JPH1124668A - 電磁音響変換装置 - Google Patents

電磁音響変換装置

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JPH1124668A
JPH1124668A JP9174987A JP17498797A JPH1124668A JP H1124668 A JPH1124668 A JP H1124668A JP 9174987 A JP9174987 A JP 9174987A JP 17498797 A JP17498797 A JP 17498797A JP H1124668 A JPH1124668 A JP H1124668A
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signal
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electromagnetic
coil
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Masahiro Hibino
昌弘 日比野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音声や騒音を再生する機能を、薄い構造形態
で、且つ高低温、高湿、高塵などの厳しい環境条件下で
も利用できる電磁音響変換装置を提供する。 【解決手段】 第1励磁装置70の出力電流が供給され
た第1加振コイル30に流れる励磁電流と振動板10に
誘起される渦電流との間に働く電磁反発力によって変調
信号に応じた振動加振力を得、この振動加振力により音
声あるいは騒音信号の再生音を発生するように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電気信号に変換さ
れた音声や騒音信号を再生するスピーカである電磁音響
変換装置に係り、特に導電体の振動板に誘起する渦電流
と励磁電流の間に発生する電磁反発力(ローレンツ力)
によって振動板が振動する原理を利用した電磁音響変換
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図29は例えば特開昭56−9797号
公報に示された従来の電磁力を利用した発音体である電
磁音響変換装置の構成図である。この図29においてA
はスピーカ本体、Bは励磁回路装置、1は枠体、2は底
板、3は励磁コイル、3a,3bはリード線、4は磁
極、5は磁性の基板、6は永久磁石、7は振動板、8,
9はコネクタである。
【0003】また、図30及び図31は励磁電流の波形
例を示す図である。図30において、a1は周期T0の
パルス性の周期性電流波形、a2は周期T1の断続信号
波形、a3はa2の周期で断続された周期性電流波形、
a4はa3の励磁電流で駆動された振動板の振動波形で
ある。図31において、b1は周波数f0の正弦波状の
周期性電流波形、b2は周波数f2の変調信号波形、b
3は変調された周期性電流波形である。
【0004】次に動作について説明する。この電磁音響
変換装置は、アラーム時計などの信号音発音用に供せら
れるスピーカである。励磁回路装置Bは図30に示した
ように周期性電流を所定の周波数で断続あるいは図31
に示したように正弦波信号による変調を行ったうえで、
励磁コイル3に給電する。
【0005】励磁コイル3は磁極4とともに交流電磁石
を形成する。電磁石が発生した交流磁界は、永久磁石6
で磁気バイアスされた振動板7に交番電磁力を与え、振
動板7を所定の周波数で振動させる。振動板7の固有振
動数と励磁電流の周期を一致させれば振動板7は激しく
振動し、この励磁周波数の2倍の周波数を可聴限界外
に、断続あるいは変調周波数を所望の信号音の周波数に
合わせれば、効率良く信号発生音を得ることができる。
【0006】この従来技術は、金属の平板に直接電磁力
を起こし、振動させるため、発音体全体を薄く構成でき
る。また振動板7を含む構成部品はほとんどが金属、無
機質材で形成されているため、高い温度、低い気温の環
境にも適用できる。
【0007】この例の他に、音声や騒音信号を再生する
電磁音響変換装置として、コーン型振動板にムービング
コイルを取り付け、ムービングコイルを永久磁石で形成
した磁場の中に入れ、このコイルに音声信号などを増幅
して生成した電流を流し、磁場の磁力線と、コイル電流
間で発生する電磁力(ファラデー力)で振動板を振動さ
せて発音する動電型コーンスピーカが一般的なものとし
て利用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の電磁音響変換装
置は以上のように構成されているので、図29に示した
振動板7の固有振動と電磁力(磁気圧)という物理現象
を利用して単一の信号音を発生するものであるため、音
声や騒音信号など複雑な周波数成分で形成される信号音
を発生できるものではなく、ましてや、録音されて電気
信号に変換された音声や騒音信号を再生することができ
ないなどの課題があった。
【0009】また、コーン型スピーカである電磁音響変
換装置においては、加振力を得るためにコーン形振動板
の中央部に設けた別体のコイルが必要であり、このため
スピーカ全体の振動方向に占める長さが大きくなるなど
の課題があった。
【0010】更に、振動板の軽量化のために、紙などの
繊維質で成形されていたり、有機接着剤が使われていた
りすることにより、利用できる温度範囲が狭いなど、環
境適用性が十分ではなく、このことから携帯機器のよう
に厚さの許容範囲が狭く、また色々な環境で使われる機
器や、自動車ANC(Active Noise Contorol )用など
薄型かつ耐環境特性の要求されるところには適さないな
どの課題があった。
【0011】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、音声や騒音を再生する機能を、薄
い構造形態で、且つ高低温、高湿、高塵などの厳しい環
境条件下でも利用できる電磁音響変換装置を得ることを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る電磁音響変換装置は、第1励磁装置の出力電流が供給
された第1加振コイルに流れる励磁電流と振動板に誘起
される渦電流との間に働く電磁反発力によって変調信号
に応じた振動加振力を得、この振動加振力により音声あ
るいは騒音信号の再生音を発生するものである。
【0013】請求項2記載の発明に係る電磁音響変換装
置は、振動板の一部分に電気的絶縁性磁性材による磁性
板を設け、磁性板と対向する位置に永久磁石手段を設け
たものである。
【0014】請求項3記載の発明に係る電磁音響変換装
置は、第1励磁装置の出力電流が供給された第1加振コ
イルに流れる励磁電流と振動板に誘起される渦電流との
間に働く電磁反発力によって第1変調信号に応じた第1
振動加振力と直流的反発力を得、第2電力増幅手段の出
力電流が供給された第2加振コイルと磁性板との間に働
く磁気吸引力によって第2変調信号に応じた第2振動加
振力と直流的吸引力を得、直流的反発力と直流的吸引力
が互いに相殺され、第1及び第2振動加振力が合力とし
て振動板に作用することにより、音声あるいは騒音信号
の再生音を発生するものである。
【0015】請求項4記載の発明に係る電磁音響変換装
置は、第1電力増幅手段の出力電流が供給された第3加
振コイルに流れる励磁電流と振動板に誘起される渦電流
との間に働く電磁反発力によって第1変調信号に応じた
振動加振力と直流的反発力を得、第2電力増幅手段の出
力電流が供給された第4加振コイルに流れる励磁電流と
振動板に誘起される渦電流との間に働く電磁反発力によ
って第3変調信号に応じた振動加振力と直流的反発力を
得、双方の直流反発力が互いに作用方向が逆であること
により相殺され、双方の振動加振力が合力として振動板
に作用することによって、音声あるいは騒音信号の再生
音を発生するものである。
【0016】請求項5記載の発明に係る電磁音響変換装
置は、振動板を、単一有機材、複数種類の有機材の積層
材、有機材の成形材のいずれかで形成された板と、この
板に埋め込み或いは貼り合わせられた導電及び非磁性金
属板とで構成したものである。
【0017】請求項6記載の発明に係る電磁音響変換装
置は、振動板の板及び非磁性金属板を、複数種類の形状
に成形したものである。
【0018】請求項7記載の発明に係る電磁音響変換装
置は、振動板を、0.4mm〜1.6mmの銅板、ある
いは0.5mm〜2.0mmのアルミニウム板としたも
のである。
【0019】請求項8記載の発明に係る電磁音響変換装
置は、弾性支持手段を、振動板の周辺部を挟み込む高密
度グラスウール材あるいはゴム材により構成したもので
ある。
【0020】請求項9記載の発明に係る電磁音響変換装
置は、弾性支持手段を、振動板の端部の複数箇所に溶接
あるいはネジ止め固定した金属製スプリング材で構成し
たものである。
【0021】請求項10記載の発明に係る電磁音響変換
装置は、振動板の外面あるいは内面にリブ材を設けたも
のである。
【0022】請求項11記載の発明に係る電磁音響変換
装置は、弾性支持手段を、グラスウール材に金属製スプ
リング材を埋め込んだ構造としたものである。
【0023】請求項12記載の発明に係る電磁音響変換
装置は、弾性支持手段を、加振コイルと振動板との間に
設けたものである。
【0024】請求項13記載の発明に係る電磁音響変換
装置は、加振コイルを、電気的に直列接続して複数個設
けたものである。
【0025】請求項14記載の発明に係る電磁音響変換
装置は、振動板の外面に、絵柄、文字、記号を書き込む
或いは刷り込む、または絵柄、文字、記号を記したシー
