JPH11248385A - クロスフィンチューブ型熱交換器 - Google Patents

クロスフィンチューブ型熱交換器

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JPH11248385A
JPH11248385A JP6414698A JP6414698A JPH11248385A JP H11248385 A JPH11248385 A JP H11248385A JP 6414698 A JP6414698 A JP 6414698A JP 6414698 A JP6414698 A JP 6414698A JP H11248385 A JPH11248385 A JP H11248385A
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昌昭 北澤
Yukimasa Yano
幸正 矢野
Junichiro Tanaka
順一郎 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 除霜性能に優れたクロスフィンチューブ型熱
交換器を提供する。 【解決手段】 風上側と風下側との各伝熱管列をそれぞ
れ中間高さ位置で上下に分割し、これらを第1・第2中
間部連絡管11・12で相互に接続して、逆γ字状のパ
ス取り形状とする。除霜運転時の冷媒の流通方向が暖房
運転時とは逆になったとき、風下側の下端に流入した冷
媒は、第1中間部連絡管11を通して風上側上半部に送
られ、圧力損失に伴う冷媒温度の低下が大きくなる前に
風上側上半部を冷媒が流通する。これによって、風上側
上半部に付着した霜が溶け、さらに、霜が溶けて生じた
ドレン水によって風上側下半部に付着した霜を溶かすこ
とができ、着霜量の多い風上側の除霜が効率的に行われ
て、全体的な除霜をより速やかに終了させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばセパレー
ト形空気調和機の室外機に内装されるクロスフィンチュ
ーブ型熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のクロスフィンチューブ型熱交換器
は、図5(a)に示すように、薄板状の多数のフィン3
1と、これらフィン31を水平に貫通する直管状の複数
の伝熱管32・33とを設けて構成されている。これら
伝熱管32・33は、紙面手前側と奥側との2つの垂直
面に沿って、それぞれ、冷媒が蛇行しながら上下方向に
流通するように、所定の間隔で並設されると共に左右両
端が交互に接続されている。
【0003】すなわち、各伝熱管32・33は、下段側
から2本ずつが、図において右端側でU字状曲管部34
によって相互に接続されたヘアピン形伝熱管にて構成さ
れ、また、図において左端側は、同図(b)にも示す冷
媒出入口管32a・33aが最下段の伝熱管32・33
にそれぞれ接続され、その上方二本づつが、列内連絡管
32b・33bによって相互に接続されている。そし
て、上端部に、各列の最上段の伝熱管32・33の端部
同士を相互に接続する端部連絡管35が設けられてい
る。
【0004】この熱交換器30を外気が同図(b)中に
付記しているような方向で通過するとき、例えば図中実
線矢印で示すように、風上側の冷媒出入口管32aを通
して冷媒を流入させると、この冷媒は風上側の伝熱管列
32…を下側から順次通過し、次いで、風下側の伝熱管
列33…を上段側から順次通過して風下側の冷媒出入口
管33aを通して流出する。すなわち、同図(b)中に
示す側面視で逆U字状に、風上側から風下側に冷媒が流
通する。
【0005】このような熱交換器30をセパレート形空
気調和機における室外熱交換器として用い、これと、図
示しない圧縮機、四路切換弁、室内熱交換器、膨張機構
とによって冷媒循環回路を構成する場合、上記熱交換器
30が凝縮器として機能する冷房運転時には、この熱交
換器30に風下側から風上側に冷媒を流通させ、また、
蒸発器として機能する暖房運転時には、上記とは逆に、
風上側から風下側に冷媒を流通させることで、いずれの
場合にもより良好な熱交換効率を得ることができる。し
たがって、上記の熱交換器30は、風上側の冷媒出入口
