JPH11250255A - 指紋照合用の指紋代用部材の製造装置と指紋照合用の指紋代用部材の製造方法及び指紋照合用の指紋代用部材 - Google Patents

指紋照合用の指紋代用部材の製造装置と指紋照合用の指紋代用部材の製造方法及び指紋照合用の指紋代用部材

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JPH11250255A
JPH11250255A JP10051838A JP5183898A JPH11250255A JP H11250255 A JPH11250255 A JP H11250255A JP 10051838 A JP10051838 A JP 10051838A JP 5183898 A JP5183898 A JP 5183898A JP H11250255 A JPH11250255 A JP H11250255A
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JP10051838A
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Mitsuo Sakamoto
美津夫 坂本
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 指紋照合を行う際に実際の指の指紋パターン
の代わりに用いられる指紋代用部材であって、指紋採取
面に対して指の位置を案内するガイド部に指に代えて配
置させることができる指紋代用部材を製造することがで
きる指紋照合用の指紋代用部材の製造装置を提供するこ
と。 【解決手段】 指紋照合を行う際に指紋パターンの代わ
りに用いられる指紋代用部材Cであり、指紋照合装置の
指紋採取面に対して指の位置を案内するガイド部に代え
て配置させるようになっている指紋代用部材Cを製造す
る装置であり、擬似指紋パターン20Aを発生する擬似
指紋パターン作成手段50と、擬似指紋パターン20A
を製版シートに形成する製版シート形成手段300と、
製版シートの擬似指紋パターン20Aを転写しかつ指紋
照合装置のガイド部に合った形状に指紋代用部材Cを成
形する指紋代用部材成形手段306とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実際の指紋の代わ
りに用いるための擬似指紋パターンを有する指紋代用部
材の製造装置と指紋照合用の指紋代用部材の製造方法及
び指紋照合用の指紋代用部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の情報処理技術の普及に伴って、シ
ステムの管理や安全性の確保が問題となっている。現
在、情報処理の分野では、使用者が直接暗証番号の入力
をしたり、暗証番号等を記録した磁気カード等を用いて
各個人の識別を行うことが一般的に採用されてきてい
る。また、個人の生活環境下においては、住宅、車及び
ロッカー等の鍵等の使用安全性が注目されている。
【0003】しかし、従来の安全対策では、使用者が暗
証番号を忘れたり、鍵やカードの紛失及び盗難や偽造さ
れる等の恐れがある。そこでその改善策として、個々の
人間固有で生涯変わらない指紋に着目して、その手指の
指紋パターンを参照用の指紋パターンと照合することに
より、システムの管理や安全性の確保を図ることが提唱
されている。一例として乗用車の運転席側のドアに、こ
のような指紋パターンを読取る指紋読取装置を設けた場
合について考えてみる。この場合には、指紋パターンを
登録した使用者本人が、その手指の指紋パターンを指紋
読取装置に密着することで、指紋読取装置がその指紋パ
ターンを読取る。読取った結果、手指の指紋パターンが
参照用の指紋パターンと一致した場合には、運転席側の
ドアのロックが解除されて、そのドアを開けることがで
きる。
【0004】人の指紋を光学的に検出する方式として
は、プリズムのガラス面に指を密着して、光源からの光
がこの密着面で反射する光の変化(正反射、乱反射)で
生じる明暗を撮像レンズ系を介して撮像素子に取り込む
光学読み取り方式が用いられている。このような従来の
指紋照合装置は、指をガイドして位置決めするためのガ
イド部分を有している。このガイド部分は、たとえば断
面で見て凹型になっており、そこに指をはめ込むこと
で、指紋照合装置の光学系に対して指紋を正しく位置決
めできるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、指紋照合装
置の指紋取込面において、指紋パターンがプリズムのガ
ラス面に対して密着状況が悪いと、十分な明暗と忠実な
指紋像が得られない場合が生じる。特に人の指の皮膚の
状態は、健康状態、怪我の有無、業務内容が何である
か、スポーツを行っているかどうか、家事等で日常変化
する場合や、気象条件で乾燥している場合があり、この
ような乾燥状態の指の指紋パターンは、登録された参照
用の指紋パターンとの照合性を悪くし、照合できない場
合が生じる。そこで、一般的にはプリズムのガラス面に
弾性体を用いたり、あるいは指紋照合時に指にクリーム
を塗布したり水分を付けることにより、指紋パターンの
凹凸がプリズムのガラス面に対して密着できるようにす
ることが知られている。しかし、弾性体は耐久性が劣
り、クリームや水分の塗布は面倒でありその塗布量のコ
ントロールが難しく、汚れを誘引する等保守管理が難し
い。
【0006】一方、指紋照合装置を使用する人が指を怪
我した場合等では、指紋照合用にその指の指紋パターン
を直接プリズムのガラス面に載せることができないこと
があり、あるいは怪我等で指紋パターンが大幅に変化し
た場合には、指紋照合装置において、参照用の指紋パタ
ーンと照合できなくなってしまうという問題も生じる。
そこで本人の指紋パターンに代える他の指の指紋を登録
しておく等面倒な作業が必要となる。そこで本発明は上