トを張り合わせることによる視覚的情報手段を付したも
のである。
【0026】請求項15記載の発明に係る電磁音響変換
装置は、振動板の外側に電子的表示機能を有する表示パ
ネルを固着し、上記表示パネルが上記振動板の一部を兼
ねるようにしたものである。
【0027】請求項16記載の発明に係る電磁音響変換
装置は、加振コイルのリード線と枠体に設けられたコネ
クタとの間に静電容量素子を接続したものである。
【0028】請求項17記載の発明に係る電磁音響変換
装置は、励磁装置に、一定値でバイアスした音声信号の
波形瞬時値を変換し、電磁力の空隙依存性を補償する数
値変換手段を備えたものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による電
磁音響変換装置の構成図である。但し、電磁音響変換装
置は以降の説明においてスピーカと表現する場合もあ
る。この図において、60はスピーカ本体(第1スピー
カ本体)、70は励磁装置(第1励磁装置)、62はコ
ネクタ61を介して励磁装置70とスピーカ本体60と
を接続し、励磁装置70からスピーカ本体60へ電流を
供給するための励磁ケーブル、100は予め録音され電
気信号に変換された音声信号を出力するMDプレヤ等の
オーディオ出力装置、101はオーディオ出力装置10
0から励磁装置70に信号を伝えるための信号ケーブ
ル、10は導電、非磁性材料による振動板、20は可撓
かつ弾性材料による弾性支持手段、50はスピーカ本体
60の枠を形成する枠体(第1枠体)である。
【0030】また、スピーカ本体60はその断面図であ
る図2に示すように、振動板10に空隙Gを挟んで対向
した形で加振コイル(第1加振コイル)30が埋設さ
れ、磁極40が枠体50の一部分である基板50cに設
置されている。振動板10は弾性支持手段20a、20
bに挟まれて支持され、弾性支持手段20a、20bの
他方の面は枠体50に固定されている。加振コイル30
はリード線31によって、図1に示したコネクタ61を
介して励磁ケーブル62と電気的に接続されている。
【0031】励磁装置70はその回路構成図である図3
に示すように、交番電圧発生手段71、変調手段(第1
変調手段)72、電力増幅手段(第1電力増幅手段)7
3を具備して構成されている。変調手段72は入力信号
である音声信号v(t)に一定の量αを加算する加算手
段74、加算手段74の出力S1と交番電圧信号a
(t)を掛け合わせる乗算手段75から構成されてい
る。
【0032】次に動作について説明する。オーディオ出
力装置100から出力された音声信号v(t)は励磁装
置70の変調手段72に変調信号として供給される。変
調手段72は、加算手段74により音声信号v(t)に
一定値αでバイアスをかけた後、乗算手段75によって
交番電圧発生手段71の発生する交番電圧信号a(t)
に変調(すなわち掛け算)を施して出力する。但し、交
番電圧信号a(t)の周波数は所望の音声信号v(t)
の周波数帯域の上限よりも大きくする。
【0033】この変調手段72における各信号波形の一
例を図4の(a)〜(d)に示す。(a)は音声信号v
(t)の波形、(b)は一定値αのバイアス信号、
(c)は交番電圧信号a(t)の波形、(d)は変調後
の出力波形である。また、(a)〜(d)において、横
軸は時間軸、縦軸は振幅を示す。
【0034】電力増幅手段73は、変調手段72から出
力される変調信号を電力増幅する。励磁装置70は、励
磁ケーブル62を介して励磁電流をスピーカ本体60に
供給する。
【0035】スピーカ本体60に供給された励磁電流は
リード線31を介して加振コイル30を流れ、磁極40
を励磁し、振動板10に音声信号で変調を受けた交番磁
力線を鎖交させる。この時、振動板10はその内部に誘
起した渦電流と加振コイル30を流れる励磁電流との間
に働く電磁反発力を受ける。
【0036】この電磁反発力は後に詳しく説明するが直
流反発力と、変調信号に対応する振動加振力と、交番電
圧信号周波数の2倍の振動加振力との三つの成分からな
る。振動板10は弾性支持手段20と共にこの中の変調
信号に対応する振動加振力によって振動し、音声を放射
する。
【0037】ここで、この発明の電磁音響変換装置(ス
ピーカ)の基本原理を説明する。大きくは3つの要素原
理の組み合わせで構成される。
【0038】1番目は、振動板10を音声信号の時間変
化波形に対応させて振動させれば、音声再生音が大気中
に放射されるという音響放射の原理、2番目は、加振コ
イル30と導電性の振動板10との間に働くローレンツ
力を主とした電磁力、3番目は、音声信号を比較的高い
周波数(5kHz〜20kHz)に変調波として載せて
励磁電流とするところの変調方式である。
【0039】1番目の原理は、従来のコーンスピーカの
音放射原理と変わるところはない。ここでこの発明の要
点とするところは、2番目の電磁加振力の発生手段と、
3番目の音声信号変調手段に係わる原理である。
【0040】これら原理を数式やグラフを用いて説明す
る。先ず、ノーテーションを次のようにする。 v=v(t):音声あるいは騒音の電気信号(時間波形
信号)。 a=Am sin2πfs t :交番電圧信号(基本的に
は周波数fsの正弦波の時間変化波形)。 s1 =v(t)+α :変調信号(時間変化波形)但し
αは一定値。 es =es (t):電力増幅された後の変調された交番
電圧信号(時間波形)この電源が加振コイル30に励磁
電流を供給する。 ic ・n=ic ・n(t):加振コイル電流とコイルの
巻回数の積[AT]ベクトル量。 Hi=Hi(t):加振コイル30を流れる励磁電流が
作る磁界強度[AT/m]ベクトル量。 j =j(t):振動板10を流れる渦電流の電流密度
[A/m2]ベクトル量。 g :振動板10と加振コイル30の間に存在する空隙
の長さ[m]。 δ :スキンデプス(磁力線の浸透深さ:表面磁界が1
/eに減衰する深さ)[m]。 F=F(t): 電磁力[N]。 fs : 交番電圧信号の周波数。 μ0 : 空気の透磁率(4π×10-7)。
【0041】電力増幅手段73の出力は電流増幅率をβ
として、es =β・s1 ・Am sin2πfs tで表さ
れる。この出力は加振コイル30に供給され、加振コイ
ル30の電気的インピーダンスZc に応じて、加振コイ
ル電流のic =es /Zc をコイル30に流す。このコ
イル電流は、コイルの巻回数をnとしたときic ・nの
起磁力を発生する。起磁力の存在する電磁場において
は、いろいろな物理的諸元がmaxwellの電磁界方
程式によって関係づけられ、求められる。ここで振動板
10の表面に働く電磁力は、次式(1)で示される。
【0042】 F=∫Σ{(Hs ・n)Hs −(1/2)・Hs 2・n}da ・・・(1)
【0043】但し、Σは振動板10表面の全領域、Hs
は振動板10表面における磁界強度、nは法線ベクト
ル、daは面積積分要素を示す。振動板10が非磁性の
場合、μは空気の透磁率と同じμ0となる。
【0044】上式(1)右辺の第1項は吸引力の成分で
ある。また磁界強度の法線成分は渦電流Jによるカウン
タ磁界によって弱められるので小さい。第2項は反発力
の成分である。磁界強度の自乗(ベクトル積)の法線方
向成分なので、第2項が優位成分となる。
【0045】従って電磁力のトータルは振動板10を加
振コイル30から遠ざける方向に働く反発電磁力であ
る。反発電磁力は、振動板10表面における磁界強度の
接線成分が大きく、法線成分が小さい電磁界分布が形成
されると効率良く発生する。このような分布は、振動板
10の固有電気抵抗が小さい程、振動板10の厚さ、面
積が大きい程、振動板10と加振コイル30、磁極の空
隙が小さい程、また励磁周波数がある程度まで高い程、
大きくなる。
【0046】なお、式(1)は、電磁力の大きさが、系
(電磁界分布)が同じであれば磁界強度の大きさの自乗
に比例することを物語っている。従って、磁界強度は起
磁力に比例するので比例係数をkとして
【0047】 F=k・(ic n)2 =k・(es n/Zc2 =k・(βns1m ・sin2πfs t/Zc2 =kt ・s12 sin2 2πfs t となる。 但し、kt =kβn2m 2/Zc2
【0048】ここでS1 は音声波形の時間変化信号に一
定値をバイアスとして加えた形、すなわち
【0049】 S1 =α+V(t) ・・・(2)
【0050】なので F=kt ・(α2 +2αV(t)+V2 )(1/2)
(1−cos4πfs t) となる。
【0051】ここでバイアスαを音声波形の大きさに比
べて相当(10倍以上)に大きくすれば、上式は次式
(3)のように近似できる。
【0052】 F≒kt α2 /2+kt αV(t)−kt α2 / 2cos4πfs t−kt αV(t)cos4πfs t ・・・(3)
【0053】この式(3)で、第1項は直流反発力成
分、第2項は音声波形v(t)による加振力成分、第
3、第4項は周波数2fs[Hz]の振動加振力成分で
ある。次に振動板、弾性支持手段で形成される振動系に
おいて動く部分の質量をM、ばね定数をκ、機械抵抗を
rとすると機械インピーダンスZm は、角速度ω(=2
πf)として、Zm =jωM+K/jω+Rである。こ
こで
【0054】ωM=K/ω となる共振周波数f0 を低音域の低い周波数例えば50
〜300Hzになるよう、振動板10の質量及び弾性支
持手段20a、20bのばね特性を選ぶ。
【0055】また前記の交番電圧の周波数fs をf0
比して高く例えば5k〜50kHzに選ぶならば、式
(5)の第3、第4項の振動加振力による振動は振動系
の慣性抵抗によって−30dB程度以下に小さく押さえ
られる。
【0056】このことの理解を深めるために図5を示