管32aが膨張機構を介して室内熱交換器に、また、風
下側の冷媒出入口管33aが四路切換弁を介して圧縮機
にそれぞれ接続される。これにより、暖房運転時には、
同図(b)中実線矢印で示すように風上側から風下側に
冷媒が流通し、また、四路切換弁を切換えて行う冷房運
転時には、図中破線矢印で示すように風上側から風下側
に冷媒が流通する。
【0006】一方、図6に示すクロスフィンチューブ型
の熱交換器40は、風上側と風下側との各列の最上段に
冷媒出入口管32a・33aが設けられ、各列の最下段
同士を端部連絡管35で相互に接続して構成されてい
る。この場合、側面視でU字状に冷媒が流通することに
なるが、この構成の熱交換器40も、暖房運転時に、図
中実線矢印で示すように風上側から風下側に冷媒を流通
させ、また、冷房運転時に、図中破線矢印で示すように
風下側から風上側に冷媒を流通させるように冷媒回路中
に介装される。
【0007】ところで、冬期などの外気温が低いときの
暖房運転では、室外熱交換器の表面に着霜が生じ、した
がって、適宜、暖房運転を中断して除霜運転が行われ
る。これを逆サイクルデフロスト方式、すなわち、室内
ファンを停止した状態で、四路切換弁の切換操作によ
り、圧縮機から吐出する高温冷媒を室外熱交換器に供給
して除霜する方式では、図5(b)および図6にそれぞ
れ破線矢印で示すように、冷房運転時と同様の流通方向
で、冷媒がこれら熱交換器30・40を風下側から風上
側に流通して除霜が行われることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示した逆U字タイプ、若しくは図6に示したU字タイプ
のように、除霜時に風下側から風上側に冷媒が流れるよ
うにしたパス取り形状であると、除霜が効率的に行われ
難く、この結果、充分な暖房能力が得られないという問
題を生じている。
【0009】つまり、暖房運転中の着霜は、熱交換器に
おける風下側よりも風上側に多く発生し、また、冷媒の
出口側に多く発生する。したがって、除霜運転時の冷媒
流通が風下側から風上側に流れる場合には、暖房運転時
に冷媒の出口側であった領域をまず冷媒が通過すること
でこの領域の霜は溶かされるものの、風上側には、その
後の圧力損失に応じて凝縮温度が低下した冷媒が流通す
ることになる。このため、この着霜量の多い風上側を除
霜するのに時間がかかり、或いは霜の溶け残りが生じる
ものとなって、暖房能力の低下を招来する。
【0010】この発明は、上記した問題点に鑑みなされ
たもので、その目的は、除霜時間をより短縮することが
可能であり、これによって暖房能力を向上し得るクロス
フィンチューブ型熱交換器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1のクロス
フィンチューブ型熱交換器は、冷媒が蛇行しながら上下
方向に流通するように上下に所定の間隔で並設した複数
の伝熱管3〜6の両端を交互に接続して形成した伝熱管
列を風上側と風下側とにそれぞれ配置し、風上側伝熱管
列と風下側伝熱管列との各上端の伝熱管3・5の端部同
士を相互に接続して成るクロスフィンチューブ型熱交換
器であって、風上側伝熱管列と風下側伝熱管列とをそれ
ぞれ上部伝熱管列と下部伝熱管列とに分割すると共に、
風上側の上部伝熱管列下端の伝熱管3と風下側の下部伝
熱管列上端の伝熱管6との各端部同士を相互に接続する
第1中間部連絡管11と、風上側の下部伝熱管列上端の
伝熱管4と風下側の上部伝熱管列下端の伝熱管6との各
端部同士を相互に接続する第2中間部連絡管12とを設
けていることを特徴としている。
【0012】この熱交換器においては、暖房運転時に冷
媒を風上側の下部伝熱管列下端の伝熱管4に流入させる
ことで、冷媒は、この風上側下部伝熱管列の各伝熱管4
を通過した後、風下側上部伝熱管列・風上側上部伝熱管
列・風下側下部伝熱管列を順次通過し、側面視で逆γ字
状に流通する。
【0013】そして、除霜運転時に冷媒の流通方向が上
記とは逆になると、冷媒は、まず、風下側下部伝熱管
列、すなわち、暖房運転時における冷媒の出口側を通過
し、次いで、風上側上部伝熱管列を流通することにな
る。したがって、特に、圧力損失に伴う冷媒温度の低下
が大きくなる前に、着霜量の多い風上側を流通すること
になって、この風上側上半部に付着した霜が溶かされ
