English (en)
Inventor
Kazuo Murata
和夫 村田
Satoshi Takahashi
聰 高橋
Mitsuaki Nishie
光昭 西江
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い温度範囲に亘って特性変動が小さい3R
光受信器を提供する。 【解決手段】 光信号を受光した受光部10から、その
光信号の光量に応じた電気信号が出力される。その電気
信号は、等化用アンプ21およびメインアンプ22によ
り波形整形および増幅された後にタイミング抽出部30
に入力し、タイミング抽出部30により、クロック信号
の周波数成分を含むパルス信号が抽出され出力される。
そのパルス信号は、ダイヤSAWフィルタ部50の入力
電極に入力し、そのパルス信号に含まれるクロック信号
の周波数成分のみが出力される。再生部60により、ダ
イヤSAWフィルタ部50から出力されたクロック信号
に基づいて、受光部10から出力された電気信号が再生
され、その再生された電気信号が出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光伝送装置において
好適に用いられる3R光受信器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光伝送の高速化および高密度化に伴い、
光伝送装置における3R光受信器も小型で低消費電力で
あることが望まれている。この課題を解決すべく「19
96年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会B−10
59」に提案された3R光受信器は、受光部で受光した
光信号を電気信号に変換し、その電気信号からクロック
信号を含むパルス信号を抽出し、そのパルス信号から狭
帯域バンドパスフィルタによりクロック信号を取り出
し、受光部から出力された電気信号をクロック信号に基
づいて再生するものであり、各回路部分を集積回路化す
ること等により小型化および低消費電力化を図るもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例を含め従来の3R光受信器は、温度変動に起因する
特性変動が大きいという問題点がある。例えば、−数十
℃〜+数十℃の温度範囲において、狭帯域バンドパスフ
ィルタにおける中心波長の変動は数百ppmにも達し、
また、最小受光感度の変動は数dBにも達する。
【0004】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、広い温度範囲に亘って特性変動が小さ
い3R光受信器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る3R光受信
器は、(1) 一定周期のクロック信号に同期した光信号を
受光し、その光信号の光量に応じた電気信号を出力する
受光部と、(2) 受光部から出力された電気信号に基づい
て、クロック信号の周波数成分を含むパルス信号を抽出
し出力するタイミング抽出部と、(3) 基板の表面にダイ
ヤモンド膜と圧電体膜とが形成され、タイミング抽出部
から出力されたパルス信号を入力電極に入力して、圧電
体膜に生じた表面弾性波をダイヤモンド膜を伝搬させ、
その表面弾性波を入力した出力電極からクロック信号を
出力するフィルタ部と、(4) フィルタ部から出力された
クロック信号に基づいて、受光部から出力された電気信
号を再生し、その再生された電気信号を出力する再生部
と、を備えることを特徴とする。
【0006】この3R光受信器によれば、光信号を受光
した受光部から、その光信号の光量に応じた電気信号が
出力される。その電気信号は、タイミング抽出部によ
り、クロック信号の周波数成分を含むパルス信号が抽出
され出力される。そのパルス信号は、ダイヤモンド膜等
が形成されたフィルタ部の入力電極に入力し、そのパル
ス信号に含まれるクロック信号の周波数成分のみが、フ
ィルタ部の出力電極から出力される。そして、再生部に
より、フィルタ部から出力されたクロック信号に基づい
て、受光部から出力された電気信号が再生され、その再
生された電気信号が出力される。このように、本発明に