記課題を解消し、指紋照合を行う際に実際の指の指紋パ
ターンの代わりに用いられる指紋代用部材であって、指
紋採取面に対して指の位置を案内するガイド部に指に代
えて配置させることができる指紋代用部材を製造するこ
とができる指紋照合用の指紋代用部材の製造装置と指紋
照合用の指紋代用部材の製造方法及び指紋代用部材を提
供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にあ
っては、指紋照合を行う際に指紋パターンの代わりに用
いられる指紋代用部材であり、指紋照合装置の指紋採取
面に対して指の位置を案内するガイド部に合せて配置さ
せる指紋代用部材を製造する装置であり、擬似指紋パタ
ーンを製版シートに形成する製版シート形成手段と、製
版シートの擬似指紋パターンを転写しかつ指紋照合装置
のガイド部に合った形状に指紋代用部材を成形する指紋
代用部材成形手段と、を備えることを特徴とする指紋照
合用の指紋代用部材の製造装置により、達成される。
【0008】本発明では、指紋照合を行う際に指紋パタ
ーンの代わりに用いられる指紋代用部材であり、指紋採
取面に対して指の位置を案内するガイド部に、指に代え
て配置させるようになっている指紋代用部材を製造す
る。製版シート形成手段は、擬似指紋パターンを製版シ
ートに対して形成する。
【0009】指紋代用部材成形手段は、製版シートの擬
似指紋パターンを転写してかつ指紋照合装置のガイド部
に合った形状に指紋代用部材を成形する。このようにす
ることにより、製版シート形成手段は、擬似指紋パター
ンを製版シートに形成しておいて、この製版シートを保
存しておくことができる。そして指紋代用部材成形手段
は、この製版シートに基づいて擬似指紋パターンを転写
しかつ指紋照合装置のガイド部に合った形状に指紋代用
部材を簡単に製造することができる。従って、本人の本
物の指紋がたとえば怪我などによって使用できない場合
であっても、この指紋代用部材を、指紋照合装置のガイ
ド部にはめ込むことで、簡単に指紋照合作業を行うこと
ができる。
【0010】本発明において、好ましくは製版シート形
成手段がレーザ加工装置であり、レーザ光を製版シート
に照射して擬似指紋パターンを形成するようにすれば、
比較的早くこの擬似指紋パターンを形成することができ
る。本発明において、好ましくは製版シート形成手段が
流動体を塗布して擬似指紋パターンを形成するようにな
っていれば、簡単に擬似指紋パターンを製版シートに対
して形成することができる。本発明において、好ましく
は指紋代用部材が、弾力性のある材質で作られており、
この弾力性部材が、たとえば歯科印象用のシリコン樹脂
であれば、指紋代用部材が擬似指紋パターンを指紋照合
装置の指紋採取面に対して密着させることができる。こ
れにより擬似指紋パターンの読取精度を向上させること
ができる。
【0011】上記目的は、本発明にあっては、指紋照合
を行う際に指紋パターンの代わりに用いられる指紋代用
部材であり、指紋照合装置の指紋採取面に対して指の位
置を案内するガイド部に合せて配置させる指紋代用部材
を製造する方法であり、擬似指紋パターンを製版シート
を形成する製版シート形成ステップと、製版シートの擬
似指紋パターンを転写しかつガイド部に合った形状に指
紋代用部材を成形する指紋代用部材成形ステップと、を
含むことを特徴とする指紋照合用の指紋代用部材の製造
方法により、達成される。
【0012】このようにすることにより、製版シート形
成手段は、擬似指紋パターンを製版シートに形成してお
いて、この製版シートを保存しておくことができる。そ
して指紋代用部材成形手段は、この製版シートに基づい
て擬似指紋パターンを転写しかつ指紋照合装置のガイド
部に合った形状に指紋代用部材を簡単に製造することが
できる。従って、本人の本物の指紋がたとえば怪我など
によって使用できない場合であっても、この指紋代用部
材を、指紋照合装置のガイド部にはめ込むことで、簡単
に指紋照合作業を行うことができる。
【0013】上記目的は、本発明にあっては、指紋照合
を行う際に指紋パターンの代わりに用いられる指紋代用
部材であり、指紋照合装置の指紋採取面に対して配置す
る指紋代用部材であり、転写することにより成形されて
いる擬似指紋パターンを有することを特徴とする指紋代
用部材により、達成される。本発明において、好ましく
は弾力性のある材質で作られている。本発明において、
好ましくは歯科印象用のシリコン樹脂で作られている。
本発明において、好ましくは指紋照合装置の指紋採取面
に対して指の位置を案内するガイド部に合わせて形成さ
れている。従って、本人の本物の指紋がたとえば怪我な
どによって使用できない場合であっても、この指紋代用
部材を、指紋照合装置のガイド部にはめ込むことで、簡
単に指紋照合作業を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、
技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明
の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨
の記載がない限り、これらの形態に限られるものではな
い。
【0015】図1〜図4は、本発明の指紋照合用の指紋
代用部材の製造装置により製造される指紋代用部材Cを
実際に使用する例を示している。図1と図4には本発明
の製造装置により製造される指紋代用部材Cを示してい
る。この指紋代用部材Cは、実際の指の指紋パターンに
代えて指紋照合装置100のガイド部100Aに位置決
めして使用することができるようになっている。図9は
指紋照合装置100のガイド部100Aの付近を示して
いる。図4と図9に示すガイド部100Aは、指紋照合
装置100において、たとえば凹形状に形成されてお
り、このガイド部100Aには、指Fあるいはほぼ平板
状の指紋代用部材Cをはめ込んで指紋採取面100Bに