る。さらに、霜が溶けて生じたドレン水がその下方に流
下するが、このドレン水によって、風上側下半部に付着
した霜の除霜が促進される。この結果、全体的な除霜を
より速やかに終了させることができ、その分、暖房運転
時間の割合が増えるので、全体的な暖房能力が向上す
る。
【0014】請求項2のクロスフィンチューブ型熱交換
器は、風上側の下部伝熱管列の下側に、風下側の下部伝
熱管列に流入した冷媒が風上側に迂回して流通するよう
に、風下側の下部伝熱管列下端側の伝熱管6に下部連絡
管25・26で接続した氷結防止用伝熱管を設けている
ことを特徴としている。
【0015】この構成によれば、除霜運転時に風下側下
部伝熱管列の下端側に流入させた冷媒は、風上側下部伝
熱管列の下側に設けた氷結防止用伝熱管を一旦迂回した
後に、前記逆γ字状に流通する。したがって、前述した
ように、風上側では、その上半部に付着した霜が溶かさ
れ、さらに、霜が溶けて生じたドレン水によってその下
半部の霜も溶かされて流下するが、このドレン水の量が
多いと、熱交換器下端部でのドレン水の補水量が増加
し、このドレン水が暖房運転時に氷結し易くなる。この
ため、次の除霜運転時の除霜時間が長くなる。そこで、
除霜運転時に風下側に流入した冷媒を一旦風上側下端部
に迂回させることで、上記のように氷結したドレン水も
これが速やかに溶かされて排出されることになり、した
がって、これによっても、全体的な除霜時間が短縮され
る。
【0016】請求項3のクロスフィンチューブ型熱交換
器は、冷媒が蛇行しながら上下方向に流通するように上
下に所定の間隔で並設した複数の伝熱管3〜6の両端を
交互に接続して形成した伝熱管列を風上側と風下側とに
それぞれ配置し、風上側伝熱管列と風下側伝熱管列との
各下端の伝熱管4・6の端部同士を相互に接続して成る
クロスフィンチューブ型熱交換器であって、風上側伝熱
管列と風下側伝熱管列とをそれぞれ上部伝熱管列と下部
伝熱管列とに分割すると共に、風上側の上部伝熱管列下
端の伝熱管3と風下側の下部伝熱管列上端の伝熱管6と
の各端部同士を相互に接続する第1中間部連絡管11
と、風上側の下部伝熱管列上端の伝熱管4と風下側の上
部伝熱管列下端の伝熱管6との各端部同士を相互に接続
する第2中間部連絡管12とを設けていることを特徴と
している。
【0017】この構成では、風上側伝熱管列と風下側伝
熱管列との各下端の伝熱管4・6を相互に接続した構成
であることから、暖房運転時に冷媒を風上側の上部伝熱
管列上端の伝熱管に流入させることで、冷媒は、この風
上側上部伝熱管列の各伝熱管を通過した後、風下側下部
伝熱管列・風上側下部伝熱管列・風下側上部伝熱管列を
順次通過し、側面視でγ字状に流通する。
【0018】そして、除霜運転時に冷媒の流通方向が上
記とは逆になると、冷媒は、風下側上部伝熱管列を通過
後に風上側下部伝熱管列を流通する。したがって、この
場合にも、圧力損失に伴う冷媒温度の低下が大きくなる
前に着霜量の多い風上側を冷媒が流通することになるの
で、前記した従来の逆U字状やU字状のパス取り形状の
熱交換器に比べ、全体的な除霜時間を短縮することがで
きる。
【0019】請求項4のクロスフィンチューブ型熱交換
器は、請求項1〜3のいずれかの熱交換器の1種類又は
複数種類を上下複数段設けていることを特徴としてい
る。
【0020】この場合、各熱交換器に互いに並列に冷媒
を流通させることで、前述した効率的な除霜を各熱交換
器毎に得ることができる。これにより、熱交換能力が大
きく、かつ、除霜性能の良好な大形の熱交換器を得るこ
とができる。
【0021】請求項5のクロスフィンチューブ型熱交換
器は、請求項4の熱交換器において、請求項2の熱交換
器を最下段に配置したことを特徴としている。
【0022】すなわち、上下複数段として大形の熱交換
器を構成する場合に、最下段に、氷結防止用伝熱管を下
端側に備える熱交換器を配置する。これにより、前記同
様に、ドレン水の量が多いときに熱交換器下端部で生じ
易いドレン水の氷結も、これが速やかに溶かされ排出さ
れることになる。したがって、ドレン水の量が多くなる
大形の熱交換器でも、全体的な除霜時間を短縮すること
ができる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、この発明の一実施形態につ