係る3R光受信器は、パルス信号からクロック信号を抽
出するフィルタ部として基板上にダイヤモンド膜および
圧電体膜が形成されたSAWフィルタを用いたことによ
り、温度特性が優れる。
【0007】また、本発明に係る3R光受信器では、フ
ィルタ部の入力電極および出力電極それぞれは、差動入
出力を行う1対の櫛形の形状の電極を備えるのが好適で
ある。また、フィルタ部は、温度範囲−40℃〜+85
℃において中心周波数偏差の温度依存性の絶対値が2p
pm/℃以下であるのが好適である。また、フィルタ部
は、中心周波数が最大になる温度が20℃〜75℃の範
囲内にあるのが好適である。タイミング抽出部とフィル
タ部との間およびフィルタ部と再生部との間の双方また
は何れか一方に遅延線を更に備えるのも好適である。こ
れら何れの場合にも、3R光受信器は良好な温度特性を
有する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。
【0009】先ず、本実施形態に係る3R光受信器の回
路構成について説明する。図1は、本実施形態に係る3
R光受信器の回路構成図であり、図2は、本実施形態に
係る3R光受信器の各部分回路から出力される信号の波
形を示すタイミングチャートである。
【0010】受光部10は、フォトダイオード11およ
びプリアンプ12を備えて構成される。フォトダイオー
ド11は、入射した光信号を受光し、その光信号の光量
に応じた電流信号を出力するものであり、例えば、径5
0μmのInGaAsからなるPINフォトダイオード
が好適に用いられる。ここで、フォトダイオードが受光
する光信号は、一定周期(例えば2.4Gb/s)のク
ロック信号に同期した信号光である。また、プリアンプ
12は、フォトダイオード11から出力された電流信号
を入力し、その電流値に応じた電圧値に変換し、この変
換された電気信号(図2(a))を出力するものであ
り、例えば、GaAs製アンプと帰還抵抗素子とからな
る構成のものが好適に用いられる。プリアンプ12は、
フォトダイオード11が受光した光信号の光量が大きい
ほど値が大きい電気信号と、その電気信号の反転信号と
を出力する。
【0011】等化用アンプ21は、受光部10から出力
された電気信号および反転信号を入力し、これらの信号
を飽和状態に達するまで増幅し、立ち上がり及び立ち下
がりが急峻な電気信号および反転信号として出力する。
また、メインアンプ22は、等化用アンプ21から出力
された電気信号および反転信号それぞれを更に増幅して
出力する。このメインアンプ22から出力された電気信
号(図2(b))および反転信号は、バッファ回路23
を経てタイミング抽出部30に入力するとともに、遅延
回路24により所定の遅延を与えられた後に再生部60
に入力する。
【0012】タイミング抽出部30は、メインアンプ2
2から出力されバッファ回路23を経て入力した電気信
号および反転信号に基づいて、クロック信号の周波数成
分を含むパルス信号を抽出し、そのパルス信号とパルス
信号の反転信号とを出力するものである。タイミング抽
出部30は、例えば、位相シフタ回路31および微分回
路32を備えて構成される。この場合、位相シフタ回路
31は、メインアンプ22から出力されバッファ回路2
3を経て入力した電気信号(図2(b))および反転信
号それぞれに対して、信号光の同期信号であるクロック
信号の半周期に相当する時間だけ遅延を与え、その遅延
が与えられた信号(図2(c))を出力する。微分回路
32は、元の電気信号および反転信号それぞれと、位相
シフタ回路31により遅延が与えられた信号とを入力
し、両者の排他的論理和を求め、これをパルス信号(図
2(d))として出力する。なお、タイミング抽出部3
0は、コンデンサと抵抗素子とを備えて構成されクロッ
ク信号の周波数より高い時定数を有するCR微分回路に
よっても実現できる。タイミング抽出部30から出力さ
れるパルス信号は、クロック信号の周波数成分が最も大
きく、その整数倍の高調波成分をも含むものである。
【0013】タイミング抽出部30から出力されたパル
ス信号および反転信号は、遅延線41A,41Bにより
遅延が与えられた後、ダイヤSAWフィルタ部50によ
りクロック信号の周波数成分が抽出され、そのクロック