す。この図は振動板10の振動系機械インピーダンスZ
mの1事例について、振動周波数fを横軸にして描いた
ものである。図中に追記したf0 が振動系の共振周波
数、fs が加振力の周波数の一例である交番電圧信号周
波数、帯域Aとあるのはこの発明のスピーカが再生する
音声帯域である。
【0057】交番電圧信号a(t)に基づく加振力に対
するインピーダンス(Z2fs で図示)は音声再生帯域の
インピーダンスZs に比べて非常に大きいことが分か
る。従って振動板10は音声信号v(t)にしたがった
加振力を支配的な力として受けて振動し、音声再生音を
放射することになる。
【0058】繰り返して説明するならば、この発明の基
本的な特長は3つ有り、1つ目は、式(1)の示す電磁
力の成分の中で非磁性、導電材の場合に支配的となる反
発力を利用すること。2つ目は、式(3)に示されたよ
うに一定値αでバイアスされた音声信号v(t)を交番
電圧信号a(t)の変調信号とすること。3つ目は、振
動板振動共振周波数に対して交番電圧信号a(t)の周
波数fs を十分に大きくとって交番電磁力による振動放
射音を極力抑制することである。
【0059】ここで、上記の電磁音響変換装置の構成要
素の材質及びサイズ等を、図6を参照して具体的に説明
する。但し、音声再生周波数帯域が100〜7kHzで
あることを前提条件とする。
【0060】振動板10にはアルミニウム金属円板を用
いる。アルミニウムは導電率が高く、非磁性であるとと
もに、他の高導電金属に比較して比重が小さい。従って
電磁反発力も得やすくかつ振動板10の機械インピーダ
ンスも小さいものが設計でき、スピーカとしての総合能
率を高くすることができる。
【0061】また、振動板10として必要な厚さは、ス
キンデプスの評価式(δ=SQRT(2ρ/ωμ))か
ら決定する。励磁周波数(交番電圧信号a(t)の周波
数)20kHzのときのアルミニウムのスキンデプスδ
は約0.6mmである。従って、電話音声帯域を再生帯
域とする場合は振動板の厚さは0.5〜2mmとするの
が望ましい。これより薄い板とすると、電磁力が減少す
る反面、ジュール発熱が増加する。なお、銅板の場合
は、固有抵抗ρがアルミニウムより40%ほど低いの
で、最適な板厚は0.4〜1.6mmである。
【0062】弾性支持手段20は、振動板10の周縁部
をリング状の数mm厚の高密度グラスウールで挟み込ん
だ構造とする。グラスウールは、ばね性と適度なダンピ
ング特性を与え、耐熱性も有る。空隙Gは1〜2mm程
度とする。空隙Gは狭いほど電磁力発生効率(単位アン
ペアターン当たりの電磁力)が良くなるが、振動板10
の振動ストロークが狭くなること及び、電磁力の空隙依
存性が大きくなり、因って、再生音に非線型歪みが発生
しやすくなる。前記した空隙長とするのは、最大ストロ
ーク長を1mm程度のスピーカとするためである。
【0063】次に、加振コイル30は、励磁周波数に応
じて、できるだけ細い(0.4mm程度以下)絶縁電線
を撚り合わせたいわゆるリッツ線とするのが望ましい。
これはコイルでの渦電流や、環流損失を抑制し、スピー
カとしての総合能率を向上するためである。
【0064】磁極40は、励磁電流が比較的高い(20
kHz)ので、加振コイル30と同じく渦電流の流れに
くい材料、ここでは磁性粉体成形材料例えばフェライト
で形成する。但し、磁極40はこの発明のスピーカにお
いて必ずしも必要なものではない。例えば、図6に示す
ように磁極40は設けないで、基板50cを高抵抗磁性
材料としても良い。その代わり何らかのコイル支持手段
を設ける。
【0065】枠体50は、スチールやプラスティックな
どの材料で、板金、成形などによって作る。枠体50は
弾性支持手段20a、20b、および加振コイル30を
支持固定することにより、振動板10と加振コイル30
の間の空隙を所定の長さに確保する役目を担う。また振
動板10、支持手段20を合わせて、密閉に近い空間を
確保し、振動板10の背面からの放射音波を外部に出さ
ないようにすることも枠体50の役目である。但し、枠
体50に一部開放部を設け、バスレフ方式のスピーカと
することもできる。
【0066】交番電圧信号a(t)の周波数の選択は、
この発明のスピーカにとって最も重要な課題である。何
故なら、電磁力の大きさ、それによって引き起こされる
振動加振力の大きさ、電磁力発生効率、加振コイル30
の電気的インピーダンス、電子回路(特にパワートラン
ジスタ)、放射周波数の聴感特性との係わりなどスピー
カ性能に大きく係わるからでる。
【0067】20kHzを交番電圧信号a(t)の周波
数に選ぶと、この信号a(t)だけの場合は40kHz
の電磁加振力となる。この40kHzは普通、人間の聞
こえる限界周波数を大きく超える。また振動板10の質
量による慣性力により、高い周波数では、振動板10は
振動し難くなる。
【0068】周波数を高くし過ぎると、加振コイル30
や増幅回路のジュール損失が増えて、効率を悪くするこ
とや、空中に不要輻射の電波を放出する割合が大きくな
ったりする。また、交番電圧発生手段71は、オーディ
オ機器などで常用される、演算増幅用半導体集積回路、
抵抗、コンデンサで構成されるRC発振回路であって良
い。加算手段74、乗算手段75も同様にて構成され
る。
【0069】電力増幅手段73には、ターンオフ時間の
短いパワートランジスタを用いる。但し、電力増幅手段
73の負荷である加振コイル30はほとんどがリアクタ
ンス成分であるところの高いインピーダンスを有する。
従って、加振コイル30に所定のアンペアターン:数1
00ATを供給するためには、高電圧の出力となること
に留意が必要である。
【0070】上述のような材質及びサイズ等とすること
により、スピーカ本体60の肉厚を5〜20mm程度の
薄型とすることができ、また100℃を越える高温環境
でも動作不能となることがない堅牢なスピーカとするこ
とができる。
【0071】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、導電、非磁性の振動板10、振動板10と空隙Gを
挟んで対向配置された加振コイル30、振動板10を支
える弾性支持手段20a、20b、弾性支持手段20
a、20bと加振コイル30を所定の配置で固定支持す
る枠体50で構成されたスピーカ本体60、一定の周波
数の交番電圧信号a(t)を発生する交番電圧発生手段
71、電気信号v(t)に予め変換された音声あるいは
騒音信号に一定値のバイアス信号αを加えた信号s1
で、交番電圧信号a(t)を変調し、この変調信号を出
力する変調手段72、変調手段72の出力信号を電力増
幅する電力増幅手段73で構成される励磁装置70から
成り、励磁装置70の出力電流をスピーカ本体60の加
振コイル30に供給し、かかる加振コイル30に流れる
励磁電流と振動板10に誘起される渦電流の間に働く電
磁反発力によって変調信号es(t)に応じた振動加振
力を得、かかる振動加振力によって音声あるいは騒音信
号v(t)の再生音を放射するようにしたので、平板形
状の振動板10に直接振動力を生み出し、音声や、騒音
信号を再生できる薄型の電磁音響変換装置とすることが
でき、また、剛性のある且つ温度などの使用環境適合性
の高い材料で構成され、有機接着剤を使うことがないの
で、高温環境においても使用できる電磁音響変換装置と
することができる効果が得られる。
【0072】実施の形態2.図7はこの発明の実施の形
態2による電磁音響変換装置におけるスピーカ本体の構
造断面図である。この図7において図2の各部に対応す
る部分には同一符号を付す。図7において、15は振動
板10の一部分に磁極40と対向する位置に固着された
磁性材料による磁性板、34は磁性板15に対向する位
置に加振コイル30と並べて設けられた永久磁石手段で
ある。
【0073】次に動作について説明する。振動板10に
は、式(3)の第1項に相当する直流的反発力が作用し
ている。この力は、弾性支持手段20に常時一定の応力
をかけていることになるので、ばね効果の上下(図にお
いて)非対象性が現れやすくなり、よって放射音も歪ん
だものとなる可能性がある。
【0074】この実施の形態2は、その点を改良するこ
とを考えたものであり、磁性板15と永久磁石手段34
との間に作用する磁気吸引力によって振動板10に下向
き(加振コイル30向き)の力を加える。磁気吸引力
は、磁性板15と永久磁石手段34の間にできる空隙長
さや、磁性板15の材料(比透磁率)を選択することに
より調整でき、前記した直流的反発力と同程度の大きさ
とする。
【0075】このように調整することによって、スピー
カとして動作中、振動板10には、吸引力、反発力が拮
抗して、直流的反発力がほとんどかからず、非線形振動
による音質劣化が抑制される。
【0076】なお、加振コイル30の発生する交番磁束
が磁性板15に鎖交するとその磁界による交番吸引力や
渦電流による発熱が起こるので、できるだけ鎖交しない
よう配置を工夫する必要がある。特に発熱は問題が大き
い。但し、磁性板15を磁性粉体成形やレジン含侵材料
で作れば発熱は起こらない。
【0077】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、磁性板15と永久磁石手段34との間に作用する磁
気吸引力によって振動板10に加振コイル30向きの力
を加えるようにしたので、スピーカとして動作中、振動
板10に、吸引力、反発力が拮抗して、直流的反発力が
ほとんどかからず、非線形振動による音質劣化を抑制で
きる効果が得られる。
【0078】実施の形態3.図8はこの発明の実施の形
態3による電磁音響変換装置におけるスピーカ本体の構
造断面図である。この図8において図7の各部に対応す
る部分には同一符号を付す。図8において、12は振動