いて図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0024】図1(a)に示すように、本実施形態に係
る熱交換器1は、例えばアルミニウム等のように熱伝導
が良好な金属からなる薄板状の多数のフィン2と、これ
らフィン2を水平に貫通する直管状の複数の伝熱管3〜
6とを設けて構成されている。これら伝熱管3〜6は、
紙面に平行な2つの垂直面に沿って、それぞれ、上下方
向に所定の間隔で複数本、図の場合には8本ずつ設けら
れている。以下、紙面手前側の8本のうちの上半分の4
本の伝熱管3を風上側上部伝熱管列、下半分の4本の伝
熱管4を風上側下部伝熱管列、紙面奥側の8本のうちの
上半分の4本の伝熱管5を風下側上部伝熱管列、下半分
の4本の伝熱管6を風下側下部伝熱管列とそれぞれ称し
て説明する。
【0025】各伝熱管3〜6の図において右端側は、下
段側から2本ずつが、U字状の曲管部7によって順次接
続されている。なお、1つの曲管部7と、その上下両端
から各々水平に延びる一対の伝熱管とは、直管をその中
央で180°曲げ成形して得られるヘアピン形伝熱管に
て一体的に形成されている。また、各伝熱管3〜6の図
において左端側は、同図(b)にも示すように、各伝熱
管列毎に、下から2段目と3段目との伝熱管の端部同士
が、それぞれ、U字状の列内連絡管3a〜6aによって
相互に接続されている。
【0026】そして、風上側と風下側との各下部伝熱管
列における下端の伝熱管4・6に、風上側冷媒出入口管
8、風下側冷媒出入口管9が各々接続される一方、風上
側と風下側との各上部伝熱管列における各上端の伝熱管
3・5の端部同士が、端部連絡管10で相互に接続され
ている。さらに、風上側上部伝熱管列における下端の伝
熱管3と風下側下部伝熱管列における上端の伝熱管6と
の各端部同士が第1中間部連絡管11によって相互に接
続され、また、風上側下部伝熱管列における上端の伝熱
管4と風下側下部伝熱管列における下端の伝熱管5との
各端部同士が第2中間部連絡管12によって相互に接続
されている。
【0027】上記構成の熱交換器1は、セパレート形空
気調和機における室外機に、図示しない室外ファンに対
面させて内装される。このとき、室外ファンの駆動に伴
ってフィン2間を通過する外気が、図1(b)において
右から左に通過するものとすると、この熱交換器1は、
これを蒸発器として機能させる暖房運転時に、冷媒が風
上側冷媒出入口管8を通して流入し、風下側冷媒出入口
管9を通して流出するように冷媒回路中に介装される。
【0028】このとき、風上側冷媒出入口管8を通して
流入した冷媒は、図中実線矢印で示すように、まず、風
上側下部伝熱管列の各伝熱管4を下側から順次通過した
後、第2中間部連絡管12を通して風下側上部伝熱管列
下端の伝熱管5に流入する。したがって、次にはこの伝
熱管列の各伝熱管5を順次通過することになる。その
後、端部連絡管10を通して風上側上部伝熱管列上端の
伝熱管3に流入し、この伝熱管列の各伝熱管3を上側か
ら順次通過した後、第1中間部連絡管11を通して風下
側下部伝熱管列上端の伝熱管6に送られ、この伝熱管列
の各伝熱管6を順次通過した後に、風下側冷媒出入口管
9を通して流出する。
【0029】このように、上記の熱交換器1は、図1
(b)に示す側面視で冷媒流れが略逆γ字状となるパス
取り形状で形成されている。暖房運転時には、上記のよ
うな経路で冷媒がこの熱交換器1を流通する際に、フィ
ン2間を通過する外気から吸熱して蒸発し、この熱エネ
ルギーが室内熱交換器で室内に放熱される。
【0030】ところで、外気温度が低い状態で上記のよ
うな暖房運転を継続すると、熱交換器1に次第に着霜が
生じ、これによって外気の流通が損なわれるようになっ
て熱交換効率が低下する。そこで、適宜、除霜運転に切
換えられるが、これを、室内機内における室内ファンを
停止し、冷媒循環サイクルを上記とは逆にした逆サイク
ルデフロスト運転によって行う場合には、この熱交換器
1を通過する冷媒の流れ方向は上記とは逆になる。すな
わち、図1(b)に破線矢印で示すように、まず、冷媒
は風下側冷媒出入口管9を通して流入した後、風下側の
下半部、風上側の上半部、風下側の上半部、風上側の下
半部を順次通過して、風上側冷媒出入口管8を通して流