信号は、遅延線42A,42Bにより更に遅延が与えら
れ、再生部60に入力する。
【0014】ダイヤSAWフィルタ部50は、基板の表
面にダイヤモンド膜と圧電体膜とが形成され、1対の入
力電極と1対の出力電極とを有するものであり、タイミ
ング抽出部30から出力されたパルス信号(図2
(d))および反転信号とを1対の入力電極に差動入力
し、圧電体膜に生じた表面弾性波をダイヤモンド膜を伝
搬させ、その表面弾性波が到達した1対の出力電極から
クロック信号(図2(e))を出力するものである。こ
のダイヤSAWフィルタ部50は、クロック信号の周波
数に中心周波数が設定された狭帯域のバンドパスフィル
タとして作用するものであり、正弦波状のクロック信号
を出力する。このダイヤSAWフィルタ部50の詳細な
構成については後述する。
【0015】再生部60は、ダイヤSAWフィルタ部5
0から出力されたクロック信号(図2(e))に基づい
て、受光部10から出力された電気信号を再生し、その
再生された電気信号である再生信号を出力するものであ
る。再生部60は、リミットアンプ61とDフリップフ
ロップ62とを備えて構成される。リミットアンプ61
は、ダイヤSAWフィルタ部60から出力され遅延線4
2A,42Bを経て入力したクロック信号を飽和状態に
達するまで増幅し、立ち上がり及び立ち下がりが急峻な
矩形波状のクロック信号(図2(f))として出力す
る。Dフリップフロップ62は、メインアンプ22から
出力され遅延回路24を経た電気信号(図2(b))お
よび反転信号と、リミットアンプ61から出力されたク
ロック信号(図2(f))とを入力し、クロック信号の
各立ち上がりの時点における電気信号および反転信号
を、その後のクロック信号1周期の時間だけ保持し、こ
れを再生信号(図2(g))として出力するものであ
る。
【0016】なお、遅延回路24ならびに遅延線41
A,41B,42Aおよび42Bは、メインアンプ22
から遅延回路24を経てDフリップフロップ62に電気
信号および反転信号が入力するタイミングと、メインア
ンプ22からタイミング抽出部30、ダイヤSAWフィ
ルタ部50およびリミットアンプ61等を経てDフリッ
プフロップ62にクロック信号が入力するタイミングと
を調整するものである。特に、遅延線41A,41B,
42Aおよび42Bは、それぞれの長さに応じて遅延時
間を任意に設定することが可能であり、タイミングの微
調整を行うのに好適である。
【0017】この再生部60により再生された再生信号
および反転信号はバッファ回路71に入力し、バッファ
回路71は、これらをRD信号およびその反転信号とし
て出力する。また、再生部60のリミットアンプ61か
ら出力されたクロック信号はバッファ回路72に入力
し、バッファ回路72は、これらをRCLK信号および
その反転信号として出力する。さらに、再生部60のリ
ミットアンプ61から出力された信号はSD回路73に
入力し、SD回路73は、その信号が一定周期でパルス
が発生するクロック信号であるか否かを判定し、その判
定結果をバッファ回路74を経てFLAG信号およびそ
の反転信号として出力する。
【0018】次に、ダイヤSAWフィルタ部50の構成
について説明する。図3は、ダイヤSAWフィルタ部5
0の斜視図である。ダイヤSAWフィルタ部50は、単
結晶Si基板51の上に順次にダイヤモンド膜52およ
び圧電体膜53が形成され、その圧電体膜53の上に1
対の入力電極54A,54Bおよび1対の出力電極55
A,55Bが形成されている。
【0019】ダイヤモンド膜52は、表面弾性波を高速
に伝搬させ得る膜であり、例えばプラズマCVD法によ
り単結晶Si基板51上に形成される。圧電体膜53
は、電気機械結合係数が大きい材料からなる膜であり、
例えば、ZnO、LiTaO3、LiNbO3またはAl
N等からなり、スパッタリング法によりダイヤモンド膜
52の上に形成される。例えば、単結晶SI基板51の
厚さは800μm程度であり、ダイヤモンド膜52の厚
さは20μm程度であり、圧電体膜53の厚さは1μm
程度である。
【0020】1対の入力電極54A,54Bそれぞれ
は、櫛形の形状を有し、櫛歯部分が交互に配置されたも
のである。1対の出力電極55A,55Bについても同