板10に埋め込まれるあるいは貼り合わされた実施の形
態5〜8で詳細に説明する非磁性金属板、35は図7に
示した永久磁石手段34に代えて設けられた加振コイル
(第2加振コイル)、36は永久磁石手段34に代えて
設けられ、加振コイル35の横に配置された磁極、50
aは枠体(第2枠体)、60aはスピーカ本体(第2ス
ピーカ本体)である。
【0079】また、図9はこの発明の実施の形態3によ
る電磁音響変換装置における励磁装置の回路構成図であ
る。図9において、70aは励磁装置(第2励磁装
置)、72aは変調手段(第2変調手段)、79は音声
信号v(t)の位相を180度反転する反転手段、80
は変調信号のバイアスとして用いるバイアス値αと反転
された音声信号−v(t)を加算する加算手段、77は
加算手段80の出力信号を既定値C倍する乗算手段、7
8は乗算手段77の出力信号で交番電圧信号a(t)を
変調する乗算手段、73aは乗算手段78から出力され
る変調信号(第2変調信号)を電力増幅して加振コイル
35に励磁電流er (t)を供給するための電力増幅手
段(第2電力増幅手段)である。なお、加算手段74、
乗算手段75、電力増幅手段73、交番電圧発生手段7
1は図3と同構成である。
【0080】次に動作について説明する。上記実施の形
態1及び2は、振動板10の加振力に反発電磁力のみを
利用したものであったが、この実施の形態3では、反発
電磁力に加えて磁気吸引力(磁性体の表面に作用する磁
気圧力)をも利用しようとするものである。このことに
より振動板を加振する力は2倍にでき、放射音の音圧レ
ベルを高めることができる。
【0081】音声信号v(t)を加算手段74で一定値
バイアスの後、乗算手段75で交番電圧信号a(t)を
変調して加振コイル30に励磁電流を流し、電磁反発力
を得るための励磁系統にもう一つの励磁系統を加える。
【0082】すなわち、音声信号v(t)を反転手段7
9で位相反転(デジタル数値の場合は符号反転)し、こ
の反転音声信号−v(t)に加算手段80でバイアス値
αを加算し、更に乗算手段77により既定値Cでスケー
リングした後、交番電圧信号a(t)を変調し、電力増
幅73aで増幅した後、その出力er (t)を、磁気吸
引力を得るための加振コイル35に供給する。
【0083】この追加された励磁系統は式(1)の電磁
力表現式において、磁性体表面であること、従って透磁
率μが大きいこと及び法線成分が多いことにより、第1
項(Hs ・n)Hs が第2項に比べて圧倒的に大きい。
【0084】従って、磁性板15に働く電磁力は、∫Σ
μr ・μ0 (Hs ・n)Hs として計算できる。Hs
加振コイル35に流れる励磁電流ir と、加振コイルタ
ーン数nr の積であるアンペアターンで作り出され、結
局、吸引力は加振コイルアンペアターンの自乗に比例し
た形で表現できる。
【0085】そこで、加振コイル35に供給する電流i
r は、加振コイル35の電気的インピーダンスをZr
すると ir =er /Zr =γ・C・s2 ・a/Zr 但し、γは増幅手段の増幅率、Cは乗算手段77の乗算
係数、 s2 =−v(t)+α そこで吸引電磁力Fr は、比例係数をkr とすると Fr =kr ・(irr2 =kr ・(γ・C・s2 ・nr ・a/Zr2 =ktr ・s2 2sin2 2πfs t ここでs2 =α−V(t)であるから、
【0086】 Fr =ktr・(α2 −2αV(t)+V2 )(1/2)(1−cos4πfs t) ・・・(4) となる。
【0087】この式(4)によっても、電磁力は、直流
吸引力成分、音声波形による加振力成分、周波数fs
2倍の振動加振力成分から成り立っていることが分か
る。
【0088】ここで、式(3)のkt を参照して、ktr
=ktとなるようγやCを選ぶこととすると、振動板1
0に加わる電磁力の合力は Ft =ktr・(α2 −2αV(t)+V2 )(1/2)(1−cos4πfs t) −kt ・(α2 +2αV(t)+V2 )(1/2)(1−cos4πfs t) =−2kt αV(t)(1−cos4πfs t) ・・・(5) となり、直流反発力と吸引力が相殺して消滅し、音声信
号成分の振動加振力と、音声波形で変調された交番電圧
信号の2倍の周波数成分の交番電磁力のみとなる。
【0089】すでに説明しているように、後者の成分に
ついては、振動板10の慣性質量の影響と、人間の聴覚
限界から、再生音への影響は小さいので、式(5)は実
質的には、音声信号による振動加振力だけと考える事が
できる。
【0090】但し、加振コイル30に流れる励磁電流と
加振コイル35に流れる励磁電流とは、一般的には位相
が異なっており、従って電磁力のうち、交番電圧周波数
の2倍の振動加振力も位相が異なっている。
【0091】このことを考慮すると、式(5)の第2項
は補正されなければならないが、この発明の原理上では
問題とならない。
【0092】更に、この実施の形態3によれば、V
(t)のレベルに対する制約条件は|V(t)|≦αだ
けであり、極端には交番電圧信号a(t)の振幅の半分
まで取り得る。従って、加振力発生能率は実施の形態1
の構成に比べ格段に向上する。
【0093】但し、この実施の形態3においては、反発
力と吸引力の作用する場所が異なるため、振動板10の
剛性が小さい場合は、強制変形や変形振動を起こす欠点
がある。これに対しては、図10に示すように、振動板
10の両面あるいは片面において反発力と吸引力のそれ
ぞれ力点を結びさらにその力点を延長した範囲に補強リ
ブ16を付けることで改善する。
【0094】また、図11に示すように、従来コーン型
スピーカで採用されているハネカム構造のハネカム振動
板10aをアルミなどの導電性の高い金属で作り、そこ
に、アルミのドーナツリングと極薄の珪素鋼板で作成し
た磁性板15を貼り合わせる構造としても良い。
【0095】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、電力増幅手段73の出力電流を加振コイル30に供
給し、かかる加振コイル30に流れる励磁電流と振動板
10に誘起される渦電流との間に働く電磁反発力によっ
て変調信号に応じた振動加振力と直流的反発力を得、電
力増幅手段73aの出力電流を加振コイル35に供給
し、かかる加振コイル35と磁性板15との間に働く磁
気吸引力によって変調信号に応じた振動加振力と直流的
吸引力を得、直流的反発力と直流的吸引力は互いに相殺
し、振動加振力は合力として振動板10に作用し、よっ
て音声あるいは騒音信号の再生音を発生するようにした
ので、弾性支持手段20の静的な変位がなく、より非線
形歪みの小さい、及び振動加振力が増大し、より再生音
圧の高いスピーカとすることができる効果が得られる。
【0096】実施の形態4.図12はこの発明の実施の
形態4による電磁音響変換装置におけるスピーカ本体の
構造断面図である。この図12において図6の各部に対
応する部分には同一符号を付す。図12(a)におい
て、30a,30bは振動板10を挟み同じ長さの空隙
を有して対向配置された加振コイル(第3及び第4加振
コイル)、40a,40bは加振コイル30a,30b
を枠体(第3枠体)50bに固定する支持体、60bは
スピーカ本体(第3スピーカ本体)である。但し、支持
体40bについては、図12(b)に外観を示すよう
に、音の放射孔を確保できるような構造(例えば梁構造
など)とすることが要件となる。
【0097】図13はこの発明の実施の形態4による電
磁音響変換装置における励磁装置の回路構成図である。
図13において、70bは励磁装置(第3励磁装置)、
71は交番電圧信号発生手段、72bは変調手段(第3
変調手段)である。
【0098】次に動作について説明する。この実施の形
態4の特徴は変調手段72bにある。この変調手段72
bは音声信号v(t)を2系統の回路に入力する。一方
は一定値αを加算手段74によって加算し、交番電圧信
号a(t)を乗算手段75によって乗算(変調)し、こ
の変調信号を電力増幅手段73に出力する。
【0099】他方は、位相反転手段79で位相を反転
(デジタル数値信号の場合は符号反転)し、一定値αと
加算手段80で加算し、交番電圧信号a(t)を乗算手
段78によって乗算(変調)し、この変調信号(第3変
調信号)を電力増幅手段73aに出力する。
【0100】電力増幅手段73,73aは、出力である
励磁電流を、それぞれスピーカ本体60bの加振コイル
30a,30bにコネクタ61a,61b、リード線3
1a,31bを経由して供給する。このようなスピーカ
本体60bの構成を、励磁方式としたことにより、振動
板10の受ける加振力は、以下のようになる。
【0101】加振コイル30aによって発生する電磁反
発力は、 Fa=kt ・(α2 +2αV(t)+V2 )(1/2)
(1−cos4πfs t) 一方、加振コイル30bによって発生する電磁反発力
は、力の方向が前者に対して逆であることを考慮して、 Fb=−kt ・(α2 −2αV(t)+V2 )(1/
2)(1−cos4πfs t) である。
【0102】よって、振動板10の受ける加振力は F=Fa +Fb =2kt αV(t)(1−cos4πfs t)となる。
【0103】この式は前項の実施の形態における合成力
を表す式(5)と同じ表現である。従って、直流電磁力
は存在しない。また、この実施の形態4によれば、電磁
力の空隙依存性が両側にある空隙が互いに非線形特性を
補って、線形特性に近づけるので、放射音の非線形歪み
は小さい。
【0104】また、打ち消し合うように働く電磁反発力
の振動板10上の力点の位置は同一の個所(表裏は異な
る)なので、直流反発力による振動板の変形は起こり難
いし、交番電磁力による変形振動の発生も小さい。従っ