密着させることができるようになっている。
【0016】まずこの指紋照合装置100の構造例につ
いて説明する。指紋照合装置100は、上述したように
図1と図9に示す要領で、使用者の本物の指Fあるいは
その指Fの指紋パターンFGPに代えて用いることがで
き指紋代用部材Cのいずれをも受け付ける指紋照合装置
である。図2では指Fがガイド部100Aにより位置決
めされており、図4では指紋代用部材Cがガイド部10
0Aにより位置決めされている。
【0017】図1の自動車1は、指紋照合装置100の
画像処理装置200を備えている。この画像処理装置2
00は、自動車1の運転席側のドア2に設けられてい
る。運転席側のドア2は取手3と画像処理装置200の
画像取り込み部100を備えており、ドア2は作動対象
であるロック装置16によりドアのロックを解除するこ
とができる。この画像取り込み部100は、後で説明す
るカードCの擬似指紋パターン20A、または自動車1
の使用者の指Fの指紋パターンFGPが、画像処理装置
200内の参照用の画像パターンと比較して、その擬似
指紋パターン20Aまたは指紋パターンFGPが参照用
の画像パターンと適合していればロック装置16を解除
して使用者がドア2を開けることができるようになって
いる。
【0018】図2は図1の画像処理装置200の一例を
示している。画像処理装置200は、画像取り込み部1
00F等を備えている。画像取り込み部100は三角プ
リズムTP、光源LT及びCCDカメラ(電荷結合素子
カメラ)11を備えている。三角プリズムTPの指紋採
取面100Bには、図2のように指Fの指紋パターンF
GPを密着して載せたり、図4のようにカードCの擬似
指紋パターン20Aを密着して載せることができる。光
源LTの光は三角プリズムTP上の図2の指紋パターン
FGPあるいは図4の擬似指紋パターン20Aに照射さ
れて、その照射された情報を含んだ光がCCDカメラ1
1で受光できる。この場合に、光源LTは三角プリズム
TPに対してθの角度で入射し、やはりθの角度で全反
射してCCDカメラ11に取り込める。
【0019】図2のようにたとえば指Fを三角プリズム
TPの指紋採取面100B上に載せた場合には、図3に
示すように、光源LTの光は指紋パターンFGPの隆起
部分CVが黒い線となり、谷部分CCが明るい部分とな
る。図3においては暗い部分は黒で示し、明るい部分は
白で示している。図3はこのような指紋パターンFGP
の画像が隆起部分CVと谷部分CCのように2値化され
た画像の例である。図2において、指Fの指紋パターン
FGPがCCDカメラ11に取り込まれてその取り込ま
れた指紋パターン画像情報は、図3のようにX方向とY
方向のそれぞれについて所定数(たとえば256)をサ
ンプリングして量子化する。そして図2に示すようにこ
のように得られた映像信号ISはコンパレータ12に入
り、コンパレータ12は映像信号ISを、2値化用の参
照値と比較して図3のような2値化した指紋パターン画
像のデータを得て、データ取り込み用のシフトレジスタ
13により図3のような画像として取り込む。
【0020】判定部14は取り込まれた図3のような指
紋パターン画像情報と、参照用の指紋パターン画像情報
と比較して、判定部14はその指紋パターン画像が適合
する場合には作動対象である図1のロック装置16を作
動してドア2を開けることができる。この際に、判定部
14は、三角プリズムTP上に指Fの指紋パターンFG
Pが載っているのかあるいは図4のように擬似指紋パタ
ーン20Aが載っているのかを選択するために、擬似指
紋パターンと指紋パターンの切換部15を備えている。
この場合には実際の指Fの指紋パターン比較用の信号S
0が判定部14に送られる。
【0021】図4の場合においても、図2の場合と同様
に、擬似指紋パターン20が三角プリズムTPに密着さ
れていると、その擬似指紋パターン20の画像情報がC
CDカメラ11に映像信号VSとして取り込まれる。こ
の映像信号VSは、コンパレータ12により2値化用の
参照値と比較されて、2値化されてデータ取り込み用の
シフトレジスタ13を介して判定部14に擬似指紋パタ
ーン情報として取り込まれる。擬似指紋パターンと指紋
パターンの切換部15は、擬似指紋パターンの信号S1
が選択されているので判定部14はこの擬似指紋パター
ン20の画像情報と、参照用の擬似指紋パターン情報を
比較して、適合していれば、作動対象である図1のロッ
ク装置16のロックを解除して、カードCを所有する人
がドア2を開けることができるものである。
【0022】次に、図1と図4の指紋代用部材Cに成形
されている擬似指紋パターン20Aの作成装置につい
て、図5を参照して説明する。擬似指紋パターン作成手
段である擬似指紋パターンと作成装置50は、演算処理
部30、ディスプレイ33、キーボード31、マウス3
2を有している。演算処理部30は、たとえば擬似指紋
パターン発生部40を備えている。この擬似指紋パター
ン発生部40は、たとえばランダム関数を用いた擬似指
紋関数により、擬似指紋パターンを作成するソフトウェ
アである。
【0023】指紋関数Zの一例は、図5に示している。
この指紋関数Z( )には、たとえば0.1といった
ような比較的小さい数字を当てはめることができる。指
紋関数Zは、図5のディスプレイ33に表示されている
座標X,Yに対して三次元の空間上で複雑な曲面を有す
る関数である。この指紋関数Zは、図5のZ軸方向に沿
って適当な間隔ΔZでX−Y水面等高線を設定すると、
図7に示すような複雑な縞模様が表われる。この縞模様
が擬似指紋パターンとして用いられるものであり、指紋
関数Z(ランダム関数)による値(たとえば0.1)が
異なったものである限り、必ず異なった紋様になる。図
5の擬似指紋パターン発生部40のソフトウェアとして
は、たとえば通常用いられているパーソナルコンピュー
タ用のソフトウェアであり、たとえばMicrosof