様である。1対の入力電極54A,54Bそれぞれは、
微分回路32から出力されたパルス信号(図2(d))
および反転信号を遅延線41A,41Bを介して差動入
力し、これにより圧電体膜53に歪みを生じさせ表面弾
性波を発生させるものである。一方、1対の出力電極5
5A,55Bそれぞれは、上記表面弾性波がダイヤモン
ド膜52を伝搬して到達したときに圧電体膜53の圧電
効果により生じた電位変化を正弦波状のクロック信号
(図2(e))として出力するものであり、遅延線42
A,42Bを介してリミットアンプ61に接続されてい
る。これらは、例えばAl等の導電性金属からなり、抵
抗加熱法による真空蒸着により圧電体膜53の上に金属
膜を形成した後、ドライエッチング法またはウェットエ
ッチング法により櫛形とされて形成される。例えば、厚
さは0.1μm程度であり、櫛歯部分の幅および間隔
は、狭帯域バンドパスフィルタとしての中心周波数に応
じて適切に設定される。
【0021】次に、本実施形態に係る3R光受信器の作
用について説明する。フォトダイオード11が信号光を
受光すると、その光量に応じた電気信号(図2(a))
および反転信号がプリアンプ12から出力される。プリ
アンプ12から出力された電気信号および反転信号は、
等化用アンプ21およびメインアンプ22を順次に経て
矩形波状の電気信号(図2(b))および反転信号に整
形される。この整形された電気信号および反転信号は、
バッファ回路23を経て位相シフタ回路31に入力し
て、クロック信号の半周期分だけ位相シフタ回路31に
より遅延が与えられ、その遅延が与えられた信号(図2
(c))および反転信号との排他的論理和であるパルス
信号(図2(d))が微分回路32により得られ、微分
回路32からパルス信号および反転信号が出力される。
このパルス信号は、クロック信号の周波数成分およびそ
の高調波成分を含む。
【0022】そのパルス信号および反転信号は、遅延線
41A,41Bを経てダイヤSAWフィルタ部50の1
対の入力電極54A,54Bに差動入力する。これによ
り圧電体膜53に生じた表面弾性波がダイヤモンド膜5
2を伝搬して1対の出力電極55A,55Bの位置に到
達すると、圧電体膜53に生じた電位変化が1対の出力
電極55A,55Bから正弦波状のクロック信号(図2
(e))として出力される。このクロック信号は、上記
高調波成分が除去されて、一定周波数成分のみを含むも
のである。
【0023】ダイヤSAWフィルタ部50の1対の出力
電極55A,55Bから出力されたクロック信号および
反転信号は、遅延線42A,42Bを経てリミットアン
プ61に入力して矩形波状のクロック信号(図2
(f))に整形され、その矩形波状のクロック信号はD
フリップフロップ62に入力する。また、Dフリップフ
ロップ62には、メインアンプ22から出力され遅延回
路24により適当な時間だけ遅延が与えられた矩形波状
の電気信号(図2(b))および反転信号が入力する。
Dフリップフロップ62では、クロック信号(図2
(f))の各立ち上がりの時点における電気信号(図2
(b))および反転信号が、その後のクロック信号1周
期の時間だけ保持され再生信号(図2(g))として出
力される。
【0024】なお、ダイヤSAWフィルタ部50の1対
の入力電極54A,54Bへのパルス信号の入力を差動
入力とし、また、パルスSAWフィルタ部50の1対の
出力電極55A,55Bからのクロック信号の出力を差
動出力としたことにより、耐雑音特性を向上させること
が可能となっている。
【0025】次に、本実施形態に係る3R光受信器の諸
特性について説明する。図4は、メインアンプ22から
バッファ回路23を介して出力された電気信号の波形、
および、ダイヤSAWフィルタ部50から出力されたク
ロック信号の波形を示す図である。図4(a)は温度2
5℃で電源電圧5Vのときの波形であり、図4(b)は
温度85℃で電源電圧5Vのときの波形であり、図4
(c)は温度−40℃で電源電圧5Vのときの波形であ
り、図4(d)は温度25℃で電源電圧4.75Vのと
きの波形であり、図4(e)は温度25℃で電源電圧
5.25Vのときの波形である。また、各図において、
上段の波形は、メインアンプ22からバッファ回路23
を介して出力された電気信号の波形を示し、下段の波形