出する。
【0031】このように、除霜運転時に冷媒流れが暖房
運転時とは逆方向に生じる場合に、前記した逆γ字状の
パス取り形状になっていることで、この除霜運転が効率
的に行われる。すなわち、暖房運転の継続に伴う着霜
は、風下側の面よりも風上側の面に多く生じ、また、冷
媒の出口側で多く生じる。これに対し、除霜時における
冷媒の流通が上記のように切換わると、冷媒は、まず、
暖房運転時における冷媒の出口側、すなわち、風下側の
下半部を通過し放熱して、この領域に生じた霜を溶かす
ことになる。そして、この領域での放熱に伴って凝縮し
た冷媒は、その後にこの熱交換器1を通過する際の圧力
損失に伴って凝縮温度が次第に低下していくが、上記し
た風下側下半部の次には、風上側上半部に送られるの
で、この領域をより高温の温度状態の冷媒が流通するこ
とになる。
【0032】この結果、風上側上半部に生じた霜に、図
2に示すように、この領域を流通する冷媒から充分な熱
量が付与されてこれが速やかに溶かされ、ドレン水13
となってフィン2を伝って流下する。
【0033】一方、風上側下半部は、冷媒がこの領域で
の前記伝熱管4を最後に流通する領域となり、したがっ
て、このときの冷媒は温度の低下を生じたものとなって
いるが、上記した風上側上半部からフィン2を伝ってド
レン水13が流下する際に、このドレン水13からも、
風上側下半部に生じている霜に熱量が付与される。これ
によって、この領域の除霜も速やかに生じさせることが
できる。この結果、熱交換器1の全体にわたり、短時間
での除霜が可能となる。
【0034】なお、前記したように、暖房運転時には冷
媒を風上側から風下側に流した方がより良好な熱交換効
率が得られるが、上記熱交換器1では、各上部伝熱管列
については風下側から風上側へと冷媒が流通することに
なって、上記関係が満たされず、この結果、暖房運転時
の熱交換器効率は若干低下する。しかしながら、上記の
ように、除霜運転時間を短縮し得ることで暖房運転時間
が長くなり、これによって、全体的な暖房性能を向上す
ることができる。
【0035】図3には、この発明の他の実施形態におけ
るクロスフィンチューブ型熱交換器1を示している。こ
の熱交換器1は、同図(a)に示すように、全体形状が
平面視で略L字状に形成されている。そして、この熱交
換器1は、同図(b)に示すように、前記図1(b)に
示した熱交換器とほぼ同様に逆γ字のパス取り形状を各
々採用した上下3段の熱交換器21〜23を設けて構成
されている。なお、本実施形態では、フィン2は各熱交
換器21〜23毎に上下に分離されてはおらず、上下方
向の全体にわたって一体形状で形成されている。したが
って、以下では、上段の熱交換器を第1熱交換部21、
中段の熱交換器を第2熱交換部22、下段の熱交換器を
第3熱交換部23と称して説明する。
【0036】最上段の第1熱交換部21には、その下端
側の風上側と風下側とに各々冷媒出入口管8a・9aが
設けられ、上端側の端部連絡管10と、中間高さ位置で
相互に交差する第1中間部連絡管11および第2中間部
連絡管12とによって、風上側と風下側との各伝熱管が
相互に連結されている。同様に、中段の第2熱交換部2
2にも、その下端側の風上側と風下側とに各々冷媒出入
口管8b・9bが設けられ、この第2熱交換器22にお
ける上端側の端部連絡管10と、中間高さ位置の第1・
第2中間部連絡管11・12とによって、風上側と風下
側との各伝熱管が相互に連結されている。また、下段の
第3熱交換部23も、その下端側の風上側と風下側とに
各々冷媒出入口管8c・9cが設けられ、この第3熱交
換器23における上端側の端部連絡管10と、中間高さ
位置の第1・第2中間部連絡管11・12とによって、
風上側と風下側との各伝熱管が相互に連結されている。
【0037】そして、第1〜第3熱交換部21〜23の
各風上側冷媒出入口管8a〜8cは、冷媒を分流または
合流させるための図示しない風上側ヘッダにそれぞれ接
続され、同様に、各風下側冷媒出入口管9a〜9cは風
下側ヘッダにそれぞれ接続されている。したがって、例
えば、風上側ヘッダを通して冷媒がこの熱交換器1に供
給されると、同図中一点鎖線矢印で示すように、各熱交
換部21〜23毎に、逆γ字のパス取り形状に応じた冷