t Excel(マイクロソフト株式会社製)を用い
る。
【0024】図6はその擬似指紋パターン20Aの作成
手順と、その擬似指紋パターンの再生手順の一例を示し
ている。擬似指紋パターンの作成手順についてステップ
S1からステップS6に基づいて説明する。まず擬似指
紋関数をステップS1で定義する。この擬似指紋関数Z
はf(X,Y)で定義するための定数や乱数等の数字か
らなるN個(N:整数)のパラメータを発生させる(ス
テップS7)。その例としては図5に示している。この
擬似指紋関数Zは、定数や乱数等の数字からなるN個の
パラメータを含む関数であり、三次元の空間上で複雑な
曲面を持つ。
【0025】このように擬似指紋関数Zに対して定数や
乱数等の数字からなるN個のパラメータを含ませるの
は、次の理由からである。乱数や種々のデータである定
数や意味のある内容は数値化して、それらの数値化した
内容はパラメータとして擬似指紋関数Zの中に取り込ん
で、それを特定の関数により図形化すると同時に、それ
らの内容の内の必要なものを図形とともに表示してお
く。これらの内容は改ざんしようとしても同じ情報を持
つパターンとの食い違いが発生するために、無効になっ
てしまうので擬似パターンの改ざんが難しく、改ざんを
防止することができる。
【0026】また、この擬似指紋関数Zの中にパラメー
タとしてある種のデータを含ませることによって、擬似
パターンにはさらに暗号的な意味を持たせることができ
る。即ち、擬似指紋関数Zの示す曲面の形状を左右する
パラメータに何らかの意味を持つ数字を複数個採用する
ことにより、識別番号(ID)等により特定された指紋
データに加えて暗号的にそれらのデータを用いることに
よって、より多くの擬似パターンの中から特定の照合用
のパターンとの照合が可能になり、識別性能が向上する
と同時に、紋様の中にその情報を埋め込むことによっ
て、それらのデータを視覚的判別できなくても、暗号的
に表現できる。
【0027】次に、上記パラメータの意味のある内容の
埋め込みの例を説明する。(1)識別番号(ID) 識別番号は、指紋を照合するために、指紋を登録するた
めのアドレスや指紋の識別番号を折り込み、パターンの
照合を容易にする。(2)有効期限 有効期限としてたとえば、その擬似パターンの有効期限
を発行当日に限りたい場合に、その年月日を示すシリア
ル番号等のデータをパラメータに折り込んでおけば、擬
似パターンに反映され、表示されたデータを改ざんして
も指紋照合装置はパターンの照合結果からデータの改ざ
んを見破る。(3)乱数 乱数は、数多くの異なった模様を自動的に作成するため
に用いる。識別番号として用いるために、適当な桁数と
複数の乱数を発生させる機能を用いて重複を防ぐとよ
い。(4)その他 その他の暗証的なデータや顕証的なデータの埋め込みを
行う場合には、上記と同様に次の様な意味のある内容や
レファレンスデータ等を式中のパラメータとして組み込
んで、識別性を高める。 ・発行相手の識別番号 ・各種の属性のデータ ・装置番号 ・発行者の識別番号 そして図5のディスプレイ33に表示されているよう
に、適当なX軸方向とY軸方向のレンジ(範囲)の指定
を行う(図6のステップS2)。
【0028】次に、図5のディスプレイ33に表示され
ているZ軸方向に関して、所定の間隔ΔZの指定を行っ
て、複雑な曲面を持つ擬似指紋指紋関数Zに対してΔZ
の間隔で等高線を設定し、等高線図を作成する(図6の
ステップS3)。これにより、図7に例示するような擬
似指紋パターン20Aである縞模様が表れる。この縞模
様はランダム関数による値が異なったものである限り、
必ず異なった模様になる。
【0029】次に、図6のステップS4において、図7
の擬似指紋パターン20の山部または谷部の指定を行
い、色塗りをして図8に例示するような擬似指紋パター
ン20Aを得る。その後その擬似指紋パターン20の縮
尺を行い(図6のステップS5)、カードCの大きさに
合わせて切り取り範囲の指定を行い、後で説明する製造
方法により擬似指紋パターン20Aを指紋代用部材Cに
対して成形する(図6のステップS6)。このようにし
て図5の指紋代用部材Cに対して擬似指紋パターン20
Aを成形するための準備をすることができる。この際に
は、ステップS2において、X軸方向のレンジとY軸方
向のレンジの指定の場合に、たとえばX:−1.6〜+
1.6とし、Y軸方向のレンジとしてはY:−1〜+1
まで変化させて計算することができる。また図5の指紋
関数ZのRAND( )の値としては、0〜1の間の任
意の値を設定することができる。等高線図を描いて山部
または谷部の指定を行う場合に(図6のステップS3,
S4)、山部と谷部のバランスが取れるように、図7の
要領で等高線間の間を色付けすると、指紋らしいパター
ンを得ることができる。
【0030】図7は、擬似指紋パターン20Aを示して
いるが、山部と谷部の間には色付けをしていない。図8
は擬似指紋パターン20Aであるが山部と谷部の間に適
切な色付けをして実際の指紋に近いパターンを再現して
いる。
【0031】次に、図1を参照して、擬似指紋パターン
20Aを有する指紋代用部材Cと、本人の指Fの指紋パ
ターンFGPによるドア2のロックの解除方法について
説明する。図5の擬似指紋パターン作成装置50で得ら
れた指紋代用部材Cは、図1に示している。まず自動車
1の使用者がドア2のロック装置16を解除して開ける
場合には、使用者の指Fを画像取り込み部100のガイ
ド部100Aにより位置決めして図2の三角プリズムT
Pの指紋採取面100Bの上に載せて密着する。これに
より、指Fの指紋パターンFGPが画像処理装置200
の判定部14で判定されて、指紋パターンFGPが、参
照用の指紋パターンと一致する場合には、その指紋パタ
ーンFGPは本人の指紋パターンであると判定して、判
定部14は作動対象であるロック装置16を解除する。
これにより、使用者はドア2を開けることができる。