は、ダイヤSAWフィルタ部50から出力されたクロッ
ク信号の波形を示す。
【0026】図5は、ダイヤSAWフィルタ部50の中
心周波数の温度特性を示すグラフである。この図には、
ダイヤSAWフィルタ部50の中心周波数の温度特性を
実線で示す他、従来のSAWフィルタ部の中心周波数の
温度特性を破線で示している。この図から判るように、
温度範囲−40℃〜+85℃において、従来のSAWフ
ィルタ部の中心周波数の変動幅は200ppmにも達し
たのに対して、本実施形態に係る3R光受信器で用いた
ダイヤSAWフィルタ部50の中心周波数の変動幅は、
100ppm以下であり、従来のものと比べて半分以下
であった。また、本実施形態に係る3R光受信器で用い
たダイヤSAWフィルタ部50は、温度範囲−40℃〜
+85℃において中心周波数偏差の温度依存性の絶対値
が2ppm/℃以下であり、また、中心周波数が最大に
なる温度が20℃〜75℃の範囲内にあった。
【0027】図6は、最小受光感度の温度特性を示すグ
ラフである。この図には、本実施形態に係る3R光受信
器の最小受光感度の温度特性を実線で示す他、従来のも
のの最小受光感度の温度特性を破線で示している。ここ
で、最小受光感度は、ビットエラーレートが1.0×10-10
以下を確保し得る最小の受光量である。この図から判る
ように、温度範囲−40℃〜+85℃において、従来の
ものの最小受光感度の変動幅は1.6dBにも達したに
対して、本実施形態に係る3R光受信器の最小受光感度
の変動幅は、0.6dB程度であり、従来のものと比べ
て4割以下であり安定していた。
【0028】図7は、本実施形態に係る3R光受信器の
温度範囲−40℃〜+85℃における受光量とビットエ
ラーレートとの関係を示すグラフである。この図には、
温度−40℃、+25℃および+85℃それぞれの場合
について示している。フォトダイオード11に入射する
信号光を試験用の擬似ランダムパルスパターンとした。
この図から判るように、温度範囲−40℃〜+85℃に
おいて、ビットエラーレート1.0×10-10以下を満たす受
光量として−22dBm以上を得た。これはITU−T
のI−16、S−16規格を満足するものであった。
【0029】また、クロック信号に対するRD信号の立
ち上がり及び立ち下がりのタイミングのずれに関する特
性であるジッタ特性は、従来のものと比べて同程度であ
り、G.958規格を満足した。クロック信号の本来の
周波数からの変動の許容範囲に関する特性であるビット
レートトレランスも、従来のものと比べて同程度以上の
特性を示した。信号光の連続データに対する再生可能性
に関する特性であるCIDも、従来のものと比べて同程
度の特性を示した。その他の特性も、従来のものと比べ
て同程度またはそれ以上の特性を示した。
【0030】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、光信号を受光した受光部から、その光信号の光
量に応じた電気信号が出力される。その電気信号は必要
に応じて波形整形および増幅された後にタイミング抽出
部に入力し、タイミング抽出部により、クロック信号の
周波数成分を含むパルス信号が抽出され出力される。そ
のパルス信号は、ダイヤモンド膜等が形成されたフィル
タ部の入力電極に入力し、そのパルス信号に含まれるク
ロック信号の周波数成分のみが、フィルタ部の出力電極
から出力される。そして、再生部により、フィルタ部か
ら出力され必要に応じて波形整形されたクロック信号に
基づいて、受光部から出力された電気信号が再生され、
その再生された電気信号が出力される。
【0031】このように、本発明に係る3R光受信器
は、パルス信号からクロック信号を抽出するフィルタ部
として基板上にダイヤモンド膜および圧電体膜が形成さ
れたSAWフィルタを用いたことにより、温度特性が優
れる。すなわち、温度範囲−40℃〜+85℃におい
て、従来のものと比較して中心周波数の変動幅が小さ
く、最小受光感度の変動幅も小さく、その他、ジッタ特
性等の特性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る3R光受信器の回路構成図で
ある。
【図2】本実施形態に係る3R光受信器の各部分回路か