媒の流通が互いに並行に生じ、風下側ヘッダで合流して
流出していくことになる。
【0038】なお、第3熱交換部23の下端側には、同
図(a)に示すように、風下側冷媒出入口管9cよりも
下側にさらに1本の氷結防止用伝熱管24が設けられて
いる。この伝熱管24の図において左端側は、風下側冷
媒出入口管9cが接続された伝熱管6に曲管部7を介し
て接続されている。一方、風上側冷媒出入口管8cの下
側には、図示してはいないが、左端側で相互に連結され
た2本の氷結防止用伝熱管がさらに設けられており、こ
れら氷結防止用伝熱管のうちの下側の伝熱管の端部と、
上記風下側の氷結防止用伝熱管24の端部とが、同図
(b)に示す第1下部連絡管25によって相互に接続さ
れている。また、風上側の氷結防止用伝熱管のうちの上
側の伝熱管の端部は、風下側冷媒出入口管9cの上段に
位置する伝熱管の端部に、第2下部連絡管26を介して
接続されている。
【0039】このような構成により、後述する除霜運転
時に、同図(b)で一点鎖線矢印とは逆方向に、風下側
冷媒出入口管9cを通して冷媒が流入すると、この冷媒
は、風下側の氷結防止用伝熱管24を通過後に第1下部
連絡管25を通して風上側に送られ、この風上側の2本
の氷結防止用伝熱管を通過する。その後、第2下部連絡
管26を通して風下側に送られ、以降は、前記した逆γ
字のパス取り形状に応じてこの第3熱交換部23を流通
し、風上側冷媒出入口管8cを通して流出することにな
る。
【0040】上記構成の熱交換器1は、図1を参照して
説明した前記熱交換器と同様に、暖房運転時に、冷媒が
図中一点鎖線矢印で示すように各熱交換部21〜23を
通過した後に、各風下側冷媒出入口管9a〜9cを通し
て流出するように冷媒回路中に介装される。
【0041】そして、除霜運転時には、上記とは逆方向
で冷媒が各熱交換部21〜23を流通することになり、
これによって、各熱交換部21〜23毎に、冷媒が風下
側下半部から風上側上半部へと流通する。したがって、
前記同様に、着霜量の多い領域をより高温の冷媒が通過
することで、特に風上側上半部の霜も速やかに溶かさ
れ、また、風上側下半部の除霜も、その上半部から流下
するドレン水で促進されることになって、全体にわたる
除霜を短時間で完了させることができる。
【0042】なお、上記のように3段の熱交換部21〜
23を設けて大形化した熱交換器1では全体的な着霜量
が多くなる。これに伴い、フィン2を伝って流下するド
レン水の量も多くなって、熱交換器下端部でのドレン水
の補水量が増加し、このドレン水が暖房運転時に氷結し
易くなる。そして、次の除霜運転時にこの氷結したドレ
ン水を溶かして排出することが必要になって、除霜時間
が長くなる。
【0043】このような場合に、上記熱交換器1では、
前記したように、第3熱交換部23の下端側に風下側冷
媒出入口管9cを通して流入した高温の冷媒を一旦風上
側に迂回させて前記した氷結防止用伝熱管を通して冷媒
を流通させるようになっている。これにより、熱交換器
1の下端側で氷結したドレン水も速やかに溶かされて排
出されることになり、したがって、これによっても、全
体的な除霜時間が短縮される。
【0044】図4には、この本発明のさらに他の実施形
態におけるクロスフィンチューブ型熱交換器1を示して
いる。この熱交換器1は、風上側冷媒出入口管8と風下
側冷媒出入口管9とを、風上側と風下側との各上部伝熱
管列の上端の各伝熱管に各々接続すると共に、端部連絡
管10を、各下部伝熱管列の下端の各伝熱管の端部同士
の間に設けて、略γ字状のパス取り形状に構成されてい
る。
【0045】この場合、実線矢印で示すように、暖房運
転時に冷媒を風上側冷媒出入口管8を通して流入させる
ことで、冷媒は、風上側上部伝熱管列の各伝熱管を通過
した後、風下側下部伝熱管列・風上側下部伝熱管列・風
下側上部伝熱管列を順次通過し、側面視でγ字状に流通
する。
【0046】そして、除霜運転時に、図中破線矢印で示
すように、冷媒の流通方向が上記とは逆になると、冷媒
は、風下側上部伝熱管列を通過後に風上側下部伝熱管列
を流通する。したがって、この場合にも、圧力損失に伴
う冷媒温度の低下が大きくなる前に着霜量の多い風上側
を冷媒が流通することになるので、前記した従来の逆U
字状やU字状のパス取り形状を有する熱交換器に比べ、