て、振動板10にことさら剛性をたかめるためのリブ補
強は必要でない。
【0105】更に、加振コイル30a,30bが音放射
面側にも必要となる欠点があるが、振動板10の設計尤
度や励磁装置70励磁回路の調整が容易であるなどの利
点に加え、音質の良いスピーカが得られる利点がある。
【0106】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、第1電力増幅手段73の出力電流を第1加振コイル
30aに供給し、この加振コイル30aに流れる励磁電
流と振動板10に誘起される渦電流の間に働く電磁反発
力によって変調信号に応じた振動加振力と直流的反発力
を得、第2電力増幅手段73aの出力電流を第2加振コ
イル30bに供給し、この加振コイル30bに流れる励
磁電流と振動板に誘起される渦電流の間に働く電磁反発
力によって変調信号に応じた振動加振力と直流的反発力
を得、直流反発力は両者の作用方向が逆のために相殺
し、一方、振動加振力は合力として振動板10に作用す
ることによって、音声あるいは騒音信号の再生音を発生
するようにしたので、弾性支持手段20の静的な変位及
び振動板10の静的な変形がなく、より非線形歪みが小
さく、振動加振力が増大し、より再生音圧の高いスピー
カとすることができる効果が得られる。
【0107】実施の形態5.図14はこの発明の実施の
形態5による電磁音響変換装置における振動板の構造断
面図であり、この図において、10aは板11と非磁性
金属板12とで構成された振動板、11は振動板10a
を構成する、木材、樹脂積層材、樹脂成形材などの有機
材による板、12は板11に埋め込まれるか、貼り合わ
された高導電、非磁性の金属による環状の非磁性金属板
である。但し、振動板10aは、実施の形態1,2,4
で説明したスピーカ本体60,60a,60bのいずれ
かの振動板10として適用可能である。
【0108】次に動作について説明する。非磁性金属板
12を流れる渦電流に相当する環電流によって電磁反発
力が発生し、有機材の板11の部分を一緒に振動させ音
声波を放射する。非磁性金属板12は円形の加振コイル
30に対向する位置に来るように、その内径r1と外径
r2を選ぶ。このような振動板10aとすれば、振動加
振力はほとんど減らないで、慣性質量が小さくなるの
で、スピーカとしての能率が向上する。
【0109】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、振動板10aを木材、樹脂積層あるいは成形材の一
部分に環状の高導電、非磁性金属板12を埋め込むか、
貼り合わせた構造としたことで、振動板10aの完成質
量を小さくでき、よって、スピーカとしての再生能率
を、より高くすることができる効果が得られる。
【0110】実施の形態6.図15はこの発明の実施の
形態6による電磁音響変換装置における振動板及び加振
コイルの構造図である。また、図15の(a)は分解
図、(b)は断面図である。図15において、10bは
円形板11bに非磁性金属板12bを組み合わせた振動
板、11bは木材、樹脂の積層あるいは成形による円形
板、12bは導電、非磁性の金属による矩形状の非磁性
金属板である。この場合、加振コイル30は例えば矩形
状に巻回した構造とする。但し、振動板10bは、実施
の形態1,2,4で説明したスピーカ本体60,60
a,60bのいずれかの振動板10として適用可能であ
る。
【0111】次に動作について説明する。金属板10b
と加振コイル30を同じ矩形状とすることにより電磁反
発力の発生効率(振動板単位面積当たりの力)が高くな
る。この実施の形態6の要点は、振動板10bが受ける
振動加振力は矩形状の金属板12bの周辺部に位置する
のに対し、振動板10b全体の弾性振動モードの基本パ
ターンは円形状(太鼓モード)であることから、弾性振
動が起こりにくい点にある。従って、再生音質の劣化が
抑制される。
【0112】以上のように、この実施の形態6によれ
ば、振動板10bを木材、樹脂積層あるいは成形材の円
形板11bの中央部に、矩形状の導電及び非磁性金属板
12bを埋め込む構造としたことで、振動板10bの剛
性を高めることなく、弾性振動を抑制し、混変調歪み
の、より小さい再生音とすることができる効果が得られ
る。
【0113】実施の形態7.図16はこの発明の実施の
形態7による電磁音響変換装置における振動板及び加振
コイルの構造図である。また、図16の(a)は分解
図、(b)は断面図である。図16において、10cは
矩形板11cに非磁性金属板12cを組み合わせた振動
板、11cは木材、樹脂の積層あるいは成形による矩形
板、12cは導電、非磁性の金属による円形状の非磁性
金属板である。この場合、加振コイル30は例えば円形
状に巻回した構造とする。但し、振動板10cは、実施
の形態1,2,4で説明したスピーカ本体60,60
a,60bのいずれかの振動板10として適用可能であ
る。
【0114】次に動作について説明する。非磁性金属板
12cと加振コイル30を同じ円形状とすることにより
電磁反発力の発生効率(振動板単位面積当たりの力)が
高くなる。この実施の形態7の要点は、振動板10cが
受ける振動加振力は円形状の金属板12cの周辺部に位
置するのに対し、振動板10c全体の弾性振動モードの
基本パターンは直線状(波板モード)であることから、
弾性振動が起こりにくい点にある。従って、再生音質の
劣化が抑制される。
【0115】以上のように、この実施の形態7によれ
ば、振動板10cを木材、樹脂積層あるいは成形材の矩
形状の非磁性金属板11cの中央部に、円形状の導電、
非磁性金属板12cを埋め込む構造としたことで、振動
板10cの剛性を高めることなく、弾性振動を抑制し、
混変調歪みの、より小さい再生音とすることができる効
果が得られる。
【0116】実施の形態8.図8はこの発明の実施の形
態8による電磁音響変換装置におけるスピーカ本体の断
面構造図であり、この図において、10は実施の形態5
〜7で説明した振動板10a,10b,10cのいずれ
かを用いた振動板、15は振動板10に埋め込まれ、あ
るいは貼り合わされた実施の形態2,3で説明した高抵
抗磁性板である。
【0117】図17はこの発明の実施の形態8による電
磁音響変換装置における励磁装置の回路構成図であり、
この図において、70cは励磁装置、72cは変調手
段、77はバイアス値αを既定値C倍する乗算手段、7
3aは乗算手段77の出力を電力増幅する電力増幅手段
である。
【0118】次に動作について説明する。励磁装置70
cは電力増幅手段73が加振コイル30に音声信号v
(t)で変調された交番電圧信号a(t)に対応した電
流を供給すると同時に、電力増幅手段73aが加振コイ
ル35にバイアス値αに相当した電流を供給する。これ
によって、振動板10に固着された磁性板15が、加振
コイル35と磁極36で形成される電磁石によって磁気
吸引力を受ける。
【0119】吸引力の大きさは、励磁電流によって決ま
り、すなわち変調信号のバイアス値αに相当したものと
なっている。振動板10に働く直流反発力はやはりαに
相当したものであるから、乗算係数に当たる係数Cを適
当な値に選べば、吸引力と直流反発力は振動板10にお
いて相殺される。
【0120】以上のように、この実施の形態8によれ
ば、振動板10を木材、樹脂積層あるいは成形材の円形
状板の、中央部に磁性金属小円形板を、周縁部に導電、
非磁性金属環を埋め込む構造としたので、振動板10の
慣性質量がより小さくなり、よってスピーカとしての再
生能率を、より向上することができる効果が得られる。
【0121】また、吸引力と直流反発力が振動板10に
おいて相殺されるようにしたので、非線形歪みの小さい
再生音が得られ、また吸引力の調整は電気的に行なえる
ので簡単且つ確実である効果が得られる。
【0122】実施の形態9.図18はこの発明の実施の
形態9による電磁音響変換装置における弾性支持手段の
構造断面図である。但し、図18の(a)はコイルば
ね、(b)は板ばねの場合を示している。図18におい
て、20cは枠体50にボルトどめや溶接によって固定
された金属製のコイルばね(金属製スプリング材)によ
り形成された弾性支持手段、20dは枠体50にボルト
どめや溶接によって固定された金属製の板ばね(金属製
スプリング材)により形成された弾性支持手段、10は
アルミニウム等の金属板による振動板である。
【0123】次に動作について説明する。弾性支持手段
20c,20d及び振動板10が金属製なので、スピー
カを極低温から300度摂氏程度までの広範な温度環
境、例えば自動車排気管で使用することができる。
【0124】以上のように、この実施の形態9によれ
ば、弾性支持手段20c、20dを、振動板10の端部
の複数個所に溶着あるいはネジどめ固定した金属製スプ
リング材で構成したので、より厳しい環境で使用できる
スピーカとすることができる効果が得られる。
【0125】実施の形態10.図19はこの発明の実施
の形態10による電磁音響変換装置における振動板の構
造断面図であり、図において、10は振動板、14は振
動板10に接着、溶着、あるいはしぼり出し加工で設け
たリブ(骨)材である。但し、振動板10が円形状の場
合は、リブ材14は直線形状が望ましい。
【0126】次に動作について説明する。振動板10に
リブ材14が固定されているので、軸対象状で加わった
振動電磁力に対して、振動板は弾性振動を起こしにくく
なり、歪み波成分の音放射を抑制することができる。な
お、振動板にリブを設けるようなことは、従来のコーン
型スピーカなどでは不可能か可能であっても得策ではな
かった。平板の振動板10を電磁反発力を利用して振動
させる上記構成によって、特段に歪み波成分の音放射を
抑制することができる。