ら出力される信号の波形を示すタイミングチャートであ
る。
【図3】ダイヤSAWフィルタ部50の斜視図である。
【図4】メインアンプ22からバッファ回路23を介し
て出力された電気信号の波形、および、ダイヤSAWフ
ィルタ部50から出力されたクロック信号の波形を示す
図である。
【図5】ダイヤSAWフィルタ部50の中心周波数の温
度特性を示すグラフである。
【図6】最小受光感度の温度特性を示すグラフである。
【図7】本実施形態に係る3R光受信器の温度範囲−4
0℃〜+85℃における受光量とBERとの関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
10…受光部、11…フォトダイオード、12…プリア
ンプ、21…等化用アンプ、22…メインアンプ、23
…バッファ回路、24…遅延回路、30…タイミング抽
出部、31…位相シフタ回路、32…微分回路、41
A,41B,42A,42B…遅延線、50…ダイヤS
AWフィルタ部、51…単結晶Si基板、52…ダイヤ
モンド膜、53…圧電体膜、54A,54B…入力電
極、55A,55B…出力電極、60…再生部、61…
リミットアンプ、62…Dフリップフロップ、71,7
2…バッファ回路、73…SD回路、74…バッファ回
路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定周期のクロック信号に同期した光信
    号を受光し、その光信号の光量に応じた電気信号を出力
    する受光部と、 前記受光部から出力された前記電気信号に基づいて、前
    記クロック信号の周波数成分を含むパルス信号を抽出し
    出力するタイミング抽出部と、 基板の表面にダイヤモンド膜と圧電体膜とが形成され、
    前記タイミング抽出部から出力された前記パルス信号を
    入力電極に入力して、前記圧電体膜に生じた表面弾性波
    を前記ダイヤモンド膜を伝搬させ、その表面弾性波を入
    力した出力電極から前記クロック信号を出力するフィル
    タ部と、 前記フィルタ部から出力された前記クロック信号に基づ
    いて、前記受光部から出力された前記電気信号を再生
    し、その再生された電気信号を出力する再生部と、 を備えることを特徴とする3R光受信器。
  2. 【請求項2】 前記フィルタ部の前記入力電極および前
    記出力電極それぞれは、差動入出力を行う1対の櫛形の
    形状の電極を備えることを特徴とする請求項1記載の3
    R光受信器。
  3. 【請求項3】 前記フィルタ部は、温度範囲−40℃〜
    +85℃において中心周波数偏差の温度依存性の絶対値
    が2ppm/℃以下であることを特徴とする請求項1記
    載の3R光受信器。
  4. 【請求項4】 前記フィルタ部は、中心周波数が最大に
    なる温度が20℃〜75℃の範囲内にあることを特徴と
    する請求項1記載の3R光受信器。
  5. 【請求項5】 前記タイミング抽出部と前記フィルタ部
    との間および前記フィルタ部と前記再生部との間の双方
    または何れか一方に遅延線を更に備えることを特徴とす
    る請求項1記載の3R光受信器。
JP10049477A 1998-03-02 1998-03-02 3r光受信器 Pending JPH11252012A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016213834A (ja) * 2015-05-01 2016-12-15 テクトロニクス・インコーポレイテッドTektronix,Inc. クロック・リカバリ装置及び方法並びにクロック・リカバリ方法を実行するためのプログラム

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JP2016213834A (ja) * 2015-05-01 2016-12-15 テクトロニクス・インコーポレイテッドTektronix,Inc. クロック・リカバリ装置及び方法並びにクロック・リカバリ方法を実行するためのプログラム

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