全体的な除霜時間を短縮することができる。
【0047】以上にこの発明の具体的な実施形態につい
て説明したが、この発明は上記各形態に限定されるもの
ではなく、この発明の範囲内で種々変更することができ
る。例えば、図3を参照して説明した実施形態では、そ
れぞれ逆γ字状のパス取り形状を有する第1〜第3熱交
換部21〜23を上下多段に設けた構成を例に挙げた
が、図3における第3熱交換部23のように下端部に氷
結防止用伝熱管を備える熱交換器を上下多段に、また、
図4を参照して説明したγ字状のパス取り形状を有する
熱交換器を上下多段に設けた構成とすることも可能であ
る。
【0048】さらに、例えば最上段を逆γ字状のパス取
り形状の熱交換器、中段をγ字状のパス取り形状を有す
る熱交換器、最下段を、下端部に氷結防止用伝熱管を備
える逆γ字状のパス取り形状の熱交換器のように、上記
した3種類の熱交換器のいずれか複数種類を組み合わせ
て構成することも可能である。
【0049】この場合に、最下段の熱交換器として、下
端部に氷結防止用伝熱管を備える熱交換器を配置するこ
とにより、ドレン水の量が多いときに熱交換器下端部で
生じ易いドレン水の氷結も、これが速やかに溶かされ排
出されることになって、ドレン水の量が多くなる大形の
熱交換器でも全体的な除霜時間が短縮される。
【0050】なお、上記のように上下複数段の構成とす
る場合のフィン形状については、上下方向に一体のもの
とすることも、また、各熱交換器に対応して分離した形
状とすることも可能である。
【0051】また、上記各形態では、セパレート形空気
調和機の室外機に内装される熱交換器を例に挙げて説明
したが、一体形空気調和機などのその他の形式の空気調
和機に内装される熱交換器にも本発明を適用して構成す
ることが可能である。
【0052】
【発明の効果】以上の説明のように、この発明の請求項
1のクロスフィンチューブ型熱交換器においては、風上
側と風下側との各伝熱管列を上下に分割し、これらを第
1・第2中間部連絡管を設けて相互に接続した構成であ
るので、除霜運転時の冷媒の流通方向が暖房運転時とは
逆になったときに、圧力損失に伴う冷媒温度の低下が大
きくなる前に着霜量の多い風上側に冷媒を流通させるこ
とができる。これによって、風上側上半部に付着した霜
を溶かし、さらに、霜が溶けて生じたドレン水によっ
て、風上側下半部の除霜を促進することができる。この
結果、全体的な除霜をより速やかに終了させて除霜運転
時間を短縮することができるので、その分、暖房運転時
間の割合が増加し、全体的な暖房能力が向上する。
【0053】請求項2のクロスフィンチューブ型熱交換
器においては、風下側における下端側に流入した冷媒が
風上側に一旦迂回して流通するようになっているので、
霜が溶けて生じたドレン水の量が多く、これが次の暖房
運転時に熱交換器の下端側で氷結した場合でも、除霜運
転への切換時にこれが速やかに溶かされ排出されること
になる。したがって、これによっても全体的な除霜時間
を短縮することができる。
【0054】請求項3のクロスフィンチューブ型熱交換
器においては、冷媒が側面視でγ字状に流通するパス取
り形状であり、この場合も、除霜運転時に冷媒の流通方
向が暖房運転時とは逆になると、冷媒は、風下側上部伝
熱管列を通過後に風上側下部伝熱管列を流通する。した
がって、この熱交換器においても、圧力損失に伴う冷媒
温度の低下が大きくなる前に着霜量の多い風上側を冷媒
が流通することになるので、前記した従来の逆U字状や
U字状のパス取り形状を有する熱交換器に比べ、全体的
な除霜時間を短縮することができる。とができる。
【0055】請求項4のクロスフィンチューブ型熱交換
器においては、上下複数段の熱交換器に互いに並列に冷
媒を流通させることで、前述した効率的な除霜を各熱交
換器毎に得ることができる。これにより、熱交換能力が
大きく、かつ、除霜性能の良好な大形の熱交換器を得る
ことができる。
【0056】請求項5のクロスフィンチューブ型熱交換
器においては、上下複数段の構成とする場合に、最下段
に、氷結防止用伝熱管を下端側に備える熱交換器を配置
するので、ドレン水の量が多いときに熱交換器下端部で
生じ易いドレン水の氷結も、これが速やかに溶かされ排
出されることになって、ドレン水の量が多くなる大形の