【0032】別の場面において、使用者が乗用車1を運
転してきて、たとえばホテルに到着した場合に、ホテル
の従業員がこの乗用車1をホテルのカーポートに運転し
て移す。そして、使用者がこの乗用車1で出掛ける場合
には、ホテルの従業員が自動車1のドア2を開ける必要
がある。そこで、使用者は図1の指紋代用部材Cをその
ホテルの従業員に渡す。ホテルの従業員はこの指紋代用
部材Cの擬似指紋パターン20Aをガイド部100Aに
より位置決めして図2の三角プリズムTPの指紋採取面
100Bに載せて密着する。この時に、図2の擬似指紋
パターンと指紋パターンの切換部15が図2から図4に
示すように、信号S0からS1に切換わり、判定部14
は擬似指紋パターンを読取るのであると判断し、擬似指
紋パターン20Aの映像信号から得られる画像情報と参
照用の擬似指紋パターンの画像情報を比較する。この結
果、判定部14がこの擬似指紋パターン20Aが適合し
ていると判断すれば、判定部14はロック装置16を解
除する。従ってホテルの従業員がドア2を開けることが
できる。このようにして、乗用車1の所有者である使用
者が直接指Fを画像取り込み部100に載せなくても、
乗用車1の所有者以外の人が擬似指紋パターン20Aを
有する指紋代用部材Cを持って指紋採取面100Bに載
せることにより、乗用車1のドア2を開けることができ
るのである。
【0033】次に、上述のように図5の擬似指紋パター
ン作成装置50により作られた擬似指紋パターン20
を、製版シートに形成する製版シート形成手段につい
て、図10を参照して説明する。この製版シート形成手
段として用いるレーザ加工装置300は、製版シート3
01に対してレーザ光LLを用いて擬似指紋パターン2
0Aを形成する装置である。この擬似指紋パターン20
Aは、たとえば弾力性を有する部材、たとえばゴム製の
製版シート301に対して描画をすることができる。レ
ーザ光LLを発生するレーザ光発生制御装置302は、
たとえばエキシマレーザ等を採用することができる。ゴ
ムプレートのような製版シート301の耐熱性が高い場
合には、レーザのパワーが必要であるので、特に上述し
たたとえばエキシマレーザ等を採用するのが望ましい。
尚、製版シート301をゴムプレート材で作る場合に、
ゴムプレート材に熱吸収材(たとえばカーボン微粒子)
等を混練して作ることにより、レーザパワーを下げて加
工することも可能である。
【0034】レーザ光発生制御装置302は、レーザ光
LLを発生する。レーザヘッド303は、モータM1に
よりZ(垂直方向)に移動して位置決め可能である。一
方、レーザ加工装置300は、製版シート301を支え
るテーブル304を備えている。このテーブル304
は、モータM2の作動により、X方向に移動して位置決
め可能であるとともに、モータM3を作動して、Y方向
に移動して位置決め可能である。これらのモータM1,
M2,M3は、コンピュータ(制御装置)305からの
指令によりそれぞれ適宜作動される。レーザヘッド30
3とモータM1等は、コラム306に対して設定されて
いる。X軸、Y軸、Z軸はそれぞれ直交する方向であ
る。
【0035】図10のコンピュータ305は、図5に示
す擬似指紋パターン作成装置50からの擬似指紋パター
ン信号50Sに基づいて、モータM1,M2,M3を制
御して、この結果レーザ光LLは製版シート301に対
して擬似指紋パターン20Aをレーザ加工することがで
きる。図11は、このようにしてレーザ加工して得られ
た擬似指紋パターン20Aの一例を示している。この擬
似指紋パターン20Aの凹凸の高さは、たとえば20μ
m程度のものである。
【0036】次に、図12〜図15を参照して、図10
で作られた製版シート301に基づいて、シート状の指
紋代用部材Cを作成する例について説明する。図12
は、指紋代用部材Cがスピンコート法で作られる例を示
しており、製版シート301の上には、塗布しようとす
る塗布樹脂501が供給されて、かつ中心軸CLを中心
として回転することにより遠心力で塗布剤を均一に塗布
していく。
【0037】図13のスキージ法では、製版シート30
1の上に滴下された塗布樹脂501がブレード502に
より矢印T方向に塗布される。製版シート301の塗布
面とブレード502の間には間隙を設けており、ブレー
ド502を製版シート301に対してT方向に平行移動
することで、所定厚みで塗布樹脂501を塗布して指紋
代用部材Cを作成できる。
【0038】図14は、コイルバー方式を示しており、
コイルバー503は、製版シート301の上に滴下され
た塗布樹脂501を一定の厚みになるようにT方向に沿
って延ばしていく。このコイルバー503とは、丸棒に
一定の径の線材を密着させながら巻き付けてあるものを
呼ぶ。巻き付けられたこのコイルの谷間の体積を利用し
て一定の厚みの膜を得るようになっている。これによ
り、指紋代用部材Cを作成。
【0039】図15のロールバー方式では、製版シート
301の上に滴下された塗布樹脂501は、ロールバー
504をT方向に移動することで、ロールバー504と
製版シート301の間隙を設けて、その間に塗布樹脂5
01を形成していく。これにより指紋代用部材Cを作成
する。
【0040】次に、図16と図17を参照して、指紋代
用部材の製造方法についてさらに詳しく説明する。まず
図18と図19に示す指紋代用部材Cを作成する例につ
いて説明する。図16(A)及び図17のステップST
1では、図5に基づいて説明した擬似指紋パターン作成
装置50が、たとえば図11に示すような擬似指紋パタ
ーン20Aを発生する。図10の擬似指紋パターン作成
装置50は、擬似指紋パターン信号50Sを、図10の
コンピュータ305に与えることにより、コンピュータ
305は、この擬似指紋パターン信号50Sに合ったX
軸、Y軸、Z軸のモータM1,M2,M3に対して制御
信号を送る。しかもコンピュータ305はレーザ光発生
制御装置302に対しても制御信号を送ることで、レー