【0127】以上のように、この実施の形態10によれ
ば、振動板10の外側あるいは内側面にリブ材14を設
け、弾性振動に対する剛性を高めたことで、弾性振動に
対する剛性を高め、よって歪みの小さい再生音とするこ
とができる効果が得られる。
【0128】実施の形態11.図20はこの発明の実施
の形態11による電磁音響変換装置における弾性支持手
段の構造断面図であり、図において、20cはコイルば
ね、20eはグラスウール材、20はグラスウール材2
0eにコイルばね20cを埋め込んで形成された弾性支
持手段である。
【0129】次に動作について説明する。この弾性支持
手段20は、コイルばね20cによる適度なばね性とグ
ラスウール材20eによる適度な機械抵抗を有する弾性
支持手段20を用いたので、音声の再生帯域を狭くする
ことで、再生音圧を大きくすることができる。
【0130】以上のように、この実施の形態13によれ
ば、弾性支持手段20を、グラスウール材20eにコイ
ルばね材20cを埋め込んだ構造としたので、弾性支持
手段20が適度な機械抵抗を有するので音声の再生帯域
が狭くなり、再生音圧を大きくすることができ、これに
よって設計裕度すなわち、より広い適用範囲のスピーカ
とすることができる効果が得られる。
【0131】実施の形態12.図21はこの発明の実施
の形態12による電磁音響変換装置における弾性支持手
段の構造断面図である。この図21(a)及び(b)に
おいて、10は円板状の振動板、20e,20gは振動
板10の中心よりに配置されると共に加振コイル30の
上方に配置され、数本(図示では2本)の梁部53,5
4で支えられて固定された弾性支持手段であるグラスウ
ール材、53,54はグラスウール材20e,20gを
支えて固定するための梁部である。
【0132】次に動作について説明する。この実施の形
態12の要件は、加振コイル30が弾性支持手段20
e,20gの直下に配置されていることであり、このよ
うにすることによって、電磁加振力が、振動板10の弾
性振動モードの節、すなわち支持されている5カ所に加
わるのみであるから、強度変形が起こりにくく、変形振
動を起こす危険性が小さくなる。
【0133】以上のように、この実施の形態12によれ
ば、加振コイル30と振動板10との間にグラスウール
材20gを設けたので、強度変形が起こりにくく、変形
振動を起こす危険性が小さくなり、このことによって振
動板10の強度変形による振動を抑制し、放射音特性を
改善することができる効果が得られる。
【0134】実施の形態13.図22はこの発明の実施
の形態13による電磁音響変換装置における加振コイル
の構造断面図であり、図において、30c,30dは小
型加振コイル、40a,40bは加振コイル30c,3
0dを埋め込む磁極であり、加振コイル30c,30d
は電気的に直列接続される。
【0135】次に動作について説明する。上記実施の形
態1〜12においては、加振コイル30は円形状、矩形
状を問わず1個であった。図23に示すように、振動板
10は剛性が小さい場合、電磁力の加わる加振コイル3
0の近傍が変形しながら振動する、いわゆる変形振動が
起こる。これは振動板10が変形せずに前面一体となっ
て振動する場合に比べ音波の放射能率を落とし、また指
向特性にも影響を及ぼす可能性がある。実施の形態13
は、この問題を改善する。
【0136】図22に示すように、加振コイル30c,
30dを複数個用いると、これら加振コイル30c,3
0dは電気的には直列に接続し、励磁装置60から励磁
電流の供給を受ける。このように加振コイル30c,3
0dを複数個とすることにより、振動板10への加振点
が分散し、且つ均等な力での加振となるので変形振動を
抑制することができる。なお、加振コイル30c,30
dを直列に接続するのは、各加振コイル30c,30d
に同じ電流が流れることによって、同じ電磁加振力が得
られるからである。
【0137】以上のように、この実施の形態13によれ
ば、加振コイル30c,30dを複数個設けたので、振
動板10の強制変形や弾性振動を小さくし、非線形歪み
の、より小さい再生音とすることができる効果が得られ
る。
【0138】実施の形態14.図24はこの発明の実施
の形態14による電磁音響変換装置における振動板の外
形図であり、図において、18は振動板10に印刷ある
いは彫刻された記号、文字、絵柄、または振動板10に
貼り付けられたシートに印刷された記号などの視覚的情
報手段である。
【0139】次に動作について説明する。振動板10に
視覚的情報手段18を付すことによって、音声波形の放
射による聴覚的情報伝達と、同じ振動板10により視覚
的な情報伝達を同時に得ることができる。これは、コー
ン型スピーカなど従来のスピーカでは文字や図形の表示
が不可能か、可能であっても視覚的情報については十分
な情報伝達はできなかったが、この平板かつ樹脂積層板
や、金属で形成する振動板10であれば、視覚的情報手
段18を付すことが可能なので、視覚的情報伝達を行う
ことができる。
【0140】以上のように、この実施の形態14によれ
ば、振動板10の外面に視覚的情報手段18を付したの
で、振動板10を視覚的情報の伝達機能を兼ねるように
することができ、スピーカと表示パネルの設置スペース
効率を高め、よって携帯電子機器等にそのスピーカを用
いれば機器の小型化が図れる効果が得られる。
【0141】実施の形態15.図25はこの発明の実施
の形態15による電磁音響変換装置のスピーカ本体の構
造断面図であり、図において、200は例えばLCDパ
ネル、EL(Electro Luminessense)、PD(Plasma Disp
lay)、LED(Light Emitted Diode )、VFD(Vacuum
Fluphoressense Display )などの電子的表示機能を有
し、接着やねじ止めなどの方法で振動板10に固定さ
れ、図では上側が表示面となる表示パネル、201は表
示パネル200に表示信号や、電気エネルギーを供給す
るための柔らかい可能性のあるケーブル、202はケー
ブル201と接続され、また図示せぬ外部の表示ドライ
バからのケーブルを接続し、枠体50にねじ止めなどの
方法で設けられたコネクタである。
【0142】次に動作について説明する。この実施の形
態15では振動加振力は振動板10で発生し、振動板1
0と一体となって振動する表示パネル200が音声波形
を外部に放射すると同時に表示パネル200は電子的に
制御された情報表示を行う。
【0143】従って、表示パネル200に表示された物
語の文章文字を見ながら、その文章を朗読した音声を、
あたかもその文字から出てくるがごとき印象で聞くこと
ができ、歌っている歌手の姿や、顔を表示パネルで写す
ならば、あたかもその歌手(映像)の口から声が出てく
るような印象を与えることができる。
【0144】以上のように、この実施の形態15によれ
ば、振動板10の外側に電子的表示機能を有する表示パ
ネル200、例えばLCDパネルを固着し、表示パネル
200自体が振動板10の一部を兼ねるようにしたの
で、スピーカと表示器の設置スペース効率を高めると共
に、AVソースの再生を、より臨場感のあるものとする
ことができる効果が得られる。
【0145】実施の形態16.図26はこの発明の実施
の形態16による電磁音響変換装置におけるスピーカ本
体の構成を示す概念図であり、図において、63は加振
コイル30のリード線31とコネクタ61の間に電気的
に接続され、磁極40と枠体50で囲まれた位置に固定
された進相用コンデンサ(静電容量素子)である。
【0146】次に動作について説明する。この発明のス
ピーカは加振力を得る原理から、加振コイル30の電気
的インピーダンスが極端にリアクティブであり、励磁電
源の力率特性は非常に小さくならざるを得ない。従っ
て、所定の電流を供給するためには励磁装置70の電力
増幅手段73は高電圧の出力を必要とする。また励磁ケ
ーブル62にも耐電圧特性が要求されることになる。
【0147】そこで、上記したように進相用コンデンサ
63を設ける。進相用コンデンサ63の静電容量値は、
加振コイル30の時間平均的なリアクタンスをL、交番
電圧信号の周波数fs としたとき、C=1/(2πf
s2 ・Lで求められる共振のための値の半分程度とす
る。
【0148】これによりアンプ側から見たインピーダン
スが半分程度に減少し、それに伴い、出力電圧も半分程
度に下げることができる。また振動板10の振動による
コイルのリアクタンス変動など、リアクタンスの変動に
よる加振コイル電流への影響(惹いては再生音質への影
響)も大きくはない。またケーブル62の耐電圧も容易
になる。
【0149】以上のように、この実施の形態16によれ
ば、加振コイル30のリード線31と、枠体50に設け
たコネクタ61との間に進相用コンデンサ63を接続挿
入したことにより、励磁装置70の必要とする出力電圧
を下げることができ、ケーブル62も耐電圧特性も低い
もので済むので、より安価なスピーカとすることができ
る効果が得られる。
【0150】実施の形態17.図27はこの発明の実施
の形態17による電磁音響変換装置の励磁装置の回路構
成図であり、図において、76は図3に示した励磁装置
70の加算手段74と乗算手段75との間に接続され、
数値αでバイアスされた音声信号S1を補正した数値デ
ータS1aを出力する数値変換テーブルによる数値変換
手段である。また、この例では入力信号v(t)がデジ
タル化された信号であるものとし、この場合、増幅手段
73が、デジタル/アナログ変換手段を内蔵するものと
する。
【0151】次に動作について説明する。電磁反発力
は、図28に示すように、振動板10と加振コイル30
との間の空隙長に依存する。およそ指数関数の形で、空