熱交換器でも全体的な除霜時間を短縮することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態におけるクロスフィンチ
ューブ型熱交換器を示すもので、同図(a)は正面図、
同図(b)は側面図である。
【図2】上記熱交換器における除霜運転時の状態を説明
するための斜視図である。
【図3】この発明の他の実施形態におけるクロスフィン
チューブ型熱交換器を示すもので、同図(a)は斜視
図、同図(b)は側面図である。
【図4】この発明のさらに他の実施形態におけるクロス
フィンチューブ型熱交換器を示す側面図である。
【図5】従来のクロスフィンチューブ型熱交換器を示す
もので、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図であ
る。
【図6】従来の他のクロスフィンチューブ型熱交換器の
側面図である。
【符号の説明】
1 熱交換器 2 フィン 3 伝熱管 4 伝熱管 5 伝熱管 6 伝熱管 8 風上側冷媒出入口管 9 風下側冷媒出入口管 10 端部連絡管 11 第1中間部連絡管 12 第2中間部連絡管 21 第1熱交換部 22 第2熱交換部 23 第3熱交換部 25 第1下部連絡管 26 第2下部連絡管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒が蛇行しながら上下方向に流通する
    ように上下に所定の間隔で並設した複数の伝熱管(3〜
    6)の両端を交互に接続して形成した伝熱管列を風上側
    と風下側とにそれぞれ配置し、風上側伝熱管列と風下側
    伝熱管列との各上端の伝熱管(3)(5)の端部同士を
    相互に接続して成るクロスフィンチューブ型熱交換器で
    あって、風上側伝熱管列と風下側伝熱管列とをそれぞれ
    上部伝熱管列と下部伝熱管列とに分割すると共に、風上
    側の上部伝熱管列下端の伝熱管(3)と風下側の下部伝
    熱管列上端の伝熱管(6)との各端部同士を相互に接続
    する第1中間部連絡管(11)と、風上側の下部伝熱管
    列上端の伝熱管(4)と風下側の上部伝熱管列下端の伝
    熱管(6)との各端部同士を相互に接続する第2中間部
    連絡管(12)とを設けていることを特徴とするクロス
    フィンチューブ型熱交換器。
  2. 【請求項2】 風上側の下部伝熱管列の下側に、風下側
    の下部伝熱管列に流入した冷媒が風上側に迂回して流通
    するように、風下側の下部伝熱管列下端側の伝熱管
    (6)に下部連絡管(25)(26)で接続した氷結防
    止用伝熱管を設けていることを特徴とする請求項1のク
    ロスフィンチューブ型熱交換器。
  3. 【請求項3】 冷媒が蛇行しながら上下方向に流通する
    ように上下に所定の間隔で並設した複数の伝熱管(3〜
    6)の両端を交互に接続して形成した伝熱管列を風上側
    と風下側とにそれぞれ配置し、風上側伝熱管列と風下側
    伝熱管列との各下端の伝熱管(4)(6)の端部同士を
    相互に接続して成るクロスフィンチューブ型熱交換器で
    あって、風上側伝熱管列と風下側伝熱管列とをそれぞれ
    上部伝熱管列と下部伝熱管列とに分割すると共に、風上
    側の上部伝熱管列下端の伝熱管(3)と風下側の下部伝
    熱管列上端の伝熱管(6)との各端部同士を相互に接続
    する第1中間部連絡管(11)と、風上側の下部伝熱管
    列上端の伝熱管(4)と風下側の上部伝熱管列下端の伝
    熱管(6)との各端部同士を相互に接続する第2中間部
    連絡管(12)とを設けていることを特徴とするクロス
    フィンチューブ型熱交換器。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの熱交換器の1
    種類又は複数種類を上下複数段設けていることを特徴と
    するクロスフィンチューブ型熱交換器。
  5. 【請求項5】 請求項2の熱交換器を最下段に配置した
    ことを特徴とする請求項4のクロスフィンチューブ型熱
    交換器。
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