ザ光LLが製版シート301に対して照射される。これ
により、図10と図16(B)に示す製版シート301
の上には、1つまたは複数の擬似指紋パターン20Aが
形成されていく。たとえば製版シート301の上には、
図16(B)とず16(C)に示すようにたとえば6つ
の擬似指紋パターン20Aがレーザ加工される。以上が
図17の擬似指紋パターン作成ステップST1と、製版
シート作成ステップST2である。
【0041】次に、図17のステップST3に移り、た
とえば図16(C)の製版シート301を所定のライン
で切断することで図16(D)に示すような1つの擬似
指紋パターン20Aを有する原板303を得る。つまり
製版シート301を1つの擬似指紋パターン20A毎に
1つずつ切断して分離するのである。
【0042】次に、図17のステップST4と図16
(E)に示すように、得られた原板303をたとえば指
紋照合装置100のガイド部100Aの下側に配置す
る。すなわち原板303の擬似指紋パターン20Aを図
16(E)において上方に向けるようにして、この原板
303は、ガイド部100Aと、三角プリズムTPの指
紋採取面100B間に配置する。そして、金型306
(指紋代用部材成形手段)をこの指紋照合装置100の
ガイド部100Aに対応して配置して、この金型306
の中には、樹脂307を流し込む。これにより、ガイド
部100Aの中であって、原板303の擬似指紋パター
ン20Aの上にはこの樹脂307が満たされる。この工
程は図17のステップST4とステップST5で示して
おり、その後加熱してこの樹脂307を硬化させる。そ
して金型306を外せば、ガイド部100Aの凹凸形状
にぴったり合った形状を有する図16(F)に示すよう
な樹脂製の指紋代用部材Cを得ることができる。この指
紋代用部材Cの上の面には、図16(F)と図18に示
すように、擬似指紋パターン20Aが原板303の擬似
指紋パターン20Aから転写して形成されている。この
工程が図17のステップST6である。
【0043】以上のようにして、指紋代用部材Cは、指
紋照合装置100の指紋読取部分におけるガイド部10
0Aの形状に対応して、簡単に成形して作ることができ
る。このように作られた指紋代用部材Cは、図4と図9
に示す要領で指紋照合装置100のガイド部100Aに
対してガイドして指紋採取面100Bに密着させること
により、指Fに代えて擬似指紋パターン20Aを指紋照
合装置100のプリズムTPを介してCCDカメラ11
に光学的に読取らせることができる。
【0044】次に、図16と図17を参照して上述した
指紋代用部材Cの作成方法とは異なる製造方法について
説明する。この製造方法は、すでに説明した図12〜図
15のようなシート状の指紋代用部材Cを得るための製
造方法である。この製造方法においても、図16
(A)、(B)そして(C)の手順はほぼ同じで、図1
7のステップST1,ST2までは同じである。
【0045】図16(C)のようにして得られた製版シ
ート301を利用して、図12〜図15の何れかの方式
を採用して、図17に示すステップST7のようなシー
ト状の指紋代用部材Cの作成を行う。シート状の指紋代
用部材Cを、たとえば図12のスピンコート法を用いて
作る場合には、図16(C)の製版シート301が、図
12のスピンコート装置に配置される。そして、製版シ
ート301はスピンコート装置において中心軸CLを中
心として回転されるとともにその上には塗布樹脂501
が滴下される。これにより、塗布樹脂501は、半径方
向に広がっていくことから、均一な厚みのシート状の指
紋代用部材Cが作成できる。このシート状の指紋代用部
材Cは、製版シート301の擬似指紋パターン20Aが
転写されることになる。その後、必要に応じて、得られ
た図16(G)に示すシート状の指紋代用部材Cから1
つの指紋代用部材500Aを切り取ることで、たとえば
図9に示すようにあるいは図1に示すようにして、本物
の指Fに代えて擬似指紋パターン20Aを有する指紋代
用部材Cとして用いることができる。図13〜図15の
方式を用いても同様のシート状の指紋代用部材Cを作成
できる。
【0046】図20は、図10のレーザ加工装置に代え
て、製版シート形成手段として、ディスペンサー方式を
採用している。この製版シート形成手段としてのディス
ペンサー装置700は、図10のレーザヘッド303と
レーザ光発生制御装置302を、シリンジ703とディ
スペンサー制御装置702に入れ替えた装置である。図
20のディスペンサー装置700では、図10のレーザ
加工装置と同様の部分には同じ番号を記して、その説明
を援用することにする。このディスペンサー装置700
のシリンジ703からは、樹脂を製版シート301に対
して供給することができ、このようにしても、擬似指紋
パターン20Aを描画することができる。
【0047】図18及び図19と図9に示すような指紋
代用部材Cを作成することにより、このような指紋代用
作成装置Cをガイド部100Aにはめ込んで、擬似指紋
パターン20Aを読取らせれば、次のようなメリットが
ある。
【0048】図21は、ゴムチャートとも呼ばれている
指紋代用部材Cがガイド部100Aにはめ込まれた状態
を示しており、三角プリズムTPと光学レンズ100S
とCCDカメラ11の位置関係を示している。これらの
ガイド部100A、三角プリズムTP及び光学レンズ1
00S、CCDカメラ11等の位置関係は、その性能
(位置ずれや角度ずれ)及びその補正アルゴリズムに影
響するために、精度よく組み立てなければならず、その
組み立て時の測定や確認が必要となる。この場合に、三
角プリズムTPの面上(すなわち指紋採取面100B
上)の指紋取り込み範囲と、ガイド部100Aの位置が
バランスよく配置されているのが好ましい。そこで、指
紋取り込み範囲の中心に十字線(または枡目等)がある
指紋代用部材Cをガイド部100Aに嵌合するように作