隙が大きくなるにつれて、反発力は小さくなる。振動板
の振動ストロークが小さい場合は問題は小さいが、スト
ロークが大きくなると、再生音の波形歪みが無視できな
くなる。
【0152】そこで、実施の形態17はその問題を解決
する数値変換手段を提供するものである。数値変換手段
76は、数値αでバイアスされた音声信号S1を入力し
て補正を施した数値データS1aを出力する。ここで、
数値変換手段76、即ち数値変換テーブルの中身は、空
隙特性を補償する内容とし、全ての設計条件が定まった
後で、具体的な変換数値を求めることになる。
【0153】以上のように、この実施の形態17によれ
ば、励磁装置70が、一定値でバイアスした音声信号波
形瞬時値を変換する数値変換手段76を擁し、電磁力の
空隙依存性を補償するようにしたので、非線形歪みの、
より小さい再生音を得ることが出来る効果が得られる。
【0154】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、第1励磁装置の出力電流が供給された第1加振コ
イルに流れる励磁電流と振動板に誘起される渦電流との
間に働く電磁反発力によって変調信号に応じた振動加振
力を得、この振動加振力により音声あるいは騒音信号の
再生音を発生するように構成したので、振動板に直接音
声や、騒音信号の振動力を生み出す薄型のスピーカとす
ることができる効果がある。
【0155】請求項2記載の発明によれば、振動板の一
部分に電気的絶縁性磁性材による磁性板を設け、磁性板
と対向する位置に永久磁石手段を設けて構成したので、
永久磁石手段による振動板への吸引力により、加振コイ
ルによる直流電磁反発力を減殺でき、よって弾性支持手
段の偏移が抑制され、非線形歪みの、より小さい再生音
を得ることができる効果がある。
【0156】請求項3記載の発明によれば、直流的反発
力と直流的吸引力が互いに相殺され、第1及び第2振動
加振力が合力として振動板に作用することにより、音声
あるいは騒音信号の再生音を発生するように構成したの
で、弾性支持手段の静的な変位がなく、より非線形歪み
の小さい、及び振動加振力が増大し、より再生音圧の高
いスピーカとすることができる効果がある。
【0157】請求項4記載の発明によれば、双方の直流
反発力が互いに作用方向が逆であることにより相殺さ
れ、双方の振動加振力が合力として振動板に作用するこ
とによって、音声あるいは騒音信号の再生音を発生する
ように構成したので、弾性支持手段の静的な変位及び振
動板の静的な変形がなく、より非線形歪みの小さい、及
び振動加振力が増大し、より再生音圧の高いスピーカと
することができる効果がある。
【0158】請求項5記載の発明によれば、振動板を、
単一有機材、複数種類の有機材の積層材、有機材の成形
材のいずれかで形成された板と、この板に埋め込み或い
は貼り合わせられた導電及び非磁性金属板とで構成した
ので、振動板の剛性を高めることなく、弾性振動を抑制
し、混変調歪みの、より小さい再生音とすることができ
る効果がある。
【0159】請求項6記載の発明によれば、振動板の板
及び非磁性金属板を、複数種類の形状に成形して構成し
たので、振動板の剛性を高めることなく、弾性振動を抑
制し、混変調歪みの、より小さい再生音とすることがで
きる効果がある。
【0160】請求項7記載の発明によれば、振動板を、
0.4mm〜1.6mmの銅板、あるいは0.5mm〜
2.0mmのアルミニウム板として構成したので、簡便
で堅牢かつ安価なスピーカとすることができる効果があ
る。
【0161】請求項8記載の発明によれば、弾性支持手
段を、振動板の周辺部を挟み込む高密度グラスウール材
あるいはゴム材により構成したので、ダンピング性能と
スプリング性能を同一部材で得られ、より簡便安価なス
ピーカとすることができる効果がある。
【0162】請求項9記載の発明によれば、弾性支持手
段を、振動板の端部の複数箇所に溶接あるいはネジ止め
固定した金属製スプリング材で構成したので、より厳し
い環境で使用できるスピーカとすることができる効果が
ある。
【0163】請求項10記載の発明によれば、振動板の
外面あるいは内面にリブ材を設けて構成したので、弾性
振動に対する剛性を高め、よって歪みの小さい再生音と
することができる効果がある。
【0164】請求項11記載の発明によれば、弾性支持
手段を、グラスウール材に金属製スプリング材を埋め込
んで構成したので、弾性支持手段が適度な機械抵抗を有
するので音声の再生帯域が狭くなり、再生音圧を大きく
することができ、これによって設計裕度すなわち、より
広い適用範囲のスピーカとすることができる効果があ
る。
【0165】請求項12記載の発明によれば、弾性支持
手段を、加振コイルと振動板との間に設けて構成したの
で、強度変形が起こりにくく、変形振動を起こす危険性
が小さくなり、これによって振動板の強度変形による振
動を抑制し、放射音特性を改善することができる効果が
ある。
【0166】請求項13記載の発明によれば、加振コイ
ルを、電気的に直列接続して複数個設けて構成したの
で、振動板の強制変形や弾性振動を小さくし、非線形歪
みの、より小さい再生音とすることができる効果があ
る。
【0167】請求項14記載の発明によれば、振動板の
外面に、絵柄、文字、記号を書き込む或いは刷り込む、
または絵柄、文字、記号を記したシートを張り合わせる
ことによる視覚的情報手段を付して構成したので、スピ
ーカと表示パネルの設置スペース効率を高め、よって携
帯電子機器の小型化が計れる効果がある。
【0168】請求項15記載の発明によれば、振動板の
外側に電子的表示機能を有する表示パネルを固着し、上
記表示パネルが上記振動板の一部を兼ねるように構成し
たので、スピーカと表示器の設置スペース効率を高める
と共に、AVソースの再生を、より臨場感のあるものと
することができる効果がある。
【0169】請求項16記載の発明によれば、加振コイ
ルのリード線と枠体に設けられたコネクタとの間に静電
容量素子を接続して構成したので、励磁装置の必要とす
る出力電圧を下げることができ、ケーブルも耐電圧特性
も低いもので済むので、より安価なスピーカとすること
ができる効果がある。
【0170】請求項17記載の発明によれば、励磁装置
に、一定値でバイアスした音声信号の波形瞬時値を変換
し、電磁力の空隙依存性を補償する数値変換手段を備え
て構成したので、非線形歪みの、より小さい再生音を得
ることが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による電磁音響変換
装置の構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による電磁音響変換
装置のスピーカ本体の構造断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による電磁音響変換
装置の励磁装置の回路構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による電磁音響変換
装置の励磁装置の動作を説明するための図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による電磁音響変換
装置の動作を説明するための振動系機械インピーダンス
の周波数依存性を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態1による電磁音響変換
装置の具体的な構成を説明するための断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態2による電磁音響変換
装置のスピーカ本体の構造断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態3及び実施の形態8に
よる電磁音響変換装置のスピーカ本体の構造断面図であ
る。
【図9】 この発明の実施の形態3による電磁音響変換
装置の励磁装置の回路構成図である。
【図10】 図8に示すスピーカ本体の振動板の構造図
である。
【図11】 図8に示すスピーカ本体の振動板の他の構
造図である。
【図12】 この発明の実施の形態4による電磁音響変
換装置のスピーカ本体の構造断面図である。
【図13】 この発明の実施の形態4による電磁音響変
換装置の励磁装置の回路構成図である。
【図14】 この発明の実施の形態5による電磁音響変
換装置の振動板の構造断面図である。
【図15】 この発明の実施の形態6による電磁音響変
換装置の振動板と加振コイルの構造断面図である。
【図16】 この発明の実施の形態7による電磁音響変
換装置の振動板と加振コイルの構造断面図である。
【図17】 この発明の実施の形態8による電磁音響変
換装置の振動板と加振コイルの構造断面図である。
【図18】 この発明の実施の形態9による電磁音響変
換装置の弾性支持手段の構造断面図である。
【図19】 この発明の実施の形態10による電磁音響
変換装置の振動板の外観図である。
【図20】 この発明の実施の形態11による電磁音響
変換装置における弾性支持手段の構造断面図である。
【図21】 この発明の実施の形態12による電磁音響
変換装置における弾性支持手段の構造断面図である。
【図22】 この発明の実施の形態13による電磁音響
変換装置の加振コイルの構造断面図である。
【図23】 この発明の実施の形態13による電磁音響
変換装置の振動板の静的力による変形の様子を示す図で
ある。
【図24】 この発明の実施の形態14による電磁音響
変換装置の振動板の外観図である。
【図25】 この発明の実施の形態15による電磁音響
変換装置のスピーカ本体の構造断面図である。
【図26】 この発明の実施の形態16による電磁音響
変換装置のスピーカ本体の概念図である。