成しておけば、この指紋代用部材Cを三角プリズムTP
の指紋採取面100Bに置くことにより、密着した線
(または溝)の像が、CCDカメラ11に指紋パターン
と同様に取り込むことができる。このことにより、CC
Dカメラ11の中心とガイド部100Aの位置関係が明
確となり、ガイド部100A、三角プリズムTP、光学
レンズ100S及びCCDカメラ11の位置関係の良否
の判定が容易に行われてそれに基づいて調整を行うこと
ができる。このような調整は指紋照合装置100を製造
して組立調整する段階で行うことができる。
【0049】図16において、金型306に対して注入
した樹脂307としては、たとえば歯科印象用のシリコ
ン樹脂や、型取り用の液状のシリコン等、たとえば東芝
シリコーンTSE3450、TSE3402を採用する
ことができる。指の形状を転写できる樹脂、たとえばア
ルギン酸や、たとえば通常スポーツ選手等が使用するマ
ウスピース剤、たとえばEVA(エチレンビニルアセテ
ート)または歯科用の付加型のたとえば液状のシリコン
印象材等を用いることができる。この歯科型の印象材と
しては、たとえば株式会社 ジーシーデンタルインフォ
メーションセンター製のEXAMIXFINE(HYD
ROPHILIC VINYL POLYSILOXA
NE IMPRESSION MATERIAL)、あ
るいは亀水科学工業株式会社製のハイドレックシリーズ
の印象材等が採用できる。また図16の製版シート30
1としてはたとえば弾力性を有するゴム等を採用するこ
とができる。指紋代用部材Cは、ゴムチャートとも呼ん
でいるが、このような指紋代用部材Cを作成することに
より、次のようなメリットがある。使用者本人の指を怪
我した場合あるいはその他指紋が変化した場合に、本人
が緊急用のマスターキーとしてその指紋代用部材Cを用
いることで、緊急に鍵を開けることができる。
【0050】図5に示すように擬似指紋パターン作成装
置50により擬似指紋パターン20Aを作成して、その
擬似指紋パターン20Aの管理番号を用いて管理できる
ので、このような擬似指紋パターンを有する指紋代用部
材を貸出をしたりする場合に管理が容易である。指紋代
用部材Cが密着性のよい材質で、たとえば上述したよう
な歯科印象用のシリコン材のようなものを使えば指紋代
用部材Cの擬似指紋パターンは指紋照合装置の読取面た
とえば三角プリズムの指紋採取面に密着して配置できる
ことから、位置ずれのないパターン認識を行うことがで
きる。指紋代用部材Cは耐候性に優れているために経時
変化が少ない。
【0051】図16(E)に示すようなガイド部100
Aの形状に応じてどのような形状であっても指紋代用部
材Cを作ることができ安価である。指紋代用部材Cの擬
似指紋パターン20Aが、指紋照合装置側に対して密着
して配置でき、しかもガイド部100Aに対してしっか
りと確実にガイドして位置決めできることから、忠実な
指紋照合作業を行うことができ、短時間での正確な照合
判定が可能である。
【0052】このような指紋代用部材Cを応用したシス
テムとしては、たとえば次のようなものがある。(1)貸出用指紋代用部材C たとえば、ホテル等で車の移動を行う場合に、一般的に
はホテルマンに対して車庫に入れる度に、現状では車の
所有者がホテルマンに鍵を渡す場合がある。あるいは車
のレンタルシステム、またはコンピュータの一時使用の
際の有限パスワード(ID)として、指紋代用部材C
を、使用することができる。(2)併用のための指紋代用部材C 実際の本物の指Fの指紋パターンの照合と、指紋代用部
材Cの擬似指紋パターン20Aの照合作業を、合計2種
類行うことで、セキュリィティ性能を向上させることが
できる。しかも現状用いられている機械的な鍵と、この
ような指紋照合方式を併用することもできる。(3)分類用の指紋代用部材C たとえば会社、職場、男女、業種その他登録者の分類用
として、このような指紋代用部材Cを用いることによ
り、その検索、照合時間の短縮、セキュリィティ性の向
上を図ることができる。
【0053】図示の例では、自動車のドアのロック装置
に対して指紋照合装置を適用している例を示している
が、これに限らず他の種類の、たとえば建物のロック装
置等に対しても適用することができる。また指紋代用部
材を作成する材質や製造工程は、一例を挙げているがこ
れに限定されるものではない。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
指紋照合を行う際に実際の指の指紋パターンの代わりに
用いられる指紋代用部材であって、指紋採取面に対して
指の位置を案内するガイド部に指に代えて配置させるこ
とができる指紋代用部材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の指紋照合用の指紋代用部材の製造装置
により作られる指紋代用部材を適用できる指紋照合装置
の一例を示す図。
【図2】図1の指紋照合装置の構成例を示す図であり、
指の指紋パターンを読取っている状態を示す図。
【図3】読取った指紋パターンの一例を示す図。
【図4】実際の指に代えて擬似指紋パターンを有する指
紋代用部材を載せた例を示す図。
【図5】擬似指紋パターン作成手段としての擬似指紋パ
ターン作成装置の例を示す図。
【図6】図5の擬似指紋パターンの作成手順の例等を示
す図。
【図7】擬似指紋パターンの一例を示す図。
【図8】擬似指紋パターンの一例を示す図。
【図9】指紋照合装置のガイド部付近、及び実際の指と
指紋代用部材の一例を示す斜視図。
【図10】本発明の製造装置における製版シート形成手
段としてのレーザ加工装置を示す斜視図。
【図11】製版シートに対してレーザにより作成した擬
似指紋パターンの一例を示す図。
【図12】製版シートの擬似指紋パターンに基づいてシ
ート状の指紋代用部材を作成する例を示す図。
【図13】製版シートの擬似指紋パターンに基づいてシ
ート状の指紋代用部材を作成する別の例を示す図。
【図14】製版シートの擬似指紋パターンに基づいてシ
ート状の指紋代用部材を作成する別の例を示す図。
【図15】製版シートの擬似指紋パターンに基づいてシ
ート状の指紋代用部材を作成する別の例を示す図。
【図16】本発明の指紋代用部材の製造方法を具体的例
に示す図。
【図17】本発明の指紋代用部材の製造方法の例を示す
フローチャート。
【図18】得られた擬似指紋パターンを有する指紋代用
部材の一例を示す図。
【図19】指紋代用部材の一例を示す断面図。
【図20】本発明の製造装置における製版シート形成手
段としてのディスペンサー装置を示す斜視図。
【図21】指紋代用部材を用いて、指紋照合装置の組立
製造時における光学系の位置調整作業の一例を示す図。
【符号の説明】
20A・・・擬似指紋パターン、50・・・擬似指紋パ
ターン作成装置(擬似指紋パターン作成手段)、300
・・・レーザ加工装置(製版シート形成手段)、C・・
・指紋代用部材、303・・・原板、306・・・金型
(指紋代用部材成形手段)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指紋照合を行う際に指紋パターンの代わ
    りに用いられる指紋代用部材であり、指紋照合装置の指
    紋採取面に対して指の位置を案内するガイド部に合せて
    配置させる指紋代用部材を製造する装置であり、 擬似指紋パターンを製版シートに形成する製版シート形
    成手段と、 製版シートの擬似指紋パターンを転写しかつ指紋照合装
    置のガイド部に合った形状に指紋代用部材を成形する指
    紋代用部材成形手段と、を備えることを特徴とする指紋
    照合用の指紋代用部材の製造装置。
  2. 【請求項2】 製版シート形成手段は、レーザ光を製版
    シートに照射して擬似指紋パターンを形成するレーザ加
    工装置である請求項1に記載の指紋照合用の指紋代用部
    材の製造装置。
  3. 【請求項3】 製版シート形成手段は、流動体を塗布し
    て擬似指紋パターンを形成する請求項1に記載の指紋照
    合用の指紋代用部材の製造装置。
  4. 【請求項4】 指紋代用部材は、弾力性のある材質で作
    られる請求項1に記載の指紋照合用の指紋代用部材の製
    造装置。
  5. 【請求項5】 指紋代用部材は、歯科印象用のシリコン
    樹脂で作られる請求項4に記載の指紋照合用の指紋代用
    部材の製造装置。
  6. 【請求項6】 指紋照合を行う際に指紋パターンの代わ
    りに用いられる指紋代用部材であり、指紋照合装置の指
    紋採取面に対して指の位置を案内するガイド部に合せて
    配置させる指紋代用部材を製造する方法であり、 擬似指紋パターンを製版シートに形成する製版シート形
    成ステップと、 製版シートの擬似指紋パターンを転写しかつガイド部に
    合った形状に指紋代用部材を成形する指紋代用部材成形
    ステップと、を含むことを特徴とする指紋照合用の指紋
    代用部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 製版シート形成手段は、レーザ光を製版
    シートに照射して擬似指紋パターンを形成する請求項6
    に記載の指紋照合用の指紋代用部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 製版シート形成手段は、流動体を塗布し
    て擬似指紋パターンを形成する請求項6に記載の指紋照
    合用の指紋代用部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 指紋代用部材は、弾力性のある材質で作
    られる請求項6に記載の指紋照合用の指紋代用部材の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 指紋代用部材は、歯科印象用のシリコ
    ン樹脂で作られる請求項9に記載の指紋照合用の指紋代
    用部材の製造方法。
  11. 【請求項11】 指紋照合を行う際に指紋パターンの代
    わりに用いられる指紋代用部材であり、指紋照合装置の
    指紋採取面に対して配置する指紋代用部材であり、 転写することにより成形されている擬似指紋パターンを
    有することを特徴とする指紋代用部材。
  12. 【請求項12】 弾力性のある材質で作られている請求
    項11に記載の指紋代用部材。
  13. 【請求項13】 歯科印象用のシリコン樹脂で作られて
    いる請求項12に記載の指紋代用部材。
  14. 【請求項14】 指紋照合装置の指紋採取面に対して指
    の位置を案内するガイド部に合わせて形成されている請
    求項11に記載の指紋代用部材。
JP10051838A 1998-03-04 1998-03-04 指紋照合用の指紋代用部材の製造装置と指紋照合用の指紋代用部材の製造方法及び指紋照合用の指紋代用部材 Pending JPH11250255A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003103971A (ja) * 2001-09-30 2003-04-09 Hiroko Ishikawa 指紋照合付きカード
JP2007025989A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Fuji Denki Kogyo Kk 指紋照合装置用特殊鍵
WO2018066467A1 (ja) * 2016-10-03 2018-04-12 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 生体特徴盗撮防止装着具及び盗撮防止方法

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