【図27】 この発明の実施の形態17による電磁音響
変換装置の励磁装置の回路構成図である。
【図28】 電磁音響変換装置の原理に関わる電磁力発
生効率の空隙依存性を示す図である。
【図29】 従来の電磁音響変換装置の振動板の外観図
である。
【図30】 従来の電磁音響変換装置の励磁装置の動作
を説明するための電流波形図である。
【図31】 従来の電磁音響変換装置の励磁装置の動作
を説明するための他の電流波形図である。
【符号の説明】
10,10a,10b,10c 振動板、12,12
b,12c 非磁性金属板、14 リブ材、15 電気
的絶縁性磁性板、18 視覚的情報手段、20弾性支持
手段、20c コイルばね(金属製スプリング材)、2
0d 板ばね(金属製スプリング材)、20e、20g
グラスウール材、30 加振コイル(第1加振コイ
ル)、30a 加振コイル(第3加振コイル)、30b
加振コイル(第4加振コイル)、30c,30d 小
型の加振コイル、34 永久磁石手段、35 加振コイ
ル(第2加振コイル)、36 磁極、40 磁極)、5
0枠体(第1枠体)、50a 枠体(第2枠体)、50
b 枠体(第3枠体)、60 スピーカ本体(第1スピ
ーカ本体)、60a スピーカ本体(第2スピーカ本
体)、60b スピーカ本体(第3スピーカ本体)、6
1 コネクタ、62励磁ケーブル、63 進相用コンデ
ンサ(静電容量素子)、70 励磁装置(第1励磁装
置)、70a 励磁装置(第2励磁装置)、70b 励
磁装置(第3励磁装置)、71 交番電圧発生手段、7
2 変調手段(第1変調手段)、72a変調手段(第2
変調手段)、72b 変調手段(第3変調手段)、73
電力増幅手段(第1電力増幅手段)、73a 電力増
幅手段(第2電力増幅手段)、76 数値変換手段、2
00 表示パネル。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定周波数の交番電圧信号を発生する交
    番電圧発生手段と、予め電気信号に変換された音声ある
    いは騒音信号に一定値のバイアス信号を加えた信号で交
    番電圧信号を変調し、この変調により得られる第1変調
    信号を出力する第1変調手段と、上記変調信号を電力増
    幅する第1電力増幅手段とを有する第1励磁装置と、上
    記第1励磁装置の出力電流が供給される第1加振コイル
    と、上記第1加振コイルと空隙を挟んで対向配置され、
    上記第1加振コイルに流れる励磁電流に応じて誘起され
    る渦電流とその励磁電流との間に働く電磁反発力を受け
    る導電及び非磁性の振動板と、上記振動板を支える弾性
    支持手段と、上記弾性支持手段と上記第1加振コイルと
    を所定の配置で固定支持する第1枠体とを有する第1ス
    ピーカ本体とを備えた電磁音響変換装置。
  2. 【請求項2】 振動板の一部分に電気的絶縁性磁性材に
    よる磁性板を設け、上記磁性板と対向する位置に永久磁
    石手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の電磁音
    響変換装置。
  3. 【請求項3】 一定周波数の交番電圧信号を発生する交
    番電圧発生手段と、予め電気信号に変換された音声ある
    いは騒音信号に一定値のバイアス信号を加えた信号で交
    番電圧信号を変調して第1変調信号を出力すると共に、
    上記音声あるいは騒音信号を位相反転あるいは符号反転
    した信号と上記バイアス信号を加算し、この加算信号を
    既定値倍した信号で、上記交番電圧信号を変調して第2
    変調信号を出力する第2変調手段と、上記第1変調信号
    を電力増幅する第1電力増幅手段と、上記第2変調信号
    を電力増幅する第2電力増幅手段とを有する第2励磁装
    置と、上記第1励磁装置の出力電流が供給される第1加
    振コイルと、上記第1加振コイルと空隙を挟んで対向配
    置され、上記第1加振コイルに流れる励磁電流に応じて
    誘起される渦電流とその上記励磁電流との間に働く電磁
    反発力を受ける導電及び非磁性の振動板と、上記第2電
    力増幅手段の出力電流が供給される第2加振コイルと、
    上記振動板の一部分に設けられ、且つ上記第2加振コイ
    ルと対向する位置に配置され、上記第2加振コイルとの
    間で磁気吸引力が働く電気的絶縁性磁性材による磁性板
    と、上記振動板を支える弾性支持手段と、上記弾性支持
    手段と上記第1及び第2加振コイルとを所定位置で固定
    支持する第2枠体とを有する第2スピーカ本体とを備え
    た電磁音響変換装置。
  4. 【請求項4】 一定周波数の交番電圧を発生する交番電
    圧発生手段と、予め電気信号に変換された音声あるいは
    騒音信号に一定値のバイアス信号を加えた信号で交番電
    圧信号を変調して第1変調信号を出力すると共に、上記
    音声あるいは騒音信号を位相反転あるいは符号反転した
    信号と上記バイアス信号を加算した信号で、交番電圧信
    号を変調して第3変調信号を出力する第3変調手段と、
    上記第1変調信号を電力増幅する第1電力増幅手段、上
    記第3変調信号を電力増幅する第2電力増幅手段を有す
    る第3励磁装置と、上記第1電力増幅手段の出力電流が
    供給される上記第3加振コイルと、上記第2電力増幅手
    段の出力電流が供給される上記第4加振コイルと、上記
    第3及び第4加振コイルが両表面から空隙を挟んで対称
    的に配置され、上記第3加振コイルに流れる励磁電流に
    応じて誘起される渦電流とその励磁電流との間に働く電
    磁反発力を受けると共に、上記第4加振コイルに流れる
    励磁電流に応じて誘起される渦電流とその励磁電流との
    間に働く電磁反発力を受ける導電及び非磁性の振動板
    と、上記振動板を支える弾性支持手段と、上記弾性支持
    手段と上記第3及び第4加振コイルを所定の配置で固定
    支持する第3枠体とを有する第3スピーカ本体を備えた
    ことを特徴とする電磁音響変換装置。
  5. 【請求項5】 振動板を、単一有機材、複数種類の有機
    材の積層材、有機材の成形材のいずれかで形成された板
    と、この板に埋め込み或いは貼り合わせられた導電及び
    非磁性金属板とで構成したことを特徴とする請求項1か
    ら請求項4のうちのいずれか1項記載の電磁音響変換装
    置。
  6. 【請求項6】 振動板の板及び非磁性金属板を、複数種
    類の形状に成形したことを特徴とする請求項5記載の電
    磁音響変換装置。
  7. 【請求項7】 振動板を、0.4mm〜1.6mmの銅
    板、あるいは0.5mm〜2.0mmのアルミニウム板
    を含む構造としたことを特徴とする請求項1から請求項
    4のうちのいずれか1項記載の電磁音響変換装置。
  8. 【請求項8】 弾性支持手段を、振動板の周辺部を挟み
    込む高密度グラスウール材あるいはゴム材により構成し
    たことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいず
    れか1項記載の電磁音響変換装置。
  9. 【請求項9】 弾性支持手段を、振動板の端部の複数箇
    所に溶接あるいはネジ止め固定した金属製スプリング材
    で構成したことを特徴とする請求項1から請求項7のう
    ちのいずれか1項記載の電磁音響変換装置。
  10. 【請求項10】 振動板の外面あるいは内面にリブ材を
    設けたことを特徴とする請求項1から請求項9のうちの
    いずれか1項記載の電磁音響変換装置。
  11. 【請求項11】 弾性支持手段を、グラスウール材に金
    属製スプリング材を埋め込んだ構造としたことを特徴と
    する請求項1から請求項7および請求項10記載のうち
    のいずれか1項記載の電磁音響変換装置。
  12. 【請求項12】 弾性支持手段を、加振コイルと振動板
    との間に設けたことを特徴とする請求項1から請求項7
    および請求項10記載のうちのいずれか1項記載の電磁
    音響変換装置。
  13. 【請求項13】 加振コイルを複数個設けたことを特徴
    とする請求項1から請求項12のうちのいずれか1項記
    載の電磁音響変換装置。
  14. 【請求項14】 振動板の外面に、絵柄、文字、記号を
    書き込む或いは刷り込む、または絵柄、文字、記号を記
    したシートを張り合わせることによる視覚的情報手段を
    付したことを特徴とする請求項1から請求項13のうち
    のいずれか1項記載の電磁音響変換装置。
  15. 【請求項15】 振動板の外側に電子的表示機能を有す
    る表示パネルを固着し、上記表示パネルが上記振動板の
    一部を兼ねるようにしたことを特徴とする請求項1から
    請求項13のうちのいずれか1項記載の電磁音響変換装
    置。
  16. 【請求項16】 加振コイルのリード線と枠体に設けら
    れたコネクタとの間に静電容量素子を接続したことを特
    徴とする請求項1から請求項15のうちのいずれか1項
    記載の電磁音響変換装置。
  17. 【請求項17】 励磁装置に、一定値でバイアスした音
    声信号の波形瞬時値を変換し、電磁力の空隙依存性を補
    償する数値変換手段を備えたことを特徴とする請求項1
    から請求項16のうちのいずれか1項記載の電磁音響変
    換装置。
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